JP2013202287A - スロットマシン - Google Patents

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英司 林
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隆哉 米田
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Abstract

【課題】操作態様に応じて遊技者に付与する利益の内容を多様化し、また、取りこぼしが生じない所定の役の、各リールにおける図柄数をできるだけ少なくすることができるスロットマシンを提供すること。
【解決手段】役抽選で小役1Aを含む複数の小役1が当選したときは、その当選役の図柄組合せを有効ラインL1〜L8のうち、いずれか1本の有効ラインに必ず停止させることができるが、有効ラインL9に対しては、ストップスイッチを適正なタイミングで操作しなければ停止させることができない。そして、ストップスイッチが、正解操作順序で操作されたときは(S110,YES)、有効ラインL1〜L8のうちいずれかを目標にしてリール停止制御を行い(S112)、正解操作順序で操作されなかったときは(S110,NO)、有効ラインL9を目標にしてリール停止制御を行う(S114)。
【選択図】図17

Description

本発明は、複数の図柄が描かれたリールを停止させたときに表示された図柄の組合せによって結果が定まる遊技において、遊技者に有利な遊技状態へ移行するスロットマシンに関する。
従来から遊技機の1つとして、スロットマシンが広く知られている。この種のスロットマシンは、遊技開始条件が満たされるとスタートスイッチの操作が有効になり、遊技者がスタートスイッチを操作すると遊技が開始される。遊技開始条件としては、例えば、遊技者によりメダルや遊技球などの遊技価値が規定数投入されること、磁気カードやICカード、または、携帯電話のメモリなどの記録媒体に記憶された遊技価値や、インターネットに接続されたサーバにおいて、各遊技者に対応して記憶されている遊技価値を、一定量消費すること、などが考えられる。
遊技が開始されると、スロットマシンにおいて役抽選が行われ、各々複数の図柄が描かれた複数のリールが回転し始める。やがてリールの回転速度が所定の速度(一般に約80回転/分)に達すると、各リールに対応して設けられたストップスイッチの操作が有効となる。これにより、遊技者が各リールに対応するストップスイッチを操作するごとに、スロットマシンは、操作されたストップスイッチに対応するリールを停止させていき、全てのリールが停止したときに、1回の遊技結果が定まる。すなわち、リールの表示窓内に定められている有効ラインに沿って表示された図柄組合せが、役抽選で当選した役(以下、当選役という)に対応していた場合は、その役が入賞したことになり、入賞した役(以下、入賞役という)に対応する特典が遊技者に付与される。一方、役が入賞しなかった場合は特典が付与されることなく1回の遊技が終了する。なお、以下では、上述した1回の遊技を単位遊技という。
一般に、この種のスロットマシンでは、ストップスイッチが操作されてから所定時間(例えば190ミリ秒)以内でリールを停止させている。そして、停止させるリールにおいて、所定時間以内に当選役に対応する図柄組合せを構成している図柄(以下、当選役の図柄または当選図柄という)を、有効ラインの位置に停止させることができるときは、その当選図柄を有効ラインの位置に停止させる。一方、当選図柄を有効ラインの位置に停止させることができないときは、当選役以外の役が入賞しないようにリールを停止させる。ここで、当選図柄を有効ラインの位置に停止させることができなかったときは、当選役が入賞しないことになるが、このような状態を取りこぼしという。
なお、あるリールを停止させるときに既に他のリールが停止している場合、当該他のリールにおける当選役の図柄が、有効ラインの位置に停止しているときは、これから停止させようとしているリールについても、その有効ライン上に当選図柄を停止させる。また、当該他のリールにおいて有効ラインの位置に当選役の図柄が停止していないとき(すなわち、既に当選役が入賞する可能性が消失しているとき)は、その有効ライン上に予め定めたリール制御データに基づいた図柄を停止させることができる。
一般に、上述した役には、大別して小役、再遊技役、特別役がある。小役が入賞すると、特典として予め定められていた遊技価値が付与される。遊技価値の付与の具体的な態様としては、所定枚数のメダルの払い出しや、記録媒体に記憶されている遊技価値に所定量の遊技価値を加算することなどが考えられる。再遊技役が入賞すると、特典として遊技価値を消費することなく1回だけ再び単位遊技を行うことができる(この遊技を再遊技という)。また、特別役が入賞したときには、特典として次の遊技から所定の終了条件が成立するまで特別遊技を行うことができる。この特別遊技では、例えば特別遊技以外の遊技(以下、通常遊技という)よりも小役が入賞する確率を高くするなどして、出玉率が高く設定されているため、特別遊技が行われている遊技状態は、より多くの遊技価値を獲得し易くなる遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
このため、この種のスロットマシンにおける遊技では、特別遊技が開始されることとなる特別役の入賞が遊技者の大きな関心事の一つとなる。よって通常は、特別役の図柄組合せを、インパクトのある目立つ図柄によって構成している。また、例えば特許文献1に記載されているスロットマシンは、役抽選で特別役が当選したときに、少なくとも遊技者によるストップスイッチの操作タイミングによっては取りこぼしが生じないように工夫したものもある。具体的には、3つのリールの各々における図柄数を21個にして、各リールに「緑7」,「赤7」,「青7」の3つの図柄を1つずつ等間隔に配置し、これら3つの図柄の任意の組合せ(3=27通り)を、特別役に対応する図柄組合せ(以下、特別役の図柄組合せともいう)として定めている。また、リール表示窓の大きさを各リールにつき上段・中段・下段の3図柄分とし、各リールにおいて、リール表示窓の上段または下段のいずれか一方を、任意に通過する8本の有効ラインが定められている。
このような構成することで、「所定の速度」を80回転/分とすれば、役抽選で特別役が当選した場合、ストップスイッチをどのようなタイミングで操作しても、190ミリ秒が経過するまでの間に、特別役の図柄(「緑7」、「赤7」または「青7」)をリール表示窓の上段または下段に停止させることができる。すなわち、特別役に対応する27通りの図柄組合せのうちいずれか1つを、8本の有効ラインのうちいずれか1本に沿って停止表示させることができる。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、1つの役に対して1種類のボーナス図柄組合せと、53種類の小役図柄組合せとを対応付け、当該役が内部当選したときに、ストップスイッチの操作順序および操作タイミング(以下、まとめて「操作態様」という)に応じて、ボーナス図柄組合せ、小役図柄組合せ、またはいずれにも該当しない図柄組合せが、停止表示されるように各リールの停止表示を行っている。そして、ボーナス図柄組合せが停止表示されたときは、次の単位遊技からボーナス遊技が開始し、小役図柄組合せが停止表示されたときは、3枚のメダルを払い出し、いずれにも該当しない図柄組合せが停止表示されたときは、遊技者に何ら特典を付与することなく、そのまま単位遊技を終了させていた。
特開2011−41721号公報
ところで、各リールにおける図柄配列の自由度を高め、また、役抽選における特別役の当選確率と、全図柄組合せに対する特別役の図柄組合せ数の割合と、の著しい乖離を避け、遊技者の射幸心を過度に煽らないようにするには、全図柄組合せに対する特別役の図柄組合せ数の割合をできるだけ小さくすることが望ましい。これを実現するには、例えば、各リールにおける特別役の図柄数を少なくすればよいが、図柄数を少なくし過ぎると、リールの回転速度(例えば80回転/分)と、ストップスイッチが操作されてから停止するまでの許容時間(例えば190ミリ秒)との関係から、いわゆる取りこぼしが生じ易くなってしまう。
また一方では、幅広い遊技者に対応するために、いわゆる目押しに関する技量に関わらず、特別役の図柄組合せを有効ラインに沿って停止させることができるスロットマシンのニーズも確実に存在する。しかしながら、このようなニーズに応えるには、従来は特許文献1に記載されたスロットマシンのように、各リールにおける特別役の図柄を増やすしかなく、それに伴う上述した問題点を解消することはできなかった。
また、特許文献1に記載されたスロットマシンでは、1回の単位遊技の結果によって遊技者に付与される利益が、ストップスイッチの操作態様に応じて、ボーナス遊技の開始、3枚のメダル払い出し、または、何ら付与せず、という内容に変化し得るようになっているが、さらに操作態様に応じて付与される利益の内容を多様化することで、遊技者にとって有利な(または不利な)遊技状態を多様化させたいという要望があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、操作態様に応じて遊技者に付与する利益の内容を多様化し、また、取りこぼしが生じない所定の役の、各リールにおける図柄数をできるだけ少なくすることができるスロットマシンを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、複数の図柄が配置された複数のリールの回転が停止したときに、入賞ラインに沿って表示された前記図柄の組合せに基づいて、いずれかの役が入賞したか否かが定まるスロットマシンであって、
前記複数の図柄のうち一部の図柄を表示するとともに、該表示された各図柄に対応する複数の停止位置が定められた表示窓と、
役を決定する役抽選手段と、
外部からの操作に応じて前記複数のリールの回転を停止させるリール停止制御手段と、を備え、
前記役抽選手段によって決定される役は、複数の役で構成された一群の役と、入賞時に付与される利益が前記一群の役に属する役と異なる他の役を含み、
前記入賞ラインには、複数の入賞ラインによって構成された入賞ライン群と、該入賞ライン群には属さない特定入賞ラインとがあり、
前記リール停止制御手段は、
前記役抽選手段によって前記一群の役に属する一部の役と前記他の役とが重複して決定されたときに、
前記外部から第1操作態様で操作された場合は、前記重複して決定された一部の役に対応する図柄組合せのうちいずれかが、操作されたタイミングに応じて前記特定入賞ラインに沿って停止表示されるように、前記複数のリールを停止させ、
前記外部から第2操作態様で操作された場合は、前記他の役に対応する図柄組合せを、前記入賞ライン群に属する入賞ラインに沿って必ず停止表示されるように、前記複数のリールを停止させ、または、
前記外部から第3操作態様で操作された場合は、前記他の役に対応する図柄組合せを、前記特定入賞ラインに沿って必ず停止表示されるように、前記複数のリールを停止させることを特徴としている。
本発明によれば、役抽選手段によって「一群の役に属する一部の役」と「他の役」とが重複して決定されたときに、外部から第1操作態様で操作されると、その操作タイミングに応じて「一群の役に属する一部の役」の図柄組合せが、特定入賞ラインに沿って停止表示される場合と、停止表示されない場合とが生じ得る。
また、「一群の役に属する一部の役」と「他の役」とが重複して決定されたときに、外部から第2操作態様で操作されると、「他の役」の図柄組合せが、必ず入賞ライン群に属する入賞ラインに沿って停止表示される。
さらに、「一群の役に属する一部の役」と「他の役」とが重複して決定されたときに、外部から第3操作態様で操作されると、「他の役」の図柄組合せが、必ず特定入賞ラインに沿って停止表示される。
これにより、外部から第1操作態様で操作されたときは、操作タイミングに応じて「一群の役に属する一部の役」による利益が、付与される場合と、付与されない場合とが生じる。また、外部から第2または第3操作態様で操作されたときは、「他の役」による利益を、「入賞ライン群に属する入賞ライン」上で入賞した場合と、「特定入賞ライン」上で入賞した場合と、で異ならせることができる。このように、本発明によれば、従来に比し、外部からの操作態様に応じて遊技者に付与する利益の内容を多様化させることができる。
また、本発明は、前記一群の役のいずれかが入賞したときに遊技者に付与される利益は、前記他の役が入賞したときに付与される利益よりも少ないことを特徴としている。
本発明によれば、操作タイミングに応じて取りこぼす可能性のある「一群の役に属する一部の役」による利益が、「他の役」による利益よりも少なくなっている。このため、「一群の役に属する一部の役」を取りこぼしてしまった場合でも、「一群の役に属する一部の役」と「他の役」とが重複して決定されたときにおける損失を少なくすることきができる。
また、本発明は、前記リール停止制御手段が、
前記複数のリールの各々に対応する操作が可能であり、該操作に対応するリールの回転を停止させ、
前記役抽選手段によって前記一群の役に属する一部の役と前記他の役とが重複して決定されたときに、前記外部から第1操作態様で操作されると、
外部からの操作に対応するリールに配置されている図柄のうち、前記役抽選手段によって決定された役に対応する図柄組合せを構成している図柄であって、最も多くの役に関与している図柄を、操作されたタイミングに応じて前記特定入賞ラインの位置に停止させることを特徴としている。
本発明によれば、外部から第1操作態様で操作されたときは、その操作に対応するリール配置されている図柄のうち、決定された役の中で最も多くの役に関与している図柄が、操作されたタイミングに応じて特定入賞ラインの位置に停止する。このため、何らかの役が入賞する可能性を高くすることができ、遊技者が第1操作態様で操作してしまった場合でも、入賞への期待を維持させることができる。
また、本発明は、前記複数のリールのうち少なくとも1つのリールには、前記一群の役に属する役に対応する図柄組合せを構成する第1の図柄と、前記他の役に対応する図柄組合せを構成する第2の図柄と、が配置され、
前記役抽選手段が、前記一群の役に属する一部の役と、前記他の役と、を重複して決定するときは、
前記第2の図柄を含んで構成される前記他の役に対応する図柄組合せの数よりも、
前記第1の図柄を含んで構成される前記一群の役に属する一部の役に対応する図柄組合せの数の方が多くなるように、重複して決定することを特徴としている。
本発明によれば、外部から第1操作態様で操作されたときは、「一群の役に属する一部の役」の図柄組合せを構成している図柄が、操作されたタイミングに応じて特定入賞ラインの位置に停止する。このため、「一群の役に属する一部の役」が入賞する可能性を高くすることができる。
また、本発明は、前記リール停止制御手段が、
前記複数のリールの各々に対応する操作が可能であり、該操作に対応するリールの回転を停止させ、
前記役抽選手段によって前記一群の役に属する一部の役と前記他の役とが重複して決定され、かつ、前記外部から第2または第3操作態様で操作されたときに、前記入賞ラインの位置に停止させる図柄を、
外部からの操作に対応するリールに配置されている図柄のうち、前記役抽選手段によって決定された役に対応する図柄組合せを構成している図柄であって、入賞したときに付与される利益が最も多い役に関与している図柄とすることを特徴としている。
本発明によれば、外部から第2または第3操作態様で操作されたときは、その操作に対応するリール配置されている図柄のうち、決定された役の中で遊技者に付与する利益が最も多くなる役に関与している図柄が、入賞ラインの位置に停止する。このため、第2または第3操作態様で操作したことによって何らかの役が入賞したときは、遊技者に付与する利益をより多くすることができる。
前記他の役に対応付けられた図柄組合せは、
該図柄組合せを構成している各図柄に対応する各々のリールに配置された全種類の図柄のうち、一部の種類の図柄を用いてなる図柄組合せであり、
前記リール停止制御手段は、
前記役抽選手段によって前記一群の役に属する一部の役と前記他の役とが重複して決定され、かつ、前記外部から第2操作態様で操作されたときに、
前記他の役に対応する図柄組合せを、前記入賞ライン群に属する複数の入賞ラインに沿って必ず停止表示されるように、前記複数のリールを停止させることを特徴としている。
本発明によれば、「他の役」に対応付けられた図柄組合せが、複数のリールの各々に配置されている全図柄のうち、一部の種類の図柄を用いて構成される図柄組合せであるため、「他の役」に対応する図柄組合せの数が制限される。すなわち、例えば「チェリー−ANY−ANY」(いわゆる「単チェリー」)の図柄組合せのように、任意の図柄を含む組合せに比べ、図柄組合せの数が制限される。これにより、「他の役」の図柄組合せ数が増え過ぎることによって、遊技者の射幸心を過度に煽ってしまう虞を少なくすることができる。また、「他の役」の図柄組合せが、複数の入賞ラインに沿って停止表示されるため、停止表示された入賞ラインの本数に応じて、「他の役」が入賞したことによる利益が増え、遊技者により大きな満足感を与えることができる。
さらに、本発明は、前記複数のリールには、各々20個の図柄が一列に配置され、各リールに配置された図柄のうち、前記他の役に対応する図柄組合せを構成している図柄が2個、互いに9個の他の図柄を挟んで配置されており、
前記複数のリールに配置された図柄のうち、連続する6個の図柄を表示するとともに、該表示する6個の図柄の各停止位置が定められた表示窓を備え、
前記入賞ライン群に属する入賞ラインは、前記複数のリールの各々に対応する前記6個の図柄の各停止位置のうち、前記リールの回転方向に対して最も上流側に位置する最上位停止位置と、最も下流側に位置する最下位停止位置と、のいずれか一方を全リールに亘って通過するラインであり、
前記特定入賞ラインは、前記前記最上位判定停止位置または前記最下位判定停止位置を除いた、いずれか1つの前記停止位置を全リールに亘って通過するラインであり、
前記リール停止制御手段は、
外部から操作されると、移動中の図柄が、該操作がされた時点における直近の前記停止位置から、更に4個の図柄数だけ移動するまでに存在する前記停止位置のいずれかに、該図柄が停止表示されるように、前記リールの回転を停止させることを特徴としている。
本発明によれば、各リール上に一列に配置された20個の図柄のうち、連続する6個の図柄を表示する表示窓が設けられている。また、リール停止制御手段は、外部から操作された時点における図柄が、直近の停止位置からさらに4図柄分移動するまでの間にリールの回転を停止させる。また、「他の役」に対応する図柄組合せを、各リールに均等な間隔で(すなわち、間に9個の図柄を挟んで)配置した2つの図柄の任意の組合せ(すなわち、図柄組合せ数は2=8通り)とし、各リールに対応する「最上位判定停止位置」または「最下位判定停止位置」の一方を通過するすべてのラインを、入賞ライン群に属する入賞ラインとする。これにより、外部からの操作がいかなるタイミングで行われたとしても、「他の役」の図柄組合せを、入賞ライン群に属するいずれかの入賞ラインに沿って停止表示させることができる。すなわち、「他の役」を取りこぼしが生じない役にすることができる。
以上のように、本発明のスロットマシンによれば、操作態様に応じて遊技者に付与する利益の内容を多様化し、また、取りこぼしが生じない所定の役の、各リールにおける図柄数をできるだけ少なくすることができる。
本発明に係るスロットマシンの外観を示す正面図である。 同スロットマシンにおける有効ラインを説明するための説明図である。 同スロットマシンが備える各リールの図柄配列を説明するための説明図である。 同スロットマシンを制御する主制御回路の構成を示すブロック図である。 同スロットマシンを制御する副制御回路の構成を示すブロック図である。 同スロットマシンの制御の機能を示す機能ブロック図である。 同スロットマシンにおける小役の種類と、それに対応する図柄組合せおよび配当を説明するための説明図である。 同スロットマシンにおける特別役および再遊技役の種類と、それに対応する図柄組合せを説明するための説明図である。 同スロットマシンにおいて通常遊技中の役抽選で参照される特別役および小役の役抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。 同スロットマシンにおいて通常遊技中およびMB遊技中の役抽選で参照される再遊技役の役抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。 同スロットマシンにおいて各RB遊技中の役抽選で参照される役抽選テーブルの内容を説明するための説明図である。 同スロットマシンにおけるリール上の図柄と、リール停止制御との関係を説明するための説明図である。 同スロットマシンにおける遊技状態の遷移を示す状態遷移図である。 同スロットマシンにおける主制御回路で実行される遊技の進行を制御するメインルーチンの内容を示すフローチャートである。 同メインルーチン内で実行される役抽選処理の内容を示すフローチャートである。 同メインルーチン内で実行されるリール制御処理の内容を示すフローチャートである。 同リール制御処理内で実行される通常遊技中のリール停止制御処理の内容を示すフローチャートである。 同リール停止制御処理により、ストップスイッチの操作順序に応じて停止表示される図柄の態様を説明するための説明図である。 同リール制御処理内で実行される特別遊技中におけるリール停止制御処理の内容を示すフローチャートである。 各RT状態で使用する役抽選テーブルの構成を示す模式図である。 同メインルーチン内において、通常遊技中に実行される入賞判定処理の内容を示すフローチャートである。 同入賞判定処理のうち、特別遊技中に実行される内容を示すフローチャートである。 本発明に係るスロットマシンにおける副制御回路で実行されるART報知処理の内容を示すフローチャートである。 同副制御回路で実行されるペナルティ処理の内容を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の一実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。図1は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置20が設けられている。なお、表示装置20は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置20には、画像によって表示される3つのリール(以下、画像リールという)の動きを表示するための、画像リール表示領域GRが設けられている。また、例えば、従来から公知の遊技履歴情報、メダル投入の可能状態、いわゆるウエイト中の状態、ストップスイッチの操作可能状態、および、再遊技の実行中、といった各種ステータス情報を表示したり、単位遊技を行うために投入したメダル枚数、小役が入賞したときに払い出されるメダルの枚数、および、スロットマシン10に貯留されているメダルの枚数、といったメダルに関する各種情報を表示したり、役抽選の結果を報知するための演出画像や、遊技の進行(メダル投入→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等が表示される。
