以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る開閉装置は、開閉体がシャッターカーテンとなっているシャッター装置である。また、本実施形態に係るシャッター装置は、管理及び防災の併用シャッター装置である。すなわち、本実施形態に係るシャッター装置は、通常時に出入口等の開口部を開閉するためにシャッターカーテンが開閉移動する管理用シャッター装置としての機能と、防煙等の防災機能を有しているシャッターカーテンが火災等の異常事態の発生時(以下「非常時」という)に閉じ移動することにより建物等の構造物内に防災区画を形成するための防災用シャッター装置としての機能と、を有している。
図1には本実施形態に係るシャッター装置の全体が示されており、この図1は、開閉移動方向が上下方向になっていて、下向きに閉じ移動するシャッターカーテン1が半分程度まで閉じた半閉状態になっているときを示している。シャッターカーテン1で開閉される開口部は、建物に形成された出入口2であり、この出入口2は、壁等の左右の建物躯体3と、全閉となったときのシャッターカーテン1の下端部が当たる相手部材となっている床4と、天井部材5とで囲まれている。左右の建物躯体3には、シャッターカーテン1の左右方向の両端部、言い換えると、シャッターカーテン1の幅方向の両端部がスライド自在に挿入された左右のガイドレール6が取り付けられており、ガイド部材となっているこれらのガイドレール6に案内されてシャッターカーテン1は上下に開閉移動する。
出入口2に対して天井部材5で仕切られている天井裏空間7には、全開位置に達したシャッターカーテン1を収納するためのシャッターカーテン収納部材であるシャッターボックス8が配置されており、このシャッターボックス8は、図1のS2−S2線断面図である図2に示されているように、天井裏空間7に存在する下がり壁等の建物躯体9にボルト等の結合具10で結合されている。シャッターボックス8の内部には巻取軸11が水平に収納配置され、この巻取軸11は、シャッターボックス8の図1で示されている左右の側面部8A,8Bに回転自在に支持されている。また、図1に示されているように、巻取軸11の一方の端部には、スプロケットホイールとローラチェーンによる駆動力伝達手段12を介して開閉機13が接続されている。巻取軸11を駆動させるための駆動装置、言い換えると、シャッターカーテン1を開閉移動させるための駆動装置となっているこの開閉機13は、図2でも示されており、開閉機13の駆動軸14の回転力は、この駆動軸14に取り付けられた駆動スプロケットホイール12Aと、巻取軸11の上記一方の端部に取り付けられた被動スプロケットホイール12Bと、これらのスプロケットホイール12A、12Bの間に架け渡された無端ローラチェーン12Cとによる駆動力伝達手段12を経て巻取軸11に伝達される。
なお、本実施形態の開閉機13は、シャッターボックス8の左右の側面部8A,8Bのうち、一方の側面部8Bに結合されたブラケット部材15に取り付けられている。
図2から分かるように、シャッターカーテン1は巻取軸11に巻回されているとともに、シャッターカーテン1の上端は巻取軸11の外周面に結合されている。また、シャッターカーテン1における巻取軸11より下側の部分は、天井部材5に配置されているまぐさ16に設けられたスリット17を通って天井部材5の下側へ垂下され、さらに、シャッターカーテン1の幅方向の両端部は、前述のように左右のガイドレール6にスライド自在に挿入されている。まぐさ16は、互いに対向配置されたまぐさ部材16A,16Bにより形成され、これらのまぐさ部材16A,16Bの間がスリット17となっている。
図3は、開閉機13の内部構造を示す断面図である。この図3に示されているように、開閉機13は、直流又は交流の電動モータ手段18とブレーキ手段19とを軸方向に並設したものであり、上述の駆動軸14は、電動モータ手段18の回転する回転子18Aの中心に固定配置された回転軸となっている。この駆動軸14におけるブレーキ手段19側の端部には、円盤状のブレーキシュー20が結合されている。ブレーキ手段19には、軸方向に一定距離だけスライド自在となっているブレーキ軸21が設けられ、このブレーキ軸21には、ブレーキシュー20と軸方向に対面するブレーキドラム22が結合されている。通常時のブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、ばね23で電動モータ手段18側へ押圧されており、このため、ブレーキシュー20とブレーキドラム22との圧接によりブレーキ手段19はオンとなっている。したがって、このときの電動モータ手段18の駆動軸14は、ブレーキ手段19の制動力によって回転しない。
一方、ブレーキ手段19に配置されているソレノイド24に通電されたときには、このソレノイド24の磁力により、ブレーキ軸21及びブレーキドラム22はばね23に抗して電動モータ手段18から離れる方向へスライドする。このため、ブレーキシュー20とブレーキドラム22との圧接が解除され、ブレーキ手段19はオフとなる。したがって、このときには、電動モータ手段18の駆動軸14は、コイル25への通電により回転できることになる。
図1で示した左右の建物躯体3のうち、一方の建物躯体3には、開閉機13の駆動力により、すなわち、電動によりシャッターカーテン1を出入口2に対して上向きに開き移動させることと、下向きに閉じ移動させることと、停止させることとを行わせるための開閉体開・閉・停動作指示手段である操作装置30が取り付けられている。本実施形態に係るシャッター装置を構成する主な部材、装置等のブロック図である図4に示されているように、この操作装置30には、「開」ボタン30Aと、「閉」ボタン30Bと、「停」ボタン30Cとが設けられている。
また、シャッターカーテン1は、シャッターカーテン1の大部分の面積を占めていて、上端が巻取軸11に結合されているカーテン本体1Aと、このカーテン本体1Aの下端部に設けられた座板1Bとを有したものとなっている。本実施形態のカーテン本体1Aは、多数のスラットを上下に連設することによって形成されている。カーテン本体1Aは、本実施形態における開閉体本体となっており、座板1Bは、本実施形態におけるエンド部材となっている。
図4に示されているように、少なくとも開閉機13の駆動制御を行うための制御手段33は、本実施形態に係るシャッター装置を通常時においては管理用シャッター装置として動作させるための制御を行う制御装置27と、本実施形態に係るシャッター装置を非常時(例えば、外部からの防災信号を受信したとき等)においては防災用シャッター装置として動作させるための制御を行う防災用連動制御装置181と、を含んで構成されており、制御装置27には、開閉機13の駆動制御を行う開閉機駆動制御回路28が備えられている。
座板1Bが前述の天井部材5に配置されたまぐさ16の高さ位置に達しているシャッターカーテン1の全開時に、又は、座板1Bが図1に示すようにまぐさ16と床4との間の途中位置に達しているシャッターカーテン1の半閉状態(半開状態)のときに、操作装置30の「閉」ボタン30Bを操作すると、この「閉」ボタン30Bからの信号が入力される制御装置27の開閉機駆動制御回路28によりブレーキ手段19のソレノイド24が通電されるため、ブレーキ手段19がオフになるとともに、開閉機駆動制御回路28により電動モータ手段18のコイル25が通電される。このため、駆動軸14は正回転し、この回転は、前述の駆動力伝達手段12を介して巻取軸11に伝達され、巻取軸11の正回転により、シャッターカーテン1は、巻取軸11から下向きに繰り出されて閉じ移動する。これにより閉じ移動したシャッターカーテン1が全閉位置に達すると、この全閉位置を検知したセンサである全閉リミットスイッチ182(図4参照)からの信号が入力される開閉機駆動制御回路28により、ソレノイド24への通電は遮断され、ブレーキ手段19はばね23でオンに復帰する。また、シャッターカーテン1が全閉となっているときに、又は、座板1Bが図1に示すようにまぐさ16と床4との間の途中位置に達しているシャッターカーテン1の半開状態(半閉状態)のときに、「開」ボタン30Aを操作すると、この「開」ボタン30Aからの信号が入力される開閉機駆動制御回路28によりブレーキ手段19のソレノイド24が通電されるため、ブレーキ手段19がオフになるとともに、開閉機駆動制御回路28により電動モータ手段18のコイル25が通電される。このため、駆動軸14は逆回転し、この回転は前述の駆動力伝達手段12を介して巻取軸11に伝達され、巻取軸11の逆回転により、シャッターカーテン1は巻取軸11に巻き取られて開き移動する。シャッターカーテン1が全開位置に達すると、この全開位置を検知したセンサである全開リミットスイッチ183からの信号が入力される開閉機駆動制御回路28により、ソレノイド24への通電は遮断され、ブレーキ手段19がばね23でオンに復帰するとともに、開閉機駆動制御回路28によりコイル25への通電が遮断される。
また、シャッターカーテン1が閉じ移動している途中で「停」ボタン30Cを操作すると、この「停」ボタン30Cからの信号が入力される開閉機駆動制御回路28によりソレノイド24への通電は遮断されるため、ブレーキ手段19がばね23でオンに復帰するとともに、開閉機駆動制御回路28により電動モータ手段18のコイル25への通電は遮断され、これにより、シャッターカーテン1はその位置で停止する。これと同様に、シャッターカーテン1が開き移動している途中で「停」ボタン30Cを操作すると、この「停」ボタン30Cからの信号が入力される開閉機駆動制御回路28により、ソレノイド24への通電は遮断されるため、ブレーキ手段19がばね23でオンに復帰するとともに、開閉機駆動制御回路28により電動モータ手段18のコイル25への通電が遮断され、これにより、シャッターカーテン1はその位置で停止する。
以上の説明から分かるように、開閉移動するシャッターカーテン1に対して、前述の床4やガイドレール6、シャッターボックス8、さらにはまぐさ16等は不動となっているため、これらの床4、ガイドレール6、シャッターボックス8、まぐさ16等は、シャッターカーテン1に対して不動となっている不動部材である。
なお、以上のように正逆回転する巻取軸11に、シャッターカーテン1の閉じ移動中に戻し力が蓄圧されるねじりコイルばねやぜんまいばねによる戻しばねを設けておき、シャッターカーテン1の上向きの開き移動を、この戻しばねに蓄圧された戻し力を補助力として利用して行うようにしてもよい。
また、図3に示されているとおり、ブレーキ軸21における電動モータ手段18側とは反対側の端部にはレバー部材31が配置されている。このレバー部材31はブレーキ軸21を貫通したものであって、ブレーキ軸21を境界として区分される第1部分31Aと第2部分31Bとからなる。第1部分31Aには第1屈曲部31Cが形成され、第2部分31Bには第2屈曲部31Dが形成されている。第1部分31AにA方向、すなわち、電動モータ手段18側とは反対側への荷重が作用したときには、第1部分31Aが第2屈曲部31Dを支点としてA方向へ揺動するため、ブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、A方向と同じ方向であるA’方向へスライドする。このため、ソレノイド24に通電しなくても、ブレーキ手段19をオフとすることができる。
このように第1部分31AにA方向への荷重が作用することは、開閉機13に取り付けられている後述の自動閉鎖装置32や手動閉鎖装置184によって行われる。これらの自動閉鎖装置32や手動閉鎖装置184は、後述の説明で分かるように、駆動装置である開閉機13を機械的に制御するための機械式制御装置となっている。
また、第2部分31BにA方向と同じ方向の荷重が作用したときには、第2部分31Bが第1屈曲部31Cを支点としてA方向と同じ方向へ揺動するため、この場合にも、ブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、A’方向へスライドする。このため、このときにもソレノイド24に通電しなくても、ブレーキ手段19をオフとすることができる。
このように第2部分31BにA方向と同じ方向の荷重を作用させることは、手作業により行うことができる。このため、この実施形態に係る開閉機13は、手操作によってもブレーキ手段19をオフにすることができるようになっている。なお、第2部分31Bは、第2屈曲部31Dを残して省略してもよい。
図5は、シャッターカーテン1の閉じ移動中にシャッターカーテン1の座板1Bが図1で示す障害物34に当接したときに、この障害物34を機械式に検知するための機械式障害物検知装置35を示す。この機械式障害物検知装置35は、前述の不動部材となっているこのまぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡された部分を有している架け渡し部材となっているロック用ワイヤー36と、可撓性を有するこのロック用ワイヤー36の一方の端部が結合され、この一方の端部を処理している第1処理装置37と、ロック用ワイヤー36の他方の端部が結合され、この他方の端部を処理している第2処理装置38と、ロック用ワイヤー36の長さの途中に配置され、シャッターカーテン1が障害物34に当接したときにロック用ワイヤー36を機械式にロックするための、言い換えると、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とを機械式に結合した状態にするための機械式結合装置39と、を備えている。この機械式結合装置39は、後述するように、シャッターカーテン1に取り付けられている。
上述の架け渡し部材となっているロック用ワイヤー36は、本実施形態における紐状部材でもあり、細長部材でもある。
第1処理装置37と第2処理装置38と機械式結合装置39は、ロック用ワイヤー36で連結された状態になっており、したがって、これらの装置37〜39を構成要素とする機械式障害物検知装置35は、取り扱い等が容易なユニットとなっている。
第1処理装置37には回転自在なリール40が設けられ、ロック用ワイヤー36の一方の端部が結合されているこのリール40にロック用ワイヤー36が巻回されている。リール40には、ぜんまいばね等による戻しばね41が連結されており、ロック用ワイヤー36がリール40を回転させてこのリール40から繰り出される際に、戻しばね41には戻し力が蓄圧される。また、ロック用ワイヤー36に弛みが生じたときには、戻しばね41に蓄圧された戻し力により、リール40はロック用ワイヤー36を巻き取る方向へ回転することになる。
第2処理装置38には回動部材42が設けられており、この回動部材42に、ロック用ワイヤー36の他方の端部がコイルばね43を介して結合されている。
また、第1処理装置37と第2処理装置38は、まぐさ16にボルト又は溶接等で固定配置されたベース部材44の上面に配置されており、このため、第1処理装置37と第2処理装置38はベース部材44で連結されたユニット構造物45となっている。したがって、ロック用ワイヤー36をまぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡す作業等を行うために、第1処理装置37と第2処理装置38をまぐさ16に配置する作業は、ユニット構造物45をまぐさ16にボルト又は溶接等で固定設置する作業を行うだけで終了することができ、この作業を容易に行えるようになっている。
また、上述したようにロック用ワイヤー36の他方の端部を、コイルばね43を介して第2処理装置38の回動部材42に結合するために、図2に示されているように、ロック用ワイヤー36は前述の天井部材5に配置されたまぐさ16のスリット17に通されている。すなわち、ロック用ワイヤー36は、天井部材5の上下に跨る長さを有しており、また、ロック用ワイヤー36は、まぐさ16と接触せずにこのまぐさ16のスリット17に挿通されている。
まぐさ16における第1処理装置37と第2処理装置38の配置位置は、シャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっている。これについて説明すると、図5に示されているとおり、第1処理装置37の機枠46は、ベース部材44の側面部44Aに形成されている長孔47に挿入されたビス等の止着具48でこの側面部44Aに取り付けられている。このため、長孔47の長さ分だけ、ベース部材44における第1処理装置37の取付位置がシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっている。さらに、第2処理装置38の機枠49の基板部49Aは、この基板部49Aに形成されている長孔50に挿入されたビス等の止着具51でベース部材44に取り付けられている。このため、長孔50の長さ分だけ、ベース部材44における第2処理装置38の取付位置がシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっている。
なお、まぐさ16における第1処理装置37と第2処理装置38の配置位置をシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能する構造は、長孔47,50による方式のものに限定されず、例えば、ボルト等のねじ軸部材の回転を利用したねじ送り方式や、ガイド溝の途中に複数のストップ部材を配置したスライドアンドストップ方式等のものでもよい。
図5で示されている機械式結合装置39のケース55は、図5で示されている裏面部55A及び上面部55Bと、図6で示されている正面部55Cとを有する。すなわち、図5と図6では、機械式結合装置39の表裏が逆となっている。図7は、ケース55の内部に収納されている機械式結合装置39の構造を示す図6の正断面図である。図5に示されているように、ケース55の上面部55Bには、ロック用ワイヤー36が出入りする2個の孔56,57が形成され、また、図7に示されているように、ケース55の内部には、ロック用ワイヤー36を案内する2個の回転自在なローラ58,59がシャッターカーテン1の幅方向に離れて配置されているとともに、これらのローラ58,59と共にロック用ワイヤー36を案内するためのピン等による複数のガイド部材60も配置されている。
また、ケース55の内部には、ロック用ワイヤー36におけるローラ58とローラ59の間の部分(後述する折り返し部)36Aを上下から挟着するための挟着部材となっている第1レバー部材61と第2レバー部材62が配置され、これらのレバー部材61,62は、同一の支点軸63を中心に上下に揺動自在となっている。上側の第1レバー部材61には、ねじりコイルばね64による下向きの押圧力が作用しており、また、この第1レバー部材61には下向きに湾曲形成された凸部61Aが設けられ、この凸部61Aがロック用ワイヤー36の上記の部分36Aに当たることにより、支点軸63を中心とする第1レバー部材61の下向きの揺動限が規定されるようになっている。また、上記の部分36Aが弛緩しているときに第1レバー部材61が支点軸63を中心として下向きに大きく揺動することを防止できるようにするために、ケース55には、第1レバー部材61における支点軸63側とは反対側の端部を受けるためのピン等によるストップ部材65が固定されている。
下側の第2レバー部材62における支点軸63側とは反対側の端部には、重り部材66が取り付けられており、この重り部材66の重量により、第2レバー部材62には支点軸63を中心とする下向きの揺動力が作用している。また、第2レバー部材62には、上向きに湾曲形成された凸部62Aが設けられている。
また、上側の第1レバー部材61の下面と、下側の第2レバー部材62の上面には、言い換えると、これらのレバー部材61,62の互いに対面する面には、摩擦部材67,68が取り付けられている。これらの摩擦部材67,68は、第1レバー部材61と第2レバー部材62がロック用ワイヤー36の上記の部分36Aを挟着してロックするときに、この部分36Aとの間の摩擦力を大きくし、ロックを一層確実なものにするためのものである。そして、上側の第1レバー部材61には下向きの突片部61Bが形成され、この突片部61Bと、ケース55の裏面部55Aとにより、ロック用ワイヤー36における上記の部分36Aが2個のレバー部材61,62の間から外れることが防止されている。また、第2レバー部材62の凸部62Aは、この第2レバー部材62が支点軸63を中心に上向きに揺動することにより摩擦部材67,68がロック用ワイヤー36の上記の部分36Aを挟着、ロックする直前に、この部分36Aを上向きに押し上げることになり、これにより、摩擦部材67,68による上記の部分36Aを挟着、ロックをさらに一層確実に行えるようにしている。また、下側の第2レバー部材62には、下向きに湾曲形成された凸部62Bが設けられている。
図8には、機械式結合装置39がシャッターカーテン1に取り付けられたときの正面図が示されている。図9は、図8のS9−S9線断面図であり、この図9には、前述したシャッターカーテン1の座板1Bの内部構造が示され、また、図9には、ロック用ワイヤー36及び機械式結合装置39が2点鎖線で示されている。シャッターカーテン1は、図1で説明したように、シャッターカーテン1の大部分の面積を占めていて、本実施形態における開閉体本体となっているカーテン本体1Aと、図9に示されているように、このカーテン本体1Aの下端部に設けられ、本実施形態におけるエンド部材となっている座板1Bとを有する。また、座板1Bは、カーテン本体1Aの下部に固定された固定部70Aと、この固定部70Aの下側に配置され、固定部70Aに対して上下方向に移動可能となっている可動部70Bとからなる。
また、本実施形態のシャッターカーテン1は、図8で示されているように、カーテン主部71Aと、カーテン副部71Bとを有し、カーテン主部71Aは、カーテン本体1Aと、座板1Bのうちの固定部70Aとによって構成されており、カーテン副部71Bは、座板1Bのうちの可動部70Bによって構成されている。したがって、このカーテン副部71Bは、シャッターカーテン1の閉じ側の端部に配置されている。そして、カーテン主部71Aは、本実施形態における開閉体主部となっており、カーテン副部71Bは、本実施形態における開閉体副部となっている。
図9に示されているように、座板1Bの固定部70Aは、共に断面箱型となった内外の部材75,76で形成され、外部材75は、シャッターカーテン1の厚さ方向に分割配置された2個の分割部材75A,75Bで形成されており、これらの分割部材75A,75Bは、カーテン本体1Aの下端部にボルト、ナット等による結合具77で結合されている。また、内外の部材75,76の下面は開口部78となっており、この開口部78から座板1Bの可動部70Bの立上り部79の上端が固定部70Aの内部空間に挿入されている。立上り部79の上端には、シャッターカーテン1の厚さ方向外側へ延出する延出部79A,79Bが形成され、これらの延出部79A,79Bが、固定部70Aの内側部材76の下端に形成された突片部76A,76Bの上面に乗ることにより、固定部70Aに対する可動部70Bの下側への移動限が規定される。
