実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(e-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB,HeNB),UTRANのHome-NB(HNB))とnon-CSGセル(e-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、e−UTRANについては、図7の(a)や(b)のような構成が提案されている(非特許文献1、非特許文献3)。図7(a)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。Home−eNB72−2はMME73とインタフェースS1により接続され、Home−eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのMMEに対して複数のHome−eNBが接続される。
次に、図7(b)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。図7(a)と同じように、eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。一方、Home−eNB72−2はHeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME73と接続される。Home−eNBとHeGWはインタフェースS1により接続され、HeNBGW74とMME73はインタフェースS1_flexを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1を通して情報が通信される。HeNBGW74はひとつまたは複数のMME73と接続され、S1_flexを通して情報が通信される。
図7(b)の構成を用いて、ひとつのHeNBGW74を、同じCSG−IDに属するHome−eNBと接続することによって、例えばレジストレーション情報など、同じ情報をMME73から同じCSG−IDに属する複数のHome−eNB72−2に送信する場合、一旦HeNBGW74へ送信し、そこから複数のHome−eNB72−2へ送信することで、複数のHome−eNB72−2に対してそれぞれ直接に送信するよりもシグナリング効率を高められる。一方、各Home−eNB72−2がそれぞれ個別の情報をMME73と通信する場合は、HeNBGW74を介すがそこで情報を加工することなく通過(透過)させるだけにしておくことで、Home−eNB72−2とMME73があたかも直接接続されているように通信することも可能となる。
図8は、本発明に係る移動端末(図7の端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、アプリケーション部802からのユーザデータが送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータはエンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局312に送信信号が送信される。また、移動端末311の受信処理は以下のとおり実行される。基地局312からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末の一連の処理は制御部810によって制御される。よって制御部810は、図面では省略しているが、各部(801〜809)と接続している。
図9は、本発明に係る基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME73,HeNBGW74など)間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901、他基地局通信部902はそれぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、またEPC通信部901と他基地局通信部902からのユーザデータ及び制御データが送信データバッファ部904へ保存される。送信データバッファ部904に保存されたデータはエンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。また、基地局72の受信処理は以下のとおり実行される。ひとつもしくは複数の移動端末311からの無線信号がアンテナ908により受信される。受信信号は周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は制御部911によって制御される。よって制御部911は図面では省略しているが各部(901〜910)と接続している。
図10は、本発明に係るMME(Mobility Management Entity)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1001はMME73とPDN GW間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002はMME73と基地局72間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータはPDN GW通信部1001からユーザプレイン処理部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは基地局通信部1002からユーザプレイン処理部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データはPDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73とHeNBGW74間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データはHeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1はNAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2はSAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け(LTE‐IDLE状態、単にアイドルとも称される)状態のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成及び制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。MMEはUEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:tracking Area: TA)に属するセルへページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MMEに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理を、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行っても良い。CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルの関係であっても良い。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されても良い。これらのCSGに関する管理はMME73の中の他の部分で行われても良いが、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行うことで、現在3GPP会合で議論されている、CSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code)を用いる方法が効率よく行える。MME313の一連の処理は制御部1006によって制御される。よって制御部1006は図面では省略しているが各部(1001〜1005)と接続している。
図11は、本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。EPC通信部1101はHeNBGW74とMME73間をS1_flexインタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102はHeNBGW74とHome−eNB72−2間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73からのデータのうちレジストレーション情報など、複数のHome−eNBに送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は制御部1104によって制御される。よって制御部1104は図面では省略しているが各部(1101〜1103)と接続している。
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末にてセルサーチが開始されると、ステップST1201で周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)を用いてスロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSあわせて、同期信号(SS)にはセル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。参照信号RSにはPCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ST1201で特定したPCIから該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。次にST1203で、ST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセル)を選択する。次にST1204でベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
次に1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1にはTAC(Tracking Area Code)が含まれる。次にST1206で、移動端末は、ST1205で受信したTACと、移動端末が既に保有しているTACと比較する。比較した結果、同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して異なる場合は、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network, EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークはTAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末は該セルのTACで、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)。その後移動端末は該セルで待ち受け動作に入る。
LTEやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末がひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGにはCSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。なお、ひとつのCSGには複数のCSGセルがあっても良い。移動端末はどれかひとつのCSGセルに登録すればそのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。また、LTEでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBがCSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的にはホワイトリストはSIM/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報がのる。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACが対応づけられていれば、どちらか一方で良い。また、CSG−IDやTACとGCI(Global Cell Identity)が対応付けられていればGCIでもよい。以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割(PCIスプリットと称する)することが議論されている(非特許文献5)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有しない移動端末は、全PCIを用いて(例えば504コード全てを用いて)セルサーチを行う必要がある。対してPCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
CSGセルが導入された場合、例えば、HNB/HeNBがクローズドアクセスモードのCSGセルとして運用され、マクロセルのカバレッジ内に該CSGセルが設置されることが考えられる。このような場合、CSGカバレッジ内でマクロセルとCSGセル間で干渉が生じるため、該CSGセルにユーザ登録していない移動端末は、該CSGセルからの干渉によりマクロセルとの通信が不可能になるという問題が生じてしまう。また、CSGセルで通信している移動端末がマクロセル(eNB)にハンドオーバできない場合も同様に、通信が不可能になるという問題が生じる。一般に、あるセルのカバレッジ内において他のセルから干渉電力が大きくなった場合、通信を切断しないようにするため、移動端末は該他のセルあるいはその他の適切なセルへハンドオーバ(HO)やセルの再選択(Re-selection)できるようにしている。しかし、移動端末がそれらのセルへハンドオーバやリセレクションができない場合、該他のセルからの干渉電力が増大し、通信が切断してしまうという問題が生じる。
非特許文献8では、CSGセルとするHNB/HeNBを適応出力で運用する方法を記載している。しかし、この方法では、依然としてCSGセルとマクロセル間の干渉が大きくなるエリアが存在し、このようなエリアに移動した移動端末は通信が不可能となるため、上記問題は解消されないことになる。本発明では、これらの問題を解消するため、スケジューリング不可能な信号の物理リソースをセル間で重ならないようにすることを開示する。実施の形態1では、例えば、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースの時間(タイミング)や周波数のいずれか、あるいは両方がセル間で重ならないようにする。
移動通信システムにおいて、信号がマッピングされる物理リソースのタイミングや周波数を変更するなどスケジューリング可能な信号と、逆に、信号がマッピングされる物理リソースのタイミングや周波数がシステムとしてあらかじめ決められているようなスケジューリング不可能な信号がある。複数のセルのカバレッジがオーバラップする場合、他のセルから送信される信号が自セルにとって干渉となる。この場合、スケジューリング可能な信号については、基地局は他セルからの干渉を避けるようにダイナミックあるいはセミスタティックに該信号を物理リソースにマッピングするなどスケジューリングすれば、干渉を回避することができる。しかし、スケジューリング不可能な信号については、該信号がマッピングされる物理領域があらかじめ決められているため、基地局は他セルからの干渉を避けるように該信号を物理リソースにマッピングすることが不可能なため、干渉を回避することができない場合が生じてしまう。
例えば、ある特定の周波数領域で、無線フレーム内のある特定のサブフレームにマッピングされる信号がある。セル間は非同期のため、複数のセルが存在するような場合、該信号は特定の周波数領域、特定のサブフレームの物理リソースにマッピングされるため、複数のセルの該信号の送信タイミングが重なってしまう場合が生じる。このため、自セルの信号にとって他セルの信号は干渉となってしまう。移動端末においては、この干渉により、所望のセルからの信号を受信できなくなってしまうという問題が生じる。
そこで、本実施の形態では、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースがセル間で重ならないように、時間領域でオフセットを設ける。設けるオフセットの一例として、サブフレーム単位でnサブフレームのオフセットとする。例として、LTEについて示す。図15にLTEにおけるフレーム構成とスケジューリング不可能な信号を示す。1501は第一同期信号(P−SS)、1502は第二同期信号(S−SS)、1503は物理報知チャネル(PBCH)である。PBCHには報知情報がのる。前述のように、LTEでは全てのセルにおいて、下り同期信号(P−SS、S−SS)は無線フレーム毎に1番目(#0)と6番目(#5)のサブフレームにマッピングされ、PBCHは無線フレーム毎に1番目(#0)のサブフレームにマッピングされることが決まっている。また、同期信号およびPBCHがマッピングされる周波数領域はいずれのセルにおいてもセルの周波数帯域の中心1.08MHzと決められている。従ってLTEにおけるこれらの信号(P-SS,S-SS,PBCH)はスケジューリング不可能な信号である。
次に、複数のセルのカバレッジがオーバラップする場合について述べる。例として、図16に二つのセル(セル#1、セル#2)のフレーム構成を示す。図16において、1601は第一同期信号(P−SS)、1602は第二同期信号(S−SS)、1603は物理報知チャネル(PBCH)である。同じシステムなので二つのセルは同一のフレーム構成を持つ。しかし、セル間は非同期のため送信タイミングはセル毎に異なり、よって、無線フレームの始まる送信タイミング(サブフレーム#0の始まる送信タイミング)はセル毎に異なる。二つの送信タイミングが図に示すようにずれていた場合、PBCH1603がマッピングされる物理リソースは一部同じ時間に送信されることとなる。PBCH1603がマッピングされる物理リソースは周波数領域もあらかじめ決められていてスケジューリング不可能なため、これら二つのセルのカバレッジがオーバラップしている場合、同時に送信される該物理リソースは相互に干渉となってしまう。セル#1傘下の移動端末がセル#1とセル#2のカバレッジがオーバラップしているエリアに移動した場合、該移動端末が受信するセル#1のPBCHが、セル#2から送信されるPBCHによって干渉されることになる。セル#1のPBCHの受信電力とセル#2からのPBCHの干渉電力によっては、セル#1のPBCHを受信できなくなってしまう。PBCHはシステム情報など該セルとの通信を行うために必要な情報がのせられている信号である。従って、この信号を受信できない移動端末は、該セルと通信ができなくなってしまうことになる。
図17に、本実施の形態で開示する、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースにnサブフレームオフセットを設けた場合の例を示す。この例においては、n=2としている。図17において、1701は第一同期信号(P−SS)、1702は第二同期信号(S−SS)、1703は物理報知チャネル(PBCH)である。セル#1(第一のセル)とセル#2(第二のセル)の無線フレームの始まる送信タイミングを同じにするようセル間で同期をとる。干渉が問題となるセル間で同期をとることによって、各々のセルのフレームタイミングをそろえることが可能となるため、セル毎の所望の送信信号の送信タイミングを協調させることが可能となる。干渉が問題となるセル間で同期をとる方法は実施の形態3に開示する。セル#1では、従来どおり、下り同期信号(P−SS、S−SS)が無線フレーム毎にサブフレーム#0(第一のサブフレーム)とサブフレーム#5(第二のサブフレーム)にマッピングされ、PBCHが無線フレーム毎にサブフレーム#0(第一のサブフレーム)にマッピングされる。セル#2では、従来とは異なり、下り同期信号(P−SS、S−SS)は無線フレーム毎にサブフレーム#2(第三のサブフレーム)とサブフレーム#7(第四のサブフレーム)にマッピングされ、PBCHは無線フレーム毎にサブフレーム#2にマッピングされる。いいかえれば、セル間でオフセットを設け、セル#1に対してセル#2は、該オフセットだけ加えたサブフレームで同期信号とPBCHを送信する。このように、干渉が問題となる二つのセルでスケジューリング不可能な信号をマッピングする物理リソースの時間領域にオフセットを設けて、二つのセルからの該信号の送信タイミングが重ならないようにすることで、該信号が相互に干渉するのを防ぐことが可能となる。従って、たとえ二つのセル間でハンドオーバあるいはセルリセレクションすることが不可能であっても、移動端末はこれらのスケジューリング不可能な信号を受信することができる。
上記の例では、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースに設けるオフセットをサブフレーム単位としたが、他にも、時間単位でも良いし、シンボル単位でも良いし、あるいはスロット単位でも良い。時間単位、シンボル単位、スロット単位とした場合、それぞれの単位でオフセット量を設ける事が可能となるため、送信タイミングを重ならないようにするための調整が、該単位に応じてより細かくできるという効果がえられる。しかし、オフセットを時間単位、シンボル単位、スロット単位とした場合、セル毎にサブフレーム内の構成が異なることになってしまう。上記の例で開示したサブフレーム単位でオフセットを設ける場合は、サブフレーム内のスケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースの構成をセル毎に変える必要が無いので、システムにおける制御が簡易になり、また、基地局あるいは移動端末における制御回路が複雑化するのを避けられ、低消費電力化することも可能となるという効果が得られる。
オフセットの値はあらかじめ決められていても良いし、準静的(semi-static)に変更するようにしても良い。また、何種類かのオフセット値をあらかじめ決めておいて、一つのセル(例えば図17の例ではセル#2)がその中から選ぶようにしても良い。例えば、マクロセル(eNB)のカバレッジ内にCSGセルが設置されるような場合、マクロセルは従来のフレーム構成とし、CSGセルにオフセットを設けるようにしても良い。これにより、マクロセルのフレーム構成は従来どおりとすることができ、問題となるCSGセルのみにオフセットを設ければ良くなるため、オフセットを必要とするセルが少なくなるという効果が得られる。また、オフセットは後から設置されるセルで設定されるようにしておいても良い。例えば、マクロセル(eNB)のカバレッジ内にCSGセルが設置されるような場合、CSGセルのフレーム構成に上記オフセットを設けるようにしておく。こうすることで、最初に設置されたセル(ここではマクロセル)のフレーム構成に従来のフレーム構成を使用することが可能となり、オフセットの数を少なくできるため、移動端末および基地局において、同期信号やPBCHの受信回路の複雑化や消費電力の増大を生じることなく、これらの信号を受信可能とする効果が得られる。
セル#1の同期信号あるいはPBCHがマッピングされる物理リソースの送信タイミングでは、セル#2ではスケジューリング可能な信号が物理リソースにマッピングされる。従って、セル#1の同期信号あるいはPBCHへの干渉を避けるため、セル#1の該送信タイミングでは、セル#2では制御信号やデータなどのスケジューリングを避けるなど適切なスケジューリングを行うようにしておけば良い。これにより、セル#1の同期信号あるいはPBCHへの干渉をなくしたり低減したりすることが可能となるため、セル#1での通信が確保される。セル#2の同期信号あるいはPBCHがマッピングされる物理リソースの送信タイミングでも同様である。
例えば、該マクロセルのカバレッジ内に該CSGセルが設置されたとする。該マクロセルと通信を行っており、該CSGセルにユーザ登録していない移動端末が該CSGセルのカバレッジ内に移動した場合、該移動端末はCSGセルへハンドオーバできない。このため、該移動端末が通信を可能とするためには、該マクロセルからのスケジューリング不可能な信号を受信可能としておかねばならない。従って、該CSGセルからの干渉をなくすため、上記の方法を適用する。該マクロセルのスケジューリング不可能な信号の送信タイミングでは、該CSGセルでは制御信号やデータなどのスケジューリングを避けるようにする。これにより、移動端末は該マクロセルのスケジューリング不可能な信号を受信可能となり、該マクロセルとの通信を可能とすることができる。一方、該CSGセルの同期信号あるいはPBCHがマッピングされる物理リソースの送信タイミングでも、該マクロセルではスケジューリング可能な信号が物理リソースにマッピングされる。CSGセルからマクロセルへのハンドオーバは可能だとすると、該マクロセルの該送信タイミングでは、制御信号やデータなどのスケジューリングを避ける必要はない。しかし、該マクロセルの該送信タイミングでは、通信品質(CQI)の悪い移動端末の制御信号やデータをマッピングしないようにすると良い。なぜならば、CQIが悪い理由として、該CSGセルから送信される同期信号あるいはPBCHによる干渉が考えられるためである。従って、CQIが悪い移動端末は該CSGセルのカバレッジ内あるいは近傍に存在している可能性があるからである。また、CQIの悪い移動端末に対しては、該マクロセルは高い送信電力でPDSCHを送信することとなる。これが該CSGセルの同期信号あるいはPBCHへの干渉を高めることになってしまう。こうなることを防ぐため、該マクロセルの該送信タイミングでは、通信品質の悪い移動端末の制御信号やデータをマッピングしないようにすると良い。
本実施の形態で開示した構成とすることで、スケジューリング不可能な信号のセル間干渉が低減され、移動端末は該信号を受信可能となる。これにより、それらのセルへのハンドオーバやセルリセレクションが許可されていない場合に、移動端末はそれらのセルとの通信が切断されることがなくなる、という効果を得ることが可能となる。例えば、図18にマクロセルのカバレッジ内にCSGセルとして動作するHeNBを設置した状況における移動端末での受信信号干渉波比(SIR)の概念図を示す。図18(a)に従来の場合のSIRを示す。図18(a)は図13(c)と同じ図面であるので説明は省略する。一方、本実施の形態で開示した構成とすることで、図18(b)に示すように、HeNB近傍においてもeNBのスケジューリング不可能な信号に対するCSGセルからの干渉が低減され、移動端末のSIRは一点鎖線の様に閾値aより大きくなる。従って移動端末は該スケジューリング不可能な信号を受信することが可能となり、eNBとの通信を切断されることなく引き続き行うことが可能となる。本実施の形態で開示した構成とすることで、上記のように、例えばLTEにおいて、ハンドオーバ不可能なセルがオーバラップして配置された場合や、CSGセルがマクロセル内に配置された場合などにて適用することで、スケジューリング不可能な信号のセル間干渉が低減され、移動端末は該信号を受信可能となるため、マクロセルとの通信を切断されることなく引き続き行うことが可能となる。
変形例1.
