JP2008268524A - 画像加熱装置 - Google Patents

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Seiichiro Kameda
誠一郎 亀田
Hiroya Hirayama
泰也 平山
Yoichi Chikugo
陽一 筑後
Masashi Sawada
正志 澤田
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Abstract

【課題】表面に研磨材を配置した荒らしローラ93を定着ローラ40の表面性状に影響を及ぼすことなく定着ローラ40から離間できる画像形成装置100を提供する。
【解決手段】定着ローラ40に加圧ローラ41を圧接して定着部T3を構成する。小サイズの記録材を500枚定着するごとに、支持アーム46を回動して荒らしローラ93を定着ローラ40に圧接して摺擦研磨する。荒らしローラ駆動伝達ギア49、荒らしローラ駆動入力ギア50、アイドラギア51は、定着ローラ40の回転を荒らしローラ93に伝達するとともに、荒らしローラ93の離間によって噛み合いが解除される。荒らしローラ駆動入力ギア50とアイドラギア51との噛み合いを逃げ勝手に設定したので、定着ローラ40及び荒らしローラ93の相対回転状態を保ったまま支持アーム46を回動させて、定着ローラ40から荒らしローラ93を離間できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録材に転写されたトナー像を定着処理又は加熱処理する画像加熱装置、詳しくは研磨粒子を表面に配置した摺擦回転体を回転状態で加熱部材に圧接して加熱部材の表面性を回復させる制御に関する。
トナー像を転写された記録材を、加熱部材と加圧部材との加熱ニップで挟持搬送させて、記録材にトナー像を定着させる定着装置が電子写真方式の画像形成装置に広く搭載されている。トナー像が定着された記録材を加熱部材と加圧部材との加熱ニップで挟持搬送させて、画像の表面性や光沢度を調整する画像加熱装置を搭載した画像形成装置も実用化されている。
近年、表面にフッ素樹脂系の離型層を配置した加熱部材を直接にトナー像の転写面に接触させてオイルレス方式に定着処理や加熱処理を行う画像形成装置が実用化されている。このような画像形成装置では、定着処理や加熱処理を重ねるごとに加熱部材の表面性状が部分的に劣化し、加熱部材の劣化した表面性状がそのまま定着画像の表面に写し取られて、画像面の均一な光沢状態が得られなくなる。
特許文献1には、低融点フッ素樹脂の離型層を有する加熱部材をトナー像の転写面に接触させてオイルレス方式に定着処理を行う画像形成装置が示される。ここでは、加熱部材としての定着ローラに圧接して従動回転する金属ローラが設けられ、非画像形成時に金属ローラを圧接させることにより、定着ローラの表面を押し均して、表面性状を回復させている。金属ローラは、通常の画像形成時には、傷付き・汚れ防止等の面から定着ローラから離間させている。
特開2005−266785号公報
特許文献1に示される定着装置では、定着ローラに従動回転する金属ローラの表面性状が定着ローラに写し取られることにより、定着ローラの表面性状のばらつきが均される。従って、定着ローラの表面に塑性変形を及ぼすほどの大きな加圧力が必要となり、金属ローラを支持する機構が大型化する。それでいて、記録材のエッジが擦過してできる深い擦り傷や異物を巻き込んで形成される大きな窪みを十分に除去することはできない。
特に、定着ローラの初期状態が鏡面状である場合、記録材に高頻度に接触して早期につや消し状態になった部分と記録材に接触する頻度が少なくて鏡面に近いまま残った部分とでは、定着された画像の光沢性に違いが目立ってしまう。
また、金属ローラによる十分な均し効果を得るためには、離型層が軟化する程度に定着ローラの温度を高める必要がある。しかし、温度上昇を待って均し処理を開始し、均し処理終了後に温度低下を待って画像形成を再開するのでは、画像形成の中断時間が増えて生産性が低下する。均し処理のための温度上昇によってヒーターや定着ローラ材料の寿命が短くなる可能性もある。
そこで、表面に研磨材層を形成した研磨ローラを回転状態で定着ローラに圧接し、定着ローラの表面を研磨材層で摺擦して表面性状を均一に荒らすことが提案された。(特願2006−217594号:平成18年8月9日出願)。これにより、定着ローラの表面は、擦り傷や窪みが目立たない研磨仕上げ面に均され、記録材への接触頻度の差に起因するよる画像の光沢ムラも解消される。
しかし、表面に研磨材層を形成した研磨ローラは、定着ローラに対して軸方向に移動すると相対的に柔らかな定着ローラの表面を容易に傷つけてしまう。そして、定着ローラから研磨ローラを離間させる瞬間には、定着ローラとの摩擦力によって押さえ付けられていた軸方向の力が解放されて研磨ローラが軸方向に移動し易くなる。
このため、定着ローラの停止状態や減速状態で研磨ローラを離間させると、定着ローラの表面に、周囲とは表面性状が異なる軸方向の擦過痕跡が形成されて、定着画像に影響を及ぼすことが確認された。
本発明は、研磨ローラ等の荒らし回転体を定着ローラ等の加熱回転体から離間させた際に、加熱回転体の表面に周囲と表面性状の異なる擦過痕跡が形成されにくく、従って、記録材の出力画像への影響が軽減される画像加熱装置を提供することを目的としている。
