以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る開閉装置は、開閉体がシャッターカーテンとなっているシャッター装置である。また、本実施形態に係るシャッター装置は、管理及び防災の併用シャッター装置である。すなわち、本実施形態に係るシャッター装置は、通常時に出入口等の開口部を開閉するためにシャッターカーテンが開閉移動する管理用シャッター装置としての機能と、防煙等の防災機能を有しているシャッターカーテンが火災等の異常事態の発生時(以下「非常時」という)に閉じ移動することにより建物等の構造物内に防災区画を形成するための防災用シャッター装置としての機能と、を有している。
図1には本実施形態に係るシャッター装置の全体が示されており、この図1は、開閉移動方向が上下方向になっていて、下向きに閉じ移動するシャッターカーテン1が半分程度まで閉じた半閉状態になっているときを示している。シャッターカーテン1で開閉される開口部は、建物に形成された出入口2であり、この出入口2は、壁等の左右の建物躯体3と、全閉となったときのシャッターカーテン1の下端部が当たる相手部材となっている床4と、天井部材5とで囲まれている。左右の建物躯体3には、シャッターカーテン1の左右方向の両端部、言い換えると、シャッターカーテン1の幅方向の両端部がスライド自在に挿入された左右のガイドレール6が取り付けられており、ガイド部材となっているこれらのガイドレール6に案内されてシャッターカーテン1は上下に開閉移動する。
出入口2に対して天井部材5で仕切られている天井裏空間7には、全開位置に達したシャッターカーテン1を収納するためのシャッターカーテン収納部材であるシャッターボックス8が配置されており、このシャッターボックス8は、図1のS2−S2線断面図である図2に示されているように、天井裏空間7に存在する下がり壁等の建物躯体9にボルト等の結合具10で結合されている。シャッターボックス8の内部には巻取軸11が水平に収納配置され、この巻取軸11は、シャッターボックス8の図1で示されている左右の側面部8A,8Bに回転自在に支持されている。また、図1に示されているように、巻取軸11の一方の端部には、スプロケットホイールとローラチェーンによる駆動力伝達手段12を介して開閉機13が接続されている。巻取軸11を駆動させるための駆動装置、言い換えると、シャッターカーテン1を開閉移動させるための駆動装置となっているこの開閉機13は、図2でも示されており、開閉機13の駆動軸14の回転力は、この駆動軸14に取り付けられた駆動スプロケットホイール12Aと、巻取軸11の上記一方の端部に取り付けられた被動スプロケットホイール12Bと、これらのスプロケットホイール12A、12Bの間に架け渡された無端ローラチェーン12Cとによる駆動力伝達手段12を経て巻取軸11に伝達される。
なお、本実施形態の開閉機13は、シャッターボックス8の左右の側面部8A,8Bのうち、一方の側面部8Bに結合されたブラケット部材15に取り付けられている。
図2から分かるように、シャッターカーテン1は巻取軸11に巻回されているとともに、シャッターカーテン1の上端は巻取軸11の外周面に結合されている。また、シャッターカーテン1における巻取軸11より下側の部分は、天井部材5に配置されているまぐさ16に設けられたスリット17を通って天井部材5の下側へ垂下され、さらに、シャッターカーテン1の幅方向の両端部は、前述のように左右のガイドレール6にスライド自在に挿入されている。まぐさ16は、互いに対向配置されたまぐさ部材16A,16Bにより形成され、これらのまぐさ部材16A,16Bの間がスリット17となっている。
図3は、開閉機13の内部構造を示す断面図である。この図3に示されているように、開閉機13は、直流又は交流の電動モータ手段18とブレーキ手段19とを軸方向に並設したものであり、上述の駆動軸14は、電動モータ手段18の回転する回転子18Aの中心に固定配置された回転軸となっている。この駆動軸14におけるブレーキ手段19側の端部には、円盤状のブレーキシュー20が結合されている。ブレーキ手段19には、軸方向に一定距離だけスライド自在となっているブレーキ軸21が設けられ、このブレーキ軸21には、ブレーキシュー20と軸方向に対面するブレーキドラム22が結合されている。通常時のブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、ばね23で電動モータ手段18側へ押圧されており、このため、ブレーキシュー20とブレーキドラム22との圧接によりブレーキ手段19はオンとなっている。したがって、このときの電動モータ手段18の駆動軸14は、ブレーキ手段19の制動力によって回転しない。
一方、ブレーキ手段19に配置されているソレノイド24に通電されたときには、このソレノイド24の磁力により、ブレーキ軸21及びブレーキドラム22はばね23に抗して電動モータ手段18から離れる方向へスライドする。このため、ブレーキシュー20とブレーキドラム22との圧接が解除され、ブレーキ手段19はオフとなる。したがって、このときには、電動モータ手段18の駆動軸14は、コイル25への通電により回転できることになる。
図1で示した左右の建物躯体3のうち、一方の建物躯体3には、開閉機13の駆動力により、すなわち、電動によりシャッターカーテン1を出入口2に対して上向きに開き移動させることと、下向きに閉じ移動させることと、停止させることとを行わせるための開閉体開・閉・停動作指示手段である操作装置30が取り付けられている。本実施形態に係るシャッター装置を構成する主な部材、装置等のブロック図である図4に示されているように、この操作装置30には、「開」ボタン30Aと、「閉」ボタン30Bと、「停」ボタン30Cとが設けられている。
また、シャッターカーテン1は、シャッターカーテン1の大部分の面積を占めていて、上端が巻取軸11に結合されているカーテン本体1Aと、このカーテン本体1Aの下端部に設けられた座板1Bとを有したものとなっている。本実施形態のカーテン本体1Aは、多数のスラットを上下に連設することによって形成されている。カーテン本体1Aは、本実施形態における開閉体本体となっており、座板1Bは、本実施形態におけるエンド部材となっている。
図4に示されているように、少なくとも開閉機13の駆動制御を行うための制御手段33は、本実施形態に係るシャッター装置を通常時においては管理用シャッター装置として動作させるための制御を行う制御装置27と、本実施形態に係るシャッター装置を非常時(例えば、外部からの防災信号を受信したとき等)においては防災用シャッター装置として動作させるための制御を行う防災用連動制御装置181と、を含んで構成されており、制御装置27には、開閉機13の駆動制御を行う開閉機駆動制御回路28が備えられている。
座板1Bが前述の天井部材5に配置されたまぐさ16の高さ位置に達しているシャッターカーテン1の全開時に、又は、座板1Bが図1に示すようにまぐさ16と床4との間の途中位置に達しているシャッターカーテン1の半閉状態(半開状態)のときに、操作装置30の「閉」ボタン30Bを操作すると、この「閉」ボタン30Bからの信号が入力される制御装置27の開閉機駆動制御回路28によりブレーキ手段19のソレノイド24が通電されるため、ブレーキ手段19がオフになるとともに、開閉機駆動制御回路28により電動モータ手段18のコイル25が通電される。このため、駆動軸14は正回転し、この回転は、前述の駆動力伝達手段12を介して巻取軸11に伝達され、巻取軸11の正回転により、シャッターカーテン1は、巻取軸11から下向きに繰り出されて閉じ移動する。これにより閉じ移動したシャッターカーテン1が全閉位置に達すると、この全閉位置を検知したセンサである全閉リミットスイッチ182(図4参照)からの信号が入力される開閉機駆動制御回路28により、ソレノイド24への通電は遮断され、ブレーキ手段19はばね23でオンに復帰する。また、シャッターカーテン1が全閉となっているときに、又は、座板1Bが図1に示すようにまぐさ16と床4との間の途中位置に達しているシャッターカーテン1の半開状態(半閉状態)のときに、「開」ボタン30Aを操作すると、この「開」ボタン30Aからの信号が入力される開閉機駆動制御回路28によりブレーキ手段19のソレノイド24が通電されるため、ブレーキ手段19がオフになるとともに、開閉機駆動制御回路28により電動モータ手段18のコイル25が通電される。このため、駆動軸14は逆回転し、この回転は前述の駆動力伝達手段12を介して巻取軸11に伝達され、巻取軸11の逆回転により、シャッターカーテン1は巻取軸11に巻き取られて開き移動する。シャッターカーテン1が全開位置に達すると、この全開位置を検知したセンサである全開リミットスイッチ183からの信号が入力される開閉機駆動制御回路28により、ソレノイド24への通電は遮断され、ブレーキ手段19がばね23でオンに復帰するとともに、開閉機駆動制御回路28によりコイル25への通電が遮断される。
また、シャッターカーテン1が閉じ移動している途中で「停」ボタン30Cを操作すると、この「停」ボタン30Cからの信号が入力される開閉機駆動制御回路28によりソレノイド24への通電は遮断されるため、ブレーキ手段19がばね23でオンに復帰するとともに、開閉機駆動制御回路28により電動モータ手段18のコイル25への通電は遮断され、これにより、シャッターカーテン1はその位置で停止する。これと同様に、シャッターカーテン1が開き移動している途中で「停」ボタン30Cを操作すると、この「停」ボタン30Cからの信号が入力される開閉機駆動制御回路28により、ソレノイド24への通電は遮断されるため、ブレーキ手段19がばね23でオンに復帰するとともに、開閉機駆動制御回路28により電動モータ手段18のコイル25への通電が遮断され、これにより、シャッターカーテン1はその位置で停止する。
以上の説明から分かるように、開閉移動するシャッターカーテン1に対して、前述の床4やガイドレール6、シャッターボックス8、さらにはまぐさ16等は不動となっているため、これらの床4、ガイドレール6、シャッターボックス8、まぐさ16等は、シャッターカーテン1に対して不動となっている不動部材である。
なお、以上のように正逆回転する巻取軸11に、シャッターカーテン1の閉じ移動中に戻し力が蓄圧されるねじりコイルばねやぜんまいばねによる戻しばねを設けておき、シャッターカーテン1の上向きの開き移動を、この戻しばねに蓄圧された戻し力を補助力として利用して行うようにしてもよい。
また、図3に示されているとおり、ブレーキ軸21における電動モータ手段18側とは反対側の端部にはレバー部材31が配置されている。このレバー部材31はブレーキ軸21を貫通したものであって、ブレーキ軸21を境界として区分される第1部分31Aと第2部分31Bとからなる。第1部分31Aには第1屈曲部31Cが形成され、第2部分31Bには第2屈曲部31Dが形成されている。第1部分31AにA方向、すなわち、電動モータ手段18側とは反対側への荷重が作用したときには、第1部分31Aが第2屈曲部31Dを支点としてA方向へ揺動するため、ブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、A方向と同じ方向であるA’方向へスライドする。このため、ソレノイド24に通電しなくても、ブレーキ手段19をオフとすることができる。
このように第1部分31AにA方向への荷重が作用することは、開閉機13に取り付けられている後述の自動閉鎖装置32や手動閉鎖装置184によって行われる。これらの自動閉鎖装置32や手動閉鎖装置184は、後述の説明で分かるように、駆動装置である開閉機13を機械的に制御するための機械式制御装置となっている。
また、第2部分31BにA方向と同じ方向の荷重が作用したときには、第2部分31Bが第1屈曲部31Cを支点としてA方向と同じ方向へ揺動するため、この場合にも、ブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、A’方向へスライドする。このため、このときにもソレノイド24に通電しなくても、ブレーキ手段19をオフとすることができる。
このように第2部分31BにA方向と同じ方向の荷重を作用させることは、手作業により行うことができる。このため、この実施形態に係る開閉機13は、手操作によってもブレーキ手段19をオフにすることができるようになっている。なお、第2部分31Bは、第2屈曲部31Dを残して省略してもよい。
図5は、シャッターカーテン1の閉じ移動中にシャッターカーテン1の座板1Bが図1で示す障害物34に当接したときに、この障害物34を機械式に検知するための機械式障害物検知装置35を示す。この機械式障害物検知装置35は、前述の不動部材となっているこのまぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡された部分を有している架け渡し部材となっているロック用ワイヤー36と、可撓性を有するこのロック用ワイヤー36の一方の端部が結合され、この一方の端部を処理している第1処理装置37と、ロック用ワイヤー36の他方の端部が結合され、この他方の端部を処理している第2処理装置38と、ロック用ワイヤー36の長さの途中に配置され、シャッターカーテン1が障害物34に当接したときにロック用ワイヤー36を機械式にロックするための、言い換えると、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とを機械式に結合した状態にするための機械式結合装置39と、を備えている。この機械式結合装置39は、後述するように、シャッターカーテン1に取り付けられている。
上述の架け渡し部材となっているロック用ワイヤー36は、本実施形態における紐状部材でもあり、細長部材でもある。
第1処理装置37と第2処理装置38と機械式結合装置39は、ロック用ワイヤー36で連結された状態になっており、したがって、これらの装置37〜39を構成要素とする機械式障害物検知装置35は、取り扱い等が容易なユニットとなっている。
第1処理装置37には回転自在なリール40が設けられ、ロック用ワイヤー36の一方の端部が結合されているこのリール40にロック用ワイヤー36が巻回されている。リール40には、ぜんまいばね等による戻しばね41が連結されており、ロック用ワイヤー36がリール40を回転させてこのリール40から繰り出される際に、戻しばね41には戻し力が蓄圧される。また、ロック用ワイヤー36に弛みが生じたときには、戻しばね41に蓄圧された戻し力により、リール40はロック用ワイヤー36を巻き取る方向へ回転することになる。
第2処理装置38には回動部材42が設けられており、この回動部材42に、ロック用ワイヤー36の他方の端部がコイルばね43を介して結合されている。
また、第1処理装置37と第2処理装置38は、まぐさ16にボルト又は溶接等で固定配置されたベース部材44の上面に配置されており、このため、第1処理装置37と第2処理装置38はベース部材44で連結されたユニット構造物45となっている。したがって、ロック用ワイヤー36をまぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡す作業等を行うために、第1処理装置37と第2処理装置38をまぐさ16に配置する作業は、ユニット構造物45をまぐさ16にボルト又は溶接等で固定設置する作業を行うだけで終了することができ、この作業を容易に行えるようになっている。
また、上述したようにロック用ワイヤー36の他方の端部を、コイルばね43を介して第2処理装置38の回動部材42に結合するために、図2に示されているように、ロック用ワイヤー36は前述の天井部材5に配置されたまぐさ16のスリット17に通されている。すなわち、ロック用ワイヤー36は、天井部材5の上下に跨る長さを有しており、また、ロック用ワイヤー36は、まぐさ16と接触せずにこのまぐさ16のスリット17に挿通されている。
まぐさ16における第1処理装置37と第2処理装置38の配置位置は、シャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっている。これについて説明すると、図5に示されているとおり、第1処理装置37の機枠46は、ベース部材44の側面部44Aに形成されている長孔47に挿入されたビス等の止着具48でこの側面部44Aに取り付けられている。このため、長孔47の長さ分だけ、ベース部材44における第1処理装置37の取付位置がシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっている。さらに、第2処理装置38の機枠49の基板部49Aは、この基板部49Aに形成されている長孔50に挿入されたビス等の止着具51でベース部材44に取り付けられている。このため、長孔50の長さ分だけ、ベース部材44における第2処理装置38の取付位置がシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっている。
なお、まぐさ16における第1処理装置37と第2処理装置38の配置位置をシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能する構造は、長孔47,50による方式のものに限定されず、例えば、ボルト等のねじ軸部材の回転を利用したねじ送り方式や、ガイド溝の途中に複数のストップ部材を配置したスライドアンドストップ方式等のものでもよい。
図5で示されている機械式結合装置39のケース55は、図5で示されている裏面部55A及び上面部55Bと、図6で示されている正面部55Cとを有する。すなわち、図5と図6では、機械式結合装置39の表裏が逆となっている。図7は、ケース55の内部に収納されている機械式結合装置39の構造を示す図6の正断面図である。図5に示されているように、ケース55の上面部55Bには、ロック用ワイヤー36が出入りする2個の孔56,57が形成され、また、図7に示されているように、ケース55の内部には、ロック用ワイヤー36を案内する2個の回転自在なローラ58,59がシャッターカーテン1の幅方向に離れて配置されているとともに、これらのローラ58,59と共にロック用ワイヤー36を案内するためのピン等による複数のガイド部材60も配置されている。
また、ケース55の内部には、ロック用ワイヤー36におけるローラ58とローラ59の間の部分(後述する折り返し部)36Aを上下から挟着するための挟着部材となっている第1レバー部材61と第2レバー部材62が配置され、これらのレバー部材61,62は、同一の支点軸63を中心に上下に揺動自在となっている。上側の第1レバー部材61には、ねじりコイルばね64による下向きの押圧力が作用しており、また、この第1レバー部材61には下向きに湾曲形成された凸部61Aが設けられ、この凸部61Aがロック用ワイヤー36の上記の部分36Aに当たることにより、支点軸63を中心とする第1レバー部材61の下向きの揺動限が規定されるようになっている。また、上記の部分36Aが弛緩しているときに第1レバー部材61が支点軸63を中心として下向きに大きく揺動することを防止できるようにするために、ケース55には、第1レバー部材61における支点軸63側とは反対側の端部を受けるためのピン等によるストップ部材65が固定されている。
下側の第2レバー部材62における支点軸63側とは反対側の端部には、重り部材66が取り付けられており、この重り部材66の重量により、第2レバー部材62には支点軸63を中心とする下向きの揺動力が作用している。また、第2レバー部材62には、上向きに湾曲形成された凸部62Aが設けられている。
また、上側の第1レバー部材61の下面と、下側の第2レバー部材62の上面には、言い換えると、これらのレバー部材61,62の互いに対面する面には、摩擦部材67,68が取り付けられている。これらの摩擦部材67,68は、第1レバー部材61と第2レバー部材62がロック用ワイヤー36の上記の部分36Aを挟着してロックするときに、この部分36Aとの間の摩擦力を大きくし、ロックを一層確実なものにするためのものである。そして、上側の第1レバー部材61には下向きの突片部61Bが形成され、この突片部61Bと、ケース55の裏面部55Aとにより、ロック用ワイヤー36における上記の部分36Aが2個のレバー部材61,62の間から外れることが防止されている。また、第2レバー部材62の凸部62Aは、この第2レバー部材62が支点軸63を中心に上向きに揺動することにより摩擦部材67,68がロック用ワイヤー36の上記の部分36Aを挟着、ロックする直前に、この部分36Aを上向きに押し上げることになり、これにより、摩擦部材67,68による上記の部分36Aを挟着、ロックをさらに一層確実に行えるようにしている。また、下側の第2レバー部材62には、下向きに湾曲形成された凸部62Bが設けられている。
図8には、機械式結合装置39がシャッターカーテン1に取り付けられたときの正面図が示されている。図9は、図8のS9−S9線断面図であり、この図9には、前述したシャッターカーテン1の座板1Bの内部構造が示され、また、図9には、ロック用ワイヤー36及び機械式結合装置39が2点鎖線で示されている。シャッターカーテン1は、図1で説明したように、シャッターカーテン1の大部分の面積を占めていて、本実施形態における開閉体本体となっているカーテン本体1Aと、図9に示されているように、このカーテン本体1Aの下端部に設けられ、本実施形態におけるエンド部材となっている座板1Bとを有する。また、座板1Bは、カーテン本体1Aの下部に固定された固定部70Aと、この固定部70Aの下側に配置され、固定部70Aに対して上下方向に移動可能となっている可動部70Bとからなる。
また、本実施形態のシャッターカーテン1は、図8で示されているように、カーテン主部71Aと、カーテン副部71Bとを有し、カーテン主部71Aは、カーテン本体1Aと、座板1Bのうちの固定部70Aとによって構成されており、カーテン副部71Bは、座板1Bのうちの可動部70Bによって構成されている。したがって、このカーテン副部71Bは、シャッターカーテン1の閉じ側の端部に配置されている。そして、カーテン主部71Aは、本実施形態における開閉体主部となっており、カーテン副部71Bは、本実施形態における開閉体副部となっている。
図9に示されているように、座板1Bの固定部70Aは、共に断面箱型となった内外の部材75,76で形成され、外部材75は、シャッターカーテン1の厚さ方向に分割配置された2個の分割部材75A,75Bで形成されており、これらの分割部材75A,75Bは、カーテン本体1Aの下端部にボルト、ナット等による結合具77で結合されている。また、内外の部材75,76の下面は開口部78となっており、この開口部78から座板1Bの可動部70Bの立上り部79の上端が固定部70Aの内部空間に挿入されている。立上り部79の上端には、シャッターカーテン1の厚さ方向外側へ延出する延出部79A,79Bが形成され、これらの延出部79A,79Bが、固定部70Aの内側部材76の下端に形成された突片部76A,76Bの上面に乗ることにより、固定部70Aに対する可動部70Bの下側への移動限が規定される。
固定部70Aの内部には、シャッターカーテン1の幅方向に延びる支点軸80を中心に上下揺動自在となった揺動部材81が収納されている。この揺動部材81は、図15で示されているように可動部70Bが固定部70Aに対して上昇したときには、すなわち、閉じ移動中のシャッターカーテン1が図1で示した障害物34に当接したときには、可動部70Bの立上り部79の延出部79Aが揺動部材81の突出片81Aを押し上げることにより、揺動部材81は支点軸80を中心に上向きに揺動する。また、座板1Bを構成している固定部70Aと可動部70Bは、図1で示した左右のガイドレール6まで延びる長さを有しており、揺動部材81も左右のガイドレール6まで延びる長さを有している。
揺動部材81及び可動部70Bは、例えば、アルミ合金製等の押し出し成形品又は引き抜き成形品で形成されている。図1で示した出入口2の左右幅寸法が大きく、このため、揺動部材81及び可動部70Bを、それぞれ一本の連続した押し出し成形品又は引き抜き成形品で形成することが困難である場合には、長さ方向(シャッターカーテン1の幅方向)に並べた複数の押し出し成形品又は引き抜き成形品により、揺動部材81及び可動部70Bが形成される。
図12は、揺動部材81を、上記の長さ方向に並べた複数の成形品82により形成した場合を示す。この揺動部材81は、互いに隣接する2個の成形品82を、これらの成形品82の内部に圧入される部分83A,83Bが両端に設けられた連結部材83により連結したものとなっている。成形品82と連結部材83との結合は、上記の圧入でもよく、ビス等の止着具を用いたものでもよく、溶接でもよく、接着等でもよい。また、図13は、可動部70Bを、上記の長さ方向に並べた複数の成形品84により形成した場合を示す。この可動部70Bは、複数の成形品84を単に上記の長さ方向に並べることによって形成されており、このため、成形品84同士は、揺動部材81の場合と異なり、連結されていない。
このように成形品84同士を連結しないことで可動部70Bを形成し、これによって可動部70Bの構造を単純化してその製造を容易にしても、揺動部材81は左右のガイドレール6まで延びる連続した1本の状態となっているため、図1で示した障害物34が左右のガイドレール6の間のどの位置に存在していても、シャッターカーテン1の閉じ移動中に、可動部70Bを形成している複数個の成形品84のうち、障害物34が当たる1個又は互いに隣接している2個の成形品84が固定部70Aに対して上昇することにより、揺動部材81を上向きに揺動させることができる。
図5で説明した機械式結合装置39は、図8で示されているように、座板1Bのうち、固定部70Aに組み込まれる。すなわち、機械式結合装置39は、シャッターカーテン1の前述したカーテン主部71Aを構成しているカーテン本体1Aと、座板1Bの固定部70Aとのうち、固定部70Aに配置される。図14は、図8のS14−S14線断面図であって、機械式結合装置39が配置された部分での座板1Bの断面図である。この図14で示されているように、座板1Bの固定部70Aを形成している内外の部材75,76の上面部及び正面部には、機械式結合装置39の配置位置と対応する位置において、切欠加工による開口部90が形成されており、この開口部90に機械式結合装置39が上から挿入されて固定部70Aに結合されている。
支点軸80を中心に上下方向に揺動自在となっている揺動部材81の突出片81Aには、図7で示した下側の第2レバー部材62の下向きの凸部62Bと対応する位置において、押圧部材91が取り付けられている。このため、シャッターカーテン1の閉じ移動中に、この閉じ移動方向である下側に存在していた障害物34に座板1Bの可動部70Bが当接し、これにより、図15で説明したように、可動部70Bの延出部79Aが揺動部材81を支点軸80を中心に上向きに揺動させたときには、凸部62Bを押圧する押圧部材91により、図16に示されているように、第2レバー部材62は支点軸63を中心に上向きに揺動する。これにより、第2レバー部材62に取り付けられている摩擦部材68は、ロック用ワイヤー36におけるローラ58とローラ59の間の部分36Aを上側へ押し上げることになる。