表示装置20の下側には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。このメダル投入口32の内部には、メダルセンサ(図示略)が設けられており、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、メダル検出信号を出力する。このメダル検出信号の出力回数を計数することで、投入されたメダルの枚数を認識することができる。また、操作パネル部30の上面左側には、クレジット(貯留)されているメダルをスロットマシン10へ投入することができる1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35が設けられている。スロットマシン10には最大で50枚のメダルを貯留しておくことができ、1−ベットスイッチ34を1回操作すると、貯留されているメダルのうち1枚が遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入される。また、最大ベットスイッチ35を1回操作すると、遊技状態に応じた規定数のメダルがスロットマシン10へ投入される。ここでは、BB遊技中(後述する)は2枚のメダルが投入され、それ以外の遊技では3枚のメダルが投入される。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。遊技者がスロットマシン10に規定数のメダルを投入した後、スタートスイッチ36を傾動操作すると、後述する3つのリール72L,72C及び72Rが一斉に回転を開始する。これにより、リール72L,72C及び72Rの各外周面に印刷された図柄は、表示窓22において上から下へと移動(スクロール)表示される。操作パネル部30の正面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。左ストップスイッチ37Lは左リール72Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール72Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール72Rに対応している。ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、3つのリール72L,72C及び72Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分)に達すると、遊技者による操作が有効となる。そして、左ストップスイッチ37Lを遊技者が押動操作したときには、左リール72Lが停止し、中ストップスイッチ37Cを押動操作したときには、中リール72Cが停止し、右ストップスイッチ37Rを押動操作したときには、右リール72Rが停止する。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。1回の単位遊技で小役が入賞したときは、スロットマシン10の内部に設置されたホッパー(図示略)が作動して、メダル払出口60からその小役に対応した枚数のメダルが払い出され、受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
表示装置20の上方には上部パネル70が設けられており、上部パネル70の略中央には、パネル裏面に設置されたリール72L,72C,72Rに描かれた図柄のうち、一部の図柄を視認可能とする表示窓74が形成されている。表示窓74の上方には、単位遊技が行われた結果、何らかの役が入賞したときに、入賞した役に応じたパターンで点滅する上部演出ランプ76が設けられている。
リール72L,72C,72Rは、各回転軸が、水平方向の同一直線上に並ぶように並設されている。各リールは各々、リング状の形状を有し、その外周面には20個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓74からは、リール72L,72C及び72Rが停止しているときに、各リールに印刷された20個の図柄のうち、各リールの回転方向に沿って連続する6つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓74には、6(図柄)×3(リール)=合計18個の図柄が停止表示される。
ここで、表示窓74に表示される図柄および有効ラインについて図2を参照して説明する。リール72L,72C及び72Rが停止しているときに、表示窓74には、図2に示すように、各リールにおける連続する6つの図柄が各々表示される。以下、これら6つの図柄の各図柄停止位置を、表示窓74の下側から順に、下段D、中段M、上段U、枠上U1、枠上U2、枠上U3という。また、表示窓74には、リール72L,72C及び72Rの各々6つの図柄停止位置のうち、いずれか1つの図柄停止位置を通過してなる入賞ラインが定められている。入賞ラインは、複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せが停止表示されたか否かを判定(すなわち、入賞判定)する際の基準となり得るラインである。より具体的には、これら入賞ラインのうち、有効化された入賞ライン(以下、有効ラインという)に沿って停止表示された図柄組合せが、入賞判定の対象とされる。すなわち、有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せが、何らかの役に対応する図柄組合せと一致した場合は、その役が入賞したことになる。
本実施形態では、図2に示すようにL1〜L9の9本の入賞ラインが定められている。すなわち、左リール72L→中リール72C→右リール72Rの順に、枠上U3→枠上U3→枠上U3を通過する入賞ラインL1、枠上U3→枠上U3→下段Dを通過する入賞ラインL2、枠上U3→下段D→枠上U3を通過する入賞ラインL3、枠上U3→下段D→下段Dを通過する入賞ラインL4、下段D→下段D→下段Dを通過する入賞ラインL5、下段D→下段D→枠上U3を通過する入賞ラインL6、下段D→枠上U3→下段Dを通過する入賞ラインL7、下段D→枠上U3→枠上U3を通過する入賞ラインL8、上段U→上段U→上段Uを通過する入賞ラインL9が定められている。そして、後述するBB遊技以外の遊技では、規定数のメダル(3枚)が投入されると、入賞ラインL1〜L9が全て有効ラインとなるが、BB遊技中に規定数のメダル(2枚)が投入されたときは、入賞ラインL9のみが有効ラインとなる。
なお、本実施形態における各リールの回転方向は、図2中、枠上U3から下段Dへ向かう方向になっている。また、ある図柄停止位置を起点として、それよりも上側(リールの回転方向と逆方向)を「上流側」、下側(リールの回転方向)を「下流側」という。また、本実施形態では、リールの回転方向における表示窓74の長さを図柄6個分としているが、表示窓の範囲を枠上U3よりもさらに上流側に拡張しても良いし、下段Dよりもさらに下流側に拡張しても良い。
また、本実施形態では、リール72L、72C及び72Rが停止する際には、各リールの6つの図柄が、常に6つの図柄停止位置(下段D、中段M、上段U、枠上U1、枠上U2、枠上U3)に停止するように停止制御される。具体的には、リール上に区画された各図柄表示領域のうち、連続する6つの図柄表示領域の各々が、表示窓74に予め定められた連続する6つの図柄表示領域の各々と、互いに対応する位置でリールの回転を停止させる。なお、表示窓74に定められた各図柄表示領域と、停止しているリール上の連続する6つの図柄表示領域との相対位置は、常に一定であることが望ましいが、多少のばらつき(ずれ)を許容するようにしてもよい。このばらつきの許容範囲は適宜定めればよいが、例えば表示窓74に定められた各図柄表示領域の各中心と、リール上の連続する6つの図柄表示領域の各中心とが一致する点を基準として、ステッピングモータの正転方向および逆転方向に、それぞれ数ステップ分の範囲としてもよい。以下、この停止位置のばらつきが許容される範囲を「停止領域」といい、この停止領域内にリールの各図柄表示領域の中心が停止すれば、リール上の各図柄が、上述した各「図柄停止位置」に停止したとみなしてもよい。
次に、図3を参照して、リール72L,72C及び72Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。前述したように、リール72L,72C及び72Rの各外周面には20個の図柄が印刷されているが、各図柄は、リールテープの長手方向において、20等分に区画した各図柄表示領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄表示領域に表示される図柄の種類は、10種類あり、各種類に応じて種別コード(図示略)が予め定められている。本実施形態における図柄の種類には、各々数字の7を赤色および白色で表した「赤7」図柄RS、「白7」図柄WSと、“BAR”の文字が表示された「BAR」図柄BRと、サクランボをモチーフとした「チェリー」図柄Cと、スイカをモチーフとした「スイカA」図柄WAおよび「スイカB」図柄WBと、ベルをモチーフとした「ベル」図柄BLと、プラムをモチーフとした「プラム」図柄PLと、桃をモチーフとした「桃」図柄Pと、架空の紋章を描いた「エンブレム」図柄EMとがある。
また、リール72L,72C及び72Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄表示領域には、「0」〜「19」の図柄番号が予め定められており、各図柄番号には、当該図柄番号に対応する図柄表示領域に印刷された図柄の種別コードが対応付けられ、後述するROM108に記憶されている。これらの情報は、スロットマシン10が、表示窓74の各図柄停止位置(下段D、中段M、上段U、枠上U1、枠上U2、枠上U3)に表示された図柄を識別する際に参照される。以下では、図柄番号および種別コードをまとめて図柄識別情報という。図3に示した内容のリールテープを、各々対応するリール72L,72C及び72Rの外周面に貼り付けると、図3の図柄配列において、図柄番号「0」と「1」の図柄が連続することになる。
[制御回路の説明]
スロットマシン10を制御する制御回路は、主制御回路100と副制御回路200とで構成されている。ここで、主制御回路100のブロック図を図4に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を図5に示す。
≪主制御回路の説明≫
図4に示す中央処理装置(以下、CPUと称する)106は、入出力バス104を介して入力される各種情報に応じて、ROM108に記憶されている各種制御プログラムを実行することで、スロットマシン10における遊技の制御を行う。CPU106は、各種制御プログラムの処理を行っている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための各種データを記憶する。ROM108に記憶されているデータとしては、前述した図柄識別情報の他、例えば、後述する各種の役に対応する図柄組合せ(図7,図8参照)、各種役抽選テーブル(図9〜図11参照)などがある。また、ROM108に記憶される制御プログラムとしては、図14に示すメインルーチン、および、図15〜図22(図18,図20は除く)に示す各種処理を実行するためのプログラムなどがある。
入出力バス104には、RAM110も接続されており、CPU106が、上述した制御プログラムの処理を行う過程で参照する各種フラグ(たとえば、後述する役抽選による当選役に対応した当選フラグ、再遊技入賞フラグなど)や、変数の値(表示窓22に表示されている図柄番号、メダル投入枚数、クレジット枚数、メダル払出枚数など)が一時的に記憶される。また、RAM110には、スロットマシン10の遊技状態を示す遊技状態情報も記憶される。この遊技状態情報には、「通常遊技」、「内部当選」、「MB遊技」、「RB遊技A」、「RB遊技B」、「BB遊技」という6つの遊技状態を示す情報と、RT状態(「非RT」,「RT1」,「RT2」,「RT3」,「RT4」,「RT5」)を示す情報がある。スロットマシン10では、これらの遊技状態に応じて、図9〜図11に示す役抽選テーブルの選択や、リール停止制御の切り替えを行っている。なお、上述した各遊技状態については後に詳しく説明する。
CPU106に入力される各種情報には、図1に示した1−ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rから出力される信号があり、これらの信号は、入出力バス104に接続されたインターフェイス回路102を介してCPU106に入力される。さらに、CPU106に入力される情報には、乱数発生器112によって0〜65535(2の16乗)の数値範囲内で発生される乱数(整数)があり、この乱数は、入出力バス104を介してCPU106へ入力される。
CPU106は、上述した制御プログラムを実行することで、入出力バス104に接続された各種装置の制御を行う。まず、CPU106は、モータ駆動回路114に対してステッピングモータ80L、80C及び80Rの各相に対する励磁パターンを出力し、回転制御を行う。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール72L,72C及び72Rの内周側に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転軸にリール72L,72C及び72Rの回転中心が取り付けられている。モータ駆動回路114は、ステッピングモータ80L、80C及び80Rと接続されており、CPU106から出力される励磁パターンに従って、各ステッピングモータを1ステップずつ回転駆動する。
また、CPU106は、メダルの投入、役抽選の結果(当選役の種類など)、操作されたストップスイッチの種類(左/中/右)、単位遊技の結果(入賞役の種類など)、現在の遊技状態(通常遊技/内部当選/MB遊技/RB遊技A/RB遊技B/BB遊技)およびRT状態(非RT,RT1〜RT5)などの各種情報を、インターフェイス回路102および接続線120を介して逐次、副制御回路200へ送信する。ここで、主制御回路100と、副制御回路200との間でやりとりされる各種情報は、常に主制御回路100から副制御回路200への一方向に限られており、副制御回路200から主制御回路100に対して何らかの情報が送信されることはない。
≪副制御回路の説明≫
次に、図5を参照して副制御回路200の構成について説明する。上述した接続線120は、副制御回路200の入出力バス204に接続されているインターフェイス回路202に接続される。主制御回路100から副制御回路200に送信された各種情報は、インターフェイス回路202において所定の信号に変換された後、入出力バス204に供給され、RAM210に一旦格納される。この入出力バス204には、CPU206、ROM208、RAM210、ランプ駆動回路218、表示駆動回路220、および、スピーカ駆動回路222も接続されている。
ROM208は、ランプ駆動回路218、表示駆動回路220、および、スピーカ駆動回路222を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。また、ROM208は、表示装置20に表示する種々の画像データ、スピーカ64L,64Rから発するための楽音データ、上部演出ランプ76を駆動する点滅パターンデータなども記憶している。さらにROM208は、後述する各種報知や演出を制御するための制御プログラム(図22〜図24参照)を記憶している。RAM210には、主制御回路100から送信されてきた各種情報の他、上述した各種制御プログラムを実行する過程で発生/変動する各種データや、各種フラグのオン/オフ状態なども記憶される。
ランプ駆動回路218は、主制御回路100から供給される各種情報に基づいてCPU206から出力される駆動指令に応じて、上部演出ランプ76を点灯/点滅駆動する。表示駆動回路220は、主制御回路100から供給される各種情報に基づいてCPU206がROM208から読み出した画像データや文字データ等を、表示装置20に表示させる。これにより、表示装置20には、画像データに基づく画像リールの動きや、その他の演出/報知画像などが表示される。スピーカ駆動回路222は、主制御回路100から供給される情報に基づいてCPU206がROM208から読み出した音声データに応じてスピーカ64R,64Lを駆動し、図1に示した透音孔62R,62Lから音声を出力させる。
[機能ブロック図の説明]
次に、スロットマシン10の制御回路の機能ブロック図を図6に示す。なお、以下の説明において、図1、図4および図5に示した各部と同じ構成については、同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。
主制御回路100には、操作手段300と、モータ駆動回路114とが電気的に接続されている。また、副制御回路200には、スピーカ64L,64R、表示装置20、および、上部演出ランプ76を備える報知出力手段600が電気的に接続されている。操作手段300は、スタートスイッチ36からなる回転指示手段310と、3つのストップスイッチ37L、37C及び37Rからなる停止指示手段320とを有している。この操作手段300は、スイッチに限らず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。また、報知出力手段600は、音や光など遊技者の聴覚的、視覚的に報知を行うものに限らず、たとえば、スロットマシン10の内部にバイブレータなどの振動発生装置を設けて特定の部位を振動させ、遊技者の触覚によって認知される報知を行うようにしても良い。
≪主制御回路の説明≫
主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段420と、入賞判定手段430と、入賞処理手段440と、を含む。役抽選手段410は、役抽選を行うことによって、予め定められた役のうち、いずれか1つまたは複数の役に当選したか否かを定めるものである。上述した予め定められた役には、大別すると、小役、再遊技(リプレイともいう)役、ボーナス役(特別役)の3種類がある。小役は、入賞すると予め定められた枚数のメダルが遊技者に払い出されることとなる役であり、対応する図柄組合せに応じて複数種類の小役が定められている。再遊技役は、入賞すると次の単位遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技を行うことができる役である。この再び行うことができる遊技を再遊技(リプレイ)といい、再遊技における有効ラインは、再遊技役が入賞した単位遊技における有効ラインと同一となる。ボーナス役は、通常遊技中に入賞すると次の単位遊技から特別遊技が開始されることとなる役である。この特別遊技は、所定の終了条件が満たされるまで、各単位遊技においてメダルを獲得できる可能性が通常遊技に比べて高くなる遊技である(詳しくは後述する)。
<役抽選手段の説明>
役抽選手段410は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことを契機として、図4に示した乱数発生器112が発生した乱数を抽出し、ROM108に記憶された役抽選テーブル(図9〜図11参照)のうち、現在の遊技状態およびRT状態に対応する役抽選テーブルと、抽出した乱数とに基づいて、1つまたは複数の役の当否を決定する役抽選を行う。ここで、図7および図8を参照して、スロットマシン10において入賞し得る役の種類について説明する。図7は、スロットマシン10における小役の種類と、各小役に対応する図柄組合せと、小役が入賞したときに遊技者へ払い出されるメダルの枚数との対応を示している。また図8(a)は、特別役の種類と、各特別役に対応する図柄組合せと、各特別役に対応する特別遊技の終了条件との対応を示し、図8(b)は、再遊技役の種類と、各再遊技役に対応する図柄組合せと、各再遊技役が入賞したときのRT状態の遷移の内容を示している。なお、図7および図8に示す情報は、図4に示した主制御回路100のROM108に記憶されている。
まず、図7に示すように、スロットマシン10には、小役1a〜1p、小役1A〜1Q、小役2Aおよび2B、小役3、小役4A〜4Dの40種類の小役が設けられている。そして、小役1a〜1p、1B〜1Q、2Aおよび2B、4Aおよび4Bが入賞した場合は、配当として1枚のメダルが払い出される。また、小役1Aが入賞したときは4枚、小役3が入賞したときは3枚、小役4Cまたは4Dが入賞したときは14枚のメダルが払い出される。なお、これら各小役に対応する図柄組合せが、複数の有効ラインに沿って停止表示された場合は、その小役の払出枚数に、停止表示された有効ラインの数を乗じた枚数のメダルが払い出される。例えば、小役2Aまたは2Bの図柄組合せは、図2に示した有効ラインと、図3に示した図柄配列との関係上、有効ラインL1〜L8のいずれかに停止表示される場合は、必ず有効ラインL1〜L8の全てに停止表示されることとなるため、1枚×8ラインで8枚のメダルが払い出される。また、種類が異なる複数の小役が同時に入賞した場合は、各小役の払出枚数の合計が払い出される。但し、1回の単位遊技で払い出されるメダルの枚数は15枚になっており、払出枚数に有効ラインの数を乗じた結果、または、入賞した小役の払出枚数を合計した結果、15枚を超えた分については切り捨てられる。
また、小役2A,2B、小役3および小役4Dの図柄組合せのうち、中リール72Cの図柄については「ANY」と示されているが、これは中リール上のいずれの図柄であってもよいことを示している。これにより、仮に左リール72Lおよび右リール72Rの下段Dに、「プラム」図柄と「チェリー」図柄が停止表示された場合は、中リール72Cの停止表示図柄に関係なく、有効ラインL5およびL7に沿って、小役3の図柄組合せが停止表示されたことになる。なお、図3に示した左リール72Lの図柄配列によって、左リール72Lの下段Dに「プラム」図柄が停止したときは、枠上U3にも「プラム」図柄が停止することになるため、有効ラインL2,L4,L5およびL7に沿って小役3の図柄組合せが停止表示されることになる。これにより、12枚×4(ライン数)=28枚の払い出しとなるところ、15枚を超える分については切り捨てとなるため、15枚のメダルが払い出される。
次に、図8(a)に示すように、スロットマシン10には、ビッグボーナス(BB)役、ミドルボーナス(MB)役、レギュラーボーナス(RB)役AおよびRB役Bという4種類の特別役が設けられている。BB役が入賞したときは、次の単位遊技からBB遊技が開始され、遊技状態が通常遊技からBB遊技へ移行する。そして、BB遊技中に払い出されたメダルの枚数が345枚を超えると、BB遊技が終了して通常遊技に戻る。また、MB役が入賞したときは、次の単位遊技からMB遊技が開始され、遊技状態が通常遊技からMB遊技へ移行する。そして、MB遊技中に払い出されたメダルの枚数が14枚を超えると、MB遊技が終了して通常遊技に戻る。さらに、RB役AまたはRB役Bが入賞したときは、いずれも次の単位遊技からRB遊技が開始されるが、RB役Aが入賞したときは、遊技状態は通常遊技からRB遊技Aに移行して、小役が5回入賞するか単位遊技を5回行うと通常遊技に戻る。また、RB役Bが入賞したときは、遊技状態が通常遊技からRB遊技Bへ移行して、小役が8回入賞するか単位遊技を8回行うと通常遊技に戻る。
なお、通常遊技中、内部当選中、RB遊技A/B中およびBB遊技中は、すべてのリールについて、対応するストップスイッチが操作されてから190ミリ秒以内にその回転を停止させるリール停止制御が行われる。これに対して、MB遊技中は、左リール72Lおよび右リール72Rについては、他の遊技状態と同様のリール停止制御が行われるが、中リール72Cについては、ストップスイッチが操作されてから75ミリ秒以内に回転を停止させるリール停止制御が行われる。
また、図8(b)に示すように、スロットマシン10には、再遊技役A〜Fの6種類の特別役が設けられている。既に説明したように、いずれの再遊技役も、入賞すると次の単位遊技は、メダルを投入することなく行うことができる。但し、詳しくは後述するが、再遊技役EおよびFは、常に他の再遊技役と同時に当選するような役抽選が行われ、再遊技役EまたはFが当選した時は、常に同時に当選した他の再遊技役が入賞するリール停止制御が行われる。このため、再遊技役EおよびFが当選したとしても、これらの再遊技役が入賞することはない。
また、再遊技役B〜Dが入賞したときは、そのときのRT状態に応じて、現状のRT状態から他のRT状態へ移行する。ここで、本実施形態において「RT」とは、役抽選において基準となる再遊技役の当選確率とは異なる当選確率になっている状態をいい、特に、基準となる再遊技役の当選確率になっている状態を「非RT」という。また、本実施形態では、「非RT」に対して、「RT1」〜「RT5」というRT状態があり、いずれの状態においても、再遊技役の当選確率は「非RT」と異なっている(詳しくは後述する)。なお、「非RT」もRT状態の1つとして扱う。
