以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態は、所定の当選役を入賞させるための操作内容が報知される操作情報報知期間について、その開始と終了を、主に単位遊技の制御を行う主制御回路が制御することによって、操作情報報知期間に関する情報を外部へ出力するものである。
以下に、第1の実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。図1は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、表示窓22が形成されており、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの外周面に印刷された図柄が表示される。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が、水平方向の同一直線上に並ぶように設けられ、各々リング状の形状を有し、その外周面には21個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓22からは、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された21個の図柄のうち、各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓22には、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の停止表示位置を上段U、中央の停止表示位置を中段M、最も下側の停止表示位置を下段Lとする。
また、表示窓22には、リール40L,40C及び40Rを横切る4本の入賞ラインが定められている。この4本の入賞ラインは、表示窓22内において、各リールの上段Uを通過する上段水平入賞ラインL1と、左リール40Lの下段L、中リール40Cの中段M、および、右リール40Rの上段Uを通過する右上がりの斜め入賞ラインL2と、各リールの中段Mを通過する中段水平入賞ラインL3と、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段M、右リール40Rの下段Lを通過する斜め右下がり斜め入賞ラインL4と、によって構成されている。このように各入賞ラインは、リール40L,40C,40Rの、各々3つの停止表示位置(上段U、中段M、下段L)のうち、いずれか1つを通過している。
入賞ラインL1〜L4は、各々、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せを判定する際の基準となるラインであり、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、4本の入賞ラインのうち、有効とみなされた入賞ライン(以下、有効ラインという)が通過する停止表示位置に各々停止表示された3つの図柄の組合せが、いずれかの役に対応していたときに、その役が入賞したことになる。
フロントパネル20には、表示窓22の他に、遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。まず、表示窓22の左側には、図1中、上から順に、操作指示ランプ24L,24C,24Rが設けられている。これら操作指示ランプ24L,24C,24Rは、リール40L,40C,40Rが回転しているときに、遊技者に対して後述するストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序を指示するものである。すなわち、操作指示ランプ24Lが点灯したときは左ストップスイッチ37Lを、操作指示ランプ24Cが点灯したときは中ストップスイッチ37Cを、操作指示ランプ24Rが点灯したときは右ストップスイッチ37Rを、各々操作すべきであることを示す。
表示窓22の下側には、図1中、左から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ26a,26b,26c、クレジット数表示器27、および、獲得枚数表示器28が設けられている。ベット数表示ランプ26a,26b,26cは、1回の遊技に投入されるメダルの枚数を表示するものである。すなわち、1枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aのみが点灯し、2枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aおよび26bが点灯し、3枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26a,26b,26cが点灯する。ここで、スロットマシン10は、3枚のメダルを投入することで1回の遊技が可能となり、入賞ラインL1〜L4が全て有効ラインとなる、いわゆる3枚賭専用機となっている。クレジット数表示器27は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述するRAM110に記憶されている)メダルの枚数を表示する。獲得枚数表示器28は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10において遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
上述したフロントパネル20の下側には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。このメダル投入口32の内部には、メダルセンサ(図示略)が設けられており、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、メダル検出信号を出力する。このメダル検出信号の出力回数を計数することで、投入されたメダルの枚数を認識することができる。また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へ投入することができる1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち3枚を遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。
メダル投入口32から、または、各種ベットスイッチ34,35を操作することにより、スロットマシン10に3枚のメダルを投入すると、メダルが投入されるごとにベット数表示ランプ26a,26b,26cが順次点灯していき、入賞ラインL1〜L4が有効ラインとなる。また、各種ベットスイッチ34,35を操作してメダルを投入した場合は、後述するRAM110に記憶されているクレジット数から、投入されたメダルの枚数が減算され、これに伴ってクレジット数表示器27に表示されている値も減算される。規定枚数(3枚)のメダルが既に投入されている状態で、さらにメダル投入口32からメダルが投入されると、当該投入されたメダルの枚数が、RAM110に記憶されているクレジット数に加算されるとともに、クレジット数表示器27に表示されている値に加算される。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。遊技者がスロットマシン10に規定枚数(3枚)のメダルを投入した後、スタートスイッチ36を傾動操作すると、前述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これにより、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、表示窓22において上から下へと移動(スクロール)表示される。操作パネル部30の正面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、左ストップスイッチ37Lは左リール40Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール40Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール40Rに対応している。ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分)に達したときに、遊技者による操作が有効となる。
そして、左ストップスイッチ37Lを遊技者が押動操作したときには、左リール40Lが停止し、中ストップスイッチ37Cを押動操作したときには、中リール40Cが停止し、右ストップスイッチ37Rを押動操作したときには、右リール40Rが停止する。このとき、3つのリール40L、40C及び40Rの各々は、各リールの外周面に描かれている図柄のうち、連続するいずれか3つの図柄の各中心位置が、表示窓22内の上段U、中段M、および、下段Lの各中央に位置付けられるように停止制御される。ここで、図柄の中心と、停止表示位置の中央とが一致する位置を定位置という。スロットマシン10においては、遊技者がストップスイッチを操作したことによって対応するリールを停止させる際に、図柄が必ず定位置で停止するように、リール停止制御が行われる。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。すなわち、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、有効ラインに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが、小役に対応していた場合、スロットマシン10の内部に設置されたホッパー(図示略)が作動してその小役に対応した枚数のメダルが払い出される。そして、払い出されたメダルは、メダル払出口60から排出されて受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置70は、遊技履歴を表示したり、特別遊技中に表示される演出画像、役抽選の結果を報知するための演出画像、遊技の進行(メダル投入→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示したりすることができる。表示装置70の上方には、リール40L,40C,40Rが停止し、何らかの役が入賞した場合、入賞した役に応じたパターンで点滅する上部演出ランプ72が設けられている。
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。前述したように、リール40L、40C及び40Rの各外周面には21個の図柄が印刷されているが、各図柄は、リールテープの長手方向において、21等分に区画した各図柄表示領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄表示領域に表示される図柄の種類は、10種類あり、各種類に応じて種別コード(図示略)が予め定められている。本実施形態における図柄の種類には、各々数字の7を赤色および青色で表した「赤7」図柄、「青7」図柄と、棒状の塊をモチーフとした「BAR」図柄と、サクランボをモチーフとして各々赤色、青色、黒色で表した「赤チェリー」図柄、「青チェリー」図柄および「黒チェリー」図柄と、スイカをモチーフとした「スイカ」図柄と、ベルをモチーフとした「ベル」図柄、プラムをモチーフとした「プラム」図柄と、所定のキャラクタを描いた「キャラクタ」図柄とがある。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄表示領域には、「1」〜「21」の図柄番号が予め定められており、図2に示すように、各図柄番号には、当該図柄番号に対応する図柄表示領域に印刷された図柄の種別コードが対応付けられ、後述するROM108に記憶されている。これらの情報は、スロットマシン10が、表示窓22の各停止表示位置(上段U、中段M、下段L)に表示された図柄を識別する際に参照される。以下では、図柄番号および種別コードをまとめて図柄識別情報という。図2に示した内容のリールテープを、各々対応するリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けると、図2の図柄配列において、図柄番号「1」と「21」の図柄が連続することになる。
また、リール40L、40C及び40Rが回転すると、表示窓22内に表示される各リールの3つの図柄は、連続する3つの図柄番号の値が増加する方向にスクロール表示されることになる。たとえば、表示窓22の下段Lから上段Uに向かって、図柄番号「1」,「2」,「3」の図柄が表示されていた場合、それ以降、表示される図柄は、図柄番号「2」,「3」,「4」→図柄番号「3」,「4」,「5」→図柄番号「4」,「5」,「6」→……と変化する。そして、図柄番号「19」,「20」,「21」が表示されると、引き続き、図柄番号図柄番号「20」,「21」,「1」→図柄番号「21」,「1」,「2」→図柄番号「1」,「2」,「3」→……と変化していき、以下、リールが停止するまで図柄番号「1」から「21」のうち連続する3つの図柄が循環的にスクロール表示される。
[制御回路の説明]
スロットマシン10を制御する制御回路は、主制御回路100と副制御回路200とで構成されている。ここで、主制御回路100のブロック図を図3に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を図4に示す。
≪主制御回路の説明≫
図3に示す中央処理装置(以下、CPUと称する)106は、入出力バス104を介して入力される各種情報に応じて、ROM108に記憶されている各種制御プログラムを実行することで、スロットマシン10における遊技の制御を行う。CPU106は、各種制御プログラムの処理を行っている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための各種データを記憶する。ROM108に記憶されているデータとしては、前述した図柄識別情報の他、例えば、後述する各種の役に対応する図柄組合せ(図6参照)、各種役抽選テーブル(図7,図8参照)、役抽選の結果に応じてストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序と、入賞する役の種類と、の対応を定めた情報(図9,図10参照)、および、後述するARTへ移行する権利(ストック)を発生させるか否かを決定するためのストック抽選テーブル(図12参照)などがある。また、ROM108に記憶される制御プログラムとしては、図13に示すメインルーチン、図14〜図18に示す各種サブルーチンの処理を実行するためのプログラムなどがある。
入出力バス104には、RAM110も接続されており、CPU106が、上述した制御プログラムの処理を行う過程で参照する各種フラグ(たとえば、後述する役抽選による当選役に対応した当選フラグ、再遊技入賞フラグなど)や、変数の値(表示窓22に表示されている図柄番号、メダル投入枚数、クレジット枚数、メダル払出枚数、各種遊技状態における遊技回数などの値など)が一時的に記憶される。また、RAM110には、スロットマシン10の遊技状態を示す遊技状態情報も記憶される。この遊技状態情報には、「通常遊技」、「RB遊技」、「BB遊技」という3つの遊技状態を示す情報と、通常遊技中におけるRT状態(「非RT」/「RT1」/「RT2」/「RT3」)を示す情報がある。スロットマシン10では、これらの遊技状態に応じて、図7および図8に示す役抽選テーブルの選択や、各遊技状態間の移行に関する処理を行っている。なお、上述した各遊技状態については後に詳しく説明する。
CPU106に入力される各種情報には、図1に示した1−ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rから出力される信号があり、これらの信号は、入出力バス104に接続されたインターフェイス回路102を介してCPU106に入力される。さらに、CPU106に入力される情報には、乱数発生器112によって0〜65535(2の16乗)の数値範囲内で発生される乱数(整数)があり、この乱数は、入出力バス104を介してCPU106へ入力される。
CPU106は、上述した制御プログラムを実行することで、入出力バス104に接続された各種装置の制御を行う。まず、CPU106は、モータ駆動回路114に対して駆動パルスを出力し、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御を行う。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール40L、40C及び40Rの内周側に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトにリール40L、40C及び40Rの回転中心が取り付けられている。モータ駆動回路114は、ステッピングモータ80L、80C及び80Rと接続されており、CPU106から駆動パルスが出力されるごとに、各ステッピングモータを1ステップずつ回転駆動する。また、CPU106は、RAM110に記憶されているクレジット数の値をLED駆動回路116へ送信し、これにより、LED駆動回路116は、受信した数値に対応する数字を表示するように、クレジット数表示器27の各セグメントを点灯させる。また、CPU106は、1回の遊技が行われた結果、遊技者にメダルを払い出すこととなったときに、そのメダルの枚数の数値をLED駆動回路116へ送信し、これにより、LED駆動回路116は、受信した数値に対応する数字を表示するように、獲得枚数表示器28の各セグメントを点灯させる。
さらに、入出力バス104には外部集中端子基板118が接続されており、CPU106は、スロットマシン10で行われた遊技に関する情報を、外部集中端子基板118を介して外部へ出力している。ここで、CPU106は、外部へ出力する遊技に関する情報として、1回の遊技でスロットマシン10に投入されたメダルの枚数(IN信号)、1回の遊技が行われた結果、遊技者へ払い出されたメダルの枚数(OUT信号)、遊技状態が「BB遊技」になっているか否か(BB発生信号)、遊技状態が「RB遊技」になっているか否か(RB発生信号)、1回の遊技が行われた結果、再遊技役が入賞したか否か(RP発生信号)を示す情報、スロットマシン10に異常が発生したことを示す異常発生信号、および、後述するART遊技へ移行した回数を示す情報(ART回数信号)を出力する。これら遊技に関する情報は、例えば、遊技場に設置された各遊技機の出玉を管理する管理コンピュータや、各遊技機に対応して設置されている外部の遊技履歴表示器に対して出力される。
≪副制御回路の説明≫
次に、図4を参照して副制御回路200の構成について説明する。上述した接続線120は、副制御回路200の入出力バス204に接続されているインターフェイス回路202に接続される。主制御回路100から副制御回路200に送信された各種情報は、インターフェイス回路202において所定の信号に変換された後、入出力バス204に供給され、RAM210に一旦格納される。この入出力バス204には、ROM208、RAM210、ランプ駆動回路218、表示駆動回路220、および、スピーカ駆動回路222も接続されている。
ROM208は、ランプ駆動回路218、表示駆動回路220、および、スピーカ駆動回路222を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。また、ROM208は、表示装置70に表示するための種々の画像データ、スピーカ64L,64Rから発するための楽音データ、上部演出ランプ72を駆動する点滅パターンデータなども記憶している。さらにROM208は、後述する各種報知や演出を制御するための制御プログラム(図19〜図21参照)を記憶している。
RAM210には、上述した各種制御プログラムを実行する過程で発生/変動する各種データや、フラグのオン/オフ状態の他、主制御回路100から送信されてきた役抽選の結果、操作されたストップスイッチを示す情報、遊技の結果、および、前述した現在の遊技状態・RT状態などの各種情報も記憶される。
ランプ駆動回路218は、主制御回路100から供給される各種情報信号に基づいてCPU206から出力される駆動指令に応じて、操作指示ランプ24L,24C,24Rおよび上部演出ランプ72を点灯/点滅駆動する。表示駆動回路220は、主制御回路100から供給される情報信号に基づいてCPU206がROM208から読み出した画像データや文字データ等を、表示装置70に表示させる。これにより、表示装置70には、画像データに基づく各種演出画像(静止画/動画)として表示され、もしくは、文字データが文字メッセージとして表示される。スピーカ駆動回路222は、主制御回路100から供給される情報に基づいてCPU206がROM208から読み出した音声データに応じてスピーカ64R,64Lを駆動し、図1に示した透音孔62R,62Lから音声を出力させる。
[機能ブロック図の説明]
次に、スロットマシン10の制御回路の機能ブロック図を図5に示す。なお、以下の説明において、図1および図3に示した各部と同じ構成については、同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。まず、制御回路として主制御回路100と副制御回路200とがあり、両者は電気的に接続されている。ここで、主制御回路100から副制御回路200へは、図3および図4に示した接続線120を介して、スロットマシン10における遊技に関する各種情報(詳しくは後述する)が送信される。この各種情報の送信は、主制御回路100から副制御回路200への一方向に限られており、副制御回路200から主制御回路100に対して何らかの情報が送信されることはない。
主制御回路100には、操作手段300と、モータ駆動回路114と、外部集中端子基板118とが電気的に接続されている。副制御回路200には、スピーカ64L,64R、表示装置70、および、上部演出ランプ72Rを備える報知出力手段600が電気的に接続されている。操作手段300は、スタートスイッチ36からなる回転指示手段310と、3つのストップスイッチ37L、37C及び37Rからなる停止指示手段320とを有している。この操作手段300は、スイッチに限らず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。また、報知出力手段600は、音や光など遊技者の聴覚的、視覚的に報知を行うものに限らず、たとえば、スロットマシン10の内部にバイブレータなどの振動発生装置を設けて特定の部位を振動させ、遊技者の触覚によって認知される報知を行うようにしても良い。
≪主制御回路の説明≫
主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段420と、入賞判定手段430と、入賞処理手段440と、報知遊技制御手段450と、外部出力手段460と、遊技進行禁止手段470と、を含む。役抽選手段410は、役抽選を行うことによって、予め定められた役のうち、いずれか1つまたは複数の役に当選したか否かを定めるものである。上述した予め定められた役には、大別すると、小役、再遊技(リプレイともいう)役、ボーナス役(特別役)の3種類がある。小役は、入賞すると予め定められた枚数のメダルが遊技者に払い出されることとなる役であり、対応する図柄組合せに応じて複数種類の小役が定められている。再遊技役は、入賞すると次の遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技を行うことができる役である。この再び行うことができる遊技を再遊技(リプレイ)といい、再遊技における有効ラインは、再遊技役が入賞した遊技における有効ラインと同一となる。
ボーナス役は、通常遊技中に入賞すると、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまで、各遊技においてメダルを獲得できる可能性が高くなる特別遊技が開始されることとなる役である。スロットマシン10における特別遊技には、終了条件の違いに応じてビッグボーナスゲーム(以下、BB遊技という)と、レギュラーボーナスゲーム(以下、RB遊技という)とがある。BB遊技は、メダルの払い出し枚数が、予め定められた枚数(ここでは300枚とする)を超えると終了条件が成立し、特別遊技へ移行する前の遊技(通常遊技)へ戻る。また、RB遊技は、遊技を所定回数(例えば12回)行うか、小役が入賞した回数が所定回数(例えば8回)になると、RB遊技の終了条件が成立して通常遊技に戻る。そして、入賞するとBB遊技が開始されることとなる役をBB役、RB遊技が開始されることとなる役をRB役という。
<役抽選手段の説明>
役抽選手段410は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことを契機として、図3に示した乱数発生器112が発生した乱数を抽出し、当該乱数と、ROM108に記憶された役抽選テーブル(図7,図8参照)のうち、現在の遊技状態およびRT状態に対応する役抽選テーブルと、に基づいて1つまたは複数の役の当否を決定する役抽選を行う。以下では、当選した役のことを当選役という。ここで、図6を参照してスロットマシン10において入賞し得る役の種類について説明する。図6は、各役の名称と、役が入賞することとなる図柄組合せと、役が入賞したときに遊技者へ払い出されるメダルの枚数とを対応付けた、配当情報の内容を示している。この配当情報は、図3に示した主制御回路100のROM108に記憶されている。
図6に示すように、スロットマシン10で入賞し得る各役には、それぞれ左リール40L,中リール40C,右リール40Rに描かれた図柄からなる図柄組合せが対応付けられている。この図柄組合せは、有効ラインL1〜L4のいずれかに沿って停止表示された図柄組合せを意味しており、後述する入賞判定手段430が入賞判定を行う際に参照される。また、これらの図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されると、対応する役が入賞したことになり、各々の役に対応した特典が遊技者に付与される。
例えばBB役が入賞すると、次の遊技から前述したBB遊技が開始される。なお、図6には、BB役aおよびBB役bの2種類のBB役が示されているが、これらの役は、対応する図柄組合せが異なっているだけであり、役が入賞したときに、次の遊技から開始されるBB遊技の内容に違いはない。また、再遊技役が入賞した場合は、特典として次の遊技が再遊技となる。小役が入賞した場合は、特典として入賞した小役の種類に応じた枚数のメダルが遊技者へ払い出される。より詳細には、小役1が入賞した場合は1枚のメダルが払い出され、小役2a〜2cのいずれかが入賞した場合は3枚のメダルが払い出され、小役3が入賞した場合には、6枚のメダルが払い出される。
また図6において、小役2aの図柄組合せは「ANY−ベル−ANY」と示されているが、左リール40Lおよび右リール40Rの図柄「ANY」は、いずれの図柄でもよいことを示している。したがって、中リール40Cの「ベル」図柄が上段Uに停止したときは、有効ラインL1に「ANY−ベル−ANY」の図柄組合せが停止表示されたことになるため、小役2aが単一入賞して3枚のメダルが払い出されることになる。また、中リール40Cの「ベル」図柄が中段Mに停止したときは、有効ラインL2,L3,L4に、各々「ANY−ベル−ANY」の図柄組合せの図柄組合せが停止したと見なせることから、小役2aが3重に入賞したことになり、3枚×3=9枚のメダルが払い出されることとなる。
また、この場合、左リール40Lおよび右リール40Rについては、中リール40Cにおける「ベル」図柄の停止位置に応じて、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せが有効ライン上に停止表示されるようなリール停止制御がなされる。たとえば、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたときに、左リール40Lが最初に操作された場合は、左リール40Lにおける「ベル」図柄が上段Uに停止するように、リール停止制御を行う。これにより、中リール40Cの「ベル」図柄が上段Uまたは中段Mのどちらに停止しても、有効ラインL1またはL4のいずれかに、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せを停止表示させることが可能となる。また、同様の理由から、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたときに、右リール40Rが最初に操作された場合は、右リール40Rの「ベル」図柄が上段Uに停止するように、リール停止制御を行う。
これにより、後述する図9に基づいて、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、左→中→右の順に操作された場合、抽選結果番号「6」が導出されたときは有効ラインL4に、抽選結果番号「7」または「8」が導出されたときは有効ラインL1に、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せが停止表示されることになる。また、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、右→中→左の順に操作された場合、抽選結果番号「8」が導出されたときは有効ラインL2に、抽選結果番号「6」または「7」が導出されたときは有効ラインL1に、「ベル−ベル−ベル」の図柄組合せが停止表示されることになる。
次に、ROM108に記憶されている役抽選テーブルの内容について図7および図8を参照して説明する。まず、図7において、(a)は遊技状態が通常遊技になっており、かつ、RT状態が「RT1」のときに用いられる役抽選テーブルの内容を示している。(b)は遊技状態が通常遊技になっており、かつ、RT状態が「RT2」のときに用いられる役抽選テーブルの内容を示している。(c)は遊技状態が特別遊技になっているときに用いられる役抽選テーブルの内容を示している。
また、図8は遊技状態が通常遊技になっており、かつ、RT状態が「非RT」および「RT3」のときに用いられる役抽選テーブルの内容を示している。ここで、図8に示す役抽選テーブルにおいて、RT状態が「非RT」のときと、「RT3」のときとでは、抽選結果番号「10」〜「21」の、各抽選結果番号に対応付けられた数値範囲が異なっている(図8(b)参照)。
役抽選テーブルは、乱数発生器112が発生し得る乱数値(0〜65535)と、抽選結果とを対応付けたものであり、乱数発生器112から抽出された乱数値が、役抽選テーブルのどの数値範囲に属するかによって、1つの抽選結果(抽選結果番号)が導出される。そして、導出された抽選結果番号に対応する役が、役抽選で当選した役(当選役)となる。ただし、導出された抽選結果番号にハズレが対応付けられていた場合は、いずれの役にも当選しなかった(ハズレになった)ことになる。なお、各抽選結果番号に対応する数値範囲(置数)を65536で割った値が、各抽選結果番号が導出される確率(各役の当選確率と同義)となる。
例えば、図7(a)に示す役抽選テーブルの場合、抽出された乱数が「0」〜「41739」の範囲内に含まれる値だった場合は、抽選結果番号「11」が導出され、役抽選の結果はハズレとなる。また、抽出された乱数値が「41740」〜「50718」の範囲内に含まれる値だった場合は、抽選結果番号「10」が導出され、役抽選の結果は再遊技役aの当選となる。また、複数の役が対応付けられた抽選結果番号が導出された場合は、当該対応付けられたすべての役が当選したことになる。たとえば、図7(a)に示す役抽選テーブルにおいて、抽出された乱数が「51377」〜「54652」の範囲内に含まれる値だった場合は、抽選結果番号「8」が導出され、小役2a、小役2bおよび小役2cが当選したことになる。
役抽選の結果、何らかの役に当選したときは、当選した役に対応するフラグ(以下、このフラグを当選フラグという)がオン(「1」)にされる。各役に対応する当選フラグのオン/オフ状態は、図3に示したRAM110に記憶される。そして、1回の遊技が終了すると、再遊技役および小役のいずれかに対応する当選フラグがオンになっていた場合は、その当選フラグに対応する役が入賞したか否かに関係なく、その当選フラグがオフにされる。これに対して、通常遊技中にBB役a、BB役bおよびRB役のいずれかの当選フラグがオンになった場合は、その遊技が終了してもオフにされず、その役が入賞するまでオンの状態が維持される。このように、当選フラグのオン状態が維持されている状態を、「ボーナスフラグの持ち越し中」ともいう。
また、ボーナスフラグの持ち越し中の遊技において、役抽選でいずれかの小役または再遊技役が当選した場合は、当選した役に対応する当選フラグがオンになる。よって、このときの各役に対応する当選フラグは、当該役抽選で当選した役と、オン状態が保持されている特別役とに対応する当選フラグがオン状態になっている。さらに、ボーナスフラグの持ち越し中の遊技において、いずれかの特別役が当選したときは、その特別役に対応する当選フラグはオンにされない。よって、特別役に対応する複数の当選フラグが並行してオン状態になることはない。
次に、図7(c)に示す役抽選テーブルにおいては、いずれの抽選結果番号に対しても、BB役およびRB役が対応付けられていない。よって、RB遊技およびBB遊技中に、BB役またはRB役が当選することはない。また、RBおよびBB遊技中は、小役1,小役2a,小役3の合成当選確率が約1/1.01と非常に高くなっていることから、RB遊技中およびBB遊技中は遊技者にとって有利な遊技状態になっているといえる。
次に、図8に示す「非RT」および「RT3」用の役抽選テーブルについて説明する。図8(a)に示すように、上述した各RT状態における役抽選テーブルでは、抽選結果番号「1」〜「9」に各々対応付けられた役の種類、および、各抽選結果番号に対応付けられた数値範囲は、図7(a),(b)に示した「RT1」および「RT2」用の役抽選テーブルと全く同じである。しかしながら再遊技役については、図7(a),(b)に示した役抽選テーブルでは、1回の役抽選で1種類の再遊技役のみ当選し得る内容になっているのに対して、図8に示す役抽選テーブルでは、同時に複数種類の再遊技役が当選し得る内容になっている。すなわち、図8(b)に示す通り、再遊技役a〜f(図6参照)のいずれか複数が、同時に当選し得るようになっている。図8(b)においては、抽選結果番号「10」〜「21」の各々について、同時に当選し得る再遊技役を「○」印で示している。例えば、抽選結果番号「10」が導出された場合は、再遊技役a,c,dが同時に当選し、抽選結果番号「11」が導出された場合は、再遊技役a,c,eが同時に当選することになる。
なお、「RT1」および「非RT」用の役抽選テーブルでは、再遊技役の(合成)当選確率が約1/7.3になっている(図7(a)の数値範囲,図8かっこ内の数値範囲参照)のに対して、「RT2」用および「RT3」用の役抽選テーブルでは、約1/1.29になっている(図7(b)の数値範囲,図8かっこ内以外の数値範囲参照)。よって、通常遊技中で、かつRT状態が「RT2」または「RT3」になっているときは、いずかれの再遊技役が当選しやすい状態になっているといえる。
<リール制御手段の説明>
リール制御手段420は、リール40L,40C,40Rの回転駆動に関する制御を行う。すなわち、スタートスイッチ36から発信されたリール回転開始信号を受信すると、モータ駆動回路114を介してステッピングモータ80L,80C,80Rを駆動する。これによりリール40L,40C,40Rを回転させた後、ストップスイッチ37L,37C,37Rからリール停止信号が発信されると、発振したストップスイッチに対応するリールの停止制御を行う。
リール制御手段420は、ストップスイッチ37L,37C,37Rからリール停止信号が発信されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。すなわち、定常回転速度が80回転/分であり、1リール当たりの図柄数を21とすると、ストップスイッチが操作されたときのリールの回転位置から、最大でも5図柄分、回動するまでの間に、当選役に対応した図柄組合せ(図6参照)を構成している図柄(以下、当選図柄という)が、有効ラインが通過する停止表示位置(以下、有効ラインの位置という)に到達し得るときは、その当選図柄が有効ラインの位置に達したときにリールを停止させる。
ここで、リールの回転位置とは、リールの回転方向における位置(例えば、図柄番号「21」の図柄が中段Mの定位置にあるときの位置を基準位置としたときに、当該基準位置からの位置)をいう。また、既に他のリールが停止しており、そのリールの当選図柄がいずれかの有効ラインの位置に停止しているときは、停止させようとしているリールの当選図柄が、その有効ラインの位置で停止するように、上述した範囲内で移動(回動)させた後、リールを停止させる。例えば、左リール40Lにおける当選図柄が上段Uに停止しているときに、右リール40Rの停止制御を行うときは、右リール40Rにおける当選図柄を、上段U(有効ラインL1の位置)または下段L(有効ラインL4の位置)のうち、いずれか停止可能な方に停止させる。
これに対して、対応するリールを5図柄分、回動させても、当選図柄を有効ラインの位置に到達させることができないときは、5図柄分、回動させる間の適宜定められた図柄が停止表示されるように(ただし、何らかの役が入賞してしまわないように)リールを停止させる。この場合、役抽選で何らかの役が当選していたとしても、その役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることがないため、その役は入賞しない。以下では、このような遊技結果を「取りこぼし」という。
ここで、上述したリール停止制御を前提として図2に示した各リールの図柄配列を見ると、全リールにおける「ベル」図柄および「プラム」図柄は、その配置間隔から、ストップスイッチをどのようなタイミングで操作しても、上段U、中段M、下段Lのいずれにも停止させることができる。また、右リール40Rについては、「スイカ」図柄も同様である。このため、図6に示した配当情報によれば、小役2a(図柄組合せ:ベル−ベル−ベル)、再遊技役a(図柄組合せ:プラム−プラム−プラム)、再遊技役b(図柄組合せ:プラム−プラム−スイカ)および再遊技役c(図柄組合せ:プラム−プラム−ベル)は、役抽選で当選すれば、上述したリール停止制御によって取りこぼしが生じない。これに対して、上述した役以外の役については、上述したリール停止制御を行ったとしても、ストップスイッチの操作タイミングによっては、有効ラインの位置に停止させることができない図柄を含んだ図柄組合せになっている。すなわち、取りこぼしが生じる可能性がある。