この押し上げにより、上側の第1レバー部材61は、この第1レバー部材61に取り付けられている摩擦部材67を介して支点軸63を中心に上向きに揺動することになり、この上向きの揺動によりねじりコイルばね64は圧縮されるため、ロック用ワイヤー36におけるローラ58とローラ59の間の部分36Aは、2個のレバー部材61,62の摩擦部材67,68により上下から大きな荷重で挟着され、この挟着により、ロック用ワイヤー36の部分36Aはロックされることになり、このロックにより、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とは機械式結合装置39で機械式に結合された状態となる。
なお、図14に示されているように、座板1Bの可動部70Bが固定部70Aに対して最下降位置に達しているときには、揺動部材81の突出片81Aが可動部70Bの延出部79Aに当たることにより、支点軸80を中心とする揺動部材81の下向きの揺動が規制されるようになっている。
上述したように閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに、2個のレバー部材61,62の摩擦部材67,68により、ロック用ワイヤー36の前記部分36Aが大きな荷重でロックされるようにするためには、シャッターカーテン1が障害物34に当接する前において、言い換えると、座板1Bの可動部70Bが固定部70Aに対して最下降位置に達しているときにおいて、揺動部材81の押圧部材91に対して機械式結合装置39が適切な上下方向の位置に配置されていることが重要である。機械式結合装置39を揺動部材81の押圧部材91に対して適切な上下方向の位置に配置することは、機械式結合装置39を座板1Bの固定部70Aに取り付ける際に、この機械式結合装置39を固定部70Aにおける適切な上下方向の位置に取り付けることである。本実施形態には、機械式結合装置39を固定部70Aにおける適切な上下方向の位置に取り付けることができる工夫が施されている。
次に、この工夫について説明する。図5で示されているように、機械式結合装置39のケース55の両方の側面部には突片部55Dが形成され、これらの突片部55Dを利用して機械式結合装置39は座板1Bの固定部70Aに取り付けられる。これらの突片部55Dを利用した取付構造は同じであるため、一方の突片部55Dについての取付構造を図10により説明する。
固定部70Aの内部上面には、ベース部材92がリベット等の止着具93で結合され、このベース部材92には、固定部70Aを形成している前述の内外部材75,76に形成された孔94A,94Bを貫通して固定部70Aの上側へ突出しているねじ軸部材95が設けられている。このねじ軸部材95に1個又は複数個の座金96を挿入した後に、突片部55Dの孔55Eにねじ軸部材95を挿入する。ねじ軸部材95に挿入する座金96の枚数を変更したり、ねじ軸部材95に座金96を挿入しないことにより、固定部70Aにおける機械式結合装置39の上下方向の配置位置が調整されることになり、これにより、機械式結合装置39の配置位置を、揺動部材81の押圧部材91に対して適切な上下方向の位置に設定することができる。
このように機械式結合装置39が揺動部材81の押圧部材91に対して適切な上下方向の位置に配置されているか否かを確認できるようにするために、図8に示されているように、機械式結合装置39のケース55の正面部55Cには、窓孔55Fが形成されている。この窓孔55Fから、座板1Bの可動部70Bが固定部70Aに対して最下降位置に達しているときにおける前述した下側の第2レバー部材62の摩擦部材68と、ロック用ワイヤー36の前述した部分36Aとの間の上下方向の間隔を調べることができ、この上下方向の間隔が予め定められている適性範囲内の値になったときに、図10に示されているナット97をねじ軸部材95に螺合して締め付ける。これにより、機械式結合装置39を座板1Bの固定部70Aに固定する。そして、窓孔55Fをテープ等の遮蔽部材で遮蔽し、ケース55の内部に塵埃等が侵入することを防止する。
これにより、機械式結合装置39は固定部70Aにおける適切な上下方向の位置に取り付けられることになり、この結果として、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときには、機械式結合装置39に設けられている2個のレバー部材61,62の摩擦部材67,68により、ロック用ワイヤー36の上記部分36Aを大きな荷重でロックできるようになる。
上述のように機械式結合装置39の配置位置を揺動部材81の押圧部材91に対して適切な上下方向の位置に設定するための構造は、以上の方式による構造に限定されない。
図11は、他の方式による構造を示している。この図11の構造では、図10の座金96の代わりにナット98が用いられている。このナット98は回転操作されることにより、ねじ軸部材95に沿って少しずつ上下動するため、ナット98の高さ位置により、機械式結合装置39の配置位置を揺動部材81の押圧部材91に対して一層適切な上下方向の位置に設定でき、また、固定部70Aにおける機械式結合装置39の高さ位置を微調整することもできる。
ナット98は1個でもよい。しかし、図11では、2個のナット98A,98Bが用いられており、これらのナット98A、98Bは、一方のナットを他方のナットに圧接できて、ねじ軸部材95におけるナット98A,98Bの高さ位置を固定できるダブルナットとなっている。このため、機械式結合装置39の配置位置を一層確実に固定することができることになる。
なお、以上のように機械式結合装置39を座板1Bの固定部70Aに取り付けるための作業は、本実施形態のシャッター装置のシャッターカーテン1を、本実施形態に係るシャッター装置を設置する建物の図1に示す左右の建物躯体3に取り付けたガイドレール6に沿って上下に開閉移動自在とした後に行う。すなわち、図5で説明した前述の機械式障害物検知装置35を除くシャッター装置自体の設置作業が先に行われ、この後に、機械式障害物検知装置35の設置作業が行われる。この機械式障害物検知装置35の設置作業には、前述したユニット構造物45をまぐさ16に取り付ける作業と、機械式結合装置39を座板1Bの固定部70Aに取り付ける作業とが含まれ、ユニット構造物45をまぐさ16に取り付ける作業と、機械式結合装置39を座板1Bの固定部70Aに取り付ける作業とのうち、どちらの作業を先に行ってもよく、これらの作業を同時(実質的に同時と言える場合を含む。)に行ってもよい。
そして、このように機械式障害物検知装置35の設置作業を行う場合には、座板1Bの固定部70Aに機械式結合装置39を配置して取り付けるための前述の開口部90等を、予め工場において、形成しておくことが好ましい。
本実施形態では、前述したようにロック用ワイヤー36と、第1処理装置37と、第2処理装置38と、機械式結合装置39とからなる機械式障害物検知装置35は、ユニット化されたものとなっているため、工場から本実施形態に係るシャッター装置が設置される建物へ搬送されたこの機械式障害物検知装置35についての設置作業を容易に行え、また、第1処理装置37と第2処理装置38はユニット構造物45となっていて、これらの第1処理装置37と第2処理装置38だけでもユニット化されているため、第1処理装置37と第2処理装置38をまぐさ16に取り付ける作業も容易に行える。
以上のように機械式結合装置39が座板1Bの固定部70Aに取り付けられることにより、不動部材である前述のまぐさ16に設置された図5の第1処理装置37と第2処理装置38に両端部が結合されたロック用ワイヤー36は、まぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡されることになる。また、このロック用ワイヤー36は、機械式結合装置39で折り返されているため、図1に示されているように、まぐさ16からシャッターカーテン1へと延びる第1部分36Bと、シャッターカーテン1からまぐさ16へと延びる第2部分36Cとを有するU字形となる。そして、ロック用ワイヤー36のうち、機械式結合装置39と対応している図7や図16で示された前記部分36Aは、U字形のロック用ワイヤー36の折り返し部となる。
シャッターカーテン1が自重で閉じ移動したときは、ロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1の重量により第1処理装置37のリール40を回転させて、このリール40から繰り出されることになり、これにより、第1部分36Bと第2部分36Cのそれぞれの長さが長くなる。また、シャッターカーテン1が、前述の開閉機13の駆動軸14の回転で上方へ開き移動したときには、ロック用ワイヤー36には弛みが生ずるため、前述した戻しばね41の戻し力で上記とは反対方向へ回転するリール40によりロック用ワイヤー36は巻き取られ、これにより、第1部分36Bと第2部分36Cのそれぞれの長さは短くなる。このため、ロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1の開閉移動に対して追従することになる。
本実施形態では、図1から分かるように、機械式結合装置39と、第1処理装置37及び第2処理装置38からなるユニット構造物45は、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Bに配置されておらず、前述した機械式障害物検知装置35を構成しているこれらの機械式結合装置39とユニット構造物45は、中央位置Bからシャッターカーテン1の幅方向のうちの一方の側へ変位している位置に配置されている。この変位している位置は、シャッターカーテン1を駆動させる駆動装置となっている前述の開閉機13が配置されている側の位置である。
また、図1に示されているように、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cの延び方向は、シャッターカーテン1のカーテン本体1Aに沿った鉛直方向(実質的に鉛直方向と言えるものを含む。)となっており、また、これらの第1部分36Bと第2部分36Cは、互いに平行(実質的に互いに平行と言えるものを含む。)となっている。
また、図2及び図5に示されているように、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cは、まぐさ16におけるシャッターカーテン垂下用のスリット17の内部位置に配置されており、このため、第1部分36Bと第2部分36Cは、まぐさ16と干渉していない。言い換えると、まぐさ16の上面に配置された第1処理装置37及び第2処理装置38は、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cを垂下する部分の位置が、まぐさ16におけるシャッターカーテン垂下用のスリット17の内部位置の上側の位置となるように、まぐさ16に配置されている。
さらに、図14に示されているとおり、座板1Bの固定部70Aにおける機械式結合装置39が配置位置は、シャッターカーテン1の厚さ方向中央位置ではなく、この中央位置からシャッターカーテン1の厚さ方向のうちの一方の側へ変位している位置となっている。このため、ロック用ワイヤー36は、第1部分36Bと第2部分36Cの両方について、図9に示されているように、シャッターカーテン1のうち、前述したカーテン本体1Aと干渉しない。言い換えると、まぐさ16の上面に配置された第1処理装置37及び第2処理装置38は、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cを垂下する部分の位置が、まぐさ16におけるシャッターカーテン垂下用のスリット17の内部位置の上側の位置となるように、まぐさ16に配置されている。
機械式結合装置39が配置されている固定部70Aを除くカーテン主部71Aの部分はカーテン本体1Aであり、このカーテン本体1Aはシャッターカーテン1の大部分の面積を占める大きな部分である。このため、上述のように、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cの両方が、機械式結合装置39が配置されている固定部70Aを除くカーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に配置されていて、カーテン主部71Aと干渉していないことにより、まぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡された架け渡し部材となっていて、本実施形態における機械的部材となっているロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1の開閉移動を阻害しないことになる。
また、前述したとおり、座板1Bの可動部70Bはカーテン副部71Bを形成するものとなっており、図9に示されているとおり、この可動部70Bについてのシャッターカーテン1の厚さ方向寸法はW1である。また、前述したカーテン主部71Aの一部を構成するものとなっている座板1Bの固定部70Aについてのシャッターカーテン1の厚さ方向寸法はW2であり、このW2は、W1よりも小さい。ロック用ワイヤー36は、W1の範囲内であって、W2の範囲内に配置されている。可動部70Bは、カーテン副部71Bを形成するものとなっているため、ロック用ワイヤー36は、このカーテン副部71Bのシャッターカーテン厚さ方向寸法W1内に配置されていることになり、そしてW1は、シャッターカーテン1の全体の厚さ寸法を規定する寸法にもなっているため、ロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1の全体の厚さ寸法内に配置されていることになる。
したがって、シャッターカーテン1のカーテン本体1Aに沿ってロック用ワイヤー36を配置し、これにより、このロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cをカーテン本体1Aと干渉しない位置に配置しても、このロック用ワイヤー36を含むシャッターカーテン1の全体の厚さ寸法が大きくなることを抑制することができる。
なお、W1をW2と等しいとした場合(多少の差がある場合であって、実質的に等しいと言うことできる場合を含む。)にも、ロック用ワイヤー36を含むシャッターカーテン1の全体の厚さ寸法が大きくなることを抑制することができる。
また、本実施形態では、図5で説明したように、まぐさ16における第1処理装置37と第2処理装置38の配置位置は、長孔47,50によりシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっているため、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cの両方を、機械式結合装置39が配置されている固定部70Aを除くカーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に一層確実に配置できるようになっている。また。まぐさ16における第1処理装置37と第2処理装置38の配置位置の調整作業を、第1処理装置37と第2処理装置38について個別に行うことにより、第1部分36Bと第2部分36Cを、機械式結合装置39が配置されている固定部70Aを除くカーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に同じ距離だけ離すための作業も行える。
図17は、第2処理装置38の内部構造を示している。この第2処理装置38には、前述したように、ロック用ワイヤー36の端部がコイルばね43を介して結合された回動部材42が設けられている。この回動部材42の回動方向は、水平な中心軸42Aを中心とする上下方向である。また、回動部材42の背後には、ぜんまいばね等による戻しばね100が配置されている。この戻しばね100の戻し力は、回動部材42をC方向へ回動させるように、すなわち、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cを引き上げる方向に回動部材42を回動させるように、回動部材42に作用している。回動部材42には、中心軸42Aを中心とする円弧状の長孔42Bが形成され、この長孔42Bには、第2処理装置38の機枠49に取り付けられたストップ部材101が挿入され、このストップ部材101により回動部材42の回動量が一定量に規制されている。
回動部材42の外周部の一部にはギヤ歯42Cが形成されており、このため、回動部材42は、一部にギヤ歯42Cが形成されたセクターギヤとなっている。このギヤ歯42Cは、回動部材42におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の側(実質的に厚さ方向の側と言えるものを含む。以下同じ。)に設けられている。また、第2処理装置38には2個のロータリー式のダンパー102が配置され、これらのダンパー102は、回動部材42のギヤ歯42Cと噛み合うピニオンギヤ103を備えている。ピニオンギヤ103の回転中心軸104には、ワンウエイクラッチを介してダンパー102の内部に配置された複数のブレードが取り付けられており、回動部材42がC方向に回動することでピニオンギヤ103及び中心軸104がE方向に回転した場合には、ワンウエイクラッチを介してそれぞれのブレードが、ダンパー102の内部に充填されている粘性流体内において回転する。このため、粘性流体の抵抗力により回動部材42は、C方向へ低速で回動することになる。一方、回動部材42がC方向とは逆のD方向に回動し、ピニオンギヤ103及び中心軸104がF方向に回転した場合には、この方向への回転は、ワンウエイクラッチの切断作用によりそれぞれのブレードに伝達されない。このため、回動部材42は、D方向へは高速で回動することができる。
なお、ダンパー102は1個でもよい。しかし、本実施形態のようにダンパー102の個数を複数個とすることにより、回動部材42をC方向へ低速で回動させる上記の抵抗力を大きくでき、これにより、回動部材42のC方向への速度を所望する速度まで遅くすることができる。
また、回動部材42を、一部にギヤ歯42Cが形成されたセクターギヤとすることにより、回動部材42を全周にギヤ歯が形成されたギヤとした場合よりも、回動部材42の全体の上下寸法を小さくすることができる。これにより、第2処理装置38の上下寸法を、延いては、第1処理装置37と第2処理装置38で構成されている前述のユニット構造物45の上下寸法を小さくできるため、図2に示されているように、まぐさ16と前述のシャッターボックス8との間の上下寸法が小さいスペースにユニット構造物45を有効に配置することができるようになる。
さらに、回動部材42を一部にギヤ歯42Cが形成されたセクターギヤとし、このギヤ歯42Cを、上述のように回動部材42におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の側に設けることにより、第2処理装置38における回動部材42の配置位置を高い位置とすることが可能となるため、シャッターカーテン1を、回動部材42が座板1Bと干渉することをなくして、全開位置まで開き移動させることができるようになる。
また、ギヤ歯42Cは、回動部材42におけるシャッターカーテン1の側とは反対側に形成され、回動部材42におけるシャッターカーテン1と同じ側には、ギヤ歯42Cが形成されていない凹部42Dが形成されているため、これによっても、シャッターカーテン1の全開時において、回動部材42が座板1Bと干渉することをなくすことができ、また、シャッターカーテン1が開閉移動しているときには、回動部材42がカーテン本体1Aと干渉することをなくすことができる。
また、本実施形態では、図4に示されているように、コイルばね43とロック用ワイヤー36の第2部分36Cとの連結部N1が、回動部材42とコイルばね43との連結部N2に対してシャッターカーテン1の側へずれている。このため、シャッターカーテン1が全開位置に達しても、コイルばね43がカーテン本体1Aを形成しているスラットと接触することをなくすことができ、また、コイルばね43が回動部材42とコイルばね43との連結部N2を中心にシャッターカーテン1の側へ揺動することを抑制できるため、この抑制により、コイルばね43がカーテン本体1Aを形成しているスラットと接触することも防止できる。
また、図17に示されているとおり、第2処理装置38の機枠49の上部には、接触式スイッチ手段であるマイクロスイッチ170が固定配置されている。このマイクロスイッチ170には、ばねでマイクロスイッチ170から突出する方向へ付勢されている作動部材(アクチュエータ)171が設けられており、このマイクロスイッチ170は、まぐさ16に配置された第2処理装置38の機枠49に、作動部材171が下向きに突出するように固定配置されている。マイクロスイッチ170のリード線172は、制御装置27に接続されている。一方、回動部材42におけるギヤ歯42Cが形成されていない部分の外周面42Dには、ドグ部材173が取り付けられている。
マイクロスイッチ170の作動部材171は、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物に当接しない限り、回動部材42の外周面42Dに接触した状態となっている。一方、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物に当接し、機械式結合装置39の作動で回動部材42がD方向に回動することにより、作動部材171は、ドグ部材173に当接するようになっている。
このため、本実施形態では、マイクロスイッチ170は、機械式結合装置39の作動でロック用ワイヤー36に緊張力が作用したことを回動部材42を介して検出する緊張力検出手段となっており、ロック用ワイヤー36は、緊張力作用部材となっている。そして、本実施形態では、機械式障害物検知装置35とマイクロスイッチ170とで、シャッターカーテン1の閉じ移動中にシャッターカーテン1の座板1Bが図1で示す障害物34に当接したときに、この障害物34を電気式に検知するための電気式障害物検知手段である電気式障害物検知装置を構成するものとなっている。
このように、機械式結合装置39は、シャッターカーテン1が全開位置に達している状態からシャッターカーテン1が全閉位置に達するまでの間(言い換えると、常時)、マイクロスイッチ170よりもシャッターカーテン1の閉じ移動方向側、すなわち、下側に位置するようになっている。
なお、マイクロスイッチ170は、図2に示すように、巻取軸11から繰り出されるシャッターカーテン1の厚さ方向(前後方向)中央位置を基準として、この中央位置よりも巻取軸11側、すなわち、制御装置27側に配置されている。すなわち、マイクロスイッチ170は、シャッターカーテン1の厚さ方向中央位置を基準として制御装置27と同じ側に配置されている。このため、マイクロスイッチ170及び制御装置27の修理、交換等のメンテナンス作業が容易となっている。
図18は、図1〜図3で示されている前述の自動閉鎖装置32の内部構造を示す正面図であり、図19は、この自動閉鎖装置32の内部構造を示す平面図である。自動閉鎖装置32は、非常時において、図1〜図3で示されている前述の開閉機13を機械式又は電気式に制御することにより、全開位置に達していたシャッターカーテン1を自動的に閉じ移動させて全閉とし、防煙性及び/又は防火性を有しているシャッターカーテン1により図1の出入口2を閉鎖するためのものである。自動閉鎖装置32は、この自動閉鎖装置32の機枠110に設けられている図18のブラケット部110Aにより、開閉機13に取り付けられている。また、図19に示されているように、自動閉鎖装置32まで、この自動閉鎖装置32を制御するための第1制御用ワイヤー111、第2制御用ワイヤー112、第3制御用ワイヤー113のそれぞれの端部が延設されている。これらの制御用ワイヤー111〜113は、前述のロック用ワイヤー36と同じく、可撓性を有する紐状部材となっていて、細長部材ともなっている。
また、これらの制御用ワイヤー111〜113は、可撓性を有するアウターケーブル114〜116の内部にスライド自在に挿通されている。このため、制御用ワイヤー111〜113はアウターケーブル114〜116により保護されている。
図17に示されているように、第1制御用ワイヤー111は第2処理装置38まで延びており、この第1制御用ワイヤー111の端部は、第2処理装置38の回動部材42に連結されている。また、図2に示されているように、第1制御用ワイヤー111及びこの第1制御用ワイヤー111が内部に挿通されたアウターケーブル114は、第2処理装置38が一部の構成要素となっている前述のユニット構造物45と開閉機13とが配置されている天井裏空間7において配線されているとともに、この天井裏空間7に存在する物体117を避けて、言い換えると、物体117を迂回して、第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114とが配線可能なスペースにおいて配線されている。なお、このスペースは、予め存在しているものでもよく、第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114の配線時において、物体117の一部を切欠したり、物体117に孔を設けたりすることにより、形成したものでもよい。
そして、このように第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114を物体117と干渉しないで配線することは、第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114が可撓性を有しているために可能である。なお、物体117は、本実施形態のシャッター装置が設置される建物自体に関係したものでよく、本実施形態のシャッター装置の一部、例えば、前述したシャッターボックス8に関係したものでもよい。
また、図17に示されているように、第1制御用ワイヤー111及びアウターケーブル114は、第2処理装置38の近くでは、第2処理装置38に対して斜めの向きとなっている。これにより、第1制御用ワイヤー111及びアウターケーブル114が、図2で示されているまぐさ16のまぐさ部材16Aとシャッターボックス8とを結合している結合部材26と干渉しないようになっている。
図18及び図19に示されているように、自動閉鎖装置32の機枠110には、互いに対向する2個の立上り部110B、110Cが設けられており、これらの立上り部110B、110Cに形成された孔110D,110Eに、2個の立上り部110B、110Cに跨る長さを有している板状のスライド部材120がスライド自在に挿入されている。このスライド部材120の外周にはばね121が巻回されており、このばね121のばね力により、スライド部材120には立上り部110B側への前進力が常時作用している。この前進力の方向は、図3で説明した開閉機13に設けられている前述のレバー部材31の第1部分31AをA方向へ移動させる方向である。