実施の形態1において、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースがセル間で重ならないように、nサブフレーム分のオフセットを設けることを開示した。本変形例では、該スケジューリング不可能な信号の物理リソースをセル間で重ならないようにすることを開示する。
移動通信システムにおいて、信号がマッピングされる物理リソースのタイミングや周波数を変更するなどスケジューリング可能な信号と、逆に、信号がマッピングされる物理リソースのタイミングや周波数がシステムとしてあらかじめ決められているようなスケジューリング不可能な信号があることは既に述べた。スケジューリング不可能な信号に、ある特定の周波数領域で、毎サブフレーム内のある特定のシンボルにマッピングされる信号がある。例えば、LTEにおいて、PDCCHやPHICHやPCFICHなどのL1/L2制御信号である。これらの信号は、毎サブフレームの先頭1番目のシンボルから3番目のシンボル内で、セルの周波数帯域(システム帯域)全帯域にわたる物理リソースにマッピングされることが決まっている。この様な信号の場合、実施の形態1で開示した、nサブフレームオフセットを設ける方法は適用できない。なぜならば、nサブフレームオフセットを設けて送信したとしても、そのサブフレームにマッピングされるL1/L2制御信号が同時に送信されることになり、相互に干渉となってしまうからである。上記のような問題を解消するため、本変形例では、スケジューリング不可能な信号の物理リソースをひとつのサブフレーム内でセル間で重ならないようにオフセットを設ける。設けるオフセットの一例として、シンボル単位でmシンボルのオフセットとする。
図19に、3GPPで決定されているL1/L2制御信号がマッピングされる物理リソースを示す。L1/L2制御信号(PDCCH、PHICH、PCFICH)は、毎サブフレームの先頭から3シンボル以内でセルの全帯域の物理リソースにマッピングされる。図中、1901は第一同期信号(P−SS)、1902は第二同期信号(S−SS)、1903はPBCHである。1904はL1/L2制御信号を示している。本変形例では、スケジューリング不可能な信号の物理リソースをひとつのサブフレーム内でセル間で重ならないようにする。例えば、LTEにおいては、該L1/L2制御信号を毎サブフレームの先頭から3シンボル以内を除いたシンボルにマッピングする。図20に、例として、毎サブフレーム内の10番目のシンボルから12番目のシンボルにマッピングする場合を示す。2001は第一同期信号(P−SS)、2002は第二同期信号(S−SS)、2003はPBCHである。2004はL1/L2制御信号を示している。周波数については、セルの全帯域にマッピングする。マッピングするシンボルは、毎サブフレームの先頭から3シンボル以内を除いたシンボルであれば良いが、mシンボルだけオフセットを設けて、該オフセット分だけ先頭のシンボルからずらすようにしても良い。図の例ではm=9となる。オフセットとすることで、L1/L2制御信号を3シンボル内の物理リソースへのマッピング方法を従来の方法と同じにすることができ、単にオフセット分ずらすだけで良くなるため、制御方法が簡単となるという効果が得られる。また、オフセット値のみをパラメータとすることができるため、制御方法が簡単になり、また、該オフセット値をネットワーク側や基地局や移動端末間でシグナリングを行う場合にも情報量を少なくできるため、システムとしてのシグナリング効率を向上させることが可能となる。また、こうすることで、移動端末においても、従来に比べてL1/L2制御信号の受信回路の多大な複雑化や消費電力の増大をさせることなく、これらの信号を受信可能とする効果が得られる。
無線フレーム中、ある特定のサブフレームのある特定のシンボルにマッピングされるスケジューリング不可能な信号が存在する場合があることを実施の形態1で述べた。従って、これらの信号がL1/L2制御信号と同時に送信されるのを避けるため、該特定のシンボルを除いてマッピングする。このようにすることで、セルの帯域幅(システム帯域幅)全帯域にマッピングされるようなスケジューリング不可能な信号と、セルの帯域幅のうち一部の周波数帯域にマッピングされるようなスケジューリング不可能な信号との干渉を避けることが可能となる。LTEでは例えば、図19、図20で示すように、先頭から4番目のシンボルから9番目のシンボルの帯域の中心1.08MHzに、同期信号とPBCHがマッピングされる。従って、これらの信号がL1/L2制御信号と同時に送信されるのを避けるため、先頭から4番目から9番目のシンボルを除いてマッピングすると良い。
図21に、本変形例で示したmシンボルオフセットを設けた場合の二つのセル間のフレーム構成例を示す。スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースをセル間で重ならないようにするため、該物理リソースを、セル#1では図19で示した毎サブフレームの全帯域の先頭1番目のシンボルから3番目のシンボルとし、セル#2では図20で示した毎サブフレームの全帯域の10番目から12番目のシンボルとする。すなわちセル#2ではセル#1に対してmシンボルのオフセットを設け、m=9として物理リソースに該信号をマッピングして送信する。セル#1とセル#2の無線フレームの始まる送信タイミングを同じにするようセル間で同期をとる。このように、干渉が問題となる二つのセルでスケジューリング不可能な信号をマッピングする物理リソースの送信タイミングにmシンボルのオフセットを設けて、二つのセルからの該信号の送信タイミングが重ならないようにすることで、該信号が相互に干渉するのを防ぐことが可能となる。従って、たとえ二つのセル間でハンドオーバあるいはセルリセレクションすることが不可能であっても、移動端末はこれらのスケジューリング不可能な信号を受信することができる。
上記の例では、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースに設けるオフセットをシンボル単位としたが、他にも、時間単位でも良いし、スロット単位でも良い。時間単位とした場合、それぞれの単位でオフセット量を設ける事が可能となるため、送信タイミングを重ならないようにするための調整がより細かくできるという効果がえられる。スロット単位とした場合、細かい調整ができないが、スロット構成をセル毎に変える必要が無いのでシステムにおける制御が簡易になり基地局あるいは移動端末における制御回路が複雑化するのを避けられ、低消費電力化することも可能となるという効果が得られる。しかし、スロット単位とした場合、設定できるオフセット値が少なってしまう。オフセットをシンボル単位とすることで、細かい調整、容易な制御、多くのオフセット値の設定を同時に可能とすることができる効果がえられる。
オフセットの値はあらかじめ決められていても良いし、セミスタティックに変更するようにしても良い。また、何種類かのオフセット値をあらかじめ決めておいて、一つのセル(例えば図21の例ではセル#2)がその中から選ぶようにしても良い。例えば、マクロセル(eNB)のカバレッジ内にCSGセルが設置されるような場合、マクロセルは従来のフレーム構成とし、CSGセルにオフセットを設けるようにしても良い。これにより、マクロセルのフレーム構成は従来どおりとすることができ、問題となるCSGセルのみにオフセットを設ければ良くなるため、オフセットを必要とするセルが少なくなるという効果が得られる。また、オフセットは後から設置されるセルで設定されるようにしておいても良い。例えば、マクロセル(eNB)のカバレッジ内にCSGセルが設置されるような場合、CSGセルのフレーム構成に上記オフセットを設けるようにしておく。こうすることで、最初に設置されたセル(ここではマクロセル)のフレーム構成に従来のフレーム構成を使用することが可能となり、オフセットの数を少なくできるため、移動端末および基地局において、L1/L2制御信号の受信回路の多大な複雑化や消費電力の増大を生じることなく、これらの信号を受信可能とする効果が得られる。
セル#1のL1/L2制御信号がマッピングされる物理リソースの送信タイミングでは、セル#2ではスケジューリング可能な信号が物理リソースにマッピングされる。従って、セル#1のL1/L2制御信号への干渉を避けるため、セル#1の該送信タイミングでは、セル#2では制御信号やデータなどのスケジューリングを避けるなど適切なスケジューリングを行うようにしておけば良い。これにより、セル#1のL1/L2制御信号への干渉をなくしたり低減したりすることが可能となるため、セル#1での通信が確保される。セル#2のL1/L2制御信号がマッピングされる物理リソースの送信タイミングでも同様である。例えば、該マクロセルのカバレッジ内に該CSGセルが設置されたとする。該マクロセルと通信を行なっており、該CSGセルにユーザ登録していない移動端末が該CSGセルのカバレッジ内に移動した場合、該移動端末はCSGセルへハンドオーバできない。このため、該移動端末が通信を可能とするためには、該マクロセルからのスケジューリング不可能な信号を受信可能としておかねばならない。従って、該CSGセルからの干渉をなくすため、上記の方法を適用する。該マクロセルのスケジューリング不可能な信号の送信タイミングでは、該CSGセルでは制御信号やデータなどのスケジューリングを避けるようにする。これにより、移動端末は該マクロセルのスケジューリング不可能な信号を受信可能となり、該マクロセルとの通信を可能とすることができる。
一方、該CSGセルのL1/L2制御信号がマッピングされる物理リソースの送信タイミングでも、該マクロセルではスケジューリング可能な信号が物理リソースにマッピングされる。CSGセルからマクロセルへのハンドオーバは可能だとすると、該マクロセルの該送信タイミングでは、制御信号やデータなどのスケジューリングを避ける必要はない。しかし、該マクロセルの該送信タイミングでは、通信品質(CQI)の悪い移動端末の制御信号やデータをマッピングしないようにすると良い。なぜならば、CQIが悪い理由として、該CSGセルから送信されるL1/L2制御信号による干渉が考えられるためである。従って、CQIが悪い移動端末は該CSGセルのカバレッジ内あるいは近傍に存在している可能性があるからである。また、CQIの悪い移動端末に対しては、該マクロセルは高い送信電力でPDSCHを送信することとなる。これが該CSGセルのL1/L2制御信号への干渉を高めることになってしまう。こうなることを防ぐため、該マクロセルの該送信タイミングでは、通信品質の悪い移動端末の制御信号やデータをマッピングしないようにすると良い。
本変形例で開示した構成とすることで、スケジューリング不可能な信号のセル間干渉が低減され、移動端末は該信号を受信可能となる。特に、スケジューリング不可能な信号として毎サブフレームある特定の周波数領域である特定のサブフレームにマッピングされるような場合に本変形例を適用することによって、該スケジューリング不可能な信号のセル間干渉が低減され、移動端末は該信号を受信可能となる。これにより、それらのセルへのハンドオーバやセルリセレクションが許可されていない場合に、移動端末はそれらのセルとの通信が切断されることがなくなる、という効果を得ることが可能となる。例えば、マクロセルのカバレッジ内にCSGセルとして動作するHeNBを設置した状況における移動端末での受信信号干渉波比(SIR)の概念図は、上記で示した実施の形態1と同様に、図18で示すようになる。図18(b)に示すように、HeNB近傍においてもeNBのスケジューリング不可能な信号に対するCSGセルからの干渉が低減され、移動端末のSIRは一点鎖線の様に閾値aより大きくなる。従って移動端末は該スケジューリング不可能な信号を受信することが可能となり、eNBとの通信を切断されることなく引き続き行うことが可能となる。本実施の形態で開示した構成とすることで、上記のように、例えばLTEにおいて、ハンドオーバ不可能なセルがオーバラップして配置された場合や、CSGセルがマクロセル内に配置された場合などに適用することで、スケジューリング不可能な信号のセル間干渉が低減され、移動端末は該信号を受信可能となるため、マクロセルとの通信を切断されることなく引き続き行うことが可能となる。
スケジューリング不可能な信号として、ある特定の周波数領域で無線フレーム内のある特定のサブフレームにマッピングされる信号と、ある特定の周波数領域で毎サブフレーム内のある特定のシンボルにマッピングされる信号の両方があった場合に、該信号がセル間で干渉となることを防ぐため、該スケジューリング不可能な信号の物理リソースをひとつのサブフレーム内でセル間で重ならないようにする方法について開示する。この場合、実施の形態1で開示した方法と変形例1で開示した方法を組み合わせれば良い。ある特定の周波数領域で無線フレーム内のある特定のサブフレームにマッピングされる信号については、該信号がマッピングされる物理リソースがセル間で重ならないようにnサブフレームオフセットを設け、ある特定の周波数領域で毎サブフレーム内のある特定のシンボルにマッピングされる信号については、該信号の物理リソースをひとつのサブフレーム内でセル間で重ならないようにする。また、該信号の物理リソースを無線フレーム内のある特定のサブフレームにマッピングされる信号の物理リソースと重ならないようにする。
例えばLTEにおいては、サブフレーム内の信号のマッピングについては、図19、図20で示したようにする。ある特定の周波数領域で無線フレーム内のある特定のサブフレームにマッピングされる信号である同期信号(P−SS、S−SS)とPBCHはどちらの構成でも同じシンボルにマッピングする。これらの信号は、セル間で干渉とならないようにするため、マッピングされるサブフレームにオフセットを設けるようにする。セルの全周波数領域で毎サブフレーム内のある特定のシンボルにマッピングされる信号であるL1/L2制御信号については、該信号の物理リソースをひとつのサブフレーム内でセル間で重ならないようにする。また、同期信号、PBCHがマッピングされるある特定のサブフレーム内のシンボルと重ならないようにする。図20では例えば、9シンボルオフセットを設けた場合を示す。
図22にフレーム構成例を示す。スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースをセル間で重ならないようにする。セル#1では図19で示したように、L1/L2制御信号は毎サブフレームの全帯域の先頭1番目のシンボルから3番目のシンボルにマッピングされ、同期信号(P−SS、S−SS)とPBCHは先頭から4番目のシンボルから9番目のシンボルにマッピングされる。同期信号(P−SS、S−SS)とPBCHは毎サブフレームではなく、サブフレーム#0にマッピングされ、同期信号(P−SS、S−SS)はさらにサブフレーム#5にマッピングされる。セル#2では図20で示したように、L1/L2制御信号は毎サブフレームの全帯域の10番目から12番目のシンボルにマッピングされ、同期信号(P−SS、S−SS)とPBCHはセル#1と同じ先頭から4番目のシンボルから9番目のシンボルにマッピングされる。しかし、同期信号(P−SS、S−SS)とPBCHは、セル#1と異なり、サブフレーム#2にマッピングされ、同期信号はさらにサブフレーム#7にマッピングされる。いいかえれば、毎サブフレームマッピングされるスケジューリング不可能な信号は、サブフレーム内でmシンボルオフセットを設け、ある特定のサブフレームにマッピングされるスケジューリング不可能な信号は、無線フレーム内でnサブフレームオフセットを設けて、各々物理リソースにマッピングされ送信される。
セル#1とセル#2の無線フレームの始まる送信タイミングを同じにするようセル間で同期をとる。このようにすることで、二つのセルからの該スケジューリング不可能な信号の送信タイミングが重ならないようになるため、該信号が相互に干渉するのを防ぐことが可能となる。従って、たとえ二つのセル間でハンドオーバあるいはセルリセレクションすることが不可能であっても、移動端末はこれらのスケジューリング不可能な信号を受信することができる。オフセットの値については、実施の形態1や本変形例で開示した方法を用いても良い。また、あるセルでの該スケジューリング不可能な信号の送信タイミングにおいて、別のセルからの信号の送信方法も、実施の形態1や本変形例で開示した方法を用いても良い。
上記で開示した方法とすることで、スケジューリング不可能な信号として、ある特定の周波数領域で無線フレーム内のある特定のサブフレームにマッピングされる信号と、ある特定の周波数領域で毎サブフレーム内のある特定のシンボルにマッピングされる信号の両方があるような通信システムの場合にも、該信号がセル間で干渉となることを防ぎ、移動端末は該信号を受信可能となるため、マクロセルとの通信を切断されることなく引き続き行うことが可能となる。本方法とすることで、より多くの種類のフレーム構成に対応することが可能となる。
変形例2.
実施の形態1および変形例1において、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースがセル間で重ならないように、nサブフレームあるいはひとつのサブフレーム内で所定のシンボル数だけオフセットを設けることを開示した。このことは、言い換えれば、あるシステム内にフレーム構成が異なるセルが存在することになる。これはフレーム構成が一つだけのシステムに比べ基地局や移動端末における送信回路あるいは受信回路が複雑になり、ネットワーク側や基地局や移動端末間でシグナリングされる情報量も増加することになる。例えば、フレーム構成が二つあった場合、基地局や移動端末では、これら二つのフレーム構成にあった送信回路あるいは受信回路を構成する必要が生じる。このため、該回路は複雑になり、消費電力の増大も招いてしまう。また、各セルがどのようなフレーム構成を用いているか、ネットワーク側や基地局や移動端末間でシグナリングが必要となる。このため、シグナリング量が増大しシグナリング効率が低下することになる。このような問題を解消するため、本変形例では、該スケジューリング不可能な信号の物理リソースをセル間で重ならないようにし、かつ、システムとしてフレーム構成を一つとすることを開示する。
図23に、本変形例における、サブフレーム内のシンボルのマッピングの例を示す。ある特定の周波数領域で毎サブフレーム内にマッピングされるスケジューリング不可能な信号を、先頭の1番目と3番目と5番目のシンボルにマッピングする。これら3つのシンボルの全部にマッピングする必要はなく、この3つのシンボル内であれば良い。ある特定の周波数領域である特定のサブフレームにマッピングされるスケジューリング不可能な信号を先頭から7番目から12番目のシンボルにマッピングする。また、無線フレーム中、ある特定のサブフレームでは、図23で示すように、先頭から7番目のシンボルから12番目のシンボルの帯域の中心1.08MHzに、同期信号とPBCHがマッピングされる。例えば、LTEにおいて、L1/L2制御信号(PDCCH、PHICH、PCFICH)が、毎サブフレームの先頭の1番目と3番目と5番目の内にマッピングされる。図中、2301は第一同期信号(P−SS)、2302は第二同期信号(S−SS)、2303はPBCHである。2304はL1/L2制御信号のうち、PDCCHを示している。こうすることで、システム内全てのセルで一つのフレーム構成だけを使用し、かつ、スケジューリング不可能な信号の物理リソースをセル間で重ならないようにすることが可能となる。
図24に、本変形例で開示した、システム内全てのセルで一つのフレーム構成を使用した場合の二つのセル間の送信タイミングを示す。一つのフレーム構成で、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースをセル間で重ならないようにするため、図23に示したようなサブフレーム内の構成とし、セル#2ではセル#1に対してある時間間隔tdだけオフセットを設けて送信する。tdをシンボル単位としても良い。図24では例えば15シンボル(1サブフレームと1シンボル)分の時間とする。図23に示したようなサブフレーム内の構成とし、送信タイミングをセル間で1シンボル分ずらすことによって、毎サブフレーム同じシンボルにマッピングされるスケジューリング不可能な信号が、このようにすることで、二つのセルが同一のフレーム構成で、該二つのセルからのスケジューリング不可能な信号が同時に送信されることがなくなる。また、図24に示すように、1サブフレーム送信タイミングをずらすことによって、無線フレーム中ある特定のサブフレームにマッピングされるスケジューリング不可能な信号が同時に送信されることがなくなる。従って、図24に示すように、tdを例えば15シンボル(1サブフレームと1シンボル)分の時間とすることによって、いずれのスケジューリング不可能な信号も二つのセルから同時に送信されることがないようにすることができる。
このため、該スケジューリング不可能な信号が相互に干渉するのを防ぐことが可能となる。従って、たとえ二つのセル間でハンドオーバあるいはセルリセレクションすることが不可能であっても、移動端末はこれらのスケジューリング不可能な信号を受信することができる。ずらす時間間隔であるオフセットの値は15シンボルだけでなく、例えば、図23に示したサブフレーム内の構成の場合、29シンボル、43シンボルなどがある。また、図23に示したサブフレーム内の構成だけでなく、例えば、ある特定の周波数領域で毎サブフレーム内にマッピングされるスケジューリング不可能な信号を、先頭から8番目と10番目と12番目のシンボルにマッピングし、ある特定の周波数領域である特定のサブフレームにマッピングされるスケジューリング不可能な信号を先頭1番目から6番目のシンボルにマッピングしても良い。この場合は、tdは例えば13シンボル分の時間とすれば良い。すなわち、一つのフレーム構成をある時間ずらして送信した場合に、スケジューリング不可能な信号の送信タイミングが重ならないようにすれば良い。オフセットの値については、実施の形態1や変形例1で開示した方法を用いても良い。また、あるセルでの該スケジューリング不可能な信号の送信タイミングにおいて、別のセルからの信号の送信方法も、実施の形態1や変形例1で開示した方法を用いても良い。
上記で開示した方法とすることで、実施の形態1や変形例1と同じ効果を得ることができるとともに、システムとして一つのフレーム構成とすることが可能となるので、基地局や移動端末における送受信回路が複雑になるという問題を解消することができ、さらには、ネットワーク側や基地局や移動端末間でシグナリングされる情報量が増加するという問題を解消することができる、という効果が得られる。
本変形例で、干渉が問題となるセル間で、スケジューリング不可能な信号が重ならないように、送信タイミングにセル間でオフセットを設けて送信することで、フレーム構成あるいはサブフレーム内のシンボル構成をセル毎に変えなくてすむことを示した。本変形例は、実施の形態1で示した、スケジューリング不可能な信号がある特定の周波数領域である特定のサブフレームにマッピングされる場合にも適用可能である。例えば、スケジューリング不可能な信号がマッピングされるサブフレームに、セル間でオフセット設けて送信するのではなく、セル間でフレーム構成を変えずに同じとして、送信タイミングにオフセットを設けて送信すれば良い。こうすることによって、フレーム構成は一つですむため、システムとして制御が簡易になり、基地局あるいは移動端末での送受信回路も簡易に構成でき、制御遅延低減や消費電力削減が可能となる。
送信タイミングのオフセットの単位は時間単位でも、シンボル単位でも、スロット単位でも、サブフレーム単位でも良い。時間単位、シンボル単位、スロット単位とした場合、それぞれの単位でオフセット量を設ける事が可能となるため、送信タイミングを重ならないようにするための調整が、該単位に応じてより細かくできるという効果がえられる。また、本変形例は、変形例1で示した、スケジューリング不可能な信号がある特定の周波数領域で毎サブフレームにマッピングされる場合にも適用可能である。例えば、スケジューリング不可能な信号がマッピングされるシンボルに、セル間でオフセット設けて送信するのではなく、セル間でサブフレーム内のシンボル構成を変えずに同じとして、送信タイミングにオフセットを設けて送信すれば良い。こうすることによって、サブフレーム内シンボル構成は一つですむため、システムとして制御が簡易になり、基地局あるいは移動端末での送受信回路も簡易に構成でき、制御遅延低減や消費電力削減が可能となる。送信タイミングのオフセットの単位は時間単位、シンボル単位、スロット単位でも良い。時間単位とした場合、それぞれの単位でオフセット量を設ける事が可能となるため、送信タイミングを重ならないようにするための調整がより細かくできるという効果がえられる。シンボル単位、スロット単位とした場合、細かい調整ができないが、調整用の制御が簡単になるため、基地局あるいは移動端末における制御回路が複雑化するのを避けられ、低消費電力化することも可能となるという効果が得られる。
変形例3.
