以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態に係るスロットマシン10の外観を図1に示す。図1は、スロットマシン10の正面図であり、同図において、スロットマシン10の筐体の上部には、上部パネル20が設けられている。このフロントパネル20の略中央には、スロットマシン10の内部に回転自在に設けられている3個のリール40L,40C及び40Rの外周面に印刷された図柄を表示するための表示窓22が形成されている。リール40L,40C及び40Rは、図1中、水平方向に並設され、各々リング状の形状を有し、その外周面には13個の図柄が等間隔で印刷された帯状のリールテープが貼り付けられている。そして、表示窓22からは、リール40L,40C及び40Rが停止しているとき、各リールに印刷された13個の図柄のうち1つの図柄が視認可能となっている。よって、表示窓22には、各リールの図柄が1つずつ、合計3つの図柄が停止表示される。そして、詳しくは後述するが、リール40L,40C及び40Rが回転し、停止したときに表示窓22に停止表示された3つの図柄の組合せが、いずれかの役に対応していた場合、その役が成立したことになる。
上部パネル20の下側には、液晶ディスプレイパネルから構成される表示装置25が設けられており、表示装置25の画面には、後述する役抽選の結果に応じた演出画像、遊技の進行(メダル投入→スタートスイッチの操作→リールの回転→ストップスイッチの操作→全リール回転停止)に応じた演出画像等が表示される演出画像表示領域GEと、スロットマシン10にクレジット(貯留)されている遊技媒体の数(クレジット数)、1回の遊技に投入された遊技媒体の数、スロットマシン10において遊技が行われた結果、遊技者へ払い出される遊技媒体の数、特別遊技中に払い出された遊技媒体の数などが表示される遊技情報表示領域GSが予め設定されている。なお、表示装置25は、上述した液晶ディスプレイパネルに限られず、画像情報や文字情報を遊技者が遊技中に視認し得る装置であれば、その他あらゆる画像表示装置を用いることが可能である。また、表示装置25の代わりに、複数種類の図柄を複数印刷した、演出用の機械的なリール(以下、演出用リールという)を複数設けるとともに、上述した遊技情報表示領域GSに表示される各種情報を表示するための表示器(たとえば、7セグメント表示器、LED、ランプなど)を別途設けても良い。この場合、上述した遊技の進行に合わせて、演出用リールを回転させた後、適宜図柄を停止表示させ、あたかも演出用リールに停止表示された図柄組合せによって、役が成立したかのような演出を行うようにしても良い。
表示装置25の下側には、概略水平の操作パネル部30が設けられている。操作パネル部30の上面右側には、スロットマシン10において、遊技媒体として用いられているメダルを投入することができるメダル投入口32が設けられている。このメダル投入口32の内部には、メダルカウンタ(図示略)が設けられており、メダル投入口32から投入されたメダルの枚数をカウントする。なお、遊技媒体はメダルに限らず、たとえば、パチンコ機などで使用される遊技球を用いるようにしても良い。また、操作パネル部30の上面左側には、クレジットされているメダルをスロットマシン10へ投入することができる1−ベットスイッチ34および最大ベットスイッチ35が設けられている。ここで、1−ベットスイッチ34は、1回操作されるごとにクレジットされているメダルのうち1枚だけを遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。最大ベットスイッチ35は、クレジットされているメダルのうち3枚を遊技の賭けの対象としてスロットマシン10へ投入するためのスイッチである。なお、スロットマシン10では、3枚のメダルを投入することで、1回の遊技を行うことができる。
各種ベットスイッチ34,35を操作してメダルを投入した場合は、後述するRAM110に記憶されているクレジット数から、投入されたメダルの枚数が減算され、これに伴って、表示装置25の遊技情報表示領域GSに表示されているクレジット数の値も減算される。また、3枚のメダルが既に投入されている状態で、さらにメダル投入口32からメダルが投入されると、当該投入されたメダルの枚数が、RAM110に記憶されているクレジット数に加算されるとともに、表示装置25の遊技情報表示領域GSに表示されているクレジット数の値に加算される。
操作パネル部30の前面左側には、スタートスイッチ36が傾動可能に設けられている。そして、遊技者がスロットマシン10に3枚のメダルを投入した後、スタートスイッチ36を傾動操作すると、前述した3つのリール40L,40C及び40Rが一斉に回転を開始し、リール40L,40C及び40Rの各外周面に印刷された図柄が、表示窓22において上から下へと移動表示される。操作パネル部30の前面中央部には、3つのストップスイッチ37L,37C及び37Rが設けられている。ここで、左ストップスイッチ37Lは左リール40Lに対応し、中ストップスイッチ37Cは中リール40Cに対応し、右ストップスイッチ37Rは右リール40Rに対応している。ストップスイッチ37L,37C及び37Rは、3つのリール40L,40C及び40Rの回転速度が一定速度に達したときに、遊技者による操作が有効となる。そして、左ストップスイッチ37Lを遊技者が押動操作したときには、左リール40Lが停止し、中ストップスイッチ37Cを押動操作したときには、中リール40Cが停止し、右ストップスイッチ37Rを押動操作したときには、右リール40Rが停止する。このとき、3つのリール40L、40C及び40Rに描かれている13個の図柄のうち、いずれか1つの図柄が、その中心位置と、表示窓22の縦方向における中央位置とが、一致する位置(以下、「定位置」という)に停止表示されるように、リール40L、40C及び40Rの停止制御が行われる。
操作パネル部30の下側には、スロットマシン10の機種名や、遊技のモチーフとして用いられているキャラクタなどが描かれた下部パネル50が配設されている。さらに、下部パネル50の下方略中央には、リール40L、40C及び40Rが停止したとき、表示窓22内に停止表示された図柄の組合せが、予め定められた枚数のメダルを払い出すこととなる役(以下、小役という)に対応していた場合、当該小役に対応付けられた枚数のメダルがメダル払出口60から払い出され、受け皿61へ排出される。また、メダル払出口60の右側および左側には、各々、スロットマシン10内部に収納されたスピーカ64R,64L(後述する)から発せられた音を外部へ出すための透音孔62R,62Lが設けられている。さらに、前述した上部パネル20の上方には、リール40L、40Cおよび40Rが停止し、何らかの役が成立した場合、成立した役に応じて点滅する上部効果ランプ70が設けられている。
次に、図2を参照して、リール40L、40C及び40Rの各外周面に貼り付けられるリールテープに印刷された図柄の配列について説明する。前述したように、リール40L、40C及び40Rの各外周面には13個の図柄が印刷されているが、これらは6種類の図柄A,B,C,D,E,Fからなっている。また、各リールにおいて、各々2種類の図柄(左リール40Lにおいては「A」と「B」、中リール40Cにおいては「C」と「D」、右リール40Rにおいては「E」と「F」)が交互に配置されていることから、表示窓22に表示され得る図柄組合せは、全部で2の3乗通り(8通り)となる。ここで、アルファベット「A」〜「F」は、図柄の種類を示しているに過ぎず、実際の図柄を示すものではない。リール40L、40C及び40Rの各々に貼り付けられるリールテープには、これら6種類の図柄が、図2に示すように、各リールにおいて交互に13個ずつ、等間隔に印刷され、各図柄には、固有の番号(以下、図柄番号という)が予め付与されている。このようなリールテープを、各々対応するリール40L、40C及び40Rの外周面に張り付けると、図2に示す各図柄配列において、図柄番号13と図柄番号1の図柄が連続することになる。また、リール40L、40C及び40Rが回転すると、表示窓22内に表示される各リールの図柄は、図柄番号の値が増加する方向に移動表示されることになる。たとえば、リール表示窓22に図柄番号1の図柄が表示されていた場合は、図柄番号1→2→3→……→12→13→1→2→……と循環的にスクロール表示される。
<制御回路の説明>
スロットマシン10を制御する制御回路は、主制御回路100と副制御回路200とで構成される。ここで、主制御回路100のブロック図を図3に示し、これに電気的に接続されている副制御回路200のブロック図を図4に示す。なお、図3および図4において、図1に示した各部と同じ構成については同一の符号を付し、その詳しい説明を省略する。図1に示したスタートスイッチ36は、主制御回路100のインターフェイス回路102に接続され、インターフェイス回路102は、入出力バス104に接続されている。スタートスイッチ36から発せられたリール回転開始信号は、インターフェイス回路102において所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。入出力バス104は、中央処理回路(以下、CPUと称する)106にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。上述したリール回転開始信号は、「操作信号」の1つを構成する。また、上述したインターフェイス回路102には、ストップスイッチ37L,37C及び37R、並びに1−ベットスイッチ34及び最大ベットスイッチ35も接続されている。これらのボタンやスイッチから発せられる信号もインターフェイス回路102に供給され、所望の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。上述したストップスイッチ37L,37C又は37Rから発せられる信号も、操作信号を構成する。また、インターフェイス回路102には、接続線118も接続されており、主制御回路100は、接続線118によって後述する副制御回路200と電気的に接続されている。