また、役抽選の結果がハズレとなったときは、リール制御手段420は、いかなるタイミングでストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されたとしても、何らかの役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることがないように、リール40L,40C,40Rを停止させる。リール制御手段420は、このようなリール停止制御を行うことによって、役抽選で何らかの役に当選した場合は、決められた範囲内で当選役が入賞するように、また、それができない場合は当選役以外の役が入賞しないように、各リールを停止させている。さらに、役抽選の結果がハズレだった場合は、いずれの役も入賞しないように、各リールを停止させている。
また、前述したように、ボーナスフラグの持ち越し中に役抽選が行われた結果、小役または再遊技役が当選した場合は、当該当選した役の当選フラグと、持ち越し中の特別役の当選フラグとの双方がオン状態となり、これらのうち、いずれか役を入賞させることができる状態となる。この場合、リール制御手段420は、特別役の当選図柄よりも、当選した小役または再遊技役の当選図柄を、優先的に有効ラインの位置へ停止させるリール停止制御を行う。このため、ボーナスフラグ持ち越し中に遊技者が特別役を入賞させることができる可能性が生じるのは、役抽選においてハズレになったとき、または、取りこぼしが生じる可能性がある役が当選した場合において、その役を入賞させることができないタイミング(換言すると、リールの回転位置)でストップスイッチを操作したとき、となる。
なお、ボーナスフラグの持ち越し中における役抽選で、小役または再遊技役が当選した場合、上述したリール停止制御とは逆に、持ち越し中の特別役を優先的に入賞させるようなリール停止制御を行うように定めてもよい。この場合、リール制御手段420、特別役の当選図柄を有効ラインの位置に停止させることができないタイミングで操作されたときにのみ、当選した小役または再遊技役の当選図柄を有効ラインの位置に停止させるようなリール停止制御を行う。
さらに、リール制御手段420は、役抽選で複数の小役2が当選した場合または複数の再遊技役が当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じたリール停止制御を行う。ここで、役抽選で小役2が当選した時に、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に対して、中リール40Cの「ベル」図柄が停止する位置を図9に示す。また、複数の再遊技役が同時に当選した時に、入賞させるべくリール停止制御が行われる再遊技役の種類と、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序との対応を図10に示す。
図9において、「抽選結果番号」欄の数字は、通常遊技中における抽選結果番号を示している(図7(a),(b)および図8(a)参照)。また、この図において「第1停止操作」とは、1回の単位遊技において、リール40L,40C,40Rが回転を開始してから最初に行われるストップスイッチの操作をいう。図9に示すように、通常遊技中に役抽選で抽選結果番号「5」が導出された場合は、小役2aが単独で当選したことになる。この場合、リール制御手段420は、第1停止操作されたストップスイッチがいずれであろうとも、中リール40Cの「ベル」図柄を中段Mに停止させる。これにより、小役2aの図柄組合せ(ANY−ベル−ANY)が3本の有効ラインL2〜L4に停止して、3重入賞し、9枚のメダルが払い出されることになる。
また、通常遊技中に役抽選で抽選結果番号「6」が導出された場合、リール制御手段420は、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されたときは(すなわち、結果として操作順序が左→中→右または左→右→中となる場合)、中リール40Cの「ベル」図柄を中段Mに停止させる。これに対して、第1停止操作が中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rだったときは、リール制御手段420は、中リール40Cの「ベル」図柄を上段Uに停止させる。これにより、小役2aの図柄組合せ(ANY−ベル−ANY)の図柄組合せは、有効ラインL1にのみ停止することになるため、3枚のみのメダルが払い出される。
同様に、通常遊技中に役抽選で抽選結果番号「7」が導出された場合、リール制御手段420は、第1停止操作が中ストップスイッチ37Cだったとき(すなわち、結果として操作順序が中→左→右または中→右→左となる場合)に、中リール40Cの「ベル」図柄を中段Mに停止させる。これに対して、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lまたは右ストップスイッチ37Rだったときは、リール制御手段420は、中リール40Cの「ベル」図柄を上段Uに停止させる。
さらに、通常遊技中に役抽選で抽選結果番号「8」が導出された場合、リール制御手段420は、第1停止操作が右ストップスイッチ37Rだったとき(すなわち、結果として操作順序が右→左→中または右→中→左となる場合)に、中リール40Cの「ベル」図柄を中段Mに停止させる。これに対して、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lまたは中ストップスイッチ37Cだったときは、リール制御手段420は、中リール40Cの「ベル」図柄を上段Uに停止させる。
次に、図10を参照して、通常遊技中においてRT状態が「非RT」または「RT3」のときに、役抽選で複数の再遊技役が同時に当選したときの、ストップスイッチの操作順序と、入賞する再遊技役の種類との対応について説明する。
以下では、左ストップスイッチ37L→中ストップスイッチ37C→右ストップスイッチ37Rの順に各ストップスイッチを操作することを操作順序1という。また、左ストップスイッチ37L→右ストップスイッチ37R→中ストップスイッチ37Cの順に各ストップスイッチを操作することを操作順序2という。また、中ストップスイッチ37C→左ストップスイッチ37L→右ストップスイッチ37Rの順に各ストップスイッチを操作することを操作順序3という。また、中ストップスイッチ37C→右ストップスイッチ37R→左ストップスイッチ37Lの順に各ストップスイッチを操作することを操作順序4という。また、右ストップスイッチ37R→左ストップスイッチ37L→中ストップスイッチ37Cの順に各ストップスイッチを操作することを操作順序5という。さらに、右ストップスイッチ37R→中ストップスイッチ37C→左ストップスイッチ37Lの順に各ストップスイッチを操作することを操作順序6という。
まず、図10(a)に示すように、リール制御手段420は、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合、各ストップスイッチが所定の操作順序で操作された場合は、再遊技役a(図柄組合せ:プラム−プラム−プラム)が入賞するようなリール停止制御を行い、所定の操作順序以外の操作順序で操作された場合は、再遊技役c(図柄組合せ:プラム−プラム−ベル)が入賞するようなリール停止制御を行う。この場合、「所定の操作順序」は、抽選結果番号「10」が導出された場合は操作順序1、抽選結果番号「11」が導出された場合は操作順序2、抽選結果番号「12」が導出された場合は操作順序3、抽選結果番号「13」が導出された場合は操作順序4、抽選結果番号「14」が導出された場合は操作順序5、抽選結果番号「15」が導出された場合は操作順序6となる。
また、図10(b)に示すように、役抽選で抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出された場合は、リール制御手段420は、各ストップスイッチが所定の操作順序で操作された場合は、再遊技役b(図柄組合せ:プラム−プラム−スイカ)が入賞するようなリール停止制御を行い、所定の操作順序以外の操作順序で操作された場合は、再遊技役cが入賞するようなリール停止制御を行う。この場合、「所定の操作順序」は、抽選結果番号「16」が導出された場合は操作順序1、抽選結果番号「17」が導出された場合は操作順序2、抽選結果番号「18」が導出された場合は操作順序3、抽選結果番号「19」が導出された場合は操作順序4、抽選結果番号「20」が導出された場合は操作順序5、抽選結果番号「21」が導出された場合は操作順序6となる。
なお、前述したように、再遊技役a,b,cにはいずれも取りこぼしが生じない図柄組合せが対応付けられている。
<入賞判定手段の説明>
入賞判定手段430は、遊技状態制御手段432を有し、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、何らかの役が入賞したか否かを判定する入賞判定を行うとともに、遊技状態制御手段432に、入賞判定の結果などに応じて前述した遊技状態の移行制御を行わせる。入賞判定手段430は、図2に示した各リールの図柄番号に対応する種別コードを記憶しており、リール40L,40C,40Rが停止したときに表示窓22に表示された9つの図柄の種類を特定する。そして、特定した9つの図柄に基づいて、有効ラインL1〜L4の各々に沿って停止表示された各図柄組合せを認識し、図6に示した配当情報に基づいて、何らかの役が入賞したか否かを判定する。また、当該判定後に、オン状態になっている小役または再遊技役に対応する当選フラグをオフ状態にし、特別役が入賞したときは、当該特別役に対応する当選フラグをオフ状態にする。
遊技状態制御手段432は、特別役の入賞および特別遊技の終了条件の入賞に応じて、遊技状態(「通常遊技」、「RB遊技」、「BB遊技」)の移行を制御する。また、通常遊技中において、入賞した再遊技役の種類および遊技回数(以下、遊技回数の単位を「ゲーム」という)に応じて、RT状態(「非RT」、「RT1」、「RT2」、「RT3」)の移行を制御する。ここで、図11に示す状態遷移図を参照して、各遊技状態およびRT状態の遷移について説明する。まず、遊技開始当初の遊技状態は「通常遊技」になっており、かつ、RT状態は「RT1」になっている。この状態にいるときに、遊技者が小役2aを単一入賞させると、遊技状態制御手段432は、RT状態を「非RT」へ移行させる。すなわち、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたときに、ストップスイッチ37L,37C,37Rに対して、中リール40Cの「ベル」図柄が上段Uに停止することとなる第1停止操作がなされた場合、RT状態が「RT1」から「非RT」へ移行する。
また、「非RT」において再遊技役aが入賞すると、遊技状態制御手段432は、RT状態を「RT3」へ移行させる。RT状態が「RT3」のときに再遊技役bが入賞すると、遊技状態制御手段432は、RT状態を「RT2」へ移行させる。これに対して、RT状態が「RT3」のときに再遊技役cが入賞したとき、または、小役2aが単一入賞したときは、遊技状態制御手段432は、RT状態を「非RT」へ移行させる。このように、RT状態が「RT1」のときは「非RT」にのみ、「非RT」のときは「RT3」にのみ移行し得るが、RT状態が「RT3」のときは、入賞した再遊技役の種類に応じて「非RT」または「RT2」のいずれかに移行する。
次に、RT状態が「RT2」へ移行すると、遊技状態制御手段432は、RT状態が「RT2」のときに実行された遊技回数をカウントして、50ゲーム行われると、RT状態を「非RT」へ移行させる。このように、スロットマシン10の電源投入後、RT状態が「RT1」から「非RT」へ移行した後は、入賞した再遊技役の種類および実行した遊技回数に応じて、RT状態は「RT2」、「RT3」、「非RT」の間で遷移する。
また、通常遊技中は、いずれのRT状態にあっても特別役が入賞すると、遊技状態は「通常遊技」から入賞した特別役に応じて「RB遊技」または「BB遊技」となり、特別遊技が終了すると、再び「通常遊技」に戻るが、このときのRT状態は「RT1」になっている。
<入賞処理手段の説明>
入賞処理手段440は、入賞判定手段430によりいずれかの小役が入賞したと判定された場合、スロットマシン10の内部に設けられているホッパー(図示略)を駆動して、入賞した小役に対応する枚数のメダル(図6参照)を払い出すための制御を行う。
<報知遊技制御手段の説明>
報知遊技制御手段450は、操作情報報知期間の開始および終了、ならびに操作情報報知期間中に行われる遊技を制御するものであり、開始可能条件判定手段452と、報知期間開始手段454と、報知期間終了手段456と、払出枚数計数手段458と、を含む。ここで、操作情報報知期間とは、現在の遊技状態において、遊技者が有利となる遊技結果が得られることとなる当選役を入賞させることができる操作情報が報知される遊技期間をいう。なお、以下では操作情報報知期間のことをARTという。また、「遊技者が有利となる遊技結果が得られることとなる当選役を入賞させることができる操作情報」とは、例えば、通常遊技中において、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたときに、小役2aが3重入賞する(中リール40Cの「ベル」図柄が中段Mに停止する)ために第1停止操作すべきストップスイッチの種類(図9参照)をいう。
さらに、ART中は、現在のRT状態が「非RT」または「RT3」だったときに、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合は、再遊技役aが入賞する操作順序(図10(a)参照)が報知される。そして、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作すると、再遊技役aが入賞する。これにより、現在のRT状態が「非RT」だったときは、「RT3」へ移行することになる。また、現在のRT状態が「RT3」だったときは、再遊技役aが入賞することで、再遊技役cの入賞を阻むことになり、RT状態が「非RT」へ移行してしまうのを避けることができる。また、現在のRT状態が「RT3」だったときに、役抽選で抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出された場合は、再遊技役bが入賞する操作順序(図10(b)参照)が報知される。これにより、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作すると、再遊技役bが入賞して、現在のRT状態が「RT3」から「RT2」へ移行することになる。
開始可能条件判定手段452は、上述したARTを開始させることができる開始可能条件が満たされたか否かを判定する。ここで、本実施形態における開始可能条件は、役抽選でいずれかの小役または再遊技役に当選したときに行われるストック抽選によってストックが発生したこと、である。このストック抽選は、ROM108に記憶されている図12に示すストック抽選テーブルと、乱数発生装置112によって発生された乱数とに基づいて、通常遊技中に報知遊技制御手段450によって行われる。
図12に示すストック抽選テーブルは、乱数発生装置112によって発生される乱数(数値範囲:0〜65535)に対して、ストックが発生することとなる置数を示すものであり、ART中か否か、および、役抽選によって決定された当選役の種類に応じて異なる置数が定められている。この図から明らかなように、ストックの発生確率(各置数を65536で割った値)は、ART中でないとき(非ART)よりも、ART中の方が高くなっており、役抽選における当選確率が低い役ほどストックの発生確率が高く設定されている。なお、役抽選で特別役に当選した遊技およびハズレた遊技では、ストック抽選は行われない。また、ストック抽選でストックが発生するごとに、RAM110に記憶されているストックの数が「1」ずつ加算、蓄積されていく。
なお、本実施形態ではストックは一度に1つしか発生しないが、発生させるストックの数(「0」を含む)を抽選によって決定するようにしてもよい。
報知期間開始手段454は、開始可能条件判定手段452が開始可能条件を満たしたと判定したことを前提としてARTを開始させる。より具体的には、通常遊技中に、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行したときに、RAM110に記憶されているストックの数が「1」以上だった場合にARTを開始する。
報知期間終了手段456は、ART中に、ARTの終了条件が成立したと判定した場合に、ARTを終了させる。具体的には、通常遊技中に、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行してARTが開始し、「RT2」において50ゲーム行われると、ARTを終了させる。また、図11の遷移図に示すように、ARTの終了とともにRT状態は「RT2」から「非RT」へ移行することになる。
払出枚数計数手段458は、ART中に遊技者へ払い出されたメダルの枚数をカウントする。ここで、報知期間終了手段456は、ART中に、RAM110に記憶されているストックの数が「1」以上あったとしても、RT状態が「RT2」のときに50ゲームが行われるとARTを終了させる。この場合、ARTが終了して、RT状態が「RT2」から「非RT」へ移行しても、再び再遊技役aが入賞すればRT状態が「RT3」へ移行し、さらに再遊技役bが入賞すれば「RT2」へ移行して、ARTが開始されることになる(RAM110にストックが記憶されていないときは、RT状態が「RT2」へ移行してもARTは開始されない)。よって、ARTが終了するときに、RAM110に記憶されているストック数が「1」以上ある場合は、ARTの継続性は絶たれていない(すなわち、連チャン中)といえる。よって払出枚数計数手段458は、このような場合、ART中に遊技者へ払い出されたメダル枚数の計数値を維持し、次にARTが開始されたときに、維持していた計数値から、ART中の払出枚数を計数していく。
<外部出力手段の説明>
外部出力手段460は、報知期間開始手段454によってARTが開始された回数を計数し、計数したARTの回数を外部へ出力するものであり、計数手段462と、情報出力手段464と、初期化手段466と、を含む。計数手段462は、報知期間開始手段454によってARTが開始されると、RAM110に記憶されているARTの開始回数の値を1加算する。情報出力手段464は、報知期間終了手段456がARTを終了させるときに、開始可能条件判定手段452が開始可能条件を満たしていないと判定している場合、計数手段462によって計数されていたARTの回数に対応する計数情報を、外部集中端子基板118を介して外部(例えば管理コンピュータなど)へ出力する。
ここで、外部へ出力する計数情報は、出力するパルス信号の数によって表わされる。たとえば、計数手段462によって計数されていたARTの回数が「2」だった場合、情報出力手段464は、パルス幅が2秒間のパルス信号を、予め定められた間隔で2回出力する。初期化手段466は、情報出力手段464によって外部へ計数情報が出力されると、RAM110に記憶されているARTの開始回数の値を「0」にクリアする。
<遊技進行禁止手段の説明>
遊技進行禁止手段470は、情報出力手段464から計数情報を出力している間、主制御回路100が、スタートスイッチ36またはストップスイッチ37L,37C,37Rから出力される信号に応じて、スロットマシン10における遊技(単位遊技)の制御を行うことを禁止する。
≪副制御回路の説明≫
副制御回路200は、主に演出制御手段510と、報知制御手段520と、からなっている。
<演出制御手段の説明>
演出制御手段510は、演出データ記憶手段512と、演出抽選手段514とを有し、報知出力手段600において、単位遊技中に実行される演出を制御する。演出データ記憶手段512は、各種演出を実行するための、画像(動画または静止画)データ、効果音または楽音データ、上部演出ランプ72の点滅パターンデータを記憶している。演出抽選手段514は、主制御回路100から送信される役抽選の結果および遊技状態に応じて、実行する演出の内容を抽選によって決定する。これにより、演出制御手段510は、演出抽選手段514によって決定された演出内容に対応する画像(動画または静止画)データ、効果音または楽音データ、点滅パターンデータなどの各種データを、演出データ記憶手段512から読み出し、読み出した各種データに基づいて、報知出力手段600の表示装置70、スピーカ64L,64R、上部演出ランプ72を駆動する。
<報知制御手段の説明>
報知制御手段520は、ART中に各種情報の報知を行うものであり、操作情報報知手段522と、判定結果報知手段524とを含む。
操作情報報知手段522は、ART中に、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出された場合は、導出された抽選結果番号に応じた、小役2aを3重入賞させるために第1停止操作すべきストップスイッチの種類(図9参照)を報知する。また、ART中において、RT状態が「非RT」または「RT3」のときに、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合は、再遊技役aが入賞する操作順序(図10(a)参照)を報知する。また、RT状態が「RT3」のときに、役抽選で抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出された場合は、再遊技役bが入賞する操作順序(図10(b)参照)を報知する。なお、第1停止操作すべきストップスイッチの種類および各種再遊技役を入賞させるための操作順序を、遊技者に知らしめるための報知態様については、従来のスロットマシンにおいて採用されている報知態様を適用することができる。
判定結果報知手段524は、ART中の最後の単位遊技において、開始可能条件判定手段452によって開始可能条件が満たされていると判定されているか否かに応じた情報を報知する。具体的には、ART中の最後の単位遊技において、RAM110にストックが「1」以上記憶されている(開始可能条件が満たされている)場合には、現在のARTが終了してもARTの継続性は絶たれていない(すなわち、ARTの連チャン中である)ことを報知する。一方、RAM110にストックが記憶されていない場合は、ARTの継続性が絶たれ(すなわち、ARTの連チャンが終了し)、今後行われるストック抽選によってストックが発生しなければARTが開始されないことを報知する。
この報知の態様は、文字または音声によって明確に報知してもよいし、画像による演出の内容によって示唆しても良い。画像による演出の例としては、ARTの最後の10ゲーム間に、二人のキャラクタが格闘する演出を実行し、最後の単位遊技において、一方のキャラクタが他方のキャラクタの攻撃を受ける演出を行うようにする。そして、RAM110にストックが記憶されていた場合は、一方のキャラクタが他方のキャラクタの攻撃を防ぐまたは躱す動作をした後、他方のキャラクタを攻撃して倒す(勝つ)演出を実行する。これに対して、RAM110にストックが記憶されていなかった場合は、一方のキャラクタが他方のキャラクタの攻撃を受けて倒れる(負ける)演出を実行する。
≪制御処理の説明≫
次に、上述した制御回路において行われる各種の制御について、フローチャートを参照して詳細に説明する。
図13は、主制御回路100で行われる制御処理を示すメインルーチンのフローチャートである。図14から図18は、このメインルーチンで実行される各サブルーチンのフローチャートである。これらサブルーチンのうち、図14は、図5に示した報知遊技制御手段450によって行われるストック抽選の処理内容に対応するストック抽選処理のフローチャートである。図15は、入賞判定手段430により、入賞した役の有無、および、入賞した役の種類の判定ならびに遊技状態およびRT状態の移行制御を行う入賞判定処理サブルーチンのフローチャートである。図16は、図15の入賞判定処理サブルーチンで実行される特別役入賞判定処理の内容を示すフローチャートである。図17は、図15の入賞判定処理サブルーチンで実行されるART回数送信処理の内容を示すフローチャートである。図18は、図15の入賞判定処理サブルーチンにおいて、現在の遊技状態が特別遊技のときの入賞判定および遊技状態の移行制御に関する処理の内容を示すフローチャートである。
≪主制御回路における制御処理の説明≫
<メインルーチンの説明>
まず、主制御回路100のCPU106によって実行されるメインルーチンの制御処理の説明を、図13のフローチャートを用いながら説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、リール40L,40C,40Rを回転させて停止させるまでの1工程を1回とする遊技を行うときの制御処理を示す。
スロットマシン10の電源を投入すると、CPU106は、所定の初期化処理を行い、RAM110に記憶される各種フラグや制御データの初期値を設定する(ステップS10)。次に、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS12)。この再遊技入賞フラグは、前回の遊技で再遊技役が入賞したときにオンにされるフラグである。再遊技入賞フラグがオフになっている(NO)と判断した場合、CPU106は単位遊技を開始するためのメダル投入処理を、遊技者の操作に応じて行う(ステップS14)。
すなわち、遊技者によってベットスイッチ34または35が操作されると、CPU106は、RAM110に記憶されているクレジット数の値が、操作されたベットスイッチに対応するメダル枚数(以下、投入枚数という)の値以上であった場合に、RAM110に記憶されているクレジット数の値から、投入枚数の値を減算する。そして、CPU106は、投入枚数の値を、RAM110に記憶されているベット数の値に加算し、加算後のベット数の値に応じて、図1に示したベット数表示ランプ26a,26b,26cの点灯状態を更新する。また、併せて、ベット数の値を表す遊技媒体投入情報を、図3および図4に示した接続線120を介して副制御回路200へ送信する。
また、ベットスイッチ34または35が操作されなかった場合は、CPU106は、メダル投入口32からメダルが投入されたか否かを判断し、メダル投入口32の内部に設置されたメダルセレクタのセンサによって、メダル投入口32から投入されたメダルが検出された場合は、RAM110に記憶されているベット数の値に「1」を加算するとともに、ベット数の値を表す遊技媒体投入情報を副制御回路200へ送信する。
以上のメダル投入処理を行うと、次にCPU106は、RAM110に記憶されているベット数の値が規定数(3枚)になったか否かを判断し(ステップS16)、規定数に達していない(NO)と判断した場合は、ステップS14へ戻り、達した(YES)と判断した場合は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS18)。なお、メダルの投入枚数が規定数に達している状態で(ステップS16,YES)、メダル投入口32からメダルが投入された場合は、CPU106は、ステップS14のメダル投入処理において、RAM110に記憶されているクレジット数の値に投入されたメダルの枚数を加算する。
一方、前述したステップS12において、CPU106が、再遊技入賞フラグがオンになっている(YES)と判断した場合は、直ちにステップS18へ進み、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する。これにより、再遊技役が入賞した次の遊技では、メダルを新たに投入し、またはクレジットされているメダルを消費することなく、再び遊技を行うことができる。なお、再遊技におけるベット数は、RAM110に記憶されている前回の遊技で投入されたベット数となる。
ステップS18において、CPU106は、スタートスイッチ36が遊技者によって操作されたことによって出力される遊技開始信号を受信したか否かを判断する。遊技開始信号を受信しておらず、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されていない(NO)と判断した場合は、再度ステップS12の処理へ戻る。このように、遊技者によってスタートスイッチが操作されるまで、ステップS12→S14→S16→S18(再遊技の場合はステップS12→S18)の処理を繰り返し行う。
ステップS18において、CPU106が遊技開始信号を受信したことにより、遊技者によってスタートスイッチ36が操作された(YES)と判断すると、CPU106は、ステップS20で再遊技入賞フラグをオフにした後、図3に示した乱数発生装置112から乱数を取得して役抽選処理を行う(ステップS22)。すなわち、ROM108に記憶されている図7および図8に示した役抽選テーブルの中から、現在の遊技状態(通常遊技またはBB遊技)およびRT状態に応じた役抽選テーブルを選択し、選択した役抽選テーブルと、乱数発生装置112から取得した抽選用乱数と、に基づいて役抽選を行う。そして、役抽選の結果、何らかの役が当選した場合は、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、当選役となった役の当選フラグをオンにする。また、CPU106は、役抽選の結果(ハズレまたは当選役の種類)を示す役抽選結果情報を、図3および図4に示した接続線120を介して副制御回路200へ送信する。これにより副制御回路200では、受信した役抽選結果情報に基づいて、実行する演出内容を決定するための抽選を行う等の処理が行われる。
次にCPU106は、通常遊技中において、役抽選でいずれかの小役または再遊技役に当選したときは、その当選役に応じた確率でストック抽選を行う(ステップS24)。このストック抽選の処理については、後に図14を参照して詳細に説明する。次にCPU106は、リール40L,40C,40Rを回転させ、遊技者によるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作と、ステップS22の処理で行われた役抽選の結果とに基づいて、各リールの停止制御を行うためのリール変動・停止処理を行う(ステップS26)。このリール変動・停止処理において、CPU106は、まず、モータ駆動回路114(図5参照)への駆動パルスの出力を開始し、ステッピングモータ80L、80C、および80Rを駆動し、リール40L,40C,40Rを一斉に回転させる。ただし、この時点で、前回の遊技でリールが回転を開始してから所定の待機時間(4.1秒間とする)が経過していなかった場合は、当該待機時間が経過してからリール40L,40C,40Rを一斉に回転させる。そして、リール回転速度が所定の定常回転速度(例えば、約80回転/分)に達すると、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作を行うことが可能となる。
この後、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、CPU106は、操作されたストップスイッチに対応するリールについて、各当選フラグのオン/オフ状態と、ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じたリール停止制御を行う。なお、このリール停止制御の内容は、図5に示したリール制御手段420が行うリール停止制御と同様である。また、CPU106は、遊技者によってストップスイッチが操作されるごとに、どのストップスイッチが操作されたのかを表す停止操作情報を、副制御回路200へ送信し、すべてのリールが停止したときには、その旨を示す全リール停止情報を副制御回路200へ送信する。これにより副制御回路200では、停止操作情報の受信を契機として、実行中の演出内容を切り替えていくなど、演出や各種報知に関する制御が行われる。
ステップS26で、リール変動・停止処理が行われたことによって、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、次にCPU106は、何らかの役が入賞したか否かを判定し、その判定結果に応じて遊技状態の移行処理などを行う入賞判定処理を行う(ステップS28)。すなわち、CPU106は、リール表示窓22に停止表示された9つの図柄を識別し、有効ラインL1〜L4に停止表示された各図柄組合せを認識する。そして、図6に示した配当情報に基づいて、何らかの役が入賞したか否かを判断する。ここで、通常遊技中にRB役またはBB役が入賞したときは、遊技状態を「通常遊技」から入賞した役に応じて「RB遊技」または「BB遊技」へ移行させる。また、「通常遊技」において再遊技役が入賞した場合は、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグのオン/オフ状態をオンにする。さらに、遊技状態が「RB遊技」または「BB遊技」だった場合は、実行中の特別遊技の終了条件が成立したか否かを判断し、終了条件が成立した場合は、遊技状態を「通常遊技」に更新する。また、小役が入賞したと判定された場合は、入賞した小役に対応する払出枚数(図6参照)を、RAM110の所定の記憶領域に記憶する。
以上のように、入賞判定および遊技状態の移行制御を行うと、CPU106は、副制御回路200に対して、入賞した役の種類またはハズレを示す遊技結果情報と、遊技の結果に応じた現在の遊技状態およびRT状態を示す遊技状態情報を送信する。また、CPU106は、RAM110に記憶されている各小役および再遊技役に対応する当選フラグをオフ状態にする。これに対して、BB役またはRB役に対応する当選フラグがオンになっている場合は、その当選フラグに対応する特別役が入賞するまでオン状態を維持し、その特別役が入賞したときにオフにする。これによってボーナスフラグの持越しが実現される。
次にCPU106は、ステップS28の入賞判定処理において、RAM110の所定の記憶領域にメダルの払出枚数が記憶されていたときは、その枚数のメダルを遊技者へ払い出すための払い出し処理(ステップS30)を行う。この払い出し処理は、スロットマシン10の内部に収容されたホッパーを駆動して、メダルをメダル払出口60から払い出すことも可能であるし、払い出すメダルの枚数をRAM110に記憶されているクレジット数に加算して、クレジットすることも可能である。なお、ステップS12の払い出し処理を行うCPU106は、図5に示した入賞処理手段440に相当する。そして、ステップS12の払い出し処理を終えると、1回分の単位遊技が終了し、CPU106は再びステップS2の処理へ戻る。このように、メインルーチンに示される制御処理を繰り返すことにより、遊技者は継続して遊技を行うことができる。
<ストック抽選処理の説明>
次に、メインルーチンのステップS24で行われるストック抽選処理について、図14に示すフローチャートを用いながら詳細に説明する。
まず、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を参照し、現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップS40)。CPU106が、現在の遊技状態が「RB遊技」または「BB遊技」である(NO)と判断した場合は、図14に示すストック抽選処理を終了して、図13に示したメインルーチンのステップS26へ移行する。これに対して、ステップS40の判断処理でCPU106が現在の遊技状態が「通常遊技」である(YES)と判断したときは、次にRAM110に記憶されている各役に対応した当選フラグのオン/オフ状態をチェックし、図13のステップS22で行った役抽選の結果、いずれかの小役または再遊技役(小役1、小役2a〜2c、小役3および再遊技役a〜fのいずれか)が当選しているか否かを判断する(ステップS42)。
CPU106が、役抽選の結果、小役または再遊技役も当選していない(NO)、すなわち、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグにおいて、特別役以外の役に対応する当選フラグが全てオフになっていると判断した場合は、図14に示すストック抽選処理を終了して、図13に示したメインルーチンのステップS26へ移行する。
一方、ステップS42の判断処理において、CPU106がいずれかの小役または再遊技役が当選したと判断したときは、乱数発生装置112から乱数を取得し、図12に示したストック抽選テーブルに基づいて、ストックが発生したか否かを決定するストック抽選を行う(ステップS41)。このストック抽選では、現在、ART中であるか否かと、役抽選で当選した役の種類と、に応じてストックの発生確率が異なっている。すなわち、小役2a〜2cおよび再遊技役a〜fのように、役抽選で当選しやすい役(各々、当選確率が約1/5、約1/7.3(非RT、RT1のとき))は、小役1および小役3のように当選しにくい役(各々、当選確率が約1/90、約1/99.6)よりも、ストックの発生確率が低く設定されている。
すなわち、小役2a〜2cおよび再遊技役a〜fのストック発生確率が、各々、約1/10922、約1/13107であるのに対して、小役1および小役3のストック発生確率は、各々、約1/218、約1/273になっている。また、図12に示したストック抽選テーブルに示すように、ART中でないときよりもART中の方が、ストックの発生確率が高くなっている。
次にCPU106は、ステップS41におけるストック抽選の結果、ストックが発生したか否かを判断する(ステップS46)。ストック抽選にはずれ、ストックが発生しなかった(NO)場合は、図14に示すストック抽選処理を終了して、図13に示したメインルーチンのステップS26へ移行する。一方、ストック抽選に当選して、ストックが発生した(YES)ときは、RAM110に記憶されているストックの数STに、「1」を加算して(ステップS48)、図13に示したメインルーチンのステップS26へ移行する。
このように、CPU106は、通常遊技中は、ART中であるか否かに関わらず、役抽選で小役または再遊技役が当選するごとにストック抽選を行っている。
<入賞判定処理サブルーチンの説明>
図13のメインルーチンにおいて、CPU106は、ステップS26のリール変動・停止処理を終えると、ステップS28の入賞判定処理を行う。以下、入賞判定処理の内容について、図15に示すフローチャートを参照しつつ詳細な説明を行う。