実施の形態1から変形例2では、スケジューリング不可能な信号の物理リソースをセル間で重ならないようにするため、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースの送信時間(タイミング)をセル間で重ならないようにした。該送信タイミングをセル間で重ならないようにするだけでは、フレーム構成のパターンや送信タイミングをずらす時間間隔のパターンの数が少ない。このパターン数を増やすため、周波数にもオフセットを設けて、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースがセル間で重ならないようにする。同期信号とPBCHが複数のセル間で重ならないようにするため、周波数軸上で該信号がマッピングされる物理リソースを各セルで異ならせることは、部分的共同チャネルでの運用として、非特許文献8で示されている。HNB/HeNBの使用する周波数をマクロセル(NBあるいはeNB)の使用する周波数の一部とし、HNB/HeNBの同期信号やPBCHのマッピングされる周波数領域と、マクロセルの同期信号やPBCHのマッピングされる周波数領域を異ならせる運用方法である。しかし、非特許文献8では、スケジューリング不可能な信号という概念もなく、さらには、スケジューリング不可能な信号の中に、セルの全周波数帯域にわたってマッピングされる信号の存在についてもなんら示されていない。また、周波数にオフセットを設けるということも示されておらず、ましてや該オフセットを各セルでどのように設定するかについても示されていない。該セルの全周波数帯域にわたってマッピングされる信号が存在する場合、非特許文献8で示すように、同期信号とPBCHののみ複数のセル間でマッピングされる周波数領域を異ならせても、セルの全周波数帯域にわたってマッピングされるスケジューリング不可能な信号が複数のセル間で重なってしまうことになる。従って、非特許文献8に示した部分的共同チャネルでの運用だけでは、セル間で干渉が増大するのを防ぐことはできず、移動端末は全周波数帯域にわたってマッピングされるスケジューリング不可能な信号を受信不可能となり、通信を切断されてしまうことになる。
これらの問題を解消するため、本変形例においては、スケジューリング不可能な信号のうちセルの一部の周波数領域にマッピングされる信号については該周波数領域がセル間で重ならないようにし、スケジューリング不可能な信号のうちセルの全周波数帯域にわたってマッピングされる信号については該信号がマッピングされる物理リソースの送信時間(タイミング)をセル間で重ならないようにする。
セル間で、スケジューリング不可能な信号のうちセルの一部の周波数領域にマッピングされる信号の該周波数領域を重ならないようにする第1の方法として、セルの全周波数帯域を同じにして、該周波数領域を異ならせるようにする。例えば、周波数帯域20MHzのセル#1とセル#2において、セル#1の該周波数領域をセルの全帯域の中心1.08MHzとして、セル#2の該周波数領域をセルの低域側周波数端より1.08MHzとする。こうすることによって、該周波数領域はどんな送信タイミングで送信されたとしても、重ならないようにすることが可能となり、セル間での該信号による干渉の増大を防ぐことができる。また、セルの全周波数帯域を同じにできるので、システムが許容している最も広い周波数帯域幅をセルに適用でき、大容量の通信を行うことが可能となる。
第2の方法として、セルの全帯域幅を異ならせ、セル間の該周波数領域が重ならないようにセルの中心周波数(キャリア)を異ならせるようにする。例えば、セル#1とセル#2において、どちらのセルの該周波数領域もセルの全帯域の中心1.08MHzとする。そして、セル#1の全帯域幅を20MHzとし、セル#2の全帯域幅を10MHzとする。そして、セル#1の中心周波数(キャリア)とセル#2の中心周波数(キャリア)を5MHz異ならせる。こうすることによって、該周波数領域はどんな送信タイミングで送信されたとしても、重ならないようにすることが可能となり、セル間での該信号による干渉の増大を防ぐことができる。
第3の方法として、セルの全帯域幅を異ならせ、セル間の該周波数領域が重ならないようにセルの中心周波数(キャリア)を異ならせ、一つのセルの周波数帯域が他のセルの該周波数領域と異ならせるようにする。例えば、セル#1とセル#2において、どちらのセルの該周波数領域もセルの全帯域の中心1.08MHzとする。そして、セル#1の全帯域幅を20MHzとし、セル#2の全帯域幅を5MHzとする。そして、セル#1の中心周波数(キャリア)とセル#2の中心周波数(キャリア)を5MHz異ならせる。これによって、上述のような効果を得るとともに、一つのセルの全周波数帯にわたってマッピングされるスケジューリング不可能な信号と他のセルの該周波数領域にマッピングされるスケジューリング不可能な信号もどんな送信タイミングで送信されたとしても、重ならないようにすることが可能となり、セル間の干渉の増大を防ぐことができる。
上述した方法では例として、二つのセルの場合を示したが、3つ以上のセルの場合でも本方法を用いることが可能である。例えば、第3の方法において、セル#1の周波数帯域幅を20MHzとし、セル#2とセル#3の周波数帯域幅を5MHzとし、セル#1に対するセル#2の中心周波数を−5MHz異ならせ、セル#1に対するセル#2の中心周波数を+5MHz異ならせるようにすれば良い。
しかし、スケジューリング不可能な信号の中には、セルの一部の周波数領域にマッピングされる信号だけでなく、セルの全周波数帯域にわたってマッピングされる信号が存在するシステムがある。この様な場合、上記に開示した方法だけではセルの全周波数帯域にわたってマッピングされるスケジューリング不可能な信号をセル間で重ならないようにすることは不可能である。従って、複数のセルのカバレッジがオーバーラップするような場合、該セル間で全周波数帯域にわたってマッピングされるスケジューリング不可能な信号による干渉が増大し、移動端末は該信号を受信不可能となり、通信を切断されてしまうことになる。この問題を解消するため、スケジューリング不可能な信号のうちセルの全周波数帯域にわたってマッピングされる信号については該信号がマッピングされる物理リソースの送信時間(タイミング)をセル間で重ならないようにする。この方法として、実施の形態1、変形例1、変形例2で開示した方法が適用可能である。
図25に本変形例における一つのサブフレーム内のシンボルのマッピング方法を示す。セルの全帯域幅を異ならせ、スケジューリング不可能な信号のうちセルの一部の周波数領域にマッピングされる信号の周波数領域を、セル間で重ならないようにし、一つのセルの周波数帯域が他のセルの該周波数領域と異ならせるようにする。例えば、セル#1とセル#2において、どちらのセルの該周波数領域もセルの全帯域の中心1.08MHzとする。そして、セル#1の全帯域幅を20MHzとし、セル#2の全帯域幅を5MHzとする。そして、セル#1の中心周波数(キャリア)とセル#2の中心周波数(キャリア)を5MHz異ならせる。例えばLTEでは、セルの一部の周波数領域にマッピングされるスケジューリング不可能な信号として、同期信号、PBCHがある。2501はP−SS、2502はS−SS、2503はPBCHである。図のように、これらの信号はある特定のサブフレームの先頭から4番目のシンボルから9番目のシンボルにマッピングされる。
このようにすることで、スケジューリング不可能な信号のうちセルの一部の周波数領域にマッピングされる信号の周波数領域を、セル間で重ならないようにできる。セルの全周波数帯域にわたってマッピングされる信号は、毎サブフレームの先頭から3番目のシンボル内にマッピングされる。セルの全周波数帯域にわたってマッピングされる信号として、例えばLTEではL1/L2制御信号がある。図中2504はL1/L2制御信号である。セル#1とセル#2は同じフレーム構成とする。これだけでは、セルの全周波数帯域にわたってマッピングされる信号をセル間で重ならないようにはできない。
図26に、上述のサブフレーム内のシンボルマッピング方法を用いた場合の二つのセル間の送信タイミングを示す。図中、2601はP−SS、2602はS−SS、2603はPBCH、2604はL1/L2制御信号である。全周波数帯域にわたってマッピングされるスケジューリング不可能な信号がセル間で重ならないようにするため、セル#2ではセル#1に対してある時間間隔tdだけオフセットを設けて送信する。tdをシンボル単位としても良い。図26では例えば3シンボル分の時間とする。このようにすることで、図に示すように、全周波数帯域にわたってマッピングされるスケジューリング不可能な信号がセル間で重ならないようになる。セルの一部の周波数領域にマッピングされる信号の送信タイミングはセル間で重なる場合があるが、該信号はマッピングされる周波数領域がセル間で異なっているため、セル間で重ならないようになる。従って、二つのセルが同一のフレーム構成で、該二つのセルからのスケジューリング不可能な信号が同じ周波数―時間領域で送信されることがなくなる。このため、該スケジューリング不可能な信号が相互に干渉するのを防ぐことが可能となる。たとえ二つのセル間でハンドオーバあるいはセルリセレクションすることが不可能であっても、移動端末はこれらのスケジューリング不可能な信号を受信することができるようになる。
セルの一部の周波数領域にマッピングされる信号の送信タイミングがセル間で重なっても、該信号はマッピングされる周波数領域がセル間で異なっているため、セル間で重なるようなことはない。従って、該信号に対してはセル間で重ならないようにする必要がなくなる。また、該信号と全周波数帯域にわたってマッピングされるスケジューリング不可能な信号もセル間で重ならないようになる。これらのことから、複数のセルからのスケジューリング不可能な信号が重なって送信されることをなくすパターン数を増やすことが可能となる。従って、干渉が問題となるセルが増大したとしても、パターン数を増やすことによって、複数のセルからのスケジューリング不可能な信号が重なって送信されることをなくすことが可能となり、たとえ複数のセル間でハンドオーバあるいはセルリセレクションすることが不可能であっても、移動端末はこれらのスケジューリング不可能な信号を受信することができるようになる。
セルの全周波数帯域にわたってマッピングされる信号がマッピングされる物理リソースの送信時間(タイミング)をセル間で重ならないようにする方法として、実施の形態1、変形例1、変形例2で開示した方法が適用可能である。これにより、同等の効果が得られる。また、オフセットの値についても、実施の形態1や変形例1や変形例2で開示した方法を用いても良い。また、あるセルでの該スケジューリング不可能な信号の送信タイミングにおいて、別のセルからの信号の送信方法も、実施の形態1や変形例1や変形例2で開示した方法を用いても良い。これにより、同等の効果が得られる。
図25では、セルの全帯域幅を異ならせ、スケジューリング不可能な信号のうちセルの一部の周波数領域にマッピングされる信号の周波数領域を、セル間で重ならないようにし、一つのセルの周波数帯域が他のセルの該周波数領域と異ならせるようにしたが、セルの全周波数帯域を同じにして、該周波数領域を異ならせるようにする方法など、前述した方法を用いても良い。こうすることにより、セルの帯域が大きく取れるため、より大容量の通信が可能となる。セルの全帯域幅を異ならせ、スケジューリング不可能な信号のうちセルの一部の周波数領域にマッピングされる信号の周波数領域を、セル間で重ならないようにする方法の場合の、セルの中心周波数(キャリア)の周波数差を周波数オフセットとしても良い。また、セルの全周波数帯域を同じにして、該周波数領域を異ならせるようにする方法の場合の、セルの該周波数領域の中心周波数の周波数差を周波数オフセットとしても良い。いずれかのセルの中心周波数を基準として周波数オフセット値を設定すれば良い。セル間で設けた周波数差をオフセット値とすることで、該オフセット値の設定や変更が少ない情報量でネットワークや基地局や移動端末間でシグナリングできるという効果が得られる。また、これらの周波数オフセットに関しても、実施の形態1、変形例1、変形例2で開示したサブフレームやシンボルのオフセット値や送信タイミングのオフセット値の設定方法が適用可能である。これにより同等の効果を得ることが可能となる。これらの周波数オフセット値は、実際は、システム内でキャリアの取りうる周波数(周波数ラスタ)やOFDMAの場合のサブキャリア周波数(例えばLTEの場合15kHz)などを考慮して、オフセットする周波数を決定すれば良い。
本変形例で開示した方法とすることで、実施の形態1から変形例2で述べたのと同様の効果が得られ、また、複数のセルからのスケジューリング不可能な信号が重なって送信されることをなくすパターン数を増やすことが可能となる。従って、干渉が問題となるセルが増大したとしても、パターン数を増やすことによって、複数のセルからのスケジューリング不可能な信号が重なって送信されることをなくすことが可能となり、たとえ複数のセル間でハンドオーバあるいはセルリセレクションすることが不可能であっても、移動端末はこれらのスケジューリング不可能な信号を受信することができるようになる。例えば、マクロセルのカバレッジ内に多数のCSGセルが設置されるような場合、CSGセル間の干渉も問題となる場合が生じてくる。また、マクロセルとCSGセルがそれぞれ別個の専用のチャネル(周波数)を用いるよう場合だとしてもCSGセルが多数設置されるとCSGセル間の干渉が問題となる場合が生じてくる。このような場合、本変形例で示した方法を適用することによって、それらのセルからのスケジューリング不可能な信号が重なって送信されることをなくすことが可能となる。よって、たとえ複数のセル間でハンドオーバあるいはセルリセレクションすることが不可能であっても、移動端末はこれらのスケジューリング不可能な信号を受信することができるようになり、通信を可能とすることができる。
本発明では、ひとつのサブフレーム内のシンボル数を14とした例について述べた。しかし、一つのサブフレーム内のシンボル数は14とする必要はなく他の値であっても良い。例えば、該シンボル数は、次のような関係式で決定されても良い。スケジューリング不可能な信号のうち毎サブフレームにマッピングされる信号に必要なシンボル数をxとする。スケジューリング不可能な信号のうち毎サブフレームにマッピングされる信号に必要なシンボル数をyとする。また、z個のセル間でスケジューリング不可能な信号の物理リソースの送信タイミングが重ならないようにする。この際、ひとつのサブフレーム内のシンボル数は、以下の関係式(1)ns≧x*z+yで決定されても良い。
この関係式を用いることによって、システムとして、実施の形態1あるいは変形例1においてはzパターンのフレーム構成を設ける事が可能となり、変形例2においてはzパターンの時間オフセットを設ける事が可能となる。従って、z個のセル間でスケジューリング不可能な信号の物理リソースの送信タイミングが重ならないようにすることができるようになる。例えば、マクロセルのカバレッジ内に二つのCSGセルが設置され、かつ該二つのCSGセルのカバレッジも重なっているような場合に、z=3として、サブフレーム内のシンボル数を上記関係式を満たす値とすることで、上記3つのセル間でスケジューリング不可能な信号の物理リソースの送信タイミングが重ならないようにすることが可能となる。こうすることで、ハンドオーバ不可能な多数のセル間での干渉を低減することが可能となり、移動端末と該セルとの通信を可能にすることができる、という効果が得られる。
変形例4.
非特許文献12に開示されているとおり、3GPPでは、リリース10として「ロングタームエボリューション アドヴァンスド」(Long Term Evolution Advanced:LTE-A)の規格策定が進められている。LTE−AシステムではLTEシステムの周波数帯域幅(transmission bandwidths)より大きい周波数帯域幅をサポートすることが考えられている(非特許文献12 5章)。そのため、LTE−A対応の移動端末は、同時に1つあるいは複数のコンポーネントキャリア(component carrier:CC)を受信することが考えられている。LTE−A対応の移動端末は、同時に複数のコンポーネントキャリア上の受信と送信、あるいは受信のみ、あるいは送信のみを可能とすること、すなわちキャリアアグリゲーション(carrier aggregation)するための能力(capability)を持つことが考えられている。
図42は、LTE−Aシステムの周波数帯域の構成の概念図である。図42の4201は物理下り制御チャネル(PDCCH)を示す。図42においては、全てのコンポーネントキャリア毎に物理下り制御チャネルがマッピングされる例について示したが、この限りではない。別の例としては、物理下り制御チャネルがマッピングされるコンポーネントキャリアと、物理下り制御チャネルがマッピングされないコンポーネントキャリアが混在する場合などが考えられる。4202、4203、4204、4205、4206は、下り同期信号(SS)および物理報知チャネル(PBCH)を示す。図42においては、コンポーネントキャリア毎に下り同期信号および物理報知チャネル(あるいは報知情報)がマッピングされる例について示したが、この限りではない。別の例としては、下り同期信号および物理報知チャネルがマッピングされるコンポーネントキャリアと、下り同期信号および物理報知チャネルがマッピングされないコンポーネントキャリアが混在する場合などが考えられる。
図42では、LTE−Aシステムにてコンポーネントキャリアとして20MHzの帯域幅を持ち、当該コンポーネントキャリアを5つ有する基地局を考える。各コンポーネントキャリアのキャリア周波数をfa、fb、fc、fd、feとする。つまり下り送信帯域幅が100MHzである基地局を考える。コンポーネントキャリアの帯域幅は20MHzに限らず、20MHz以下となることが3GPP会合において議論されている。また1つの基地局がサポートするコンポーネントキャリアの帯域幅も1種類には限られない。また、LTE−Aシステムの基地局の下り送信帯域幅は100MHzに限らず、100MHz以下となることが3GPP会合において議論されている。また、図42では、各コンポーネントキャリアが連続する場合について示したが、この限りではなく非連続であっても受信側にてキャリアアグリゲーション可能である。
コンポーネントキャリアの種類としては以下の3種類が検討されている(非特許文献13)。
1つ目としては、バックワーズコンパチブルキャリア(Backwards compatible carrier)である。該キャリアは、既存の全てのLTE規格に対応した移動端末がアクセスできるキャリアである。
2つ目としては、ノンバックワーズコンパチブルキャリア(Non-backwards compatible carrier)である。該キャリアは、既存のLTE規格に対応した移動端末はアクセスできないキャリアだが、ノンバックワードコンパチブルキャリアを定義する規格に対応した移動端末にとってはアクセスしやすいキャリアである。またデュプレックスディスタンス(Duplex distance)が原因でノンバックワーズコンパチブルキャリアとなる場合は、該キャリアは、独立(stand-alone)で動作できる、あるいはキャリア集合の一部として動作できる。
3つ目としては、エクステンションキャリア(Extension carrier)である。該キャリアは、1つのコンポーネントキャリアに追加のリソースを集合(aggregate)させることを許容する。キャリアセグメント(Segment)は常にコンポーネントキャリアに隣接している。キャリアセグメントは、1つのコンポーネントキャリアに連携している。キャリアセグメントはコンポーネントキャリアから独立で存在しない。キャリアセグメントでは、下り同期信号、システム情報(あるいは報知情報)、ページング信号の提供はない。
図43にエクステンションキャリアの概念図を示す。図43の4301は物理下り制御チャネル(PDCCH)を示す。4302、4303はキャリアセグメントを示す。4304は、下り同期信号(SS)、および物理報知チャネル(PBCH)を示す。上記の通り、該キャリアセグメント中には、下り同期信号、システム情報(あるいは報知情報)、ページング信号の提供はない。
非特許文献14には、新しくスイッチオンされた基地局は、周辺セルの干渉などに基づき、スイッチオン時に下り送信を行う第一(Primary)コンポーネントキャリアを選択することが開示されている。干渉マネージメントのためである。
1つの基地局がサポートするコンポーネントキャリア数は、図42に示すとおり基地局の下り送信帯域幅とコンポーネントキャリアの帯域幅にて決定される。図42においては、基地局がサポートするコンポーネントキャリア数は5つとなる。このように、1つの基地局がサポートするコンポーネントキャリア数には限りがある。
干渉が大きいコンポーネントキャリアの代替として利用可能なコンポーネントキャリア数は限られることから、非特許文献14を用いて多くの周辺基地局との下り干渉を回避することは出来ない。上記の通りHeNBは数多く設置されることが予想される。よって非特許文献14を用いて、マクロセル傘下に多くのHeNBを設置する場合、下り干渉問題を解決することが出来ないという課題が発生する。
本変形例4における解決策を以下に開示する。コンポーネントキャリア毎に実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3を用いる。あるいは、干渉量が少ないコンポーネントキャリアが存在する場合は、周辺セルの干渉などに基づきコンポーネントキャリアを選択することとし、干渉量が少ないコンポーネントキャリアが存在しない場合に、コンポーネントキャリア毎に実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3を用いることとしても良い。
実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3を用いる判断基準としては、閾値を用いても良い。判断の具体例としては、干渉量が閾値以下(あるいは未満)のコンポーネントキャリアが存在しない場合、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3を用いる。該閾値は、静的(Static)に決定されていても良いし、システム情報として報知されていても良い。
本変形例4により以下の効果を得ることができる。非特許文献14と比較して、スケジューリング不可能な信号が重なって送信されることを回避するパターン数を増やすことが可能となる。従って、干渉が問題となるセルが増大したとしても、複数のセルからのスケジューリング不可能な信号が重なって送信されることを回避することが可能となる。スケジューリング不可能な信号が重なって送信されることを回避することにより、実施の形態1などと同様に、たとえ複数のセル間でハンドオーバあるいはセルリセレクションすることが不可能であっても、移動端末はこれらのスケジューリング不可能な信号を受信することができるようになる。
変形例5.
実施の形態1の変形例4で示した方法にて以下の課題が発生する。コンポーネントキャリア毎にフレーム構成が異なった場合、又はコンポーネントキャリア毎に送信タイミングが異なった場合、受信側つまり移動端末にてキャリアアグリゲーションするための負荷が増大する。移動端末の処理負荷増大は、消費電力増大の課題に繋がる。
本変形例5における解決策を以下に開示する。キャリアアグリゲーション可能なコンポーネントキャリアを集合させた集合キャリア毎、あるいはノード(Node)毎、あるいは基地局毎に実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3を用いる。
あるいは、干渉量が少ないコンポーネントキャリアが存在する場合は、周辺セルの干渉などに基づきコンポーネントキャリアを選択することとし、干渉量が少ないコンポーネントキャリアが存在しない場合に、集合キャリア毎、あるいはノード(Node)毎、あるいは基地局毎に実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3を用いることとしても良い。
実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3を用いる判断基準としては、閾値を用いても良い。判断の具体例としては、干渉量が閾値以下(あるいは未満)のコンポーネントキャリアが存在しない場合、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3を用いる。該閾値は、静的(Static)に決定されていても良いし、システム情報として報知されていても良い。
本変形例5により、実施の形態1の変形例4の効果に加えて以下の効果を得ることができる。集合キャリア毎などにて、同じフレーム構成、又は同じ送信タイミングとなる。よってキャリアアグリゲーションする移動端末にとって処理負荷軽減、低消費電力が実現できる。
変形例6.
本変形例6ではLTE−Aにおいて、下り干渉回避において非特許文献14とは異なる解決策を開示する。本変形例6では、一方のノードは、他方のノードのスケジューリング不可能な信号がマッピングされない物理リソースの周波数帯域を用いて、スケジューリング不可能な信号をマッピングする。あるいは、一方のノードは、他方のノードのスケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースの周波数帯域を用いて、スケジューリング不可能な信号をマッピングしない物理リソースの周波数帯域とする。
あるいは、基本的に周辺セルの干渉などに基づきコンポーネントキャリアを選択することとし、干渉量が少ないコンポーネントキャリアが存在しない場合に、変形例6を実施することとしても良い。
ノードは、セルであっても構わない。
LTE、LTE−Aにおけるスケジューリング不可能な信号の具体例としては、同期信号(SS)、物理報知チャネル(PBCH)、PDCCHやPHICHやPCFICHなどのL1/L2制御信号、などがある。
LTE−Aにおけるスケジューリング不可能な信号がマッピングされない物理リソースの周波数帯域の具体例としては、エクステンションキャリアのキャリアセグメントがある。スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースの周波数帯域の具体例としては、LTEにおける基地局の送信帯域幅、LTE−Aにおけるバックワーズコンパチブルキャリア、ノンバックワーズコンパチブルキャリア、エクステンションキャリアにおけるL1/L2制御信号がマッピングされる帯域、などがある。
図44を用いて実施の形態1の変形例6の解決策の具体例を説明する。セル#1(第一のセル)の下り送信帯域幅内のコンポーネントキャリア構成を説明する。エクステンションキャリア1とバックワーズコンパチブルキャリア1−1、1−2をもつ。エクステンションキャリア1中にエクステンションキャリアにおけるL1/L2制御信号がマッピングされる帯域4405、キャリアセグメント4401、4402をもつ。帯域4405中に同期信号(SS)、物理報知チャネル(PBCH)がマッピングされる。
セル#2(第二のセル)の下り送信帯域幅内のコンポーネントキャリア構成を説明する。バックワーズコンパチブルキャリア2−1とエクステンションキャリア2をもつ。エクステンションキャリア2中にエクステンションキャリアにおけるL1/L2制御信号がマッピングされる帯域4406、キャリアセグメント4403、4404をもつ。帯域4406中に同期信号(SS)、物理報知チャネル(PBCH)がマッピングされる。
一方のノード(セル#2)は、他方のノード(セル#1)のスケジューリング不可能な信号がマッピングされない物理リソースの周波数帯域(図44の4401、4402)を用いて、スケジューリング不可能な信号(図44ではPDCCH及びSS)をマッピングする。あるいは、一方のノード(セル#2)は、他方のノード(セル#1)のスケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースの周波数帯域(図44の4405、バックワーズコンパチブルキャリア1−1)を用いて、スケジューリング不可能な信号をマッピングしない物理リソースの周波数帯域(図44では4403、4404)とする。
本変形例6により、実施の形態1の変形例4の効果に加えて以下の効果を得ることができる。干渉が問題となる複数のセル間で、スケジューリング不可能な信号を、周波数領域にて分離することが可能となる。これにより実施の形態1と同様の効果を得ることができる。つまりスケジューリング不可能な信号のセル間干渉が低減され、移動端末は該信号を受信可能となる。これにより、それらのセルへのハンドオーバやセルリセレクションが許可されていない場合に、移動端末はそれらのセルとの通信が切断されることがなくなる効果を得ることが可能となる。
また、サブフレーム内シンボル構成は一つですむため、移動端末および基地局において、スケジューリング不可能な信号の受信回路および送信回路が1種類でよく、複雑化や消費電力の増大を生じることなく、これらの信号を受信可能、送信可能とする効果が得られる。さらに、干渉が問題となる複数のセル間で同期を取る必要がないため、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが可能となる。
本変形例6は、実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例2、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5と組み合わせて用いることが出来る。
変形例7.
