以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。図1は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の前面部には、フロントパネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、表示窓22が形成されており、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの外周面に印刷された図柄が表示される。リール40L,40C及び40Rは、各回転軸が、水平方向の同一直線上に並ぶように設けられ、各々リング状の形状を有し、その外周面には21個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓22からは、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに印刷された21個の図柄のうち、各リールの回転方向に沿って連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓22には、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が停止表示される。ここで、リール40L,40C及び40Rが停止しているときに、各リールに表示される連続する3つの図柄のうち、最も上側の停止表示位置を上段U、中央の停止表示位置を中段M、最も下側の停止表示位置を下段Lとする。
また、表示窓22には、リール40L,40C及び40Rを横切る4本の入賞ラインが定められている。この4本の入賞ラインは、表示窓22内において、各リールの上段Uを通過する上段水平入賞ラインL1と、左リール40Lの下段L、中リール40Cの中段M、および、右リール40Rの上段Uを通過する右上がりの斜め入賞ラインL2と、各リールの中段Mを通過する中段水平入賞ラインL3と、左リール40Lの上段U、中リール40Cの中段M、右リール40Rの下段Lを通過する斜め右下がり斜め入賞ラインL4と、によって構成されている。このように各入賞ラインは、リール40L,40C,40Rの、各々3つの停止表示位置(上段U、中段M、下段L)のうちいずれか1つを、全リールに亘って通過している。
入賞ラインL1〜L4は、各々、予め定められた複数種類の役(後述する)に対応する図柄組合せを判定する際の基準となるラインであり、リール40L,40C及び40Rが停止したときに、4本の入賞ラインのうち、有効とみなされた入賞ライン(以下、有効ラインという)が通過する停止表示位置に各々停止表示された3つの図柄の組合せが、いずれかの役に対応していたときに、その役が成立したことになる。
フロントパネル20には、表示窓22の他に、遊技に関する各種情報を遊技者へ知らせるための各種ランプおよび表示器が設けられている。まず、表示窓22の左側には、図1中、上から順に、操作指示ランプ24L,24C,24Rが設けられている。これら操作指示ランプ24L,24C,24Rは、リール40L,40C,40Rが回転しているときに、遊技者に対して後述するストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序を指示するものである。すなわち、操作指示ランプ24Lが点灯したときは左ストップスイッチ37Lを、操作指示ランプ24Cが点灯したときは中ストップスイッチ37Cを、操作指示ランプ24Rが点灯したときは右ストップスイッチ37Rを、各々操作すべきであることを示す。
表示窓22の下側には、図1中、左から順に、ベット数(賭け枚数)表示ランプ26a,26b,26c、クレジット数表示器27、および、獲得枚数表示器28が設けられている。ベット数表示ランプ26a,26b,26cは、1回の遊技に投入されるメダルの枚数を表示するものである。すなわち、1枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aのみが点灯し、2枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26aおよび26bが点灯し、3枚のメダルが投入されるとベット数表示ランプ26a,26b,26cが点灯する。ここで、スロットマシン10は、3枚のメダルを投入することで1回の遊技が可能となり、入賞ラインL1〜L4が全て有効ラインとなる、いわゆる3枚賭専用機となっている。クレジット数表示器27は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている(より具体的には、後述するRAM110に記憶されている)メダルの枚数を表示する。獲得枚数表示器28は、2桁の7セグメント表示器からなり、スロットマシン10において遊技の結果に応じて遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する。
上述したフロントパネル20の下側には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10へメダルを投入するためのメダル投入口32が設けられている。このメダル投入口32の内部には、メダルセンサ(図示略)が設けられており、メダル投入口32から投入されたメダルを検出すると、メダル検出信号を出力する。このメダル検出信号の出力回数を計数することで、投入されたメダルの枚数を認識することができる。また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へ投入することができる1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35が設けられている。1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち3枚を遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。
メダル投入口32から、または、各種ベットスイッチ34,35を操作することにより、スロットマシン10に3枚のメダルを投入すると、メダルが投入されるごとにベット数表示ランプ26a,26b,26cが順次点灯していき、入賞ラインL1〜L4が有効ラインとなる。また、各種ベットスイッチ34,35を操作してメダルを投入した場合は、後述するRAM110に記憶されているクレジット数から、投入されたメダルの枚数が減算され、これに伴ってクレジット数表示器27に表示されている値も減算される。規定枚数(3枚)のメダルが既に投入されている状態で、さらにメダル投入口32からメダルが投入されると、当該投入されたメダルの枚数が、RAM110に記憶されているクレジット数に加算されるとともに、クレジット数表示器27に表示されている値に加算される。
操作パネル部30の正面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。遊技者がスロットマシン10に規定枚数(3枚)のメダルを投入した後、スタートスイッチ36を傾動操作すると、前述した3つのリール40L、40C及び40Rが一斉に回転を開始する。これにより、リール40L、40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄は、表示窓22において上から下へと移動(スクロール)表示される。操作パネル部30の正面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、左ストップスイッチ37Lは左リール40Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール40Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール40Rに対応している。ストップスイッチ37L、37C及び37Rは、3つのリール40L、40C及び40Rの回転速度が所定の定常回転速度(例えば、80回転/分)に達したときに、遊技者による操作が有効となる。
そして、左ストップスイッチ37Lを遊技者が押動操作したときには、左リール40Lが停止し、中ストップスイッチ37Cを押動操作したときには、中リール40Cが停止し、右ストップスイッチ37Rを押動操作したときには、右リール40Rが停止する。このとき、3つのリール40L、40C及び40Rの各々は、各リールの外周面に描かれている図柄のうち、連続する3つの図柄の各中心位置が、表示窓22内の上段U、中段M、および、下段Lの各中央に位置付けられるように停止制御される。ここで、図柄の中心と、停止表示位置の中央とが一致する位置を定位置という。スロットマシン10においては、遊技者がストップスイッチを操作したことによって対応するリールを停止させる際に、図柄が必ず定位置で停止するように、リール停止制御が行われる。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名やモチーフとして採用されたキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。下部パネル50の下方略中央には、遊技者に対してメダルを払い出すためのメダル払出口60が設けられている。すなわち、リール40L、40C及び40Rが停止したときに、有効ラインに沿って停止表示された3つの図柄の組合せが小役に対応していた場合、スロットマシン10の内部に設置されたメダル払出装置(図示略)が作動して、その小役に対応した枚数のメダルが払い出される。そして、払い出されたメダルは、メダル払出口60から排出されて受け皿61に貯留される。メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ通すための透音孔62R,62Lが設けられている。
フロントパネル20の上方には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置70が設けられている。なお、表示装置70は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。この表示装置70は、遊技履歴を表示したり、特別遊技中に表示される演出画像、役抽選の結果を報知するための演出画像、遊技の進行(メダル投入→スタートスイッチ36の操作→リールの回転→ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等を表示したりすることができる。表示装置70の上方には、リール40L、40C及び40Rが停止し、何らかの役が成立した場合、成立した役に応じたパターンで点滅する上部演出ランプ72が設けられている。
<各リールの図柄配列>
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。前述したように、リール40L、40C及び40Rの各外周面には21個の図柄が印刷されているが、各図柄は、リールテープの長手方向において、21等分に区画した各図柄表示領域に1つの図柄が印刷されている。また、各図柄表示領域に表示される図柄の種類は、10種類あり、各種類に応じて種別コード(図示略)が予め定められている。本実施形態における図柄の種類には、各々数字の7を赤色および青色で表した「赤7」図柄、「青7」図柄と、棒状の塊をモチーフとした「BAR」図柄と、サクランボをモチーフとして各々赤色、青色、黒色で表した「赤チェリー」図柄、「青チェリー」図柄および「黒チェリー」図柄と、スイカをモチーフとした「スイカ」図柄と、ベルをモチーフとした「ベル」図柄と、プラムをモチーフとした「プラム」図柄と、所定のキャラクタを描いた「キャラクタ」図柄とがある。
また、リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープの各図柄表示領域には、「1」〜「21」の図柄番号が予め定められており、図2に示すように、各図柄番号には、当該図柄番号に対応する図柄表示領域に印刷された図柄の種別コードが対応付けられ、後述するROM108に記憶されている。これらの情報は、スロットマシン10が、表示窓22の各停止表示位置(上段U、中段M、下段L)に表示された図柄を識別する際に参照される。以下では、図柄番号および種別コードをまとめて図柄識別情報という。図2に示した内容のリールテープを、各々対応するリール40L、40C及び40Rの外周面に貼り付けると、図2の図柄配列において、図柄番号「1」と「21」の図柄が連続することになる。
また、リール40L、40C及び40Rが回転すると、表示窓22内に表示される各リールの3つの図柄は、連続する3つの図柄番号の値が増加する方向にスクロール表示されることになる。たとえば、表示窓22の下段Lから上段Uに向かって、図柄番号「1」,「2」,「3」の図柄が表示されていた場合、それ以降に表示される図柄は、図柄番号「2」,「3」,「4」→図柄番号「3」,「4」,「5」→図柄番号「4」,「5」,「6」→……と変化する。そして、図柄番号「19」,「20」,「21」が表示されると、引き続き、図柄番号図柄番号「20」,「21」,「1」→図柄番号「21」,「1」,「2」→図柄番号「1」,「2」,「3」→……と変化していき、以下、リールが停止するまで図柄番号「1」から「21」のうち連続する3つの図柄が循環的にスクロール表示される。
≪制御回路の説明≫
スロットマシン10を制御する制御回路は、主制御回路100と副制御回路200とで構成されている。ここで、主制御回路100のブロック図を図3に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を図4に示す。
<主制御回路の説明>
図3に示す中央処理装置(以下、CPUと称する)106は、入出力バス104を介して入力される各種情報に応じて、ROM108に記憶されている各種制御プログラムを実行することで、スロットマシン10における遊技の制御を行う。ここで、特にスタートスイッチ36が操作されたことによってリール40L、40C及び40Rが回転を開始してから、ストップスイッチ37L、37C及び37Rが操作されたことにより全てのリールが停止して、何らかの役が入賞したか否かが定まるまでの一回の遊技を、単位遊技という。
CPU106は、各種制御プログラムの処理を行っている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための各種データを記憶する。ROM108に記憶されているデータとしては、前述した図柄識別情報の他、例えば、後述する各種の役に対応する図柄組合せおよび入賞時のメダル払出枚数を定めた配当情報(図6参照)、各種役抽選テーブル(図7,図8参照)、および、役抽選で特定の役に当選したときの、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じたリール停止制御の内容を示す情報(図9参照)などがある。また、ROM108に記憶される制御プログラムとしては、図12に示すメインルーチンおよび図13に示すサブルーチンの処理を実行するためのプログラムなどがある。
入出力バス104には、RAM110も接続されており、CPU106が、上述した制御プログラムの処理を行う過程で参照する各種フラグ(たとえば、後述する役抽選による当選役に対応した当選フラグ、再遊技成立フラグなど)や、変数の値(表示窓22に表示されている図柄番号、メダル投入枚数、クレジット枚数、メダル払出枚数、各種遊技状態における遊技回数の値など)が一時的に記憶される。また、RAM110には、スロットマシン10の遊技状態を示す遊技状態情報も記憶される。この遊技状態情報には、「通常遊技」、「RB遊技」、「BB遊技」という3つの遊技状態を示す情報と、通常遊技中におけるRT状態(「RT1」および「RT2」)を示す情報がある。スロットマシン10では、これらの遊技状態に応じて、図7に示す各種役抽選テーブルの選択や、各遊技状態間の移行に関する処理を行っている。なお、上述した各遊技状態については後に詳しく説明する。
CPU106に入力される各種情報には、図1に示した1−ベットスイッチ34、最大ベットスイッチ35、スタートスイッチ36およびストップスイッチ37L,37C,37Rから出力される信号があり、これらの信号は、入出力バス104に接続されたインターフェイス回路102を介してCPU106に入力される。さらに、CPU106に入力される情報には、乱数発生器112によって0〜65535(2の16乗)の数値範囲内で発生される乱数(整数)があり、この乱数は、入出力バス104を介してCPU106へ入力される。
CPU106は、上述した制御プログラムを実行することで、入出力バス104に接続された各種装置の制御を行う。まず、CPU106は、モータ駆動回路114に対して駆動パルスを出力し、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転制御を行う。ステッピングモータ80L、80C及び80Rの各々は、3つのリール40L、40C及び40Rの内周側に設けられ、ステッピングモータ80L、80C及び80Rの回転シャフトにリール40L、40C及び40Rの回転中心が取り付けられている。モータ駆動回路114は、ステッピングモータ80L、80C及び80Rと接続されており、CPU106から駆動パルスが出力されるごとに、各ステッピングモータを1ステップずつ回転駆動する。また、CPU106は、RAM110に記憶されているクレジット数の値をLED駆動回路116へ送信し、これにより、LED駆動回路116は、受信した数値に対応する数字を表示するように、クレジット数表示器27の各セグメントを点灯させる。また、CPU106は、1回の遊技が行われた結果、遊技者にメダルを払い出すこととなったときに、そのメダルの枚数の数値をLED駆動回路116へ送信し、これにより、LED駆動回路116は、受信した数値に対応する数字を表示するように、獲得枚数表示器28の各セグメントを点灯させる。
さらに、入出力バス104には外部集中端子基板118が接続されており、CPU106は、スロットマシン10で行われた遊技に関する情報を、外部集中端子基板118を介して外部へ出力している。ここで、CPU106は、外部へ出力する遊技に関する情報として、単位遊技が行われる際にスロットマシン10へ投入されたメダルの枚数を示す信号(IN信号)、単位遊技の結果、遊技者へ払い出されたメダルの枚数を示す信号(OUT信号)、遊技状態が「BB遊技」になったことを示す信号(BB発生信号)、遊技状態が「RB遊技」になったことを示す信号(RB発生信号)、1回の遊技が行われた結果、再遊技役が成立したことを示す信号(RP発生信号)、スロットマシン10に異常が発生したことを示す信号(異常発生信号)、および、後述するART遊技が行われていることを示す信号(ART実行信号)を出力する。これら遊技に関する情報を示す信号は、例えば、遊技場に設置された各遊技機の出玉を管理する管理コンピュータや、各遊技機に対応して設置されている外部の遊技履歴表示装置に対して出力される。
<副制御回路の説明>
次に、図4を参照して副制御回路200の構成について説明する。上述した接続線120は、副制御回路200の入出力バス204に接続されたインターフェイス回路202に接続されている。主制御回路100から副制御回路200に送信された各種情報は、インターフェイス回路202において所定の信号に変換された後、入出力バス204に供給され、RAM210に一旦格納される。この入出力バス204には、ROM208、RAM210、ランプ駆動回路218、表示駆動回路220、および、スピーカ駆動回路222も接続されている。
ROM208は、ランプ駆動回路218、表示駆動回路220、および、スピーカ駆動回路222を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。また、ROM208は、表示装置70に表示するための種々の画像データ、スピーカ64L,64Rから発するための楽音データ、上部演出ランプ72を駆動する点滅パターンデータなども記憶している。さらにROM208は、後述する各種報知や演出を制御するための制御プログラム(図14〜図16参照)を記憶している。
RAM210には、上述した各種制御プログラムを実行する過程で発生/変動する各種データや、フラグのオン/オフ状態の他、主制御回路100から送信されてきたメダルの投入枚数、役抽選の結果、操作されたストップスイッチを示す情報、単位遊技の結果、および、前述した現在の遊技状態・RT状態などの各種情報も記憶される。
ランプ駆動回路218は、主制御回路100から供給される各種情報信号に基づいてCPU206から出力される駆動指令に応じて、操作指示ランプ24L,24C,24Rおよび上部演出ランプ72を点灯/点滅駆動する。表示駆動回路220は、主制御回路100から供給される情報信号に基づいてCPU206がROM208から読み出した画像データや文字データ等を、表示装置70に表示させる。これにより、表示装置70には、画像データに基づく各種演出画像(静止画/動画)として表示され、もしくは、文字データが文字メッセージとして表示される。スピーカ駆動回路222は、主制御回路100から供給される情報に基づいてCPU206がROM208から読み出した音声データに基づいてスピーカ64R,64Lを駆動し、図1に示した透音孔62R,62Lから音声を出力させる。
≪機能ブロック図の説明≫
次に、スロットマシン10の制御回路の機能ブロック図を図5に示す。なお、以下の説明において、図1および図3に示した各部と同じ構成については同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。まず、制御回路として主制御回路100と副制御回路200とがあり、両者は電気的に接続されている。ここで、主制御回路100から副制御回路200へは、図3および図4に示した接続線120を介して、スロットマシン10における遊技に関する各種情報が送信される。この各種情報の送信は、主制御回路100から副制御回路200への一方向に限られており、副制御回路200から主制御回路100に対して何らかの情報が送信されることはない。
主制御回路100には、操作手段300と、モータ駆動回路114と、外部集中端子基板118とが電気的に接続されている。副制御回路200には、スピーカ64L,64R、表示装置70、および、上部演出ランプ72Rを備える報知出力手段600が電気的に接続されている。操作手段300は、スタートスイッチ36からなる回転指示手段310と、ストップスイッチ37L、37C及び37Rからなる停止指示手段320とを有している。この操作手段300は、スイッチに限らず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。また、報知出力手段600は、音や光など遊技者の聴覚的、視覚的に報知を行うものに限らず、たとえば、スロットマシン10の内部にバイブレータなどの振動発生装置を設けて特定の部位を振動させ、遊技者の触覚によって認知される報知を行うようにしても良い。
<主制御回路の説明>
主制御回路100は、役抽選手段410と、リール制御手段420と、入賞判定手段430と、入賞処理手段440と、信号出力手段450と、遊技進行禁止手段460と、を含む。役抽選手段410は、乱数に基づく役抽選を行うことによって、予め定められた複数種類の役のいずれを当選した役(以下、当選役という)とするかを定めるものである。ここで、1回の役抽選で定まる当選役の数は1つに定めても良いし、予め定めていた役については複数の役が同時に当選役に定められても良い。上述した複数種類の役には、大別すると、小役、再遊技(リプレイともいう)役、ボーナス役(特別役)の3種類がある。小役は、入賞すると予め対応付けられている枚数のメダルが遊技者に払い出されることとなる役である。再遊技役は、入賞すると次の遊技に限ってメダルを投入することなく再び遊技を行うことができる役である。この再び行うことができる遊技を再遊技(リプレイ)といい、再遊技を行うときの有効ラインの数は、再遊技役が入賞した遊技における有効ラインの数と同一となる。
ボーナス役は、通常遊技中に入賞すると、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまで、各遊技においてメダルを獲得できる可能性が高くなる特別遊技が開始されることとなる役である。スロットマシン10における特別遊技には、終了条件の違いに応じてビッグボーナスゲーム(以下、BB遊技という)と、レギュラーボーナスゲーム(以下、RB遊技という)とがある。BB遊技は、メダルの払出枚数が、予め定められた枚数(ここでは300枚とする)を超えると終了条件が成立し、特別遊技へ移行する前の遊技(通常遊技)へ戻る。また、RB遊技は、遊技を所定回数(例えば12回)行うか、小役が入賞した回数が所定回数(例えば8回)になると、RB遊技の終了条件が成立して通常遊技に戻る。また、BB役が入賞するとBB遊技が開始されることとなり、RB役が入賞するとRB遊技が開始されることとなる。
(役抽選手段の説明)
役抽選手段410は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたことを契機として、図3に示した乱数発生器112が発生した乱数を抽出し、当該乱数と、ROM108に記憶された役抽選テーブル(図7参照)のうち、現在の遊技状態およびRT状態に対応する役抽選テーブルと、に基づいて1つまたは複数の役を当選役とするか否かを決定する役抽選を行う。ここで、図6に示す配当情報を参照してスロットマシン10において入賞し得る役の種類について説明する。
図6に示すように、スロットマシン10で入賞し得る各役には、それぞれ左リール40L,中リール40C,右リール40Rに描かれた図柄からなる図柄組合せが対応付けられている。これらの図柄組合せは、有効ラインL1〜L4のいずれかに沿って停止表示された図柄組合せに対応するものであり、後述する入賞判定手段430が入賞判定を行う際に参照される。すなわち、これらの図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されると、対応する役が入賞したことになり、各々の役に対応した特典が遊技者に付与される。
例えばBB役が入賞すると、特典として次の単位遊技から前述したBB遊技が開始される。なお、図6には、BB役aおよびBB役bの2種類のBB役が示されているが、これらの役は、対応する図柄組合せが異なっているだけであり、開始されるBB遊技の内容は同じである。また、再遊技役が入賞した場合は、特典として次の単位遊技が再遊技となる。小役が入賞した場合は、特典として入賞した小役の種類に応じた枚数のメダルが遊技者へ払い出される。より詳細には、小役1が入賞した場合は1枚のメダルが払い出され、小役2a〜2cのいずれかが入賞した場合は3枚のメダルが払い出され、小役3が入賞した場合には、6枚のメダルが払い出される。
また図6において、小役2aの図柄組合せは「ANY−ベル−ANY」と示されているが、左リール40Lおよび右リール40Rの図柄の種類を意味する「ANY」は、いずれの図柄でもよいことを示している。したがって、中リール40Cの「ベル」図柄が上段Uに停止したときは、有効ラインL1に「ANY−ベル−ANY」の図柄組合せが停止表示されたことになり、小役2aが単一入賞して3枚のメダルが払い出されることになる。また、中リール40Cの「ベル」図柄が中段Mに停止したときは、有効ラインL2,L3,L4に、各々「ANY−ベル−ANY」の図柄組合せの図柄組合せが停止したと見なせることから、小役2aが三重に入賞したことになり、3枚×3=9枚のメダルが払い出されることとなる。
次に、ROM108に記憶されている役抽選テーブルの内容について図7を参照して説明する。まず、図7の(a)は、遊技状態が通常遊技になっており、かつ、RT状態が「RT1」のときに用いられる役抽選テーブルの内容を示している。(b)は遊技状態が通常遊技になっており、かつ、RT状態が「RT2」のときに用いられる役抽選テーブルの内容を示している。(c)は遊技状態が特別遊技になっているときに用いられる役抽選テーブルの内容を示している。
役抽選テーブルは、乱数発生器112が発生し得る乱数値(0〜65535)と、抽選結果とを対応付けたものであり、乱数発生器112から抽出された乱数値が、役抽選テーブルのどの数値範囲に属するかによって、1つの抽選結果(抽選結果番号)が導出される。そして、導出された抽選結果番号に対応する役が当選役となる。ただし、導出された抽選結果番号にハズレが対応付けられていた場合は、いずれの役にも当選しなかった(ハズレになった)ことになる。なお、各抽選結果番号に対応する数値範囲に含まれる数(置数)を65536で割った値が、各抽選結果番号が導出される確率(各役の当選確率と同義)となる。
例えば、図7(a)に示すRT1用の役抽選テーブルの場合、抽出された乱数が「0」〜「41736」の範囲内に含まれる値だったときは、抽選結果番号「11」が導出され、役抽選の結果はハズレとなる。また、抽出された乱数値が「65319」〜「65427」の範囲内に含まれる値だった場合は、抽選結果番号「2」が導出され、役抽選の結果はBB役bが当選役となる。さらに、抽出された乱数値が「51377」〜「54652」の範囲内に含まれる値だった場合は、抽選結果番号「8」が導出され、小役2a、小役2bおよび小役2cが重複して当選したことになる。なお、抽出された乱数値が「41737」〜「50718」の範囲内に含まれる値だった場合は、抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出され、複数の再遊技役が当選することとなるが、詳しい内容については、図8(a)を参照して後に詳しく説明する。
また、図7(b)に示すRT2用の役抽選テーブルの場合、抽選結果番号「1」〜「9」までの各番号に関する数値範囲は、図7(a)の役抽選テーブルと全く同じになっているが、再遊技役およびハズレとなる数値範囲については異なっている。この詳しい内容については、図8(b)を参照して後に詳しく説明する。
次に、図7(c)に示す役RB遊技およびBB遊技用抽選テーブルにおいては、いずれの抽選結果番号に対しても、BB役およびRB役が対応付けられていない。よって、RB遊技およびBB遊技中に、BB役またはRB役が当選することはない。また、RBおよびBB遊技中は、小役1,小役2a,小役3の合成当選確率が約1/1.01と非常に高くなっていることから、RB遊技中およびBB遊技中は遊技者にとって有利な遊技状態になっているといえる。
上述した各役抽選テーブルに基づく役抽選が行われた結果、何らかの役が当選役に定められたときは、その当選役に対応するフラグ(以下、このフラグを当選フラグという)がオン(「1」)にされる。各役に対応する当選フラグのオン/オフ状態は、図3に示したRAM110に記憶される。そして、単位遊技が終了すると、再遊技役および小役のいずれかに対応する当選フラグがオンになっていた場合は、その当選フラグに対応する役が入賞したか否かに関係なく、その当選フラグがオフにされる。但し、通常遊技中にBB役a、BB役bおよびRB役のいずれかの当選フラグがオンになった場合は、その単位遊技が終了してもオンになっている当選フラグをオフにせず、その役が入賞するまでオンの状態が保持される。このように、当選した状態が保持されている状態を、「ボーナスフラグの持ち越し中」ともいう。
また、ボーナスフラグの持ち越し中の遊技において、役抽選でいずれかの小役または再遊技役が当選した場合は、当選した役に対応する当選フラグがオンになる。よって、このときの各役に対応する当選フラグは、当該役抽選で当選した役と、オン状態が保持されている特別役とに対応する当選フラグがオン状態になっている。また、ボーナスフラグの持ち越し中の遊技において、他の特別役が当選したとしても、その特別役に対応する当選フラグはオンにされない。よって、特別役に対応する複数の当選フラグが並行してオン状態になることはない。