そして、「RT1」のときに再遊技役Bが入賞すると、RT状態は「RT2」へ移行する。また、「RT2」のときに再遊技役Dが入賞すると、RT状態は「RT3」へ移行する。さらに、「RT1」、「RT2」または「RT3」のときに再遊技役Cが入賞すると、RT状態は「非RT」へ移行する。なお、いずれのRT状態においても、再遊技役Aが入賞したときは、現状のRT状態を維持し、他のRT状態には移行しない。
次に、役抽選手段410が役抽選を行う際に参照する役抽選テーブルの内容について、図9〜図11を参照して説明する。ここで、図9および図10は、通常遊技中およびMB遊技中に参照される役抽選テーブルの内容を示し、図9は特別役および小役に関する役抽選テーブル、図10は再遊技役に関する役抽選テーブルの内容を示している。また、特別役および小役に関する役抽選テーブル(図9)は、全てのRT状態で共通して参照されるが、再遊技役に関する役抽選テーブル(図10)は、そのときに滞在しているRT状態に応じたものが参照される。また、図11はRB遊技A中、RB遊技B中およびBB遊技中に参照される役抽選テーブルの内容を示しており、RB遊技A中およびRB遊技B中と、BB遊技中とでは、異なる役抽選テーブルが参照される。
図9〜図11に示す役抽選テーブルは、当選役の種類と、各当選役に対して割り当てられた乱数値の数(以下、置数という)を示している。例えば図9に示す役抽選テーブルにおいて、図4に示した乱数発生装置112が発生し得る65536個の乱数値(0〜65535)のうち、例えばBB役には40個の乱数値が割り当てられていることを示している。これにより、BB役の当選確率は40/65536=1/1638.4ということになる。なお、BB役に割り当てる40個の乱数値を、具体的にどのような値にするのかについては適宜定めればよい。また、役抽選テーブルの「当選役」欄に、複数の役が記載されている場合は、それらの役が同時に当選することを示している。これにより、図9に示す役抽選テーブルによれば、小役1a〜1pは常に同時に当選することとなり、小役1Aは、小役1B〜1Qのうちいずれか2つと同時に当選することになる。
また、前述したように、図10に示す再遊技役に関する各役抽選テーブルは、RT状態に応じて参照される。「非RT」に滞在しているときに参照される役抽選テーブルは(a)であり、他のRT状態と比べて再遊技役の合成当選確率が最も低くなっている。また、(b)は「RT1」に滞在しているとき、(c)は「RT2」に滞在しているとき、(d)は「RT3」に滞在しているとき、(e)は「RT4」に滞在しているとき、(f)は「RT5」に滞在しているときに、それぞれ参照される役抽選テーブルを示している。これらの図に示すように、RT状態に応じて、再遊技役の当選確率が異なっているとともに、役抽選の対象なる再遊技役の種類も異なっている。なお、複数の再遊技役が同時に当選した時に、どの役に対応する図柄組合せを有効ラインに沿って停止表示されるのかについては、後に詳しく説明する。
次に、図11に示すRB遊技A中、RB遊技B中およびBB遊技中に参照される役抽選テーブルでは、小役のみが抽選対象とされ、特別役および再遊技役は抽選対象とされていない。また、いずれかの小役に当選する確率が約1/1.19と、通常遊技中の小役当選確率(約1/10.28)に比べて非常に高くなっていることから、小役が入賞してメダルを獲得しやすい、遊技者に有利な状態だといえる。また、RB遊技Aと、RB遊技Bとでは、小役2A,2B,3および4Aの当選確率が異なっており、これら3種類の小役のうち、RB遊技A中は小役2Aの当選確率が高く、RB遊技B中は小役3および4Aの当選確率が高くなっている。さらにBB遊技中は、小役2A,2B,3および4Aが役抽選の対象になっていない。
以上のように、役抽選手段410は、図4に示した乱数発生装置112によって抽出された乱数値と、図9〜図11に示す役抽選テーブルのうち現在の遊技状態およびRT状態に応じた役抽選テーブルとに基づいて当選役を決定する。そして、何らかの役が当選役に定められたときは、その当選役に対応するフラグ(以下、このフラグを当選フラグという)がオン(「1」)にされる。各役に対応する当選フラグのオン/オフ状態は、図4に示したRAM110に記憶される。当選フラグは、基本的に、1回の単位遊技が終了すると、オンになっていた当選フラグに対応する役が入賞したか否かに関わらずオフにされる。しかしながら、BB役、MB役、BB役AおよびRB役Bの当選フラグについては、一旦オンにされると、入賞するまではオンの状態が維持される。このように、特別役の当選フラグのオン状態に維持されている期間を、「ボーナスフラグの持越中」ともいう。
また、「通常遊技」中に役抽選でBB役、MB役、BB役AまたはRB役Bのいずれかに当選したとき、または「MB遊技」中にBB役AまたはRB役Bに当選したときは、いずれの場合も、遊技状態は「内部当選」へ移行する。そして当選した特別役が入賞すると、遊技状態は「内部当選」から入賞した特別役に対応する遊技状態(「MB遊技」、「RB遊技A」、「RB遊技B」または「BB遊技」)へ移行する。また、特別役が当選した遊技で、そのまま当選した特別役が入賞すると、遊技状態は、「内部当選」を経由することなく、入賞した特別役に対応する遊技状態へ移行する。なお、上述した「ボーナスフラグの持越中」は、遊技状態が「内部当選」になっているともいえる。
また、ボーナスフラグの持越中に、小役または再遊技役が当選したときは、その役に対応する当選フラグがオンになり、持越中の特別役の当選フラグと、当選した小役または再遊技役の当選フラグとが、いずれもオンになる。さらに、ボーナスフラグの持越中に、他の特別役が当選したときは、そのときに当選した特別役に対応する当選フラグはオンにされない。よって、特別役に対応する複数の当選フラグが並行してオン状態になることはない。
<リール制御手段の説明>
図6に戻り、リール制御手段420は、リール停止制御手段422を含み、リール72L,72C,72Rの回転駆動に関する制御を行う。すなわち、スタートスイッチ36から発信されたリール回転開始信号を受信すると、モータ駆動回路114を介してステッピングモータ80L,80C,80Rを駆動し、リール72L,72C,72Rを回転させる。そして、遊技者によって、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止制御を、リール停止制御手段422によって行う。
リール停止制御手段422は、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。ただし、MB遊技中において、中リール72Cの停止制御に限ってストップスイッチ37Cが操作されてから75ミリ秒以内に中リール72Cの回転を停止させる。そして、ストップスイッチが操作されてから上述した時間以内に、当選図柄を有効ラインの位置(枠上U3、下段Dまたは上段U)に停止させることができる場合は、当該有効ラインの位置に停止させる。このように、所定の範囲内で、当選図柄を有効ラインの位置に停止させる制御を「引込制御」という。なお、或るリールを停止させるときに、既に他のリールにおける当選図柄がある有効ラインの位置に停止しているときは、既に当選図柄が停止している有効ラインの位置に当選図柄を停止させる。例えば、左リール72Lにおける当選図柄が枠上U3に停止しているときに、中リール72Cの回転を停止させる場合は、既に当選図柄が停止している有効ラインはL1〜L4となり、よってそれら有効ラインの中リールにおける図柄停止位置である枠上U3または下段Dのいずれかに、中リール72Cにおける当選図柄を停止させる。
ここで、図3に示した各リールの図柄配列と、上述したリール停止制御との関係について、図12を参照して説明する。図12は、例えば左リール72Lにおける「チェリー」図柄が当選図柄となり、当該図柄を有効ラインの位置に停止させる場合のリール停止制御の態様を示している。図3に示すように、左リール72Lは、図柄番号「4」と「14」が「チェリー」図柄になっている。そして、図12(a)に示すように、図柄番号「4」の「チェリー」図柄が、枠上U3(最上位判定停止位置に相当)における前述した停止領域を通過した直後に(同図中、破線で示す)、ストップスイッチ37Lが操作されたとする。
このとき、左リール72Lが80回転/分の速度で回転していたとすると、190ミリ秒以内に停止させるのであれば、図柄番号「4」の「チェリー」図柄を、枠上U2,枠上U1,上段U,中段M,下段Dのいずかれの図柄停止位置に停止させることができる。そして、例えば図柄番号「4」の「チェリー」図柄を、下段Dに停止させた場合、図柄番号「14」の「チェリー」図柄は、図12(a)に示すように、枠上U3よりさらに5図柄分、上流側に位置することになる。なお、枠上U2は、ストップスイッチ37Lが操作された時点における直近の図柄停止位置となる。また、下段Dは、「チェリー」図柄が停止し得る図柄停止位置のうち、枠上U3から最も離れた図柄停止位置であり、最下位判定停止位置に相当する。
このような図柄番号「4」および「14」の「チェリー」図柄の位置関係を踏まえた上で、次に図12(b)に示すように、図柄番号「4」の「チェリー」図柄を下段Dに停止させることができるタイミングを逸した直後に(同図中、破線で示す)、ストップスイッチ37Lが操作された場合を考える。この場合、図柄番号「4」の「チェリー」図柄を下段Dに停止させることはできないが、代わりに、枠上U3より5図柄分、上流側に位置する図柄番号「14」の「チェリー」図柄を枠上U3の図柄停止位置に停止させることができる。
さらに、図12(c)に示すように、図柄番号「14」の「チェリー」図柄を枠上U3に停止させることができるタイミングを逸した直後に(同図中、破線で示す)、ストップスイッチ37Lが操作された場合は、図12(a)の場合と同様に、図柄番号「14」の「チェリー」図柄を下段Dに停止させることができる。そして、その場合、枠上U3から上流側に5図柄分離れた位置には、図柄番号「4」の「チェリー」図柄が位置することになる。すなわち、図12(b)の場合と同様に、図柄番号「14」の「チェリー」図柄を下段Dに停止させることができるタイミングを逸した直後にストップスイッチ37Lが操作された場合は、図柄番号「4」の「チェリー」図柄を枠上U3に停止させることができる。
以上のことから、どのようなタイミングで左ストップスイッチ37Lを操作したとしても、左リール72L上の「チェリー」図柄を枠上U3または下段Dに停止させることができる。さらに、左リール72Lに限らず、同じ種類の2つの図柄が、間に9つの図柄を挟んで配置されていれば、どのようなタイミングでストップスイッチが操作されても、いずれか一方の図柄を枠上U3または下段Dに停止させることができる。
また、スロットマシン10においては、図2に示したように、各リールにおける枠上U3または下段Dのいずれか一方を通過する8本のラインを、入賞ラインL1〜L8としている。よって、役に対応する図柄組合せを、各リールにおいて、同じ種類の図柄が、間に9個の図柄を挟んで2個配置されている図柄によって構成すれば、取りこぼしが生じない役にすることができる。ここで、図3に示した図柄配列を勘案して、図7および図8に示した各役の図柄組合せを見ると、小役1A(「白7−桃−エンブレム」)、小役2A(「桃−ANY−エンブレム」)、小役2B(「スイカA−ANY−エンブレム」)、小役4A(「チェリー−桃−プラム」)、小役4B(「チェリー−ANY−エンブレム」)、MB役(「白7−ベル−プラム」)、RB役A(「チェリー−スイカA−プラム」)、RB役B(「チェリー−スイカA−ベル」)、再遊技役A(「白7−プラム−プラム」)、再遊技役B(「プラム−ベル−エンブレム」)、再遊技役C(「スイカA−ベル−チェリー」)および再遊技役D(「白7−チェリー−プラム」)が、取りこぼしが生じない役になっている。また、単独では取りこぼしが生じる役であっても、複数の役を同時に当選させることで、それらのうちいずれかの役を必ず入賞させることもできる。
このように、各リールごとに20個の図柄を配置し、かつ、間に9個の図柄を挟んで同じ種類の図柄を2個配置することで、如何なるタイミングでストップスイッチが操作されたとしても、配置した2個の図柄のうちいずれか一方を、枠上U3または下段Dに停止させることができる。これにより、例えばリール上に、各々種類が異なる10個の図柄からなる1つの図柄配列パターンを、2つ連続して配置するだけで、10種類の図柄のうち所望する図柄を、ストップスイッチの操作タイミングに関わらず、必ず枠上U3または下段Dに停止させることができる。たとえば、「A」,「B」,「C」,…,「I」,「J」という10種類の図柄からなる図柄列を、リール上に、「A」,「B」,「C」,…,「I」,「J」,「A」,「B」,「C」,…,「I」,「J」と連続して配置することで、図柄「A」〜「J」のうち、所望する図柄を枠上U3または下段Dに停止させることができる。そして、このようなリールを3つ用いれば、同じ種類の図柄によって構成される図柄組合せ「A−A−A」〜「J−J−J」(10種類)のうち、所望する1つの図柄組合せを、ストップスイッチの操作タイミングに関わらず、有効ラインL1〜L8のいずれかに停止させることができる。このように、同じ種類の図柄で構成された10種類の図柄組合せを、取りこぼすことなく停止表示させることができるリールの図柄配列を、極めて簡単に作成することができる。
なお、停止させるリールを5図柄分回動させても、当選図柄を有効ラインの位置に停止させることができないときは、リールを回動させる間の適宜定められた図柄を有効ラインの位置に停止させる。この場合、最終的に全てのリールが停止したときに、いずれかの有効ラインに沿って、何らかの役に対応する図柄組合せが停止してしまわないように、各リールの停止制御を行う(すなわち、単位遊技の結果は取りこぼしとなる)。また、役抽選ではずれた場合は、いかなるタイミングでストップスイッチが操作されても、有効ラインに沿って何らかの役に対応した図柄組合せが停止表示されないように、各リールの停止制御を行う。このようなリール停止制御を「蹴飛ばし制御」という。
さらに、リール停止制御手段422は、役抽選において複数の役が同時に当選した場合は、そのときの遊技状態、RT状態またはストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて、入賞させる役を異ならせている。この内容については後に詳しく説明する。
<入賞判定手段の説明>
図6に戻り、入賞判定手段430は、遊技状態制御手段432を有し、リール72L,72C,72Rがすべて停止すると、何らかの役が入賞したか否かを判定する入賞判定を行い、遊技状態制御手段432は、入賞判定の結果などに応じて、遊技状態およびRT状態の移行制御を行う。入賞判定手段430は、リール72L,72C,72Rが停止したときに、有効ラインL1〜L9に沿って停止表示された各図柄組合せが、図7および図8に示した各役に対応する図柄組合せに一致するものがあるか否かを判定する。そして、一致する図柄組合せが停止表示されていた場合は、その図柄組合せに対応する役が入賞したと判定する。
遊技状態制御手段432は、特別役の入賞、および特別遊技の終了に応じて、「通常遊技」、「内部当選」、「RB遊技A」、「RB遊技B」、「MB遊技」および「BB遊技」の遊技状態を適宜移行させる。また、通常遊技中のRT状態および入賞した役の種類に応じて、「非RT」、「RT1」〜「RT5」のRT状態を適宜移行させる。ここで、図13に示す状態遷移図を参照して、各遊技状態およびRT状態の移行について説明する。まず、スロットマシン10の電源投入直後は、遊技状態が「通常遊技」、RT状態が「非RT」になっている。このときに、遊技者が小役1Aを含む複数の小役1が役抽選で当選し、かつ、当選した全ての小役1を取りこぼすと、特定の図柄組合せ(後述する)が有効ラインに沿って停止表示され、RT状態を「RT1」へ移行させる。また、「RT1」のときに再遊技役Bが入賞すると「RT2」へ移行させ、「RT2」のときに再遊技役Dが入賞すると「RT3」へ移行させる。
また、「RT2」または「RT3」のときに、小役1を取りこぼしたときに表示される特定の図柄組合せが停止表示されると「RT1」へ移行させる。さらに、「RT1」、「RT2」または「RT3」のときに、再遊技役Cが入賞すると「非RT」へ移行させる。次に、通常遊技中に役抽選でMB役が当選すると、RT状態に関わらず、遊技状態を「通常遊技」から「内部当選」へ移行させる。そして、MB役が入賞すると、遊技状態を「内部当選」から「MB遊技」へ移行させる。なお、通常遊技中にMB役が当選し、そのままMB役が入賞したときは、遊技状態は「通常遊技」から直接「MB遊技」へ移行する(他の特別役が当選したときも同様)。ここで、詳しくは後述するが、MB遊技中にもRB役A、RB役Bおよび再遊技役については役抽選が行われ、その結果に応じて引込制御の内容が変化する。そして、MB遊技中に行われる役抽選は、MB遊技へ移行する直前の通常遊技で滞在していたRT状態の役抽選テーブルを用いて行われる。このため、通常遊技中の役抽選でMB役が当選したときは、遊技状態は移行するがRT状態は現状を維持する。
また、通常遊技中に役抽選でBB役が当選した時は、遊技状態を「通常遊技」から「内部当選」へ移行させるとともに、現在のRT状態を「RT4」へ移行させる。そして、この状態でBB役が入賞すると、遊技状態を「内部当選」から「BB遊技」へ移行させる。さらに、通常遊技中またはMB遊技中に役抽選でRB役AまたはRB役Bが当選すると、遊技状態を「通常遊技」または「MB遊技」から「内部当選」へ移行させるとともに、現在のRT状態を「RT5」へ移行させる。そして、この状態で当選したRB役が入賞すると、遊技状態を「内部当選」から入賞したRB遊技(「RB遊技A」または「RB遊技B」)へ移行させる。
遊技状態が、「BB遊技」、「RB遊技A」または「RB遊技B」へ移行し、移行した遊技状態が終了すると、遊技状態制御手段432は、遊技状態を「通常遊技」に移行させると共に、RT状態を「非RT」へ移行させる。なお、RT状態を「非RT」へ移行させるタイミングは、MB役を除く各特別役が入賞した時であってもよい。
<入賞処理手段の説明>
図6に戻り、入賞処理手段440は、入賞判定手段430によりいずれかの小役が入賞したと判定された場合、スロットマシン10の内部に設けられているホッパー(図示略)を駆動して、入賞した小役に対応する枚数のメダル(図7参照)を払い出すための制御を行う。
≪副制御回路の説明≫
副制御回路200は、主に演出制御手段510、報知遊技制御手段520および報知制御手段530とからなっている。
<演出制御手段の説明>
演出制御手段510は、演出データ記憶手段512と、演出抽選手段514とを有し、報知出力手段600において、単位遊技中に実行される演出を制御する。演出データ記憶手段512は、各種演出を実行するための、画像データ、効果音または楽音データ、上部演出ランプ72の点滅パターンデータを記憶している。また、画像データには、図1に示した画像リール表示領域GRに3つの画像リールを表示するための図柄画像列データが記憶されている。これにより、演出制御手段510は、各画像リールの図柄画像データを参照し、そのうち連続する3つの図柄画像を画像リール表示領域GRに表示させる。そして、スタートスイッチ36が操作されると、3つの画像リールをスクロール表示し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されるごとに、対応する画像リールのスクロールを停止表示させる。また、演出制御手段510は、全ての画像リールのスクロール表示を停止したときに表示される図柄画像の表示態様を、リール72L,72C,72Lが停止したことによって確定した単位遊技の結果に一致させる。
なお、上述した画像リールによる演出は、基本的な内容を記したものであって、表示装置に表示させた画像リールを、スタートスイッチの操作に応じてスクロール表示し、当該スクロール表示を各ストップスイッチの操作に応じて停止させる演出を行う公知のスロットマシンにおいて、当該画像リールを用いて行われる公知の演出を実行するようにしてもよい。
演出抽選手段514は、主制御回路100から送信される役抽選の結果および遊技状態に応じて、画像リール表示領域GR以外の表示領域で実行する演出の内容を、抽選によって決定する。これにより、演出制御手段510は、演出抽選手段514によって決定された演出内容に対応する画像(動画または静止画)データ、効果音または楽音データ、点滅パターンデータなどの各種データを、演出データ記憶手段512から読み出し、読み出した各種データに基づいて、報知出力手段600の表示装置20、スピーカ64L,64R、上部演出ランプ76を駆動する。
<報知遊技制御手段の説明>
報知遊技制御手段520は、操作情報報知期間の開始および終了、ならびに操作情報報知期間中に行われる遊技を制御するものである。操作情報報知期間とは、通常遊技中またはMB遊技中において、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序によって、単位遊技の結果が異なる場合、遊技者にとって有利な単位遊技の結果となる操作順序が報知される期間である。ここで、遊技者にとって有利な単位遊技の結果とは、例えば、より払出枚数が多い小役が入賞すること、通常遊技においてより再遊技役の当選確率が高いRT状態へ移行する再遊技役が入賞すること(図13参照)、などである。以下では、操作情報報知期間中における遊技をART遊技または単にARTという。また、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序は、画像、ランプ、音声などにより、公知の方法で報知する。
ART遊技の開始条件は、公知の開始条件を採用することができる。本実施形態では、例えば通常遊技中の役抽選で、小役2A、小役2B、小役3、小役3・4A、小役4A・4B、または、小役4C・4Dが当選した時に(図9参照)、当選した役に応じて予め定められている確率に基づいてART抽選を行い、その結果ARTが当選し、かつ、RT状態が「RT3」に移行したときに、ART遊技が開始されるものとする。なお、「RT1」または「RT2」に滞在しているときにART抽選に当選したときは、「RT3」へ移行するための再遊技役が入賞するストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序を報知して、RT3への移行をアシストするようにしてもよい。
また、ART遊技の終了条件も、公知の終了条件を採用することができるが、本実施形態では、ART遊技中に、役抽選でBB役、RB役AまたはRB役Bに当選したとき、再遊技役Cが入賞したとき、または、ART遊技が開始されてから所定回数の単位遊技が行われたときに、ART遊技が終了するものとする。
また、報知遊技制御手段520は、ペナルティ処理手段522を含み、これにより、ART遊技中でないときにストップスイッチ37L,37C,37Rを変則押しした場合、ART遊技に関して遊技者にとって不利な制御を行うことで、遊技者にペナルティを課す。ここで変則押しとは、リール72L,72C,72Rの回転後、最初に操作されるストップスイッチが、中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rとなる操作順序をいう。また、遊技者にとって不利な制御としては、例えば、上述したART抽選を所定ゲーム数の間行わないことが挙げられる。また、これ以外にも、所定の操作順序以外の操作順序でストップスイッチを操作した時に課すペナルティとして、公知のものを採用してもよい。
≪制御処理の説明≫
次に、上述した制御回路において行われる各種の制御について、フローチャートを参照して詳細に説明する。
図14は、主制御回路100で行われる制御処理を示すメインルーチンのフローチャートである。また、図15〜図17、図19、図21および図22は、このメインルーチンで実行される各種サブルーチンのフローチャートである。これらサブルーチンのうち、図15は、図6に示した役抽選手段410を実現するための役抽選処理のフローチャートである。図16は、図6に示したリール制御手段420を実現するためのリール制御処理のフローチャートである。図17および図19は、図6に示したリール停止制御手段422を実現するためのリール停止制御処理のフローチャートである。図21および図22は、図6に示した入賞判定手段430および遊技状態制御手段432を実現するための入賞判定処理のフローチャートである。