実施の形態1、実施の形態1の変形例1、実施の形態1の変形例3、実施の形態1の変形例4、実施の形態1の変形例5にてスケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースに対して時間領域でオフセットを設けることを開示したが、変形例7では基の時間領域とオフセットを設けた時間領域の双方で、同じスケジューリング不可能な信号をマッピングする。言い換えれば、基の時間領域でスケジューリング不可能な信号を送信し、オフセットを設けた時間領域にスケジューリング不可能な信号の複製(レプリカ)を設ける。あるいは、オフセットを設けた時間領域でスケジューリング不可能な信号を送信し、基の時間領域にスケジューリング不可能な信号の複製を設けても良い。また、下り干渉を生じさせる2つのセル双方(セル#1、セル#2)において複製を送信しても良いし、一方のみ(セル#1のみ、あるいはセル#2のみ)において複製を送信しても良い。
また、基の時間領域での信号と、オフセットを設けた時間領域での信号にて送信電力を変えても良い。
LTEにおける基の時間領域の具体例を以下に説明する。
下り同期信号(P−SS、S−SS)は無線フレーム毎に1番目(#0)と6番目(#5)のサブフレームにマッピングされる(図15参照)。また、該サブフレーム中の先頭から6シンボル目(#5)と7シンボル目(#6)にマッピングされる。よって、下り同期信号の基の時間領域は、無線フレーム毎の1番目(#0)と6番目(#5)のサブフレームとなる。また、該サブフレーム中の先頭から6シンボル目と7シンボル目が下り同期信号の基の時間領域となる。
PBCHは無線フレーム毎に1番目(#0)のサブフレームにマッピングされる(図15参照)。また、該サブフレーム中の先頭から4シンボル目(#3)、5シンボル目(#4)、8シンボル目(#7)、9シンボル目(#8)にマッピングされる。よって、PBCHの基の時間領域は、無線フレーム毎の1番目(#0)のサブフレームとなる。また、該サブフレーム中の先頭から4シンボル目、5シンボル目、8シンボル目、9シンボル目がPBCHの基の時間領域となる。
L1/L2制御信号(PDCCH、PHICH、PCFICH)は、毎サブフレームの先頭から3シンボル以内にマッピングされる(図19参照)。よって、L1/L2制御信号の基の時間領域は、毎サブフレームの先頭から3シンボルとなる。
これにより、受信側(つまり移動端末側)にてオフセットを設けた時間領域にてスケジューリング不可能な信号を受信するための受信回路を持っていなくとも、基の時間領域でスケジューリング不可能な信号を受信可能となる。つまり、複数のフレーム構成に対する受信回路を持たずとも、スケジューリング不可能な信号を受信可能となる。よって、例えば、既存の規格に対応した移動端末であって、オフセットを設けた時間領域にてスケジューリング不可能な信号を受信するための受信回路を持っていなくとも、干渉回避策が講じられた基地局傘下にて移動体通信システムのサービスを受けることが出来るという効果を得ることが出来る。
図45を用いて、実施の形態1にてスケジューリング不可能な信号の複製を設けた具体例について説明する。図17と同じ番号は、相当する部分を示す。よって説明は省略する。セル#1ではサブフレーム#0にてP−SS、S−SS、PBCHが送信され、サブフレーム#5にてP−SS、S−SSが送信されていたとする。セル#2では、サブフレーム#0にてP−SS、S−SS、PBCHを送信し、サブフレーム#5にてP−SS、S−SSを送信する。かつ、サブフレーム#2にてサブフレーム#0の複製、つまりP−SS、S−SS、PBCHを送信し、サブフレーム#7にてサブフレーム#5の複製、つまりP−SS、S−SSを送信する。図45においては、実線にて基の時間領域での信号、破線にてオフセットを設けた時間領域での複製の信号を示している。
図46を用いて、セル#2にて実施の形態1の変形例1にてスケジューリング不可能な信号の複製を設けた具体例について説明する。図20と同じ番号は、相当する部分を示す。よって説明は省略する。セル#1では毎サブフレーム内の1番目のシンボルから3番目のシンボルにてL1/L2制御信号が送信されていたとする。セル#2では、毎サブフレーム内の1番目のシンボルから3番目のシンボルにてL1/L2制御信号を送信する。かつ、毎サブフレーム内の10番目のシンボルから12番目のシンボルにて、1番目のシンボルから3番目のシンボルの複製、つまりL1/L2制御信号を送信する。図46においては、実線にて基の時間領域での信号、破線にてオフセットを設けた時間領域での複製の信号を示している。
上記、基の時間領域とオフセットを設けた時間領域の双方で、同じスケジューリング不可能な信号をマッピングする方法は、実施の形態1の変形例2においても適用できる。実施の形態1の変形例2は、1つのシステムにて複数のフレーム構成を持たない解決策である。受信側(つまり移動端末側)がセル間にて同期が取られていることを前提に、サービングセル以外の他のセルをサーチする場合、基の時間領域にスケジューリング不可能な信号であるP−SS、S−SS、L1/L2制御信号が存在することによりサーチ動作の簡略化が可能になる効果を得ることができる。具体的には、図12のステップST1201における、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)を用いてスロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる処理を省略可能となる。
実施の形態2.
実施の形態1において、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースの時間(タイミング)、周波数のいずれかまたは両方がセル間で重ならないようにすることを開示した。また、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースや、該物理リソースの送信タイミングや、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる周波数に、セル間でオフセットを設けることを開示した。これらのオフセットはシステムによって、また、実施の形態1で開示した方法によって、取りうる範囲が限定される。なぜならば、例えば、スケジューリング不可能な信号のうち、毎サブフレーム内のある特定のシンボルに、全周波数帯域にわたってマッピングされる信号がある。例えばLTEにおいてはL1/L2制御信号がある。このような信号について、実施の形態1の変形例1の方法を適用し、シンボルのオフセットmを、m=12とすると、一つのセルではサブフレームの先頭1番目から3番目のシンボルにマッピングされ、他のセルでは、サブフレームの先頭1番目と13番目と14番目のシンボルにマッピングされる。このような場合、セル間で先頭のシンボルが重なってしまうことになる。従ってオフセットの取りうる範囲は限定されることとなる。
本実施の形態2では、セル間で設ける、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースや、該物理リソースの送信タイミングや、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる周波数のオフセットの取りうる範囲について開示する。
実施の形態1で開示した、無線フレーム中のある特定のサブフレームにスケジューリング不可能な信号がマッピングされる場合に、nサブフレームオフセットを設ける方法の場合について開示する。無線フレーム中のサブフレーム数をnsubとし、サブフレーム番号を#0から#(nsub−1)までとする。スケジューリング不可能な信号がマッピングされるk個のある特定のサブフレームナンバをxkとする。xa、xbはいずれかのセルの該ある特定のサブフレームナンバとする。この場合、nの取りうる範囲は以下の式(2)が成り立つようなnの値となる。
xa≠(xb+n)mod(nsub)、xa、xb∈{xk} (2)
例えばLTEの場合について示す。無線フレーム中のサブフレーム数は10である。スケジューリング不可能である同期信号、PBCHのいずれかまたは両方がマッピングされるサブフレームは、#0と#5である。従って、オフセットの取りうる範囲は、n=1、2、3、4、6、7、8、9となる。なお、オフセットとしてマイナスとしても良く、無線フレーム中のサブフレーム数は10なので、例えば、オフセットn=9は、オフセットn=−1と同じである。このようにすることで、無線フレーム中のある特定のサブフレームにスケジューリング不可能な信号がマッピングされるような場合にも、該信号がマッピングされる物理リソースがセル間で重ならないようにすることが可能となる。従って、該信号のセル間の干渉をなくすことが可能となる。
次に、実施の形態1の変形例1で開示した、無線フレーム中の毎サブフレームの特定のシンボルにスケジューリング不可能な信号がマッピングされる場合に、mシンボルオフセットを設ける方法の場合について開示する。サブフレーム中のシンボル数をnsymとし、シンボルの番号を#0から#(nsym−1)までとする。スケジューリング不可能な信号がマッピングされるk個のある特定のシンボルの番号をxkとする。xa、xbはいずれかのセルの該ある特定のシンボル番号とする。この場合、mの取りうる範囲は以下の式(3)が成り立つようなmの値となる。
xa≠(xb+m)mod(nsym)、xa、xb∈{xk} (3)
また、無線フレーム中のある特定のサブフレームにスケジューリング不可能な信号がマッピングされ、さらに、無線フレーム中の毎サブフレームの特定のシンボルにスケジューリング不可能な信号がマッピングされる場合は、(2)の関係式によりnを導出して無線フレーム中のある特定のサブフレームにスケジューリング不可能な信号をマッピングし、(3)の関係式のxaに、該無線フレーム中のある特定のサブフレームにマッピングされるスケジューリング不可能な信号のシンボルナンバを含めて、(3)の関係式より、mシンボルオフセットを設ければ良い。
例えばLTEの場合について示す。サブフレーム中のシンボル数は14である。スケジューリング不可能であるL1/L2制御信号がマッピングされるシンボルは、毎サブフレーム先頭1番目のシンボル(シンボル#0)から3番目のシンボル(シンボル#2)内である。また、無線フレーム中のある特定のサブフレームにマッピングされるスケジューリング不可能な信号のシンボルは、先頭から4番目のシンボル(シンボル#3)から9番目のシンボル(シンボル#8)である。従って、オフセットの取りうる範囲は、m=9、10、11となる。例えば、m=11とすると、オフセットを設けるセルでは毎サブフレーム先頭から12番目(シンボル#11)から14番目のシンボル(シンボル#13)内に該信号がマッピングされこととなり、オフセットを設けないセルでは毎サブフレーム先頭1番目(シンボル#0)から3番目(シンボル#2)内に該信号がマッピングされることになる。なお、オフセットとしてマイナスとしても良く、サブフレーム中のシンボル数は14なので、例えば、オフセットm=14は、オフセットm=−1と同じである。このようにすることで、無線フレーム中の毎サブフレームの特定のシンボルにスケジューリング不可能な信号がマッピングされるような場合にも、該信号がマッピングされる物理リソースがセル間で重ならないようにすることが可能となる。従って、該信号のセル間の干渉をなくすことが可能となる。
次に、実施の形態1の変形例2で開示した、一つのフレーム構成で、セル間の送信タイミングにオフセットtdを設ける方法の場合について開示する。例えばサブフレーム内のシンボルのマッピングが図23で示したようになされている場合について開示する。無線フレーム中のサブフレーム数は10で、サブフレーム中のシンボル数は14である。サブフレームの番号を#0から#9とし、シンボルの番号を#0から#13とする。また、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる、無線フレーム中のある特定のサブフレームを番号#0と#5とする。この場合オフセットtdは以下の式(4)となる。ここで、オフセットtdの単位はシンボルとする。
td=n×14+1、ただし、n=1、2、3、4、6、7、8、9 (4)
オフセットtdの単位をシンボルとしたが、シンボルを時間に換算して単位を時間にしても良い。
また、無線フレーム中のある特定のサブフレームを番号#0と#5としたが、これに限る必要はない。この場合、(4)式のnの値は、オフセットを加えても重ならないようにすればよく、例えば、(2)式の関係式を用いてnの値を導出するようにしても良い。このようにすることで、一つのフレーム構成で、セル間の送信タイミングにオフセットtdを設ける方法の場合にも、該信号がマッピングされる物理リソースがセル間で重ならないようにすることが可能となる。従って、該信号のセル間の干渉をなくすことが可能となる。
次に、実施の形態1の変形例3で開示した、セル間で、スケジューリング不可能な信号のうちセルの一部の周波数領域にマッピングされる信号の該周波数領域を重ならないようにする方法を用いた場合について開示する。実施の形態1の変形例3で開示した第1の方法はセルの全周波数帯域を同じにして、該周波数領域を異ならせるようにするため、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる一部の周波数領域のオフセットfdは、以下のような関係式(5)で示される。BWはセルのシステム帯域幅、SBWはスケジューリング不可能な信号がマッピングされる一部の周波数領域の帯域幅である。
−(BW/2−SBW/2)≦fd≦−SBW または
SBW≦fd≦BW/2−SBW/2 (5)
例えば、セル#1とセル#2のシステム帯域幅(全周波数帯域幅)を20MHz、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる一部の周波数領域の帯域幅を1.08MHzとする。セル#1のスケジューリング不可能な信号がマッピングされる一部の周波数領域をシステム帯域の中心とする。この場合、セル#1に対するセル#2のスケジューリング不可能な信号がマッピングされる一部の周波数領域のオフセットfdは、−9.46MHz≦fd≦−1.08MHz または、1.08MHz≦fd≦9.46MHz となる。実施の形態1の変形例3で開示した第2の方法は、セルの全帯域幅を異ならせ、セル間の該周波数領域が重ならないようにセルの中心周波数(キャリア)を異ならせるようにするため、セルの中心周波数(キャリア)のオフセットfcは、以下のような関係式(6)で示される。SBWはそれぞれのセルのスケジューリング不可能な信号がマッピングされるセルの一部の周波数領域の帯域幅である。
fc≦−SBW または SBW≦fc (6)
さらに、広いシステム帯域幅を有するセルの該システム帯域に、狭いシステム帯域幅を有するセルのシステム帯域が含まれるように、各セルのシステム帯域をもとにfcの取りうる範囲を制限しても良い。例えば、セル#1のシステム帯域幅を20MHzとする。セル#2のシステム帯域を10MHzとする。スケジューリング不可能な信号がマッピングされる一部の周波数領域の帯域幅を1.08MHzとしてシステム帯域の中心とする。この場合、セル#1に対するセル#2のセルの中心周波数(キャリア)のオフセットfcは、−5MHz≦fc≦−1.08MHz または、1.08MHz≦fd≦5MHz となる。実施の形態1の変形例3で開示した第3の方法は、セルの全帯域幅を異ならせ、セル間の該周波数領域が重ならないようにセルの中心周波数(キャリア)を異ならせ、一つのセルの周波数帯域が他のセルの該周波数領域と異ならせるようにするため、セルの中心周波数(キャリア)のオフセットfcは、以下のような関係式(7)で示される。SBWはそれぞれのセルのスケジューリング不可能な信号がマッピングされるセルの一部の周波数領域の帯域幅である。
fc≦−SBW−BW2/2 または SBW+BW2/2≦fc
ただし、BW2≦(BW1−SBW)/2 (7)
さらに、広いシステム帯域幅を有するセルの該システム帯域に、狭いシステム帯域幅を有するセルのシステム帯域が含まれるように、各セルのシステム帯域をもとにfcの取りうる範囲を制限しても良い。例えば、セル#1のシステム帯域幅を20MHzとする。セル#2のシステム帯域を5MHzとする。スケジューリング不可能な信号がマッピングされる一部の周波数領域の帯域幅を1.08MHzとしてシステム帯域の中心とする。この場合、セル#1に対するセル#2のセルの中心周波数(キャリア)のオフセットfcは、−7.5MHz≦fc≦−3.58MHz または、3.58MHz≦fd≦7.5MHz となる。
実施の形態1の変形例3で開示した、セル間で、セルの全周波数帯域にわたってマッピングされる信号が重ならないようにする方法については、本実施の形態で開示した、実施の形態1の場合の方法、実施の形態1の変形例1の場合の方法、実施の形態1の変形例2の場合の方法を用いれば良い。実施の形態1の変形例3で示したオフセットを、上記のようにすることによって、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースがセル間で重ならないようにすることが可能となる。従って、該信号のセル間の干渉をなくすことが可能となる。
本実施の形態で開示した、セル間で設ける、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースや、該物理リソースの送信タイミングや、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる周波数のオフセットの取りうる範囲内で、該オフセットを設定することによって、該オフセットの設定ミスを防ぐことができる。言い換えれば、該オフセットの取りうる範囲内と異なる値に該オフセットを設定することを禁止することで、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースが必ずセル間で重ならないようになることを確実とできる。これにより、該信号のセル間の干渉を確実になくすことが可能となる。また、オフセット値をこの取りうる値の範囲内で選ばれるようにしておくことで、選択の範囲がせばまり、選択する場合に必要な情報量が少なくて済む。これにより、移動端末や基地局におけるメモリを少なくすることができ、制御回路の構成を簡易にすることができる、という効果が得られる。
実施の形態3.