図3及び図18に示されているとおり、スライド部材120の前端に下向きに折曲形成された折曲部120Aには、作動部材122が取り付けられており、また、レバー部材31の第1部分31Aには、被作動部材123が立設結合されている。スライド部材120がばね121のばね力によって前進した場合には、作動部材122が被作動部材123に当接することにより、レバー部材31の第1部分31Aに図3で示したA方向への荷重が作用するようになっている。図18に示されているように、本実施形態では、作動部材122はボルト124の頭部124Aとなっているため、この頭部124Aを回転操作してボルト124をスライド部材120の折曲部120Aに対して進退させることにより、作動部材122と被作動部材123との間の間隔を適切な寸法に調整できる。この調整を行った後に、ボルト124に螺合させておいたロックナット125を回転操作し、このロックナット125を折曲部120Aに圧接させることにより、被作動部材123に対する作動部材122の位置を、適切な位置にして固定できることになる。
図19に示されているように、自動閉鎖装置32の機枠110には、ソレノイド126が取り付けられており、このソレノイド126のプランジャ127には、ばね128のばね力がプランジャ127をソレノイド126から突出させる方向へ常時作用している。このプランジャ127の先端には、中心軸129Aを中心に回動自在となっているL字形の屈曲レバー部材129の一方の端部がスライド式の連結部129Bで連結されており、トリガーレバー部材となっているこの屈曲レバー部材129の他方の端部には、ローラ130が回転自在に設けられている。
このローラ130と対面するスライド部材120の部分には凹部120Bが形成されている。この凹部120Bにおけるスライド部材120の後退側の部分は、傾斜面120Cとなっている。また、自動閉鎖装置32には、屈曲レバー部材129に中心軸129Aを中心とするG方向への回動力を付与するためのばね131と、プランジャ127を前述のばね128と共にソレノイド126から突出させる方向へ付勢し、かつ屈曲レバー部材129を中心軸129Aを中心にG方向へ回動させるばね132とが設けられており、これらのばね128,131,132のばね力により、通常時のローラ130は、図19に示されているように、凹部120Bに嵌合しており、この嵌合により、前述したばね121によるスライド部材120の前進は止められている。このように凹部120Bに嵌合したローラ130で前進が止められているときにおけるスライド部材120の前端の位置は、図19で示す3個の位置H,I,Jのうち、H位置である。
図19に示されているとおり、自動閉鎖装置32には、マイクロスイッチ135が配置され、このマイクロスイッチ135には、ばねでマイクロスイッチ135から突出する方向へ付勢されている作動部材(アクチュエータ)136が設けられている。また、スライド部材120には、凹部120Bと反対側の部分において、ドグ部材137が取り付けられており、作動部材136はこのドグ部材137に当接している。
スライド部材120には、第1連結部138Aと第2連結部138Bが設けられた連結部材138が結合されており、ソレノイド126のプランジャ127の先端には連結部材140が結合されており、前述したばね132の一方の端部は、この連結部材140に連結されている。図5で示した第2処理装置38の回動部材42に一方の端部が連結されている前述の第1制御用ワイヤー111の他方の端部は、スライド部材120の連結部材138の第1連結部138Aに連結され、第2制御用ワイヤー112の端部は、プランジャ127に結合された連結部材140に連結され、第3制御用ワイヤー113の端部は、スライド部材120の連結部材138の第2連結部138Bに連結されている。
また、アウターケーブル115の内部に挿通された第2制御用ワイヤー112は、図1で示されている操作装置30に隣接配置されている手動閉鎖装置184まで延びており、アウターケーブル115から突出している第2制御用ワイヤー112の端部には、手動閉鎖装置184のレバー部材等の手動操作部材185が連結されている。この手動操作部材185を操作することにより、第2制御用ワイヤー112を引っ張り操作できるようになっている。
さらに、アウターケーブル116の内部に挿通された第3制御用ワイヤー113は、自動閉鎖装置32が配置された前述の天井裏空間7から延び、操作装置30に隣接して配置されている手動復帰装置186に連結されている(図1及び図4参照)。この手動復帰装置186は、後述するように、自動閉鎖装置32を火災等の災害が発生する前の初期状態に戻すためのものである。また、この手動復帰装置186は、第3制御用ワイヤー113の両端部のうち、自動閉鎖装置32の後述するスライド部材120に連結されていない側の端部が連結され、この第3制御用ワイヤー113が巻き取られ、繰り出される巻取軸189と、第3制御用ワイヤー113を巻き取るために巻取軸189を回転させるための駆動力を発生する駆動装置である電動モータ手段188と、この電動モータ手段188で発生した駆動力を巻取軸189に伝達するための図示しない動力伝達手段と、を含んで構成されている(図4参照)。電動モータ手段188は、操作装置30の操作ボタン30A,30B,30Cに隣接配置されている「復帰」ボタン187(図4参照)を押下することにより作動するようになっている。
また、第3制御用ワイヤー113は、図1に示されているように、もう1本あり、この第3制御用ワイヤー113は、自動閉鎖装置32が配置された前述の天井裏空間7から、建物内における手動で操作できる位置まで延びている。この位置は、本実施形態では、図1に示されているように、天井裏空間7からまぐさ16のスリット17を通過した出入口2の上部の位置となっており、アウターケーブル116から突出している第3制御用ワイヤー113の端部には、手動で第3制御用ワイヤー113を引っ張り操作できる手動操作部材141が結合されており、この手動操作部材141は、本実施形態ではリング部材となっている。このため、第3制御用ワイヤー113と手動操作部材141とで、自動閉鎖装置32を手動で初期状態に復帰させるための手動復帰装置191が構成されている。
本実施形態に係るシャッター装置が設置された建物において、シャッターカーテン1が全開となっているときに、火災等の災害が発生すると、この災害により発生した煙(熱)を感知するセンサである煙(熱)感知器180(図1参照)から、防災信号が制御手段33を構成する防災用連動制御装置181に入力される。自動閉鎖装置32に接続されている防災用連動制御装置181は、この自動閉鎖装置32のソレノイド126を通電する。これにより、ソレノイド126が励磁されるため、このソレノイド126のプランジャ127は、ばね128のばね力に抗して後退する。これにより、屈曲レバー部材129は、ばね131,132のばね力に抗して中心軸129Aを中心に図19のG方向とは逆方向に回動することになる。このときの状態が図20で示されている。屈曲レバー部材129が中心軸129Aを中心にG方向とは逆方向に回動すると、屈曲レバー部材129のローラ130はスライド部材120の凹部120Bから脱出するため、スライド部材120はばね121のばね力で前進し、この前進は、連結部材138の前端が自動閉鎖装置32の機枠110の前述の立上り部110Bに当接することにより停止する。このときにおけるスライド部材120の前端の位置は、図19で示した3個の位置H,I,Jのうち、図20に示されているように、最前位置であるI位置である。
また、スライド部材120が前進すると、マイクロスイッチ135の作動部材136は、スライド部材120に取り付けられているドグ部材137の位置から外れるため、作動部材136がばねの付勢力で突出移動することによるマイクロスイッチ135からの信号により、上記の防災用連動制御装置181はソレノイド126への通電を停止する。
このソレノイド126への通電の停止により、プランジャ127はばね128のばね力でソレノイド126から突出移動し、屈曲レバー部材129はばね131,132のばね力で中心軸129Aを中心に図19のG方向へ回動する。このときのスライド部材120は、このスライド部材120の前端がI位置まで達している移動限まで前進しているため、屈曲レバー部材129のローラ130は、図21に示されているように、スライド部材120の前述した傾斜面120Cに当たる。このため、プランジャ127の突出移動、及び中心軸129Aを中心とする屈曲レバー部材129のG方向への回動は、途中で停止する。
以上のようにして自動閉鎖装置32のスライド部材120が前進すると、このスライド部材120の前端に設けられている作動部材122が、図3で示されている被作動部材123を介して開閉機13のレバー部材31の第1部分31Aを図3のA方向に押圧するため、前述したように、この第1部分31Aがレバー部材31の第2屈曲部31Dを支点としてA方向へ揺動することにより、開閉機13のブレーキ手段19のブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、A方向と同じ方向であるA’方向へスライドし、これにより、それまでオンとなっていたブレーキ手段19は、オフとなる。このため、全開となっていたシャッターカーテン1は、巻取軸11よりも下側の部分の座板1B等の自重により、前述した巻取軸11を回転させながら下向きに閉じ移動することになり、開閉機13の前述した駆動軸14も駆動力伝達手段12を介して自由回転し、シャッターカーテン1が全閉となることにより、このシャッターカーテン1による防災区画が形成されることになる。
また、火災等の災害が発生したことを人間が発見(感知)した場合には、この人間が、図1で示した操作装置30に隣接配置されている手動閉鎖装置184に設けられ、前述した第2制御用ワイヤー112の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材185により、第2制御用ワイヤー112を引っ張り操作する。これにより、ソレノイド126のプランジャ127は後退するため、ソレノイド126が通電、励磁される前であっても、ソレノイド126が通電、励磁されたときと同じく、屈曲レバー部材129は中心軸129Aを中心に図19のG方向とは逆方向へ回動するため、屈曲レバー部材129のローラ130はスライド部材120の凹部120Bから脱出し、スライド部材120はばね121のばね力で前進することになる。
このため、本実施形態によると、第2制御用ワイヤー112を利用した手動操作でも、開閉機13のブレーキ手段19をオフにし、全開となっていたシャッターカーテン1を閉じ移動させて全閉とすることができる。
そして、本実施形態では、図1に示されているように、手動閉鎖装置184は、左右の壁等の建物躯体3のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置32に近い位置となっている一方の建物躯体3Aに配置されているため、自動閉鎖装置32と手動閉鎖装置184との間に架け渡されている第2制御用ワイヤー112の長さを短くできることになる。このため、他方の建物躯体3に手動閉鎖装置184を配置した場合よりも、上述のレバー部材等の手動操作部材185により第2制御用ワイヤー112を引っ張り操作したときの引っ張り力を自動閉鎖装置32に瞬時に入力させることができ、これにより、シャッターカーテン1の閉じ移動を迅速に開始させることができる。
このように、本実施形態では、全開となっていたシャッターカーテン1を手動により閉じ移動させて全閉とするための手動閉鎖装置184が備えられており、この手動閉鎖装置184は、第2制御用ワイヤー112と、この第2制御用ワイヤー112の一端に連結されているソレノイド126と、第2制御用ワイヤー112の他端に連結されているレバー部材等の手動操作部材185と、を含んで構成されたものとなっている。
シャッターカーテン1が全閉位置に達し、そして、火災等の災害が解消したときには、操作装置30に隣接配置された前記手動復帰装置186の「復帰」ボタン187を操作する。これにより、電動モータ手段188が駆動するので、第3制御用ワイヤー113の端部は、巻取軸189に巻き取られて手動復帰装置186側に引っ張られる。これにより、第3制御用ワイヤー113は自動閉鎖装置32のスライド部材120に連結されているため、このスライド部材120はばね121のばね力に抗して後退することになる。このため、スライド部材120は、図21に示されている位置から、前端が図19のH位置となる初期位置へ復帰することになる。また、スライド部材120がこの初期位置へ復帰するときに、屈曲レバー部材129が中心軸129Aを中心としてばね131,132のばね力で図19のG方向へ回動するため、屈曲レバー部材129のローラ130は、図19に示されているように、スライド部材120の凹部120Bに嵌合することになり、スライド部材120は、スライド部材120の前端がH位置に達した状態で停止する。これにより、自動閉鎖装置32は、火災等の災害が発生する前の初期状態に戻る。
なお、本実施形態では、自動閉鎖装置32を火災等の災害が発生する前の初期状態に戻すことは、前述した第3制御用ワイヤー113の端部が連結されている手動復帰装置191の手動操作部材141を操作することにより引っ張ることによってもできる(図4参照)。
また、スライド部材120が初期位置へ復帰すると、開閉機13のブレーキ手段19のブレーキ軸21及びブレーキドラム22は図3の前述したばね23でA’方向とは逆方向へ移動するため、ブレーキ手段19はオンに復帰する。これにより、ブレーキ手段19のオン、オフは、開閉機13に接続されている制御装置27による電気的な制御に任された状態となる。この後に、操作装置30に設けられている前述の「開」ボタン30Aを操作することにより、シャッターカーテン1は、前述したとおり、開閉機13の駆動力により全開位置まで開き移動する。
なお、図17で示されているロック用ワイヤー36の第2部分36Cの上端に、この上端をコイルばね43に連結するためのループ部36Dを形成するための結合具36Eを設ける場合において、この結合具36Eを押し潰し加工等することにより、結合具36Eの水平断面を、シャッターカーテン1の厚さ方向に細長くなった細長形状としておくことが好ましい。これによると、図5で示す機械式結合装置39を収納するためのケース55の上面部55Bに形成されていて、第2部分36Cが出入する孔57は、結合具36Eの細長方向と直交するシャッターカーテン1の幅方向に長い長孔になっているため、上述したようにシャッターカーテン1が全開位置まで開き移動した際に、結合具36Eの下面が、長孔57の外側部分となっているケース55の上面部55Bに当接することにより、結合具36Eの下面が長孔57の内部に侵入してシャッターカーテン1が所定以上に開き移動することを防止できる。
また、前述したように、火災等の災害で発生した煙(熱)を検知した煙(熱)感知器180からの防災信号が入力された防災用連動制御装置181により、自動閉鎖装置32のソレノイド126が通電、励磁され、あるいは、第2制御用ワイヤー112の端部に連結されている手動閉鎖装置184の手動操作部材185の操作により第2制御用ワイヤー112が引っ張り操作され、これにより、開閉機13のブレーキ手段19がオフとなって、シャッターカーテン1が全開位置から下向きに閉じ移動しているときに、言い換えると、自動閉鎖装置32が図21で示した状態になっているときに、閉じ移動方向であるシャッターカーテン1の下側に図1で示す障害物34が存在している場合には、シャッターカーテン1の閉じ移動の途中において、このシャッターカーテン1の閉じ側の先端部に配置されているカーテン副部71Bが、言い換えると、シャッターカーテン1の座板1Bの下側部分を形成している前述の可動部70Bが障害物34に当接し、この可動部70Bの下降が停止する。
可動部70Bの下降が停止しても、カーテン本体1Aと、座板1Bのうちの前述した固定部70Aとで構成される前述のカーテン主部71Aは、下降するため、この下降で生ずるカーテン主部71Aに対するカーテン副部71Bの相対的な上昇により、図16等で説明したように、前述した機械式結合装置39の第1レバー部材61と第2レバー部材62は、摩擦部材67,68において、ロック用ワイヤー36の前述した折り返し部36Aを挟着し、この挟着によりロック用ワイヤー36をロックする。これにより、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とが、機械式結合装置39により機械式に結合された状態となる。
それまでのロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1の閉じ移動に追従して前述の第1処理装置37のリール40から繰り出されており、ロック用ワイヤー36の折り返し部36Aが摩擦部材67,68で挟着され、ロック用ワイヤー36がロックされると、障害物34のへこみ変形に基づき、折り返し部36Aで折り返された状態になっているロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cには、カーテン副部71Bよりも上側のシャッターカーテン1の部分の重量、すなわち、カーテン主部71Aの重量が作用するため、ロック用ワイヤー36には、特に、第2部分36Cには、大きな緊張力が作用する。
そして、ロック用ワイヤー36の折り返し部36Aは、図16に示されているように、第1レバー部材61と第2レバー部材62に設けられた摩擦力が大きい摩擦部材67,68で挟着、ロックされるため、これらの摩擦部材67,68により、ロック用ワイヤー36が第1レバー部材61と第2レバー部材62に対して滑り移動することを阻止することができる。また、本実施形態では、第1レバー部材61と第2レバー部材62の揺動中心軸となっている前述の軸63は、第1レバー部材61と第2レバー部材62について共通化されているため、部材点数の削減により機械式結合装置39の構造を簡単化できるとともに、摩擦部材67,68同士の位置関係を適切に設定できることになり、このため、ロック用ワイヤー36の上記の折り返し部36Aを摩擦部材67,68で一層確実に挟着、ロックできるようになっている。
さらに、障害物34へのシャッターカーテン1の当接が、前述の機械式結合装置39が配置された位置の下側で行われず、この機械式結合装置39の配置位置の下側からシャッターカーテン1の幅方向にずれた位置で行われ、このため、シャッターカーテン1における機械式結合装置39が配置された部分がシャッターカーテン1の閉じ方向へ少し移動しようとした場合には、第1処理装置37のリール40から繰り出されているロック用ワイヤー36は、摩擦部材67,68で挟着されている箇所が第1部分36B側から第2部分36C側へ移行するための移動を行おうとするが、この移動方向とは反対方向へ摩擦部材67,68の間隔は次第に小さくなっているため、ロック用ワイヤー36が第1レバー部材61と第2レバー部材62に対して滑り移動することを一層有効に阻止することができる。
また、本実施形態では、ロック用ワイヤー36の折り返し部36Aが摩擦部材67,68で挟着、ロックされるときには、図16で示されているように、折り返し部36Aには、前述した複数個のガイド部材60のうちの1個のガイド部材60Aや、第2レバー部材62により、直線状となっていない迂回部36Fが形成されるようになっている。このため、障害物34がへこみ変形しない又は殆どへこみ変形しない硬質の物体であっても、ロック用ワイヤー36に迂回部36Fが形成されることにより、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cを引っ張ることができ、これにより、この第2部分36Cに大きな緊張力を作用させることができる。
以上のようにして、ロック用ワイヤー36が第1レバー部材61と第2レバー部材62に対して滑り移動することが摩擦部材67,68により阻止されて、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cに大きな緊張力が作用すると、図17で示した第2処理装置38の回動部材42は、この緊張力により、前述した戻しばね100に抗して図17のD方向に回動し、この回動量は、前述のストップ部材101が挿入されている円弧状の長孔42Bの長さに応じたものとなる。このときの回動は、ロータリー式のダンパー102のピニオンギヤ103をF方向に回転させるが、このF方向へのピニオンギヤ103の回転では、前述したとおり、ダンパー102に粘性流体による抵抗力は発生しない。このため、第2部分36Cに作用した緊張力により回動部材42は高速でD方向へ回動することになり、この回動部材42に一方の端部が連結されている第1制御用ワイヤー111は引っ張られることになる。
以上のことから、ロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1が閉じ移動の途中で障害物34に当接したときにこの当接に基づく緊張力が作用する緊張力作用部材となっている。
なお、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cは回動部材42に直接連結されておらず、これらの第2部分36Cと回動部材42との間には衝撃荷重緩衝用弾性部材となっている前述のコイルばね43が介設されているため、第2部分36Cに上述の大きな緊張力が瞬間的に作用しても、この緊張力が回動部材42に直接作用することはなく、緊張力を緩和させて回動部材42に作用させることができる。
また、回動部材42のD方向への回動量が円弧状の長孔42Bに挿入されているストップ部材101で規定される限界値に達したときにも、コイルばね43による衝撃荷重緩衝作用により、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cと回動部材42との間で大きな衝撃荷重が伝播をすることを防止することができる。
上述のように第1制御用ワイヤー111が引っ張られると、この第1制御用ワイヤー111の他方の端部は、図21で示されているスライド部材120に連結されているため、スライド部材120はばね121に抗しながら後退する。第1制御用ワイヤー111が引っ張られる量及びスライド部材120が後退する量は、図17で示した回動部材42の長孔42Bの長さで規定されている量であるため、前端が図19及び図21で示すI位置まで達していたスライド部材120は、スライド部材120の前端の位置が図19のH位置となる後退限まで後退せず、前端の位置がJ位置となる位置、すなわち、H位置とI位置との中間の位置で停止する。このときの状態が図22に示されている。このときの屈曲レバー部材129のローラ130が当接しているスライド部材120位置は、図21のときよりも、スライド部材120のスライド方向であるスライド部材120の長さ方向へ移動しているが、ローラ130は、前述した傾斜面120Cにまだ当接している。
また、このときのスライド部材120の前端の位置は、I位置からJ位置へ後退しているため、このスライド部材120の作動部材122によって図3及び図18のレバー部材31の第1部分31Aが図3のA方向に押圧されていた荷重は、解除されることになる。このため、開閉機13のブレーキ手段19は、オフからオンに切り替えられることになる。そして、このブレーキ手段19のオンにより、開閉機13の前述の駆動軸14は回転できないため、シャッターカーテン1の上端が結合されている巻取軸11も回転することはできない。
したがって、障害物34に当接したシャッターカーテン1は、その当接位置で閉じ移動を停止することになる。この停止は、ロック用ワイヤー36を摩擦部材67,68でロックする第1レバー部材61と第2レバー部材62を備えた前述の機械式結合装置39や、同じく機械式となっている第2処理装置38、さらには機械式にスライドする自動閉鎖装置32の部材となっているスライド部材120、機械式にオンとなる開閉機13のブレーキ手段19等により構成されている機械式構造によって行われる。
このように、本実施形態に係るシャッター装置は、ロック用ワイヤー36と、第1処理装置37と、第2処理装置38と、機械式結合装置39と、を含んで構成されている機械式開閉体停止装置である機械式シャッターカーテン停止装置を備えたものとなっている。
このため、シャッターカーテン1が閉じ移動を開始した後に、火災等の災害の発生を原因として、あるいは、他の理由を原因として、本実施形態に係るシャッター装置が設置された建物が停電になっても、閉じ移動中に障害物34に当接したシャッターカーテン1を停止させることができる。
また、本実施形態では、図1で説明したように、前述した機械式障害物検知装置35を構成している機械式結合装置39とユニット構造物45は、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Bに配置されておらず、この中央位置Bから、シャッターカーテン1の幅方向のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置32が配置されている一方の側へ変位している位置に配置されている。このため、第2処理装置38と自動閉鎖装置32との間に配線されている第1制御用ワイヤー111の長さを短くすることができる。したがって、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときには、第1制御用ワイヤー111に作用する前述の緊張力を瞬時に自動閉鎖装置32に入力させることができ、これにより、開閉機13のブレーキ手段19を迅速にオンにすることができる。
なお、例えば、ユニット構造物45と自動閉鎖装置32との間に大きな物体が存在するなどの理由により、当該箇所に第1制御用ワイヤー111を配線できる充分なスペースがなく、このため、ユニット構造物45の第2処理装置38と自動閉鎖装置32との間に、長さを短くした第1制御用ワイヤー111を配線することが不可能又は困難である場合には、まぐさ16におけるユニット構造物45を配置する位置を上記の位置から変更し、これにより、第2処理装置38と自動閉鎖装置32との間で第1制御用ワイヤー111を、この第1制御用ワイヤー111を配線できるスペースを通すことにより、配線するようにしてもよい。これによってユニット構造物45が配置されるまぐさ16における位置を、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Bから、シャッターカーテン1の幅方向のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置32が配置されている上記の一方の側とは反対側の位置へ移行させ、ユニット構造物45等で構成されている上述の機械式障害物検知装置35の配置位置を、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Bに対して図1で示されている位置とは反対の位置、言い換えると、開閉機13及び自動閉鎖装置32から中央位置Bよりもさらに遠い位置としてもよい。
