JP5763869B2 - 薄片状銀粉、導電性ペースト、および薄片状銀粉の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、薄片状銀粉、導電性ペースト、および薄片状銀粉の製造方法に関する。
特に、所定平均粒径等を有するとともに、嵩密度が小さい薄片状銀粉、そのような薄片状銀粉を用いた導電性ペースト、およびそのような薄片状銀粉の効率的な製造方法に関する。
特に、所定平均粒径等を有するとともに、嵩密度が小さい薄片状銀粉、そのような薄片状銀粉を用いた導電性ペースト、およびそのような薄片状銀粉の効率的な製造方法に関する。
従来、所定量の金属粉末を、電気絶縁樹脂中に、均一に混合分散させてなる導電性ペーストが使用されている。
このような導電性ペーストに混合分散される金属粉末として、例えば、湿式還元法を用いてなる扁平銀粒子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、湿式還元法により得られる扁平形状の粒子からなる扁平銀粉であって、走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均長径が0.1μm〜1.0μmであり、一次粒子の平均厚さが10nm〜100nmであり、平均長径のCV値が0.3以下であることを特徴とする扁平銀粉である。
また、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による扁平銀粉の平均粒径(D50)は、0.1μm〜0.8μmの範囲内の値である。
そして、かかる扁平銀粉の製造方法としては、硝酸銀と、銀イオン1molあたり0.5mol〜1.0molのクエン酸と、銀イオン1molあたり20g〜40gのゼラチンとを含む銀イオン含有溶液に対して、銀イオン含有溶液の銀イオン1molに対して0.4mol〜0.7molのアスコルビン酸系還元剤を含む還元剤含有溶液を添加することを特徴としている。
このような導電性ペーストに混合分散される金属粉末として、例えば、湿式還元法を用いてなる扁平銀粒子が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、湿式還元法により得られる扁平形状の粒子からなる扁平銀粉であって、走査型電子顕微鏡像(SEM)の画像解析により得られる一次粒子の平均長径が0.1μm〜1.0μmであり、一次粒子の平均厚さが10nm〜100nmであり、平均長径のCV値が0.3以下であることを特徴とする扁平銀粉である。
また、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による扁平銀粉の平均粒径(D50)は、0.1μm〜0.8μmの範囲内の値である。
そして、かかる扁平銀粉の製造方法としては、硝酸銀と、銀イオン1molあたり0.5mol〜1.0molのクエン酸と、銀イオン1molあたり20g〜40gのゼラチンとを含む銀イオン含有溶液に対して、銀イオン含有溶液の銀イオン1molに対して0.4mol〜0.7molのアスコルビン酸系還元剤を含む還元剤含有溶液を添加することを特徴としている。
また、同様に、湿式還元法を用いてなる扁平銀粒子およびその製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
より具体的には、結晶構造に関して、XRD測定によって得られる(111)面のピークP111に対する、(200)面のピークP200の比P200/P111が0.3以下であって、かつ、形態に関して、平面視した場合に、三角形の輪郭を有し、さらに、平均粒径が0.01〜1μmであるとともに、平均厚みが0.001〜0.15μmである扁平銀粒子である。
そして、かかる扁平銀粒子の製造方法としては、水溶性銀化合物を含む水溶液に、カルボン酸類、アミン類又はチオール類を共存させた状態で、60℃以上に加熱し、その状態で、水溶性銀化合物を含む水溶液に対して、還元剤を逐次添加することを特徴としている。
より具体的には、結晶構造に関して、XRD測定によって得られる(111)面のピークP111に対する、(200)面のピークP200の比P200/P111が0.3以下であって、かつ、形態に関して、平面視した場合に、三角形の輪郭を有し、さらに、平均粒径が0.01〜1μmであるとともに、平均厚みが0.001〜0.15μmである扁平銀粒子である。
そして、かかる扁平銀粒子の製造方法としては、水溶性銀化合物を含む水溶液に、カルボン酸類、アミン類又はチオール類を共存させた状態で、60℃以上に加熱し、その状態で、水溶性銀化合物を含む水溶液に対して、還元剤を逐次添加することを特徴としている。
しかしながら、特許文献1に開示された扁平銀粒子は、平均長径が0.1μm〜1.0μmと過度に小さく、洗浄する場合に、限外濾過等の特殊装置を用いる必要があって、製造時間や製造コストがかかり、経済的に不利であるという問題が見られた。
また、得られる扁平銀粒子における平均粒径(D50)の値についても0.1μm〜0.8μmと過度に小さく、導通に際して、粒子同士の接点数が増えることにより、接触抵抗が増加したり、取り扱いが困難になったりするという問題が見られた。
その上、かかる扁平銀粒子を製造するに際して、硝酸銀の湿式還元法を用いているものの、相当量のゼラチンを含有する銀イオン溶液を用いなければならないことから、扁平銀粒子を、ゼラチンからきれいに分離することが困難であるという製造上の問題も見られた。
また、得られる扁平銀粒子における平均粒径(D50)の値についても0.1μm〜0.8μmと過度に小さく、導通に際して、粒子同士の接点数が増えることにより、接触抵抗が増加したり、取り扱いが困難になったりするという問題が見られた。
その上、かかる扁平銀粒子を製造するに際して、硝酸銀の湿式還元法を用いているものの、相当量のゼラチンを含有する銀イオン溶液を用いなければならないことから、扁平銀粒子を、ゼラチンからきれいに分離することが困難であるという製造上の問題も見られた。
また、特許文献2に開示された扁平銀粒子もまた、平均粒径(D50)が0.01μm〜1μmと過度に小さいばかりか、平面形状が概ね三角形に制限されるという問題が見られた。
また、かかる扁平銀粒子を製造するに際して、水溶性銀化合物を含む水溶液に、カルボン酸類、アミン類またはチオール類が共存する状態下、60℃以上に加熱された該水溶液に、還元剤を、数十分かけて逐次添加することが行われており、製造時間が長くかかるという問題も見られた。
また、かかる扁平銀粒子を製造するに際して、水溶性銀化合物を含む水溶液に、カルボン酸類、アミン類またはチオール類が共存する状態下、60℃以上に加熱された該水溶液に、還元剤を、数十分かけて逐次添加することが行われており、製造時間が長くかかるという問題も見られた。
さらに言えば、特許文献1および2に開示された扁平銀粒子は、それぞれ扁平形状であるにもかかわらず、平均粒径(D50)が極端に小さいことから、変形性に乏しく、例えば、導電性ペーストに、接着剤のみならず、所定平均粒径を有する電気絶縁性粒子と一緒に配合した場合、実質的に導通が得られないという問題も見られた。
そこで、本発明者らは鋭意検討した結果、湿式還元法を用いて銀粉を製造する際に、硝酸および有機酸を併用することによって、ゼラチン(保護コロイド剤)を使用することなく、嵩密度が低く、かつ、所定の平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉が効率的に得られ、ひいては、取り扱いが容易になるばかりか、比較的少量の配合であっても良好な電気特性(比抵抗)が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、所定の嵩密度および平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉、そのような薄片状銀粉を用いた電気特性が良好な導電性ペースト、およびそのような薄片状銀粉の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、所定の嵩密度および平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉、そのような薄片状銀粉を用いた電気特性が良好な導電性ペースト、およびそのような薄片状銀粉の効率的な製造方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、湿式還元法で得られてなる薄片状銀粉であって、薄片状銀粉を平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)を1.1〜30μmの範囲内の値とし、薄片状銀粉の厚さを0.01〜2μmとし、薄片状銀粉の嵩密度を0.1〜4g/cm3の範囲内の値とすること、を特徴とする薄片状銀粉が提供され、上述した問題を解決することができる。
すなわち、嵩密度が低く、かつ、所定厚さや平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉であることから、導電性ペーストを構成した場合に、比重を小さくすることができるとともに、良好な電気特性を発揮することができる。
すなわち、嵩密度が低く、かつ、所定厚さや平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉であることから、導電性ペーストを構成した場合に、比重を小さくすることができるとともに、良好な電気特性を発揮することができる。
また、本発明の薄片状銀粉を構成するにあたり、薄片状銀粉を平面視した場合の形状を円形、楕円形、および六角形からなる群から選択される少なくとも一つの形状とすることが好ましい。
このような形状であれば、平均粒径(D50)の制御が容易になって、さらには、取り扱い性をより良好なものとすることができる。
このような形状であれば、平均粒径(D50)の制御が容易になって、さらには、取り扱い性をより良好なものとすることができる。
また、本発明の薄片状銀粉を構成するにあたり、薄片状銀粉の縁に、切り欠け部を有することが好ましい。
このような形態であれば、導電性ペーストを構成した場合に、隣接する薄片状銀粉同士の電気的接触が良好なものとなって、かつ、導電性ペーストに含まれる電気絶縁性粒子の表面に沿って、容易に変形することができる。
このような形態であれば、導電性ペーストを構成した場合に、隣接する薄片状銀粉同士の電気的接触が良好なものとなって、かつ、導電性ペーストに含まれる電気絶縁性粒子の表面に沿って、容易に変形することができる。
また、本発明の薄片状銀粉を構成するにあたり、薄片状銀粉の表面に、有機酸処理が施してあることが好ましい。
このような有機酸による表面処理が施してあれば、複数の薄片状銀粉同士の凝集を有効に防止し、かつ、導電性ペーストを構成する際に、電気絶縁性樹脂との間の親和性を高めることができる。
このような有機酸による表面処理が施してあれば、複数の薄片状銀粉同士の凝集を有効に防止し、かつ、導電性ペーストを構成する際に、電気絶縁性樹脂との間の親和性を高めることができる。
また、本発明の別の態様は、湿式還元法で得られてなる薄片状銀粉と、電気絶縁性樹脂と、を含んでなる導電性ペーストであって、薄片状銀粉を平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)を1.1〜30μmの範囲内の値とし、薄片状銀粉の厚さを0.01〜2μmとし、薄片状銀粉の嵩密度を0.1〜4g/cm3の範囲内の値とすること、を特徴とする導電性ペーストである。
すなわち、嵩密度が低く、所定の平均粒径(D50)を有する粒径のそろった薄片状銀粉を用いていることから、比重を小さくすることができ、かつ、良好な電気特性を発揮することができる。
すなわち、嵩密度が低く、所定の平均粒径(D50)を有する粒径のそろった薄片状銀粉を用いていることから、比重を小さくすることができ、かつ、良好な電気特性を発揮することができる。
また、本発明の導電性ペーストを構成するにあたり、電気絶縁性樹脂が、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、およびシリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。
このような熱硬化性樹脂を含むことにより、良好な接着特性が得られるとともに、環境特性が大きく変化したような場合であっても、良好な電気特性を安定的に維持することができる。
このような熱硬化性樹脂を含むことにより、良好な接着特性が得られるとともに、環境特性が大きく変化したような場合であっても、良好な電気特性を安定的に維持することができる。
また、本発明の導電性ペーストを構成するにあたり、電気絶縁性樹脂が、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
このような熱可塑性樹脂を含むことにより、所定の接着特性が得られるとともに、被着体間の電気特性に不具合が生じたような場合に、それらを容易にリペアすることができる。
このような熱可塑性樹脂を含むことにより、所定の接着特性が得られるとともに、被着体間の電気特性に不具合が生じたような場合に、それらを容易にリペアすることができる。
また、本発明の導電性ペーストを構成するにあたり、樹脂粒子をさらに含むとともに、当該樹脂粒子の外周面に沿って、薄片状銀粉が付着していることが好ましい。
このような樹脂粒子を含むことにより、導電性ペーストの機械的強度や耐熱性等を制御することができるばかりか、薄片状銀粉の配合量がさらに少ない場合であっても、良好な電気特性を得ることができる。
このような樹脂粒子を含むことにより、導電性ペーストの機械的強度や耐熱性等を制御することができるばかりか、薄片状銀粉の配合量がさらに少ない場合であっても、良好な電気特性を得ることができる。
また、本発明の導電性ペーストを構成するにあたり、薄片状銀粉の配合量を、電気絶縁性樹脂100重量部に対して、10〜300重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
このような範囲に薄片状銀粉の配合量を制限することにより、導電性ペーストの電気特性と、機械的強度との間のバランスをさらに良好なものとすることができる。
このような範囲に薄片状銀粉の配合量を制限することにより、導電性ペーストの電気特性と、機械的強度との間のバランスをさらに良好なものとすることができる。
また、本発明のさらに別の態様は、湿式還元法に基づき、硝酸銀を含む第1水溶液と、硝酸銀の還元剤を含む第2水溶液と、を反応させてなる、平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)が1.1〜30μmの範囲内の値であり、厚さが0.01〜2μmの範囲内の値であり、嵩密度が0.1〜4g/cm3の範囲内の値である薄片状銀粉の製造方法であって、第1水溶液および第2水溶液、あるいはいずれか一方の水溶液に、硝酸および有機酸と、がそれぞれ配合してあることを特徴とする薄片状銀粉の製造方法である。
このように薄片状銀粉を製造することにより、ゼラチン等を使用することなく、嵩密度が低く、かつ、所定の平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉を効率的に得ることができる。
このように薄片状銀粉を製造することにより、ゼラチン等を使用することなく、嵩密度が低く、かつ、所定の平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉を効率的に得ることができる。
また、本発明の薄片状銀粉の製造方法を実施するにあたり、第1水溶液および第2水溶液の全体の合計量に対して、硝酸の合計量を、0.1〜10重量%の範囲内の値とし、有機酸の合計量を0.001〜1重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
このように硝酸の合計量および有機酸の合計量を規定して、薄片状銀粉を製造することにより、ゼラチン等を使用することなく、嵩密度が低く、所定の平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉をさらに効率的に得ることができる。