上述した入出力バス104には、ROM(リード・オンリー・メモリ)108及びRAM(ランダム・アクセス・メモリ)110も接続されている。ROM108は、スロットマシンの全体の流れを制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶する。例えば、後述する図6〜図8に示す各種役抽選テーブル、図9に示す各種の役に対応する図柄組合せ、後述する各RTの規定遊技回数の初期値などの他、リール停止制御時に参照されるリール停止制御テーブルなどのデータなどを記憶する。RAM110は、上述した制御プログラムで使用する各種フラグ(たとえば、後述する各種役に対応した当選フラグ、再遊技成立フラグなど)や各種変数の値(表示窓22に表示されている図柄番号の値、後述する各RTの規定遊技回数など)を一時的に記憶することができる。また、RAM110には、現在のスロットマシン10における遊技状態を示す遊技状態情報も記憶される。スロットマシン10の遊技状態には、一般遊技、MBa、および、MBbの3種類があり、さらに一般遊技状態において、RT0(非RT),RT1,RT2,RT3,RT4,RT5の6種類のRT状態が存在する。そして、RAM110には、現在の遊技状態を示す情報と、RT0〜RT5のいずれであるのかを示す情報とが、遊技状態情報として記憶される。なお、各RTの特徴については、後に詳しく説明する。
入出力バス104には、乱数を発生させるための乱数発生器112も接続されている。乱数発生器112は、一定の範囲の数値、例えば0〜65535(2の16乗)の範囲で乱数(整数)を発生させる。なお、CPU106の演算処理により乱数を発させるように構成してもよい。また、入出力バス104には、モータ駆動回路114が接続されている。モータ駆動回路114には、上述した3つのリール40L,40C,40Rの各々を回転駆動するステッピングモータ80L,80C,80Rが接続されている。ステッピングモータ80L,80C,80Rの各々は、3つのリール40L,40C,40Rの内周側に設けられ、ステッピングモータ80L,80C,80Rの回転シャフトにリール40L,40C,40Rの回転中心が取り付けられている。
CPU106から発せられる駆動制御命令は、モータ駆動回路114により駆動信号に変換され、駆動信号はステッピングモータ80L、80C及び80Rに供給される。なお、駆動制御命令には、回転速度の命令も含まれており、ステッピングモータ80L,80C,80Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御も行う。CPU106は、上述したように、ステッピングモータ80L,80C,80Rを制御することで、リール40L、40C及び40Rの回転制御及び停止制御を行うとともに、回転速度の制御を行う。リール40L、40C及び40Rの各々には、各リールの回転角度位置を検出するための回転角度位置センサ(図示せず)が設けられており、回転角度位置センサは、リール回転角度位置検出回路116に接続されている。リール40L、40C及び40Rの各々の回転角度位置を示す信号が回転角度位置センサから発せられたときには、リール回転角度位置検出回路116に供給され、所定の信号に変換された後、入出力バス104に供給される。そして、CPU106は、供給された回転角度位置から図柄番号を算出し、表示窓22に表示される各リールの図柄を特定する。
次に、副制御回路200の構成を示すブロック図を図4に示す。上述した接続線118は、副制御回路200の入出力バス204に接続されているインターフェイス回路202に接続される。主制御回路100から副制御回路200に送信された各種情報は、インターフェイス回路202において所望の信号に変換された後、入出力バス204に供給さ、RAM210に格納される。入出力バス204は、CPU206にデータ信号又はアドレス信号が入出力されるようになされている。この入出力バス204には、ROM208、RAM210、ランプ駆動回路218、表示駆動回路220、および、スピーカ駆動回路222も接続されている。
ROM208は、ランプ駆動回路218、表示駆動装置220、スピーカ駆動回路222を制御する制御プログラムや、制御プログラムを実行するための初期データを記憶している。また、ROM208は、表示装置25に表示するための種々の画像データ、スピーカ64L,64Rから発するための演奏音データ、上部効果ランプ70を点滅させるパターンデータなども記憶している。また、RAM210には、上述した制御プログラムを実行する過程で発生する各種データの他、主制御回路100から送信されてきた役抽選の結果、現在の遊技状態、および、遊技者に払い出されたメダルの枚数などの情報も記憶される。
ランプ駆動回路218は、主制御回路100から供給される各種情報信号に基づいてCPU206から出力される駆動指令に応じて上部効果ランプ70を点灯駆動する。また、表示駆動装置220は、主制御回路100から供給される情報信号に基づいてCPU206によってROM208から読み出された画像データや文字データ等を、表示装置25に表示させる。これにより、表示装置25には、画像データが演出画面として表示されたり、文字データがメッセージとして表示されたりする。スピーカ駆動回路222は、主制御回路100から供給される情報信号に基づいてCPU206によってROM208から読み出された音声データに応じてスピーカ64R,64Lを駆動し、図1に示した透音孔62R,62Lから音声を出力させる。
(機能ブロック図の説明)
次に、スロットマシン10の制御回路の機能ブロック図を図5に示す。制御回路として、主制御回路100と副制御回路200が電気的に接続され、主制御回路100には、操作手段300が電気的に接続され、また、リール40L,40C,40Rの各々に設けられたモータ80L,80C,80Rが電気的に接続されている。副制御回路200には、スピーカ64L,64R、表示装置25、および、上部効果ランプ70を備える報知手段600が電気的に接続されている。操作手段300は、スタートスイッチ36からなる遊技開始指示手段310と、3つのストップスイッチ37L、37C及び37Rからなるリール停止指示手段320と、ベットスイッチ34及び35とから構成される。この操作手段300は、スイッチに限られず、遊技者の四肢を用いた操作に基づいて操作信号を発生させるものであれば、あらゆる手段が適用できる。また、報知手段600は、音や光など遊技者の聴覚的、視覚的に報知を行うものに限らず、たとえば、スロットマシン10の内部にバイブレータなどの振動発生装置を設けて特定の部位を振動させ、遊技者の触覚によって認知される報知を行うようにしても良い。
<主制御回路100の説明>
主制御回路100は、役抽選手段410と、役抽選結果記憶手段420と、リール制御手段430と、入賞判定手段440と、役抽選確率変動手段450と、入賞処理手段460とを含む。役抽選手段410は、役抽選処理によって、予め定められた役のうち、いずれか1つまたは複数の役に当選したか否かを定めるものである。上述した予め定められた役には、大別すると、小役、再遊技役、特別役の3種類がある。小役は、成立すると予め定められた枚数のメダルが遊技者に払い出されることとなる役であり、払い出されるメダルの枚数に応じて複数種類の小役が定められている。再遊技役は、成立すると次の遊技に限って遊技媒体を投入することなく再度遊技を行うことができる役である。この再度行うことができる遊技を再遊技という。特別役は、成立すると、次の遊技から所定の終了条件が満たされるまで、小役が入賞する確率が高くなる特別遊技が開始されることとなる役である。この特別遊技には、メダルの払出枚数が181枚以上になると終了するミドルボーナスゲームa(以下、MB遊技aという)と、メダルの払出枚数が121枚以上になると終了するミドルボーナスゲームb(以下、MB遊技bという)という、終了条件が異なる2種類のミドルボーナスゲームがある。そして、次の遊技からMB遊技aが開始されることとなる役をMB役a、MB遊技bが開始されることとなる役をMB役bという。
役抽選手段410は、例えば、図3に示した乱数発生器112(ハード乱数等)と、この乱数発生器112が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段412と、乱数抽出手段412が抽出した乱数値をROM108に記憶された役抽選テーブルと照合することで、当選した役の有無及び当選した役を判定する乱数判定手段414とを備えている。この役抽選手段410による制御処理は、後述する役抽選処理サブルーチン(図12参照)のステップS54〜S84に示される。また、ステップS42の処理により、役抽選は一般遊技中のみ実行され、MB遊技aまたはMB遊技b中は実行されることはない。以下に、上述した役抽選の対象となる役の種類について、図6を参照して説明するとともに、役抽選で用いられる役抽選テーブルの内容について、図7〜図9を参照して説明する。
図6は、役抽選の対象となる役の名称と、各役(ハズレも含む)に対応するリール40R,40C,40Lによる図柄組合せの内容を示したものである。この図に示すように、上述した役抽選手段410による役抽選の対象となる役には、MB役a、MB役b、小役1、小役2、再遊技役1、および、再遊技役2の6種類の役がある。また、小役1には2通りの図柄組合せ「A−D−F」および「B−D−F」が対応付けられ、他の役には各々固有の1通りの図柄組合せが対応付けられている。これら6種類の各役は、リール40R,40C,40Lが回転し、その後停止したときに表示窓22に表示された図柄組合せが、図6に示す各役に対応する図柄組合せのいずれかと一致した場合、当該図柄組合せに対応する役が成立したことになる。なお、再遊技役1(図柄組合せ:A−D−E)および再遊技役2(図柄組合せ:B−D−E)は、対応する図柄組合せが異なっているが、いずれの再遊技役が成立しても、次の遊技はメダルを投入することなく行うことができる。また、小役1が成立したときは15枚のメダルが払い出され、小役2が成立したときは1枚のメダルが払い出されることなる。以下では、これら小役1または小役2が成立することを、特に「入賞」という。さらに、表示窓22に表示された図柄組合せが、図6に示す各役に対応する図柄組合せのいずれとも一致しなかった場合(図柄組合せ:A−C−F)は、ハズレとなる。