以上のようにして閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接し、開閉機13のブレーキ手段19がオンになった後に、障害物34が除去されると、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが下降するため、機械式結合装置39の第1レバー部材61と第2レバー部材62の摩擦部材67,68によるロック用ワイヤー36の挟着、ロックは解除され、機械式結合装置39によるシャッターカーテン1とロック用ワイヤー36との機械式結合状態も解除される。これにより、ロック用ワイヤー36の緊張力は消滅し、このため、図17の戻しばね100による戻し力が作用している第2処理装置38の回動部材42は、図17のC方向に回動し、この回動により、第1制御用ワイヤー111によって後退方向へ引っ張られていた自動閉鎖装置32のスライド部材120は、前端の位置が図21で示すJ位置から図21で示すI位置へ移行する前進をばね121により行う。このため、開閉機13のブレーキ手段19は、オンからオフへ再度切り替られ、シャッターカーテン1は閉じ移動を再開することとなる。
また、第2処理装置38の回動部材42が図17のC方向に回動するときには、ロータリー式のダンパー102のピニオンギヤ103はE方向に回転し、このE方向についてはダンパー102に粘性流体による抵抗力が生ずる。このため、スライド部材120の前端の位置が図22で示すJ位置から図21で示すI位置へ移行すること、及びこの移行により開閉機13のブレーキ手段19がオンからオフへ切り替られることは、ダンパー102の遅延作用により、瞬時に行われない。したがって、障害物34の除去によりシャッターカーテン1が閉じ移動を再開することは、障害物34の除去から時間遅れをもって開始されることになり、このため、障害物34の除去作業を時間的余裕をもって行うことができる。
この説明で分かるように、ダンパー102を備えている本実施形態における第2処理装置38は、上述の遅延を生じさせるための遅延装置となっている。
なお、この遅延装置のダンパー102からの粘性流体の漏れがあっても、この粘性流体が図4で示すユニット構造物45から落下することを防止するために、例えば、ユニット構造物45のベース部材44の周囲に立ち上り壁を設けることにより、このベース部材44を皿形状としてもよい。
また、この遅延装置は、ダンパー102の代わりに、例えば、ぜんまい式タイマーを含む機械式手段を採用したものとしてもよい。この機械式手段によると、粘性流体式ダンパー102と異なり、環境温度に影響されることなく遅延時間をより正確に設定することができる。
そして、シャッターカーテン1が全閉となった後において、操作装置30に隣接配置されている前述の手動復帰装置186の「復帰」ボタン187を操作することにより、この手動復帰装置186の巻取軸189が第3制御用ワイヤー113を巻き取る方向に回転するので、この第3制御用ワイヤー113は引っ張られることになる。これにより、自動閉鎖装置32のスライド部材120は、前端の位置が図19のH位置に戻る復帰移動を行うため、自動閉鎖装置32の全体は図19の初期状態に復帰する。また、自動閉鎖装置32を初期状態に復帰させることは、前述したように、図1で示した手動復帰装置191の手動操作部材141で第3制御用ワイヤー113を引っ張ることによってもできる。
なお、本実施形態では、火災等の災害の発生により、煙(熱)感知器180から防災信号が防災用連動制御装置181に入力されると、この防災用連動制御装置181からの制御信号により、制御装置27による開閉機13の駆動制御を無効にするための駆動装置駆動制御無効手段である開閉機駆動制御無効手段29が作動する(図4参照)。これにより、操作装置30の「開」ボタン30A、「閉」ボタン30B、「停」ボタン30Cを操作することによるシャッター装置の電動操作が無効となる。この開閉機駆動制御無効手段29は、具体的には、制御装置27に備えられている開閉機13の駆動制御を行う開閉機駆動制御回路28の動作を無効にするものであり、防災用連動制御装置181からの制御信号により、開閉機駆動制御回路28を開放状態にするマイクロスイッチ等のスイッチ手段等で構成される。
また、本実施形態では、防災信号が入力された防災用連動制御装置181からの制御信号により、図1に示す操作装置30に隣接配置されている手動復帰装置186による自動閉鎖装置32の復帰操作を無効にするための自動閉鎖装置復帰操作無効手段190が作動する(図4参照)。これにより、手動復帰装置186の「復帰」ボタン187を操作することによる自動閉鎖装置32の復帰操作が無効となる。手動復帰装置186が備える自動閉鎖装置復帰操作無効手段190は、第3制御用ワイヤー113を巻き取る巻取軸189を回転させるための駆動力を発生する駆動装置である電動モータ手段188の駆動を阻止するものであり、図示されていないが、防災用連動制御装置181からの制御信号により、電動モータ手段188の駆動制御を行うモータ駆動制御回路を開放状態にするマイクロスイッチ等のスイッチ手段等で構成される。
なお、本実施形態では、開閉機駆動制御無効手段29及び自動閉鎖装置復帰操作無効手段190の作動は、火災の発生を発見(感知)した人間が手動閉鎖装置184を操作することによっても行われる。この手動閉鎖装置184の操作による開閉機駆動制御無効手段29及び自動閉鎖装置復帰操作無効手段190の作動は、第2制御用ワイヤー112が引っ張り操作されることにより、前記開閉機駆動制御回路28や前記モータ駆動制御回路を機械式に開放状態にするマイクロスイッチ等のスイッチ手段等が作動することにより行われる。
このため、本実施形態では、煙(熱)感知器180から防災信号が防災用連動制御装置181に入力されることで自動閉鎖装置32が作動することによるシャッターカーテン1の自重降下中や、火災の発生を発見(感知)した人間による手動閉鎖装置184の操作によるシャッターカーテン1の自重降下中においては、人間がシャッターカーテン1の電動操作を行うことや、人間が自動閉鎖装置32の復帰操作を行うことが防止される。これにより、例えば、以下のような効果を得ることができる。
非常時において、シャッターカーテン1が自重降下中に障害物34に当接したことにより機械式結合装置39が作動し、その後、この障害物34が除去されたが、機械式結合装置39によるロック用ワイヤー36の部分36Aの挟着、ロックが何らかの原因で解除されない状態が生じたとき、シャッターカーテン1が電動操作可能となっている場合には、以下の事象が発生するおそれがある。
すなわち、人間が過ってシャッターカーテン1を電動により閉じ移動させた場合には、ロック用ワイヤー36の第2部分36C(図5参照)が引っ張られることにより、この第2部分36Cが切断したり、また、第2処理装置38の構成部材の損傷が発生するおそれがある。しかし、本実施形態では、シャッターカーテン1の自重降下中は、人間がシャッターカーテン1の電動操作を行うことができないため、前述したようなロック用ワイヤー36の第2部分36Cの切断や、第2処理装置38の構成部材の損傷の発生を防止することができる。
なお、本実施形態において、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、制御装置27は、シャッターカーテン1を反転上昇させる制御は行わずに、シャッターカーテン1を障害物34と当接した位置で停止させる制御を行い、障害物34が除去された場合には、再びシャッターカーテン1を電動により閉じ移動させる制御を行うようにしてもよい。
また,シャッターカーテン1が自重降下中に、人間による自動閉鎖装置32の復帰操作(手動復帰装置186の「復帰」ボタン187の操作)を行うことが可能となっている場合において、人間が過って手動復帰装置186の「復帰」ボタン187を操作した場合には、このボタン操作により、オフとなっていた開閉機13のブレーキ手段19が途中でオンに復帰し、自重降下中のシャッターカーテン1が途中で停止してしまうことになる。そして、前記人間が手動閉鎖装置184の操作を知らない場合には、シャッターカーテン1は途中で半閉(半開)状態のままとなるおそれがある。しかし、本実施形態では、シャッターカーテン1の自重降下中は、手動復帰装置186の「復帰」ボタン187の操作が無効となるため、自重降下中のシャッターカーテン1が途中で強制的に停止されてしまうことが防止される。
このように、本実施形態では、防災信号の受信で自動閉鎖装置32が作動することによるシャッターカーテン1の自重降下中、あるいは、人間が手動閉鎖装置184を操作することによるシャッターカーテン1の自重降下中においては、人間がシャッターカーテン1の電動操作を行うことや、人間が自動閉鎖装置32の復帰操作を行うことが防止される。このため、本実施形態によると、非常時におけるシャッターカーテン1の自重降下中に停電が生じても、障害物34の検知やこの障害物34との当接を回避するための制御は、機械式で行われる。すなわち、本実施形態によると、非常時におけるシャッターカーテン1の自重降下中に停電が生じても、障害物34に当接したシャッターカーテン1の自重降下の停止はより確実に行われるようになる。
なお、非常時において自重降下中のシャッターカーテン1が全閉位置に達した場合には、全閉リミットスイッチ182からの制御信号(全閉信号)により、制御装置27は、開閉機駆動制御回路28による開閉機13の駆動制御を無効にしていた開閉機駆動制御無効手段29の作動を停止させる。また、制御装置27は、これと同時に、防災用連動制御装置181へ全閉信号を出力し、この防災用連動制御装置181は、手動復帰装置186による自動閉鎖装置32の復帰操作を無効にしていた自動閉鎖装置復帰操作無効手段190の作動を停止させる。
通常時において、全開となっているシャッターカーテン1を閉じ移動させるためには、図1で示した操作装置30の「閉」ボタン30Bを操作することにより、電動によりシャッターカーテン1を閉じ移動させる。一方、全閉となっているシャッターカーテン1を開き移動させるためには、操作装置30の「開」ボタン30Aを操作することにより、電動によりシャッターカーテン1を開き移動させる。このように、本実施形態に係るシャッター装置が、出入口2を開閉するための管理用(開口部用)シャッター装置として動作する場合には、シャッターカーテン1の閉じ移動は操作装置30の「閉」ボタン30Bの操作で行われるものであり、前述した自動閉鎖装置32の作動や手動閉鎖装置184の操作では行われない。このため、通常時、シャッターカーテン1が閉じ移動を開始したときの自動閉鎖装置32の状態は、図18及び図19に示されている状態となる。
閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した場合には、前述した非常時の場合と同じく、機械式結合装置39の第1レバー部材61と第2レバー部材62は、摩擦部材67,68において、ロック用ワイヤー36の部分36Aを挟着、ロックするため、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cには、下向きの緊張力が作用することになる。
これにより、シャッターカーテン1の閉じ移動は、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cに作用する緊張力で停止することになる。また、これにより、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cの端部がコイルばね43を介して結合されている第2処理装置38の回動部材42が、図17に示すD方向に回動することになる。前述したように、回動部材42に一方の端部が連結されている第1制御用ワイヤー111の他方の端部は、スライド部材120の連結部材138の第1連結部138Aに連結されているため(図19参照)、回動部材42がD方向に回動することにより、第1制御用ワイヤー111は引っ張られることになる。図19に示されているように、第1制御用ワイヤー111が引っ張られる前のスライド部材120の幅広部120Dの後端部120Eと、屈曲レバー部材129のローラ130との間には、隙間176が形成されている。このため、第1制御用ワイヤー111が引っ張られることにより、スライド部材120は、隙間176分だけ後退可能となっている。前述したように、回動部材42の回動量は、ストップ部材101が挿入されている円弧状の長孔42Bの長さに応じたものとなっており、スライド部材120の後退距離(移動量)は、回動部材42の回動量と略一致している。このため、スライド部材120の後退は、幅広部120Dの後端部120Eがローラ130に当接した直後に停止する。したがって、スライド部材120がローラ130を押圧する力はほとんどなく、このローラ130がスライド部材120の後退によって損傷するおそれはない。
図17は、シャッターカーテン1が障害物34に当接していないときの第2処理装置38を示す図であるが、このとき、第2処理装置38の機枠49の上部に固定配置されているマイクロスイッチ170の作動部材171は、回動部材42の外周面42Dに接触した状態、すなわち、マイクロスイッチ170が作動していない状態となっている。一方、図23は、シャッターカーテン1が障害物34に当接することにより、回動部材42がD方向に回動したときの第2処理装置38を示す図である。この図23に示されているように、回動部材42がD方向に回動することにより、マイクロスイッチ170の作動部材171は、回動部材42に取り付けられているドグ部材173に当接する(乗り上げる)。このため、ばねの付勢力で下向きに突出していたこの作動部材171は没入することになり、マイクロスイッチ170が作動した状態となる。すなわち、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cに緊張力が作用したことを検出した状態、言い換えると、障害物34を電気的に検知した状態となる。
このため、本実施形態に係る管理及び防災の併用シャッター装置には、機械式障害物検知装置35の他に、この機械式障害物検知装置35とマイクロスイッチ170とにより、シャッターカーテン1の電動による閉じ移動中における障害物34の検知を電気式に行う電気式障害物検知装置174が備えられている。すなわち、この電気式障害物検知装置174は、通常時におけるシャッターカーテン1の電動降下中の障害物34との当接の検知を行う電気式の通常時障害物検知手段となっている。これに対して、機械式障害物検知装置35は、非常時におけるシャッターカーテン1の自重降下中の障害物34との当接の検知を行う機械式の非常時障害物検知手段となっている。また、マイクロスイッチ170は、緊張力作用部材であるロック用ワイヤー36に緊張力が作用したことを検出する緊張力検出手段となっている。
マイクロスイッチ170は、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した後から、このシャッターカーテン1の閉じ移動が機械式シャッターカーテン停止装置により停止されるまでの間には作動するようになっている。
なお、マイクロスイッチ170は、図1に示すシャッターカーテン1の幅方向(左右方向)の中央位置Bに配置されておらず、中央位置Bからシャッターカーテン1の幅方向のうちの一方の側へ変位している位置、すなわち、開閉機13が配置されている側の位置に配置されている。
マイクロスイッチ170が作動することにより、このマイクロスイッチ170のリード線172が接続されている制御装置27(図4参照)には、障害物34を検知した旨の障害物検知信号が入力される。これにより、シャッターカーテン1に当接した障害部34との当接(衝突)を回避するための制御装置27による以下の制御が行われる。
まず、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ手段18の正駆動は停止する。この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電を遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ手段19がオンにされる。この結果、シャッターカーテン1は電動による降下を停止する。
この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24を再度通電する制御が行われると共に、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25を再度通電する制御が行われる。これにより、電動モータ手段18は逆駆動(逆回転)する。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇(開き移動)、言い換えると、反転上昇を行う。
シャッターカーテン1が電動上昇している途中で、全開リミットスイッチ183が作動した場合には、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御(電動モータ手段18の逆駆動を停止する制御)が行われるとともに、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電を遮断する制御(ブレーキ手段19をオンにする制御)が行われる。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇を停止する。
一方、シャッターカーテン1が電動上昇している途中で、全開リミットスイッチ183が作動していない場合には、シャッターカーテン1の電動上昇を開始してから所定時間T1が経過するまで、シャッターカーテン1の電動上昇は継続される。シャッターカーテン1の電動上昇を開始してから所定時間T1が経過したかどうかは、図4に示す制御装置27に備えられているタイマー回路175によりカウントされる時間で判定される。
シャッターカーテン1の電動上昇を開始してから所定時間T1が経過した場合には、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ手段18の逆駆動は停止する。この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電を遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ手段19がオンにされる。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇を停止する。
本実施形態では、シャッターカーテン1の電動上昇を停止させた後、所定時間T2が経過した後に、再び電動降下を開始させるようになっている。すなわち、シャッターカーテン1の電動上昇が停止してから所定時間T2が経過するまでは、シャッターカーテン1の停止が継続される。一方、シャッターカーテン1の電動上昇が停止してから所定時間T2が経過した場合には、前述したシャッターカーテン1を電動降下させる制御が行われる。なお、シャッターカーテン1が電動上昇を停止してから所定時間T2が経過したかどうかは、前記タイマー回路175によりカウントされる時間で判定される。
本実施形態において、タイマー回路175によりカウントされる所定時間T1及びT2は任意に設定することができ、T1とT2が同じとなるようにしてもよい。
なお、障害物34に当接したシャッターカーテン1が電動上昇することにより、カーテン副部71Bは障害物34から離れていくため、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して相対的に下降する。これにより、図23に示された状態にあった回動部材42は、戻しばね100による戻し力によりC方向に回動するため、回動部材42に取り付けられているドグ部材137との当接で没入していた第2処理装置38のマイクロスイッチ170の作動部材171は、再び突出した状態となる(図17参照)。この結果、マイクロスイッチ170の作動は解除されることになる。すなわち、電気式障害物検知装置174の障害物検知状態は解除されることになる。
電動上昇させたシャッターカーテン1を再び電動降下させたときにおいて、障害物34がまだ除去されていない場合には、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が再度作動することになるので、制御装置27による前述したシャッターカーテン1を電動上昇させる制御が行われる。
図24及び図25には、通常時において、シャッターカーテン1を開閉機13の駆動力で、すなわち、電動で開閉移動させるために制御装置27により行われる制御の流れを示すフローチャート図が示されている。
最初に、操作装置30で押下された操作ボタンの判定が行われる(ステップS1,S2)。なお、この操作ボタンの判定は、操作ボタン(「閉」ボタン30B、「開」ボタン30A、「停」ボタン30C)が操作されることにより操作装置30から送信される制御信号(閉信号、開信号、停信号)で行われる。
まず、操作装置30の「閉」ボタン30Bが押下されたかどうかの判定が行われる(ステップS1)。このステップS1において、「閉」ボタン30Bが押下されなかった判定された場合(ステップS1−NO)には、すなわち、「開」ボタン30A又は「停」ボタン30Cが押下されたと判定された場合には、次のステップS2において、「開」ボタン30Aが押下されたかどうかの判定が行われる。
このステップS2において、「開」ボタン30Aが押下されたと判定された場合(ステップS2−YES)には、シャッターカーテン1の開放(開き移動)制御処理(ステップS3)が行われ、「開」ボタン30Aが押下されなかったと判定された場合(ステップS2−NO)には、すなわち、「停」ボタン30Cが押下されたと判定された場合には、シャッターカーテン1の停止制御処理(ステップS4)が行われる。
一方、前記ステップS1において、「閉」ボタン30Bが押下された判定された場合(ステップS1−YES)には、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24が通電され、このブレーキ手段19がオフにされる(ステップS5)。そして、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25が通電されることにより、電動モータ手段18は正駆動(正回転)する(ステップS6)。この結果、シャッターカーテン1は電動による降下(閉じ移動)を行う(ステップS7)。
シャッターカーテン1が電動降下中に、全閉リミットスイッチ182が作動した場合(ステップS8−YES)には、すなわち、シャッターカーテン1が全閉位置に達した場合には、第2処理装置38のマイクロスイッチ170の作動を無効にする制御が行われる(ステップS9)。これにより、制御装置27が床4を障害物と判定することが防止される。この後、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ手段18の正駆動は停止する(ステップS10)。この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電を遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ手段19がオンにされる(ステップS11)。この結果、シャッターカーテン1は電動による降下(閉じ移動)を停止する。
一方、シャッターカーテン1が電動降下中に、全閉リミットスイッチ182が作動していない場合(ステップS8−NO)には、すなわち、シャッターカーテン1が全閉位置に達していない場合には、次のステップS12において、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が作動したかどうかの判定、すなわち、シャッターカーテン1が障害物34に当接したかどうかの判定を行う。このステップS12において、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が作動していないと判定された場合(ステップS12−NO)には、前記ステップS7に戻り、シャッターカーテン1の電動降下は継続する。一方、ステップS12において、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が作動したと判定された場合(ステップS12−YES)には、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ手段18の正駆動は停止する(ステップS13)。この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電を遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ手段19がオンにされる(ステップS14)。この結果、シャッターカーテン1は電動による降下を停止する(ステップS15)。
この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24が再度通電される(ステップS16)。そして、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25も通電されることにより、電動モータ手段18は逆駆動(逆回転)する(ステップS17)。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇(開き移動)、言い換えると、反転上昇を行う(ステップS18)。
この後、ステップS19において、シャッターカーテン1が電動上昇中に、全開リミットスイッチ183が作動したかどうかの判定、すなわち、シャッターカーテン1が全開位置に達したかどうかの判定が行われる。全開リミットスイッチ183が作動していない場合(ステップS19−NO)には、シャッターカーテン1が電動上昇してから所定時間T1が経過したかどうかの判定が行われる(ステップS20)。この判定は、前述したように、制御装置27のタイマー回路175によりカウントされる時間で判定される。
所定時間T1が経過していない場合(ステップS20−NO)には、前記ステップS18に戻り、シャッターカーテン1の電動上昇が継続される。一方、所定時間T1が経過した場合(ステップS20−YES)には、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ手段18の逆駆動は停止する(ステップS21)。この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電が遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ手段19がオンにされる(ステップS22)。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇を停止する(ステップS23)。
前記ステップS19において、全開リミットスイッチ183が作動した場合(ステップS19−YES)には、上記ステップS21〜23の処理が行われ、シャッターカーテン1は電動による上昇を停止する(ステップS23)。