本発明の画像加熱装置は、記録材上のトナー像を加熱するため記録材を挟持搬送する加熱回転体及び加圧回転体を有する画像加熱装置において、加熱回転体に当接してその表面を荒らす荒らし回転体と、この荒らし回転体を加熱回転体に対し接離させる接離手段とを有するものである。そして、この接離手段は、加熱回転体が回転しているとき荒らし回転体を離間させる。
本発明の画像加熱装置では、荒らし回転体を加熱回転体から離間させた際に、加熱回転体の表面に周囲と表面性状の異なる擦過痕跡が形成されにくい。従って、表面性状の異なる擦過痕跡に起因する光沢ムラや見掛けの画像ムラ等が発生しにくく、記録材の出力画像への影響が軽減される。
以下、本発明のいくつかの実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明は、離間が可能な荒らし回転体を圧接回転させて定着ローラ等の表面性状を一様に均す限りにおいて、各実施形態の構成の一部または全部を、その代替的な構成で置き換えた別の実施形態でも実施できる。
従って、未定着のトナー像を記録材に定着させる定着装置としても実施でき、定着済みトナー像の表面性や光沢度を調整する画像加熱装置としても実施できる。加熱部材は、加熱ローラ以外の加熱ベルト、加熱フィルムに置き換えても実施でき、研磨材は、ガラスビーズやおが屑に置き換えても実施できる。
画像加熱装置が搭載される画像形成装置は、タンデム型中間転写ベルト方式には限定されない。モノクロ画像形成装置、ロータリー現像装置を用いて中間転写体に複数色のトナー像を形成する画像形成装置、記録材搬送体に担持させた記録材にトナー像を順次転写して重ね合わせる画像形成装置でも実施できる。
画像形成装置は、必要な機器、装備、筐体構造を加えて、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施できる。
なお、特許文献1に示される画像加熱装置及び画像形成装置の一般的な事項については、図示を省略して重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
<画像形成装置>
図1は第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。第1実施形態の画像形成装置100は、タンデム型中間転写方式のフルカラー複写機である。
図1に示すように、画像形成装置100は、中間転写ベルト7の上向き直線区間にイエロー画像形成部Pa、マゼンタ画像形成部Pb、シアン画像形成部Pc、ブラック画像形成部Pdを配列している。画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、感光ドラム3a、3b、3c、3dに、それぞれイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、ブラックトナー像を形成して中間転写ベルト7に重ねて一次転写する。一次転写された4色4層のトナー像は、中間転写ベルト7によって搬送され、二次転写外ローラ11において記録材Pに重ねられて二次転写される。トナー像を二次転写された記録材Pは、定着装置9へ受け渡され、定着装置9にて加熱加圧を受けてトナー像を表面に定着される。
画像形成部Pa、Pb、Pc、Pdは、現像装置1a、1b、1c、1dに充填されるトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックと異なる以外はほぼ同一に構成される。従って、以下では、画像形成部Paを説明して他の画像形成部Pb、Pc、Pdは、符号末尾のaをb、c、dと読み替えて理解されるものとする。
画像形成部Paは、回転する感光ドラム3aの周囲に帯電装置2a、露光装置5a、現像装置1a、一次転写装置6a、クリーニング装置4aを配置している。
感光ドラム3aは、光照射によって帯電電位が低下する感光層を表面に有し、静電像及びトナー像を担持する。
帯電装置2aは、感光ドラム3aの表面を一様な帯電電位に帯電させる。
露光装置5aは、帯電した感光ドラム3aの表面に、形成すべき画像の走査線に沿った各色濃度に応じて変調されたレーザービームを走査する。これにより、感光ドラム3aの表面の帯電電位が露光量に応じて低下して画像の静電像が形成される。
現像装置1aは、感光ドラム3aの静電像に帯電したトナーを電気的に付着させてトナー像に現像する。
一次転写装置6aは、通過する中間転写ベルト7をトナー像の帯電極性と反対極性に帯電させて、感光ドラム3aのトナー像を中間転写ベルト7へ電気的に移動させる。
クリーニング装置4aは、中間転写ベルト7への一次転写を逃れて感光ドラム3aに残留したトナーを除去して次回のトナー像形成に備えさせる。
中間転写ベルト7は、駆動装置15、テンションローラ13、二次転写内ローラ14に掛け渡して支持され、図中矢印方向に循環する。中間転写ベルト7は、感光ドラム1a、1b、1c、1dから順次重ねて一次転写されたトナー像を、二次転写内ローラ14で支持された中間転写ベルト7と二次転写外ローラ11との圧接部へ搬送する。
二次転写内ローラ14は接地電位に接続されている。記録材をトナー像に重ねて中間転写ベルト7と二次転写外ローラ11とが記録材を挟持搬送する過程で、二次転写外ローラ11には、トナー像の帯電極性と逆極性の電圧が印加される。これにより、中間転写ベルト7の4色4層のトナー像は、記録材Pへ電気的に移動して、一括二次転写される。