次に図7〜図9は、役抽選において参照される各種役抽選テーブルの内容を示すものであり、各図には、役抽選の対象となる役(但しハズレも含む)の名称と、各役に対応した抽選結果番号と、各役に対する置数とが示されている。ここで、置数は、乱数発生器112が発生し得る各数値(0〜65535の全65536個)について、役抽選の対象となっている各役と、ハズレとに、それぞれ対応付けられている数値の数を示したものである。よって、各役抽選テーブルに示されている置数を、65536で除した値が、各役またはハズレの当選確率となる。なお、乱数発生器112が発生し得る各数値と、抽選対象となっている各役とを、具体的にどのように対応づけるかについては、従来の方法を採用するものとして詳しい説明を省略する。
図7〜図9に示すように、各役抽選テーブルにおいて、役抽選の対象となる役の内容はいずれも共通しており、特にMB役aおよびMB役bは、いずれの役抽選テーブルにおいても、小役2と共に当選するようになっている(抽選結果番号1,2参照)。また、小役2・MB役a(抽選結果番号1)、小役2・MB役b(抽選結果番号2)、小役2(抽選結果番号3)、および、小役1(抽選結果番号4)の当選確率も、各役抽選テーブルで共通になっている。これに対して、ハズレとなる確率は、各役抽選テーブルの間で異なっており、図7に示す内容の役抽選テーブルでは1/20、図8に示す内容の役抽選テーブルでは1/150、図9に示す内容の役抽選テーブルでは1/400になっている。また、このハズレとなる確率の違いは、再遊技役1および再遊技役2の当選確率に影響を及ぼしており、図7に示す内容の役抽選テーブルでは、再遊技役1および再遊技役2の合成当選確率が1/7.3、図8に示す内容の役抽選テーブルでは1/5.5、図9に示す内容の役抽選テーブルでは1/5.4になっている。これは、再遊技役とハズレとなる確率との合成確率は、いずれの役抽選テーブルにおいても1/5.35であるが、再遊技役の当選確率と、ハズレとなる確率の割合は、各役抽選テーブルの間で異なっているということもできる。
図7〜図9に示す内容の各役抽選テーブルは、いずれも一般遊技中に使用されるものであるが、現在のRT状態がRT0〜RT5のいずれであるかによって使い分けられる。ここで、図7に示す内容の役抽選テーブルは、RT0,RT3,RT4,RT5の状態にあるときに使用される。また、図8に示す内容の役抽選テーブルは、RT1の状態にあるときに使用され、図9に示す内容の役抽選テーブルは、RT2の状態にあるときに使用される。この役抽選テーブルの切り替えは、後述する役抽選確率変動手段450(図5参照)によって行われる。
なお、本実施形態では、RT状態がRT0およびRT3〜RT5のいずれかである場合、1つの役抽選テーブル(図7参照)を共用しているが、各RT状態で、各役の当選確率が異なる固有の役抽選テーブルを使用するようにしてもよい。この場合、RT0およびRT3〜RT5の各RT状態で各役の当選確率を大幅に変えたくないときは、たとえば、各RT状態に対応する役抽選テーブルにおいて、再遊技役1および再遊技役2の置数の割合のみを僅かに異ならせた(置数を1〜2程度増減させた)役抽選テーブルを用いるとよい。具体例としては、RT0のときに図7に示す役抽選テーブル(再遊技役1の置数が655、再遊技役2の置数が8323)を使用するとした場合、RT3用の役抽選テーブルにおける再遊技役1の置数を656、再遊技役2の置数を8322、RT4用の役抽選テーブルにおける再遊技役1の置数を654、再遊技役2の置数を8324、RT5用の役抽選テーブルにおける再遊技役1の置数を653、再遊技役2の置数を8325、というように、再遊技役1の置数と再遊技役2の置数との割合を僅かに異ならせる。
図5に戻り、役抽選結果記憶手段420には、乱数判定手段414によって判定された役抽選の結果が保存される。すなわち、図6に示した各役について、役抽選の結果、当選したか、当選しなかった(以下、非当選という)かを示す情報を記憶する。この役抽選結果記憶手段420は、具体的には、図3に示したRAM110に相当する。すなわち、RAM110において、図6に示した各役に対応して当選フラグの値を記憶するための記憶領域が確保されており、役抽選の結果、当選した役に対応する当選フラグの値が乱数判定手段414によって“1”にセット(オン)される。
リール制御手段430は、スタートスイッチ36から発信されたリール回転開始信号を受信することによって、モータ80L,80C,80Rを駆動してリール40L,40C,40Rを回転させ、ストップスイッチ37L,37C,37Rから発信されたリール停止信号を受信することによって、リール40L,40C,40Rを停止させる、リール作動に関する制御を行う。ここで、リール制御手段430は、一般遊技中停止制御手段432と、特別遊技中停止制御手段434を備えており、一般遊技中と、MB遊技中とで異なるリール停止制御を行う。
まず、一般遊技中においては、一般遊技中停止制御手段432によって、役抽選手段410による役抽選で当選した役に対応する図柄組合せが表示窓22に表示されるように、または、役抽選でハズレだった場合は何らかの役に対応する図柄組合せが表示されないように、リール40L,40C,40Rを停止させる。このようなリール停止制御を実現するために、一般遊技中停止制御手段432には、ストップスイッチ37L,37C,37Rからリール停止信号を受信してから、実際にリール40L,40C,40Rを停止させるまでの間に、最大で2図柄分、リールを回動させることができる余裕が与えられている。すなわち、図2に示したように、各リールにおける図柄配列は、2種類の図柄(左リール40Lにおいては図柄「A」と図柄「B」、中リール40Cにおいては図柄「C」と図柄「D」、右リール40Rにおいては図柄「E」と図柄「F」)が交互に配置されており、また、図6に示したように、ハズレを含め、各役に対応する図柄組合せが、各リールにおける2種類の図柄の組合せによって定まっている。これにより、いかなるタイミングでストップスイッチ37L,37C,37Rからリール停止信号を受信しても、役抽選結果記憶手段420において、当選を示している役に対応する図柄組合せを、表示窓22に停止表示させることができる。
すなわち、リール40L,40C,40Rの図柄配列が、図2に示す内容になっており、かつ、リール停止信号を受信してから実際にリールを停止させるまでの間に、最大で2図柄分、リールを回動させることができる余裕があることから、遊技者がMB役aまたはMB役bに対応する図柄組合せを表示窓22に停止表示させることができるタイミングで、ストップスイッチ37L,37C,37Rを操作したとしても、小役1、小役2、再遊技役1、および、再遊技役2役に対応する図柄組合せのうち、任意の図柄組合せを表示窓22に停止表示させることができる。よって、小役1、小役2、再遊技役1、および、再遊技役2は、「リール停止指示手段からの停止指示のタイミングが、特別役を成立させることができるタイミングだった場合、該タイミングに応じて成立させることができる所定の役」に相当する。
一方、MB遊技aまたはMB遊技b中は、特別遊技中停止制御手段434によって、ストップスイッチ37L,37C,37Rからリール停止信号を受信したタイミングのみに従ってリール40L,40C,40Rの停止制御を行う。具体的には、まず、ストップスイッチ37Lからリール停止信号を受信した場合は、そのときのリールの回転位置において、前述した「定位置」に停止させることができる直近の図柄を表示窓22に表示させる。たとえば、ストップスイッチ37Lからリール停止信号を受信したときに、リール40Lの回転位置が、表示窓22内において図柄番号9の図柄「A」と、図柄番号10の図柄「B」との中間位置を表示する位置にあった場合、特別遊技中停止制御手段434は、図柄番号10の図柄「B」が「定位置」に達したときに、リール40Lを停止させる。これとは別に、たとえば、リール40Lの回転位置が、表示窓22内において図柄番号2の図柄「B」と、図柄番号3の図柄「A」との中間位置を表示する位置にあった場合は、図柄番号3の図柄「A」が「定位置」に達したときに、リール40Lを停止させる。
さらに、ストップスイッチ37Cからリール停止信号を受信した場合は、直近の図柄「D」が表示窓22に表示されるようにリール40Cを停止させ、ストップスイッチ37Rからリール停止信号を受信した場合は、直近の図柄「F」が表示窓22に表示されるように、リール40Rを停止させる。このように、特別遊技中停止制御手段434は、ストップスイッチ37L,37C,37Rからのリール停止信号に応じて、図柄組合せ「A−D−F」または「B−D−F」が表示窓22に表示されるように、各リールを停止させる。よって、MB遊技aまたはMB遊技b中は、常に小役1が入賞することになる(図6参照)。
次に、入賞判定手段440は、リール制御手段430によってリール40L,40C,40Rのすべてについて停止制御が行われると、図6に示した各図柄組合せを参照して、表示窓22に何らかの役に対応する図柄組合せが表示されたか否か(すなわち、1回の遊技の遊技結果)を判定する。また、入賞判定手段440は、遊技状態移行手段442、RT状態移行手段444、および、役抽選結果更新手段446を備え、上記遊技結果の判定後の各種処理を行う。
まず、遊技状態移行手段442は、上述した判定の結果に応じて現状の遊技状態を、他の遊技状態へ移行させる。具体的には、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報(一般遊技、MB遊技a、または、MB遊技bのいずれか)を、上述した入賞判定の結果に応じて更新する。すなわち、現在の遊技が一般遊技中の時に、MB役aが成立した場合は、遊技状態を一般遊技からMB遊技aに更新し、MB役bが成立した場合は、遊技状態を一般遊技からMB遊技bに更新する。また、MB遊技a中の時に、小役1に入賞したと判定され、これにより、当該MB遊技a中に払い出されたメダル枚数の累計が、181枚以上になった場合は、遊技状態をMB遊技aから一般遊技に更新する。さらに、MB遊技b中の時に、小役1に入賞したと判定され、これにより、当該MB遊技b中に払い出されたメダル枚数の累計が、121枚以上になった場合は、遊技状態をMB遊技bから一般遊技に更新する。