前述したように、本実施形態では、シャッターカーテン1の電動上昇を停止させた後、所定時間T2が経過した後に、再び電動降下を開始させるようになっている。ステップS24では、シャッターカーテン1の電動上昇が停止してから所定時間T2が経過したかどうかの判定が行われる。この判定は、前記ステップS20と同様に、制御装置27のタイマー回路175によりカウントされる時間で判定される。
所定時間T2が経過していない場合(ステップS24−NO)には、このステップS24での判定処理を繰り返し、シャッターカーテン1の停止が継続される。一方、所定時間T2が経過した場合(ステップS24−YES)には、前記ステップS5(図24参照)以降の処理を行い、シャッターカーテン1は電動による降下を開始する。
なお、障害物34に当接したシャッターカーテン1が電動上昇することにより、カーテン副部71Bが障害物34から離れていくため、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して相対的に下降する。これにより、第2処理装置38のマイクロスイッチ170の作動が解除されることになる。この後、ステップS5〜7によりシャッターカーテン1を再び電動降下させたときにおいて、障害物34がまだ除去されていない場合には、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が再度作動することになる(ステップS12−YES)ので、制御装置27は、再びステップS13以降の処理を行い、シャッターカーテン1は再び電動上昇する。
図26及び図27は、火災等の災害が発生したことによる外部からの防災信号の受信で自動閉鎖装置32が作動し、これにより、全開状態に保持されていたシャッターカーテン1が自重降下で全閉位置に達するまでの動作の流れを示すフローチャート図である。すなわち、図26及び図27は、本実施形態に係るシャッター装置が、全閉位置に達したシャッターカーテン1により防災区画が形成される防災用シャッター装置として動作する場合の処理の流れを示すフローチャート図である。
まず、ステップS101において、シャッター装置の外部に設置されている図1に示す煙(熱)感知器180が火災の発生を感知すると、この煙(熱)感知器180から、防災信号が防災用連動制御装置181に入力される(ステップS102)。
この後、図4に示すように、防災用連動制御装置181からの制御信号により、制御装置27の開閉機駆動制御無効手段29と、手動復帰装置186の自動閉鎖装置復帰操作無効手段190が作動する。この結果、操作装置30によるシャッターカーテン1の電動による開閉操作(制御装置27の開閉機駆動制御回路28による開閉機13の駆動制御)と、自動閉鎖装置32の初期状態への復帰操作(自動閉鎖装置32により解除(オフ)された開閉機13のブレーキ手段19を手動復帰装置186の「復帰」ボタン187の操作で復帰(オン)させること)が無効となる(ステップS103)。
また、これと同時に、防災用連動制御装置181からの制御信号により、自動閉鎖装置32のソレノイド126が通電される(ステップS104)。これにより、H位置にあった自動閉鎖装置32のスライド部材120は、I位置まで前進する(図18及び図19参照)(ステップS105)。
図19に示すように、スライド部材120が前進することにより、マイクロスイッチ135が作動して、ソレノイド126の通電が遮断される(ステップS106)とともに、開閉機13のブレーキ手段19がオフ(解除)となる(ステップS107)。これにより、オンとなっていたブレーキ手段19により全開状態が保持されていたシャッターカーテン1は、自重による降下(閉じ移動)を開始する(ステップS108)。
この後、全閉リミットスイッチ182が作動していない場合(ステップS109−NO)であって、機械式結合装置39が作動していない場合(ステップS110−NO)には、ステップS108に戻り、シャッターカーテン1は自重降下を継続する。
一方、全閉リミットスイッチ182が作動していない場合(ステップS109−NO)であって、機械式結合装置39が作動した場合(ステップS110−YES)には、すなわち、シャッターカーテン1が自重降下中に障害物34に当接した場合には、この機械式結合装置39の作動で第1制御用ワイヤー111が引っ張られることにより、スライド部材120がI位置からJ位置まで後退する(図21参照)(ステップS111)。これにより、オフとなっていた開閉機13のブレーキ手段19はオンとなり(ステップS112)、この結果、シャッターカーテン1の自重降下は完全に停止する(ステップS113)。
この後、シャッターカーテン1に当接していた障害物34が取り除かれていない場合(ステップS114−NO)には、すなわち、機械式結合装置39の作動が継続している場合には、ステップS113に戻り、シャッターカーテン1の自重降下の停止が継続される。一方、シャッターカーテン1に当接していた障害物34が取り除かれた場合(ステップS114−YES)、すなわち、機械式結合装置39の作動が解除された場合には、スライド部材120がJ位置からI位置まで前進する(ステップS116)。これにより、オンとなっていた開閉機13のブレーキ手段19は再びオフとなる(ステップS117)。この結果、シャッターカーテン1は、再び自重降下を行う(ステップS108以降の処理)。
一方、前記ステップS109において、全閉リミットスイッチ182が作動した場合(ステップS109−YES)には、制御装置27から防災用連動制御装置181へ全閉信号(全閉位置に達した旨の制御信号)が入力される(ステップS117)。
この後、防災用連動制御装置181からの制御信号により、制御装置27の開閉機駆動制御無効手段29と、手動復帰装置186の自動閉鎖装置復帰操作無効手段190の作動が解除される。この結果、無効となっていた操作装置30によるシャッターカーテン1の電動による開閉操作と、自動閉鎖装置32の初期状態への復帰操作(手動復帰装置186の「復帰」ボタン187の操作)が有効となる(ステップS118)。
この後、自動閉鎖装置32を初期状態に復帰させるための作業がシャッター装置の管理者等の人間によって行われる(ステップS119)。すなわち、シャッター装置の管理者等の人間が手動復帰装置186の「復帰」ボタン187を操作することにより、自動閉鎖装置32の第3制御用ワイヤー113が引っ張られる。これにより、自動閉鎖装置32は、防災信号を受信する前の初期状態に復帰し、オフとなっていた開閉機13のブレーキ手段19はオンとなる。なお、自動閉鎖装置32を初期状態に復帰させることは、手動復帰装置191の手動操作部材141(図1及び図4参照)を操作(引っ張り操作)することによってもできる。
なお、全閉状態となっているシャッターカーテン1を再び全開状態とするためには、シャッター装置の管理者等の人間による操作装置30の「開」ボタン30Aの操作で、シャッターカーテン1を電動(開閉機13の駆動力)で全開位置まで開き移動させる。
図28は、火災の発生を発見(感知)した人間が、手動でシャッターカーテン1を自重降下させるための手動閉鎖装置184を操作した場合のシャッター装置の動作の流れの一部を示すフローチャート図である。すなわち、この図28も、本実施形態に係るシャッター装置が、全閉位置に達したシャッターカーテン1により防災区画が形成される防災用シャッター装置として動作する場合の処理の流れを示すフローチャート図である。
まず、人間が、火災が発生していること発見(感知)し(ステップS201)、この火災発見者が、手動閉鎖装置184のレバー部材等の手動操作部材185(図1及び図4参照)を操作することにより、第2制御用ワイヤー112が引っ張られる(ステップS202)。これにより、自動閉鎖装置32のスライド部材120がH位置からI位置まで前進する(図18及び図19参照)(ステップS203)ので、オンとなっていた開閉機13のブレーキ手段19がオフとなる(ステップS204)。
この後、手動閉鎖装置184が操作されることにより、この手動閉鎖装置184からの制御信号で、制御装置27の開閉機駆動制御無効手段29と、手動復帰装置186の自動閉鎖装置復帰操作無効手段190が作動する(図4参照)。これにより、シャッターカーテン1の電動による開閉操作と、自動閉鎖装置32の復帰操作が無効となる(ステップS205)。これと同時に、オンとなっていたブレーキ手段19により全開状態に保持されていたシャッターカーテン1は、自重降下を開始し、これ以降は、前述したステップS108以降の処理(図26及び図27参照)を行う(ステップS206)。
以上説明した本実施形態によると、シャッター装置が機械式シャッターカーテン停止装置を備えていても、通常時においては、管理用シャッター装置として用いることができるようになる。すなわち、本実施形態に係るシャッター装置は、通常時においては制御手段33の制御装置27により管理用シャッター装置として有効に機能し、非常時においては機械式シャッターカーテン停止装置が作動する防災用シャッター装置として有効に機能するようになる。
また、以上説明した本実施形態では、シャッターカーテン1の閉じ移動の途中で当接した障害物34を電気式に検知するための電気式障害物検知手段である電気式障害物検知装置174は、緊張力作用部材であるロック用ワイヤー36、緊張力検出手段であるマイクロスイッチ170と、を含んで構成されものであり、閉じ移動の途中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したかどうかは、外的影響(例えば、埃や火災発生時の煙、磁気等のノイズ等)を受けにくいロック用ワイヤー36に緊張力が作用したかどうかで判断することができる。
このため、本実施形態によると、閉じ移動の途中のシャッターカーテン1が当接した障害物34を電気式に検出するための電気式障害物検知装置174が、従来と比較して、外的影響を受けにくいものとなる。
また、以上説明した本実施形態では、通常時において、シャッターカーテン1が電動により閉じ移動中に障害物34に当接した場合には、機械式障害物検知装置35による機械式の障害物検知がなされ、この機械式障害物検知装置35を構成する機械式結合装置39によるロック用ワイヤー36のロックが行われることにより、障害物34に当接したシャッターカーテン1は閉じ移動を停止することになる。しかし、この通常時においては、シャッターカーテン1の閉じ移動は、操作装置30の「閉」ボタン30Bを操作することにより行われるものであり、自動閉鎖装置32及び手動閉鎖装置184を作動させることによって行われるものではない。したがって、操作装置30の「閉」ボタン30Bの操作でオフとなった開閉機13のブレーキ手段19は、シャッターカーテン1が障害物34に当接した後もオフのままとなる。
このため、本実施形態では、シャッターカーテン1の障害物34との当接により、機械式障害物検知装置35の第2処理装置38の第1制御用ワイヤー111が引っ張られて回動部材42が回動するが、この回動部材42の回動でマイクロスイッチ170が作動する。この結果、制御手段33を構成する制御装置27による制御により、オフになっていた開閉機13のブレーキ手段19がオンとなるとともに、巻取軸11を正回転させていた電動モータ手段18の正駆動が停止する。
このため、本実施形態によると、通常時において、障害物34に当接したシャッターカーテン1をより確実に停止させることができる。このように、本実施形態によると、ロック用ワイヤー36と、第1処理装置37と、第2処理装置38と、機械式結合装置39と、を含んで構成されている機械式開閉体停止装置である機械式シャッターカーテン停止装置を備えたシャッター装置を、通常時においては管理用シャッター装置としても用いることが可能となる。一方、非常時においては、機械式シャッターカーテン停止装置により、障害物34に当接したシャッターカーテン1の閉じ移動が機械式により確実に停止されるようになる。
また、本実施形態では、通常時において、シャッターカーテン1が障害物34に当接した後は、制御装置27の制御により所定時間T1だけ反転上昇(電動上昇)し、この反転上昇後、所定時間T2だけ停止するようになっているため、それだけ、シャッターカーテン1が障害物34に与える衝撃をより小さくすることができ、また、障害物34を除去しやすくなる。
また、以上説明した本実施形態では、非常時において、シャッターカーテン1が自重により閉じ移動中に障害物34に当接した場合には、機械式障害物検知装置35による機械式の障害物検知がなされ、この機械式障害物検知装置35を構成する機械式結合装置39によるロック用ワイヤー36のロックが行われることにより、障害物34に当接したシャッターカーテン1は閉じ移動を停止することになる。また、この非常時においては、シャッターカーテン1の閉じ移動は、自動閉鎖装置32の作動や、手動閉鎖装置184の操作により行われるものであるため、シャッターカーテン1を閉じ移動させるためにオフとなった開閉機13のブレーキ手段19は、シャッターカーテン1の障害物34との当接で機械式障害物検知装置35の第2処理装置38の第1制御用ワイヤー111が引っ張られることによりオンとなる。
また、本実施形態では、非常時において、自動閉鎖装置32の作動や手動閉鎖装置184の操作が行われてから、自重降下中のシャッターカーテン1が全閉位置に達するまでの間は、制御装置27の開閉機駆動制御無効手段29や、手動復帰装置186の自動閉鎖装置復帰操作無効手段190が作動する。このため、非常時において、自重降下中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した場合には、このシャッターカーテン1の自重降下(閉じ移動)の停止は、火災等による停電が生じても、電源を必要としない機械式障害物検知装置35によってより確実に行われる。また、シャッターカーテン1が自重降下中においては、操作装置30や手動復帰装置186の復帰操作が無効となるため、これらの装置を人間が過って操作することによって、前述したような機械式障害物検知装置35を構成するロック用ワイヤー36の第2部分36Cの切断や、第2処理装置38の構成部材の損傷の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、シャッターカーテン1が全閉位置に達した後、自動閉鎖装置32を初期状態に復帰させるためには、前述した手動復帰装置186や手動復帰装置191を操作する必要があったが、シャッターカーテン1が全閉位置に達して全閉リミットスイッチ182が作動することにより、制御装置27が、前記手動復帰装置186を作動させる(電動で第3制御用ワイヤー113を引っ張る)制御を行うようにしてもよい。
以上説明した本実施形態では、閉じ移動の途中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したことを電気式に検知するための電気式障害物検知手段は、シャッターカーテン1が閉じ移動の途中で障害物34に当接したときに、この当接に基づいて作動する機械式結合装置39により、シャッターカーテン1と機械式に結合された状態となることで緊張力が作用するロック用ワイヤー36と、この作用でロック用ワイヤー36の一方の端部に結合された第2処理装置38の回動部材42が回動することにより作動するマイクロスイッチ170と、を含んで構成されるものとなっている。
このため、本実施形態によると、閉じ移動の途中のシャッターカーテン1が当接した障害物34を電気式に検知するための電気式障害物検知手段は、障害物34を検出するにあたって、埃や火災発生時の煙等の外的影響を受けにくいものとなる。
また、本実施形態によると、電気式に障害物を検出するために必要な電力は、少なくともマイクロスイッチ170の作動を判定するための制御装置27を動作させるための電力だけで済むようになる。
なお、本実施形態において、マイクロスイッチ170が配置され、ユニット構造物45を構成している第2処理装置38は、マイクロスイッチ170が接続される制御装置27と共にシャッターボックス8の内部に収納するようにしてもよい。これによると、マイクロスイッチ170が受ける外的影響をより少なくすることができる。なお、この場合には、シャッターボックス8の上下寸法を第2処理装置38が収納可能となるように大きくする必要がある。
なお、本実施形態において、マイクロスイッチ170が作動したとき、シャッターカーテン1に障害物が当接したことを外部に報知するための外部報知手段(例えば、ブザーや赤色燈等)を備えるようにしてもよい。
また、本実施形態では、前述したように、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cの両方が、機械式結合装置39が配置されている固定部70Aを除くカーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に配置されていて、カーテン主部71Aと干渉していないため、まぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡された架け渡し部材となっていて、本実施形態における緊張力作用部材である架け渡し部材となっているロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1が開閉移動しているときに、この開閉移動を阻害することはなく、この開閉移動を円滑に行わせることができる。
また、本実施形態によると、図2で説明したように、シャッターカーテン1は天井部材5に配置されたまぐさ16のスリット17を通って天井部材5の下側に垂下され、ロック用ワイヤー36の第1及び第2部分36B,36Cは天井部材5の上下に跨る長さを有しているとともに、これらの第1及び第2部分36B,36Cは、まぐさ16と接触せずにこのまぐさ16のスリット17に挿通されているため、シャッターカーテン1が開閉移動しているときに、まぐさ16に対するロック用ワイヤー36の円滑な移動を保障することができる。
さらに、ロック用ワイヤー36の第1及び第2部分36B,36Cは、まぐさ16と干渉しないため、ロック用ワイヤー36とまぐさ16の両者が損傷することを防止することができる。
また、本実施形態では、シャッターカーテン1が全開となっているときに、通常時において図1で示した操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されることにより、あるいは、非常時において自動閉鎖装置32や手動閉鎖装置184を作動させることにより、シャッターカーテン1が閉じ移動を開始し、この閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した場合にも、前述の場合と同じく、機械式結合装置39の第1レバー部材61と第2レバー部材62は、摩擦部材67,68において、ロック用ワイヤー36の折り返し部36Aを挟着、ロックし、機械式結合装置39がシャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とを機械式に結合するため、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cには、下向きの緊張力が作用することになる。
そして、このようにシャッターカーテン1の閉じ移動が、操作装置30の「閉」ボタン30Bを操作することや、自動閉鎖装置32や手動閉鎖装置184の作動により行われた場合には、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cの緊張力は、第2処理装置38の回動部材42と、第1制御用ワイヤー111とを介して自動閉鎖装置32のスライド部材120に作用することになる。このときのスライド部材120の凹部120Bには、前述の屈曲レバー部材129のローラ130が嵌合されているため、シャッターカーテン1の閉じ移動を、シャッターカーテン1が障害物34のへこみ変形等で少し下降した後に、停止させることができる。
なお、以上説明した本実施形態に係るシャッター装置は管理及び防災の併用シャッター装置であったが、本発明は、管理専用のシャッター装置や防災専用のシャッター装置にも適用することができる。
なお、以上説明した本実施形態において、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、制御装置27は、シャッターカーテン1を反転上昇させる制御は行わずに、シャッターカーテン1を障害物34と当接した位置で停止させる制御を、この停止制御の後で障害物34が除去されたか(マイクロスイッチ170による障害物34の検知がされなくなったか)否かにかかわらず、継続するようにしてもよい。
また、以上説明した本実施形態において、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、制御装置27は、シャッターカーテン1を反転上昇させる制御は行わずに、シャッターカーテン1を障害物34と当接した位置で停止させる制御を行い、この停止制御の後で障害物34が除去された場合でも、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されるまでは、再度シャッターカーテン1を電動により閉じ移動させる制御は行わないようにしてもよい。すなわち、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されない限り、制御装置27によるシャッターカーテン1の停止制御が継続されるようにしてもよい。
なお、以上説明した本実施形態において、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接し、マイクロスイッチ170により障害物34の検知がされている状態、すなわち、制御装置27による制御でシャッターカーテン1が閉じ移動を停止している状態(反転上昇を行ってもよく、行わなくてもよい)で、煙(熱)感知器180が火災発生を感知した場合(図26のステップS101)には、シャッター装置は、図26に示されているフローチャート図のステップ102以降の処理に基づいた動作を行う。すなわち、障害物34が取り除かれていればシャッターカーテン1は自重降下を行い、この自重降下中にシャッターカーテン1が障害物34あるいは別の障害物に再度当接した場合には、このシャッターカーテン1の自重降下は、機械式シャッターカーテン停止装置により機械式に停止されることになる。このように、通常モードで動作していたシャッター装置(管理用シャッター装置)は、煙(熱)感知器180が火災発生を感知することにより、非常モード(防災モード)のシャッター装置(防災用シャッター装置)として動作する。
なお、上述したように、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されるまでは、制御装置27によるシャッターカーテン1の停止制御が継続されるようにした場合において、障害物34は除去されたが、まだ操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されない状態において、煙(熱)感知器180が火災発生を感知した場合にも、シャッター装置は、上述したように、図26に示されているフローチャート図のステップ102以降の処理に基づいた動作を行う。すなわち、シャッター装置は、防災用シャッター装置として動作する。
図29は、開閉移動するシャッターカーテン1に対して不動部材となっている前述のまぐさ16に、前述した第1処理装置37と第2処理装置38からなるユニット構造物45と、シャッターカーテン1の厚さ方向のうち、シャッターカーテン1をユニット構造物45の配置側とは反対側へ押圧するための押圧手段150とを配置した実施形態を示している。
すなわち、シャッターカーテン1が前述の巻取軸11から繰り出されることにより、巻取軸11でのシャッターカーテン1の巻径が小さくなり、これにより、シャッターカーテン1がユニット構造物45に近づいても、この実施形態では、シャッターカーテン1がユニット構造物45と干渉することがないように、ユニット構造物45に対するシャッターカーテン1の接近位置を、押圧手段150により、一定位置に制限している。押圧手段150は、図30の斜視図及び図31の平面図で示されているように、機枠151に、第1ローラ152と第2ローラ153を上下回転自在に取り付けたものであり、また、下側の第1ローラ152に対する上側の第2ローラ153の配置位置は、L1分だけ高い位置であって、しかも、L2分だけシャッターカーテン1から後退した位置となっている。
図29に示されているように、シャッターカーテン1の巻取軸11からの繰り出しが進行すると、シャッターカーテン1は、初めに第1ローラ152に当たり、シャッターカーテン1の巻取軸11からの繰り出しがさらに進行すると、シャッターカーテン1は、次に第1ローラ152と第2ローラ153の両方に当たる。このため、巻取軸11でのシャッターカーテン1の巻径が極めて小さくなっても、2個のローラ152,153により、シャッターカーテン1がユニット構造物45と干渉することを防止できる。
なお、押圧手段に設けるローラの個数は1個でもよい。また、ローラの個数を複数個とする場合には、それぞれのローラの高さ位置を同じにし、これらのローラをシャッターカーテンの幅方向に並設してもよい。
図32は、巻取軸11でのシャッターカーテン1の巻径が変化しても、シャッターカーテン1とユニット構造物45との間に、シャッターカーテン1の厚さ方向の大きな間隔を確保しておくことができる実施形態を示す。この実施形態では、ユニット構造物45は図2でも説明した結合部材26に取り付けられ、これにより、ユニット構造物45は、まぐさ16からシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に配置されている。まぐさ16にはブラケット部材161が取り付けられ、このブラケット部材161には、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cごとに1個ずつ設けられたガイドローラ162が、まぐさ16のシャッターカーテン垂下用のスリット17の上側において、上下回転自在に配置されている。ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cは、これらのガイドローラ162に掛けられてシャッターカーテン1とユニット構造物45との間に架け渡されている。
それぞれのガイドローラ162から垂下されるロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cは、シャッターカーテン1のうち、左右のガイドレール6で案内される部分と平行となっている。そして、巻取軸11からのシャッターカーテン1の繰り出しが進行して巻取軸11でのシャッターカーテン1の巻径が小さくなっても、シャッターカーテン1とユニット構造物45との間には、シャッターカーテン1の厚さ方向の大きな間隔が確保されているため、シャッターカーテン1がユニット構造物45と干渉することを防止できる。