次に、図8を参照して、図7(a)および(b)の役抽選テーブルにおいて、再遊技役が当選役と定められる数値範囲(以下、当選数値範囲という)について説明する。ここで、図8(a)は、RT1用の役抽選テーブル(図7(a)参照)における再遊技役の当選数値範囲について詳細な内容を示し、図8(b)は、図7(b)に示した役抽選テーブルにおける再遊技役の当選数値範囲について詳細な内容を示している。まず、図8(a)に示すように、RT1用の役抽選テーブルでは、再遊技役の当選数値範囲(41737〜50718)は抽選結果番号「10」〜「15」の6つの抽選結果番号に区分される。そして、各抽選結果番号において、再遊技役aおよびbを含む複数の再遊技役が重複して当選することと定められている。
すなわち、例えば、抽出された乱数値が「47724」〜「46228」の範囲内に含まれる値だった場合は、抽選結果番号「12」が導出され、役抽選の結果は再遊技役a,b,fが当選役となる。なお、複数の役が当選役に定められた場合でも、入賞するのは1つの役だけであるが、どの再遊技役を入賞させるかは、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された順序に応じて異ならせており、その詳しい内容については後述する。
図8(b)に示す、RT2用の役抽選テーブル(図7(b)参照)における再遊技役の当選数値範囲は、再遊技役の当選数値範囲(1〜50718)が、抽選結果番号「10」〜「21」の12の抽選結果番号に区分されている。ここで、抽選結果番号「10」〜「15」(当選数値範囲:37615〜50718)については、再遊技役aおよびbを必ず含む複数の再遊技役が重複して当選することとなっている。また、抽選結果番号「16」〜「21」(当選数値範囲:1〜37614)については、再遊技役bおよびcを必ず含む複数の再遊技役が重複して当選することとなっている。なお、これら複数の役が重複して当選役に定められた場合、どの役を入賞させるのかについては後述する。
以上のように、役抽選手段410は、図7および図8に示した複数種類の役抽選テーブルを備えている。そして、これら役抽選テーブルのうち、後述する当選確率移行手段432によって選択された役抽選テーブルを用いて各単位遊技の役抽選を行っている。
(リール制御手段の説明)
リール制御手段420は、リール40L,40C,40Rの回転駆動に関する制御を行う。すなわち、スタートスイッチ36から発信されたリール回転開始信号を受信すると、モータ駆動回路114を介してステッピングモータ80L,80C,80Rを駆動する。また、リール制御手段420はリール停止制御手段422を有し、発信したストップスイッチに対応する回転中のリールを停止させる制御を行う。
リール停止制御手段422は、ストップスイッチ37L,37C,37Rからリール停止信号が発信されると、操作されたストップスイッチに対応するリールの回転を190ミリ秒以内に停止させる。すなわち、定常回転速度が80回転/分であり、1リール当たりの図柄数が21だとすると、ストップスイッチが操作されたときのリールの回転位置から、最大で5図柄分だけ回動してから停止することになる。この間に、当選役に対応した図柄組合せを構成している図柄(以下、当選図柄という)が、有効ラインが通過する停止表示位置(以下、有効ラインの位置という)に到達し得るときは、その当選図柄が有効ラインの位置に達したときにリールを停止させる。
ここで、リールの回転位置とは、リールの回転方向における位置をいう。例えば、図柄番号「21」の図柄が中段Mの定位置にあるときのリールの位置を基準位置とした場合、その基準位置からどのくらい回動しているのかによって、現在のリールの回転位置を判断している。また、既に他のリールが停止しており、そのリールの当選図柄がいずれかの有効ラインの位置に停止しているときは、停止させようとしているリールの当選図柄が、その有効ラインの位置で停止するように、上述した範囲内で移動(回動)させた後、リールを停止させる。例えば、左リール40Lにおける当選図柄が上段Uに停止しているときに、右リール40Rの停止制御を行うときは、右リール40Rにおける当選図柄を、上段U(有効ラインL1の位置)または下段L(有効ラインL4の位置)のうち、いずれか停止可能な方に停止させる。
これに対して、停止制御の対象となるリールを5図柄分だけ回動させても、当選図柄を有効ラインの位置に到達させることができないときは、5図柄分だけ回動させる間の適宜定められた図柄が停止表示されるように(ただし、何らかの役が入賞することがないように)リールを停止させる。この場合、役抽選で何らかの役が当選していたとしても、その役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることがないため、その役は入賞しない。以下では、このような単位遊技の結果を「取りこぼし」という。
ここで、上述したリール停止制御を前提として図2に示した各リールの図柄配列を見ると、全リールにおける「ベル」図柄および「プラム」図柄は、その配置間隔から、ストップスイッチをどのようなタイミングで操作しても、上段U、中段M、下段Lのいずれにも停止させることができる。また、右リール40Rについては、「ベル」図柄、「プラム」図柄および「スイカ」図柄が、そのような図柄に該当する。これにより、図6に示した配当情報によれば、小役2a(図柄組合せ:ANY−ベル−ANY)、再遊技役a(図柄組合せ:プラム−プラム−プラム)、再遊技役b(図柄組合せ:プラム−プラム−スイカ)および再遊技役c(図柄組合せ:プラム−プラム−ベル)は、役抽選で当選すれば、上述したリール停止制御によって取りこぼしが生じない。これに対して、上述した役以外の役については、上述したリール停止制御を行ったとしても、ストップスイッチの操作タイミングによっては、有効ラインの位置に停止させることができない図柄を含んだ図柄組合せになっている。すなわち、取りこぼしが生じる可能性がある。
また、役抽選の結果がハズレとなったときは、リール停止制御手段422は、いかなるタイミングでストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されたとしても、何らかの役に対応する図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示されることがないように、リール40L,40C,40Rを停止させる。リール停止制御手段422は、このようなリール停止制御を行うことによって、役抽選で何らかの役に当選した場合は、決められた範囲内で当選役が成立するように、また、それができない場合は当選役以外の役が成立しないように、各リールを停止させている。さらに、役抽選の結果がハズレだった場合は、いずれの役も成立しないように、各リールを停止させている。
また、前述したように、ボーナスフラグの持ち越し中に役抽選が行われた結果、小役または再遊技役が当選した場合は、当該当選した役の当選フラグと、持ち越し中の特別役の当選フラグとの双方がオン状態となり、これらのうち、いずれか役を成立させることができる状態となる。この場合、リール停止制御手段422は、特別役の当選図柄よりも、当選した小役または再遊技役の当選図柄を、優先的に有効ラインの位置へ停止させるリール停止制御を行う。このため、ボーナスフラグ持ち越し中に遊技者が特別役を成立させることができる可能性が生じるのは、役抽選でハズレになったとき、または、取りこぼしが生じる可能性がある役が当選し、かつ、その役を成立させることができないタイミング(換言すると、リールの回転位置)でストップスイッチを操作したとき、となる。
なお、ボーナスフラグの持ち越し中における役抽選で、小役または再遊技役が当選した場合、上述したリール停止制御とは逆に、持ち越し中の特別役を優先的に成立させるようなリール停止制御を行ってもよい。この場合、リール停止制御手段422は、特別役の当選図柄を有効ラインの位置に停止させることができないタイミングで操作されたときにのみ、当選した小役または再遊技役の当選図柄を有効ラインの位置に停止させるようなリール停止制御を行う。
さらに、リール停止制御手段422は、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」が導出された場合(複数の小役2が当選した場合)、RT1のときに抽選結果番号「10」〜「15」が導出された場合およびRT2のときに抽選結果番号「10」〜「21」が導出された場合(複数の再遊技役が当選した場合)は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じたリール停止制御を行う。
まず、図7(a)〜(c)に示す各役抽選テーブルにおいて、小役2aが単独で当選役に定められた場合、すなわち、RT1およびRT2のときに抽選結果番号「5」が導出された場合、および特別遊技において抽選結果番号「2」が導出された場合、リール停止制御手段422は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関わらず、中リール41Cの「ベル」図柄を中段Mに停止させる。これにより、小役2aは三重入賞し、9枚のメダルが払い出される。
これに対して、RT1およびRT2のときに抽選結果番号「6」〜「8」が導出された場合は、単位遊技が開始してから最初に操作(以下、第1停止操作という)されたストップスイッチの種類に応じて、中リール41Cの「ベル」図柄の停止位置を異ならせている。すなわち図9に示すように、抽選結果番号「6」が導出された場合は、左ストップスイッチ37Lが第1停止操作されると、中リール41Cの「ベル」図柄を中段Mに停止させるが、それ以外のストップスイッチが操作されると、中リール41Cの「ベル」図柄を上段Uに停止させる。この場合、小役2aは有効ラインL1でのみ入賞することになるため、メダルは3枚しか払い出されない。これと同様に、抽選結果番号「7」、「8」が導出された場合は、各々、第1停止操作されたストップスイッチが、中ストップスイッチ37C、右ストップスイッチ37Rであれば、中リール41Cの「ベル」図柄を中段Mに停止させ、それ以外のストップスイッチが第1停止操作された場合は上段Uに停止させている。
また、RT1のときに抽選結果番号「10」〜「15」が導出された場合、およびRT2のときに抽選結果番号「10」〜「21」が導出された場合は、図8(a),(b)に示すように、複数の再遊技役が当選役に定められるが、リール停止制御手段422は、当選役となった複数の再遊技役のうち、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に応じて、いずれか1つの再遊技役が入賞するようにリール停止制御を行っている。すなわち、RT1のときに抽選結果番号「12」が導出された場合は、図8(a)に示すように、中ストップスイッチ37C→左ストップスイッチ37L→右ストップスイッチ37Rの順序(有利操作順序)で操作されると、再遊技役aが入賞する(すなわち、「プラム−プラム−スイカ」の図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示される)ようなリール停止制御を行う。一方、有利操作順序以外の順序で操作された場合は、再遊技役bが入賞する(すなわち、「プラム−プラム−プラム」の図柄組合せが有効ラインに沿って停止表示される)ようなリール停止制御を行う。
このように、RT1のときに抽選結果番号「10」〜「15」が導出された場合は、いずれも再遊技役aまたは再遊技役bが入賞することになるが、再遊技役aが入賞することとなる有利操作順序の内容は、各抽選結果番号で異なっている。そして、導出された抽選結果番号に対応する有利操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作された場合は、リール停止制御手段422は、再遊技役aが入賞するようなリール停止制御を行い、それ以外の操作順序で操作された時は、再遊技役bが入賞するようなリール停止制御を行う。
また、図8(b)に示すように、リール停止制御手段422は、RT2のときに抽選結果番号「10」〜「15」が導出された場合も、RT1のときと同様のリール停止制御を行う。さらに、RT2のときに抽選結果番号「16」〜「21」が導出された場合は、導出された抽選結果番号に対応する有利操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されると、再遊技役bが入賞するようなリール停止制御を行い、それ以外の操作順序で操作されると、再遊技役cが入賞するようなリール停止制御を行う。
前述したように、再遊技役a,b,cは取りこぼしが起こらないため、RT1のときに役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」が導出された場合、および、RT2のときに役抽選で抽選結果番号「10」〜「21」が導出された場合は、必ずいずれかの再遊技役が入賞することになる。ここで、図7(a)および(b)に示したRT1用の役抽選テーブルと、図7(b)に示したRT2用の役抽選テーブルとを比較すると、RT1においては、再遊技役の入賞確率が約1/7.296なのに対して、RT2においては約1/1.292になっている。よって、RT2はRT1に比べて再遊技を行うことができる確率が高くなっているため、遊技者に有利な遊技状態になっているといえる。
なお、図8に示したストップスイッチの操作順序に応じたリール停止制御の例では、各々、固有の図柄組合せが対応付けられている複数の再遊技役を、重複して当選させていたが、1つの再遊技役に、複数の図柄組合せと、これら複数の図柄組合せのうちいずれを停止表示させるのかを定める操作順序と、を対応付けるようにしても良い。たとえば、図8(a)において、抽選結果番号「10」(数値範囲:48535〜50718)に対しては、再遊技役Aという1つの再遊技役を対応させ、再遊技役Aが当選したときに停止表示し得る図柄組合せとして、「プラム−プラム−スイカ」、「プラム−プラム−プラム」および「黒チェリー−青7−キャラクタ」を対応付けておく。そして、抽選結果番号「10」が導出されたときに、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、左→中→右の順序で操作されたときは、「プラム−プラム−スイカ」の図柄組合せを有効ラインに沿って停止表示させ、それ以外の順序で操作された場合は、「プラム−プラム−プラム」の図柄組合せを有効ラインに沿って停止表示させるリール停止制御を行う。
このように、他の抽選結果番号についても、1つの再遊技役に、複数の図柄組合せと、操作順序に応じて停止表示される図柄組合せを定めておくことによって、図8(a),(b)に示した内容と同様のリール停止制御を行うことができる。
(入賞判定手段の説明)
入賞判定手段430は、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、何らかの役が入賞したか否かを判定する入賞判定を行う。また、遊技状態移行手段432を備え、入賞判定の結果などに応じて前述した遊技状態およびRT状態の移行制御を行う。入賞判定手段430は、図2に示した各リールの図柄番号に対応する種別コードを記憶しており、リール40L,40C,40Rが停止したときに表示窓22に表示された9つの図柄の種類を特定する。そして、特定した9つの図柄に基づいて、有効ラインL1〜L4の各々に沿って停止表示された各図柄組合せを認識し、図6に示した配当情報に基づいて、何らかの役が入賞したか否かを判定する。また、当該判定後に、オン状態になっている小役または再遊技役に対応する当選フラグをオフ状態にし、特別役が入賞したときは、当該特別役に対応する当選フラグをオフ状態にする。
遊技状態移行手段432は、特別役の入賞および特別遊技の終了条件の成立に応じて、遊技状態(「通常遊技」、「RB遊技」、「BB遊技」)の移行を制御する。また、通常遊技中において、入賞した役の種類に応じて、RT状態の移行(「RT1」または「RT2」)を制御する。ここで、図10に示す状態遷移図を参照して、第1実施形態における、各遊技状態およびRT状態の遷移について説明する。まず、遊技開始当初の遊技状態は「通常遊技」で、RT状態は「RT1」になっている。この状態にいるときに、再遊技役aが入賞すると、遊技状態移行手段432は、RT状態を「RT2」へ移行させる。すなわち、図8(a)に示したように、抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出されたときに、ストップスイッチ37L,37C,37Rが、導出された抽選結果番号に対応する有利操作順序で操作されると、再遊技役aが入賞して「RT2」へ移行することになる。
また「RT2」において、遊技状態移行手段432は、再遊技役aが入賞したときは、RT状態を再び「RT2」へ移行させる(結果として、「RT2」のRT状態が維持される)が、再遊技役cが入賞したとき、または小役2aが単一入賞したときは、RT状態を「RT1」へ移行させる。さらに、「RT1」および「RT2」において、BB役a、BB役bまたはRB役が入賞したときは、遊技状態移行手段432は、遊技状態を「通常遊技」から入賞した特別役に応じた遊技状態(「RB遊技」または「BB遊技」)に移行させる。そして、「RB遊技」または「BB遊技」の終了条件が成立すると、遊技状態を「通常遊技」に移行させ、RT状態を「RT1」とする。
なお、上述した例では、遊技状態とRT状態とを別個の状態として扱ったが、例えば、遊技状態「1」は通常遊技中のRT1、「2」は通常遊技中のRT2、「3」はRB遊技中、「4」はBB遊技中というように、遊技状態とRT状態とを統合して、遊技状態の移行を管理するようにしてもよい。
(入賞処理手段の説明)
入賞処理手段440は、入賞判定手段430によっていずれかの小役が入賞したと判定された場合、スロットマシン10の内部に設けられているホッパー(図示略)を駆動して、入賞した小役に対応する枚数(図6参照)のメダルを払い出すための制御を行う。
(信号出力手段の説明)
信号出力手段450は、後述する特殊遊技実行手段530によってART遊技(特殊遊技)が行われていることを示すART実行信号を、スロットマシン10の内部に取り付けられている外部集中端子板118を介して前述した管理コンピュータおよび遊技履歴表示装置へ出力する。ART実行信号は、ハイレベルまたはローレベルへ変化するパルス信号であり、ART遊技が開始されたと判断したときに、ART実行信号をハイレベルに変化させ、この状態で所定時間(例えば0.5秒間)が経過するとART実行信号をローレベルに戻す。
<副制御回路の説明>
副制御回路200は、主に演出制御手段510と、報知制御手段520と、特殊遊技実行手段530と、からなっている。
(演出制御手段の説明)
演出制御手段510は、演出データ記憶手段512と、演出抽選手段514とを有し、報知出力手段600において、単位遊技中に実行される演出を制御する。演出データ記憶手段512は、各種演出を実行するための、画像(動画または静止画)データ、効果音または楽音データ、上部演出ランプ72の点滅パターンデータを記憶している。演出抽選手段514は、主制御回路100から送信される役抽選の結果や遊技状態に応じて、実行する演出の内容を抽選によって決定する。これにより、演出制御手段510は、演出抽選手段514によって決定された演出内容に対応する画像(動画または静止画)データ、効果音または楽音データ、点滅パターンデータなどの各種データを、演出データ記憶手段512から読み出し、読み出した各種データに基づいて、報知出力手段600の表示装置70、スピーカ64L,64R、上部演出ランプ72を駆動する。
(報知制御手段の説明)
報知制御手段520は、演出手段600を制御することによって、単位遊技中における各種情報の報知や、異常が発生したときの異常発生報知を行う。また、操作態様報知手段522を備え、後述する特殊遊技実行手段530において、特殊遊技(以下、ART遊技という)が開始されると、主制御回路100の役抽選手段410が行った役抽選の結果に応じて、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作態様に関する情報を報知する。
ここで、報知する「操作態様」とは、例えば、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序の他、いわゆる目押しすべき図柄を示す情報も含む。すなわち、目押しすべき図柄を報知するということは、その図柄が、停止させようとする有効ラインの位置から、5図柄以内の範囲にあるときにストップスイッチを操作すべきであること(換言すると、ストップスイッチの操作タイミング)を報知しているともいえるため、「操作態様」の報知に含むものとする。
本実施形態においては、「操作態様」として、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関する情報を報知するものとする。具体的には、ART遊技中に、複数の小役2が当選役と定められたときは、中リール40Cの「ベル」図柄を中段Mに停止させるための、第1停止操作すべきストップスイッチの種類(図9参照)を報知する。また、複数の再遊技役が当選したときは、遊技者にとって有利となる再遊技役が入賞する操作順序が報知される。
上述した第1停止操作すべきストップスイッチの種類の報知は、例えば、役抽選手段410で役抽選が行われた直後に、第1停止操作すべきストップスイッチの種類に対応する操作指示ランプ24L、24Cまたは24Rのいずれかを点灯させる。また、操作順序の報知は、例えば、役抽選手段410で役抽選が行われた直後に、最初に操作すべきストップスイッチに対応する操作指示ランプを点灯させる。そして、最初の操作がされた直後に、次に操作すべきストップスイッチに対応する操作指示ランプを点灯させ、2番目の操作が行われた直後に、最後に操作すべきストップスイッチに対応する操作指示ランプを点灯させる。なお、ストップスイッチの操作順序に関する報知については、上述したものに限らず、従来の報知手段および報知態様を採用しても良い。
(特殊遊技実行手段の説明)
特殊遊技実行手段530は、特殊遊技(以下、ART遊技という)を制御するものであり、実行条件決定手段532と、報知期間開始手段534と、報知期間終了手段536と、延長期間決定手段538とを含む。ART遊技とは、遊技者に有利な遊技結果が得られることとなる当選役を入賞させることができる、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作態様が報知される遊技をいう。
たとえば、ART遊技中の通常遊技において、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたときは、小役2aが三重入賞する(中リール40Cの「ベル」図柄が中段Mに停止する)ための、第1停止操作すべきストップスイッチの種類(図9参照)が報知される。また、現在のRT状態が「RT1」だったときに、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合は、再遊技役aが入賞する有利操作順序(図8(a)参照)が報知される。これにより、RT状態がより遊技者に有利な「RT2」に移行することができる。さらに、現在のRT状態が「RT2」だったときに、役抽選で抽選結果番号「16」〜「21」のいずれかが導出された場合は、再遊技役bが入賞する有利操作順序(図8(b)参照)が報知される。これにより、「RT2」から「RT1」へ移行してしまうこととなる再遊技役cの入賞が阻まれるため(図10参照)、遊技者に有利な「RT2」に滞在することができる。
また、現在のRT状態が「RT2」だったときに、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合は、所定の条件を満たしたときに、再遊技役aが入賞する有利操作順序(図8(b)参照)が報知されるが、その詳しい内容については後に詳しく説明する。
実行条件決定手段532は、上述したARTを実行することができる実行条件が満たされたか否かを判定する。ここで、本実施形態における実行条件は、役抽選で特定の小役が当選したときに行われるストック抽選によってストックが発生したこと、である。このストック抽選は、副制御回路200のROM208(図4参照)に記憶されている図11(a)に示すストック抽選テーブルと、乱数発生装置(図示略)によって発生された乱数とに基づいて、通常遊技中に実行条件決定手段532によって行われる。
図11(a)に示すストック抽選テーブルは、副制御回路200が備える乱数発生装置によって生成される乱数(数値範囲:0〜65535)に対して、ストックが発生することとなる置数を示すものであり、ART中か否か、および、当選役に定められた小役の種類に応じて異なっている。すなわち、ストックの発生確率(各置数を65536で割った値)は、ART中でないとき(非ART)よりも、ART中の方が高くなっており、当選役が小役1のときと、小役3のときとで比較した場合、役抽選における当選確率が低い小役1が当選役になったときの方が、ストックの発生確率が高く設定されている。なお、ストック抽選でストックが発生したときは、その旨がRAM210(図4参照)に記憶されるが、ストックが発生するごとに、ストックの数が加算されていく。
なお、本実施形態ではストックは一度に1つしか発生しないが、発生させるストックの数(「0」を含む)を抽選によって決定するようにして、一度に複数のストックが発生するようにしてもよい。
実行条件決定手段532は、発生確率低下手段5320を有している。この発生確率低下手段5320は、ART遊技中にストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序を報知したにも関わらず、遊技者が報知した操作順序に従ってストップスイッチ37L,37C,37Rを操作しなかった場合、上述したストック抽選におけるストックの発生確率を低下させるものである。ここで、「ストックの発生確率を低下させる」とは、ストックの発生確率を0にする(ストックを発生させない)ことも含む。また、報知された操作順序を無視してストップスイッチを操作するごとに、一定の割合ずつストックの発生確率を段階的に低下させていくようにしてもよい。
報知期間開始手段534は、実行条件決定手段532によってART遊技の実行条件が満たされたと判定したことにより、ART遊技を開始させる。より具体的には、RAM210にストックの数が「1」以上記憶されており、かつ、RT状態が「RT2」から「RT1」へ移行したときに、RAM210に記憶されているストックの数が「1」以上だった場合にART遊技が開始される。
報知期間終了手段536は、ART遊技中に、ART遊技の終了条件が成立したと判定した場合に、ART遊技を終了させる。具体的には、ART遊技が開始されてから単位遊技が50回行われるとART遊技を終了させる。すなわち、本実施形態におけるART遊技の期間は50ゲームということになる。
延長期間決定手段538は、ART遊技中に、役抽選で小役1または小役3が当選したときに、図11(b)に示す上乗せ抽選テーブルと、副制御回路200が備える乱数発生装置によって生成される乱数(数値範囲:0〜65535)とに基づいて、上乗せゲーム数を決定するものである。図11(b)に示す上乗せ抽選テーブルは、0,5,10,30,50という5通りの上乗せゲーム数について、各々、置数を定めたものであり、副制御回路200のROM208(図4参照)に記憶されている。この図に示す抽選テーブルから明らかなように、小役3の当選時よりも小役1の当選時の方が、ART遊技の期間が上乗せされる可能性が高くなっており、かつ、一度に上乗せされるゲーム数が少ないほど上乗せが生じる可能性が高くなっている。
また、延長期間決定手段538は、延長確率低下手段5380を有している。この延長確率低下手段5380は、ART遊技中にストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序を報知したにも関わらず、遊技者が報知した操作順序に従ってストップスイッチ37L,37C,37Rを操作しなかった場合、上述した上乗せ抽選における上乗せゲーム数の発生確率を低下させるものである。ここで、「上乗せゲーム数の発生確率を低下させる」とは、全ての上乗せゲーム数の発生確率を0にする(上乗せしない)ことも含む。また、報知された操作順序を無視してストップスイッチを操作するごとに、一定の割合ずつ上乗せの発生確率を段階的に低下させていくようにしてもよい。
≪制御処理の説明≫
次に、上述した制御回路において行われる各種の制御について、フローチャートを参照して詳細に説明する。
図12は、主制御回路100で行われる制御処理を示すメインルーチンのフローチャートである。図13は、図5に示した入賞判定手段430により、入賞した役の有無、および、入賞した役の種類の判定ならびに遊技状態およびRT状態の移行制御を行う入賞判定処理サブルーチンのフローチャートである。
<主制御回路における制御処理の説明>
(メインルーチンの説明)
まず、主制御回路100のCPU106によって実行されるメインルーチンの制御処理の説明を、図12のフローチャートを用いながら説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、リール40L,40C,40Rを回転させて停止させるまでの1回の単位遊技を行うときの制御処理を示す。
スロットマシン10の電源を投入すると、CPU106は、所定の初期化処理を行い、RAM110に記憶される各種フラグや制御データの初期値を設定する(ステップS10)。次に、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技成立フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS12)。この再遊技成立フラグは、前回の遊技で再遊技役が成立したときにオンにされるフラグである。再遊技成立フラグがオフになっている(NO)と判断した場合、CPU106は単位遊技を開始するためのメダル投入処理を、遊技者の操作に応じて行う(ステップS14)。
すなわち、遊技者によってベットスイッチ34または35が操作されると、CPU106は、RAM110に記憶されているクレジット数の値が、操作されたベットスイッチに対応するメダル枚数(以下、投入枚数という)の値以上であった場合に、RAM110に記憶されているクレジット数の値から、投入枚数の値を減算する。そして、CPU106は、投入枚数の値を、RAM110に記憶されているベット数の値に加算し、加算後のベット数の値に応じて、図1に示したベット数表示ランプ26a,26b,26cの点灯状態を更新する。また、併せて、ベット数の値を表す投入枚数情報を、図3および図4に示した接続線120を介して副制御回路200へ送信する。
また、ベットスイッチ34または35が操作されなかった場合は、CPU106は、メダル投入口32からメダルが投入されたか否かを判断し、メダル投入口32の内部に設置されたメダルセンサによって、メダル投入口32から投入されたメダルが検出された場合は、RAM110に記憶されているベット数の値に「1」を加算するとともに、投入されたメダルの枚数の値を表す投入枚数情報を副制御回路200へ送信する。