このように硝酸の合計量および有機酸の合計量を規定して、薄片状銀粉を製造することにより、ゼラチン等を使用することなく、嵩密度が低く、所定の平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉をさらに効率的に得ることができる。
また、本発明の薄片状銀粉の製造方法を実施するにあたり、第1水溶液において、第1水溶液の全体量に対して、硝酸銀の配合量を1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
このように硝酸銀の配合量を規定して、薄片状銀粉を製造することにより、嵩密度が低く、所定の平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉をさらに効率的に得ることができる。
このように硝酸銀の配合量を規定して、薄片状銀粉を製造することにより、嵩密度が低く、所定の平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉をさらに効率的に得ることができる。
また、本発明の薄片状銀粉の製造方法を実施するにあたり、第2水溶液において、第2水溶液の全体量に対して、硝酸銀の還元剤の配合量を0.5〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
このように硝酸銀の還元剤の配合量を規定して、薄片状銀粉を製造することにより、嵩密度が低く、所定の平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉をさらに効率的に得ることができる。
このように硝酸銀の還元剤の配合量を規定して、薄片状銀粉を製造することにより、嵩密度が低く、所定の平均粒径(D50)等を有する薄片状銀粉をさらに効率的に得ることができる。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1(a)〜(c)等に例示されるように、湿式還元法で得られてなる薄片状銀粉であって、薄片状銀粉を平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)を1.1〜30μmの範囲内の値とし、薄片状銀粉の厚さを0.01〜2μmとし、薄片状銀粉の嵩密度を0.1〜4g/cm3の範囲内の値とすることを特徴とする薄片状銀粉である。
以下、第1の実施形態の薄片状銀粉について、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
第1の実施形態は、図1(a)〜(c)等に例示されるように、湿式還元法で得られてなる薄片状銀粉であって、薄片状銀粉を平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)を1.1〜30μmの範囲内の値とし、薄片状銀粉の厚さを0.01〜2μmとし、薄片状銀粉の嵩密度を0.1〜4g/cm3の範囲内の値とすることを特徴とする薄片状銀粉である。
以下、第1の実施形態の薄片状銀粉について、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
1.形態
(1)薄片状
図1(a)〜(c)や図2(a)〜(b)、図9に例示されるように、第1の実施形態の銀粉の形態が薄片状であることを特徴とする。
この理由は、銀粉の形態が薄片状であれば、銀粉の嵩密度を低下させるとともに、変形しやすくなるためである。
すなわち、電気絶縁性樹脂と混合し、導電性ペーストを構成した時に、当該導電性ペーストの密度を低下させることができるためである。
また、図3(a)〜(b)に示すように、薄片状銀粉10と、電気絶縁性樹脂12と、樹脂粒子14と、から導電性ペースト16を構成したような場合であっても、薄片状銀粉10が、樹脂粒子14の曲面に沿って容易に変形して、付着することから、導電性ペースト16において、良好な電気特性を得ることができるためである。
事実、図4に示すように、熱硬化させた導電性ペースト16の断面において、複数の薄片状銀粉10が、樹脂粒子14の曲面に沿って容易に変形するとともに、それらが電気的に接触して、導通していることが理解される。
したがって、後述する薄片状銀粉の平均厚さ/平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)の値を、1/3〜1/1000の範囲内の値とすることが好ましく、1/10〜1/500の範囲内の値とすることがより好ましく、1/20〜1/300の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(1)薄片状
図1(a)〜(c)や図2(a)〜(b)、図9に例示されるように、第1の実施形態の銀粉の形態が薄片状であることを特徴とする。
この理由は、銀粉の形態が薄片状であれば、銀粉の嵩密度を低下させるとともに、変形しやすくなるためである。
すなわち、電気絶縁性樹脂と混合し、導電性ペーストを構成した時に、当該導電性ペーストの密度を低下させることができるためである。
また、図3(a)〜(b)に示すように、薄片状銀粉10と、電気絶縁性樹脂12と、樹脂粒子14と、から導電性ペースト16を構成したような場合であっても、薄片状銀粉10が、樹脂粒子14の曲面に沿って容易に変形して、付着することから、導電性ペースト16において、良好な電気特性を得ることができるためである。
事実、図4に示すように、熱硬化させた導電性ペースト16の断面において、複数の薄片状銀粉10が、樹脂粒子14の曲面に沿って容易に変形するとともに、それらが電気的に接触して、導通していることが理解される。
したがって、後述する薄片状銀粉の平均厚さ/平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)の値を、1/3〜1/1000の範囲内の値とすることが好ましく、1/10〜1/500の範囲内の値とすることがより好ましく、1/20〜1/300の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)平面形状
また、図1(a)〜(c)や図2(a)〜(b)、図9に例示されるように、薄片状銀粉を平面視した場合の形状、すなわち、平面形状を円形、楕円形、および六角形からなる群から選択される少なくとも一つの形状とすることが好ましい。
この理由は、このような平面形状であれば、後述する薄片状銀粉の平均粒径(D50)の制御が容易になって、さらには、取り扱い性をさらに良好なものとすることができるためである。
なお、薄片状銀粉の平均形状は、電子顕微鏡写真から直接的に観察することもでき、さらには、当該電子顕微鏡写真から、画像処理装置を用いて算出することもできる。
また、図1(a)〜(c)や図2(a)〜(b)、図9に例示されるように、薄片状銀粉を平面視した場合の形状、すなわち、平面形状を円形、楕円形、および六角形からなる群から選択される少なくとも一つの形状とすることが好ましい。
この理由は、このような平面形状であれば、後述する薄片状銀粉の平均粒径(D50)の制御が容易になって、さらには、取り扱い性をさらに良好なものとすることができるためである。
なお、薄片状銀粉の平均形状は、電子顕微鏡写真から直接的に観察することもでき、さらには、当該電子顕微鏡写真から、画像処理装置を用いて算出することもできる。
(3)平均粒径(D50)
また、薄片状銀粉を平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)を、1.1〜30μmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる薄片状銀粉の平均粒径が1.1μm未満になると、洗浄する場合に、限外濾過等の特殊装置を用いる必要があって、製造時間や製造コストがかかり、経済的に不利であり、凝集して取り扱いが困難となるばかりか、変形しにくくなったり、さらには、電気特性が低下したりする場合があるためである。
一方、かかる薄片状銀粉の平均粒径が30μmを超えると、樹脂中に均一に混合分散することが困難となったり、製造時間が過度に長くなったり、反応制御が困難であったり、ペースト混練時の変形も激しくなったり、さらには、変形しにくくなったりする場合があるためである。
したがって、薄片状銀粉の平均粒径を3〜20μmの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜10μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、薄片状銀粉の平均粒径(D50)は、図5〜7に例示するように、平面視した場合の円相当径として、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置により測定することができるし、あるいは電子顕微鏡写真から実測することもでき、さらには、当該電子顕微鏡写真から、画像処理装置を用いて算出することもできる。
また、薄片状銀粉を平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)を、1.1〜30μmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる薄片状銀粉の平均粒径が1.1μm未満になると、洗浄する場合に、限外濾過等の特殊装置を用いる必要があって、製造時間や製造コストがかかり、経済的に不利であり、凝集して取り扱いが困難となるばかりか、変形しにくくなったり、さらには、電気特性が低下したりする場合があるためである。
一方、かかる薄片状銀粉の平均粒径が30μmを超えると、樹脂中に均一に混合分散することが困難となったり、製造時間が過度に長くなったり、反応制御が困難であったり、ペースト混練時の変形も激しくなったり、さらには、変形しにくくなったりする場合があるためである。
したがって、薄片状銀粉の平均粒径を3〜20μmの範囲内の値とすることがより好ましく、5〜10μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、薄片状銀粉の平均粒径(D50)は、図5〜7に例示するように、平面視した場合の円相当径として、レーザー回折・散乱法粒度分布測定装置により測定することができるし、あるいは電子顕微鏡写真から実測することもでき、さらには、当該電子顕微鏡写真から、画像処理装置を用いて算出することもできる。
(4)平均厚さ
また、薄片状銀粉の平均厚さを、0.01〜2μmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる薄片状銀粉の平均厚さが0.01μm未満になると、機械的強度が低下したり、安定的に製造するのが困難となったりする場合があるためである。
一方、かかる薄片状銀粉の平均厚さが2μmを超えると、変形しにくくなったり、樹脂中に均一に混合分散することが困難となったり、さらには、製造時間が過度に長くなったりする場合があるためである。
したがって、薄片状銀粉の平均厚さを0.02〜0.5μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜0.2μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、薄片状銀粉の平均厚さは、図4に示すような電子顕微鏡写真から実測することもでき、さらには、当該電子顕微鏡写真から、画像処理装置を用いて算出することもできる。
また、薄片状銀粉の平均厚さを、0.01〜2μmの範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる薄片状銀粉の平均厚さが0.01μm未満になると、機械的強度が低下したり、安定的に製造するのが困難となったりする場合があるためである。
一方、かかる薄片状銀粉の平均厚さが2μmを超えると、変形しにくくなったり、樹脂中に均一に混合分散することが困難となったり、さらには、製造時間が過度に長くなったりする場合があるためである。
したがって、薄片状銀粉の平均厚さを0.02〜0.5μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜0.2μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、薄片状銀粉の平均厚さは、図4に示すような電子顕微鏡写真から実測することもでき、さらには、当該電子顕微鏡写真から、画像処理装置を用いて算出することもできる。
(5)縁形状
また、薄片状銀粉の縁形状として、図1(a)〜(c)に例示するように、当該縁に沿って、切り欠け部を有し、全体形状としてギザギザ状であることが好ましい。
この理由は、このような切り欠け部を周辺の縁に有する形態であれば、薄片状銀粉がより変形しやすくなり、導電性ペーストを構成した場合に、さらに良好な電気特性が得られるためである。
すなわち、図4に示すように、導電性ペーストに含まれる電気絶縁性粒子の表面に沿って、容易に変形することができ、また、隣接する薄片状銀粉同士の電気的接触も良好なものとなり、さらには、後述する嵩密度の値を有効に低下させることができるためである。
したがって、薄片状銀粉の縁に沿って、通常、0.01〜3μmの深さの切り欠け部を有することが好ましく、0.05〜2μmの深さの切り欠け部を有することがより好ましく、0.1〜1μmの深さの切り欠け部を有することがさらに好ましい。
そして、このような切り欠け部を設けることにつき、製造条件として、有機酸の配合量を0.001〜1重量%の範囲内の値とすることが好適であることが判明している。
なお、薄片状銀粉の縁に沿って、切り欠け部を有するか否かは、電子顕微鏡写真から観察することもでき、さらには、当該電子顕微鏡写真から、画像処理装置を用いて、円形度を算出して、代替することもできる。
また、薄片状銀粉の縁形状として、図1(a)〜(c)に例示するように、当該縁に沿って、切り欠け部を有し、全体形状としてギザギザ状であることが好ましい。
この理由は、このような切り欠け部を周辺の縁に有する形態であれば、薄片状銀粉がより変形しやすくなり、導電性ペーストを構成した場合に、さらに良好な電気特性が得られるためである。
すなわち、図4に示すように、導電性ペーストに含まれる電気絶縁性粒子の表面に沿って、容易に変形することができ、また、隣接する薄片状銀粉同士の電気的接触も良好なものとなり、さらには、後述する嵩密度の値を有効に低下させることができるためである。
したがって、薄片状銀粉の縁に沿って、通常、0.01〜3μmの深さの切り欠け部を有することが好ましく、0.05〜2μmの深さの切り欠け部を有することがより好ましく、0.1〜1μmの深さの切り欠け部を有することがさらに好ましい。
そして、このような切り欠け部を設けることにつき、製造条件として、有機酸の配合量を0.001〜1重量%の範囲内の値とすることが好適であることが判明している。
なお、薄片状銀粉の縁に沿って、切り欠け部を有するか否かは、電子顕微鏡写真から観察することもでき、さらには、当該電子顕微鏡写真から、画像処理装置を用いて、円形度を算出して、代替することもできる。
(6)表面状態
また、図1(b)に例示するように、薄片状銀粉の表面(表面および裏面)に、表面状態として、複数の微小突起部を設けることが好ましい。
この理由は、このような複数の微小突起部を表面に設けることにより、複数の薄片状銀粉が水平方向に配列し、一部が上下方向に重なった場合であっても、薄片状銀粉同士の間に、空間が形成されやすいことから、さらに嵩密度の値を低下させることができるためである。
一方、複数の薄片状銀粉が、水平方向に連なって配列することには、変わりないため、横方向はもちろんのこと、および複数の微小突起部を介して、上下方向であっても、良好な電気的導通を得ることができる。
ここで、微小突起部の高さは特に制限されるものでもないが、例えば、0.001〜1μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.005〜0.5μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.2μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
そして、このような微小突起部を設けることにつき、製造条件として、有機酸の配合量を0.001〜1重量%の範囲内の値とすることが好適であることが判明している。