まず、CPU106は、表示窓22に停止表示された9つの図柄の種類を認識する(ステップS50)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を参照し、現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップS52)。
(1)通常遊技中の場合
現在の遊技状態が「通常遊技」であった(YES)場合、次にCPU106は、ステップS50で認識した9つの図柄に基づいて、通常遊技において特別役(BB役a、BB役bまたはRB役)が入賞したか否かを判断する(ステップS54)。特別役が入賞していた(YES)場合は、後に図17を参照して説明する特別役入賞処理を行う(ステップS56)。これに対して、特別役が入賞していなかった(NO)場合は、次にCPU106は、ステップS50で認識した9つの図柄に基づいて、いずれかの再遊技役が入賞したか否かを判断する(ステップS58)。
(a)再遊技役が入賞した場合
ステップS58の判断処理において、いずれかの再遊技役が入賞していた(YES)ときは、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグの状態をオンにする(ステップS210)。この再遊技入賞フラグのオン/オフ状態は、前述した図13のメインルーチンにおけるステップS12の判断処理で参照される。次にCPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態が「RT3」であるか否かを判断する(ステップS62)。
(ア)RT状態が「RT3」のときの処理
CPU106が、「RT3」である(YES)と判断したときは、次に、入賞した再遊技役が再遊技役bであるか否かを判断する(ステップS64)。CPU106が、再遊技役bが入賞していた(YES)場合は、現在のRT状態を「RT2」に更新し(ステップS66)、RT状態が「RT2」のときに行ったゲーム数をカウントするために、RAM110に記憶されているRT2Gの値を「0」にクリアする(ステップS68)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS70)。ストック数STの値が「1」以上であった(YES)場合は、ARTを開始するための準備を行う。すなわち、まずCPU106は、RAM110に記憶されているストック数STの値から「1」を減算し(ステップS72)、RAM110に記憶されているARTの実行回数を示す変数ARTの値に「1」を加算し(ステップS74)、さらに、現在、ART中であることを示すために、RAM110に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態をオン(初期状態はオフ)にする(ステップS76)。
次に、CPU106は、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、特別役に対応する当選フラグ以外の当選フラグをオフにする(ステップS78)。そして、CPU106は、今回の遊技の遊技結果情報および現在の遊技状態情報を、副制御回路200へ送信する(ステップS80)。ここで、遊技結果情報には、表示窓22に停止表示された各リールにおける図柄番号が含まれ、遊技状態情報には、現在の遊技状態、RT状態、各種変数の値および各種フラグのオン/オフ状態が含まれている。副制御回路200へ送信される変数の値としては、ストック数ST、ARTの実行回数を示すARTおよび「RT2」におけるゲーム数RT2Gの値が含まれている。また、オン/オフ状態が送信されるフラグには、ARTフラグおよび後述する信号出力フラグが含まれている。
そして、このステップS80の処理によって、副制御回路200へ遊技結果情報および遊技状態情報を送信すると、CPU106は、図15に示す入賞判定処理を終了して、図13に示したステップS30の処理へ進む。なお、ステップS70の判断処理で、CPU106がRAM110に記憶されているストックの数が「0」(NO)と判断すると、ステップS72〜S76の処理を行わずにステップS78の処理へ移行する。
一方、上述したステップS64の判断処理において、CPU106が、再遊技役aは入賞していない(NO)と判断したときは、次に再遊技役cが入賞したか否かを判断する(ステップS82)。ここで、再遊技役cが入賞していない(NO)と判断した場合は、CPU106は、ステップS78以降の処理へ移行する。これにより、RT状態が「RT3」のときに再遊技役aが入賞した場合は、「RT3」の状態が維持される。これに対して、ステップS82の判断処理で、再遊技役cが入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態「RT3」を、「非RT」へ更新する(ステップS84)。そして、CPU106は、図3および図5に示した外部集中端子基板118を介して、外部へ変数ARTの値を示す計数情報を出力するためのART回数送信処理を行う(ステップS86)。なお、ART回数送信処理の詳しい内容は、後に図17に示すフローチャートを参照して説明する。
そして、CPU106は、ステップS86のART回数送信処理を行うと、ステップS78以降の処理へ移行して、特別役に対応する当選フラグ以外の当選フラグをオフにした後、遊技結果情報および遊技状態情報を副制御回路200へ送信する。
(イ)RT状態が「RT0」のときの処理
前述したステップS62の判断処理において、CPU106が、現在のRT状態が「RT3」ではない(NO)と判断すると、次に現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する(ステップS88)。現在のRT状態が「非RT」である(YES)場合は、CPU106は、ステップS50で認識した9つの図柄に基づいて、再遊技役aが入賞したか否かを判断する(ステップS90)。再遊技役aが入賞していない(NO)と判断したときは、CPU106は、直ちにステップS78以降の処理へ移行する。これに対して、再遊技役aが入賞していた(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態「非RT」を「RT3」へ更新してから(ステップS92)、ステップS86のART回数送信処理(図18参照)を行った後、ステップS78以降の処理へ移行する。これにより、RT状態が「非RT」のときに再遊技役aが入賞すると、RT状態は「RT3」へ移行する。
(ウ)RT状態が「RT2」のときの処理
前述したステップS88の判断処理において、CPU106が、現在のRT状態が「非RT」ではない(NO)と判断すると、次に現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS94)。現在のRT状態が「RT1」である場合は、ステップS94の判断結果がNOとなって、CPU106は、直ちにステップS78以降の処理へ移行する。すなわち、現在のRT状態が「RT1」である場合は、再遊技役の入賞によってRT状態が遷移することはない。これに対して、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と判断した場合、CPU106は、RAM110に記憶されている「RT2」におけるゲーム数RT2Gの値に「1」を加算する(ステップS96)。このRT2Gの値は、ステップS68の処理により、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行したときに、「0」にクリアされている。
次にCPU106は、RT2Gの値が「50」になったか否かを判断する(ステップS98)。CPU106が、RT2Gの値は「50」になっていない(NO)と判断したときは、ステップS78以降の処理へ移行する。これに対して、RT2Gの値が「50」になっている(YES)と判断したときは、CPU106は、現在のRT状態を「RT2」から「非RT」へ更新し(ステップS100)、次いでRAM110に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS102)。ARTフラグがオフになっていた(NO)場合は、CPU106は、直ちにステップS78以降の処理へ移行する。
これに対して、ARTフラグがオンになっていた(YES)場合は、CPU106は、次に、ARTを連チャンさせるか否かの判断を行う。すなわち、CPU106は、RAM110に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断し(ステップS104)、「1」以上であった場合(YES)は、ARTフラグのオン状態を維持したまま、ステップS78以降の処理へ移行する。これに対して、ストック数STの値が「0」だった場合(NO)は、CPU106は、RAM110に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態をオフにしてから(ステップS106)、ステップS78以降の処理へ移行する。
このように、RT状態が「RT2」のときに50ゲーム行って、「RT3」へ移行する際に、ART中であれば、ストックの有無によってARTが連チャンするか否かが決定される。
(b)小役が入賞した場合
前述したステップS58において、CPU106がいずれの再遊技役も入賞していない(NO)と判断したときは、次にCPU106は小役1,小役2a〜2cまたは小役3のいずれかが入賞したか否かを判断する(ステップS108)。そして、CPU106がいずれの小役も入賞していない(NO)と判断したときは、ステップS94以降の処理へ移行して、現在のRT状態が「RT2」だった場合(ステップS94,YES)は、その場合の処理(ステップS94〜S106)を行う。
一方、ステップS108の判断処理で、何らかの小役が入賞した(YES)と判断したときは、図6に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる(ステップS110)。次にCPU106は、入賞したのは小役2aであり、かつ、単一入賞(すなわち、有効ラインL1上に「ANY−ベル−ANY」の図柄組合せが停止表示)であるか否かを判断する(ステップS112)。CPU106が、小役2aが単一入賞した(YES)と判断したときは、次に現在のRT状態が「RT1」または「RT3」のいずれかであるか否かを判断する(ステップS114)。そして、CPU106が、現在のRT状態が「RT1」または「RT3」のいずれかである(YES)と判断したときは、現在のRT状態を「非RT」に変更する(ステップS116)。そして、CPU106は、ステップS78以降の処理を行って、特別役以外の当選フラグの状態制御および副制御回路200への各種情報の送信処理を行う。
これに対して、CPU106が、ステップS108の判断処理で小役が入賞しなかった(NO)と判断したとき(すなわち、単位遊技の結果がハズレ)、ステップS112の判断処理で小役2aが単一入賞しなかった(NO)と判断したとき(すなわち、他の小役が入賞または小役2aが3重入賞した)、または、現在のRT状態が「RT2」または「非RT」だった(NO)と判断したときは、前述したステップS94へ移行する。そして、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断し、「RT2」である(YES)と判断したときは、「RT2」から「RT3」へ移行させるか否かの判断処理(ステップS96〜S100)、およびARTを終了させるか継続させるかの判断処理(ステップS102〜S106)を行う。そして、これらの処理を行うと、ステップS78以降の処理を行って、特別役以外の当選フラグの状態制御および副制御回路200への各種情報の送信処理を行う。
(2)特別遊技中の場合
前述した図15のステップS52における判断処理において、CPU106が現在の遊技状態が特別遊技中である(NO)と判断した場合、CPU106は、図16に示す特別遊技中の入賞判定処理を行う。まずCPU106は、小役が入賞したか否かを判断する(ステップS120)。そして、CPU106がいずれかの小役が入賞した(YES)と判断したときは、図6に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる(ステップS122)。次にCPU106は、現在実行中の特別遊技の終了条件が成立したか否かの判断を行う(ステップS124)。すなわち、前述したように、BB遊技中であれば、BB遊技中に払い出したメダルの合計枚数が300枚を超えたか否かを判断する。また、RB遊技中であれば、RB遊技中の単位遊技を12回行ったか、または、いずれかの小役が8回入賞したかを判断する。
ステップS124で、CPU106が現在実行中の特別遊技の終了条件が成立していない(NO)と判断したときは、CPU016は、図15のステップS78以降の処理を行って、特別役以外の当選フラグの状態制御および副制御回路200への各種情報の送信処理を行う。これに対して、ステップS124で、CPU106が現在実行中の特別遊技の終了条件が成立した(YES)と判断したときは、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を「通常遊技」に更新する(ステップS126)。次にCPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態を「RT1」に更新して(ステップS128)、図15のステップS78以降の処理を行う。
<特別役入賞処理の説明>
図15の入賞判定処理サブルーチンにおいて、CPU106は、通常遊技中に特別役が入賞したと判断すると(ステップS52(YES)→S54(YES))、特別役入賞処理を行う。以下、特別役入賞処理の内容について、図17に示すフローチャートを参照しつつ詳細な説明を行う。
まずCPU106は、BB役が入賞したか否かを判断する(ステップS130)。CPU106が、BB役が入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を「通常遊技」から「BB遊技」に更新し(ステップS132)、RAM110に記憶されているBB役に対応する当選フラグをオフ状態にする(ステップS134)。次にCPU106は、RAM110に記憶されているARTフラグがオンになっているか否かを判断し(ステップS136)、オンになっている(YES)と判断したときは、ARTフラグをオフ状態にする(ステップS138)。そして、CPU106は、図15に示した入賞判定処理サブルーチンのステップS78以降の処理へ移行する。なお、ステップS136の判断処理で、CPU106がARTフラグはオフになっている(NO)と判断したときは、ステップS138の行わずに、図15のステップS78以降の処理へ移行する。
また、上述したステップS130の判断処理で、CPU106がBB役は入賞していない(NO)と判断したときは、RB役が入賞したことになるため、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を「通常遊技」から「RB遊技」に更新し(ステップS140)、RAM110に記憶されているRB役に対応する当選フラグをオフ状態にする(ステップS142)。そして、CPU106は、ステップS136の判断処理(ARTフラグのオン/オフ判断)へ移行する。
このように、通常遊技中に特別役に当選すると、その特別役に対応する当選フラグがオンにされるが、図15のステップS78および図17のステップS134,S142の処理により、その特別役が入賞するまでは当選フラグがオフにされることはない。すなわち、これらの処理によってボーナスフラグの持ち越しが実現されることになる。
<ART回数送信処理の説明>
次に、図15に示した入賞判定処理サブルーチンのステップS86で実行されるART回数送信処理の内容について、図18に示すフローチャートを用いて説明する。まず、CPU106は、RAM110に記憶されているARTが開始された回数を示す変数ARTの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS150)。ここで、変数ARTの値が「0」だった場合、CPU106は、直ちに図18に示すART回数送信処理を終了して、図15のステップS78の処理へ移行する。
これに対して、変数ARTの値が「1」以上である(YES)と判断した場合は、RAM110に記憶されている信号出力フラグのオン/オフ状態を、オンにする(ステップS152)。また、CPU106は、信号出力フラグをオンにしたときは、直ちに副制御回路200へその旨を通知する。次にCPU106は、変数ARTの値と同じ数のパルス信号を、外部集中端子基板118を介してホールコンピュータなどへ出力する。これにより、上述した信号出力フラグがオンになっているときは、外部に対して実行されたARTの回数を示す情報を出力していることを示している。信号出力フラグのオン/オフ状態は、図15に示した入賞判定処理サブルーチンにおけるステップS80の処理によって、副制御回路200へ送信される。次にCPU106は、RAM110に記憶されている変数ARTの値を「0」にクリアし(ステップS156)、図18に示すART回数送信処理を終了して、図15のステップS78の処理へ移行する。
≪副制御回路における制御処理の説明≫
次に、図19および図20に示す各フローチャートを参照して、副制御回路200においてART中に実行される各種報知および演出に関する処理について説明する。ここで、図19は、ART中に実施されるART報知処理の内容を示すフローチャートである。また、図20は、ART中に実施されるART演出制御処理の内容を示すフローチャートである。
<ART報知処理の説明>
まず、図19に示すフローチャートを用いてART報知処理の内容について説明する。なお、このART報知処理は、定期的に実行される処理である。
まず、図4に示した副制御回路200のCPU206は、主制御回路100から役抽選結果情報(図13、ステップS22参照)を受信したか否かを判断する(ステップS300)。CPU206が、役抽選結果情報を受信していない(NO)と判断した場合は、ART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対して、ステップS300で、CPU206が役抽選結果情報を受信した(YES)と判断すると、CPU206は、図4に示したRAM210に記憶されているARTフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS302)。このARTフラグは、現在、ART中であるか否かを示すフラグであり、オンであればART中であることを示す。
そして、CPU206が、ARTフラグはオフになっている(NO)と判断した時は、ART報知処理を終了して他の処理を行う。一方、CPU206が、ARTフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、受信した役抽選結果情報に基づいて、図13のステップS22の役抽選処理で導出された抽選結果番号を認識する(ステップS304)。そして、CPU206は、ステップS304で認識した抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれかであるか否かを判断する(ステップS306)。そして、CPU206が、抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれかである(YES)と判断すると、認識した抽選結果番号に応じて、小役2aを3重入賞させるために第1停止操作をすべきストップスイッチの種類(図9参照)を遊技者に報知する(ステップS308)。そして、図19に示すART報知処理を終了して他の制御処理を実行する。
次に、CPU206は、ステップS306で、役抽選で導出された抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれでもない(NO)と判断したときは、現在のRT状態が「RT3」または「非RT」のいずれかであるかを判断する(ステップS310)。CPU206が、現在のRT状態が「RT3」または「非RT」のいずれかである(YES)と判断したときは、次に、役抽選で導出された抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれかであるか否かを判断する(ステップS312)。そして、抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれかである(YES)と判断した場合は、CPU206は、認識した抽選結果番号に応じて、再遊技役aを入賞させるためのストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(図10(a)参照)を遊技者に報知する(ステップS314)。そして、CPU206は、ART報知処理を終了して他の制御処理を実行する。
これに対して、ステップS312で、CPU206が、役抽選で導出された抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれでもない(NO)と判断したときは、CPU206は、次に役抽選で導出された抽選結果番号が「16」〜「21」のいずれかであるか否かを判断する(ステップS316)。そして、抽選結果番号が「16」〜「21」のいずれかである(YES)と判断すると、CPU206は、認識した抽選結果番号に応じて、再遊技役bを入賞させるためのストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(図10(b)参照)を遊技者に報知する(ステップS318)。そして、ART報知処理を終了して他の制御処理を実行する。
一方、ステップS310で、CPU206が、現在のRT状態が「RT3」もしくは「非RT」ではない(NO)と判断したとき、または、ステップS316で、役抽選で導出された抽選結果番号が「16」〜「21」のいずれでもない(NO)と判断したときは、直ちにART報知処理を終了して、他の制御処理を実行する。
このように、図19に示すART報知処理を行うことで、ART中に、小役2aが3重入賞することとなる第1停止操作すべきストップスイッチ、および、再遊技役aまたは再遊技役bが入賞することとなる操作順序が報知される。
<ART演出制御処理の説明>
次に、図20に示すフローチャートを用いてART演出制御処理の内容について説明する。まず、CPU206は、主制御回路100から遊技結果情報および遊技状態情報を受信したか否かを判断する(ステップS320)。CPU206が、遊技結果情報および遊技状態情報を受信した(YES)と判断したときは、CPU206は、受信した遊技状態情報に基づいて、ARTフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS322)。そして、CPU206が、ARTフラグがオフになっている(NO)と判断したときは、図20のART演出制御処理を終了して、他の制御処理を行う。
これに対して、ARTフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、CPU206は、受信した遊技結果情報に基づいて、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS324)。CPU206が、現在のRT状態が「RT2」ではない(NO)と判断したときは、図20のART演出制御処理を終了して、他の制御処理を行う。これに対して、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と、CPU206が判断したときは、次に、受信した遊技結果情報に基づいていずれかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップS326)。CPU206がいずれかの小役が入賞した(YES)と判断したときは、入賞した小役に対応する払出枚数をRAM210に記憶しているART獲得枚数に加算する(ステップS328)。ここで、入賞した小役に対応する払出枚数を判断するには、例えば図6に示した配当情報と同様の情報をROM208に予め記憶しておき、この配当情報に基づいて判断してもよい。
そして、ステップS328の処理を終えると、もしくは、ステップS326の判断処理で、いずれの小役も入賞しなかったと判断した場合は直ちに、受信した遊技状態情報に含まれているRT2Gの値(RT状態が「RT2」へ移行してから実行されたゲーム数)が「39」以下であるか否かを判断する(ステップS330)。CPU206が、RT2Gの値が「39」以下である(YES)と判断した場合は、次の単位遊技において、抽選結果番号として「6」〜「8」または「10」〜「21」が導出されたときに、第1停止操作すべきストップスイッチの種類または再遊技役aもしくは再遊技役bが入賞する操作順序を報知するための演出用背景画像の表示やBGMなどの演奏(操作情報報知演出)の準備を行う(ステップS332)。そして、図20のART演出制御処理を終了する。
これにより、ARTが開始してから40ゲーム目までは、画像および音声による演出によって、抽選結果番号として「6」〜「8」または「10」〜「21」が導出されたときに、第1停止操作すべきストップスイッチの種類または再遊技役aもしくは再遊技役bが入賞する操作順序が報知される。
そして、ARTが開始してから40ゲーム目が行われると、RT2Gの値が「40」となり、ステップS330の判断結果がNOとなる。これによりCPU206は、主制御回路100から受信した遊技状態情報に含まれているRT2Gの値が「48」以下であるか否かを判断する(ステップS334)。CPU206が、RT2Gの値が「48」以下である(YES)と判断した場合は、次の単位遊技(ARTが開始してから41ゲーム目)からバトル演出を実行することを決定する(ステップS336)。そして、図20のART演出制御処理を終了する。これにより、ARTが開始してから41〜48ゲーム目までは、表示装置70およびスピーカ64L,64Rによって、バトル演出を実行する。
このバトル演出は、二人のキャラクタが格闘する演出であり、その様子を表示装置70に表示し、かつ、この格闘に伴う音声や効果音をスピーカ64L,64Rから発生する。また、バトル演出中にも、抽選結果番号として「6」〜「8」または「10」〜「21」が導出された場合は、第1停止操作すべきストップスイッチの種類または、再遊技役aもしくは再遊技役bが入賞する操作順序が報知される。このようにして、ARTが開始してから49ゲーム目が行われると、ステップS334の判断結果はNOとなり、CPU206は、主制御回路100から受信した遊技状態情報に含まれているRT2Gの値が「49」以下であるか否かを判断する(ステップS338)。
これにより、CPU206が、ARTが開始してから49ゲーム目が終了し、残り1ゲームになった(YES)と判断したときは、主制御回路100のRAM110に記憶されているストック数STの値(この値は、受信した遊技状態情報に含まれている)が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS340)。これにより、RAM110にストックが記憶されているとき(YES)は、ARTにおける最後の単位遊技において、バトル演出の結末として勝利エンディングを実行することを決定し(ステップS342)、図20のART演出制御処理を終了する。この勝利エンディングは、一旦、ARTが終了して、RT状態が「RT3」へ移行するものの、RT状態が再び「RT2」になったときは、ARTが開始することが確定していることを報知するものである。具体的には、一方のキャラクタが他方のキャラクタの攻撃を防ぐまたは躱す画像を表示した後、他方のキャラクタを攻撃して倒す画像を表示するものである。
これに対して、ステップS340で、CPU206が、ストック数STの値は「0」である(NO)と判断したときは、ARTにおける最後の単位遊技において、バトル演出の結末として敗北エンディングを実行することを決定する(ステップS344)。この敗北エンディングは、ARTが終了してRT状態が「RT3」へ移行し、以降のストック抽選によってストックが発生しない限りは、ARTが開始されないことを報知するものである。具体的には、一方のキャラクタが他方のキャラクタの攻撃を受けたことによって倒れる画像を表示するものである。そして、CPU206は、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグのオン/オフ状態をオンにして(ステップS346)、図20のART演出制御処理を終了する。このバトル演出終了フラグは、ART最後の単位遊技において敗北エンディングを行ったことを示すフラグである。
そして、ARTの最後の単位遊技が行われると、RT2Gの値は「50」になって、ステップS338の判断結果はNOとなる。これにより、CPU206は、ストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS348)。そして、CPU206が、ストック数STの値が「1」以上である(YES)と判断したときは、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグのオン/オフ状態がオンであるか否かを判断する(ステップS350)。ここで、バトル演出終了フラグがオンになっている(YES)場合は、ART最後の単位遊技で敗北エンディングが行われたが、その最後の単位遊技でストックが発生したことを示している。このため、CPU206は、復活演出を実行してから(ステップS352)、継続演出を実行する(ステップS354)。
この復活演出の内容は、敗北エンディングによって倒れた一方のキャラクタが立ち上がり、逆に他方のキャラクタを倒すものである。また、継続演出は、一方のキャラクタが他方のキャラクタを倒したことにより、ARTが終了しても、次のARTの開始が確定していることを示唆する演出である。すなわち、ARTが終了してRT状態が「RT3」へ移行するが、既にストックが「1」以上あるため、その後RT状態が「RT2」へ移行しさえすれば、ARTが開始されることが確定している。
なお、ステップS350の判断処理で、CPU206が、バトル演出終了フラグがオフになっている(NO)と判断した場合は、ART最後の単位遊技で勝利エンディングが行われたとみなして、ステップS352の復活演出を行わずに、ステップS354の継続演出を行う。そして、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグの状態をオフにして(ステップS356)、図20のART演出制御処理を終了する。また、ステップS348の判断処理で、ストック数STの値が「0」だった場合は、今まで行っていたART中の演出を終了し、次の遊技からARTではない通常遊技中に実施する演出(以下、通常演出という)を開始させる(ステップS358)。そして、ステップS356の処理へ進み、バトル演出終了フラグをオフにして、図20のART演出制御処理を終了する。
なお、前述したステップS320の判断処理で、CPU206が、遊技結果情報および遊技状態情報を受信していない(NO)と判断したときは、次に、主制御回路100から、信号出力フラグをオンにした旨の情報を受信したか否かを判断する(ステップS360)。そして、CPU206が、信号出力フラグのオン情報を受信していない(NO)と判断したときは、図20のART演出制御処理を終了して、他の制御処理を行う。これに対して、信号出力フラグのオン情報を受信した(YES)と判断したときは、CPU206は、RAM210に記憶されているART中に遊技者が獲得した枚数(ステップS328によって計数した値)を、ART中に行われた単位遊技に関する情報として表示装置70に表示する(ステップS362)。そして、図20のART演出制御処理を終了する。これにより、ステップS362の処理は、「遊技情報報知手段」に相当する。
上述したステップS362の処理によって表示装置70に表示されたART中に獲得したメダルの枚数は、次の単位遊技を行うために遊技者がメダルを投入するまで(換言すると、図13のステップS14によって送信された投入枚数情報を受信するまで)表示され続ける。また、次の単位遊技のためにメダルが投入されたときは、表示装置70の画面からART中に獲得したメダルの枚数の表示を消去すると共に、RAM210に記憶されていた当該メダル枚数の値も「0」にクリアされるものとする。
≪RT状態および演出内容の遷移と、ART回数の外部出力との関係≫
次に、図21を参照して、RT状態および演出内容の遷移と、外部へ出力されるART回数を示すパルス信号の出力タイミングの関係について説明する。ここで、前提として主制御回路100のRAM110にはストックが2つ記憶されており(ST=2)、RT状態が「RT3」で、遊技状態は「通常遊技」になっているものとする。
まず、この状態で再遊技役bが入賞したとすると、図21(a)に示すようにRT状態は「RT2」となり(図15,ステップS64(YES)→S66)、ストック数STの値が「1」減算されて「1」となり(ステップS70(YES)→S72)、変数ARTの値が「1」加算され、ARTフラグがオンとなる(ステップS74→S76)。また、この状態で副制御回路200が、主制御回路100から遊技結果情報および遊技状態情報を受信すると、次の単位遊技から操作情報報知演出が行われる(図20,ステップS320(YES)→S322(YES)→S324(YES)→……→S330(YES)→S332)。
そして、ARTの残りゲーム数が10ゲームになると、バトル演出が開始される(図20,ステップS330(NO)→S334(YES)→S336)。ただし、RT状態は「RT2」から変動することはない。さらに、ストック数STの値が「1」であることから、ARTの最後の1ゲームにおいて勝利エンディングが実行される(図20,ステップS338(YES)→S340(YES)→S342)。これにより、遊技者は、ストックの数が「1」以上有り、ARTが連チャンすること認識できる。
そして、ART最後のゲームが終了すると、RT状態は「RT2」から「非RT」へ移行し(図15,ステップS94(YES)→S96→S98(YES)→S100)、かつ、継続演出が行われる(図20,ステップS338(NO)→S348(YES)→S350(NO)→S354)。継続演出は、再遊技役aが入賞してRT状態が「非RT」から「RT3」へ移行し、さらに再遊技役bが入賞してRT状態が「RT3」から「RT2」へ移行するまで継続するが、ARTフラグがオフにされていないため(図15、ステップS104の判断結果がYESとなって、ステップS106の処理(ARTフラグオフ)が行われない)、遊技者に操作情報が報知される(図19,ステップS302(YES))。
そして、RT状態が「RT3」のときに再遊技役bが入賞すると、RT状態は再び「RT2」となり、ストック数STの値が「1」減算されて「0」となり、変数ARTの値が「1」加算されて「2」となる。また、副制御回路200において、次の単位遊技から操作情報報知演出が行われ、ARTが残り10ゲームになるとバトル演出が開始される。そして、ストック数STの値が「0」なので、最後の1ゲームでは敗北エンディングが実行される(図20、ステップS338(YES)→S340(NO)→S344)。そして、ART最後のゲームで敗北エンディングが行われると、ARTが終了して(図15、ステップS98(YES)→S100→S102(YES)→S104(NO)→S106)、次の遊技から前述した通常演出が開始される(図20、ステップS338(NO)→S348(NO)→S358)。
また、このときRT状態は図15のステップS100の処理により「非RT」になっており、この状態で再遊技役aが入賞するとRT状態は「RT3」へ移行する(図15,ステップS88(YES)→S90(YES)→S92)。そして、図15のステップS86、ART回数送信処理(詳細は図18)により、外部集中端子基板118を介して外部に、変数ARTの値(ここでは「2」)と同じ数のパルス信号が、スロットマシン10でARTが行われた回数を示す情報として外部へ出力される。そして、以後、再びストック抽選によってストックが発生するまで、ARTへ移行することはない。
次に図21(b)を参照して、実行されたART回数を表すパルス信号を出力している間のRT状態および演出内容について説明する。図21(b)は、上述したパルス信号を出力している期間の前後の状態も含め、同図(a)から一部を抜き出して拡大した図である。前述したように、ストック数STの値が「0」の場合、ARTの最後のゲームにおいて敗北エンディングが行われて、RT状態が「RT3」になる。そして、この状態で再遊技役cが入賞すると、RT状態は「非RT」となり、外部集中端子基板118を介して変数ARTの値と同じ数のパルス信号が出力される。
このパルス信号のパルス幅は、外部の各種装置が確実にパルス信号を受信できるように、2秒間の長さに設定されている。よって、ARTの値が「2」のときは、パルス信号の全体的な出力時間は、最短でも4秒間を超えることになる。また、主制御回路100において、これらパルス信号が出力されている間、遊技者によるメダル投入操作(ベットスイッチ34,35の操作、メダル投入口32へのメダルの投入)、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rに対する操作に応じて、単位遊技の制御を行わないようにする(いわゆるフリーズ状態にする)。
そして、パルス信号が開始され、信号出力フラグがオンにされたことが、副制御回路200へ送信されると、CPU206は、表示装置70にART中に獲得したメダルの合計枚数を表示する(ステップS360(YES)→S362)。このメダルの獲得枚数は、パルス信号がすべて出力されてフリーズ状態が解除され、その後、遊技者によって次の単位遊技を行うためにメダルの投入動作が行われるまで、表示装置70に表示される。そして、次の単位遊技が行われるときには、RT状態は「非RT」で通常演出が行われることになる。
このように、ARTが行われたことを示すパルス信号を、ARTが継続して開始される可能性が低くなったとき(すなわち、ストック数STの値が「0」のとき)に、それまで行ったARTの回数をまとめて送信する。このため、パルス信号の出力中のフリーズ状態も1回にまとめることができる。ARTが行われる毎にフリーズ状態にならないため、遊技操作がしばしば滞って遊技操作のリズムを乱し、遊技者にストレスを与えてしまうことがなくなる。
なお、本実施形態においては、ARTが終了したことにより、RT状態が「RT2」から「非RT」へ移行し、さらに「RT3」へ移行するときに、ARTが行われたことを示すパルス信号を出力している(図15,ステップS88(YES)→S90(YES)→S92→S86)。しかしながら、ARTが行われたことを示すパルス信号を出力するタイミングはこれに限らず、例えば、ARTが終了するとき(例えば、図15,ステップS106の後など)に出力するようにしてもよい。