以上のメダル投入処理を行うと、次にCPU106は、RAM110に記憶されているベット数の値が規定数(3枚)になったか否かを判断し(ステップS16)、規定数に達していない(NO)と判断した場合は、ステップS14へ戻る。一方、規定数に達した(YES)と判断した場合は、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する(ステップS18)。なお、メダルの投入枚数が規定数に達している状態で(ステップS16,YES)、メダル投入口32からメダルが投入された場合は、CPU106は、ステップS14のメダル投入処理において、RAM110に記憶されているクレジット数の値に投入されたメダルの枚数を加算する。
ステップS18において、CPU106は、スタートスイッチ36が遊技者によって操作されたことによって出力される遊技開始信号を受信したか否かを判断する。遊技開始信号を受信していないことから、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されていない(NO)と判断した場合は、再度ステップS12の処理へ戻る。これにより、CPU106は、遊技者によってスタートスイッチが操作されるまで、ステップS12→S14→S16→S18の処理を繰り返し行う。
なお、ステップS12において、CPU106が、再遊技成立フラグがオンになっている(YES)と判断した場合は、直ちにステップS18へ進み、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されたか否かを判断する。そして、遊技者によってスタートスイッチ36が操作されていない(NO)と判断したときは、ステップS12とS18の処理を繰り返し行う。これにより、再遊技役が成立した次の遊技では、メダルを新たに投入し、またはクレジットされているメダルを消費することなく、再び遊技を行うことができる。なお、再遊技におけるベット数は、RAM110に記憶されている前回の遊技で投入されたベット数となる。
ステップS18において、CPU106が遊技開始信号を受信したことにより、遊技者によってスタートスイッチ36が操作された(YES)と判断すると、CPU106は、再遊技成立フラグをオフにした後(ステップS20)、図3に示した乱数発生装置112から乱数を取得して役抽選処理を行う(ステップS22)。すなわち、ROM108に記憶されている図7に示した役抽選テーブルの中から、現在の遊技状態(通常遊技またはBB遊技)およびRT状態(RT1またはRT2)に応じた役抽選テーブルを選択し、選択した役抽選テーブルと、乱数発生装置112から取得した抽選用乱数と、に基づいて役抽選を行う。そして、役抽選の結果、何らかの役が当選した場合は、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、当選役となった役の当選フラグをオンにする。また、CPU106は、役抽選の結果(ハズレまたは当選役の種類)を示す役抽選結果情報を、図3および図4に示した接続線120を介して副制御回路200へ送信する。これにより副制御回路200では、受信した役抽選結果情報に基づいて、実行する演出内容を決定するための抽選を行う等の処理が行われる。
次にCPU106は、リール40L,40C,40Rを回転させ、遊技者によるストップスイッチ37L,37C,37Rの操作と、ステップS22の処理で行われた役抽選の結果とに基づいて、各リールの停止制御を行うためのリール変動・停止処理を行う(ステップS24)。このリール変動・停止処理において、CPU106は、まず、モータ駆動回路114(図5参照)への駆動パルスの出力を開始し、ステッピングモータ80L、80C、および80Rを駆動し、リール40L,40C,40Rを一斉に回転させる。ただし、この時点で、前回の遊技でリールが回転を開始してから所定の待機時間(4.1秒間とする)が経過していなかった場合は、当該待機時間が経過してからリール40L,40C,40Rを一斉に回転させる。そして、リール回転速度が所定の定常回転速度(例えば、約80回転/分)に達すると、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作を行うことが可能となる。
この後、遊技者によってストップスイッチ37L,37C,37Rのいずれかが操作されると、CPU106は、操作されたストップスイッチに対応するリールについて、各当選フラグのオン/オフ状態と、ストップスイッチが操作されたタイミングとに応じたリール停止制御を行う。なお、このリール停止制御の内容は、図5に示したリール停止制御手段422が行うリール停止制御と同様である。また、CPU106は、遊技者によってストップスイッチが操作されるごとに、どのストップスイッチが操作されたのかを表す停止操作情報を、副制御回路200へ送信し、すべてのリールが停止したときには、その旨を示す全リール停止情報を副制御回路200へ送信する。これにより副制御回路200では、停止操作情報に基づいて、実行中の演出内容の切替制御や、ストップスイッチの操作順序を報知したときに、その操作順序通りにストップスイッチが操作されたか否かの判断などが行われる。
ステップS24で、リール変動・停止処理が行われたことによって、リール40L,40C,40Rがすべて停止すると、次にCPU106は、何らかの役が入賞したか否かを判定し、その判定結果に応じて遊技状態の移行処理などを行う入賞判定処理を行う(ステップS26)。すなわち、CPU106は、リール表示窓22に停止表示された9つの図柄を識別し、有効ラインL1〜L4に停止表示された各図柄組合せを認識する。そして、図6に示した配当情報に基づいて、何らかの役が入賞したか否かを判断する。ここで、通常遊技中にRB役またはBB役が入賞したときは、遊技状態を「通常遊技」から入賞した役に応じて「RB遊技」または「BB遊技」へ移行させる。また、「通常遊技」において再遊技役が入賞した場合は、RAM110に記憶されている再遊技成立フラグのオン/オフ状態をオンにする。さらに、遊技状態が「RB遊技」または「BB遊技」だった場合は、実行中の特別遊技の終了条件が成立したか否かを判断し、終了条件が成立した場合は、遊技状態を「通常遊技」に更新する。また、小役が入賞したと判定された場合は、入賞した小役に対応する払出枚数(図6参照)を、RAM110の所定の記憶領域に記憶する。
以上のように、入賞判定および遊技状態の移行制御を行うと、CPU106は、副制御回路200に対して、入賞した役の種類またはハズレを示す遊技結果情報と、遊技の結果に応じた現在の遊技状態およびRT状態を示す遊技状態情報を送信する。また、CPU106は、RAM110に記憶されている各小役および再遊技役に対応する当選フラグをオフにする。これに対して、BB役またはRB役に対応する当選フラグがオンになっている場合は、その当選フラグに対応する特別役が入賞するまでオン状態を維持し、その特別役が入賞したときにオフにする。このような処理を行うことによってボーナスフラグの持ち越しが実現される。
次にCPU106は、ステップS26の入賞判定処理において、RAM110の所定の記憶領域にメダルの払出枚数が記憶されていたときは、その枚数のメダルを遊技者へ払い出すための払い出し処理(ステップS28)を行う。この払い出し処理は、スロットマシン10の内部に収容されたメダル払出装置(いわゆるホッパー)を駆動して、メダルをメダル払出口60から払い出すことも可能であるし、払い出すメダルの枚数をRAM110に記憶されているクレジット数に加算して、クレジットすることも可能である。なお、ステップS28の払い出し処理を行うCPU106は、図5に示した入賞処理手段440に相当する。そして、ステップS28の払い出し処理を終えると、1回分の単位遊技が終了し、CPU106は再びステップS12の処理へ戻る。このように、メインルーチンに示される制御処理を繰り返すことにより、遊技者は継続して遊技を行うことができる。
(入賞判定処理サブルーチンの説明)
上述したように、図12のメインルーチンにおいて、ステップS24のリール変動・停止処理を終えると、CPU106は、ステップS26の入賞判定処理を行う。以下、入賞判定処理の内容について、図13に示すフローチャートを参照しつつ詳細な説明を行う。
まず、CPU106は、表示窓22に停止表示された9つの図柄の種類を認識する(ステップS40)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を参照し、現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップS42)。
(1)特別遊技中の場合
ステップS42の判断処理において、CPU106が現在の遊技状態が特別遊技中である(NO)と判断した場合、CPU106は、特別遊技中の入賞処理を行う(ステップS44)。すなわち、まずCPU106は、小役が入賞したか否かを判断し、いずれかの小役が入賞したと判断したときは、図6に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる。次にCPU106は、現在実行中の特別遊技の終了条件が成立したか否かの判断を行う。すなわち、BB遊技中であれば、BB遊技中に払い出したメダルの合計枚数が300枚を超えたか否かを判断する。また、RB遊技中であれば、RB遊技中の単位遊技を12回行ったか、または、いずれかの小役が8回入賞したかを判断する。CPU106が現在実行中の特別遊技の終了条件が成立したと判断したときは、CPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を「通常遊技」に更新し、さらに現在のRT状態を「RT1」に更新する。
以上の特別遊技中の入賞処理を終えると、CPU106は、RAM110の所定記憶領域に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、特別役以外の当選フラグでオンになっているものがあったときはオフにする(ステップS46)。そしてCPU106は、今回の単位遊技の結果を示す情報(何らかの役が入賞したか否かの情報など)と、現在の遊技状態およびRT状態を示す情報と、を副制御回路200へ送信する(ステップS48)。次にCPU106は、図13の入賞判定処理サブルーチンを終了して、図12に示したステップS28の払い出し処理へ移行する。これに対して、CPU106が現在実行中の特別遊技の終了条件が成立していないと判断したときは、ステップS44の特別遊技中入賞処理において遊技状態およびRT状態の更新を行わず、ステップS46以降の処理を行った後、図13の入賞判定処理サブルーチンを終了する。
(2)通常遊技中の場合
前述したステップS42の判断処理において、CPU106が、現在の遊技状態は「通常遊技」である(YES)と判断した場合、通常遊技における単位遊技の結果についての処理を行う。まずCPU106は、ステップS40で認識した9つの図柄に基づいて、いずれかの再遊技役が成立したか否かを判断する(ステップS50)。そして、いずれかの再遊技役が成立していた(YES)ときは、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技入賞フラグの状態をオンにする(ステップS52)。この再遊技入賞フラグのオン/オフ状態は、前述した図12のメインルーチンにおけるステップS12の判断処理で参照される。
次にステップS50の判断処理でCPU106が、再遊技役は成立していない(NO)と判断したときは、いずれかの小役が入賞したか否かを判断する(ステップS54)。そして、CPU106が小役1、小役2a〜2cまたは小役3のいずれかが入賞した(YES)と判断したときは、図6に示した配当情報に基づいて、入賞した小役に対応するメダルの払出枚数をRAM110の所定の記憶領域に記憶させる(ステップS56)。さらに、ステップS54において、CPU106がいずれの小役も入賞していない(NO)と判断したときは、次に特別役(BB役a、BB役bまたはRB役)が入賞したか否かを判断する(ステップS58)。
CPU106が、特別役が入賞した(YES)と判断したときは、特別役入賞処理を行う(ステップS60)。すなわち、まず、当選していた特別役に対応する当選フラグをオフにし、入賞した特別役に応じた終了条件をセットし、さらに、遊技状態を「通常遊技」から入賞した特別役に応じた遊技状態(「BB遊技」または「RB遊技」)に変更する。このようにして、通常遊技における単位遊技の結果に応じた処理(ステップS52、S56、S58またはS60の処理)を行うと、前回のART実行信号の出力後に行った単位遊技の回数CNTの値に「1」を加算する(ステップS62)。そして、ステップS62の処理を終えると、CPU106は、現在のRT状態に応じたRT状態の移行制御を行う。
(2−1)現在のRT状態が「RT1」のとき
まずCPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態が「RT1」(RT=1)であるか否かを判断する(ステップS64)。現在のRT状態が「RT1」であった(YES)場合は、今回の単位遊技で再遊技役aが入賞したか否かを判断する(ステップS66)。再遊技役aが入賞しなかった(NO)と判断したときは、RT状態の移行を行うことなく、前述したステップS46の処理へ移行する。これに対して、再遊技役aが入賞した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている現在のRT状態を「RT2」に更新して(ステップS68)、前述したCNTの値が30を越えているか否かを判断する(ステップS70)。
CPU106が、CNTの値が30を越えている(ステップS70,YES)と判断したときは、外部集中端子基板118を介してART実行信号を外部へ出力する(ステップS72)。そして、CNTの値を「0」にクリアして(ステップS74)、前述したステップS46の処理へ進む。このように、CPU106は、RT状態が「RT1」から「RT2」へ移行した場合は、副制御回路200によってART遊技が開始されたものとみなして、ART実行信号を外部へ出力している。
これに対して、ステップS70の判断処理で、CPU106が、CNTの値は30を越えていない(ステップS70,NO)と判断したときは、そのままステップS46の処理へ進み、RT状態が「RT1」から「RT2」へ移行してもART実行信号を出力しない。この理由については後に説明する。
(2−2)現在のRT状態が「RT2」のとき
前述したステップS64の判断処理において、CPU106が現在のRT状態は「RT1」ではない(NO)と判断すると、CPU106は、現在のRT状態が「RT2」であると見なし、今回の単位遊技で再遊技役aが入賞したか否かを判断する(ステップS76)。そして、再遊技役aが入賞していない(NO)と判断したときは、小役2aが有効ラインL1上でのみ入賞(単一入賞)したか否かを判断する(ステップS78)。ここで、小役2aが三重入賞した、または小役2aが入賞しなかった(NO)ときは、次に再遊技役cが入賞したか否かを判断する(ステップS80)。CPU106が、再遊技役cは入賞していない(ステップS80,NO)と判断したときは、前述したステップS46の処理へ進む。これに対してCPU106が、小役2aが単一入賞した(ステップS78,YES)、または再遊技役cが入賞した(ステップS80,YES)と判断したときは、現在のRT状態を「RT1」に移行させる(ステップS82)。そしてCPU106は、前述したステップS46の処理へ進む。
これに対して、ステップS76の判断処理で、CPU106が、今回の単位遊技で再遊技役aが入賞した(YES)と判断した場合、CPU106は、ステップS68の処理へ進んで現在のRT状態を「RT2」にする処理を行う。そして、CPU106は、ステップS70の判断処理を行い、CNTの値が30を越えていれば(ステップS70,YES)、ステップS72の処理へ進んでART実行信号を出力し、ステップS74の処理でCNTの値を「0」にクリアして前述したステップS46の処理へ進む。
一方、ステップS70の判断処理で、CNTの値が30を越えていなければ(ステップS70,NO)、ART実行信号を出力することなく、ステップS46の処理へ進む。これは、前述したように、RT状態が「RT1」から「RT2」へ移行すると、ART遊技が開始されたものとしてART実行信号を出力するが、たとえばそのART遊技中に、再び再遊技役aが入賞したことによって、ART実行信号を出力してしまうと、1回のART遊技に複数回のART実行信号を出力することになってしまう。よって、外部の遊技履歴表示装置などにおいて、ART実行信号に基づいてART遊技の実行回数を表示する場合、実際に行われたART遊技の回数よりも著しく多いART遊技の回数が表示されるのを避けるため、ステップS70の判断処理を行っている。
<副制御回路における制御処理の説明>
次に、図14〜図16に示す各フローチャートを参照して、副制御回路200においてART遊技中に実行される各種処理について説明する。ここで、図14は、主にART遊技中にストップスイッチの操作順序について報知するためのART報知処理の内容を示すフローチャートである。図15は、ストップスイッチの操作順序を報知したときに、実際に遊技者が行った操作順序をチェックするための操作順序判定処理の内容を示すフローチャートである。図16は、ART遊技の開始および終了や、ART遊技中に行われる演出などの制御を行うART制御処理の内容を示すフローチャートである。
(ART報知処理の説明)
まず、図14に示すフローチャートを用いてART報知処理の内容について説明する。なお、このART報知処理は、所定の周期で定期的に実行される処理である。
まず、図4に示した副制御回路200のCPU206は、主制御回路100から役抽選結果情報(図12、ステップS22参照)を受信したか否かを判断する(ステップS200)。CPU206が、役抽選結果情報を受信していない(NO)と判断した場合は、ART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対して、ステップS200で、CPU206が役抽選結果情報を受信した(YES)と判断すると、CPU206は、図4に示したRAM210に記憶されている現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップS202)。そして、現在の遊技状態が「BB遊技」または「RB遊技」だった(NO)場合は、ART報知処理を終了して他の処理を行う。
これに対して、CPU206が、現在の遊技状態は「通常遊技」である(YES)と判断したときは、ステップS200で主制御部100から受信したと判断した役抽選結果情報に基づいて、図12のステップS22で行った役抽選の結果、いずれの抽選結果番号が導出されたのかを認識する(ステップS204)。そして、CPU206は、抽選結果番号「4」または「9」が導出されたか否か、すなわち、小役1または小役3が当選役として定められたか否かを判断する(ステップS206)。そして、CPU206が、抽選結果番号「4」または「9」が導出された(YES)と判断したときは、副制御回路200が備える乱数発生装置(図示略)から乱数を取得し、ROM208に記憶された図11(a)のストック抽選テーブルに基づいて、ストック抽選を行う(ステップS208)。
すなわち、図11(a)に示すように、現在、ART遊技中であるか否か、および当選した小役の種類に応じた発生確率に従って、ストック抽選を行う。そして、CPU206が、このストック抽選の結果、ストック抽選に当選してストックが発生したか否かを判断し(ステップS210)、ストックが発生しなかった(NO)と判断したときは、図14のART報知処理を終了して他の処理を行う。
これに対して、ストックが発生した(ステップS210,YES)と判断したときは、RAM210に記憶されているストック数STの値に「1」を加算した後(ステップS212)、RAM210に記憶されているARTフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS214)。このARTフラグは、現在、ART中であるか否かを示すフラグであり、オンのときはART中であることを示し、オフのときはART中でないことを示している。そして、CPU206が、ARTフラグがオフになっている(NO)と判断したときは、図14のART報知処理を終了して他の処理を行う。
これに対してCPU206が、現在、ART遊技を行っており、ARTフラグがオンになっている(ステップS214,YES)と判断したときは、次にRAM210に記憶されている抽選停止フラグがオフになっているか否かを判断する(ステップS216)。この抽選停止フラグは、後述する図15の操作順序判定処理において、報知したストップスイッチの操作順序と、実際に遊技者が行った操作順序とが一致しなかったときにオンにされるフラグである。そして、抽選停止フラグがオンになっている(NO)と判断したときは、直ちに、図14のART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対して、CPU206が、抽選停止フラグがオフになっている(YES)と判断したときは、ROM208に記憶された図11(b)の上乗せ抽選テーブルと、副制御回路200が備える乱数発生装置(図示略)が発生した乱数とに基づいて、上乗せ抽選を行う(ステップS218)。
そして、上乗せ抽選を行った結果、上乗せゲーム数が「0」以外の値に決定された場合は(ステップS218,YES)、現在行っているART遊技の残り遊技回数AGの値(RAM210に記憶されている)に、上乗せ抽選によって決定された上乗せゲーム数を加算してから(ステップS222)、図14のART報知処理を終了して他の処理を行う。また、上乗せ抽選を行った結果、上乗せゲーム数が「0」に決定された場合は(ステップS218,NO)、直ちに図14のART報知処理を終了して他の処理を行う。
次に、前述したステップS206において、CPU206が、抽選結果番号「4」および「9」のいずれも導出されなかった(NO)と判断したときは、まず、ARTフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS224)。そして、ARTフラグがオフになっている(NO)と判断したときは、図14のART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対して、ARTフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、ステップS200で受信した役抽選結果情報に基づいて、導出された抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれかであるか否かを判断する(ステップS226)。CPU206が、導出された抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれかである(YES)と判断したときは、認識した抽選結果番号に対応する、小役2aを三重入賞させるために第1停止操作すべきストップスイッチの種類(図9参照)を遊技者に報知する(ステップS228)。そして、図14に示すART報知処理を終了して他の制御処理を行う。
一方、ステップS226の処理で、CPU206が、役抽選で導出された抽選結果番号が「6」〜「8」のいずれでもない(NO)と判断したときは、次に、導出された抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれかであるかを判断する(ステップS230)。そして、導出された抽選結果番号が「10」〜「15」のいずれかであった(YES)と判断したときは、次に現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS232)。そして、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と判断したときは、RAM210に記憶されている継続フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS234)。この継続フラグは、1回のART遊技が終了したときに、引き続き次のART遊技を開始することができる状態になっているときにオンになるフラグである。継続フラグのオン/オフ制御は、後述する図16のART制御処理で行われる。
そして、CPU206が、継続フラグがオンになっている(ステップS234,YES)と判断したときは、主制御回路100から、引き続き次のART遊技が開始されることを示すART実行信号を出力させるために、再遊技役aが入賞する操作順序を報知する(ステップS236)。これにより、遊技者が報知された操作順序通りにストップスイッチ37L,37C,37Rを操作した時は、再遊技役aが入賞し、図13に示した入賞判定処理サブルーチンのステップS76の判断結果がYESとなり、CNTの値が30回を越えていれば(ステップS70,YES)、ART実行信号が出力される。また、副制御回路200においては、後述する図16のART制御処理のステップS322〜S326の処理によって継続フラグがオフにされるため、図14のステップS234の判断結果がNOとなり、再び継続フラグがオンにされるまでは、「RT2」のときに抽選結果番号「10」〜「15」が導出されても再遊技役aが入賞する操作順序は報知されない。そして、ステップS236の処理により、再遊技役aが入賞する操作順序を報知すると、図14に示すART報知処理を終了して他の制御処理を行う。
なお、ステップS232の判断処理において、現在のRT状態が「RT1」だった場合は、判断結果がNOとなるため、ステップS234の判断処理を行うことなく、ステップS236の、再遊技役aが入賞する操作順序を報知する処理を行う。すなわち、ART遊技中に現在のRT状態が「RT1」になっているときに、抽選結果番号「10」〜「15」が導出されたときは「RT2」へ移行させるべく、再遊技役aが入賞する操作順序が報知される。
次に、ステップS230の判断処理において、CPU206が、抽選結果番号「10」〜「15」が導出されなかった(NO)と判断したときは、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS238)。CPU206が、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と判断したときは、次に、役抽選で導出された抽選結果番号が「16」〜「21」のいずれかであるか否かを判断する(ステップS240)。導出された抽選結果番号が「16」〜「21」のいずれかである(YES)とCPU206が判断したときは、CPU206は、導出された抽選結果番号に応じて再遊技役bが入賞する操作順序を報知する(ステップS242)。これにより、遊技者が報知された操作順序通りにストップスイッチ37L,37C,37Rを操作した時は、再遊技役cの入賞が回避され、「RT2」が維持されることになる。そして、CPU206は、ステップS242の処理を終えると、図14に示すART報知処理を終了して他の制御処理を行う。
一方、CPU206が、ステップS238の判断処理において、現在のRT状態が「RT2」ではない(NO)と判断した場合、または、ステップS240の判断処理において、導出された抽選結果番号が「16」〜「21」以外である(NO)と判断した場合は、直ちに図14に示すART報知処理を終了して他の制御処理を行う。
なお、図15の操作順序判定処理のために、CPU206は、ステップS228、S236またはS242の処理による報知を行った場合、RAM210において、その旨を示す報知実行フラグをオンにするとともに、報知した第1停止操作をすべきストップスイッチの種類、または操作順序の内容を、RAM210に記憶する。また、CPU206は、単位遊技が終了するごとに、上述した報知実行フラグをオフにする。
また、ステップS216の判断処理において、抽選停止フラグがオンになっていた場合は、上乗せ抽選を行わずに、すなわち、上乗せゲーム数が加算される確率を0%にして図14のART報知処理を終了していたが、代わりに、「0」以外の上乗せゲーム数が選択される確率を低下させて、上乗せゲーム数が加算される可能性を残すようにしてもよい。
(操作順序判定処理の説明)
次に、図15に示すフローチャートを用いて操作順序判定処理の内容について説明する。この操作順序判定処理も、所定の周期で定期的に実行される処理である。
まず、CPU206は、主制御回路100から停止操作情報(図12、ステップS24参照)を受信したか否かを判断する(ステップS250)。CPU206が、停止操作情報を受信した(YES)と判断したときは、次にARTフラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS252)。そして、ARTフラグがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、図14のステップS228、S236またはS242の処理を行ったか否かを判断する(ステップS254)。
ここで、ステップS254の判断は、RAM210に記憶されている前述した報知実行フラグがオンになっているか否かによって判断することができる。そして、ステップS254の判断処理で、CPU206が操作順序を報知した(YES)と判断したときは、ステップS250で受信した停止操作情報に含まれている、遊技者によって操作されたストップスイッチの種類を認識すると共に、そのストップスイッチは、現在進行中の単位遊技が開始されてから何番目に操作されたものであるのかを判断する(ステップS256)。
次にCPU206は、ステップS256で認識したストップスイッチの種類および操作された順番が、報知した操作順番に一致するものであるか否かを判断する(ステップS258)。そして、両者が一致した(YES)場合は、そのまま図15に示す操作順序判定処理を終了して、他の制御処理を実行するが、一致しなかった場合は、RAM210に記憶されている抽選停止フラグをオンにする(ステップS260)。これにより、遊技者が、報知された操作順序に従ってストップスイッチ37L,37C,37Rを操作しなかったときは、抽選停止フラグがオンにされることで、図14のステップS216の判断結果がNOとなり、上乗せ抽選が行われなくなる。そして、CPU206は、ステップS260の処理を終えると、図15に示す操作順序判定処理を終了して、他の制御処理を実行する。
なお、CPU206が、ステップS250の判断処理で、停止操作情報を受信していない(NO)と判断とき、ステップS252の判断処理で、ARTフラグがオフになっている(NO)と判断したとき、ステップS254の判断処理で、操作順序を報知していない(NO)と判断したときは、直ちに図15に示す操作順序判定処理を終了して、他の制御処理を実行する。
(ART制御処理の説明)
次に、図16に示すフローチャートを用いてART制御処理の内容について説明する。まず、CPU206は、主制御回路100から遊技結果情報および遊技状態情報を受信したか否かを判断する(ステップS300)。CPU206が、遊技結果情報および遊技状態情報を受信していない(NO)と判断したときは、図16のART制御処理を終了して他の処理を行う。これに対して、CPU206が、遊技結果情報および遊技状態情報を受信した(YES)と判断したときは、CPU206は、現在の遊技状態が「通常遊技」であるか否かを判断する(ステップS302)。