ハンドオーバできないセル間、あるいはクローズドアクセスモードで運用されているセルとの間では下り信号同士の干渉が問題となる。その解決策として実施の形態1ではスケジューリング不可能な信号の無線リソースを当該セル間で重ならないようにすることを開示した。その方法として当該セル間で同期をとる、またスケジューリング不可能な信号のリソースをセル間でずらす(オフセットを設ける)ことを開示した。さらに実施の形態2ではオフセット量にどのような値を用いることにより、下りセル間干渉問題を解決することができるかを開示した。本実施の形態3では、上記オフセット量(あるいはフレーム構成でもよい)の決定方法について開示する。本明細書では、先に設置済みのセルを「第一のセル」と称する。新たに設置するセル、つまり第一のセルの設置後に設置するセルを「第二のセル」と称する。第一のセル及び第二のセルの具体例としては、eNodeB、NodeB、マクロセル、HeNB、HNB、ピコセル、マイクロセル、CSGセルなどがある。
ネットワーク側のエンティティがオフセット量(あるいはフレーム構成でもよい)を決定する方法を開示する。具体例として、LTEシステムではオフセット量を決定するネットワーク側のエンティティとしてEPC(Evolved Packet Core)、S−GW(Serving Gateway)、aGW(Access Gateway)、MME(Mobility Management Entity)などが考えられる。図27に本実施の形態3における移動体通信システムのオフセット量を決定するまでのシーケンスの一例を示す。図27では具体例としてLTEシステムを用いて説明する。さらに、第一のセルとしてマクロセル、第二のセルとしてCSGセル、オフセット量を決定するネットワーク側のエンティティとしてEPCを用いて説明する。新たにCSGセルが設置された場合に、当該セルが設置された旨をネットワーク側(図27ではEPC)へ通知する(ステップST2701)。設置された旨を通知する際、自セルを特定する情報、具体例としてはPCI、あるいはGCIを通知しても良い。第二のセルが自セルを特定する情報を通知することにより、その後の処理においていずれのセルが新たに設置されたセルかを判断すること、あるいは通知することが容易となる。ステップST2702にてEPCは、CSGセルより設置された旨を受信する。設置された旨の具体例としては、CSGセルの位置情報が考えられる。位置情報は既存の技術である全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)などを用いてCSGセルが得ることが出来る。CSGセルからEPCへの通知方法の具体例としては、S1インタフェースが考えられる。新たな情報である位置情報を既存のインタフェースであるS1インタフェース(非特許文献9)を用いて通知することにより移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
また、S1インタフェースの「S1 SETUP REQUEST」メッセージ中の情報要素(Information Element:IE)に、新たな要素として位置情報を新規に追加することが考えられる。位置情報を「S1 SETUP REQUEST」の情報要素とした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、「S1 SETUP REQUEST」ではeNodeBとネットワーク側のエンティティがS1インタフェースを正しく利用可能とするのに必要なデータを交換するためのメッセージがマッピングされる方向である。よって、移動体通信システムとして新たにセルを設置した場合の初期のデータ交換を同じメッセージで行えることが可能、つまりメッセージの新設が不要となり、移動体通信システムの動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。また、S1インタフェースの「ENB CONFIGURATION UPDATE」メッセージ中の情報要素に、新たな要素として位置情報を新規に追加することが考えられる。位置情報を「ENB CONFIGURATION UPDATE」の情報要素とした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、「ENB CONFIGURATION UPDATE」では基地局の設定の更新に必要なデータがマッピングされる方向である。よって、移動体通信システムとして新たにセルを設置した場合の基地局の設定の更新を同じメッセージで行えることが可能、つまりメッセージの新設が不要となり、移動体通信システムの動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
ステップST2703にてEPCは当該CSGセルが設置されることにより、干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する。ここで開示した、設置を通知する方法および干渉しあうセルが存在するか否かの判断を行なうことによって、オフセットを設けるセルを選択的に決定することが可能となる。オフセット量の設定または同期処理を必要とするセルを選択可能となる。干渉し合う第一のセルが存在した場合は、ステップST2704へ移行し、存在しない場合は処理を終了する。また、存在しない場合ステップST2710にてオフセット量として「考慮不要」、「無し」、「0」などを示す情報を通知してもよい。これにより、ステップST2703の判断の結果によらず処理が統一されるという効果を得ることがでる。また、ステップST2703の判断の結果によらず、第二のセルはオフセット量についての何らかの情報をネットワーク側から受信することになる。これにより、CSGセルがオフセット量を受信できない場合は、CSGセルからEPCへの設置された旨の通信エラー、あるいはEPCからCSGセルへのオフセット量の通信エラーであることを認識可能となる。これにより、通信エラー検出を早期に実現可能となる効果を得ることが出来る。干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する方法の具体例としては、CSGセルが先に設置済みのセル(第一のセル)の圏内に設置されたか否かを判断することが考えられる。具体例としては、CSGセルがマクロセル圏内に設置されたか否かを判断する。EPCはその判断にステップST2702で受信した情報を用いることが出来る。具体例としてはCSGセルの位置情報を用いることが出来る。
ステップST2704にてEPCはスケジューリング不可能な信号のリソースをセル間で重ならないように処理を行う。具体例としては、スケジューリング不可能な信号のリソースをセル間でずらす(オフセット量を設ける)。EPCは当該オフセット量を決定する。スケジューリング不可能な信号のリソースをセル間で重ならないようにする構成は、変形例を含む実施の形態1の方法を用いることが出来る。またオフセット量についても変形例を含む実施の形態2の方法を用いることが出来る。また、MBSFN同期エリア(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network Synchronization Area)内の基地局において当該オフセット量を同じ値にしても良い。また、MBSFNエリア(MBSFN Areas)内の基地局において当該オフセット量を同じ値にしても良い。MBSFN同期エリア内あるいはMBSFNエリア内の基地局にておいて当該オフセット量を同じ値にした場合、以下の効果を得ることができる。MBMSデータを受信する移動端末において、受信品質が向上するようにMBSFNサブフレームを同じタイミングで送信する必要がある。MBSFNサブフレームを同じタイミングに制御する際、当該オフセット量が同じであれば、ネットワーク側の処理が簡略化される効果を得ることが出来る。また複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信の帯域を広げる無線技術であるMIMO(Multiple Input Multiple Output)を別のセルのアンテナを用いて実現する場合、当該複数のセルにおいて当該オフセット量を同じ値にしても良い。この場合以下の効果を有する。複数のセルにて移動端末との間で送受信の帯域を広げるため当該移動端末へ同じタイミングでデータを送信する必要がある。移動端末への送信タイミングを同じタイミングに制御する際、当該オフセット量が同じであれば、ネットワーク側の処理が簡略化される効果を得ることが出来る。
ステップST2705にてEPCは同期処理を行う。ここで「同期」とは、第一のセルと第二のセルにて、ネットワーク側で管理された時間を用いることをいう。また、第一のセルと第二のセルにてネットワーク側で管理された時間から、あるタイミングを導出しても良い。あるタイミングの具体例としては、第一のセル、第二のセルで用いる無線フレームの先頭、システムフレームナンバ(System Frame Number:SFN)などが考えられる。ステップST2705の同期処理の具体例として、EPCはマクロセルとCSGセルへEPCにて管理された時間を通知する。ステップST2705にて同期処理を行うことにより、第二のセルは第一のセルで用いられているタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)を知ることが出来るという効果を得ることが出来る。第二のセルにて第一のセルで用いられているタイミングを知ることは、実施の形態1で開示した物理リソースの時間(タイミング)を重ならないように制御することを可能にするという効果を得ることができる。EPCからマクロセルやCSGセルへの通知方法の具体例としては、S1インタフェースが考えられる。また、S1インタフェースのレイヤ1を用いてEPCからマクロセルやCSGセルへ当該時間を通知することが考えられる。
また、S1インタフェースの「S1 SETUP RESPONSE」メッセージ中の情報要素に、新たな要素として当該時間を新規に追加することが考えられる。当該時間を「S1 SETUP RESPONSE」の情報要素とした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、「S1 SETUP RESPONSE」ではeNodeBとネットワーク側のエンティティがS1インタフェースを正しく利用可能とするのに必要なデータを交換するためのメッセージがマッピングされる方向である。よって、移動体通信システムとして新たにセルを設置した場合の初期のデータ交換を同じメッセージで行えることが可能、つまりメッセージの新設が不要となり、移動体通信システムの動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。また、S1インタフェースの「ENB CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGE」メッセージ中の情報要素に、新たな要素として当該時間を新規に追加することが考えられる。当該時間を「ENB CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGE」の情報要素とした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、「ENB CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGE」は基地局の設定の更新に必要なデータがマッピングされる「ENB CONFIGURATION UPDATE」の応答として用いられる方向である。よって、移動体通信システムとして新たにセルを設置した場合の基地局の設定の更新に対するネットワーク側の応答を同じメッセージで行えることが可能、つまりメッセージの新設が不要となり、移動体通信システムの動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
また、S1インタフェースの「MME CONFIGURATION UPDATE」メッセージ中の情報要素に、新たな要素として当該時間を新規に追加することが考えられる。当該時間を「MME CONFIGURATION UPDATE」の情報要素とした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、「MME CONFIGURATION UPDATE」はMMEの設定の更新に必要なデータがマッピングされる方向である。よって、移動体通信システムとしてネットワーク側の更新を同じメッセージで行えることが可能、つまりメッセージの新設が不要となり、移動体通信システムの動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
ステップST2706にてマクロセルは、EPCから通知されたEPCにて管理された時間を受信する。ステップST2707にてCSGセルは、EPCから通知されたEPCにて管理された時間を受信する。ステップST2708にてマクロセルは、ステップST2706にて受信したネットワーク側で管理された時間を用いて同期処理を実行する。同期処理の具体例としては、ネットワーク側で管理する時間を用いて第一のセルで用いるタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)をネットワーク側と同じ方法にて導出する。また、ネットワーク側で管理された時間から、マクロセルで用いるSFNを導出する。導出の具体例としては、以下の式(1)を用いることが出来る。
式(1)SFN = (時間)mod(SFNの周期)
式(1)中の(時間)はステップST2706にて受信したネットワーク側で管理された時間である。(SFNの周期)は、SFNが繰り返される周期である。当該周期は静的に規定された値であっても良いし、準静的な値としてネットワーク側からマクロセルやCSGセルへ通知されても良い。ステップST2709にてCSGセルは、ステップST2707にて受信したネットワーク側で管理された時間を用いて同期処理を実行する。具体例はステップST2708と同様であるので、説明を省略する。ステップST2708、ステップST2709にて同じネットワーク側で管理された時間を用いて、第一のセル及び第二のセルで用いるタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)をネットワーク側と同じ方法にて導出することは、以下の効果を得ることが出来る。第二のセルは第一のセルで用いられているタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)を知ることが出来るという効果を得ることが出来る。第二のセルにて第一のセルで用いられているタイミングを知ることは、実施の形態1で開示した物理リソースの時間(タイミング)を重ならないように制御することを可能にするという効果を得ることができる。ステップST2710にてEPCは、ステップST2704にて決定したオフセット量をCSGセルへ通知する。通知方法としてはステップST2705で示した方法を用いることが出来る。ステップST2705とステップST2710は同時であっても良い。また順序も任意である。ステップST2711にてCSGセルは、EPCよりオフセット量を受信する。ステップST2712にてCSGセルは、ステップST2711で受信したオフセット量に従って、つまりオフセット量分タイミングをずらして、通信を開始する。あるいはCSGセルは、ステップST2711で受信したフレーム構成に従って、通信を開始する。
実施の形態3により、新たにセルを設置する場合に、スケジューリング不可能な信号のリソースが先に設置済みのセルと重ならないように運用することが可能となる。これにより、下りセル間干渉を軽減することが可能となる効果を得ることが出来る。また、先に記した複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信の帯域を広げる無線技術であるMIMO(Multiple Input Multiple Output)を別のセルのアンテナを用いて実現する場合、当該複数のセルにステップST2701〜ステップST2703までの干渉しあうセルが存在するか否かの判断を行なっても良い。それにより以下の効果を得ることができる。オフセットを設けるセルを選択的に決定することで、該MIMOの運用を必要とするセルに該オフセットを設けることが可能となる。また、ステップST2705〜ステップST2709までの同期処理を行っても良い。それにより、以下の効果を得ることが出来る。複数のセルで用いられているタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)をお互い知ることが出来るという効果を得ることが出来る。同じネットワーク側で管理された時間を用いて、複数のセルで用いるタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)を導出することが出来る。このことは、移動端末への送信タイミングを同じタイミングに制御する際、当該タイミングが同じであれば、ネットワーク側の処理が簡略化される効果を得ることが出来る。
変形例1.
実施の形態3で示した同期処理にて以下の課題が発生する。新たなセルが設置されることにより、先に設置済みのセルが同期を実行する必要性が発生する場合がある。先に設置済みのセルが同期を実行する場合、ネットワーク側で管理された時間から、当該セル内で用いるタイミング(具体例としては無線フレームの先頭、SFNなど)を導出し、当該セルでの通信に用いる必要がある。同期の実行前後で当該タイミングが異なる場合、当該セルと当該セル傘下の移動端末間の通信が中断するという問題が発生する。本変形例1では、前記問題を解決するために、実施の形態3で開示した同期処理とは別の方法を開示する。
図28に本変形例1における移動体通信システムのオフセット量を決定するまでのシーケンスの一例を示す。図28において図27と同一のステップは同一または相当する処理を実行するものであるので、説明は省略する。図28のステップST2801にてEPCは、マクロセルに同期指示を送信する。同期指示の通知方法としてはステップST2705で示した方法を用いることが出来る。同期指示に第二のセルを特定する情報、具体例としてはPCI、GCIを含めても良い。第二のセルを特定する情報を含めることにより第一のセルが、いずれのセルに対してステップST2803を実施すれば良いか特定できる。ステップST2802にてマクロセルは、EPCからの同期指示を受信する。ここで「同期」とは、第二のセルにて、第一のセルで管理された時間を用いることをいう。また、第二のセルにて第一のセルで管理された時間から、あるタイミングを導出しても良い。あるタイミングの具体例としては、第二のセルで用いる無線フレームの先頭、システムフレームナンバ(System Frame Number:SFN)などが考えられる。ステップST2803にてマクロセルは、CSGセルへマクロセルにて管理された時間を通知する。マクロセルからCSGセルへの通知方法の具体例としては、X2インタフェースが考えられる。新たな情報であるマクロセルにて管理された時間を既存のインタフェースであるX2インタフェース(非特許文献10)を用いて通知することにより移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
また、X2インタフェースの「X2 SETUP REQUEST」、「X2 SETUP RESPONSE」メッセージ中の情報要素に、新たな要素として当該時間を新規に追加することが考えられる。当該時間を「X2 SETUP REQUEST」、「X2 SETUP RESPONSE」の情報要素とした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、「X2 SETUP REQUEST」、「X2 SETUP RESPONSE」ではeNodeBがX2インタフェースを正しく利用可能とするのに必要なデータを交換するためのメッセージがマッピングされる方向である。よって、移動体通信システムとして新たにセルを設置した場合の初期のデータ交換を同じメッセージで行うことが可能、つまりメッセージの新設が不要となり、移動体通信システムの動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。また、X2インタフェースの「ENB CONFIGURATION UPDATE」、「ENB CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGE」メッセージ中の情報要素に、新たな要素として当該時間を新規に追加することが考えられる。当該時間を「ENB CONFIGURATION UPDATE」「ENB CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGE」の情報要素とした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、「ENB CONFIGURATION UPDATE」、「ENB CONFIGURATION UPDATE ACKNOWLEDGE」では基地局の設定の更新に必要なデータがマッピングされる方向である。よって、移動体通信システムとして新たにセルを設置した場合の基地局の設定の更新を同じメッセージで行えることが可能、つまりメッセージの新設が不要となり、移動体通信システムの動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
また、マクロセルからCSGセルへの通知方法の別の具体例としては、マクロセルから「時間」を一旦EPCへ通知し、EPCからCSGセルへ通知する方法も考えられる。この場合マクロセルからEPCへの通知方法の具体例としては、ステップST2701で示した方法を用いることが出来る。またEPCからCSGセルへの通知方法としてはステップST2705で示した方法を用いることが出来る。ステップST2804にてCSGセルは、マクロセルからマクロセルにて管理された時間を受信する。ステップST2805にてCSGセルは、ステップST2804にて受信したマクロセルで管理された時間を用いて同期処理を実行する。同期処理の具体例としては、マクロセル側で管理された時間を用いてCSGセルで用いるタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)を第一のセルと同じ方法にて導出する。またマクロ側で管理された時間から、CSGセルで用いるSFNを導出する。導出の具体例は、実施の形態3のステップST2708と同様の方法を用いることが出来る。
変形例1により、実施の形態3の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。第一のセル管理された時間を用いて、第二のセルで用いるタイミングを導出することが出来る。つまり、同期処理により第一のセルのタイミングを変更する必要がなくなる。第二のセルの設置により干渉が生じた場合であっても、第一のセルにおける通信を中断することなく、下りセル間干渉を軽減することが可能となる効果を得ることが出来る。また、先に記した複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信の帯域を広げる無線技術であるMIMO(Multiple Input Multiple Output)を別のセルのアンテナを用いて実現する場合、当該複数のセルにステップST2701〜ステップST2703までの干渉しあうセルが存在するか否かの判断を行なっても良い。それにより以下の効果を得ることができる。オフセットを設けるセルを選択的に決定することで、該MIMOの運用を必要とするセルに該オフセットを設けることが可能となる。また、当該複数のセルにステップST2801〜ステップST2805までの同期処理を行っても良い。それにより、以下の効果を得ることが出来る。複数のセルで用いられているタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)をお互い知ることが出来るという効果を得ることが出来る。同じネットワーク側で管理された時間を用いて、複数のセルで用いるタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)を導出することが出来る。このことは、移動端末への送信タイミングを同じタイミングに制御する際、当該タイミングが同じであれば、ネットワーク側の処理が簡略化される効果を得ることが出来る。
変形例2.
本変形例2では、同期処理を第二のセルで行う方法について説明し、変形例1と同様の課題に対して別の解決策を開示する。図29に本変形例2における移動体通信システムのオフセット量を決定するまでのシーケンスの一例を示す。図29において図27と同一のステップは同一または相当する処理を実行するものであるので、説明は省略する。ステップST2901にてEPCは、CSGセルに同期指示を送信する。同期指示の通知方法としてはステップST2705で示した方法を用いることが出来る。ステップST2902にてCSGセルは、EPCからの同期指示を受信する。ここで「同期」とは、第二のセルにて、第一のセルのあるタイミングを知ること含む。あるタイミングの具体例としては第一のセルで用いられている無線フレームの先頭、システムフレームナンバ(System Frame Number:SFN)などが考えられる。ステップST2903にてCSGセルは同期処理を実行する。同期処理の具体例としては、マクロセルのあるタイミング(無線フレーム、SFNなど)を知る。タイミングを知る具体例としては、CSGセルが移動端末のセルサーチと同様の処理を行う。具体的には図12のステップST1201と同様、マクロセルから送信される第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)を用いてスロットタイミング、無線フレームタイミングを知る。更に、PBCH上のBCCHを受信し、BCCHにマッピングされるMIB(Master Information Block)情報を得、MIBの情報中のSFNを得ても良い。
ステップST2904にてCSGセルは、ステップST2903にて得たマクロセルのタイミングからステップST2711で受信したオフセット量に従って、つまりオフセット量分タイミングをずらして、通信を開始する。あるいはCSGセルは、ステップST2711で受信したフレーム構成に従って、通信を開始する。
変形例2により、実施の形態3の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。第二のセルがセルサーチを行うことにより、第一のセルのタイミング(無線フレーム、SFN)を知ることが出来る。つまり、同期処理により第一のセルのタイミングを変更する必要がなくなる。第二のセルの設置により干渉が生じた場合であっても、第一のセルにおける通信を中断することなく、下りセル間干渉を軽減することが可能となる効果を得ることが出来る。また、先に記した複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信の帯域を広げる無線技術であるMIMO(Multiple Input Multiple Output)を別のセルのアンテナを用いて実現する場合、当該複数のセルにステップST2701〜ステップST2703までの干渉しあうセルが存在するか否かの判断を行なっても良い。それにより以下の効果を得ることができる。オフセットを設けるセルを選択的に決定することで、該MIMOの運用を必要とするセルに該オフセットを設けることが可能となる。また、当該複数のセルにステップST2901〜ステップST2903までの同期処理を行っても良い。それにより、以下の効果を得ることが出来る。複数のセルで用いられているタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)をお互い知ることが出来るという効果を得ることが出来る。同じネットワーク側で管理された時間を用いて、複数のセルで用いるタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)を導出することが出来る。このことは、移動端末への送信タイミングを同じタイミングに制御する際、当該タイミングが同じであれば、ネットワーク側の処理が簡略化される効果を得ることが出来る。
変形例3.
実施の形態3のステップST2703にて干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する方法の具体例として「位置情報」を用いた。本変形例3では、干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する際の別の方法を開示する。干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する方法の具体例としては、CSGセルが先に設置済みのセル(第一のセル)の圏内に設置されたか否かを判断することが考えられる。具体例としては、CSGセルがマクロセル圏内に設置されたか否かを判断する。EPCはその判断にCSGセルが測定した周辺セル状況を用いることが考えられる。
図30に本変形例3における移動体通信システムのオフセット量(あるいはフレーム構成でもよい)を決定するまでのシーケンスの一例を示す。図30において図27と同一のステップは同一または相当する処理を実行するものであるので、説明は省略する。ステップST3001にてCSGセルは、周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)を用いてスロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。また、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。ステップST3002にてCSGセルは、同期がとれたセル(周辺セル)に対して、基地局毎の通信品質を測定する。通品品質の具体例として、(1)セル毎に送信されるセル固有(cell specific)の参照信号RS(Reference Signal)を検出して測定した受信電力(RSRP Reference signal received power)、(2)セル毎に送信されるセル固有の参照信号RSの受信電力と当該システムのキャリア周波数での受信電力強度の比(RSRQ Reference signal received quality)、(3)受信信号強度(希望波受信電力 RSSI Received Signal Strength Indicator)、(4)希望波と干渉波の比(SIR Signal Interference Ratio)、(5)リソースエレメント(Resource Element:RE)におけるセル毎に送信されるセル固有の参照信号RSの受信電力(DL RS TX power)、(6)干渉量、などがあげられる。
ステップST3003にてCSGセルは、ステップST3001、ステップST3002にて検出されたひとつ以上のセルの中から、通品品質の最も良いセル(ベストセル)を選択する。具体的には、(1)セル毎に送信されるセル固有(cell specific)の参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の最も大きいセル、(2)セル毎に送信されるセル固有の参照信号RSの受信電力と当該システムのキャリア周波数での受信電力強度の比が最も大きいセル、(3)受信信号強度の最も大きいセル、(4)希望波と干渉波の比が最も大きいセル、(5)リソースエレメント(Resource Element:RE)におけるセル毎に送信されるセル固有の参照信号RSの受信電力が最も大きいセル、(6)干渉量が最も小さいセル、がベストセルとして想定される。
新たにCSGセルが設置された場合に、当該セルが設置された旨をネットワーク側(図30ではEPC)へ通知する(ステップST3004)。設置された旨を通知する際、自セルを特定する情報、具体例としてはPCI、あるいはGCIを通知しても良い。第二のセルが自セルを特定する情報を通知することにより、その後の処理においていずれのセルが新たに設置されたセルかを判断すること、あるいは通知することが容易となる。設置された旨の具体例としては、ステップST3001〜ステップST3003にて測定した周辺セル状況が考えられる。通知方法としてはステップST2701で示した方法を用いることが出来る。また、周辺セル状況の具体例としては、周辺セルのPCI(あるいはGCI)、周辺セルの通信品質(通信品質の具体例は上記の通り)、周辺セルのタイミングなどが考えられる。また周辺セルのタイミングを通知するためには、周辺セルより基準セルを選択し、基準セルと基準セル以外の周辺セルのタイミングオフセットを通知してもよい。基準セルの具体例としてはベストセルが考えられる。タイミングの具体例としては無線フレーム、SFNなどが考えられる。ネットワーク側に基準セルを通知するために、基準セルのPCI(あるいはGCI)を通知する。
ステップST3005にて、EPCは当該CSGセルが設置されることにより、干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する。存在した場合は、ステップST2704へ移行し、存在しない場合は処理を終了する。また、存在しない場合ステップST2710にてオフセット量として「考慮不要」、「無し」、「0」などを示す情報を通知してもよい。これにより、ステップST3005の判断の結果によらず処理が統一されるという効果を得ることがでる。また、ステップST3005の判断の結果によらず、第二のセルはオフセット量についての何らかの情報をネットワーク側から受信することになる。これにより、CSGセルがオフセット量を受信できない場合は、CSGセルからEPCへの設置された旨の通信エラー、あるいはEPCからCSGセルへのオフセット量の通信エラーであることを認識可能となる。これにより、通信エラー検出を早期に実現可能となる効果を得ることが出来る。干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する方法の具体例としては、CSGセルが先に設置済みのセル(第一のセル)の圏内に設置されたか否かを判断することが考えられる。具体例としては、CSGセルがマクロセル圏内に設置されたか否かを判断する。EPCはその判断にステップST2702で受信した情報を用いることが出来る。具体例としてはCSGセルの周辺セル状況を用いることが出来る。
ステップST3006にてCSGセルは、ステップST2711で受信したオフセット量に従って、つまりオフセット量分タイミングをずらして、通信を開始する。あるいはCSGセルは、ステップST2711で受信したフレーム構成に従って、通信を開始する。あるいは、ステップST2704にてEPCが基準セルのタイミングからオフセット量を決定していた場合、CSGセルは、ステップST3001〜ステップST3003にて得た基準セルのタイミングからステップST2711で受信したオフセット量に従って、つまりオフセット量分タイミングをずらして、通信を開始してもよい。
また、ステップST3002にてCSGセルの周辺セルの通信品質を測定するタイミングについては、新たにCSGセルが設置された際が考えられる。ステップST3004のCSGセルからEPCへの周辺セル状況の通知、ステップST3005のEPCによる判断についても新たにCSGセルが設置された際に行われることが考えられる。これにより、CSGセルがステップST3006にて通信開始を行った後は、CSGセルによる周辺セルの通信品質の測定は行われない。よってCSGセルの通信開始後は、通信品質の測定結果に伴うCSGセルのオフセット量変更が行われないことになる。このことは、CSGセル運用中にオフセット量変更に伴う、また周辺セルの通信品質の測定に伴う、傘下の移動端末との通信中断が発生しないという効果を得ることが出来る。また、ステップST3002にてCSGセルの周辺セルの通信品質を測定するタイミングについては、周期的に行う場合が考えられる。ステップST3004のCSGセルからEPCへの周辺セル状況の通知、ステップST3005のEPCによる判断についても周期的に行われることが考えられる。CSGセルが通信開始を行った後に、周辺セルの状況が変化しスケジューリング不可能な信号の無線リソースがセル間で重なる問題が再度発生し、当該セル間の下り干渉が発生する場合がある。CSGセルによる測定・通知及びEPCによる判断を周期的に行うことにより、CSGセルがステップST3006にて通信開始を行った後に周辺セルの状況などが変化した場合であっても、ネットワーク側が周辺セル状況を知ることが可能となる。これにより、CSGセルが通信開始を行った後であっても、スケジューリング不可能な信号の無線リソースがセル間で重ならないように運用することが可能となる。柔軟な移動体通信システムを得ることが出来る。
また、ステップST3002にてCSGセルの周辺セルの通信品質を測定するタイミングについては、周辺セルの状況が変化した場合に行うことが考えられる。ステップST3004のCSGセルからEPCへの周辺セル状況の通知、ステップST3005のEPCによる判断についても周辺セルの状況が変化した場合に行われることが考えられる。CSGセルによる測定・通知及びEPCによる判断を周期的に行う場合と同様、柔軟な移動体通信システムを得ることが出来る。さらに、周辺セル状況が変化した場合のみCSGセルによる測定・通知及びEPCによる判断を行うため、CSGセル及びEPCの負荷軽減と消費電力軽減という効果をあわせて得ることが出来る。なお、周辺セルの状況が変化したか否かは、CSGセルの周辺に新たにセルが設置された場合に、新たに設置されたセルから、あるいはEPCから、S1インタフェース、X2インタフェースを用いてCSGセルに通知されることが考えられる。本変形例3は、実施の形態3と組み合わせて用いることが出来る。本変形例3は、変形例1と組み合わせて用いることが出来る。また本変形例3は変形例2と組合せて用いることが出来る。
変形例3により、実施の形態3の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。実施の形態3では干渉し合う第一のセルが存在するか否かを第二のセルの位置情報を元に判断している。位置情報での判断では第二のセルが第一のセルの圏外に設置された場合であっても、実際の通信状況下においては建物の反射などにより第一のセルの圏内となる場合も考えられる。本変形例3では干渉し合う第一のセルが存在するか否かを第二のセルが実際に測定した周辺セル状況を元に判断している。よって実施の形態3以上に実際の通信状況に応じた判断が可能であるという効果を得ることが出来る。
変形例4.