次にRT状態移行手段444は、現在の遊技状態が一般遊技中であり、かつ、予め定められていた複数種類の条件のうち、いずれかが成立した場合、現状のRT状態から予め定められたRT状態へ移行させる。ここで、RT状態の移行について、図10を参照して説明する。ここで、図10の(a)は、移行し得るRT状態の種類と、各々特徴とを表にまとめたものであり、(b)は、現在のRT状態と、移行条件と、当該移行条件が成立したときに移行するRT状態との関係を表にまとめたものであり、(c)は、(b)に示した関係を遷移図で表したものであり、楕円で示すRT0〜RT5は、遊技状態が一般遊技中であることを意味し、矩形で示すMB遊技aおよびMB遊技bは、それぞれの遊技状態が、MB遊技a中およびMB遊技b中であることを意味している。
図10(a)に示すように、スロットマシン10には、前述したとおり、RT0〜RT5の6種類のRT状態が予め定められている。そして、RT0、RT3、RT4、RT5については、図7に示した内容の役抽選テーブルが使用されるため、ハズレ確率が1/20、再遊技役当選確率が1/7.3となる。また、RT1では、図8に示した内容の役抽選テーブルが使用されるため、ハズレ確率が1/150、再遊技役当選確率が1/5.5となり、RT2では、図9に示した内容の役抽選テーブルが使用されるため、ハズレ確率が1/400、再遊技役当選確率が1/5.4となる。さらに、RT1、RT2、RT3には、それぞれ規定遊技数が定められている。この規定遊技回数はRT移行条件の1つであり、そのRT状態において規定遊技回数の遊技が行われると、他のRT状態へ移行することとなる。RT状態の移行条件には、上述した規定遊技回数の他にも、図10(b)に示すように、役抽選でMB役bが当選したこと(MB役b内部当選)、再遊技役1に対応する図柄組合せが表示窓22に停止表示されたこと(再遊技役1成立)、および、再遊技役2またはハズレに対応する図柄組合せが表示窓22に停止表示されたこと(再遊技役2成立又はハズレ)も含まれている。
上述した移行条件のうち、どの条件が成立すればどのRT状態が移行するのかについては、現状のRT状態に応じて予め定められている。すなわち、図10(b)、(c)に示すように、RT1、RT2、RT3において、各々の規定遊技回数の遊技が行われると、いずれの場合もRT0へ移行する(遷移「C」,「H」,「K」参照)。また、RT4を除くRT状態のときに、役抽選でMB役bに内部当選すると、いずれの場合もRT4へ移行する(遷移「B」,「F」,「I」,「L」,「P」参照)。これにより、RT4の状態にあるときは、RAM110において、必ずMB役bに対応する当選フラグの値が“1”にセットされた状態になっている。さらに、RT1およびRT5において、再遊技役2またはハズレが成立すると、いずれの場合もRT3へ移行することとなり(遷移「E」,「O」参照)、RT1において再遊技役1が成立すると、RT2へ移行する(遷移「D」参照)。また、RT4を除くRT状態のときに、MB役aに対応する図柄組合せが表示窓22に停止表示されると(MB役a成立)、遊技状態が一般遊技(RT状態)からMB遊技aへ移行する(遷移「A」,「G」,「J」,「M」,「Q」参照)。そして、MB遊技aが終了すると、遊技状態が再び一般遊技となり、そのときのRT状態はRT5となる(遷移「R」参照)。さらに、RT状態が、一旦RT4へ移行すると、もはや他のRT状態へは移行せず、専らMB役bの成立によって遊技状態がMB遊技bへ移行することになる(遷移「N」参照)。そして、MB遊技bが終了すると、遊技状態が再び一般遊技となり、そのときのRT状態はRT1となる(遷移「S」参照)。
現在どのRT状態になっているのかを示す情報は、RAM110に記憶されており、上述した移行条件が成立し、あるRT状態から他のRT状態へ移行する場合は、RT状態移行手段444によって、当該情報が更新される。そして、RAM110に記憶された現在のRT状態に応じて、後述する役抽選確率変動手段450によって、役抽選に使用される役抽選テーブルの切り替えが行われる。
なお、図10(c)において、実線の矢印で示す遊技状態の遷移については、後述する一般遊技中処理(図14参照)で実施される。また、破線の矢印で示す遊技状態の遷移については、後述するRT移行処理(図15参照)で、一点鎖線の矢印で示す遊技状態の遷移については、後述する役抽選処理(図12参照)で、二点鎖線の矢印で示す遊技状態の遷移については、後述するMB遊技中処理(図16参照)で、それぞれ実施される。
図5に戻り、役抽選結果更新手段446は、前述した遊技結果の判定の後、役抽選結果記憶手段420に記憶されている役抽選の結果を示す情報をクリアする。具体的には、RAM110に記憶されている、各役に対応する当選フラグの値のうち、“1”にセットされているものがあった場合、“0”にリセットする。ただし、MB役aまたはMB役bに対応する当選フラグの値がセットされていた場合は、対応するMB役が成立するまでクリアせず、セットされた状態を維持する。そして、前述した遊技結果の判定で、上記対応するMB役が成立したと判定されたときに、当該当選フラグの値をリセットする。以下では、MB役aおよびMB役bに対応する当選フラグをボーナスフラグといい、これらボーナスフラグの値がセットされた状態で維持されている遊技期間を、ボーナスフラグの持越し中という。役抽選結果更新手段446による処理内容は、後述する図14の一般遊技中処理サブルーチンのフローチャートに示されている。
役抽選確率変動手段450は、上述した現在のRT状態を示す情報に従って、役抽選手段410による役抽選で使用される役抽選テーブルを選択する。すなわち、RAM110に記憶されている現在のRT状態が、RT0,RT3,RT4,RT5のいずれかであった場合は、図7に示す内容の役抽選テーブルを選択し、RT1だった場合は、図8に示す内容の役抽選テーブルを選択し、RT2だった場合は、図9に示す内容の役抽選テーブルを選択する。この役抽選確率変動手段450の処理内容は、後述する図12の役抽選処理サブルーチンのステップS44〜S52に示されている。
入賞処理手段460は、入賞判定手段440により小役1また小役2のいずれかが入賞したと判定された場合、スロットマシン10の内部に設けられているホッパー(図示略)を駆動して、入賞した小役に対応する枚数のメダル(図6参照)を払い出すための制御を行う。この入賞処理手段460の処理内容は、後述するメインルーチン(図11参照)のステップS34に示される。
<副制御回路200の説明>
副制御回路200は、演出制御手段510および報知駆動手段520を備えている。演出制御手段510は、主制御回路100から送信される各種制御情報に基づいて、報知手段600で実行する演出内容を決定する。ここで、演出内容の決定には、例えば、表示装置25に表示する画像(動画または静止画)、スピーカ64L,64Rから発する効果音または楽音、上部効果ランプ70の点滅パターンなどの決定や、決定した画像、音、点滅パターンの出力タイミングなどの決定が含まれる。報知駆動手段520は、演出制御手段510が決定した演出内容に従って、報知手段600が備えるスピーカ64L,64R、表示装置25、および、上部効果ランプ70をそれぞれ駆動する。
(制御処理の説明)
以下に、上述した制御回路において行われる各種の制御について、フローチャートを参照して詳細に説明する。
図11は、主制御回路100で行われる制御処理を示すメインルーチンのフローチャートである。図12から図16は、このメインルーチンで実行される各サブルーチンのフローチャートである。これらサブルーチンのうち、図12は、役抽選手段410により行われる役抽選、RT状態移行手段444に行われる図10(c)において一点鎖線で示されるRT状態の移行制御、および、役抽選確率変動手段450により行われる役抽選テーブルの切替制御を行う役抽選処理サブルーチンのフローチャートである。図13は、リール制御手段430により、リール40L,40C,40Rの回転、停止のための制御を行うリール変動、停止サブルーチンのフローチャートである。図14は、入賞判定手段440により行われる一般遊技中における遊技結果の判定、役抽選結果更新手段446により行われる各当選フラグのリセット、および、遊技状態移行手段442により行われる一般遊技からMB遊技aまたはMB遊技bへの遊技状態の移行制御の処理を行う入賞判定処理サブルーチンのフローチャートである。また、図15は、RT状態移行手段444に行われる図10(c)において破線で示されるRT状態の移行制御の処理を行うRT移行処理サブルーチンのフローチャートである。さらに図16は、入賞判定手段440により行われるMB遊技中における遊技結果の判定、遊技状態移行手段442により行われるMB遊技aまたはMB遊技bから一般遊技への遊技状態の移行制御、および、RT状態移行手段444に行われる図10(c)において二点鎖線で示されるRT状態の移行制御の処理を行うMB遊技中処理サブルーチンのフローチャートである。
<メインルーチンの説明>
まず、図11のフローチャートを参照し、主制御回路100のCPU106によって実行されるメインルーチンの制御処理の内容について説明する。このメインルーチンでは、遊技者が遊技媒体を投入して、リール40L,40C,40Rを回転させて停止させるまでの1工程を1回とする遊技を行うときの制御処理を示す。