また、外部へ出力するパルス信号のパルス幅は、2秒間に設定されているため、変数ARTの値が大きい程、パルス信号の出力期間が長くなる(例えば変数ARTの値が「5」であれば、パルス信号の出力期間は10秒間を超えることになる)。すなわち、フリーズ状態の期間も長くなる。そこで、ストック数STの値が「1」以上であっても、変数ARTの値が一定値(たとえば「3」)となるごとに、その一定値と同じ数のパルス信号を外部へ送信するようにしてもよい。
例えば、図15のステップS104の判断処理において、ストック数STの値が「1」以上であると判断したときに、さらにその時点における変数ARTの値をチェックし、「3」になっていたら、同図ステップS86のART回数送信処理を行うようにする。この場合、変数ARTの値が「3」になったか否かを判断する処理が、「出力判断手段」に相当するといえる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態と異なり、操作情報報知期間の開始と終了は副制御回路によって制御されるが、操作情報報知期間の開始時および終了時と、RT状態を移行とを、関連(リンク)させ、主制御回路において、RT状態の移行を認識することによって、操作情報報知期間の開始と終了を判断可能にするものである。
第2の実施形態におけるスロットマシンも、第1の実施形態におけるスロットマシン10と同様の構成を有するものであるが、第2の実施形態におけるスロットマシンでは、図22の機能ブロック図に示すように、主制御回路100に含まれていた報知遊技制御手段450が制御回路200に含まれている。
これにより、図13に示したメインフローにおいて、ステップS24のストック抽選処理は、副制御回路200において行われることになる。具体的には、図19に示したART報知処理のステップS300において、主制御回路100から役抽選情報を受信した(YES)と判断したときに、図14に示したストック抽選処理を実行する。そして、ストック抽選でストックが当選した場合は、副制御回路200のRAM210(図4参照)に記憶する。そして、図14のストック抽選処理が終了すると、図19のステップS302の判断処理を行う。
また、第2の実施形態では、ストックの発生、蓄積およびストックに基づくARTの開始/終了などの制御を副制御回路200で行うため、第1の実施形態に示した図15の入賞判定処理において、ストックおよびARTに関する制御は省略される(詳しくは後述する)。また、副制御回路200においては、第1の実施形態のスロットマシン10と同様、図19に示したART報知処理を行うが、当該ART報知処理において、図14のストック抽選処理を行うことは、上述した通りである。さらに、副制御回路200で行うART演出制御処理においては、第1の実施形態では行われていなかったARTの開始/終了制御およびストックの消費に関する制御を行っている(詳しくは後述する)。よって、以下では、主制御回路100で行われる入賞判定処理および副制御回路200で行われるART演出制御処理について、図面を参照して説明する。
まず、図23に示すフローチャートを参照して、第2の実施形態における入賞判定処理サブルーチンの内容について説明する。図23において、図15に示した入賞判定処理と同じ処理については同一の符号(ステップSの番号)を付して、その詳細な説明を省略する。
<入賞判定処理サブルーチンの説明>
まず、CPU106は、ステップS50で、表示窓22に停止表示された9つの図柄の種類を認識し、ステップS52で、現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する。そして、現在の遊技状態が「通常遊技」であった場合は、ステップS54で、特別役が入賞したか否かを判断し、入賞したと判断したときは、ステップS56で特別役入賞処理(図17参照)を行う。CPU106は、図17の特別役入賞処理を行った後は、図15の入賞判定処理サブルーチンと同様、ステップS86のART回数送信処理(図18参照)を行う。
(1)再遊技役が入賞した場合
これに対して特別役が入賞していないと判断したときは、ステップS58へ進み、再遊技役が入賞したか否かを判断する。再遊技役が入賞していると判断した場合、CPU106は、ステップS60で再遊技入賞フラグをオンにした後、現在のRT状態と、入賞した再遊技役の種類と、に応じて種々の処理を行う。以下、各々の場合に分けてCPU106が行う処理の内容について説明する。
(a)RT状態が「RT3」のとき
ステップS62でCPU106が、現在のRT状態を「RT3」と判断すると、ステップS64へ進み、入賞した再遊技役が再遊技役bであるか否かを判断する。再遊技役bが入賞したと、CPU106が判断したときは、ステップS66で現在のRT状態を「RT2」に更新し、ステップS68で、RAM110に記憶されているRT2Gの値を「0」にクリアする。そして、CPU106は、ステップS74で、RAM110に記憶されているARTの実行回数を示す変数ARTの値に「1」を加算し、ステップS78で、特別役に対応する当選フラグ以外の当選フラグをオフにする。次いでCPU106は、ステップS80で、今回の遊技の遊技結果情報および現在の遊技状態情報を、副制御回路200へ送信し、図23の入賞判定処理サブルーチンの処理を終了する。
一方、ステップS64で、再遊技役bが入賞していないと判断した場合、CPU106は、次にステップS82へ進み、再遊技役cが入賞したか否かを判断する。再遊技役cが入賞したと判断したときは、現在のRT状態を「非RT」に更新して、ステップS78以降の処理を行う。また、再遊技役cが入賞していない(すなわち再遊技役aが入賞)と判断したときは、RT状態を変更することなくステップS78以降の処理を行う。
(b)RT状態が「RT0」のときの処理
前述したステップS62の判断処理において、CPU106が、現在のRT状態が「RT3」ではないと判断すると、次にステップS88で、現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する。現在のRT状態が「非RT」であると判断したときは、CPU106は、まず、ステップS90で、再遊技役aが入賞したか否かを判断する。再遊技役aが入賞していたと判断したときは、CPU106は、ステップS92で、現在のRT状態「非RT」を「RT3」へ更新し、ステップS78以降の処理へ移行する。これに対して、CPU106は、再遊技役aが入賞していない(ステップS90,NO)と判断したときは、再遊技役cが入賞したか否かを判断する(ステップS118)。
CPU106は、再遊技役cが入賞したと判断したときは、ステップS86のART回数送信処理を行い、その後、ステップS78以降の処理を行う。これに対して、ステップS118で再遊技役cが入賞していない(すなわち再遊技役bが入賞)と判断したときは、何らの処理も行わず、ステップS78以降の処理を行う。
(c)RT状態が「RT2」のときの処理
前述したステップS88の判断処理において、現在のRT状態が「非RT」ではないと判断すると、次にCPU106は、ステップS94で、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する。現在のRT状態が「RT1」である場合は、ステップS94の判断結果がNOとなって、CPU106は、直ちにステップS78以降の処理へ移行する。これに対して、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と判断したときは、CPU106は、ステップS96へ進み、RAM110に記憶されているRT2Gの値に「1」を加算する。
次にCPU106は、ステップS98で、RT2Gの値が「50」になったか否かを判断し、「50」になっていない(NO)と判断したときは、ステップS78以降の処理へ移行する。これに対して、RT2Gの値が「50」になっている(YES)と判断したときは、ステップS100で、現在のRT状態を「RT2」から「非RT」へ更新してから、ステップS78以降の処理へ移行する。
(2)小役が入賞した場合
前述したステップS58において、CPU106がいずれの再遊技役も入賞していない(NO)と判断したときは、次にCPU106はステップS108で、小役1,小役2a〜2cまたは小役3のいずれかが入賞したか否かを判断する。そして、CPU106が、ステップS108で何らかの小役が入賞した(YES)と判断したときは、ステップS110へ進み、図6に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる。次にCPU106は、ステップS112へ進み、小役2aが単一入賞(すなわち、有効ラインL1上に「ANY−ベル−ANY」の図柄組合せが停止表示)したか否かを判断する。CPU106が、小役2aが単一入賞したと判断したときは、ステップS114へ進み、現在のRT状態が「RT1」または「RT3」のいずれかであるか否かを判断する。そして、CPU106が、現在のRT状態が「RT1」または「RT3」のいずれかである(YES)と判断したときは、ステップS116へ進み、現在のRT状態を「非RT」に変更し、ステップS78以降の処理を行う。
なお、CPU106が、ステップS108の判断処理で小役が入賞しなかった(NO)と判断したとき(すなわち、単位遊技の結果がハズレ)、ステップS112の判断処理で小役2aが単一入賞しなかった(NO)と判断したとき(すなわち、他の小役が入賞または小役2aが3重入賞した)、または、現在のRT状態が「RT2」または「非RT」だった(NO)と判断したときは、前述したステップS94へ移行する。そして、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断し、「RT2」である(YES)と判断したときは、「RT2」から「RT3」へ移行させるか否かの判断処理(ステップS96〜S100)、およびARTを終了させるか継続させるかの判断処理(ステップS102〜S106)を行う。そして、これらの処理を行うと、ステップS78以降の処理を行って、特別役以外の当選フラグの状態制御および副制御回路200への各種情報の送信処理を行う。
(2)特別遊技中の場合
図23のステップS52において、CPU106が現在の遊技状態が特別遊技中であると判断した場合、CPU106は、図16に示す特別遊技中の入賞判定処理を行う。そして、図16の特別遊技中の入賞判定処理を行うと、図23のステップS78以降の処理を行う。
[副制御回路における制御処理の説明]
次に、図24に示す各フローチャートを参照して、第2の実施形態の副制御回路200においてART中に実行される各種報知および演出に関する処理について説明する。ここで、図24は、ART中に実施されるART演出制御処理の内容を示すフローチャートである。なお、前述したように、第2の実施形態においても、ストック抽選処理(図14参照)を行う点で違いがあるものの、第1の実施形態の図19のART報知処理と同様の処理を行う。すなわち、ART報知処理について、第1の実施形態と、第2の実施形態との違いは、ストック抽選処理を行うか否かの違いのみなので、ART報知処理についての詳しい説明は省略する。
<ART演出制御処理の説明>
まず、CPU206は、主制御回路100から遊技結果情報および遊技状態情報を受信したか否かを判断する(ステップS400)。CPU206が、遊技結果情報および遊技状態情報を受信しなかった(NO)と判断したときは、CPU206は、図25のART演出制御処理を終了して他の処理を行う。これに対して、CPU206が、主制御回路100から遊技結果情報および遊技状態情報を受信した(YES)と判断したときは、CPU206は、受信した遊技状態情報に基づいて、ARTフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS402)。
そして、CPU206が、ARTフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、主制御回路100から受信した遊技状態情報に基づいて、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS404)。CPU206が、現在のRT状態が「RT2」でなかった(NO)と判断したときは、そのまま図24のART演出制御処理を終了して、他の処理を行う。これに対して、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と判断したときは、CPU206は、主制御回路100から受信した遊技結果情報に基づいていずれかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップS406)。CPU206がいずれかの小役が入賞した(YES)と判断したときは、入賞した小役に対応する払出枚数をRAM210に記憶しているART獲得枚数に加算する(ステップS408)。ここで、入賞した小役に対応する払出枚数を判断するには、例えば図6に示した配当情報と同様の情報をROM208に予め記憶しておき、この配当情報に基づいて判断してもよい。
そして、ステップS408の処理を終えると、もしくは、ステップS406の判断処理で、いずれの小役も入賞しなかった(NO)と判断した場合は直ちに、ART中に行われた遊技回数を計数するため、RAM210に記憶されているRT2Gの値に「1」を加算する(ステップS410)。そして、そのRT2Gの値が「39」以下であるか否かを判断する(ステップS412)。CPU206が、RT2Gの値が「39」以下である(YES)と判断した場合は、次の単位遊技のために、第1の実施形態の図20、ステップS332と同様の操作情報報知演出の準備を行う(ステップS414)。そして、図24のART演出制御処理を終了する。
これにより、ARTが開始してから40ゲーム目までは、画像および音声による演出によって、抽選結果番号として「6」〜「8」または「10」〜「21」が導出されたときに、第1停止操作すべきストップスイッチの種類または再遊技役aもしくは再遊技役bが入賞する操作順序が報知される。
そして、ARTが開始してから40ゲーム目が行われると、RT2Gの値が「40」となり、ステップS412の判断結果がNOとなる。これによりCPU206は、主制御回路100から受信した遊技状態情報に含まれているRT2Gの値が「48」以下であるか否かを判断する(ステップS416)。CPU206が、RT2Gの値が「48」以下である(YES)と判断した場合は、次の単位遊技(ARTが開始してから41ゲーム目)からバトル演出を実行することを決定する(ステップS418)。そして、図24のART演出制御処理を終了する。これにより、ARTが開始してから41〜48ゲーム目までは、表示装置70およびスピーカ64L,64Rによって、二人のキャラクタが格闘するバトル演出を実行する。このバトル演出の内容は、第1の実施形態におけるバトル演出(図20、ステップS336参照)と同様である。
そして、ARTが開始してから49ゲーム目が行われると、ステップS416の判断結果はNOとなり、CPU206は、主制御回路100から受信した遊技状態情報に含まれているRT2Gの値が「49」以下であるか否かを判断する(ステップS420)。ここで、CPU206が、ARTが開始してから49ゲーム目が終了し、残り1ゲームになった(YES)と判断したときは、RAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS422)。CPU206が、RAM210にストックが記憶されている(YES)と判断したときは、ARTにおける最後の単位遊技において、バトル演出の結末として第1の実施形態における勝利エンディングと同様の演出を実行することを決定し(ステップS424)、図24のART演出制御処理を終了する。
これに対してステップS422で、CPU206がストック数STの値は「0」である(NO)と判断したときは、ARTにおける最後の単位遊技において、バトル演出の結末として第1の実施形態における敗北エンディングと同様の演出を実行することを決定する(ステップS426)。そして、CPU206は、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグのオン/オフ状態をオンにして(ステップS428)、図24のART演出制御処理を終了する。このバトル演出終了フラグは、第1の実施形態と同様、ART最後の単位遊技において敗北エンディングを行ったことを示すフラグである。
そして、ARTの最後の単位遊技が行われると、RT2Gの値は「50」になって、ステップS420の判断結果はNOとなる。これにより、CPU206は、RAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS430)。そして、CPU206が、ストック数STの値が「1」以上である(YES)と判断したときは、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグのオン/オフ状態がオンであるか否かを判断する(ステップS432)。ここで、バトル演出終了フラグがオンになっている(YES)場合は、ART最後の単位遊技で敗北エンディングが行われたが、その最後の単位遊技でストックが発生したことを示している。よって、CPU206は、ARTが改めて開始されることを示唆するために、復活演出を実行する(ステップS434)。この復活演出の内容は、例えば、敗北エンディングによって倒れた一方のキャラクタが立ち上がり、逆に他方のキャラクタを倒すものである。
次にCPU206は、第1の実施形態と同様の継続演出(図20のステップS354参照)を行い(ステップS436)、新たなARTを開始させるべく、RAM210に記憶されているRT2Gの値を「0」にクリアする(ステップS438)。なお、上述したステップS432の判断処理で、CPU206が、バトル演出終了フラグがオフになっている(NO)と判断した場合は、ステップS434の処理を行わずに、直接ステップS436の処理を行う。次にCPU206は、RAM210に記憶されているストック数STの値から「1」を減算する(ステップS440)。そして、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグの状態をオフにして(ステップS442)、図24のART演出制御処理を終了する。
前述したステップS430の判断処理で、CPU206が、RAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上である(YES)と判断したときは、次にRAM210に記憶され、現在ART中であるか否かを示すARTフラグのオン/オフ状態をオフ(ART中でないことを示す)にする。そして、次のメダル投入操作時から通常演出が開始されるように、各種の設定を行う(ステップS446)。そして、CPU206は図24のART演出制御処理を終え、他の処理を行う。
次に、前述したステップS402の判断処理で、CPU206が、ARTフラグがオフになっている(NO)と判断したときは、次にCPU206は、受信した遊技状態情報に基づいて、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS448)。CPU206が、現在のRT状態が「RT2」ではない(NO)と判断したときは、直ちに図24のART演出制御処理を終了して他の処理を行う。これに対して、CPU206が、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と判断したときは、次の単位遊技からARTを開始すべく、RAM210に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態をオンにする(ステップS450)。これにより、ART中でないときに、偶然、「RT3」のときに再遊技役bを入賞した場合は、たとえストックの数が「0」であっても、ARTが強制的に開始される。
次に、CPU206は、RAM210に記憶されているRT2Gの値を「0」にクリアしてから(ステップS452)、同じくRAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS454)。ここで、ストック数STの値が「1」以上である(YES)と判断したときは、CPU206は、そのSTの値から「1」を減算し(ステップS456)、次の単位遊技から第1の実施形態の図20、ステップS332と同様の操作情報報知演出を開始すべく準備を行う(ステップS456)。そして、図24のART演出制御処理を終了する。なお、ステップS454で、CPU206が、ストック数STの値は「0」である(NO)と判断したときは、CPU206は、ステップS456の処理を行わずにステップS458の処理を行い、操作情報報知演出を開始すべく準備する。
なお、前述したステップS400の判断処理で、CPU206が、遊技結果情報および遊技状態情報を受信していない(NO)と判断したときは、次に、主制御回路100から、信号出力フラグをオンにした旨の情報を受信したか否かを判断する(ステップS460)。そして、CPU206が、信号出力フラグのオン情報を受信していない(NO)と判断したときは、図24のART演出制御処理を終了して、他の制御処理を行う。これに対して、信号出力フラグのオン情報を受信した(YES)と判断したときは、CPU206は、RAM210に記憶されているART中に遊技者が獲得した枚数(ステップS408の処理によって計数した値)を、ART中に行われた単位遊技に関する情報として表示装置70に表示する(ステップS462)。そして、図24のART演出制御処理を終了する。
上述したステップS462の処理によって表示装置70に表示されたART中に獲得したメダルの枚数は、次の単位遊技を行うために遊技者がメダルを投入するまで(換言すると、図13のステップS14によって送信された投入枚数情報を受信するまで)表示され続ける。また、次の単位遊技のためにメダルが投入されたときは、表示装置70の画面からART中に獲得したメダルの枚数の表示を消去すると共に、RAM210に記憶されていた当該メダル枚数の値も「0」にクリアされるものとする。
≪RT状態および演出内容の遷移と、ART回数の外部出力との関係≫
次に、図25を参照して、第2の実施形態におけるRT状態および演出内容の遷移と、外部へ出力されるART回数を示すパルス信号の出力タイミングの関係について説明する。ここで、前提として副制御回路200のRAM210にはストックが2つ記憶されており(ST=2)、RT状態が「RT3」で、遊技状態は「通常遊技」になっているものとする。
まず、この状態で再遊技役bが入賞したとすると、図25(a)に示すように、主制御回路100のCPU106によってRT状態は「RT2」となり(図23,ステップS64(YES)→S66)、また、副制御回路200のCPU206によって、ARTフラグがオンにされる(図24,ステップS402(NO)→S448(YES)→S450)。そして、RAM210に記憶されているストック数STの値が「1」減算されて(図24,ステップS454(YES)→S456)、次の遊技から操作情報報知演出を開始すべく準備がなされる(図24,ステップS458)。
ARTが開始され、やがてARTの残りゲーム数が10ゲームになると、バトル演出が開始される(図24,ステップS412(NO)→S416(YES)→S418)。このときのバトル演出では、ストック数STの値が「1」であることから、ARTの最後の1ゲームにおいて勝利エンディングが実行される(図24,ステップS420(YES)→S422(YES)→S424)。これにより遊技者は、現在、ストックの数が「1」以上あり、ARTが連チャンすることを認識できる。
そして、ART最後のゲームが終了すると、再びストック数STの値がチェックされる(図24,ステップS420(NO)→S430)。ここで、STの値は「1」であり、バトル演出終了フラグがオフになっているため(図24のステップS428の処理が行われない)、継続演出の準備のみが行われ(図24,ステップS432(NO)→S436)、RT2Gの値がクリアされると共に、ストック数STの値が「1」減算されて「0」となり(図24,ステップS438→S440)、次の単位遊技のためのメダルが投入されたときから継続演出が開始される。また、このとき主制御回路100では、RT2Gの値に「1」が加算されて「50」となり(図23,ステップS94(YES)→S96)、その結果、RT状態が「RT2」から「非RT」へ移行する(図23,ステップS98(YES)→S100)。
なお、この継続演出中は、ARTフラグがオンになったままであることから、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」が導出されたときには、小役2aが3重入賞するための第1停止操作すべきストップスイッチの種類が報知される。また、役抽選の結果に応じて、「非RT」のときには再遊技役aが入賞する操作順序が、「RT3」のときには再遊技役bが入賞する操作順序が報知される。これにより、RT状態が再び「RT2」へ移行すると、図24のART演出制御処理において、再び操作情報報知演出が開始される(図24,ステップS402(YES)→S404(YES)→……→S410→S412(YES)→S414)。また、主制御回路100では、ARTの実行回数を示すARTの値に「1」が加算され、ARTの値が「2」となる(図23,ステップS62(YES)→S64(YES)→S66→S68→S74)。
新たなARTが開始されると、先に行ったARTと同様に、ARTの残りゲーム数が10ゲームになるまで操作情報報知演出が行われる(図24,ステップS412(YES)→S414)。さらにARTの残りゲーム数が10ゲームになると、バトル演出が開始される(図24,ステップS412(NO)→S416(YES)→S418)。そして、ART最後のゲームでは、ストック数STの値が「0」であるため、敗北エンディングが行われる(図24,ステップS420(YES)→S422(NO)→S426)。また、このときバトル演出終了フラグがオンにされる(図24,ステップS428)。
これにより、ARTの最後のゲームが実行されると、次の単位遊技を開始するために遊技者によってメダル投入操作がなされたときに、通常演出を開始すべく準備がんなされる(図24,ステップS430(NO)→S446)。また、主制御回路100においては、RT状態が「RT2」から「非RT」へ移行させる(図23,ステップS98(YES)→S100)。そして通常演出中かつRT状態が「非RT」のときに(図23,ステップS88(YES))、再遊技役cが入賞したときには外部集中端子基板118を介して、ARTを行った回数(変数ARTの値「2」)を示す第1の実施形態と同様のパルス信号が出力される(図23,ステップS118(YES)→S86)。このパルス信号が出力されている間、スロットマシンは、第1の実施形態と同様にフリーズ状態となる。また、表示装置70には、次の遊技を行うためのメダルが投入されるまで、ART中に払い出されたメダル枚数が、“ART獲得枚数”として表示される(図24,ステップS400(NO)→S460(YES)→S462)。そして、次の単位遊技を行うためのメダル投入操作がなされると、図25(b)に示すように、再び通常演出が開始される。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第2の実施形態と同様、操作情報報知期間の開始と終了は副制御回路によって制御されているが、特に、操作情報報知期間の終了と、RT状態の移行とが、リンクしていないため、主制御回路における操作情報報知期間の終了を、遊技者による操作に基づいて判断可能にするものである。
第3の実施形態におけるスロットマシンは、第2の実施形態におけるスロットマシンと同様、報知遊技制御手段450を副制御回路200に有するものである。よって、その機能ブロック図は、図22に示した内容の通りである。これにより、図13に示したメインフローにおいて、ステップS24のストック抽選処理は、副制御回路200において行われることになる(詳しくは後述する)。
また、図11に示したRT状態の遷移図において、第1および第2の実施形態におけるスロットマシン10では、RT状態が「RT2」へ移行してから50ゲームが行われると「RT3」へ移行するようになっていたが、第3の実施形態におけるスロットマシンでは、RT状態が「RT2」になっているときに再遊技役cが入賞すると、実行したゲーム回数とは関係なく「RT3」へ移行するようになっている。
また、第1の実施形態のスロットマシン10ではRT状態が「RT3」から「RT2」へ移行したときに、ストックが「1」以上あればARTが開始され、50ゲームが行われてRT状態が「RT2」から「RT3」へ移行するときに、演出において勝利または敗北エンディングが行われ、ARTが一区切りする。そして、このときストックが「1」以上あれば、継続演出が行われ、次にRT状態が「RT3」から「RT2」へ移行したときに、ARTが再び開始される。これにより、第1の実施形態のスロットマシン10におけるARTにおいては、ARTが連続して発生する場合であっても、ARTとARTとの間に、ゲーム数が不定の継続演出期間(RT状態が「RT2」以外になっている期間)を挟むことになる。
これに対して第3の実施形態のスロットマシンでは、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行したときに、ストックが「1」以上あればARTが開始する点では、第1の実施形態のスロットマシン10と同じであるが、ARTが開始した後、50ゲーム行うごとにストック数をチェックして、ストックがあれば一旦ARTを終了させるが、引き続き新たなARTを開始してARTの継続性を維持する。これに対して、ARTの開始後、50ゲームを行ったときに、ストックが無ければARTの継続性を終了し、次のARTを開始することなくARTを終了させる。
以下では、本実施形態のスロットマシンが行う処理のうち、第1の実施形態におけるスロットマシン10と異なる処理を行う部分の内容について説明する。
<リール変動・停止処理>
図26に、本実施形態のスロットマシンにおけるリール変動・停止処理の内容を示すフローチャートを示す。この処理は、図13に示したメインフローにおけるステップS26のリール変動・停止処理の内容を詳細に示すものである。この図に示すリール変動・停止処理において、第1の実施形態におけるスロットマシン10と異なるのは、ストップスイッチ37L,37C,37Rが予め定められた順序で操作されたか否かを判定する処理(ステップS172〜S182)が追加されている点である。
まず、CPU106は、RAM110に記憶されている各役の当選フラグのオン/オフ状態を認識する(ステップS160)。そして、前回の遊技でリール40L,40C,40Rが回転を開始してから、予め定められた最短時間(たとえば4.1秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS162)。もし、最短時間が経過していない(NO)と判断したときには、このステップS162の判断処理を繰り返し実行する。つまり、最短時間が経過するまでは、次の工程であるリールの回転開始が行われないようにすることで、一定時間内に行われる遊技で消費されるメダルが、所定枚数を越えないような制御を行っている。最短時間が経過した(YES)と判断すると、CPU106は、モータ駆動回路114へ駆動パルスを順次出力して、ステッピングモータ80L、80C、および80Rを駆動し、リール40L,40C,40Rを一斉に回転させる(ステップS164)。
次に、CPU106は、リール40L,40C,40Rがすべて定速回転しているか、すなわち、全リールの回転速度が定常回転速度に達したか否かを判断する(ステップS166)。リールの回転速度が定常回転速度に達していない(NO)と判断したときには、ステップS166の判断処理を繰り返す。これにより、リールの回転速度が定常回転速度に達するまでは、たとえ遊技者がストップスイッチ37L,37C,37Rを操作したとしても、リールの停止制御が行われないようになっている。そして、CPU106が、すべてのリールの回転速度が定常回転速度に達した(YES)と判断した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rから、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS168)。このリール停止信号は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの各々から、遊技者によって押動操作されたときに発信される。そして、リール停止信号を受信した(YES)と判断すると、CPU106は、前述した停止操作情報(操作されたストップスイッチが左/中/右のいずれかであるかを示す情報)を副制御回路200へ送信する(ステップS170)。
そして、CPU106は、操作されたストップスイッチの種類(左/中/右)を、操作された順番と共にRAM110に記憶する(ステップS172)。ここで、「操作された順番」とは、全てのリールが回転を開始してから最初に操作(第1停止操作)されたストップスイッチが1番目、次に操作(第2停止操作)されたストップスイッチが2番目、最後に操作(第3停止操作)されたストップスイッチが3番目、ということになる。次に、CPU106は、今回操作されたストップスイッチが2番目に操作(第2停止操作)されたストップスイッチか否かを判断する(ステップS174)。
ここで、CPU106が、今回操作されたストップスイッチが2番目に操作されたストップスイッチである(YES)と判断したときは、CPU106は、RAM110を参照し、第1停止操作されたストップスイッチが中ストップスイッチ37Cであり、今回操作されたストップスイッチが左ストップスイッチ37Lであるか否かを判断する(ステップS176)。すなわち、操作順序3(中→左→右)でストップスイッチが操作されたか否かを判断する。そして、CPU106が、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作順序3で操作された(YES)と判断したときは、次に現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS178)。そして、CPU106が現在のRT状態は「RT2」である(YES)と判断したときは、さらに、今回の役抽選で小役2aが当選したか否か、すなわち、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたか否かを判断する(ステップS180)。
そして、CPU106が、今回の役抽選で小役2aが当選した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている終了操作フラグのオン/オフ状態を「オン」にする(ステップS182)。この終了操作フラグが「オン」になると、主制御回路100においては、現在行われているARTが最後のARTであり、このARTが終了してしまうと次の新たなARTは継続して開始されない、とみなすことを意味する。
そしてCPU106は、リール停止信号を発信したストップスイッチに対応するリールに対して、ステップS160で認識した各役の当選フラグのうち、オン状態になっている当選フラグに対応する役が入賞するように図柄組合せ制御を行いつつ、当該リールの回転を停止させる(ステップS170)。この図柄組合せ制御は、図5および図22に示したリール制御手段420が行うリール停止制御と同様であるため、詳しい説明は省略する。
なお、上述したステップS174〜S180において、CPU106が、今回のストップスイッチに対する操作は第2停止操作ではなかった(ステップS174,NO)、ストップスイッチが操作順序3で操作されなかった(ステップS176,NO)、現在のRT状態は「RT2」ではなかった(ステップS178,NO)、または、役抽選で小役2aが当選しなかった(ステップS180,NO)、と判断したときは、ステップS182の処理を行わずに、ステップS184の図柄組合せ制御を行う。
ステップS184の処理により、リール停止信号を発信したストップスイッチに対応するリールを停止させると、CPU106は、すべてのリールを停止させたか否かを判断する(ステップS186)。すべてのリールが停止していない(NO)と判断した場合は、ステップS168へ戻り、再びリール停止信号に応じて、役抽選の結果に則した図柄組合せ制御を行う。また、ステップS168において、リール停止信号を受信していない(NO)と判断した場合は、直ちにステップS186へ進み、すべてのリールを停止させたか否かを判断する。このように、すべてのリールを停止させるまで、ステップS168〜S186の処理を繰り返し行い、ステップS186で、CPU106がすべてのリールが停止した(YES)と判断すると、CPU106は、全てのリールが停止したことを示す全リール停止信号を副制御回路200へ送信する(ステップS188)。そして、リール変動・停止処理を終了し、図13に示したメインルーチンのステップS28(入賞判定処理)へ進む。
<入賞判定処理サブルーチンの説明>
次に図27に、本実施形態のスロットマシンにおける入賞判定処理サブルーチンの内容を示すフローチャートを示す。この処理は、図13に示したメインフローにおけるステップS28の入賞判定処理の内容を詳細に示すものである。この図に示す入賞判定処理では、主にRT状態が「RT2」のときに、再遊技役cが入賞すると「RT3」へ移行させるようにした点が、第1の実施形態におけるスロットマシン10と異なっている。
まず、CPU106は、表示窓22に停止表示された9つの図柄の種類を認識する(ステップS200)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を参照し、現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップS202)。
(1)通常遊技中の場合
現在の遊技状態が「通常遊技」であった(YES)場合、次にCPU106は、ステップS200で認識した9つの図柄に基づいて、通常遊技において特別役(BB役a、BB役bまたはRB役)が入賞したか否かを判断する(ステップS204)。特別役が入賞していた(YES)場合は、図17に示した特別役入賞処理を行う(ステップS206)。そして、特別役入賞処理を行うと、CPU106は、後述するステップS248のART回数送信処理を実行する。これに対して、特別役が入賞していなかった(NO)場合は、次にCPU106は、ステップS200で認識した9つの図柄に基づいて、いずれかの再遊技役が入賞したか否かを判断する(ステップS208)。