図33は、電気式障害物検知手段の第1別実施形態を示す図1と同様の図である。この図33に示すように、本実施形態に係る電気式障害物検知手段210は、左右一対のガイドレール3のうちの一方(図33では左側のガイドレール3B)の側面部に設けられ、光信号213を送信する送信部211と、他方(図33では右側のガイドレール3A)の側面部に設けられ、前記光信号を受信する受信部212と、を含んで構成される光学式センサ210となっている。なお、図示されていないが、送信部211及び受信部212は、商用電源あるいはバッテリ電源からの電力供給で動作するものである。また、送信部211と受信部212のそれぞれは、制御装置27に図示しないリード線で接続されている。
通常時において、操作装置30の「開」ボタン30Aが操作されることにより、送信部211と受信部212は、上述した電源からの電力供給で動作を開始し、操作装置30の「停」ボタン30Cが操作されることにより、送信部211と受信部212の動作は停止する。
「開」ボタン30Aが操作されることにより、制御装置27から送信部211へ制御信号が伝達され、送信部211は、受信部212に向けて光信号213の送信を開始する。また、「開」ボタン30Aが操作されることにより、制御装置27から受信部212へ制御信号が伝達され、受信部212は、送信部211から送信された光信号212の受信を開始する。なお、制御装置27には、受信部212が、送信部211から送信された光信号212を受信しているかどうか監視する図示しない監視回路を備えている。
通常時において、操作装置30の「開」ボタン30Aが操作されることにより、シャッターカーテン1は電動による閉じ移動を行うが、この閉じ移動の途中で図33に示す障害物34が存在する場合には、送信部211から受信部212へ送信されていた光信号213はこの障害物34によって遮断されることになる。これにより、受信部212では光信号213を受信していないことが制御装置27の前記監視回路により判定される。この結果、制御装置27では、シャッターカーテン1の閉じ移動方向に存在する障害物34が検知された状態、すなわち、障害物検知状態となる。これにより、制御装置27は、前述した図1〜図32の実施形態に係る電気式障害物検知手段となっている第2処理装置38のマイクロスイッチ170が作動した場合と同様の障害物34に対する制御処理を行う。すなわち、図24に示されているフローチャート図のステップS12における判定処理において、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が作動したかどうかを、送信部211から送信された光信号213が遮断されたかどうか(制御装置27の監視回路による判定)に置き換えた制御処理が行われる。
以上説明したように、本実施形態に係る電気式障害物検知手段は、非接触式スイッチ手段である光学式センサとなっている。なお、本実施形態において、電気式障害物検知手段である非接触式スイッチ手段は、送信部から送信される信号が超音波信号となっている超音波式センサでもよく、送信部から送信される信号が赤外線信号となっている赤外線式センサでもよく、送信部から送信される信号が磁気信号となっている磁気式センサ等でもよい。
なお、本実施形態では、電気式障害物検知手段は、上述したように、送信部211と受信部212とを含んで構成される非接触式スイッチ手段であるが、前述した図1〜図32の実施形態で備えられていた接触式スイッチ手段である前記マイクロスイッチ170も備えるようにしてもよい。すなわち、電気式障害物検知手段は、非接触式スイッチ手段と接触式スイッチ手段の二つを併用したものでもよい。これにより、通常時において、非接触式スイッチ手段が故障しても、接触式スイッチ手段の作動による障害物34に対する回避処理を行わせることが可能となる。
なお、本実施形態においても、シャッターカーテン1の電動による閉じ移動中において、本実施形態に係る電気式障害物検知手段により障害物34の存在が検知されたとき、制御装置27は、シャッターカーテン1を停止させる制御を、この停止制御の後で障害物34が除去されたか否かにかかわらず、継続するようにしてもよい。
また、本実施形態においても、シャッターカーテン1の電動による閉じ移動中において、本実施形態に係る電気式障害物検知手段により障害物34の存在が検知されたとき、制御装置27は、シャッターカーテン1を停止させる制御を行い、この停止制御の後で障害物34が除去された場合でも、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されるまでは、再度シャッターカーテン1を電動により閉じ移動させる制御は行わないようにしてもよい。
また、本実施形態においても、シャッターカーテン1の電動による閉じ移動中において、本実施形態に係る電気式障害物検知手段により障害物34の存在が検知されている状態で、煙(熱)感知器180が火災発生を感知した場合(図26のステップS101)には、シャッター装置は、図26に示されているフローチャート図のステップ102以降の処理に基づいた動作を行う。すなわち、障害物34が取り除かれていればシャッターカーテン1は自重降下を行い、この自重降下中にシャッターカーテン1が障害物34あるいは別の障害物に再度当接した場合には、このシャッターカーテン1の自重降下は、機械式シャッターカーテン停止装置により機械式に停止されることになる。
なお、本実施形態においても、上述したように、シャッターカーテン1の電動による閉じ移動中において、本実施形態に係る電気式障害物検知手段により障害物34の存在が検知されたとき、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されるまでは、制御装置27によるシャッターカーテン1の停止制御が継続されるようにした場合において、障害物34は除去されたが、まだ操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されない状態において、煙(熱)感知器180が火災発生を感知した場合にも、シャッター装置は、上述したように、図26に示されているフローチャート図のステップ102以降の処理に基づいた動作を行う。
図34は、電気式障害物検知手段の第2別実施形態を示す図1と同様の図である。
図34に示すように、本実施形態に係る電気式障害物検知手段220は、シャッターカーテン1の可動部70Bとなっているカーテン副部71B(図14参照)の閉じ側の端部(図14では下面部)、言い換えると、カーテン副部71Bにおけるシャッターカーテン1の閉じ移動方向の先端部に設けられたテープスイッチ221と、このテープスイッチ221と図示しないリード線で接続され、カーテン主部71Aに設けられ、光信号224を送信する送信部222と、この送信部222から送信された前記光信号224を受信する受信部223と、を含んで構成されている。なお、図示されていないが、送信部222及び受信部223は、バッテリ電源からの電力供給で動作するものである。また、受信部223は、制御装置27に図示しないリード線で接続されている。なお、制御装置27には、受信部223が、送信部222から送信された光信号224を受信しているかどうか監視する図示しない監視回路を備えている。
通常時において、操作装置30の「開」ボタン30Aが操作されることにより、シャッターカーテン1は電動による閉じ移動を行うが、この閉じ移動の途中で図33に示す障害物34が存在し、カーテン副部71Bの閉じ側の端部に設けられたテープスイッチ221が障害物34に当接することにより、このテープスイッチ221が作動する。この結果、テープスイッチ221がリード線で接続されている送信部223から光信号224が送信される。この光信号224を受信部212が受信すると、この受信部223が光信号224を受信していることが制御装置27の監視回路により判定される。この結果、制御装置27では、閉じ移動の途中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した状態、すなわち、障害物検知状態となる。これにより、制御装置27は、前述した図1〜図32の実施形態に係る電気式障害物検知手段となっている第2処理装置38のマイクロスイッチ170が作動した場合と同様の障害物34に対する制御処理を行う。すなわち、図24に示されているフローチャート図のステップS12における判定処理において、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が作動したかどうかを、受信部223が送信部222から送信された光信号224を受信したかどうか(制御装置27の監視回路による判定)に置き換えた制御処理が行われる。
以上説明したように、本実施形態に係る電気式障害物検知手段は、接触式スイッチ手段であるテープスイッチ221を含んで構成されたものとなっている。なお、本実施形態において、電気式障害物検知手段である接触式スイッチ手段は、カーテン主部71Aとカーテン副部71Bのうちのいずれか一方に設けられ、シャッターカーテン1が閉じ移動の途中で当接した障害物34でカーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して移動することにより作動するマイクロスイッチを含んで構成されるものでもよい。例えば、図14に示されているカーテン主部71Aの下面71Cと、カーテン副部71Bの上面71Dのうちの一方に、上下方向に伸縮するボタン型のマイクロスイッチを設けるようにしてもよい。なお、この場合には、マイクロスイッチはリード線で送信部222に接続する必要がある。
なお、本実施形態では、電気式障害物検知手段は、上述したように、テープスイッチ221と、送信部222及び受信部223とを含んで構成されるものであるが、前述した図1〜図32の実施形態で備えられていた接触式スイッチ手段である前記マイクロスイッチ170も備えるようにしてもよい。すなわち、電気式障害物検知手段は、二つの接触式スイッチ手段を併用したものでもよい。これにより、通常時において、一方の接触式スイッチ手段であるテープスイッチ211が故障しても、他方の接触式スイッチ手段であるマイクロスイッチ170の作動による障害物34に対する回避処理を行わせることが可能となる。
図35及び図36は、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cの両方を外部から視認できない位置に配置した実施形態を示す図であり、図35は、この実施形態に係るシャッター装置の全体を示す正面図であり、図36は、ロック用ワイヤー36をロックして、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とを機械式に結合するためのこの実施形態に係る機械式結合装置239を示す縦断面図である。
前述した実施形態では、第1処理装置37と第2処理装置38は、まぐさ16にボルト又は溶接等で固定配置されたベース部材44の上面に配置されており、このため、第1処理装置37と第2処理装置38はベース部材44で連結されたユニット構造物45となっていた(図5参照)。
しかし、図35及び図36で示すこの実施形態では、第1処理装置37と第2処理装置38はユニット化されたユニット構造物となってはおらず、図35に示すように、第1処理装置37は、まぐさ16における左右のガイドレール6のうちの一方である左側のガイドレール6の上端部近傍に配置されており、第2処理装置38は、まぐさ16における左右のガイドレール6のうちの他方である右側のガイドレール6の上端部近傍に配置されており、このため、第1処理装置37と第2処理装置38は、同じ高さ位置に水平方向に離間して配置されている。なお、図示されていないが、本実施形態においても、障害物検出手段となっている接触式スイッチ手段である前記マイクロスイッチ170が、第2処理装置38の図示しない機枠に取り付けられている。
ロック用ワイヤー36の第1部分36Bのうち、第1処理装置37から繰り出されて垂下した部分は、左側のガイドレール6の内部に配置されており、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cのうち、第2処理装置38から繰り出されて垂下した部分は、右側のガイドレール6の内部に配置されている。
ロック用ワイヤー36をロックするための機械式結合装置239を収納するケース201の幅寸法(シャッターカーテン1の幅方向である左右方向の寸法)は、シャッターカーテン1の幅寸法と略同じとなっている。
本実施形態に係る機械式結合装置239のケース201は、図36で示されている裏面部201A及び上面部201Bと、図示されていない正面部とを有しており、これらの幅寸法は、シャッターカーテン1の幅寸法と略同じとなっているため、ケース201の幅方向である左右方向の端部は、図35に示すように、シャッターカーテン1の幅方向の端部と共に、ガイドレール6の内部にスライド自在に挿入される。したがって、ガイドレール6に設けられている開口部の幅寸法(図35での紙面表裏方向の寸法)は、機械式結合装置239のケース201の幅方向の端部が挿入可能な大きな寸法を有している。
また、図36に示されているように、ケース201の内部には、挟着部材である第1レバー部材61と第2レバー部材62等が配置されているが、これらのレバー部材61,62等の配置位置は、前述の実施形態に係る機械式結合装置39のケース55の内部に配置されているレバー部材61,62等の配置位置と同じ又は略同じとなっている。
また、ケース201の内部には、ロック用ワイヤー36を案内する4個の回転自在なローラ202,203,204,205がシャッターカーテン1の幅方向に離れて配置されているとともに、これらのローラ202,203,204,205と共にロック用ワイヤー36を案内するためのピン等による複数のガイド部材60も配置されている。
ケース201の内部における2個のレバー部材61,62の左右近傍に配置されている2個のローラ203,204の配置位置は、図7の実施形態に係る機械式結合装置39のケース55の内部に配置されている2個のローラ58,59の配置位置と同じ又は略同じとなっている。一方、ケース201の内部におけるシャッターカーテン1の幅方向の端部に配置されている2個のローラ202,205は、左右のガイドレール6の内部で垂下して配置されているロック用ワイヤー36の第2部分36C,第1部分36Bを水平方向に案内するものとなっている。
また、図36に示されているように、左右のガイドレール6の内部に垂下して配置されているロック用ワイヤー36が出入りする孔56,57は、ケース201の上面部201Bにおけるこのケース201の幅方向の両端部に形成されている。なお、ケース201の両方の側面部には突片部201Dが形成され、これらの突片部201Dを利用して機械式結合装置239は、図35で示されているシャッターカーテン1の座板1Bのうちの所定部分、すなわち、図8等で示されている固定部70Aに相当する部分に取り付けられる。
以上説明したように、図35及び図36の実施形態では、ロック用ワイヤー36の第1部分36B及び第2部分36Cが、左右のガイドレール6の内部に配置されている。このため、本実施形態によると、ロック用ワイヤー36の第1部分36B及び第2部分36Cを外力から保護できるようになる。また、この実施形態でも、ロック用ワイヤー36の第1部分36B及び第2部分36Cは、機械式結合装置239が配置されている固定部を除くカーテン主部からシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に配置されていて、カーテン主部と干渉していないため、ロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1が開閉移動しているときに、この開閉移動を阻害することはなく、この開閉移動を円滑に行わせることができる。
なお、左右のガイドレール6の内部におけるロック用ワイヤー36の第1部分36B及び第2部分36Cの左右方向の位置を、シャッターカーテン1の幅方向の端部の端面よりもガイドレール6の内側(奥側)に配置してもよい。これによると、ロック用ワイヤー36の第1部分36B及び第2部分36Cは、機械式結合装置239が配置されている固定部を除くカーテン主部からシャッターカーテン1の幅方向に離れた位置に配置されることになり、これによっても、シャッターカーテン1が開閉移動しているときに、この開閉移動を円滑に行わせることができる。このようにロック用ワイヤー36の第1部分36B及び第2部分36Cの左右方向の位置を、シャッターカーテン1の幅方向の端部の端面よりもガイドレール6の内側に配置するためには、例えば、ケース201に、シャッターカーテン1の幅方向の両方の端部の端面よりも外側へ突出する2個の部分を設け、これらの突出部分に、まぐさ16と接触させずにまぐさ16のスリット17に挿通させたロック用ワイヤー36の第1部分36B及び第2部分36Cを垂下させるようにすればよい。
なお、以上説明した図34〜図36の各実施形態においても、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、制御装置27は、シャッターカーテン1を反転上昇させる制御は行わずに、シャッターカーテン1を障害物34と当接した位置で停止させる制御を、この停止制御の後で障害物34が除去されたか否かにかかわらず、継続するようにしてもよい。
また、以上説明した図34〜図36の各実施形態においても、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、制御装置27は、シャッターカーテン1を反転上昇させる制御は行わずに、シャッターカーテン1を障害物34と当接した位置で停止させる制御を行い、この停止制御の後で障害物34が除去された場合でも、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されるまでは、再度シャッターカーテン1を電動により閉じ移動させる制御は行わないようにしてもよい。
なお、以上説明した図34〜図36の各実施形態においても、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接し、電気式障害物検知手段により障害物34の検知がされている状態で、煙(熱)感知器180が火災発生を感知した場合(図26のステップS101)には、シャッター装置は、図26に示されているフローチャート図のステップ102以降の処理に基づいた動作を行う。
なお、以上説明した図34〜図36の各実施形態においても、上述したように、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されるまでは、制御装置27によるシャッターカーテン1の停止制御が継続されるようにした場合において、障害物34は除去されたが、まだ操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されない状態において、煙(熱)感知器180が火災発生を感知した場合にも、シャッター装置は、上述したように、図26に示されているフローチャート図のステップ102以降の処理に基づいた動作を行う。
以上説明したそれぞれの実施形態に係るシャッター装置は、不動部材とシャッターカーテンとの間に架け渡された部分を有する架け渡し部材が、折り返し部を有するU字形状のものであったが、次に、架け渡し部材が、機械式結合装置と対応する部分を除き、直線状に延びているものとなっている実施形態に係るシャッター装置について説明する。
図37は、この実施形態に係る管理及び防災の併用シャッター装置を示しており、図38は、図37のS38−S38線断面図である。
この実施形態でも、図1や図2等で説明した開閉機13及び自動閉鎖装置32が用いられており、開閉機13を機械式あるいは電気式に制御するための制御装置となっている自動閉鎖装置32には、図18〜図22で示した実施形態と同様に、第1〜第3制御用ワイヤー111〜113の一方の端部が連結されている。このため、以下の説明では、既に述べている開閉機13、自動閉鎖装置32及び第1〜第3制御用ワイヤー111〜113の構造及び作用については省略することとする。
また、この実施形態でも、図37に示されているように、開閉機13及び自動閉鎖装置32はシャッターカーテン301の幅方向の中央位置Bに配置されておらず、これらの開閉機13及び自動閉鎖装置32は、シャッターカーテン301の開閉移動を案内する左右のガイドレール306のうち、一方のガイドレール306Aに近い位置に配置されている。
そして、この実施形態では、この一方のガイドレール306Aの内部には、本実施形態における架け渡し部材であって紐状部材となっているローラチェーン335が収納配置されている。また、この実施形態における機械的部材となっているローラチェーン335は、シャッターカーテン301に対して不動部材となっているまぐさ16からシャッターカーテン301の内部を経て、シャッターカーテン301に対して不動部材となっているガイドレール306Aの下端まで延びている。このため、ローラチェーン335は、不動部材からシャッターカーテン301まで架け渡された部分を有している。ローラチェーン335の下端は、ピン等による結合部材336でガイドレール306A又は床4に結合されており、ローラチェーン335の上端は、この上端を処理するためにまぐさ16に配置されている処理装置337に連結されている。
この処理装置337は、後述の説明で分かるように、この実施形態における遅延装置となっている。
また、この処理装置337は、ローラチェーン335と自動閉鎖装置32との間に配置された中間装置にもなっており、処理装置337は、図38及び図39にも示されている。図39は、図38に対して表裏が逆となって示された図となっている。図39に示されているように、処理装置337は、この装置337の機枠338に結合された水平な中心軸339Aを中心に回動自在となっている回動部材339と、機枠338に結合された支点軸340Aを中心に上下に揺動自在となっているレバー部材340とを有する。レバー部材340の一方の端部には、弾性部材であるコイルばね341を介してローラチェーン335の上端が連結され、レバー部材340の他方の端部は、回動部材339に結合されたピン342を介して回動部材339に連結されている。このピン342は、レバー部材340に形成された長孔340Bに挿入されているため、レバー部材340が支点軸340Aを中心に上下に揺動したときには、回動部材339は中心軸339Aを中心に上下に回動する。
図39に示されているように、本実施形態では、架け渡し部材はローラチェーン335、電気式障害物検知手段はマイクロスイッチ270となっている。このマイクロスイッチ270には、ばねでマイクロスイッチ270から突出する方向へ付勢されている作動部材(アクチュエータ)271が設けられており、このマイクロスイッチ270は、まぐさ16に配置された処理装置337の機枠338に、作動部材271が回動部材339に向かって斜め上向きに突出するように固定配置されている。
本実施形態においても、マイクロスイッチ270は、閉じ移動中のシャッターカーテン301が障害物34に当接した後から、このシャッターカーテン301の閉じ移動が機械式シャッターカーテン停止装置により停止されるまでの間には作動するようになっている。
また、本実施形態においても、マイクロスイッチ270は、図37に示すシャッターカーテン301の幅方向(左右方向)の中央位置Bに配置されておらず、中央位置Bからシャッターカーテン301の幅方向のうちの一方の側へ変位している位置、すなわち、開閉機13が配置されている側の位置に配置されている。
図38及び図39に示されている処理装置337の機枠338に取り付けられているマイクロスイッチ270は、図38に示すように、巻取軸11から繰り出されるシャッターカーテン301の厚さ方向中央位置を基準として、この中央位置よりも巻取軸11側、すなわち、制御装置27側に配置されている。
また、図38に示されているように、この実施形態に係るシャッターカーテン301も、天井部材5に配置されたまぐさ16のスリット17を通って天井部材5の下側に垂下されており、ローラチェーン335は天井部材5の上下に跨る長さを有しているとともに、このローラチェーン335は、まぐさ16と接触せずにこのまぐさ16のスリット17に挿通されている。
図40は、シャッターカーテン301のエンド部材となっている座板301Bのうち、ガイドレール306A側の部分を拡大して示した正面図である。また、図41は、座板301Bの内部構造を示す正断面図であり、図42は、図41のS42−S42線断面図、図43は、図41のS43−S43線断面図である。図43には、シャッターカーテン301の構成が示されており、この実施形態のシャッターカーテン301も、図43で示されているように、上下に連設された多数のスラット326で形成されていて、開閉体本体となっているカーテン本体301Aと、このカーテン本体301Aの下端部に設けられ、エンド部材となっている座板301Bとを有する。また、座板301Bは、カーテン本体301Aの下部に固定された固定部370Aと、この固定部370Aの下側に配置され、固定部370Aに対して上下方向に移動可能となっている可動部370Bとからなる。
また、図43に示されているように、シャッターカーテン301は、カーテン主部371Aと、カーテン副部371Bとを有し、カーテン主部371Aは、カーテン本体301Aと、座板301Bのうちの固定部370Aとによって構成されており、カーテン副部371Bは、座板301Bのうちの可動部370Bで構成されている。このカーテン副部371Bは、シャッターカーテン301の閉じ側の端部に配置されている。そして、カーテン主部371Aは、本実施形態における開閉体主部となっており、カーテン副部371Bは、本実施形態における開閉体副部となっている。
座板301Bの固定部370Aは、共に断面箱型となった外部材375と内部材376とを含んで形成されており、外部材375は、シャッターカーテン301の厚さ方向に分割配置された2個の分割部材375A,375Bで形成され、これらの分割部材375A,375Bは、カーテン本体301Aの下端部にボルト、ナット等による結合具377で結合されている。内部材376は、シャッターカーテン301の厚さ方向に間隔を開けて配置された前面部376A及び後面部376Bと、これらの前面部376Aと後面部376Bの上端同士を連結している上面部376Cとからなる。また、外部材375と内部材376の下面は開口部378となっている。
可動部370Bとなっているカーテン副部371Bは、上面が開口した中空の可動部材390と、この可動部材390の内部に昇降自在に収納された昇降部材391と、可動部材390に対して昇降部材391を上向きに弾性的に常時押し上げている弾性部材392とを含んで構成されている。この弾性部材392は、本実施形態では山形の形状に折り曲げられた板ばねによって形成されているとともに、この板ばね392の中央の上端部は昇降部材391にリベット等の止着具393で止着され、板ばね392の両方の下端部は、可動部材390の底面部390Aの上面にスライド自在に接触配置されている。
