JP5854523B2 - スロットマシン - Google Patents
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Description
このようなフリーズは、例えば、特別(ボーナス)役の当選の有無やART遊技等に移行するか否かを報知する演出に用いられている。
本発明は、
複数種類の図柄を表示したリール(31)と、
前記リールの変動を開始するときに遊技者が操作するスタートスイッチ(41)、及び前記リールの変動を停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチ(42)を含む操作スイッチと、
遊技の進行を制御するメイン制御手段(50)と、
演出の出力を制御するサブ制御手段(80)と
を備え、
前記リールは、左、中及び右リールを有し、
前記ストップスイッチは、前記左リール、前記中リール、及び前記右リールにそれぞれ対応する左ストップスイッチ、中ストップスイッチ、及び右ストップスイッチを有し、
前記メイン制御手段は、
役の抽選を行う役抽選手段(61)と、
前記スタートスイッチが操作されたときに前記リールの変動を開始するとともに、前記ストップスイッチが操作されたときに、そのストップスイッチに対応する前記リールを停止制御するリール制御手段(64)と、
前記リールの変動を行う所定のフリーズ演出(リールを正回転又は逆回転させ、その後に中段「7」揃い又は「BAR」揃いが表示されるようにリールを仮停止させるフリーズ演出)を実行するフリーズ制御手段(70)と
を備え、
前記メイン制御手段は、前記役抽選手段による役抽選結果に関する情報を前記サブ制御手段に送信し、
前記サブ制御手段は、所定の条件を満たしている(AT遊技の抽選に当選した)ことを条件に、前記役抽選手段で所定の役抽選結果となった(レアリプレイに当選した)遊技で、前記左ストップスイッチが第一停止以外となる所定の変則押し順(昇格リプレイを入賞させるためのストップスイッチの押し順)を報知し、
前記フリーズ制御手段は、前記役抽選手段で前記所定の役抽選結果となった遊技で、前記所定の変則押し順で前記ストップスイッチが操作されたことを条件に、前記所定のフリーズ演出を実行可能に制御し、
前記所定のフリーズ演出は、所定の契機(スタートスイッチの操作)で前記リールの変動を開始し、その後に所定の図柄の組合せ(中段「7」揃い又は「BAR」揃い)が表示されるように前記リールを仮停止させるものであり、
前記リール制御手段は、前記所定のフリーズ演出が終了した後、前記リールの再変動を行うように制御し、
前記リールの再変動を行うときは、少なくとも1つのリールについて、前記リールの1回転のステップ数と同値の範囲から一の値を取得し、その値に対応する遅延時間の経過後に前記リールの回転を開始する遅延処理を実行し、
前記メイン制御手段は、前記リールの再変動を行い、すべての前記リールを所定速度になるまで加速した後、前記ストップスイッチの操作に基づき前記リールを停止可能な状態にする
ことを特徴とする。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、メイン制御手段(遊技制御手段)50とサブ制御手段(演出制御手段)80とを備える。
さらにまた、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらに、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図2では、図柄番号を併せて図示している。図2に示すように、本実施形態では、各リール31ごとに、20個の図柄表示領域が等間隔で配置されているとともに(図柄コマ数が20個)、各図柄表示領域にそれぞれ所定の図柄が表示されている。
本実施形態では、図柄組合せラインのうち、10本が有効ラインに設定されている。ここで「有効ライン」とは、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
なお、これに限らず、メダルの投入枚数は、1枚又は2枚でもよい。また、メダル投入枚数や遊技状態等に応じて、図柄組合せラインのうち、有効ライン及び無効ラインの種類及び数を設定してもよい。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像(後述するフリーズ中の演出画像、AT遊技中の押し順、役の抽選結果に対応する演出等)や、遊技情報等(後述するAT遊技の遊技回数や獲得枚数等)を表示するものである。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止すると、その役の入賞となり、その役に対応する枚数のメダルの払出し又は自動投入が行われる(ただし、特別役を除く。)。
本明細書では、「いずれかの役に対応する図柄の組合せがいずれかの有効ラインに停止する」ことを、「その役が入賞する」と称する。
また、特別役の入賞によって移行する特別遊技には、通常遊技以上に出玉率が高く、遊技者にとって有利な遊技と、メダルの増加を目的としない特別遊技とを有する。
ここで、本実施形態のMBは、MBに当選している遊技状態を作り出すことを目的とするものであり、MBを入賞させてMB遊技に移行させ、そのMB遊技で遊技者のメダルを増加させることを直接の目的とするものではない。
また、小役3は、小役3A〜小役3Cの3種類を備える。ここで、小役3B及び小役3Cは、ストップスイッチ42の押し順に応じて、小役3Aである「ANY」−「ベル」−「ANY」の図柄の組合せをどの有効ラインに停止させるかを制御するための「制御役」としての役割を有する小役であり、入賞を本来の目的とするものではない。この点については後述する。