なお、このような薄片状銀粉の表面における微小突起部の高さは、表面粗さ計を用いて、算術平均値として、直接的に測定することもできるし、あるいは電子顕微鏡写真からスケールと照らし、算術平均値として、間接的に測定することができる。
また、図1(b)に例示するように、薄片状銀粉の表面(表面および裏面)に、表面状態として、複数の微小突起部を設けることが好ましい。
この理由は、このような複数の微小突起部を表面に設けることにより、複数の薄片状銀粉が水平方向に配列し、一部が上下方向に重なった場合であっても、薄片状銀粉同士の間に、空間が形成されやすいことから、さらに嵩密度の値を低下させることができるためである。
一方、複数の薄片状銀粉が、水平方向に連なって配列することには、変わりないため、横方向はもちろんのこと、および複数の微小突起部を介して、上下方向であっても、良好な電気的導通を得ることができる。
ここで、微小突起部の高さは特に制限されるものでもないが、例えば、0.001〜1μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.005〜0.5μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.2μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
そして、このような微小突起部を設けることにつき、製造条件として、有機酸の配合量を0.001〜1重量%の範囲内の値とすることが好適であることが判明している。
なお、このような薄片状銀粉の表面における微小突起部の高さは、表面粗さ計を用いて、算術平均値として、直接的に測定することもできるし、あるいは電子顕微鏡写真からスケールと照らし、算術平均値として、間接的に測定することができる。
2.嵩密度
また、薄片状銀粉の嵩密度を0.1〜4g/cm3の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる薄片状銀粉の嵩密度が0.1g/cm3未満の値になると、薄片状銀粉の形状保持性が著しく低下したり、製造工程が複雑化したり、製造時の歩留まりが著しく低下したりする場合があるためである。
一方、かかる薄片状銀粉の嵩密度が4g/cm3を超えると、樹脂中への分散が著しく困難となったり、導電性が低下したりする場合があるためである。
したがって、薄片状銀粉の嵩密度を0.5〜3g/cm3の範囲内の値とすることが好ましく、0.7〜3g/cm3の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜2g/cm3の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる薄片状銀粉の嵩密度は、JIS K5101 タップ法に準拠して測定することができる。
また、薄片状銀粉の嵩密度を0.1〜4g/cm3の範囲内の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる薄片状銀粉の嵩密度が0.1g/cm3未満の値になると、薄片状銀粉の形状保持性が著しく低下したり、製造工程が複雑化したり、製造時の歩留まりが著しく低下したりする場合があるためである。
一方、かかる薄片状銀粉の嵩密度が4g/cm3を超えると、樹脂中への分散が著しく困難となったり、導電性が低下したりする場合があるためである。
したがって、薄片状銀粉の嵩密度を0.5〜3g/cm3の範囲内の値とすることが好ましく、0.7〜3g/cm3の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜2g/cm3の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる薄片状銀粉の嵩密度は、JIS K5101 タップ法に準拠して測定することができる。
3.ゼラチン量
また、薄片状銀粉がゼラチンを含む場合であっても、第1水溶液と第2水溶液を合わせた全体量に対して、当該ゼラチンの含有量が全体量に対して、0.1重量%未満の値とすることを特徴とする。
この理由は、ゼラチンの含有量を制御することによって、薄片状銀粉が得られるためである。
すなわち、湿式還元法を用い、硝酸銀溶液および還元剤溶液から銀粉を得る場合、硝酸銀溶液および還元剤溶液中のゼラチン量を所定以下にしないと、薄片状銀粉が得られないためである。
よって、ゼラチンの含有量を、第1水溶液と第2水溶液を合わせた全体量に対して、0.01重量%未満の値とすることがより好ましく、ゼラチンの含有量を可級的に0すなわち、薄片状銀粉を製造するにあたり、ゼラチンを用いないほうがさらに好ましいと言える。
また、薄片状銀粉がゼラチンを含む場合であっても、第1水溶液と第2水溶液を合わせた全体量に対して、当該ゼラチンの含有量が全体量に対して、0.1重量%未満の値とすることを特徴とする。
この理由は、ゼラチンの含有量を制御することによって、薄片状銀粉が得られるためである。
すなわち、湿式還元法を用い、硝酸銀溶液および還元剤溶液から銀粉を得る場合、硝酸銀溶液および還元剤溶液中のゼラチン量を所定以下にしないと、薄片状銀粉が得られないためである。
よって、ゼラチンの含有量を、第1水溶液と第2水溶液を合わせた全体量に対して、0.01重量%未満の値とすることがより好ましく、ゼラチンの含有量を可級的に0すなわち、薄片状銀粉を製造するにあたり、ゼラチンを用いないほうがさらに好ましいと言える。
4.表面処理
また、薄片状銀粉の表面に対して、有機酸(有機酸塩を含む。)による処理が施してあることが好ましい。
この理由は、所定の表面処理が施されていることにより、複数の薄片状銀粉同士の凝集を有効に防止し、かつ、導電性ペーストを構成する際に、電気絶縁性樹脂との間の親和性を高めることができるためである。
ここで、有機酸の種類としては、カルボキシル基またはそれが塩基によって塩となった化合物であれば特に制限されるものでないが、具体的に、飽和脂肪酸、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸塩、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸塩、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸塩等が挙げられる。
また、飽和脂肪酸および飽和脂肪酸塩であることがより好ましく、より具体的には、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、コハク酸塩、グルタン酸塩、アジピン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、およびオレイン酸塩からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
この理由は、このような脂肪酸または脂肪酸塩を用いることにより、薄片状銀粉の形状保持性と、導電率との間のバランスについて、さらに良好なものとなるためである。
特に、比較的少量の使用であっても、優れた表面処理効果が得られることから、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩からなる群から選択される少なくとも一つであっても好ましい。
なお、後述する形態制御剤としての有機酸(有機酸塩を含む)と、種類が同一であっても、異なってもよい。
また、薄片状銀粉の表面に対して、有機酸(有機酸塩を含む。)による処理が施してあることが好ましい。
この理由は、所定の表面処理が施されていることにより、複数の薄片状銀粉同士の凝集を有効に防止し、かつ、導電性ペーストを構成する際に、電気絶縁性樹脂との間の親和性を高めることができるためである。
ここで、有機酸の種類としては、カルボキシル基またはそれが塩基によって塩となった化合物であれば特に制限されるものでないが、具体的に、飽和脂肪酸、飽和脂肪酸塩、不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸塩、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸塩、芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸塩等が挙げられる。
また、飽和脂肪酸および飽和脂肪酸塩であることがより好ましく、より具体的には、マロン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、コハク酸塩、グルタン酸塩、アジピン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、およびオレイン酸塩からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
この理由は、このような脂肪酸または脂肪酸塩を用いることにより、薄片状銀粉の形状保持性と、導電率との間のバランスについて、さらに良好なものとなるためである。
特に、比較的少量の使用であっても、優れた表面処理効果が得られることから、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩からなる群から選択される少なくとも一つであっても好ましい。
なお、後述する形態制御剤としての有機酸(有機酸塩を含む)と、種類が同一であっても、異なってもよい。
また、表面処理剤として、ヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、デカノール、ラウリルアルコール等のアルコール類、ヘキシルアミン、オクチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン等のアミン類を用いることも、複数の薄片状銀粉同士の凝集を有効に防止するために好ましい。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、図3(a)〜(b)に例示されるように、湿式還元法で得られてなる薄片状銀粉と、電気絶縁性樹脂と、を含んでなる導電性ペーストであって、薄片状銀粉を平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)を1.1〜30μmの範囲内の値とし、薄片状銀粉の厚さを0.01〜2μmとし、薄片状銀粉の嵩密度を0.1〜4g/cm3の範囲内の値とすること、を特徴とする導電性ペーストである。
以下、第2の実施形態の導電性ペーストについて、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
第2の実施形態は、図3(a)〜(b)に例示されるように、湿式還元法で得られてなる薄片状銀粉と、電気絶縁性樹脂と、を含んでなる導電性ペーストであって、薄片状銀粉を平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)を1.1〜30μmの範囲内の値とし、薄片状銀粉の厚さを0.01〜2μmとし、薄片状銀粉の嵩密度を0.1〜4g/cm3の範囲内の値とすること、を特徴とする導電性ペーストである。
以下、第2の実施形態の導電性ペーストについて、適宜図面を参照しながら、具体的に説明する。
1.薄片状銀粉
(1)形態
導電性ペーストに用いられる薄片状銀粉の形態は、図1(a)〜(c)や図2(a)〜(b)、図9に例示されるように、第1の実施形態の薄片状銀粉と同様の形態とすることができる。
(1)形態
導電性ペーストに用いられる薄片状銀粉の形態は、図1(a)〜(c)や図2(a)〜(b)、図9に例示されるように、第1の実施形態の薄片状銀粉と同様の形態とすることができる。
(2)配合量
また、薄片状銀粉の配合量は、使用用途等に応じて適宜選択することができるが、通常、電気絶縁性樹脂100重量部に対して、10〜300重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような範囲に薄片状銀粉の配合量を制限することにより、導電性ペーストの電気特性と、機械的強度との間のバランスを良好なものとすることができるためである。
より具体的には、かかる薄片状銀粉の添加量が10重量部未満となると、得られる導電性ペーストの比抵抗が過度に大きくなる場合があるためである。
一方、かかる薄片状銀粉の添加量が300重量部を超えると、得られる導電性ペーストの接着強度が低下したり、粘度が過度に上昇し、取り扱いが困難となったりする場合があるためである。
したがって、薄片状銀粉の添加量を、電気絶縁性樹脂100重量部に対して、50〜200重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、80〜100重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、薄片状銀粉の配合量は、使用用途等に応じて適宜選択することができるが、通常、電気絶縁性樹脂100重量部に対して、10〜300重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような範囲に薄片状銀粉の配合量を制限することにより、導電性ペーストの電気特性と、機械的強度との間のバランスを良好なものとすることができるためである。
より具体的には、かかる薄片状銀粉の添加量が10重量部未満となると、得られる導電性ペーストの比抵抗が過度に大きくなる場合があるためである。
一方、かかる薄片状銀粉の添加量が300重量部を超えると、得られる導電性ペーストの接着強度が低下したり、粘度が過度に上昇し、取り扱いが困難となったりする場合があるためである。
したがって、薄片状銀粉の添加量を、電気絶縁性樹脂100重量部に対して、50〜200重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、80〜100重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
ここで、図8(a)〜(b)を参照して、二種類の導電性ペースト(熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂)における薄片状銀粉の配合量(重量%)と、導電性ペーストの比抵抗(Ω・cm)との関係を説明する。
すなわち、図8(a)〜(b)の横軸に、それぞれ導電性ペーストにおける薄片状銀粉の配合量(重量%)が採って示してあり、縦軸に、それぞれ導電性ペーストの比抵抗(Ω・cm)が採って示してある。
かかる図8(a)の特性曲線から理解されるように、薄片状銀粉の配合量が多い程、導電性ペーストを硬化させた場合の比抵抗(Ω・cm)の値が小さくなり、例えば、薄片状銀粉の配合量が15重量%では、比抵抗が7.9×10-2Ω・cmであったものが、薄片状銀粉の配合量が20重量%では、比抵抗が5.4×10-3Ω・cmと急激に低下している。また、薄片状銀粉の配合量が40重量%では、比抵抗が9.4×10-4Ω・cmまで低下するものの、薄片状銀粉の配合量が50〜60重量%でも、比抵抗は約1×10-3〜1×10-4Ω・cmとほぼ一定の値を示している。
また、図8(b)の特性曲線から理解されるように、電気絶縁性樹脂の種類が、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂の場合と同様の比抵抗の傾向が得られている。
したがって、電気絶縁性樹脂の種類が、熱硬化性樹脂であっても、熱可塑性樹脂であっても、それぞれ導電性ペーストの比抵抗、すなわち導電性ペーストの電気特性を、薄片状銀粉の配合量によって精度良く調整できることが理解される。
すなわち、図8(a)〜(b)の横軸に、それぞれ導電性ペーストにおける薄片状銀粉の配合量(重量%)が採って示してあり、縦軸に、それぞれ導電性ペーストの比抵抗(Ω・cm)が採って示してある。
かかる図8(a)の特性曲線から理解されるように、薄片状銀粉の配合量が多い程、導電性ペーストを硬化させた場合の比抵抗(Ω・cm)の値が小さくなり、例えば、薄片状銀粉の配合量が15重量%では、比抵抗が7.9×10-2Ω・cmであったものが、薄片状銀粉の配合量が20重量%では、比抵抗が5.4×10-3Ω・cmと急激に低下している。また、薄片状銀粉の配合量が40重量%では、比抵抗が9.4×10-4Ω・cmまで低下するものの、薄片状銀粉の配合量が50〜60重量%でも、比抵抗は約1×10-3〜1×10-4Ω・cmとほぼ一定の値を示している。
