JP6051656B2 - 定着装置及び画像形成装置および定着部材の表面状態評価方法 - Google Patents
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即ち、光導電性の感光体を均一帯電させて「光による画像書き込み(光像照射や光書き込み)」を行ない、書き込まれた画像に対応する静電潜像を形成する。
この静電潜像を現像してトナー画像を得、得られるトナー画像を「転写紙等のシート状記録媒体」に転写し、該シート状記録媒体に定着する。
定着されるトナー画像には、モノクロ画像もあるが、近来の画像形成装置では「色の異なる複数のトナー画像を互いに重ねて得られるカラートナー画像」であることが多い。
シート状記録媒体を「挟んで搬送」することを、シート状記録媒体を「挟圧搬送」すると言う。
シート状記録媒体を挟圧搬送しつつ、トナー画像に熱と圧力とを加えてシート状記録媒体に融着させるのである。
1対の回転体の構成として、ローラ同士の組み合わせや、ベルト同士の組み合わせ、ベルトとローラの組み合わせが可能である。
ローラ状に形成された定着部材は「定着ローラ」とも呼ばれる。また、ベルト状に形成された定着部材は「定着ベルト」とも呼ばれる。
定着ベルトは「駆動ローラを含む複数のローラ」に巻き掛けられて回転駆動される。
転写紙の切断部(端部の厚みをなす部分)のエッジ部(転写紙表面と切断端面との稜線部)は鋭い。
このため、定着の際に、転写部材表面との接触部に力が集中し、定着部材の表面に「切れ込み様の傷」を生じさせ易い。
切断面に剥きだしになった添加剤が、切断面にそって定着部材表面に付着すると、転写紙を挟圧搬送するニップ部において定着部材表面に強く押し付けられる。
その際、微小な粒子に応力が集中して定着部材表面を損傷する。特に、定着部材の表面が硬い材質である場合にこのようなことが起こり易い。
傷の部分では、定着部材とトナー画像の接触圧が弱くなり、筋状の傷にそって「定着不全」が生じ、定着された画像では「筋状の画像異常」が発生する。
このように「副方向に変化する傷の状態」を考慮した「傷検出」は、発明者の知る限りにおいて知られていない。
反射型光学検知装置により、前記定着部材の表面に光スポットを照射し、前記表面による反射光を受光し、前記反射型光学検知装置の出力に周期的に発生する大きな出力変動を検出し、検出された前記出力変動から所定時間:K(n)(n=1、2,・・)経過するごとに出力を検出し、検出されたn(≧2)個の検出値から、特性値を算出し、算出された特性値に基づき、前記定着部材の表面状態を評価することを特徴とする。
そして、n個の検出力算出される特性値により表面状態が評価されるので、傷の程度を良好に評価可能である。
図1は、画像形成装置の1種である「カラープリンタ」を説明するための図である。
前述の通り、この発明の画像形成装置は、図1に示すカラープリンタに限らず、モノクロ複写機やカラー複写機、ファクシミリ装置やプロッタ装置等として実施できる。
転写ベルト11は、複数のローラ(図においては3本)に掛け回されて設けられ、これらローラのうちの1本である「駆動ローラ」に駆動されて反時計回りに回転する。
ここに、符号中の「Y、M、C、B」は、それぞれ「イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック」の各色を表す。
作像ユニットUYはイエロー画像を作像するユニット、作像ユニットUMはマゼンタ画像を作像するユニットである。
また、作像ユニットUCはシアン画像を作像するユニット、作像ユニットUBはブラック画像を作像するユニットである。
図1(b)に示す作像ユニットUYは、光導電性の感光体として感光体ドラム20Yを有する。
そして、感光体ドラム20Yの周囲に、帯電器30Y、現像ユニット40Y、転写ローラ50Y、クリーニングユニット60Yを配置した構造となっている。
帯電器30Yは「接触式の帯電ローラ」である。
転写ローラ50Yは、転写ベルト11を介して感光体ドラム20Yと反対側に配置され、転写ベルト11の裏面に接触している。
これらについては、感光体ドラム20M〜20B、帯電器30M〜30B、現像ユニット40M〜40Bとする。
また、転写ローラ50M〜50B、クリーニングユニット60M〜60Bとする。