(a)再遊技役が入賞した場合
ステップS208の判断処理において、いずれかの再遊技役が入賞していた(YES)ときは、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグの状態をオンにする(ステップS210)。次にCPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態が「RT3」であるか否かを判断する(ステップS212)。
(ア)RT状態が「RT3」のときの処理
CPU106が、「RT3」である(YES)と判断したときは、次に、入賞した再遊技役が再遊技役bであるか否かを判断する(ステップS214)。CPU106が、再遊技役bが入賞していた(YES)場合は、現在のRT状態を「RT2」に更新した後(ステップS216)、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、特別役に対応する当選フラグ以外の当選フラグをオフにする(ステップS218)。そして、CPU106は、今回の遊技の遊技結果情報および現在の遊技状態情報を、副制御回路200へ送信する(ステップS220)。ここで、遊技結果情報には、表示窓22に停止表示された各リールにおける図柄番号が含まれ、遊技状態情報には、現在の遊技状態、RT状態、各種変数の値および各種フラグ(図26の終了操作フラグ含む)のオン/オフ状態が含まれている。そして、このステップS220の処理によって、副制御回路200へ遊技結果情報および遊技状態情報を送信すると、CPU106は、図27に示す入賞判定処理を終了して、図13に示したステップS30の処理へ進む。
一方、上述したステップS214の判断処理において、CPU106が、再遊技役bは入賞していない(NO)と判断したときは、次に再遊技役cが入賞したか否かを判断する(ステップS222)。ここで、再遊技役cが入賞していない(NO)と判断した場合は、CPU106は、ステップS218以降の処理へ移行する。これにより、RT状態が「RT3」のときに再遊技役bが入賞した場合は、「RT3」の状態が維持される。これに対して、再遊技役cが入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態「RT3」を、「非RT」へ更新する(ステップS224)。そして、CPU106は、ステップS218以降の処理へ移行して、特別役に対応する当選フラグ以外の当選フラグをオフにした後、遊技結果情報および遊技状態情報を副制御回路200へ送信する。
(イ)RT状態が「RT0」のときの処理
前述したステップS212の判断処理において、CPU106が、現在のRT状態が「RT3」ではない(NO)と判断すると、次に現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する(ステップS226)。現在のRT状態が「非RT」である(YES)場合は、CPU106は、ステップS200で認識した9つの図柄に基づいて、再遊技役aが入賞したか否かを判断する(ステップS228)。再遊技役aが入賞していない(NO)と判断したときは、CPU106は、直ちにステップS218以降の処理へ移行する。これに対して、再遊技役aが入賞していた(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態「非RT」を「RT3」へ更新してから(ステップS230)、ステップS218以降の処理へ移行する。これにより、RT状態が「非RT」のときに再遊技役aが入賞すると、RT状態は「RT3」へ移行する。
(ウ)RT状態が「RT2」のときの処理
前述したステップS226の判断処理において、CPU106が、現在のRT状態が「非RT」ではない(NO)と判断すると、次に現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS232)。現在のRT状態が「RT1」である場合は、ステップS232の判断結果がNOとなって、CPU106は、直ちにステップS218以降の処理へ移行する。すなわち、現在のRT状態が「RT1」である場合は、再遊技役の入賞によってRT状態が遷移することはない。これに対して、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と判断した場合、CPU106は、RAM110に記憶されているARTのゲーム数CNTの値に「1」を加算する(ステップS234)。このCNTは、1回のARTで実行したゲーム数を計数するための変数である。次にCPU106は、CNTの値が「50」になったか否かを判断する(ステップS236)。ここでCPU106が、RAM110に記憶されているCNTの値が「50」に達していない(NO)と判断した場合は、直ちにステップS218以降の処理へ移行する。これに対して、CPU106がCNTの値が「50」になった(YES)と判断したときは、CPU106はRAM110に記憶されているCNTの値を「0」にクリアし(ステップS238)、さらにRAM110に記憶されている変数ARTの値に「1」を加算する(ステップS240)。
すなわち、CNTの値が「50」になったということは、1回のARTが開始してから50ゲームが行われたことになる。これにより、CPU106は1回のARTが終了したものとみなして、次に開始されるARTのゲーム数を計数するためにCNTの値を「0」にクリアするとともに、ARTが行われた回数を示す変数ARTの値に「1」を加算するのである。そして、ステップS240の処理でARTの値に「1」を加算すると、CPU106は、RAM110に記憶されている終了操作フラグのオン/オフ状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS242)。
ステップS242の判断処理で、CPU106が、終了操作フラグがオフになっていない(NO)と判断したときは、まだ最後のARTになっていない(副制御回路200において、ストック数が「1」以上ある)と判断してステップS218以降の処理へ移行する。これに対して、ステップS244の判断処理で、CPU106が、終了操作フラグがオンになっている(YES)と判断したときは、現在行っているARTが終了しても、引き続き新たなARTが開始されることはない、とみなして終了操作フラグをオフにする(ステップS244)。そして、図18に示したART回数送信処理を実行してから(ステップS246)、ステップS218以降の処理へ移行する。
(b)小役が入賞した場合
前述したステップS208において、CPU106がいずれの再遊技役も入賞していない(NO)と判断したときは、次にCPU106は小役1,小役2a〜2cまたは小役3のいずれかが入賞したか否かを判断する(ステップS248)。そして、CPU106がいずれかの小役が入賞した(YES)と判断したときは、図6に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる(ステップS250)。次にCPU106は、小役2aが単一入賞(すなわち、中リール37Cの「ベル」図柄が上段Uに停止)したか否かを判断する(ステップS252)。そして、小役2aが単一入賞した(YES)と判断したときは、CPU106は、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS254)。現在のRT状態が「RT2」である(YES)とCPU106が判断したときは、RAM210に記憶されている現在のRT状態を「非RT」に更新し(ステップS256)、RAM210に記憶されているARTの値が「1」以上であるか否かを補判断する(ステップS258)。CPU106が、ARTの値は「0」以上である(NO)と判断したときは、外部へ送信すべきARTの回数に関する情報は無いとみなして、ステップS218以降の処理へ移行する。これに対して、CPU106が、ARTの値は「1」以上である(YES)と判断したときは、前述したステップS246へ移行して、図18に示したART回数送信処理を行った後、上述したステップS218以降の処理へ移行する。
(c)単位遊技の結果がハズレとなった場合
上述したステップS248において、CPU106がいずれの小役も入賞していない(NO)と判断したときは、単位遊技の結果がハズレだったということになる。この場合、CPU106は、RAM110に記憶されている小役1に対応する当選フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS260)。CPU106が、小役1に対応する当選フラグがオンになっている(YES)と判断したときは、小役1を取りこぼしたとみなして、現在のRT状態が「RT1」であるか否かを判断する(ステップS262)。そして、現在のRT状態が「RT1」である(YES)と判断したときは、現在のRT状態を「RT1」から「非RT」に更新する(ステップS264)。その後、CPU106は、ステップS218以降の処理を行って、特別役以外の当選フラグの状態制御および副制御回路200への各種情報の送信処理を行う。
これに対して、CPU106が、ステップS258で小役1を取りこぼしていない(NO)と判断した場合、または、ステップS260において、小役1は取りこぼしたが現在のRT状態が「RT1」ではない(NO)と判断した場合は、CPU106は、直ちにステップS218以降の処理を行って、特別役以外の当選フラグの状態制御および副制御回路200への各種情報の送信処理を行う。
(2)特別遊技中の場合
前述した図23のステップS202における判断処理において、CPU106が現在の遊技状態が特別遊技中である(NO)と判断した場合、CPU106は、図16に示した特別遊技中の入賞判定処理を行う。そして、図16の特別遊技中の入賞判定処理を行うと、CPU106は、図27のステップS218以降の処理を行って、特別役以外の当選フラグの状態制御および副制御回路200への各種情報の送信処理を行う。
[副制御回路における制御処理の説明]
次に、図28および図29に示す各フローチャートを参照して、第3の実施形態の副制御回路200においてART中に実行される各種報知および演出に関する処理について説明する。ここで、図28は、ART中に実施されるART報知処理の内容を示すフローチャートである。また、図29は、ART中に実施されるART演出制御処理の内容を示すフローチャートである。
<ART報知処理の説明>
まず、図28に示すフローチャートを用いてART報知処理の内容について説明する。なお、このART報知処理は、定期的に実行される処理である。
まず、図4に示した副制御回路200のCPU206は、主制御回路100から役抽選結果情報(図13、ステップS22参照)を受信したか否かを判断する(ステップS500)。CPU206が、役抽選結果情報を受信していない(NO)と判断した場合は、ART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対して、ステップS500で、CPU206が役抽選結果情報を受信した(YES)と判断すると、CPU206は、図14に示したストック抽選処理を行う(ステップS502)。そして、CPU206は、図4に示したRAM210に記憶されているARTフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS504)。
そして、CPU206が、ARTフラグはオフになっている(NO)と判断した時は、ART報知処理を終了して他の処理を行う。一方、CPU206が、ARTフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、受信した役抽選結果情報に基づいて、図13のステップS22の役抽選処理で導出された抽選結果番号を認識する(ステップS506)。CPU206が、ステップS506で認識した抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれかであるか否かを判断する(ステップS508)。そして、CPU206が、抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれかである(YES)と判断すると、認識した抽選結果番号に応じて、小役2aを3重入賞させるために第1停止操作をすべきストップスイッチの種類(図9参照)を遊技者に報知する(ステップS510)。そして、図28に示すART報知処理を終了して他の制御処理を実行する。
次に、CPU206は、ステップS508で、役抽選で導出された抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれでもない(NO)と判断したときは、現在のRT状態が「RT3」または「非RT」のいずれかであるかを判断する(ステップS512)。CPU206が、現在のRT状態が「RT3」または「非RT」のいずれかである(YES)と判断したときは、次に、役抽選で導出された抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれかであるか否かを判断する(ステップS514)。そして、抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれかである(YES)と判断した場合は、CPU206は、認識した抽選結果番号に応じて、再遊技役aを入賞させるためのストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(図10(a)参照)を遊技者に報知する(ステップS516)。そして、CPU206は、ART報知処理を終了して他の制御処理を実行する。
これに対して、ステップS514で、CPU206が、役抽選で導出された抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれでもない(NO)と判断したときは、CPU206は、次に役抽選で導出された抽選結果番号が「16」〜「21」のいずれかであるか否かを判断する(ステップS518)。そして、抽選結果番号が「16」〜「21」のいずれかである(YES)と判断すると、CPU206は、認識した抽選結果番号に応じて、再遊技役bを入賞させるためのストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序(図10(b)参照)を遊技者に報知する(ステップS520)。そして、ART報知処理を終了して他の制御処理を実行する。
一方、ステップS512で、CPU206が、現在のRT状態が「RT3」もしくは「非RT」ではない(NO)と判断したときは、現在のRT状態が「RT2」であるかを判断する(ステップS522)。CPU206が、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と判断したときは、CPU206は、次に役抽選で導出された抽選結果番号が「5」であるか否かを判断する(ステップS524)。CPU206が、役抽選で抽選結果番号「5」が導出された、すなわち、役抽選で特定の役が当選役に定められた(YES)と判断したときは、次にRAM210に記憶されているストック数STの値が「0」(ストックなし)であるか否かを判断する(ステップS526)。
ここで、ストック数STの値が「0」である(YES)とCPU206が判断したときは、次に、主制御回路100から送信されてきた遊技状態情報の中に含まれている、終了操作フラグのオン/オフ状態がオフになっているか否かを判断する(ステップS528)。そして、CPU206が、終了操作フラグがオフになっている(YES)と判断した場合は、遊技者に対して操作順序3(中→左→右)の押し順を報知する(ステップS530)。そして、CPU206は、図28にART報知処理を終了して、他の制御処理を実行する。これに対して、CPU206が、ステップS522で現在のRT状態が「RT2」でなかった(NO)と判断した場合、ステップS524で抽選結果番号「5」以外が導出された(NO)と判断した場合、ステップS526でストック数STの値が「1」以上である(NO)と判断した場合、または、ステップS528で、終了操作フラグがオンになっていた(NO)と判断した場合は、各々直ちに図28のART報知処理を終了して、他の制御処理を実行する。
なお、ステップS530の処理により、遊技者に対して操作順序3の押し順を報知したにも関わらず、遊技者がその押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作しなかった場合は、図26のステップS182の処理が行われないため、終了操作フラグがオンにならない。よって、主制御回路100から副制御回路200へ送信される終了操作フラグのオン/オフ状態はオフになったままなので、再び抽選結果番号「5」が導出されたときに、操作順序3の押し順が遊技者に報知される(図28,ステップS524(YES)→S526(YES)→S528(YES)→S530)。これにより、遊技者が操作順序3の押し順報知を見逃してしまった、または、操作ミスなどによって操作順序3の押し順が行われなかった、としても再度操作順序3の押し順を報知することができる。
<ART演出制御処理の説明>
次に、図29に示すフローチャートを用いてART演出制御処理の内容について説明する。この図において、図24に示した第2の実施形態におけるART演出制御処理と同じ処理については同一の符号(ステップSの番号)を付して、その詳細な説明を省略する。まず、CPU206は、ステップS400で、主制御回路100から遊技結果情報および遊技状態情報を受信したか否かを判断する。CPU206が、遊技結果情報および遊技状態情報を受信しなかったと判断したときは、CPU206は、図29のART演出制御処理を終了して他の処理を行う。これに対して、CPU206が、主制御回路100から遊技結果情報および遊技状態情報を受信した(YES)と判断したときは、ステップS402で、受信した遊技状態情報に基づいて、ARTフラグがオンになっているか否かを判断する。
そして、CPU206が、ARTフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、ステップS404で、主制御回路100から受信した遊技状態情報に基づいて、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する。CPU206が、現在のRT状態が「RT2」でなかった(NO)と判断したときは、そのまま図29のART演出制御処理を終了して、他の処理を行う。これに対して、現在のRT状態が「RT2」であると判断したときは、CPU206は、ステップS406で、主制御回路100から受信した遊技結果情報に基づいていずれかの小役が入賞したか否かを判断する。CPU206がいずれかの小役が入賞した(YES)と判断したときは、ステップS408で、入賞した小役に対応する払出枚数をRAM210に記憶しているART獲得枚数に加算する。ここで、入賞した小役に対応する払出枚数を判断するには、例えば図6に示した配当情報と同様の情報をROM208に予め記憶しておき、この配当情報に基づいて判断してもよい。
そして、ステップS408の処理を終えると、もしくは、ステップS406の判断処理で、いずれの小役も入賞しなかったと判断した場合は、直ちにART中に行われた遊技回数を計数するため、ステップS410で、RAM210に記憶されているRT2Gの値に「1」を加算する。そして、ステップS412で、そのRT2Gの値が「39」以下であるか否かを判断し、RT2Gの値が「39」以下である(YES)と判断したときは、ステップS414へ移行し、次の単位遊技から、第1の実施形態と同様の操作情報報知演出を行うための準備を行う。そして、図29のART演出制御処理を終了する。
これにより、ARTが開始してから40ゲーム目までは、画像および音声による演出によって、抽選結果番号として「6」〜「8」または「10」〜「21」が導出されたときに、第1停止操作すべきストップスイッチの種類または再遊技役aもしくは再遊技役bが入賞する操作順序が報知される。
そして、ARTが開始してから40ゲーム目が行われると、RT2Gの値が「40」となり、ステップS412の判断結果がNOとなる。これによりCPU206は、ステップS416へ進み、主制御回路100から受信した遊技状態情報に含まれているRT2Gの値が「48」以下であるか否かを判断する。CPU206が、RT2Gの値が「48」以下である(YES)と判断した場合は、ステップS418へ進み、次の単位遊技(ARTが開始してから41ゲーム目)からバトル演出を実行する。これにより、ARTが開始してから41〜48ゲーム目までは、表示装置70およびスピーカ64L,64Rによって、二人のキャラクタが格闘するバトル演出を実行する。このバトル演出の内容は、第1の実施形態におけるバトル演出(図20、ステップS336参照)と同様である。
やがて、ARTが開始してから49ゲーム目が行われると、ステップS416の判断結果はNOとなり、CPU206は、ステップS420で、主制御回路100から受信した遊技状態情報に含まれているRT2Gの値が「49」以下であるか否かを判断する。ここで、CPU206が、ARTが開始してから49ゲーム目が終了し、残り1ゲームになった(YES)と判断したときは、ステップS422へ進み、RAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する。CPU206が、RAM210にストックが記憶されている(YES)と判断したときは、主制御回路100から送信されてきた終了操作フラグのオン/オフ状態が、オフになっているか否かを判断する(ステップS480)。この終了操作フラグは、図26のステップS174〜S182に示したように、RT状態が「RT2」のときに役抽選で抽選結果番号「5」が導出され、かつ、ストップスイッチ37L,37C,37Rが中→左→右の順番で操作されたときにオンとなる。
CPU206は、ステップS422で、ストックが「1」以上あると判断し、かつ、ステップS480で終了操作フラグがオフになっていると判断したときは、ステップS424へ進み、ARTにおける最後の単位遊技において、バトル演出の結末として第1の実施形態における勝利エンディングと同様の演出を実行することを決定し、図29のART演出制御処理を終了する。これに対して、CPU206が、ステップS422でストック数STの値は「0」である(NO)と判断したとき、または、終了操作フラグがオンになっていると判断したときは、ステップS426へ進み、ARTにおける最後の単位遊技において、バトル演出の結末として第1の実施形態における敗北エンディングと同様の演出を実行することを決定する。そして、CPU206は、ステップS428へ進み、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグのオン/オフ状態をオンにして、図29のART演出制御処理を終了する。このバトル演出終了フラグは、第1の実施形態と同様、ART最後の単位遊技において敗北エンディングを行ったことを示すフラグである。
そして、ARTの最後の単位遊技が行われると、RT2Gの値は「50」になるためステップS420の判断がNOとなり、CPU206はステップS430で、RAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する。そして、CPU206が、ストック数STの値が「1」以上である(YES)と判断したときは、ステップS432で、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグがオンになっているか否かを判断する。ここで、バトル演出終了フラグがオンになっている(YES)場合は、ART最後の単位遊技で敗北エンディングが行われたが、その最後の単位遊技でストックが発生したことを意味する。よって、CPU206は、ステップS434へ進み、ARTが改めて開始されることを示唆するために、復活演出を実行する。この復活演出の内容は、敗北エンディングによって倒れた一方のキャラクタが立ち上がり、逆に他方のキャラクタを倒すものである。
次にCPU206は、ステップS438へ進み、新たなARTを開始させるべく、RAM210に記憶されているRT2Gの値を「0」にクリアする。なお、上述したステップS432の判断処理で、バトル演出終了フラグがオフになっている(NO)とCPU206が判断した場合は、ステップS434の処理を行わずに、直ちにステップS438の処理を行う。次にCPU206は、ステップS440へ進み、RAM210に記憶されているストック数STの値から「1」を減算し、ステップS442で、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグの状態をオフにしてから、図29のART演出制御処理を終了する。
前述したステップS430の判断処理で、CPU206が、ストック数STの値が「0」である(NO)と判断したときはステップS444ヘ進み、RAM210に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態をオフにして、ステップS446で、次の単位遊技を行うために遊技者がメダル投入操作をした時から通常演出を行うべく準備する。そして、ステップS460へ進み、主制御回路100から受信した信号出力フラグのオン/オフ状態がオンになっているか否かを判断する。信号出力フラグがオンになっている(YES)と判断したときは、CPU206は、ステップS462へ進み、RAM210に記憶されているART中に遊技者が獲得した枚数(ステップS408で計数した値)を、ART中に行われた単位遊技に関する情報として表示装置70に表示する。そして、CPU206は、図29に示したART演出制御処理を終了して他の処理を行う。
次に、前述したステップS402の判断処理で、CPU206が、ARTフラグがオフになっている(NO)と判断したときは、CPU206は、ステップS448へ進み、主制御回路100から受信した遊技状態情報に基づいて、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する。現在のRT状態が「RT2」だ(YES)と判断した場合、CPU206は、RAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS470)。ここで、ストック数STの値が「1」以上である(YES)と判断したときは、CPU206は、次の単位遊技からARTを開始すべく、RAM210に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態をオンにする(ステップS472)。そして、CPU206は、RAM210に記憶されているART中の遊技回数RT2Gの値を「0」にクリアしてから(ステップS474)、同じくRAM210に記憶されているストック数STの値から「1」を減算し(ステップS476)、次の単位遊技から第1の実施形態の図20、ステップS332と同様の操作情報報知演出を開始すべく準備を行う(ステップS478)。そして、図29のART演出制御処理を終了する。
なお、CPU206が、前述したステップS448で現在のRTの状態が「RT2」ではないと判断した場合、または、ステップS470でRAM210に記憶されているストック数の値が「0」だった場合は、直ちに図29のART演出制御処理を終了して他の処理を行う。
≪RT状態および演出内容の遷移と、ART回数の外部出力との関係≫
次に、図30を参照して、第3の実施形態におけるRT状態および演出内容の遷移と、外部へ出力されるART回数を示すパルス信号の出力タイミングの関係について説明する。ここで、前提として副制御回路200のRAM210にはストックが2つ記憶されており(ST=2)、RT状態が「RT3」で、遊技状態は「通常遊技」になっているものとする。
まず、この状態で再遊技役bが入賞したとすると、図30(a)に示すように、主制御回路100のCPU106によってRT状態は「RT2」となり(図27,ステップS214(YES)→S216)、また、副制御回路200のCPU206によって、ARTフラグがオンにされる(図29,ステップS402(NO)→S448(YES)→S470(YES)→S472)。RAM210に記憶されているストック数STの値が「1」減算されて(図29,ステップS476)、次の遊技から操作情報報知演出を開始すべく準備がなされる(図29,ステップS478)。そして、ARTの残りゲーム数が10ゲームになると、バトル演出が開始される(図29,ステップS412(NO)→S416(YES)→S418)。このバトル演出では、ストック数STの値が「1」であることから、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rが特定の順序(中→左→右)で操作されていなければ、終了操作フラグがオンにならず、ARTの最後の1ゲームにおいて勝利エンディングが実行される(図29,ステップS420(YES)→S422(YES)→S480(YES)→S424)。この勝利エンディングに接した遊技者は、ストックの数が「1」以上有り、ARTが連チャンすること認識できる。
そして、ART最後のゲームが終了すると、再びストック数STの値がチェックされる(図29,ステップS420(NO)→S430)。ここで、STの値は「1」であり、図29のステップS428の処理によってバトル演出終了フラグがオンになっていないので、復活演出は実行されることなく、ストック数STの値が「1」減算されて「0」となり(図29,ステップS430(YES)→S432(NO)→S438→S440)、新たなARTが引き続き開始される。
また、このとき主制御回路100では、CNTの値が「50」になっており(図27,ステップS236(YES))、変数ARTの値に「1」が加算されてその値は「1」となる(図27,ステップS240)。しかしながら、ここでは終了操作フラグがオフになっているため(図27,ステップS242(NO))、最後のARTとはみなされず、変数ARTの値と同じ数のパルス信号が出力されることはない(図27,ステップS246の処理が行われない)。
引き続き次のARTが開始されると、最初のARTと同様に、ARTの残りゲーム数が10ゲームになるまで操作情報報知演出が行われる(図29,ステップS412(YES)→S414)。この間、役抽選で小役2aが単独で当選すると(抽選結果番号「5」が導出されると)、図30(a)に示すように、特定の押し順(中→左→右)が報知される(図28,ステップS522(YES)→S524(YES)→S526(YES)→S528(YES)→S530)。そして、この報知を受けて、遊技者が報知された押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作すると、主制御回路100において終了操作フラグがオンにされ(図26,ステップS174〜S180(YES)→S182)、その状態が副制御回路200へ送信される(図26,ステップS188)。
やがて、ARTの残りゲーム数が10ゲームになると、バトル演出が開始される(図29,ステップS412(NO)→S416(YES)→S418)。そして、ストック数STの値が「0」であるため、ART最後のゲームでは敗北エンディングが行われる(図29,ステップS420(YES)→S422(NO)→S426)。また、このときバトル演出終了フラグがオンにされる(図29,ステップS428)。これにより、ART最後のゲームが実行されると、主制御回路100において変数CNTの値が「50」となって(図27,ステップS234→S236(YES))、RAM110に記憶されているARTの値に「1」が加算されて「2」となる(図27,ステップS240)。そして、上述したように、終了操作フラグがオンになっていることから(図27,ステップS242(YES))、第1の実施形態と同様のパルス信号が外部集中端子基板118を介して外部へ出力される(図27,ステップS246)。また、パルス信号が出力されている間は、第1の実施形態と同様にフリーズ状態となる。
このとき副制御回路200では、ART最後のゲームで敗北エンディングが行われると(図29,ステップS420(NO))、再度、ストック数STの値をチェックして「0」であれば(図29,ステップS432(NO))、ARTフラグをオフにして、次の単位遊技を行うためにメダルの投入操作がなされたときに通常演出を開始すべく準備がなされる(図29,ステップS444→S446)。そして、信号出力フラグがオンであるか否かを判断して、オンになっていたときは、表示装置70に、図29のステップS408で計数していたART中に獲得した合計メダル枚数を表示する(図29,ステップS460(YES)→S462)。このメダルの獲得枚数は、パルス信号がすべて出力されてフリーズ状態が解除され、その後、遊技者によって次の単位遊技を行うためにメダルの投入動作が行われるまで表示される。
これにより、図30(b)に示すように、メダル投入操作がなされると、通常演出が開始される。そして、これ以後の単位遊技では、引き続きRT状態が「RT2」の状態で行われるが、ARTフラグがオフになっているため、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたときに、小役2aが3重入賞する操作順序が報知されない(図28,ステップS504(NO)→リターン)。このため、遊技者は小役2aを単一入賞させてしまう可能性が高く、単一入賞すると、RT状態が「非RT」へ移行することになる(図27,ステップS252(YES)→S254(YES)→S256)。
なお、ART中の最後の遊技を行うときに、ストック数が「1」以上であるにも拘わらず、終了操作フラグがオンになっていた場合は、特定の押し順(中→左→右)を報知していないときに、遊技者が偶然、特定の押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作したことが考えられる(特定の押し順の報知は、ストック数STの値が「0」でないと行われないため(図28,ステップS526(YES)→S528(YES)→……→S530参照))。この場合、そのときに行われていたARTが終了すると、引き続きARTが開始されるにも関わらず、ARTの回数と同数のパルス信号が出力され、ART中に獲得したメダルの合計枚数が表示装置70に表示されることになる。このため、ARTが引き続き行われるにも関わらず、今回のARTで継続性が絶たれる(連チャンが終了する)ような印象を遊技者に与えてしまう。
そこで、ストック数が「1」以上であるにも拘わらず、終了操作フラグがオンになったときは、ストック数が「1」以上であることから、本来ならば勝利エンディングを行うところを、敗北エンディングを行い(図29,ステップS422(YES)→S480(NO)→S426)、最後のARTにおける単位遊技が終了した後に、復活演出を行うようにしている(図29,ステップS430(YES)→S432(YES)→S434)。なお、少なくとも、主制御回路100から外部集中端子基板118を介してARTの回数と同数のパルス信号が出力されている間は、復活演出が行われているように、復活演出の時間が定められている。これにより、図29のステップS422,S480,S426,S428,S430,S432,S434は、継続報知手段に相当する。
また、ART中にストック数が「0」となり、特定の押し順を報知したにも関わらず、遊技者が特定の押し順でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作しない場合も起こり得る。この場合、最後のARTが行われても、終了操作フラグかオフになっているため、ART終了後、直ちにARTの回数と同数のパルス信号は出力されない(図27,ステップS242の判断がNOとなり、ステップS246の処理が行われない)。この場合は、以後の単位遊技(RT状態は未だ「RT2」になっている)において、小役2aが単一入賞してRT状態が「RT2」から「非RT」へ移行したとき、ARTの回数と同数のパルス信号が出力されることになる(図27,ステップS252(YES)→S254(YES)→S256→S258(YES)→S246)。
なお、上述した第3の実施形態では、小役2aが単独で当選したとき(抽選結果番号「5」が導出されたとき)に、ストップスイッチ37L,37C,37Rが中→左→右の順序で操作された場合に、最後のストックに基づく最後のARTであるか否かを判断していた(図26,ステップS174〜S182参照)。その代わりとして、ARTが開始してから、予め定められていたゲーム回数が行われたときに特定の順序でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された時に、最後のARTであるとみなしても良い。例えば、ARTが開始してから30ゲーム目に、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、中→左→右の順序で操作されたときに、現在のARTが最後のARTとみなしても良い。
また、RT状態が「RT2」のときに中→左→右という特定の順序でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、主制御回路100のCPU106は、最後のARTである(現在行われているARTが終了すると、次のARTが継続して開始されることがない)と判断し、ARTが行われた回数と同数のパルス信号を出力している(図26,ステップS174〜S180(YES)→S182)。このため、遊技者が意図的に特定の順序でストップスイッチを操作しないようにするため、特定の順序で操作することを指示または示唆する報知されていないときに、当該特定の順序でストップスイッチを操作した場合は、遊技者に何らかのペナルティを付与するようにしてもよい。
例えば、図26のステップS180における判断結果がNOとなった場合(RT状態は「RT2」ではあるが、小役2aが単独当選していないのにも関わらず、特定の順序でストップスイッチが操作された場合)は、予め設けておいたペナルティフラグをオンにし、その状態を副制御回路200へ送信する。そして、副制御回路200では、ペナルティフラグがオンになると、例えば、RAM210に記憶されているストック数STの値を「1」減算するといった処理を行う。または、図28に示したART報知処理で、ARTフラグがオンになっている(ステップS504(YES))と判断した場合、ペナルティフラグがオンになっているか否かを判断し、オンになっていると判断したときには、ステップS506へ移行せずに、図28のART報知処理を終了する(すなわち、押し順に関する報知を行わない)ようにしてもよい。