固定部70Aの内部には、シャッターカーテン1の幅方向に延びる支点軸80を中心に上下揺動自在となった揺動部材81が収納されている。この揺動部材81は、図11で示されているように可動部70Bが固定部70Aに対して上昇したときには、すなわち、閉じ移動中のシャッターカーテン1が図1で示した障害物34に当接したときには、可動部70Bの立上り部79の延出部79Aが揺動部材81の突出片81Aを押し上げることにより、揺動部材81は支点軸80を中心に上向きに揺動する。また、座板1Bを構成している固定部70Aと可動部70Bは、図1で示した左右のガイドレール6まで延びる長さを有しており、揺動部材81も左右のガイドレール6まで延びる長さを有している。
揺動部材81及び可動部70Bは、例えば、アルミ合金製等の押し出し成形品又は引き抜き成形品で形成されている。図1で示した出入口2の左右幅寸法が大きく、このため、揺動部材81及び可動部70Bを、それぞれ一本の連続した押し出し成形品又は引き抜き成形品で形成することが困難である場合には、長さ方向(シャッターカーテン1の幅方向)に並べた複数の押し出し成形品又は引き抜き成形品により、揺動部材81及び可動部70Bが形成される。
図5で説明した機械式結合装置39は、図8で示されているように、座板1Bのうち、固定部70Aに組み込まれる。すなわち、機械式結合装置39は、シャッターカーテン1の前述したカーテン主部71Aを構成しているカーテン本体1Aと、座板1Bの固定部70Aとのうち、固定部70Aに配置される。図10は、図8のS10−S10線断面図であって、機械式結合装置39が配置された部分での座板1Bの断面図である。この図10で示されているように、座板1Bの固定部70Aを形成している内外の部材75,76の上面部及び正面部には、機械式結合装置39の配置位置と対応する位置において、切欠加工による開口部90が形成されており、この開口部90に機械式結合装置39が上から挿入されて固定部70Aに結合されている。
支点軸80を中心に上下方向に揺動自在となっている揺動部材81の突出片81Aには、図7で示した下側の第2レバー部材62の下向きの凸部62Bと対応する位置において、押圧部材91が取り付けられている。このため、シャッターカーテン1の閉じ移動中に、この閉じ移動方向である下側に存在していた障害物34に座板1Bの可動部70Bが当接し、これにより、図11で説明したように、可動部70Bの延出部79Aが揺動部材81を支点軸80を中心に上向きに揺動させたときには、凸部62Bを押圧する押圧部材91により、図12に示されているように、第2レバー部材62は支点軸63を中心に上向きに揺動する。これにより、第2レバー部材62に取り付けられている摩擦部材68は、ロック用ワイヤー36におけるローラ58とローラ59の間の部分36Aを上側へ押し上げることになる。
この押し上げにより、上側の第1レバー部材61は、この第1レバー部材61に取り付けられている摩擦部材67を介して支点軸63を中心に上向きに揺動することになり、この上向きの揺動によりねじりコイルばね64は圧縮されるため、ロック用ワイヤー36におけるローラ58とローラ59の間の部分36Aは、2個のレバー部材61,62の摩擦部材67,68により上下から大きな荷重で挟着され、この挟着により、ロック用ワイヤー36の部分36Aはロックされることになり、このロックにより、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とは機械式結合装置39で機械式に結合された状態となる。
このため、本実施形態では、第1レバー部材61と第2レバー部材62は、カーテン主部71Aに対するカーテン副部71Bの移動により作動し、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とを機械式に結合された状態とするための2個の揺動部材で構成される作動部材となっており、第1レバー部材61が第1揺動部材となっており、第2レバー部材62が第2揺動部材となっている。
上述したように閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときに、2個のレバー部材61,62の摩擦部材67,68により、ロック用ワイヤー36の前記部分36Aが大きな荷重で挟着ロックされるようにするためには、シャッターカーテン1が障害物34に当接する前において、言い換えると、座板1Bの可動部70Bが固定部70Aに対して最下降位置に達しているときにおいて、揺動部材81の押圧部材91に対して機械式結合装置39が適切な上下方向の位置に配置されていることが重要である。機械式結合装置39を揺動部材81の押圧部材91に対して適切な上下方向の位置に配置することは、機械式結合装置39を座板1Bの固定部70Aに取り付ける際に、この機械式結合装置39を固定部70Aにおける適切な上下方向の位置に取り付けることである。本実施形態には、機械式結合装置39を固定部70Aにおける適切な上下方向の位置に取り付けることができる工夫が施されている。
次に、この工夫について説明する。図5で示されているように、機械式結合装置39のケース55の両方の側面部には突片部55Dが形成され、これらの突片部55Dを利用して機械式結合装置39は座板1Bの固定部70Aに取り付けられる。これらの突片部55Dを利用した取付構造は同じであるため、一方の突片部55Dについての取付構造を図8により説明する。
固定部70Aの内部上面には、図示されないベース部材がリベット等の止着具で結合され、このベース部材には、固定部70Aを形成している前述の内外部材75,76に形成された孔を貫通して固定部70Aの上側へ突出しているねじ軸部材95が設けられている。このねじ軸部材95に1個又は複数個の座金96を挿入した後に、突片部55Dの孔55Eにねじ軸部材95を挿入する。ねじ軸部材95に挿入する座金96の枚数を変更したり、ねじ軸部材95に座金96を挿入しないことにより、固定部70Aにおける機械式結合装置39の上下方向の配置位置が調整されることになる。これにより、機械式結合装置39の配置位置を、揺動部材81の押圧部材91に対して適切な上下方向の位置に設定することができる。
このように機械式結合装置39が揺動部材81の押圧部材91に対して適切な上下方向の位置に配置されているか否かを確認できるようにするために、図8に示されているように、機械式結合装置39のケース55の正面部55Cには、窓孔55Fが形成されている。この窓孔55Fから、座板1Bの可動部70Bが固定部70Aに対して最下降位置に達しているときにおける前述した下側の第2レバー部材62の摩擦部材68と、ロック用ワイヤー36の前述した部分36Aとの間の上下方向の間隔を調べることができ、この上下方向の間隔が予め定められている適性範囲内の値になったときに、図8に示されているナット97をねじ軸部材95に螺合して締め付ける。これにより、機械式結合装置39を座板1Bの固定部70Aに固定する。そして、窓孔55Fをテープ等の遮蔽部材で遮蔽し、ケース55の内部に塵埃等が侵入することを防止する。
これにより、機械式結合装置39は固定部70Aにおける適切な上下方向の位置に取り付けられることになり、この結果として、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときには、機械式結合装置39に設けられている2個のレバー部材61,62の摩擦部材67,68により、ロック用ワイヤー36の上記部分36Aを大きな荷重で挟着ロックできるようになる。
上述のように機械式結合装置39の配置位置を揺動部材81の押圧部材91に対して適切な上下方向の位置に設定するための構造は、以上の方式による構造に限定されない。
なお、以上のように機械式結合装置39を座板1Bの固定部70Aに取り付けるための作業は、本実施形態のシャッター装置のシャッターカーテン1を、本実施形態に係るシャッター装置を設置する建物の図1に示す左右の建物躯体3に取り付けたガイドレール6に沿って上下に開閉移動自在とした後に行う。すなわち、図5で説明した前述の機械式障害物検知装置35を除くシャッター装置自体の設置作業が先に行われ、この後に、機械式障害物検知装置35の設置作業が行われる。この機械式障害物検知装置35の設置作業には、前述したユニット構造物45をまぐさ16に取り付ける作業と、機械式結合装置39を座板1Bの固定部70Aに取り付ける作業とが含まれ、ユニット構造物45をまぐさ16に取り付ける作業と、機械式結合装置39を座板1Bの固定部70Aに取り付ける作業とのうち、どちらの作業を先に行ってもよく、これらの作業を同時(実質的に同時と言える場合を含む。)に行ってもよい。
そして、このように機械式障害物検知装置35の設置作業を行う場合には、座板1Bの固定部70Aに機械式結合装置39を配置して取り付けるための前述の開口部90等を、予め工場において、形成しておくことが好ましい。
本実施形態では、前述したようにロック用ワイヤー36と、第1処理装置37と、第2処理装置38と、機械式結合装置39とからなる機械式障害物検知装置35は、ユニット化されたものとなっているため、工場から本実施形態に係るシャッター装置が設置される建物へ搬送されたこの機械式障害物検知装置35についての設置作業を容易に行え、また、第1処理装置37と第2処理装置38はユニット構造物45となっていて、これらの第1処理装置37と第2処理装置38だけでもユニット化されているため、第1処理装置37と第2処理装置38をまぐさ16に取り付ける作業も容易に行える。
以上のように機械式結合装置39が座板1Bの固定部70Aに取り付けられることにより、不動部材である前述のまぐさ16に設置された図5の第1処理装置37と第2処理装置38に両端部が結合されたロック用ワイヤー36は、まぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡されることになる。また、このロック用ワイヤー36は、機械式結合装置39で折り返されているため、図1に示されているように、まぐさ16からシャッターカーテン1へと延びる第1部分36Bと、シャッターカーテン1からまぐさ16へと延びる第2部分36Cとを有するU字形となる。そして、ロック用ワイヤー36のうち、機械式結合装置39と対応している図7や図12で示された前記部分36Aは、U字形のロック用ワイヤー36の折り返し部となる。
シャッターカーテン1が自重で閉じ移動したときは、ロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1の重量により第1処理装置37のリール40を回転させて、このリール40から繰り出されることになり、これにより、第1部分36Bと第2部分36Cのそれぞれの長さが長くなる。また、シャッターカーテン1が、前述の開閉機13の駆動軸14の回転で上方へ開き移動したときには、ロック用ワイヤー36には弛みが生ずるため、前述した戻しばね41の戻し力で上記とは反対方向へ回転するリール40によりロック用ワイヤー36は巻き取られ、これにより、第1部分36Bと第2部分36Cのそれぞれの長さは短くなる。このため、ロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1の開閉移動に対して追従することになる。また、ロック用ワイヤー40の一方の端部が連結されているリール40は、このロック用ワイヤー36を繰り出し自在に巻き取る巻取装置となっている。
本実施形態では、図1から分かるように、機械式結合装置39と、第1処理装置37及び第2処理装置38からなるユニット構造物45は、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Mに配置されておらず、前述した機械式障害物検知装置35を構成しているこれらの機械式結合装置39とユニット構造物45は、中央位置Mからシャッターカーテン1の幅方向のうちの一方の側へ変位している位置に配置されている。この変位している位置は、シャッターカーテン1を駆動させる駆動装置となっている前述の開閉機13が配置されている側の位置である。
また、図1に示されているように、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cの延び方向は、シャッターカーテン1のカーテン本体1Aに沿った鉛直方向(実質的に鉛直方向と言えるものを含む。)となっており、また、これらの第1部分36Bと第2部分36Cは、互いに平行(実質的に互いに平行と言えるものを含む。)となっている。
また、図2及び図5に示されているように、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cは、まぐさ16におけるシャッターカーテン垂下用のスリット17の内部位置に配置されており、このため、第1部分36Bと第2部分36Cは、まぐさ16と干渉していない。言い換えると、まぐさ16の上面に配置された第1処理装置37及び第2処理装置38は、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cを垂下する部分の位置が、まぐさ16におけるシャッターカーテン垂下用のスリット17の内部位置の上側の位置となるように、まぐさ16に配置されている。
さらに、図10に示されているとおり、座板1Bの固定部70Aにおける機械式結合装置39の配置位置は、シャッターカーテン1の厚さ方向中央位置ではなく、この中央位置からシャッターカーテン1の厚さ方向のうちの一方の側へ変位している位置となっている。このため、ロック用ワイヤー36は、第1部分36Bと第2部分36Cの両方について、図9に示されているように、シャッターカーテン1のうち、前述したカーテン本体1Aと干渉しない。言い換えると、まぐさ16の上面に配置された第1処理装置37及び第2処理装置38は、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cを垂下する部分の位置が、まぐさ16におけるシャッターカーテン垂下用のスリット17の内部位置の上側の位置となるように、まぐさ16に配置されている。
機械式結合装置39が配置されている固定部70Aを除くカーテン主部71Aの部分はカーテン本体1Aであり、このカーテン本体1Aはシャッターカーテン1の大部分の面積を占める大きな部分である。このため、上述のように、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cの両方が、機械式結合装置39が配置されている固定部70Aを除くカーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に配置されていて、カーテン主部71Aと干渉していないことにより、まぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡された架け渡し部材となっていて、本実施形態における機械的部材となっているロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1の開閉移動を阻害しないことになる。
また、前述したとおり、座板1Bの可動部70Bはカーテン副部71Bを形成するものとなっており、図9に示されているとおり、この可動部70Bについてのシャッターカーテン1の厚さ方向寸法はW1である。また、前述したカーテン主部71Aの一部を構成するものとなっている座板1Bの固定部70Aについてのシャッターカーテン1の厚さ方向寸法はW2であり、このW2は、W1よりも小さい。ロック用ワイヤー36は、W1の範囲内であって、W2の範囲内に配置されている。可動部70Bは、カーテン副部71Bを形成するものとなっているため、ロック用ワイヤー36は、このカーテン副部71Bのシャッターカーテン厚さ方向寸法W1内に配置されていることになり、そしてW1は、シャッターカーテン1の全体の厚さ寸法を規定する寸法にもなっているため、ロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1の全体の厚さ寸法内に配置されていることになる。
したがって、シャッターカーテン1のカーテン本体1Aに沿ってロック用ワイヤー36を配置し、これにより、このロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cをカーテン本体1Aと干渉しない位置に配置しても、このロック用ワイヤー36を含むシャッターカーテン1の全体の厚さ寸法が大きくなることを抑制することができる。
なお、W1をW2と等しいとした場合(多少の差がある場合であって、実質的に等しいと言うことできる場合を含む。)にも、ロック用ワイヤー36を含むシャッターカーテン1の全体の厚さ寸法が大きくなることを抑制することができる。
また、本実施形態では、図5で説明したように、まぐさ16における第1処理装置37と第2処理装置38の配置位置は、長孔47,50によりシャッターカーテン1の厚さ方向に調整可能となっているため、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cの両方を、機械式結合装置39が配置されている固定部70Aを除くカーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に一層確実に配置できるようになっている。また。まぐさ16における第1処理装置37と第2処理装置38の配置位置の調整作業を、第1処理装置37と第2処理装置38について個別に行うことにより、第1部分36Bと第2部分36Cを、機械式結合装置39が配置されている固定部70Aを除くカーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に同じ距離だけ離すための作業も行える。
図13は、第2処理装置38の内部構造を示している。この第2処理装置38には、前述したように、ロック用ワイヤー36の端部がコイルばね43を介して結合された回動部材42が設けられている。この回動部材42の回動方向は、水平な中心軸42Aを中心とする上下方向である。また、回動部材42の背後には、ぜんまいばね等による戻しばね100が配置されている。この戻しばね100の戻し力は、回動部材42をC方向へ回動させるように、すなわち、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cを引き上げる方向に回動部材42を回動させるように、回動部材42に作用している。回動部材42には、中心軸42Aを中心とする円弧状の長孔42Bが形成され、この長孔42Bには、第2処理装置38の機枠49に取り付けられたストップ部材101が挿入され、このストップ部材101により回動部材42の回動量が一定量に規制されている。
回動部材42の外周部の一部にはギヤ歯42Cが形成されており、このため、回動部材42は、一部にギヤ歯42Cが形成されたセクターギヤとなっている。このギヤ歯42Cは、回動部材42におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の側(実質的に厚さ方向の側と言えるものを含む。以下同じ。)に設けられている。また、第2処理装置38には2個のロータリー式のダンパー102が配置され、これらのダンパー102は、回動部材42のギヤ歯42Cと噛み合うピニオンギヤ103を備えている。ピニオンギヤ103の回転中心軸104には、ワンウエイクラッチを介してダンパー102の内部に配置された複数のブレードが取り付けられており、回動部材42がC方向に回動することでピニオンギヤ103及び中心軸104がE方向に回転した場合には、ワンウエイクラッチを介してそれぞれのブレードが、ダンパー102の内部に充填されている粘性流体内において回転する。このため、粘性流体の抵抗力により回動部材42は、C方向へ低速で回動することになる。一方、回動部材42がC方向とは逆のD方向に回動し、ピニオンギヤ103及び中心軸104がF方向に回転した場合には、この方向への回転は、ワンウエイクラッチの切断作用によりそれぞれのブレードに伝達されない。このため、回動部材42は、D方向へは高速で回動することができる。
なお、ダンパー102は1個でもよい。しかし、本実施形態のようにダンパー102の個数を複数個とすることにより、回動部材42をC方向へ低速で回動させる上記の抵抗力を大きくでき、これにより、回動部材42のC方向への速度を所望する速度まで遅くすることができる。
また、回動部材42を、一部にギヤ歯42Cが形成されたセクターギヤとすることにより、回動部材42を全周にギヤ歯が形成されたギヤとした場合よりも、回動部材42の全体の上下寸法を小さくすることができる。これにより、第2処理装置38の上下寸法を、延いては、第1処理装置37と第2処理装置38で構成されている前述のユニット構造物45の上下寸法を小さくできるため、図2に示されているように、まぐさ16と前述のシャッターボックス8との間の上下寸法が小さいスペースにユニット構造物45を有効に配置することができるようになる。
さらに、回動部材42を一部にギヤ歯42Cが形成されたセクターギヤとし、このギヤ歯42Cを、上述のように回動部材42におけるシャッターカーテン1の厚さ方向の側に設けることにより、第2処理装置38における回動部材42の配置位置を高い位置とすることが可能となるため、シャッターカーテン1を、回動部材42が座板1Bと干渉することをなくして、全開位置まで開き移動させることができるようになる。
また、ギヤ歯42Cは、回動部材42におけるシャッターカーテン1の側とは反対側に形成され、回動部材42におけるシャッターカーテン1と同じ側には、ギヤ歯42Cが形成されていない凹部42Dが形成されているため、これによっても、シャッターカーテン1の全開時において、回動部材42が座板1Bと干渉することをなくすことができ、また、シャッターカーテン1が開閉移動しているときには、回動部材42がカーテン本体1Aと干渉することをなくすことができる。
また、本実施形態では、図13に示されているように、コイルばね43とロック用ワイヤー36の第2部分36Cとの連結部N1が、回動部材42とコイルばね43との連結部N2に対してシャッターカーテン1の側へずれている。このため、シャッターカーテン1が全開位置に達しても、コイルばね43がカーテン本体1Aを形成しているスラットと接触することをなくすことができ、また、コイルばね43が回動部材42とコイルばね43との連結部N2を中心にシャッターカーテン1の側へ揺動することを抑制できるため、この抑制により、コイルばね43がカーテン本体1Aを形成しているスラットと接触することも防止できる。
また、図13に示されているとおり、第2処理装置38の機枠49の上部には、接触式スイッチ手段であるマイクロスイッチ170が固定配置されている。このマイクロスイッチ170には、ばねでマイクロスイッチ170から突出する方向へ付勢されている作動部材(アクチュエータ)171が設けられており、このマイクロスイッチ170は、まぐさ16に配置された第2処理装置38の機枠49に、作動部材171が下向きに突出するように固定配置されている。マイクロスイッチ170のリード線172は、制御装置27に接続されている。一方、回動部材42におけるギヤ歯42Cが形成されていない部分の外周面42Dには、ドグ部材173が取り付けられている。
マイクロスイッチ170の作動部材171は、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物に当接しない限り、回動部材42の外周面42Dに接触した状態となっている。一方、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物に当接し、機械式結合装置39の作動で回動部材42がD方向に回動することにより、作動部材171は、ドグ部材173に当接するようになっている。