なお、図1(b)の「破線で示す長方形」は、作像ユニットUYのユニットを「一まとめに示す」ものであり、必ずしも「ケーシング等の実体」を示すものでは無い。
各感光体ドラム20Y〜20Bの回転は時計回り、転写ベルト11の回転は反時計回りである。
光走査装置13は、それぞれの感光体ドラム20Y〜20Bに対して、走査光LY〜LBによる光走査で画像書き込みを行なう。
なお、このような画像書き込みを行なう光走査装置13は、従来から種々のものが良く知られており、光走査装置13としては、これら周知のものが適宜利用される。
この光走査によりイエロー画像が書き込まれ、イエロー画像に対応する静電潜像が形成される。
この光走査によりマゼンタ画像が書き込まれ、マゼンタ画像に対応する静電潜像(ネガ潜像)が形成される。
形成された静電潜像は、現像ユニット40Mによりマゼンタトナーを用いる反転現像により「マゼンタトナー画像」として可視化される。
この光走査によりシアン画像が書き込まれ、シアン画像に対応する静電潜像(ネガ潜像)が形成される。
形成された静電潜像は、現像ユニット40Cによりシアントナーを用いる反転現像により「シアントナー画像」として可視化される。
形成された静電潜像は、現像ユニット40Bによりブラックトナーを用いる反転現像により「ブラックトナー画像」として可視化される。
このとき、マゼンタトナー画像は「転写ベルト11上に先に転写されているイエロートナー画像」に重ね合わせられる。
同様に、シアントナー画像は、転写ローラ50Cにより1次転写される。
ブラックトナー画像は、転写ローラ50Bにより、転写ベルト11上のイエロー、マゼンタ、シアンの各色トナー画像に重ね合わせて1次転写される。
かくして、カラートナー画像と転写紙Sが重ね合わせられ、カラートナー画像は転写紙S上に静電転写(2次転写)される。
定着を行なう部分は、定着部材としての定着ベルト61と共に、加熱ローラ62、定着部ローラ64、加圧ローラ63、テンションローラ65、分離爪66等を有している。
また、符号69は「当接部材」を示す。当接部材69については後述する。
図示されてはいないが、定着ベルト61の表面温度を検出するためのサーモパイル等の温度センサが、定着ベルト61の表面に「非接触」で設けられている。
加圧ローラ63は、アルミ又は鉄等の芯金の上にシリコーンゴムなどの弾性層を設け、表層はPFAやPTFE等の離型層により構成されている。
そして、転写ベルト11に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより、転写ベルト11上の「残留トナーや紙粉等の異物」を除去する。
クリーニング装置はまた、転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための排出手段(図示されず)も有している。
図2は、定着装置19による定着を、説明図的に示す図である。
符号Sは「定着されるカラートナー画像を有する転写紙」を示している。
この説明例では、転写紙Sは「A4サイズ」で、これを長手方向と幅方向に搬送できるようになっている。
符号A4Tは、A4サイズの転写紙Sを長手方向に搬送するときの紙幅を示し、符号A4Lは、A4サイズの転写紙Sを幅方向(短手方向)に搬送するときの紙幅を示す。
この場合は同一サイズの転写紙が「搬送方向に幅が異なる状態」で搬送されるが「定着部材による搬送方向TRDに直交する方向において幅が異なる」ので、このような場合も「搬送方向に幅の異なる複数サイズのシート状記録媒体」の1例とする。
従って、A4サイズの転写紙Sを幅方向(短手方向)に搬送するときには、長手方向の端部に生じる筋状の傷は、実際上殆ど問題とならない。
反射型光学検知装置200は、定着ベルト61の表面に光スポットを照射し、表面による反射光を受光する。
表面状態評価装置300は、反射型光学検知装置200の出力に基づいて、定着ベルト61の表面状態を評価する。
発光部E1はLEDであり、受光部D1はフォトダイオードである。発光部E1、受光部D1は、それぞれ1個であり、図3(b)に示すように、基板SBに設けられている。
横軸は時間を秒単位で示し、縦軸は「光強度(光電変換された電気信号)」をボルト単位で示している。図4の(a)ないし(c)に示す出力信号は同一のものである。
定着ベルト61の1回転中に検出出力が変化するのは、定着ベルト61の表面状態が副方向に不均一であることを示している。