スロットマシン10の電源を投入すると、CPU106は、所定のセルフチェックを行い、RAM110に記憶される、各種フラグや制御データの初期値を設定する(ステップS10)。ここで、遊技状態の初期値は一般遊技であり、このときのRT状態はRT0とする。次に、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技成立フラグがオンになっているか否かを判断する(ステップS12)。この再遊技成立フラグは、前回の遊技で再遊技役が成立した場合、後述する図14に示す一般遊技中処理サブルーチンのステップS128においてオンにされる。再遊技成立フラグがオフ(NO)と判断した場合、CPU106は、メダルが投入されたか否かを判断する(ステップS14)。そして、メダルが投入された(YES)と判断したときには、ステップS20へ進み、メダル投入口32の内部に設置されたメダルカウンタでカウントした投入枚数を、ベット数として検出する。ただし、規定枚数(本実施形態では3枚)を越える枚数のメダルが投入されたときには、規定枚数を越えた分の枚数を、クレジット数としてRAM110の所定の記憶領域に記憶する。
一方、ステップS14の判断において、CPU106が、メダルが投入されていない(NO)と判断したときには、ステップS16へ進み、クレジットされているメダルが有るか否かを判断する。もし、RAM110に記憶されているクレジット数の値が0だった場合は、クレジットされたメダルがない(NO)と判断し、再びステップS14へ戻り、ステップS14とステップS16の判断処理を繰り返し実行する。これに対して、ステップS16において、クレジットされたメダルが有る(YES)と判断したときには、CPU106は、ベット操作信号を受信したか否かを判断する(ステップS18)。このベット操作信号は、遊技者がベットスイッチ34または35の何れかのスイッチを操作したときに発信される。ベット操作信号を受信していない(NO)と判断したときには、再びステップS14に戻り、ステップS14からステップS18までの判断処理を繰り返し実行する。ステップS18において、CPU106がベット信号を受信した(YES)と判断した場合、受信したベット操作信号からベット数を検出する(ステップS20)。そして、メダルの投入またはクレジットされたメダルの使用の何れの場合においても、検出したベット数を新たなベット数としてRAM110に記憶し、クレジットされたメダルを使用する場合には、同時に、RAM110に記憶していたクレジット数から、検出したベット数分の枚数だけ減じる処理を行う(ステップS22)。その後、役抽選処理サブルーチン(ステップS24)へ進む。
なお、前述したステップS12において、再遊技成立フラグがオンになっている(YES)と判断した場合、CPU106は、再遊技成立フラグをオフ(ステップS26)にして、上述したステップS14からステップS22の処理を行わずに、ステップS24の役抽選処理サブルーチンへ進む。つまり、再遊技役が成立した次の遊技では、メダルを新たに投入したり、クレジットしたメダルを消費することなく、再び遊技を行うことができる。次に、CPU106は、ステップS24の役抽選処理サブルーチンを実行し、当該サブルーチンを実行した結果、何らかの役に当選した場合は、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、当選した役の当選フラグをオンにする。この役抽選処理サブルーチンの詳細については、図12のフローチャートを用いて後述する。
次にCPU106は、ステップS24における役抽選の結果に基づいて、リール40L,40C,40Rを回転させてから停止させるリールの動きを制御するためのリール変動、停止サブルーチンを実行する(ステップS28)。このリール変動、停止サブルーチンの詳細については、図13のフローチャートを用いて後述する。次にCPU106は、ステップS28においてリール変動、停止サブルーチンを実行したことにより、リール40L,40C,40Rが停止した後、RAM110に記憶されている遊技状態を示す情報を参照し、現在の遊技状態が一般遊技であるか否かを判断する(ステップS30)。一般遊技中であった場合(YES)、CPU106は、何らかの役が成立したか否かを判定し、その判定結果に応じて、遊技状態の移行処理などを行う一般遊技中処理サブルーチンを実行する(ステップS32)。このサブルーチンの詳細については、図14のフローチャートを用いて後述する。そして、CPU106は、ステップS32で一般遊技中処理サブルーチンを実行した後、現在のRT状態と、移行条件が成立したか否かの判断結果とに基づいてRT状態の移行制御を行うRT移行処理サブルーチンを実行する(ステップS34)。このサブルーチンの詳細については、図15のフローチャートを用いて後述する。CPU106は、ステップS34でRT移行処理サブルーチンを実行した後、入賞した小役に対応する枚数のメダルを払い出す払い出し処理(ステップS36)を行う。この払い出し処理は、実際にメダルをメダル払出口60から払い出すことも可能であるし、払い出すメダルの枚数をRAM110に記憶されているクレジット数に加算して、クレジットすることも可能である。以上の制御処理によって1回分の遊技が終了し、CPU106が再びステップS12に戻る。
また、ステップS30において、現在の遊技状態がMB遊技aまたはMB遊技bであった場合(NO)、CPU106は、何らかの役が成立したか否かを判定するとともに、各MB遊技の終了条件が成立した場合は、その判定結果に応じて遊技状態の移行処理などを行うMB遊技中処理サブルーチンを実行する(ステップS38)。このサブルーチンの詳細については、図16のフローチャートを用いて後述する。そして、CPU106は、MB遊技中処理サブルーチンを実行した後、ステップS36で入賞した小役に対応する枚数のメダルを払い出す払い出し処理を行い、その後、ステップS12に戻る。このように、メインルーチンに示されるステップS12〜S36の制御処理を繰り返すことによって、遊技者は複数回数の遊技を行うことができる。
<役抽選処理サブルーチン>
次に、メインルーチンのステップS24で行われる役抽選処理サブルーチンについて、図12に示すフローチャートを用いながら詳細に説明する。
まず、CPU106は、スタートスイッチ36からスタートスイッチ操作信号を受信したか否かを判断する(ステップS40)。スタートスイッチ操作信号を受信していない(NO)と判断した場合は、再度ステップS40の判断を行い、スタートスイッチ操作信号を受信するまでこれを繰り返す。そして、スタートスイッチ操作信号を受信すると、CPU106は、RAM110に記憶されている遊技状態を示す情報を参照し、現在の遊技状態が一般遊技中であるか否かを判断する(ステップS42)。MB遊技aまたはMB遊技b中である(NO)と判断した場合、CPU106は、図12に示す役抽選処理サブルーチンを終了し、図11のステップS24の処理を行う。これに対して、一般遊技中である(YES)と判別した場合、CPU106は、さらにRAM110に記憶されているRT状態を示す情報を参照し、現在のRT状態がRT1であるか否かを判断する(ステップS44)。そして、現在のRT状態がRT1であった場合(YES)、CPU106は、ROM108に記憶されているRT1用役抽選テーブル(図8参照)を読み出す(ステップS46)。また、ステップS44において、現在のRT状態がRT1ではない(NO)と判断したときは、次にCPU106は、現在のRT状態がRT2であるか否かを判断する(ステップS48)。そして、RT2である(YES)と判断した場合、CPU106は、ROM108に記憶されているRT2用役抽選テーブル(図9参照)を読み出す(ステップS50)。さらに、ステップS48において、現在のRT状態がRT2ではない(NO)と判断した場合、CPU106は、ROM108に記憶されているRT0およびRT3〜RT5用役抽選テーブル(図7参照)を読み出す(ステップS52)。
このように、CPU106は、現在のRT状態に応じた役抽選テーブルをROM108から読み出し、当該読み出した役抽選テーブルに基づいて役抽選を行う。また、前述したように、各役抽選テーブルにおける再遊技役当選確率と、ハズレとなる確率の割合が異なっており、これを切り替えることから、ステップS44〜S50の処理によって、役抽選における役の当選確率が変動することから、ステップS42〜S52の処理は、図5に示した役抽選確率変動手段450に相当する。
上述したステップS46、S50、または、S52の処理により、CPU106が、ROM108から現在のRT状態に応じた役抽選テーブルを読み出すと、次にCPU106は、乱数発生器112で発生した乱数を取得し、読み出した役抽選テーブルと照らし合わせて何れかの役に当選したか、または、ハズレたかの判定を行う(ステップS54)。ここで、ステップS54の処理は、図5に示した乱数抽出手段412および乱数判定手段414に相当するものである。
そして、ステップS54における判定の結果、まず、CPU106は、小役2とMB役a(抽選結果番号1)、または、小役2とMB役b(抽選結果番号2)のいずれかに同時当選したか否かを判断する(ステップS56)。同時当選した場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている各当選フラグの値をチェックし、ボーナスフラグの持越し中であるか否かを判断する(ステップS58)。MB役aおよびMB役bに対応する当選フラグがいずれもセットされておらず、ボーナスフラグの持越し中でなかった場合(NO)、次にCPU106は、ステップS54において当選したと判定されたのは、MB役bであるか否かを判断する(ステップS60)。MB役bであった場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態を示す情報をRT4(RT=4)にする(ステップS62)。これにより、一般遊技中で(ステップS42,NO)、ボーナスフラグの持越し中でないときに(ステップS58,NO)、役抽選でMB役bに当選すると、RT状態は、RT0およびRT3〜RT5からRT4へ移行する。なお、ステップS62の処理は、ボーナスフラグが持越し中でないときに行われるため、現在のRT状態が、役抽選でMB役bに当選することが移行条件になっているRT4のときに行われることはない。