さらに、図4において、「特定図柄」とは、抽選される役に対応する図柄の組合せではないが、後述するAT遊技を開始するときに停止表示される図柄である。特定図柄は、フリーズ中のリール演出時(後述)にスロットマシン10の制御によって停止表示されるものであり、遊技者のストップスイッチの操作によって停止表示するものではない。
持ち越される役としては、特別役であるMBが挙げられる。特別役に当選したときは、リール31の停止時に、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
そして、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(すなわち、その役の入賞時)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
さらに、内部中遊技のときは、AT遊技に移行するか否かの抽選を行い、非AT遊技/AT遊技間の移行を制御する。
また、サブ制御手段80側では、メイン制御手段50に同期させて、非AT遊技/AT遊技を制御する。
したがって、AT遊技を実行する場合には、ストップスイッチ42の操作手順によって有利な遊技結果を得ることができる場合とできない場合とを設ける。そして、非AT遊技中は、偶然でしか有利な遊技結果を得ることができないが、AT遊技中は、遊技者は、報知に従ってストップスイッチ42を操作すれば、最も有利な遊技結果、例えば最も有利となる図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
なお、本実施形態のAT遊技は、押し順に係るものであり、当選した小役3Aに対応する図柄の組合せが最も有利な停止態様となるための押し順を報知する。
先ず、非内部中遊技では、特別役であるMBを含め、全役が抽選される。これに対し、内部中遊技及びMB遊技中は、MBは抽選されない。すなわち、一旦MBに当選し、内部中になると、その入賞に基づくMB遊技が終了するまで、MBは抽選されない。
なお、本実施形態では例示していないが、例えば特別役(MB)と小役やリプレイが重複当選する場合や、複数種類のリプレイを設けるとともにこれらのリプレイが重複当選するように設定してもよいのはもちろんである。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、当選役に対応するように、MB、小役1、小役2、小役3A〜小役3C、及びリプレイの各当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選において当選したときは、対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。例えば、小役1に当選したときは、小役1に係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフのままである。
これに対し、特別役の当選は持ち越されるので、当該遊技で特別役に当選し、当選した特別役に係る当選フラグ63aがオンになったときは、その特別役が入賞するまでオンの状態が維持され、その特別役が入賞した時点でオフにされる。
このように、オンとなる当選フラグ63aの数は、1つに限られるものではない。
そして、本実施形態では、フリーズと、スタートスイッチ41の操作時に発生するウエイトとは、異なるものである。
MBテーブルは、MB(のみ)の当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技でMBに当選したとき、又はMBの内部中遊技で役の非当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、かつストップスイッチ42の押し順に応じて、MBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、MBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
本実施形態のMBテーブルは、ストップスイッチ42が右第一停止であることを条件に、MBが入賞可能となるように設定されている。したがって、左又は中第一停止時には、目押しが正確であっても、MBは入賞しないように設定されている。
特に本実施形態では、AT遊技は、内部中遊技でのみ実行されるので、MB当選時の遊技がAT遊技である場合はない。したがって、MB当選時の遊技では、遊技者は、左第一停止でストップスイッチ42を操作するはずであるから、当選したMBが入賞する場合はない。
なお、AT遊技中は、MBが入賞可能となった遊技(MBテーブルが用いられる遊技)では、左第一停止を遊技者に指示することで、MBの入賞を回避するように設定されている。
なお、図6に示すように、小役1、小役2及びリプレイについては、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず、これらの当選役が入賞可能である。ただし、小役1、小役2及びリプレイの当選時の遊技であっても、非AT遊技中は、中又は右第一停止時はペナルティとなる。
これに対し、中リール31の「ベル」の図柄が上段に停止したときは、1本の有効ラインに停止したこととなる。
以上のように、本実施形態では、小役3Aが9本の有効ラインに停止する押し順が「正解押し順」であり、小役3Aが1本の有効ラインに停止する押し順が「不正解押し順」となる。