一般に、定着ベルト61の内部応力は「副方向に不均一」であり、この不均一のために表面61Sは、副方向に「微小な凹凸」が存在する。
例えば、転写ベルト61の「継ぎ目」の部分等で、上記「副方向の凹凸」が生じることが多い。
この場合、仮に、検知出力低下前はB時点で、低下後はA時点で検出したものとすると、検出出力の低下を検知できないことになる。
従って「大きい出力変動」を基準として、検出のタイミング(検出時点)を定めれば、常に、定着ベルト表面の「副方向の同じ位置」から検出信号を得ることができる。
この例では「大きな出力変動」を検出した時点:Tを基準とする。
そして、基準時間:Tから、K(1)、K(2)、K(3)、K(4)、K(5)、K(6)、K(7)、K(8)、K(9)、K(10)秒後のデータを検出した。
出力変動T1を検出した時点からK(1)〜K(10)秒後の10個のデータを検出した場合を考える。
即ち、大きな出力変動Tから、K(1)〜K(10)秒後の10個の検出値を得、これから、上述の如くして「特性値」を算出する。
特性値が低下した場合には、閾値:Lを、より低く設定しなければならない。
この場合、特性値が3(V)のときに対し、特性値が2(V)に低下した場合の大きな出力変動の生じる時点:Tを検知する閾値:Lは、低下前の凡そ2/3になる。
そして、周期が「PからP’」に変化したら、サンプリングのタイミング:K(n)を「大きな出力変動から(P’/P)K(n)に変更)」すれば良い。
符号SB1は基板、符号LH1はレンズ基板、符号E1〜E111は「発光部アレイ」を構成する発光部、符号D1〜D11は「受光部アレイ」を構成する受光部を示す。
符号L1〜L111は「レンズアレイ」を構成するレンズ、L2〜L211も「レンズアレイ」を構成するレンズを示している。
発光部E1〜E11はLEDであり、受光部D1〜D11はフォトダイオードである。
反射型光学検知装置200Aは、表面状態評価装置300により動作を制御される。
このタイプの反射型光学検知装置200Aは、凡そ、「定着ベルト61の用紙端部通過位置」に設置されていればよい。
発光部E1〜E11を順次発光させたとき「反射光の検出値が最小となる光スポット」が、定着ベルト表面61A上で「筋状の傷」を照射していると評価する。
そして、該光スポットによる検出値を傷の程度の評価に用いる。検出値から特性値を算出する手順は、上記と同様である。
従って、発光部や発光部アレイ、受光部や受光部アレイは、レンズおよびレンズアレイの光軸位置から副方向にずらされている。
61 定着ベルト(定着部材)
62 加熱ローラ
63 加圧ローラ
64 定着部ローラ64
65 テンションローラ65
66 分離爪
69 当接部材
200 反射型光学検知装置
300 表面状態評価装置
S トナー画像を転写されたシート状記録媒体(転写紙)
Claims (14)
- トナー画像を形成されたシート状記録媒体を1対の回転体により挟圧搬送しつつ、前記トナー画像に熱と圧力とを加えて、前記シート状記録媒体に定着する定着装置において、
前記シート状記録媒体のトナー画像が形成された一方の側の面に当接し、前記シート状記録媒体にトナー画像を定着する定着部材と、
前記シート状記録媒体の他方の側の面に当接し、前記定着部材とともに、前記シート状記録媒体を挟圧搬送する加圧部材と、
前記定着部材の表面に光スポットを照射し、前記表面による反射光を受光する反射型光学検知装置と、
該反射型光学検知装置の出力に基づいて、前記定着部材の表面状態を評価する表面状態評価装置と、を有し、
前記定着部材による搬送方向に直交する方向において幅の異なる複数サイズのシート状記録媒体へのトナー画像の定着が可能で、前記反射型光学検知装置が、前記方向におけるサイズが最大でないシート状記録媒体の幅方向端部を含む該幅方向端部近傍に配置され、
前記反射型光学検知装置の出力に周期的に発生する大きな出力変動を検出し、検出された前記出力変動から所定時間:K(n)(n=1、2,・・)経過するごとに出力を検出し、検出されたn(≧2)個の検出値から、特性値を算出し、算出された特性値に基づき、前記定着部材の表面状態を評価することを特徴とする定着装置。 - 請求項1記載の定着装置において、
前記反射型光学検知装置が1つであることを特徴とする定着装置。 - 請求項1記載の定着装置において、
定着部材が定着ベルトであることを特徴とする定着装置。 - 請求項1または2または3記載の定着装置において、