ステップS62の処理により、現在のRT状態がRT4に移行すると、CPU106は、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、MB役bに対応する当選フラグの値を“1”にセットし(ステップS64)、次いで小役2に対応する当選フラグを“1”にセットする(ステップS66)。一方、MB役aに当選していた場合は、ステップS60の判断結果がNOとなって、RAM110に記憶されている、MB役aに対応する当選フラグの値を“1”にセットした後(ステップS68)、ステップS66で小役2に対応する当選フラグを“1”にセットする。また、小役2とMB役a、または、小役2とMB役bのいずれかに同時当選したと判断したものの(ステップS56,YES)、既にボーナスフラグがセットされており、ボーナスフラグの持越し中であった場合は(ステップS58,YES)、抽選結果番号を「3」に変更した後(ステップS70)、ステップS66で小役2に対応する当選フラグのみを“1”にセットする。このような処理を行うことで、ボーナスフラグの持越し中に、再度、MB役aまたはMB役bに当選してしまうのを回避している。
以上のように、役抽選で、小役2とMB役a、または、小役2とMB役bのいずれかに同時当選した場合(ステップS56,YES)の処理(ステップS58〜S70)を終えると、CPU106は、当選した抽選結果番号と、“1”がセットされている当選フラグに対応する役の図柄組合せ(図6参照)を示す制御図柄データとを、ROM108から読み出してRAM110に記憶する(ステップS72)。そして、CPU106は、RAM110に記憶されている抽選結果番号、および、制御図柄データを役抽選情報として、インターフェイス回路102を介して副制御回路200へ送信する(ステップS74)。この処理を終えると、図12の役抽選処理サブルーチンの処理を終了する。なお、副制御回路200が上述した役抽選情報を受信すると、表示装置25およびスピーカ64L,64Rを用いて、当該役抽選情報に基づく演出を実行する。
さて、前述したステップS56において、CPU106が、役抽選で小役2とMB役a、または、小役2とMB役bのいずれにも当選しなかったと判断した場合(ステップS56,NO)、次にCPU106は、小役1または小役2のいずれかに当選したか否かを判断する(ステップS76)。CPU106が小役1または小役2のいずれかに当選したと判断した場合(YES)、当選した小役に対応する当選フラグを“1”にセットした後(ステップS78)、上述したステップS72で当選した抽選結果番号と、“1”がセットされている当選フラグに対応する役の図柄組合せを示す制御図柄データとを、ROM108から読み出してRAM110に記憶する。そして、ステップS74で、RAM110に記憶されている抽選結果番号、および、制御図柄データを役抽選情報として、インターフェイス回路102を介して副制御回路200へ送信した後、図12の役抽選処理サブルーチンの処理を終了する。
さらに、上述したステップS76において、CPU106が、役抽選で小役1または小役2のいずれにも当選していないと判断した場合(ステップS76,NO)、CPU106は、再遊技役1または再遊技役2のいずれかに当選したか否かを判断する(ステップS80)。CPU106が再遊技役1または再遊技役2のいずれかに当選したと判断した場合(YES)、当選した再遊技役に対応する当選フラグを“1”にセットした後(ステップS82)、前述したステップS72で当選した抽選結果番号と、“1”がセットされている当選フラグに対応する役の図柄組合せを示す制御図柄データとを、ROM108から読み出してRAM110に記憶する。そして、ステップS74で、RAM110に記憶されている抽選結果番号、および、制御図柄データを役抽選情報として、インターフェイス回路102を介して副制御回路200へ送信した後、図12の役抽選処理サブルーチンの処理を終了する。
なお、ステップS80で、いずれの再遊技役にも当選していないと判断した場合(NO)は、そのままステップS72で当選した抽選結果番号と、“1”がセットされている当選フラグに対応する役の図柄組合せを示す制御図柄データとを、ROM108から読み出してRAM110に記憶する。そして、ステップS74で、RAM110に記憶されている抽選結果番号、および、制御図柄データを役抽選情報として、インターフェイス回路102を介して副制御回路200へ送信した後、図12の役抽選処理サブルーチンの処理を終了する。
<リール変動、停止サブルーチンの説明>
図11のメインルーチンにおいて、上述の役抽選処理サブルーチン(ステップS24)が終了すると、次にCPU106は、リール変動、停止サブルーチン(ステップS28)の処理を実行する。以下、図13に示すリール変動、停止サブルーチンのフローチャートを用いて詳細な説明を行う。
まず、CPU106は、図12のステップS72で記憶した抽選結果番号と制御図柄データを読み出す(ステップS90)。そして、前回の遊技でリール40L,40C,40Rが回転を開始してから、予め定められた最短時間(たとえば4.1秒間)を経過したか否かを判断する(ステップS92)。もし、最短時間が経過していない(NO)と判断したときには、このステップS92の判断処理を繰り返し実行する。つまり、最短時間が経過するまで、次の工程であるリールの回転開始が行われないようになっている。これより、一定時間内に行われる遊技によって消費されるメダルが、所定枚数を越えないような制御を行っている。最短時間が経過した(YES)と判断した場合、CPU106は、リール回転開始信号をモータ駆動回路114へ送信する(ステップS94)。この信号に基づいて、モータ駆動回路114は、モータ80L、80C、80Rの駆動を開始し、リール40L、40C、40Rが回転を始める。
次に、CPU106は、回転を始めたリールが定速回転になっているか否かを判断する(ステップS96)。リールの回転がまだ定速回転になっていない(NO)と判断したときには、このステップS96の判断処理を繰り返す。つまり、リールの回転が定速回転に達するまでは、次の工程であるリールの停止制御が行われないようになっている。CPU106が、リールの回転が定速回転になっている(YES)と判断した場合、次に、ストップスイッチ37L,37C,37Rから、リール停止信号を受信したか否かを判断する(ステップS98)。このリール停止信号は、ストップスイッチ37L,37C,37Rの各々から、遊技者によって押動操作されたときに発信される。また、CPU106は、リール停止信号を発信したストップスイッチに対応するリールの停止制御を行う。すなわち、左ストップスイッチ37Lからリール停止信号が発信された場合には、左リール40Lを回転させるモータ80Lの停止制御が行われる。同様に、中ストップスイッチ37Cからリール停止信号が発信された場合には、中リール40Cを回転させるモータ80Cの停止制御が行われ、右ストップスイッチ37Rからリール停止信号が発信された場合には、右リール40Rを回転させるモータ80Rの停止制御が行われる。
CPU106は、リール停止信号を受信した(YES)と判断した場合、リール停止信号を発信したストップスイッチを示すリール停止情報信号を、副制御回路200へ送信する(ステップS100)。次いでCPU106は、ステップS90でRAM110から読み出した各種情報に基づいて、図柄組合せ制御を行う(ステップS102)。図柄組合せ制御においては、リール停止信号を受信したときに表示窓22に表示されていた図柄位置から、最大2図柄分、リールが回動するまで停止位置をずらすことが可能であり、この範囲内で、各遊技状態(一般遊技またはMB遊技)に応じたリールの停止制御を行う。
すなわち、MB遊技中は、左リール40Lについては、ストップスイッチ37Lからリール停止信号を受信すると、そのときのリールの回転位置において、前述した「定位置」に停止させることができる直近の図柄を表示窓22に表示させる。また、ストップスイッチ37Cからリール停止信号を受信した場合は、直近の図柄「D」が表示窓22に表示されるようにリール40Cを停止させ、ストップスイッチ37Rからリール停止信号を受信した場合は、直近の図柄「F」が表示窓22に表示されるように、リール40Rを停止させる。
これに対して一般遊技中は、ステップS90で読み出した制御図柄データに示される図柄組合せが表示窓22に停止表示されるように、リール40L,40C,40Rの停止制御を行う。ここで、小役2とMB役a、もしくは、小役2とMB役bのいずれかに同時当選した場合、または、ボーナスフラグの持越し中の役抽選において何らかの役に当選した場合は、ステップS90において、MB役aまたはMB役bと、再遊技役または小役との、2種類の役に対応する図柄組合せを示す制御図柄データが読み出されることになる。このような場合、ステップS102における図柄組合せ制御では、再遊技役または小役に対応する図柄組合せが表示窓22に停止表示されるように、リール40L,40C,40Rの停止制御を行う。このため、MB役aまたはMB役bに対応する図柄組合せが表示窓22に表示されるのは、ステップS90で、MB役aまたはMB役bに対応する図柄組合せのみが読み出された場合のみである。すなわち、ボーナスフラグの持越し中の役抽選でハズレとなった場合のみ、MB役aまたはMB役bに対応する図柄組合せを、表示窓22に停止表示させるリール停止制御が行われる。
以上のことを踏まえて、図7〜図9に示す役抽選テーブルの内容を見ると、MB役aおよびMB役bの合成当選確率は、いずれの役抽選テーブルにおいても1/3という高い当選確率になっているが、上述したように、MB役aおよびMB役bは、ボーナスフラグの持越し中の役抽選でハズレとなったときしか成立させることができないため、MB役の実質的な成立確率は、役抽選でハズレとなる確率に左右されることになる。よって、図7に示す役抽選テーブルを用いて役抽選を行うRT0およびRT3〜RT5の状態は、MB役を成立させる確率が最も高い状態になっているといえる。これに対して図9に示す役抽選テーブルを用いて役抽選を行うRT2の状態では、たとえボーナスフラグの持越し中であっても、1/400の確率でしかMB役を成立させることができない。