ステップS302の判断処理で、CPU206が現在の遊技状態は「BB遊技」または「RB遊技」である(NO)と判断したときは、実行中の特別遊技に応じた演出(特別遊技演出)を行う(ステップS304)。これに対して、CPU206が現在の遊技状態は「通常遊技」である(YES)と判断したときは、次にRAM210に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態がオンになっているか否かを判断する(ステップS306)。
(1)通常遊技中かつ非ART中の処理
ステップS306の判断処理で、CPU206がARTフラグはオフ(NO)になっている(非ART中)と判断したときは、次にRAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS308)。ここで、ストック数STの値が「0」だった(NO)場合は、CPU206は、図16のART演出制御処理を終了する。これに対して、ストック数STの値が「1」以上だった(YES)場合は、CPU206は、次に現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS310)。
CPU206が、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と判断したときは、RAM210に記憶されているARTフラグのオン/オフ状態をオンにし(ステップS312)し、RAM210に記憶されているART遊技の残り遊技回数AGの値を「50」にセットする(ステップS316)。次にCPU206は、RAM210に記憶されているストック数STの値から「1」を減算し(ステップS318)、次の単位遊技から操作情報報知演出を開始するための準備を行う(ステップS320)。ここで、操作情報報知演出は、ART遊技中に行われる演出であり、役抽選の結果に応じて図8または図9に示した操作順序を報知する際に行われる演出である。そして、ステップS320の処理によって、次の単位遊技を行うべく、遊技者がメダルの投入操作を行うと、操作情報報知演出が開始される。
なお、上述したステップS308の判断処理で、CPU206がストック数STの値が「0」である(NO)と判断したとき、または、ステップS310の判断処理で現在のRT状態が「RT2」ではない(NO)と判断したときは、CPU206は、図16のART制御処理を終了して他の処理を行う。
(2)ART中の処理
前述したステップS306の判断処理で、CPU206が、ARTフラグがオンになっている(YES)と判断した場合は、まず、RAM210に記憶されている継続フラグがオンになっているか否かの判断を行う(ステップS322)。継続フラグがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、次に、今回の単位遊技で再遊技役aが入賞したか否かを判断する(ステップS324)。そして、再遊技役aが入賞した(YES)と判断したときは、RAM210に記憶されている継続フラグをオフにする(ステップS326)。このステップS322〜S326の処理によって、一旦、継続フラグがオンにされると、再遊技役aが入賞するまで(すなわち、図13のステップS72の処理によってART実行信号が出力されるまで)、継続フラグのオン状態が維持されることになる。
そして、ステップS326の処理によって継続フラグをオフにすると、残り遊技回数AGの値を「1」減算する(ステップS328)。なお、ステップS322の判断処理で、継続フラグがオフになっている(NO)と判断したとき、または、ステップS324の判断処理で、再遊技役aが入賞しなかった(NO)と判断したときは、直ちにステップS328の処理へ移行して、残り遊技回数AGの値を「1」減算する。
ステップS328の処理によって残り遊技回数AGの値を「1」減算すると、次にCPU206は、残り遊技回数AGの値が「10」になった否かを判断する(ステップS330)。ここで、例えばART遊技が開始されて残り10ゲームになるまでは、ステップS330の判断結果はNOとなり、次に残り遊技回数AGの値が「1」になった否かを判断する(ステップS336)。そして、この判断処理においても、判断結果はNOとなり、次に残り遊技回数AGの値が「0」になった否かを判断する(ステップS346)。結局、この判断結果もNOとなり、そのまま図16のART制御処理を終了することになる。すなわち、ART遊技が開始されて残り10ゲームになるまでは、ステップS320の処理によって開始された操作情報報知演出が実行されることになる。
そして、ART遊技が残り10ゲームになると、ステップS330の判断結果がYESとなり、CPU206は、バトル演出を開始する(ステップS332)とともに、RAM210に記憶されている抽選停止フラグをオンにして(ステップS334)、図16のART制御処理を終了する。このバトル演出は、二人のキャラクタが格闘する演出であり、その様子が表示装置70に表示され、かつ、この格闘に伴う音声や効果音がスピーカ64L,64Rから発生される。なお、バトル演出中においても、図14に示したステップS226〜S242の処理は実行される。ここで、ステップS334の処理によって抽選停止フラグをオンにするのは、バトル演出は残り10ゲームという固定のゲーム数で行われる演出であるため、上乗せ抽選によって上乗せゲーム数が加算されて、ART遊技の残り遊技回数が変動しないようにするためである。
バトル演出が進行して、ART遊技が残り1ゲームになると、ステップS336の判断結果がYESとなり、CPU206はRAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS338)。ストック数STの値が「1」以上であったとき(YES)は、バトル演出の最後を「勝利エンディング」とする(ステップS340)。この勝利エンディングは、引き続き次のARTが開始する(いわゆる連チャンする)ことが確定していることを示すための演出である。この演出は、例えば、一方のキャラクタが他方のキャラクタの攻撃を防ぐまたは躱す画像を表示した後、他方のキャラクタを攻撃して倒す画像を表示する。そして、CPU206は、図16に示すART制御処理を終了して他の処理を行う。
これに対して、ステップS338の判断処理で、CPU206が、ストック数STの値は「0」である(NO)と判断したときは、バトル演出の最後を「敗北エンディング」とする(ステップS342)。この敗北エンディングは、現在のARTが終了すると、次のARTを開始するには、ストック抽選によってストックを発生させなければならないことを示すための演出である。この演出は、例えば、一方のキャラクタが他方のキャラクタの攻撃を受けたことによって倒れる画像を表示するものである。そして、CPU206は、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグのオン/オフ状態をオンにして(ステップS344)、図16のART制御処理を終了する。このバトル演出終了フラグは、ART最後の単位遊技において敗北エンディングが選択されたことを示すフラグである。
そして、ART遊技の最後の単位遊技において、上述したように決定されたエンディングが実行されると、ステップS328の処理によってAGの値が「0」となり、ステップS346の判断結果がYESとなる。これにより、まずCPU206は、ステップS332の処理、または図15のステップS260の処理によってオンにされた抽選停止フラグをオフにする(ステップS348)。次いで、RAM210に記憶されているストック数STの値が「1」以上であるか否かを判断する(ステップS350)。ここで、前述したステップS338の判断処理で、ストック数STの値を判断したにも関わらず、再度同様の判断を行うのは、ART遊技の最後の単位遊技でストックが発生したか否かを確認するためである。
ステップS350の判断処理で、CPU206が、ストック数STの値が「0」である(NO)と判断したときには、ARTを終了させるべく、RAM210に記憶されているARTフラグをオフにした後(ステップS352)、ステップS326へ移行して通常遊技で行う演出(通常演出)の準備をしてから(ステップS354)、図16に示すART制御処理を終了する。
これに対して、ステップS350の判断処理で、CPU206が、ストック数STの値は「1」以上である(YES)と判断したときには、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグのオン/オフ状態がオンであるか否かを判断する(ステップS356)。ここで、バトル演出終了フラグがオンになっている場合は(YES)、敗北エンディングが実行されたが、その最後の単位遊技でストックが発生したことを示している。これにより、CPU206は、復活演出を実行する(ステップS358)。この復活演出として、例えば、敗北エンディングにおいて倒れた一方のキャラクタが立ち上がり、逆に他方のキャラクタを倒す、という演出が行われる。
次にCPU206は、RAM210に記憶されているバトル演出終了フラグをオフにした後(ステップS360)、継続フラグをオンにして、引き続き次のART遊技が開始されることを示す(ステップS362)。そして、前述したステップS316へ移行して、残り遊技回数AGの値を「50」にセットする。さらに、ステップS318へ移行して、RAM210に記憶されているストック数STの値から「1」を減算した後、ステップS320へ移行して、次の単位遊技から操作情報報知演出を開始するための準備を行い、図16のART制御処理を終了する。
なお、上述したステップS356の判断処理で、CPU206が、バトル演出終了フラグはオフになっている(NO)と判断したとき、すなわち、ART中の最後の単位遊技で勝利エンディングが行われたときは、ステップS358およびS360の処理を行わず、直ちにステップS362以降の処理へ移行する。
このように、ストックの数が「1」以上あるときに(ステップS308,YES)、RT状態が「RT1」へ移行すると(ステップS310,YES)、1つのストックが消費されて(ステップS38)ART遊技が開始される。そして、50ゲームの期間はART遊技が行われ、その最後の単位遊技で、ストックの数が1つ以上あるときは(ステップS350,YES)、続けて次のART遊技が開始される。
≪RT状態および演出内容の遷移と、ART実行信号の出力との関係≫
次に、図17を参照して、RT状態および演出内容の遷移と、外部へ出力されるART遊技の実行を示すART実行信号の出力タイミングの関係について説明する。ここで、図17に示す例では、副制御回路200のRAM210に記憶されているストックの数STが2つあり、CNTの値が30を超えており、RT状態が「RT1」で、遊技状態が「通常遊技」になっているときに、ART遊技が開始された場合について説明する。
まず、この状態で再遊技役aが入賞すると、主制御回路100においては、RT状態が「RT2」から「RT1」へ移行し(図13,ステップS66,YES→S68)、ART実行信号が出力される(ステップS72)。また、副制御回路200においては、ARTフラグがオンにされ(図16,ステップS308およびS310,YES→S312)、ストック数STの値が「1」減算されて「1」となり(ステップS318)、ART遊技の開始と共に操作情報報知演出が開始される(ステップS320)。
そして、副制御回路200において、ART遊技の残り遊技回数が10ゲームになると(図16,ステップS330,YES)、バトル演出が開始され(ステップS332)、バトル演出中に残り遊技回数が増加するのを避けるため、図14のステップS218の上乗せ抽選処理を回避すべく、抽選停止フラグをオフにする(ステップS334)。その後、ART遊技が残り1ゲームになると(ステップS336,YES)、ストックの有無が判断される(ステップS338)。ここではストック数が「1」であるから、ART遊技の最後の単位遊技において、勝利エンディングが行われる(ステップS338,YES→S340)。そして、ART遊技の最後の単位遊技が行われると(ステップS346,YES)、抽選停止フラグがオフにされ(ステップS348)、ストックの有無が判断される(ステップS350)。ここでは、ストックの数は1つ残っているため(ステップS350,YES)、継続フラグがオンにされ(ステップS362)、AGの値が「50」にセットされ(ステップS316)、ストックが1つ消費されて(ステップS318)、引き続き次のART遊技が開始されることになる。
このように、副制御回路200においては次のART遊技が開始されることになるが、この段階では、主制御回路100からは次のART遊技が開始されたことを示すART実行信号は出力されない。
さて、次のART遊技が開始され、単位遊技が行われていくうちに、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」が導出されたとする。すると、図14のステップS230の判断結果がYESとなり、現在のRT状態が「RT2」であることから(ステップS232,YES)、継続フラグのオン/オフ状態が判断されることになる(ステップS234)。このとき、前述したように、図16のステップS362の処理によって継続フラグがオンにされているため、ステップS234の判断結果はYESとなり、再遊技役aが入賞する操作順序が報知される(ステップS236)。
これにより、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作すると、再遊技役aが入賞し(図13,ステップS76,YES)、ART実行信号が出力される(ステップS72)。また、副制御回路200では、再遊技役aが入賞したことにより、継続フラグがオフにされる(図16,ステップS324,YES→S326)。このように、ART遊技の最後のゲームでストックが1以上あると判断されたときは、引き続き次のART遊技が開始されるが、次のART遊技が開始されてもART実行信号が直ちに出力されるとは限らず、再遊技役aが入賞したときに出力される。よって、次のART遊技が開始されてから、そのART実行信号が出力されるまでの期間は不定期間となる。
また、再遊技役aが入賞すると継続フラグがオフにされるため、その後のART遊技において当該ART遊技が終了するまで、再遊技役aが入賞する操作順序が報知されることはない(図14のステップS234の判断結果がNOとなり、ステップS236の処理が回避される)。逆に言えば、継続フラグがオンにされた状態でART遊技が開始された場合は、再遊技役aが入賞するまで継続フラグのオン状態が維持されるため、その間は、抽選結果番号「10」〜「15」が導出されるたびに、再遊技役aが入賞する操作順序が報知されることになる。
さらに、図13のステップS70の処理によって、CNTの値が30を越えるまで、すなわち、ART実行信号が出力されてから30ゲームが経過するまでは、再遊技役aが入賞してもART実行信号は出力されない。これにより、1セット(50ゲーム)のART遊技中に、複数のART実行信号ができるだけ出力されないようにしている。ここで、ステップS70の処理については後に詳しく説明する。
一方、ART遊技の最後のゲームが終了したときに、ストックの数が「0」と判断されたときは(図16,ステップS350,NO)、ART遊技が終了するが(ステップS352)、RT状態は依然として遊技者にとって有利な「RT2」になっている。しかしながら、もはや、小役2aが三重入賞する第1停止操作のストップスイッチおよび再遊技役cの入賞を回避する操作順序が報知されることはないため、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」または「16」〜「21」が導出されたときに、高い確率で「RT1」へ移行することになる。
なお、ART遊技が継続した場合において、そのART遊技で、最初に再遊技役aが入賞した後は、図14のステップS234の判断結果がNOとなり、ステップS236の処理が回避され、再遊技役aが入賞する操作順序を報知しないようにしていたが、この場合において、ステップS236の処理を回避した上で、再遊技役bが入賞する操作順序を報知する処理を行っても良い。
次に、図13のステップS70の処理を設けることにより、1セットのART遊技中に、できるだけ複数のART実行信号が出力されないようにしている点について説明する。図13のステップS66に示すように、CPU106は、「RT1」から「RT2」へ移行したときに(YES)、ART遊技が開始されたものとみなして、ART実行信号を出力している(ステップS72)。ここで、ステップS70の処理が無かった場合は、同じART遊技中において、「RT2」に滞在しているときに再遊技役aが入賞した場合や、一旦「RT1」へ移行してから(ステップS82)再び「RT2」へ移行したときなどに、ART実行信号が再び出力されることになる。よって、このようなART実行信号に基づいてART遊技の回数を計数すると、その計数値は、実際に行われたART遊技の回数よりも多くなってしまう。
そこで、ART遊技が開始して最初にART実行信号を出力した後は、所定遊技回数が行われるまでの間(すなわち、30ゲーム間)は、再び再遊技役aが入賞しても、ART実行信号を出力しないようにしている。ここで、図13のステップS70におけるCNTの値の閾値を30、すなわち、1セットのART遊技期間よりも短く設定しているのは、ART遊技が開始してからART実行信号が出力されるまで(再遊技役aが入賞するまで)の期間を考慮したためである。
たとえば、CNTの値の閾値を50とした場合において、次のART遊技が継続して開始されたとして、その継続したART遊技が開始されてから、再遊技役aが入賞するまで、複数ゲームを要したとする。すなわち、ART遊技の開始と、ART実行信号の出力との間に“ずれ”が生じ、ART遊技が継続するごとに“ずれ”が増大していったとすると、やがて、本来出力されるべきART実行信号がステップS70の処理によって出力されなくなってしまう可能性がある。このため、その様な事態が生じにくくなるように、図13のステップS70におけるCNTの値の閾値を、1セットのART遊技期間よりも短く設定しているのである。
ただし、ART遊技の終了時にストックが1以上有り、ART遊技が継続することが決まっている場合であっても、一旦、ART遊技を終了してRT状態が「RT2」から「RT1」へ移行した後、再び「RT1」から「RT2」へ移行したときに、ART遊技が開始されるようにしたものであれば、図13のステップS70におけるCNTの値の閾値を、1セットのART遊技の期間(50)と同じにしても良い。なお、この場合において、ART遊技を一旦終了させるものの、RT状態が「RT2」から「RT1」へ移行した後に、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出されたときに、再遊技役aが入賞する操作順序を報知するようにするとよい。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。本実施形態におけるスロットマシンは、ハードウェア構成については第1実施形態のスロットマシン10と同じであるが、第1実施形態では、「RT1」および「RT2」の2つのRT状態があったのに対して、本実施形態では、「RT1」および「RT2」に加え、「RT3」というRT状態が追加されている。以下、本実施形態が、第1実施形態と異なっている点について説明する。
≪役抽選テーブル≫
まず、「RT3」というRT状態における役抽選テーブルの内容について、図18を参照して説明する。図18において、(a)はRT3用の役抽選テーブルの内容を示しており、(b)はRT2用の役抽選テーブルの内容を示している。図18(a)に示すように、RT3用の役抽選テーブルでは、再遊技役が当選することとなる数値範囲が5071〜50718に設定されており、RT2における再遊技役の当選確率(数値範囲:1〜50718)よりも低くなっている。ただし、再遊技役が当選することとなる数値範囲が12個の抽選結果番号(「10」〜「21」)に区分されており、図19(a)に示すように、各抽選結果番号に対応する数値範囲が、図8(b)に示したRT2用の役抽選テーブルと異なるものの、各抽選結果番号における複数の再遊技役の種類、有利操作順序および操作順序に応じて入賞する再遊技役の種類については同じ内容になっている。
また、本実施形態におけるRT2用の役抽選テーブルは、第1実施形態におけるRT2用の役抽選テーブルと若干異なっている。具体的には、図18(b)および図19(b)に示すように、第1実施形態のRT2用役抽選テーブルにおける、抽選結果番号「10」〜「15」に対応する複数の再遊技役のうち(図8(b)参照)、再遊技役aが、再遊技役gに置き換わっている点が異なっている。この再遊技役gは第2実施形態に固有の役であり、対応する図柄組合せは「プラム−プラム−ベル」で、再遊技役a,b,cと同様に、取りこぼしが生じない図柄組合せが対応付けられている。
なお、RT1用の役抽選テーブルおよび特別遊技用の役抽選テーブルの内容は、図7(a)および(c)に示したRT1用の役抽選テーブルおよび特別遊技用の役抽選テーブルと同様である。
また、図18および図19に示した役抽選テーブルでは、「RT2」における再遊技役の合成当選確率(約1/1.292)よりも、「RT3」における再遊技役の合成当選確率(約1/1.436)の方が低く設定されているが、再遊技役の合成当選確率を、「RT2」と「RT3」とで同じにしても良いし、「RT2」よりも「RT3」の方を高くしても良い。
≪各状態間の遷移≫
次に本実施形態において、「RT3」というRT状態が追加された場合における各状態間の遷移について、図20を参照して説明する。
まず、遊技開始当初の遊技状態は「通常遊技」で、RT状態は「RT1」になっている。この状態にいるときに、再遊技役aが入賞すると、図5に示した遊技状態移行手段432によって、RT状態が「RT2」へ移行する。また「RT2」において再遊技役gが入賞した場合、すなわち、役抽選において、図19(b)に示す抽選結果番号「10」〜「15」が導出され、かつ、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有利操作順序で操作された場合は、RT状態が「RT3」へ移行する。さらに、「RT3」において再遊技役aが入賞した場合、すなわち、役抽選において、図19(a)に示す抽選結果番号「10」〜「15」が導出され、かつ、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有利操作順序で操作された場合は、RT状態が「RT2」へ移行する。
なお、「RT2」および「RT3」において、小役2aが単一入賞した場合、または、再遊技役cが入賞した場合は、いずれのRT状態においても「RT1」へ移行することになる。また、「RT1」、「RT2」および「RT3」において、BB役a、BB役bまたはRB役が入賞したときは、遊技状態が「通常遊技」から入賞した特別役に応じた遊技状態(「RB遊技」または「BB遊技」)へ移行し、特別遊技が開始される。そして、開始された特別遊技(「RB遊技」または「BB遊技」)の終了条件が成立すると、遊技状態を「通常遊技」に移行させ、RT状態を「RT1」とする。
≪主制御回路における制御処理≫
次に、主制御回路100で行われる制御処理のうち、第1実施形態と異なる処理を行うものについて説明する。具体的には、図20に示した各状態間の遷移を実現すべく、入賞判定処理サブルーチンの内容が第1実施形態と異なっている。なお、図12に示したメインルーチンについては、本実施形態においても実行されている。本実施形態における入賞判定処理サブルーチンの内容を図21のフローチャートに示す。この図に示す入賞判定処理サブルーチンにおいて、図13に示した第1実施形態における入賞判定処理サブルーチンの各処理と同じ処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態における入賞判定処理サブルーチンが、第1実施形態と異なる点は、RT状態の移行に関する処理である。すなわち、ステップS64の判断処理で、現在のRT状態が「RT1」ではない(NO)と判断した場合、第1実施形態では、直ちに再遊技役aが入賞したか否かの判断(ステップS76)を行っていたが、本実施形態では、現在のRT状態が「RT3」であるか否かを判断し(ステップS90)、「RT3」であったとき(YES)にステップS76の処理へ移行する。また、ステップS90の判断処理で、「RT3」ではない(NO)と判断したときは、現在のRT状態が「RT2」であると見なして、再遊技役gが入賞したか否かを判断する(ステップS92)。そして、再遊技役gに入賞した(YES)と判断したときは、RT状態を「RT2」から「RT3」へ移行させて(ステップS94)、ステップS46の処理へ移行する。これに対して、再遊技役gに入賞していない(NO)と判断したときは、ステップS78以降の処理へ進み、「RT1」への移行条件を満たしたか否かの判断を行う。
図21に示す入賞判定処理サブルーチンの処理を行うことにより、本実施形態においては、RT状態が「RT1」から「RT2」へ移行したとき、または、「RT3」から「RT2」へ移行したときに(ステップS68)、CNTの値が30を越えていれば(ステップS70,YES)、ART実行信号が出力されることになる(ステップS72)。
≪副制御回路における制御処理≫
次に、副制御回路200で行われる制御処理のうち、第1実施形態と異なる処理を行うものについて説明する。具体的には、ART報知処理およびART制御処理の内容が、第1実施形態と異なっている。なお、図15に示した操作順序判定処理は、本実施形態においても行われている。
まず、本実施形態におけるART報知処理の内容について、図22に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この図に示すART報知処理が、図14に示した第1実施形態におけるART報知処理の各処理と同じ処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態におけるART報知処理が第1実施形態と異なる点は、ART遊技中に役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された場合(ステップS230,YES)の処理である。すなわち、ステップS230の判断処理で、抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出された(YES)と判断した場合、CPU206は、ステップS232へ移行して、現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断するが、その結果、現在のRT状態が「RT2」である(YES)と判断したと場合は、RAM210に記憶されている誘導フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS280)。この誘導フラグは、現在のRT状態が「RT2」から「RT3」へ移行するように、遊技者を誘導すべきか否かを示すフラグであり、ART遊技の残り遊技回数が所定の遊技回数(本実施形態では10ゲーム)になるとオンになる(詳しくは後述する)。
そして、誘導フラグがオフになっていた(NO)場合は、そのまま図22に示すART報知処理を終了するが、誘導フラグがオンになっていた(YES)場合は、導出された抽選結果番号に対応した再遊技役gが入賞する操作順序(図19(a)参照)を報知してから(ステップS282)、図22に示すART報知処理を終了する。このように、誘導フラグがオンになっているときは、現在のRT状態が「RT2」から「RT3」へ移行するための報知が行われる。
また、ステップS232の判断処理において、現在のRT状態が「RT2」ではなかった(NO)場合は、現在のRT状態が「RT3」であるか否かの判断を行う(ステップS284)。そして、CPU206が、現在のRT状態が「RT3」ではない(NO)と判断したときは、ステップS236の処理へ移行して、導出された抽選結果番号に対応した再遊技役aが入賞する操作順序を報知する。一方、現在のRT状態が「RT3」である(YES)と判断したときは、ステップS234の処理へ移行して、継続フラグがオンであるか否かを判断し、オンである(YES)と判断ときに、上述したステップS236の処理を行う。そして、ステップS236の処理を終えると、またはステップS234の判断結果がNOであったときは、そのまま図22に示すART報知処理を終了する。
以上の処理を行うことで、本実施形態では、ART遊技が終了する際に、RT状態が一旦「RT3」へ移行するように誘導している。
次に、本実施形態におけるART制御処理の内容について、図23に示すフローチャートを参照して説明する。なお、この図に示すART制御処理が、図16に示した第1実施形態におけるART制御処理の各処理と同じ処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付して詳しい説明を省略する。
本実施形態におけるART制御処理が第1実施形態と異なる点は、ART遊技が残り10ゲームになると誘導フラグがオンにされること、および、誘導フラグが一旦オンにされると、再遊技役gが入賞するまでオン状態が維持されること、の二点である。すなわち、図23のART制御処理において、ART遊技の残り遊技回数が「10」になる(YES)と、CPU206は、ステップS332およびS334の処理を行って、バトル演出を開始させると共に抽選停止フラグをオンにし、さらに、誘導フラグをオンにする(ステップS376)。そして、誘導フラグをオンにした後は、単位遊技が終わるごとに再遊技役gが入賞したか否かを判断し(ステップS370,YES→S372)、再遊技役gが入賞したときは(ステップS372,YES)、誘導フラグをオフにしてから(ステップS374)、ステップS328の処理へ移行する。
≪RT状態および演出内容の遷移と、ART実行信号の出力との関係≫
上述した各処理を行う本実施形態において、RT状態および演出内容の遷移と、外部へ出力されるART遊技の実行を示すART実行信号の出力タイミングの関係について、図24を参照して説明する。ここで、図24に示す例においても、図17に示した場合と同様、副制御回路200のRAM210に記憶されているストックの数STが2つあり、CNTの値が30を超えており、RT状態が「RT1」で、遊技状態が「通常遊技」になっているときに、ART遊技が開始された場合について説明する。
まず、この状態で再遊技役aが入賞すると、主制御回路100においては、RT状態が「RT2」から「RT1」へ移行し(図21,ステップS66,YES→S68)、ART実行信号が出力される(ステップS72)。また、副制御回路200においては、ARTフラグがオンにされ(図23,ステップS308およびS310,YES→S312)、ストック数STの値が「1」減算されて「1」となり(ステップS318)、ART遊技の開始と共に操作情報報知演出が開始される(ステップS320)。
そして、副制御回路200において、ART遊技の残り遊技回数が10ゲームになると(図23,ステップS330,YES)、バトル演出が開始され(ステップS332)、バトル演出中に残り遊技回数が増加するのを避けるため、図14のステップS218の上乗せ抽選処理を回避すべく、抽選停止フラグをオフにする(ステップS334)。さらに、現在の遊技状態を「RT2」から「RT3」へ移行させるべく、誘導フラグをオンにする(ステップS376)。これ以降、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出されると(図22,ステップS230,YES)、再遊技役gが入賞する操作順序が報知されることとなる(ステップS280,YES→S282)。そして、単位遊技が終了するごとに再遊技役gが入賞したか否かの判断が行われ(図23,ステップS370,YES→S372)、再遊技役gが入賞するまで誘導フラグのオン状態が維持される。そして、再遊技役gが入賞すると(ステップS372,YES)、「RT3」への誘導が達成されたとして、誘導フラグをオフにする(ステップS374)。また、RT状態が「RT3」へ移行すると、以後の単位遊技において、抽選結果番号「10」〜「15」のいずれかが導出されるごとに、継続フラグがオンになっているか否かの判断が行われる(図22,ステップS230,YES→S232,NO→S284,YES→S234)。