また、図8(b)の特性曲線から理解されるように、電気絶縁性樹脂の種類が、熱可塑性樹脂であっても、熱硬化性樹脂の場合と同様の比抵抗の傾向が得られている。
したがって、電気絶縁性樹脂の種類が、熱硬化性樹脂であっても、熱可塑性樹脂であっても、それぞれ導電性ペーストの比抵抗、すなわち導電性ペーストの電気特性を、薄片状銀粉の配合量によって精度良く調整できることが理解される。
2.電気絶縁性樹脂
(1)種類1
また、電気絶縁性樹脂の種類として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、およびシリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。
このような熱硬化性樹脂を含むことにより、良好な接着特性が得られるとともに、環境特性が大きく変化したような場合であっても、良好な電気特性を維持することができる。
なお、紫外線硬化性樹脂または嫌気硬化性樹脂等を用いることも好ましい。
(1)種類1
また、電気絶縁性樹脂の種類として、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、およびシリコーン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。
このような熱硬化性樹脂を含むことにより、良好な接着特性が得られるとともに、環境特性が大きく変化したような場合であっても、良好な電気特性を維持することができる。
なお、紫外線硬化性樹脂または嫌気硬化性樹脂等を用いることも好ましい。
また、電気絶縁性樹脂の主剤が、エポキシ樹脂等の場合、所定量の硬化剤を配合することが好ましい。
このような硬化剤としては、イミダゾール化合物、二級アミン化合物、三級アミン化合物、変性脂肪族アミン化合物、エポキシ樹脂アミンアダクト化合物の一つまたは二種以上の組み合わせが挙げられる。
特に、エポキシ樹脂アミンアダクト化合物であれば、室温における潜在性が高い上に、60〜90℃において速硬化性であることから、好ましい硬化剤である。
なお、エポキシ樹脂アミンアダクト化合物の市販品としては、例えば、アミキュアPN−23、PN−31、PN−40、MY−24(以上、味の素ファインテクノ(株)製)、キュアダクトP−0505(四国化成工業(株))が挙げられる。
このような硬化剤としては、イミダゾール化合物、二級アミン化合物、三級アミン化合物、変性脂肪族アミン化合物、エポキシ樹脂アミンアダクト化合物の一つまたは二種以上の組み合わせが挙げられる。
特に、エポキシ樹脂アミンアダクト化合物であれば、室温における潜在性が高い上に、60〜90℃において速硬化性であることから、好ましい硬化剤である。
なお、エポキシ樹脂アミンアダクト化合物の市販品としては、例えば、アミキュアPN−23、PN−31、PN−40、MY−24(以上、味の素ファインテクノ(株)製)、キュアダクトP−0505(四国化成工業(株))が挙げられる。
また、かかる硬化剤の添加量を、エポキシ樹脂を100重量部に対して、10〜35重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる硬化剤の添加量が、10重量部未満の値になると、硬化が不十分となって、接着特性が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる硬化剤の添加量が、35重量部を超えた値になると、導電性が低下したり、潜在性が低下したりする場合があるためである。
したがって、かかる硬化剤の添加量を、エポキシ樹脂を100重量部に対して、13〜30重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、15〜25重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、硬化剤の添加量を決定するエポキシ樹脂の重量部は、反応性希釈剤を含む場合には、それも含んだ状態での総量を意味する。
この理由は、かかる硬化剤の添加量が、10重量部未満の値になると、硬化が不十分となって、接着特性が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる硬化剤の添加量が、35重量部を超えた値になると、導電性が低下したり、潜在性が低下したりする場合があるためである。
したがって、かかる硬化剤の添加量を、エポキシ樹脂を100重量部に対して、13〜30重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、15〜25重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、硬化剤の添加量を決定するエポキシ樹脂の重量部は、反応性希釈剤を含む場合には、それも含んだ状態での総量を意味する。
(2)種類2
また、電気絶縁性樹脂の種類につき、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
この理由は、このような熱可塑性樹脂を含むことにより、所定の接着特性が得られるとともに、被着体間の電気特性に不具合が生じたような場合に、それらを容易にリペアすることができるためである。
また、電気絶縁性樹脂の種類につき、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、およびポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも一つの熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
この理由は、このような熱可塑性樹脂を含むことにより、所定の接着特性が得られるとともに、被着体間の電気特性に不具合が生じたような場合に、それらを容易にリペアすることができるためである。
(3)希釈剤
また、電気絶縁性樹脂の一部として、希釈剤(反応性希釈剤を含む。)を配合することが好ましい。
このような希釈剤としては、脂肪族単官能エポキシ化合物、脂肪族二官能エポキシ化合物、芳香族単官能エポキシ化合物等の一つまたは二種以上の組み合わせが挙げられる。
より具体的には、o−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、シクロへキサンジメチロール型エポキシ樹脂、フェニルグリシジルエーテル、o−クレジルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、フェノール(EO)5グリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等の一つまたは二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、電気絶縁性樹脂の一部として、希釈剤(反応性希釈剤を含む。)を配合することが好ましい。
このような希釈剤としては、脂肪族単官能エポキシ化合物、脂肪族二官能エポキシ化合物、芳香族単官能エポキシ化合物等の一つまたは二種以上の組み合わせが挙げられる。
より具体的には、o−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル、シクロへキサンジメチロール型エポキシ樹脂、フェニルグリシジルエーテル、o−クレジルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、o−フェニルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、フェノール(EO)5グリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等の一つまたは二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、希釈剤の添加量を、電気絶縁性樹脂の全体量に対して、5〜30重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる希釈剤の添加量が、5重量%未満の値になると、添加効果が得られない場合があるためである。
一方、かかる希釈剤の添加量が、30重量%を超えた値になると、接着性が著しく低下する場合があるためである。
したがって、かかる希釈剤の添加量を、電気絶縁性樹脂の全体量に対して、8〜25重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜22重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、かかる希釈剤の添加量が、5重量%未満の値になると、添加効果が得られない場合があるためである。
一方、かかる希釈剤の添加量が、30重量%を超えた値になると、接着性が著しく低下する場合があるためである。
したがって、かかる希釈剤の添加量を、電気絶縁性樹脂の全体量に対して、8〜25重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜22重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
3.樹脂粒子
また、図3(b)に例示するように、導電性ペースト16中に、薄片状銀粉10や電気絶縁性樹脂12とともに、樹脂粒子(粒子状フィラー)14が配合してあることが好ましい。
この理由は、このような樹脂粒子を含むことにより、当該樹脂粒子の周囲に、薄片状銀粉が付着し、薄片状銀粉の配合量がさらに少ない場合であっても、良好な電気特性を得ることができるためである。
また、樹脂粒子を所定量配合することにより、導電性ペーストの機械的強度や耐熱性等を制御することができるためである。
したがって、樹脂粒子として、オレフィン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、無機粒子(酸化アルミ、ガラス等)等の少なくとも一種の樹脂粒子を用いることが好ましい。
また、図3(b)に例示するように、導電性ペースト16中に、薄片状銀粉10や電気絶縁性樹脂12とともに、樹脂粒子(粒子状フィラー)14が配合してあることが好ましい。
この理由は、このような樹脂粒子を含むことにより、当該樹脂粒子の周囲に、薄片状銀粉が付着し、薄片状銀粉の配合量がさらに少ない場合であっても、良好な電気特性を得ることができるためである。
また、樹脂粒子を所定量配合することにより、導電性ペーストの機械的強度や耐熱性等を制御することができるためである。
したがって、樹脂粒子として、オレフィン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、スチレン系樹脂粒子、フェノール系樹脂粒子、無機粒子(酸化アルミ、ガラス等)等の少なくとも一種の樹脂粒子を用いることが好ましい。
そして、かかる樹脂粒子の平均粒径(D50)を、通常、1〜200μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる樹脂粒子の平均粒径が1μm未満の値になると、添加効果が得られない場合があるためである。
一方、かかる樹脂粒子の平均粒径が200μmを超えると、電気特性や接着性が、著しく低下する場合があるためである。
したがって、かかる樹脂粒子の平均粒径を、通常、5〜100μmの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜50μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の平均粒径(D50)は、JIS Z 8901:2006に準拠して、測定することができる。
この理由は、かかる樹脂粒子の平均粒径が1μm未満の値になると、添加効果が得られない場合があるためである。
一方、かかる樹脂粒子の平均粒径が200μmを超えると、電気特性や接着性が、著しく低下する場合があるためである。
したがって、かかる樹脂粒子の平均粒径を、通常、5〜100μmの範囲内の値とすることがより好ましく、10〜50μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、樹脂粒子の平均粒径(D50)は、JIS Z 8901:2006に準拠して、測定することができる。
4.比抵抗
また、所定量(電気絶縁性樹脂100重量部に対して、100重量部の割合)の薄片状銀粉を含んでなる導電性ペーストの比抵抗を1×10-5〜1×10-1Ω・cmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる導電性ペーストの比抵抗が1×10-5Ω・cm未満の値になると、使用可能な薄片状銀粉の種類が過度に制限されたり、好適な薄片状銀粉の製造上の歩留まりが過度に低下したりする場合があるためである。
一方、かかる比抵抗が1×10-1Ω・cmを超えると、使用時の導通抵抗が高くなり、駆動電圧が高くなる場合があるためである。
したがって、樹脂を含んだ状態での薄片状銀粉の比抵抗を1×10-4〜5×10-2Ω・cmの範囲内の値とすることがより好ましく、5×10-4〜1×10-3Ω・cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、所定量の薄片状銀粉を含んでなる導電性ペーストの比抵抗は、後述する実施例1に示す測定方法により測定することができる。
また、所定量(電気絶縁性樹脂100重量部に対して、100重量部の割合)の薄片状銀粉を含んでなる導電性ペーストの比抵抗を1×10-5〜1×10-1Ω・cmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる導電性ペーストの比抵抗が1×10-5Ω・cm未満の値になると、使用可能な薄片状銀粉の種類が過度に制限されたり、好適な薄片状銀粉の製造上の歩留まりが過度に低下したりする場合があるためである。
一方、かかる比抵抗が1×10-1Ω・cmを超えると、使用時の導通抵抗が高くなり、駆動電圧が高くなる場合があるためである。
したがって、樹脂を含んだ状態での薄片状銀粉の比抵抗を1×10-4〜5×10-2Ω・cmの範囲内の値とすることがより好ましく、5×10-4〜1×10-3Ω・cmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、所定量の薄片状銀粉を含んでなる導電性ペーストの比抵抗は、後述する実施例1に示す測定方法により測定することができる。
5.各種添加剤
導電性ペースト中に、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属イオン捕獲剤、粘度調整剤、無機フィラー、有機フィラー、カーボン繊維、着色剤、およびカップリング剤等を添加することも好ましい。
特に、導電性ペーストは、薄片状銀粉を添加することによる酸化劣化が通常加速されるため、酸化防止剤として、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、またはリン酸エステル系酸化防止剤等を、導電性ペーストの全体量に対して、0.1〜10重量%の範囲内で添加することが好ましい。
導電性ペースト中に、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属イオン捕獲剤、粘度調整剤、無機フィラー、有機フィラー、カーボン繊維、着色剤、およびカップリング剤等を添加することも好ましい。
特に、導電性ペーストは、薄片状銀粉を添加することによる酸化劣化が通常加速されるため、酸化防止剤として、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、またはリン酸エステル系酸化防止剤等を、導電性ペーストの全体量に対して、0.1〜10重量%の範囲内で添加することが好ましい。
6.密度
また、導電性ペーストの密度を1〜3.5g/cm3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、導電性ペーストの密度が、1g/cm3未満の値になると、導電性が著しく低下したり、使用可能な電気絶縁性樹脂等の種類が過度に限定されたりする場合があるためである。