このため、本実施形態では、マイクロスイッチ170は、機械式結合装置39の作動でロック用ワイヤー36に緊張力が作用したことを回動部材42を介して検出する緊張力検出手段となっており、ロック用ワイヤー36は、緊張力作用部材となっている。そして、本実施形態では、機械式障害物検知装置35とマイクロスイッチ170とで、シャッターカーテン1の閉じ移動中にシャッターカーテン1の座板1Bが図1で示す障害物34に当接したときに、この障害物34を電気式に検知するための電気式障害物検知手段である電気式障害物検知装置を構成するものとなっている。
このように、機械式結合装置39は、シャッターカーテン1が全開位置に達している状態からシャッターカーテン1が全閉位置に達するまでの間(言い換えると、常時)、マイクロスイッチ170よりもシャッターカーテン1の閉じ移動方向側、すなわち、下側に位置するようになっている。
なお、マイクロスイッチ170は、図2に示すように、巻取軸11から繰り出されるシャッターカーテン1の厚さ方向(前後方向)中央位置を基準として、この中央位置よりも巻取軸11側、すなわち、制御装置27側に配置されている。すなわち、マイクロスイッチ170は、シャッターカーテン1の厚さ方向中央位置を基準として制御装置27と同じ側に配置されている。このため、マイクロスイッチ170及び制御装置27の修理、交換等のメンテナンス作業が容易となっている。
図14は、図1〜図3で示されている前述の自動閉鎖装置32の内部構造を示す正面図であり、図15は、この自動閉鎖装置32の内部構造を示す平面図である。自動閉鎖装置32は、非常時において、図1〜図3で示されている前述の開閉機13を機械式又は電気式に制御することにより、全開位置に達していたシャッターカーテン1を自動的に閉じ移動させて全閉とし、防煙性及び/又は防火性を有しているシャッターカーテン1により図1の出入口2を閉鎖するためのものである。自動閉鎖装置32は、この自動閉鎖装置32の機枠110に設けられている図14のブラケット部110Aにより、開閉機13に取り付けられている。また、図15に示されているように、自動閉鎖装置32まで、この自動閉鎖装置32を制御するための第1制御用ワイヤー111、第2制御用ワイヤー112、第3制御用ワイヤー113のそれぞれの端部が延設されている。これらの制御用ワイヤー111〜113は、前述のロック用ワイヤー36と同じく、可撓性を有する紐状部材となっていて、細長部材ともなっている。
また、これらの制御用ワイヤー111〜113は、可撓性を有するアウターケーブル114〜116の内部にスライド自在に挿通されている。このため、制御用ワイヤー111〜113はアウターケーブル114〜116により保護されている。
図13に示されているように、第1制御用ワイヤー111は第2処理装置38まで延びており、この第1制御用ワイヤー111の端部は、第2処理装置38の回動部材42に連結されている。また、図2に示されているように、第1制御用ワイヤー111及びこの第1制御用ワイヤー111が内部に挿通されたアウターケーブル114は、第2処理装置38が一部の構成要素となっている前述のユニット構造物45と開閉機13とが配置されている天井裏空間7において配線されているとともに、この天井裏空間7に存在する物体117を避けて、言い換えると、物体117を迂回して、第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114とが配線可能なスペースにおいて配線されている。なお、このスペースは、予め存在しているものでもよく、第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114の配線時において、物体117の一部を切欠したり、物体117に孔を設けたりすることにより、形成したものでもよい。
そして、このように第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114を物体117と干渉しないで配線することは、第1制御用ワイヤー111とアウターケーブル114が可撓性を有しているために可能である。なお、物体117は、本実施形態のシャッター装置が設置される建物自体に関係したものでよく、本実施形態のシャッター装置の一部、例えば、前述したシャッターボックス8に関係したものでもよい。
また、図13に示されているように、第1制御用ワイヤー111及びアウターケーブル114は、第2処理装置38の近くでは、第2処理装置38に対して斜めの向きとなっている。これにより、第1制御用ワイヤー111及びアウターケーブル114が、図2で示されているまぐさ16のまぐさ部材16Aとシャッターボックス8とを結合している結合部材26と干渉しないようになっている。
図14及び図15に示されているように、自動閉鎖装置32の機枠110には、互いに対向する2個の立上り部110B、110Cが設けられており、これらの立上り部110B、110Cに形成された孔110D,110Eに、2個の立上り部110B、110Cに跨る長さを有している板状のスライド部材120がスライド自在に挿入されている。このスライド部材120の外周にはばね121が巻回されており、このばね121のばね力により、スライド部材120には立上り部110B側への前進力が常時作用している。この前進力の方向は、図3で説明した開閉機13に設けられている前述のレバー部材31の第1部分31AをA方向へ移動させる方向である。
図3及び図14に示されているとおり、スライド部材120の前端に下向きに折曲形成された折曲部120Aには、作動部材122が取り付けられており、また、レバー部材31の第1部分31Aには、被作動部材123が立設結合されている。スライド部材120がばね121のばね力によって前進した場合には、作動部材122が被作動部材123に当接することにより、レバー部材31の第1部分31Aに図3で示したA方向への荷重が作用するようになっている。図14に示されているように、本実施形態では、作動部材122はボルト124の頭部124Aとなっているため、この頭部124Aを回転操作してボルト124をスライド部材120の折曲部120Aに対して進退させることにより、作動部材122と被作動部材123との間の間隔を適切な寸法に調整できる。この調整を行った後に、ボルト124に螺合させておいたロックナット125を回転操作し、このロックナット125を折曲部120Aに圧接させることにより、被作動部材123に対する作動部材122の位置を、適切な位置にして固定できることになる。
図15に示されているように、自動閉鎖装置32の機枠110には、ソレノイド126が取り付けられており、このソレノイド126のプランジャ127には、ばね128のばね力がプランジャ127をソレノイド126から突出させる方向へ常時作用している。このプランジャ127の先端には、中心軸129Aを中心に回動自在となっているL字形の屈曲レバー部材129の一方の端部がスライド式の連結部129Bで連結されており、トリガーレバー部材となっているこの屈曲レバー部材129の他方の端部には、ローラ130が回転自在に設けられている。
このローラ130と対面するスライド部材120の部分には凹部120Bが形成されている。この凹部120Bにおけるスライド部材120の後退側の部分は、傾斜面120Cとなっている。また、自動閉鎖装置32には、屈曲レバー部材129に中心軸129Aを中心とするG方向への回動力を付与するためのばね131と、プランジャ127を前述のばね128と共にソレノイド126から突出させる方向へ付勢し、かつ屈曲レバー部材129を中心軸129Aを中心にG方向へ回動させるばね132とが設けられており、これらのばね128,131,132のばね力により、通常時のローラ130は、図15に示されているように、凹部120Bに嵌合しており、この嵌合により、前述したばね121によるスライド部材120の前進は止められている。このように凹部120Bに嵌合したローラ130で前進が止められているときにおけるスライド部材120の前端の位置は、図15で示す3個の位置H,I,Jのうち、H位置である。
図15に示されているとおり、自動閉鎖装置32には、マイクロスイッチ135が配置され、このマイクロスイッチ135には、ばねでマイクロスイッチ135から突出する方向へ付勢されている作動部材(アクチュエータ)136が設けられている。また、スライド部材120には、凹部120Bと反対側の部分において、ドグ部材137が取り付けられており、作動部材136はこのドグ部材137に当接している。
スライド部材120には、第1連結部138Aと第2連結部138Bが設けられた連結部材138が結合されており、ソレノイド126のプランジャ127の先端には連結部材140が結合されており、前述したばね132の一方の端部は、この連結部材140に連結されている。図5で示した第2処理装置38の回動部材42に一方の端部が連結されている前述の第1制御用ワイヤー111の他方の端部は、スライド部材120の連結部材138の第1連結部138Aに連結され、第2制御用ワイヤー112の端部は、プランジャ127に結合された連結部材140に連結され、第3制御用ワイヤー113の端部は、スライド部材120の連結部材138の第2連結部138Bに連結されている。
また、アウターケーブル115の内部に挿通された第2制御用ワイヤー112は、図1で示されている操作装置30に隣接配置されている手動閉鎖装置184まで延びており、アウターケーブル115から突出している第2制御用ワイヤー112の端部には、手動閉鎖装置184のレバー部材等の手動操作部材185が連結されている(図4参照)。この手動操作部材185を操作することにより、第2制御用ワイヤー112を引っ張り操作できるようになっている。
さらに、アウターケーブル116の内部に挿通された第3制御用ワイヤー113は、自動閉鎖装置32が配置された前述の天井裏空間7から延び、操作装置30に隣接して配置されている手動復帰装置186に連結されている(図1及び図4参照)。この手動復帰装置186は、後述するように、自動閉鎖装置32を火災等の災害が発生する前の初期状態に戻すためのものである。また、この手動復帰装置186は、第3制御用ワイヤー113の両端部のうち、自動閉鎖装置32の後述するスライド部材120に連結されていない側の端部が連結され、この第3制御用ワイヤー113が巻き取られ、繰り出される巻取軸189と、第3制御用ワイヤー113を巻き取るために巻取軸189を回転させるための駆動力を発生する駆動装置である電動モータ手段188と、この電動モータ手段188で発生した駆動力を巻取軸189に伝達するための図示しない動力伝達手段と、を含んで構成されている(図4参照)。電動モータ手段188は、操作装置30の操作ボタン30A,30B,30Cに隣接配置されている「復帰」ボタン187(図4参照)を押下することにより作動するようになっている。
また、第3制御用ワイヤー113は、図1に示されているように、もう1本あり、この第3制御用ワイヤー113は、自動閉鎖装置32が配置された前述の天井裏空間7から、建物内における手動で操作できる位置まで延びている。この位置は、本実施形態では、図1に示されているように、天井裏空間7からまぐさ16のスリット17を通過した出入口2の上部の位置となっており、アウターケーブル116から突出している第3制御用ワイヤー113の端部には、手動で第3制御用ワイヤー113を引っ張り操作できる手動操作部材141が結合されており、この手動操作部材141は、本実施形態ではリング部材となっている。このため、第3制御用ワイヤー113と手動操作部材141とで、自動閉鎖装置32を手動で初期状態に復帰させるための手動復帰装置191が構成されている(図4参照)。
本実施形態に係るシャッター装置が設置された建物において、シャッターカーテン1が全開となっているときに、火災等の災害が発生すると、この災害により発生した煙(熱)を感知するセンサである煙(熱)感知器180(図1参照)から、防災信号が制御手段33を構成する防災用連動制御装置181に入力される。自動閉鎖装置32に接続されている防災用連動制御装置181は、この自動閉鎖装置32のソレノイド126を通電する。これにより、ソレノイド126が励磁されるため、このソレノイド126のプランジャ127は、ばね128のばね力に抗して後退する。これにより、屈曲レバー部材129は、ばね131,132のばね力に抗して中心軸129Aを中心に図15のG方向とは逆方向に回動することになる。このときの状態が図16で示されている。屈曲レバー部材129が中心軸129Aを中心にG方向とは逆方向に回動すると、屈曲レバー部材129のローラ130はスライド部材120の凹部120Bから脱出するため、スライド部材120はばね121のばね力で前進し、この前進は、連結部材138の前端が自動閉鎖装置32の機枠110の前述の立上り部110Bに当接することにより停止する。このときにおけるスライド部材120の前端の位置は、図15で示した3個の位置H,I,Jのうち、図16に示されているように、最前位置であるI位置である。
また、スライド部材120が前進すると、マイクロスイッチ135の作動部材136は、スライド部材120に取り付けられているドグ部材137の位置から外れるため、作動部材136がばねの付勢力で突出移動することによるマイクロスイッチ135からの信号により、上記の防災用連動制御装置181はソレノイド126への通電を停止する。
このソレノイド126への通電の停止により、プランジャ127はばね128のばね力でソレノイド126から突出移動し、屈曲レバー部材129はばね131,132のばね力で中心軸129Aを中心に図15のG方向へ回動する。このときのスライド部材120は、このスライド部材120の前端がI位置まで達している移動限まで前進しているため、屈曲レバー部材129のローラ130は、図17に示されているように、スライド部材120の前述した傾斜面120Cに当たる。このため、プランジャ127の突出移動、及び中心軸129Aを中心とする屈曲レバー部材129のG方向への回動は、途中で停止する。
以上のようにして自動閉鎖装置32のスライド部材120が前進すると、このスライド部材120の前端に設けられている作動部材122が、図3で示されている被作動部材123を介して開閉機13のレバー部材31の第1部分31Aを図3のA方向に押圧するため、前述したように、この第1部分31Aがレバー部材31の第2屈曲部31Dを支点としてA方向へ揺動することにより、開閉機13のブレーキ手段19のブレーキ軸21及びブレーキドラム22は、A方向と同じ方向であるA’方向へスライドし、これにより、それまでオンとなっていたブレーキ手段19は、オフとなる。このため、全開となっていたシャッターカーテン1は、巻取軸11よりも下側の部分の座板1B等の自重により、前述した巻取軸11を回転させながら下向きに閉じ移動することになり、開閉機13の前述した駆動軸14も駆動力伝達手段12を介して自由回転し、シャッターカーテン1が全閉となることにより、このシャッターカーテン1による防災区画が形成されることになる。
また、火災等の災害が発生したことを人間が発見(感知)した場合には、この人間が、図1で示した操作装置30に隣接配置されている手動閉鎖装置184に設けられ、前述した第2制御用ワイヤー112の端部に連結されているレバー部材等の手動操作部材185(図4参照)により、第2制御用ワイヤー112を引っ張り操作する。これにより、ソレノイド126のプランジャ127は後退するため、ソレノイド126が通電、励磁される前であっても、ソレノイド126が通電、励磁されたときと同じく、屈曲レバー部材129は中心軸129Aを中心に図15のG方向とは逆方向へ回動するため、屈曲レバー部材129のローラ130はスライド部材120の凹部120Bから脱出し、スライド部材120はばね121のばね力で前進することになる。
このため、本実施形態によると、第2制御用ワイヤー112を利用した手動操作でも、開閉機13のブレーキ手段19をオフにし、全開となっていたシャッターカーテン1を閉じ移動させて全閉とすることができる。
そして、本実施形態では、図1に示されているように、手動閉鎖装置184は、左右の壁等の建物躯体3のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置32に近い位置となっている一方の建物躯体3Aに配置されているため、自動閉鎖装置32と手動閉鎖装置184との間に架け渡されている第2制御用ワイヤー112の長さを短くできることになる。このため、他方の建物躯体3に手動閉鎖装置184を配置した場合よりも、上述のレバー部材等の手動操作部材185により第2制御用ワイヤー112を引っ張り操作したときの引っ張り力を自動閉鎖装置32に瞬時に入力させることができ、これにより、シャッターカーテン1の閉じ移動を迅速に開始させることができる。
このように、本実施形態では、全開となっていたシャッターカーテン1を手動により閉じ移動させて全閉とするための手動閉鎖装置184が備えられており、この手動閉鎖装置184は、第2制御用ワイヤー112と、この第2制御用ワイヤー112の一端に連結されているソレノイド126と、第2制御用ワイヤー112の他端に連結されているレバー部材等の手動操作部材185と、を含んで構成されたものとなっている。
シャッターカーテン1が全閉位置に達し、そして、火災等の災害が解消したときには、操作装置30に隣接配置された前記手動復帰装置186の「復帰」ボタン187(図4参照)を操作する。これにより、電動モータ手段188(図4参照)が駆動するので、第3制御用ワイヤー113の端部は、巻取軸189(図4参照)に巻き取られて手動復帰装置186側に引っ張られる。これにより、第3制御用ワイヤー113は自動閉鎖装置32のスライド部材120に連結されているため、このスライド部材120はばね121のばね力に抗して後退することになる。このため、スライド部材120は、図17に示されている位置から、前端が図15のH位置となる初期位置へ復帰することになる。また、スライド部材120がこの初期位置へ復帰するときに、屈曲レバー部材129が中心軸129Aを中心としてばね131,132のばね力で図15のG方向へ回動するため、屈曲レバー部材129のローラ130は、図15に示されているように、スライド部材120の凹部120Bに嵌合することになり、スライド部材120は、スライド部材120の前端がH位置に達した状態で停止する。これにより、自動閉鎖装置32は、火災等の災害が発生する前の初期状態に戻る。
なお、本実施形態では、自動閉鎖装置32を火災等の災害が発生する前の初期状態に戻すことは、前述した第3制御用ワイヤー113の端部が連結されている手動復帰装置191の手動操作部材141を操作することにより引っ張ることによってもできる(図4参照)。
また、スライド部材120が初期位置へ復帰すると、開閉機13のブレーキ手段19のブレーキ軸21及びブレーキドラム22は図3の前述したばね23でA’方向とは逆方向へ移動するため、ブレーキ手段19はオンに復帰する。これにより、ブレーキ手段19のオン、オフは、開閉機13に接続されている制御装置27による電気的な制御に任された状態となる。この後に、操作装置30に設けられている前述の「開」ボタン30Aを操作することにより、シャッターカーテン1は、前述したとおり、開閉機13の駆動力により全開位置まで開き移動する。
なお、図13で示されているロック用ワイヤー36の第2部分36Cの上端に、この上端をコイルばね43に連結するためのループ部36Dを形成するための結合具36Eを設ける場合において、この結合具36Eを押し潰し加工等することにより、結合具36Eの水平断面を、シャッターカーテン1の厚さ方向に細長くなった細長形状としておくことが好ましい。これによると、図5で示す機械式結合装置39を収納するためのケース55の上面部55Bに形成されていて、第2部分36Cが出入する孔57は、結合具36Eの細長方向と直交するシャッターカーテン1の幅方向に長い長孔になっているため、上述したようにシャッターカーテン1が全開位置まで開き移動した際に、結合具36Eの下面が、長孔57の外側部分となっているケース55の上面部55Bに当接することにより、結合具36Eの下面が長孔57の内部に侵入してシャッターカーテン1が所定以上に開き移動することを防止できる。
また、前述したように、火災等の災害で発生した煙(熱)を検知した煙(熱)感知器180からの防災信号が入力された防災用連動制御装置181により、自動閉鎖装置32のソレノイド126が通電、励磁され、あるいは、第2制御用ワイヤー112の端部に連結されている手動閉鎖装置184の手動操作部材185の操作により第2制御用ワイヤー112が引っ張り操作され、これにより、開閉機13のブレーキ手段19がオフとなって、シャッターカーテン1が全開位置から下向きに閉じ移動しているときに、言い換えると、自動閉鎖装置32が図17で示した状態になっているときに、閉じ移動方向であるシャッターカーテン1の下側に図1で示す障害物34が存在している場合には、シャッターカーテン1の閉じ移動の途中において、このシャッターカーテン1の閉じ側の先端部に配置されているカーテン副部71Bが、言い換えると、シャッターカーテン1の座板1Bの下側部分を形成している前述の可動部70Bが障害物34に当接し、この可動部70Bの下降が停止する。
可動部70Bの下降が停止しても、カーテン本体1Aと、座板1Bのうちの前述した固定部70Aとで構成される前述のカーテン主部71Aは、下降するため、この下降で生ずるカーテン主部71Aに対するカーテン副部71Bの相対的な上昇により、図12等で説明したように、前述した機械式結合装置39の第1レバー部材61と第2レバー部材62は、摩擦部材67,68において、ロック用ワイヤー36の前述した折り返し部36Aを挟着し、この挟着によりロック用ワイヤー36をロックする。これにより、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とが、機械式結合装置39により機械式に結合された状態となる。
それまでのロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1の閉じ移動に追従して前述の第1処理装置37のリール40から繰り出されており、ロック用ワイヤー36の折り返し部36Aが摩擦部材67,68で挟着され、ロック用ワイヤー36がロックされると、障害物34のへこみ変形に基づき、折り返し部36Aで折り返された状態になっているロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cには、カーテン副部71Bよりも上側のシャッターカーテン1の部分の重量、すなわち、カーテン主部71Aの重量が作用するため、ロック用ワイヤー36には、特に、第2部分36Cには、大きな緊張力が作用する。
そして、ロック用ワイヤー36の折り返し部36Aは、図12に示されているように、第1レバー部材61と第2レバー部材62に設けられた摩擦力が大きい摩擦部材67,68で挟着、ロックされるため、これらの摩擦部材67,68により、ロック用ワイヤー36が第1レバー部材61と第2レバー部材62に対して滑り移動することを阻止することができる。また、本実施形態では、第1レバー部材61と第2レバー部材62の揺動中心軸となっている前述の軸63は、第1レバー部材61と第2レバー部材62について共通化されているため、部材点数の削減により機械式結合装置39の構造を簡単化できるとともに、摩擦部材67,68同士の位置関係を適切に設定できることになり、このため、ロック用ワイヤー36の上記の折り返し部36Aを摩擦部材67,68で一層確実に挟着、ロックできるようになっている。