本変形例4では実施の形態3と異なるオフセット量を決定する方法として、第二のセルがオフセット量を決定する方法を開示する。具体例として、LTEシステムではオフセット量を決定する第二のセルとしてeNodeB、NodeB、マクロセル、HeNB、HNB、ピコセル、マイクロセル、CSGセルなどが考えられる。図31に本変形例4における移動体通信システムのオフセット量(あるいはフレーム構成でもよい)を決定するまでのシーケンスの一例を示す。図31において図30と同一のステップは同一または相当する処理を実行するものであるので、説明は省略する。ステップST3101にてCSGは当該CSGセルが設置されることにより、干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する。存在した場合は、ステップST3102へ移行し、存在しない場合は処理を終了する。干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する方法の具体例としては、CSGセルが先に設置済みのセル(第一のセル)の圏内に設置されたか否かを判断することが考えられる。具体例としては、CSGセルがマクロセル圏内に設置されたか否かを判断する。CSGはその判断にステップST3001、ステップST3002で測定した周辺セル状況を用いることが出来る。
ステップST3102にてCSGはスケジューリング不可能な信号のリソースをセル間で重ならないように処理を行う。詳細はステップST2704と同様であるため、説明を省略する。ステップST3103にてCSGセルは、ステップST3102で決定したオフセット量に従って、つまりオフセット量分タイミングをずらして、通信を開始する。あるいはCSGセルは、ステップST3102で決定したフレーム構成に従って、通信を開始する。あるいは、CSGセルはステップST3001〜ステップST3003にて得た基準セルのタイミングからステップST3102で決定したオフセット量に従って、つまりオフセット量分タイミングをずらして、通信を開始してもよい。なお基準セルの説明は、変形例3と同様であるので説明を省略する。また、CSGセルとマクロセルの同期処理を行っても良い。同期処理の具体例としては、実施の形態3、変形例1、変形例2を用いることが出来る。また、ステップST3102で決定したオフセット量をCSGセルからマクロセルとEPCのいずれか、または両方へ通知してもよい。
変形例4により、実施の形態3の効果に加えて以下の効果を得ることができる。新たなセルを設置する場合、ネットワーク側及び、先に設置済みのセルが何ら処理することなく、スケジューリング不可能な信号のリソースが先に設置済みのセルと重ならないように運用することが可能となり、下り信号同士の干渉を低減できる。言い換えれば、第二のセルのみの処理で、新たにセルを設置する場合に、スケジューリング不可能な信号のリソースが先に設置済みのセルと重ならないように運用することが可能となり、下り信号同士の干渉を低減できる。これにて、既存の移動体通信システムに影響を与えず、下り信号同士の干渉を低減しつつ、新たなセルを設置することが可能となる効果を得ることができる。これは、移動体通信システムの複雑性回避、及び柔軟なセルの設置が可能となる効果を得ることが出来る。
変形例5.
変形例4を用いて第二のセルのオフセット量を決定した場合、同じ第一のセル内に設置されたセルであっても異なるオフセット量(送信タイミング)となる場合がある。本変形例5では、同じ第一のセル内に設置された第二のセルは同じオフセット量(あるいはフレーム構成でもよい)となるように運用するための方法を開示する。図32に本変形例5における移動体通信システムのオフセット量(あるいはフレーム構成でもよい)を決定するまでのシーケンスの一例を示す。図32において図30及び図31と同一のステップは同一または相当する処理を実行するものであるので、説明は省略する。ステップST3201にてCSGセルは、第一のセル(ベストセルでも良い)のPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。またPBCHの受信に続いて、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を受信しても良い。また、SIB1に含まれる他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報を元に、他のSIBを受信しても良い。
ステップST3202にてCSGセルは、ステップST3201にて受信したMIB、あるいはSIB1、あるいはその他のSIBにマクロセルのオフセット量が含まれているか否かを確認する。オフセット量が含まれていない場合、ステップST3101へ移行する。オフセット量が含まれていた場合、ステップST3206へ移行する。ステップST3203にてCSGセルはステップST3102にて決定したオフセット量を第一のセルへ通知する。通知方法はステップST2803で開示した方法を用いることができる。オフセット量を通知する際、自セルを特定する情報、具体例としてはPCI、あるいはGCIを通知しても良い。第二のセルが自セルを特定する情報を通知することにより、その後の処理においていずれのセルが新たに設置されたセルかを判断すること、あるいは通知することが容易となる。また、CSGセルはオフセット量をEPCへ通知しても良い。ステップST3204にてマクロセルは、CSGセルからオフセット量を受信する。ステップST3205にてマクロセルは、ステップST3204にて受信したオフセット量を自セルの内へ通知をする。通知方法としては以下が考えられる。報知情報BCCHに当該セル内に新たに設置するセルが適用するオフセット量(あるいはフレーム構成でもよい)をマッピングする。オフセット量の具体例としては、当該セルのタイミング(無線フレーム、SFN)からずらす量が考えられる。BCCHにオフセット量をマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。報知情報であるので、当該セルの圏内に通知可能となる。
報知情報中の既存のMIB(Master Information Block)(非特許文献11)の情報要素としてオフセット量を新規に追加する。MIBにオフセット量をマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。例えばLTE方式の通信システムにおいては、MIBはPBCHにマッピングされることからサーチ動作の初期段階で受信することが可能となる(具体例としては図12のステップST1204)。よって、MIB情報にオフセット量をマッピングすることにより制御遅延防止、消費電力低減の効果を得ることができる。報知情報BCCHの中の既存のSIB(System Information Block)(非特許文献11)の情報要素としてオフセット量を新規に追加する。また、SIB1の情報要素としてオフセット量を新規に追加する。SIB1にオフセット量をマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。例えばLTE方式の通信システムにおいては、SIB1はサーチの初期段階で受信することが可能となる(具体例としては図12のステップST1205)。よってMIB情報にオフセット量をマッピングすることにより制御遅延防止、消費電力低減の効果を得ることができる。また、SIB2の情報要素としてオフセット量を新規に追加する。SIB2にオフセット量をマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、SIB2には無線リソースの設定がマッピングされる方向である。無線リソースの設定に用いるパラメータであるオフセット量が、同様のパラメータが含まれるSIB2へ追加されることは、同様のパラメータを同じシステム情報の受信にて得ることが可能となる。よって移動体通信システムの複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
ステップST3206にてCSGセルは、ステップST3102で決定したオフセット量に従って、つまりオフセット量分タイミングをずらして、通信を開始する。あるいは、CSGセルは、ステップST3001〜ステップST3003にて得た基準セルのタイミングからステップST3102で決定したオフセット量に従って、つまりオフセット量分タイミングをずらして、通信を開始してもよい。なお基準セルの説明は、変形例3と同様であるので説明を省略する。あるいはステップST3201にて受信したオフセット量に従って、つまりオフセット量分タイミングをずらして、通信を開始する。あるいは、CSGセルは、ステップST3001〜ステップST3003にて得た基準セルのタイミングからステップST3201にて受信したオフセット量に従って、つまりオフセット量分タイミングをずらして、通信を開始する。あるいはCSGセルは、ステップST3102で決定したフレーム構成に従って、通信を開始する。あるいはCSGセルは、ステップ3201にて受信したフレーム構成に従って、通信を開始する。変形例5により、変形例4の効果に加えて以下の効果を得ることができる。変形例5により、第二のセルが、第一のセルより「当該セル内に新たに設置するセルが適用するオフセット量」が通知(報知)されているか判断し、通知されていればそのオフセット量に従うことが可能となる。よって、同じ第一のセル内に設置された第二のセルに同じオフセット量を設定可能となる効果を得ることが出来る。同様に複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信の帯域を広げる無線技術であるMIMO(Multiple Input Multiple Output)を別のセルのアンテナを用いて実現する場合であっても、第一のセル内に設置された第二のセルに同じオフセット量を設定可能となる。これにより、以下の効果を得ることが出来る。第一のセルで用いられているタイミング(具体例としては送信タイミング、SFNなど)を第二のセルが知ることが出来るという効果を得ることが出来る。このことは、移動端末への送信タイミングを同じタイミングに制御する際、当該タイミングが同じであれば、ネットワーク側の処理が簡略化される効果を得ることが出来る。
また、本変形例5の方法(ステップST3205)を用いて第一のセルから第一のセルが属する、あるいは第一のセルが知るMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)同期エリア番号とMBSFN同期エリアにて用いられているオフセット量を通知しても良い。オフセット量の具体例としては、当該第一のセルのタイミングからのオフセット量(オフセット量「0」の場合はオフセット量を通知しなくても良い)などが考えられる。これにより、新たなセルを設置する場合、ネットワーク側及び、先に設置済みのセルが何ら処理することなく、新たなセルが当該MBSFN同期エリアのタイミングを知ることが可能となる(ステップST3201)。よって新たにセルを設置する場合に当該セルの処理のみでMBSFN同期エリアに属するために必要な同期をとることが可能となり、移動体通信システムの複雑性回避、及び柔軟なセルの設置が可能となる効果を得ることが出来る。また、本変形例5の方法(ステップST3205)を用いて第一のセルから第一のセルが属する、あるいは第一のセルが知るMBSFNエリア番号とMBSFNエリアにて用いられているオフセット量を通知しても良い。オフセット量の具体例としては、当該第一のセルのタイミングからのオフセット量(オフセット量「0」の場合はオフセット量を通知しなくても良い)などが考えられる。これにより、新たなセルを設置する場合、ネットワーク側及び、先に設置済みのセルが何ら処理することなく、新たなセルが当該MBSFNエリアのタイミングを知ることが可能となる(ステップST3201)。よって新たにセルを設置する場合に当該セルの処理のみでMBSFNエリアに属するために必要な同期をとることが可能となり、移動体通信システムの複雑性回避、及び柔軟なセルの設置が可能となる効果を得ることが出来る。
変形例6.
本変形例6では実施の形態3と異なるオフセット量を決定する方法として、第一のセルがオフセット量(あるいはフレーム構成でもよい)を決定する方法を開示する。具体例として、LTEシステムではオフセット量を決定する第一のセルとしてeNodeB、NodeB、マクロセル、HeNB、HNB、ピコセル、マイクロセル、CSGセルなどが考えられる。図33に本変形例6における移動体通信システムのオフセット量(あるいはフレーム構成でもよい)を決定するまでのシーケンスの一例を示す。図33において図27と同一のステップは同一または相当する処理を実行するものであるので、説明は省略する。ステップST3301にてEPCはマクロセルにオフセット量決定指示を行う。通知方法としてはステップST2705で示した方法を用いることが出来る。ステップST3302にてマクロセルは、EPCよりオフセット量決定指示を受信する。ステップST3303にてマクロセルは、スケジューリング不可能な信号のリソースをセル間で重ならないように処理を行う。具体例としては、スケジューリング不可能な信号のリソースをセル間ずらす(オフセット量を設ける)。マクロセルは当該オフセット量を決定する。詳細説明はステップST2704と同様であるので、説明を省略する。ステップST3304にてマクロセルは、ステップST3303にて決定したオフセット量をCSGセルへ通知する。通知方法としては図28のステップST2803で示した方法を用いることが出来る。ステップST3305にてCSGセルは、マクロセルよりオフセット量を受信する。ステップST3306にてCSGセルは、ステップST3305で受信したオフセット量に従って、つまりオフセット量分タイミングをずらして、通信を開始する。あるいはCSGセルは、ステップST3305で受信したフレーム構成に従って、通信を開始する。本変形例6は、同期手順において、実施の形態3、変形例1、変形例2を用いることが出来る。また、本変形例6は、変形例3と組み合わせて用いることが出来る。変形例6により、実施の形態3の効果と同様の効果を得ることが出来る。
また、ステップST2701にてCSGセルはマクロセルへ通知しても良い。ステップST2703の判断はマクロセルにて行っても良い。また同期手順に変形例1を用いても良い。これにより、EPCからマクロセルへのオフセット量決定指示(ステップST3301、ステップST3302)、EPCでの同期処理(ステップST2705)を省略することが可能となる。よって移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
変形例7.
本変形例7では、新しいセルが設置された場合に、干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する判断基準の具体例について開示する。判断基準に閾値を用いる。閾値の具体例を以下に示す。干渉し合う第一のセルが存在するか否かの判断にて「位置情報」を用いている場合、閾値として第二のセルと第一のセル(複数であっても良い)の距離が考えられる。例えば第一のセルと第二のセル間の距離が閾値以上(あるいは閾値より大きい)であれば、当該第一のセルと第二のセルは干渉し合わないと判断する。また、第一のセルと第二のセル間の距離が閾値より小さい(あるいは閾値以下)であれば、当該第一のセルと第二のセルは干渉し合うと判断する。干渉し合う第一のセルが存在するか否かの判断にて「周辺セル状況」を用いている場合、閾値として通信品質が考えられる。通信品質の具体例としては変形例3で示した通り(1)RSの受信電力(2)RSの受信電力とキャリア周波数の受信電力強度の比(3)受信信号強度(4)希望波と干渉波の比(5)REにおけるRSの受信電力(6)干渉量などが考えられる。例えば第二のセルが測定する周辺セル状況の通信品質の測定結果にて閾値以上(あるいは閾値より大きい)セルが存在しなければ、第二のセルと干渉し合う第一のセルは存在しないと判断する。また、第二のセルが測定する周辺セル状況の通信品質の測定結果にて閾値以上(あるいは閾値より大きい)セルが存在すれば、第二のセルと干渉し合う第一のセルは存在すると判断する。
また、第二のセルは周辺セル状況の測定結果を当該閾値を用いて判断し、干渉し合う第一のセルが存在すると判断した場合に、周辺セル状況をオフセット量を決定する主体に通知するとしてもよい。これにより、第二のセルの判断の結果、干渉し合う第一のセルが存在しない場合は、周辺セル状況の通知を省略することが可能となる。これにより、移動体通信システムの複雑性回避、無線資源の有効活用という効果を得ることが出来る。閾値としては静的(Static)に決定される場合が考えられる。閾値が静的に決定されることにより、閾値が変更されることによる通知が不要となる。これにより、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。また閾値を変更可能とすることが考えられる。その場合、ネットワーク側は干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する主体に対して閾値を通知する。通知方法としてはステップST2705で示した方法を用いることが出来る。各セルが許可されている送信電力の最大値の変更や通信状況によっては、同じ場所に第二のセルを設置した場合であっても干渉し合う第一のセルが存在するか否かが異なる場合が考えられる。閾値を変更可能とすることにより、そのような場合に対応した柔軟な移動体通信システムを得ることが出来る効果を得ることが出来る。また第一のセルが、干渉し合う第一のセルが存在するか否かを判断する主体に対して閾値を通知しても良い。通知方法としてはステップST2803で示した方法を用いることが出来る。各セル独自の閾値を設定可能となることから、第一のセルの設置場所に応じた閾値を設定可能となる。よって柔軟な移動体通信システムを得ることが出来る。
同様に、他のセルの圏内に設置されたか否かを判断する判断基準に閾値を用いることが出来る。同様に、第二のセルが設置された場合、スケジューリング不可能なチャネル同士が同じ無線リソースとならない処理を行うか否かを判断する判断基準に閾値を用いることが出来る。本変形例7は、実施の形態3、変形例3、変形例4、変形例5、変形例6と組み合わせて用いることが出来る。本変形例7にて実施の形態3同様の効果を得ることが出来る。
実施の形態4.
ハンドオーバできないセル間、あるいはクローズドアクセスモードで運用されているセルとの間では下り信号同士の干渉が問題となる。その解決策として実施の形態1ではスケジューリング不可能な信号の無線リソースを当該セル間で重ならないようにすることを開示した。その方法として当該セル間で同期をとる、またスケジューリング不可能な信号のリソースをセル間でずらす(オフセットを設ける)ことを開示した。実施の形態2ではオフセット量にどのような値を用いることにより、下りセル間干渉問題を解決することができるかを開示した。実施の形態3では、オフセット量の決定方法について開示した。以下、複数のセルと下り信号同士が干渉を起こす場所に新たにセルを設置する場合を考える。
図34に本実施の形態4の課題の概念図を示す。マクロセル3401(eNB#1)とマクロセル3403(eNB#2)が存在する。マクロセル3401のカバレッジエリア(圏内)3402、マクロセル3403のカバレッジエリア3404は図34に示す通りである。eNB#1とeNB#2の両方のセルのカバレッジエリア内、つまり3402及び3404に属するエリアにCSGセル3405(eNB#3)を新たに設置する場合を考える。CSGセル3405のカバレッジエリア(圏内)3406は図34に示す通りである。移動端末3407が当該カバレッジエリア3406内に存在する。CSGセル3405(eNB#3)を設置する前の通信状況下の移動端末3407におけるSIRを図34(b)に示す。破線以上が通信可能なSIRを示すものとする。移動端末3407がeNB#1からeNB#2へ移動した場合であっても移動端末3407がeNB#1からeNB#2へハンドオーバすることにより、(b)の一点鎖線が示すSIRを得ることができる。これにより移動端末3407がeNB#1からeNB#2へ移動する場合であっても、移動端末3407は常に通信可能となる。eNB#3を設置した後の通信状況下の移動端末3407におけるSIRを図34(c)に示す。破線以上が通信可能なSIRを示すものとする。太破線にeNB#3から移動端末3407が受信するSIRを示す。eNB#3はCSGセルである。また移動端末3407がeNB#3に未登録であった場合を考える。移動端末3407はeNB#3にて通信不可能、eNB#3へハンドオーバ不可能となる。よって、移動端末3407がeNB#1からeNB#2へ移動した場合、(c)の一点鎖線が示すSIRを得ることになり、eNB#3周辺にて通信可能なSIRを満たさない、つまり通信不可能となる問題が生じる。
eNB#3を新たに設置するにあたり、eNB#1あるいはeNB#2とスケジューリング不可能な信号の無線リソースを当該セル間で重ならないようにすることが考えられる。この場合、何の工夫もなければeNB#3とeNB#1のスケジューリング不可能な信号の無線リソースが当該セル間で重ならないようにする場合とeNB#3とeNB#2のスケジューリング不可能な信号の無線リソースが当該セル間で重ならないようにする場合が考えられる。それぞれの場合の下り干渉量低減結果の概念図を図35に示す。eNB#3とeNB#1のスケジューリング不可能な信号の無線リソースが当該セル間で重ならないようにした場合を図35(a)に示す。この場合、移動端末3407がeNB#1からeNB#2へ移動した場合であっても移動端末3407がeNB#1からeNB#2へハンドオーバすることにより、(a)の一点鎖線が示すSIRを得ることができる。これにより移動端末3407がeNB#1からeNB#2へ移動する場合であっても、移動端末3407は常に通信可能となる。eNB#3とeNB#2のスケジューリング不可能な信号の無線リソースが当該セル間で重ならないようにした場合を図35(b)に示す。この場合、移動端末3407がeNB#1からeNB#2へ移動した場合、移動端末3407がeNB#1からeNB#2へハンドオーバしたとしても、(b)の一点鎖線が示すSIRしか得ることが出来ず、eNB#3周辺にて通信可能なSIRを満たさない、つまり通信不可能となる問題が生じる。つまり、複数のセルと下り信号同士が干渉を起こす場所に、新たにセルを設置する場合、どのように協調すれば、下り干渉低減にて最も効果を得られるかが問題となる。ここでいう「協調」の具体例としては、同期処理、タイミングをずらす処理、タイミングにオフセット量を設ける処理などがある。本実施の形態4では、複数の第一のセルが存在した場合、下りセル間干渉を低減させるために、どのように協調すれば良いかを開示する。
本実施の形態4では、複数の第一のセルと下り信号同士が干渉を起こす場所に、新たにセルを設置する場合、最も干渉を及ぼしあうセルと協調させることを開示する。スケジューリング不可能な信号のリソースをセル間で重ならないようにする構成は、変形例を含む実施の形態1の方法を用いることが出来る。またオフセット量についても変形例を含む実施の形態2の方法を用いることが出来る。またオフセット量(あるいはフレーム構成でも良い)の決定方法については変形例を含む実施の形態3の方法を用いることが出来る。最も干渉を及ぼしあうセル(以降協調セルと称する。)の決定方法の具体例を以下に開示する。干渉し合う第一のセルが存在するか否かの判断(例えば図27のステップST2703)にて「位置情報」を用いている場合、第二のセルと第一のセルの距離を判断基準として用いる。例えば複数の第一のセルのうち第一のセルと第二のセル間の距離が最も短い第一のセルを、協調セルと判断する。干渉し合う第一のセルが存在するか否かの判断にて「周辺セル状況」を用いている場合、第二のセルが測定した周辺セル状況の通信品質を判断基準として用いる。通信品質の具体例としては実施の形態3の変形例3で示した通り(1)RSの受信電力、(2)RSの受信電力とキャリア周波数の受信電力強度の比、(3)受信信号強度、(4)希望波と干渉波の比、(5)REにおけるRSの受信電力、(6)干渉量などが考えられる。例えば第二のセルが測定する周辺セル状況の通信品質の測定結果が最も大きいセルを、協調セルと判断する。「周辺セル状況」を用いる場合は、第二のセルは、周辺セル状況をオフセット量について決定する主体へ通知する。
本実施の形態4により、複数のセルと下り信号同士が干渉を起こす場所に、新たにセルを設置する場合、最も効率よく下り干渉を低減させる方法を得ることが出来る。これにより、新たなセルの設置により、通信不可能となるエリアを低減させることが出来るという効果を得ることができる。
変形例1.