記録材Pは、サイズ別のカセット10に収納され、カセット10から引き出されて1枚ずつに分離してレジストローラ12で待機する。レジストローラ12は、中間転写ベルト7上のトナー像にタイミングを合わせて、中間転写ベルト7と二次転写外ローラ11との圧接部へ記録材を給送する。
クリーニング装置19は、二次転写を逃れて中間転写ベルト7に残留した転写残トナーを除去して次回のトナー像の一次転写に備えさせる。
定着装置9は、4色4層のトナー像を担持した記録材Pを定着ローラ40と加圧ローラ41とで挟持搬送して、トナー像を加熱加圧して記録材に定着させる。トナー像を定着された記録材は、画像形成装置100の機体外部へ排出される。
<定着装置>
図2は定着装置の主要部の斜視図、図3は荒らし回転体(摺擦回転体、均し回転体とも呼ぶ)としての荒らしローラの断面構成の説明図である。図4は荒らしローラの離間機構の斜視図、図5は定着装置の構成の説明図、図6は荒らしローラの駆動機構の説明図である。
図2に示すように、定着装置9は、ハロゲンヒータ40Hによって内部から加熱された定着ローラ40と、ハロゲンヒータ41Hによって内部から加熱された加圧ローラ41とを圧接して定着部T3を構成する。定着ローラ40と加圧ローラ41とを含む装置全体は、不図示の断熱筐体によって覆われている。
定着部T3の上流側(記録材の送り込み側)にサーミスタ40S、41Sが当接する。サーミスタ40Sは、定着ローラ40の表面温度を検知してハロゲンヒータ40Hの出力にフィードバックさせる。サーミスタ41Sは、加圧ローラ41の表面温度を検知してハロゲンヒータ41Hの出力にフィードバックさせる。
定着部T3の下流側に荒らしローラ93が配置される。荒らしローラ93は、駆動機構35に駆動されて定着ローラ40と同一回転方向に回転し、加圧バネ48に付勢されて定着ローラ40に圧接する。これにより、表面に研磨層を備えた荒らしローラ93は、定着ローラ40に対してカウンタ方向(表面が逆方向へ移動する方向)に回転して、定着ローラ40の表面を一様に荒らす機能(表面を均す機能)を有している。
図3に示すように、荒らしローラ93はφ12mmのステンレス製の芯金93aの表面に、接着層93cを介して砥粒93bを密に接着してある。砥粒93bは、用途(画像の目標光沢度)に合わせて#1000〜#4000番手に変更される。砥粒93bの平均粒径は、#1000番手の場合は約16μm、#4000番手の場合は約3μmである。
砥粒93bは、アルミナ系(通称「アランダム」または「モランダム」とも称される)である。アルミナ系は、工業的に最も幅広く用いられる砥粒で、定着ローラ40の表面に比べて各段に硬度が高く、粒子が鋭角形状のため研磨性に優れている。
図4に示すように、荒らしローラ93は、離間機構31によって、定着ローラ40に対する圧接と離間とを制御される。離間機構31は、荒らしローラ93の軸94を回転可能に支持するベアリング45が固定された支持アーム46を回動軸47の周りで回動させて、荒らしローラ93を定着ローラ40から離間させる。軸94の一端部94aに荒らしローラ駆動入力ギア(50:図2)が固定される。
図5に示すように、定着ローラ40及び加圧ローラ41は、中間転写ベルト(7:図1)と共通の駆動装置34に連結されている。加圧ローラ41は、不図示の加圧機構に付勢されて、総圧力約800N(80kgf)にて定着ローラ40に圧接する。
定着ローラ40は、外形φ68mmのアルミニウム製中空芯金40aに1.0mm厚さの弾性層40bを形成し、表面に30μm厚さの離型層40cを被せて外径φ70mmに仕上げてある。弾性層40bは、ゴム硬度20度(JIS−Aの測定法による10N加重時)のシリコンゴムである。離型層40cは、PFA(4フッ化エチレン、パーフロロアルコキシエチレン共重合体)、PTFE(4フッ化エチレン)等のフッ素樹脂を用いたチューブ材料である。
加圧ローラ41は、外形φ48mmのアルミニウム製中空芯金41aに1.0mm厚さの弾性層41bを形成し、表面に30μm厚さの離型層41cを被せて外径φ50mmに仕上げてある。弾性層41b及び離型層41cの材料は、定着ローラ40のものとそれぞれ同一である。
温度制御回路107は、サーミスタ40sの出力をフィードバックしてハロゲンヒータ40Hの出力を調整し、また、サーミスタ41sの出力をフィードバックしてハロゲンヒータ41Hの出力を調整する。温度制御回路107は、定着ローラ40の表面温度と加圧ローラ41の表面温度とを、ともに165度C±1度Cに制御して、定着部T3に必要十分な定着温度を確保させる。
定着部T3の出口側にクリーニング装置32が配置される。クリーニング装置32は、不織布のクリーニングウエブを、回転する定着ローラ40の表面に摺擦させて定着ローラ40をクリーニングする。制御部110は、角度センサSdの出力を検知してモータ33を制御することにより、間欠的にクリーニングウエブを巻き取る。
第1実施形態では、定着ローラ40の表面にフッ素樹脂の離型層40cを配置することによって、定着ローラ40にオイル等の潤滑剤を塗布することなく、熱融着したトナー像の粘着を速やかに解消して、定着ローラ40から記録材を良好に曲率分離させている。
しかし、定着ローラ40の表面状態が、潤滑剤を介在させることなく、融解したトナー像の表面にそのまま写し取られるため、定着ローラ40の表面状態は、部分的なばらつき少なく時間的にも一様に維持される必要がある。そのため、後述するように、定着枚数が一定量に達するごとに、回転状態の荒らしローラ93を定着ローラ40に圧接して表面を研磨して、表面状態を初期状態に回復させている。