さらに、障害物34へのシャッターカーテン1の当接が、前述の機械式結合装置39が配置された位置の下側で行われず、この機械式結合装置39の配置位置の下側からシャッターカーテン1の幅方向にずれた位置で行われ、このため、シャッターカーテン1における機械式結合装置39が配置された部分がシャッターカーテン1の閉じ方向へ少し移動しようとした場合には、第1処理装置37のリール40から繰り出されているロック用ワイヤー36は、摩擦部材67,68で挟着されている箇所が第1部分36B側から第2部分36C側へ移行するための移動を行おうとするが、この移動方向とは反対方向へ摩擦部材67,68の間隔は次第に小さくなっているため、ロック用ワイヤー36が第1レバー部材61と第2レバー部材62に対して滑り移動することを一層有効に阻止することができる。
また、本実施形態では、ロック用ワイヤー36の折り返し部36Aが摩擦部材67,68で挟着、ロックされるときには、図12で示されているように、折り返し部36Aには、前述した複数個のガイド部材60のうちの1個のガイド部材60Aや、第2レバー部材62により、直線状となっていない迂回部36Fが形成されるようになっている。このため、障害物34がへこみ変形しない又は殆どへこみ変形しない硬質の物体であっても、ロック用ワイヤー36に迂回部36Fが形成されることにより、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cを引っ張ることができ、これにより、この第2部分36Cに大きな緊張力を作用させることができる。
以上のようにして、ロック用ワイヤー36が第1レバー部材61と第2レバー部材62に対して滑り移動することが摩擦部材67,68により阻止されて、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cに大きな緊張力が作用すると、図13で示した第2処理装置38の回動部材42は、この緊張力により、前述した戻しばね100に抗して図13のD方向に回動し、この回動量は、前述のストップ部材101が挿入されている円弧状の長孔42Bの長さに応じたものとなる。このときの回動は、ロータリー式のダンパー102のピニオンギヤ103をF方向に回転させるが、このF方向へのピニオンギヤ103の回転では、前述したとおり、ダンパー102に粘性流体による抵抗力は発生しない。このため、第2部分36Cに作用した緊張力により回動部材42は高速でD方向へ回動することになり、この回動部材42に一方の端部が連結されている第1制御用ワイヤー111は引っ張られることになる。
以上のことから、ロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1が閉じ移動の途中で障害物34に当接したときにこの当接に基づく緊張力が作用する緊張力作用部材となっている。
なお、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cは回動部材42に直接連結されておらず、これらの第2部分36Cと回動部材42との間には衝撃荷重緩衝用弾性部材となっている前述のコイルばね43が介設されているため、第2部分36Cに上述の大きな緊張力が瞬間的に作用しても、この緊張力が回動部材42に直接作用することはなく、緊張力を緩和させて回動部材42に作用させることができる。
また、回動部材42のD方向への回動量が円弧状の長孔42Bに挿入されているストップ部材101で規定される限界値に達したときにも、コイルばね43による衝撃荷重緩衝作用により、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cと回動部材42との間で大きな衝撃荷重が伝播をすることを防止することができる。
上述のように第1制御用ワイヤー111が引っ張られると、この第1制御用ワイヤー111の他方の端部は、図17で示されているスライド部材120に連結されているため、スライド部材120はばね121に抗しながら後退する。第1制御用ワイヤー111が引っ張られる量及びスライド部材120が後退する量は、図13で示した回動部材42の長孔42Bの長さで規定されている量であるため、前端が図15及び図17で示すI位置まで達していたスライド部材120は、スライド部材120の前端の位置が図15のH位置となる後退限まで後退せず、前端の位置がJ位置となる位置、すなわち、H位置とI位置との中間の位置で停止する。このときの状態が図18に示されている。このときの屈曲レバー部材129のローラ130が当接しているスライド部材120位置は、図17のときよりも、スライド部材120のスライド方向であるスライド部材120の長さ方向へ移動しているが、ローラ130は、前述した傾斜面120Cにまだ当接している。
また、このときのスライド部材120の前端の位置は、I位置からJ位置へ後退しているため、このスライド部材120の作動部材122によって図3及び図14のレバー部材31の第1部分31Aが図3のA方向に押圧されていた荷重は、解除されることになる。このため、開閉機13のブレーキ手段19は、オフからオンに切り替えられることになる。そして、このブレーキ手段19のオンにより、開閉機13の前述の駆動軸14は回転できないため、シャッターカーテン1の上端が結合されている巻取軸11も回転することはできない。
したがって、障害物34に当接したシャッターカーテン1は、その当接位置で閉じ移動を停止することになる。この停止は、ロック用ワイヤー36を摩擦部材67,68でロックする第1レバー部材61と第2レバー部材62を備えた前述の機械式結合装置39や、同じく機械式となっている第2処理装置38、さらには機械式にスライドする自動閉鎖装置32の部材となっているスライド部材120、機械式にオンとなる開閉機13のブレーキ手段19等により構成されている機械式構造によって行われる。
このように、本実施形態に係るシャッター装置は、ロック用ワイヤー36と、第1処理装置37と、第2処理装置38と、機械式結合装置39と、を含んで構成されている機械式開閉体停止装置である機械式シャッターカーテン停止装置を備えたものとなっている。
このため、シャッターカーテン1が閉じ移動を開始した後に、火災等の災害の発生を原因として、あるいは、他の理由を原因として、本実施形態に係るシャッター装置が設置された建物が停電になっても、閉じ移動中に障害物34に当接したシャッターカーテン1を停止させることができる。
また、本実施形態では、図1で説明したように、前述した機械式障害物検知装置35を構成している機械式結合装置39とユニット構造物45は、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Mに配置されておらず、この中央位置Mから、シャッターカーテン1の幅方向のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置32が配置されている一方の側へ変位している位置に配置されている。このため、第2処理装置38と自動閉鎖装置32との間に配線されている第1制御用ワイヤー111の長さを短くすることができる。したがって、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したときには、第1制御用ワイヤー111に作用する前述の緊張力を瞬時に自動閉鎖装置32に入力させることができ、これにより、開閉機13のブレーキ手段19を迅速にオンにすることができる。
なお、例えば、ユニット構造物45と自動閉鎖装置32との間に大きな物体が存在するなどの理由により、当該箇所に第1制御用ワイヤー111を配線できる充分なスペースがなく、このため、ユニット構造物45の第2処理装置38と自動閉鎖装置32との間に、長さを短くした第1制御用ワイヤー111を配線することが不可能又は困難である場合には、まぐさ16におけるユニット構造物45を配置する位置を上記の位置から変更し、これにより、第2処理装置38と自動閉鎖装置32との間で第1制御用ワイヤー111を、この第1制御用ワイヤー111を配線できるスペースを通すことにより、配線するようにしてもよい。これによってユニット構造物45が配置されるまぐさ16における位置を、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Mから、シャッターカーテン1の幅方向のうち、開閉機13及び自動閉鎖装置32が配置されている上記の一方の側とは反対側の位置へ移行させ、ユニット構造物45等で構成されている上述の機械式障害物検知装置35の配置位置を、シャッターカーテン1の幅方向の中央位置Mに対して図1で示されている位置とは反対の位置、言い換えると、開閉機13及び自動閉鎖装置32から中央位置Mよりもさらに遠い位置としてもよい。
以上のようにして閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接し、開閉機13のブレーキ手段19がオンになった後に、障害物34が除去されると、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが下降するため、機械式結合装置39の第1レバー部材61と第2レバー部材62の摩擦部材67,68によるロック用ワイヤー36の挟着、ロックは解除され、機械式結合装置39によるシャッターカーテン1とロック用ワイヤー36との機械式結合状態も解除される。これにより、ロック用ワイヤー36の緊張力は消滅し、このため、図13の戻しばね100による戻し力が作用している第2処理装置38の回動部材42は、図13のC方向に回動し、この回動により、第1制御用ワイヤー111によって後退方向へ引っ張られていた自動閉鎖装置32のスライド部材120は、前端の位置が図18で示すJ位置から図17で示すI位置へ移行する前進をばね121により行う。このため、開閉機13のブレーキ手段19は、オンからオフへ再度切り替られ、シャッターカーテン1は閉じ移動を再開することとなる。
また、第2処理装置38の回動部材42が図13のC方向に回動するときには、ロータリー式のダンパー102のピニオンギヤ103はE方向に回転し、このE方向についてはダンパー102に粘性流体による抵抗力が生ずる。このため、スライド部材120の前端の位置が図18で示すJ位置から図17で示すI位置へ移行すること、及びこの移行により開閉機13のブレーキ手段19がオンからオフへ切り替られることは、ダンパー102の遅延作用により、瞬時に行われない。したがって、障害物34の除去によりシャッターカーテン1が閉じ移動を再開することは、障害物34の除去から時間遅れをもって開始されることになり、このため、障害物34の除去作業を時間的余裕をもって行うことができる。
この説明で分かるように、ダンパー102を備えている本実施形態における第2処理装置38は、上述の遅延を生じさせるための遅延装置となっている。
なお、この遅延装置のダンパー102からの粘性流体の漏れがあっても、この粘性流体が図5で示すユニット構造物45から落下することを防止するために、例えば、ユニット構造物45のベース部材44の周囲に立ち上り壁を設けることにより、このベース部材44を皿形状としてもよい。
また、この遅延装置は、ダンパー102の代わりに、例えば、ぜんまい式タイマーを含む機械式手段を採用したものとしてもよい。この機械式手段によると、粘性流体式ダンパー102と異なり、環境温度に影響されることなく遅延時間をより正確に設定することができる。
そして、シャッターカーテン1が全閉となった後において、操作装置30に隣接配置されている前述の手動復帰装置186の「復帰」ボタン187を操作することにより、この手動復帰装置186の巻取軸189が第3制御用ワイヤー113を巻き取る方向に回転するので、この第3制御用ワイヤー113は引っ張られることになる。これにより、自動閉鎖装置32のスライド部材120は、前端の位置が図15のH位置に戻る復帰移動を行うため、自動閉鎖装置32の全体は図15の初期状態に復帰する。また、自動閉鎖装置32を初期状態に復帰させることは、前述したように、図1で示した手動復帰装置191の手動操作部材141で第3制御用ワイヤー113を引っ張ることによってもできる。
なお、本実施形態では、火災等の災害の発生により、煙(熱)感知器180から防災信号が防災用連動制御装置181に入力されると、この防災用連動制御装置181からの制御信号により、制御装置27による開閉機13の駆動制御を無効にするための駆動装置駆動制御無効手段である開閉機駆動制御無効手段29が作動する(図4参照)。これにより、操作装置30の「開」ボタン30A、「閉」ボタン30B、「停」ボタン30Cを操作することによるシャッター装置の電動操作が無効となる。この開閉機駆動制御無効手段29は、具体的には、制御装置27に備えられている開閉機13の駆動制御を行う開閉機駆動制御回路28の動作を無効にするものであり、防災用連動制御装置181からの制御信号により、開閉機駆動制御回路28を開放状態にするマイクロスイッチ等のスイッチ手段等で構成される。
また、本実施形態では、防災信号が入力された防災用連動制御装置181からの制御信号により、図1に示す操作装置30に隣接配置されている手動復帰装置186による自動閉鎖装置32の復帰操作を無効にするための自動閉鎖装置復帰操作無効手段190が作動する(図4参照)。これにより、手動復帰装置186の「復帰」ボタン187を操作することによる自動閉鎖装置32の復帰操作が無効となる。手動復帰装置186が備える自動閉鎖装置復帰操作無効手段190は、第3制御用ワイヤー113を巻き取る巻取軸189を回転させるための駆動力を発生する駆動装置である電動モータ手段188の駆動を阻止するものであり、図示されていないが、防災用連動制御装置181からの制御信号により、電動モータ手段188の駆動制御を行うモータ駆動制御回路を開放状態にするマイクロスイッチ等のスイッチ手段等で構成される。
なお、本実施形態では、開閉機駆動制御無効手段29及び自動閉鎖装置復帰操作無効手段190の作動は、火災の発生を発見(感知)した人間が手動閉鎖装置184を操作することによっても行われる。この手動閉鎖装置184の操作による開閉機駆動制御無効手段29及び自動閉鎖装置復帰操作無効手段190の作動は、第2制御用ワイヤー112が引っ張り操作されることにより、前記開閉機駆動制御回路28や前記モータ駆動制御回路を機械式に開放状態にするマイクロスイッチ等のスイッチ手段等が作動することにより行われる。
このため、本実施形態では、煙(熱)感知器180から防災信号が防災用連動制御装置181に入力されることで自動閉鎖装置32が作動することによるシャッターカーテン1の自重降下中や、火災の発生を発見(感知)した人間による手動閉鎖装置184の操作によるシャッターカーテン1の自重降下中においては、人間がシャッターカーテン1の電動操作を行うことや、人間が自動閉鎖装置32の復帰操作を行うことが防止される。これにより、例えば、以下のような効果を得ることができる。
非常時において、シャッターカーテン1が自重降下中に障害物34に当接したことにより機械式結合装置39が作動し、その後、この障害物34が除去されたが、機械式結合装置39によるロック用ワイヤー36の部分36Aの挟着、ロックが何らかの原因で解除されない状態が生じたとき、シャッターカーテン1が電動操作可能となっている場合には、以下の事象が発生するおそれがある。
すなわち、人間が過ってシャッターカーテン1を電動により閉じ移動させた場合には、ロック用ワイヤー36の第2部分36C(図5参照)が引っ張られることにより、この第2部分36Cが切断したり、また、第2処理装置38の構成部材の損傷が発生するおそれがある。しかし、本実施形態では、シャッターカーテン1の自重降下中は、人間がシャッターカーテン1の電動操作を行うことができないため、前述したようなロック用ワイヤー36の第2部分36Cの切断や、第2処理装置38の構成部材の損傷の発生を防止することができる。
なお、本実施形態において、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、制御装置27は、シャッターカーテン1を反転上昇させる制御は行わずに、シャッターカーテン1を障害物34と当接した位置で停止させる制御を行い、障害物34が除去された場合には、再びシャッターカーテン1を電動により閉じ移動させる制御を行うようにしてもよい。
また,シャッターカーテン1が自重降下中に、人間による自動閉鎖装置32の復帰操作(手動復帰装置186の「復帰」ボタン187の操作)を行うことが可能となっている場合において、人間が過って手動復帰装置186の「復帰」ボタン187を操作した場合には、このボタン操作により、オフとなっていた開閉機13のブレーキ手段19が途中でオンに復帰し、自重降下中のシャッターカーテン1が途中で停止してしまうことになる。そして、前記人間が手動閉鎖装置184の操作を知らない場合には、シャッターカーテン1は途中で半閉(半開)状態のままとなるおそれがある。しかし、本実施形態では、シャッターカーテン1の自重降下中は、手動復帰装置186の「復帰」ボタン187の操作が無効となるため、自重降下中のシャッターカーテン1が途中で強制的に停止されてしまうことが防止される。
このように、本実施形態では、防災信号の受信で自動閉鎖装置32が作動することによるシャッターカーテン1の自重降下中、あるいは、人間が手動閉鎖装置184を操作することによるシャッターカーテン1の自重降下中においては、人間がシャッターカーテン1の電動操作を行うことや、人間が自動閉鎖装置32の復帰操作を行うことが防止される。このため、本実施形態によると、非常時におけるシャッターカーテン1の自重降下中に停電が生じても、障害物34の検知やこの障害物34との当接を回避するための制御は、機械式で行われる。すなわち、本実施形態によると、非常時におけるシャッターカーテン1の自重降下中に停電が生じても、障害物34に当接したシャッターカーテン1の自重降下の停止はより確実に行われるようになる。
なお、非常時において自重降下中のシャッターカーテン1が全閉位置に達した場合には、全閉リミットスイッチ182からの制御信号(全閉信号)により、制御装置27は、開閉機駆動制御回路28による開閉機13の駆動制御を無効にしていた開閉機駆動制御無効手段29の作動を停止させる。また、制御装置27は、これと同時に、防災用連動制御装置181へ全閉信号を出力し、この防災用連動制御装置181は、手動復帰装置186による自動閉鎖装置32の復帰操作を無効にしていた自動閉鎖装置復帰操作無効手段190の作動を停止させる。
通常時において、全開となっているシャッターカーテン1を閉じ移動させるためには、図1で示した操作装置30の「閉」ボタン30Bを操作することにより、電動によりシャッターカーテン1を閉じ移動させる。一方、全閉となっているシャッターカーテン1を開き移動させるためには、操作装置30の「開」ボタン30Aを操作することにより、電動によりシャッターカーテン1を開き移動させる。このように、本実施形態に係るシャッター装置が、出入口2を開閉するための管理用(開口部用)シャッター装置として動作する場合には、シャッターカーテン1の閉じ移動は操作装置30の「閉」ボタン30Bの操作で行われるものであり、前述した自動閉鎖装置32の作動や手動閉鎖装置184の操作では行われない。このため、通常時、シャッターカーテン1が閉じ移動を開始したときの自動閉鎖装置32の状態は、図14及び図15に示されている状態となる。
閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した場合には、前述した非常時の場合と同じく、機械式結合装置39の第1レバー部材61と第2レバー部材62は、摩擦部材67,68において、ロック用ワイヤー36の部分36Aを挟着、ロックするため、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cには、下向きの緊張力が作用することになる。
これにより、シャッターカーテン1の閉じ移動は、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cに作用する緊張力で停止することになる。また、これにより、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cの端部がコイルばね43を介して結合されている第2処理装置38の回動部材42が、図13に示すD方向に回動することになる。前述したように、回動部材42に一方の端部が連結されている第1制御用ワイヤー111の他方の端部は、スライド部材120の連結部材138の第1連結部138Aに連結されているため(図15参照)、回動部材42がD方向に回動することにより、第1制御用ワイヤー111は引っ張られることになる。図15に示されているように、第1制御用ワイヤー111が引っ張られる前のスライド部材120の幅広部120Dの後端部120Eと、屈曲レバー部材129のローラ130との間には、隙間176が形成されている。このため、第1制御用ワイヤー111が引っ張られることにより、スライド部材120は、隙間176分だけ後退可能となっている。前述したように、回動部材42の回動量は、ストップ部材101が挿入されている円弧状の長孔42Bの長さに応じたものとなっており、スライド部材120の後退距離(移動量)は、回動部材42の回動量と略一致している。このため、スライド部材120の後退は、幅広部120Dの後端部120Eがローラ130に当接した直後に停止する。したがって、スライド部材120がローラ130を押圧する力はほとんどなく、このローラ130がスライド部材120の後退によって損傷するおそれはない。
図13は、シャッターカーテン1が障害物34に当接していないときの第2処理装置38を示す図であるが、このとき、第2処理装置38の機枠49の上部に固定配置されているマイクロスイッチ170の作動部材171は、回動部材42の外周面42Dに接触した状態、すなわち、マイクロスイッチ170が作動していない状態となっている。一方、図19は、シャッターカーテン1が障害物34に当接することにより、回動部材42がD方向に回動したときの第2処理装置38を示す図である。この図19に示されているように、回動部材42がD方向に回動することにより、マイクロスイッチ170の作動部材171は、回動部材42に取り付けられているドグ部材173に当接する(乗り上げる)。このため、ばねの付勢力で下向きに突出していたこの作動部材171は没入することになり、マイクロスイッチ170が作動した状態となる。すなわち、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cに緊張力が作用したことを検出した状態、言い換えると、障害物34を電気的に検知した状態となる。