一方、かかる導電性ペーストの密度が、3.5g/cm3を超えると、取り扱い性が低下したり、銅や銀等の被着体から剥離しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、導電性ペーストの密度を、1.2〜3g/cm3の範囲内の値とすることがより好ましく、1.4〜2.5g/cm3の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、本発明の導電性ペーストは、嵩密度が極めて小さい薄片状銀粉を用いているため、その配合量を調節することによって、所望範囲に容易に調節することができる。
また、導電性ペーストの密度を1〜3.5g/cm3の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、導電性ペーストの密度が、1g/cm3未満の値になると、導電性が著しく低下したり、使用可能な電気絶縁性樹脂等の種類が過度に限定されたりする場合があるためである。
一方、かかる導電性ペーストの密度が、3.5g/cm3を超えると、取り扱い性が低下したり、銅や銀等の被着体から剥離しやすくなったりする場合があるためである。
したがって、導電性ペーストの密度を、1.2〜3g/cm3の範囲内の値とすることがより好ましく、1.4〜2.5g/cm3の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、本発明の導電性ペーストは、嵩密度が極めて小さい薄片状銀粉を用いているため、その配合量を調節することによって、所望範囲に容易に調節することができる。
7.製造方法
薄片状銀粉を用いてなる導電性ペーストの製造方法は特に制限されるものではないが、例えば、プロペラミキサ、プラネタリーミキサ、三本ロール、ニーダー、スパチュラ等を利用して、樹脂中に、所定量の薄片状銀粉を混合分散して、製造することが好ましい。
例えば、プラネタリーミキサを用いた場合、混合時間が10〜120分の範囲では、混合時間にかかわらず、硬化後に、一定の比抵抗を示す導電性ペーストが得られていることが理解される。
薄片状銀粉を用いてなる導電性ペーストの製造方法は特に制限されるものではないが、例えば、プロペラミキサ、プラネタリーミキサ、三本ロール、ニーダー、スパチュラ等を利用して、樹脂中に、所定量の薄片状銀粉を混合分散して、製造することが好ましい。
例えば、プラネタリーミキサを用いた場合、混合時間が10〜120分の範囲では、混合時間にかかわらず、硬化後に、一定の比抵抗を示す導電性ペーストが得られていることが理解される。
また、薄片状銀粉と、電気絶縁性樹脂とがより均一に混合するように、電気絶縁性樹脂の粘度を1,000〜100,000mPa・sec(温度:25℃)の範囲内の値にすることが好ましく、10,000〜50,000mPa・secの範囲内の値にすることがより好ましい。
さらにまた、薄片状銀粉と、電気絶縁性樹脂とがより均一に混合するように、薄片状銀粉の周囲を予めカップリング剤処理することも好ましい。
例えば、薄片状銀粉100重量部に対して、1〜10重量部のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を添加混合し、次いで、このようにカップリング剤処理した薄片状銀粉を、樹脂中に、混合分散することが好ましい。
さらにまた、薄片状銀粉と、電気絶縁性樹脂とがより均一に混合するように、薄片状銀粉の周囲を予めカップリング剤処理することも好ましい。
例えば、薄片状銀粉100重量部に対して、1〜10重量部のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン等を添加混合し、次いで、このようにカップリング剤処理した薄片状銀粉を、樹脂中に、混合分散することが好ましい。
また、薄片状銀粉と、電気絶縁性樹脂とを均一に混合した後、フィルター等を用いて、薄片状銀粉の凝集物やゴミ等を濾過処理し、除去することが好ましい。
この理由は、薄片状銀粉の凝集物等を濾過処理することによって、ディスペンサー等を用いて導電性ペーストを塗布する場合に、目つまりすることを有効に防止できるためである。
なお、本願発明の薄片状銀粉であれば、薄片状であって、かつ、変形しやすいことから、電気絶縁性樹脂中に混合した場合に、凝集物の発生が少なく、例えば、目開き20〜200μmのメッシュフィルター等を用いて、容易に濾過処理することができるという利点がある。
この理由は、薄片状銀粉の凝集物等を濾過処理することによって、ディスペンサー等を用いて導電性ペーストを塗布する場合に、目つまりすることを有効に防止できるためである。
なお、本願発明の薄片状銀粉であれば、薄片状であって、かつ、変形しやすいことから、電気絶縁性樹脂中に混合した場合に、凝集物の発生が少なく、例えば、目開き20〜200μmのメッシュフィルター等を用いて、容易に濾過処理することができるという利点がある。
[第3の実施形態]
第3の実施形態は、湿式還元法に基づき、硝酸銀を含む第1水溶液と、硝酸銀の還元剤を含む第2水溶液と、を反応させてなる、平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)が1.1〜30μmの範囲内の値であり、厚さが0.01〜2μmの範囲内の値であり、嵩密度が0.1〜4g/cm3の範囲内の値である薄片状銀粉の製造方法であって、第1水溶液および第2水溶液、あるいはいずれか一方の水溶液に、硝酸および有機酸がそれぞれ配合してあることを特徴とする薄片状銀粉の製造方法である。
以下、第3の実施形態の薄片状銀粉の製造方法について、具体的に説明する。
第3の実施形態は、湿式還元法に基づき、硝酸銀を含む第1水溶液と、硝酸銀の還元剤を含む第2水溶液と、を反応させてなる、平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)が1.1〜30μmの範囲内の値であり、厚さが0.01〜2μmの範囲内の値であり、嵩密度が0.1〜4g/cm3の範囲内の値である薄片状銀粉の製造方法であって、第1水溶液および第2水溶液、あるいはいずれか一方の水溶液に、硝酸および有機酸がそれぞれ配合してあることを特徴とする薄片状銀粉の製造方法である。
以下、第3の実施形態の薄片状銀粉の製造方法について、具体的に説明する。
1.第1水溶液
(1)硝酸銀
また、第1水溶液における硝酸銀の配合量を、通常、1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる硝酸銀の配合量が1重量%未満の値となると、薄片状銀粉の生成速度が過度に低下し、生産効率が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる硝酸銀の配合量が20重量%を越えると、反応析出したスラリー粘度が高くなり、反応制御が困難となる場合があるためである。
したがって、第1水溶液に含まれる硝酸銀の配合量を7〜17重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜15重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(1)硝酸銀
また、第1水溶液における硝酸銀の配合量を、通常、1〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる硝酸銀の配合量が1重量%未満の値となると、薄片状銀粉の生成速度が過度に低下し、生産効率が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる硝酸銀の配合量が20重量%を越えると、反応析出したスラリー粘度が高くなり、反応制御が困難となる場合があるためである。
したがって、第1水溶液に含まれる硝酸銀の配合量を7〜17重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜15重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(2)硝酸
また、硝酸は、後述するように、第2水溶液のみに配合することもできるが、第1水溶液に形態制御剤としての硝酸を配合する場合、その配合量を、第1水溶液の全体量に対して、20重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかる硝酸の配合量が20重量%を超えると、薄片状銀粉の表面(表面および裏面)に、表面状態として、複数の微小突起部が異常成長する場合があるためである。
但し、硝酸の配合量が過度に少なくなると、添加効果が安定的に発揮できない場合がある。
したがって、第1水溶液の全体量に対して、硝酸の配合量を、0.1〜10重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、硝酸は、後述するように、第2水溶液のみに配合することもできるが、第1水溶液に形態制御剤としての硝酸を配合する場合、その配合量を、第1水溶液の全体量に対して、20重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかる硝酸の配合量が20重量%を超えると、薄片状銀粉の表面(表面および裏面)に、表面状態として、複数の微小突起部が異常成長する場合があるためである。
但し、硝酸の配合量が過度に少なくなると、添加効果が安定的に発揮できない場合がある。
したがって、第1水溶液の全体量に対して、硝酸の配合量を、0.1〜10重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)有機酸(有機酸塩を含む)
また、有機酸は、後述するように、第2水溶液に配合することもできるが、第1水溶液に形態制御剤としての有機酸を配合する場合、その配合量を、第1水溶液の全体量に対して、2重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかる有機酸の配合量が2重量%を超えると、銀粉の形状が薄片状でなく、球形に近くなる場合があるためである。
但し、有機酸の配合量が過度に少なくなると、添加効果が安定的に発揮できない場合がある。
したがって、第1水溶液の全体量に対して、有機酸の配合量を、0.001〜1重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる形態制御剤としての有機酸として、クエン酸(クエン酸一水和物を含む。)、コハク酸、リンゴ酸(D−リンゴ酸、L−リンゴ酸を含む。)、酒石酸(酒石酸一水和物を含む。)、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、有機酸は、後述するように、第2水溶液に配合することもできるが、第1水溶液に形態制御剤としての有機酸を配合する場合、その配合量を、第1水溶液の全体量に対して、2重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかる有機酸の配合量が2重量%を超えると、銀粉の形状が薄片状でなく、球形に近くなる場合があるためである。
但し、有機酸の配合量が過度に少なくなると、添加効果が安定的に発揮できない場合がある。
したがって、第1水溶液の全体量に対して、有機酸の配合量を、0.001〜1重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる形態制御剤としての有機酸として、クエン酸(クエン酸一水和物を含む。)、コハク酸、リンゴ酸(D−リンゴ酸、L−リンゴ酸を含む。)、酒石酸(酒石酸一水和物を含む。)、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
また、形態制御剤として、有機酸塩を配合することも好ましく、有機酸塩を配合する場合、その配合量を、第1水溶液の全体量に対して、2重量%以下の値とすることが好ましい。
この理由は、有機酸塩の配合量が2重量%を超えた値となると、銀粉の形状が薄片ではなくなる場合があるためである。一方、有機酸塩の配合量が過度に少なくなると、添加効果が安定的に発揮できない場合があるためである。
したがって、第1の水溶液の全体量に対して、有機酸塩の配合量を0.001〜1重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる形態制御剤としての有機酸塩として、ポリアクリル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、マロン酸アンモニウム、グルタル酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウム、酪酸アンモニウム等の有機酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等の有機酸ナトリウム塩、ポリアクリル酸カリウム、クエン酸カリウム、コハク酸カリウム等の有機酸カリウム塩、ポリアクリル酸モノエタノールアミン、クエン酸モノエタノールアミン等の有機酸アミン塩等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
この理由は、有機酸塩の配合量が2重量%を超えた値となると、銀粉の形状が薄片ではなくなる場合があるためである。一方、有機酸塩の配合量が過度に少なくなると、添加効果が安定的に発揮できない場合があるためである。
したがって、第1の水溶液の全体量に対して、有機酸塩の配合量を0.001〜1重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、かかる形態制御剤としての有機酸塩として、ポリアクリル酸アンモニウム、クエン酸アンモニウム、コハク酸アンモニウム、リンゴ酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、マロン酸アンモニウム、グルタル酸アンモニウム、アジピン酸アンモニウム、ギ酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、プロピオン酸アンモニウム、酪酸アンモニウム等の有機酸アンモニウム塩、ポリアクリル酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム等の有機酸ナトリウム塩、ポリアクリル酸カリウム、クエン酸カリウム、コハク酸カリウム等の有機酸カリウム塩、ポリアクリル酸モノエタノールアミン、クエン酸モノエタノールアミン等の有機酸アミン塩等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
(4)アンモニアおよび/またはアミン化合物
また、アンモニアおよび/またはアミン化合物(以下、単に、アンモニア等と表現する場合がある。)は、後述するように、第2水溶液に配合することもできるが、第1水溶液に形態制御剤として配合する場合、その配合量を、第1水溶液の全体量に対して、2重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかるアンモニア等の配合量が2重量%を超えると、得られる薄片状銀粉の粒径が小さくなりすぎる場合があるためである。
但し、かかるアンモニア等の配合量が過度に少ない場合には、配合効果が得られず、平均粒径の制御等が困難となる場合がある。
したがって、第1水溶液の全体量に対して、アンモニア等の配合量を0.1〜1.5重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜1重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、アンモニアおよび/またはアミン化合物(以下、単に、アンモニア等と表現する場合がある。)は、後述するように、第2水溶液に配合することもできるが、第1水溶液に形態制御剤として配合する場合、その配合量を、第1水溶液の全体量に対して、2重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかるアンモニア等の配合量が2重量%を超えると、得られる薄片状銀粉の粒径が小さくなりすぎる場合があるためである。
但し、かかるアンモニア等の配合量が過度に少ない場合には、配合効果が得られず、平均粒径の制御等が困難となる場合がある。