荒らしローラ93は、クリーニング装置32の下流側に配置され、離間機構31によって定着ローラ40に対する当接と離間とを制御される。離間機構31は、定着装置9の軸方向の両端位置に対称な形状で一対配置されている。
荒らしローラ93の軸94を支持する支持アーム46(図4に示すベアリング45は図示略)は、回動軸47の周りで回動可能である。前後一対の加圧バネ48は、支持アーム46を付勢して、荒らしローラ93を定着ローラ40に合計100Nの加圧力で圧接させる。
ただし、図2に示す駆動機構35は、定着ローラ40の一端側に配置されるので、駆動機構35側の加圧バネ48の付勢力は60N相当として反対側の加圧バネ48の40N相当よりも高く設定している。これにより、後述する歯車面に作用する、荒らしローラ93を離間させる方向の圧力を相殺している。
荒らしローラ93の加圧力は、10N未満では荒らし能力が不足し、150Nを越えると荒らしローラ93が撓んで荒らしの均一性が損なわれることが確認されている。このため、10N以上、150N以下が好ましい。
制御部110は、モータ58を作動させてカム56を回動させることにより、退避アーム52を回動軸53の周りで回動させて、荒らしローラ93を定着ローラ40から離間させる。
駆動アーム46aは、支持アーム46に連結されて一体に回動する(図4参照)。退避アーム52は、駆動バネ54によって、駆動端55が駆動アーム46aを押圧して荒らしローラ93を定着ローラ40から離間させる方向に付勢されている。駆動バネ54が駆動端55を介して支持アーム46を引っ張る力は、加圧バネ48が支持アーム46を逆方向に引っ張る力よりも大きい。
そして、カム56は、駆動バネ54の付勢力に逆らって退避アーム52の案内面57を押し下げることで、駆動端55を駆動アーム46aから離間させて、支持アーム46の回動を加圧バネ48に委ねている。
従って、カム56が回転して、退避アーム52の回動を駆動バネ54に委ねると、駆動バネ54に付勢された退避アーム52の駆動端55が駆動アーム46aを回動させて、定着ローラ40から荒らしローラ93を離間させる。カム56の回動角度は、角度センサSc(図2参照)によって検知されて制御部110にフィードバックされる。
図6に示すように、荒らしローラ93の軸94は、支持アーム46に組み込まれたベアリング45によって両端を回転自在に支持されている。ベアリング45の内側に位置する軸94の両端部にE形止め輪62を固定して、荒らしローラ93が軸方向に移動しないようにしている。ただし、荒らしローラ93および軸94が軸方向に熱膨張してもE形止め輪62がベアリング45を内側から外側へ突き出さないように、ベアリング45とE形止め輪62の間には隙間yを確保している。このため、隙間yの範囲で荒らしローラ93は軸方向へ移動可能である。また、支持アーム46のガタつきや撓みによっても定着ローラ40と荒らしローラ93とは軸方向に移動する余地がある。
そして、荒らしローラ93を回転状態で定着ローラ40に圧接して荒らしている間は、荒らしローラ93に作用する種々の軸方向の力を総合した結果として、荒らしローラ93が軸方向の一端に片寄せられ、寄った側でベアリング45とE形止め輪62とが接触している。
しかし、荒らしローラ93が定着ローラ40から離間し始めると、荒らしローラ93に作用する軸方向の力が変化して、荒らしローラ93を軸方向の同じ一端に片寄せておくことができなくなる。その結果、離間する瞬間に荒らしローラ93が定着ローラ40の表面を軸方向に摺擦して、他の部分とは異なる表面状態に仕上げてしまう。
そこで、第1実施形態では、荒らしローラ93と定着ローラ40との高速摺擦状態を維持したまま、荒らしローラ93を定着ローラ40から離間させる構成とした。これにより、離間する瞬間に荒らしローラ93が軸方向に多少移動しても、定着ローラ93に形成される擦過痕跡は、回転方向に引き伸ばされて周囲から目立たない。
図2に示すように、具体的には、離間機構31と関連付けて駆動機構35のギア列配置を設定して、荒らしローラ93を停止させることなく定着ローラ40から離間できるようにした。
定着ローラ40は、駆動機構35の反対側に固定した駆動入力歯車44を通じて外部から回転駆動される。駆動入力歯車44には、加圧ローラ41を定着ローラ40と等しい表面速度で回転させる不図示の歯車列が噛み合っている。
駆動機構35は、定着ローラ40に固定された荒らしローラ駆動伝達ギア49からアイドラギア51を経て、荒らしローラ93に固定された荒らしローラ駆動入力ギア50に駆動力を伝達する。そして、定着ローラ40の周速度は220mm/sec、荒らしローラ93の周速度は110mm/secになるように、駆動機構35のギア比が設定されている。
これにより、上述したように、荒らしローラ93と定着ローラ40とは互いに回転方向が等しくなり、荒らしローラ93は、定着ローラ40に対してカウンタ方向(表面同士が逆方向へ移動する方向)に回転する。そして、カウンタ方向に相対回転する定着ローラ40と荒らしローラ93との相対速度は330mm/secである。
また、アイドラギア51は、荒らしローラ駆動伝達ギア49に噛み合った状態で定着ローラ40側に軸支される一方、荒らしローラ駆動入力ギア50は支持アーム46に軸支されている。そして、離間状態の荒らしローラ93の定着ローラ40に対する離間距離は、荒らしローラ駆動入力ギア50及びアイドラギア51の歯高よりも大きい。
従って、支持アーム46が離間方向へ回動すると、支持アーム46に軸支された荒らしローラ駆動入力ギア50とアイドラギア51の噛み合いが解放されて、荒らしローラ93の回転が自動的に停止する。