このため、本実施形態に係る管理及び防災の併用シャッター装置には、機械式障害物検知装置35の他に、この機械式障害物検知装置35とマイクロスイッチ170とにより、シャッターカーテン1の電動による閉じ移動中における障害物34の検知を電気式に行う電気式障害物検知装置174が備えられている。すなわち、この電気式障害物検知装置174は、通常時におけるシャッターカーテン1の電動降下中の障害物34との当接の検知を行う電気式の通常時障害物検知手段となっている。これに対して、機械式障害物検知装置35は、非常時におけるシャッターカーテン1の自重降下中の障害物34との当接の検知を行う機械式の非常時障害物検知手段となっている。また、マイクロスイッチ170は、緊張力作用部材であるロック用ワイヤー36に緊張力が作用したことを検出する緊張力検出手段となっている。
マイクロスイッチ170は、閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した後から、このシャッターカーテン1の閉じ移動が機械式シャッターカーテン停止装置により停止されるまでの間には作動するようになっている。
なお、マイクロスイッチ170は、図1に示すシャッターカーテン1の幅方向(左右方向)の中央位置Mに配置されておらず、中央位置Mからシャッターカーテン1の幅方向のうちの一方の側へ変位している位置、すなわち、開閉機13が配置されている側の位置に配置されている。
マイクロスイッチ170が作動することにより、このマイクロスイッチ170のリード線172が接続されている制御装置27(図4参照)には、障害物34を検知した旨の障害物検知信号が入力される。これにより、シャッターカーテン1に当接した障害部34との当接(衝突)を回避するための制御装置27による以下の制御が行われる。
まず、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ手段18の正駆動は停止する。この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電を遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ手段19がオンにされる。この結果、シャッターカーテン1は電動による降下を停止する。
この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24を再度通電する制御が行われると共に、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25を再度通電する制御が行われる。これにより、電動モータ手段18は逆駆動(逆回転)する。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇(開き移動)、言い換えると、反転上昇を行う。
シャッターカーテン1が電動上昇している途中で、全開リミットスイッチ183が作動した場合には、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御(電動モータ手段18の逆駆動を停止する制御)が行われるとともに、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電を遮断する制御(ブレーキ手段19をオンにする制御)が行われる。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇を停止する。
一方、シャッターカーテン1が電動上昇している途中で、全開リミットスイッチ183が作動していない場合には、シャッターカーテン1の電動上昇を開始してから所定時間T1が経過するまで、シャッターカーテン1の電動上昇は継続される。シャッターカーテン1の電動上昇を開始してから所定時間T1が経過したかどうかは、図4に示す制御装置27に備えられているタイマー回路175によりカウントされる時間で判定される。
シャッターカーテン1の電動上昇を開始してから所定時間T1が経過した場合には、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ手段18の逆駆動は停止する。この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電を遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ手段19がオンにされる。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇を停止する。
本実施形態では、シャッターカーテン1の電動上昇を停止させた後、所定時間T2が経過した後に、再び電動降下を開始させるようになっている。すなわち、シャッターカーテン1の電動上昇が停止してから所定時間T2が経過するまでは、シャッターカーテン1の停止が継続される。一方、シャッターカーテン1の電動上昇が停止してから所定時間T2が経過した場合には、前述したシャッターカーテン1を電動降下させる制御が行われる。なお、シャッターカーテン1が電動上昇を停止してから所定時間T2が経過したかどうかは、前記タイマー回路175によりカウントされる時間で判定される。
本実施形態において、タイマー回路175によりカウントされる所定時間T1及びT2は任意に設定することができ、T1とT2が同じとなるようにしてもよい。
なお、障害物34に当接したシャッターカーテン1が電動上昇することにより、カーテン副部71Bは障害物34から離れていくため、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して相対的に下降する。これにより、図19に示された状態にあった回動部材42は、戻しばね100による戻し力によりC方向に回動するため、回動部材42に取り付けられているドグ部材137との当接で没入していた第2処理装置38のマイクロスイッチ170の作動部材171は、再び突出した状態となる(図13参照)。この結果、マイクロスイッチ170の作動は解除されることになる。すなわち、電気式障害物検知装置174の障害物検知状態は解除されることになる。
電動上昇させたシャッターカーテン1を再び電動降下させたときにおいて、障害物34がまだ除去されていない場合には、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が再度作動することになるので、制御装置27による前述したシャッターカーテン1を電動上昇させる制御が行われる。
図20及び図21には、通常時において、シャッターカーテン1を開閉機13の駆動力で、すなわち、電動で開閉移動させるために制御装置27により行われる制御の流れを示すフローチャート図が示されている。
最初に、操作装置30で押下された操作ボタンの判定が行われる(ステップS1,S2)。なお、この操作ボタンの判定は、操作ボタン(「閉」ボタン30B、「開」ボタン30A、「停」ボタン30C)が操作されることにより操作装置30から送信される制御信号(閉信号、開信号、停信号)で行われる。
まず、操作装置30の「閉」ボタン30Bが押下されたかどうかの判定が行われる(ステップS1)。このステップS1において、「閉」ボタン30Bが押下されなかった判定された場合(ステップS1−NO)には、すなわち、「開」ボタン30A又は「停」ボタン30Cが押下されたと判定された場合には、次のステップS2において、「開」ボタン30Aが押下されたかどうかの判定が行われる。
このステップS2において、「開」ボタン30Aが押下されたと判定された場合(ステップS2−YES)には、シャッターカーテン1の開放(開き移動)制御処理(ステップS3)が行われ、「開」ボタン30Aが押下されなかったと判定された場合(ステップS2−NO)には、すなわち、「停」ボタン30Cが押下されたと判定された場合には、シャッターカーテン1の停止制御処理(ステップS4)が行われる。
一方、前記ステップS1において、「閉」ボタン30Bが押下された判定された場合(ステップS1−YES)には、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24が通電され、このブレーキ手段19がオフにされる(ステップS5)。そして、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25が通電されることにより、電動モータ手段18は正駆動(正回転)する(ステップS6)。この結果、シャッターカーテン1は電動による降下(閉じ移動)を行う(ステップS7)。
シャッターカーテン1が電動降下中に、全閉リミットスイッチ182が作動した場合(ステップS8−YES)には、すなわち、シャッターカーテン1が全閉位置に達した場合には、第2処理装置38のマイクロスイッチ170の作動を無効にする制御が行われる(ステップS9)。これにより、制御装置27が床4を障害物と判定することが防止される。この後、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ手段18の正駆動は停止する(ステップS10)。この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電を遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ手段19がオンにされる(ステップS11)。この結果、シャッターカーテン1は電動による降下(閉じ移動)を停止する。
一方、シャッターカーテン1が電動降下中に、全閉リミットスイッチ182が作動していない場合(ステップS8−NO)には、すなわち、シャッターカーテン1が全閉位置に達していない場合には、次のステップS12において、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が作動したかどうかの判定、すなわち、シャッターカーテン1が障害物34に当接したかどうかの判定を行う。このステップS12において、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が作動していないと判定された場合(ステップS12−NO)には、前記ステップS7に戻り、シャッターカーテン1の電動降下は継続する。一方、ステップS12において、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が作動したと判定された場合(ステップS12−YES)には、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ手段18の正駆動は停止する(ステップS13)。この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電を遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ手段19がオンにされる(ステップS14)。この結果、シャッターカーテン1は電動による降下を停止する(ステップS15)。
この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24が再度通電される(ステップS16)。そして、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25も通電されることにより、電動モータ手段18は逆駆動(逆回転)する(ステップS17)。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇(開き移動)、言い換えると、反転上昇を行う(ステップS18)。
この後、ステップS19において、シャッターカーテン1が電動上昇中に、全開リミットスイッチ183が作動したかどうかの判定、すなわち、シャッターカーテン1が全開位置に達したかどうかの判定が行われる。全開リミットスイッチ183が作動していない場合(ステップS19−NO)には、シャッターカーテン1が電動上昇してから所定時間T1が経過したかどうかの判定が行われる(ステップS20)。この判定は、前述したように、制御装置27のタイマー回路175によりカウントされる時間で判定される。
所定時間T1が経過していない場合(ステップS20−NO)には、前記ステップS18に戻り、シャッターカーテン1の電動上昇が継続される。一方、所定時間T1が経過した場合(ステップS20−YES)には、開閉機13の電動モータ手段18のコイル25の通電を遮断する制御が行われ、これにより、電動モータ手段18の逆駆動は停止する(ステップS21)。この後、開閉機13のブレーキ手段19のソレノイド24の通電が遮断する制御が行われ、これにより、ブレーキ手段19がオンにされる(ステップS22)。この結果、シャッターカーテン1は電動による上昇を停止する(ステップS23)。
前記ステップS19において、全開リミットスイッチ183が作動した場合(ステップS19−YES)には、上記ステップS21〜23の処理が行われ、シャッターカーテン1は電動による上昇を停止する(ステップS23)。
前述したように、本実施形態では、シャッターカーテン1の電動上昇を停止させた後、所定時間T2が経過した後に、再び電動降下を開始させるようになっている。ステップS24では、シャッターカーテン1の電動上昇が停止してから所定時間T2が経過したかどうかの判定が行われる。この判定は、前記ステップS20と同様に、制御装置27のタイマー回路175によりカウントされる時間で判定される。
所定時間T2が経過していない場合(ステップS24−NO)には、このステップS24での判定処理を繰り返し、シャッターカーテン1の停止が継続される。一方、所定時間T2が経過した場合(ステップS24−YES)には、前記ステップS5(図16参照)以降の処理を行い、シャッターカーテン1は電動による降下を開始する。
なお、障害物34に当接したシャッターカーテン1が電動上昇することにより、カーテン副部71Bが障害物34から離れていくため、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して相対的に下降する。これにより、第2処理装置38のマイクロスイッチ170の作動が解除されることになる。この後、ステップS5〜7によりシャッターカーテン1を再び電動降下させたときにおいて、障害物34がまだ除去されていない場合には、第2処理装置38のマイクロスイッチ170が再度作動することになる(ステップS12−YES)ので、制御装置27は、再びステップS13以降の処理を行い、シャッターカーテン1は再び電動上昇する。
図22及び図23は、火災等の災害が発生したことによる外部からの防災信号の受信で自動閉鎖装置32が作動し、これにより、全開状態に保持されていたシャッターカーテン1が自重降下で全閉位置に達するまでの動作の流れを示すフローチャート図である。すなわち、図22及び図23は、本実施形態に係るシャッター装置が、全閉位置に達したシャッターカーテン1により防災区画が形成される防災用シャッター装置として動作する場合の処理の流れを示すフローチャート図である。
まず、ステップS101において、シャッター装置の外部に設置されている図1に示す煙(熱)感知器180が火災の発生を感知すると、この煙(熱)感知器180から、防災信号が防災用連動制御装置181に入力される(ステップS102)。
この後、図4に示すように、防災用連動制御装置181からの制御信号により、制御装置27の開閉機駆動制御無効手段29と、手動復帰装置186の自動閉鎖装置復帰操作無効手段190が作動する。この結果、操作装置30によるシャッターカーテン1の電動による開閉操作(制御装置27の開閉機駆動制御回路28による開閉機13の駆動制御)と、自動閉鎖装置32の初期状態への復帰操作(自動閉鎖装置32により解除(オフ)された開閉機13のブレーキ手段19を手動復帰装置186の「復帰」ボタン187の操作で復帰(オン)させること)が無効となる(ステップS103)。
また、これと同時に、防災用連動制御装置181からの制御信号により、自動閉鎖装置32のソレノイド126が通電される(ステップS104)。これにより、H位置にあった自動閉鎖装置32のスライド部材120は、I位置まで前進する(図15及び図16参照)(ステップS105)。
図15に示すように、スライド部材120が前進することにより、マイクロスイッチ135が作動して、ソレノイド126の通電が遮断される(ステップS106)とともに、開閉機13のブレーキ手段19がオフ(解除)となる(ステップS107)。これにより、オンとなっていたブレーキ手段19により全開状態が保持されていたシャッターカーテン1は、自重による降下(閉じ移動)を開始する(ステップS108)。
この後、全閉リミットスイッチ182が作動していない場合(ステップS109−NO)であって、機械式結合装置39が作動していない場合(ステップS110−NO)には、ステップS108に戻り、シャッターカーテン1は自重降下を継続する。
一方、全閉リミットスイッチ182が作動していない場合(ステップS109−NO)であって、機械式結合装置39が作動した場合(ステップS110−YES)には、すなわち、シャッターカーテン1が自重降下中に障害物34に当接した場合には、この機械式結合装置39の作動で第1制御用ワイヤー111が引っ張られることにより、スライド部材120がI位置からJ位置まで後退する(図18参照)(ステップS111)。これにより、オフとなっていた開閉機13のブレーキ手段19はオンとなり(ステップS112)、この結果、シャッターカーテン1の自重降下は完全に停止する(ステップS113)。
この後、シャッターカーテン1に当接していた障害物34が取り除かれていない場合(ステップS114−NO)には、すなわち、機械式結合装置39の作動が継続している場合には、ステップS113に戻り、シャッターカーテン1の自重降下の停止が継続される。一方、シャッターカーテン1に当接していた障害物34が取り除かれた場合(ステップS114−YES)、すなわち、機械式結合装置39の作動が解除された場合には、スライド部材120がJ位置からI位置まで前進する(ステップS116)。これにより、オンとなっていた開閉機13のブレーキ手段19は再びオフとなる(ステップS117)。この結果、シャッターカーテン1は、再び自重降下を行う(ステップS108以降の処理)。
一方、前記ステップS109において、全閉リミットスイッチ182が作動した場合(ステップS109−YES)には、制御装置27から防災用連動制御装置181へ全閉信号(全閉位置に達した旨の制御信号)が入力される(ステップS117)。
この後、防災用連動制御装置181からの制御信号により、制御装置27の開閉機駆動制御無効手段29と、手動復帰装置186の自動閉鎖装置復帰操作無効手段190の作動が解除される。この結果、無効となっていた操作装置30によるシャッターカーテン1の電動による開閉操作と、自動閉鎖装置32の初期状態への復帰操作(手動復帰装置186の「復帰」ボタン187の操作)が有効となる(ステップS118)。
この後、自動閉鎖装置32を初期状態に復帰させるための作業がシャッター装置の管理者等の人間によって行われる(ステップS119)。すなわち、シャッター装置の管理者等の人間が手動復帰装置186の「復帰」ボタン187を操作することにより、自動閉鎖装置32の第3制御用ワイヤー113が引っ張られる。これにより、自動閉鎖装置32は、防災信号を受信する前の初期状態に復帰し、オフとなっていた開閉機13のブレーキ手段19はオンとなる。なお、自動閉鎖装置32を初期状態に復帰させることは、手動復帰装置191の手動操作部材141(図1及び図4参照)を操作(引っ張り操作)することによってもできる。
なお、全閉状態となっているシャッターカーテン1を再び全開状態とするためには、シャッター装置の管理者等の人間による操作装置30の「開」ボタン30Aの操作で、シャッターカーテン1を電動(開閉機13の駆動力)で全開位置まで開き移動させる。
図24は、火災の発生を発見(感知)した人間が、手動でシャッターカーテン1を自重降下させるための手動閉鎖装置184を操作した場合のシャッター装置の動作の流れの一部を示すフローチャート図である。すなわち、この図24も、本実施形態に係るシャッター装置が、全閉位置に達したシャッターカーテン1により防災区画が形成される防災用シャッター装置として動作する場合の処理の流れを示すフローチャート図である。
まず、人間が、火災が発生していること発見(感知)し(ステップS201)、この火災発見者が、手動閉鎖装置184のレバー部材等の手動操作部材185(図1及び図4参照)を操作することにより、第2制御用ワイヤー112が引っ張られる(ステップS202)。これにより、自動閉鎖装置32のスライド部材120がH位置からI位置まで前進する(図15及び図16参照)(ステップS203)ので、オンとなっていた開閉機13のブレーキ手段19がオフとなる(ステップS204)。
この後、手動閉鎖装置184が操作されることにより、この手動閉鎖装置184からの制御信号で、制御装置27の開閉機駆動制御無効手段29と、手動復帰装置186の自動閉鎖装置復帰操作無効手段190が作動する(図4参照)。これにより、シャッターカーテン1の電動による開閉操作と、自動閉鎖装置32の復帰操作が無効となる(ステップS205)。これと同時に、オンとなっていたブレーキ手段19により全開状態に保持されていたシャッターカーテン1は、自重降下を開始し、これ以降は、前述したステップS108以降の処理(図22及び図23参照)を行う(ステップS206)。
以上説明した本実施形態によると、シャッター装置が機械式シャッターカーテン停止装置を備えていても、通常時においては、管理用シャッター装置として用いることができるようになる。すなわち、本実施形態に係るシャッター装置は、通常時においては制御手段33の制御装置27により管理用シャッター装置として有効に機能し、非常時においては機械式シャッターカーテン停止装置が作動する防災用シャッター装置として有効に機能するようになる。
また、以上説明した本実施形態では、シャッターカーテン1の閉じ移動の途中で当接した障害物34を電気式に検知するための電気式障害物検知手段である電気式障害物検知装置174は、緊張力作用部材であるロック用ワイヤー36、緊張力検出手段であるマイクロスイッチ170と、を含んで構成されものであり、閉じ移動の途中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したかどうかは、外的影響(例えば、埃や火災発生時の煙、磁気等のノイズ等)を受けにくいロック用ワイヤー36に緊張力が作用したかどうかで判断することができる。
このため、本実施形態によると、閉じ移動の途中のシャッターカーテン1が当接した障害物34を電気式に検出するための電気式障害物検知装置174が、従来と比較して、外的影響を受けにくいものとなる。
また、以上説明した本実施形態では、通常時において、シャッターカーテン1が電動により閉じ移動中に障害物34に当接した場合には、機械式障害物検知装置35による機械式の障害物検知がなされ、この機械式障害物検知装置35を構成する機械式結合装置39によるロック用ワイヤー36のロックが行われることにより、障害物34に当接したシャッターカーテン1は閉じ移動を停止することになる。しかし、この通常時においては、シャッターカーテン1の閉じ移動は、操作装置30の「閉」ボタン30Bを操作することにより行われるものであり、自動閉鎖装置32及び手動閉鎖装置184を作動させることによって行われるものではない。したがって、操作装置30の「閉」ボタン30Bの操作でオフとなった開閉機13のブレーキ手段19は、シャッターカーテン1が障害物34に当接した後もオフのままとなる。