昇降部材391の上面部391A,391Bは、シャッターカーテン301の厚さ方向外側に水平に延出し、これらの上面部391A、391Bは、上記開口部378から内部材376の内部に挿入されている。また、外部材375の下面部375C,375Dは、シャッターカーテン301の厚さ方向外側に水平に延出し、可動部材390の上面部390B,390Cは、シャッターカーテン301の厚さ方向内側に水平に延出し、これらの上面部390B,390Cは、外部材375の下面部375C,375Dの上面と上下に対向している。このため、可動部材390の上面部390B,390Cが外部材375の下面部375C,375Dの上に乗ったときに、前述した可動部370Bは固定部370Aに対する下降限位置に達することになり、このため、前述したカーテン副部371Bはカーテン主部371Aに対してそれ以上下降することはない。
図43に示されているように、前述した固定部370Aの内部には、シャッターカーテン301の幅方向に延びる支点軸380を中心に上下揺動自在となった揺動部材381が収納されている。図45で示されているように可動部370Bが固定部370Aに対して上昇したときには、すなわち、シャッターカーテン301が閉じ移動しているときに可動部材390が図35で示した障害物34に当接したときには、この可動部材390に弾性部材392を介して連結されている昇降部材391の上面部391Aが揺動部材381の突出片381Aを押し上げることにより、揺動部材381は支点軸380を中心に上向きに揺動する。
外部材375と、内部材376と、可動部材390と、昇降部材391と、揺動部材381は、例えば、アルミ合金製等の押し出し成形品又は引き抜き成形品で形成されている。このため、これらの外部材375と、内部材376と、可動部材390と、昇降部材391と、揺動部材381は、シャッターカーテン301の幅方向への長さを有している。揺動部材381の揺動中心部となっている支点軸380は内部材376に一体に形成されており、この支点軸380もシャッターカーテン301の幅方向への長さを有している。また、前述した板ばねによる弾性部材392は、シャッターカーテン301の幅方向に間隔を開けて複数個配置されている。
図43に示されているように、外部材375の前述した2個の分割部材375A,375Bは、互いにシャッターカーテン301の厚さ方向に重ね合わせられて上方へ延出した延出部375E,375Fを有し、これらの延出部375E,375Fは、前述したカーテン本体301Aを形成しているそれぞれのスラット326のうち、最下部のスラット326Aに前述した結合具377で結合されている。それぞれのスラット326は、図35で示されている左右のガイドレール306の内部に左右の両端部が挿入されるだけのシャッターカーテン301の幅方向への長さを有している。また、延出部375E,375Fを含む2個の分割部材375A,375Bと、内部材376と、可動部材390と、昇降部材391と、揺動部材381は、左右のガイドレール306の内幅間隔よりも短くなっているシャッターカーテン301の幅方向への長さを有している。
図41で示されているように、内部材376及び揺動部材381におけるガイドレール306A側の端部376D,381Bは、ガイドレール306Aから所定距離だけ離れており、外部材375の内部における、端部376D,381Bがガイドレール306Aから離れておける部分には、保持部材350が配置されている。外部材375の2個の分割部材375A,375Bに溶接又は止着具等で結合されているこの保持部材350は、内部材376と同じ断面形状を有しているため、保持部材350は、図42に示されているように、シャッターカーテン301の厚さ方向に間隔を開けて配置された前面部350A及び後面部350Bと、図41に示されているように、これらの前面部350Aと後面部350Bの上端同士を連結している上面部350Cとからなる。また、図41及び図42に示されているように、保持部材350の前面部350Aと後面部350Bには、ガイドレール306A側へ延びる延出部材351がリベット等の止着具352で止着されている。この延出部材351は、シャッターカーテン301の厚さ方向に間隔を開けて配置された前面部351A及び後面部351Bと、これらの前面部351Aと後面部351Bの上端の一部同士を連結している上面部351Cとからなる。
なお、図40に示されているように、延出部材351の前面部351Aと後面部351Bを保持部材350の前面部350Aと後面部350Bに止着具352で止着できるようにするために、保持部材350の前面部350Aと後面部350Bの外側に被せられている外部材375の2個の分割部材375A,375Bには、延出部材351の前面部351Aと後面部351Bを挿入配置することができる切欠部353が形成されている。
図42で示されているように、延出部材351の前面部351Aと後面部351Bについてのシャッターカーテン301の厚さ方向の間隔は、保持部材350の前面部350Aと後面部350Bに止着具352で止着される部分を除くと、シャッターカーテン301のカーテン本体301Aをガイドレール306Aの内部に挿入するためにこのガイドレール306Aに設けられている開口部354についてのシャッターカーテン301の厚さ方向の寸法よりも小さくなっている。このため、延出部材351のガイドレール306A側の部分は、ガイドレール306Aの内部に挿入されている。
図41に示されているように、延出部材351の内部には第1スプロケットホイール361が回転自在に配置され、保持部材350の内部には、第1スプロケットホイール361よりも少し下側において、第2スプロケットホイール362が回転自在に保持され、延出部材351の内部には、第2スプロケットホイール362よりも少し下側において、第3スプロケットホイール363が回転自在に配置されている。延出部材351における第1及び第3スプロケットホイール361,363の配置位置は、ガイドレール306Aの内部である。
前述したように、上端が図38及び図39で示されている処理装置337に上端が連結されたローラチェーン335は、処理装置337からガイドレール306Aの内部へ挿入されており、このローラチェーン335は、図41に示されているように、第1スプロケットホイール361の下部に掛け回されてから第2スプロケットホイール362に掛け回されている。そして、ローラチェーン335は、第3スプロケットホイール363の上部に掛け回されてからガイドレール306Aの内部を通って下方へ延びており、ローラチェーン335の下端は、図37で示した結合部材336の配置位置まで達している。このため、ローラチェーン335には、図41で示されているように、処理装置337から第1スプロケットホイール361までの第1部分335Aと、第1スプロケットホイール361から第2スプロケットホイール362を経由して第3スプロケットホイール363までの第2部分335Bと、第3スプロケットホイール363から結合部材336までの第3部分335Cと、がある。
シャッターカーテン301が左右のガイドレール306で案内されて上下に開閉移動することは、このシャッターカーテン301の開閉移動により、ローラチェーン335の第1及び第3部分335A,335Cの長さが変化し、シャッターカーテン301に対してローラチェーン335の第2部分335Bが移動することによって行われる。このようにシャッターカーテン301に対してローラチェーン335の第2部分335Bが移動するときには、3個のスプロケットホイール361〜363が回転するため、これらのスプロケットホイール361〜363は、シャッターカーテン301が開閉移動した際に、シャッターカーテン301に対してローラチェーン335の第2部分335Bが移動できるようにするためにローラチェーン335を案内するための案内部材となっている。
図42に示されているように、上述した開口部354が入口となっているガイドレール306Aの内部には、第1及び第3スプロケットホイール361,363を挿入できる第1空間部355と、この第1空間部355よりも奥側に形成され、第1空間部355よりもシャッターカーテン301の厚さ方向の寸法が小さくなっている第2空間部356とが形成されている。図41に示されているように、第2空間部356に、ローラチェーン335の第1及び第3部分335A,335Cが配置され、このため、これらの第1及び第3部分335A,335Cは、ガイドレール306Aの内壁面に接触することなく、ガイドレール306Aに内部に挿入されている。
そして、このようなローラチェーン335のシャッターカーテン301に対する位置関係により、この実施形態おける架け渡し部材となっているローラチェーン335の第1及び第3部分335A,335Cは、シャッターカーテン301の幅方向の端部から、このシャッターカーテン301の幅方向に離れてガイドレール306Aの内部に配置されていることになる。
また、図41に示されているように、前述した保持部材350の内部には、第2スプロケットホイール362と同軸的に配置されたラチェットホイール365が回転自在に保持されており、外周部に複数の爪部365Aが等間隔で形成されているこのラチェットホイール365は、図42に示されているように、第2スプロケットホイール362と軸部362Aで結合一体化されている。このため、第2スプロケットホイール362とラチェットホイール365は、一体となって回転する回転部材となっている。
以上のことから、本実施形態では、第2スプロケットホイール362は、開閉移動しているときのシャッターカーテン301に対してローラチェーン335の移動を回転運動によって案内するための第1運動部材になっているとともに、ラチェットホイール365は、この第1運動部材に連結され、この第1運動部材と一体となって回転運動する第2運動部材となっている。
保持部材350の内部には、図41で示されているように、第2スプロケットホイール362の配置位置よりも前述した揺動部材381に近い位置において、ラチェット部材366が上下に揺動自在に保持されている。このラチェット部材366は、図42に示されているように、シャッターカーテン301の厚さ方向に間隔を開けて配置された前面部366A及び後面部366Bと、これらの前面部366Aと後面部366Bの下端同士を連結している底面部366Cとを有する。前面部366Aと後面部366Bが保持部材350の前面部350Aと後面部350Bにピン等による支点軸367で揺動自在に連結されることにより、ラチェット部材366は、上下に揺動自在となっている。
また、図41に示されているように、ラチェット部材366の底面部366Cには、ラチェットホイール365側へ突出した爪部366Dが形成されており、この爪部366Dは逆V字形状となっている。また、ラチェット部材366の底面部66Cには、揺動部材381側へ突出した突出部366Eが形成されている。ラチェット部材366の全体の重心位置に対する支点軸367の配置位置により、通常時のラチェット部材366は、図41に示されているように、突出部366Eが下側となった傾き姿勢となっている。揺動部材381の前述した突出片381Aの上面には押圧部材394が取り付けられており、通常時におけるラチェット部材366の突出部366Eは、この押圧部材394の上に乗っている。
シャッターカーテン301が閉じ移動しているときに、ラチェット部材366が支点軸367を中心に揺動することにより爪部366Dがラチェットホイール365の爪部365Aに噛み込んだ場合には、ラチェットホイール365及び第2スプロケットホイール362の回転が阻止されるため、シャッターカーテン301に対してローラチェーン335がロックされた状態となり、言い換えると、シャッターカーテン301とローラチェーン335とが機械式に結合された状態となり、これにより、シャッターカーテン301の閉じ移動を停止させることができる。
このため、本実施形態では、ラチェットホイール365とラチェット部材366により、開閉移動中のシャッターカーテン301に対してローラチェーン335を機械式にロック状態とし、これらのシャッターカーテン301とローラチェーン335とを機械式に結合された状態とするための機械式結合装置368が構成されている。そして、ラチェット部材366は、上述のように第2運動部材となっているラチェットホイール365の回転運動を抑止するための抑止部材となっている。
また、シャッターカーテン1におけるラチェットホイール365とラチェット部材366の配置位置により、機械式結合装置368は、図5や図8で示されている実施形態に係る機械式結合装置39と同様に、シャッターカーテン301の座板301Bのうち、固定部370Aの内部に組み込まれている。すなわち、機械式結合装置368は、シャッターカーテン301の前述したカーテン主部371Aを構成しているカーテン本体301Aと、座板301Bの固定部370Aとのうち、固定部370Aに配置されている。また、機械式結合装置368は、機械式結合装置39と同様に、シャッターカーテン301が全開位置に達している状態からシャッターカーテン301が全閉位置に達するまでの間(言い換えると、常時)、マイクロスイッチ270よりもシャッターカーテン301の閉じ移動方向側、すなわち、下側に位置するようになっている。
そして、ローラチェーン335は、機械式結合装置368が配置されているシャッターカーテン301のこの固定部370Aを除き、シャッターカーテン301からこのシャッターカーテン301の幅方向に離れていることになる。また、ローラチェーン335は、機械式結合装置368と対応する部分となっている前述の第2部分335Bを除き、ガイドレール306Aの内部において直線状に延びているものとなっている。
図43で説明した可動部材390のガイドレール306A側の端部には、図41で示されているように、このガイドレール306A側へ延びている延長部材395がリベット等の止着具396で止着され、上向きに開口したチャンネル材で形成されているこの延長部材395の先部はガイドレール306Aの内部に挿入されている。このような延長部材は、図41で示された可動部材390の端部とは反対側の端部にも設けられており、この延長部材の先部は、図37で示されたガイドレール306Bの内部に挿入されている。これにより、図37で示されている障害物34がガイドレール306Aの内部又はガイドレール306Bの内部に存在していても、延長部材を介して可動部材390は、シャッターカーテン301の前述した固定部370Aを構成している外部材375や内部材376に対して上昇することになる。
図39で説明した処理装置337の回動部材339の背後には、ぜんまいばね等による戻しばね400が配置されている。この戻しばね400の戻し力は、回動部材339をC’方向へ回動させるように、すなわち、ローラチェーン335を前述したレバー部材340を介して引き上げる方向に回動部材339を回動させるように、回動部材339に作用している。回動部材339には、中心軸339Aを中心とする円弧状の長孔339Bが形成され、この長孔339Bには、処理装置337の機枠338に取り付けられたストップ部材401が挿入され、このストップ部材401により、回動部材339の回動量が一定量に規制されている。
回動部材339の外周部の一部にはギヤ歯339Cが形成されており、このため、この実施形態の回動部材339も、図17で説明した実施形態に係る第2処理装置38の回動部材42と同じく、一部にギヤ歯339Cが形成されたセクターギヤとなっている。また、処理装置337には、図17で説明した実施形態に係る第2処理装置38と同じく、2個のロータリー式のダンパー402が配置され、これらのダンパー402のピニオンギヤ403は、回動部材339のギヤ歯339Cと噛み合っている。これらのダンパー402の構造及び作用は、図17で説明した実施形態に係る第2処理装置38のダンパー102と同様になっており、このため、ピニオンギヤ403の回転中心軸404には、ワンウエイクラッチを介して複数のブレードが取り付けられており、回動部材339がC’方向に回動することでピニオンギヤ403及び中心軸404がE’方向に回転した場合には、ワンウエイクラッチを介してそれぞれのブレードが、ダンパー402の内部に充填されている粘性流体内において回転する。このため、粘性流体の抵抗力により回動部材339は、C’方向へ低速で回動することになる。一方、回動部材339がC’方向とは逆のD’方向に回動し、ピニオンギヤ403及び中心軸404がF’方向に回転した場合には、このF’方向への回転は、ワンウエイクラッチの切断作用によりそれぞれのブレードに伝達されない。このため、回動部材339は、D’方向へは高速で回動することができる。
また、図37及び図38で示されている前述の自動閉鎖装置32まで一方の端部が延出している前述の第1制御用ワイヤー111の他方の端部は、図39に示されているように、回動部材339に連結されている。
以上説明したこの実施形態に係るシャッター装置が設置された建物において、シャッターカーテン301が全開となっているときに、火災等の災害が発生した場合にも、図1の実施形態に係るシャッター装置の場合と同様に、自動閉鎖装置32及び開閉機13の前述した作動により、シャッターカーテン301は自重で閉じ移動し、このシャッターカーテン301による防災区画が形成される。
また、シャッターカーテン301が全開となっているときに、火災等の災害が発生することにより、シャッターカーテン301が自重で閉じ移動しているときに、図37で示す障害物34が存在している場合には、シャッターカーテン301の閉じ移動の途中において、このシャッターカーテン301の閉じ側の先端部に配置されているカーテン副部371Bが、言い換えると、シャッターカーテン301の座板301Bの下側部分を形成している前述の可動部材390が障害物34に当接し、この当接のために可動部材390の下降が停止する。
可動部370Bの下降が停止しても、カーテン本体301Aと、座板301Bのうちの前述した固定部370Aとで構成される前述のカーテン主部371Aは、自重で下降するため、この下降で生ずるカーテン主部371Aに対する可動部材390の相対的な上昇により、この可動部材390に弾性部材392を介して連結されている昇降部材391も、図45で示されているように、カーテン主部371Aに対して相対的に上昇する。この上昇が生ずると、揺動部材381は支点軸380を中心に上向きに揺動し、この揺動により、図41で示す押圧部材394の上に突出部366Eが乗っていたラチェット部材366は、支点軸367を中心に爪部366Dが下側となる揺動運動を行う。このときの状態が図44で示されている。
ラチェット部材366が支点軸367を中心に爪部366Dが下側となる揺動運動を行うと、ラチェット部材366の爪部366Dがラチェットホイール365の爪部365Aに噛み込むため、ラチェットホイール365及び第2スプロケットホイール362の回転は停止し、閉じ移動しているシャッターカーテン301に対してローラチェーン335は機械式にロックされた状態になる。言い換えると、ラチェットホイール365とラチェット部材366で構成されている前述した機械式結合装置368が作動し、この作動により、シャッターカーテン301とローラチェーン335とが機械式結合装置368で機械式に結合された状態になる。
このようにシャッターカーテン301とローラチェーン335とが機械式結合装置368で機械式に結合された状態になると、障害物34のへこみ変形分だけ、可動部材390を含めたシャッターカーテン301の全体はさらに下降するため、ローラチェーン335の前述した第1部分335Aには、シャッターカーテン301の重量による大きな緊張力が作用する。
なお、障害物34がへこみ変形しない又はへこみ変形量が小さい硬質の物体である場合には、障害物34に当接した可動部材390は、障害物34の硬質の性質によってそれ以上に下降しない又は殆ど下降しないことになる。しかし、本実施形態では、前述したように、可動部材390と昇降部材391とは板ばねによる弾性部材392で連結されており、可動部材390が硬質の障害物34のために一定の高さ位置に停止することになっても、揺動部材381及びラチェット部材366が配置されているカーテン主部371Aは、弾性部材392の弾性変形により、可動部材390に対して図45で示した距離K分だけ下降できる状態となっている。このため、可動部材390が硬質の障害物34のために下降しない又は殆ど下降しなくても、カーテン主部371Aは、可動部材390と昇降部材391と弾性部材392の重量を除くシャッターカーテン301の重量により、距離K分下降することができ、この下降により、弾性部材392の上向き弾性力が作用している昇降部材391は、カーテン主部371Aに対して相対的に上昇することになる。
このため、障害物34がへこみ変形しない又はへこみ変形量が小さい硬質の物体である場合にも、前述した場合と同様に、閉じ移動しているシャッターカーテン301に対してローラチェーン335は、機械式結合装置368で機械式にロックされた状態になり、ローラチェーン335の第1部分335Aには、シャッターカーテン301の重量による大きな緊張力が作用する。
また、可動部材390には、前述したように、左右のガイドレール306の内部に挿入された延長部材395が設けられているため、障害物34がこれらのガイドレール306の内部に存在している場合にも、上述したことから分かるように、カーテン主部371Aに対する可動部材390等の相対的な上昇が生ずることになる。このため、この場合にも、閉じ移動しているシャッターカーテン301とローラチェーン335とが機械式結合装置368で機械式に結合された状態になり、ローラチェーン335の第1部分335Aには、シャッターカーテン301の重量による大きな緊張力が作用することになる。
このようにローラチェーン335の第1部分335Aに大きな緊張力が作用すると、図39で示した処理装置337に設けられているレバー部材340の支点軸340Aを中心とする揺動による反転作用により、処理装置337の回動部材339は、前述した戻しばね400に抗して図39のD’方向に回動し、この回動量は、前述のストップ部材401が挿入されている円弧状の長孔339Bの長さに応じたものとなる。このときの回動は、ロータリー式のダンパー402のピニオンギヤ403をF’方向に回転させるが、このF’方向へのピニオンギヤ403の回転では、前述したとおり、ダンパー402に粘性流体による抵抗力は発生しない。このため、ローラチェーン335に作用した緊張力により回動部材339は高速でD’方向へ回動することになり、この回動部材339に一方の端部が連結されている第1制御用ワイヤー111は、図17で示した実施形態に係る第2処理装置38の場合と同じく、引っ張られることになる。
このように第1制御用ワイヤー111が引っ張られることにより、前述した自動閉鎖装置32は、前述した説明から分かるように、開閉機13のブレーキ手段19をオフからオンに切り替えるため、障害物34に当接したシャッターカーテン301は、その当接位置で閉じ移動を停止することになる。
本実施形態に係る機械式結合装置368は、ラチェットホイール365と、このラチェットホイール365に噛み込むラチェット部材366とよって構成されており、閉じ移動中のシャッターカーテン301に対してローラチェーン335の移動を案内する案内部材となっている第2スプロケットホイール362は、機械式結合装置368を構成する部材となっていない。また、閉じ移動中のシャッターカーテン301に対して移動するローラチェーン335により回転運動を行う第2スプロケットホイール362は、第1運動部材となっており、この第1運動部材に、第2運動部材となっているラチェットホイール365が連結され、このラチェットホイール365に、ラチェットホイール365の回転運動を抑止するための抑止部材となっているラチェット部材366が噛み込むことにより、シャッターカーテン301の閉じ移動は停止することになる。
このため、本実施形態によると、シャッターカーテン301の閉じ移動の停止を、ローラチェーン等の架け渡し部材に摩擦部材による摩擦力を作用させることによって行う場合よりも、シャッターカーテン301の閉じ移動を停止させるために発生させることができる機械式ロック力の大きさを大きくすることが可能となる。
上述したように、閉じ移動中のシャッターカーテン301が障害物34に当接し、開閉機13のブレーキ手段19がオンになって、シャッターカーテン301の閉じ移動が停止した後に、障害物34が除去されると、シャッターカーテン301の可動部材390は下降する。この下降により昇降部材391も下降し、揺動部材381は支点軸380を中心に下向きに戻り揺動し、ラチェット部材366も、支点軸367を中心に突出部366Eが下向きとなる戻り揺動するため、機械式結合装置368によるシャッターカーテン301とローラチェーン335との機械式結合状態は、解除される。
これにより、ローラチェーン335の第1部分335Aに作用していた緊張力は消滅し、図39の処理装置337の戻しばね400による戻し力が作用している回動部材339は、図39のC’方向に回動し、この回動により、第1制御用ワイヤー111に作用していた引っ張り力は消滅するため、自動閉鎖装置32の作動により、開閉機13のブレーキ手段19は、オンからオフへ再度切り替られ、シャッターカーテン301は閉じ移動を再開することとなる。
また、回動部材339が図39のC’方向に回動するときには、ロータリー式のダンパー402のピニオンギヤ103はE’方向に回転し、このE’方向についてはダンパー402に粘性流体による抵抗力が生ずるため、開閉機13のブレーキ手段19がオンからオフへ切り替られることは、ダンパー402の遅延作用により、瞬時に行われない。したがって、ローラチェーン335と第1制御用ワイヤー111とを連結するための装置となっている処理装置337は、遅延装置になっており、この遅延装置の遅延機能により、障害物34の除去によってシャッターカーテン301が閉じ移動を再開することは、図5の実施形態に係る第2処理装置38の場合と同じく、障害物34の除去から時間遅れをもって開始されることになるため、障害物34の除去作業を時間的余裕をもって行うことができる。
なお、この遅延装置を、ダンパー402の代わりに、図5の実施形態に係る第2処理装置38でも説明したように、例えば、ぜんまい式タイマーを含む機械式手段が採用されたものとしてもよい。
また、この実施形態でも、非常時において、自動閉鎖装置32の作動することにより、あるいは手動閉鎖装置184が操作されることにより、全開となっていたシャッターカーテン301が閉じ移動を開始し、この閉じ移動中のシャッターカーテン301が障害物34に当接した場合にも、機械式結合装置368はシャッターカーテン301とローラチェーン335とを結合状態とするため、ローラチェーン335には、緊張力が作用することになる。このため、このようにシャッターカーテン301の閉じ移動が、自動閉鎖装置32の作動することにより、あるいは手動閉鎖装置184が操作されることにより行われた場合にも、シャッターカーテン301の閉じ移動を停止させることができる。すなわち、非常時において、自動閉鎖装置32の作動することにより、あるいは手動閉鎖装置184が操作されることにより、全開となっていたシャッターカーテン301が閉じ移動を開始した後、シャッターカーテン301は、前述した図26〜図28のフローチャート図に示された動作を行う。