やがて、ART遊技が残り1ゲームになると(図23,ステップS336,YES)、ストックの有無が判断される(ステップS338)。ここではストック数が「1」であるから、ART遊技の最後の単位遊技において、勝利エンディングが行われる(ステップS338,YES→S340)。そして、ART遊技の最後の単位遊技が行われると(ステップS346,YES)、抽選停止フラグがオフにされ(ステップS348)、ストックの有無が判断される(ステップS350)。ここでは、ストックの数は1つ残っているため(ステップS350,YES)、継続フラグがオンにされ(ステップS362)、AGの値が「50」にセットされ(ステップS316)、ストックが1つ消費されて(ステップS318)、引き続き次のART遊技が開始されることになる。
このように、副制御回路200においては次のART遊技が開始されることになるが、この段階では、主制御回路100からは次のART遊技が開始されたことを示すART実行信号は出力されない。
さて、次のART遊技が開始され、単位遊技が行われていくうちに、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」が導出されたとする。すると、図22のステップS230の判断結果がYESとなり、現在のRT状態が「RT3」であることから、継続フラグのオン/オフ状態が判断されることになる(ステップS232,NO→S284,YES→S234)。このとき、前述したように、図23のステップS362の処理によって継続フラグがオンにされているため、ステップS234の判断結果はYESとなり、再遊技役aが入賞する操作順序が報知される(ステップS236)。
これにより、遊技者が報知された操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作すると、再遊技役aが入賞し(図21,ステップS90,YES→S76,YES)、ART実行信号が出力される(ステップS72)。また、副制御回路200では、再遊技役aが入賞したことにより、継続フラグがオフにされる(図23,ステップS324,YES→S326)。このように、ART遊技の最後のゲームでストックが1以上あると判断されたときは、引き続き次のART遊技が開始されるが、次のART遊技が開始されてもART実行信号が直ちに出力されるとは限らず、再遊技役aが入賞したときに出力される。よって、次のART遊技が開始されてから、そのART実行信号が出力されるまでの期間は不定期間となる。
また、本実施形態においては、他のRT状態(「RT1」または「RT3」)から「RT2」への移行条件を“再遊技役aの入賞”とする一方、「RT2」から他のRT状態(「RT1」または「RT3」)への移行条件には“再遊技役aの入賞”を含めていない。このため、「RT2」へ移行がより確実に判断できるようになり、これに伴ってART実行信号をより正確に出力できることになる。
一方、ART遊技の最後のゲームが終了したときに、ストックの数が「0」と判断されたときは(図23,ステップS350,NO)、ART遊技が終了するが(ステップS352)、RT状態は「RT3」になっている。しかしながら、ART遊技が終了し、小役2aが三重入賞する第1停止操作のストップスイッチおよび再遊技役cの入賞を回避する操作順序が報知されないため、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」または「16」〜「21」が導出されたときに、高い確率で「RT1」へ移行する。
なお、図13および図21に示した入賞判定処理サブルーチンにおいて、ステップS70で、CNTの値が30を越えているか否かを判断し、越えていなかった場合は、ART実行信号を出力しないようにしている(ステップS70,NOでS72の処理を回避)。すなわち、この様な処理を行うことで、1回のART遊技において複数のART実行信号が、できるだけ出力されないようにしている。この種の処理の別態様としては、例えば、図13および図21のステップS68の処理のあと、ステップS72の処理へ移行するようにしておき、ステップS70の判断処理を、ステップS80の処理(「RT2」または「RT3」から「RT1」へ移行する処理)の直後に行うようにする。そして、ステップS80の処理の後に、CNTの値が「30」以下であった場合は(判断結果がNO)、ART実行信号の信号線とは別の信号線に、ART取消信号を出力するようにしておく。これにより、外部の管理コンピュータまたは遊技履歴表示装置がART取消信号を受信したときは、その直前に出力されたART実行信号に基づく計数値を「1」減算するようにしておく。このように構成することで、出力したART実行信号が適切ではない可能性が高い場合は、直前に出力したART実行信号を取り消す旨のART取消信号を出力することができる。
また、図13および図21に示した入賞判定処理サブルーチンにおいて、ART遊技中でなくとも、RT状態が「RT1」のときに、報知に依らず、偶然再遊技役aが入賞したときは、ART実行信号が出力されてしまうことになる。このような事態を回避するために、例えば、副制御回路200において、ARTフラグがオフであり、かつ、RTの値が「1」のときに、役抽選で抽選結果番号「10」〜「15」が導出されたと判断された場合は、再遊技役bが入賞する操作順序を報知するようしてもよい。この場合は、図15に示した操作順序判定処理において、ステップS252の判断処理(ARTフラグがオンか否か)を省略するようにすれば、上述した操作順序の報知に反する操作が行われた場合にも、ペナルティを課し、報知した操作順序に従わせることができる可能性が高くなる。
また、別の形態としては、例えば図8(a)に示したRT1用の役抽選テーブルの代わりに、図25に示す役抽選テーブルを用いるようにしてもよい。図25に示す役抽選テーブルでは、抽選結果番号「10」が導出されたときは、再遊技役b,c,dが同時に当選し、ストップスイッチ37L,37C,37Rが有利操作順序(左→中→右)で操作されたときは再遊技役cが入賞し、有利操作順序で操作されなかったときは再遊技役bが入賞する。
ここで、RT状態が「RT1」のときに再遊技役cが入賞しても「RT2」へ移行しないように定められているものとする。また、RT状態が「RT1」のときに、ストック抽選によってストックが発生した場合は、役抽選で抽選結果番号「11」〜「15」が導出されたときに有利操作順序を報知して、RT状態が「RT2」へ移行するように誘導してもよい。さらに、ART遊技中、または、上述した有利操作順序の報知が行われた場合以外に、ストップスイッチ37L,37C,37Rが左→中→右以外の順序で操作された場合は、その回数に応じてペナルティを課すようにしてもよい。
そして、遊技者に対しては、ストップスイッチ37L,37C,37Rの操作順序に関する報知がされなかったときは、左→中→右の順序で操作することを、例えば、パンフレットや表示装置70に表示するいわゆるデモ画面によって推奨しておく。このように構成することで、ART遊技へ移行する条件が成立していない間は、ストップスイッチ37L,37C,37Rが常に左→中→右の順序で操作されるようにして、RT状態が、偶然「RT1」から「RT2」へ移行しないようにしてもよい。
また、図13および図21に示した入賞判定処理サブルーチンにおいて、ステップS72によるART実行信号の出力処理は、所定のRT状態のときに、再遊技役aが入賞したか否か、すなわち、有効ラインに沿って停止表示された図柄組合せが「プラム−プラム−スイカ」であるか否かの判断に基づいて行っていたが、この代わりに、単位遊技が行われるごとに現在のRT状態をチェックして、「RT2」へ移行したと判断したときに、ART実行信号を出力するようにしてもよい。
また、上述した各実施形態では、引き続き次のART遊技が開始されるか否かを、ストックの有無によって決定していた(図16または図23のステップS350参照)が、代わりとして、ART遊技中に、次の新たなART遊技を継続して開始させるか否かの抽選(いわゆるループ抽選)を行い、ループ抽選に当選したか否かによってART遊技が継続するか否かを判断しても良い。また、この場合において、遊技者が報知した操作順序を無視してストップスイッチ37L,37C,37Rを操作した時に、ループ抽選に当選する確率(ループ率)を低下させる、または、ループ抽選を行わない、などの処理を行っても良い。
また、上述した各実施形態では、「RT2」への移行条件を、特定の再遊技役の入賞としていたが、他の役(小役または、いわゆるシングルボーナス役など)が入賞したとき、と定めても良い。
また、第2実施形態において、ART遊技が残り10ゲームになると、「RT3」へ移行させるための報知が開始されるようにしたが(図23、ステップS376参照)、1セットのART遊技が終了した後に、「RT3」へ移行させ、さらに「RT2」へ移行させるような報知を行うようにしても良い。
この場合、例えば図23のステップS376の処理(誘導フラグオン)を削除し、ステップS362において、継続フラグをオンにする代わりに誘導フラグをオンにする。そしてCPU206が、ステップS372の判断処理で再遊技役gが入賞した(YES)と判断したときは、ステップS374の処理で誘導フラグをオフにするとともに、継続フラグをオンにする。
さらに異なる形態として、図23のART制御処理において、バトル演出中に再遊技役gが入賞しなかった場合は、RT状態を「RT3」へ移行させるための報知を継続するようにしてもよい。
この場合、例えば図23のステップS362の処理で継続フラグをオンにする直前に、誘導フラグがオフになっているか否かの判断を行う。誘導フラグがオフになっていたときは、ステップS362の処理へ移行して、以下、前述した通りの処理を行う。これに対して誘導フラグが依然としてオンになっているときは、継続フラグをオンにする代わりに、予め設定しておいた「移行未達フラグ」をオンにして、ステップS316へ移行する。その後、ステップS372で再遊技役gが入賞したと判断した場合、ステップS374で誘導フラグをオフにした後、「移行未達フラグ」がオンになっているか否かを判断する。オフになっていた場合は、そのままステップS328の処理へ移行するが、オンになっていたときは、「移行未達フラグ」をオフにし、さらに継続フラグをオンにしてから、ステップS328の処理へ移行する。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る第3実施形態について説明する。本実施形態におけるスロットマシンは、ハードウェア構成については第1実施形態のスロットマシン10と同様であり、RT状態も第1実施形態と同様に、「RT1」と「RT2」とが存在する。以下、本実施形態が、第1実施形態と異なっている点について説明する。
≪役抽選テーブル≫
第3実施形態のスロットマシンにおける役抽選テーブルの内容を図26に示す。ここで、図26の(a)は、遊技状態が通常遊技になっており、かつ、RT状態が「RT1」のときに用いられる役抽選テーブルの内容を示している。また、(b)は遊技状態が通常遊技になっており、かつ、RT状態が「RT2」のときに用いられる役抽選テーブルの内容を示している。なお、特別遊技中に参照される役抽選テーブルは、図7(c)に示した役抽選テーブルと同じものが使用されるものとする。
図26(a),(b)に示す各役抽選テーブルでは、抽選結果番号「1」〜「9」に対して各々割り当てられた数値範囲は、図7(a),(b)に示した役抽選テーブルと同一になっている。また、図26(a)に示す「RT1」用の役抽選テーブルでは、数値範囲41737〜50718が再遊技役aとbが同時に当選する領域(抽選結果番号「10」)になっており、数値範囲0〜41736がハズレの領域(抽選結果番号「11」)になっている。そして、抽選結果番号「10」が導出されると、ストップスイッチ37L,37C,37Rが左→中→右または左→右→中の順序で操作されたとき(すなわち第1停止操作が左ストップスイッチ37Lだったとき)は再遊技役bを入賞させ、それ以外の順序で操作されたとき(すなわち第1停止操作が中ストップスイッチ37Cまたは右ストップスイッチ37R(いわゆる変則押し)だったとき)は再遊技役aを入賞させるリール停止制御が行われる。
一方、図26(b)に示す「RT2」用の役抽選テーブルでは、数値範囲1〜50718が再遊技役bとcが同時に当選する領域(抽選結果番号「10」)になっており、数値範囲0のみがハズレの領域(抽選結果番号「11」)になっている。そして、抽選結果番号「10」が導出されると、ストップスイッチ37L,37C,37Rが左→中→右または左→右→中の順序で操作されたとき(すなわち第1停止操作が左ストップスイッチ37Lだったとき)は再遊技役cを入賞させ、それ以外の順序で操作されたとき(すなわち変則押しがされたとき)は再遊技役bを入賞させるリール停止制御が行われる。
なお、抽選結果番号「5」〜「8」のいずれかが導出された場合は、第1実施形態と同様に、図9に示す内容のリール停止制御が行われる。
≪各状態間の遷移≫
次に本実施形態における各状態間の遷移について、図27を参照して説明する。
上述したように、本実施形態のスロットマシンには、「RT1」と「RT2」という2つのRT状態が存在する。遊技開始当初の遊技状態は「通常遊技」で、RT状態は「RT1」になっている。この状態で抽選結果番号「10」が導出され、かつ、ストップスイッチ37L,37C,37Rが変則押しされると、再遊技役bが入賞してRT状態が「RT2」へ移行する。
そして「RT2」において、役抽選で抽選結果番号「10」が導出され、かつ、ストップスイッチ37L,37C,37Rが左→中→右または左→右→中の順序で操作されると、再遊技役cが入賞してRT状態が「RT1」へ移行する。また、「RT2」において役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出され、図9に示したリール停止制御が行われたことによって小役2aが単一入賞した場合も、RT状態が「RT1」へ移行する。
ここで、「RT2」において常に変則押しで単位遊技が行われてしまうと、少なくとも役抽選で抽選結果番号「10」が導出されたときに、RT状態が「RT1」へ移行することがなくなる。また、「RT2」では、抽選結果番号「10」が導出される確率は約1/1.292と、非常に高く設定されているため(図26(b)参照)、再遊技役の当選確率が極めて高い状態が継続する可能性が高くなり、少ないメダルの投資で数多くの役抽選の機会が遊技者に付与されることになる。そこで、本実施形態のスロットマシンでは、遊技者の射幸心を著しく煽ることがないように、「RT2」に滞在中は、例えば変則押しを示す操作順序が報知されていないときに、変則押しをした場合は、遊技者に所定のペナルティが課されるようにしている。これにより、例えば、基本的に操作順序が報知されることがないART遊技中以外の遊技を行っているときは、ペナルティを避けるため、左ストップスイッチ37Lを最初に操作するように、遊技者を誘導することができる。
なお、ペナルティの内容については、従来のペナルティの内容を採用することができるが、例えば、ART遊技の開始条件になっているストックを発生させるための抽選(ストック抽選)を所定回数行わない、それまで蓄積されていたストックを消滅する、または、次に開始されるART遊技中に、いわゆる上乗せ抽選(実施中のART遊技の実行可能回数を増加するか否かを決定する抽選)を行わない等の制御を行うことによって、遊技者にとって不利な状態にすることができる。
なお、「RT1」および「RT2」において、BB役a、BB役bまたはRB役が入賞したときは、遊技状態が「通常遊技」から入賞した特別役に応じた遊技状態(「RB遊技」または「BB遊技」)へ移行し、特別遊技が開始される。そして、開始された特別遊技(「RB遊技」または「BB遊技」)の終了条件が成立すると、遊技状態を「通常遊技」に移行させ、RT状態を「RT1」とする。
≪主制御回路における制御処理≫
次に、主制御回路100で行われる制御処理のうち、第1実施形態と異なる処理を行うものについて説明する。ここで、本実施形態においても図12に示したメインルーチンの処理を行っているが、特に本実施形態のスロットマシンで行われる特徴的な処理としては、図12のステップS22に示す役抽選処理、および、ステップS26に示す入賞判定処理がある。よって、これらの処理について図28〜図30に示すフローチャートを参照しつつ詳しく説明する。
(役抽選処理の説明)
まず、図28に示すフローチャートを参照して、本実施形態における役抽選処理の内容について説明する。
まず、図3に示したCPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を参照し、現在の遊技状態がBB遊技またはRB遊技、のいずれかであるか否かを判断する(ステップS100)。現在の遊技状態がBB遊技またはRB遊技のいずれかである(YES)と判断した場合は、ROM108に記憶されている役抽選テーブルの中から、図7(c)に示した役抽選テーブルを選択する(ステップS102)。これに対して、ステップS100の判断処理で、現在の遊技状態がBB遊技またはRB遊技のいずれでもない(NO)と判断した場合、すなわち、通常遊技であった場合は、CPU106は、図26(a),(b)に示した役抽選テーブルのうち、現在のRT状態に対応する役抽選テーブルを、ROM108から選択する(ステップS104)。
ステップS102またはS104の処理によって役抽選テーブルを選択すると、次にCPU106は、図3に示した乱数発生器112が発生した乱数を取得し、選択した役抽選テーブルと照らし合わせて導出された抽選結果番号を認識し、当該抽選結果番号に基づいて何らかの役が当選したか否かを判定する(ステップS106)。そしてCPU106は、まず、BB役またはRB役が当選したか否かを判定する(ステップS108)。CPU106がBB役およびRB役のいずれにも当選しなかった(NO)と判断したときは、導出された抽選結果番号に基づいて、RAM110に記憶されている当選役に対応する当選フラグをオンにする(ステップS110)。ここで、ハズレとなった場合は、現在の当選フラグの状態を維持したままステップS110の処理を終了する。
次にCPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS112)。そして、「RT2」である(YES)と判断したときは、次に、今回の役抽選処理で抽選結果番号「10」が導出されたか否か、すなわち再遊技役bおよびcが同時当選した(図26(b)参照)か否かを判断する(ステップS114)。そして、再遊技役bおよびcが同時当選した(YES)と、CPU106が判断したときは、次に、遊技者に報知する操作順序(以下、報知操作順序という)を決定する(ステップS116)。なお、ART遊技中は、役抽選において抽選結果番号「6」〜「8」が導出されると、遊技者に対して小役2aが三重入賞する(中リール40Cの「ベル」図柄が中段Mに停止する)操作順序が報知されるが、この操作順序も「報知操作順序」の一種といえる。
ステップS116で決定される報知操作順序は、CPU106が、副制御回路200に設けられたCPU206によってART遊技が実施されているか否かを判断するために決定される。すなわち、CPU106は、決定した報知操作順序と、実際に遊技者が行った操作順序との比較に基づいてART遊技が実施されているか否かを判断する(詳しくは後述する)。このため、決定された報知操作順序を示す情報は副制御回路200へ送信され、副制御回路200は、そのときにART遊技中であるか否かに応じて、受信した報知操作順序を報知するか否かを判断する。よってCPU106は、報知操作順序を決定するだけであり、実際に報知されたか否かについては関知していない。
また、報知操作順序は、変則押しとみなされる4通りの操作順序(中→左→右、中→右→左、右→左→中、右→中→左)の中から選択される。これは、変則押しを示す操作順序が報知されていないときに変則押しをすると、ペナルティが課されてしまうことに由来している。すなわち、通常、遊技者はペナルティを回避すべく、左→中→右または左→右→中の操作順序でストップスイッチ37L,37C,37Rを操作する可能性が高い。よって、仮に報知操作順序が、左→中→右または左→右→中の操作順序に決定されたとすると、副制御回路200が当該報知操作順序を報知しない場合(すなわち、ART遊技中ではない場合)であっても、報知操作順序と、実際に操作された操作順序とが、一致してしまう可能性が高くなり、ART遊技中であるか否かの判断に影響することになる。このため、報知操作順序を決定する際は、左→中→右および左→右→中の操作順序を選択しないようにしている。
このように、「RT2」のときに再遊技役bおよびcが当選すると、変則押しを指示する報知操作順序が決定される。そして、決定された報知操作順序が実際に報知され、遊技者が報知操作順序に従ってストップスイッチを操作したときは、再遊技役bが入賞するため、RT状態は再遊技役の当選確率が高い「RT2」にとどまることができる。
ステップS116の処理によって報知操作順序を決定すると、次にCPU106は、決定した報知操作順序を示す情報と、ステップS106で認識した抽選結果番号と、を役抽選結果情報として、副制御回路200へ送信し(ステップS118)、図12に示したステップS24のリール変動・停止処理へ移行する。また、ステップS112の判断処理において、現在のRT状態が「RT2」ではない(NO)と判断したとき、または、ステップS114の判断処理で、現在のRT状態は「RT2」であるが、再遊技役bおよびcが同時当選しなかった(NO)と判断したときは、報知操作順序を抽選せずにステップS118の処理へ移行して、ステップS106で認識した抽選結果番号を副制御回路200へ送信する。
一方、ステップS108の判断処理で、CPU106が、BB役またはRB役が当選した(YES)と判断したときは、既にBB役またはRB役のいずれかが当選している状態(すなわち、内部当選中)であるか否かを判断する(ステップS120)。そして、内部当選中である(YES)とCPU106が判断したときは、ステップS118の処理へ移行し、抽選結果番号を「11」(ハズレ)として副制御回路200へ送信する。これに対して、ステップS120の判断処理で、内部当選中ではない(NO)と判断したときは、BB役およびRB役のうち、当選した役に対応する当選フラグをオンにする(ステップS122)。そして、ステップS118の処理へ移行し、ステップS106で認識した抽選結果番号を副制御回路200へ送信する。
なお、ステップS118の処理において、副制御回路200へ送信する役抽選結果情報として、抽選結果番号の代わりに、オン状態になっている当選フラグに対応する役の種類を送信するようにしてもよい。また、この場合において、ステップS120の判断結果がYESとなったときは、ハズレを示す抽選結果番号を送信する代わりに、RAM110に記憶されている当選フラグの状態を何ら変更せず、現状のまま副制御回路200へ送信するとよい。
(入賞判定処理サブルーチンの説明)
次に、図29に示すフローチャートを参照して、本実施形態における入賞判定処理サブルーチンの内容について説明する。
ここで、図29に示す入賞判定処理サブルーチンにおいて、第1および第2実施形態の入賞判定処理サブルーチン(図13,図21参照)と同じ処理を行うステップについては、同じ番号を付している。すなわち、通常遊技中および特別遊技中における入賞判定に係る処理(ステップS40〜S44、S50〜S60)、単位遊技終了時に行う当選フラグに関する処理、および、副制御回路200に対する単位遊技の結果の送信処理(ステップS48)については、第1および第2実施形態の入賞判定処理サブルーチンと同じ処理を行う。よって、ステップS40〜S60の処理については、説明が重複するため、その説明を省略する。
図29に示すフローチャートにおいて、通常遊技中における入賞判定後の処理を終えると、すなわちステップS52,S56,S60のいずれかの処理を終了すると、CPU106は、RAM110に記憶されている変数RTの値が「1」であるか否かを判断する(ステップS150)。ここで、変数RTの値は現在のRT状態を表しており、「1」であればRT状態が「RT1」であることを、「2」であればRT状態が「RT2」であることを示している。そして、現在のRT状態が「RT1」である(YES)と判断すると、次にCPU106は、今回の単位遊技で再遊技役aが入賞したか否かを判断する(ステップS152)。再遊技役aが入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、変数RTの値を「2」に更新し、現在のRT状態を「RT1」から「RT2」に変更する(ステップS154)。そして、第1および第2実施形態におけるステップS46およびS48と同様の処理を行って遊技結果情報および遊技状態情報を副制御回路200へ送信し、図29に示す入賞判定処理サブルーチンを終了する。
ステップS150の判断処理において、CPU106が現在のRT状態は「RT1」ではない(NO)と判断すると、次に変数RTの値が「2」であるか否かを判断する(ステップS156)。CPU106が変数RTの値は「2」(すなわち「RT2」)ではない(NO)と判断すると、そのままステップS46およびS48の処理を行って、遊技結果情報および遊技状態情報を副制御回路200へ送信し、図29に示す入賞判定処理サブルーチンを終了する。これに対して、変数RTの値が「2」である(YES)と、CPU106が判断したときは、次に今回の単位遊技で再遊技役bが入賞したか否かを判断する(ステップS158)。
ステップS158で、再遊技役bが入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、「RT2」において、再遊技役bおよびcが同時に当選したときに、変則押しが行われたことになるため、CPU106は、図28に示した役抽選処理のステップS116で決定した報知操作順序と、遊技者が実際にストップスイッチ37L,37C,37Rに対して行った順序(以下、実行操作順序という)とを、比較する(ステップS160)。ここで、例えば、スタートスイッチ36が操作された後、図12に示したメインルーチンのステップS24におけるリール変動・停止処理で、少なくとも最初と2番目に遊技者が操作したストップスイッチの種類(左、中または右)を、それぞれ操作された順番に対応付けて、実行操作順序としてRAM110に記憶している。
そして、ステップS160の判断処理で、報知操作順序と、実行操作順序とが一致した(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている変数OTCの値に「1」を加算する(ステップS162)。変数OTCの値は、報知操作順序と、実行操作順序とが一致した回数を示しており、図3に示した外部集中端子基板118から、ART実行信号を出力するか否かを決定する際に参照される。すなわち、CPU106は、変数OTCの値が「3」であるか否かを判断し(ステップS164)、「3」である(YES)と判断したときは、ART実行信号を出力する(ステップS166)。このART実行信号は、所定時間(例えば約2秒間)出力するようにしてもよいし、ART遊技が終了するまで出力し続けてもよい。
ART実行信号を出力すると、CPU106は、RAM110に記憶されている変数OTCの値を「0」にクリアし(ステップS168)、上述したステップS46およびS48と同様の処理を行って遊技結果情報および遊技状態情報を副制御回路200へ送信し、図29に示す入賞判定処理サブルーチンを終了する。
なお、ステップS164の判断処理において、変数OTCの値が「3」でなかったときは、判断結果が(NO)となって、ART実行信号の出力および変数OTCの値のクリアを行わず、直ちにステップS46以降の処理へ移行する。
また、ステップS160の判断処理で、報知操作順序と、実行操作順序とが一致しない(NO)とCPU106が判断したときは、ステップS168の処理へ移行して、ART実行信号を出力することなく、変数OTCの値をクリアし、その後ステップS46以降の処理へ移行する。
前述したステップS158において、CPU106が「RT2」において再遊技役bが入賞しなかった(NO)と判断したときは、次に再遊技役cが入賞したか否かを判断する(ステップS170)。そして、再遊技役cが入賞していない(NO)と判断したときは、RAM110に記憶されている変数OTCの値が「2」以上であるか否かを判断する(ステップS172)。変数OTCの値が「2」以上ではない(NO)と、CPU106が判断したときは、ART実行信号を出力するか否かの判断を終了し、ステップS46以降の処理を行ってから図29の入賞判定処理サブルーチンを終了する。
一方、ステップS172の判断処理で、CPU106が、変数OTCの値が「2」以上である(YES)と判断したときは、ART実行信号を出力するか否かの判断を引き続き行う。すなわち、CPU106は、今回の単位遊技で小役2aが三重入賞したか否かを判断する(ステップS174)。ここで、小役2aが三重入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、前述したステップS162の処理へ移行して、変数OTCの値に「1」を加算し、その後、ステップS164以降の処理を行う。
これに対して、ステップS174の判断処理で、小役2aが三重入賞していない(NO)とCPU106が判断したときは、次に小役2aが単一入賞しているか否かを判断する(ステップS176)。そして、小役2aが単一入賞していない(NO)とCPU106が判断したときは、ART実行信号を出力するか否かの判断に関与する単位遊技の結果とならなかったことになるため、そのままステップS46以降の処理を行って、図29の入賞判定処理サブルーチンを終了する。
一方、ステップS176の判断処理で、小役2aが単一入賞した(YES)とCPU106が判断したときは、図27に示したように、「RT1」への移行条件を満たしたことにより、RAM110に記憶されている変数RTの値を、「2」から「1」へ更新する(ステップS178)。なお、前述したステップS170の判断処理において、再遊技役cが入賞した(YES)とCPU106が判断したときも、「RT1」への移行条件を満たすことになるため(図27参照)、直ちにステップS178の処理へ移行する。
そして、ステップS178の処理を終えると、CPU106はステップS168の処理へ移行して、RAM110に記憶されている変数OTCの値をクリアして、ステップS46以降の処理を行う。より詳細には、再遊技役cが入賞した場合、または、小役2aが単一入賞した場合は、ART遊技中でない可能性が高いといえるため、ステップS168の処理を行って変数OTCの値をクリアする。