非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるとき(すなわち、非内部中遊技又は特別遊技における役の非当選時)に用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。したがって、非当選テーブルは、特別役の内部中に用いられることはない。
そして、この停止位置決定テーブル65において、小役又はリプレイを入賞させることができないときは、次に、特別役を入賞させるようにし、特別役も入賞させることができないときは、いずれの役も入賞しないようにリール31の停止位置が定められている。
停止図柄判断手段66は、各リール31の停止時ごとに、有効ラインに停止した図柄を判断する。また、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否かを判断する。停止図柄判断手段66は、例えばインデックス34を検知してからのモータ32のステップ数を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
通常遊技中に、MBに当選し、MBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、MBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からMB遊技を開始するように制御する。
このため、特別遊技制御手段68は、MB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続けるとともに、カウントされた払出し枚数が20枚以上となったと判断したときはMB遊技の終了条件を満たすと判断する。
図7は、本実施形態の遊技状態の移行を説明する図である。
遊技状態制御手段69は、非内部中遊技においてMBに当選し、当該遊技でMBが入賞しなかったときは、次遊技から内部中遊技に移行する。この内部中遊技は、当選したMBが入賞するまで継続する。そして、当選したMBが入賞すると、遊技状態制御手段69は、MB遊技に移行する。MB遊技は、上述したMB遊技の終了条件を満たすまで継続する。そして、MB遊技が終了すると、遊技状態制御手段69は、遊技状態を非内部中遊技に移行させる。
遊技状態制御手段69は、通常遊技の非内部中及びMB遊技中は、AT遊技の抽選を行わない。これに対し、遊技状態制御手段69は、MBに当選し、内部中遊技になったときは、AT遊技を実行するか否かの抽選を行う。
具体的には、小役1の当選時は1/2で当選、小役2の当選時は1/3で当選、前回のAT遊技の終了後から1000遊技の到達時は100%で当選、などが挙げられる。
(1)メダル投入口43から投入された遊技媒体(メダル)の受付け、又は予めクレジットされた遊技媒体の投入(賭け)枚数を定めるためのベットスイッチ40の操作を一時停止状態にすること、
(2)遊技を開始するためのスタートスイッチ41の操作を一時停止状態にすること、
(3)ストップスイッチ42の操作(リール31の停止操作)を一時停止状態にすること
等が挙げられる。
さらに、スタートスイッチ41のフリーズに関しては、スタートスイッチ41を操作しても、所定期間、スタートスイッチ41の操作受付けに基づくリール31の回転を開始させないことや、所定期間、役抽選を開始しないことが挙げられる。
この場合、単純にスタートスイッチ41の操作入力を受け付けることでフリーズをキャンセルすることが可能であり、あるいは、所定の操作手順(例えば、「スタートスイッチ41を5回操作する」、「ストップスイッチ42を、中、右、左の順で操作する」、「所定のタイミングに合わせてベットスイッチ40を操作する」等)を検知したことを条件にフリーズをキャンセルすることも可能である。
さらに、このフリーズ中に、リール制御手段64は、リール演出(擬似遊技ともいう。以下同じ。)を実行する。
連続演出は、たとえばレア役の当選等を契機として選択され、出力される。そして、連続演出の出力中(複数遊技間)においても、毎遊技、スタートスイッチ41が操作されたときに、フリーズ及びリール演出を実行するか否かの抽選を行う。
なお、連続演出を終了する演出を出力するときは、次遊技でフリーズ及びリール演出が実行されることを示唆ないし暗示する演出を併せて出力することも可能である。
また、リール31の図柄数は20であるので、1図柄(コマ)分のステップ数は、37.44ms(24割込み)となる。
そして、リール制御手段64は、フリーズが実行されると、少なくとも1つのリール31を変動させて、図3中、「中段」−「中段」−「中段」の図柄組合せラインに、「7」−「7」−「7」(図3で示す位置)、又は「BAR」−「BAR」−「BAR」を停止させるように制御する(リール演出)。ここで、「7」揃い又は「BAR」揃いのいずれを停止させるかは任意であるが、例えば、通常は「BAR」揃いで停止させるが、AT遊技のセット数が「3」以上であるとき、又は「3」以上であって抽選に当選したときに、「7」揃いで停止することが挙げられる。
そして、中段ラインに「7」揃い又は「BAR」揃いをさせると、その位置で一旦停止し、フリーズが解除されるのを待つ。前記所定時間が経過する等してフリーズが解除されると、スタートスイッチ41の操作を受け付け(前記所定時間の経過前にスタートスイッチ41が操作されている場合を含む)、リール31の回転を開始するように制御する。