これにより、クラッチ機構を用いることなく、圧接時には定着ローラ40の駆動力を分配して荒らしローラ93を回転駆動し、離間時には荒らしローラ93の回転を停止できる。
また、アイドラギア51は、荒らしローラ駆動入力ギア50の歯面を押圧する力が支持アーム46を離間方向に回動させるように配置されている。言い換えれば、アイドラギア51から荒らしローラ駆動入力ギア50に駆動伝達する際の駆動伝達力は、荒らしローラ93を定着ローラ40から退避させる方向に作用する。さらに言い換えれば、アイドラギア51と荒らしローラ駆動入力ギア50との関係がいわゆる逃げ勝手となるように、アイドラギア51と荒らしローラ駆動入力ギア50と支持アーム46の回動軸47との位置関係を設定してある。
これにより、駆動力伝達状態のアイドラギア51から荒らしローラ駆動入力ギア50を無理なく離間させて、荒らしローラ93を停止させることなく定着ローラ40から離間できる。
図5に示すように、ユーザーは、定着された画像の光沢ムラや光沢スジが気になるときに、操作パネル108を操作してユーザーモードを呼び出して、いつでも荒らしローラ93を用いた荒らし動作を開始できる。このとき、操作パネル108のタッチパネルには、荒らし動作の時間の選択肢と荒らし動作開始ボタンとが表示される。
また、小サイズの記録材の連続処理を行う場合には、所定の枚数をカウントするごとに荒らしローラ93を用いた研磨による荒らし動作を自動的に実行する。
<定着ローラの荒らし制御>
図7は定着ローラの荒らし制御のフローチャート、図8は定着ローラの荒らし仕上げ状態の説明図である。図8中、(a)は荒らし動作前、(b)は荒らし動作後である。
図5を参照して図7に示すように、制御部110は、画像形成のジョブが開始されると、小サイズ(A4サイズ)記録材の定着枚数をカウントする(S11)。そして、カウントが500枚に達すると(S12のYES)、カウントを継続してジョブの終了を待つ(S11〜S13)。
そして、ジョブが終了すると(S13のYES)、そこまでのカウント枚数に応じて定着ローラ40を荒らし処理する荒らし動作の時間を設定する(S14)。
そして、定着ローラ40の回転を停止(S15)した状態で、角度センサScの出力を参照してモータ58を作動させてカム56を回転させ、図2に示すアイドラギア51を荒らしローラ駆動伝達ギア49に噛み合わせる。そして、定着ローラ40に対して荒らしローラ93が接触していない状態で、駆動装置34を起動して、定着ローラ40及び荒らしローラ93を回転させる(S16)。
何故なら、図2に示すように、アイドラギア51と荒らしローラ駆動入力ギア50との関係が上述した逃げ勝手であるため、定着ローラ40が回転していると、アイドラギア51に荒らしローラ駆動入力ギア50を噛み合わせにくいからである。
その後、さらにモータ58を作動させてカム56を回転させ、定着ローラ40に回転状態の荒らしローラ93を圧接させて荒らし処理を開始する(S17)。
カウント枚数に応じて調整された荒らし動作の時間が終了すると(S18のYES)、定着ローラ40の回転駆動を保ってモータ58を圧接時とは逆方向に作動させてカム56を回転させる。これにより、荒らしローラ93は回転停止することなく定着ローラ40から離間する(S19)。
アイドラギア51と荒らしローラ駆動入力ギア50との関係が上述した逃げ勝手であるため、定着ローラ40が回転していてもアイドラギア51から荒らしローラ駆動入力ギア50が滑らかに逃げる。そして、離間に伴ってアイドラギア51に対する荒らしローラ駆動入力ギア50の噛み合いが解放される結果、荒らしローラ93の回転が自動的に停止する。
その後、小サイズシートの定着枚数のカウントをリセットして(S20)、次のジョブを待機する。
図8の(a)に示すように、前回の荒らし動作から500枚を経てジョブが終了するまでに、定着ローラ(40:図2)の小サイズ記録材の縁が通過する領域Cには、記録材の縁に起因してに擦りキズが形成される。また、小サイズ記録材が通過する領域Aでは、小サイズ記録材が通過しない領域Bに比較して表面性状が粗くなる。
しかし、荒らし動作の時間を通じて#1000〜#4000番手の砥粒に摺擦されることによって、領域A、B、Cの表面性状は一様に均される。
図8の(b)に示すように、荒らし動作の終了後は、定着ローラ40の軸方向の全域がほぼ一様な表面状態に均されている。
第1実施形態では、加熱回転体及び加圧回転体の一例である定着ローラ40及び加圧ローラ41は、記録材上の一例である記録材Pの表面のトナー像を加熱するため記録材の一例である記録材Pを挟持搬送する。
荒らし回転体の一例である荒らしローラ93は、加熱回転体に当接してその表面を荒らす。
接離手段の一例である離間機構31は、荒らし回転体を加熱回転体に対し接離させ、加熱回転体が回転しているとき荒らし回転体を離間させる。
加熱部材の一例である定着ローラ40は、離型層が配置された表面を記録材に接触させてトナー像を加熱する。
加圧部材の一例である加圧ローラ41は、記録材を介して加熱部材に圧接してトナー像を加圧する。
摺擦回転体の一例である荒らしローラ93は、研磨粒子が多数配置された表面を加熱部材に摺擦させて回転する。
離間手段の一例である離間機構31は、摺擦回転体を加熱部材から離間させる。
駆動手段の一例である駆動機構35は、加熱部材に摺擦回転体を圧接した状態で摺擦回転体を回転駆動する。