また、上述した各実施形態において、操作情報報知期間(ART)は、役抽選の結果応じた順序でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作したときに、小役2aが3重入賞する、いわゆる押し順タイプのARTであったが、代わりに、目押しすべき図柄を報知するいわゆる目押しタイプのARTであってもよい。
また、ストックの数が「0」の状態でARTの最後の単位遊技を行った時に、その最後のARTにおける単位遊技でストックが発生した場合、その最後の単位遊技で復活演出を行っていたが(例えば図20のステップS352参照)、当該最後の単位遊技は敗北エンディングを行って終了し、次の単位遊技のためのメダル投入操作を行った時に、または、メダルを投入してスタートスイッチ36が操作された時に、復活演出を行うようにしても良い。このように、遊技者による各種遊技操作が行われたタイミングで、復活演出を行うことにより、遊技操作を行う際に、遊技者に緊張感を持たせることができる。
また、上述した各実施形態では、1つのストックを消費して実行されるARTの期間は、50ゲームになっていたが、この代わりとして、所定枚数のメダルが払い出されるまで継続するもの(例えば、メダルの払い出し枚数が100枚を超えた時点でARTが終了)や、予め定めていた小役が入賞した回数が所定回数になるまで継続するもの(例えば、小役2aが入賞した回数(3重入賞と単一入賞とを併せて、または、いずれか一方の入賞回数)が20回になるとARTが終了)であってもよい。
また、上述した各実施形態のうち、第1の実施形態では主制御回路100において、ストックの発生、消費およびARTの開始/終了に関する制御を行っており、第2および第3の実施形態では、副制御回路200において、ストックの発生、消費およびARTの開始/終了に関する制御を行っている。一般に、遊技場に設置されるスロットマシンでは、本発明のように外部集中端子基板118を介して、ARTの回数などの情報を外部へ出力する場合は、主制御回路100から出力しなければならず、また、主制御回路100における各種メモリの記憶容量は、所定の容量に制限されており、主制御回路100と副制御回路200との間の情報の授受は、主制御回路100から副制御回路200への一方向でなくてはならない、という制約がある。よって、ストックの発生、消費およびARTの開始/終了に関する制御を、主制御回路100と副制御回路200と、のいずれにおいて行うかについては、上述した各種の制約を勘案して定めればよい。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態は、第2の実施形態のように、RT状態の移行を認識することによって、操作情報報知期間の開始と終了を判断可能にするものである。ただし、第2の実施形態では、RT状態の移行が、操作情報報知期間の開始後に行われた遊技回数によって生じていたのに対し、本実施形態では、遊技者による操作(より厳密には、遊技者による操作に応じて入賞した役の種類)によって、RT状態の移行が生じる構成になっている。
ここで、第4の実施形態における機能ブロック図を、図31に示す。この図において、図22に示した第2の実施形態における機能ブロック図に示した構成と同じものについては、同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。なお、ハードウェアの構成については、第1の実施形態と同様である(図1〜図4に加え、図6の配当情報も含む)として、それらの説明も省略する。
まず、主制御回路100において、リール制御手段420は、リール停止制御手段422を含む構成になっているが、このリール停止制御手段422は、遊技者によってストップスイッチが操作されたことに基づき、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止制御を行うものである。このリール停止制御手段422によるリールの停止制御に関する内容は、図5に示す第1の実施形態におけるリール制御手段420が行う、リール停止制御と同様であるため、詳しい説明は省略する。
また、入賞判定手段430が備える遊技状態制御手段432が行う各種遊技状態の移行制御は、図11に示した状態遷移図と若干異なる箇所があるため、その内容について図36の状態遷移図を参照して説明する。この図に示す状態遷移図が、図11に示したものと異なる点は、図11に示す状態遷移図では、RT3からRT2へ一旦移行すると、50ゲームを消化するまでは他のRT状態へ移行することは無かったが、図36の状態遷移図では、RT2において再遊技役aが入賞するとRT3へ移行し、再遊技役cまたは小役2aが単一入賞すると非RTへ移行する点が異なっている。
また、このような移行制御を行うべく、役抽選手段410が備える役抽選テーブルは、図32および図33に示す内容になっている。ここで、図32(a)に示す役抽選テーブルは、非RTのときに使用される役抽選テーブルの内容を示し、同図(b)に示す役抽選テーブルは、RT2のときに使用される役抽選テーブルの内容を示している。ここで、図32(a)の役抽選テーブルにおける抽選結果番号「10」における再遊技役g、抽選結果番号「11」における再遊技役h、および、抽選結果番号「12」における再遊技役iは、各々固有の図柄組合せが対応付けられた再遊技役である。また、図33に示す役抽選テーブルは、RT3のときに使用される役抽選テーブルの内容を示している。なお、RT1および特別遊技中(BB遊技中およびRB遊技中)は、それぞれ図7(a)および(c)に示した役抽選テーブルを使用するものとする。
次に、上述した各役抽選テーブルを用いた役抽選において、1回の役抽選で複数の役が当選した場合、リール停止制御手段422は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された順序に応じて、入賞させる役の種類を切り替えている。以下に、ストップスイッチの操作順序と、入賞させる役との関係について図34および図35を参照して説明する。ここで、非RTで使用する役抽選テーブル(図32(a)参照)、RT1で使用する役抽選テーブル(図7(a)参照)、RT2で使用する役抽選テーブル(図32(b)参照)、およびRT3で使用する役抽選テーブル(図33参照)において、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出された場合における、ストップスイッチの操作順序と、中リールの「ベル」図柄を停止させる位置との関係は、図9に示した通りであるため詳しい説明は省略する。
まず、図34(a)を参照して、非RTおよびRT2における役抽選で、抽選結果番号「10」〜「13」のいずれかが導出された場合のリール停止制御について説明する。この場合、リール停止制御手段422は、ストップスイッチの操作順序に応じて、再遊技役aまたはbのいずれかを入賞させるようにリール停止制御を行う。ここで、図34(a)に示すように、操作順序1または操作順序2でストップスイッチが操作された場合(すなわち、左ストップスイッチ37Lが最初に操作された場合)は、導出された抽選結果番号に関係なく、再遊技役bが入賞するようにリール停止制御が行われる。また、それ以外の操作順序(操作順序3〜6)でストップスイッチが操作された場合は、導出された抽選結果番号に応じて、再遊技役aが入賞する場合と、再遊技役bが入賞する場合とがある。
ここで、図36に示したように、非RTまたはRT2において、再遊技役aが入賞した場合はいずれの場合もRT3へ移行することとなり、図31に示した外部出力手段460からART信号が出力されることになる(詳しくは後述する)。このため、予め定められた状況以外のときに、再遊技役aが入賞する可能性が有る操作順序3〜6でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された場合は、ペナルティが課せられることになる。この詳しい内容については、後に詳しく説明する。
また、図34(b)に示すように、RT2において抽選結果番号「14」〜「19」が導出された場合も、ストップスイッチの操作順序に応じたリール停止制御が行われる。この内容については、第1の実施形態において、RT3のときに抽選結果番号「16」〜「21」が導出された場合のリール停止制御(図10(b)参照)と同様であるため、詳しい説明は省略する。
次に、図35を参照して、RT3において抽選結果番号「10」〜「21」が導出された場合における、ストップスイッチの操作順序に応じたリール停止制御の内容について説明する。ここで、図35(a)は、本実施形態において、抽選結果番号「10」〜「15」が導出された場合における、ストップスイッチの操作順序に応じたリール停止制御の内容を示している。この内容は、第1の実施形態において、RT3のときに抽選結果番号「10」〜「15」が導出されたときのリール停止制御(図10(a)参照)と同様であるが、図10(a)においては、操作順序に応じて再遊技役aまたはcが入賞するリール停止制御を行っていたのに対して、本実施形態では、再遊技役aまたはbが入賞するリール停止制御を行っている。
また、図35(b)は、本実施形態において、抽選結果番号「16」〜「21」が導出された場合における、ストップスイッチの操作順序に応じたリール停止制御の内容を示している。この内容については、第1の実施形態において、RT3のときに抽選結果番号「16」〜「21」が導出されたときのリール停止制御(図10(b)参照)と同様であるが、図10(b)では、操作順序に応じて再遊技役bまたはcが入賞するリール停止制御を行っていたのに対して、本実施形態では、再遊技役aまたはcが入賞するリール停止制御を行っている。
図31に戻り、本実施形態における外部出力手段460は、ART中であると判断するごとに、そのことを示すパルス信号(以下、ART信号という)を、約2秒間、出力するものである。ただし、第2の実施形態における外部出力手段460のように、開始されたARTに関する計数情報を、複数回分まとめて出力するものではないため、図22に示した計数手段462および初期化手段466は備えていない。また、図22に示した情報出力手段464については、その機能を外部出力手段460が担うものとして、図31では図示していない。さらに、図22に示した遊技進行禁止手段470について、本実施形態では、開始されたARTに関する計数情報を、複数回分まとめて出力するものではないため、特に必須ということではないが、ART信号を出力している約2秒間、遊技の進行を禁止する場合は備えていても良い。
また、図31に示す副制御回路200の報知遊技制御手段450は、図22に示した払出枚数計数手段458の代わりに、延長決定手段530を備えている。この延長決定手段530は、ART中に、役抽選手段410による役抽選の結果、予め定めた役が当選したことを条件として、ARTの期間を延長する(いわゆるARTの上乗せをする)か否かを決定する上乗せ抽選を行うものである。この上乗せ抽選に当選したときは、現在進行中のARTの残りの遊技回数が「30」加算される。このように、本実施形態では、ARTに上乗せされる遊技回数は一定であるが、上乗せする遊技回数(「0」を含む)を、上乗せ抽選によって直接決定するようにしてもよい。
[主制御回路における制御処理の説明]
次に、第4の実施形態における主制御回路100が行う処理の内容について説明する。本実施形態における主制御回路100においても、図13に示したメインルーチンと同様の処理を行っているが、図13において、ステップS24のストック抽選処理に相当する処理は、副制御回路200で行われ、主制御回路100では行っていない。よって、図13に示すメインルーチンにおいて、ステップS22の役抽選処理を終えると、次にステップS26のリール変動・停止処理を行う。また、ステップS28の入賞判定処理については、本実施形態固有の制御を行っているため、以下に図37のフローチャートを参照してその内容について説明する。
<入賞判定処理サブルーチンの説明>
まず、CPU106は、表示窓22において、有効ライン上に停止表示された図柄の種類を認識する(ステップSA50)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を参照し、現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップSA52)。
(1)特別遊技中の場合
ステップSA52の判断処理において、CPU106が現在の遊技状態が特別遊技中である(NO)と判断した場合、CPU106は、特別遊技中の入賞処理を行う(ステップSA54)。すなわち、まずCPU106は、小役が入賞したか否かを判断し、いずれかの小役が入賞したと判断したときは、図6に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる。次にCPU106は、現在実行中の特別遊技の終了条件が成立したか否かの判断を行う。すなわち、BB遊技中であれば、BB遊技中に払い出したメダルの合計枚数が300枚を超えたか否かを判断する。また、RB遊技中であれば、RB遊技中の単位遊技を12回行ったか、または、いずれかの小役が8回入賞したかを判断する。CPU106が現在実行中の特別遊技の終了条件が成立したと判断したときは、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を「通常遊技」に更新し、さらに現在のRT状態を「RT1」に更新する。
以上の特別遊技中の入賞処理を終えると、CPU106は、RAM110の所定記憶領域に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、特別役以外の当選フラグでオンになっているものがあったときはオフにする(ステップSA56)。次にCPU106は、今回の単位遊技の結果を示す情報(何らかの役が入賞したか否かの情報など)と、現在の遊技状態およびRT状態を示す情報と、を副制御回路200へ送信する(ステップSA58)。そしてCPU106は、図37の入賞判定処理サブルーチンを終了し、図13に示したメインルーチンのステップS30の払い出し処理へ移行する。なお、上述したステップSA58の処理は、図13に示したメインルーチンのステップS30による払い出し処理が終了した後に行っても良い。これに対して、CPU106が現在実行中の特別遊技の終了条件が成立していないと判断したときは、ステップSA54の特別遊技中入賞処理において遊技状態およびRT状態の更新を行わず、ステップSA56以降の処理を行った後、図13の入賞判定処理サブルーチンを終了する。
(2)通常遊技中の場合
前述したステップSA52の判断処理において、CPU106が、現在の遊技状態は「通常遊技」である(YES)と判断した場合、通常遊技における単位遊技の結果についての処理を行う。まずCPU106は、ステップSA50で認識した有効ライン上の図柄に基づいて、いずれかの再遊技役が成立したか否かを判断する(ステップSA60)。そして、いずれかの再遊技役が成立していた(YES)ときは、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグの状態をオンにする(ステップSA62)。この再遊技入賞フラグのオン/オフ状態は、前述した図13のメインルーチンにおけるステップS12の判断処理で参照される。
次にステップSA60の判断処理でCPU106が、再遊技役は成立していない(NO)と判断したときは、いずれかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップSA64)。そして、CPU106が小役1、小役2a〜2cまたは小役3のいずれかが入賞した(YES)と判断したときは、図6に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる(ステップSA66)。さらに、ステップSA64において、CPU106がいずれの小役も入賞していない(NO)と判断したときは、次に特別役(BB役a、BB役bまたはRB役)が入賞したか否かを判断する(ステップSA68)。
CPU106が、特別役が入賞した(YES)と判断したときは、特別役入賞処理を行う(ステップSA70)。すなわち、まず、当選していた特別役に対応する当選フラグをオフにし、入賞した特別役に応じた終了条件をセットし、さらに、遊技状態を「通常遊技」から入賞した特別役に応じた遊技状態(「BB遊技」または「RB遊技」)に変更する。このようにして、通常遊技における単位遊技の結果に応じた処理(ステップSA62、SA66またはSA70の処理)を行うと、CPU106は、現在のRT状態に応じたRT状態の移行制御を行う。
(2−1)現在のRT状態が「非RT」のとき
まずCPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態が「非RT」(RT=0)であるか否かを判断する(ステップSA72)。現在のRT状態が「非RT」であった(YES)場合は、今回の単位遊技で再遊技役aが入賞したか否かを判断する(ステップSA74)。再遊技役aが入賞しなかった(NO)と判断したときは、RT状態の移行を行うことなく、前述したステップSA56の処理へ移行する。これに対して、再遊技役aが入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態を「RT3」に更新して(ステップSA76)、外部集中端子基板118を介してART信号を外部へ出力する(ステップSA78)。そして、前述したステップSA56以降の処理を行う。このように、CPU106は、RT状態が「非RT」から「RT3」へ移行した場合は、副制御回路200によってARTが開始されたものとみなして、ART信号を外部へ出力している。
(2−2)現在のRT状態が「RT2」のとき
前述したステップSA72の判断処理において、CPU106が現在のRT状態は「非RT」ではない(NO)と判断すると、CPU106は、現在のRT状態が「RT2」(RT=2)であるか否かを判断する(ステップSA80)。現在のRT状態が「RT2」であった(YES)場合は、今回の単位遊技で再遊技役aが入賞したか否かを判断する(ステップSA82)。そして、再遊技役aが入賞していない(NO)と判断したときは、まず、小役2aが有効ラインL1上でのみ入賞(単一入賞)したか否かを判断する(ステップSA84)。
ここで、小役2aが三重入賞した、または小役2aが入賞しなかった(NO)と判断したときは、次に再遊技役cが入賞したか否かを判断する(ステップSA86)。CPU106が、再遊技役cは入賞していない(ステップSA86,NO)と判断したときは、前述したステップSA56以降の処理を行う。これに対してCPU106が、小役2aが単一入賞した(ステップSA84,YES)、または再遊技役cが入賞した(ステップSA86,YES)と判断したときは、現在のRT状態を「非RT」に移行させる(ステップSA88)。そしてCPU106は、前述したステップSA56以降の処理を行う。
(2−3)現在のRT状態が「RT3」のとき
前述したステップSA80の判断処理において、CPU106が現在のRT状態は「RT2」ではない(NO)と判断すると、CPU106は、現在のRT状態が「RT3」(RT=3)であるか否かを判断する(ステップSA90)。現在のRT状態が「RT3」であった(YES)場合は、今回の単位遊技で再遊技役bが入賞したか否かを判断する(ステップSA92)。そして、再遊技役bが入賞した(YES)と判断したときは、現在のRT状態を「RT2」に移行させ(ステップS94)、前述したステップSA56以降の処理を行う。
これに対して、ステップSA92の処理で、再遊技役bが入賞しなかった(NO)と判断したときは、前述したステップSA84〜SA88の処理を行い、小役2aが単一入賞したか、または、再遊技役cが入賞したかに応じて、RT状態を「非RT」へ移行させるか、または、現在の「RT3」を維持するかの制御を行う。そして、最終的には、前述したステップSA56以降の処理を行った後、図13のメインルーチンにおけるステップS30の払い出し処理を行う。
(2−4)現在のRT状態が「RT1」のとき
前述したステップSA90の判断処理において、CPU106が現在のRT状態は「RT3」ではない(NO)と判断すると、CPU106は、現在のRT状態が「RT1」(R=1)と見なして、今回の単位遊技で小役2aが単一入賞したか否かを判断する(ステップSA96)。そして、小役2aが単一入賞した(YES)と判断したときは、現在のRT状態を「非RT」に移行させた後(ステップS98)、前述したステップSA56以降の処理を行う。これに対して、小役2aが3重入賞した、若しくは他の役が入賞した、またははずれた、と判断したときは、「RT1」の状態を維持したまま、前述したステップSA56以降の処理を行い、その後、図13のメインルーチンにおけるステップS30の払い出し処理を行う。
[副制御回路における制御処理の説明]
次に、図38〜図41に示す各フローチャートを参照して、第4の実施形態の副制御回路200において実行される各種制御に関する処理について説明する。ここで、図38は、遊技者によるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序を判断し、必要に応じてペナルティを課すペナルティ処理の内容を示すフローチャートである。また、図39および図40は、ARTに関する各種抽選およびART中の報知制御を行うART報知処理の内容を示すフローチャートである。図41は、1回のARTの開始および終了を制御し、各状態に応じた演出の開始および終了制御するART制御処理の内容を示すフローチャートである。
<ペナルティ処理の説明>
図38に示すフローチャートを参照してペナルティ処理の内容について説明する。このペナルティ処理は、所定の割込周期ごとに実行される処理であり、単位遊技において、最初に操作されたストップスイッチが左ストップスイッチ37L以外であった場合、特定の状態以外は、遊技者にとって有利とはいえない状況にするための処理である。このような処理を行うことによって、単位遊技を行う場合、通常は、左ストップスイッチ37Lを最初に操作することを促している。
まず、CPU206は、主制御回路100から停止操作情報を受信したか否かを判断する(ステップSA200)。前述したように、停止操作情報は、図13に示したメインルーチンのステップS26におけるリール変動・停止処理によって主制御回路100から出力されるものであり、遊技者によってどのストップスイッチが操作されたのかを示す情報が含まれている。そして、ステップSA200において、CPU206が停止操作情報を受信していない(NO)と判断したときは、図38のペナルティ処理を終了して他の処理を行う。
一方、停止操作情報を受信した(YES)と判断したときは、次にCPU206は、受信した停止操作情報によって示されるストップスイッチが、単位遊技が開始してから最初に操作されたストップスイッチであるか否かを判断する(ステップSA202)。この判断は、例えば主制御回路100から役抽選結果情報を受信した後、何番目に受信した停止操作情報であるかを認識することで判断することができる。そして、CPU206は、最初に操作(第1停止操作)されたストップスイッチを示す停止操作情報ではない(NO)と判断したときは、図38のペナルティ処理を終了して他の処理を行う。
一方、最初に操作されたストップスイッチを示す停止操作情報である(YES)と判断したときは、次にCPU206は、受信した停止操作情報によって示されるストップスイッチが、左ストップスイッチ37Lであるか否かを判断する(ステップSA204)。そして、左ストップスイッチ37Lである(YES)と判断したときは、図38のペナルティ処理を終了して他の処理を行う。これに対して、左ストップスイッチ37Lではない(NO)と判断したときは、RAM210に記憶されているARTフラグの状態がオンであるか否かを判断する(ステップSA206)。ARTフラグがオンである(YES)と判断したときは、次に、現在のRT状態が「非RT」または「RT2」のいずれかであるか否かを判断する(ステップSA208)。そして、現在のRT状態が「非RT」または「RT2」のいずれかであった場合は(YES)、主制御回路100から受信した役抽選結果情報に基づいて、今回の単位遊技における役抽選で、抽選結果番号「10」〜「13」のいずれかが導出されたか否かを判断する(ステップSA210)。
ここで、CPU206が、抽選結果番号「10」〜「13」のいずれかが導出された(YES)と判断したときは、図38のペナルティ処理を終了して他の処理を行う。これに対して、CPU206が、抽選結果番号「10」〜「13」のいずれも導出されなかった(NO)と判断したときは、RAM210の所定の記憶領域に記憶されているペナルティフラグの状態をオンにする(ステップSA212)。また、上述したステップSA206の判断処理で、CPU206がストックSTの数が0と判断したとき(NO)、または、ステップSA208の判断処理で、CPU206が現在のRT状態が「非RT」または「RT2」のいずれでもない(NO)と判断したときも、ステップSA212の処理へ移行して、ペナルティフラグをオンにする。そして、ステップSA212の処理でペナルティフラグをオンにすると、CPU206は、図38のペナルティ処理を終了して他の処理を行う。
また、ステップSA204の判断処理で、ARTフラグがオフである(NO)とCPU206が判断した場合は、次にRAM210に記憶されているストックSTの数が1以上あるか否かを判断する(ステップSA214)。そして、RAM210に記憶されているストックSTの数が1以上ある(YES)とCPU206が判断した場合は、ステップSA208の判断処理へ移行して、上述したように、現在のRT状態および導出された抽選結果番号に応じて、ペナルティフラグのオン/オフ制御を行う。また、ステップSA214の判断処理において、ストックSTの数が0である(NO)とCPU206が判断したときは、ステップSA212の処理へ移行して、ペナルティフラグをオンにする。
このように、ARTフラグがオンであるか、またはストックが蓄積されている状態で、現在のRT状態が「非RT」または「RT2」のときに、役抽選において抽選結果番号「10」〜「13」のいずれかが導出された場合を除き、遊技者が左ストップスイッチ37L以外を第1停止操作すると、ペナルティフラグがオンにされることになる。なお、ステップSA204の判断結果がNOになった場合(第1停止操作時に、左ストップスイッチ以外のストップスイッチが操作された場合)に、役抽選の結果がハズレであったか否かを判断し、何らかの役が当選していた場合はステップSA206の処理へ移行するが、ハズレであった場合は、そのままペナルティ処理を終了して、ペナルティフラグをオンにしないようにしても良い。
<ART報知処理の説明>
次に、図39および図40に示すフローチャートを参照して、ART報知処理の内容について説明する。このART報知処理は、所定の割込周期ごとに実行される処理であり、ART中に、遊技者に有利な結果をもたらす役が入賞することとなる操作順序が報知される。また、併せてARTへ移行する条件となるストックを発生させるか否かを決定するストック抽選処理、および上述したペナルティ処理によって、ペナルティフラグがオンにされたときの処理を行っている。
まず、CPU206は、図39において、主制御回路100から役抽選結果情報を受信したか否かを判断する(ステップSA300)。CPU206が役抽選結果情報を受信していない(NO)と判断したときは、図39のART報知処理を終了して他の処理を行う。一方、CPU206が役抽選結果情報を受信した(YES)と判断したときは、次に現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップSA302)。現在の遊技状態が「RB遊技」または「BB遊技」である(NO)と、CPU206が判断したときは、図39のART報知処理を終了して他の処理を行う。
これに対して、「通常遊技」である(YES)と判断したときは、CPU206は、受信した役抽選結果情報に含まれている抽選結果番号(役抽選によって導出されたもの)を認識する(ステップSA304)。そして、現在のRT状態と、認識した抽選結果番号とに基づいて、役抽選によって何らかの小役または再遊技役に当選したか否かを判断する(ステップSA306)。いずれの小役または再遊技役にも当選しなかった(NO)と判断したときは、図39のART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対して、何らかの小役または再遊技役に当選した(YES)と判断したときは、次にRAM210に記憶されているペナルティフラグのオン/オフ状態が、オンになっているか否かを判断する(ステップSA308)。
CPU206が、ペナルティフラグがオフになっている(NO)と判断したときは、通常のストック抽選テーブル(例えば図12に示すもの)を用いてストック抽選を行う(ステップSA310)。これに対して、ペナルティフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、まず、CPU206は、ステップSA304で認識した抽選結果番号に基づいて、小役1が当選したか否かを判断する(ステップSA312)。ここで、CPU206が、小役1が当選した(YES)と判断した場合、課されているペナルティが解除されたものとして、RAM210に記憶されているペナルティフラグの状態をオフにして(ステップSA314)、上述したステップSA310の処理へ移行する。
これに対して、ステップSA312の判断処理で、小役1が当選しなかった(NO)と判断したときは、CPU206はペナルティを課すための処理を行う。すなわち、まず、RAM210に記憶されているストックSTの数が「1」以上であるか否かを判断し(ステップSA316)、ストックSTの数が「1」以上である(YES)ときは、その数を「1」減算する(ステップSA318)。そして、CPU206は、ペナルティ用のストック抽選テーブルを用いてストック抽選を行う(ステップSA320)。ここで、ペナルティ用のストック抽選テーブルは、例えば、図12に示したストック抽選テーブルよりも、ストックの発生確率が低く設定されているものである(図示略)。
このように、CPU206は、ステップSA310またはSA320の処理を行うことで、ペナルティフラグのオン/オフ状態に応じたストック抽選テーブルを用いて、ストック抽選を行う。そしてCPU206は、ストック抽選の結果、ストックが発生したか否かを判断し(ステップSA322)、発生した(YES)と判断したときは、RAM210に記憶されているSTの値に「1」を加算する(ステップSA324)。このように、ストック抽選に関する処理を終えると、次にCPU206は、RAM210に記憶されているARTフラグの状態が、オンになっているか否かを判断する(ステップSA326)。
ステップSA326の判断処理で、CPU206が、ARTフラグがオフになっている(NO)と判断したときは、ARTを開始する条件が整っているか否かを判断する。すなわち、まずCPU206は、RAM210に記憶されているストックSTの数が「1」以上であるか否かを判断し(ステップSA328)、ストックSTの数が「1」以上である(YES)と判断したときは、次に現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する(ステップSA330)。そして、現在のRT状態が「非RT」である(YES)と判断したときは、役抽選で導出された抽選結果番号が「10」〜「13」のいずれかであるか否かを判断する(ステップSA332)。
CPU206が、役抽選で抽選結果番号「10」〜「13」のいずれかが導出された(YES)と判断したときは、ARTを開始する条件が整ったとみなし、ARTを開始すべく、「RT3」へ移行することとなる再遊技役aが入賞する操作順序を報知する(ステップSA334)。この場合、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lではなかったとしても、図38のペナルティ処理において、ステップSA206(NO)→SA214(YES)→SA208(YES)→SA210(YES)となって、ペナルティフラグがオンにされることはない。
そして、CPU206は、図39のART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対し、ステップSA328〜SA332のいずれかの判断処理において、判断結果がNOとなったときは、未だARTを開始する条件が整っていないとみなし、そのまま図39のART報知処理を終了して他の処理を行う。
さて、上述したステップSA326の判断処理において、ARTフラグがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、まず、ARTの遊技回数を加算する(上乗せする)か否かの決定を行う。すなわち、まず、ステップSA304で認識した抽選結果番号に基づいて、小役3が当選したか否かを判断する(ステップSA336)。CPU206が、小役3が当選した(YES)と判断したときは、上乗せ抽選を行う条件を満たしたものとして、上乗せ抽選を行う(ステップSA338)。この上乗せ抽選は、ARTの遊技回数を上乗せするか否かを所定の確率に従って決定するものである。
そして、上乗せ抽選に当選したか否かを判断し(ステップSA340)、上乗せ抽選に当選した(YES)と判断した場合は、RAM210の所定の記憶領域に記憶される上乗せフラグのオン/オフ状態をオンにする(ステップSA342)。この上乗せフラグは、上乗せ抽選に当選したか否かを示す(オンのとき上乗せ抽選に当選)ものであり、図41を参照して後に説明するART制御処理において、ARTの遊技回数について上乗せを行うか否かを判断する際に参照されるものである。そして、上乗せフラグをオンにすると、CPU206は、RAM210に記憶されている継続フラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSA344)。この継続フラグは、1回のART(50ゲーム)が終了する際に、次回のARTを開始することが決まっている場合にオンにされるフラグである。
ステップSA344の判断処理で、継続フラグがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、RAM210に記憶されている待機フラグの状態をオンにする(ステップSA346)。この待機フラグは、継続フラグがオンになっているときに、1回のARTが終了して、次回のARTが開始されるまでの間に上乗せ抽選に当選した場合にオンとなり、当該上乗せ分の単位遊技が消化されるとオフになるフラグである。上述したステップSA346の処理により、待機フラグをオンにすると、CPU206は、単位遊技の結果が遊技者に有利となる操作順序を報知するための処理を行うべく、図40に示すフローチャートの処理へ移行する。なお、上述したステップSA336、SA340およびSA344の各判断処理において、CPU206による判断結果がNOとなった場合は、直ちに図40に示すフローチャートの処理へ移行する。
図39のステップSA336、SA340およびSA344の各判断処理における判断結果がNOとなった場合、または、ステップSA346の処理を行うと、CPU206は、図40のステップSA400の処理を行う。すなわち、図39のステップS304で認識した抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれかであるか否かを判断する。そして、抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれかである(YES)と、CPU206が判断したときは、判断した抽選結果番号に応じて、中リール40Cの「ベル」図柄が中段Mに停止する操作順序(図9参照)を報知する(ステップSA402)。そして、CPU206は、図39および図40に示すART報知処理を終了し、他の処理を行う。
ステップSA400の判断処理で、図39のステップS304で認識した抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれでもないとCPU206が判断したときは、次に現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する(ステップSA404)。そして、現在のRT状態が「非RT」である(YES)と、CPU206が判断したときは、図39のステップS304で認識した抽選結果番号が「10」〜「13」のいずれかであるか否かを判断する(ステップSA406)。そして、抽選結果番号が「10」〜「13」のいずれかである(YES)と、CPU206が判断したときは、判断した抽選結果番号に応じて、再遊技役aが入賞することとなる操作順序(図34(a)参照)を報知する(ステップSA408)。ここで、図34(a)に示すように、再遊技役aが入賞し得る操作順序は、いずれも第1停止操作が左ストップスイッチ37L以外になっているが、そのような操作を行ったとしても、図38のペナルティ処理において、ステップSA206(YES)→SA208(YES)→SA210(YES)となって、ペナルティフラグがオンにされることはない。そして、CPU206は、ステップSA408の処理を終えると、図39および図40に示すART報知処理を終了し、他の処理を行う。
次にステップSA404の判断処理において、現在のRT状態が「非RT」ではない(NO)と、CPU206が判断したときは、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップSA410)。そして、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と、CPU206が判断したときは、図39のステップS304で認識した抽選結果番号が「10」〜「13」のいずれかであるか否かを判断する(ステップSA412)。そして、抽選結果番号が「10」〜「13」のいずれかである(YES)と、CPU206が判断したときは、RAM210に記憶されている待機フラグの状態が、オンになっているか否かを判断する(ステップSA414)。その結果、待機フラグがオフになっているとCPU206が判断したときは、導出された抽選結果番号(「10」〜「13」)に応じて、再遊技役aが入賞することとなる操作順序(図34(a)参照)を報知する(ステップSA416)。