このため、本実施形態では、シャッターカーテン1の障害物34との当接により、機械式障害物検知装置35の第2処理装置38の第1制御用ワイヤー111が引っ張られて回動部材42が回動するが、この回動部材42の回動でマイクロスイッチ170が作動する。この結果、制御手段33を構成する制御装置27による制御により、オフになっていた開閉機13のブレーキ手段19がオンとなるとともに、巻取軸11を正回転させていた電動モータ手段18の正駆動が停止する。
このため、本実施形態によると、通常時において、障害物34に当接したシャッターカーテン1をより確実に停止させることができる。このように、本実施形態によると、ロック用ワイヤー36と、第1処理装置37と、第2処理装置38と、機械式結合装置39と、を含んで構成されている機械式開閉体停止装置である機械式シャッターカーテン停止装置を備えたシャッター装置を、通常時においては管理用シャッター装置としても用いることが可能となる。一方、非常時においては、機械式シャッターカーテン停止装置により、障害物34に当接したシャッターカーテン1の閉じ移動が機械式により確実に停止されるようになる。
また、本実施形態では、通常時において、シャッターカーテン1が障害物34に当接した後は、制御装置27の制御により所定時間T1だけ反転上昇(電動上昇)し、この反転上昇後、所定時間T2だけ停止するようになっているため、それだけ、シャッターカーテン1が障害物34に与える衝撃をより小さくすることができ、また、障害物34を除去しやすくなる。
また、以上説明した本実施形態では、非常時において、シャッターカーテン1が自重により閉じ移動中に障害物34に当接した場合には、機械式障害物検知装置35による機械式の障害物検知がなされ、この機械式障害物検知装置35を構成する機械式結合装置39によるロック用ワイヤー36のロックが行われることにより、障害物34に当接したシャッターカーテン1は閉じ移動を停止することになる。また、この非常時においては、シャッターカーテン1の閉じ移動は、自動閉鎖装置32の作動や、手動閉鎖装置184の操作により行われるものであるため、シャッターカーテン1を閉じ移動させるためにオフとなった開閉機13のブレーキ手段19は、シャッターカーテン1の障害物34との当接で機械式障害物検知装置35の第2処理装置38の第1制御用ワイヤー111が引っ張られることによりオンとなる。
また、本実施形態では、非常時において、自動閉鎖装置32の作動や手動閉鎖装置184の操作が行われてから、自重降下中のシャッターカーテン1が全閉位置に達するまでの間は、制御装置27の開閉機駆動制御無効手段29や、手動復帰装置186の自動閉鎖装置復帰操作無効手段190が作動する。このため、非常時において、自重降下中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した場合には、このシャッターカーテン1の自重降下(閉じ移動)の停止は、火災等による停電が生じても、電源を必要としない機械式障害物検知装置35によってより確実に行われる。また、シャッターカーテン1が自重降下中においては、操作装置30や手動復帰装置186の復帰操作が無効となるため、これらの装置を人間が過って操作することによって、前述したような機械式障害物検知装置35を構成するロック用ワイヤー36の第2部分36Cの切断や、第2処理装置38の構成部材の損傷の発生を防止することができる。
また、本実施形態では、シャッターカーテン1が全閉位置に達した後、自動閉鎖装置32を初期状態に復帰させるためには、前述した手動復帰装置186や手動復帰装置191を操作する必要があったが、シャッターカーテン1が全閉位置に達して全閉リミットスイッチ182が作動することにより、制御装置27が、前記手動復帰装置186を作動させる(電動で第3制御用ワイヤー113を引っ張る)制御を行うようにしてもよい。
以上説明した本実施形態では、閉じ移動の途中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したことを電気式に検知するための電気式障害物検知手段は、シャッターカーテン1が閉じ移動の途中で障害物34に当接したときに、この当接に基づいて作動する機械式結合装置39により、シャッターカーテン1と機械式に結合された状態となることで緊張力が作用するロック用ワイヤー36と、この作用でロック用ワイヤー36の一方の端部に結合された第2処理装置38の回動部材42が回動することにより作動するマイクロスイッチ170と、を含んで構成されるものとなっている。
このため、本実施形態によると、閉じ移動の途中のシャッターカーテン1が当接した障害物34を電気式に検知するための電気式障害物検知手段は、障害物34を検出するにあたって、埃や火災発生時の煙等の外的影響を受けにくいものとなる。
また、本実施形態によると、電気式に障害物を検出するために必要な電力は、少なくともマイクロスイッチ170の作動を判定するための制御装置27を動作させるための電力だけで済むようになる。
なお、本実施形態において、マイクロスイッチ170が配置され、ユニット構造物45を構成している第2処理装置38は、マイクロスイッチ170が接続される制御装置27と共にシャッターボックス8の内部に収納するようにしてもよい。これによると、マイクロスイッチ170が受ける外的影響をより少なくすることができる。なお、この場合には、シャッターボックス8の上下寸法を第2処理装置38が収納可能となるように大きくする必要がある。
なお、本実施形態において、マイクロスイッチ170が作動したとき、シャッターカーテン1に障害物が当接したことを外部に報知するための外部報知手段(例えば、ブザーや赤色燈等)を備えるようにしてもよい。
また、本実施形態では、前述したように、ロック用ワイヤー36の第1部分36Bと第2部分36Cの両方が、機械式結合装置39が配置されている固定部70Aを除くカーテン主部71Aからシャッターカーテン1の厚さ方向に離れた位置に配置されていて、カーテン主部71Aと干渉していないため、まぐさ16とシャッターカーテン1との間に架け渡された架け渡し部材となっていて、本実施形態における緊張力作用部材である架け渡し部材となっているロック用ワイヤー36は、シャッターカーテン1が開閉移動しているときに、この開閉移動を阻害することはなく、この開閉移動を円滑に行わせることができる。
また、本実施形態によると、図2で説明したように、シャッターカーテン1は天井部材5に配置されたまぐさ16のスリット17を通って天井部材5の下側に垂下され、ロック用ワイヤー36の第1及び第2部分36B,36Cは天井部材5の上下に跨る長さを有しているとともに、これらの第1及び第2部分36B,36Cは、まぐさ16と接触せずにこのまぐさ16のスリット17に挿通されているため、シャッターカーテン1が開閉移動しているときに、まぐさ16に対するロック用ワイヤー36の円滑な移動を保障することができる。
さらに、ロック用ワイヤー36の第1及び第2部分36B,36Cは、まぐさ16と干渉しないため、ロック用ワイヤー36とまぐさ16の両者が損傷することを防止することができる。
また、本実施形態では、シャッターカーテン1が全開となっているときに、通常時において図1で示した操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されることにより、あるいは、非常時において自動閉鎖装置32や手動閉鎖装置184を作動させることにより、シャッターカーテン1が閉じ移動を開始し、この閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接した場合にも、前述の場合と同じく、機械式結合装置39の第1レバー部材61と第2レバー部材62は、摩擦部材67,68において、ロック用ワイヤー36の折り返し部36Aを挟着、ロックし、機械式結合装置39がシャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とを機械式に結合するため、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cには、下向きの緊張力が作用することになる。
そして、このようにシャッターカーテン1の閉じ移動が、操作装置30の「閉」ボタン30Bを操作することや、自動閉鎖装置32や手動閉鎖装置184の作動により行われた場合には、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cの緊張力は、第2処理装置38の回動部材42と、第1制御用ワイヤー111とを介して自動閉鎖装置32のスライド部材120に作用することになる。このときのスライド部材120の凹部120Bには、前述の屈曲レバー部材129のローラ130が嵌合されているため、シャッターカーテン1の閉じ移動を、シャッターカーテン1が障害物34のへこみ変形等で少し下降した後に、停止させることができる。
なお、以上説明した本実施形態に係るシャッター装置は管理及び防災の併用シャッター装置であったが、本発明は、管理専用のシャッター装置や防災専用のシャッター装置にも適用することができる。
なお、以上説明した本実施形態において、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、制御装置27は、シャッターカーテン1を反転上昇させる制御は行わずに、シャッターカーテン1を障害物34と当接した位置で停止させる制御を、この停止制御の後で障害物34が除去されたか(マイクロスイッチ170による障害物34の検知がされなくなったか)否かにかかわらず、継続するようにしてもよい。
また、以上説明した本実施形態において、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、制御装置27は、シャッターカーテン1を反転上昇させる制御は行わずに、シャッターカーテン1を障害物34と当接した位置で停止させる制御を行い、この停止制御の後で障害物34が除去された場合でも、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されるまでは、再度シャッターカーテン1を電動により閉じ移動させる制御は行わないようにしてもよい。すなわち、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されない限り、制御装置27によるシャッターカーテン1の停止制御が継続されるようにしてもよい。
なお、以上説明した本実施形態において、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接し、マイクロスイッチ170により障害物34の検知がされている状態、すなわち、制御装置27による制御でシャッターカーテン1が閉じ移動を停止している状態(反転上昇を行ってもよく、行わなくてもよい)で、煙(熱)感知器180が火災発生を感知した場合(図22のステップS101)には、シャッター装置は、図22に示されているフローチャート図のステップ102以降の処理に基づいた動作を行う。すなわち、障害物34が取り除かれていればシャッターカーテン1は自重降下を行い、この自重降下中にシャッターカーテン1が障害物34あるいは別の障害物に再度当接した場合には、このシャッターカーテン1の自重降下は、機械式シャッターカーテン停止装置により機械式に停止されることになる。このように、通常モードで動作していたシャッター装置(管理用シャッター装置)は、煙(熱)感知器180が火災発生を感知することにより、非常モード(防災モード)のシャッター装置(防災用シャッター装置)として動作する。
なお、上述したように、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が障害物34に当接したとき、操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されるまでは、制御装置27によるシャッターカーテン1の停止制御が継続されるようにした場合において、障害物34は除去されたが、まだ操作装置30の「閉」ボタン30Bが操作されない状態において、煙(熱)感知器180が火災発生を感知した場合にも、シャッター装置は、上述したように、図22に示されているフローチャート図のステップ102以降の処理に基づいた動作を行う。すなわち、シャッター装置は、防災用シャッター装置として動作する。
なお、以上説明した本実施形態では、マイクロスイッチ170は、処理装置38(図13及び図19参照)の機枠49に固定配置され、処理装置38の回動部材42が回動することにより作動するものであったが、マイクロスイッチ170は、自動閉鎖装置32(図15参照)に配置し、第1制御用ワイヤー111が引っ張られることにより、マイクロスイッチ170が作動するものとしてもよい。この場合には、第1制御用ワイヤー111に、マイクロスイッチ170を作動させるための補助部材を取り付ける必要がある。
また、以上説明した本実施形態において、架け渡し部材であるローラチェーンに緊張力が作用したことを検出することでシャッターカーテンと障害物との当接を検知するための電気式障害物検知手段は、接触式スイッチ手段であるマイクロスイッチ170であったが、非接触式スイッチ手段でもよい。この非接触式スイッチ手段の一例として、処理装置38(図13参照)の機枠49のうち、回動部材42の一方の面側に配置され、シャッターカーテン1の閉じ移動中に光や超音波等の信号を送信する送信機と、他方の面側に配置され、前記送信機から送信された前記信号を受信する受信機と、を含んで構成され、前記送信機から送信された前記信号が、障害物34との当接で回動した回動部材42の外周部に一部形成された前記ギヤ歯42Cにより遮断されることにより、ローラチェーンに作用した緊張力を検出するものを挙げることができる。
前述したように、従来の機械式結合装置では、シャッターカーテン1は全閉位置まで閉じ移動したとき、このシャッターカーテン1の閉じ側の先端部に配置されているカーテン副部71Bが、言い換えると、シャッターカーテン1の座板1Bの下側部分を形成している前述の可動部70Bが相手部材である床4に当接し、この可動部70Bの下降が停止する。可動部70Bの下降が停止しても、カーテン本体1Aと、座板1Bのうちの前述した固定部70Aとで構成される前述のカーテン主部71Aは、下降するため、この下降で生ずるカーテン主部71Aに対するカーテン副部71Bの相対的な上昇により、図12等で説明したように、前述した機械式結合装置39の第1レバー部材61と第2レバー部材62は、摩擦部材67,68において、ロック用ワイヤー36の前述した折り返し部36Aを挟着し、この挟着によりロック用ワイヤー36をロックする。これにより、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とが、機械式結合装置39により機械式に結合された状態となる。
すなわち、従来の機械式結合装置では、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したとき、床4も障害物として取り扱われ、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接することにより、このカーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して上向きに移動することで、第1レバー部材61と第2レバー部材62とが揺動し、第1レバー部材61に取り付けられている摩擦部材67と、第2レバー部材62に取り付けられている摩擦部材68と、によるロック用ワイヤー36の部分36Aの挟着ロックが行われる。
この機械式結合装置が備えられるシャッター装置が、本実施形態のように、日常的に開口部を開閉するための管理用シャッター装置としての機能も有する管理及び防災の併用シャッター装置となっている場合には、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動するたびに、ロック用ワイヤー36の部分36Aの挟着ロックが行われるため、このロック用ワイヤー36の耐久性の低下は顕著なものとなる。
本実施形態では、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したとき、第1レバー部材61に取り付けられている摩擦部材67と、第2レバー部材62に取り付けられている摩擦部材68と、によるロック用ワイヤー36の部分36Aの挟着ロックを阻止するため阻止手段が備えられている。すなわち、本実施形態では、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したとき、作動部材である第1レバー部材61と第2レバー部材62の作動を阻止するための作動阻止手段が備えられている。以下、この作動阻止手段の構造について説明する。
図25は、図5に示されている機械式障害物検知装置35の拡大図である。この図25に示されているように、機械式結合装置39を収納するためのケース55には、支点軸(言い換えると、揺動軸)270を中心に揺動自在な第3レバー部材250が取り付けられている。この第3レバー部材250の支点軸270は、ケース55の裏面部55Aと正面部55Cとの間に水平に架設されており、このため、第3レバー部材250は、シャッターカーテン1の開閉移動方向に揺動自在となっている。
図26は、図25に示されている第3レバー部材250の両側面図のうちの一方の側面図であり、図27は、この第3レバー部材250の他方の側面図である。また、図28は、図26で示されている第3レバー部材250の平面図である。
図26及び図27に示されているように、板材の折り曲げ等で形成されている第3レバー部材250の長手方向(言い換えると、長さ方向(図26及び図27では左右方向))の中央部251の下部には、下方(閉じ移動方向)に延出する第1下方延出部251Aと第2下方延出部251Bが形成されている。
第3レバー部材250の長手方向の両端部のうちの一方の端部(図26では右端部、図27では左端部)252は下方に延出しており、この端部252の先端部(下端部)は、第3レバー部材250の長手方向内側に屈曲したフック部252Aとなっている。このフック部252Aは、後述するように、第1レバー部材61の先端部61Cに係合する係合部となっている。
一方、第3レバー部材250の長手方向の両端部のうちの他方の端部(図26では左端部、図27では右端部)253は垂直上方に延出しており、この端部253の上部には、第3レバー部材250の長手方向上向きに傾斜した傾斜部253Aと、この傾斜部253Aの上端部から水平に延出する水平延出部253Bと、が形成されている。そして、図28に示されているように、第3レバー部材250の長手方向に長くなっている細長の切欠部253Dが、水平延出部253Bの先端部から傾斜部253Aの途中部まで形成されている。このため、第3レバー部材250の端部253の上部は、二股部253Cとなっている。
図25及び図28に示すように、第3レバー部材250の中央部251と端部252との間は、第3レバー部材250の厚さ方向に斜めに屈曲する屈曲部251Cとなっており、このため、端部252に形成されているフック部252Aと中央部251とは第3レバー部材250の厚さ方向にずれている。
また、図25に示すように、機械式結合装置39のケース55の両側面部のうちの一方の側面部である裏面部55A(図25では手前側の側面図)と、他方の側面部である正面部55C(図25では奥側の側面図)のそれぞれには、互いに同じ高さ位置であって同じ長手方向の位置に図示しない貫通孔が形成されている。このため、これら2個の貫通孔同士は、互いに対向した状態となっている。
図25に示されているように、第3レバー部材250は、取付部材260を介して機械式結合装置39のケース55に取り付けられている。
第3レバー部材250と同様に、板材の折り曲げで形成される取付部材260は、水平部261と、この水平部261における第3レバー部材250側の端部から上方に延出する上方延出部(言い換えると、立上り部)262と、水平部261における前記端部(第3レバー部材250側の端部)とは反対側の端部から下方に延出する下方延出部(言い換えると、垂下部)263と、からなる。
図25に示すように、ケース55の上面部55Bにおけるこのケース55の長手方向(長さ方向)の略中央部には、切り欠きによる開口部55Gが形成されている。また、ケース55の上面部55Bには、このケース55の長手方向に長くなっている長孔55Hが開口部55Gに連続して形成されている。この長孔55Hの幅寸法(ケース55の長手方向と直交する方向であるケース55の厚さ方向の寸法)は、第3レバー部材250の端部252の厚さ寸法よりも少し大きなものとなっており、この長孔55Hと前記開口部55Gに、第3レバー部材250の端部252が挿入可能となっている。
この第3レバー部材250の機械式結合装置39のケース55への取り付けは、まず、第3レバー部材250の中央部251の上部(図26及び図27に示すビス孔251Dが形成された箇所)に、取付部材260の上方延出部262をビス等の止着具265で止着する。このとき、第3レバー部材250の中央部251と、取付部材260の下方延出部263との間隔は、図25から分かるように、ケース22の厚さ寸法と同じ、又はケース22の厚さ寸法よりも若干大きくなる。また、このとき、第3レバー部材250の第1下方延出部251Aに形成された貫通孔251E(図26及び図27参照)と、取付部材260の下方延出部263に形成された図示しない貫通孔とは、互いに対向した状態となる。
この後、第3レバー部材250の端部252のフック部252Aをケース55の前記長孔55に挿入しながら、第3レバー部材250の中央部251と取付部材260の下方延出部263との間にケース55を挿入する。そして、取付部材260の下方延出部263に形成された図示しない貫通孔が、ケース55の裏面部55Aに形成された図示しない貫通孔と一致又は略一致し、また、第3レバー部材250の第1下方延出部251Aに形成された貫通孔251Eが、ケース55の正面部55Cに形成された図示しない貫通孔と一致又は略一致するまで、第3レバー部材250の中央部251と取付部材260の下方延出部263との間にケース55を挿入する。
この後、全て同じ又は略同じ直径寸法を有しているこれら4個の貫通孔に、図25に示す軸部材であるボルト270を挿通し、第3レバー部材250の貫通孔251Eから突出したボルト270の軸部の先端部にナット271を螺合して締め付ける。
これにより、第3レバー部材250は、機械式結合装置39のケース55へ取り付けられた状態となり、また、軸部材であるボルト270は、ケース55の裏面部55Aと正面部55Cとの間に水平に架設された状態となるとともに、第3レバー部材250と取付部材260との間にも水平に架設された状態となる。
このため、図25に示されているように、第3レバー部材250は、取付部材260とともに、ボルト270を中心に揺動自在となる。このため、ボルト270は、第3レバー部材250の支点軸(言い換えると、揺動中心軸)となっている。
なお、ロック用ワイヤー36は、第3レバー部材250の二股部253Cの間と、機械式結合装置39を収納するための収納部材であるケース55に形成された貫通孔である長孔57と、に挿通されるようになっている。