すなわち、「RT2」において、再遊技役bおよびcが同時に当選した場合、ART遊技中であれば、再遊技役bが入賞することとなる変則押しを示す操作順序(より具体的には報知操作順序)が報知されるはずである。また、小役2aを含む複数種類の小役2が当選した時は、小役2aが三重入賞する操作順序が報知されるはずである。それにも関わらず、再遊技役cが入賞した、または小役2aが単一入賞したということは、上述したような操作順序が報知されなかった(すなわち、ART遊技中ではない)可能性が高いといえる。よって、このような単位遊技の結果となった場合は、それまで累積していた変数OTCの値をクリアして、ART遊技中であるか否かの判断を最初からやり直している。
このように、ステップS168の処理により、変数OTCの値をクリアした後、ステップS46以降の処理を行い、図29の入賞判定処理サブルーチンを終了する。
以上のように、図29の入賞判定処理サブルーチンでは、RT状態が「RT2」に滞在している間(ステップS156,YES)は、ステップS158以降の処理を行って、ART実行信号を出力するか否かを判断する。すなわち、まず、再遊技役bが入賞した場合に、報知操作順序と、実行操作順序とが一致したか否かの判断を行う(ステップS158,YES→S160)。そして、一致した回数が2回になると、次に再遊技役bが入賞した場合に加えて、小役2aが三重入賞した場合にも、報知操作順序と、実行操作順序とが一致した回数が加算されるようになる(ステップS172,YES→S174,YES→S162)。これにより、変数OTCの値が「2」のときに、ステップS160またはステップS174の判断結果がYESになると、ステップS162の処理によって変数OTCの値が「3」となり、ステップS164の判断結果がYESとなってステップS166の処理によってART実行信号が出力される。
上述した各判断処理は、見方を変えれば、まず『再遊技役bが入賞したときに、報知操作順序と、実行操作順序とが一致する』という第一の条件が満たされたか否かを判断し、第一の条件が2回満たされると、次に『再遊技役bが入賞したとき、または、小役2aが入賞したときに、報知操作順序と、実行操作順序とが一致する』という第二の条件が満たされるか否かを判断している、といえる。そして、第二の条件が1回満たされると、外部集中端子基板118を介してART実行信号を出力している。このように、まず、第一の条件が所定回数満たされると、次に、第一の条件よりも達成が容易な第二の条件が満たされたか否かの判断を行う。そして、第二の条件が予め定められた回数だけ満たされると、ART実行信号を出力するが、このときに第二の条件が満たされる回数は、第一の条件が満たされた回数よりも少なくなっている。
このため、条件を満たす回数が同じであれば、第一の条件のみに基づいて判断する場合に比べて、より少ない単位遊技の回数でART実行信号を出力することができる。すなわち、例えば、第一の条件のみを3回満たしたときにART実行信号を出力する場合よりも、第一の条件を2回満たし、その後さらに第二の条件を1回満たしたときにART実行信号を出力する方が、ART実行信号を出力するまでに要する期間を短く(換言すると、単位遊技の回数を少なく)することができる。すなわち、ART遊技が実際に開始されてから、その旨を示すART実行信号が出力されるまでの期間を短くすることができる。
なお、上述した入賞判定処理サブルーチンでは、特定の再遊技役が入賞したときの報知操作順序と、実行操作順序との一致回数に基づいて、ART実行信号を出力したが、例えば、所定の小役が入賞したときの報知操作順序と、実行操作順序との一致回数に基づいてART実行信号を出力してもよい。
また、例えば、役抽選で当選すれば、任意の操作タイミングかつ任意の操作順序で入賞する役を設けておき、当該役が「当選」した時の報知操作順序と、実行操作順序との一致回数に基づいて、ART実行信号を出力してもよい。また、この場合においても、任意の操作タイミングかつ任意の操作順序で入賞する役は、再遊技役であっても、小役であってもよい。
また、ART実行信号を出力するか否かの判断基準は、複数の判断基準の中から選択した1つの判断基準を満たしたときに成立したと判断しても良いし、予め定められた数の判断基準を満たしたときに成立したと判断してもよい。
例えば、判断基準を、「報知操作順序と、実行操作順序との一致回数」が、「2回」、「3回」、「4回」、……と、複数設けておき、報知操作順序と、実行操作順序との一致回数が、これらの判断基準の中から選択した一致回数になったときに、ART実行信号を出力するようにしてもよい。
また、例えば、「役抽選で所定の小役が当選した時の報知操作順序と、実行操作順序との一致回数」が「1回」、「2回」、「3回」、……という判断基準と、「役抽選で所定の再遊技役が当選した時の報知操作順序と、実行操作順序との一致回数」が「2回」、「3回」、「4回」、……という判断基準とを設けた場合において、これらの判断基準のうち、所定数の判断基準を満たしたときに、ART実行信号を出力するようにしてもよい。
また、判断基準の選択方法については、例えば、複数の判断基準の中から、予め定められた順序に従って選択していってもよいし、現在の遊技状態に応じた判断基準を選択してもよいし、抽選などによって任意に選択してもよい。
さらに、判断基準を選択するタイミングは、例えば、所定の出力条件が成立したか否かの判断を開始する時や、1つの判断基準が満たされた時などが考えられる。
また、上述した図29に示した入賞判定処理サブルーチンにおいて、変数OTCの値を、ステップS166の処理によってART実行信号を出力したとき、上述したステップS160の判断結果がNOになったとき、および、ステップS170またはS176の判断結果がYESとなってステップS178でRT状態を「RT1」に更新した後に行っているが、さらに、スロットマシン10の設定値を変更したときを、変数OTCの値をクリアしてもよい。ここで、「設定値」とは、役抽選において、BB役a、BB役bおよびRB役(すなわち特別役)の当選確率を設定する値をいい、従来の一般的なスロットマシンと同様に、「1」〜「6」の6つの値があり、各値に対応する特別役の当選確率が予め定められている。複数の設定値に、同じ特別役の当選確率が対応付けられていてもよいが、一般的には、設定値の値が大きくなるほど特別役の当選確率が高くなるように定められている。
また、図29に示した入賞判定処理サブルーチンでは、ステップS160の判断結果がNOになるか、ステップS170,S176の判断結果がYESとなってステップS178の処理が行われると、変数OTCの値がクリアされるようになっているが、例えば、ステップS160の判断結果がNOになった回数、またはステップS170,S176の判断結果がYESとなった回数が、所定回数に達するまでは変数OTCの値を維持するようにしてもよい。
さらに、変数OTCの値が「2」になるまで(換言すると、前述した「第一の条件」を満たすまで)は、ステップS160の判断結果がNOになると、直ちに変数OTCの値をクリアするが、変数OTCの値が「2」になった後は、ステップS160の判断結果がNOになった回数、またはステップS170,S176の判断結果がYESとなった回数が、所定回数に達するまで変数OTCの値を維持するようにしてもよい。このように、例えば遊技者の操作ミスなどによる、報知操作順序と実行操作順序との食い違いを、所定の条件を満たすまで許容するようにしてもよい。
また、前述したステップS174の判断処理では、小役2aが三重入賞したか否かを判断していたが、代わりとして、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたときに、導出された抽選結果番号に対応付けられた操作順序(中リール40Cの「ベル」図柄が中段に停止する操作順序。図9参照)と、実行操作順序とが、一致するか否かを判断しても良い。
(ART報知処理の説明)
次に、図30に示すフローチャートを参照して、本実施形態におけるART報知処理の内容について説明する。このART報知処理は、第1,第2実施形態におけるART報知処理(図14および図22参照)と同様、副制御回路200のCPU206によって実行される処理である。なお、図示は省略するが、本実施形態の副制御回路200でも、第1または第2実施形態におけるART制御処理(図16、図23参照)と同様の処理を行っている。また、第1実施形態における操作順序判定処理(図15参照)のように、抽選停止フラグをオンにするか否かの処理を行うが、本実施形態においては、操作順序を報知してないにも関わらず、遊技者が変則押しをしたときに、抽選停止フラグをオンにするものとする。
よって、本実施形態におけるART報知処理でも、主制御回路100から受信した役抽選結果情報に基づいて、役抽選において抽選結果番号「4」または「9」が導出されたと判断したときはストック抽選を(ART遊技中はさらに上乗せ抽選も)行っている。すなわち、図30におけるステップS200〜S222の処理は、図14および図22に示したART報知処理におけるステップS200〜S222の処理と同様であるため、それらの説明を省略する。また、図30のステップS216における抽選停止フラグは、図15に示した操作順序判定処理によってオンにされるフラグである。
以下、主制御回路100から受信した役抽選結果情報に含まれていた抽選結果番号を示す情報が、「4」または「9」ではなかった(すなわち、小役1および小役3のいずれも当選しなかった)ことを示していた場合について説明する。この場合、図30のステップS206における判断結果はNOとなるため、CPU206は、RAM210に記憶されているARTフラグの状態がオンになっているか否か、すなわち、ART遊技中であるか否かを判断する(ステップS224)。ARTフラグがオフになっている(NO)と判断したときは、CPU206は、図30のART報知処理を終了して他の処理を行う。
一方、ARTフラグがオンになっている(YES)と判断したときは、CPU206は、次にステップS200で受信したと判断した役抽選結果情報に含まれていた抽選結果番号の情報が、「6」〜「8」のいずれか(すなわち、小役2aを含む複数の小役2の同時当選)であるか否かを判断する(ステップS270)。そして、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されていた(YES)とCPU206が判断したときは、小役2aが三重入賞する操作順序(図9参照)を報知操作順序として遊技者に報知し(ステップS272)、図30のART報知処理を終了する。
前述したステップS270の判断処理において、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれも導出されなかった(NO)とCPU206が判断したときは、次に、役抽選で抽選結果番号「10」が導出された(すなわち、再遊技役bおよびcが同時当選した)か否かを判断する(ステップS274)。そして、抽選結果番号「10」が導出された(YES)とCPU206が判断したときは、次に現在のRT状態が「RT2」であるか否かを判断する(ステップS276)。このRT状態は、主制御回路100において、図29のステップS48の処理によって送信された遊技状態情報に含まれていたものであり、前回の単位遊技の結果によって定まったRT状態を示している。また、このRT状態を示す情報は、RAM210に記憶されているものとする。
ステップS276の判断処理で、RT状態が「RT2」になっている(YES)とCPU206が判断したときは、主制御部100から受信した役抽選結果情報に含まれている報知操作順序を示す情報に基づいて、図28のステップS116の処理によって決定された報知操作順序を遊技者に報知する(ステップS278)。そして、ステップS278の処理を終えると、図30のART報知処理を終了して他の処理へ移行する。なお、CPU206が、ステップS274の判断処理で抽選結果番号「10」が導出されなかった(NO)と判断したとき、または、ステップS276の判断処理で現在のRT状態が「RT2」ではない(NO)と判断したときは、直ちに図30のART報知処理を終了して、他の処理へ移行する。
このように、上述したART報知処理によれば、ART遊技中に(ステップS224,YES)、役抽選で再遊技役bおよびcが同時当選すると(ステップS274,YES)、RT状態が「RT2」であれば(ステップS276,YES)、主制御回路100で決定された報知操作順序を報知する(ステップS278)。この報知操作順序は、変則押しとなる4通りの操作順序の中から選択されたものであり、遊技者が報知操作順序に従って操作した場合は、再遊技役bが入賞することとなる。これにより、主制御回路100では報知操作順序と、実行操作順序とが一致したか否かが判断され(図29、ステップS160)、一致したときは、それまでに一致した回数と合わせてART実行信号を出力するか否かが決定される(図29、ステップS162→S164)。
また、主制御回路100において、報知操作順序が決定された場合でも、ART遊技中でなければ、副制御回路200は、主制御回路100から受信した報知操作順序を報知することはない(図30、ステップS224,NO→リターン)。さらに、前述したように、操作順序が報知されていないにも関わらず遊技者が変則押しをした場合は、抽選停止フラグがオンにされる、というペナルティが課せられる。よって、図29のステップS160の判断結果がYESとなる可能性を非常に低くすることができ、ART遊技中でないにも関わらず、ART実行信号が出力されてしまうおそれを低くすることができる。
[第3実施形態の変形例]
次に、上述した第3実施形態の変形例について、図31〜図38を参照して説明する。
≪役抽選テーブルの説明≫
図31は、本変形例においてRT状態が「RT2」のときに役抽選で用いられる役抽選テーブルの内容を示している。この図から明らかなように、「RT2」においては、新たに再遊技役hを含めた役抽選が行われる。この再遊技役hに対応する図柄組合せは「キャラクタ−キャラクタ−キャラクタ」になっており、この図柄組合せがいずれかの有効ラインに停止表示されると再遊技役hが入賞する。
また、本変形例においては、ART遊技中に再遊技役hが入賞したときは、役抽選で小役1または小役3が当選した時と同様に、副制御回路200において上乗せ抽選が行われる。ここで、本変形例における上乗せ抽選は、図11(b)に示したようにART遊技を行うことができる遊技回数を決定するもの(換言すると、ART遊技の期間を延長するもの)ではなく、さらにもう1セット(50ゲーム)分のART遊技を行うことができるか否かを決定するものとする。また、再遊技役hが入賞した時(「キャラクタ−キャラクタ−キャラクタ」の図柄組合せが停止表示された時)の上乗せ抽選の当選確率の方が、役抽選で小役1または小役3が当選したときの上乗せ抽選の当選確率(すなわち、もう1セットのART遊技を行うことが決定される確率)よりも、高く定められている。
なお、小役1または小役3が当選したときに行われる上乗せ抽選の当選確率、および、再遊技役hの入賞時に行われる上乗せ抽選の当選確率については、適宜定めれば良く、その具体的な数値は省略する。また、上乗せが発生した場合、例えば、ストック数STの値に「1」を加算するのか、ART遊技の残り遊技回数AGの値に「50」を加算するのか、それとも、上乗せにより発生したART遊技の遊技回数を計数するための変数を予め設けておき、その変数の値によって、上乗せART遊技の遊技回数を管理するのか、については、適宜定めればよい。このように、ART遊技中に上乗せが発生する場合、ART遊技の遊技回数をどのような変数を用いて管理するのかに応じて、ARTフラグをオフにすべきか否かを判断する上で参照する変数も変わってくることはいうまでもない。
「RT2」における役抽選で抽選結果番号「10」が導出された場合は、再遊技役b,c,hが同時に当選し、このときに左ストップスイッチ37Lが第1停止操作された場合は、再遊技役cを入賞させるリール停止制御を行う。また、右ストップスイッチRが第1停止操作された場合は、再遊技役bを入賞させるリール停止制御を行う。これに対し、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作された場合は、その後の各ストップスイッチも含め、操作タイミングに応じて再遊技役hを優先的に入賞させるリール停止制御を行い、再遊技役hを入賞させることができないタイミングでストップスイッチが操作された場合は、できるだけ再遊技役bを入賞させるリール停止制御を行う。
なお、図2に示したように、各リールに配置されている「キャラクタ」図柄は1つのみであるため、中ストップスイッチ37Cを第1停止操作したときに、有効ラインに「キャラクタ」図柄が停止した場合でも、第2,第3停止操作時の操作タイミングによっては、「キャラクタ」図柄を有効ラインに停止させることができない場合もある。このような場合にも再遊技役を取りこぼさないようにするには、例えば抽選結果番号「10」については、再遊技役b,c,hに加え、「プラム−キャラクタ−プラム」、「キャラクタ−キャラクタ−プラム」および「プラム−キャラクタ−キャラクタ」という図柄組合せが、それぞれ対応付けられた3つの再遊技役を同時当選させるようにする。なお、第1停止操作時に、中ストップスイッチ37Cを操作したものの、「キャラクタ」図柄の目押しに失敗した(すなわち、「キャラクタ」図柄を有効ライン停止させることができるタイミングでストップスイッチを操作できなかった)場合は、以後、再遊技役bを入賞させるリール停止制御を行うようする。
これにより、中リールが第1停止操作されたときは「キャラクタ」図柄の目押しに成功したが、第2停止操作時に、右リールまたは左リールにおける「キャラクタ」図柄の目押しに失敗したときは、最終的に有効ラインに沿って「プラム−キャラクタ−プラム」の図柄組合せが停止表示されるようなリール停止制御を行う。また、中リールが第1停止操作され、かつ、第2停止操作時に再遊技役hをテンパイさせることができた場合において、第3停止操作で「キャラクタ」図柄の目押しに失敗したときは、そのときの操作順序に応じて「キャラクタ−キャラクタ−プラム」または「プラム−キャラクタ−キャラクタ」の図柄組合せが有効ライン上に停止表示されるようなリール停止操作を行う。
これと同様に、抽選結果番号「11」が導出された場合についても、各ストップスイッチの操作時に「キャラクタ」図柄の目押しを失敗したときのために、再遊技役b,c,h,dとともに、「プラム−プラム−キャラクタ」、「プラム−キャラクタ−キャラクタ」および「キャラクタ−プラム−キャラクタ」という図柄組合せがそれぞれ対応付けられた3つの再遊技役も併せて同時当選させるようにする。
また、「RT2」における役抽選で抽選結果番号「10」が導出された場合は、報知フラグAと報知フラグBとのいずれか一方をオンにする抽選が行われ、報知フラグAおよびBのオン/オフ状態が副制御回路200へ送信される。そして、副制御回路200は、報知フラグAおよびBのオン/オフ状態およびART遊技の状況などに基づいて、右→左→中または右→中→左の操作順序を報知する(詳しくは後述する)。
また「RT2」の役抽選で抽選結果番号「11」が導出された場合は、再遊技役b,c,h,dが同時に当選し、このときに左ストップスイッチ37Lが第1停止操作された場合は再遊技役cを、中ストップスイッチ37Cが第1停止操作された場合は再遊技役bを、
入賞させるリール停止制御を行う。また、右ストップスイッチRが第1停止操作された場合は、その後の各ストップスイッチも含め、操作タイミングに応じて再遊技役hを優先的に入賞させるリール停止制御を行い、再遊技役hを入賞させることができないタイミングでストップスイッチが操作された場合は、再遊技役bを優先的に入賞させるリール停止制御を行う。
また、「RT2」の役抽選で抽選結果番号「11」が導出されたときも、報知フラグAと報知フラグBとのいずれか一方をオンにする抽選が行われ、報知フラグAおよびBのオン/オフ状態が副制御回路200へ送信される。そして、副制御回路200において、報知フラグAおよびBのオン/オフ状態およびART遊技の状況などに基づいて、中→左→右または中→右→左の操作順序を報知する(詳しくは後述する)。
なお、抽選結果番号「10」または「11」が導出されたときに行われる抽選により、報知フラグAがオン、報知フラグBがオフとなる確率は1/2であり、報知フラグAおよびBがオンおよびオフとならなった場合は、報知フラグAがオフ、報知フラグBがオンとされる。
≪ART報知処理の説明≫
次に図32に示すフローチャートを参照して、本変形例におけるART報知処理の内容を説明する。ここで、図32に示すフローチャートは、第1および第2実施形態におけるART報知処理(図14および図22参照)と同様、図4に示した副制御回路200のCPU206によって実行されるものである。また、図14および図22におけるステップS200〜S222に関する処理、すなわち、主制御回路100から受信した役抽選結果情報の認識処理、ストック抽選および上乗せ抽選に関する処理等については、図示を省略している。これにより、図32に示すART報知処理では、第1および第2実施形態のART報知処理におけるARTフラグのオン/オフ判定(ステップS224)に相当する処理以降について図示している。
まず、CPU206は、RAM210に記憶されているARTフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSS10)。ARTフラグがオフになっている(NO)と判断したときは、図32のART報知処理を終了して他の処理へ移行する。これに対して、ARTフラグがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、次に、主制御回路100から受信した役抽選結果情報に基づいて、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたか否かを判断する(ステップSS12)。そして、CPU206が、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出された(YES)と判断したときは、小役2aが三重入賞する(中リール40Cの「ベル」図柄が中段Mに停止する)操作順序(図9参照)を報知する(ステップSS14)。ここで、操作順序の報知としては、例えば抽選結果番号「6」が導出された場合、「左→中→右」または「左→中→右」のいずれか一方の操作順序を任意に選択して報知しても良いし、左ストップスイッチ37Lを第1停止操作するべきことのみを報知しても良い。そして、ステップSS14の処理を終えると、図32のART報知処理を終了する。
また、ステップSS12の判断処理で、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれも導出されなかった(NO)とCPU206が判断したときは、次に、役抽選によって再遊技役b,c,hが同時当選したか否か、すなわち、「RT2」において抽選結果番号「10」が導出されたか否か(図31参照)を判断する(ステップSS16)。
(1)再遊技役b,c,hが同時当選したとき
ステップSS16の判断処理において、再遊技役b,c,hが同時当選した(YES)とCPU206が判断したときは、RAM210に記憶されている変数INSAの値が「0」を超えているか否かを判断する(ステップSS18)。ここで、変数INSAは、後述する指示発生カウンタAのカウント値を示すものであり、変数INSAの値は、ARTフラグがオンになると「1」が加算され、ARTフラグがオフになると「0」にクリアされる。
ステップSS18の判断処理で、変数INSAの値が「0」を超えている(YES)とCPU206が判断したときは、次に主制御回路100において、抽選により報知フラグAがオンにされたか否かを判断する(ステップSS20)。報知フラグAがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、「右→左→中」の操作順序を報知し(ステップSS22)、その後、図32のART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対して、ステップSS20の判断処理において、報知フラグAがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、次に報知フラグBがオンにされたか否かを判断する(ステップSS24)。報知フラグBがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、「右→中→左」の操作順序を報知し(ステップSS26)、その後、図32のART報知処理を終了して他の処理を行う。一方、ステップSS24の判断処理で、報知フラグBがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、そのまま図32のART報知処理を終了する。
前述したステップSS18の判断処理において、RAM210に記憶された変数INSAの値が「0」を超えていない(NO)とCPU206が判断したときは、RAM210に記憶されている変数INSBの値が「0」を超えているか否かを判断する(ステップSS28)。ここで、変数INSBは、後述する指示発生カウンタBのカウント値を示すものであり、変数INSBの値は、ARTフラグがオンになっている間に行われた単位遊技の回数(後述する変数OCNTの値)が、50という値(一度のART遊技で行うことができる単位遊技の回数)で割り切れる数になると「1」が加算され、ARTフラグがオフになると「0」にクリアされる。
ステップSS28の判断処理で、変数INSBの値が「0」を超えている(YES)とCPU206が判断したときは、次に主制御回路100において、報知フラグAがオンにされたか否かを判断する(ステップSS30)。報知フラグAがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、ステップSS26の処理へ進み、「右→中→左」の操作順序を報知する。これに対して、報知フラグAがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、次に報知フラグBがオンにされたか否かを判断する(ステップSS32)。報知フラグBがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、ステップSS22の処理へ進み、「右→左→中」の操作順序を報知する。そして、ステップSS22またはSS26の処理によって操作順序を報知すると、CPU206は、図32のART報知処理を終了して他の処理を行う。また、ステップSS28の判断処理で、変数INSBの値が「0」を超えていない(NO)とCPU206が判断したときは、直ちに図32のART報知処理を終了して他の処理を行う。
(2)再遊技役b,c,h,dが同時当選したとき
前述したステップSS16の判断処理において、再遊技役b,c,hが同時当選しなかった(NO)とCPU206が判断したときは、次に、役抽選によって再遊技役b,c,h,dが同時当選したか否か、すなわち、「RT2」において抽選結果番号「11」が導出されたか否か(図31参照)を判断する(ステップSS34)。そして、再遊技役b,c,h,dが同時当選した(YES)とCPU206が判断すると、次にステップSS16の判断処理と同様、変数INSAの値が「0」を超えているか否かを判断する(ステップSS36)。これに対して、再遊技役b,c,h,dが同時当選しなかった(NO)とCPU206が判断したときは、図32のART報知処理を終了する。
ステップSS36の判断処理で、変数INSAの値が「0」を超えている(YES)とCPU206が判断したときは、次に報知フラグAがオンにされたか否かを判断し(ステップSS38)、報知フラグAがオンになっていたときは(YES)、「中→左→右」の操作順序を報知する(ステップSS40)。そして、図32のART報知処理を終了して他の処理を行う。これに対して、ステップSS38の判断処理で、報知フラグAがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、次に報知フラグBがオンにされたか否かを判断する(ステップSS42)。報知フラグBがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、「中→右→左」の操作順序を報知し(ステップSS44)、その後、図32のART報知処理を終了して他の処理を行う。一方、ステップSS42の判断処理で、報知フラグBがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、そのまま図32のART報知処理を終了する。
前述したステップSS36の判断処理において、RAM210に記憶された変数INSAの値が「0」を超えていない(NO)とCPU206が判断したときは、RAM210に記憶されている変数INSBの値が「0」を超えているか否かを判断する(ステップSS46)。そして、変数INSBの値が「0」を超えている(YES)とCPU206が判断したときは、次に主制御回路100において、報知フラグAがオンにされたか否かを判断する(ステップSS48)。報知フラグAがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、ステップSS44の処理へ進み、「中→右→左」の操作順序を報知する。これに対してステップSS48の判断処理で、報知フラグAがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、次に報知フラグBがオンにされたか否かを判断する(ステップSS50)。報知フラグBがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、ステップSS40の処理へ進み、「中→左→右」の操作順序を報知する。そして、ステップSS40またはSS44の処理によって操作順序を報知すると、CPU206は、図32のART報知処理を終了して他の処理を行う。また、ステップSS46の判断処理で、変数INSBの値が「0」を超えていない(NO)とCPU206が判断したときは、直ちに図32のART報知処理を終了して他の処理を行う。
以上、図32に示すART報知処理では、再遊技役b,c,hが当選した時(ステップSS16,YES)に、変数INSAの値が「1」以上だった場合は(ステップSS18,YES)、報知フラグAがオンであれば(ステップSS20,YES)「右→左→中」の操作順序が報知され(ステップSS22)、報知フラグBがオンであれば(ステップSS24,YES)「右→中→左」の操作順序が報知される(ステップSS26)。
また、変数INSAの値が「0」以下であり(ステップSS18,NO)、かつ、変数INSBの値が「1」以上だった場合は(ステップSS28,YES)、報知フラグAがオンであれば(ステップSS30,YES)「右→中→左」の操作順序が報知され(ステップSS26)、報知フラグBがオンであれば(ステップSS32,YES)右→左→中の操作順序が報知される(ステップSS22)。
一方、再遊技役b,c,h,dが当選した時(ステップSS34,YES)に、変数INSAの値が「1」以上だった場合は(ステップSS36,YES)、報知フラグAがオンであれば(ステップSS38,YES)「中→左→右」の操作順序が報知され(ステップSS40)、報知フラグBがオンであれば(ステップSS42,YES)「中→右→左」の操作順序が報知される(ステップSS44)。
また、変数INSAの値が「0」以下であり(ステップSS36,NO)、かつ、変数INSBの値が「1」以上だった場合は(ステップSS46,YES)、報知フラグAがオンであれば(ステップSS48,YES)「中→右→左」の操作順序が報知され(ステップSS44)、報知フラグBがオンであれば(ステップSS50,YES)「中→左→右」の操作順序が報知される(ステップSS40)。
≪カウンタ更新処理の説明≫