≪主制御回路における制御処理の説明≫
<メインルーチンの説明>
まず、主制御回路100のCPU106によって実行されるメインルーチンの制御処理の説明を、図14のフローチャートを用いながら説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、リール72L,72C,72Rを回転させて停止させるまでの1工程を1回とする単位遊技を行うときの制御処理を示す。
スロットマシン10の電源を投入すると、CPU106は、所定の初期化処理を行い、RAM110に記憶される各種フラグや制御データの初期値を設定する(ステップS10)。次に、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS12)。この再遊技入賞フラグは、前回の単位遊技で再遊技役が入賞したときにオンにされるフラグである。再遊技入賞フラグがオフになっている(NO)と判断した場合、CPU106は単位遊技を開始するためのメダル投入処理を、遊技者の操作に応じて行う(ステップS14)。
すなわち、遊技者によってベットスイッチ34または35が操作されると、CPU106は、RAM110に記憶されているクレジットの値が、操作されたベットスイッチに対応するメダル枚数(以下、投入枚数という)の値以上であった場合に、RAM110に記憶されているクレジットの値から、投入枚数の値を減算する。そして、CPU106は、投入枚数の値を、RAM110に記憶されているベット数の値に加算し、ベット数の値を表す投入枚数情報を副制御回路200へ送信する。また、ベットスイッチ34または35が操作されなかった場合は、CPU106は、メダル投入口32からメダルが投入されたか否かを判断し、メダル投入口32の内部に設置されたメダルセンサによって、メダル投入口32から投入されたメダルが検出された場合は、RAM110に記憶されているベット数の値に「1」を加算するとともに、ベット数の値を表す投入枚数情報を副制御回路200へ送信する。
以上のメダル投入処理を行うと、次にCPU106は、RAM110に記憶されているベット数の値が規定数になったか否かを判断し(ステップS16)、規定数に達していない(NO)と判断した場合は、ステップS14へ戻り、達した(YES)と判断した場合は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS18)。なお、規定数は、BB遊技中のみ2枚となり、それ以外の遊技では3枚となる。また、規定数が2枚となる単位遊技では、入賞ラインL9のみが有効ラインとなり、規定数が3枚となる単位遊技では、入賞ラインL1〜L9の全てが有効ラインとなる。また、メダルの投入枚数が規定数に達している状態で(ステップS16,YES)、メダル投入口32からさらにメダルが投入された場合は、CPU106は、ステップS14のメダル投入処理において、RAM110に記憶されているクレジットの値に投入されたメダルの枚数を加算する。
一方、前述したステップS12において、再遊技入賞フラグがオンになっている(YES)とCPU106が判断したときは、直ちにステップS18へ進み、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する。これにより、再遊技役が入賞した次の遊技では、メダルを新たに投入し、またはクレジットされているメダルを消費することなく、再び単位遊技を行うことができる。なお、再遊技におけるベット数は、RAM110に記憶されている前回の遊技で投入されたベット数となる。
ステップS18において、CPU106は、スタートスイッチ36が遊技者によって操作されたことによって出力される遊技開始信号を受信したか否かを判断する。遊技開始信号を受信していない(NO)と判断した場合は、再度ステップS12の処理へ戻る。このように、遊技者によってスタートスイッチが操作されるまで、ステップS12→S14→S16→S18(再遊技の場合はステップS12→S18)の処理を繰り返し行う。これに対して、ステップS18で、CPU106が遊技開始信号を受信した(YES)と判断した場合は、再遊技入賞フラグをオフにし(ステップS20)、図4に示した乱数発生装置112から乱数を取得して役抽選処理を行う(ステップS22)。すなわち、ROM108に記憶されている図9〜図11に示した役抽選テーブルの中から、現在の遊技状態およびRT状態に応じた役抽選テーブルを選択し、選択した役抽選テーブルと、乱数発生装置112から取得した抽選用乱数と、に基づいて役抽選を行う。そして、役抽選の結果、何らかの役が当選した場合は、RAM110に記憶されている当選役の当選フラグをオンにする。また、CPU106は、役抽選の結果(当選役の種類またはハズレ)を示す役抽選結果情報を副制御回路200へ送信する。これにより副制御回路200は、画像リールのスクロール表示を開始するとともに、受信した役抽選結果情報に基づいて、実行する演出内容を決定するための抽選を行う等の処理を行う。
次にCPU106は、リール72L,72C,72Rを回転させ、遊技者によるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作と、ステップS22の処理で行われた役抽選の結果と、現在の遊技状態およびRT状態に基づいて、各リールの停止制御を行うリール制御処理を行う(ステップS24)。そして、リール制御処理によって、リール72L,72C,72Rがすべて停止すると、次にCPU106は、何らかの役が入賞したか否かを判定し、その判定結果に応じて遊技状態の移行処理を行う入賞判定処理を行う(ステップS26)。これにより、小役が入賞したと判定した場合は、入賞した小役に対応するメダルの枚数を遊技者へ払い出すための払い出し処理(ステップS28)を行う。この払い出し処理は、スロットマシン10の内部に収容されたホッパーを駆動して、メダル払出口60から実物のメダルを払い出してもよいし、払い出すメダルの枚数をRAM110に記憶されているクレジット数に加算して、貯留することも可能である。このステップS28の払い出し処理を行うCPU106は、図6に示した入賞処理手段440に相当する。そして、ステップS28の払い出し処理を終えると、1回の単位遊技が終了し、CPU106は再びステップS12の処理へ戻る。このように、メインルーチンに示される制御処理を繰り返すことにより、遊技者は引き続き単位遊技を行うことができる。
<役抽選処理の説明>
次に、図14に示したメインルーチンのステップS22で行われる役抽選処理について、図15に示すフローチャートを用いながら詳細に説明する。
まず、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を参照し、現在の遊技状態がBB遊技、RB遊技AまたはRB遊技Bのいずれかであるか否かを判断する(ステップS40)。現在の遊技状態がBB遊技、RB遊技AまたはRB遊技Bのいずれかである(YES)と判断した場合は、ROM108に記憶されている図11に示した役抽選テーブルのうち、現在の遊技状態に応じたテーブルを選択する(ステップS42)。これに対して、ステップS40の判断処理で、現在の遊技状態がBB遊技、RB遊技AまたはRB遊技Bのいずれでもない(NO)と判断した場合、すなわち、通常遊技またはMB遊技であると判断した場合、CPU106は、図9に示した役抽選テーブルと、図10に示した役抽選テーブルのうち現在のRT状態に対応する役抽選テーブルと、を選択する(ステップS44)。
ステップS42またはS44の処理によって役抽選テーブルを選択すると、CPU106は、まず、現在の遊技状態がMB遊技中であるか否かを判断する(ステップS46)。そして、MB遊技中である(YES)とCPU106が判断したときは、RAM110に記憶されている全ての小役に対応する当選フラグの状態をオンにする。次にCPU106は、乱数発生器112が発生した乱数を取得し、選択した役抽選テーブルと照らし合わせて何れかの役が当選したか否かを判定する(ステップS50)。なお、ステップS46の判断処理で、現在の遊技状態がMB遊技中ではない(NO)と判断したときは、直ちにステップS50の判断処理を行う。そしてCPU106は、まず、BB役またはMB役が当選したか否かを判定する(ステップS52)。BB役またはMB役が当選した(YES)と、CPU106が判定したときは、内部当選中であり、BB役、MB役、RB役AまたはRB役Bの当選フラグがオンになっている(すなわちボーナスフラグ持越中である)か、または、現在MB遊技中であるかを判断する(ステップS54)。
内部当選中でなく、かつ、MB遊技中でもない(NO)と、CPU106が判断したときは、BB役およびMB役のうち当選役に定められた役に対応する当選フラグをオンにする(ステップS56)。そして、CPU106は、BB役またはMB役が当選したことを示す役抽選情報を副制御回路200へ送信し(ステップS58)、図14に示すステップS24のリール制御処理へ移行する。一方、CPU106がステップS54の判断処理で、内部当選中またはMB遊技中であると判断したとき(YES)は、当選した役(BB役またはMB役)に対応する当選フラグがオンにされることなく、ステップS58へ移行する。これにより、副制御回路200に対しては、今回の役抽選においては当選役が定められず、引き続き内部当選中であることを示す(より厳密には、当選フラグのオン状態を維持している特別役の種類を示す)役抽選情報が送信される。
ステップS52の判断処理で、CPU106がBB役およびMB役のいずれにも当選しなかった(NO)と判断したときは、次に、RB役AまたはRB役Bが当選したか否かを判断する(ステップS60)。RB役AまたはRB役Bが当選した(YES)とCPU106が判断したときは、次に内部当選中であるか否かを判断する(ステップS62)。内部当選中ではない(NO)とCPU106が判断したときは、RB役AまたはRB役Bのうち当選役に定められた役に対応する当選フラグをオンにする(ステップS64)。したがって、BB役またはMB役が当選した時と異なり、MB遊技中にも、RB役AまたはRB役Bが当選する場合がある(ただし、この場合のリール停止制御は通常遊技中と異なる(後述する))。そして、ステップS58へ移行し、RB役AまたはRB役Bが当選したことを示す役抽選情報を副制御回路200へ送信する。一方、ステップS62の判断処理で、CPU106が内部当選中である(YES)と判断したときは、当選した役(RB役AまたはRB役B)に対応する当選フラグがオンにされることなく、ステップS58へ移行する。これにより、副制御回路200に対しては、今回の役抽選においては当選役が定められず、引き続き内部当選中であることを示す役抽選情報が送信される。
ステップS60の判断処理で、CPU106がRB役AまたはRB役Bのいずれにも当選しなかった(NO)と判断したときは、次に、いずれかの再遊技役が当選したか否かを判断する(ステップS66)。そして、再遊技役が当選した(YES)とCPU106が判断したときは、当選した再遊技役に対応する当選フラグをオンにした後(ステップS68)、ステップS58へ移行し、当選した再遊技役を示す役抽選情報を副制御回路200へ送信する。また、内部当選中のときは、当選フラグのオン状態を維持している特別役の種類を示すも併せて副制御回路200へ送信する。これに対して、ステップS66の判断処理で、CPU106がいずれの再遊技役にも当選しなかった(NO)と判断したときは、次に現在の遊技状態がMB遊技中であるか否かを判断する(ステップS70)。そして、MB遊技中である(YES)とCPU106が判断したときは、直ちにステップS58へ移行し、ステップS48の処理によってすべての小役の当選フラグがオンになっていることを示す役抽選情報を副制御回路200へ送信する。
ステップS70の判断処理で、CPU106がMB遊技中ではない(NO)と判断したときは、次にいずれかの小役が当選したか否か判断する(ステップS72)。そして、小役が当選した(YES)とCPU106が判断したときは、当選した小役に対応する当選フラグをオンにした後(ステップS74)、ステップS58へ移行し、当選した小役を示す役抽選情報を副制御回路200へ送信する。また、ボーナスフラグ持越中のときは、当選フラグのオン状態を維持している特別役の種類を示すも併せて副制御回路200へ送信する。これに対して、CPU106がステップS72の判断処理で、いずれの小役にも当選しなかった(NO)と判断したときは、ステップS58の処理により、そのことを示す役抽選情報を副制御回路200へ送信する。但し、ボーナスフラグ持越中のときは、当選フラグのオン状態を維持している特別役の種類を示す役抽選情報を副制御回路200へ送信する。
<リール制御処理の説明>
次に、図14に示したメインルーチンのステップS24で行われるリール制御処理について、図16〜図19に示すフローチャートおよび説明図を用いながら詳細に説明する。
まず、CPU106は、前回の遊技でリール72L,72C,72Rが回転を開始してから、予め定められた最短時間(たとえば4.1秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS80)。CPU106が、最短時間を経過していない(NO)と判断したときは、ステップS80の判断処理を繰り返し実行する。これにより、最短時間が経過するまでは次の工程であるリールの回転開始へ移行しないようにして、一定時間内に行われる遊技で消費されるメダルが、所定枚数を越えないような制御を行っている。そして、CPU106が最短時間を経過した(YES)と判断すると、ステッピングモータ80L、80C、および80Rを駆動して、リール72L、72C、72Rを一斉に回転させる(ステップS82)。
次に、CPU106は、リール72L、72C、72Rがすべて定常回転速度(80回転/分)に達したか否かを判断する(ステップS84)。リールの回転速度が定常回転速度に達していない(NO)と判断したときには、定常回転速度に達するまでステップS84の判断処理を繰り返す。よって、この間に遊技者がストップスイッチ37L,37C,37Rを操作したとしても、対応するリールの停止制御が行われないようになっている。ステップS84の判断処理において、すべてのリールの回転速度が定常回転速度に達した(YES)と判断すると、CPU106は、例えばストップスイッチ37L,37C,37Rの内部に設けられているランプを点灯させるなどして、ストップスイッチの操作が受け付けられる状態になったことを遊技者に報知し、ストップスイッチ37L、37C、37Rのいずれかからリール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS86)。このリール停止信号は、ストップスイッチ37L、37C、37Rの各々から、遊技者によって操作されたときに発信される。
ステップS86の判断処理で、リール停止信号を受信した(YES)と判断すると、CPU106は、受信したリール停止信号を発信したストップスイッチを示す停止操作情報(左ストップスイッチ、中ストップスイッチまたは右ストップスイッチ)を副制御回路200へ送信する(ステップS88)。そして、CPU106は、操作されたストップスイッチの種類と、そのストップスイッチがリールの回転後、何番目に操作されたものであるかを示す情報をRAM110に記憶する(ステップS90)。次にCPU106は、現在の遊技状態およびRT状態、役抽選の結果、操作されたストップスイッチと操作された順番などに基づいて、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止制御を行う(ステップS92)。
そして、当該リールの停止制御を行うと、CPU106は、全てのリールの回転が停止したか否かを判断する(ステップS94)。CPU106が、すべてのリールが停止していない(NO)と判断したときは、ステップS86へ戻り、再びリール停止信号を受信したか否かの判断を行う。また、ステップS86の判断処理において、リール停止信号を受信していない(NO)と判断した場合は、直ちにステップS94へ進み、すべてのリールを停止させたか否かを判断する。このように、すべてのリールを停止させるまで、ステップS86〜S94の処理を繰り返し行い、ステップS94で、CPU106がすべてのリールが停止した(YES)と判断すると、CPU106は、図16のリール制御処理を終えて、図14のステップS26の入賞判定処理へ移行する。
<リール停止制御処理の説明>
次に、図16に示すリール制御処理のステップS92で行われるリール停止制御処理の内容について、図17(a)および図19に示すフローチャート、ならびに図18に示す説明図を用いながら詳細に説明する。
図17(a)に示すフローチャートにおいて、まず、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を参照し、特別遊技中であるか否かを判断する(ステップS100)。
(1)通常遊技中のリール停止制御
ステップS100の判断処理において、CPU106が、特別遊技中ではない(NO)と判断したときは、次に役抽選処理によっていずれかの小役が当選したか否かを判断する(ステップS102)。
(1−a)小役が当選したときのリール停止制御
ステップS102の判断処理において、いずれかの小役に当選した(YES)とCPU106が判断したときは、小役1Aを含む3種類の小役1が同時に当選したか否かを判断する(ステップS104)。
(1−a−ア)小役1Aを含む複数の小役1が当選したとき
ステップS104の判断処理で、CPU106が、小役1Aを含む3種類の小役1が同時に当選した(YES)と判断したときは、次にストップスイッチ37L,37C,37Rが、順押しまたはハサミ押しの操作順序で操作されているか否かを判断する(ステップS106)。
ここで順押しとは、ストップスイッチの操作が有効にされてから(図16のステップS84,YES)、左ストップスイッチ37L→中ストップスイッチ37C→右ストップスイッチ37Rの順序で操作することをいう。また、ハサミ押しとは、左ストップスイッチ37L→右ストップスイッチ37R→中ストップスイッチ37Cの順序で操作することをいう。いずれの操作順序においても、最初に操作されるのは、左ストップスイッチ37Lとなる。なお以下では、3つのストップスイッチに対して、最初に行う操作を第1停止操作、2番目に行う操作を第2停止操作、最後に行う操作を第3停止操作という。
ステップS106の判断処理において、CPU106が順押しまたはハサミ押しの操作順序で操作されている(YES)と判断したときは、操作されたストップスイッチに対応するリール上の当選図柄について、有効ラインL9の位置(上段U)に対して、個数優先による引込制御を行う(ステップS108)。ここで、個数優先の引込制御とは、ストップスイッチが操作されてから190ミリ秒以内にリール停止させなければならないという制限の中で、複数の当選図柄を、目的とする図柄停止位置に停止させることができる場合は、より多くの当選役に関係する当選図柄を停止させる、という引込制御である。
ここで、図18(a)を参照して、通常遊技中に小役1A,1B,1Cが同時に当選したときに、個数優先の引込制御によって当選図柄を有効ラインL9に停止させる場合について説明する。まず、第1停止操作として、左ストップスイッチ37Lが操作された時に、表示窓74には左リール72Lにおける図柄番号「14」〜「19」の図柄が表示されていたとする。ここで、図7に示すように左リール72Lにおける小役1Aの当選図柄は「白7」図柄であり、小役1Bおよび1Cの当選図柄は共に「スイカA」図柄である。よって、図18(a)の左側の図に示す状態で左ストップスイッチ37Lが操作されたときは、図柄番号「17」の「白7」図柄と、図柄番号「18」の「スイカA」図柄の、いずれも上段Uに停止させることができる。
この状態で有効ラインL9に対して個数優先の引込制御を行う場合は、小役1Aのみの当選図柄である「白7」図柄よりも、小役1Bおよび1Cという2つの役の当選図柄である「スイカA」図柄を、目的とする有効ラインL9の位置(上段U)に停止させる。そして、続く第2停止操作および第3停止操作に応じた引込制御においては、入賞の可能性のある小役の当選図柄を有効ラインL9の位置に停止させる。例えば、図18(a)の中央の図は、左リール72Lにおいて、上段Uに図柄番号「18」の「スイカA」図柄が停止しており、中リール72Cにおいて図柄番号「6」〜「11」の図柄が表示され、右リール72Rにおいて図柄番号「9」〜「15」の図柄が表示されているときに、中ストップスイッチ37Cおよび右ストップスイッチ37Rが操作された状態を示している。この場合、小役1Cの図柄組合せを有効ラインL9に沿って停止表示すべく、中リール72Cにおける図柄番号「9」の「赤7」図柄を上段Uに停止させ、右リール72Rにおける図柄番号「13」の「BAR」図柄を上段Uに停止させる(図18(a)の右側の図参照)。これにより、小役1Cに対応する図柄組合せ(「スイカA−赤7−BAR」)が有効ラインL9に沿って停止表示され、1枚のメダルが払い出される。なお、右ストップスイッチ37Rが操作された時に、右リール72Rにおける「白7」図柄を上段Uに停止させることができる場合は、当該「白7」図柄を上段Uに停止させて、小役1Bを入賞させるようにしてもよい。
また、中リール72Cにおける「赤7」図柄は、リール上に1つしかないため、中ストップスイッチ37Cの操作タイミングによっては上段Uに停止させることができない(すなわち、取りこぼす)場合がある。この様な場合、中ストップスイッチ37Cが第2停止操作だった場合(すなわち、順押し)は、中リール72Cの「白7」図柄(図柄番号「14」)を上段Uに停止させ、第3停止操作だった場合(すなわち、ハサミ押し)は、中リール72Cの「桃」図柄を上段Uに停止させる。このように、小役1Aを含む3種類の小役1が同時に当選したときに、全ての小役を取りこぼした場合は、必ず図17(b)に示す8通りの図柄組合せのうち1つが有効ラインL9に沿って停止表示されるように、リール停止制御を行う。これらの図柄組合せは、RT状態の移行条件になっており、図13に示したように、「非RT」、「RT2」または「RT3」のときに、これらの図柄組合せのうちいずれか1つが有効ラインL9に停止表示されたときは、いずれの場合も「RT1」へ移行することになる。
図17(a)に戻り、ステップS106の判断処理において、ストップスイッチ37L,37C,37Rが順押しまたはハサミ押しで操作されていない(換言すると、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lではなかった)とCPU106が判断したときは、次に、ストップスイッチ37L,37C,37Rが正解操作順序で操作されたか否かを判断する(ステップS110)。ここで、正解操作順序とは、小役1Aを含む3種類の小役1が同時に当選した時に、それらの当選役に対して予め対応付けられている操作順序である。
すなわち、図9の「備考」欄に示しているように、同時当選する3種類の小役1が「小役1A,1B,1C」、「小役1A,1D,1E」、「小役1A,1F,1G」、「小役1A,1H,1I」、「小役1A,1J,1K」、「小役1A,1L,1M」、「小役1A,1N,1O」および「小役1A,1P,1Q」である場合は、これらの当選役に対して、中押し(中→左→右または中→右→左)の操作順序が正解操作順序として対応付けられている。なお、これらの小役1が同時に当選した場合、逆押し(右→中→左)または逆ハサミ押し(右→左→中)の操作順序は不正解操作順序となる。
また、同時当選する3種類の小役1が「小役1A,1B,1F」、「小役1A,1C,1G」、「小役1A,1D,1H」、「小役1A,1E,1I」、「小役1A,1J,1N」、「小役1A,1K,1O」、「小役1A,1L,1P」および「小役1A,1M,1Q」である場合は、これらの当選役に対して、逆押しまたは逆ハサミの操作順序が正解操作順序として対応付けられている。なお、これらの小役1が同時に当選した場合は、中押しの操作順序が不正解操作順序となる。