次にCPU106は、すべてのリールを停止させたか否かを判断する(ステップS104)。すべてのリールが停止していない(NO)と判断した場合は、ステップS98へ戻り、再びリール停止信号に応じた図柄組合せ制御を行う。なお、ステップS98において、リール停止信号を受信していない(NO)と判断した場合は、直接ステップS104へ進み、すべてのリールを停止させたか否かを判断する。このように、すべてのリールを停止させるまで、ステップS98〜S104の処理を繰り返し行い、ステップS104で、すべてのリールが停止した(YES)と判断した場合、CPU106は、全リールが停止したことを示す全リール停止信号を副制御回路200へ送信し(ステップS106)、リール変動、停止処理を終了する。
<一般遊技中処理サブルーチンの説明>
図11のメインルーチンにおいて、上述したリール変動、停止サブルーチン(ステップS28)の終了後、現在の遊技状態が一般遊技中であると判断されると(ステップS30,YES)、CPU106は、一般遊技中処理サブルーチン(ステップS32)を行う。以下、図14に示す一般遊技中処理サブルーチンのフローチャートを用いての詳細な説明を行う。
まず、CPU106は、ROM108に記憶されている図6に示した各役に対応する図柄組合せを参照し、図13に示したリール変動、停止サブルーチンによってリール40L,40C,40Rが停止した結果、表示窓22に表示された図柄組合せが、何らかの役に対応する図柄組合せと一致するか否かの入賞図柄判定を行う(ステップS110)。そして、一致する図柄組合せに対応した役を示す情報を、遊技結果としてRAM110に記憶する(ステップS112)。次にCPU106は、ステップS112でRAM110に記憶した遊技結果を参照し、MB役aまたはMB役bに対応する図柄組合せが表示窓22に停止表示されたか否か、すなわちMB役が成立したか否かを判断する(ステップS114)。MB役が成立していた場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、“1”にセットされているMB役の当選フラグを“0”にリセットする(ステップS116)。
そしてCPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を、成立したMB役によって開始されることとなるMB遊技(すなわち、MB遊技aまたはMB遊技b)を示す内容に更新し(ステップS118)、RAM110の所定記憶領域に記憶されている総払出カウント値をクリアする(ステップS120)。この総払出カウント値は、MB遊技a中またはMB遊技b中に払い出されたメダルの総払出枚数を示すものである。次にCPU106は、RAM110に記憶されている各役に対応する当選フラグのうち、“1”にセットされている再遊技役または小役の当選フラグを“0”にリセットし(ステップS122)、図14に示す一般遊技中処理サブルーチンを終了する。
次に、ステップS114において、MB役aまたはMB役bのいずれも成立しなかったとCPU106が判断した場合(NO)、CPU106は、再遊技役1または再遊技役2が成立したか否かを判断する(ステップS124)。再遊技役1または再遊技役2のいずれかが成立したと判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている再遊技役成立フラグの値を“1”にセット(オン)する(ステップS126)。そして、ステップS122で、“1”にセットされている再遊技役または小役(この場合は、再遊技役1または再遊技役2のいずれかとなる)の当選フラグを“0”にリセットして、図14に示す一般遊技中処理サブルーチンを終了する。
さらに、ステップS124において、再遊技役1または再遊技役2のいずれも成立しなかったとCPU106が判断した場合(NO)、CPU106は、小役1または小役2が成立したか否かを判断する(ステップS128)。小役1または小役2のいずれかが成立したと判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110の所定記憶領域に記憶されている払出枚数カウント値を、成立した小役に対応するメダルの払出枚数に更新する(ステップS130)。この払出枚数カウント値は、図11に示したメインルーチンにおけるステップS36の払い出し処理において、1回の遊技が行われた結果、払い出すべきメダルの枚数として参照されるものである。なお、払出枚数カウント値は、図11のステップS36の処理によってメダルの払い出しが完了すると、その値がクリアされる。
ステップS130で、CPU106は払出枚数カウント値の更新を行うと、上述したステップS122で、“1”にセットされている再遊技役または小役(この場合は、小役1または小役2のいずれかとなる)の当選フラグを“0”にリセットして、図14に示す一般遊技中処理サブルーチンを終了する。なお、ステップS128において、小役1または小役2のいずれも成立しなかったとCPU106が判断した場合(NO)は、今回の遊技の結果がハズレだったものとみなして、そのまま図14に示す一般遊技中処理サブルーチンを終了する。
<RT移行処理サブルーチンの説明>
図11のメインルーチンにおいて、上述の一般遊技中処理サブルーチン(ステップS32)が終了すると、次にCPU106は、RT移行処理サブルーチン(ステップS34)の処理を実行する。以下、図15に示すRT移行処理サブルーチンのフローチャートを用いて詳細な説明を行う。
まず、CPU106は、RAM110の所定記憶領域に記憶されている、現在のRT状態を示す情報を参照し、RT1(RT=1)になっているか否かを判断する(ステップS140)。現在のRT状態がRT1だと判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110の所定記憶領域に記憶されている遊技数カウント値に1を加算する(ステップS142)。この遊技数カウント値は、現在のRT状態が、RT1、RT2、または、RT3のいずれかになっているときに、そのRT状態で実行された遊技の回数を示すものであり、各々のRT状態において、図10(a)に示した規定遊技回数に達したか否かを判断する際に参照される。また、ステップS142で参照される遊技数カウント値は、後述するMB遊技中処理サブルーチン(図16参照)において、MB遊技bが終了し、現在のRT状態がRT1に移行した後から計数を開始したものであるため、RT1における遊技回数を示している。
そして、CPU106は、図14のステップS112の処理によってRAM110に記憶された遊技結果を参照し、ハズレまたは再遊技役2が成立したか否かを判断する(ステップS144)。ハズレまたは再遊技役2が成立していたと判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態を示す情報をRT3(RT=3)にし(ステップS146)、RAM110に記憶されている遊技数カウント値をクリアする(ステップS148)。これにより、現在のRT状態がRT1からRT3へ移行し、次回の遊技以降、新たにRT3における遊技回数が計数されることになる。そして、ステップS148の処理を行うと、CPU106は、図15に示したRT移行処理を終了し、図11のメインルーチンにおけるステップS36の払い出し処理を行う。
上述したステップS144において、CPU106がハズレまたは再遊技役2が成立していなかったと判断した場合(NO)、CPU106は、再遊技役1が成立したか否かを判断する(ステップS150)。再遊技役1が成立していた場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態を示す情報をRT2(RT=2)にし(ステップS152)、ステップS148で、RAM110に記憶されている遊技数カウント値をクリアする。これにより、現在のRT状態がRT1からRT2へ移行し、次回の遊技以降、新たにRT2における遊技回数が計数されることになる。そして、ステップS148の処理を行うと、CPU106は、図15に示したRT移行処理を終了し、図11のメインルーチンにおけるステップS36の払い出し処理を行う。
また、ステップS150で、再遊技役1が成立していないと判断した場合(NO)、CPU106は、RAM110に記憶されている遊技数カウント値を参照し、当該遊技数カウント値が500以上であるか否かを判断する(ステップS154)。そして、遊技数カウント値が500以上になっていると判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態を示す情報をRT0(RT=0)にして(ステップS156)、現在のRT状態をRT1からRT0へ移行させた後、図15に示したRT移行処理を終了し、図11のメインルーチンにおけるステップS36の払い出し処理を行う。これに対して、ステップS154において、遊技数カウント値が、500以上になっていなかった場合(NO)は、そのまま図15に示したRT移行処理を終了する。このように、ステップS142〜S156の処理を行うことにより、現在のRT状態がRT1のときのRT移行処理が行われる。
次にステップS140において、CPU106が、現在のRT状態はRT1ではないと判断した場合(NO)、CPU106は、現在のRT状態がRT2(RT=2)になっているか否かを判断する(ステップS158)。現在のRT状態がRT2であると判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110の所定記憶領域に記憶されている遊技数カウント値に1を加算する(ステップS160)。ここで、この遊技数カウント値は、前述したステップS152の処理によって、現在のRT状態がRT2へ移行した際に、ステップS148の処理によって、新たに計数が開始されたものであるため、RT2における遊技回数を示している。