なお、図6(図5で示されている機械式結合装置39のケース55の正面側を示す図)の拡大図である図29、及び図7(機械式結合装置39の内部構造を示す正面図)の拡大図である図30から分かるように、第3レバー部材250の支点軸270は、作動部材である第1レバー部材61と第2レバー部材62の支点軸63とは別の支点軸となっている。
また、図5及び図25に示されているように、架け渡し部材であるロック用ワイヤー36における巻取装置となっている第1処理装置のリール40から繰り出される部分であって、第3レバー部材250の二股部253Cよりもリール40側(言い換えると、上側)の位置には、上部と下部が先細り状(略テーパ状)となっている円筒部材280が挿通固定されている。この円筒部材280の中央部の外周面部280Aには、この外周面部280Aから中空部まで水平方向(横方向)に貫通するねじ孔が形成されており、このねじ孔には、頭部の無いねじ部材281が、このねじ部材281の先端がロック用ワイヤー36を圧接するまで螺入されている。これにより、円筒部材280はロック用ワイヤー36に固定された状態となる。したがって、円筒部材280のねじ孔に螺入されているねじ部材281を緩めことにより、円筒部材280のロック用ワイヤー36への固定位置を簡単に調整できるようになっている。このように、本実施形態では、円筒部材280のロック用ワイヤー36への固定位置は、ねじ部材281の操作によって調整自在となっている。
ロック用ワイヤー36に挿通固定された円筒部材280は、シャッターカーテン1の全開時には、リール40に巻き取られた状態となっており、シャッターカーテン1が閉じ移動を開始すると、円筒部材280は、シャッターカーテン1の閉じ移動に対して追従するロックワイヤー36とともに図25に示す矢印K方向に移動する。
なお、ロック用ワイヤー36が挿通されるまぐさ16のスリット17の幅寸法(まぐさ部材16Aとまぐさ16Bとの間隔)は、ロック用ワイヤー36に挿通固定された円筒部材280も挿通可能な幅寸法となっている。すなわち、ロック用ワイヤー36に挿通固定された円筒部材280も、まぐさ16と接触せずにこのまぐさ16のスリット17を通過できるようになっている。
上述した図25、図29及び図30は、シャッターカーテン1の閉じ移動に対して追従するロックワイヤー36とともに移動する円筒部材280が、第3レバー部材の二股部253Cに当接した直後の状態を示すものであり、このとき、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bは床4に当接した直後の状態となる。すなわち、本実施形態では、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接したと同時に、円筒部材280が第3レバー部材の二股部253Cに当接するようになっている。
なお、第3レバー部材は、円筒部材280がこの第3レバー部材の二股部253Cに当接するまでは、図25、図29及び図30に示すように水平姿勢が保持されている。このとき、機械式結合装置39を収納するためのケース55の内部に挿入されている第3レバー部材の端部252のフック部252Aの上面は、第1レバー部材61の先端部61Cの下面に接触した状態となっている。このため、第3レバー部材の端部252のフック部252Aは、第1レバー部材61の先端部61Cに係合可能な状態となっており、第1レバー部材61の先端部61Cは、第3レバー部材の端部252のフック部252Aが係合する被係合部となっている。
図25において、円筒部材280が第3レバー部材250の二股部253Cに当接した後も、ロック用ワイヤー36はリール40から繰り出されるため、円筒部材280は第3レバー部材250の二股部253Cを矢印K方向に押し下げることになる。この結果、第3レバー部材250は、図25に示すように、矢印P方向に揺動することになる。すなわち、フック部252Aが第1レバー部材61の先端部61Cに係合している第3レバー部材250は、図30に示すように、第1レバー部材61を、ロック用ワイヤー36を挟着ロックする方向とは反対の方向(シャッターカーテン1の開き移動方向)に揺動させることになる。
一方、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接した(円筒部材280が第3レバー部材250の二股部253Cに当接した)後は、カーテン副部71Bの下降は停止するが、カーテン主部71Aは、下降するため、この下降で生ずるカーテン主部71Aに対するカーテン副部71Bの相対的な上昇により、第2レバー部材62は、ロック用ワイヤー36を挟着ロックする方向に揺動する。
図31〜図33は、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したとき(図11に示すように、カーテン主部71Aに対するカーテン副部71Bの相対的な上昇が移動限に達したとき)を示す図である。図31は、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したときの機械式障害物検知装置35の拡大図であり、図25と同様の図である。また、図32は、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したときの機械式結合装置39のケースの正面側を示す図の拡大図であり、図29と同様の図である。また、図33は、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したときの機械式結合装置39の内部構造を示す正面図の拡大図であり、図30と同様の図である。
図31〜図33に示すように、シャッターカーテン1が全閉位置に達したときには、円筒部材280により押し下げられていた第3レバー部材250の二股部253Cは、機械式結合装置39のケース55の上面部55Bに当接する。すなわち、円筒部材280は、第3レバー部材250の二股部253Cを介して機械式結合装置39のケース55の上面部55Bに当接することになる。
このとき、第1レバー部材61は、図33に示すように、ロック用ワイヤー36を挟着ロックする方向とは反対の方向(シャッターカーテン1の開き移動方向)に大きく揺動した状態となる。
これにより、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したとき、第1レバー部材61に取り付けられた摩擦部材67と、第2レバー部材62に取り付けられた摩擦部材68と、によるロック用ワイヤー36の折り返し部36の挟着ロックがする。これにより、シャッターカーテン1とロック用ワイヤー36とが、機械式結合装置39により機械式に結合されることが阻止される。
すなわち、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接してから、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動するまで、第2レバー部材62がロック用ワイヤー36を挟着ロックする方向(シャッターカーテン1の開き移動方向)に揺動しても、ロック用ワイヤー36の挟着ロックは阻止されることになる。
このため、本実施形態では、機械式結合装置39のケース55に取り付けられ、支点軸270を中心に揺動自在となっている第3揺動部材である第3レバー部材250と、ロック用ワイヤー36に固定され、前記第3レバー部材250の二股部253Cに当接する円筒部材280は、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したとき、機械式結合装置39が有する作動部材を構成する第1レバー部材61の作動を阻止するための作動阻止手段を構成するものとなっている。
そして、第3レバー部材250の二股部253Cは、円筒部材280が当接する力点部となっており、第3レバー部材250のフック部252Aは、第1レバー部材61の被係合部である先端部61Cに係合する係合部となっているとともに、第3レバー部材250の二股部253Cに加わった外力が第1レバー部材61に作用する作用点部となっている。
また、円筒部材280は、ロック用ワイヤー36における巻取装置であるリール40から繰り出される部分であって第3レバー部材250の二股部253Cよりもリール40側の位置に固定され、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動するまでに第3レバー部材250の二股部253Cに当接する当接部材となっている。
前述したように、本実施形態に係るシャッター装置は、日常的に開口部を開閉するための管理用シャッター装置としての機能も有する管理及び防災の併用シャッター装置となっている。すなわち、本実施形態に係るシャッター装置では、開口部を閉鎖するためにシャッターカーテン1を全閉位置まで閉じ移動させることが日常的に行われことになるが、以上説明したように、本実施形態では、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動ときには、作動阻止手段により、ロック用ワイヤー36の挟着ロックは阻止されることになる。
このため、本実施形態によると、シャッター装置のシャッターカーテン停止装置を構成するロック用ワイヤー36の耐久性の低下を防止できるようになる。
なお、本実施形態では、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接(接触)したときに、円筒部材280が第3レバー部材250の二股部253Cに当接するようになっているが、この円筒部材280が第3レバー部材250の二股部253Cに当接するタイミングはこれに限定されるものではない。すなわち、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接(接触)する前に、円筒部材280が第3レバー部材250の二股部253Cに当接するようしてもよく、すなわち、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接(接触)した後に、円筒部材280が第3レバー部材250の二股部253Cに当接するようしてもよい。
要するに、シャッターカーテン1が全閉位置に達したときに、2個のレバー部材61,62の摩擦部材67,68によるロック用ワイヤー36の部分36Aの挟着ロックが阻止された状態となればよい。
なお、円筒部材280が第3レバー部材250の二股部253Cに当接するタイミングの調整は、円筒部材280をロック用ワイヤー36に固定する位置を調整することで可能となる。
なお、本実施形態では、シャッターカーテン1が全閉位置に達したとき、このシャッターカーテン1の閉じ移動が停止されることになるが、非常時の場合(言い換えると、本実施形態に係るシャッター装置が防災用シャッター装置として機能する場合)と、通常時の場合(言い換えると、本実施形態に係るシャッター装置が管理用シャッター装置として機能する場合)とでは、シャッターカーテン1の閉じ移動を停止させる方式が異なる。
前述したように、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したときには、図31〜図33に示されているように、円筒部材280により下向き(シャッターカーテン1の閉じ移動方向)の外力が作用している第3レバー部材250の二股部253Cが、機械式結合装置39のケース55の上面部55Bに当接することになる。これにより、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cには、下向きの緊張力が作用する。
そして、この緊張力は、図19に示すように、第2処理装置38と自動閉鎖装置32との間に配線されている第1制御用ワイヤー111に作用し、この第1制御用ワイヤー111は、図19に示す矢印G方向に引っ張られる。
これにより、非常時においては、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cに作用した下向きの前記緊張力が自動閉鎖装置32に入力され、この自動閉鎖装置32のスライド部材120は、Iの位置からJの位置まで後退する(図18参照)。この結果、開閉機13のブレーキ手段19がオンとなり、全閉位置に達したシャッターカーテン1は自重による閉じ移動を停止する。すなわち、シャッターカーテン1の巻取軸11からの繰り出しは停止する。
一方、通常時においては、前述したように、自動閉鎖装置32が作動するものではないため、シャッターカーテン1が全閉位置に達したときの開閉機13のブレーキ手段19のオンは、前述したように、制御装置27の開閉機駆動制御回路28により行われる。すなわち、閉じ移動中のシャッターカーテン1が全閉位置に達すると、この全閉位置を検知したセンサである全閉リミットスイッチ182(図4参照)からの信号が入力される開閉機駆動制御回路28により、図3に示すソレノイド24への通電が遮断され、ブレーキ手段19はばね23でオンに復帰する。これにより、全閉位置に達したシャッターカーテン1の電動による閉じ移動は停止する。
図34は、別実施形態に係る作動阻止手段を示す図であり、シャッターカーテン1が全閉位置に達したときのシャッターカーテン1の下部及びこのシャッターカーテン1の開閉移動を案内する左右のガイドレール6の正断面図である。なお、図34において、カーテン主部71Aを構成するカーテン本体1Aの表示は省略されている。
なお、以下の説明において、前述した作動阻止手段を第1の実施形態に係る作動阻止手段といい、この図34に示す作動阻止手段を第2の実施形態に係る作動阻止手段という。また、以下の各別実施形態に係る作動阻止手段の説明に用いる各図において、前述した図1〜図33の実施形態で示した部材、装置等と同じ部材、装置等には同一符号を付し、その形状、構造、作用等の説明は省略する。
図34に示すように、左右のガイドレール6の内部における不動部材である床4には、柱状部材310が立設配置されており、それぞれの柱状部材310の上面部310Aに、シャッターカーテン1のカーテン主部71Aの閉じ側の端部におけるシャッターカーテン1の幅方向の両端部71Cが載置可能(言い換えると、当接可能)となっている。
図34に示されているそれぞれの柱状部材310の高さ寸法Hは、図10にも示されている。前述したように、図10は、座板1Bの可動部70Bの立上り部79の延出部79A,79Bが、固定部70Aの内側部材76の下端に形成された突片部76A,76Bの上面に乗った(載置した)状態を示す図であり、言い換えると、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して上向きに移動する前の状態を示す図である。したがって、図34に示す柱状部材310の高さ寸法Hは、図10に示すように、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して上向きに移動する前の状態における座板1Bの可動部70Bの下面から、座板1Bの固定部70Aを形成する内外の部材75,76のうち、外部材75を構成する分割部材75Bの下端に形成された突片部75Cの下面までの高さ寸法Hとなっている。
このため、本実施形態では、閉じ移動中のシャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接(接触)したときが、シャッターカーテン1が全閉位置に達したときとなっており、このとき、カーテン主部71Aの幅方向の両端部71Cが、左右のガイドレール6の内部における床4に立設配置されている前記柱状部材310の上面部310Aに載置されるようになっている。
これにより、カーテン主部71Aの下降が阻止されるとともに、カーテン副部71Bはカーテン主部71Aに対して上向き(シャッターカーテン1の開き移動方向)に移動することも阻止される。これにより、第1及び第2レバー部材61,62の揺動が阻止され、ロック用ワイヤー36は、第1レバー部材61に取り付けられている摩擦部材67と、第2レバー部材62に取り付けられている摩擦部材68とにより、ロック用ワイヤー36の折り返し部36Aが挟着ロックされることが阻止される。
以上説明したように、本実施形態では、作動阻止手段は、左右のガイドレール6の内部における不動部材である床4に立設配置されている柱状部材310の上面部310Aとなっている。すなわち、左右2個の柱状部材310の上面部310Aが、床4におけるシャッターカーテン1の全閉位置よりも開き側の位置に設けられ、閉じ移動中のシャッターカーテン1のカーテン副部71Bが全閉位置まで移動したとき、カーテン主部71Aの閉じ側の端部におけるシャッターカーテン1の開閉移動方向(上下方向)と直交する方向であるシャッターカーテン1の幅方向(左右方向)の両端部71Cが当接する被当接部となっている。このため、本実施形態(第2の実施形態)に係る作動阻止手段では、前述した第1の実施形態に係る作動阻止手段とは異なり、第3揺動部材である第3レバー部材250が不要となっている。
なお、前述した第1の実施形態と同様に、ロック用ワイヤー36には当接部材である円筒部材280が挿通固定されており、この円筒部材280は、ロック用ワイヤー36におけるリール40から繰り出される部分であって、機械式結合装置39を収納するための収納部材であるケース55よりもリール40側の位置に挿通固定されている。また、この円筒部材280の直径寸法(言い換えると、シャッターカーテン1の開閉移動方向(上下方向)と直交する方向(左右方向)の幅寸法は、機械式結合装置39のケース55の上面部55Bに形成されている貫通孔である長孔56の長手方向と直交する方向(シャッターカーテン1の厚さ方向)の寸法である幅寸法よりも大きくなっている。言い換えると、ロック用ワイヤー36に挿通固定された円筒部材280の直径寸法は、機械式結合装置39のケース55に形成された長孔56の周縁部に係止可能(引っ掛かり可能)となっている。
そして、円筒部材280は、図34に示すように、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接したとき、すなわち、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したとき、機械式結合装置39のケース55の上面部55Bに形成された長孔56の周縁部に当接するようになっている。
これにより、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cには、下向きの緊張力が作用するため、非常時においては、前述の第1の実施形態と同様に、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cに作用した下向きの前記緊張力が自動閉鎖装置32に入力され、この自動閉鎖装置32のスライド部材120は、Iの位置からJの位置まで後退する(図18参照)。この結果、開閉機13のブレーキ手段19がオンとなり、全閉位置に達したシャッターカーテン1は自重による閉じ移動を停止する。
一方、通常時においては、前述した第1の実施形態と同様に、閉じ移動中のシャッターカーテン1が全閉位置に達すると、この全閉位置を検知したセンサである全閉リミットスイッチ182(図4参照)からの信号が入力される開閉機駆動制御回路28により、図3に示すソレノイド24への通電が遮断され、ブレーキ手段19はばね23でオンに復帰する。これにより、全閉位置に達したシャッターカーテン1の閉じ移動は停止する。
なお、本実施形態では、作動阻止手段である被当接部は、床4に立設配置された柱状部材310の上面部310Aであったが、水平方向に延出し、上面部の高さ位置が床4からH(図34参照)となっている突片部を左右のガイドレール6の内部に取り付け、この突片部の前記上面部を被当接部としてもよい。
なお、本実施形態では、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接したときが、シャッターカーテン1の全閉位置となるが、このような全閉位置の設定は、全閉位置に達したシャッターカーテン1による開口部等の密閉性をあまり必要としない場合に適用することが好ましい。
一方、全閉位置に達したシャッターカーテン1による開口部等の密閉性がある程度必要とされる場合には、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接することにより、第1及び第2レバー部材61,62が揺動し、これらの第1及び第2レバー部材61,62によりロック用ワイヤー36の部分36Aの挟着ロックが行われる寸前まで、カーテン主部71Aの下降で生ずるカーテン主部71Aに対するカーテン副部71Bの相対的な上昇が行われたときを、シャッターカーテン1の全閉位置としてもよい。
図35〜図37は、さらなる別実施形態(第3の実施形態)に係る作動阻止手段を示す図である。
図35は、本実施形態に係る作動阻止手段が備えられているシャッター装置の全体正面図を示す図1と同様の図である。また、図36及び図37は、シャッターカーテン1の下部の右端部付近及びこのシャッターカーテン1の開閉移動を案内する右のガイドレール6の正断面図である図34と同様の図であり、図36は、本実施形態に係る作動阻止手段が作動する直前を示す図であり、図37は、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したときを示す図である。なお、図36及び図37において、カーテン主部71Aを構成するカーテン本体1Aの表示は省略されている。
図36に示すように、本実施形態では、前述の第1の実施形態と同様に、機械式結合装置39には、支点軸270を中心に揺動自在となっている第3揺動部材である第3レバー部材350が取り付けられている。以下、この第3レバー部材350が、第1の実施形態に係る第3レバー部材250と異なる点について説明する。
図36に示すように、本実施形態では、板材の折り曲げで形成されている第3レバー部材350は、第1の実施形態に係る第3レバー部材250とは異なり、ロック用ワイヤー36に挿通固定された円筒部材280が当接する二股部253Cを有していない。なお、第1の実施形態に係る第3レバー部材250の中央部251に相当する第3レバー部材350の基部351の下部には、第1の実施形態に係る第3レバー部材250と同様に、下方に延出する第1下方延出部251Aと第2下方延出部251Bが形成されている。
この第3レバー部材350の基部351の先端部252(第1の実施形態に係る第3レバー部材250の長手方向の両端部のうちの一方の端部252(図26では右端部)と同じ)には、シャッターカーテン1の開閉移動方向と直交する方向であるシャッターカーテン1の幅方向へ延出するアーム部353が設けられている。このアーム部353の先端部353Aは、左右のガイドレール6のうちの一方(図35〜図37では右側のガイドレール6)の内部に達している。なお、図35に示すように、本実施形態では、アーム部353の長さ寸法を短くするために、第3レバー部材350が取り付けられる機械式結合装置39は、前述した第1の実施形態に係る機械式結合装置39(図1参照)と比較して、ガイドレール6に寄った位置に配置されている。