本変形例1では実施の形態4と同じ課題に対する別の解決策を開示する。本変形例1では、複数の第一のセルと下り信号同士が干渉を起こす場所に、新たにセルを設置する場合、全ての第一のセルと協調させることを開示する。つまり、全ての第一のセルとタイミング(無線フレーム、SFNなど)をずらす(オフセットを設ける)。スケジューリング不可能な信号のリソースをセル間で重ならないようにする構成は、変形例を含む実施の形態1の方法を用いることが出来る。またオフセット量についても変形例を含む実施の形態2の方法を用いることが出来る。またオフセット量(あるいはフレーム構成でもよい)の決定方法については変形例を含む実施の形態3の方法を用いることが出来る。
第一のセルの数が多く、実施の形態2に示したオフセット量設定可能範囲(オフセット量の限定範囲)を超える場合を考える。その場合は最も干渉を及ぼしあうセルと協調させる。具体的な方法は実施の形態4と同様である。また、最も干渉を及ぼしあわないセルと同じタイミングをずらさない、つまり同じタイミングとする。最も干渉を及ぼしあわないセルの決定方法の具体例を以下に開示する。干渉し合う第一のセルが存在するか否かの判断にて「位置情報」を用いている場合、第二のセルと第一のセルの距離を判断基準として用いる。例えば複数の第一のセルのうち第一のセルと第二のセル間の距離が最も長い第一のセルを、最も干渉を及ぼしあわないセルと判断する。干渉し合う第一のセルが存在するか否かの判断にて「周辺セル状況」を用いている場合、第二のセルが測定した周辺セル状況の通信品質を判断基準として用いる。通信品質の具体例としては変形例3で示した通り、(1)RSの受信電力、(2)RSの受信電力とキャリア周波数の受信電力強度の比、(3)受信信号強度、(4)希望波と干渉波の比、(5)REにおけるRSの受信電力、(6)干渉量などが考えられる。例えば、第二のセルが測定する周辺セル状況の通信品質の測定結果が最も小さいセルを、最も干渉を及ぼしあわないセルと判断する。「周辺セル状況」を用いる場合は、第二のセルは、周辺セル状況をオフセット量について決定する主体へ通知する。変形例1により実施の形態4の効果に加えて以下の効果を得ることができる。オフセット量設定可能範囲内にて下り信号同士が干渉を起こす全ての第一のセルと下り干渉軽減を行うことが出来る。よってより下り干渉を抑制した移動体通信システムを構築できるという効果を得ることが出来る。
実施の形態5.
ハンドオーバできないセル間、あるいはクローズドアクセスモードで運用されているセルとの間では下り信号同士の干渉が問題となる。その解決策として実施の形態1ではスケジューリング不可能な信号がマッピングされる物理リソースの時間(タイミング)や周波数のいずれか、あるいは両方がセル間で重ならないようにすることを開示した。その方法として当該セル間で同期をとる、またスケジューリング不可能な信号のリソースをセル間でずらす(オフセットを設ける)ことを開示した。さらに実施の形態2ではオフセット量にどのような値を用いることにより、下りセル間干渉問題を解決することができるかを開示した。さらに実施の形態3では、上記オフセット量の決定方法について開示した。実施の形態4では、複数の第一のセルと下り信号同士が干渉を起こす場所に、新たにセルを設置する場合、最も干渉を及ぼしあうセルと協調させることを開示した。実施の形態1の解決策のうち、解決策を用いることによりシステム内でフレーム構成が異なるセルが存在する場合がある。具体例としては、実施の形態1及び実施の形態1の変形例1が、その解決策にあたる。システム内でフレーム構成が異なるセルが存在した場合、移動端末はサービングセル、あるいはハンドオーバ先のセル、あるいはセルリセレクション先のセルが用いるフレーム構成を知らなければ、通信を実現することはできない。よって、本実施の形態5では、フレーム構成(あるいはオフセット量)を移動端末へ通知する具体的な方法について開示する。
本実施の形態5では、第二のセルから第一のセルと第二のセル間で干渉を生じさせる信号に割当てられる無線リソースのオフセット量、あるいはフレーム構成を示す情報を傘下の移動端末へ通知することとした。具体例としては、PBCH上のBCCHにマッピングされるMIB(Master Information Block)情報の要素として、第一のセルと第二のセル間で干渉を生じさせる信号に割り当てられる無線リソースのオフセット量、あるいはフレーム構成を示す情報を傘下の移動端末へ通知することとした。PBCH上のBCCHにマッピングされるMIB(Master Information Block)情報の要素として、第一のセルと第二のセル間で干渉を生じさせる信号のオフセット量、あるいはフレーム構成を示す情報を傘下の移動端末へ通知することにより、以下の効果を得ることが出来る。例えば、LTE方式の通信システムにおいては、MIBはPBCHにマッピングされることからサーチ動作の初期段階で受信することが可能となる(具体例としては図12のステップST1204)。よって、MIB情報にオフセット量、あるいはフレーム構成を示す情報をマッピングすることにより制御遅延防止、消費電力低減の効果を得ることができる。また、第二のセルのオフセット量、あるいはフレーム構成を示す情報を第二のセルからのみ通知することができる。よって第一のセルでは通知する必要がなくなる。これにより無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
また、他の方法として、第二のセルのPCIと第一のセルと第二のセル間で干渉を生じさせる信号に割り当てられる無線リソースのオフセット量、あるいは第二のセルのPCIと第二のセルのフレーム構成を示す情報を関連付けておくこととした。例えば、次式により移動端末においてオフセット量あるいはフレーム構成を求められるようにしておけば良い。
オフセット量=PCI mod N (N:整数)
フレーム構成を示す情報=PCI mod N (N:整数)
第二のセルのPCIと第一のセルと第二のセル間で干渉を生じさせる信号に割り当てられる無線リソースのオフセット量、あるいは第二のセルのPCIと第二のセルのフレーム構成を示す情報を関連付けておくことにより、以下の効果を得ることが出来る。移動端末にてPCIを知り得た際に、同時にオフセット量、あるいはフレーム構成を知り得ることになる。セルのPCIはサーチ動作の初期段階で知りえる(具体例としては図12のステップST1201)。第二の方法は第一の方法と比較してもさらに移動端末のサーチ動作のはやい段階で第二のセルのオフセット量、あるいはフレーム構成を知り得る。これにより、さらに制御遅延防止、消費電力低減の効果を得ることができる。また、基地局から移動端末へオフセット量、あるいはフレーム構成を通知する追加の情報が不要である。よって無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
また、他の方法として、第一のセルと第二のセル間で干渉を生じさせる信号に割り当てられる無線リソースのオフセット量、あるいはフレーム構成を移動体通信システムとして静的(Static)に決定しておくことが考えられる。具体例としては、第二のセルで用いるオフセット量あるいはフレーム構成、マクロセル圏内にCSGセルを設置する場合のオフセット量あるいはフレーム構成を規格にて決定しておく。決定されるオフセット量あるいはフレーム構成は1つであっても良いし、複数であってもよい。複数である場合は、移動端末はブラインド検出を用いて当該第二のセルで用いられているオフセット量あるいはフレーム構成を検出することが出来る。第一のセルと第二のセル間で干渉を生じさせる信号に割り当てられる無線リソースのオフセット量、あるいはフレーム構成を示す情報を移動体通信システムとして静的(Static)に決定しておくことにより、以下の効果を得ること出来る。すなわち、基地局から移動端末へオフセット量、あるいはフレーム構成を示す情報を通知する追加の情報が不要であるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また移動端末がオフセット量、あるいはフレーム構成を知るために無線リソースを用いないので、受信エラーが発生することがないという効果を得ることが出来る。
本実施の形態5は、変形例を含む実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、変形例を含む実施の形態3、変形例を含む実施の形態4と組み合わせて用いることができる。実施の形態5により以下の効果を得ることが出来る。下り干渉を低減させるために、第一のセルと第二のセル間でオフセット量を設けた場合、第一のセルと第二のセルでフレーム構成を変更した場合であっても、第二のセル傘下の移動端末が通信可能となる効果を得ることが出来る。
変形例1.
実施の形態1にて、解決策を用いてもシステム内でフレーム構成が異なるセルが存在しないようにする方法について開示した。具体例としては実施の形態1の変形例2及び実施の形態1の変形例3が、その方法にあたる。システム内でフレーム構成が異なるセルが存在しないで、下りセル間干渉を低減させた場合、第二のセルのフレーム構成(あるいはオフセット量)の移動端末への通知が不要となる効果を得ることができる。つまり一般的なサーチ動作のみで通信可能となる効果を得ることが出来る。すなわち、基地局から移動端末へオフセット量、あるいはフレーム構成を示す情報を通知する追加の情報が不要であるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また移動端末がオフセット量、あるいはフレーム構成を知るために無線リソースを用いないので、受信エラーが発生することがないという効果を得ることが出来る。一方、ハンドオーバ時などにおいては、制御遅延防止のためサーチ時間の短縮は必須の課題である。本変形例1では、上記移動端末の一般的なサーチ動作(具体例としては図12)のみで通信可能となる干渉軽減方法であってもサーチ時間短縮のために用いることができる方法を開示する。サーチ動作短縮の課題は以下の具体例において顕著となる。この場合の移動端末がセルを「適切なセル」(Suitable cell)と判断するまでの動作の一例を図36に示す。
図36において、ステップST3601〜ステップST3606は、図12のステップST1201〜ステップST1206の処理に相当する処理であるので説明を省略する。選択したセルから報知されるTACを受信した移動端末は、ステップST3606でSIB1のTACがUEのTAリスト内のTACと同じでない場合は、移動端末は、ステップST3607に移行し、該セルがCSGセルかどうか判断する。該セルがCSGセルかどうかの判断に、現在3GPPにおいて提案されている、セルが報知情報に含めて報知するCSGインジケータを用いても良い。ステップST3607でCSGセルでないと判断した場合はステップST3610へ移行する。ステップST3603でSIB1のTACがUEのTAリスト内のTACと同じ場合は、ステップST3610へ移行する。
ステップST3607でCSGセルであると判断された場合、ステップST3608へ移行する。ステップST3608で移動端末は自移動端末がホワイトリストを有するかどうか判断する。ホワイトリストを有する場合、ステップST3609で移動端末は、受信したSIB1に含まれるTAC(CSG-ID)と、自移動端末に有するホワイトリスト内のTAC(CSG-ID)とを比較する。比較して同じTAC(CSG-ID)があった場合は、ステップST3610で移動端末は該CSGセルが「適切なセル」(suitable cell)と判断される。しかし、ステップST3609で受信したSIB1に含まれるTAC(CSG-ID)と自移動端末に有するホワイトリスト内のCSG−ID(TAC)と比較した結果、同じTAC(CSG-ID)がなかった場合は、ステップST3611で移動端末は該セルが「適切なセル」ではないため該セルへのアクセスを禁止されることとなる。よってステップST3612にて再度セルサーチを行わねばならなくなる。また、ステップST3608で移動端末がホワイトリストを有しない場合も、ステップST3611で移動端末は該セルが「適切なセル」ではないため該セルへのアクセスを禁止されることとなる。この場合も移動端末は、該セルに対してアクセスすることができず、ステップST3612にて再度セルサーチを行わねばならなくなる。
以上のように、CSGセルの導入によりセルの再選択時、及びハンドオーバ時の目的のセルが「適切なセル」であるか否かを判断するまでの時間を要する。LTEやUMTSなどの移動体通信システムではCSGセルが導入される方向である。また将来、多大な数のCSGセルが設置されることを想定している。特にハンドオーバ時は、継続している通信の中断が発生することは大きな問題となる。よって移動体通信システムとして移動端末がセルを「適切なセル」(Suitable cell)と判断するまでの時間を短縮することは大きな課題である。
本変形例1では上記課題を解決する方法を開示する。サービングセルより移動端末へ周辺セルのオフセット情報(フレーム構成を示す情報であってもよい)を通知する。通知方法の具体例を以下に開示する。サービングセルより報知情報として周辺セルのオフセット情報を傘下の移動端末へ通知する。BCCHにオフセット情報をマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。報知情報であるので、当該セルの圏内に通知可能となる。また、報知情報はサービングセルと個別チャネルを設定していない移動端末、つまり待ち受け状態(idle)の移動端末であっても受信可能な情報である。よって移動端末のセル再選択時の「適切なセル」であるか否かを判断するまでの時間を短縮する効果を得ることができる。報知情報中のMIB(Master Information Block)の情報要素としてオフセット情報を新規に追加する。報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)の情報要素としてオフセット情報を新規に追加する。また、SIB4の情報要素としてオフセット情報を新規に追加する。SIB4にオフセット情報をマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、SIB4には同周波数間周辺セルリスト(intra Freq Neighbouring Cell List)がマッピングされる方向である。このような状況下において、移動端末が周辺セルの状況を得るという処理にて用いるパラメータを、移動端末が同じシステム情報の受信にて得ることが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
また、SIB5の情報要素としてオフセット情報を新規に追加する。SIB5にオフセット情報をマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、SIB5には異周波数間周辺セルリスト(inter Freq Neighbouring Cell List)がマッピングされる方向である。このような状況下において、移動端末が周辺セルの状況を得るという処理にて用いるパラメータを、移動端末が同じシステム情報の受信にて得ることが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。また、第二のセルがHeNBであった場合、SIB9の情報要素としてオフセット情報を新規に追加する。SIB9にマッピングした場合、以下の効果を得ることが出来る。現在の3GPPでは、SIB9にはHeNBの識別子(a home eNB identifier (HNBID))がマッピングされる方向である。このような状況下において、移動端末がHeNBに関する情報を得るという処理にて用いるパラメータを、移動端末が同じシステム情報の受信にて得ることが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。
また、周辺セルのオフセット情報を、ロジカルチャネルである共有制御チャネル(CCCH)、あるいは個別制御チャネル(DCCH)、あるいはマルチキャスト制御チャネル(MCCH)、あるいはマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)にマッピングし、さらにトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)、物理チャネルである物理下り共有チャネル(PDSCH)にマッピングし移動端末に通知してもよい。報知情報は周期的に報知される情報である。よって無線リソースの有効活用という観点において、報知情報の情報量の削減が重要な課題となっている。よって、下り共有チャネルを用いて周辺セルのオフセット情報を通知する場合、報知情報の情報量を増やすことなく周辺セルのオフセット情報を移動端末へ通知することが可能となり、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
また、サービングセルから移動端末へ通知させる周辺セルの測定に対する制御情報(メジャメントコントロール情報と呼ばれることもある)にオフセット情報を新規に追加する。移動端末が周辺セルの測定を行う処理にて用いるパラメータを、移動端末が同じ情報で得ることが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。また、報知情報の情報量を増やすことなく周辺セルのオフセット情報を移動端末へ通知することが可能となり、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。具体例としては、既存の情報要素(Meas Object EUTRA information element)(非特許文献11)に、新たな要素としてオフセット情報を新規に追加することが考えられる。これにより、メッセージの新設が不要となり、移動体通信システムの動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。また、上記の通り変形例1の課題は、特にハンドオーバ時に顕著となる課題である。よって、ハンドオーバ処理においてサービングセルから通知されるメジャメントコントロールの情報要素としてオフセット情報を新規に追加する。移動端末がハンドオーバを行う処理にて用いるパラメータを、移動端末が同じ情報で得ることが可能となり、移動端末の動作の複雑性回避、制御遅延防止という効果を得ることが出来る。また、報知情報の情報量を増やすことなく周辺セルのオフセット情報を移動端末へ通知することが可能となり、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。
オフセット情報の具体例について以下に開示する。具体例1としては、サービングセルから自セルと協調した周辺セルのオフセット量を通知する。ここでいう「協調」の具体例としては、同期処理、タイミングをずらす処理、タイミングにオフセット量を設ける処理などがある。周辺セルが複数あった場合は、PCI(あるいはGCI)毎にオフセット量を通知しても良い。具体例2としては、サービングセルにてサービングセル圏内の第二のセルのオフセット量を通知する。また、サービングセルにてサービングセル圏内のCSGセルのオフセット量を通知する。第二のセルが複数あった場合は、PCI(あるいはGCI)毎にオフセット量を通知しても良い。具体例2により、マクロセルから当該マクロセル圏内に設置されたCSGセルへのハンドオーバ処理の時間短縮などに特に効果がある。具体例3としては、サービングセルにて第一のセルとのオフセット量を通知する。また、サービングセルにて同じカバレッジを持つマクロセルとのオフセット量を通知する。第一のセルが複数あった場合は、PCI(あるいはGCI)毎にオフセット量を通知しても良い。具体例3により、CSGセルから同じカバレッジを持つマクロセルへのハンドオーバ処理の時間短縮などに特に効果がある。具体例4としては、サービングセルにて第一のセル内に自セルと同じオフセット量を持つ自セルとは別のセルが存在するか否かを通知する。具体例4により、CSGセルから同じマクロセル圏内のCSGセルへのハンドオーバ処理の時間短縮などに特に効果がある。具体例1から4は組み合わせて用いることが出来る。また、本変形例1は、変形例を含む実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、変形例を含む実施の形態3、変形例を含む実施の形態4、実施の形態5と組み合わせて用いることができる。
本変形例1により、以下の効果を得ることができる。サービングセルから周辺セルのオフセット情報、あるいはフレーム構成を示す情報が通知される。サービングセルから周辺セルのオフセット情報が通知されない場合、移動端末は、ステップST3601にてタイミング同期をブラインド検出しなければならない。LTEシステムを具体例に示すとステップST3601にて移動端末は、P−SSを用いてスロットタイミングをブラインド検出しなければならない。本変形例1により移動端末は、周辺セルのオフセット情報を得ることができるので、ステップST3601のブラインド検出を削減することが可能となる。よってセル再選択時及びハンドオーバ時の「適切なセル」であるか否かを判断するまでの時間を短縮する効果を得ることができる。
変形例を含めて実施の形態1〜実施の形態5までに開示した方法は以下の場合について解決策として用いることが出来る。第二のセルとして、ハンドオーバ出来ないマクロセル、HeNB、HNB、ピコセル、マイクロセルが設置された場合の第一のセルと第二のセル間の下り信号の干渉低減方法として、変形例を含めて実施の形態1〜実施の形態5までに開示した方法を用いることが出来る。変形例を含めて実施の形態1〜実施の形態5までを用いて、第一のセルと当該第二のセルのスケジューリング不可能な信号のリソースを第一のセルと第二のセル間で重ならないようにすることにより、下り信号の干渉低減が実現可能となる。また、第二のセルとしてクローズド(Closed)モードで運用されるマクロセル、HeNB、HNB、ピコセル、マイクロセルが設置された場合の第一のセルと第二のセル間の下り信号の干渉低減方法として、変形例を含めて実施の形態1〜実施の形態5までに開示した方法を用いることが出来る。変形例を含めて実施の形態1〜実施の形態5までを用いて、第一のセルと当該第二のセルのスケジューリング不可能な信号のリソースを第一のセルと第二のセル間で重ならないようにすることにより、下り信号の干渉低減が実現可能となる。
また、個別チャネル(Dedicated channel)運用時、共同チャネル(Co-Channel)運用時、部分共同チャネル(Partial Co-Channel)運用時のCSGセル(HeNB、HNB、ピコセル、マイクロセルであってもよい)間の下り信号の干渉低減方法として、変形例を含めて実施の形態1〜実施の形態5までに開示した方法を用いることが出来る。変形例を含めて実施の形態1〜実施の形態5までを用いて、CSGセル(HeNB、HNB、ピコセル、マイクロセル)間のスケジューリング不可能な信号のリソースをCSGセル(HeNB、HNB、ピコセル、マイクロセル)間で重ならないようにすることにより、下り信号の干渉低減が実現可能となる。上記において、OFDM通信方式を中心に説明したが、TDM通信方式にも変形例を含めて実施の形態1〜実施の形態5においては適用できる。変形例を含めて実施の形態1〜実施の形態5までを用いて、TDM通信方式の第一のセルとTDM通信方式の第二のセルのスケジューリング不可能な信号のリソースを第一のセルと第二のセル間で重ならないようにすることにより、下り信号の干渉低減が実現可能となる。TDM通信方式のTDM通信方式では上り送信に用いられる無線リソースと下り送信に用いられる無線リソースが時間的に分離されている。第一のセルの下り送信に用いられる無線リソースを第二のセルの上り無線リソースに用い、第一のセルの上り送信に用いられる無線リソースを第二のセルの下り送信に用いられる無線リソースとなるようオフセットを設けることも可能となり下り干渉低減に効果を有するオフセット量の範囲を広く設けることができる。このように、変形例を含めて実施の形態1〜実施の形態5で開示した解決策は、TDM方式と親和性の高い方法である。
実施の形態6.