そして、ステップS110の判断処理において、CPU106が、ストップスイッチ37L,37C,37Rに対する実際の操作順序と、同時に当選した3種類の小役1対して対応付けられている正解操作順序とが一致した(YES)と判断したときは、操作されたストップスイッチに対応するリール上の当選図柄について、有効ラインL1〜L8の位置(枠上U3または下段D)に対して、枚数優先による引込制御を行う(ステップS112)。ここで、枚数優先の引込制御とは、ストップスイッチが操作されてから190ミリ秒以内にリール停止させなければならないという制限の中で、複数の当選図柄を、目的とする図柄停止位置に停止させることができる場合は、より多くのメダルが払い出される当選役の図柄を停止させる、という引込制御である。
ここで、図18(b)を参照して、通常遊技中に小役1A,1B,1Cが同時に当選したときに、枚数優先の引込制御によって当選図柄を有効ラインL1〜L8に停止させる場合について説明する。なお、前述したように小役1A,1B,1Cに対しては、中押しの操作順序が正解操作順序として対応付けられている。例えば図18(b)の左側の図に示すように、第1停止操作として中ストップスイッチ37Cが操作された時に、表示窓74には中リール72Cにおける図柄番号「6」〜「11」の図柄が表示されていたとする。ここで、図7に示すように中リール72Cにおける小役1Aの当選図柄は「桃」図柄であり、小役1Bおよび1Cの当選図柄は共に「赤7」図柄である。よって、図18(b)に示す状態で中ストップスイッチ37Cが操作されたときは、図柄番号「8」の「桃」図柄と、図柄番号「9」の「赤7」図柄の、いずれも下段Dに停止させることができる。
この状態で有効ラインL1〜L8に対して枚数優先の引込制御を行う場合は、小役1Aの払出枚数が4枚、小役1Bおよび1Cの払出枚数が共に1枚であることから(図7参照)、小役1Aの図柄である「桃」図柄を下段D(有効ラインL3〜L6の位置)に停止させる。そして、続く第2停止操作および第3停止操作に応じた引込制御においては、入賞の可能性のある小役の当選図柄を有効ラインの位置(この場合、有効ラインL3〜L6の位置)に停止させる。例えば、図18(b)の中央の図は、中リール72Cにおいて、下段Dに図柄番号「8」の「桃」図柄が停止しており、左リール72Lにおいて図柄番号「1」〜「6」の図柄が表示され、右リール72Rにおいて図柄番号「13」〜「18」の図柄が表示されているときに、中ストップスイッチ37Cおよび右ストップスイッチ37Rが操作された状態を示している。この場合、小役1Aの図柄組合せを有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示すべく、左リール72Lにおける図柄番号「2」の「白7」図柄を下段Dに、図柄番号「7」の「白7」図柄を枠上U3に停止させる。また、右リール72Rにおける図柄番号「15」の「エンブレム」図柄を下段Dに、図柄番号「0」の「エンブレム」図柄を枠上U3に停止させる。このような停止制御を行った場合、有効ラインL3〜L6に沿って、小役1Aの図柄組合せ(「白7−桃−エンブレム」)が停止表示されることになり、15枚のメダル(15枚を超える分は切り捨て)が払い出されることになる。
再び図17(a)に戻り、ステップS110の判断処理において、CPU106が、ストップスイッチ37L,37C,37Rが正解操作順序で操作されなかった(NO)と判断したときは、操作されたストップスイッチに対応するリール上の当選図柄について、有効ラインL9の位置に対し、上述した枚数優先による引込制御を行う(ステップS114)。ここで、図18(c)を参照して、通常遊技中に小役1A,1B,1Cが同時に当選したときに、枚数優先の引込制御によって当選図柄を有効ラインL9に停止させる場合について説明する。なお、前述したように小役1A,1B,1Cが同時に当選した場合、順押しまたはハサミ押しでも、正解操作順序でもない操作順序は、逆押しまたは逆ハサミ押し(不正解操作順序)となる。
例えば図18(c)の左側の図に示すように、第1停止操作として右ストップスイッチ37Rが操作された時に、表示窓74には中リール72Rにおける図柄番号「19」〜「4」の図柄が表示されていたとする。ここで、図7に示すように右リール72Rにおける小役1Aの当選図柄は「エンブレム」図柄、小役1Bの当選図柄は「白7」図柄、小役1Cの当選図柄は「BAR」図柄である。よって、図18(c)に示す状態で右ストップスイッチ37Rが操作されたときは、図柄番号「3」の「白7」図柄と、図柄番号「5」の「エンブレム」図柄の、いずれも上段Uに停止させることができる。
この状態で有効ラインL9に対して枚数優先の引込制御を行う場合は、上述したように、小役1Aの図柄である図柄番号「5」の「エンブレム」図柄を上段U(有効ラインL9の位置)に停止させる。そして、続く第2停止操作および第3停止操作に応じた引込制御においては、入賞の可能性のある小役の当選図柄を有効ラインL9の位置に停止させる。例えば、図18(b)の中央の図は、右リール72Rにおいて上段Uに図柄番号「5」の「エンブレム」図柄が停止しており、左リール72Lにおいて図柄番号「13」〜「18」の図柄が表示され、中リール72Cにおいて、図柄番号「6」〜「11」の図柄が表示されているときに、左ストップスイッチ37Lおよび中ストップスイッチ37Cが操作された状態を示している。
この場合、小役1Aの図柄組合せを有効ラインL9に沿って停止表示すべく、左リール72Lにおける図柄番号「17」の「白7」図柄を上段Uに、中リール72Cにおける図柄番号「12」の「桃」図柄を上段Uに停止させる。このような停止制御を行った場合、有効ラインL9に沿って、小役1Aの図柄組合せ(「白7−桃−エンブレム」)が停止表示されることになり、4枚のメダルが払い出されることになる。なお、小役1Aの図柄組合せを構成している左リール72L上の「白7」図柄、中リール72C上の「桃」図柄および右リール72R上の「エンブレム」図柄は、各リールの図柄配列により、必ず有効ラインL9に停止させることができるため、ステップS114のリール停止制御を行った場合でも、小役1Aの取りこぼしが生じないようになっている。
以上のように、通常遊技中に役抽選で小役1Aを含む複数の小役1が当選したときは、ストップスイッチの操作順序に応じて、リール停止制御(引込制御)の内容および引込制御の対象とする有効ラインを切り替えることで、単位遊技の結果が異なるようにしている。そして、上述したリール停止制御を行うと、CPU106は、図16に示したステップS94の判断処理へ移行する。
(1−a−イ)小役1Aを含む複数の小役1以外の小役が当選したとき
ステップS104の判断処理で、CPU106が、小役1Aを含む複数の小役1が当選していない(NO)と判断したときは、役抽選で当選した小役に応じた引込制御を行う。すなわち、図9に示した役抽選テーブルの「備考」欄に記載しているように、小役1a〜1pが同時当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関係なく、これらの当選役のうちいずれか1つの当選役に対応する図柄組合せが、必ず有効ラインL9に沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。よって、この場合のメダル払出枚数は1枚となる。また、小役2Aまたは2Bが当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関係なく、小役2Aまたは2Bに対応する図柄組合せが、有効ラインL1〜L8に沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。この場合のメダル払出枚数は1枚×8(ライン)=8枚となる。また、小役3が単独で当選した時、または、小役3と小役4Aが同時に当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関係なく、小役3に対応する図柄組合せが、有効ラインL9に沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。よって、この場合のメダル払出枚数は12枚となる。
また、小役4Aおよび4Bが同時当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関係なく、いずれか一方の図柄組合せを有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。この場合、各リールの図柄配列の関係上、中リール72Cにおける「スイカA」図柄および右リール72Rにおける「白7」図柄または「BAR」図柄、枠上U3または下段Dのいずれか一方にしか停止させることができないが、左リール72Lにおける「スイカA」図柄は、枠上U3および下段Dの双方に必ず停止するようになっている。よって、小役4Aまたは4Bが入賞する場合は必ず2重入賞することになり、メダル払出枚数は15枚となる。また、小役4Cおよび4Dが同時当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関係なく、小役4Cの図柄組合せを有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。この場合、いかなるタイミングで操作されても小役4Cを取りこぼすことはないが、小役4Cの図柄組合せは、有効ラインL1〜L8のうちいずれか一本の有効ラインのみに沿って停止表示される(重複入賞しない)ため、メダル払出枚数は14枚となる。
このように、当選した各種小役に応じたリール停止制御を行うと、CPU106は、図16に示したステップS94の判断処理へ移行する。
(1−b)再遊技役が当選したときのリール停止制御
ステップS102の判断処理において、CPU106がいずれの小役にも当選しなかった(NO)と判断したときは、次に再遊技役が当選したか否かを判断する(ステップS118)。そして、ステップS118の判断処理で、再遊技役が当選した(YES)とCPU106が判断すると、現在のRT状態と、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序とに応じたリール停止制御を行う(ステップS120)。以下、各RT状態におけるリール停止制御の内容について図10に示した役抽選テーブルを参照して説明する。
(1−b−ア)現在のRT状態が「非RT」だったとき
「非RT」のときには、図10(a)に示すように、「再遊技役A」単独、「再遊技役A,C」、「再遊技役A,E」、「再遊技役A,F」または「再遊技役A,C,E」のいずれかが当選し得る。そして、いずれの再遊技役が当選した場合にも、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関係なく、再遊技役Aの図柄組合せ(「白7−プラム−プラム」)が有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
(1−b−イ)現在のRT状態が「RT1」だったとき
「RT1」のときには、図10(b)に示すように、「非RT」のときと同じ種類の再遊技役(「再遊技役A」、「再遊技役A,C」、「再遊技役A,E」、「再遊技役A,F」および「再遊技役A,C,E」)に加え、さらに、「再遊技役A,B,C」、「再遊技役A,B,C,E」および「再遊技役A,B,C,F」の3つのグループのいずれも当選し得る。そして、「非RT」のときと同じ種類の再遊技役が当選した時は、「非RT」におけるリール停止制御と同様に、再遊技役Aの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
これに対して、「再遊技役A,B,C」、「再遊技役A,B,C,E」および「再遊技役A,B,C,F」のいずれかのグループが当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて入賞させる再遊技役の種類を変化させる。すなわち、図10(b)に示すように、第1停止操作が左ストップスイッチ37Lだったときは、いずれのグループが当選しても再遊技役Aの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
また、「再遊技役A,B,C」が当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが中→左→右の順序で操作された時は、再遊技役Bの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行うが、それ以外の順序(中→右→左、右→左→中または右→中→左)で操作された時は、再遊技役Cの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
また、「再遊技役A,B,C,E」が当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、中→右→左の順序で操作された時は、再遊技役Bの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行うが、それ以外の順序(中→左→右、右→左→中または右→中→左)で操作された時は、再遊技役Cの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
さらに、「再遊技役A,B,C,F」が当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、右→左→中または右→中→左の順序で操作された時は、再遊技役Bの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行うが、それ以外の順序(中→左→右または中→右→左)で操作された時は、再遊技役Cの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
(1−b−ウ)現在のRT状態が「RT2」だったとき
「RT2」のときには、図10(c)に示すように、「再遊技役A」単独、「再遊技役C,D」、「再遊技役C,D,E」および「再遊技役C,D,F」のいずれかが当選し得る。そして、「再遊技役A」が単独で当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関わらず、再遊技役Aの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。これに対して、「再遊技役C,D」が当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、左→中→右または左→右→中の順序で操作された時は、再遊技役Dの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行うが、それ以外の順序(中→左→右、中→右→左、右→左→中または右→中→左)で操作された時は、再遊技役Cの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
また、「再遊技役C,D,E」が当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、中→左→右または中→右→左の順序で操作された時は、再遊技役Dの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行うが、それ以外の順序(左→中→右、左→右→中、右→左→中または右→中→左)で操作された時は、再遊技役Cの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
さらに、「再遊技役C,D,F」が当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、右→左→中または右→中→左の順序で操作された時は、再遊技役Dの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行うが、それ以外の順序(左→中→右、左→右→中、中→左→右または中→右→左)で操作された時は、再遊技役Cの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
(1−b−エ)現在のRT状態が「RT3」だったとき
「RT3」のときには、図10(d)に示すように、「RT2」のときと同じ種類の再遊技役(「再遊技役A」、「再遊技役C,D」、「再遊技役C,D,E」および「再遊技役C,D,F」)に加え、さらに、「再遊技役D」、「再遊技役D,E」および「再遊技役D,F」の3つのグループのいずれかも当選し得る。そして、「RT2」のときと同じ種類の再遊技役が当選した場合は、「RT2」におけるリール停止制御と同様に、再遊技役DまたはCの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
これに対して、「再遊技役D」、「再遊技役D,E」および「再遊技役D,F」のいずれかのグループが当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関わらず、再遊技役Dの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
(1−b−オ)現在のRT状態が「RT4」または「RT5」だったとき
この場合、図10(e)および(f)に示すように、再遊技役Aしか当選し得ず、よって、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関わらず、再遊技役Aの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。
以上のように、再遊技役が当選すると、CPU106はステップS120の処理によって、現在のRT状態と、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序とに応じたリール停止制御を行った後、図16に示したステップS94の判断処理へ移行する。
(1−c)特別役が当選したときのリール停止制御
ステップS118の判断処理において、CPU106がいずれの再遊技役にも当選しなかった(NO)と判断したときは、次に特別役(BB役、MB役、RB役AまたはRB役B)が当選したか否かを判断する(ステップS122)。そして、ステップS122の判断処理で、特別役が当選した(YES)とCPU106が判断すると、当選した特別役に対応する図柄組合せを、有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う(ステップS124)。なお、役抽選の結果がハズレだった場合でも、ボーナスフラグ持越中のときは、ステップS122の判断結果はYESとなる。
ここで、図8(b)に示した各特別役の図柄組合せのうち、BB役の図柄組合せは「赤7」図柄のみで構成されている。この「赤7」図柄は、図3に示した各リールの図柄配列から明らかなように、各リールに1つずつしか存在しない。このため、遊技者のストップスイッチの操作タイミングによっては、BB役を取りこぼしてしまうことになる。しかしながら、「赤7」図柄を下段Dに停止させることができる位置から、枠上U3よりも5図柄分、上流側に離れた位置までの間に、「赤7」図柄が存在しているときにストップスイッチを操作すれば、当該「赤7」図柄を下段Dまたは枠上U3に停止させることができるため、要求される目押しの技量は低いといえる。
また、BB役の当選フラグを持ち越したまま(オンの状態を維持したまま)の状態で、BB役を入賞させることができない状態が生じるのが望ましくないときは、BB役の当選フラグを持ち越さないようにするか、取りこぼしが生じないようにすればよい。すなわち、前者のように構成する場合は、役抽選でBB役が当選した単位遊技において、BB役を入賞させることができなかったときは、その単位遊技が終了するときに、BB役の当選フラグをオフにする。また、後者のように構成する場合は、各リールに少なくとも2つのBB役の図柄を等間隔で配置すればよい。このように構成することで、ストップスイッチの操作タイミングに関わらず、BB役の図柄組合せを有効ラインL1〜L8のいずれか1つに沿って停止表示させることができる。
そして、ステップS124の処理によって当選した特別役に対応する図柄組合せの引込制御を行うと、CPU106は、図16に示したステップS94の判断処理へ移行する。
(1−d)いずれの役にも当選していないときのリール停止制御
ステップS122の判断処理において、CPU106がいずれの特別役にも当選しなかった(NO)と判断したときは、当選役が存在しないことになる。よってCPU106は、有効ラインに沿って何らかの役に対応する図柄組合せが停止表示されないように、蹴飛ばし制御を行う(ステップS126)。ここで、第1〜第3停止操作のうち、どのタイミングで蹴飛ばし制御を行うかは適宜定めればよいが、本実施形態では、最後のリールの停止制御を行う際に、蹴飛ばし制御を行う。そして、ステップS126の処理によって蹴飛ばし制御を行うと、CPU106は、図16に示したステップS94の判断処理へ移行する。
(2)特別遊技中のリール停止制御
図17のステップS100の判断処理において、CPU106が、特別遊技中である(YES)と判断したときは、図19に示すフローチャートの処理を行う。すなわち、まずCPU106は、現在の遊技状態がMB遊技であるか否かを判断する(ステップS130)。
(2−a)MB遊技中におけるリール停止制御
ステップS130の判断処理において、CPU106がMB遊技中である(YES)と判断したときは、以下に説明するステップS132〜S142の処理によってリール停止制御を行う。その前に、図20に示す非RTおよびRT1〜3でそれぞれ用いる役抽選テーブルの構成を模式的に示した図に基づいて、MB遊技中におけるリール停止制御について概略的に説明する。なお、図20において、(a)は非RT、(b)はRT1、(c)はRT2、(d)RT3の役抽選テーブルの構成を示しており、各RT状態の役抽選テーブルにおける各役に対する数値範囲は、図9および図10(a)〜(d)に示した各RT状態の役抽選テーブルにおける置数に対応している。
基本的に、MB遊技中は役抽選によらず、すべての小役の当選フラグがオンとなるため、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作タイミングに応じて小役が入賞することになる。しかしながら、実際にはMB遊技中にも引込制御が行われており、引込制御の対象となった小役が入賞するようになっている。この引込制御の内容は、MB遊技中に行われる役抽選の結果と、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて異なっている。なお、MB遊技中の役抽選で使用される役抽選テーブルは、MB遊技へ移行する直前に滞在していたRT状態の役抽選テーブルが用いられる。
そこで、非RTに滞在しているときの通常遊技中からMB遊技へ移行した場合と、RT1に滞在しているときの通常遊技中からMB遊技へ移行した場合と、における引込制御の対象となる小役の違いについて説明する。図20(a)に示す非RTにおける役抽選テーブルの構成と、(b)に示すRT1における役抽選テーブルの構成とを比較すると、特別役の当選領域(乱数値:0〜8149)、小役の当選領域(乱数値:8150〜14522)、および、はずれの一部領域(乱数値:23502〜65535)は、互いに一致している。これにより、非RTからMB遊技へ移行したときも、RT1からMB遊技へ移行したときも、MB遊技中の役抽選において、抽出された乱数値が上述した領域に属するときは、同じ内容の引込制御を行う。例えば、本実施形態では、RB役AまたはRB役Bに当選した場合を除き、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されたときは小役2Bが単一入賞し(メダル払出枚数1枚)、中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときは小役1a〜1pのいずれかが4重入賞する(メダル払出枚数5枚)引込制御が行われるものとする。