そして、少なくとも離間手段が摺擦回転体を離間し終わるまで、加熱部材の回転と摺擦回転体の回転とが維持される。
歯車列の一例である荒らしローラ駆動伝達ギア49、荒らしローラ駆動入力ギア50、アイドラギア51は、加熱部材の回転と摺擦回転体の回転とを連絡して、離間によって噛み合いが解除される。そして、設定の一例である逃げ勝手は、噛み合いが解除される歯車面の駆動力伝達方向が、摺擦回転体の離間方向側である。
第1実施形態では、加熱幅が異なる少なくとも2種類の記録材を加熱処理する。
制御手段の一例である制御部110は、加熱幅が小さい記録材の加熱処理数がしきい値に達すると、連続的な画像形成の終了を待って摺擦回転体を回転状態で加熱部材に圧接させる。
画像形成装置の一例である画像形成装置100は、加熱幅が異なる少なくとも2種類の記録材を加熱処理する。そして、制御手段の一例である制御部110は、加熱幅が小さい記録材の加熱処理数がしきい値に達すると、連続的な画像形成の終了を待って摺擦回転体を回転状態で加熱部材に圧接させる。
加熱部材の表面性回復方法の一例である荒らし動作制御は、加熱された表面を記録材に接触させてトナー像を担持した記録材を搬送する加熱部材の表面性を回復させる。
第1工程の一例である圧接時は、回転又は循環する前記加熱部材に対して、表面に多数の研磨粒子が配置された摺擦回転体を回転状態で摺擦させる。
第2工程の一例である離間時は、圧接時の加熱部材と摺擦回転体との回転状態を維持したまま摺擦回転体を加熱部材から離間完了させる。
<第2実施形態>
図9は第2実施形態の画像形成装置における駆動機構の説明図、図10は第2実施形態における定着ローラの荒らし制御のフローチャートである。
第2実施形態の画像形成装置は、定着ローラ40の回転を荒らしローラ93に伝達する駆動機構36が第1実施形態における駆動機構35とは異なる。しかし、それ以外の構成は第1実施形態と同様であるので、図1〜図6を併せて参照して説明し、図9中、第1実施形態と共通する構成には図2で用いた参照記号を付して、重複する説明を省略する。
図9に示すように、駆動機構36は、定着ローラ40に固定された荒らしローラ駆動伝達ギア49から、荒らしローラ93に固定された荒らしローラ駆動入力ギア50に駆動力を伝達する。そして、定着ローラ40と荒らしローラ93とが逆回転(表面が同一方向に移動するウイズ方向の回転)となるように、駆動機構36のギア数が設定されている。また、定着ローラ40の周速度220mm/secに対して、荒らしローラ93の周速度が550mm/secになるように、増速アイドルギア70、71、72のギア比が設定されている。
定着ローラ40の220mm/secは、増速アイドルギア70に噛み合う。増速アイドルギア70の増速された回転は、増速アイドルギア71に伝達されてさらに増速される。増速アイドルギア71の増速された回転は、増速アイドルギア72に伝達されてさらに増速される。増速アイドルギア72によって増速された回転は、電磁クラッチ75の入力ギア73に伝達される。電磁クラッチ75の出力ギア74は、荒らしローラ駆動入力ギア50に噛み合う。
電磁クラッチ75は、制御部110によって、入力ギア73に対する出力ギア74の連結と解放とを制御される。電磁クラッチ75が締結されると、定着ローラ40に対して差し引き330mm/secの周速度で荒らしローラ93が回転する。電磁クラッチ75が解放されると、荒らしローラ93は駆動を喪失して空転する。このとき、定着ローラ40が回転して、荒らしローラ93が圧接状態であれば、荒らしローラ93は、定着ローラ40に従動回転する。
図9を参照して図10に示すように、小サイズシートの定着枚数のカウントが500を越えてジョブが一段落すると(S13のYES)、カウント数に応じて荒らし動作時間が設定される(S14)。ここまでは第1実施形態と同一である。
次に、制御部110は、電磁クラッチ75を締結して、荒らしローラ93を回転させる(S25)。
次に、制御部110は、モータ58を回転させてカム56を回転させ、荒らしローラ93を回転状態で定着ローラ40に圧接させる(S26)。
そして、設定した荒らし動作時間が経過すると(S27のYES)、制御部110は、電磁クラッチ75を解放して、荒らしローラ93を定着ローラ40に従動回転させる(S28)。
次に、制御部110は、モータ58を回転させてカム56を回転させ、荒らしローラ93を回転状態のまま定着ローラ40から離間させる(S29)。
荒らしローラ93が定着ローラ40に対して従動回転している場合、荒らしローラ93は定着ローラ40に摺擦キズを付けなくなる。このため、荒らしローラ93が定着ローラ40から離間する際に、荒らしローラ40が定着ローラ40の軸方向に移動しても、定着ローラ40の表面には荒らしローラ93の離間に伴う軸方向の摺擦キズがつかない。このため、定着ローラ40の表面は、荒らしローラ93が離間した部分とその周囲とで表面状態の差がなくなり、第1実施形態と同様に、定着画像の光沢キズや光沢ムラを解消できる。
また、駆動機構36が荒らしローラ93を定着ローラ40に対してカウンタ方向に回転させている場合、電磁クラッチ75を解放すると、荒らしローラ93がスリップを伴って停止した後に定着ローラ40に対して従動回転する。このため、定着ローラ40の表面に深いスリップ傷が形成されて、周囲の摺擦された表面との間で表面状態が異なってくる。