なお、この実施形態でも、通常時において、シャッターカーテン301が全開となっているときに、図35で示した操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されることによりシャッターカーテン301が閉じ移動を開始し、この閉じ移動中のシャッターカーテン301が障害物34に当接した場合、制御装置27は、前述した図24及び図25のフローチャート図に示された処理と同様の処理を実行する。
以上説明した本実施形態では、非常時におけるシャッターカーテン301の自重降下中の障害物34との当接の検知を機械式に行う非常時障害物検知手段である機械式障害物検知装置が備えられており、この機械式障害物検知装置は、ローラチェーン335と、処理装置337と、機械式結合装置368と、を含んで構成されるもの(以下で説明する各実施形態も略同様)となっている。
また、本実施形態においても、通常時におけるシャッターカーテン301の電動降下中の障害物34との当接の検知を電気式に行う通常時障害物検知手段である電気式障害物検知装置が備えられており、この電気式障害物検知装置は、ローラチェーン335と、処理装置337と、機械式結合装置368と、を含んで構成される前記機械式障害物検知装置と、マイクロスイッチ270と、を含んで構成されるもの(以下で説明する各実施形態も略同様)となっている。
この実施形態によると、機械的部材となっているローラチェーン335は、前述したように、機械式結合装置368が配置されているシャッターカーテン301の部分を除き、シャッターカーテン301の幅方向の端部からこのシャッターカーテン301の幅方向に離れているため、ローラチェーン335は、シャッターカーテン1が開閉移動しているときに、この開閉移動を阻害することはなく、この開閉移動を円滑に行わせることができる。
また、この実施形態によると、図38で説明したように、シャッターカーテン301は天井部材5に配置されたまぐさ16のスリット17を通って天井部材5の下側に垂下され、ローラチェーン335は天井部材5の上下に跨る長さを有しているとともに、このローラチェーン335は、まぐさ16と接触せずにこのまぐさ16のスリット17に挿通されているため、ローラチェーン335は、まぐさ16と干渉せず、このため、ローラチェーン335とまぐさ16の両者が損傷することを防止することができる。
また、ローラチェーン335の大部分は、ガイドレール306Aの内部とシャッターカーテン301の内部とに収納されているため、ローラチェーン335の大部分を外力等から保護することができる。
なお、本実施形態及び以下で説明する各別実施形態に係るシャッター装置が、自動閉鎖装置や手動閉鎖装置の作動で閉じ移動する防災用シャッター装置として動作する場合におけるこの動作の流れは、前述した図26〜図28のフローチャート図に示されているものと同様である。
なお、本実施形態においても、マイクロスイッチ270が配置されている処理装置337は、このマイクロスイッチ270が接続される制御装置27と共にシャッターボックス8の内部に収納するようにしてもよい。
図46は、架け渡し部材がローラチェーンとなっている場合における第1別実施形態の機械式結合装置568を示す。ローラチェーン535の上端は、前記実施形態と同じく、まぐさ16に配置された処理装置337のレバー部材340に連結され、ローラチェーン535の下端は、ガイドレール306A又は床4に結合部材で結合されているが、このローラチェーン535は、処理装置337のレバー部材340からこの結合部材まで直線的に延びている。シャッターカーテン301のカーテン主部371Aには、案内部材であって第1運動部材となっているスプロケットホイール562と、第2運動部材となっているラチェットホイール565とが同軸的に連結されて配置されており、スプロケットホイール562の一部は、カーテン主部371Aからシャッターカーテン301の厚さ方向に突出しており、スプロケットホイール562のこの突出部に、カーテン主部371Aからシャッターカーテン301の厚さ方向に離れて配置されているローラチェーン535が噛合し、このローラチェーン535は、カーテン副部371Bに上下に貫通形成されている孔に挿通されている。
カーテン主部371Aの内部に支点軸380を中心に上下方向へ揺動自在に配置されている揺動部材381には、突出片381Aにおいて、抑止部材となっているラチェット部材566が取り付けられている。このため、閉じ移動中のシャッターカーテン301が障害物に当接したときは、前述したカーテン主部371Aに対する相対的な可動部材390等の上昇により、ラチェット部材566がラチェットホイール565に噛み込むことになり、機械式結合装置568は、閉じ移動しているシャッターカーテン301とローラチェーン535とを機械式に結合した状態とする。
図47は、架け渡し部材がローラチェーンとなっている場合における第2別実施形態の機械式結合装置668を示す。ローラチェーン635は、シャッターカーテン301の座板301Bで折り返されたU字状となっており、ローラチェーン635の一方の端部は、これまでのそれぞれの実施形態と同じく、まぐさ16に配置された処理装置337のレバー部材340に連結されているが、他方の端部は、まぐさ16に配置された巻取装置の巻取軸に連結されている。ローラチェーン635はこの巻取軸により巻き取り、繰り出し自在となっており、巻取軸には、ローラチェーン635を巻き取る方向へ巻取軸を回転させようとする戻しばねが設けられており、この戻しばねによる戻し力により、シャッターカーテン301が開閉移動しているとき及び停止しているときに、ローラチェーン635に緩みが生ずることが防止されている。
この実施形態でも、シャッターカーテン301のカーテン主部371Aには、案内部材であって第1運動部材となっているスプロケットホイール662と、第2運動部材となっているラチェットホイール665とが同軸的に連結されて配置されており、スプロケットホイール662におけるシャッターカーテン301の厚さ方向両側の部分は、座板301Bからシャッターカーテン301の厚さ方向に突出している。座板301Bをシャッターカーテン301の厚さ方向に貫通しているローラチェーン635は、スプロケットホイール662の下側の部分に掛け回されることにより、このスプロケットホイール662でU字状に折り返されている。
また、カーテン主部371Aの内部に支点軸380を中心に上下方向へ揺動自在に配置されている揺動部材381には、突出片381Aにおいて、抑止部材となっているラチェット部材666が取り付けられている。このため、この実施形態でも、閉じ移動中のシャッターカーテン301が障害物に当接したときは、カーテン主部371Aに対する相対的な可動部材390等の上昇により、ラチェット部材666がラチェットホイール665に噛み込むことになり、機械式結合装置368は、閉じ移動しているシャッターカーテン301とローラチェーン635とを機械式に結合した状態とする。
図48は、架け渡し部材がローラチェーンとなっている場合における第3別実施形態の機械式結合装置768を示す。ローラチェーン735の上端は、図46の第1別実施形態と同じく、まぐさ16に配置された処理装置337のレバー部材340に連結されているとともに、ローラチェーン735の下端は、ガイドレール306A又は床4に結合部材で結合されており、このため、このローラチェーン735は、処理装置337のレバー部材340からこの結合部材まで直線的に配置されている。シャッターカーテン301のカーテン主部371Aには、案内部材であって第1運動部材となっているスプロケットホイール762と、第2運動部材となっているラチェットホイール765とが同軸的に連結されて配置されており、スプロケットホイール762の一部は、カーテン主部371Aからシャッターカーテン301の厚さ方向に突出しており、スプロケットホイール762のこの突出部に、カーテン主部371Aからシャッターカーテン301の厚さ方向に離れて配置されているローラチェーン735が噛合し、このローラチェーン735は、カーテン副部371Bに上下に貫通形成されている孔に挿通されている。
この実施形態では、カーテン主部371Aの内部に、中心軸を中心に上下方向へ揺動自在となっている揺動部材は配置されていない。しかし、昇降部材391には、抑止部材となっているラチェット部材766が立設されている。このため、閉じ移動中のシャッターカーテン301が障害物に当接したときは、カーテン主部371Aに対する相対的な可動部材390等の上昇により、ラチェット部材766がラチェットホイール765に噛み込むことになり、機械式結合装置768は、閉じ移動しているシャッターカーテン301とローラチェーン735とを機械式に結合した状態とする。
図49及び図50は、架け渡し部材がローラチェーンとなっている場合における第4別実施形態の機械式結合装置868が配置された座板301Bの内部構造を示す図42及び図41と同様の断面図である。
架け渡し部材がローラチェーンとなっている前述した図37〜図48の各実施形態では、機械式結合装置を構成する第2スプロケットホイール362とラチェットホイール365は、図42に示すように、軸部362Aを中心に一体となって回転運動するものであった。
これに対して、この第4別実施形態では、第2スプロケットホイール362は、図49に示されているように、軸部362Aを中心に回転自在となっているが、ラチェットホイール365は、ワンウェイクラッチ800を介して第2スプロケットホイール362に連結されている。このワンウェイクラッチ800は、シャッターカーテン301の閉じ移動の際にはクラッチが接続され、シャッターカーテン301の開き移動の際にはクラッチが切断するものとなっている。すなわち、シャッターカーテン301の閉じ移動の際には、第2スプロケットホイール362は、ラチェットホイール365と一体となって図50に示す矢印P方向に回転するが、シャッターカーテン301の開き移動の際には、第2スプロケットホイール362のみが、図50に示す矢印Q方向に回転するようになっている。
図37〜図48の各実施形態では、シャッターカーテン301が閉じ移動する場合には、第1〜3スプロケットホイール361,362,363は、図50に示す矢印P方向に回転するとともに、ローラチェーン635の第2部分335Bは、図50に示す矢印R方向に移動する。一方、シャッターカーテン301が開き移動する場合には、第1〜3スプロケットホイール361,362,363は、図50に示す矢印Q方向に回転するとともに、ローラチェーン635は図50に示す矢印S方向に移動する。
また、図37〜図48の各実施形態では、閉じ移動中のシャッターカーテン301が障害物34に当接することにより、ラチェット部材366の爪部366Dがラチェットホイール365の爪部365Aに噛み込むため、ラチェットホイール365及び第2スプロケットホイール362の回転が阻止される。この結果、シャッターカーテン301に対してローラチェーン335がロックされた状態となる。
この状態で、シャッターカーテン301を電動による開き移動(反転上昇)をさせた場合には、ラチェットホイール365と第2スプロケットホイール362は、上述したように、図50に示す矢印Q方向に一体となって回転する。一方、シャッターカーテン301が反転上昇することにより、ラチェット部材366は、可動部材390の下降により、支点軸367を中心に爪部366Dが上側となる揺動運動を行おうとする。
しかし、矢印Q方向に回転するラチェットホイール365の爪部365Aが、ラチェット部材366の爪部366Dに圧接することになり、ラチェット部材366の前記揺動運動は阻止される。これと同時に、ラチェットホイール365の矢印Q向への回転が阻止され、第2スプロケットホイール362の矢印Q方向への回転も阻止される。
このため、シャッターカーテン301に対してローラチェーン335がロックされたままの状態、すなわち、ローラチェーン335の第2部分335B及び第3部分335Cに緊張力が作用したままの状態で、シャッターカーテン301が開き移動することになる。これにより、ローラチェーン335の第2部分335B及び第3部分335Cが破損するおそれが生じる。
このため、前述した図37〜図48の各実施形態では、通常時(管理用シャッター装置とした動作させる場合)において、閉じ移動中のシャッターカーテン301が障害物34に当接することにより機械式結合装置が作動し、この作動により、シャッターカーテン301とローラチェーンが機械式結合装置で機械式に結合された状態になったときには、シャッターカーテン301は、反転上昇させずに停止させたままの状態とし、所定時間が経過した後に、再度シャッターカーテン301を閉じ移動させるようになっている。すなわち、図24及び図25に示されたフローチャート図のうち、ステップS16〜S23を除いた制御が、処理装置27により行われるようになっている。
以上説明した図37〜図48の各実施形態に対して、この第4別実施形態では、通常時において、閉じ移動中のシャッターカーテン301が障害物34へ当接したことによる機械式結合装置868の作動で、シャッターカーテン301とローラチェーンが機械式に結合された状態になったときに、シャッターカーテン301を反転上昇させることが可能となっている。
すなわち、ラチェット部材366の爪部366Dがラチェットホイール365の爪部365Aに噛み込んだ状態で、シャッターカーテン301を反転上昇させた場合には、ラチェットホイール365は、前述したワンウェイクラッチ800のクラッチが切断されることにより回転しないため、ラチェット部材366は、可動部材390の下降により、支点軸367を中心に爪部366Dが上側となる揺動運動を行う。これにより、ラチェットホイール365の爪部365Aに噛み込んでいたラチェット部材366の爪部366Dは、爪部365Aから離れるので、機械式結合装置868の作動は解除される。すなわち、シャッターカーテン301とローラチェーン335が機械式に結合された状態は解除され、シャッターカーテン301は反転上昇を行うことになる。すなわち、制御装置27により行われる制御は、図24〜図28に示すフローチャート図となる。
図51は、架け渡し部材がローラチェーンとなっている場合における第5別実施形態の機械式結合装置968を示す図であり、図52は、図51のS52−S52線断面図であって、図41と同様に機械式結合装置968が配置された座板901Bのうち、ガイドレール306A側の部分の内部構造を示す図である。
この実施形態のシャッターカーテン901も、図52で示されているように、上下に連設された多数のスラット326で形成されていて、図51で示されているように、カーテン本体901Aと、このカーテン本体901Aの下端部に設けられている座板901Bとを有する。また、座板901Bは、カーテン本体901Aの下部に固定された固定部970Aと、この固定部970Aの下側に配置され、固定部970Aに対して上下方向に移動可能となっている可動部970Bとからなる。
また、図51に示されているように、この実施形態のシャッターカーテン901も、カーテン主部971Aと、カーテン副部971Bとを有し、カーテン主部971Aは、カーテン本体901Aと、座板901Bのうちの固定部970Aとによって構成されており、カーテン副部971Bは、座板901Bのうちの可動部970Bで構成されている。この実施形態のカーテン副部971Bも、シャッターカーテン901の閉じ側の端部に配置されている。そして、カーテン主部971Aは、本実施形態における開閉体主部となっており、カーテン副部971Bは、本実施形態における開閉体副部となっている。
また、本実施形態の座板901Bの固定部970Aは、共に下向きに開口した断面箱型となった外部材975と内部材976とを含んで形成されており、外部材975は、シャッターカーテン901の厚さ方向に分割配置された2個の分割部材975A,975Bで形成され、これらの分割部材975A,975Bは、カーテン本体901Aの下端部にボルト、ナット等による結合具377で結合されている。内部材976は、シャッターカーテン901の厚さ方向に間隔を開けて配置された前面部976A及び後面部976Bと、これらの前面部976Aと後面部976Bの上端同士を連結している上面部976Cとからなる。また、外部材975と内部材976の下面は開口部978となっている。
座板901Bの可動部970Bは、第1可動部材990と、第2可動部材991と、第3可動部材992と、を含んで構成されている。第2可動部材991は、前面部991Aと後面部991Bと底面部991Cとを有し、この底面部991Cには、ガイドレール306A側へ延びている延長部材995が載置されている。そして、第1可動部材990の底面部990Aと、第2可動部材991の底面部991Cと、延長部材995とが、リベット等の止着具917で止着されている。
屈曲部材911は、上側に配置されている板状の第1部材912と、下側に配置されている板状の第2部材913と、シャッターカーテン1の厚さ方向に互いに重なり合っている第1部材912の下部と第2部材913の上部同士を連結する軸915と、を含んで構成されており、屈曲部材911は軸915を中心に屈曲自在となっている。
図52に示されているように、第1部材912は、ガイドレール306A側に向かって斜め上向きに延びる傾斜姿勢となって配置されており、第2部材913は、ガイドレール306A側に向かって斜め下向きに延びる傾斜姿勢となって配置されており、このため、屈曲部材911はく字状となって配置されている。
図51に示されているように、下向きに開口した断面箱型となっている第3可動部材992は、固定部970Aの内側に配置されており、この第3可動部材992の内側には、第2スプロケットホイール362が軸部362Aを中心に回転自在に配置されている。
屈曲部材911は、固定部970Aの内側のうち、この固定部970Aの内部材976の前面部976Aと第3可動部材992の前面部992Aとの間、及び内部材976の後面部976Bと第3可動部材992の後面部992Bとの間に、それぞれ配置されている。これらの屈曲部材911は、シャッターカーテン901の幅方向の同じ位置又は略同じ位置に複数個配置されている。
また、図51に示されているように、屈曲部材911の第1部材912の上部と、外部材975の分割部材975Aの下方延出部975C及び内部材976の前面部976Aとは、水平な軸914で連結されており、第1部材912の上部は、軸914を中心に回動自在となっている。屈曲部材911の第2部材913の下部と、第2可動部材991の前面部991Aの上部とは、水平な軸916で連結されており、第2部材913の下部は、軸916を中心に回動自在となっている。さらに、第3可動部材992の前面部992Aと、シャッターカーテン901の厚さ方向に互いに重なり合って配置されている第1部材912の下部及び第2部材913の上部とは、水平な軸915で連結されており、第1部材912の下部及び第2部材913の上部は、軸915を中心に回動自在となっている。
このため、第1可動部材990と第2可動部材991と第3可動部材992とを含んで構成される可動部970Bは、屈曲部材911を介して固定部970Aに連結されている。
この第5別実施形態では、シャッターカーテン901の閉じ移動の途中において、このシャッターカーテン901の閉じ側の先端部に配置されているカーテン副部971Bが、言い換えると、シャッターカーテン901の座板901Bの下側部分を形成している前述の可動部970Bを構成する第1可動部材990が前記障害物34に当接し、この当接のために可動部970Bの下降が停止する。
可動部970Bの下降が停止しても、カーテン本体901Aと、座板901Bのうちの前述した固定部970Aとで構成される前述のカーテン主部971Aは、自重で下降する。このため、この下降で生ずるカーテン主部971Aに対する可動部970Bを構成する第1及び第2可動部材990,991の相対的な上昇により、屈曲部材911の第1部材912が図52に示す矢印T方向へ回動するとともに、第2部材913が図52に矢印U方向へ回動する。これにより、水平な軸915で屈曲部材911の第1部材912の下部及び第2部材913の上部に連結されている第3可動部材992は、上昇するとともに、図52に示されているように、矢印V方向、すなわち、ガイドレール306A側とは反対側の方向へ移動する。これにより、第3可動部材992の内側に配置されている軸部362Aを中心に回転自在となっている第2スプロケットホイール362も、矢印V方向へ移動することになる。
この結果、第2スプロケットホイール362に掛け渡されているローラチェーン335には、緊張力が作用するので、この作用により、シャッターカーテン901とローラチェーン335とが機械式に結合された状態になる。
なお、機械式結合装置968が配置された座板901Bのうち、ガイドレール306A側とは反対側であるガイドレール306B側の部分も、図51及び図52に示されている内部構造と同じ構造を有している。ただし、水平に延出している第3可動部材992は、シャッターカーテン1の幅寸法(左右寸法)の半分よりも短い幅寸法を有し、座板901Bの幅方向(左右方向)の両端部にそれぞれ配置されている。すなわち、左右に配置されているそれぞれの第3可動部材992は、座板901Bの幅方向の端部付近(図52参照)から、シャッターカーテン901の幅方向中央部の手前まで水平に延出している。シャッターカーテン901が障害物34に当接することで屈曲部材911が屈曲することにより、左右の第3可動部材992がシャッターカーテン901の幅方向中央部側(図52の矢印V方向)へスライドしても、互いに対向する左右の第3可動部材922の先端部同士は干渉しないようになっている。すなわち、左右の第3可動部材922は、シャッターカーテン901の幅方向中央部側へスライドした場合、互いに対向する左右の第3可動部材922の先端部同士が干渉しない幅寸法を有している。
以上説明した第5別実施形態の機械式結合装置968は、架け渡し部材がローラチェーンとなっている前述した図37〜図50の各実施形態に係る機械式結合装置と比較して構造の簡単化を図ることができる。
なお、この実施形態では、前述した図49及び図50の実施形態と同様に、通常時において、閉じ移動中のシャッターカーテン901が障害物34へ当接したことによる機械式結合装置968の作動で、シャッターカーテン901とローラチェーンが機械式に結合された状態になったときに、シャッターカーテン901を反転上昇させることが可能となっている。
なお、架け渡し部材がローラチェーンとなっている場合における上述した第1〜5別実施形態においても、マイクロスイッチ270が、処理装置337の機枠338に固定配置されている。
なお、以上説明した各実施形態では、マイクロスイッチ170,270は、処理装置38,337(図17、図39参照)の機枠49,338に固定配置され、処理装置38,337の回動部材42,339が回動することにより作動するものであったが、マイクロスイッチ170,270は、自動閉鎖装置32(図32参照)に配置し、第1制御ワイヤー111が引っ張られることにより、マイクロスイッチ170,270が作動するものとしてもよい。この場合には、第1制御ワイヤー111に、マイクロスイッチ170,270を作動させるための補助部材を取り付ける必要がある。
また、以上説明した各実施形態において、架け渡し部材であるローラチェーンに緊張力が作用したことを検出することでシャッターカーテンと障害物との当接を検知するための電気式障害物検知手段は、接触式スイッチ手段であるマイクロスイッチ170,270であったが、非接触式スイッチ手段でもよい。この非接触式スイッチ手段の一例として、処理装置38,337(図17、図39参照)の機枠49,338のうち、回動部材42,339の一方の面側に配置され、シャッターカーテン1の閉じ移動中に光や超音波等の信号を送信する送信機と、他方の面側に配置され、前記送信機から送信された前記信号を受信する受信機と、を含んで構成され、前記送信機から送信された前記信号が、障害物34との当接で回動した回動部材42,339の外周部に一部形成された前記ギヤ歯42C,339Cにより遮断されることにより、ローラチェーンに作用した緊張力を検出するものを挙げることができる。
なお、架け渡し部材がローラチェーンとなっていた図37〜図52の各実施形態では、電気式障害物検知手段は、処理装置337の機枠338に取り付けられていた接触式スイッチ手段であるマイクロスイッチ270であったが、このマイクロスイッチ270の代わりに、前述した図33の実施形態に係る電気式障害物検知手段210(非接触式スイッチ手段である光学式センサを備えたもの)としてもよく、あるいは、前述した図34の実施形態に係る電気式障害物検知手段220(接触式スイッチ手段であるテープスイッチ221と、送信部222及び受信部223とを含んで構成されるもの)としてもよい。
また、図37〜図52の各実施形態において、電気式障害物検知手段は、マイクロスイッチ270と図33の実施形態に係る電気式障害物検知手段210とを併用するようにしてもよく、あるいは、マイクロスイッチ270と図34の実施形態に係る電気式障害物検知手段220とを併用するようにしてもよい。
なお、以上説明した図37〜図52の各実施形態においても、電動による閉じ移動中のシャッターカーテンが障害物34に当接したとき、制御装置27は、シャッターカーテンを障害物34と当接した位置で停止させる制御を、この停止制御の後で障害物34が除去された否かにかかわらず、継続するようにしてもよい。
また、以上説明した図37〜図52の各実施形態においても、電動による閉じ移動中のシャッターカーテンが障害物34に当接したとき、制御装置27は、シャッターカーテンを障害物34と当接した位置で停止させる制御を行い、この停止制御の後で障害物34が除去された場合でも、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されるまでは、再度シャッターカーテン1を電動により閉じ移動させる制御は行わないようにしてもよい。
また、以上説明した図37〜図52の各実施形態においても、電動による閉じ移動中のシャッターカーテンが障害物34に当接し、電気式障害物検知手段により障害物34の検知がされている状態で、煙(熱)感知器180が火災発生を感知した場合(図26のステップS101)には、シャッター装置は、図26に示されているフローチャート図のステップ102以降の処理に基づいた動作を行う。すなわち、障害物34が取り除かれていればシャッターカーテンは自重降下を行い、この自重降下中にシャッターカーテンが障害物34あるいは別の障害物に再度当接した場合には、このシャッターカーテンの自重降下は、機械式シャッターカーテン停止装置により機械式に停止されることになる。
なお、以上説明した図34〜図36の各実施形態においても、上述したように、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されるまでは、制御装置27によるシャッターカーテン1の停止制御が継続されるようにした場合において、障害物34は除去されたが、まだ操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されない状態において、煙(熱)感知器180が火災発生を感知した場合にも、シャッター装置は、上述したように、図26に示されているフローチャート図のステップ102以降の処理に基づいた動作を行う。