JP5742782B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
定着されるトナー画像は、モノクロ画像であることもあるが、近来の画像形成装置では「色の異なる複数のトナー画像を互いに重ねて得られるカラートナー画像」であることが多い。
ローラ状に形成された定着部材は「定着ローラ」とも呼ばれる。また、ベルト状に形成された定着部材は「定着ベルト」とも呼ばれる。定着ベルトは「駆動ローラを含む複数のローラ」に巻き掛けられて回転駆動される。
転写紙の切断部(端部の厚みをなす部分)のエッジ部(転写紙表面と切断端面との稜線部)は鋭く、定着の際に、転写部材表面との接触部に力が集中し、定着部材の表面に「切れ込み様の傷」を生じさせ易い。上記「エッジ部」が鋭いことは、日常の紙の取り扱いで「紙のエッジで指を切ったりする」ことからも理解されるであろう。
即ち、切断面に剥きだしになった添加剤が、切断面にそって定着部材表面に付着すると、転写紙を挟持搬送するニップ部において定着部材表面に強く押し付けられ、微小な粒子に応力が集中して定着部材表面を損傷する。特に、定着部材の表面が硬い材質である場合にこのようなことが起こり易い。
図1は、画像形成装置の1種である「カラープリンタ」を説明するための図である。なお、前述の通り、この発明の画像形成装置は、図1に示すカラープリンタに限らず、モノクロ複写機やカラー複写機、ファクシミリ装置やプロッタ装置等として、あるいはこれらの各機能を複合させたMFP等として実施できることは言うまでもない。
符号中の「Y、M、C、B」は、それぞれ「イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック」の各色を表し、作像ユニットUYは「イエロー画像を作像するユニット」、作像ユニットUMは「マゼンタ画像を作像するユニット」、作像ユニットUCは「シアン画像を作像するユニット」、作像ユニットUBは「ブラック画像を作像するユニット」である。
図1(b)に示す作像ユニットUYは、光導電性の感光体として感光体ドラム20Yを有し、感光体ドラム20Yの周囲に、帯電器30Y、現像ユニット40Y、転写ローラ50Y、クリーニングユニット60Yを配置した構造となっている。
帯電器30Yは「接触式の帯電ローラ」である。
なお、このような画像書き込みを行なう光走査装置13は、従来から種々のものが良く知られており、光走査装置13としては、これら周知のものが適宜利用される。
形成された静電潜像は、現像ユニット40Mによりマゼンタトナーを用いる反転現像により「マゼンタトナー画像」として可視化される。
形成された静電潜像は、現像ユニット40Cによりシアントナーを用いる反転現像により「シアントナー画像」として可視化される。
形成された静電潜像は、現像ユニット40Bによりブラックトナーを用いる反転現像により「ブラックトナー画像」として可視化される。
同様に、シアントナー画像は、転写ローラ50Cにより、転写ベルト11上に「先に重ね合わせて転写されたイエロートナー画像、マゼンタトナー画像」に重ね合わせられて1次転写される。ブラックトナー画像は、転写ローラ50Bにより、転写ベルト11上のイエロー、マゼンタ、シアンの各色トナー画像に重ね合わせて1次転写される。
表面状態情報は、以下において単に「表面情報」とも言う。
加圧ローラ63は、アルミ又は鉄等の芯金の上にシリコーンゴムなどの弾性層を設け、表層はPFAやPTFE等の離型層により構成されている。
図示されないクリーニング装置はまた、転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための排出手段も有している。
「表面状態情報検出装置」は、以下において「表面情報検出装置」とも言う。
なお、このように、反射型光センサにより照射される複数の光スポットの配列方向が、主走査方向になるのは、参考例であり、この発明の画像形成装置にいては、上記複数の光スポットは「定着部材の回転移動方向に対し直交する方向と異なる方向」へ配列するように形成される。以下、参考例に基づき、反射型光センサにつき説明する。
図示されない駆動手段と表面状態変更ローラ67とは「表面状態変更手段」を構成し、上記駆動手段は表面状態変更制御装置400により制御されるようになっている。
図2は、定着装置19による定着を、説明図的に示す図である。
符号Sは「定着されるべきカラートナー画像」を有する転写紙を示している。この説明例では、転写紙Sは「A4サイズ」であり、これを長手方向と幅方向に搬送できるようになっている。符号A4Tは、A4サイズの転写紙Sを長手方向に搬送するときの紙幅を示し、符号A4Lは、A4サイズの転写紙Sを幅方向(短手方向)に搬送するときの紙幅を示している。
この場合は同一サイズの転写紙が「搬送方向に幅が異なる状態」で搬送されるのであるが、このような場合も「搬送方向に幅の異なる複数サイズのシート状記録媒体」の1例とする。
余裕幅:W1、W2は、このような変動を考慮したものである。
そして、転写紙の幅方向端部が検知領域Aに含まれるとき、転写紙の幅方向端部により形成される筋状の傷の情報である「傷レベル」および/または「傷の位置(主走査方向の位置)」を定着ベルト61の表面情報として定量化する。この点については後述する。