また、図35〜図37に示すように、上記ガイドレール6の内部におけるシャッターカーテン1の全閉位置よりも開き側の位置には、シャッターカーテン1の開閉移動方向へ垂直に延出する垂直延出部361と、この垂直延出部361の上端部からシャッターカーテン1の厚さ方向(図36及び図37では手前側)へ水平に延出する水平延出部362と、からなる垂直断面形状が逆L字状の板材360が、ビス等の止着具363により取り付けられている。なお、図36及び図37に示されているように、ガイドレール6には、前記止着具363が螺入される複数個のねじ孔6Aが、シャッターカーテン1の開閉移動方向に一定の間隔で離間して設けられている。このため、ガイドレール6の内部に取り付ける板材360の高さ位置を調整できるようになっている。
また、図35及び図36から分かるように、シャッターカーテン1が全閉位置に達する手前まで水平姿勢が保持されている第3レバー部材350のアーム部353は、板材360の水平延出部362よりもシャッターカーテン1の開き側(上側)に配置されている。なお、シャッターカーテン1の開閉移動中において、ガイドレール6の内部にスライド自在に挿入されるカーテン主部71Aの幅方向の端部71Cは、板材360とは干渉しないようになっている。言い換えると、板材360は、開閉移動中のシャッターカーテン1のカーテン主部71Aの幅方向の端部71Cとは干渉しない位置に配置されている。
図36に示すように、閉じ移動中のシャッターカーテン1のカーテン主部71Aの幅方向の端部70Cが板材360を通過した後、水平姿勢が保持されている第3レバー部材350のアーム部353の先端部353Aの下面が、板材360の水平延出部362に当接することになる。これにより、第3レバー部材350は支点軸270を中心とする矢印R方向(図36参照)への揺動を行う。この第3レバー部材350の揺動は、図37に示すように、シャッターカーテン1が全閉位置に達するまで行われ、このとき、第3レバー部材350の揺動量は最大となる。なお、本実施形態では、シャッターカーテン1の全閉位置に達したとき(シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したとき)とは、前述の第1の実施形態と同様に、図11に示すように、カーテン主部71Aに対するカーテン副部71Bの相対的な上昇が移動限に達したときである。
第3レバー部材350が揺動することにより、フック部252Aが第1レバー部材61の先端部61Cに係合している第3レバー部材350は、第1レバー部材61を、ロック用ワイヤー36を挟着ロックする方向とは反対の方向(シャッターカーテン1の開き移動方向)に揺動させることになる。これにより、ロック用ワイヤー36の部分36Aは、第1レバー部材61に取り付けられている摩擦部材67と、第2レバー部材62に取り付けられている摩擦部材68とにより、ロック用ワイヤー36の折り返し部36Aが挟着ロックされることが阻止される。
このため、本実施形態では、作動阻止手段は、アーム部353とフック部252Aを有する第3揺動部材である第3レバー部材350と、ガイドレール6の内部に取り付けられた板材360の水平延出部362と、を含んで構成されるものとなっている。そして、板材360の水平延出部362の上面部が、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動するまでに第3レバー部材350のアーム部353の先端部353Aの下面が当接する被当接部となっている。
なお、前述した第2の実施形態と同様に、ロック用ワイヤー36に挿通固定された円筒部材280は、図37に示すように、シャッターカーテン1が全閉位置に達したときには、機械式結合装置39を収納するための収納部材であるケース55の上面部55Bに形成された長孔56の周縁部に当接するようになっている。
これにより、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cには、下向きの緊張力が作用するため、非常時においては、前述の第1及び第2の実施形態と同様に、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cに作用した下向きの前記緊張力が自動閉鎖装置32に入力されるため、開閉機13のブレーキ手段19がオンとなる。この結果、全閉位置に達したシャッターカーテン1は閉じ移動を停止する。
一方、通常時においては、前述した第1及び第2の実施形態と同様に、閉じ移動中のシャッターカーテン1が全閉位置に達すると、この全閉位置を検知したセンサである全閉リミットスイッチ182(図4参照)からの信号が入力される開閉機駆動制御回路28により、図3に示すソレノイド24への通電が遮断され、ブレーキ手段19はばね23でオンに復帰する。これにより、全閉位置に達したシャッターカーテン1の閉じ移動は停止する。なお、本実施形態では、全閉リミットスイッチ182が作動するのは、前述したように、前述の第1の実施形態と同様に、カーテン主部71Aに対するカーテン副部71Bの相対的な上昇が移動限に達したときである。
図38は、またさらなる別実施形態(第4の実施形態)に係る作動阻止手段を示す図であり、シャッターカーテン1が全閉位置に達したとき(シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接したとき)を示す図34と同様の図である。
本実施形態に係る作動阻止手段は、前述した第2の実施形態に係る作動阻止手段(図34参照)の変形例となっている。以下、第2の実施形態に係る作動阻止手段と異なる点について説明する。
図38から分かるように、本実施形態では、図34に示す第2の実施形態に係る作動阻止手段である左右のガイドレール6の内部における床4に立設配置された柱状部材310は備えられていないが、ロック用ワイヤー36には、第2の実施形態と同様に、円筒部材280が挿通固定されている。
前述した第2の実施形態と同様に、本実施形態においても、円筒部材280は、図38に示すように、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接したときには、機械式結合装置39を収納するための収納部材であるケース55の上面部55Bに形成された長孔56の周縁部に当接するようになっている。
これにより、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cには、下向きの緊張力が作用するため、非常時においては、前述の第1〜第3の各実施形態と同様に、ロック用ワイヤー36の第2部分36Cに作用した下向きの緊張力が自動閉鎖装置32に入力されるため、開閉機13のブレーキ手段19がオンとなる。この結果、全閉位置に達したシャッターカーテン1は閉じ移動を停止する。
したがって、第2の実施形態と同様に、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接したと同時に、シャッターカーテン1は閉じ移動を停止することになり、カーテン副部71Bのカーテン主部71Aに対する移動は行われない。
この結果、第1レバー部材61に取り付けられた摩擦部材67と、第2レバー部材62に取り付けられた摩擦部材68とにより、ロック用ワイヤー36の部分36Aが挟着ロックされることが阻止される。
このため、本実施形態では、作動阻止手段は、ロック用ワイヤー36に挿通固定された円筒部材280となっており、また、この円筒部材280は、非常時におけるシャッターカーテン1に閉じ移動を停止されるための部材にもなっている。なお、通常時におけるシャッターカーテン1の閉じ移動を停止させる方式は、前述した第1〜第3の各実施形態と同様である。
したがって、前述した第2の実施形態では、シャッターカーテン1が全閉位置に達したときにおいて、第1レバー部材61に取り付けられた摩擦部材67と、第2レバー部材62に取り付けられた摩擦部材68と、によるロック用ワイヤー36の部分36Aの挟着ロックの阻止は、シャッターカーテン1のカーテン主部71Aの幅方向の端部71Cが2個の柱状部材310に載置(当接)することにより行われ、また、ロック用ワイヤー36に挿通固定された円筒部材280が機械式結合装置39のケース55の長孔56の周縁部に当接することによっても行われる。このように、第2の実施形態では、ロック用ワイヤー36の挟着ロックの阻止は、2系統の作動阻止手段によって行われる。
なお、第2の実施形態と同様に、本実施形態(第4の実施形態)では、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接したときが、シャッターカーテン1の全閉位置となるが、このような全閉位置の設定は、全閉位置に達したシャッターカーテン1による開口部等の密閉性をあまり必要としない場合に適用することが好ましい。
一方、全閉位置に達したシャッターカーテン1による開口部等の密閉性がある程度必要とされる場合には、シャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接することにより、第1及び第2レバー部材61,62が揺動し、これらの第1及び第2レバー部材61,62によりロック用ワイヤー36の部分36Aの挟着ロックが行われる寸前まで、カーテン主部71Aの下降で生ずるカーテン主部71Aに対するカーテン副部71Bの相対的な上昇が行われたときを、シャッターカーテン1の全閉位置としてもよい。
以上説明した実施形態では、シャッターカーテン1の電動による閉じ移動中にシャッターカーテン1の座板1Bが図35で示す障害物34に当接したときに、この障害物34を電気式に検知するための電気式障害物検知手段である電気式障害物検知装置は、図5等に示す機械式障害物検知装置35と、図13に示すマイクロスイッチ170とで、構成されるものであったが、この電気式障害物検知装置は、従来知られているように、開閉体主部に配置され、この開閉体の下向きの閉じ移動の途中で開閉体副部が障害物に当接することにより、この開閉体副部が開閉体主部に対して上向きに移動することで作動するマイクロスイッチ(例えば、特開平8−105280号公報を参照)としてもよい。
この電気式障害物検知装置が備えられた開閉装置では、開閉体主部には、マイクロスイッチに接続され、このマイクロスイッチが作動することにより障害物検知信号を送信(送出)するための送信機が設けられ、この送信機と対向する不動部材には、この送信機から送信された障害物検知信号を受信するための受信機が設けられており、障害物検知信号を受信した受信機は、障害物検知信号を制御装置へ伝達し、これにより、制御装置は、開閉体の閉じ移動を停止させるために、開閉機の電動モータ手段の正駆動の停止、ブレーキ手段のオンをさせる(この後、反転上昇させるようにしてもよい)等の制御を実行するものとなっている。
ところで、開閉体が全閉位置に達したときにも、開閉体副部が相手部材である床に当接することにより、この開閉体副部が開閉体主部に対して上向きに移動することでマイクロスイッチが作動するようになっている場合には、マイクロスイッチの作動部材(アクチュエータ)の耐久性が低下するおそれがある。特に、開閉装置が、日常的に開閉体の開閉移動が行われる管理用開閉装置としての機能を有するものとなっている場合においては、作動部材の耐久性の低下のおそれは顕著なものとなる。また、開閉体が全閉位置に達するたびにマイクロスイッチが作動することにより、このマイクロスイッチ、送信機、受信機等が無駄な電力を消費することになる。
このため、上述した電気式障害物検知装置を備えた開閉装置では、開閉体が全閉位置に達したときに、前記電気式障害物検知装置であるマイクロスイッチの作動(より具体的には、マイクロスイッチの作動部材が、開閉体副部に直接当接すること、あるいは、開閉体主部に設けられた他の部材を介して開閉体副部に間接的に当接すること)を阻止するための作動阻止手段を備えることが好ましい。
この作動阻止手段の形式、構造は、任意なものでよく、その一例は、開閉体に対して不動となっている不動部材又はこの不動部材とは別の不動部材における前記開閉体の前記全閉位置よりも開き側の位置に設けられ、前記開閉体が全閉位置まで閉じ移動したとき、前記開閉体主部の閉じ側の端部における前記開閉体の開閉移動方向と直交する方向である前記開閉体の幅方向の両端部が当接する被当接部である。
ここで、「開閉体が全閉位置まで閉じ移動したとき」とは、開閉体の開閉体副部が相手部材に当接(接触)したときから、マイクロスイッチが作動する寸前まで開閉体の開閉体副部が開閉体主部に対して開閉体の開き移動方向へ移動したときまでの範囲をいう。
この作動阻止手段の例では、前記開閉体が全閉位置まで閉じ移動したとき、開閉体主部の幅方向の両端部が前記被当接部に当接することにより、開閉体副部の閉じ移動も停止する。これにより、この開閉体副部が開閉体主部に対して開閉体の開き移動方向へ移動することができない状態となる。この結果、マイクロスイッチの作動が阻止された状態となる。
なお、被当接部が設けられる前記不動部材又はこの不動部材とは別の不動部材とは、開閉移動する開閉体に対して不動となっている部材であれば、任意な部材でよく、例えば、開閉体によって開閉される出入口等の開口部の外枠を形成する部材(開口部の床を含む)や、全閉位置まで閉じ移動した開閉体によって防災区画が形成される室内空間の床、開閉体の開閉移動を案内するガイド部材、さらには、開閉装置の構造躯体や、開閉装置が設置されている建物等の構造物のための躯体等である。
また、被当接部の形状、構造は、開閉体主部の幅方向の両端部が当接可能なものであれば任意なものでよく、例えば、開閉体の開閉移動方向と直交する方向(開閉体主部の幅方向)に突出する突片部でもよく、前記不動部材又はこの不動部材とは別の不動部材から開閉体の開き側(開き移動方向)に延出する延出部でもよい。後者の場合には、延出部における開閉体の開き側の端部の端面に、開閉体主部の幅方向の両端部が当接するようにする。
上述した電気式障害物検知装置の具体例としては、図10に示す座板1Bの固定部70Aを形成する内外の部材75,76のうちの内部材76の内部に配置され、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して上向きに移動することで揺動する揺動部材81に当接する作動部材であるアクチュエータ(押しボタン式でもよく、ヒンジ・レバー式でもよい)を有するマイクロスイッチを挙げることができる。
なお、マイクロスイッチが作動することにより障害物検知信号を受信機へ送信する送信機は、例えば、図10に示す外部材75の分割部材75Aの上面部に設け、送信機から送信された障害物検知信号を受信する受信機は、例えば、図2に示すまぐさ部材16Aにおける送信機と対向する位置に設けるようにすればよい。また、送信機から受信機への障害物検知信号の送信は、無線によるものでもよく、有線によるもの(例えば、コードリール方式)でもよい。
また、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したときに、前記電気式障害物検知装置であるマイクロスイッチの作動(より具体的には、マイクロスイッチのアクチュエータが揺動部材81と当接すること)を阻止するための作動阻止手段の具体例として、前述したように、シャッターカーテン1が全閉位置まで閉じ移動したとき、作動部材である第1レバー部材61と第2レバー部材62の作動を阻止するための作動阻止手段となっている図34に示されている左右のガイドレール6の内部における不動部材である床4に立設配置されている柱状部材310の上面部310Aを適用することができる。
すなわち、前述したように、図34に示すように、左右のガイドレール6の内部における不動部材である床4には、柱状部材310が立設配置されており、それぞれの柱状部材310の上面部310Aに、シャッターカーテン1のカーテン主部71Aの閉じ側の端部におけるシャッターカーテン1の幅方向の両端部71Cが載置可能(言い換えると、当接可能)となっている。
また、前述したように、図34に示されているそれぞれの柱状部材310の高さ寸法Hは、図10にも示されている。また、前述したように、図10は、座板1Bの可動部70Bの立上り部79の延出部79A,79Bが、固定部70Aの内側部材76の下端に形成された突片部76A,76Bの上面に載置した状態を示す図であり、言い換えると、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して上向きに移動する前の状態を示す図である。したがって、図34に示す柱状部材310の高さ寸法Hは、図10に示すように、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して上向きに移動する前の状態における座板1Bの可動部70Bの下面から、座板1Bの固定部70Aを形成する内外の部材75,76のうち、外部材75を構成する分割部材75Bの下端に形成された突片部75Cの下面までの高さ寸法Hとなっている。
このため、閉じ移動中のシャッターカーテン1のカーテン副部71Bが床4に当接(接触)したときが、シャッターカーテン1が全閉位置に達したときとなっており、このとき、カーテン主部71Aの幅方向の両端部71Cが、左右のガイドレール6の内部における床4に立設配置されている前記柱状部材310の上面部310Aに載置されるようになっている。
これにより、カーテン主部71Aの下降が阻止されるとともに、カーテン副部71Bはカーテン主部71Aに対して上向きに移動することも阻止される。これにより、揺動部材81の揺動も阻止され、この結果、マイクロスイッチのアクチュエータが揺動部材81と当接することが阻止されることになる。すなわち、マイクロスイッチの作動が阻止されることになる。
このため、マイクロスイッチのアクチュエータの耐久性の低下を防止することができ、また、シャッターカーテンが全閉位置に達するたびに、マイクロスイッチが作動することにより、このマイクロスイッチ、送信機、受信機等が無駄な電力を消費することを防止することができるにようになる。
このように、図34に示されている左右のガイドレール6の内部における不動部材である床4に立設配置されている柱状部材310の上面部310Aを、電気式障害物検知装置の作動を阻止するための作動阻止手段とすることができる。すなわち、左右2個の柱状部材310の上面部310Aが、床4におけるシャッターカーテン1の全閉位置よりも開き側の位置に設けられ、閉じ移動中のシャッターカーテン1のカーテン副部71Bが全閉位置まで移動したとき、カーテン主部71Aの閉じ側の端部におけるシャッターカーテン1の開閉移動方向と直交する方向であるシャッターカーテン1の幅方向の両端部71Cが当接する被当接部となっている。
なお、前述した図35〜図37に示す実施形態に係る作動阻止手段が備えられたシャッター装置にも、上述した電気式障害物検知装置(シャッターカーテン1の電動による閉じ移動中に、シャッターカーテン1の座板1Bが障害物に当接したとき、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して上向きに移動することにより揺動する揺動部材81に当接するアクチュエータを有するマイクロスイッチ)を適用する(備える)ことができる。
そして、図36及び図37に示す第3レバー部材350のアーム部353と、ガイドレール6の内部に取り付けられた板材360の水平延出部362を、シャッターカーテン1が全閉位置に達したときに、上述した電気式障害物検知装置であるマイクロスイッチの作動(より具体的には、マイクロスイッチのアクチュエータが揺動部材81に当接すること)を阻止するための作動阻止手段とすることができる。
すなわち、例えば、図36に示すアーム部353には、シャッターカーテン1の開閉移動方向(上下方向)の成分を含む方向に長い形状、寸法を有し、カーテン主部71A(座板1Bの固定部70Aを形成する内外の部材75,76)に形成された貫通孔に挿通され、アクチュエータが揺動部材81に当接可能となっているマイクロスイッチを配置する。
これによると、前述したように、アーム部353は、シャッターカーテン1が全閉位置に達する手前まで水平姿勢が保持されているため、シャッターカーテン1の電動による閉じ移動中に、シャッターカーテン1の座板1Bが図35で示す障害物34に当接したときには、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して上向きに移動することで揺動する揺動部材81に、マイクロスイッチのアクチュエータが当接する。これにより、マイクロスイッチが作動することになる。すなわち、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1が全閉位置に達するまでに、シャッターカーテン1の座板1Bが障害物34に当接したときには、この障害物34との当接がマイクロスイッチにより電気的に検知される。
一方、前述したように、図36に示すように、閉じ移動中のシャッターカーテン1のカーテン主部71Aの幅方向の端部70Cが板材360を通過した後は、水平姿勢が保持されている第3レバー部材350のアーム部353の先端部353Aの下面が、板材360の水平延出部362に当接することになり、第3レバー部材350は、支点軸270を中心とする矢印R方向(図36参照)への揺動を行う。この第3レバー部材350の揺動は、前述したように、図37に示すように、シャッターカーテン1が全閉位置に達するまで行われ、このとき、第3レバー部材350の揺動量は最大となる。
この第3レバー部材350が揺動することにより、この第3レバー部材350のアーム部353に配置されたマイクロスイッチも揺動するため、このマイクロスイッチのアクチュエータは、揺動部材81から離間することになる。これにより、電動による閉じ移動中のシャッターカーテン1のカーテン主部71Aの幅方向の端部70Cが板材360を通過した後から、シャッターカーテン1が全閉位置に達するまでの間は、マイクロスイッチの作動が阻止されることになる。
なお、マイクロスイッチが作動することにより障害物検知信号を受信機へ送信する送信機は、図36に示すアーム部353に設け、送信機から送信された障害物検知信号を受信する受信機は、例えば、図2に示すまぐさ部材16Aにおける送信機と対向する位置に設けるようにすればよい。また、送信機から受信機への障害物検知信号の送信は、無線によるものでもよく、有線によるもの(例えば、コードリール方式)でもよい。
なお、上述した電気式障害物検知装置(シャッターカーテン1の電動による閉じ移動中に、シャッターカーテン1の座板1Bが障害物に当接したとき、カーテン副部71Bがカーテン主部71Aに対して上向きに移動することにより揺動する揺動部材81に当接するアクチュエータを有するマイクロスイッチ)や、作動阻止手段(シャッターカーテン1が全閉位置に達したときに、前記電気式障害物検知装置である前記マイクロスイッチの作動(より具体的には、前記マイクロスイッチの前記アクチュエータが前記揺動部材81と当接すること)を阻止するための作動阻止手段は、出入口等の開口部を開閉するための管理専用開閉装置である管理専用シャッター装置(前述した機械式障害物検知装置が備えられていてもよく、備えられていなくてもよい)にも適用することができる。
なお、上述したマイクロスイッチは、アクチュエータが揺動部材81に当接することにより、すなわち、アクチュエータがカーテン主部71Aに設けられた他の部材である揺動部材81を介してカーテン副部71Bに間接的に当接することにより、作動するものであったが、このマイクロスイッチは、アクチュエータがカーテン副部71B(例えば、カーテン副部71Bである図10に示す可動部70Bの立上り部79の延出部79B)に直接当接することにより、作動するものとしてもよい。