したがって、第1水溶液の全体量に対して、アンモニア等の配合量を0.1〜1.5重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜1重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、アンモニア等は、例えば、アンモニア水(濃度28%)として配合でき、その場合、濃度を考慮して、配合量を決定することとなる。
さらに、アミン化合物の好適例として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、N−ブチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−シクロヘキシルジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N,N−ジエチルモノエタノールアミン、N,N−ジブチルモノエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノエチルプロパンジオール、アミノメチルプロパンジオール、アミノブタノール等のアルコールアミン化合物、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン等のアルキルアミン化合物等が挙げられる。
さらに、アミン化合物の好適例として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルモノエタノールアミン、N−エチルモノエタノールアミン、N−ブチルモノエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−シクロヘキシルジエタノールアミン、N,N−ジメチルモノエタノールアミン、N,N−ジエチルモノエタノールアミン、N,N−ジブチルモノエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノエチルプロパンジオール、アミノメチルプロパンジオール、アミノブタノール等のアルコールアミン化合物、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン等のアルキルアミン化合物等が挙げられる。
(5)水
また、水(イオン交換水)の配合量を、硝酸銀、硝酸、およびアンモニア水等の残余量とし、これら成分からなる第1水溶液の全体量を100重量%とするだけの水を配合するものとする。
また、水(イオン交換水)の配合量を、硝酸銀、硝酸、およびアンモニア水等の残余量とし、これら成分からなる第1水溶液の全体量を100重量%とするだけの水を配合するものとする。
(6)配合例
したがって、第1水溶液の配合例として、硝酸銀と、硝酸と、アンモニア水等と、水と、がそれぞれ配合してあるとともに、第1水溶液の全体量(100重量%)に対して、硝酸銀の配合量を1〜20重量%の範囲内の値、硝酸の配合量を20重量%以下、アンモニア水等の配合量を2重量%以下の値、および、残余量の水の配合量、とすることが好ましい。
また、第1水溶液の別の配合例として、硝酸銀と、硝酸と、アンモニア水等と、有機酸(有機酸塩を含む)と、水と、がそれぞれ配合してあるとともに、第1水溶液の全体量(100重量%)に対して、硝酸銀の配合量を1〜20重量%の範囲内の値、硝酸の配合量を20重量%以下、アンモニア水等の配合量を2重量%以下、有機酸の配合量を2重量%以下、および、残余量の水の配合量、とすることが好ましい。
なお、硝酸、アンモニア水等、および有機酸については、後述するように、第2水溶液に配合することができ、その場合、第1水溶液における硝酸、アンモニア水等、および有機酸の配合量を、適宜、変更することができる。
より具体的には、硝酸を、第1水溶液および第2水溶液に配合する場合、それらの合計量に対して、硝酸の合計量を、0.1〜10重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
また、同様に、アンモニア水等、および有機酸を、それぞれ第1水溶液および第2水溶液に配合する場合、それらの全体の合計量に対して、アンモニア水等、および有機酸の合計量を、それぞれ0.001〜1重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
したがって、第1水溶液の配合例として、硝酸銀と、硝酸と、アンモニア水等と、水と、がそれぞれ配合してあるとともに、第1水溶液の全体量(100重量%)に対して、硝酸銀の配合量を1〜20重量%の範囲内の値、硝酸の配合量を20重量%以下、アンモニア水等の配合量を2重量%以下の値、および、残余量の水の配合量、とすることが好ましい。
また、第1水溶液の別の配合例として、硝酸銀と、硝酸と、アンモニア水等と、有機酸(有機酸塩を含む)と、水と、がそれぞれ配合してあるとともに、第1水溶液の全体量(100重量%)に対して、硝酸銀の配合量を1〜20重量%の範囲内の値、硝酸の配合量を20重量%以下、アンモニア水等の配合量を2重量%以下、有機酸の配合量を2重量%以下、および、残余量の水の配合量、とすることが好ましい。
なお、硝酸、アンモニア水等、および有機酸については、後述するように、第2水溶液に配合することができ、その場合、第1水溶液における硝酸、アンモニア水等、および有機酸の配合量を、適宜、変更することができる。
より具体的には、硝酸を、第1水溶液および第2水溶液に配合する場合、それらの合計量に対して、硝酸の合計量を、0.1〜10重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
また、同様に、アンモニア水等、および有機酸を、それぞれ第1水溶液および第2水溶液に配合する場合、それらの全体の合計量に対して、アンモニア水等、および有機酸の合計量を、それぞれ0.001〜1重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
2.第2水溶液
(1)硝酸銀の還元剤の種類
第2水溶液に含まれる還元剤として、ホルムアルデヒド、水素化エリソルビン酸ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ヒドロキノン、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸塩、ギ酸、無水亜硫酸ナトリウム、L(+)酒石酸、ギ酸アンモニウム、ロンガリット、ピロカテコール等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
これらの還元剤のうち、硝酸銀に対する還元反応を容易に制御しやすいことから、L−アスコルビン酸、あるいは、L−アスコルビン酸と、ピロカテコールとの組合せを使用することがより好ましい。
(1)硝酸銀の還元剤の種類
第2水溶液に含まれる還元剤として、ホルムアルデヒド、水素化エリソルビン酸ホウ素ナトリウム、ヒドラジン、ヒドラジン化合物、ヒドロキノン、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸塩、ギ酸、無水亜硫酸ナトリウム、L(+)酒石酸、ギ酸アンモニウム、ロンガリット、ピロカテコール等の一種単独または二種以上の組合せが挙げられる。
これらの還元剤のうち、硝酸銀に対する還元反応を容易に制御しやすいことから、L−アスコルビン酸、あるいは、L−アスコルビン酸と、ピロカテコールとの組合せを使用することがより好ましい。
(2)還元剤の配合量
また、第2水溶液における硝酸銀の還元剤の配合量を、通常、0.5〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる還元剤の配合量が0.5重量%未満の値となると、薄片状銀粉の生成速度が過度に低下し、生産効率が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる還元剤の配合量が20重量%を越えると、水に溶解できない場合があるためである。
したがって、第2水溶液に含まれる還元剤の配合量を4〜18重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、7〜15重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、第2水溶液における硝酸銀の還元剤の配合量を、通常、0.5〜20重量%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる還元剤の配合量が0.5重量%未満の値となると、薄片状銀粉の生成速度が過度に低下し、生産効率が著しく低下する場合があるためである。
一方、かかる還元剤の配合量が20重量%を越えると、水に溶解できない場合があるためである。
したがって、第2水溶液に含まれる還元剤の配合量を4〜18重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、7〜15重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)硝酸
また、硝酸は、前述したように、第1水溶液に配合することもできるが、第2水溶液に形態制御剤としての硝酸を配合する場合、その配合量を、第2水溶液の全体量に対して、20重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかる硝酸の配合量が20重量%を超えると、薄片状銀粉の表面(表面および裏面)に、表面状態として、複数の微小突起部が異常成長する場合があるためである。
但し、有機酸の配合量が過度に少なくなると、添加効果が安定的に発揮できない場合がある。
したがって、第2水溶液の全体量に対して、硝酸の配合量を、0.1〜10重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、硝酸は、前述したように、第1水溶液に配合することもできるが、第2水溶液に形態制御剤としての硝酸を配合する場合、その配合量を、第2水溶液の全体量に対して、20重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかる硝酸の配合量が20重量%を超えると、薄片状銀粉の表面(表面および裏面)に、表面状態として、複数の微小突起部が異常成長する場合があるためである。
但し、有機酸の配合量が過度に少なくなると、添加効果が安定的に発揮できない場合がある。
したがって、第2水溶液の全体量に対して、硝酸の配合量を、0.1〜10重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4)有機酸(有機酸塩を含む)
また、有機酸(有機酸塩を含む)は、前述したように、第1水溶液に配合することもできるが、第2水溶液に形態制御剤としての有機酸を配合する場合、その配合量を、第2水溶液の全体量に対して、2重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかる有機酸の配合量が2重量%を超えると、銀粉の形状が薄片状でなく、球形に近くなる場合があるためである。
但し、有機酸の配合量が過度に少なくなると、添加効果が安定的に発揮できない場合がある。
したがって、第2水溶液の全体量に対して、有機酸の配合量を、0.001〜1重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、有機酸(有機酸塩を含む)は、前述したように、第1水溶液に配合することもできるが、第2水溶液に形態制御剤としての有機酸を配合する場合、その配合量を、第2水溶液の全体量に対して、2重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかる有機酸の配合量が2重量%を超えると、銀粉の形状が薄片状でなく、球形に近くなる場合があるためである。
但し、有機酸の配合量が過度に少なくなると、添加効果が安定的に発揮できない場合がある。
したがって、第2水溶液の全体量に対して、有機酸の配合量を、0.001〜1重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.01〜0.5重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(5)アンモニアおよび/またはアミン化合物
また、アンモニア等は、前述したように、第1水溶液に配合することもできるが、第2水溶液に形態制御剤としてのアンモニア等を配合する場合、その配合量を、第2水溶液の全体量に対して、2重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかるアンモニア等の配合量が2重量%を超えると、銀粉の粒径が小さくなりすぎる場合があるためである。
但し、かかるアンモニア等の配合量が過度に少ない場合には、配合効果が得られず、平均粒径の制御等が困難となる場合がある。
したがって、第2水溶液の全体量に対して、アンモニア等の配合量を0.1〜1.5重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜1重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、アンモニア等は、前述したように、第1水溶液に配合することもできるが、第2水溶液に形態制御剤としてのアンモニア等を配合する場合、その配合量を、第2水溶液の全体量に対して、2重量%以下の値とすることが好ましい。
すなわち、かかるアンモニア等の配合量が2重量%を超えると、銀粉の粒径が小さくなりすぎる場合があるためである。
但し、かかるアンモニア等の配合量が過度に少ない場合には、配合効果が得られず、平均粒径の制御等が困難となる場合がある。
したがって、第2水溶液の全体量に対して、アンモニア等の配合量を0.1〜1.5重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.5〜1重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(6)水
また、水(イオン交換水)の配合量を、硝酸銀の還元剤、硝酸、有機酸、およびアンモニア水等の残余量とし、これら成分からなる第2水溶液の全体量を100重量%とすることが好ましい。
また、水(イオン交換水)の配合量を、硝酸銀の還元剤、硝酸、有機酸、およびアンモニア水等の残余量とし、これら成分からなる第2水溶液の全体量を100重量%とすることが好ましい。
(7)配合例
第2水溶液の配合例として、硝酸銀の還元剤と、硝酸と、有機酸または有機酸塩と、水と、がそれぞれ配合してあるとともに、第2水溶液の全体量(100重量%)に対して、硝酸銀の還元剤の配合量を0.5〜20重量%の範囲内の値、硝酸の配合量を20重量%以下の値、有機酸(有機酸塩を含む)の配合量を2重量%以下の値、および、残余量の水、とすることが好ましい。
また、第2水溶液の別の配合例として、硝酸銀の還元剤と、硝酸と、有機酸と、アンモニア等、および、水と、がそれぞれ配合してあるとともに、第2水溶液の全体量(100重量%)に対して、硝酸銀の還元剤の配合量を0.5〜20重量%の範囲内の値、硝酸の配合量を20重量%以下の値、有機酸の配合量を2重量%以下の値、アンモニア等の配合量を2重量%以下の値、および、残余量の水、とすることが好ましい。
なお、硝酸、アンモニア水等、および有機酸については、上述したように、第1水溶液に配合することができ、その場合、第2水溶液における硝酸、アンモニア水等、および有機酸の配合量を、適宜、変更することができる。
第2水溶液の配合例として、硝酸銀の還元剤と、硝酸と、有機酸または有機酸塩と、水と、がそれぞれ配合してあるとともに、第2水溶液の全体量(100重量%)に対して、硝酸銀の還元剤の配合量を0.5〜20重量%の範囲内の値、硝酸の配合量を20重量%以下の値、有機酸(有機酸塩を含む)の配合量を2重量%以下の値、および、残余量の水、とすることが好ましい。
また、第2水溶液の別の配合例として、硝酸銀の還元剤と、硝酸と、有機酸と、アンモニア等、および、水と、がそれぞれ配合してあるとともに、第2水溶液の全体量(100重量%)に対して、硝酸銀の還元剤の配合量を0.5〜20重量%の範囲内の値、硝酸の配合量を20重量%以下の値、有機酸の配合量を2重量%以下の値、アンモニア等の配合量を2重量%以下の値、および、残余量の水、とすることが好ましい。