これに対して、再遊技役の当選領域を見ると、乱数値が14523〜16001の領域については、非RTにおける役抽選テーブルと、RT1における役抽選テーブルとは、一致しているが、乱数値が16002〜23501までの当選領域については、当選役の種類が異なっている。すなわち、非RTにおける役抽選テーブルでは、再遊技役Aが単独で当選するが、RT1における役抽選テーブルでは、「再遊技役A,B,C」、「再遊技役A,B,C,E」または「再遊技役A,B,C,F」のいずれかが当選することになる。
これにより、MB遊技中の役抽選において、抽出された乱数値が16002〜23501までの当選領域に属するときは、非RTからMB遊技へ移行したときと、RT1からMB遊技へ移行したときとで、引込制御の内容が異なってくる。具体的には、非RTからMB遊技へ移行した場合、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関係なく、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞し、かつ、小役2Aが単一入賞する引込制御が行われる(図10(a)の役抽選テーブルにおいて、再遊技役Aが単独当選する行の「MB遊技中の引込制御」欄を参照)。
これに対して、RT1からMB遊技へ移行したときは、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されたときは小役2Bが単一入賞し、中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときは小役1a〜1pのいずれかが4重入賞し、かつ、小役2Aが単一入賞する引込制御が行われる(図10(b)の役抽選テーブルにおいて、「再遊技役A,B,C」、「再遊技役A,B,C,E」および「再遊技役A,B,C,F」が当選する行の「MB遊技中の引込制御」欄を参照)。
このように、非RTまたはRT1に滞在中の通常遊技からMB遊技へ移行したときは、小役に入賞しても、1枚または5枚の払い出しとなる可能性が高いといえる。
これに対して、図20(c)に示すRT2の役抽選テーブルの構成は、非RTに比べ、再遊技役の当選領域が大幅に拡張され(乱数値:14523〜44522)、かつ、当選役の種類も異なっている。よって、RT2に滞在中の通常遊技からMB遊技へ移行した場合、そのMB遊技中の役抽選において抽出された乱数値が14523〜44522までの当選領域に属するときは、非RTまたはRT1の通常遊技からからMB遊技へ移行した場合とは異なる引込制御を行う。具体的には、「再遊技役C,D」、「再遊技役C,D,E」または「再遊技役C,D,F」の当選領域に属するときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて小役4Cが単一入賞するか、小役4Dが2重入賞する(図10(c)の役抽選テーブルにおいて、「再遊技役C,D」、「再遊技役C,D,E」および「再遊技役C,D,F」が当選する行の「MB遊技中の引込制御」欄を参照)。
また、「再遊技役A」の当選領域に属するときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関わらず、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞し、かつ、小役2Aが単一入賞する引込制御が行われる(図10(c)の役抽選テーブルにおいて、「再遊技役A」が当選する行の「MB遊技中の引込制御」欄を参照)。
また、図20(d)に示すように、RT3の役抽選テーブルの構成は、再遊技役の当選領域が、RT2の役抽選テーブルよりもさらに拡張されている(乱数値:14523〜65522)。これにより、図10(d)の役抽選テーブルに示すように、RT3に滞在中の通常遊技からMB遊技へ移行した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて小役4Cが単一入賞するか、小役4Dが2重入賞する傾向が、さらに強くなる。
このように、RT2またはRT3に滞在中の通常遊技からMB遊技へ移行した場合は、非RTまたはRT1に滞在中の通常遊技からMB遊技へ移行した場合と異なり、小役に入賞しても、14枚または15枚の払い出しとなる可能性が高くなるといえる。このように、本実施形態のMB遊技は、移行前のRT状態に応じて、入賞し易い小役の種類および入賞のし易さが異なっている。
なお、図20に示した各役抽選テーブルの例では、乱数値が0〜14522の範囲については、いずれのRT状態においても同じ特別役および小役が対応している。このため、MB遊技中の役抽選で、この数値範囲内の乱数値が抽出されたときは、いずれのRT状態からMB遊技が開始された場合でも、同じ内容のリール停止制御(特に引込制御)が行われる。しかしながら、MB遊技中に役抽選の対象とならない特別役(BB役およびMB役)が対応付けられている数値範囲については、MB遊技中に限って、予め定めておいた再遊技役を対応付けるようにしても良い。ここで以下では、通常遊技中は特別役が対応付けられているが、MB遊技に移行すると再遊技役が対応付けられる数値範囲を、「拡張再遊技役領域」という。そして、例えば図20(c)および(d)に、それぞれ「拡張再遊技役領域」を設けておき、MB遊技中に当該「拡張再遊技役領域」に該当する乱数値が抽出されたときは、非RTからMB遊技へ移行したときは異なる引込制御(例えば図10(c),(d)に示すように、ストップスイッチの操作順序に応じて小役4Cまたは小役4Dが入賞する引込制御)を行うようにしても良い。
また、図20(c)および(d)における「拡張再遊技役領域」に、互いに異なる種類の再遊技役を対応づけておき、MB遊技中に「拡張再遊技役領域」の乱数値が抽出されたときは、RT2からMB遊技へ移行したときと、RT3からMB遊技へ移行したときとで、引込制御の内容を異ならせても良い。
以下、図19のステップS132〜S142の処理によるMB遊技中のリール停止制御について説明する。
(2−a−ア)再遊技役が当選したときのリール停止制御
まず、CPU106は、役抽選の結果、再遊技役が当選したか否かを判断する(ステップS132)。そして、再遊技役が当選した(YES)とCPU106が判断すると、次にCPU106は、MB遊技を開始したときのRT状態と、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序とに応じたリール停止制御を行う(ステップS134)。以下、各RT状態におけるリール停止制御の内容について図10に示した役抽選テーブルを参照して説明する。なお、RT4またはRT5に滞在しているときは、BB役、RB役AまたはRB役Bが当選している状態(内部当選中)であり、これらのRT状態からMB遊技が開始されることはない。よって、MB遊技が開始されたときのRT状態は、「非RT」、「RT1」、「RT2」または「RT3」のいずれかとなる。
(i)MB遊技開始時のRT状態が「非RT」だったとき
「非RT」のときには、図10(a)に示すように、「再遊技役A」単独、「再遊技役A,C」、「再遊技役A,E」、「再遊技役A,F」または「再遊技役A,C,E」のいずれかが当選し得る。「再遊技役A」が当選した場合は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関わらず、小役1a〜1pのうち、いずれか役に対応する図柄組合せを有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。ここで、図3に示した図柄配列によれば、小役1a〜1pのうちいずれかの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示させると、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞すると共に、必ず有効ラインL9に沿って小役2Aの図柄組合せが停止表示されることになる。よってこの場合のメダル払出枚数は5枚となる。
次に、「再遊技役A,C」が当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、左→中→右または左→右→中の順序で操作されると、小役3の図柄組合せ(「プラム−ANY−チェリー」)が有効ラインL9に沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。よって、この場合のメダル払出枚数は12枚となる。これに対して、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、中→左→右、中→右→左、右→左→中または右→中→左の順序で操作されると、小役1a〜1pのいずれの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のいずれかに沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。よって、この場合、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞すると共に、小役2Aが単一入賞して、メダル払出枚数が5枚となる。
「再遊技役A,E」が当選した時に、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、左→中→右または左→右→中の順序で操作されると、小役3が有効ラインL9で単一入賞するようなリール停止制御を行う。よって、この場合のメダル払出枚数は12枚となる。これに対して、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、中→左→右、中→右→左、右→左→中または右→中→左の順序で操作されると、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞すると共に、小役2Aが単一入賞するようなリール停止制御を行う。
「再遊技役A,F」が当選した時に、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、左→中→右または左→右→中の順序で操作されると、小役2Aが有効ラインL1〜L8で8重入賞するようなリール停止制御を行う。よって、この場合のメダル払出枚数は8枚とる。これに対して、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、中→左→右、中→右→左、右→左→中または右→中→左の順序で操作されると、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞すると共に、小役2Aが単一入賞するようなリール停止制御を行う。
「再遊技役A,C,E」が当選した時に、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、左→中→右または左→右→中の順序で操作されると、小役2Bが有効ラインL1〜L8で8重入賞するようなリール停止制御を行う。よって、この場合のメダル払出枚数は8枚とる。これに対して、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、中→左→右、中→右→左、右→左→中または右→中→左の順序で操作されると、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞すると共に、小役2Aが単一入賞するようなリール停止制御を行う。
(ii)MB遊技開始時のRT状態が「RT1」だったとき
「RT1」のときには、図10(b)に示すように、「非RT」のときと同じ種類の再遊技役(「再遊技役A」、「再遊技役A,C」、「再遊技役A,E」、「再遊技役A,F」および「再遊技役A,C,E」)に加え、さらに、「再遊技役A,B,E」、「再遊技役A,B,C,E」および「再遊技役A,B,C,F」の3つのグループのいずれかも当選し得る。そして、「非RT」のときと同じ種類の再遊技役が当選した時は、「非RT」におけるMB遊技中のリール停止制御と同様の小役が入賞するようなリール停止制御を行う。
また、「再遊技役A,B,C」、「再遊技役A,B,C,E」および「再遊技役A,B,C,F」のいずれかのグループが当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、左→中→右または左→右→中の順序で操作されると、小役2Bの図柄組合せが有効ラインL9に沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う。これにより、小役2Bが単一入賞して、1枚のメダルが払い出される。これに対して、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、中→左→右、中→右→左、右→左→中または右→中→左の順序で操作されると、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞すると共に、小役2Aが単一入賞するようなリール停止制御を行う。
(iii)MB遊技開始時のRT状態が「RT2」だったとき
「RT2」のときには、図10(c)に示すように、「再遊技役A」単独、「再遊技役C,D」、「再遊技役C,D,E」および「再遊技役C,D,F」のいずれかが当選し得る。そして、「再遊技役A」が単独で当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関わらず、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞すると共に、小役2Aが単一入賞するようなリール停止制御を行う。
これに対して、「再遊技役C,D」が当選したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、左→中→右または左→右→中の順序で操作されると、小役4Cの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のうち、いずれか1本のラインに沿って停止表示される(すなわち小役4Cが単一入賞する)ようなリール停止制御を行う。よって、この場合14枚のメダルが払い出されることになる。また、それ以外の順序(中→左→右、中→右→左、右→左→中または右→中→左)で操作されると、小役4Dの図柄組合せが有効ラインL1〜L8のうち、いずれか2本のラインに沿って停止表示されるような(すなわち小役4Dが2重入賞する)リール停止制御を行う。よって、この場合15枚(15枚を超える分については切り捨て)のメダルが払い出されることになる。
「再遊技役C,D,E」が当選したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、中→左→右または中→右→左の順序で操作されると、小役4Cが単一入賞して14枚のメダルが払い出されるようなリール停止制御を行う。また、それ以外の順序(左→中→右、左→右→中、右→左→中または右→中→左)で操作されると、小役4Dが2重入賞して15枚のメダルが払い出されるようなリール停止制御を行う。
「再遊技役C,D,F」が当選したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、右→左→中または右→中→左の順序で操作されると、小役4Cが単一入賞して14枚のメダルが払い出されるようなリール停止制御を行う。また、それ以外の順序(左→中→右、左→右→中、中→左→右または中→右→左)で操作されると、小役4Dが2重入賞して15枚のメダルが払い出されるようなリール停止制御を行う。
(iv)MB遊技開始時のRT状態が「RT3」だったとき
「RT3」のときには、図10(d)に示すように、「RT2」のときと同じ種類の再遊技役(「再遊技役A」、「再遊技役C,D」、「再遊技役C,D,E」および「再遊技役C,D,F」)に加え、さらに、「再遊技役D」、「再遊技役D,E」および「再遊技役D,F」の3つのグループのいずれかも当選し得る。そして、「RT2」のときと同じ種類の小役が当選した時は、「RT2」におけるリール停止制御と同様のリール停止制御を行う。
また、「再遊技役D」、「再遊技役D,E」または「再遊技役D,F」が当選した時は、「RT2」において、「再遊技役C,D」、「再遊技役C,D,E」または「再遊技役C,D,F」が当選したときと同様のリール停止制御を行う。すなわち、「再遊技役D」が当選した時は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、左→中→右または左→右→中の順序で操作されると、小役4Cが単一入賞して14枚のメダルが払い出されるようなリール停止制御を行う。また、それ以外の順序(中→左→右、中→右→左、右→左→中または右→中→左)で操作されると、小役4Dが2重入賞して15枚のメダルが払い出されるようなリール停止制御を行う。
「再遊技役D,E」が当選したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、中→左→右または中→右→左の順序で操作されると、小役4Cが単一入賞して14枚のメダルが払い出されるようなリール停止制御を行う。また、それ以外の順序(左→中→右、左→右→中、右→左→中または右→中→左)で操作されると、小役4Dが2重入賞して15枚のメダルが払い出されるようなリール停止制御を行う。
「再遊技役D,F」が当選したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、右→左→中または右→中→左の順序で操作されると、小役4Cが単一入賞して14枚のメダルが払い出されるようなリール停止制御を行う。また、それ以外の順序(左→中→右、左→右→中、中→左→右または中→右→左)で操作されると、小役4Dが2重入賞して15枚のメダルが払い出されるようなリール停止制御を行う。
以上のように、MB遊技中に再遊技役が当選すると、CPU106はステップS134の処理によって、MB遊技開始時のRT状態と、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序とに応じたリール停止制御を行い、その後、図16に示したステップS94の判断処理へ移行する。
(2−a−イ)RB役AまたはRB役Bが当選したときのリール停止制御
ステップS132の判断処理において、再遊技役が当選しなかった(NO)とCPU106が判断すると、次にCPU106は、RB役AまたはRB役Bが当選したか否かを判断する(ステップS136)。そして、RB役AまたはRB役Bが当選した(YES)と、CPU106が判断したときは、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関わらず、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞すると共に、小役2Aが単一入賞するリール停止制御を行う(ステップS138)。そして、CPU106は図16に示したステップS94の判断処理へ移行する。なお、MB遊技中にRB役AまたはRB役Bが当選し、かつ、その単位遊技で(小役が入賞した場合であっても)当選したRB役AまたはRB役Bが入賞しなかったときは、後に示す図22の入賞判定処理において、ステップS230(YES)→S238(YES)→S240→S242の処理が行われる。これにより、RB役AまたはRB役Bが当選した単位遊技が終了すると、遊技状態は「内部当選」へ移行し、かつ、RT状態は「RT5」となり、RB役AまたはRB役Bが当選した状態が以降の単位遊技においても持ち越される。
(2−a−ウ)再遊技役、RB役AまたはBに当選しなかったときのリール停止制御
ステップS136の判断処理において、RB役AまたはRB役Bのいずれも当選しなかった(NO)とCPU106が判断すると、次にCPU106は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、順押しまたはハサミ押しの操作順序で操作されているか否かを判断する(ステップS140)。そして、CPU106が順押しまたはハサミ押しの操作順序で操作されている(YES)と判断したときは、小役2Bの図柄組合せが有効ラインL9に沿って停止表示されるようなリール停止制御を行う(ステップS142)。これに対して、ステップS140の判断処理で、CPU106が、順押しまたはハサミ押しの操作順序で操作されていない(NO)と判断したときは、ステップS138の処理へ進み、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞すると共に、小役2Aが単一入賞するリール停止制御を行う。そして、ステップS138またはS140の処理により、リール停止制御を行うと、CPU106は、図16に示したステップS94の判断処理へ移行する。
(2−b)MB遊技以外の特別遊技中におけるリール停止制御
(2−b−ア)小役が当選した時のリール停止制御
ステップS130の判断処理において、CPU106がMB遊技中ではない(NO)と判断したとき、すなわち、BB遊技、RB遊技AまたはRB遊技B中であると判断したときは、図11に示した役抽選テーブルに基づく役抽選の結果、何らかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップS144)。そして、何らかの小役が入賞した(YES)と、CPU106が判断したときは、当選した小役に応じた図柄組合せの引込制御を行う(ステップS146)。ここで、RB遊技AまたはRB遊技B中に当選し得る小役は、図11の役抽選テーブルに示すように、小役2A、小役2B、小役3および4A、小役4Cおよび4D、ならびに、小役4Cおよび4D以外の全小役である。また、BB遊技中に当選し得る小役は、小役4Cおよび4D、ならびに、小役4Cおよび4D以外の全小役である。
そして、RB遊技AまたはRB遊技B中に、役抽選で小役2Aまたは小役2Bが当選した時は、当選した小役2Aまたは小役2Bに対応する図柄組合せを、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関係なく、有効ラインL9に沿って停止表示させる。また、役抽選で小役3および4Aが同時当選したときは、小役3に対応する図柄組合せを、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関係なく、有効ラインL9に沿って停止表示させる。
また、BB遊技、RB遊技AまたはRB遊技B中に、小役4Cおよび4Dが同時当選した時は、小役4Cに対応する図柄組合せを、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関係なく、有効ラインL9に沿って停止表示させる。さらに、小役4Cおよび4D以外の全小役が同時に当選した時は、小役3に対応する図柄組合せを、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関係なく、有効ラインL9に沿って停止表示させる。そして、ステップS146の処理によるリール停止制御を行うと、CPU106は、図16に示したステップS94の判断処理へ移行する。
(2−b−イ)小役が当選しなかった時(ハズレ)のリール停止制御
ステップS144の判断処理において、CPU106がいずれの小役にも当選しなかった(NO)と判断したときは、当選役が存在しないことになり、CPU106は、有効ラインに沿って何らかの役に対応する図柄組合せが停止表示されないように、蹴飛ばし制御を行う(ステップS148)。そして、ステップS148の処理によって蹴飛ばし制御を行うと、CPU106は、図16に示したステップS94の判断処理へ移行する。
<入賞判定処理サブルーチンの説明>
次に、図14に示したメインルーチンのステップS26で行われる入賞判定処理について、図21および図22に示すフローチャートを用いながら詳細に説明する。