従って、電磁クラッチ75を用いて荒らしローラ93を従動回転させた状態で、定着ローラ40から荒らしローラ93を離間させる場合、荒らしローラ93を定着ローラ40に対してウイズ方向に回転させていることが望ましい。言い換えれば、荒らしローラ93を定着ローラ40に対してウイズ方向に回転させている特徴を最大限に活用して、荒らしローラ93の離間制御を実行できる。
第2実施形態では、クラッチ手段の一例である電磁クラッチ75は、荒らし回転体への駆動伝達を遮断可能である。
駆動手段の一例である駆動機構36は、クラッチ手段を備えて荒らし回転体を加熱回転体の回転方向とは逆方向に回転駆動する。
駆動手段の一例である駆動機構36は、クラッチ手段を作動させることで荒らし回転体が加熱回転体に従動回転させる。このとき、接離手段は、荒らし回転体を加熱回転体から離間させる。
駆動手段の一例である駆動機構36は、摺擦回転体を、加熱部材と逆の回転方向に、加熱部材よりも高い表面速度を持たせて回転駆動する。
駆動手段の一例である駆動機構36は、摺擦回転体への回転駆動を遮断して摺擦回転体を空転可能とするクラッチ手段の一例である電磁クラッチ75を有する。
離間手段の一例である離間機構31が摺擦回転体を離間開始する以前に、クラッチ手段を解除して摺擦回転体を加熱部材に従動回転させる。
<実施形態の効果>
図11は定着装置で小サイズの記録材を定着処理している状態の説明図、図12は定着ローラに形成される擦りキズの説明図、図13は定着ローラを定期的に荒らし処理する効果の説明図である。
図11に示すように、定着装置9の定着ローラ40と加圧ローラ41との間を記録材Pが通過すると、記録材Pの縁(コバ)のバリ等に起因して定着ローラ40の表面に擦りキズが形成されることがある。そして、定着ローラ40の軸方向の一定位置を等しいサイズの記録材Pが多数枚連続して通過すると、図12に示すように、擦りキズが干渉して重なり合い、定着された画像に擦りキズが写し取られてスジが目立つようになる。
また、図8の(a)に示すように、小サイズの記録材が通過する領域A、記録材が通過しない領域B、領域A、Bの境界の領域Cとで次第に表面性状の格差が増大する。そして、続いて大きなサイズの画像形成を行うと、領域A、領域B、領域Cの表面性状の格差が定着された画像面に目立つようになる。
図5を参照して図13に示すように、フッ素樹脂の離型層40cを設けた定着ローラ40の表面は、鏡面状態で出荷されており、初期の表面粗さは、通常、10点平均粗さRzが0.1μm〜0.3μm程度である。
しかし、定着ローラ40の記録材が通過する領域Aでは、紙の繊維や添加剤の転写や付着/分離が繰り返される結果、10点平均粗さRzが1.0μm程度まで徐々に大きくなる。
特に、紙の縁(紙コバ)では紙を切断するときに発生するバリ(図11参照)があるため、定着ローラ40に対するダメージが大きく、10点平均粗さRzは、1.0〜2.0μmに達する場合もある。紙のバリは、大判シートからの裁断工程で、裁断の刃が磨耗して切れ味が悪くなったとき等に発生しやすい。
一方、定着ローラ40の記録材が通過しない領域Bでは、定着ローラ40の表面は、対向する加圧ローラ41の表面に圧接回転して、10点平均粗さRzが1.0μm程度まで、領域Aに比べてゆっくりと粗くなる。
この結果、記録材を連続して定着処理した後の定着ローラ40の表面粗さは、以下のようになって、軸方向の位置によって表面状態が異なってくる。
領域Cの表面粗さ > 領域Aの表面粗さ > 領域Bの表面粗さ > 初期出荷時の表面粗さ
そして、定着ローラ40の微細な表面状態は、融解軟化したトナー像の表面にそのまま写し取られて画像の表面状態を形成してしまう。定着ローラ40の表面が荒れてくると、定着ローラ40に形成された微小な表面状態が定着画像の表面に転写される。定着ローラ40の表面状態が軸方向で異なれば、大きな記録材で画像形成を行った際に、領域A、領域B、領域Cに対応して画像の光沢ムラ(グロスムラ)を生じてしまう。
そして、このような定着画像の光沢キズや光沢ムラは、普通紙ではあまり目立たないが、近年需要が増加している表面平滑性の高いコート紙に、写真画質でフルカラー画像を形成する場合にはよく目立つ。
そこで、第1実施形態及び第2実施形態では、回転状態の荒らしローラ93を定着ローラ40に圧接して、定着ローラ40の領域A、領域B、領域Cの区別無く砥粒による細かい摺擦傷を付ける。これにより、定着ローラ40の表面に形成された摺擦傷を重畳させて、領域A、領域Bの表面状態の格差を解消して光沢ムラを解消できる。また、領域Cにおける擦りキズを摺擦キズで覆って目立たなくすることによって、記録材の縁に起因する低光沢スジも解消できる。
ここで、荒らしローラ93によって定着ローラ40に細かい摺擦傷を付けるには、定着ローラ40と荒らしローラ93との間に大きな周速差を設ける必要がある。このため、第1実施形態では荒らしローラ93を定着ローラ40に対してカウンター方向に回転させた。また、第2実施形態では駆動機構36に増速ギア列を配置して、ウイズ方向でも必要な相対速度330mm/secを確保している。
また、定着ローラ40に対して荒らしローラ93が常時圧接していると、定着ローラ40に連れ回るトナ−の融着塊や各種添加材によって荒らしローラ93が汚染されてしまう。このため、荒らしローラ93は、定着ローラ40に対して離間が可能に構成され、荒らし動作を行わない期間は離間させている。