なお、硝酸、アンモニア水等、および有機酸については、上述したように、第1水溶液に配合することができ、その場合、第2水溶液における硝酸、アンモニア水等、および有機酸の配合量を、適宜、変更することができる。
3.反応温度
また、還元処理を実施する際の反応温度を60℃未満の値とすることが好ましい。
この理由は、反応温度が60℃以上の値になると、薄片状銀粉の形状や平均粒径を制御することが困難となる場合があるためである。
一方、かかる反応温度が0℃未満の値となると、氷が析出したり、薄片状銀粉の析出量が著しく低下して、薄片状銀粉の生産性が低下したりする場合があるためである。
したがって、かかる反応温度を10〜50℃の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜40℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、還元処理を実施する際の反応温度を60℃未満の値とすることが好ましい。
この理由は、反応温度が60℃以上の値になると、薄片状銀粉の形状や平均粒径を制御することが困難となる場合があるためである。
一方、かかる反応温度が0℃未満の値となると、氷が析出したり、薄片状銀粉の析出量が著しく低下して、薄片状銀粉の生産性が低下したりする場合があるためである。
したがって、かかる反応温度を10〜50℃の範囲内の値とすることがより好ましく、20〜40℃の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
4.表面処理
得られた薄片状銀粉に対して、有機酸(有機酸塩を含む。)による表面処理を実施することが好ましい。
液相還元法を実施した容器内に、有機酸塩水溶液を投入して、得られた薄片状銀粉に対して、有機酸による表面処理を実施することが好ましい。
また、有機酸を用いる場合には、銀粉を水洗後、アルコール置換を行い、有機酸のアルコール溶液を投入して表面処理を実施することができる。
なお、有機酸による表面処理を実施するに際に、薄片状銀粉100重量部に対して、有機酸または有機酸塩の処理量を0.001〜5重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように有機酸の処理量を調整して構成することにより、薄片状銀粉の形状保持性と、比抵抗との間のバランスについて、さらに良好なものとなるためである。
したがって、有機酸の処理量を、薄片状銀粉100重量部に対して、0.01〜1重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜0.5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
得られた薄片状銀粉に対して、有機酸(有機酸塩を含む。)による表面処理を実施することが好ましい。
液相還元法を実施した容器内に、有機酸塩水溶液を投入して、得られた薄片状銀粉に対して、有機酸による表面処理を実施することが好ましい。
また、有機酸を用いる場合には、銀粉を水洗後、アルコール置換を行い、有機酸のアルコール溶液を投入して表面処理を実施することができる。
なお、有機酸による表面処理を実施するに際に、薄片状銀粉100重量部に対して、有機酸または有機酸塩の処理量を0.001〜5重量部の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように有機酸の処理量を調整して構成することにより、薄片状銀粉の形状保持性と、比抵抗との間のバランスについて、さらに良好なものとなるためである。
したがって、有機酸の処理量を、薄片状銀粉100重量部に対して、0.01〜1重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜0.5重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
5.乾燥処理
また、所定の表面処理を行った薄片状銀粉に対して、乾燥工程を設けて、加熱処理することが好ましい。
すなわち、例えば、湿式還元法で得られた薄片状銀粉に対して、所定の表面処理を実施した後、30℃以上の温度で、30分以上加熱処理することが好ましい。
この理由は、かかる加熱処理によって、薄片状銀粉の内部に残留する液体、例えば、水等を効果的に飛散させることができ、その結果、薄片状銀粉の形状保持性を著しく向上させることができるためである。逆に言えば、液相還元法で得られた薄片状銀粉をそのまま湿潤状態に放置しておくと、薄片状銀粉の形状が崩れ易いためである。
したがって、より優れた形状保持性を得るためには、真空オーブンや恒温槽を用いて、40〜150℃の温度で、1〜48時間程度加熱処理を実施することが好ましい。
また、所定の表面処理を行った薄片状銀粉に対して、乾燥工程を設けて、加熱処理することが好ましい。
すなわち、例えば、湿式還元法で得られた薄片状銀粉に対して、所定の表面処理を実施した後、30℃以上の温度で、30分以上加熱処理することが好ましい。
この理由は、かかる加熱処理によって、薄片状銀粉の内部に残留する液体、例えば、水等を効果的に飛散させることができ、その結果、薄片状銀粉の形状保持性を著しく向上させることができるためである。逆に言えば、液相還元法で得られた薄片状銀粉をそのまま湿潤状態に放置しておくと、薄片状銀粉の形状が崩れ易いためである。
したがって、より優れた形状保持性を得るためには、真空オーブンや恒温槽を用いて、40〜150℃の温度で、1〜48時間程度加熱処理を実施することが好ましい。
[実施例1]
1.薄片状銀粉および導電性ペーストの製造
(1)薄片状銀粉の製造
まず、硝酸銀と、イオン交換水と、有機酸と、硝酸と、を含む第1水溶液を準備した。
すなわち、撹拌装置付きの容器(容器A)内に、硝酸銀4gと、イオン交換水24gと、クエン酸(クエン酸一水和物)0.02gと、硝酸(濃度:69重量%)1gと、を収容し、マグネットスターラーを用いて、均一になるまで撹拌した。
次いで、還元剤と、イオン交換水と、を含む第2水溶液を準備した。
すなわち、別な撹拌装置付きの容器(容器B)内に、還元剤としてのL−アスコルビン酸3gと、イオン交換水24gと、を収容し、マグネットスターラーを用いて、均一になるまで撹拌した。
そして、それぞれ液温が26℃になるように温度保持した後、容器A内の第1水溶液に対して、容器Bの第2水溶液を添加し、そのまま撹拌を続け、薄片状銀粉を析出生成させた。
1.薄片状銀粉および導電性ペーストの製造
(1)薄片状銀粉の製造
まず、硝酸銀と、イオン交換水と、有機酸と、硝酸と、を含む第1水溶液を準備した。
すなわち、撹拌装置付きの容器(容器A)内に、硝酸銀4gと、イオン交換水24gと、クエン酸(クエン酸一水和物)0.02gと、硝酸(濃度:69重量%)1gと、を収容し、マグネットスターラーを用いて、均一になるまで撹拌した。
次いで、還元剤と、イオン交換水と、を含む第2水溶液を準備した。
すなわち、別な撹拌装置付きの容器(容器B)内に、還元剤としてのL−アスコルビン酸3gと、イオン交換水24gと、を収容し、マグネットスターラーを用いて、均一になるまで撹拌した。
そして、それぞれ液温が26℃になるように温度保持した後、容器A内の第1水溶液に対して、容器Bの第2水溶液を添加し、そのまま撹拌を続け、薄片状銀粉を析出生成させた。
次いで、析出生成した薄片状銀粉を、イオン交換水で水洗後、当該薄片状銀粉100重量部に対して、有機酸の処理量が、0.02重量部の割合になるように、所定量のステアリン酸アンモニウム水溶液(0.5wt%)を混合液中に添加し、有機酸による表面処理を行った。
その後、表面処理を行った薄片状銀粉をろ過にて液切りし、さらに、真空オーブンを用いて、100℃、3時間の条件で乾燥して、薄片状銀粉(A1、平均粒径(D50):10.7μm、嵩密度:1.3g/cm3)を得た。
その後、表面処理を行った薄片状銀粉をろ過にて液切りし、さらに、真空オーブンを用いて、100℃、3時間の条件で乾燥して、薄片状銀粉(A1、平均粒径(D50):10.7μm、嵩密度:1.3g/cm3)を得た。
(2)導電性ペースト組成物の製造
収容容器内に、ビスフェノールF型エポキシ樹脂であるEPICLON830−S(DIC(株)製)100重量部、硬化剤としてのアミキュアPN−23(味の素ファインテクノ(株)製)20重量部、反応性希釈剤としてのo−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル(YED−122、三菱化学(株)製)40重量部および(1)で得られた表面処理銀粉(A1)170重量部を添加した後、ヘラを用いて混練し、実施例1の導電性ペーストとした。
収容容器内に、ビスフェノールF型エポキシ樹脂であるEPICLON830−S(DIC(株)製)100重量部、硬化剤としてのアミキュアPN−23(味の素ファインテクノ(株)製)20重量部、反応性希釈剤としてのo−sec−ブチルフェニルグリシジルエーテル(YED−122、三菱化学(株)製)40重量部および(1)で得られた表面処理銀粉(A1)170重量部を添加した後、ヘラを用いて混練し、実施例1の導電性ペーストとした。
2.薄片状銀粉および導電性ペーストの評価
(1)平均粒径(D50)(評価1)
得られた薄片状銀粉(A1)の電子顕微鏡写真から、画像解析式粒度分布ソフト(Mac−View Ver.4)を用いて、粒度分布および平均粒径(D50)を算出した。
液晶ペンタブレットを用いて、モニタ画面の上の粒子画像を一つずつ専用ペンで直接トレースし、粒子認識させた。得られた評価結果を、表1に示す。
(1)平均粒径(D50)(評価1)
得られた薄片状銀粉(A1)の電子顕微鏡写真から、画像解析式粒度分布ソフト(Mac−View Ver.4)を用いて、粒度分布および平均粒径(D50)を算出した。
液晶ペンタブレットを用いて、モニタ画面の上の粒子画像を一つずつ専用ペンで直接トレースし、粒子認識させた。得られた評価結果を、表1に示す。
(2)平均厚さ(評価2)
得られた薄片状銀粉(A1)の厚さにつき、電子顕微鏡を用いて、5点測定し、その平均値を算出するとともに、以下の基準に準じて、平均厚さを評価した。得られた評価結果を、表1に示す。
◎:平均厚さが、0.02〜1μmの範囲内の値である。
○:平均厚さが、0.01〜2μmの範囲内の値であって、かつ上記0.02〜1μmの範囲内の値を除いた値である。
△:平均厚さが、0.001〜3μmの範囲内の値であって、かつ上記0.01〜2μmの範囲内の値を除いた値である。
×:平均厚さが、0.001μm未満の値、または、3μmを超えた値である。
得られた薄片状銀粉(A1)の厚さにつき、電子顕微鏡を用いて、5点測定し、その平均値を算出するとともに、以下の基準に準じて、平均厚さを評価した。得られた評価結果を、表1に示す。
◎:平均厚さが、0.02〜1μmの範囲内の値である。
○:平均厚さが、0.01〜2μmの範囲内の値であって、かつ上記0.02〜1μmの範囲内の値を除いた値である。
△:平均厚さが、0.001〜3μmの範囲内の値であって、かつ上記0.01〜2μmの範囲内の値を除いた値である。
×:平均厚さが、0.001μm未満の値、または、3μmを超えた値である。
(3)嵩密度(評価3)
得られた薄片状銀粉(A1)につき、JIS K5101 タップ法に準拠して、嵩密度を測定した。得られた評価結果を、表1に示す。
得られた薄片状銀粉(A1)につき、JIS K5101 タップ法に準拠して、嵩密度を測定した。得られた評価結果を、表1に示す。
(4)比抵抗(評価4)
得られた導電性ペーストの比抵抗を測定した。すなわち、ガラス板上に、縦40mm、横1mm、厚さ0.5mmに導電性ペーストを印刷し、180℃×30分の条件で、加熱硬化させた後に、2点間の抵抗を四端子法で測定し、比抵抗を算出した。得られた評価結果を、表1に示す。
得られた導電性ペーストの比抵抗を測定した。すなわち、ガラス板上に、縦40mm、横1mm、厚さ0.5mmに導電性ペーストを印刷し、180℃×30分の条件で、加熱硬化させた後に、2点間の抵抗を四端子法で測定し、比抵抗を算出した。得られた評価結果を、表1に示す。
(5)接着力(評価5)
得られた導電性ペーストを、縦120mm×横25mm×厚さ2mmの銅版の端に、パターン状(縦12.5mm×横25mm×厚さ0.5mm)にスクリーン印刷した後、その上から縦120mm×横25mm×厚さ2mmの銅版を張り合わせた。
次いで、180℃×30分の条件で加熱硬化させて、接着力測定試料とした。
次いで、得られた接着力測定試料につき、テンシロン型万能試験機RTC−1310A((株)オリエンテック製)を用いて、引っ張りせん断力を測定し、以下の基準に準じて評価した。得られた評価結果を、表1に示す。
◎:引っ張りせん断力が、8kgf/cm2以上の値である。
○:引っ張りせん断力が、6kgf/cm2以上の値である。
△:引っ張りせん断力が、4kgf/cm2以上の値である。
×:引っ張りせん断力が、2kgf/cm2未満の値である。
得られた導電性ペーストを、縦120mm×横25mm×厚さ2mmの銅版の端に、パターン状(縦12.5mm×横25mm×厚さ0.5mm)にスクリーン印刷した後、その上から縦120mm×横25mm×厚さ2mmの銅版を張り合わせた。
次いで、180℃×30分の条件で加熱硬化させて、接着力測定試料とした。
次いで、得られた接着力測定試料につき、テンシロン型万能試験機RTC−1310A((株)オリエンテック製)を用いて、引っ張りせん断力を測定し、以下の基準に準じて評価した。得られた評価結果を、表1に示す。
◎:引っ張りせん断力が、8kgf/cm2以上の値である。
○:引っ張りせん断力が、6kgf/cm2以上の値である。
△:引っ張りせん断力が、4kgf/cm2以上の値である。
×:引っ張りせん断力が、2kgf/cm2未満の値である。
(6)密度(評価6)
得られた導電性ペーストの密度を、JIS Z 8807に準じて測定し、以下の基準に準じて評価した。得られた評価結果を、表1に示す。
◎:導電性ペーストの密度が、2.5g/cm3未満の値である。
○:導電性ペーストの密度が、2.5g/cm3以上、3.0g/cm3未満の値である。
△:導電性ペーストの密度が、3.0g/cm3以上、3.5g/cm3以下の値である。
×:導電性ペーストの密度が、3.5g/cm3を超えた値である。
得られた導電性ペーストの密度を、JIS Z 8807に準じて測定し、以下の基準に準じて評価した。得られた評価結果を、表1に示す。
◎:導電性ペーストの密度が、2.5g/cm3未満の値である。
○:導電性ペーストの密度が、2.5g/cm3以上、3.0g/cm3未満の値である。
△:導電性ペーストの密度が、3.0g/cm3以上、3.5g/cm3以下の値である。
×:導電性ペーストの密度が、3.5g/cm3を超えた値である。
[実施例2〜実施例7]
実施例2〜実施例7では、実施例1における第2水溶液を準備する際に、硝酸の配合量等を変化させ、薄片状銀粉の嵩密度や平均粒径に対する影響を検討した。
すなわち、実施例2では、硝酸を第1水溶液および第2水溶液に配合し、有機酸を、第2水溶液のみに配合するとともに、反応温度を20℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A2)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
また、実施例3では、硝酸および有機酸を、それぞれ第2水溶液に配合するとともに、反応温度を20℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A3)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
また、実施例4では、硝酸を第1水溶液および第2水溶液に配合し、有機酸を第2水溶液のみに配合、アンモニア水(濃度28重量%品)を、第1水溶液のみに配合するとともに、反応温度を20℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A4)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