反射型光学検知装置の出力に周期的に発生する大きな出力変動を検出するために、所定の閾値:Lを設定し、前記出力がL以下のとき、大きな出力変動とすることを特徴とする定着装置。 - 請求項4記載の定着装置において、
所定の閾値:L以下となる出力が無いときに、所定時間:W内で前記出力が最小となるものを大きな出力変動とし、この出力変動が検出されるように、前記閾値:Lを、より大きな値に再設定することを特徴とする定着装置。 - 請求項4または5記載の定着装置において、
所定時間:W内において、閾値:L以下となる出力変動が複数検出される場合、最も小さい出力を、大きな出力変動とすることを特徴とする定着装置。 - 請求項4〜6の任意の1に記載の定着装置において、
閾値:Lを、前記特性値に定数:k(0<k<1)を乗じた値に変更可能であることを特徴とする定着装置。 - 請求項1〜7の任意の1に記載の定着装置において、
反射型光学検知装置の出力に周期的に発生する大きな出力変動の周期が変化したとき、
変化前の周期をP、変化後の周期をP’として、検出された前記出力変動から、所定時間:(P’/P)K(n)(n=1、2,・・)経過するごとに出力を検出し、検出されたn(≧2)個の検出値から、特性値を算出し、算出された特性値に基づき、前記定着部材の表面状態を評価することを特徴とする定着装置。 - 請求項8記載の定着装置において、
反射型光学検知装置の出力に周期的に発生する大きな出力変動の周期を、一定枚数の画像形成ごとに検出することを特徴とする定着装置。 - 請求項1〜9の任意の1に記載の定着装置において、
前記反射型光学検知装置が、前記定着部材表面の主方向に複数の光スポットを順次に照射し、前記表面による反射光を受光して出力するものであることを特徴とする定着装置。 - 請求項1〜10の任意の1に記載の定着装置において、
前記反射型光学検知装置の出力に周期的に発生する大きな出力変動を検出したのち、検出されるn(≧3)個の検出値のうち、大きい側からi(≧0)番目までと、小さいほうからj(≧0)番目までを除いた残りの検出値の平均値を特性値として算出することを特徴とする定着装置。 - 請求項1〜10の任意の1に記載の定着装置において、
前記反射型光学検知装置の出力に周期的に発生する大きな出力変動を検出したのち、検出されるn(≧3)個の検出値のうち、大きい側からi(≧0)番目までと、小さいほうからj(≧0)番目までを除いた残りの検出値の中央値を特性値として算出することを特徴とする定着装置。 - トナー画像を形成されたシート状記録媒体を1対の回転体により挟圧搬送しつつ、前記トナー画像に熱と圧力とを加えて、前記シート状記録媒体に定着する定着装置の、前記シート状記録媒体のトナー画像が形成された一方の側の面に当接し、前記シート状記録媒体にトナー画像を定着する定着部材の表面状態を評価する表面状態評価方法であって、
前記定着部材による搬送方向に直交する方向において幅の異なる複数サイズのシート状記録媒体のうち、前記方向におけるサイズが最大でないシート状記録媒体の幅方向端部を含む該幅方向端部近傍に、反射型光学検知装置を配置し、
前記反射型光学検知装置により、前記定着部材の表面に光スポットを照射し、前記表面による反射光を受光し、
前記反射型光学検知装置の出力に周期的に発生する大きな出力変動を検出し、検出された前記出力変動から所定時間:K(n)(n=1、2,・・)経過するごと出力を検出し、検出されたn(≧2)個の検出値から、特性値を算出し、算出された特性値に基づき、前記定着部材の表面状態を評価することを特徴とする定着装置における定着部材の表面状態評価方法。 - 光導電性の感光体と、この感光体の感光面を均一帯電させる帯電装置と、帯電された感光体に光による画像書き込みを行い、静電潜像を形成する画像書き込み装置と、形成された静電潜像をトナー像として可視化する現像装置と、前記トナー画像をシート状記録媒体に転写する転写装置と、転写されたトナー画像を前記シート状記録媒体に定着する定着装置とを有する画像形成装置であって、
定着装置として、請求項1〜12の任意の1に記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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