ところで、表層に多数の研磨粒子を配置した荒らしローラ93が定着ローラ40の表面を摺擦しているとき、定着装置9の構成上、荒らしローラ93と定着ローラ40とのアライメントが若干ずれている。加圧バネ48による定着ローラ40に対する荒らしローラ93の加圧力バランスは元々ずれている。このため、荒らしローラ93は、定着ローラ40の軸方向の片側に移動してベアリング45にE形止め輪62を押し付けた状態で回転している。
その後、定着ローラ40が所定の表面状態に回復すると、一対のカム56が回転してそれぞれの退避アーム52を回動させることにより、荒らしローラ93が定着ローラ40から離間する。このとき、組み立て誤差や部品差に起因して、退避アーム52が支持アーム46を回動させるタイミングがずれていると、定着ローラ40に対する荒らしローラ93の加圧力バランスが変化する。この加圧力バランスの変化が、荒らしローラ93を軸方向のそれまでの型寄り方向とは逆方向に移動させる可能性がある。
また、荒らしローラ93を離間する過程では、荒らしローラ93が片側に突き当たった状態の寄り力が開放されるので、荒らしローラ93は、定着ローラ40に対してわずかに軸方向に移動しながら離間する。
また、図4に示すように、支持アーム46が回動軸47によって支持される位置と、加圧バネ48が支持アーム46を引っ張る力とは同一平面上に無いため、加圧バネ48は支持アーム46にねじり力Frを作用している。そして、圧接状態では、定着ローラ40が荒らしローラ93に作用する反力Fpによって、加圧バネ48のねじり力Frは相殺されている。
しかし、離間に伴って反力Fpが喪失すると、加圧バネ48によるねじり力Frが荒らしローラ93を軸方向に押し込む。このとき、荒らしローラ93の軸方向の両端における離間タイミングが完全に一致していれば、軸方向の両端に作用するねじり力Frが相殺して何も起こらないが、完全に一致することは有り得ない。
つまり、荒らしローラ93の軸方向の両端のうち先行する一端が離間した際には、荒らしローラ93が反対側へ向かって移動し、その後、反対側が離間すると荒らしローラ93が先行して離間した側へ押し戻される。往復の移動量は0.2mm〜0.5mm程度であった。
これらのメカニズムによって、定着ローラ40から荒らしローラ93を離間させる際には、荒らしローラ93が軸方向に移動して、定着ローラ40に荒らし動作を通じて形成した摺擦面とは筋目の違う摺擦痕が形成されてしまう。例えば、荒らしローラ93と定着ローラ40とを停止状態で離間させた場合、荒らしローラ93は、軸方向に0.2mm〜0.5mm移動して、定着ローラ40の表面に軸方向の無数の0.2mm〜0.5mmの摺擦キズをつけてしまう。
そして、荒らしローラ93が離間した位置と周囲とで定着ローラ40の表面性状に差ができると、当然、定着ローラ40の表面性状が写し取られる定着画像の表面性状にも差ができて光沢ムラとなってしまう。
そこで、上述したように、荒らしローラ93が定着ローラ40から離間する際には、離間し終わるまで、定着ローラ40及び荒らしローラ93は、荒らし動作中と等しく高い表面速度差を持って回転している。
このため、荒らしローラ93が定着ローラ40から離間する際に軸方向へ移動しても、定着ローラ40の離型層40cには、軸方向の摺擦傷が付かない。せいぜい周方向に長い斜め方向の摺擦傷になる程度で収まる。このため、離間した部分の表面状態は、定着ローラ40の表面における隣接領域の表面状態とほとんど差がなくなる。よって、荒らしローラ93の離間時に発生する定着ローラ40の表面の摺擦傷むらによる定着画像のキズや光沢ムラを解消できる。
第1実施形態の画像形成装置の構成の説明図である。 定着装置の主要部の斜視図である。 荒らし回転体としての荒らしローラの断面構成の説明図である。 荒らしローラの離間機構の斜視図である。 定着装置の構成の説明図である。 荒らしローラの駆動機構の説明図である。 定着ローラの荒らし制御のフローチャートである。 定着ローラの荒らし仕上げ状態の説明図である。 第2実施形態の画像形成装置における駆動機構の説明図である。 第2実施形態における定着ローラの荒らし制御のフローチャートである。 定着装置で小サイズの記録材を定着処理している状態の説明図である。 定着ローラに形成される擦りキズの説明図である。 定着ローラを定期的に荒らし処理する効果の説明図である
符号の説明
9 定着装置
31 離間手段(離間機構)
35、36 駆動手段(駆動機構)
40 加熱部材(定着ローラ)
41 加圧部材(加圧ローラ)
49、50、51 歯車列(荒らしローラ駆動伝達ギア、荒らしローラ駆動入力ギア、アイドラギア)
75 電磁クラッチ
93 摺擦回転体(荒らしローラ)
100 画像形成装置
110 制御手段(制御部)

Claims (2)

  1. 記録材上のトナー像を加熱するため記録材を挟持搬送する加熱回転体及び加圧回転体を有する画像加熱装置において、
    加熱回転体に当接してその表面を荒らす荒らし回転体と、
    この荒らし回転体を加熱回転体に対し接離させる接離手段と、を有し、
    この接離手段は、加熱回転体が回転しているとき荒らし回転体を離間させることを特徴とする画像加熱装置。
  2. 前記荒らし回転体への駆動伝達を遮断可能なクラッチ手段を備えて前記荒らし回転体を前記加熱回転体の回転方向とは逆方向に回転駆動する駆動手段を有し、
    前記クラッチ手段を作動させることで前記荒らし回転体が前記加熱回転体に従動回転しているとき前記接離手段は前記荒らし回転体を前記加熱回転体から離間させることを特徴とする請求項1記載の画像加熱装置。
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