まず、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を参照し、現在の遊技状態が特別遊技中であるか否かを判断する(ステップS150)。現在の遊技状態が特別遊技中ではない(NO)、すなわち、「BB遊技」、「MB遊技」、「RB遊技A」および「RB遊技B」のうち、いずれの遊技状態でもないと判断すると、次にCPU106は、現在の遊技状態が「内部当選」であるか否かを判断する(ステップS152)。現在の遊技状態が「内部当選」ではない(NO)とCPU106が判断したときは、次に再遊技役が入賞したか否かを判断する(ステップS154)。すなわち、有効ラインL1〜L9に沿って停止表示されている各図柄組合せと、図8(b)に示した再遊技役A〜Dの図柄組合せとを比較して、一致するものがあるかを判断する。そして、再遊技役が入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグをオンにする(ステップS156)。次いでCPU106は、入賞した再遊技役の種類を判断する。まず、再遊技役Cが入賞したか否かを判断し(ステップS158)、再遊技役Cが入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する(ステップS160)。
ここで、現在のRT状態は、RAM110に記憶されている変数RTの値によって表される。すなわち、RTの値が「0」のときは「非RT」であることを表しており、「1」〜「5」の各値によって「RT1」〜「RT5」であることを表している。したがって、RTの値が「0」だった時は、ステップS158の判断結果は(YES)となり、現在のRT状態を維持する。これに対してRTの値が「1」〜「5」のいずれかだった時は、RTの値を「0」に更新して「非RT」へ移行する(ステップS162)。
ステップS158の判断処理において、CPU106が再遊技役Cに入賞しなかった(NO)と判断したときは、次に、再遊技役Bが入賞したか否かを判断する(ステップS164)。そして、再遊技役Bが入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態が「RT1」であるか否かを判断し(ステップS166)、RTの値が「1」以外である(NO)と判断したときは、現在のRT状態を維持する。これに対してRTの値が「1」である(YES)と判断した時は、RTの値を「2」に更新して「RT2」へ移行する(ステップS168)。
また、ステップS164の判断処理において、CPU106が再遊技役Bに入賞しなかった(NO)と判断したときは、次に、再遊技役Dが入賞したか否かを判断する(ステップS170)。そして、再遊技役Dが入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断し(ステップS172)、RTの値が「2」以外である(NO)と判断したときは、現在のRT状態を維持する。これに対してRTの値が「2」である(YES)と判断した時は、RTの値を「3」に更新して「RT3」へ移行する(ステップS174)。
上述したステップS158〜S174の処理を行うことによって、現在のRT状態と、入賞した再遊技役の種類とに応じてRT状態の移行を行うと、CPU106は、RAM110に記憶されているすべての小役および再遊技役の当選フラグをオフにする(ステップS176)。そしてCPU106は、単位遊技の結果(入賞したか否か、および入賞した場合は入賞役の種類)を示す遊技結果情報と、現在の遊技状態およびRT状態を示す遊技状態情報を副制御回路200へ送信し(ステップS178)、入賞判定処理を終了する。
前述したステップS154の判断処理において、CPU106が再遊技役には入賞しなかった(NO)と判断すると、次にCPU106は、特別役に入賞したか否かを判断する(ステップS180)。そして、CPU106がBB役、MB役、RB役AまたはRB役Bのいずれかに入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている入賞した特別役の当選フラグの状態をオフにする(ステップS182)。次にCPU106は、入賞した特別役に対応する特別遊技の終了条件をRAM110にセットする(ステップS184)。ここで、BB遊技の終了条件は、BB遊技中に払い出されたメダルの合計枚数が345枚を超えたときに成立し、MB遊技の終了条件は、MB遊技中に払い出されたメダルの合計枚数が14枚を超えたときに成立する。また、RB遊技Aの終了条件は、RB遊技Aが開始してから単位遊技が5回行われるか、小役の入賞回数が5回になると成立し、RB遊技Bの終了条件は、RB遊技Bが開始してから単位遊技が8回行われるか、小役の入賞回数が8回になると成立する。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を、「通常遊技」または「内部当選」から入賞した特別役に対応する特別遊技に更新し(ステップS186)、前述したステップS176以降の処理を行う。
前述したステップS180の判断処理において、CPU106が特別役には入賞しなかった(NO)と判断すると、次にCPU106は、いずれかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップS188)。そして、CPU106がいずれかの小役が入賞した(YES)と判断したときは、入賞した小役の種類に応じたメダルの払出枚数をRAM110に記憶する(ステップS190)。これにより、図14に示したメインフローのステップS28の払い出し処理を行う際に、ステップS190の処理によって記憶された払出枚数が参照され、当該参照した枚数のメダルが払い出されることになる。
一方、ステップS188の判断処理において、CPU106が、いずれの小役にも入賞しなかった(NO)と判断したときは、役抽選においてBB役が当選しているか否かを判断する(ステップS192)。CPU106が、BB役が当選している(YES)と判断したとき、すなわち、BB役を取りこぼしたときは、RAM110に記憶されているRTの値を「4」に更新する(ステップS194)。これに対して、ステップS192の判断処理において、BB役が当選していなかった(NO)とCPU106が判断したときは、次にRB役AまたはRB役Bが当選しているか否かを判断する(ステップS196)。CPU106が、RB役AまたはRB役Bのいずれかが当選している(YES)と判断したとき、すなわち、RB役AまたはRB役Bのいずれかを取りこぼしたときは、RAM110に記憶されているRTの値を「5」に更新する(ステップS198)。
そして、ステップS194またはS198の処理によってRT状態を更新すると、CPU106は、RAM110に記憶されている遊技状態を「内部当選」に更新し(ステップS200)、前述したステップS176以降の処理を行う。ここで、ステップS176の処理では特別役の当選フラグはオフにされないため、BB役または当選しているRB役に対応する当選フラグのオン状態が維持される。
次に、ステップS196の判断処理において、CPU106が、RB役AまたはRB役Bは当選していない(NO)と判断したときは、有効ラインL1〜L9のいずれかに沿って、小役1A〜1Qを取りこぼしたときに表示される特定の図柄組合せ(図17(b)参照)が停止表示されているか否かを判断する(ステップS202)。そして、上述した特定の図柄組合せ(以下、小役1A〜1Qのこぼし目ともいう)が停止表示されていない(NO)とCPU106が判断したときは、直ちにステップS176以降の処理を行う。これに対して、小役1A〜1Qのこぼし目が停止表示されている(YES)と、CPU106が判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する(ステップS204)。そして、RTの値が「0」以外である(NO)と判断したときは、RTの値を「0」にして現在のRT状態を「非RT」にする(ステップS206)。これに対して、RTの値が「0」である(YES)と判断したときは、RTの値を「1」にして現在のRT状態を「RT1」にする(ステップS208)。このように、ステップS206またはS208の処理を行うと、CPU106は、ステップS176以降の処理を行う。
次に、前述したステップS152の判断処理において、CPU106が現在の遊技状態は「内部当選」である(YES)と判断すると、まず、特別役(BB役,MB役,RB役AまたはRB役B)が入賞したか否かを判断する(ステップS210)。そして、いずれかの特別役が入賞した(YES)と判断したときは、前述したステップS182以降の処理を行う。これに対して、ステップS210の判断処理で、いずれの特別役も入賞していない(NO)とCPU106が判断したときは、次に、再遊技役が入賞したか否かを判断する(ステップS212)。そして、再遊技役が入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグをオンにして(ステップS214)、ステップS176以降の処理を行う。
ステップS212の判断処理で、再遊技役は入賞しなかった(NO)と、CPU106が判断すると、次にいずれかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップS216)。いずれの小役も入賞していない(NO)とCPU106が判断したときは、そのままステップS176以降の処理を行う。これに対して、いずれかの小役が入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、前述したステップS190の処理へ進み、入賞した小役の種類に応じたメダルの払出枚数(図7参照)をRAM110に記憶した後、ステップS176以降の処理を行う。なお、ステップS216の判断処理で、CPU106がいずれの小役にも入賞しなかった(NO)と判断したときは、直ちにステップS176以降の処理へ移行する。
次に、前述したステップS150の判断処理において、現在の遊技状態が特別遊技中である(YES)とCPU106が判断したときは、図22に示すフローチャートの処理を行う。まず、CPU106は、RAM110に記憶されている、特別遊技中に行った単位遊技の回数の値に「1」を加算して、遊技回数をカウントする(ステップS220)。そして、CPU106は、何らかの小役が入賞したか否かを判断し(ステップS222)、入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている、特別遊技中に小役が入賞した回数の値に「1」を加算して、入賞回数をカウントする(ステップS224)。
次にCPU106は、入賞した小役の種類に応じて、図14に示したメインフローのステップS28の払い出し処理によって払い出すメダルの枚数をRAM110に記憶する(ステップS226)。次いでCPU106は、RAM110に記憶されている、特別遊技中に払い出したメダルの合計枚数の値に、入賞した小役に対応する払出枚数を加算して(ステップS228)、MB遊技中であるか否かを判断する(ステップS230)。現在、MB遊技中でない(NO)とCPU106が判断したときは、現在実行中の特別遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(ステップS232)。終了条件が成立した(YES)とCPU106が判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態を「非RT」に更新(RT=0)する(ステップS234)。そして、遊技状態を「通常遊技」に更新し(ステップS236)、併せてステップS220,S224,S228の処理によってカウントしていた遊技回数、入賞回数および払出枚数の値をクリアする。そして、図21のステップS176の処理へ移行し、RAM110に記憶されている全ての小役および再遊技役の当選フラグをオフにする。
また、ステップS230の判断処理で、CPU106がMB遊技中である(YES)と判断したときは、今回の役抽選で、RB役AまたはRB役Bが当選したか否かを判断する(ステップS238)。RB役AまたはRB役Bが当選した(YES)とCPU106が判断したときは、現在のRT状態を「RT5」に更新(RT=5)する(ステップS240)。次に、ステップS242の処理へ進み、遊技状態を「内部当選」に更新し、ステップS220,S224,S228の処理によってカウントしていた遊技回数、入賞回数および払出枚数の値をクリアする。そして、図21のステップS176の処理へ移行し、RAM110に記憶されている全ての小役および再遊技役の当選フラグをオフにする。これに対してステップS238の判断処理で、CPU106がRB役AまたはRB役Bは当選しなかった(NO)と判断したときは、現在実行中のMB遊技の終了条件が成立したか否かを判断する(ステップS244)。そして、MB遊技の終了条件が成立した(YES)とCPU106が判断したときは、前述したステップS236の処理へ進み、遊技状態を「通常遊技」に更新した後、図21のステップS176の処理へ移行する。一方、ステップS244の判断処理で、MB遊技の終了条件は成立していない(NO)とCPU106が判断したときは、そのまま図21のステップS176の処理へ移行する。これにより、MB遊技が終了して通常遊技が再開される場合、RT状態は、RAM110に記憶されていたRT状態、すなわち、MB遊技が開始される直前の通常遊技中に滞在していたRT状態となる。
前述したステップS222の判断処理において、いずれの小役も入賞しなかった(NO)とCPU106が判断したときは、次にRB役AまたはRB役Bが入賞したか否かを判断する(ステップS246)。RB役AまたはRB役Bのいずれにも入賞しなかった(NO)とCPU106が判断したときは、前述したステップS230以降の処理を行う。これに対して、RB役AまたはRB役Bのいずれかが入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、まず、RAM110に記憶されている入賞したRB役の当選フラグの状態をオフにする(ステップS248)。次にCPU106は、入賞したRB役の終了条件をRAM110にセットする(ステップS250)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を、「通常遊技」から入賞したRB役に対応するRB遊技(RB遊技AまたはRB遊技B)に更新し(ステップS252)、図21のステップS176以降の処理を行う。
≪副制御回路における制御処理の説明≫
次に、図23および図24に示す各フローチャートを参照して、副制御回路200において実行される報知および演出に関する各種処理について説明する。ここで、図23は、ART中にストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序を報知するART報知処理の内容を示すフローチャートである。また、図24は、単位遊技中に実施されるペナルティ処理の内容を示すフローチャートである。
<ART報知処理の説明>
まず、図23に示すフローチャートを用いてART報知処理の内容について説明する。なお、このART報知処理は、定期的に実行される処理である。
まず、図5に示した副制御回路200のCPU206は、主制御回路100から役抽選情報(図14、ステップS54参照)を受信したか否かを判断する(ステップS300)。CPU206が、役抽選情報を受信していない(NO)と判断した場合は、ART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対して、ステップS300で、CPU206が役抽選結果情報を受信した(YES)と判断すると、CPU206は、図5に示したRAM210に記憶されているペナルティフラグの状態がオフになっているか否かを判断する(ステップS302)。ここで、ペナルティフラグは、ART遊技以外の遊技を行っているときに、遊技者が予め定められた操作順序以外の順序でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作した場合に、遊技者に対してペナルティを課すか否かを示すフラグである。
CPU206が、ペナルティフラグはオンになっている(NO)と判断した時は、ART報知処理を終了して他の処理を行う。一方、CPU206が、ペナルティフラグがオフになっている(YES)と判断したときは、ART遊技を開始するか否かを決定するART抽選を行う(ステップS304)。このART抽選は、主制御回路100から受信した役抽選情報が、小役2A、小役2B、小役3、または、小役3および4Aが当選したことを示している場合に行う乱数抽選である。そして当該乱数抽選に当選すると、CPU206は、RAM210に記憶されているARTフラグをオンにして、ART遊技を開始させる。なお、ART抽選の当選確率は、当選した役の種類(小役2A、小役2B、小役3、または、小役3および4A)ごとに異なっている。
次にCPU206は、上述したARTフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS306)。ARTフラグはオフになっている(NO)とCPU206が判断した時は、図23のART報知処理を終了して他の処理を行う。一方、ARTフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、現在の遊技状態が通常遊技中であるか否かを判断する(ステップS308)。この判断は、図21のステップS176の処理によって主制御回路100から送信された遊技状態情報(受信するとRAM210に記憶されるものとする)に基づいて行われる。CPU206が、現在の遊技状態が通常遊技中である(YES)と判断すると、次に、CPU206は、現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する(ステップS310)。そして、現在のRT状態が「非RT」である(YES)とCPU206が判断したときは、図23のART報知処理を終了して他の処理を行う。
これに対して、現在のRT状態が「非RT」ではない(NO)と判断すると、次にCPU206は、主制御回路100から受信した役抽選情報に基づいて、再遊技役が当選したか否かを判断する(ステップS312)。そして、何らかの再遊技役が当選した(YES)とCPU206が判断したときは、再遊技役Cが入賞しないストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序を報知する(ステップS314)。すなわち、現在のRT状態が「RT1」だった場合は、図10(b)に示すように、再遊技役A,B,Cが同時当選した時は、中→左→右の操作順序を報知し、再遊技役A,B,C,Eが同時当選した時は、中→右→左の操作順序を報知し、再遊技役A,B,C,Fが同時当選した時は、右→左→中または右→中→左の操作順序を報知する。
また、現在のRT状態が「RT2」だった場合は、図10(c)に示すように、再遊技役C,Dが同時当選した時は、左→中→右または左→右→中の操作順序を報知し、再遊技役C,D,Eが同時当選した時は、中→左→右または中→右→左の操作順序を報知し、再遊技役C,D,Fが同時当選した時は、右→左→中または右→中→左の操作順序を報知する。さらに、現在のRT状態が「RT3」だった場合は、図10(d)に示すように、再遊技役C,D、再遊技役C,D,E、または、再遊技役C,D,Fが同時当選した時に、「RT2」のときと同様の操作順序を報知する。そして、ステップS314の処理を終えると、CPU206は図23のART報知処理を終了して他の処理を行う。
ステップS312の判断処理で、再遊技役が当選しなかった(NO)とCPU206が判断したときは、次に小役1Aを含む3種類の小役1が当選したか否かを判断する(ステップS316)。そして、小役1Aを含む3種類の小役1は当選しなかった(NO)とCPU206が判断したときは、図23のART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対して、小役1Aを含む3種類の小役1が当選した(YES)とCPU206が判断したときは、小役1Aが入賞する操作順序を報知する(ステップS318)。すなわち、図9の役抽選テーブルにおける「備考」欄に示すように、「小役1A,1B,1C」、「小役1A,1D,1E」、「小役1A,1F,1G」、「小役1A,1H,1I」、「小役1A,1J,1K」、「小役1A,1L,1M」、「小役1A,1N,1O」、または、「小役1A,1P,1Q」が当選した時は、中ストップスイッチ37Cを第1停止操作することを報知する。
また、「小役1A,1B,1F」、「小役1A,1C,1G」、「小役1A,1D,1H」、「小役1A,1E,1I」、「小役1A,1J,1N」、「小役1A,1K,1O」、「小役1A,1L,1P」、または、「小役1A,1M,1Q」が当選した時は、右ストップスイッチ37Rを第1停止操作することを報知する。そしてCPU206は、ステップS318の処理による報知を行うと、図23のART報知処理を終了して他の処理を行う。
前述したステップS308の判断処理で、CPU206が、現在の遊技状態は通常遊技ではない(NO)と判断したときは、次にMB遊技中であるか否かを判断する(ステップS320)。そして、CPU206がMB遊技中ではない(NO)と判断したときは、図23のART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対して、CPU206がMB遊技中である(YES)と判断したときは、主制御回路100から受信した役抽選情報に基づいて、再遊技役が当選したか否かを判断する(ステップS322)。そして、何らかの再遊技役が当選した(YES)とCPU206が判断したときは、次に現在のRT状態が「非RT」であるか否かを判断する(ステップS324)。そして、CPU206は、現在のRT状態が「非RT」である(YES)と判断したときは、図23のART報知処理を終了して他の処理を行う。一方、現在のRT状態が「非RT」ではない(NO)と判断したときは、遊技者に対して有利な単位遊技の結果が得られる操作順序を報知する(ステップS326)。そして、ステップS326の処理による操作順序の報知を行うと、CPU206は、図23のART報知処理を終了して他の処理を行う。
ここで、有利な単位遊技の結果が得られる操作順序は、「RT1」に滞在しているときにMB遊技が開始されたときは、より多くのメダルが払い出される小役が入賞する操作順序となる。例えば図10(b)に示すように、再遊技役A,B,C、再遊技役A,B,C,Eまたは再遊技役A,B,C,Fが当選した時は、中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rを第1停止操作することを報知する。
これに対して、「RT2」または「RT3」に滞在しているときにMB遊技が開始されたときは、そのMB遊技中に払い出されたメダルの合計枚数が0枚だったときは、小役4Cが単一入賞する操作順序を報知し、1枚以上だったときは、小役4Dが2重入賞する操作順序を報知する(図10(c),(d)参照)。すなわち、MB遊技は、14枚を超えるメダルが払い出されるとするため、MB遊技が開始された最初の単位遊技で、小役4Dが2重入賞して15枚のメダルが払い出されると、最初の単位遊技を行っただけでMB遊技が終了してしまう。これに対して、MB遊技が開始された最初の単位遊技で小役4Cが単一入賞すれば、払い出されるメダルが14枚であるため、MB遊技の終了条件は成立しない。そして、次の単位遊技で小役4Dが2重入賞すれば、最初の単位遊技で14枚、次の単位遊技で15枚で、合計29枚のメダルが払い出されてMB遊技が終了する。このように、最初の小役入賞機会では、MB遊技の終了条件を満たさない上限の払出枚数(14枚)の小役を入賞させ、次の小役入賞機会では、最も多い払出枚数(15枚)を得られる小役を入賞させる。