また、実施例5では、硝酸および有機酸を第2水溶液のみに配合するとともに、アンモニア水(濃度28重量%品)を第1水溶液のみに配合し、さらに反応温度を20℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A5)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
また、実施例6では、有機酸を第2水溶液のみに配合するとともに、アミン化合物(トリエタノールアミン)を第1水溶液のみに配合し、さらに反応温度を35℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A6)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
さらにまた、実施例7では、有機酸を第2水溶液のみに配合するとともに、アミン化合物(ジエタノールアミン)を第1水溶液のみに配合し、さらに反応温度を35℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A7)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
それぞれ得られた評価結果を、表1に示す。
実施例2〜実施例7では、実施例1における第2水溶液を準備する際に、硝酸の配合量等を変化させ、薄片状銀粉の嵩密度や平均粒径に対する影響を検討した。
すなわち、実施例2では、硝酸を第1水溶液および第2水溶液に配合し、有機酸を、第2水溶液のみに配合するとともに、反応温度を20℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A2)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
また、実施例3では、硝酸および有機酸を、それぞれ第2水溶液に配合するとともに、反応温度を20℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A3)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
また、実施例4では、硝酸を第1水溶液および第2水溶液に配合し、有機酸を第2水溶液のみに配合、アンモニア水(濃度28重量%品)を、第1水溶液のみに配合するとともに、反応温度を20℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A4)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
また、実施例5では、硝酸および有機酸を第2水溶液のみに配合するとともに、アンモニア水(濃度28重量%品)を第1水溶液のみに配合し、さらに反応温度を20℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A5)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
また、実施例6では、有機酸を第2水溶液のみに配合するとともに、アミン化合物(トリエタノールアミン)を第1水溶液のみに配合し、さらに反応温度を35℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A6)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
さらにまた、実施例7では、有機酸を第2水溶液のみに配合するとともに、アミン化合物(ジエタノールアミン)を第1水溶液のみに配合し、さらに反応温度を35℃とした以外は、実施例1と同様に薄片状銀粉(A7)およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。
それぞれ得られた評価結果を、表1に示す。
[比較例1]
比較例1では、実施例1における第1水溶液および第2水溶液をそれぞれ準備する際に、少なくとも硝酸を全く配合しなかった以外は、実施例1と同様に銀粉(針状突起を有する銀粉(B1))およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。得られた評価結果を、表1に示す。
比較例1では、実施例1における第1水溶液および第2水溶液をそれぞれ準備する際に、少なくとも硝酸を全く配合しなかった以外は、実施例1と同様に銀粉(針状突起を有する銀粉(B1))およびそれから導電性ペーストを製造して、評価した。得られた評価結果を、表1に示す。
[実施例8〜実施例12]
実施例8〜実施例12では、表2に示すように、導電性ペーストにおける電気絶縁性樹脂の種類を、エポキシ樹脂系紛体プライマー(久保孝ペイント株式会社製 ニッシンパウダーEP758−047エポプライマー)に変えるとともに、85重量部、80重量部、70重量部、60重量部、50重量部に対して、それぞれ薄片状銀粉(A1)の配合量を、15重量部、20重量部、30重量部、40重量部、50重量部とし、さらに、溶剤(エクソンモービル製 エクソールD80)をそれぞれ、50重量部とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作成して、比抵抗等を同様に測定した。それぞれ得られた評価結果を、表2に示す。
実施例8〜実施例12では、表2に示すように、導電性ペーストにおける電気絶縁性樹脂の種類を、エポキシ樹脂系紛体プライマー(久保孝ペイント株式会社製 ニッシンパウダーEP758−047エポプライマー)に変えるとともに、85重量部、80重量部、70重量部、60重量部、50重量部に対して、それぞれ薄片状銀粉(A1)の配合量を、15重量部、20重量部、30重量部、40重量部、50重量部とし、さらに、溶剤(エクソンモービル製 エクソールD80)をそれぞれ、50重量部とした以外は、実施例1と同様に導電性ペーストを作成して、比抵抗等を同様に測定した。それぞれ得られた評価結果を、表2に示す。
[実施例13〜実施例16]
実施例13〜実施例16では、表3に示すように、導電性ペーストにおける電気絶縁性樹脂の種類を、ポリエステル樹脂(東洋紡(株)製、バイロンUR−3210)に変えるとともに、12重量部、10.5重量部、8.5重量部、7重量部に対してアクリル系樹脂粒子(アイカ工業(株)製、ガンツパールGM−2810)を、58重量部、49.5重量部、41.5重量部、33重量部配合し、さらには、薄片状銀粉(A1)の配合量を30重量部、40重量部、50重量部、60重量部配合し、さらに、溶剤(酢酸ブチル)をそれぞれ、55重量部、60重量部、60重量部、65重量部としたほかは、実施例1と同様に、それぞれ導電性ペーストを作成して、比抵抗等を同様に測定した。それぞれ得られた結果を、表3に示す。
実施例13〜実施例16では、表3に示すように、導電性ペーストにおける電気絶縁性樹脂の種類を、ポリエステル樹脂(東洋紡(株)製、バイロンUR−3210)に変えるとともに、12重量部、10.5重量部、8.5重量部、7重量部に対してアクリル系樹脂粒子(アイカ工業(株)製、ガンツパールGM−2810)を、58重量部、49.5重量部、41.5重量部、33重量部配合し、さらには、薄片状銀粉(A1)の配合量を30重量部、40重量部、50重量部、60重量部配合し、さらに、溶剤(酢酸ブチル)をそれぞれ、55重量部、60重量部、60重量部、65重量部としたほかは、実施例1と同様に、それぞれ導電性ペーストを作成して、比抵抗等を同様に測定した。それぞれ得られた結果を、表3に示す。
[実施例17〜実施例18]
実施例17〜実施例18では、形態制御剤としての有機酸の種類を、クエン酸のかわりに、コハク酸および酒石酸を用いた以外は、実施例1と同様に、それぞれ薄片状銀粉(A8、A9)およびそれから導電性ペーストを製造して、比抵抗等を同様に測定した。それぞれ得られた結果を、表4に示す。
実施例17〜実施例18では、形態制御剤としての有機酸の種類を、クエン酸のかわりに、コハク酸および酒石酸を用いた以外は、実施例1と同様に、それぞれ薄片状銀粉(A8、A9)およびそれから導電性ペーストを製造して、比抵抗等を同様に測定した。それぞれ得られた結果を、表4に示す。
[実施例19〜実施例20、比較例2]
実施例19〜実施例20では、表5に示すように、形態制御剤としての有機酸の代わりに、有機酸塩であるポリアクリル酸アンモニウム(和光純薬工業社製、ポリアクリル酸アンモニウム溶液、濃度52%品)を、それぞれ0.04重量部、0.2重量部用いたほかは、実施例1と同様に、それぞれ薄片状銀粉(A10、A11)およびそれから導電性ペーストを作成して、比抵抗等を同様に測定した。得られた結果を、表5に示す。
また、比較例2では、ポリアクリル酸アンモニウムを1.2重量部用いたほかは、実施例1と同様に、それぞれ銀粉(粒状銀粉(B2))およびそれから導電性ペーストを作成して、比抵抗等を同様に測定した。得られた結果を、表5に示す。
実施例19〜実施例20では、表5に示すように、形態制御剤としての有機酸の代わりに、有機酸塩であるポリアクリル酸アンモニウム(和光純薬工業社製、ポリアクリル酸アンモニウム溶液、濃度52%品)を、それぞれ0.04重量部、0.2重量部用いたほかは、実施例1と同様に、それぞれ薄片状銀粉(A10、A11)およびそれから導電性ペーストを作成して、比抵抗等を同様に測定した。得られた結果を、表5に示す。
また、比較例2では、ポリアクリル酸アンモニウムを1.2重量部用いたほかは、実施例1と同様に、それぞれ銀粉(粒状銀粉(B2))およびそれから導電性ペーストを作成して、比抵抗等を同様に測定した。得られた結果を、表5に示す。
以上説明したように、本発明の薄片状銀粉によれば、湿式還元法を用いて、所定の嵩密度および平均粒径(D50)等を有するとともに、取り扱いが容易で、導電性ペーストを構成した場合に良好な電気特性が得られる薄片状銀粉が得られるようになった。
そして、製造条件を調整し、薄片状銀粉の縁に、切り欠けを設けて、ギザギザ状としたり、薄片状銀粉の表面に複数の微小突起を設けたりすることによって、薄片状銀粉の変形等を容易にすることができるばかりか、嵩密度の値を極端に低下させることができるようになった。
また、本発明の導電性ペーストによれば、所定の嵩密度および平均粒径(D50)等を有するとともに、薄片状銀粉を、電気絶縁性樹脂中に所定量配合することによって、電気特性に優れるとともに、低密度の導電性ペーストが得られるようになった。
そして、電気絶縁性樹脂中に、さらに、樹脂粒子や無機粒子を混合分散させることによって、導電性ペースト自体の機械的強度を高めることができるばかりか、薄片状銀粉が、樹脂粒子の曲面に沿って、変形して存在しやすくなることから、比較的少量の配合量であっても、良好な電気特性が得られるようになった。
さらには、本発明の薄片状銀粉の製造方法によれば、所定の湿式還元法を用いることによって、所定の嵩密度および平均粒径(D50)等を有するとともに、取り扱い等が容易な薄片状銀粉が効率的に得られるようになった。
したがって、本発明の薄片状銀粉およびそれを用いてなる導電性ペーストであれば、各種電気製品、電子部品、自動車製品等の導電用途やアース、シールド用途において、好適に使用することが期待される。
そして、製造条件を調整し、薄片状銀粉の縁に、切り欠けを設けて、ギザギザ状としたり、薄片状銀粉の表面に複数の微小突起を設けたりすることによって、薄片状銀粉の変形等を容易にすることができるばかりか、嵩密度の値を極端に低下させることができるようになった。
また、本発明の導電性ペーストによれば、所定の嵩密度および平均粒径(D50)等を有するとともに、薄片状銀粉を、電気絶縁性樹脂中に所定量配合することによって、電気特性に優れるとともに、低密度の導電性ペーストが得られるようになった。
そして、電気絶縁性樹脂中に、さらに、樹脂粒子や無機粒子を混合分散させることによって、導電性ペースト自体の機械的強度を高めることができるばかりか、薄片状銀粉が、樹脂粒子の曲面に沿って、変形して存在しやすくなることから、比較的少量の配合量であっても、良好な電気特性が得られるようになった。
さらには、本発明の薄片状銀粉の製造方法によれば、所定の湿式還元法を用いることによって、所定の嵩密度および平均粒径(D50)等を有するとともに、取り扱い等が容易な薄片状銀粉が効率的に得られるようになった。
したがって、本発明の薄片状銀粉およびそれを用いてなる導電性ペーストであれば、各種電気製品、電子部品、自動車製品等の導電用途やアース、シールド用途において、好適に使用することが期待される。
10:薄片状銀粉、12:電気絶縁性樹脂、14:樹脂粒子、16:導電性ペースト
Claims (8)
- 湿式還元法に基づき、硝酸銀を含む第1水溶液と、硝酸銀の還元剤を含む第2水溶液と、を反応させてなる、平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)が1.1〜30μmの範囲内の値であり、厚さが0.01〜2μmの範囲内の値であり、嵩密度が0.1〜4g/cm3の範囲内の値である薄片状銀粉の製造方法であって、
前記第1水溶液および前記第2水溶液、あるいはいずれか一方に、硝酸および有機酸がそれぞれ配合してあり、
前記第1水溶液および前記第2水溶液の全体の合計量に対して、前記硝酸の合計量を、0.1〜10重量%の範囲内の値とし、前記有機酸の合計量を0.001〜0.5重量%の範囲内の値とし、
かつ、
前記第1水溶液において、前記第1水溶液の全体量に対して、前記硝酸銀の配合量を7〜20重量%の範囲内の値とすることを特徴とする薄片状銀粉の製造方法。 - 前記第2水溶液において、前記第2水溶液の全体量に対して、前記硝酸銀の還元剤の配合量を0.5〜20重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の薄片状銀粉の製造方法。
- 前記薄片状銀粉の表面に、複数の微小突起部が設けてあるとともに、当該微小突起部の高さを0.001〜1μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1または2に記載の薄片状銀粉の製造方法。
- 前記薄片状銀粉を平面視した場合の形状を円形、楕円形、および六角形からなる群から選択される少なくとも一つの形状とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の薄片状銀粉の製造方法。
- 前記薄片状銀粉の縁に沿って、切り欠け部を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の薄片状銀粉の製造方法。
- 前記薄片状銀粉の表面に、有機酸処理が施してあることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の薄片状銀粉の製造方法。
- 湿式還元法で得られてなる薄片状銀粉と、電気絶縁性樹脂と、を含む導電性ペーストの製造方法であって、下記第1工程および第2工程を含むことを特徴とする導電性ペーストの製造方法。
(1)湿式還元法に基づき、硝酸銀を含む第1水溶液と、硝酸銀の還元剤を含む第2水溶液と、を反応させてなる、平面視した場合の円相当径としての平均粒径(D50)が1.1〜30μmの範囲内の値であり、厚さが0.01〜2μmの範囲内の値であり、嵩密度が0.1〜4g/cm3の範囲内の値である薄片状銀粉を製造する工程であって、
前記第1水溶液および前記第2水溶液、あるいはいずれか一方に、硝酸および有機酸がそれぞれ配合してあり、前記第1水溶液および前記第2水溶液の全体の合計量に対して、前記硝酸の合計量を、0.1〜10重量%の範囲内の値とし、前記有機酸の合計量を0.001〜0.5重量%の範囲内の値とし、かつ、前記第1水溶液において、前記第1水溶液の全体量に対して、前記硝酸銀の配合量を7〜20重量%の範囲内の値として薄片状銀粉を製造する第1工程
(2)前記第1工程で得られてなる薄片状銀粉を、前記電気絶縁性樹脂100重量部に対して、10〜300重量部の範囲内の値となるように混合し、前記導電性ペーストとする第2工程 - 前記第2工程において、前記第1工程で得られてなる薄片状銀粉を、前記電気絶縁性樹脂100重量部に対して、100重量部配合した場合に得られる導電性ペーストの比抵抗を1×10-5〜1×10-1Ω・cmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項7に記載の導電性ペーストの製造方法。
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