次に図33に示すフローチャートを参照して、本変形例において、ART遊技が行われているか否かや、実行中のART遊技が初当たりによるものか上乗せによるものか等、ART遊技に関する各種判断を行うためのカウンタ更新処理について説明する。このカウンタ処理は、単位遊技が行われるごとに主制御回路100および副制御回路200の双方で実行される。主制御回路100で実行されるカウンタ更新処理では、上述したART遊技に関する判断に基づいて、外部に対してART実行信号をする。副制御回路200で実行されるカウンタ更新処理では、上述したART遊技に関する判断に基づいて、図32に示したART報知処理で参照されていた変数INSAおよびINSBの値を更新する。
<主制御回路100におけるカウンタ更新処理の説明>
まず、図33(a)を参照して、主制御回路100で実行されるカウンタ更新処理について説明する。
まずCPU106は、初当たりによるART遊技中における、報知操作順序と実行操作順序との一致回数の計数を目的とした外端カウンタAの、カウント値OTCAの値を更新する外端カウンタA更新処理を行う(ステップMS100)。この外端カウンタA更新処理の詳細については、後に図34のフローチャートを参照して説明する。次にCPU106は、上乗せによるART遊技中における、報知操作順序と実行操作順序との一致回数の計数を目的とした外端カウンタBの、カウント値OTCBの値を更新する外端カウンタB更新処理を行う(ステップMS102)。この外端カウンタB更新処理の詳細については、後に図35のフローチャートを参照して説明する。次にCPU106は、小役2aを含む複数の小役2が同時当選したとき(すなわち、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたとき)に、小役2aの単一入賞が連続した回数の計数を目的とした外端カウンタCの、カウント値OTCCの値を更新する外端カウンタC更新処理を行う(ステップMS104)。この外端カウンタC更新処理の詳細については、後に図36のフローチャートを参照して説明する。
そして、ステップMS100〜MS104の処理によって外端カウンタA〜Cのカウント値の更新処理を行うと、次にCPU106は、外端カウンタAのカウント値OTCAの値が「3」であるか否かを判断する(ステップMS106)。外端カウンタAのカウント値OTCAの値が「3」である(YES)とCPU106が判断したときは、図3に示した外部集中端子板118を介して外部へ出力するART初当たり信号をオフにする(ステップMS108)。このART初当たり信号は、初当たりによりART遊技が開始された状態になるとオンになり、当該ART遊技が終了した状態になるとオフになる信号である。
次にCPU106は、RAM110に記憶されている変数ART1およびART2の値に、それぞれ「1」を加算する(ステップMS110)。ここで、変数ART1の値は、初当たりによるART遊技か、上乗せによるART遊技かには関わりなく、ART遊技が行われた回数(以下、ART実行回数という)を示している。また、変数ART2の値は、初当たりによるART遊技が行われた回数を示している。そして、CPU106は、図3に示した外部集中端子板118を介して外部へ出力するART実行信号を、所定時間(約2秒間)オンにするとともに、ステップMS108でオフにしたART初当たり信号をオンにし(ステップMS112)、次いで外端カウンタAのカウント値OTCAの値を「0」にする(ステップMS114)。
上述したステップMS114の処理を終えるか、または、前述したステップMS106の判断処理で、CPU106が、外端カウンタAのカウント値OTCAの値が「3」ではない(NO)と判断したときは、次に外端カウンタBのカウント値OTCBの値が「3」であるか否かを判断する(ステップMS116)。外端カウンタBのカウント値OTCBの値が「3」である(YES)とCPU106が判断したときは、RAM110に記憶されている変数ART1の値に「1」を加算する(ステップMS118)。そして、ART初当たり信号がオフになっているか否かを判断し(ステップMS120)、オフになっている(YES)と判断したときは、RAM110に記憶されている変数ART2の値に「1」を加算する(ステップMS122)。
ステップMS122の処理を終えると、または、前述したステップMS120の判断処理で、ART初当たり信号がオンになっている(NO)とCPU106が判断したときはテップMS122の処理を行わずに、図3に示した外部集中端子板118を介して外部へ出力するART実行信号を、所定時間(約2秒間)オンにするとともに、ステップMS108でオフにしたART初当たり信号をオンにし(ステップMS124)、次いで外端カウンタBのカウント値OTCBを「0」にする(ステップMS126)。
ステップMS126の処理を終えると、または、前述したステップMS116の判断処理で、外端カウンタBのカウント値OTCBの値が「3」ではない(NO)と判断すると、CPU106は、外端カウンタCのカウント値OTCCの値が「2」であるか否かを判断する(ステップMS128)。外端カウンタCのカウント値OTCCの値が「2」である(YES)とCPU106が判断したときは、外部集中端子板118を介して外部へ出力しているART初当たり信号をオフにして(ステップMS130)、図33(a)のカウンタ更新処理を終了する。また、OTCCの値が「2」ではない(NO)と、CPU106が判断したときは、ステップMS130の処理を行わずに、図33(a)のカウンタ更新処理を終了する。
(外端カウンタA更新処理の説明)
次に図34に示すフローチャートを参照して、図33(a)のステップMS100で実行される外端カウンタA更新処理について説明する。外端カウンタA更新処理では、図31に示した役抽選テーブルを用いて行った役抽選の結果と、実行操作順序とに基づいて、外端カウンタAのカウント値OTCAの値が更新される。
(1)再遊技役b,c,hが同時当選した場合
まず、CPU106は、図31に示した役抽選テーブルを用いて役抽選を行った結果、抽選結果番号「10」が導出され、再遊技役b,c,hが同時に当選したか否かを判断する(ステップMS150)。再遊技役b,c,hが同時に当選した(YES)とCPU106が判断したときは、次に役抽選で「10」または「11」が導出されたときに行われる抽選によって、報知フラグAがオンになったか否かを判断する(ステップMS152)。報知フラグAがオンになっている(YES)とCPU106が判断したときは、次に実行操作順序が右→左→中の順序であるか否かを判断する(ステップMS154)。
そして、実行操作順序が右→左→中の順序である(YES)とCPU106が判断したときは、外端カウンタAのカウント値OTCAの値を「1」加算する(ステップMS156)。これに対して、実行操作順序が右→左→中の順序ではない(NO)とCPU106が判断したときは、OTCAの値を「0」にクリアする(ステップMS158)。そして、ステップMS156またはMS158の処理を終えると、CPU106は、図34の外端カウンタA更新処理を終了する。
前述したステップMS152の判断処理において、CPU106が、報知フラグAがオフになっている(NO)と判断したときは、次に、報知フラグBがオンになったか否かを判断する(ステップMS160)。そして、報知フラグBがオフになっている(NO)とCPU106が判断したときは、そのまま図34の外端カウンタA更新処理を終了する。これに対して、報知フラグBがオンになっている(YES)とCPU106が判断したときは、次に実行操作順序が右→中→左の順序であるか否かを判断する(ステップMS162)。そして、実行操作順序が右→中→左の順序である(YES)とCPU106が判断したときは、ステップMS156の処理へ進み、外端カウンタAのカウント値OTCAの値を「1」加算する。これに対して、実行操作順序が右→中→左の順序ではない(NO)とCPU106が判断したときは、ステップMS158の処理へ進み、OTCAの値を「0」にクリアする。
(2)再遊技役b,c,h,dが同時当選した場合
ステップMS150の判断処理で、再遊技役b,c,hが同時当選しなかった(NO)とCPU106が判断した場合は、次に、役抽選で抽選結果番号「11」が導出され、再遊技役b,c,h,dが同時に当選したか否かを判断する(ステップMS164)。再遊技役b,c,h,dが同時に当選した(YES)とCPU106が判断したときは、その後に行われる抽選によって、報知フラグAがオンになったか否かを判断する(ステップMS166)。報知フラグAがオンになっている(YES)とCPU106が判断したときは、次に実行操作順序が中→左→右の順序であるか否かを判断する(ステップMS168)。実行操作順序が中→左→右の順序である(YES)とCPU106が判断したときは、ステップMS156の処理へ進み、外端カウンタAのカウント値OTCAの値を「1」加算する。これに対して、実行操作順序が中→左→右の順序ではない(NO)とCPU106が判断したときは、ステップMS158の処理へ進み、OTCAの値を「0」にクリアする。
これに対して、ステップMS166の判断処理において、CPU106が、報知フラグAがオフになっている(NO)と判断したときは、次に、報知フラグBがオンになったか否かを判断する(ステップMS170)。そして、報知フラグBがオフになっている(NO)とCPU106が判断したときは、そのまま図34の外端カウンタA更新処理を終了する。これに対して、報知フラグBがオンになっている(YES)とCPU106が判断したときは、次に実行操作順序が中→右→左の順序であるか否かを判断する(ステップMS172)。そして、実行操作順序が中→右→左の順序である(YES)とCPU106が判断したときは、ステップMS156の処理へ進み、外端カウンタAのカウント値OTCAの値を「1」加算する。これに対して、実行操作順序が中→右→左の順序ではない(NO)とCPU106が判断したときは、ステップMS158の処理へ進み、OTCAの値を「0」にクリアする。このようにして、ステップMS156またはMS158の処理を終えると、CPU106は、図34の外端カウンタA更新処理を終了する。
(3)小役2aを含む複数の小役2が同時当選した場合
ステップMS164の判断処理で、再遊技役b,c,h,dが同時当選しなかった(NO)とCPU106が判断した場合は、次に、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出され、小役2aを含む複数の小役2が同時に当選したか否かを判断する(ステップMS174)。この判断処理で、CPU106が抽選結果番号「6」〜「8」のいずれも導出されなかった(NO)と判断したときは、そのまま図34の外端カウンタA更新処理を終了する。
これに対して、ステップMS174の判断処理で、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出された(YES)とCPU106が判断したときは、導出された抽選結果番号に応じた、小役2aが三重入賞する操作順序で(図9参照)、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されたか否かを判断する(ステップMS176)。そして、実行操作順序が三重入賞する操作順序だった(YES)と判断したときは、次にCPU106は、外端カウンタAのカウント値OTCAの値が「2」であるか否かを判断する(ステップMS178)。OTCAの値が「2」である(YES)とCPU106が判断したときは、ステップMS156の処理へ進み、外端カウンタAのカウント値OTCAの値を「1」加算する。これに対して、OTCAの値が「2」ではない(NO)とCPU106が判断したときは、そのまま図34の外端カウンタA更新処理を終了する。
このように、図34の外端カウンタA更新処理では、再遊技役b,c,hまたは再遊技役b,c,h,dが同時当選した時に、報知フラグA,Bのオン/オフ状態に応じた順序で、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されたか否かの判断がなされ、その結果に応じて、外端カウンタAのカウント値OTCAの値が「1」加算され、または「0」にクリアされる。
具体的には、再遊技役b,c,hが同時当選した時に、報知フラグAがオンであれば、実行操作順序が右→左→中でOTCAの値が加算され、報知フラグBがオンであれば、実行操作順序が右→中→左でOTCAの値が加算される。これに対して、再遊技役b,c,h,dが同時当選した時は、報知フラグAがオンであれば、実行操作順序が中→左→右でOTCAの値が加算され、報知フラグBがオンであれば、実行操作順序が中→右→左でOTCAの値が加算される。
また、OTCAの値が「2」になると、さらに、OTCAの値を加算する条件が追加される(小役2aが三重入賞する実行操作順序)。
(外端カウンタB更新処理の説明)
次に図35に示すフローチャートを参照して、図33(a)のステップMS102で実行される外端カウンタB更新処理について説明する。外端カウンタB更新処理においても、図34に示した外端カウンタA更新処理と同様の処理を行うことによって外端カウンタBのカウント値OTCBの値を更新する。
(1)再遊技役b,c,hが同時当選した場合
まず、CPU106は、図31に示した役抽選テーブルを用いて役抽選を行った結果、抽選結果番号「10」が導出され、再遊技役b,c,hが同時に当選したか否かを判断する(ステップMS200)。再遊技役b,c,hが同時に当選した(YES)とCPU106が判断したときは、次に役抽選で「10」または「11」が導出されたときに行われる抽選によって、報知フラグAがオンになったか否かを判断する(ステップMS202)。報知フラグAがオンになっている(YES)とCPU106が判断したときは、次に実行操作順序が右→中→左の順序であるか否かを判断する(ステップMS204)。
そして、実行操作順序が右→中→左の順序である(YES)とCPU106が判断したときは、外端カウンタBのカウント値OTCBの値を「1」加算する(ステップMS206)。これに対して、実行操作順序が右→中→左の順序ではない(NO)とCPU106が判断したときは、OTCBの値を「0」にクリアする(ステップMS208)。そして、ステップMS206またはMS208の処理を終えると、CPU106は、図35の外端カウンタB更新処理を終了する。
前述したステップMS202の判断処理において、CPU106が、報知フラグAがオフになっている(NO)と判断したときは、次に、報知フラグBがオンになったか否かを判断する(ステップMS210)。そして、報知フラグBがオフになっている(NO)とCPU106が判断したときは、そのまま図35の外端カウンタB更新処理を終了する。これに対して、報知フラグBがオンになっている(YES)とCPU106が判断したときは、次に実行操作順序が右→左→中の順序であるか否かを判断する(ステップMS212)。そして、実行操作順序が右→左→中の順序である(YES)とCPU106が判断したときは、ステップMS206の処理へ進み、外端カウンタBのカウント値OTCBの値を「1」加算する。これに対して、実行操作順序が右→左→中の順序ではない(NO)とCPU106が判断したときは、ステップMS208の処理へ進み、OTCBの値を「0」にクリアする。
(2)再遊技役b,c,h,dが同時当選した場合
ステップMS200の判断処理で、再遊技役b,c,hが同時当選しなかった(NO)とCPU106が判断した場合は、次に、役抽選で抽選結果番号「11」が導出され、再遊技役b,c,h,dが同時に当選したか否かを判断する(ステップMS214)。再遊技役b,c,h,dが同時に当選した(YES)とCPU106が判断したときは、その後に行われる抽選によって、報知フラグAがオンになったか否かを判断する(ステップMS216)。報知フラグAがオンになっている(YES)とCPU106が判断したときは、次に実行操作順序が中→右→左の順序であるか否かを判断する(ステップMS218)。実行操作順序が中→右→左の順序である(YES)とCPU106が判断したときは、ステップMS206の処理へ進み、外端カウンタBのカウント値OTCBの値を「1」加算する。これに対して、実行操作順序が中→右→左の順序ではない(NO)とCPU106が判断したときは、ステップMS208の処理へ進み、OTCBの値を「0」にクリアする。
これに対して、ステップMS216の判断処理において、CPU106が、報知フラグAがオフになっている(NO)と判断したときは、次に、報知フラグBがオンになったか否かを判断する(ステップMS220)。そして、報知フラグBがオフになっている(NO)とCPU106が判断したときは、そのまま図35の外端カウンタB更新処理を終了する。これに対して、報知フラグBがオンになっている(YES)とCPU106が判断したときは、次に実行操作順序が中→左→右の順序であるか否かを判断する(ステップMS222)。そして、実行操作順序が中→左→右の順序である(YES)とCPU106が判断したときは、ステップMS206の処理へ進み、外端カウンタBのカウント値OTCBの値を「1」加算する。これに対して、実行操作順序が中→左→右の順序ではない(NO)とCPU106が判断したときは、ステップMS208の処理へ進み、OTCBの値を「0」にクリアする。このようにして、ステップMS206またはMS208の処理を終えると、CPU106は、図35の外端カウンタB更新処理を終了する。
(3)小役2aを含む複数の小役2が同時当選した場合
ステップMS214の判断処理で、再遊技役b,c,h,dが同時当選しなかった(NO)とCPU106が判断した場合は、次に、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出され、小役2aを含む複数の小役2が同時に当選したか否かを判断する(ステップMS224)。この判断処理で、CPU106が抽選結果番号「6」〜「8」のいずれも導出されなかった(NO)と判断したときは、そのまま図35の外端カウンタB更新処理を終了する。
これに対して、ステップMS224の判断処理で、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出された(YES)とCPU106が判断したときは、導出された抽選結果番号に応じた、小役2aが三重入賞する操作順序で(図9参照)、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されたか否かを判断する(ステップMS226)。そして、実行操作順序が三重入賞する操作順序だった(YES)と判断したときは、次にCPU106は、外端カウンタBのカウント値OTCBの値が「2」であるか否かを判断する(ステップMS228)。OTCBの値が「2」である(YES)とCPU106が判断したときは、ステップMS206の処理へ進み、外端カウンタBのカウント値OTCBの値を「1」加算する。これに対して、OTCBの値が「2」ではない(NO)とCPU106が判断したときは、そのまま図35の外端カウンタB更新処理を終了する。
このように、図35の外端カウンタB更新処理では、再遊技役b,c,hまたは再遊技役b,c,h,dが同時当選した時に、報知フラグA,Bのオン/オフ状態に応じた順序で、ストップスイッチ37L,37C,37Rが操作されたか否かの判断がなされ、その結果に応じて、外端カウンタBのカウント値OTCBの値が「1」加算され、または「0」にクリアされる。
具体的には、再遊技役b,c,hが同時当選した時に、報知フラグAがオンであれば、実行操作順序が右→中→左でOTCBの値が加算され、報知フラグBがオンであれば、実行操作順序が右→左→中でOTCBの値が加算される。これに対して、再遊技役b,c,h,dが同時当選した時は、報知フラグAがオンであれば、実行操作順序が中→右→左でOTCBの値が加算され、報知フラグBがオンであれば、実行操作順序が中→左→右でOTCBの値が加算される。
また、OTCBの値が「2」になると、さらに、OTCBの値を加算する条件が追加される(小役2aが三重入賞する実行操作順序)。
(外端カウンタAのカウント値と、外端カウンタBのカウント値との関係)
上述した図34の外端カウンタA更新処理と、図35の外端カウンタB更新処理とを比較すると、再遊技役b,c,hが同時当選したときに、報知フラグAがオンになった場合は、実行操作順序が右→左→中であれば、OTCAの値が「1」加算されるが、OTCBの値はクリアされる(図34、ステップMS154(YES)→MS156:図35、ステップMS204(NO)→MS208)。
一方、実行操作順序が右→中→左であれば、OTCBの値が「1」加算されるが、OTCAの値がクリアされる(図35、ステップMS204(YES)→MS206:図34、ステップMS154(NO)→MS158)。
これに対して、再遊技役b,c,hが同時当選したときに、報知フラグBがオンになった場合は、実行操作順序が右→中→左であれば、OTCAの値が「1」加算されるが、OTCBの値はクリアされる(図34、ステップMS162(YES)→MS156:図35、ステップMS212(NO)→MS208)。
これに対して、実行操作順序が右→左→中だったときは、OTCBの値が「1」加算され、OTCAの値がクリアされる(図35、ステップMS212(YES)→MS206:図34、ステップMS162(NO)→MS158)。
また、再遊技役b,c,h,dが同時当選したときに、報知フラグAがオンになった場合は、実行操作順序が中→左→右であれば、OTCAの値が「1」加算されるが、OTCBの値はクリアされる(図34、ステップMS168(YES)→MS156:図35、ステップMS218(NO)→MS208)。
一方、実行操作順序が中→右→左であれば、OTCBの値が「1」加算されるが、OTCAの値がクリアされる(図35、ステップMS218(YES)→MS206:図34、ステップMS168(NO)→MS158)。
これに対して、再遊技役b,c,h,dが同時当選したときに、報知フラグBがオンになった場合は、実行操作順序が中→右→左であれば、OTCAの値が「1」加算されるが、OTCBの値はクリアされる(図34、ステップMS172(YES)→MS156:図35、ステップMS222(NO)→MS208)。
これに対して、実行操作順序が中→左→右だったときは、OTCBの値が「1」加算され、OTCAの値がクリアされる(図35、ステップMS222(YES)→MS206:図34、ステップMS172(NO)→MS158)。
このように、OTCAの値と、OTCBの値との関係は、一方に「1」が加算されたときは、他方が「0」にされるようになっている。これにより、図33(a)に示したカウンタ更新処理において、ステップMS106とステップMS116の判断結果が共にYES(OTCA=3かつOTCB=3)となる場合はない。
(外端カウンタC更新処理の説明)
次に図36に示すフローチャートを参照して、図33(a)のステップMS104で実行される外端カウンタC更新処理について説明する。
まず、CPU106は、図31に示した役抽選テーブルを用いて役抽選を行った結果、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれかが導出されたか否かを判断する(ステップMS250)。抽選結果番号「6」〜「8」のいずれも導出されなかった(NO)とCPU106が判断したときは、図36の外端カウンタC更新処理を終了する。
これに対して、抽選結果番号「6」〜「8」のいずれが導出された(YES)とCPU106が判断したときは、次に、実行操作順序が、小役2aが三重入賞する操作順序(図9参照)であったか否かを判断する(ステップMS252)。そして、実行操作順序が、小役2aが三重入賞する操作順序では無かった(換言すると、単一入賞する操作順序であった)(NO)と判断すると、CPU106は外端カウンタCのカウント値OTCCの値を「1」加算する(ステップMS254)。これに対して、実行操作順序が、小役2aが三重入賞する操作順序だった(YES)と判断すると、CPU106は外端カウンタCのカウント値OTCCの値を「0」にする(ステップMS256)。そして、ステップMS254またはMS256の処理を終えると、CPU106は図36の外端カウンタC更新処理を終了する。
<副制御回路200におけるカウンタ更新処理の説明>
次に、図33(b)を参照して、副制御回路200で実行されるカウンタ更新処理について説明する。
まずCPU206は、図34に示した外端カウンタA更新処理、図35に示した外端カウンタB更新処理および図36に示した外端カウンタC更新処理を、順次を実行する(ステップSS100〜SS104)。ここで、役抽選の結果、報知フラグA,Bのオン/オフ情報および実行操作順序などの情報は、主制御回路100から送信される役抽選結果情報および停止操作情報などに基づいてCPU206によって認識されるものとする。また、各種カウント値OTCA,OTCB,OTCCの値は、図4に示したRAM210に記憶されるものとする。さらに、役抽選で小役2aを含む複数の小役2が同時当選した時に、小役2aが単一入賞する操作順序と、三重入賞する操作順序に関する情報(図9参照)は、予め図4に示したROM208に記憶されているものとする。
次いでCPU206は、役抽選結果および報知フラグA,Bのオン/オフ情報に応じた報知操作順序を決定するための指示発生カウンタAおよびBのカウント値INSAおよびINSBを更新する指示発生カウンタ更新処理を行う(ステップSS106)。この指示発生カウンタ更新処理の詳細については、後に図37のフローチャートを参照して説明する。次にCPU206は、外端カウンタAのカウント値OTCAの値が「3」であるか否かを判断し(ステップSS108)、OTCAの値が「3」である(YES)とCPU206が判断したときは、当該OTCAの値を「0」にする(ステップSS110)。これに対して、OTCAの値が「3」ではない(NO)とCPU206が判断したときは、次に外端カウンタBのカウント値OTCBの値が「3」であるか否かを判断する(ステップSS112)。そして、OTCBの値が「3」である(YES)とCPU206が判断したときは、当該OTCBの値を「0」にする(ステップSS114)。
上述したステップSS110もしくはSS114の処理を行った後、またはステップSS112の判断結果がNOとなった場合は直ちに、CPU206は、RAM210に記憶されているARTフラグの状態がオフになっているか否かを判断する(ステップSS116)。ARTフラグの状態がオンになっている(NO)と判断したときは、CPU206は、そのまま図33(b)に示したカウンタ更新処理を終了する。これに対して、ARTフラグの状態がオフになっている(YES)と判断したときは、ステップSS106の指示発生カウンタ更新処理によって更新される指示発生カウンタAおよびBのカウント値INSAおよびINSBを各々「0」にする(ステップSS118,SS120)。次いでCPU206は、ART遊技中に行われた単位遊技の回数を示す外端管理カウンタの値OCNTを「0」すると(ステップSS122)、図33(b)に示したカウンタ更新処理を終了する。なお、外端管理カウンタの値OCNTは、ステップSS106の指示発生カウンタ更新処理によって更新される(詳しくは後述する)。
(指示発生カウンタ更新処理の説明)
次に図37に示すフローチャートを参照して、図33(b)のステップSS106で実行される指示発生カウンタ更新処理について説明する。
まず、CPU206は、主制御回路100から送信された遊技状態情報(図13のステップS48参照)に基づいて、現在の遊技状態が通常遊技中であるか否かを判断する(ステップSS200)。現在の遊技状態が通常遊技中ではない(NO)とCPU206が判断したときは、図37の外端管理カウンタ更新処理を直ちに終了する。これに対して、現在の遊技状態が通常遊技中である(YES)と判断したときは、次にCPU206は、RAM210に記憶されているARTフラグの状態がオンになっているか否かを判断する(ステップSS202)。
(1)ARTフラグがオフだったとき
ステップSS202の判断処理で、ARTフラグがオフになっている(NO)とCPU206が判断したときは、RT状態が前回の単位遊技における「RT1」から、今回の単位遊技の結果、「RT2」へ移行したか否かを判断する(ステップSS204)。RT状態が「RT1」から「RT2」へ移行した(YES)とCPU206が判断したときは、次にRAM210に記憶されているストック数STの値が「0」を超えているか否かを判断する(ステップSS208)。そして、ストック数STの値が「1」以上である(YES)とCPU206が判断したときは、ストック数STの値から「1」を減算し(ステップSS210)、ARTフラグの状態をオンにして(ステップSS212)、初当たりによるART遊技を開始させる。
なお、CPU206が、ステップSS204の判断処理でRT状態が「RT1」から「RT2」へ移行していない(NO)と判断したとき、または、ステップSS206の判断処理でストック数STの値が「0」である(NO)と判断したときは、そのまま図37に示す指示発生カウンタ更新処理を終了する。
CPU206が、ステップSS212の処理によってARTフラグをオンにすると、次にRAM210に記憶されている指示発生カウンタAのカウント値INSAに「1」を加算する(ステップSS212)。そしてCPU206は、図37に示す指示発生カウンタ更新処理を終了する。ここで、INSAの値が「1」以上であるときは、初当たりによるART遊技中であり、かつ、主制御回路100から外部に対して未だART初当たり信号が出力されていない状態を示している。
(2)ARTフラグがオンだったとき
前述したステップSS202の判断処理で、ARTフラグがオンになっている(YES)とCPU206が判断したときは、まず、外端カウンタAのカウント値OTCAの値が「3」であり、かつ、指示発生カウンタAのカウント値INSAの値が「0」を超えているか否かを判断する(ステップSS214)。この判断処理で、OTCAの値が「3」であり、かつ、INSAの値が「0」を超えている(YES)と判断すると、CPU206は、INSAの値を「1」減算する(ステップSS218)。そして、外端管理カウンタの値OCNTの値に「1」を加算した後(ステップSS230)、図37の指示発生カウンタ更新処理を終了する。
これに対してステップSS214の判断処理で、OTCAの値が「3」以外の値であるか、INSAの値が「0」である(NO)と、CPU206が判断した場合は、次に外端カウンタBのカウント値OTCBの値が「3」であり、かつ、指示発生カウンタBのカウント値INSBの値が「0」であるか否かを判断する(ステップSS216)。ここで、INSBの値が「1」以上であるときは、上乗せによるART遊技中であり、かつ、当該上乗せによるART遊技に対応したART実行信号が主制御回路100から外部に対して未だ出力されていない状態を示している。この判断処理で、OTCBの値が「3」であり、かつ、INSBの値が「0」である(YES)と判断したときは、ステップSS218の処理へ移行して、INSAの値を「1」減算してから図37の指示発生カウンタ更新処理を終了する。