これに対して、ステップSA414の判断処理で、待機フラグがオンになっている(YES)とCPU026が判断したときは、導出された抽選結果番号(「10」〜「13」)に応じて、再遊技役bが入賞することとなる操作順序(図34(a)参照)を報知する(ステップSA418)。ここで、報知する操作順序は、図34(a)において、再遊技役aが入賞することとなる操作順序以外であれば、どの操作順序を報知しても良いが、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lとなる操作順序(操作順序1または2)は、再遊技役aが入賞する可能性がないため、それ以外の操作順序を報知することが望ましい。そして、CPU206は、ステップSA416またはSA418の処理を行うと、図39および図40に示すART報知処理を終了し、他の処理を行う。
次に、上述したステップSA412の判断処理で、図39のステップS304で認識した抽選結果番号は「10」〜「13」のいずれでもない(NO)と、CPU206が判断したときは、それでは「14」〜「19」のいずれかであるか否かを判断する(ステップSA420)。そして、抽選結果番号が「14」〜「19」のいずれかである(YES)と、CPU206が判断したときは、ステップSA418の処理へ移行し、再遊技役bが入賞することとなる操作順序(図34(b)参照)を報知して図39および図40に示すART報知処理を終了する。これに対して、ステップSA420の判断処理で、抽選結果番号が「14」〜「19」のいずれでもない(NO)と判断したときは、そのまま図39および図40に示すART報知処理を終了し、他の処理を行う。
次にステップSA410の判断処理において、現在のRT状態が「RT2」ではない(NO)と、CPU206が判断したときは、現在のRT状態が「RT3」であるか否かを判断する(ステップSA422)。そして、現在のRT状態が「RT3」でない(NO)と、CPU206が判断したときは、そのまま図39および図40に示すART報知処理を終了し、他の処理を行う。これに対して、現在のRT状態が「RT3」である(YES)と、CPU206が判断したときは、次に、図39のステップS304で認識した抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれかであるか否かを判断する(ステップSA424)。
そして、抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれでもない(NO)とCPU206が判断したときは、さらに、認識した抽選結果番号が「16」〜「21」のいずれかであるか否かを判断する(ステップSA426)。認識した抽選結果番号が「16」〜「21」のいずれかである(YES)場合、CPU206は、再遊技役aが入賞することとなる操作順序(図35(b)参照)を報知する(ステップSA428)。そして、ステップSA428の処理を終えると、または、ステップSA426の判断処理で、認識した抽選結果番号が「16」〜「21」のいずれでもない(NO)とCPU206が判断したときは、図39および図40に示すART報知処理を終了し、他の処理を行う。
一方、ステップSA422の判断処理で、図39のステップS304で認識した抽選結果番号は「10」〜「15」のいずれかである(YES)と判断した場合、次にCPU206は、RAM210に記憶されている継続フラグの状態が、オンになっているか否かを判断する(ステップSA430)。そして、継続フラグがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、ステップSA428の処理へ移行し、再遊技役aが入賞することとなる操作順序(図35(a)参照)を報知する。これに対して、ステップSA430の判断処理で、継続フラグがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、次に、CPU206は、RAM210に記憶されている待機フラグの状態が、オンになっているか否かを判断する(ステップSA432)。その結果、待機フラグがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、ステップSA428の処理へ移行し、導出された抽選結果番号(「10」〜「15」)に応じて、再遊技役aが入賞することとなる操作順序(図35(a)参照)を報知する。
これに対して、ステップSA432の判断処理で、待機フラグがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、導出された抽選結果番号(「10」〜「15」)に応じて、再遊技役bが入賞することとなる操作順序(図35(a)参照)を報知する(ステップSA434)。ここで、報知する操作順序は、図35(a)において、再遊技役aが入賞することとなる操作順序以外であれば、どの操作順序を報知しても良い。そして、CPU206は、ステップSA428またはSA434の処理を行うと、図39および図40に示すART報知処理を終了し、他の処理を行う。
<ART制御処理の説明>
次に、図41に示すフローチャートを参照して、ART制御処理の内容について説明する。このART制御処理は、所定の割込周期ごとに実行される処理であり、主にARTの開始/終了に関する制御や、上乗せが発生したときの処理等を行っている。
まず、CPU206は、主制御回路100から遊技結果情報および遊技状態情報を受信したか否かを判断する(ステップSA500)。CPU206が、遊技結果情報および遊技状態情報を受信していない(NO)と判断したときは、図41のART制御処理を終了して他の処理を行う。これに対して、遊技結果情報および遊技状態情報を受信した(YES)と判断すると、CPU206は、現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップSA502)。
ステップSA502の判断処理で、現在の遊技状態が「BB遊技」または「RB遊技」である(NO)とCPU206が判断したときは、実行中の特別遊技に応じた演出(特別遊技演出)を行う(ステップSA504)。これに対して、現在の遊技状態が「通常遊技」である(YES)とCPU206が判断したときは、次にRAM210に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSA506)。
(1)通常遊技中かつ非ART中の処理
ステップSA506の判断処理で、ARTフラグはオフ(NO)になっている(非ART中)と判断した場合、CPU206は、次にRAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSA508)。そして、ストック数STの値が「1」以上である(YES)とCPU206が判断したときは、次に現在のRT状態が「RT3」であるか否かを判断する(ステップSA510)。
そして、現在のRT状態が「RT3」である(YES)とCPU206が判断したときは、RAM210に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態をオンにして(ステップSA512)、RAM210に記憶されているARTの残り遊技回数AGの値を「50」にセットする(ステップSA514)。これにより、本実施形態のARTは1セット50ゲームとなる。そしてCPU206は、RAM210に記憶されているストック数STの値から「1」を減算し(ステップSA516)、次の単位遊技から操作情報報知演出を開始するための準備を行う(ステップSA518)。ここで、操作情報報知演出は、ART中に行われる演出であり、役抽選の結果に応じて図35に示した操作順序を報知する際に行われる演出である。そして、ステップSA518の処理によって、次の単位遊技を行うべく、遊技者がメダルの投入操作を行うと、操作情報報知演出が開始される。
なお、上述したステップSA508の判断処理で、CPU206がストック数STの値が「0」である(NO)と判断したとき、または、ステップSA510の判断処理で現在のRT状態が「RT3」ではない(NO)と判断したときは、CPU206は、図41のART制御処理を終了して他の処理を行う。
(2)ART中の処理
前述したステップSA506の判断処理で、CPU206が、ARTフラグがオンになっている(YES)と判断した場合は、まず、RAM210に記憶されている継続フラグがオンになっているか否かの判断を行う(ステップSA520)。そして、継続フラグがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、RAM210に記憶されているAGの値を「1」減算する(ステップSA522)。そして、CPU206は、RAM210に記憶されている上乗せフラグかオンになっているか否かを判断する(ステップSA524)。この上乗せフラグは、図39に示したART報知処理のステップSA342で、上乗せ抽選に当選したときにオンにされるフラグである。上乗せフラグがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、次に、AGの値が「10」を超えているか否かを判断する(ステップSA526)。
そして、AGの値が「10」を超えている(YES)とCPU206が判断したときは、AGの値に「30」を加算した後、上乗せフラグをオフする(ステップSA528)。これに対して、AGの値が「10」以下である(NO)とCPU206が判断したときは、AGの値に「30」を加算しない。この処理は、後述するバトル演出が10ゲームという一定の遊技回数の間に行われる演出であるため、ARTの残りの遊技回数と、バトル演出が行われる遊技回数とを、一致させるために行っている。
このように、ART中に発生した上乗せに関する処理(ステップSA524〜SA528)を行うと、次にCPU206は、AGの値が「10」になった否かを判断する(ステップSA530)。そして、AGの値が「10」ではない(NO)とCPU206が判断したときは、次にAGの値が「1」になったか否かの判断を行う(ステップSA532)。ここで、AGの値が「1」ではない(NO)とCPU206が判断した場合は、さらに、AGの値が「0」になったか否かを判断する(ステップSA534)。そして、AGの値が「0」になっていない(NO)とCPU206が判断したときは、図41のART制御処理を終了する。
これにより、ARTが開始して、残り遊技回数AGの値が「10」になるまでは、ステップSA530、SA532およびSA534の判断結果がいずれもNOとなり、その結果、単位遊技を行う毎にステップSA522の処理によってAGの値から「1」が減算され、ステップSA524〜SA528の上乗せに関する処理が行われることになる。そして、残り遊技回数AGの値が「10」になると、ステップSA530判断結果がYESとなって、CPU206はバトル演出を開始する(ステップSA536)。このバトル演出の内容は、第1〜第3の実施形態のバトル演出と同様の内容である。また、後述するバトル演出の各種エンディングおよび復活演出などの内容も第1〜第3の実施形態と同様であるため、それらの詳しい説明は省略する。
そして、バトル演出が開始された後、残り遊技回数AGの値が「1」になると、ステップSA532の判断結果がYESとなって、CPU206は、バトル演出のエンディングの内容を決定する処理を行う。すなわち、まずCPU206はRAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSA538)。ストック数STの値が「1」以上であったとき(YES)は、バトル演出の最後を「勝利エンディング」とする(ステップSA540)。これに対して、ステップSA538の判断処理で、CPU206が、ストック数STの値が「0」である(NO)と判断したときは、バトル演出の最後を「敗北エンディング」とする(ステップSA542)。そして、CPU206は、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグのオン/オフ状態をオンにして(ステップSA544)、図41のART制御処理を終了する。
そして、ARTの最後の単位遊技において、上述したように決定されたエンディングが実行されると、ステップSA534の判断結果がYESとなる。これにより、まずCPU206は、RAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSA546)。そして、ストック数STの値が「0」である(NO)とCPU206が判断したときには、ARTを終了させるべく、RAM210に記憶されているARTフラグをオフにした後(ステップSA548)、通常遊技で行う演出(通常演出)の準備をしてから(ステップSA550)、図41に示すART制御処理を終了する。
これに対して、ステップSA546の判断処理で、ストック数STの値は「1」以上である(YES)とCPU206が判断したときには、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグのオン/オフ状態がオンであるか否かを判断する(ステップSA552)。ここで、バトル演出終了フラグがオンになっている(YES)場合は、敗北エンディングが実行されたが、その最後の単位遊技でストックが発生したことを示していることから、CPU206は復活演出を実行する(ステップSA554)。そして、CPU206は、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグをオフにした後(ステップSA556)、継続フラグをオンにして(ステップSA558)、図41に示すART制御処理を終了する。
(3)ARTが終了してから次のARTが開始されるまでの処理
上述したように、ARTの最後の単位遊技においてストック数STの値が「1」以上であったときは、次のARTが開始されることが確定しており、そのことを示すためにステップSA558の処理によって継続フラグかオンにされる。この継続フラグは、RT状態が一旦「RT2」へ移行し、再び「RT3」へ移行して、次のARTが開始されたときにオフとなる。なお、次のARTが開始されるまでの間、表示装置70等によって、次のARTの開始を待機中であることを示す待機演出を行うようにしても良い。
継続フラグがオンになっている間(以下、待機中という)は、前述したステップS520の判断結果はYESとなり、CPU206は、まず待機中に上乗せが発生した場合の処理を行う。すなわち、まず、RAM210に記憶されている上乗せフラグの状態がオンになっているか否かの判断を行う(ステップSA560)。上乗せフラグがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、待機中における上乗せ分の遊技回数を示す変数Adの値に「30」を加算する(ステップSA562)。なお、この変数Adの値は、RAM210に記憶されている。そして、CPU206は、RAM210に記憶されている待機フラグの状態をオンにするとともに上乗せフラグをオフにした後(ステップSA564)、図41に示すART制御処理を終了する。
上述したステップSA560の判断処理において、上乗せフラグがオフになっている(NO)とCPU206が判断した場合、次にCPU206は、RAM210に記憶されている待機フラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSA566)。ここで、待機フラグがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、待機中において上乗せが発生し、その上乗せ分の遊技回数を消化している最中であることを示している。なお、上乗せ分の遊技回数を消化している間は、例えば、終了したはずの前回のARTが再開されたかのような演出を行うようにしてもよい。この間、CPU206は、RAM210に記憶されている変数Adの値から「1」を減算し(ステップSA568)、変数Adの値が「1」未満になったか否かを判断する(ステップSA570)。
ステップSA570の判断処理において、Adの値が未だ「1」未満になっていない(NO)とCPU206が判断したときは、そのまま図41のART制御処理を終了する。これに対して、Adの値が「1」未満になった(YES)とCPU206が判断したときは、RAM210に記憶されている待機フラグをオフにして(ステップSA572)、今回の単位遊技の結果、RT状態が「非RT」または「RT2」から「RT3」へ移行したか否かを判断する(ステップSA574)。なお、上述したステップS566の判断処理において、待機フラグがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、直ちにステップSA574の判断を行う。そして、RT状態が「非RT」または「RT2」から「RT3」へ移行しなかった(NO)とCPU206が判断したときは、そのまま図41のART制御処理を終了する。
一方、RT状態が「非RT」または「RT2」から「RT3」へ移行した(YES)とCPU206が判断したときは、RAM210に記憶されている継続フラグの状態をオフにして、前述したステップSA514以降の処理を行い、次のARTを開始するための処理を行う。
≪RT状態および演出内容の遷移と、ART信号の出力との関係≫
次に、図42を参照して、RT状態および演出内容の遷移と、外部へ出力されるART信号の出力との関係について説明する。ここで、図42に示す例では、ARTが終了する際に、副制御回路200のRAM210に記憶されているストックの数STが1つ残っており、次のARTが開始することが確定している。また、図42(a)は、ARTが終了した後、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行する前に、上乗せが発生した場合を示しており、図42(b)は、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行し、「RT2」において上乗せが発生した場合を示している。
まず、図42(a)を参照して、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行する前に、上乗せが発生した場合について説明する。まず、残り遊技回数AGの値が「0」となったときに、ストック数STの値が1以上であった場合は(図41,ステップSA534,YES→ステップSA546,YES)、継続フラグがオンとなり(図41,ステップSA558)、次のARTが開始されることが確定する。そして、ARTが終了して待機中の演出が開始されると、「RT3」において、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合、再遊技役bが入賞する操作順序を報知する。すなわち、「RT3」において再遊技役bを入賞させて、「RT2」へ移行させるような報知が行われる。ここで、遊技者が報知された操作順序を無視しないようにするため、RT3においては、再遊技役aと再遊技役cとが重複して当選し得る役抽選を行い(図33(b)の抽選結果番号「16」〜「21」参照)、報知された操作順序を無視してストップスイッチを操作したときには、再遊技c役が入賞して、不利な「非RT」へ移行してしまう場合が生じるようにしている。このように構成することで、遊技者が、報知された操作順序に従ってストップスイッチを操作するように働きかけることができる。
しかしながら、「RT2」へ移行する前に、上乗せが発生して待機フラグがオンになると、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合であっても、再遊技役aが入賞する操作順序を報知して、上乗せ分を「RT3」で消化させるような報知が行われる。そして、「RT3」で上乗せ分が消化され、待機フラグがオフにされると、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合、再び再遊技役bが入賞する操作順序が報知されるようになる。遊技者が、この報知に従ってストップスイッチを操作した結果、再遊技役bが入賞すると、RT状態は「RT3」から「RT2」へ移行する。「RT2」へ移行した後は、役抽選で抽選結果番号「10」〜「13」が導出されたときに、再遊技役aが入賞する操作順序が報知されるようになる。これにより、遊技者が、報知された操作順序でストップスイッチを操作した結果、再遊技役aが入賞すると、RT状態は「RT2」から「RT3」へ移行し、次のARTが開始される。また、このとき、外部装置に対してARTが開始されたことを示す外部出力信号が出力される。
次に、図42(b)を参照して、ART終了後、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行した後に、上乗せが発生した場合について説明する。まず、図42(a)の場合と同様、残り遊技回数AGの値が「0」となったときに、ストック数STの値が1以上であったときは、継続フラグがオンとなり、次のARTが開始されることが確定する。そして、ARTが終了して待機中の演出が開始されると、「RT3」において、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合、再遊技役bが入賞する操作順序を報知する。すなわち、「RT3」において再遊技役bを入賞させて、「RT2」へ移行させるような報知が行われる。そして、この報知に従って、遊技者がストップスイッチを操作すると、再遊技役bが入賞し、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行する。
「RT2」へ移行すると、役抽選で抽選結果番号「10」〜「13」が導出されたときに、再遊技役aが入賞する操作順序が報知されるようになる。これにより、再遊技役aを入賞し易くして、できるだけ少ない遊技回数で、RT状態が「RT2」から「RT3」へ移行するように制御している。しかしながら、「RT3」へ再び移行する前に、上乗せが発生して待機フラグがオンになると、役抽選で抽選結果番号「10」〜「13」のいずれかが導出された場合であっても、再遊技役bが入賞する操作順序を報知するようになる。すなわち、「RT2」に滞在しているときに上乗せが発生した場合は、その上乗せ分をできるだけ「RT2」で消化させるように、操作順序を報知する。
そして、「RT2」で上乗せ分が消化され、待機フラグがオフにされると、役抽選で抽選結果番号「10」〜「13」のいずれかが導出された場合、再び再遊技役aが入賞する操作順序が報知されるようになる。遊技者が、この報知に従ってストップスイッチを操作した結果、再遊技役aが入賞すると、RT状態は「RT2」から「RT3」へ移行し、次のARTが開始される。また、このとき、外部装置に対してARTが開始されたことを示す外部出力信号(すなわちART信号)が出力される。このように、本実施形態においては、1回のARTが終了すると、RT状態が一旦「RT2」へ移行し、再び「RT3」へ移行するまで、次のARTの開始が待機されるので、実際に行われたARTに則した正確なART信号を出力することができる。
[第4の実施形態の変形例]
上述した第4の実施形態は、継続フラグがオンになっている場合において、1回のARTが終了してから次のARTが開始するまでの間、待機状態になっていたが、このような待機状態を設けずに、1回のARTが終了すると、直ちに次のARTが開始するように構成することも可能である。
このような制御を行うには、まず、図39および図40に示したART報知処理において、図39のステップSA344およびSA346の処理を削除して、ステップSA342の処理を行ったら、直ちに図40のステップSA400の処理へ移行させる。また、図40のステップSA414の判断処理を削除して、ステップSA412の判断結果がYESとなった場合は、直接、ステップSA416の処理へ移行するようにする。さらに、図40のステップSA432の判断処理を削除して、ステップSA430の判断結果がYESとなった場合は、直接、ステップSA434の処理へ移行するようにする。
また、図41に示したART制御処理において、まず、ステップSA558の処理によって継続フラグがオンにされた後、ART制御処理を終了させず、ステップSA514以降の処理を行うようにして、直ちに次のARTを開始するための準備を行うようにする。また、ステップSA560〜SA572の処理を削除して、ステップSA520の判断処理において、継続フラグかオンになっている(YES)と判断したときは、ステップSA574の判断処理へ移行するようにする。そして、ステップSA574の判断処理において、判断結果がNOとなった場合、または判断結果がYESとなってステップSA576の処理を行った後は、ステップS522の処理へ移行するように変更する。
このような変更を加えた場合、RT状態および報知内容の遷移と、ART信号の出力との関係は、図43に示すような内容となる。まず、図43(a)を参照して、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行する前に、上乗せが発生した場合について説明する。まず、残り遊技回数AGの値が「0」となったときに、ストック数STの値が1以上であった場合は(図41,ステップSA534,YES→ステップSA546,YES)、継続フラグがオンとなり(図41,ステップSA558)、引き続き図41のステップSA514〜SA518の処理が行われることによって、次の単位遊技から、次のARTが開始される。ここで、ARTが終了した直後の「RT3」において、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合、再遊技役bが入賞する操作順序を報知する。すなわち、「RT3」において再遊技役bを入賞させて、「RT2」へ移行させるような報知が行われる。
ここで、「RT2」へ移行する前に、上乗せが発生したときは、図41のステップSA528の処理によって、残り遊技回数AGの値に「30」が加算される。しかしながら、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」が導出されると、上乗せが発生する前と変わりなく、再遊技役bが入賞することとなる操作順序が報知される。そして、この報知に従って遊技者がストップスイッチを操作すると、再遊技役bが入賞し、RT状態は「RT3」から「RT2」へ移行する。また、「RT2」へ移行した後は、役抽選で抽選結果番号「10」〜「13」が導出されたときに、再遊技役aが入賞する操作順序が報知されるようになる。これにより、遊技者が、報知された操作順序でストップスイッチを操作した結果、再遊技役aが入賞すると、RT状態は「RT2」から「RT3」へ移行する。この結果、図41のステップSA574の判断結果がYESとなって、ステップSA576の処理によって待機フラグがオフされ、外部装置に対してARTが開始されたことを示す外部出力信号(すなわちART信号)が出力される。
次に、図43(b)を参照して、ART終了後、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行した後に、上乗せが発生した場合について説明する。まず、図42(a)の場合と同様、残り遊技回数AGの値が「0」となったときに、ストック数STの値が1以上であったときは、継続フラグがオンとなり、引き続き図41のステップSA514〜SA518の処理が行われることにより、次の単位遊技から、次のARTが開始される。ここで、ARTが終了した直後の「RT3」において、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合、再遊技役bが入賞する操作順序を報知する。すなわち、「RT3」において再遊技役bを入賞させて、「RT2」へ移行させるような報知が行われる。この報知に従って、遊技者がストップスイッチを操作すると、再遊技役bが入賞し、RT状態が「RT3」から「RT2」へ移行する。
「RT2」へ移行すると、役抽選で抽選結果番号「10」〜「13」が導出されたときに、再遊技役aが入賞する操作順序が報知されるようになる。これにより、再遊技役aを入賞し易くして、できるだけ少ない遊技回数で、RT状態が「RT2」から「RT3」へ移行するように制御している。このとき、上乗せが発生した場合は、図41のステップSA528の処理によって、次のARTの残り遊技回数AGの値に「30」が加算される。しかしながら、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」が導出されると、上乗せが発生する前と変わりなく、再遊技役aが入賞することとなる操作順序が報知される。そして、この報知に従って遊技者がストップスイッチを操作すると、再遊技役aが入賞し、RT状態は「RT2」から「RT3」へ移行する。そして、このとき図41のステップSA574の判断結果がYESとなって、ステップSA576の処理によって待機フラグがオフされ、外部装置に対してARTが開始されたことを示す外部出力信号(すなわちART信号)が出力される。
そして、「RT2」で上乗せ分が消化され、待機フラグがオフにされると、役抽選で抽選結果番号「10」〜「13」のいずれかが導出された場合、再び再遊技役aが入賞する操作順序が報知されるようになる。遊技者が、この報知に従ってストップスイッチを操作した結果、再遊技役aが入賞すると、RT状態は「RT2」から「RT3」へ移行し、次のARTが開始される。また、このとき、外部装置に対してARTが開始されたことを示す外部出力信号(すなわちART信号)が出力される。
なお、本実施形態において、ARTがいわゆる連チャンするか否かは、ARTが終了したときにストックがあるか否かによって決定していたが、例えば、ART中に、次のARTを開始させるか否かを決定する抽選(いわゆるループ抽選)を行い、このループ抽選に当選したときに、ARTを連チャンさせるようにしてもよい。また、ARTを連チャンさせるか否かを決定するに当たり、ループ抽選と、ストックとを組み合わせ、例えばループ抽選にはずれたとしても、ストックがあればARTを連チャンさせる、または、ループ抽選に当選し、かつ、ストックもある場合は、ストックを温存し、ループ抽選に当選したことに基づいてARTを連チャンさせる、などしてもよい。
また、1回のARTが終了し、次のARTが開始されるまで待機中となる実施形態において、RT状態が「RT2」のときに上乗せが発生した場合、再遊技役aが入賞する操作順序の報知を一時中止し、再遊技役bが入賞する操作順序を報知して、次のARTが開始する前に当該上乗せ分を消化するようにしていたが、これとは逆に、RT状態が「RT2」のときに上乗せが発生した場合でも、再遊技役aが入賞する操作順序の報知を継続して行い、発生した上乗せ分を、次のARTの遊技回数に加算するようにしても良い。
また、例えば、ARTを開始させる際に、「非RT」から「RT3」へ移行したときにART信号を出力する場合において、例えば、当該ART中に、誤って報知された操作順序とは異なる順序でストップスイッチを操作した結果、「非RT」へ移行してしまった場合、再び「非RT」から「RT3」へ移行したときにART信号が出力されてしまうことになる。このようなことを避けるために、例えば「非RT」から「RT3」へ移行したときにオンとなり、「RT3」から「RT2」へ移行したときにオフとなるフラグ(以下、ART信号出力フラグという)を設け、「非RT」から「RT3」へ移行したときに、ART信号出力フラグがオンになっていたときは、ART信号を外部へ出力しないようにしてもよい。なお、この場合、例えばARTの終了後、たとえARTが連チャンしない場合であっても、再遊技役bが入賞する操作順序を報知して、できるだけ「RT2」へ移行するように誘導し、ART信号出力フラグがオフにされる可能性を高めるようにしてもよい。
なお、この変形例のように、1回のARTが終了すると直ちに次のARTを開始させる場合には、次のART中に、再遊技役bが入賞し、さらに再遊技役aが入賞することなく終了してしまい、当該ARTに対応するART信号が出力されない場合が生じ得る。このような可能性を低くするために、再遊技役aの当選確率の逆数の16倍程度を1回のARTの期間として設定するとよい。このようにすることで、計算上約99.99%の確率で、1回のART中に再遊技役bおよびaが入賞するので、正確に外端信号を送信できる可能性を高くすることができる。例えば、第4の実施形態の場合は、再遊技役aおよびbの当選確率に基づいて、1回のART中に再遊技役aまたは再遊技役bが当選しない確率を1/10000にする場合、(1−1/5)X=1/10000とし、その結果、Xの値は約40となるため、1回のARTのゲーム数を、40×2=80で80ゲーム程に設定すればよい。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。本実施形態は、第3の実施形態と同様に、主制御回路において、副制御回路によって制御される遊技状態(例えばART)を、遊技者による操作に基づいて判断可能にするものである。ただし、本実施形態では、遊技者による操作に基づく操作情報報知期間の終了の判断精度をより向上させるとともに、操作情報報知期間中にBB遊技などの特別遊技が開始された場合にも対応できるようにしている。
ここで、第5の実施形態における機能ブロック図を、図44に示す。この図において、図31に示した第4の実施形態における機能ブロック図に示した構成と同じものについては、同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。なお、ハードウェアの構成については、第1の実施形態と同様である(図1〜図4に加え、図6の配当情報も含む)として、それらの説明も省略する。
以下に、図31に示した機能ブロック図と、図44に示す機能ブロック図との、相違点について説明する。まず、図44に示す機能ブロック図における主制御回路100には、判断開始手段480および操作順序判断手段490が追加されている。前述したように、本実施形態では、遊技者による操作に基づいてARTであるか否かを判断するものであり、判断開始手段480は、ARTであるか否かの判断を行う判断期間を開始させるものである。また、操作順序判断手段490は、上述した判断期間中に、遊技者によって行われたストップスイッチの操作順序が、操作情報報知手段522によって報知された操作順序に従ったものであるか否かを判断するものである。
また、副制御回路200においては、さらに操作順序制限手段530が追加されている。この操作順序制限手段530は、ストップスイッチ37L,37C,37Rを操作し得る操作順序のうち、予め定められた操作順序によってストップスイッチ37L,37C,37Rを操作することを許可するか否かを決定するものである。
また、主制御回路100の役抽選手段410が備える役抽選テーブルは、RT状態が「RT2」のときに用いる役抽選テーブルのみが、第4の実施形態と異なっている。ここで、RT状態が「RT2」のときに用いる役抽選テーブルの内容を図45に示す。この図に示す役抽選テーブルと、第4の実施形態において、RT状態が「RT2」のときに用いる役抽選テーブル(図32(b)参照)とは、抽選結果番号「1」〜「9」における当選役の種類および各抽選結果番号に対応付けられた数値範囲は、一致しているが、抽選結果番号「10」以降の内容が異なっている。ここで、当選役の種類にのみ着目した場合は、図45に示す役抽選テーブルの抽選結果番号「10」〜「15」の当選役の種類は、図33に示す役抽選テーブルにおける抽選結果番号「16」〜「21」における当選役の種類と一致している。また、図45の役抽選テーブルにおける抽選結果番号「16」は、再遊技役bが単独で当選することを示している。
なお、入賞判定手段430が備える遊技状態制御手段432が行う各種遊技状態の移行制御は、図46に示す内容になっている。すなわち、RT状態は「非RT」、「RT1」および「RT2」の3種類になっており、「非RT」において再遊技役aが入賞すると、「RT2」へ移行するようになっている。また、「RT2」において小役2aが単一入賞したとき、または、再遊技役cが入賞したときに、「非RT」へ移行するようになっている。また、「RT1」において小役2aが単一入賞すると、「非RT」へ移行するようになっている。
[主制御回路における制御処理の説明]
次に、第5の実施形態における主制御回路100が行う処理の内容について説明する。本実施形態における主制御回路100においても、図13に示したメインルーチンと同様の処理を行っているが、図13において、ステップS24のストック抽選処理に相当する処理は、副制御回路200で行われ、主制御回路100では行っていない。よって、図13に示すメインルーチンにおいて、ステップS22の役抽選処理を終えると、次にステップS26のリール変動・停止処理を行う。また、ステップS28の入賞判定処理については、本実施形態固有の制御を行っているため、以下に図47のフローチャートを参照してその内容について説明する。
<入賞判定処理サブルーチンの説明>
まず、CPU106は、表示窓22に停止表示された9つの図柄の種類を認識する(ステップSB50)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を参照し、現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップSB52)。
(1)通常遊技中の場合
ステップSB52の判断処理において、CPU106が、現在の遊技状態は「通常遊技」である(YES)と判断した場合、通常遊技における単位遊技の結果についての処理を行う。まずCPU106は、ステップSB50で認識した9つの図柄に基づいて、いずれかの再遊技役が成立したか否かを判断する(ステップSB54)。そして、いずれかの再遊技役が成立していた(YES)ときは、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグの状態をオンにする(ステップSB56)。この再遊技入賞フラグのオン/オフ状態は、前述した図13のメインルーチンにおけるステップS12の判断処理で参照される。
次にステップSB54の判断処理でCPU106が、再遊技役は成立していない(NO)と判断したときは、いずれかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップSB58)。そして、CPU106が小役1、小役2a〜2cまたは小役3のいずれかが入賞した(YES)と判断したときは、図6に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる(ステップSB60)。さらに、ステップSB58において、CPU106がいずれの小役も入賞していない(NO)と判断したときは、次に特別役(BB役a、BB役bまたはRB役)が入賞したか否かを判断する(ステップSB62)。