前述したステップS322の判断処理で、再遊技役が当選していない(NO)とCPU206が判断したときは、次にRB役AまたはRB役Bが当選したか否かを判断する(ステップS328)。そして、RB役AまたはRB役Bが当選した(YES)とCPU206が判断したときは、前述したようにストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関わらず、小役1a〜1qのいずれかが4重入賞すると共に、小役2Aが単一入賞するため、特に操作順序を報知せずに図23のART報知処理を終了する。これに対して、ステップS328の判断処理で、RB役AまたはRB役Bのいずれにも当選していない(NO)とCPU206が判断した場合は、前述したように、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されたときは、小役2Bが単一入賞して1枚のメダルが払い出され、中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rが第1停止操作されたときは、小役1a〜1qのいずれかが4重入賞すると共に、小役2Aが単一入賞して、5枚のメダルが払い出される。このため、CPU206は、第1停止操作するストップスイッチは、中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rであること(すなわち変則押し)を示す報知を行う(ステップS330)。そしてCPU206は、ステップS330の処理による報知を行うと、図23のART報知処理を終了して他の処理を行う。
<ペナルティ処理の説明>
次に、図24に示すフローチャートを用いてペナルティ処理の内容について説明する。まず、CPU206は、主制御回路100から停止操作情報(図16のステップS88参照)を受信したか否かを判断する(ステップS340)。停止操作情報を受信した(YES)とCPU206が判断したときは、受信した停止操作情報が第1停止操作によるものであるか否かを判断する(ステップS342)。受信した停止操作情報が第1停止操作によるものである(YES)とCPU206が判断したときは、停止操作情報が示しているストップスイッチが、左ストップスイッチ37Lであるか否かを判断する(ステップS344)。そして、左ストップスイッチ37LではないとCPU206が判断したときは、RAM210に記憶されているARTフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS346)。ARTフラグがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、500回の単位遊技が行われている間、RAM210に記憶されているペナルティフラグをオンにする(ステップS348)。そして、CPU206は、図24のペナルティ処理を終了する。
なお、ステップS340の判断処理で、主制御回路100から停止操作情報を受信していない(NO)と判断したとき、ステップS342の判断処理で、受信した停止操作情報が、第1停止操作によるものではなかった(NO)と判断したとき、ステップS344の判断処理で、受信した停止操作情報が、左ストップスイッチ37L出あることを示していたとき(YES)、さらには、ステップS346の判断処理で、RAM210に記憶されているARTフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、ペナルティフラグをオンにすることなく図24のペナルティ処理を終了する。
このように、ART遊技が行われていない状態で、第1停止操作時に左ストップスイッチ37Lが操作されると、500ゲーム間はペナルティフラグがオンにされる。したがって、図23に示したART報知処理において、この間、ART抽選が行われることはなく、遊技者にとって不利な状態となる。このため、例えば通常遊技中にRT1に滞在している場合のように、左ストップスイッチ37L以外のストップスイッチを第1停止操作しなければ、より再遊技役の当選確率が高いRT状態へ移行することができない状況であっても(図10(b)および図13参照)、左ストップスイッチ37Lを第1停止操作することを、遊技者に堅持させることができる。なお、ペナルティの内容としては「ART抽選を実行しない」のみならず、遊技機の技術分野における公知のペナルティ(遊技者にとって不利となる措置)が適用可能であることはいうまでもない。
次に、上述したスロットマシン10におけるRB遊技およびMB遊技の遊技性について説明する。
(1)RB遊技の遊技性
従来のスロットマシンでは、「赤7」図柄、「白7」図柄および「BAR」図柄などが特別役の図柄組合せに用いられることが多く、これらの図柄は、いわゆるボーナス図柄として広く認知されている。また、これらボーナス図柄の目押しを容易にするために、図柄のサイズを大きくし、かつ、図柄の一部に透光領域を設けて、リールテープの裏側に設置されたバックライトの光を視認可能にするなど、図柄を目立たせるための工夫を凝らしている。
これに対して、スロットマシン10では、図8(a)に示すように、RB役Aに対応する図柄組合せは、「チェリー−スイカA−プラム」、RB役Bに対応する図柄組合せは、「チェリー−スイカA−ベル」となっている。これらの図柄組合せに用いられている、「チェリー」図柄、「スイカA」図柄、「ベル」図柄、「プラム」図柄は、一般に、小役または再遊技役の図柄組合せに用いられることが多い。このため、RB役AまたはRB役Bに対応する図柄組合せが、有効ラインに沿って停止表示されたとしても、一見しただけではRB役が入賞したことが分かりにくくなっている。
また、スロットマシン10では、左リール72Lにおける「チェリー」図柄、中リール72Cにおける「スイカA」図柄、および、右リール72Rにおける「ベル」図柄、「プラム」図柄は、それぞれ、如何なるタイミングでストップスイッチが操作されても、枠上U3または下段Dのいずれかに停止させることができる。加えて、各リールに対応する枠上U3または下段Dを通過する入賞ラインが、有効ラインL1〜L8になっている。これにより、スロットマシン10では、通常遊技中に役抽選でRB役AまたはRB役Bが当選した場合、任意のタイミングでストップスイッチ37L,37C,37Rを操作しても(すなわち目押しをしなくても)、リール停止制御によって当選したRB役AまたはRB役Bの図柄組合せを有効ラインに沿って停止表示させることができる。
すなわち、遊技者は特に意識することなく、RB役AまたはRB役Bを入賞させることができ、なおかつ、全リールが停止したときに表示される図柄の態様によっては、RB役AまたはRB役Bが入賞したこと(換言すると、通常遊技からRB遊技への移行)が認識しにくくなっている。
また、図9および図11に示した役抽選テーブルから、RB遊技中は、通常遊技中に比べ、ART抽選の契機となる小役2A、小役2B、小役3・4Aの当選確率が上昇し、かつ、小役3が入賞する可能性も格段に上昇している。これにより、遊技者に対して、通常遊技中にいきなり小役3の入賞頻度が増し、また、ART遊技へ移行しやすくなる状態に変化するという意外性を感じさせることができる。さらに、RB遊技Aは、単位遊技を5回行うか小役が5回入賞すると終了し、RB遊技Bは、単位遊技を8回行うか小役が8回入賞すると終了するため、遊技者は、上述した状態がいつまで続くのか判別しにくくなる。これにより、遊技者にこの状態がいつまでも続いて欲しいという期待と、この状態が次の単位遊技で終わってしまうかも知れないという不安を抱かせることができ、遊技に関する興趣の向上が期待できる。
(2)MB遊技の遊技性
基本的に、MB遊技中は役抽選によらず、全ての小役に対する当選フラグがオンにされる。また、スロットマシン10では、RB役A、RB役Bおよび各再遊技役については、MB遊技が開始される直前に用いていた役抽選テーブルに基づく役抽選を行い、RB役A、RB役Bまたは各再遊技役が当選した時は、その当選役の種類と、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序とに応じて、引込制御を行う当選役の種類を切り替えている(図19、ステップS132(YES)→S134および図10参照)。なお、RB役A、RB役Bまたは各再遊技役のいずれにも当選しなかった場合は、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると、小役2Bを有効ラインL9に単一入賞させる(メダル払出枚数は1枚)(図19、ステップS140(YES)→S142)。一方、中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37Rが第1停止操作された場合は、小役1a〜1pのいずれかを4重入賞させるとともに、小役2Aを単一入賞させる(メダル払出枚数は5枚)(図19、ステップS140(NO)→S138)。また、スロットマシン10では、図24に示したペナルティ処理により、ART遊技中以外は、実質的に、左ストップスイッチ37Lを第1停止操作することが余儀なくされている。
このような前提の下、例えばART遊技中でなく、かつ、RT状態が「非RT」または「RT1」のときに、MB遊技が開始されたとする。この場合、図9および図10(a),(b)の役抽選テーブルを参照すれば、ほとんどの単位遊技において、小役1a〜1pのいずれかが4重入賞し、同時に小役2Aが単一入賞して5枚のメダルが払い出されるか、小役2Bが単一入賞して1枚のメダルが払い出されることになる。よって最も利益の少ないケースでは、メダルの払出枚数が1枚しかない小役2Bの単一入賞を15回繰り返さないとMB遊技が終了しないことになる。また、図15に示した役抽選処理のステップS52およびS54の処理により、MB遊技中に役抽選でBB役が当選しても、はずれと同じ扱いをされるため、BB役が当選する可能性はない。このため、MB遊技状態が長引けば長引くほど、BB役が当選しない期間も長くなることとなり、この場合におけるMB遊技は決して遊技者にとって有利な状態とはいえない。しかも、通常遊技中におけるMB役の当選確率は約1/8になっていることから、MB遊技状態へ移行する頻度は決して低いとはいえない。
但し、MB役に対応する図柄組合せ(「白7−ベル−プラム」)も、左リール72Lにおいて「白7」図柄が使われているものの、特別役の図柄組合せとしては必ずしも目立つものでないため、RB役AおよびRB役Bと同様、入賞したことがわかりにくくなっている。よって、遊技者はMB遊技中であることを意識することなく単位遊技を行う可能性が高いといえる。
これに対して、RT状態が「RT2」または「RT3」のときに、MB遊技が開始されたときは、高確率で(「RT2」のときは約1/2.276、「RT3」のときは約1/1.287)小役4Cまたは4Dの引込制御が行われることになる。ただし、ART遊技中でないときは、ペナルティを回避するために左ストップスイッチ37Lを第1停止操作することを余儀なくされることから、小役4Dが2重入賞して直ちにMB遊技が終了する場合もあり、MB遊技による利益を余すことなく享受できるとは言いがたい。
しかしながら、ART遊技中に、MB遊技が開始されると、例えば複数の再遊技役が同時当選する単位遊技が連続した場合は、最初に小役4Cが単一入賞する操作順序が報知され、次いで小役4Dが2重入賞する操作順序が報知されることになる。すなわち、2回の単位遊技で合計29枚のメダルを獲得することができる。このように、同じMB遊技であっても、開始直前のRT状態およびART遊技中であるか否かによって、獲得できる利益を大きく異ならせることができる。また、前述したように、MB遊技中は役抽選でBB役が当選しない期間ともいえるが、このような期間が2回の単位遊技で終了するため、BB役の当選機会をできるだけ阻害しないようにすることができる。
このように、役抽選以外の要因によって、遊技者がより多くの利益を獲得できる可能性を変動させることができるため、利益の得やすさに関する状態を多様化させることができる。
次に、上述したスロットマシン10の変形例について説明する。
(1)図1に示したスロットマシン10の正面図では、上部パネル70の位置にリール72L,72C,72Rを設けていたが、表示装置20の代わりに、より大型のリール72L,72C,72Rを設け、上部パネル70の位置に、小型の表示装置20を設けるようにしても良い。
(2)表示窓74の各リールの回転方向における視認領域を6図柄分としているが、これよりも多い図柄数を視認可能に構成しても良い。
(3)BB役に対応する図柄組合せを、各リールに1つずつしか配置されていない「赤7」図柄によって構成しているが、これに限らず、間に9つの図柄を挟んで2個配置されている図柄によって構成することで、BB役の取りこぼしが生じないようにしてもよい。このように、各リールの図柄数が20個のリールを3つ用いるスロットマシンにおいて、各リールに2つずつ描かれた図柄によってBB役に対応する図柄組合せを構成する場合、次のような有利な点がある。
一般に、スロットマシンの技術上の規格は、国家公安委員会規則(以下、単に規則という)で定められているが、この規則では、1回のBB遊技で払い出されるメダルの枚数が、360枚を超えることのないBB遊技が開始されることとなるBB役(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)の図柄組合せ数は、全ての図柄組合せ数の2/1500を超えてはならないことが定められている。よって、本実施形態における全ての図柄組合せ数は20=8000となるから、上述したBB役の図柄組合せ数は10を超えてはならないこととなる。そして、本実施形態においては、各リールに2つずつ配置された図柄によって構成された図柄組合せであれば、その図柄組合せに対応する役の取りこぼしが生じないことから、そのような図柄組合せを2=8通り設けることができる。よって、それらの図柄組合せを上述したBB役(メダル払出枚数は360枚以下)の図柄組合せとすることで、取りこぼしが生じないBB役を1つ設けることができる。
また、上述した規則において、BB役を搭載するスロットマシンにおけるRB役(第一種特別役物)の図柄組合せ数は、全ての図柄組合せ数の1/500を超えてはならないことが定められている。よって、1リール当たりの図柄数を20個とした場合、RB役の図柄組合せ数は最大で16(20/500=16)となる。また、本実施形態では、各リールに2個配置された図柄の組合せ(すなわち2=8通りの図柄組合せ)によって取りこぼしを無くすことができる。これにより、取りこぼしが生じないRB役を、8通り×2≦16で2種類設けることができる。
これに対して、上述したBB役を搭載しないスロットマシンであれば、RB役の図柄組合せ数は、全ての図柄組合せ数の3/500を超えなければよいことが定められている。よって、この場合、RB役の図柄組合せ数は最大で48(20×3/500=48)となる。そして、上述したように本実施形態では8通りの図柄組合せによって取りこぼしを無くすことができることから、BB役を搭載しない場合は、取りこぼしが生じないRB役を最大で48/8=6種類設けることができる。
このように、本実施形態では、取りこぼしが生じない1種類のBB役および2種類のRB役、または、6種類のRB役(BB役無し)を搭載することができる。このように、取りこぼしが生じないRB役またはBB役を複数搭載することで、以下のような効果が期待できる。
(ア)BB役および各種RB役をいわゆる目押しを必要とせずに入賞させることができるため、本実施形態のように、表示装置20を主体とした遊技を行うことができる。すなわち、遊技者はリール72L,72C,72Rを意識せず、表示装置20に表示された画像(例えば画像リール)に着目したまま遊技を進めたとしても、何ら支障が生じることがない。これにより、遊技者の操作によって画像リールが変動し、あたかもその停止表示態様に応じて単位遊技の結果が定まるかのような演出を主体としたスロットマシンが実現可能となる。そして、演出抽選などの結果に応じて機械的なリールでは実現不可能な様々な動きを画像リールで実行することで、より興趣に富んだ遊技を提供することができる。
(イ)BB遊技および各種RB遊技における小役の当選確率を、小役の種類ごとに互いに異ならせることが可能となるため、各遊技中における特徴を多様化することができる。たとえば、特定の小役の当選(または入賞)をART抽選の実施条件にするとともに、役抽選で当選した(または入賞した)特定の小役の種類に応じて、ART抽選の当選確率を異ならせておく。これにより、通常遊技から移行した特別遊技の種類に応じて、ART遊技の開始(いわゆる初当たり)または上乗せに対する期待度を変化させることができる。
(4)有効ラインL1〜L8とは別に、独立して引込制御の対象となる有効ラインであって、ストップスイッチの操作タイミングによっては当選図柄を引き込むことができる(換言すると、取りこぼしが生じ得る)ラインとして、有効ラインL9を定めているが、このような有効ラインは1本に限らず、複数本設けてもよい。この場合、有効ラインが1本のみの場合と比べ、当選図柄をいずれかの有効ラインの位置に引き込むことができる確率が増加することはいうまでもない。また、この場合、有効ラインL1〜L8とは別の、複数の有効ラインを定めても良いし、有効ラインL9と、有効ラインL1〜L8のうち一部の有効ラインとを組み合わせてもよい。
(5)例えば、図17のステップS104〜S114に示したリール停止制御のように、ストップスイッチの操作順序に応じて引込制御の対象となる有効ラインが切り替わる場合は、引込制御の対象となる有効ラインがどのラインであるのかを、遊技者に報知しても良い。このような報知は、例えば図17のステップS114のように、ストップスイッチの操作タイミングによっては当選図柄を有効ラインの位置に停止させることができない有効ライン(L9)を引込制御の対象とする場合、目押しする目標が明確となるため遊技者にとって有益である。
10 スロットマシン
20 画像表示装置
37L,37C,37R ストップスイッチ
72L,72C,72R リール
74 表示窓
100 主制御回路
106、206 CPU
108、208 ROM
110、210 RAM
200 副制御回路
410 役抽選手段
420 リール制御手段
422 リール停止制御手段
430 入賞判定手段
432 遊技状態制御手段
520 報知遊技制御手段
522 ペナルティ処理手段

Claims (7)

  1. 複数の図柄が配置された複数のリールの回転が停止したときに、入賞ラインに沿って表示された前記図柄の組合せに基づいて、いずれかの役が入賞したか否かが定まるスロットマシンであって、
    前記複数の図柄のうち一部の図柄を表示するとともに、該表示された各図柄に対応する複数の停止位置が定められた表示窓と、
    役を決定する役抽選手段と、
    外部からの操作に応じて前記複数のリールの回転を停止させるリール停止制御手段と、を備え、
    前記役抽選手段によって決定される役は、複数の役で構成された一群の役と、入賞時に付与される利益が前記一群の役に属する役と異なる他の役を含み、
    前記入賞ラインには、複数の入賞ラインによって構成された入賞ライン群と、該入賞ライン群には属さない特定入賞ラインとがあり、
    前記リール停止制御手段は、
    前記役抽選手段によって前記一群の役に属する一部の役と前記他の役とが重複して決定されたときに、
    前記外部から第1操作態様で操作された場合は、前記重複して決定された一部の役に対応する図柄組合せのうちいずれかが、操作されたタイミングに応じて前記特定入賞ラインに沿って停止表示されるように、前記複数のリールを停止させ、
    前記外部から第2操作態様で操作された場合は、前記他の役に対応する図柄組合せを、前記入賞ライン群に属する入賞ラインに沿って必ず停止表示されるように、前記複数のリールを停止させ、または、
    前記外部から第3操作態様で操作された場合は、前記他の役に対応する図柄組合せを、前記特定入賞ラインに沿って必ず停止表示されるように、前記複数のリールを停止させる
    ことを特徴とするスロットマシン。
  2. 前記一群の役のいずれかが入賞したときに遊技者に付与される利益は、前記他の役が入賞したときに付与される利益よりも少ない
    ことを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
  3. 前記リール停止制御手段は、
    前記複数のリールの各々に対応する操作が可能であり、該操作に対応するリールの回転を停止させ、
    前記役抽選手段によって前記一群の役に属する一部の役と前記他の役とが重複して決定されたときに、前記外部から第1操作態様で操作されると、
    外部からの操作に対応するリールに配置されている図柄のうち、前記役抽選手段によって決定された役に対応する図柄組合せを構成している図柄であって、最も多くの役に関与している図柄を、操作されたタイミングに応じて前記特定入賞ラインの位置に停止させる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスロットマシン。
  4. 前記複数のリールのうち少なくとも1つのリールには、前記一群の役に属する役に対応する図柄組合せを構成する第1の図柄と、前記他の役に対応する図柄組合せを構成する第2の図柄と、が配置され
    前記役抽選手段が、前記一群の役に属する一部の役と、前記他の役と、を重複して決定するときは、
    前記第2の図柄を含んで構成される前記他の役に対応する図柄組合せの数よりも、
    前記第1の図柄を含んで構成される前記一群の役に属する一部の役に対応する図柄組合せの数の方が多くなるように、重複して決定する
    ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。
  5. 前記リール停止制御手段は、
    前記複数のリールの各々に対応する操作が可能であり、該操作に対応するリールの回転を停止させ、
    前記役抽選手段によって前記一群の役に属する一部の役と前記他の役とが重複して決定され、かつ、前記外部から第2または第3操作態様で操作されたときに、前記入賞ラインの位置に停止させる図柄を、
    外部からの操作に対応するリールに配置されている図柄のうち、前記役抽選手段によって決定された役に対応する図柄組合せを構成している図柄であって、入賞したときに付与される利益が最も多い役に関与している図柄とする
    ことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。
  6. 前記他の役に対応付けられた図柄組合せは、
    該図柄組合せを構成している各図柄に対応する各々のリールに配置された全種類の図柄のうち、一部の種類の図柄を用いてなる図柄組合せであり、
    前記リール停止制御手段は、
    前記役抽選手段によって前記一群の役に属する一部の役と前記他の役とが重複して決定され、かつ、前記外部から第2操作態様で操作されたときに、
    前記他の役に対応する図柄組合せを、前記入賞ライン群に属する複数の入賞ラインに沿って必ず停止表示されるように、前記複数のリールを停止させる
    ことを特徴とする請求項5に記載のスロットマシン。
  7. 前記複数のリールには、各々20個の図柄が一列に配置され、各リールに配置された図柄のうち、前記他の役に対応する図柄組合せを構成している図柄が2個、互いに9個の他の図柄を挟んで配置されており、
    前記複数のリールに配置された図柄のうち、連続する6個の図柄を表示するとともに、該表示する6個の図柄の各停止位置が定められた表示窓を備え、
    前記入賞ライン群に属する入賞ラインは、前記複数のリールの各々に対応する前記6個の図柄の各停止位置のうち、前記リールの回転方向に対して最も上流側に位置する最上位停止位置と、最も下流側に位置する最下位停止位置と、のいずれか一方を全リールに亘って通過するラインであり、
    前記特定入賞ラインは、前記前記最上位判定停止位置または前記最下位判定停止位置を除いた、いずれか1つの前記停止位置を全リールに亘って通過するラインであり、
    前記リール停止制御手段は、
    外部から操作されると、移動中の図柄が、該操作がされた時点における直近の前記停止位置から、更に4個の図柄数だけ移動するまでに存在する前記停止位置のいずれかに、該図柄が停止表示されるように、前記リールの回転を停止させる
    ことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか1項に記載のスロットマシン。
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