次にCPU106は、上記遊技数カウント値が900以上であるか否かを判断する(ステップS162)。遊技数カウント値が900以上になっていると判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態を示す情報をRT0(RT=0)にして(ステップS164)、現在のRT状態をRT2からRT0へ移行させる。そして、図15に示したRT移行処理を終了し、図11のメインルーチンにおけるステップS36の払い出し処理を行う。また、ステップS164において、遊技数カウント値が900以上になっていなかったとCPU106が判断した場合(NO)は、そのまま図15に示したRT移行処理を終了する。このように、ステップS160〜S164の処理を行うことにより、現在のRT状態がRT2のときのRT移行処理が行われる。
次に、ステップS158において、CPU106が、現在のRT状態はRT2ではないと判断した場合(NO)、CPU106は、現在のRT状態がRT3(RT=3)になっているか否かを判断する(ステップS166)。現在のRT状態がRT3であると判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110の所定記憶領域に記憶されている遊技数カウント値に1を加算する(ステップS168)。ここで、この遊技数カウント値は、後述するステップS178の処理によって、現在のRT状態がRT3へ移行した際に、ステップS180の処理によって、新たに計数が開始されたものであるため、RT3における遊技回数を示している。
次にCPU106は、上記遊技数カウント値が3000以上であるか否かを判断する(ステップS170)。遊技数カウント値が3000以上になっていると判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態を示す情報をRT0(RT=0)にして(ステップS172)、現在のRT状態をRT3からRT0へ移行させる。そして、図15に示したRT移行処理を終了し、図11のメインルーチンにおけるステップS36の払い出し処理を行う。また、ステップS170において、遊技数カウント値が3000以上になっていなかったとCPU106が判断した場合(NO)は、そのまま図15に示したRT移行処理を終了する。このように、ステップS168〜S172の処理を行うことにより、現在のRT状態がRT3のときのRT移行処理が行われる。
次に、ステップS166において、CPU106が、現在のRT状態はRT3ではないと判断した場合(NO)、CPU106は、現在のRT状態がRT5(RT=5)になっているか否かを判断する(ステップS174)。現在のRT状態がRT5であると判断した場合(YES)、CPU106は、図14のステップS112の処理によってRAM110に記憶された遊技結果を参照し、ハズレまたは再遊技役2が成立したか否かを判断する(ステップS176)。ハズレまたは再遊技役2が成立していたと判断した場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている現在のRT状態を示す情報をRT3(RT=3)にし(ステップS178)、RAM110に記憶されている遊技数カウント値をクリアする(ステップS180)。これにより、現在のRT状態がRT5からRT3へ移行し、次回の遊技以降、新たにRT3における遊技回数が計数されることになる。そして、ステップS180の処理を行うと、CPU106は、図15に示したRT移行処理を終了し、図11のメインルーチンにおけるステップS36の払い出し処理を行う。
<MB遊技中処理サブルーチンの説明>
図11のメインルーチンにおいて、上述したリール変動、停止サブルーチン(ステップS28)の終了後、現在の遊技状態がMB遊技aまたはMB遊技b中であると判断されると(ステップS30,NO)、CPU106は、MB遊技中処理サブルーチン(ステップS38)を行う。以下、図16に示すMB遊技中処理サブルーチンのフローチャートを用いての詳細な説明を行う。
まず、CPU106は、ROM108に記憶されている図6に示した各役に対応する図柄組合せを参照し、図13に示したリール変動、停止サブルーチンによってリール40L,40C,40Rが停止した結果、表示窓22に表示された図柄組合せが、何らかの役に対応する図柄組合せと一致するか否かの入賞図柄判定を行い(ステップS190)、小役1または小役2が入賞したか否かを判断する(ステップS192)。そして、CPU106が、小役1または小役2が入賞したと判断した場合(YES)は、RAM110の所定記憶領域に記憶されている払出枚数カウント値を、成立した小役に対応するメダルの払出枚数に更新する(ステップS194)。次いでCPU106は、RAM110の所定記憶領域に記憶されている総払出数カウント値に、成立した小役に対応するメダルの払出枚数を加算することで更新する(ステップS196)。
次にCPU106は、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を参照し、MB遊技b中であるか否かを判断する(ステップS198)。ここで、前述したステップS192で、CPU106が、小役1または小役2のいずれも入賞していないと判断した場合(NO)は、上述したステップS194およびS196の処理を行うことなく、直接ステップS198の判断を行う。現在の遊技状態がMB遊技bだった場合(YES)、CPU106は、RAM110に記憶されている総払出枚数の値を参照し、総払出枚数が121枚以上になったか否か、すなわち、MB遊技bの終了条件が成立したか否かを判断する(ステップS200)。総払出枚数が121枚未満であった場合(NO)、CPU106は、図16に示すMB遊技中処理サブルーチンを終了し、図11に示したメインルーチンのステップS36に示す払い出し処理を行う。これに対して、総払出枚数が121枚以上であった場合(YES)、CPU106は、RT状態をRT1(RT=0)にし(ステップS202)、RAM110に記憶されている遊技数カウント値をクリアする(ステップS204)。そして、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を、一般遊技に更新し(ステップS206)、図16に示すMB遊技中処理サブルーチンを終了する。
また、上述したステップS198で、CPU106が、現在の遊技状態はMB遊技aであると判断した場合(NO)は、RAM110に記憶されている総払出枚数の値を参照し、総払出枚数が181枚以上になったか否か、すなわち、MB遊技aの終了条件が成立したか否かを判断する(ステップS208)。総払出枚数が181枚未満であった場合(NO)、CPU106は、図16に示すMB遊技中処理サブルーチンを終了し、図11に示したメインルーチンのステップS36に示す払い出し処理を行う。これに対して、総払出枚数が181枚以上であった場合(YES)、CPU106は、RT状態をRT5(RT=5)にし(ステップS202)、ステップS206で、RAM110に記憶されている現在の遊技状態を示す情報を一般遊技に更新した後、図16に示すMB遊技中処理サブルーチンを終了する。
以上の構成を有するスロットマシン10では、ボーナスフラグの持越し中の役抽選で、ハズレとならない限りMB役を成立させることができないため、ハズレとなる確率を適宜変動させることで、MB役が成立する確率を制御することができる。よって、図10(b)および(c)に示すように、ハズレとなる確率を変動させる条件(移行条件)を、特定の役の成立、特定の役の内部抽選、規定遊技数の消化などを適宜設けることで、遊技者に飽きられ難く、また、遊技者の遊技意欲を低下させ難い遊技を提供することができる。また、図10に示すRT0〜RT5のように、役抽選においてハズレとなる確率が異なる遊技状態、ハズレとなる確率が同じであっても、移行条件や移行先の遊技状態が異なる遊技状態を複数定めておき、各遊技状態において、成立した移行条件に応じて予め定められた移行先の遊技状態へ遷移させることにより、MB役を成立させ易い遊技が継続する状態、または、成立させ難い遊技が継続する状態を作り出すことができ、遊技者の射幸心を適度にそそる遊技を提供することが可能となる。
また、役抽選において、MB役aおよびMB役bは、必ず小役2と同時に当選するため、MB役aまたはMB役bが当選した遊技においても、小役2が入賞することで、MB役aまたはMB役bの成立が阻止される。このため、ボーナスフラグの持越し中の遊技における役抽選で、ハズレとなる確率のみによってMB役aおよびMB役bの成立確率を制御することができる。
さらに、スロットマシン10では、上述したMB役の成立確率に関する制御を、従来のスロットマシンのように、再遊技役を成立させることができる状態で、かつ、成立させることができるタイミングでストップスイッチを操作したにもかかわらず、リール停止制御によって再遊技の成立を妨げることなく実現している。すなわち、RT0〜RT5の各RT状態において、役抽選で再遊技役1または再遊技役2が当選した場合は、当選した再遊技役を必ず成立させる。よって、遊技の公正を厳格に保つことができる。
なお、図7〜図9に示した役抽選テーブルの内容では、特別役(スロットマシン10においては、MB役aおよびMB役b)は、いずれも小役2と同時に当選することになっていたが、これに限らず、特別役が、単独で当選する役抽選テーブルを用いてもよい。ただし、図2に示した図柄配列において、図5に示した一般遊技中停止制御手段432によるリール停止制御を行う場合、役抽選でMB役aまたはMB役bが単独で当選すると、当選した遊技において、MB役が必ず成立することになるため、MB役aまたはMB役bが単独で当選する確率はできるだけ低いことが好ましい。
また、1回の遊技の中で、当選フラグがセットされ得る役の種類は、特別役と、小役または再遊技役との2種類であったが、たとえば、小役と再遊技役とが同時に当選し得る役抽選テーブルを用い、ボーナスフラグの持越し中に、特別役、小役、および、再遊技役の3種類の役に対応する当選フラグがセットされるようにしてもよい。この場合、再遊技役を最優先で成立させるが、各リールの図柄配列、リール停止制御が可能な範囲(スロットマシン10においては、2図柄分)、遊技者によるストップスイッチの操作タイミングや操作順序などの関係から、再遊技役を成立させることができない状況にあるときは、小役を入賞させ、さらに、再遊技役および小役のいずれも成立させることができない状況のときに、特別役を成立させるようなリール停止制御を行うようにする。