一般に、あるセルのカバレッジ内において他のセルから干渉電力が大きくなった場合、通信を切断しないようにするため、移動端末は該他のセルあるいはその他の適切なセルへハンドオーバ(HO)やセルの再選択(re-selection)できるようにしている。しかし、移動端末がそれらのセルへハンドオーバやセル再選択ができない場合、該他のセルからの干渉電力が増大し、通信が切断してしまうという問題が生じる。例えばCSGセルが導入された場合、HNB/HeNBがクローズドアクセスモードのCSGセルとして運用され、マクロセルのカバレッジ内に該CSGセルが設置されることが考えられる。このような場合、CSGカバレッジ内でマクロセルとCSGセル間で干渉が生じるため、該CSGセルにユーザ登録していない移動端末は、該CSGセルからの干渉によりマクロセルとの通信が不可能になるという問題が生じてしまう。また、CSGセルで通信している移動端末がマクロセル(eNB)にハンドオーバできない場合も同様に、通信が不可能になるという問題が生じる。これらの問題を解消するため、非特許文献8では運用方法Eとしてセルをオープンアクセスモードで運用することが記載されている。しかし、このモードの設定方法、例えば、どのようなセルに対してオープンアクセスモードとするか、といった方法については何ら述べていない。通常考えられるのは、全てのHeNB/HNBをオープンアクセスモードにすれば良いが、それでは、クローズドアクセスモードにして登録した移動端末のみにアクセスを可能にするなどのCSGとしての運用ができなくなってしまう問題が生じる。そこで、本実施の形態においては、これらの問題を解消するため、干渉が問題となるセルをオープンアクセスモード対応とすることを開示する。また、アクセスモード対応とする際の該モードの設定方法について開示する。
本実施の形態では、干渉が問題となるセルかどうかの判断を行い、干渉が問題となるセルの場合は、アクセスモードをオープンアクセスモード対応とする。まず、干渉が問題となるセルかどうかの判断は、実施の形態3開示したオフセット量の決定方法の一部を適用できる。例えば、コアネットワーク(CN,EPC)(MME,HeNBGW)が判断する場合、図27のST2701からST2703を適用すれば良い。ST2703でイエスの場合、ST2701で設置されたことを通知したCSGセル(HeNB/HNB)をオープンアクセスモードと設定すれば良い。また、例えば、図30のST3001からST3005を適用すれば良い。ST3005でイエスの場合、ST3004で設置されたことを通知したCSGセル(HeNB/HNB)をオープンアクセスモードと設定すれば良い。また、例えば、CSGセル(HeNB/HNB)が判断する場合は、図31のST3001からST3101を適用しても良い。ST3101でイエスの場合、該CSGセル(HeNB/HNB)をオープンアクセスモードと設定すれば良い。判断指標としては、実施の形態3の変形例7で開示した方法を用いれば良い。例えば、位置、他セルからの下り受信電力及び通信可能か否かの受信電力の閾値などを用いて判断する。
次に、CSGセル(HeNB/HNB)をオープンアクセスモード対応に設定する方法について開示する。例えば、CSGセル(HeNB/HNB)が判断する場合は、図37で示す方法とする。図31のST3101で干渉の有無を判断したCSGセル(HeNB/HNB)は該判断結果を表示するなどして該HeNB/HNBのオーナに指示する。オーナは所有するHeNB/HNBに対してモードの設定(変更)を可能にしておく。これにより、オーナは、図37のST3701に示すように、該HeNB/HNBに対してモードの設定(変更)を行う。モードの設定(変更)が行なわれたHeNB/HNBは、ST3702によって、コアネットワークへ設定されたモードを通知する。コアネットワークは設定されたモードによって、ST3703でHeNB/HNBに対してTACを通知する。HeNB/HNBが、図31のST3101でイエスと判断した場合、その結果を指示されたオーナは、モードをオープンアクセスモード対応に設定(変更)する。オープンアクセスモード対応として、オープンアクセルモードあるいはハイブリッドアクセスモードがある。モードをオープンアクセスモード対応に設定(変更)されたHeNB/HNBはST7102で該モードをコアネットワークに通知する。コアネットワークは該モード対応のTACをST7103で通知する。
例えば、コアネットワークが判断する場合は、図38で示す方法とする。図27のST2703で干渉の有無を判断したコアネットワークは該判断結果をもとに、ST2701で設置されたことを通知したHeNB/HNBに対してモードの設定(変更)を行う。ST3801で、コアネットワークは設定(変更)したモードをHeNB/HNBに通知することで、該HeNB/HNBに対してモード設定(変更)を行う。ST3801で、コアネットワークから設定(変更)したモードが通知されたHeNB/HNBがモード設定(変更)を行うようにしても良い。また、コアネットワークは、設定したモードによって、ST3802でHeNB/HNBに対してTACを通知する。モード設定(変更)が行なわれたHeNB/HNBは、オーナや付近に存在する移動端末のユーザに対して該HeNB/HNBがどのモードで動作しているかを示すため、ST3803でモードの表示を行うようにしても良い。図27のST2703でイエスと判断した場合、コアネットワークは、ST3801で、ST2701で設置されたことを通知したHeNB/HNBのモードをオープンアクセスモード対応に設定(変更)する。また、コアネットワークはオープンアクセスモード対応のTACをST3703で通知する。オープンアクセスモード対応に設定(変更)されたHeNB/HNBは、オーナや付近に存在する移動端末のユーザに対して該HeNB/HNBがオープンアクセスモード対応で動作していることを示すため、ST3703でモードの表示を行う。
ST3702やST3701で示したアクセスモードの通知に用いるインタフェースは、具体例として、S1インタフェースが考えられる。新たな情報である位置情報を既存のインタフェースであるS1インタフェースを用いて通知することにより移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。S1インタフェースを用いて通知する方法は、実施の形態3で開示した、位置情報をCSGセルからEPCへ通知する方法や、同期処理のためにEPCからマクロセルやCSGセルへの通知方法を用いれば良い。また、アクセスモードの通知はブロードバンド回線などを通して行なっても良い。
アクセスモードを設定(変更)するタイミングについては、HeNB/HNB設置の際あるいは電源オフから電源オンに変更された際に行なわれるようにしても良い。また、新たな干渉となるセルが設置された場合に行なわれるなど、準静的(semi-static)に行なわれるようにしても良い。また、あらかじめ干渉が問題となるようなエリアに設置されることがわかっているなどの場合は、あらかじめオープンアクセスモード対応としたHeNB/HNBのみ設置するとしても良いし、オーナとオペレータとの間でオープンアクセスモード対応と設定することをあらかじめ決めておくようにしても良い。
本実施の形態で開示した、アクセスモードの設定方法とすることで、セル間干渉の有無に関係なく全てのHeNB/HNBをオープンアクセスモードにしなければならない、といったことを行う必要がなくなり、セル間干渉の有無に応じて適切なHeNB/HNBをオープンアクセスモード対応とすることが可能となる。従って、CSGとしての運用も可能とすることができる効果が得られる。なお、クローズドアクセスモードの運用もさせたいHeNB/HNBがセル間干渉で問題になる場合も、上述したモード設定方法において、ハイブリッドアクセスモードに設定(変更)することで、クローズドアクセスモードとオープンアクセスモードの両方に対応させることが可能となる。セル間干渉が問題となる場合に、移動端末がそれらのセルへハンドオーバやセル再選択ができないといった場合においても、通信が切断してしまうという問題を解消することが可能となる。
例えば、図39にマクロセルのカバレッジ内にCSGセルとして動作するHeNBを設置した状況における移動端末での受信信号干渉波比(SIR)の概念図を示す。図39(a)に従来の場合のSIRを示す。横軸はマクロセルの基地局(eNB)からの距離、縦軸はSIRである。閾値aは、SIRがaより大きい場合は通信可能であり、小さい場合は通信不可能である値とする。移動端末は該CSGにユーザ登録していないとする。マクロセルのカバレッジ内にCSGセルが設置され、マクロセルカバレッジ内でマクロセルと通信を行なっている移動端末が、マクロセルカバレッジ内に設置されたCSGセルのカバレッジ内に移動するような場合、CSGセルからの電波が干渉となり、マクロセルとの通信が妨げられることになる。図39(a)に示すように、eNBのカバレッジ内にHeNBが設置された場合、HeNB近傍で、eNBと通信している移動端末のSIRはHeNB近傍で極端に劣化してしまう。移動端末のSIRは一点鎖線で示すようにHeNB近傍で閾値aより小さくなってしまう。このため、移動端末は該HeNBへハンドオーバあるいはセル再選択しようとするが、該HeNBはクローズドアクセスモードのCSGセルなので、移動端末は該CSGセルへハンドオーバあるいはセルリセレクションすることができず、通信が切断されてしまう。しかし、本実施の形態で開示した方法とすることで、図39(b)に示すように、HeNB近傍において、オープンアクセスモード対応に設定(変更)された該HeNBへ、どんな移動端末でもハンドオーバすることが可能となるため、移動端末のSIRは一点鎖線の様に閾値aを下回ることはなくなる。従って移動端末はeNBあるいはHeNBとの通信を切断されることなく引き続き行うことが可能となる。
上記の例では、干渉が問題となる第一のセルと第二のセルをマクロセルとHeNB/HNBとしたが、これらのセルだけでなく、アクセスモードをオープンアクセスモードに設定することが可能なセルであれば良い。また、上記の例では、オープンアクセスモードに設定としたが、該モードへの設定だけでなく、ハンドオーバ可能とする設定であれば良い。
変形例1.
本変形例では、セル間干渉が問題となる場合に、該セルのシステム帯域幅(全周波数帯域幅)、中心周波数(キャリア)のいずれか、あるいは両方を設定あるいは制限する方法について開示する。実施の形態1の変形例3で、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる周波数領域がセル間で重ならないようにする方法を開示した。また、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる周波数領域がセル間で重ならないようにするため、周波数にオフセットを設ける方法を開示した。本変形例においては、該オフセットの設定方法について示す。まず、干渉が問題となるセルかどうかの判断は、実施の形態6と同様に、実施の形態3に開示したオフセット量の決定方法の一部を適用できる。まず、該オフセット量の決定方法は、実施の形態2で開示した許容される周波数オフセット範囲内で、干渉となるセルのシステム帯域幅、中心周波数(キャリア)のいずれか、あるいは両方をもとに決定するようにする。該オフセット量の決定は例えば、HeNB/HNBで行っても良いし、コアネットワークが行なっても良い。干渉となるセルのシステム帯域幅、中心周波数(キャリア)をコアネットワークは認識している場合、コアネットワークは干渉となるセルのシステム帯域幅、中心周波数(キャリア)のいずれか、あるいは両方をもとに、該オフセット量を決定することができる。一方、HeNB/HNBやマクロセルは干渉となるセルのシステム帯域幅、中心周波数(キャリア)を認識していないので、該オフセット量の決定を、HeNB/HNBやマクロセルで行う場合、コアネットワークからHeNB/HNBやマクロセルに対して、システム帯域幅、中心周波数(キャリア)のいずれかあるいは両方を通知しても良い。HeNB/HNBが該オフセット量を決定する場合、別の方法として、実施の形態3の変形例2で開示した、セルサーチによるセルの中心周波数(キャリア)、MIB(Master Information Block)情報内セルのシステム帯域幅のいずれかあるいは両方を取得する方法を用いても良い。また、コアネットワークが干渉となるセルのシステム帯域幅、中心周波数(キャリア)を認識していない場合が有る。この場合、実施の形態3で開示した方法によって干渉が問題となると判断した各セルは、自セルのシステム帯域幅、中心周波数(キャリア)のいずれかあるいは両方をコアネットワークに通知するようにしても良い。次に、設定したオフセット量の通知方法だが、この方法に関しては、実施の形態3で開示した、オフセット量通知方法を適用すれば良い。
本変形例で開示した方法を用いることによって、スケジューリング不可能な信号がマッピングされる周波数領域がセル間で重ならないようにできる。また、本変形例で開示した方法と実施の形態1から実施の形態5を組み合わせた方法を用いることによって、実施の形態1から5と同等の効果を得ることが可能となる。
本変形例で開示した、周波数オフセットの設定方法は、CSGセルとマクロセルが各々異なる専用の周波数帯域で運用される場合や、一部の周波数が重複して運用される場合にも適用可能である。上記の例では、干渉が問題となる第一のセルと第二のセルをマクロセルとHeNB/HNBとしたが、これらのセルだけでなく、干渉が問題となるセルであれば良い。
変形例2.
本変形例では、第一のセル、第二のセル、コアネットワークがそれぞれ、第二のセルの設置許可/不許可を判断することを開示する。干渉が問題となる後から設置されるセルに対して、設置を不許可として干渉を低減させ、前に設置されたセル傘下の移動端末が通信不可能となることを防ぐ。干渉が問題となるセルかどうかの判断は実施の形態6と同じ方法が適用できる。判断指標としては、実施の形態3の変形例7で開示した方法を用いれば良い。例えば、位置、他セルからの下り受信電力、通信可能か否かの受信電力の閾値などである。また、第二のセルが設置される場合のカバレッジ内に存在する移動端末の台数のいずれかあるいは複数をもとにして判断してもよい。干渉有りか否かの閾値はが、実施の形態6あるいは実施の形態3で開示した閾値と同じとしても良いし、異なる値としても良い。設置許可/不許可の閾値を別に設けても良い。こうすることで、第二のセルに対して、設置許可するがオフセットを設ける運用、設置不許可運用、などの複数段階の運用が可能となる。また、第二のセルが設置される場合のカバレッジ内に存在する移動端末の台数などをもとにして判断することで、移動端末が密集しているエリアへの設置を無くして、多くの移動端末が通信不可能になることを避けるなど、緻密な運用が可能となる。第二のセルへの設置許可/不許可の通知方法や通知に用いるインタフェース、あるいは通知タイミングも、実施の形態6のアクセスモードの設定方法で開示した方法を適用することができる。また、この場合、設置許可/不許可の通知ではなく、設置許可のみの通知としても良い。設置許可通知を受信した場合のみ、セルとして動作可能としておけば良い。
上記の方法とすることで、セル間のオフセット調整を行なう必要が無くなり、システムとしての複雑化を回避することが可能となる。また、基地局や移動端末での制御も簡易になるため、制御回路規模の削減、低消費電力化が図れる。また、システムとして、シグナリング負荷を減らすことが可能となるという効果が得られる。
変形例3.
干渉が問題となるセルが設置される場合の干渉低減方法として、第二のセルが設置され、第二のセルが第一のセルと干渉しあう場合、第一のセルあるいはコアネットワークが第二のセルのカバレッジ内に存在する移動端末に対して、第二のセルの動作開始前に、該第二のセルとは異なる周波数(チャネル)で運用されているセルへのハンドオーバあるいはリセレクションを指示しても良い。第二のセルが第一のセルと干渉しあうか否かの判断は、実施の形態3で開示した方法を適用すれば良い。第二のセルが第一のセルと干渉していることを判断した判断主体は、干渉している旨を第一のセルあるいはネットワークに通知するようにしておく。これにより、第一のセルがセル主導あるはネットワーク主導により移動端末にハンドオーバやリセレクションを指示することが可能となる。また、どの移動端末が第二のセルのカバレッジ内に存在するかどうかの判断を、第一のセルあるいはコアネットワークが行なっても良い。該判断は、第二のセルの設置される位置情報を第一のセルあるいはコアネットワークが取得し、該位置情報をもとに行なわれることが可能となる。該位置情報の取得あるいは通知方法は実施の形態3の中で開示した方法を適用すれば良い。
実施の形態7.
本実施の形態7の課題を以下に示す。例えば、同じCSG−IDのセルは同じオーナが所有する、あるいは同じCSG−IDのセルからは同じ課金優遇が受けられる、あるいは同じCSG−IDのセルからは通信速度で同じ優遇が受けられるなどのサービスが考えられる。これにより、ユーザがハンドオーバの際、同じCSG−IDを有するセルへのハンドオーバを望むことが考えられる。現在の規格動向では、CSG−IDはTACに対応付けられている。TACはSIB1にマッピングされている。よって何の工夫もなく、同じCSG−IDを有するセルへのハンドオーバを行う場合の移動端末の処理を図40に示す。図40において図36と同じ番号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップST4001にて移動端末はSIB1に含まれる当該セルのCSG−ID(あるいはTAC,TA)がサービングセルと同じであるか否かを判断する。異なると判断した場合、ステップST4002へ移行する。同じであると判断した場合、ステップST4003へ移行する。ステップST4002にて移動端末は、当該セルをセルサーチ、あるいは測定対象から削除しステップST3601へ進む。ステップST4003にて移動端末は、当該セルをハンドオーバ先に決定する。つまり、ハンドオーバ時に目的のセルのCSG−IDが判明するのはステップST3605のSIB1受信後である。ステップST4001にて異なるCSG−IDであると判断された場合は、ステップST3601〜ステップST3605までの処理が無駄となる。サービングセルと異なるCSG−IDを持つCSGセルが密集して設置されているような場所では、ステップST4001にて何度も異なるCSG−IDを有すると判断され、ステップST3601〜ステップST3605の処理を繰り返すことになる。これにより、ハンドオーバの許容時間などを超え、継続している通信の中断、あるいはハンドオーバ失敗、あるいは周辺にサービングセルと同じCSG−IDのセルが存在するにも関わらず許容時間の関係でユーザの望まないサービングセルとは異なるCSG−IDへのハンドオーバを行う、などの課題が発生する。よって移動体通信システムとして移動端末が目的のセルのCSG−IDを入手するまでの時間を短縮することは大きな課題である。
本実施の形態では上記課題を解決する方法を開示する。サービングセルより同じCSG−ID(あるいはTAC,TA)を有するCSGセルを移動端末へ通知する。通知方法の具体例としては、実施の形態5の変形例1のオフセット情報の通知方法を用いることができる。通知情報の具体例としては、サービングセルと同じCSG−IDを持つセルのPCI(あるいはリスト)を通知することが考えられる。実施の形態7における同じCSG−IDを有するセルへのハンドオーバを行う場合の移動端末の処理を図41に示す。図41において、図36及び図40と同じ番号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じステップ番号の箇所の説明は省略する。ステップST4101にて移動端末は、ステップST3601にて得た当該セルのPCIがサービングセルから通知された「サービングセルと同じCSG−IDを持つセルのPCI」であるか否かを判断する。あるいはステップST3601にて得た当該セルのPCIがサービングセルから通知された「サービングセルと同じCSG−IDを持つセルのPCIリスト」中に存在するか否かを判断する。同じPCIであった場合、あるいはリスト中に存在した場合、ステップST3602へ移行する。また同じPCIでなかった場合、あるいはリスト中に存在しない場合、ステップST4002へ移行する。
これにより、ハンドオーバ動作の初期段階(ステップST4101)にてサービングセルと同じCSG−IDを有するセルであるか否かの判断が可能となる。従来の技術にて発生するサービングセルと異なるCSG−IDを持つセルについての無駄なステップST3602〜ステップST3605を削減することが可能となる。よって、実施の形態7により、同じCSG−IDを有するセルへのハンドオーバを制御遅延を発生させることなく実現可能となる効果を得ることが出来る。
本発明についてはLTEシステム(E−UTRAN)を中心に記載したが、W−CDMAシステム(UTRAN、UMTS)及びLTEアドバンスド(LTE-Advanced)について適用可能である。更には、CSG(Closed Subscriber Group)が導入される移動体通信システムおよび、CSGと同じようにオペレータが加入者を特定し、特定された加入者がアクセスを許可されるような通信システムにおいて適用可能である。LTEアドバンスド等では、基地局(eNB、HNB、HeNBなど)だけでなく、多地点で送受信やマルチホップさせるため多種の装置あるいはノードが検討されている。本発明は、これら各種の装置あるいはノードが設置されることにより、干渉が問題となるような場合、該装置あるいはノード間で干渉を低減させるために協調させる方法として適用することが可能である。実施の形態3で開示したインタフェースとして、該装置あるいはノード間に設けられるインタフェースとすれば良い。