定着部材の表面に「傷(サーミスタや剥離爪との接触による傷や、筋状の傷)」が生じると、前述の如くに、傷の部分で「定着部材とトナー画像の接触圧」が弱くなり、傷に応じて「定着不全」が生じ、定着された画像では「白抜け(画像濃度の低下する減少)」と呼ばれる「画像異常」が発生する。
X方向は、上の説明における「搬送方向に交わる方向」で、説明中の例では「主走査方向」である。
Y方向は「搬送方向」に対応する。Z方向は「X、Y両方向に直交する方向」である。
レンズ素子204は、2つの領域部分から構成されている。
即ち、図3(a)に示す「照射用レンズ204-n(n=1〜N)をアレイ配列した照射用レンズアレイの領域」と、同図(b)に示す「受光用レンズ204Cによる領域」とである。
受光用レンズ204Cは、Y方向にのみ正のパワーを有する。
また、図3(b)に示す符号232は、LED211−nの配列と、PD212−nの配列との間でのフレア光を防止するための遮光壁を示している。
例えば、m=2であるとすれば、反射光を受光する複数のPDは、PD212−n−2、PD212−n−1、PD212−n(これがLED211−nに対応する。)、PD212−n+1、PD212―n+2の5個である。
このために、上記の如くして得られた検知結果:R−nを「微分」する。微分操作には、種々のやり方があるが、ここでは最も簡単な操作として「隣接する検知結果:R−n、R−n+1の差分:(R−n+1)−(R−n)を、PDの配列ピッチ:Pで割算する」ものとして説明する。即ち「隣接する検知結果の傾き」を演算する操作である。
図3に示した如き反射型光センサ200を以下のように構成した。
LED211、PD212の配列数:N=24、順次点灯させるLED:n=3〜22、LED211、PD212の配列ピッチ:1mmとした。
光スポットは、定着ベルト表面にピッチ:P=1mmで照射されるので、図7(a)における横軸のnは、光スポット照射位置を「mm単位」で表したのと同等である。
傷レベルとしては、前述の「傷の深さ」と「傷の幅」があるが、先ずは「傷の深さ」の検出を説明する(図5における「傷の深さを判定する」)。
この例では「傷の深さは63.1」である。
傷の位置における「反射光強度の低下の比率」は0.16(16%)である。
そこで、傷のある位置での検知結果:R−nから「傷の深さ(粗さ)に相当する反射光強度の低下量」が所定量(例えば50%)低下する反射光強度を持つ位置を算出する。
図10の結果から「傷の半値幅」を3mmとして検出(判定)することができる。
この場合、表面情報検出装置では、上記のようにPD212の検知信号の和を取ることなく「LED211−nに対応したPD212−nの検知内容」を検知結果:R−nとして採用する。
すなわち、主走査方向に照射される各々の光スポット、換言すれば「定着ベルト表面上の主走査方向の各位置」に対応して反射光強度を得ることができる。
また「1つのLEDと1つのPDからなる光センサ」を駆動手段により主走査方向に移動させる「センサ駆動タイプ」でも良い。
一般的には、最大通紙できる転写紙はA3サイズで、これを長手方向に搬送する場合が多く、「小サイズの用紙幅」としては、A3サイズを除くサイズの転写紙による「筋状の傷」による表面情報の検出が対象となる。
仮に、A2サイズを長手方向に通紙可能な画像形成装置である場合には、A2サイズを除くサイズの転写紙による筋状の傷による表面情報が検出の対象となる。
この発明は、反射型光センサにより照射される複数の光スポットの配列が、定着部材の回転移動方向に対し直交する方向と異なる方向となる点に特徴を有する。
光スポットSPの配列方向が「搬送方向に対して直角となる方向」となす角は、上記45度に限らないことは言うまでもない。
図12に示すように、表面状態変更ローラ67はロッド69に支持されている。
ロッド69は回動軸68に接続されており、これらロッド69と回動軸68とは、表面状態変更制御装置400によって制御駆動されるようになっている。
ロッド69と回動軸68は前述の「駆動手段」を簡略化して示すものである。
これにより、表面状態変更ローラ67の「所定の粗さを持った表層」が定着ベルト61の表面に接しながら回動するので、定着ベルト61の表面の「転写紙の紙幅端部で形成された筋状の傷」の部分が削られて「新たな表面部分」が露呈する。
即ち、定着ベルト61の表面状態が変更される。変更の程度は、表面状態変更ローラ67の回動時間に依存する。
図15に示すフロー図による場合は、以下の如くである。
そして、確認後、まだ傷が残っているようであれば、再び表面状態変更ローラ67を動作させ、筋状の傷がなくなるまで一連の動作は繰り返すことができる。
このようにして、定着ベルトに「傷の無い状態」を確実に得ることができる。
判定の結果「筋状の傷」の存在が明らかとなった場合は、表面情報検出部300からの結果を受けて、表面状態変更制御装置400が表面状態変更ローラ67を駆動制御する。
この例では、2つの表面状態変更ローラ67A、67Bが共に回転軸68上に設けられ、一方が余裕幅:W1を含む表面領域に対して接離し、他方が余裕幅:W2を含む領域に対して接離するようになっている。
61 定着ベルト(定着部材)