ステップSS216の判断処理で、外端カウンタBのカウント値OTCBの値が「3」ではない、または、指示発生カウンタBのカウント値INSBの値が「0」ではない(NO)と、CPU206が判断したときは、次にART遊技中に行われた単位遊技の回数を示す外端管理カウンタの値OCNTが「50」という値で割りきれるか否かを判断する(ステップSS220)。ここで、「50」という値は、本変形例における1セットのART遊技で行うことができる単位遊技回数である。ステップSS220の判断処理で、OCNTの値が「50」で割り切れる(YES)と、CPU206が判断したときは、RAM210に記憶されている指示発生カウンタBのカウント値INSBに「1」を加算する(ステップSS222)。そして、ステップSS222の処理を終えると、またはステップS220の判断結果がNOとなったときは直ちに、外端カウンタAのカウント値OTCAの値が「3」であり、かつ、指示発生カウンタAのカウント値INSAの値が「0」であるか否かを判断する(ステップSS224)。
ステップSS224の判断処理において、OTCAの値が「3」以外の値であるか、INSAの値が「0」以外であった場合は、ステップSS214の判断結果がNOとなって、次にCPU206は、外端カウンタBのカウント値OTCBの値が「3」であり、かつ、指示発生カウンタBのカウント値INSBの値が「0」を超えているか否かを判断する(ステップSS226)。この判断処理で、外端カウンタBのカウント値OTCBの値が「3」ではない、または、指示発生カウンタBのカウント値INSBの値が「0」である(NO)と、CPU206が判断したときは、ステップSS230の処理へ進み、外端管理カウンタの値OCNTの値に「1」を加算してから図37の指示発生カウンタ更新処理を終了する。
これに対して、CPU206が、ステップSS224の判断処理で、OTCAの値が「3」であり、かつ、INSAの値が「0」である(YES)と判断したとき、または、ステップSS226の判断処理で、OTCBの値が「3」であり、かつ、INSBの値が「0」を超えている(YES)と判断したときは、INSBの値を「1」減算してから(ステップSS228)、ステップSS230の処理を行って外端管理カウンタの値OCNTの値に「1」を加算してから、図37の指示発生カウンタ更新処理を終了する。
≪本変形例におけるART遊技信号の外部出力に関する説明≫
上述した処理を行う本変形例において、まず、初当たりによるART遊技が開始された場合は、副制御回路200において変数INSAの値に「1」が加算される(図37、ステップSS210)。これにより、その後のART遊技において再遊技役b,c,hが当選した場合は(図32、ステップSS16(YES))、報知フラグAがオンになったときは報知操作順序が右→左→中となり(図32、ステップSS18(YES)→SS20(YES)→SS22)、このときの実行操作順序が右→左→中だった場合は、OTCAの値が「1」加算される(図34、ステップMS150(YES)→MS152(YES)→MS154(YES)→MS156)。
これに対して、再遊技役b,c,hが当選し、かつ、報知フラグBがオンになったときは、報知操作順序が右→中→左となる(図32、ステップSS20(NO)→SS24(YES)→SS26)。そして、このときの実行操作順序が右→中→左だった場合は、OTCAの値が「1」加算される(図34、ステップMS150(YES)→MS152(NO)→MS160(YES)→MS162(YES)→MS156)。
また、再遊技役b,c,h,dが当選したときは、報知フラグAがオンだった場合は報知操作順序が中→左→右となり(図32、ステップSS34(YES)→SS36(YES)→SS38(YES)→SS40)、このときの実行操作順序も中→左→右だった場合は、OTCAの値が「1」加算される(図34、ステップMS164(YES)→MS166(YES)→MS168(YES)→MS156)。
これに対して、再遊技役b,c,h,dが当選し、かつ、報知フラグBがオンになったときは、報知操作順序が中→右→左となる(図32、ステップSS38(NO)→SS42(YES)→SS44)。そして、このときの実行操作順序が中→右→左だった場合は、OTCAの値が「1」加算される(図34、ステップMS164(YES)→MS166(NO)→MS170(YES)→MS172(YES)→MS156)。
なお、図34に示した外端カウンタA更新処理と、図35に示した外端カウンタB更新処理との関係により、OTCAの値が「1」加算されるときは、OTCBの値が「0」にクリアされることは前述した通りである。
このように、初当たりによるART遊技においては、報知操作順序と実行操作順序とが一致するごとに、OTCAの値が「1」ずつ加算されていく。やがてOTCAの値が「2」になると、再遊技役b,c,hが当選したとき、および、再遊技役b,c,h,dが当選したときに加え、小役2aを含む複数の小役2が当選した時にも、OTCAの値に「1」を加算するか否かの判断処理が行われる(図34、ステップMS176(YES)→MS178(YES)→MS156)。そして、OTCAの値が「3」になると、ART実行信号が約2秒間オンにされると共に、ART初当たり信号がオンになる(図33、ステップMS106(YES)→……→MS112)。
上述した初当たりによるART遊技が終了すると、報知操作順序が報知されなくなるため、役抽選で抽選結果番号「6」〜「8」が導出(小役2aを含む複数の小役2が当選)されても、三重入賞する可能性が低くなる。そして、小役2aが単一入賞したときは、OTCCの値に「1」が加算され(図36、ステップMS250(YES)→MS252(NO)→MS254)、抽選結果番号「6」〜「8」が導出された場合の小役2aの単一入賞が2回連続すると、OTCCの値が「2」になって、ART初当たり信号がオフにされる(図33、ステップMS128(YES)→MS130)。
これに対して、初当たりによるART遊技中に、上乗せ抽選に当選すると、初当たりによるART遊技に引き続き、上乗せによるART遊技が開始される。そして、上乗せによるART遊技の最初の単位遊技が終了したときに、OCNTの値が50で割り切れるか否かが判断される(図37、ステップSS220)。ここで、OCNTの値が50で割り切れるということは、ART遊技中であり(図37、ステップSS202(YES))、初当たりによるART遊技の遊技回数を越えてART遊技が行われた(ステップSS230の処理により、OCNTの値に「1」が加算される前なので、ART遊技が開始されてから51ゲーム目が行われた)ことになるため、上乗せによるART遊技が開始されたと見なすことができる。
よって、副制御回路200において変数INSBの値に「1」が加算される(図37、ステップSS220(YES)→SS222)。これにより、その後のART遊技において再遊技役b,c,hが当選した場合は(図32、ステップSS16(YES))、報知フラグAがオンになったときは報知操作順序が右→中→左となり(図32、ステップSS18(NO)→SS28(YES)→SS30(YES)→SS26)、このときの実行操作順序が右→中→左だった場合は、OTCBの値が「1」加算される(図35、ステップMS200(YES)→MS202(YES)→MS204(YES)→MS206)。
これに対して、再遊技役b,c,hが当選し、かつ、報知フラグBがオンになったときは、報知操作順序が右→左→中となる(図32、ステップSS30(NO)→SS32(YES)→SS22)。そして、このときの実行操作順序が右→左→中だった場合は、OTCBの値が「1」加算される(図35、ステップMS200(YES)→MS202(NO)→MS210(YES)→MS212(YES)→MS206)。
また、再遊技役b,c,h,dが当選したときは、報知フラグAがオンだった場合は報知操作順序が中→右→左となり(図32、ステップSS34(YES)→SS36(NO)→SS46(YES)→SS48(YES)→SS44)、このときの実行操作順序も中→右→左だった場合は、OTCBの値が「1」加算される(図35、ステップMS214(YES)→MS216(YES)→MS218(YES)→MS206)。
これに対して、再遊技役b,c,h,dが当選し、かつ、報知フラグBがオンになったときは、報知操作順序が中→左→右となる(図32、ステップSS48(NO)→SS50(YES)→SS40)。そして、このときの実行操作順序が中→左→右だった場合は、OTCBの値が「1」加算される(図35、ステップMS214(YES)→MS216(NO)→MS220(YES)→MS222(YES)→MS206)。
なお、図35に示した外端カウンタB更新処理と、図34に示した外端カウンタA更新処理との関係により、OTCBの値が「1」加算されるときは、OTCAの値が「0」にクリアされることは前述した通りである。
このように、上乗せによるART遊技においては、報知操作順序と実行操作順序とが一致するごとに、OTCBの値が「1」ずつ加算されていく。また、初当たりART遊技中と同様に、OTCBの値が「2」になると、再遊技役b,c,hが当選したとき、および、再遊技役b,c,h,dが当選したときに加え、小役2aを含む複数の小役2が当選した時にも、OTCBの値に「1」を加算するか否かの判断処理が行われる(図35、ステップMS226(YES)→MS228(YES)→MS206)。そして、OTCBの値が「3」になると、ART実行信号が約2秒間オンにされると共に、ART初当たり信号のオン状態を維持する(図33、ステップMS116(YES)→……→MS120(NO)→MS124)。
やがて、上乗せによるART遊技が終了すると、報知操作順序が報知されなくなり、小役2aが単一入賞する可能性が高くなる。これにより、OTCCの値が「2」になると、ART初当たり信号がオフにされる(図33、ステップMS128(YES)→MS130)。このように、本変形例では、OTCAの値と、OTCBの値とに基づいて、初当たりによるART遊技と、上乗せによるART遊技とを区別して判断することが可能になっている。
なお、上述した変形例では、ストックSTの値が「1」以上のときに、RT状態が「RT1」から「RT2」へ移行すると、ART遊技が開始されるようになっていたが、ART遊技の開始条件はこれに限定されない。例えば、ストック抽選に当選すると、現在のRT状態に関わらず直ちにART遊技を開始しても良いし、ストック抽選に当選したときに、RT状態が「RT1」だった場合は、「RT2」へ移行する操作順序を報知することで「RT2」へ誘導し、「RT2」に移行してからART遊技を開始するようにしてもよい。
また、上述した変形例では、図33に示したように、主制御回路100および副制御回路200は、常時、カウンタ更新処理を行っているが、以下に示すような場合は、一時的にカウンタ更新処理を中止するようにしてもよい。例えば、ART遊技中でないときの役抽選において、特定の役が当選するとART遊技へ移行するとともに、当該特定の役が、特別役と同時当選し得るようなスロットマシンでは、ART実行信号を出力した後、次の単位遊技で特別遊技の開始を示す信号が外部へ出力される可能性もある。よって、特定の役が当選した場合、単位遊技が所定回数行われる間は、図33のカウンタ更新処理などを行わないようにしてもよい。これにより、出力される複数の外部信号が重複するのを避けることができる。
また、図32に示したART報知処理において、副制御回路200では、ARTフラグがオフになっている(ステップSS10,NO)場合は、直ちにART報知処理を終了して、報知操作順序を報知しないようにしているが、例えばARTフラグがオフの場合であっても、図32(b)のカウンタ更新処理におけるステップSS100〜SS102の処理によって、ART遊技中でないにも関わらず、遊技者による操作によって偶然、OTCAの値が「1」になってしまった場合は、次に主制御回路100から報知操作順序に関する情報を受信したときに、その報知操作順序とは異なる操作順序を報知する用にしても良い。これによって報知された操作順序通りに遊技者がストップスイッチを操作すると、本当の報知操作順序と、実行操作順序とが異なるため、OTCAの値がクリアされる。すなわち、偶然によって、ART遊技中でないにもかかわらず、ART実行信号が出力されてしまう可能性を低くすることができる。
また、上述したように副制御回路200では、ARTフラグがオフになっている場合は、図32のART報知処理を直ちに終了して報知操作順序を報知しないようにしているが、主制御回路100から報知操作順序に関する情報を受信したときは、ARTフラグがオフになっていた場合でも、OTCAおよびOTCBの値が「1」を越えないように、積極的に実際の報知操作順序とは異なる操作順序を報知する用にしてもよい。具体的には、例えば、図32に示すステップSS10の判断処理を削除し、図37の指示発生カウンタ更新処理において、ステップSS204またはSS206の判断結果がNOになった場合は、INSAの値が「0」かつINSBの値が「1」であれば、INSAの値を「1」かつINSBの値を「0」とする。これに対して、INSAの値が「0」かつINSBの値が「1」以外であれば、INSAの値を「0」とし、INSBの値を「1」とする。すなわち、主制御回路100から報知操作順序に関する情報を受信するたびに、INSAの値と、INSBの値とが、交互に「0」と「1」を繰り返すように設定する。これにより、遊技者が報知された操作順序通りにストップスイッチを操作した時は、報知操作順序と、実行操作順序が一致しなくなるため、OTCAおよびOTCBの値が交互にクリアされることとなり、各々の値が「1」を越えないように維持することができる。
また、上述した変形例では、「RT2」において図31に示した役抽選テーブルを用いた役抽選を行い、抽選結果番号「10」または「11」が導出されると、報知フラグAまたはBのいずかをオンにするかの抽選を行っていた。これに対して、例えば、図38に示す役抽選テーブルを用いて、報知フラグAまたはBのいずかをオンにするかの抽選を、役抽選に含めても良い。すなわち、図38に示す役抽選テーブルの場合、抽選結果番号「10」〜「13」が導出された場合の当選役、リール停止制御および報知フラグオン/オフ制御を以下のようにする。
(i)抽選結果番号「10」が導出された場合
再遊技役b,c,hが同時当選し、第1停止操作されたストップスイッチが、左ストップスイッチ37Lであれば再遊技役cを入賞させ、中ストップスイッチ37Cであれば再遊技役bまたはhを入賞させ、右ストップスイッチ37Rであれば再遊技役bを入賞させるリール停止制御を行う。そして、報知フラグAをオン、報知フラグBをオフにする。
(ii)抽選結果番号「11」が導出された場合
再遊技役b,c,h,dが同時当選し、第1停止操作されたストップスイッチが、左ストップスイッチ37Lであれば再遊技役cを入賞させ、中ストップスイッチ37Cであれば再遊技役bを入賞させ、右ストップスイッチ37Rであれば再遊技役bまたはhを入賞させるリール停止制御を行う。そして、報知フラグAをオン、報知フラグBをオフにする。
(iii)抽選結果番号「12」が導出された場合
再遊技役b,c,h,eが同時当選し、第1停止操作されたストップスイッチが、左ストップスイッチ37Lであれば再遊技役cを入賞させ、中ストップスイッチ37Cであれば再遊技役bまたはhを入賞させ、右ストップスイッチ37Rであれば再遊技役bを入賞させるリール停止制御を行う。そして、報知フラグAをオフ、報知フラグBをオンにする。
(iv)抽選結果番号「13」が導出された場合
再遊技役b,c,h,fが同時当選し、第1停止操作されたストップスイッチが、左ストップスイッチ37Lであれば再遊技役cを入賞させ、中ストップスイッチ37Cであれば再遊技役bを入賞させ、右ストップスイッチ37Rであれば再遊技役bまたはhを入賞させるリール停止制御を行う。そして、報知フラグAをオフ、報知フラグBをオンにする。
また、さらに、図38の役抽選テーブルを使用する場合は、報知フラグを廃止して、抽選結果番号のみに基づいて、図32における報知操作順序の決定、図34および図35におけるOTCAおよびOTCBの値の更新処理を行うようにしても良い。
さらに、図33(a)に示した主制御回路100におけるカウンタ更新処理によって、外部へ出力されるART初当たり信号およびART実行信号は、外部集中端子基板118において、それらの信号に対して各々専用に割り当てられたピンから出力するようにしても良いし、例えば、RB発生信号を出力していた既存のピンからART初当たり信号を出力し、BB発生信号を出力していた既存のピンからART実行信号を出力するようにしてもよい。
<付記>
本願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(a)当初発明が解決しようとする課題
AT中でないとき、すなわち、入賞操作態様が報知されない状態であっても、役抽選で特定の小役が当選したときに、遊技者が報知に依らず、偶然、入賞操作態様でストップスイッチを操作した場合は、当然、特定の小役が入賞することになる。このため、特許文献1に開示されている遊技台においては、ATになっていないにも関わらず、AT信号が外部へ出力されてしまう可能性が少なからずあった。また、特許文献2に開示されているスロットマシンも同様に、ART状態への移行したことと、ART信号の出力とが、一致しない可能性があった。
当初発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、遊技者にとって有利な遊技が行われたことを示す信号を、より正確に出力することができるスロットマシンを提供することを目的としている。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
上述した課題を解決するために、当初発明は、複数種類の図柄が付されている複数のリールの回転が、停止した時に表示された前記図柄の組合せによって結果が定まる単位遊技を繰り返し行うスロットマシンであって、
複数種類の役のいずれを当選役とするかを、各役に対応する当選確率に従って定める役抽選を行う役抽選手段と、
外部からの操作に応じて前記複数のリールの回転の停止を指示する停止指示手段と、
前記停止指示手段によって前記複数のリールの停止が指示されると、回転している前記リールについて、前記役抽選の結果に基づく停止制御を行うリール停止制御手段と、
前記停止指示手段の操作態様を報知する操作態様報知手段と、
前記操作態様報知手段による前記操作態様の報知が行われる特殊遊技を開始する特殊遊技実行手段と、
所定の出力条件が成立したことに基づいて、前記特殊遊技を示す特殊遊技実行信号を外部へ出力する信号出力手段と、を含み、
前記所定の出力条件は、前記操作態様報知手段によって報知された条件操作態様に従って前記複数の停止指示手段が操作されたことに基づいて成立する条件であり、
前記操作態様報知手段は、前記特殊遊技の実行に応じて前記条件操作態様を報知する
ことを特徴とする。
上述した当初発明によれば、操作態様報知手段によって停止指示手段の操作態様が報知される特殊遊技が、特殊遊技実行手段によって実行されると、操作態様報知手段は、当該特殊遊技の実行に応じて条件操作態様を報知する。そして遊技者が、報知された条件操作態様に従って停止指示手段を操作すると、所定の出力条件が成立して信号出力手段が特殊遊技実行信号を外部へ出力する。
これにより、特殊遊技の実行に応じて条件操作態様が報知され、当該報知された条件操作態様で停止指示手段が操作されたことに基づいて、特殊遊技実行信号が外部へ出力されるので、停止指示手段が、報知された条件操作態様で操作された場合は、特殊遊技が実行された可能性が非常に高いということができる。
また、条件操作態様が報知されたときに、停止指示手段に対して行われた操作態様、または、当該操作態様で操作されたことによって得られた遊技の結果などに基づいて、特殊遊技実行信号が出力されるため、特許文献2に開示されているスロットマシンのように、RT中に行われた単位遊技の回数や、RTの終了条件を回避した回数などに基づいてART信号を外部へ出力するものよりも、より正確に特殊遊技実行信号を外部へ出力することができる。
また、当初発明は、複数種類の図柄が付されている複数のリールの回転が、停止した時に表示された前記図柄の組合せによって結果が定まる単位遊技を繰り返し行うスロットマシンであって、
複数種類の役のいずれを当選役とするかを、各役に対応する当選確率に従って定める役抽選を行う役抽選手段と、
外部からの操作に応じて前記複数のリールの回転の停止を指示する停止指示手段と、
前記停止指示手段によって前記複数のリールの停止が指示されると、回転している前記リールについて、前記役抽選の結果に基づく停止制御を行うリール停止制御手段と、
前記役抽選における前記各役に対する当選確率が、互いに異なる複数種類の遊技状態と、遊技状態が移行することとなる複数種類の移行条件と、が予め定められており、いずれかの前記移行条件が成立すると、現在の遊技状態から、該成立した移行条件に対応する遊技状態へ移行させる遊技状態移行手段と、
前記リール停止制御手段によって、遊技者に有利となる前記図柄の組合せが停止表示されることとなる、前記停止指示手段の操作態様を報知する操作態様報知手段と、
所定の実行条件を満たし、かつ、特定の遊技状態へ移行すると、予め定められた特殊遊技期間の間、前記操作態様報知手段による前記操作態様の報知が行われる特殊遊技を開始する特殊遊技実行手段と、
前記所定の実行条件が満たされているか否かに関わらず、前記特定の遊技状態へ移行することとなる前記移行条件が成立したことに基づいて、前記特殊遊技が行われたことを示す特殊遊技実行信号を外部へ出力する信号出力手段と、を含み、
前記操作態様報知手段は、
前記特殊遊技が行われているときに、前記実行条件を満たしていると判断した場合は、現在の前記特殊遊技期間の経過後に、前記特定の遊技状態へ移行する移行条件になっている図柄の組合せが停止表示されることとなる、移行操作態様を報知する
ことを特徴とする。
上述した当初発明によれば、所定の実行条件が満たされている状態で、特定の遊技状態へ移行すると、遊技者に有利な特殊遊技が開始される一方で、所定の実行条件が満たされているか否かに関わらず、特定の遊技状態へ移行することとなる移行条件が成立したことに基づいて、特殊遊技が行われたことを示す特殊遊技実行信号が外部へ出力される。
また、予め定められた図柄の組合せが表示されると、特定の遊技状態へ移行するように制御し、かつ、特殊遊技が行われているときに、実行条件を満たしていると判断した場合に、特定の遊技状態へ移行する図柄の組合せが表示されることとなる移行操作態様を報知する。
このため、特定の遊技状態へ移行したということは、報知された移行操作態様に従って停止指示手段が操作された可能性が高いということができ、さらに、移行操作態様は、特殊遊技が行われているときに実行条件を満たしていると判断したときに報知されるものであるため、所定の実行条件を満たし、かつ、特定の遊技状態へ移行した状態、すなわち、特殊遊技が開始されている可能性が極めて高いといえる。
したがって、上述した当初発明によれば、特殊遊技実行手段から直接、特殊遊技が開始されたことを示す情報が得られなくとも、より正確に特殊遊技実行信号を外部へ出力することができる。
また、当初発明は、前記操作態様報知手段が、前記移行操作態様を報知したときに、該移行操作態様によって前記停止指示手段が操作されなかったときは、再度、前記移行操作態様を報知することを特徴とする。
上述した当初発明によれば、移行操作態様を報知しても、例えば、遊技者が移行操作態様の報知を見逃した場合や、停止指示手段の操作を誤ったことにより、移行操作態様によって停止指示手段が操作されなかった場合は、再び、移行操作態様が報知される。
このため、移行操作態様に従って停止指示手段が操作され、特定の遊技状態へ移行する可能性が高くなり、より正確に特殊遊技実行信号を出力することができる可能性が高くなる。
また、当初発明は、前記特殊遊技が行われているときに、前記特殊遊技期間を延長するか否かを決定する期間延長決定手段を備え、
前記操作態様報知手段は、
前記特殊遊技が行われているときに、前記実行条件を満たしていると判断した場合において、前記期間延長決定手段によって前記特殊遊技期間の延長が決定されたときは、該延長後の特殊遊技期間が経過した後に、前記移行操作態様を報知する
ことを特徴とする。
上述した当初発明によれば、遊技者に対する特典として、特殊遊技の期間を延長した場合は、延長後の特殊遊技が終了した後に移行操作態様が報知される。すなわち、例えば、延長されなかった場合の特殊遊技期間が経過した時と、延長された期間が経過した時とに、それぞれ、移行操作態様が報知されることがないため、より正確に特殊遊技実行信号を出力することができる。
また、当初発明は、前記操作態様報知手段によって操作態様が報知されたときに、該操作態様とは異なる操作態様で前記停止指示手段が操作された場合は、前記期間延長決定手段において、前記特殊遊技期間の延長が決定される確率を低下させる延長確率低下手段を備えることを特徴とする。
上述した当初発明によれば、遊技者が、報知された操作態様に従って停止指示手段を操作しなかった場合は、特殊遊技期間が延長される確率が低下して、遊技者にとって不利となるため、報知された操作態様に従って停止指示手段が操作される可能性が高くなり、結果的に、より正確に特殊遊技実行信号を出力することが可能となる。
また、当初発明は、前記実行条件を満たすこととなる事象を発生させるか否かを決定する実行条件決定手段と、
前記操作態様報知手段によって操作態様が報知されたときに、該操作態様とは異なる操作態様で前記停止指示手段が操作された時は、前記実行条件決定手段において、前記事象が発生する確率を低下させる発生確率低下手段と、を備えることを特徴とする。
上述した当初発明によれば、遊技者が、報知された操作態様に従って停止指示手段を操作しなかった場合は、特殊遊技が行われるための実行条件が満たされることとなる事象の発生確率が低下して、遊技者にとって不利となるため、報知された操作態様に従って停止指示手段が操作される可能性が高くなり、結果的に、より正確に特殊遊技実行信号を出力することが可能となる。
また、当初発明は、前記開始信号出力手段が、
前記特殊遊技実行信号を外部へ出力してから、予め定められた回数の前記単位遊技が行われるまでの間に、再び前記特定の遊技状態へ移行することとなる移行条件が成立したとしても、該移行条件が成立したことによる前記開始信号を外部へ出力しないことを特徴とする。
上述した当初発明によれば、特殊遊技実行信号を外部へ出力してから、単位遊技が所定回数行われる間は、再び特定の遊技状態へ移行することとなる移行条件が成立したとしても、そのことによる特殊遊技実行信号を外部へ出力しないため、1回の特殊遊技の実行に対して特殊遊技実行信号が複数回出力されてしまう可能性を低くすることができる。これにより、結果としてより正確な特殊遊技実行信号を出力することができる。
また、当初発明は、前記信号出力手段が、
前記特殊遊技実行信号を外部へ出力してから、予め定められた回数の前記単位遊技が行われるまでの間に、再び前記特定の遊技状態から他の遊技状態へ移行したときは、前記外部へ出力した特殊遊技実行信号の取り消しを示す、取消信号を出力することを特徴とする。
上述した当初発明によれば、1回の特殊遊技の実行に対して複数の特殊遊技実行信号が出力された可能性が高い場合は、直近に出力された特殊遊技実行信号の取り消しを意味する取り消し信号を出力する。これにより、例えば、外部の遊技履歴表示装置において、出力された特殊遊技実行信号を計数することで、特殊遊技の実行回数を表示していた場合、取消信号が出力されたときに、表示している特殊遊技の実行回数を減算することによって、より正確な特殊遊技の実行回数を表示することが可能となる。
前記役抽選手段において所定の役が当選すると、前記条件操作態様を決定する条件操作態様決定手段と、
前記条件操作態様決定手段によって決定された条件操作態様と、前記停止指示手段が外部から操作された操作態様とが、一致するか否かを判定する操作態様判定手段と、を備え、
前記操作態様報知手段は、前記特殊遊技実行手段によって前記特殊遊技が開始されているか否かに基づいて、前記条件操作態様決定手段によって決定された前記条件操作態様を報知し、
前記信号出力手段は、
前記所定の出力条件が成立したか否かの判断基準を複数有し、前記操作態様判定手段の判定結果が、該複数の判断基準のうちいずれかの判断基準を満すと、前記所定の出力条件が成立して前記信号出力手段が前記特殊遊技実行信号を外部へ出力することを特徴とする。
なお、所定の出力条件が成立したか否かについては、例えば、複数の判断基準の中から選択した1つの判断基準を満たしたときに成立したと判断しても良いし、予め定められた数の判断基準を満たしたときに成立したと判断してもよい。
また、判断基準の選択方法については、例えば、複数の判断基準の中から、予め定められた順序に従って選択していってもよいし、現在の遊技状態に応じた判断基準を選択してもよいし、抽選などによって任意に選択してもよい。
さらに、判断基準を選択するタイミングは、例えば、所定の出力条件が成立したか否かの判断を開始する時や、1つの判断基準が満たされた時などが考えられる。
上述した当初発明によれば、所定の役に当選したことによって決定された条件操作態様に基づいて、判断基準が満たされたか否かを判断し、当該判断基準を満たすと特殊遊技実行信号が出力される。また、特殊遊技実行信号の出力条件となる判断基準は、複数の判断基準のいずれかとなる。
これにより、条件操作決定手段が条件操作態様を決定する契機となる「所定の役」を適宜定めるとともに、判断基準を適宜選択することで、判断基準を満たす難易度を調整することが可能となる。よって、例えば判断基準を満たすまでの遊技回数が少なくなる傾向に調整することなどが可能となる。
前記複数の判断基準は、前記操作態様判定手段が前記条件操作態様と、前記外部から操作された操作態様とが一致したと判定した回数であり、該回数が前記複数の判断基準の各々で異なっていることを特徴とする。
上述した当初発明によれば、条件操作態様と、外部から操作された操作態様とが、一致したと判定した回数に基づいて判断基準が満たされたか否かを判断するため、特殊遊技実行信号を出力すべきか否かの最終的な判断を、容易且つ明確に行うことができる。
前記信号出力手段は、
前記操作態様判定手段の判定結果が、前記複数の判断基準のうちいずれか1つの判断基準を満たすと、他の判断基準を満たしているか否かの判断を行い、該他の判断基準を満たしたときに前記所定の出力条件が成立して、前記信号出力手段が前記特殊遊技実行信号を外部へ出力することを特徴とする。
上述した当初発明によれば、特殊遊技実行信号を出力する条件が成立するまでに判断を行う判断基準が、段階的に切り替わる。これにより、例えば基準を満たす難易度を段階的に変化させることで、信頼性の高い特殊遊技実行信号を、より少ない遊技回数によって出力することが可能となる。
前記リール停止制御手段は、前記役抽選で特定の役が当選すると、前記停止指示手段に対する操作態様に応じて、遊技者にとって有利な表示態様、または、該有利な表示態様とは異なる他の表示態様の、いずれかを表示するように前記複数のリールの回転を停止させ、
前記所定の役は、前記役抽選で当選すると、前記停止指示手段が任意の操作態様で操作されたとしても、前記リール停止制御手段によって一定の表示態様を示すように前記複数のリールの回転が停止させられる役であることを特徴とする。
上述した当初発明によれば、役抽選で当選した役の種類によっては、停止指示手段に対する操作態様に応じて複数のリールが停止したときの表示態様(すなわち単位遊技の結果)が異なる場合がある中で、条件操作態様を決定する条件に関係している「所定の役」は、操作態様に関わりなく、複数のリールが停止したときの表示態様が一定となる。
このため遊技者が、報知された条件操作態様に従って停止指示手段を操作した場合でも、報知に従わずに停止指示手段を操作した場合と同じ単位遊技の結果となるため、遊技者に何ら不利益を与えることはない。
(c)当初発明の効果
以上のように、当所発明のスロットマシンによれば、遊技者にとって有利な遊技が行われたことを示す信号を、より正確に出力することができる。