CPU106が、特別役が入賞した(YES)と判断したときは、特別役入賞処理を行う(ステップSB64)。すなわち、まず、当選していた特別役に対応する当選フラグをオフにし、入賞した特別役に応じた終了条件をセットし、さらに、遊技状態を「通常遊技」から入賞した特別役に応じた遊技状態(「BB遊技」または「RB遊技」)に変更する。このようにして、通常遊技における単位遊技の結果に応じた処理(ステップSB56、SB60またはSB64の処理)を行うと、CPU106は、ARTが行われているか否かを判断するための押し順判定処理(ステップSB66)を行う。この押し順判定処理については、後に詳しく説明する。ステップSB66の押し順判定処理を行うと、次にCPU106は、RAM110に記憶されているカウントフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSB68)。
このカウントフラグは、現在、ARTが行われているか否かの判断の開始を決定する際に参照する計数値Gのカウントを行うか否かを示すフラグである。すなわち、このカウントフラグの状態がオンになっている(YES)とCPU106が判断した場合は、RAM210に記憶されている計数値Gの値を「1」加算する(ステップSB70)。そして、ステップSB70の処理を行った後、または、ステップSB68の判断結果がNOとなった場合は直ちに、CPU106は、現在のRT状態に応じたRT状態の移行制御を行う。
(1−1)現在のRT状態が「RT2」のとき
まずCPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態が「RT2」(RT=2)であるか否かを判断する(ステップSB72)。現在のRT状態が「RT2」であった(YES)場合は、計数値Gの値が「0」であるか否かを判断する(ステップSB74)。計数値Gの値が「0」である(YES)とCPU106が判断した場合は、最初のARTが開始されたものと見なして、外部装置へART信号を出力する(ステップSB76)。そして、CPU106は、計数値Gのカウントを開始すべく、カウントフラグをオンにする(ステップSB78)。次にCPU106は、計数値Gの値が「50」を超えたか否かを判断する(ステップSB80)。なお、ステップSB74の判断処理で、計数値Gの値が「0」ではない(NO)とCPU106が判断したときは、直ちにステップSB80の判断処理を行う。計数値Gの値が「50」を超えた(YES)とCPU106が判断したときは、計数値Gの値を「0」にクリアする(ステップSB82)。そして、ARTが行われているか否かの判断を開始するために、RAM110に記憶されている押し順判定フラグの状態をオンにする(ステップSB84)。
次にCPU106は、RT状態の移行を制御するための処理を行う。まずCPU106は、今回の単位遊技の結果、小役2aが単一入賞したか否かを判断する(ステップSB86)。そして、小役2aが単一入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、RT状態を「非RT」にする(ステップSB90)。また、小役2aが単一入賞しなかった(NO)とCPU106が判断したときは、次に再遊技役cが入賞したか否かを判断する(ステップSB88)。再遊技役cが入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、上述したステップSB90へ移行して、RT状態を「非RT」にする。
ステップSB90の処理を終えると、または、ステップSB88の判断結果がNOとなった場合は直ちに、CPU106は、RAM110の所定記憶領域に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、特別役以外の当選フラグでオンになっているものがあったときはオフにする(ステップSB92)。次にCPU106は、今回の単位遊技の結果を示す情報(何らかの役が入賞したか否かの情報など)と、現在の遊技状態およびRT状態を示す情報と、を副制御回路200へ送信する(ステップSB94)。そしてCPU106は、図47の入賞判定処理サブルーチンを終了し、図13に示したメインルーチンのステップS30の払い出し処理へ移行する。
(1−2)現在のRT状態が「非RT」のとき
前述したステップSB72の判断処理で、現在のRT状態は「RT2」ではない(NO)とCPU106が判断した場合は、次にCPU106は、現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する(ステップSB96)。現在のRT状態が「非RT」である(YES)とCPU106が判断したときは、今回の単位遊技で再遊技役aが入賞したか否かを判断する(ステップSB98)。再遊技役aが入賞しなかった(NO)と判断したときは、RT状態の移行を行うことなく、前述したステップSB92以降の処理を行う。これに対して、再遊技役aが入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態を「RT2」にしてから(ステップSB100)、ステップSB92以降の処理を行う。
(1−3)現在のRT状態が「RT1」のとき
前述したステップSB96の判断処理において、CPU106が現在のRT状態は「非RT」ではない(NO)と判断すると、CPU106は、現在のRT状態が「RT1」(R=1)と見なして、今回の単位遊技で小役2aが単一入賞したか否かを判断する(ステップSB102)。そして、小役2aが単一入賞した(YES)と判断したときは、現在のRT状態を「非RT」に移行させた後(ステップSB104)、前述したステップSB92以降の処理を行う。これに対して、小役2aが単一入賞しなかった(NO)とCPU106が判断したときは、「RT1」の状態を維持したまま、前述したステップSB92以降の処理を行う。
(2)特別遊技中の場合
前述したステップSB52の判断処理において、CPU106が現在の遊技状態が特別遊技中である(NO)と判断した場合は、特別遊技中の入賞処理を行う(ステップSB106)。すなわち、まずCPU106は、小役が入賞したか否かを判断し、いずれかの小役が入賞したと判断したときは、図6に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる。次にCPU106は、現在実行中の特別遊技の終了条件が成立したか否かの判断を行う。すなわち、BB遊技中であれば、BB遊技中に払い出したメダルの合計枚数が300枚を超えたか否かを判断する。また、RB遊技中であれば、RB遊技中の単位遊技を12回行ったか、または、いずれかの小役が8回入賞したかを判断する。そして、CPU106が現在実行中の特別遊技の終了条件が成立したと判断したときは、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を「通常遊技」に更新し、さらに現在のRT状態を「RT1」に更新する。
以上の特別遊技中入賞処理を終えると、次に押し順判定再開処理を行う(ステップSB108)。この押し順判定再開処理は、ARTが行われているか否かの判断を行っているときに特別遊技が開始された場合、その特別遊技が終了して通常遊技に戻った際に、特別遊技が開始される前の状態から、押し順判定再開させる処理である(詳しくは後述する)。この押し順判定再開処理終えると、CPU106は、ステップSB92以降の処理を行い、ステップSB94の処理を終えると、図47の入賞判定処理サブルーチンを終了する。なお、計数値Gのカウント中に特別遊技が開始された場合において、当該特別遊技の終了後に、RT状態が「RT2」に復帰してから計数値Gのカウントを再開させる場合は、例えば、当該特別遊技の終了時に、ステップSB108の押し順判定再開処理において、カウントフラグをオフにし、その後、ステップSB98の判断結果がYESとなったときに、その時に限ってカウントフラグをオンにするとよい。
<押し順判定処理の説明>
図47に示した入賞判定処理サブルーチンのステップSB66における押し順判定処理の内容について、図48に示すフローチャートを参照しつつ説明する。ステップSB66の押し順判定処理を開始すると、CPU106は、まず押し順判定フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップSB200)。押し順判定フラグがオフになっている(NO)とCPU106が判断したときは、直ちに押し順判定処理を終了して、図47のステップSB68の判断処理を行う。一方、押し順判定フラグがオンになっている(YES)とCPU106が判断したときは、次に、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップSB202)。
そして、現在のRT状態が「RT2」でない(NO)とCPU106が判断したときは、押し順判定処理を終了して図47のステップSB68の判断処理を行う。これに対して、現在のRT状態が「RT2」である(YES)とCPU106が判断したときは、次に役抽選で抽選結果番号「16」が導出され、再遊技役bが単独で当選したか否かを判断する(ステップSB204)。再遊技役bが当選していない(NO)と判断したときは、押し順判定処理を終了する。一方、再遊技役bが当選した(YES)とCPU106が判断したときは、遊技者が、報知された操作順序でストップスイッチを操作したか否かを判定した回数を示す、判定回数JCの値を「1」加算する(ステップSB206)。この判定回数JCの値は、RAM110に記憶されているものとする。
次にCPU106は、報知操作順序と、実際に遊技者によってストップスイッチが操作された順序とを比較し、両者が一致するか否かを判断する(ステップSB208)。ここで、報知操作順序とは、遊技者が最初にストップスイッチを操作する前に、遊技者に対して報知されるストップスイッチの操作順序であり、CPU106によって決定されたものである。この報知操作順序を決定するための処理については後述する。そして、CPU106が、報知操作順序と、実際に行われた操作順序とが一致した(YES)と判断したときは、操作順序が一致した回数を示す変数CNの値を「1」加算する(ステップSB210)。
そして、CPU106は、判定回数JCの値が「5」になったか否かを判断する(ステップSB212)。未だ判定回数JCの値が「5」になっていない(NO)とCPU106が判断したときは、直ちに図48の押し順判定処理を終了する。これに対して、判定回数JCの値が「5」になった(YES)とCPU106が判断したときは、次にCPU106は、一致回数CNの値が「3」未満であるか否かを判断する(ステップSB214)。CNの値が「3」未満である(YES)とCPU106が判断したときは、カウントフラグをオフにして(ステップSB216)、計数値Gの値を「0」にする(ステップSB218)。一方、一致回数CNの値が「3」を超えた(NO)とCPU106が判断したときは、現在、ART中であるとみなし、外部装置に対してART信号を出力する(ステップSB220)。
そして、ステップSB218またはSB220の処理を行うと、CPU106は、判定回数JCの値および一致回数CNの値を「0」にクリアする(ステップSB222)。次いでCPU106は、押し順判定フラグをオフにして、図48に示す押し順判定処理を終了する。
<報知操作順序決定処理の説明>
次に、現在のRT状態が「RT2」であり、かつ、役抽選で再遊技役bが当選したときに、遊技者に報知する操作順序を決定するための、報知操作順序決定処理の内容について、図49(a)に示すフローチャートを参照しつつ説明する。この報知操作順序決定処理は、役抽選が行われた後にCPU109において実行されるものであり、報知操作順序が遊技者に報知される場合において、この報知操作順序決定処理が完了するまで、CPU106は、ストップスイッチの操作を受け付けないようにしている。
図49(a)に示すフローチャートにおいて、まずCPU106は、RAM110の所定の記憶領域を参照し、押し順判定フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップSB230)。そして、押し順判定フラグがオンになっている(YES)とCPU106が判断したときは、次に現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップSB232)。現在のRT状態が「RT2」であるとCPU106が判断したときは、次にCPU106は、今回の単位遊技における役抽選で、再遊技役bが単独で当選したか否かを判断する(ステップSB234)。そして、再遊技役bが単独で当選した(YES)とCPU106が判断したときは、遊技者に対して報知する操作順序を抽選によって決定する(ステップSB236)。
ここで、遊技者に対して報知する操作順序を直接抽選で決定してもよいし、例えば図49(b)に示すように、押し順判定フラグがオンになっている期間に、遊技者に対し報知操作順序が報知される回数(本実施形態では5回)分の操作順序を予め定めた押し順パターンを複数通り用意しておき、それら押し順パターンの中から1つを抽選によって選択するようしてもよい。
ステップSB236の処理によって報知操作順序を決定すると、次にCPU106は、決定した報知操作順序を示す情報を、役抽選結果情報とともに、副制御回路200へ送信し(ステップSB238)、図49(a)に示す報知操作順序決定処理を終了する。これにより、副制御回路200は、主制御回路100から受信した報知操作順序に関する情報に従って、遊技者に対して報知操作順序を報知する。
なお、報知操作順序の報知は、従来のスロットマシンにおいて、遊技者に対して操作順序を報知するときの態様によって行うものとする。また、ペナルティを課せられてしまう操作順序が報知操作順序として選択され、遊技者がその報知操作順序に従ってストップスイッチを操作した場合は、そのときに限ってペナルティを課さないようにするとよい。また、報知する操作順序を、6通りの操作順序の中から抽選によって直接選択する場合は、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作となる操作順序(操作順序1または操作順序2)が選択される確率を低く(または0)に設定することが望ましい。これは、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作となる操作順序は、ごく普通に行われる操作順序であることが大多数の遊技者に受け入れられており、また、実際にその操作順序でストップスイッチが操作される場合が多いためである。また、同様の理由から、ペナルティが課せられない操作順序は、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作となる操作順序であることが望ましい。すなわち、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作となる操作順序を、ペナルティが課せられる操作順序としてしまうと、遊技者に一般的ではない操作順序を強いることとなり、遊技操作をしづらくしてしまうからである。さらに、他の操作順序を、ペナルティが課せられない操作順序にしてもよいが、その操作順序が、報知操作順序として選択される確率を低くする、または、選択されないように、予め定めておくことが望ましい。
[副制御回路における制御処理の説明]
次に、図50および図51に示す各フローチャートを参照して、第5の実施形態の副制御回路200において実行されるART報知処理およびART制御処理について説明する。
<ART報知処理の説明>
まず、図50に示すフローチャートを参照して、第5の実施形態におけるART報知処理について説明する。ここで、図39および図40に示した第4の実施形態におけるART報知処理と異なる点は、まず、第5の実施形態では、図39に示すステップSA344およびSA346の処理を行わないこと、および、図40に示すART中の報知内容の代わりに、図50に示す処理を行う点である。すなわち、第5の実施形態では、図39のステップSA342の処理を行うと、図50に示すステップSB300以降の処理を行うことになる。よって以下では、図50に示すフローチャートの内容について説明する。
CPU206は、図39のステップSA342の処理を行うと、図50のステップSB300の処理を行う。すなわち、すなわち、図39のステップSA304で認識した抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれかであるか否かを判断する。そして、抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれかである(YES)と、CPU206が判断したときは、判断した抽選結果番号に応じて、中リール40Cの「ベル」図柄が中段Mに停止する操作順序(図9参照)を報知する(ステップSB302)。そして、CPU206は、ART報知処理を終了し、他の処理を行う。
ステップSB300の判断処理で、図39のステップSA304で認識した抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれでもないとCPU206が判断したときは、次に現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する(ステップSB304)。そして、現在のRT状態が「非RT」である(YES)と、CPU206が判断したときは、図39のステップSA304で認識した抽選結果番号が「10」〜「13」のいずれかであるか否かを判断する(ステップSB306)。抽選結果番号が「10」〜「13」のいずれかである(YES)と、CPU206が判断したときは、判断した抽選結果番号に応じて、再遊技役aが入賞することとなる操作順序(図34(a)参照)を報知する(ステップSB308)。そして、CPU206は、ステップSB308の処理を終えると、ART報知処理を終了し、他の処理を行う。
次にステップSB304の判断処理において、現在のRT状態が「非RT」ではない(NO)と、CPU206が判断したときは、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップSB310)。そして、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と、CPU206が判断したときは、図39のステップSA304で認識した抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれかであるか否かを判断する(ステップSB312)。そして、抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれかである(YES)と、CPU206が判断したときは、ステップSB308の処理へ進み、再遊技役aが入賞することとなる操作順序を報知する。ここで、再遊技役aが入賞することとなる操作順序は、図35(b)に示す抽選結果番号「16」〜「21」の場合と同様である。そして、CPU206は、ステップSB308の処理を終えると、ART報知処理を終了し、他の処理を行う。
また、上述したステップSB312の判断処理で、抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれでもない(NO)とCPU206が判断したときは、次に、抽選結果番号が「16」であるか否かを判断する(ステップSB316)。そして、抽選結果番号が「16」である(YES)とCPU206が判断したときは、主制御回路100から送信された報知操作順序を遊技者に対して報知し(ステップSB318)、ART報知処理を終了する。また、ステップSB316の判断処理で、抽選結果番号が「16」でない(NO)とCPU206が判断したときは、そのままART報知処理を終了する。
<ART制御処理の説明>
次に、図51に示すフローチャートを参照して、第5の実施形態におけるART制御処理について説明する。まず、CPU206は、主制御回路100から遊技結果情報および遊技状態情報を受信したか否かを判断する(ステップSB500)。CPU206が、遊技結果情報および遊技状態情報を受信していない(NO)と判断したときは、図51のART制御処理を終了して他の処理を行う。これに対して、遊技結果情報および遊技状態情報を受信した(YES)と判断すると、CPU206は、現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップSB502)。
ステップSB502の判断処理で、現在の遊技状態が「BB遊技」または「RB遊技」である(NO)とCPU206が判断したときは、実行中の特別遊技に応じた演出(特別遊技演出)を行う(ステップSB504)。これに対して、現在の遊技状態が「通常遊技」である(YES)とCPU206が判断したときは、次にRAM210に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSB506)。
(1)通常遊技中かつ非ART中の処理
ステップSB506の判断処理で、ARTフラグはオフ(NO)になっている(非ART中)と判断した場合、CPU206は、次にRAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSB508)。そして、ストック数STの値が「1」以上である(YES)とCPU206が判断したときは、次に現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップSB510)。
現在のRT状態が「RT3」である(YES)とCPU206が判断したときは、RAM210に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態をオンにして(ステップSB512)、RAM210に記憶されているARTの残り遊技回数AGの値を「50」にセットする(ステップSB514)。これにより、本実施形態のARTは1セット50ゲームとなる。そしてCPU206は、RAM210に記憶されているストック数STの値から「1」を減算し(ステップSB516)、次の単位遊技からART中に行うART演出を開始する(ステップSB518)。
なお、上述したステップSB508の判断処理で、CPU206がストック数STの値が「0」である(NO)と判断したとき、または、ステップSB510の判断処理で現在のRT状態が「RT2」ではない(NO)と判断したときは、CPU206は、そのまま図51のART制御処理を終了して他の処理を行う。
(2)ART中の処理
前述したステップSB506の判断処理で、CPU206が、ARTフラグがオンになっている(YES)と判断した場合は、次に、現在ARTが再開されるのを待機しているところ(ART再開待機中)であるか否かを判断する(ステップSB520)。本実施形態では、ART中に特別遊技が開始された場合、その特別遊技が終了すると、特別遊技が開始される直前のAGの値から、ARTを再開することとなる。ここで、特別遊技が終了して通常遊技状態へ移行したときは、RT状態が「RT1」にされるため(図46参照)、RT状態が「RT2」へ移行するまで、ARTの再開を待機するようにしている。よって、ステップSB520の判断処理で、CPU206がART再開待機中である(YES)と判断したときは、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップSB522)。
そして、現在のRT状態が「RT2」ではない(NO)とCPU206が判断したときは、ARTの再開を待機していることを示す待機演出を行い(ステップSB524)、図51のART制御処理を終了する。これに対して、ステップSB522の判断処理で、CPU206が、ART再開待機中にRT状態が「RT2」へ移行した(YES)と判断したときは、ステップSB524の処理によって開始した待機演出を終了し、中断していたART演出を再開する(ステップSB526)。そして、ART演出が再開された場合、または、ステップSB520の判断処理で、ART再開待機中ではない(NO)とCPU206が判断した場合は、ARTの残り遊技回数AGの値を「1」減算する処理を行う(ステップSB528)。
次にCPU206は、RAM210に記憶されている上乗せフラグがオンになっているか否かを判断し(ステップSB530)、上乗せフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、ARTの残り遊技回数AGの値に「30」を加算して(ステップSB532)、図51のART制御処理を終了する。これに対して上乗せフラグがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、AGの値が「0」になったか否かを判断する(ステップSB534)。そして、AGの値が「0」になっていない(NO)とCPU206が判断したときは、図51のART制御処理を終了する。
これに対して、AステップSB534の判断処理で、AGの値が「0」になっている(YES)とCPU206が判断したときは、RAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップSB536)。そして、ストック数STの値が「0」である(NO)とCPU206が判断したときには、ARTを終了させるべく、RAM210に記憶されているARTフラグをオフにした後(ステップSB538)、通常演出を開始する準備をしてから(ステップSB540)、図51に示すART制御処理を終了する。一方、ステップSB536の判断処理で、ストック数STの値が「1」以上である(YES)とCPU206が判断したときには、引き続き次のARTを開始すべく、前述したステップSB514以降の処理を行った後、図51に示すART制御処理を終了する。
≪RT状態および演出内容の遷移と、ART信号の出力との関係≫
次に、図52を参照して、RT状態および演出内容の遷移と、外部へ出力されるART信号の出力との関係について説明する。ここで、図52に示す例では、ARTが終了する際に、副制御回路200のRAM210に記憶されているストックの数STが2つあり、次のARTが開始することが確定している。また、図52(a)は、ART中に特別遊技が行われなかった場合を示し、図52(a)は、ART中に特別遊技が行われた場合を示している。
まず、図52(a)を参照して、ART中に特別遊技が行われなかった場合における、RT状態および演出の変化と、ART信号の出力との関係について説明する。図52(a)に示すように、ストックが2つ蓄積されている状態で、RT状態が「非RT」から「RT2」へ移行すると、ARTが開始される。このとき、計数値Gの値は「0」であることから、RT状態が「非RT」から「RT2」へ移行したときに、ARTが開始されたことを示す外部信号が出力される(図47、ステップSB74,YES→SB76)。そして、カウントフラグがオンにされて(図47、ステップSB78)、単位遊技が行われる毎に計数値Gの値が「1」ずつ加算されていく(図47、ステップSB68,YES→SB70)。やがて、計数値Gの値が「50」を超えると、押し順判定フラグがオンにされて(図47、ステップSB80,YES→SB84)、判断期間が開始される。
この判断期間中は、再遊技役bが当選するごとに報知操作順序が決定され(図49、ステップSB234)、報知操作順序と、遊技者によってストップスイッチが操作された順序とが一致すると、一致回数CNの値が「1」加算される(図48、ステップSB208,YES→SB210)。そして、判定回数JCが「5」になったときに、CNの値が「3」以上であれば、ART信号が出力される(図48、ステップSB212,YES→SB214,NO→SB220)。なお、ARTが継続しないときは、ARTフラグがオフになるため(図51、ステップSB536,NO→SB538)、図39のステップSB326の判断結果がNOとなって、図50のステップSB318の処理が行われなくなり、判定期間中に操作順序が報知されなくなるため、CNの値が「3」未満になりやすいので、ART信号が外部へ出力される可能性を極めて低くすることができる。また、判断期間中に、小役2aが単一入賞した場合や、再遊技役bが当選したときに報知した操作順序と、実際に行われた操作順序とが、一致しなかった場合に、CNの値を「0」にクリアするようにすれば、ART信号の正確度をより高くすることができる。
次に、図52(b)を参照して、ART中に特別遊技が行われた場合のRT状態および演出の変化と、ART信号の出力との関係について説明する。まず、ARTが開始してからnゲーム目にBB役が入賞してBB遊技が開始されたとする。BB遊技中は、図47のステップSB52の判断結果がNOとなるため、計数値Gの加算(図47、ステップSB70)は行われないことになる。そして、BB遊技が終了すると、図47のステップSB108における押し順判定再開処理では、計数値G、判定回数JC、一致回数CNの値を、BB遊技の開始前の状態から引き継いで、押し順判定に関する処理を再開させる。
これにより、特別遊技が終了した後、RT状態が再び「RT2」に復帰してから(50−n)ゲーム目に押し順判定フラグがオンになり、以後、再遊技役bが当選するごとに、報知操作順序が決定され、報知操作順序と、実際にストップスイッチが操作された順序とが比較され、その結果に応じて一致回数CNの値が加算されていく。そして、判定回数JCの値が「5」になると、一致回数CNの値が「3」以上であるか否かが判断され、「3」以上であれば、ART信号が出力される。
なお、上述した実施形態では、押し順判定フラグがオンになっている間(以下、押し順判定期間という)にBB遊技が開始された場合も、BB遊技後は、BB遊技開始直前の判定回数JCおよび一致回数CNの値から、報知操作順序と、実際にストップスイッチが操作された順序とが比較され、判定回数JCの値が「5」になったときに、一致回数CNの値が「3」以上であれば、ART信号が出力される。
このような処理を行う代わりに、押し順判定期間中にBB遊技が開始された場合、BB遊技後に、RT状態が「RT1」から「非RT」へと移行し、さらに、「非RT」から「RT2」へ移行したときに、押し順判定フラグがオンになっていることを条件として、ART信号を出力するようにしても良い。この場合、ART信号を出力した後は、計数値G、判定回数JC、一致回数CNの値をクリアし、押し順判定フラグをオフにするのが望ましい。
また、上述した実施形態のように、第1停止操作時に左ストップスイッチ以外のストップスイッチを操作した時にペナルティを課すようなスロットマシンではない場合、「非RT」から「RT2」への移行が頻繁に行われる可能性があるため、上述した実施形態のように、最初のART開始時に、RT状態が「非RT」から「RT2」への移行したことによってART信号を出力する場合、当該ART信号が必ずしもARTの開始を表しているとは限らない。そこで、操作順序にペナルティを設けていないスロットマシンにおいては、RT状態の変化によってART信号を出力させず、すべて、押し順判定期間内において、報知操作順序と、実際に操作された順序との比較に基づいて、ART信号を出力させることが望ましい。
この場合、押し順判定期間は、1回のART中に開始されるように、計数値Gとの比較値を定める必要がある。例えば、RT状態が「非RT」から「RT2」へ移行したときに、暫定的にARTへ移行したと仮定し、カウントフラグをオンにして計数値Gの計数を開始する。そして、1回のARTの遊技回数「50」に対して、例えば計数値Gのカウント値が「30」になったときに、押し順判定期間を開始する。そして、報知操作順序と、実際に行われた操作順序とを比較し、一致した回数が所定値以上だった場合に、ART信号を出力する。ここで、押し順判定期間を開始する計数値Gの値は、必ずしも一定値にする必要は無く、たとえば計数値Gのカウントを開始する際に、複数の値の中から1つを選択し、計数値Gの値が、選択した値になったときに、押し順判定期間を開始するようにしてもよい。
また、押し順判定期間中に、役抽選でBB役が当選したときは、「RT2」における再遊技役bの当選確率を上昇させ、BB役の入賞を回避させやすく、かつ、報知操作順序と、実際に行われた操作順序との比較が行われる頻度を高くすることで、BB遊技が開始される前に、ART中であるか否かの判断を完了させやすくしてもよい。
また、上述したように、RT状態の変化に依存せずに、ART信号を出力する場合において、押し順判定期間中にBB遊技が開始された場合において、BB遊技が終了して、再び押し順判定を行う際に、押し順判定フラグがオンになっていたときは、判定回数JCおよび一致回数CNの値をクリアし、報知操作順序と、実際に行われた操作順序との比較を、改めてやり直すようにしてもよい。
また、押し順判定期間中にBB遊技が開始された場合において、BB遊技が終了して、再び押し順判定を行う際に、押し順判定フラグがオンになっていたときは、上述した場合とは逆に、判定回数JCおよび一致回数CNの値を、それぞれ、BB遊技が開始される直前の値から引き継ぎ、それらの値から報知操作順序と、実際に行われた操作順序との比較を再開させてもよい。
また、押し順判定期間中にBB遊技が開始された場合において、BB遊技が終了して、再び押し順判定を行う際に、RT状態が「非RT」から「RT2」へ移行したときに、押し順判定フラグがオンになっていたときは、一致回数CNの値をチェックして、少なくとも「2」以上の値であったときは、そのことをもってART信号を外部へ出力するようにしてもよい。
また、ART中にBB遊技が開始されると、そのBB遊技の終了後、ARTを再開するときに、それまでの計数値G、判定回数JC、一致回数CNの値をクリアするよう構成した場合は、押し順判定期間中にBB役が入賞したときに、ART信号を外部へ出力するようにしてもよいし、BB遊技が終了して、RT状態が「非RT」から「RT2」へ移行したときに、ART信号を外部へ出力するようにしてもよい。
さらに、副制御回路200において、上乗せが発生した場合は、そのことをストップスイッチの操作順序によって主制御回路100が認識できるようにしてもよい。例えば、ART中に上乗せが発生した場合、押し順判定期間中に副制御回路200において、特殊な押し順パターンを報知するようにする。例えば、再遊技役bが5回当選した場合、5回とも同じ操作順序を報知する。これにより、押し順判定期間中に役抽選で再遊技役bが当選したときに、実際に操作された順序が全て同じ操作順序だった場合は、主制御部100は、上乗せが発生したと判断する。そして、上乗せが発生したということは、ART中であることを意味するため、ART信号を外部へ出力する。また、他の方法として、例えば、図49(a)のステップSB236において、報知操作順序を抽選により決定する場合、6通りの操作順序のうち、予め特定の操作順序だけは抽選の対象から外しておく。そして、上乗せが発生した場合に限って、抽選の対象から外した操作順序を報知するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、報知用操作順序を主制御回路100で決定していたが、副制御回路200が決定するようにしてもよい。例えば、図49(b)に示した押し順パターンを、主制御回路100と、副制御部200とで各々記憶しておき、副制御回路200は、押し順判定期間が開始されたとき、いずれか1つの押し順パターンを選択し、再遊技役bが当選するごとに、選択した押し順パターンに従って報知操作順序を報知していく。一方、主制御回路100では、RT状態が「RT2」になっているときに、再遊技役bが当選するごとに実際に操作された押し順を記録していき、各押し順が、図49(b)に示した、いずれかの操作パターンと一致すれば、ART中であるとみなしてART信号を外部へ出力する。または、図49(b)に示した操作パターンのうち、5回のうち少なくとも2回以上、操作順序が一致する操作パターンがあった場合は、ART中であるとみなしてART信号を外部へ出力するようにしてもよい。このような構成にすれば、主制御回路100において報知用操作順序を決定し、それを副制御回路200へ送信しなくても済むため、主制御回路100の制御負荷を軽減させることができる。
さらに、第5の実施形態に、第4の実施形態における上乗せの仕組みを組み込んでも良い。この場合、上乗せ抽選は、副制御回路200で行ってもよいし、主制御回路100で行ってもよい。なお、主制御回路100で上乗せ抽選を行う場合は、上乗せ抽選に当選したときに、その旨を副制御回路200へ送信する必要があるが、主制御回路100において、上乗せされたARTのゲーム数を正確に把握することができる。また、上乗せ抽選は、RT状態が「RT2」になっているとき(すなわち、ARTが開始され得るRT状態になっているとき)に、行うようにしてもよい。さらに、ART中に上乗せが生じた場合は、押し順判定期間の開始を上乗せされた遊技回数分だけ遅らせるようにしてもよい。なお、副制御回路200は、ART中でないときに、主制御回路100から上乗せが発生した旨の情報を受け取った場合は、それを無視するようにする。また、副制御回路200で上乗せ抽選を行う場合は、上乗せが発生したときに、そのことを直接、主制御回路100が認識することはできないため、上述したように、いずれかの操作パターンと一致した場合、または、所定回数以上、操作順序が一致する操作パターンがあった場合に、ART信号を外部へ出力するとよい。
また、図49(a)に示した報知操作順序決定処理において、ステップSB234で、再遊技役bが当選したと判断したときに、ステップSB236で、報知操作順序の抽選を行っていたが、報知操作順序の抽選を行う契機となる役は、再遊技役に限定されるものではないが、ストップスイッチの操作順序または操作タイミングによっては入賞しない役でないことが望ましい。例えば、如何なるタイミングでストップスイッチが操作された場合でも、任意の有効ライン上に停止させることができる図柄(いわゆる引込率が100%の図柄)によって構成された図柄組合せが対応付けられた役であることが望ましい。また、役抽選でハズレになったときに、報知操作順序の抽選を行うようにしてもよい。
また、図52に示した例では、最初に行われるARTについては、「非RT」のときに再遊技役aが入賞すると、ART信号を出力するようにしていたが、その代わりに、最初のARTの最後の数ゲームで、操作順序に関する判定を行い、その結果に基づいて最初のARTに関するART信号を出力するようにしてもよい。このような場合において、主制御回路100で上乗せ抽選を行う構成としたときは、例えば、押し順判定期間中に上乗せが発生した場合、その時点における判定回数および一致回数をクリアし、改めて押し順判定期間を開始させるための処理からやり直すようにしてもよい。