62 加熱ローラ
63 加圧ローラ
64 定着部ローラ64
65 テンションローラ65
66 剥離爪
67 表面状態変更ローラ
200 反射型光センサ
300 表面情報検出装置
400 表面状態変更制御装置
S トナー画像を転写されたシート状記録媒体(転写紙)
Claims (13)
- 回転する定着部材と、該定着部材の外周面と当接し、通過する記録媒体上の未定着トナ
ーを該記録媒体に定着させるニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材を加熱する加
熱手段と、を有する定着装置を備えた画像形成装置であって、
前記定着部材の表面状態情報を検出する表面状態情報検出装置と、
前記定着部材の表面状態を変更する表面状態変更手段と、
該表面状態変更手段を制御する表面状態変更制御装置と、を有し、
前記表面状態情報検出装置は、前記定着部材の外周面に、当該定着部材の回転移動方向に対し直交する方向と異なる方向へ複数の光スポットを形成し、各光スポットにおける反射光を受光して検知した複数の検知結果に基づいて、前記定着部材の外周面の表面状態情報を検出し、前記表面状態変更制御装置は、前記検出された前記表面状態情報に基づき前記表面状態変更手段を制御することを特徴する画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、
前記表面状態変更手段は、前記定着部材の表面の粗さよりも粗い表面を持ち、前記定着
部材の外周面に接離可能に設けられ、前記定着部材の外周面を摺擦することにより表面状
態を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2記載の画像形成装置において、
表面状態情報検出装置により検出される定着部材表面の表面状態情報が、筋状の傷の傷
レベルと回転移動方向に直交する方向の位置に関する情報であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項3記載の画像形成装置において、
表面状態変更制御手段が、検出された傷レベルに関する情報に応じて、表面状態変更手
段の定着部材表面への接触時間を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項2〜4の任意の1に記載の画像形成装置において、
表面状態変更手段が、少なくとも筋状の傷の、回転移動方向に直交する方向の位置の近傍において、定着部材の表面状態を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5記載の画像形成装置において、
表面状態変更手段が、定着部材表面の回転移動方向に直交する方向の全域に亘って、定着部材の表面状態を変更することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜6の任意の1に記載の画像形成装置において、
表面状態変更制御装置が、表面状態情報検出装置を制御する機能を有し、表面状態変更
手段による表面状態変更と同時もしくは変更ののちに、さらに表面状態情報検出装置によ
る定着部材の表面情報の検出を行なうことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項7記載の画像形成装置において、
表面状態変更手段による表面状態変更ののちに、さらに表面状態情報検出装置による定
着部材の表面情報の検出を行ない、検出された表面情報に応じて、表面状態の変更を行な
うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜8の任意の1に記載の画像形成装置において、
表面状態情報検出装置において、複数の光スポットを定着部材表面に照射する反射型光
学検知装置が、上記定着部材の回転移動方向に対し直交する方向と異なる方向へ複数の光スポットを順次に照射することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜9の任意の1に記載の画像形成装置において、
定着部材の回転移動方向に幅の異なる複数サイズのシート状記録媒体へのトナー画像の定着が可能であり、表面状態情報検出装置による検出部位を、最大サイズでないシート状記録媒体の幅方向端部を含む該幅方向端部近傍に設定したことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜10の任意の1に記載の画像形成装置において、
表面状態情報検出装置が1つの反射型光学検知装置を有することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1〜11の任意の1に記載の画像形成装置において、
定着部材が定着ベルトであることを特徴とする画像形成装置。 - 電子写真プロセスにより1種以上のトナー画像を形成し、上記トナー画像をシート状記
録媒体上に転写し、上記シート状記録媒体に担持されたトナー画像を、定着装置により上
記シート状記録媒体に定着する請求項1〜12の任意の1に記載の画像形成装置。
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