そして、当該遊技でフリーズが実行される場合であっても、スタートスイッチ41が操作されると、その信号がメイン制御手段50に入力され、そのタイミングで役の抽選が行われる。さらに、このスタートスイッチ41の操作タイミングで、(次遊技で)フリーズ及びリール演出を実行するか否かの抽選が行われる。一方、スタートスイッチ41が操作されると、リール31の回転を開始する。
さらに、この停止位置決定テーブル65は、本遊技で用いられる停止位置決定テーブル65と同様に、最大移動図柄数を4図柄以内に設定する場合と、最大移動図柄数を定めることなく常に「7」図柄又は「BAR」図柄を中段に停止させる(強制的に引き込む)ように設定する場合とが挙げられる。
同様に、リール演出中のリール31の仮停止によって図柄の組合せを遊技者に見せる場合には、スロットマシン10に設けられた有効ライン上での図柄の表示状態に限らず、たとえば有効ラインでない図柄組合せライン(特に、一直線状の無効ライン)上での所定図柄の仮停止とすることも含まれる。
たとえば、フリーズ中のリール演出において、左リール31を、図3に示す位置で仮停止させたと仮定する(以下、この位置を「中央」位置という。)。次に、モータ32を所定ステップ数だけ駆動して、図3に示す位置よりもやや下方向に左リール31を移動させる。このときの移動量は任意であるが、たとえば中段の「7」図柄の中央位置が、図3中、中段と下段との境目のラインに位置する程度の量である(以下、この位置を「下」位置という。)。
具体的な例としては、たとえば、最初に図3に示す位置、すなわち「中央」位置に仮停止させ、その位置に390msとどまり、次に、数msの時間をかけてリール31を下方向に移動させ、「下」位置で10msとどまる。
なお、最初に、「中央」位置にとどまる時間を390msに設定したのは、とどまる時間を500ms未満とすることで、遊技結果を表示する本遊技での停止と区別するためである。
これにより、すべてのリール31について、同一タイミングで揺れ変動を行うことが可能となる。
前記所定時間を経過する前にスタートスイッチ41が操作されたときは、その時点でフリーズを解除し、本遊技を再開する。すなわち、本遊技でのリール31の回転を開始する。
まず、スタートスイッチ41が操作され、フリーズ及びリール演出が開始されると、スタートスイッチ41の操作時からの時間を計測し、前記所定時間(たとえば20秒)を経過したか否かを判断する。20秒を経過する前に第1ストップスイッチ42が操作されたときは、計測時間をクリアし、第1ストップスイッチ42の操作時から改めて20秒の計測を開始する。
また、遊技者は、リール31の仮停止時には上述の揺れ変動を伴うので、そのリール31の停止は本遊技におけるリール31の停止ではないこと、すなわち遊技結果を示すものでないことを知ることが可能となる。
たとえば、スタートスイッチ41の操作により1回目のリール演出が開始され、ストップスイッチ42の操作を契機としてリール31を仮停止させる。これで1回目のリール演出が終了する。次に、遊技者がスタートスイッチ41を操作することで、2回目のリール演出が開始される(リール31の回転が開始される)。
たとえば、N遊技目では、「N遊技目の本遊技の開始→フリーズ及びリール演出の開始(本遊技の中断)→1回又は2回以上のリール演出の実行→リール演出の終了(フリーズの解除)→本遊技(N遊技目)の再開→本遊技の終了」となる。
次の「N+1」遊技目では、「「N+1」遊技目の本遊技の開始→フリーズ及びリール演出の開始(本遊技の中断)→1回又は2回以上のリール演出の実行→リール演出の終了(フリーズの解除)→本遊技(「N+1」遊技目)の再開→本遊技の終了」となる。
まず、1回目の本遊技を本遊技1と称し、2回目の本遊技を本遊技2と称する。そして、本遊技2の開始前にフリーズを実行し、このフリーズ中に2回のリール演出(リール演出1、リール演出2)を行うものとする。
また、本遊技1の開始時にサブ制御手段80で選択するサブ当選番号をサブ当選番号1と称し、本遊技2の開始時にサブ制御手段80で選択するサブ当選番号をサブ当選番号2と称する。
ここで、「サブ当選番号」は、メイン当選番号、すなわちフリーズ及びリール演出の抽選結果に対応する演出内容を定めたものである。
次に、メイン制御手段50は、本遊技1における当選役1及びメイン当選番号1をサブ制御手段80に送信する。
さらに、サブ制御手段80は、メイン当選番号1が次遊技でフリーズ及びリール演出を実行する当選番号であるときは、サブ当選番号1を決定する。
そして、メイン当選番号1が次遊技でフリーズ及びリール演出を実行する当選番号でないと判断したときは、すでに決まっている本遊技1での連続演出を出力する。
これに対し、メイン当選番号1が次遊技でフリーズ及びリール演出を実行する当選番号であると判断したときは、すでに決まっている本遊技1での連続演出に代えて、当該遊技(本遊技1)で連続演出を終了する演出に切り替える。
また、本遊技2を開始するためのスタートスイッチ41が操作された場合において、メイン当選番号1がフリーズ及びリール演出を実行するメイン当選番号であるときには、本遊技2を中断し、フリーズ及びリール演出を開始するとともにリール31の回転を開始する。すなわち、このリール31の回転は、リール演出1となる。
一方、メイン当選番号1がフリーズ及びリール演出を実行しないメイン当選番号であるときは、フリーズ及びリール演出を実行することなく本遊技2を継続する。すなわち、本遊技2におけるリール31の回転を開始する。
さらに、メイン当選番号2が本遊技2の次遊技でフリーズ及びリール演出を実行する当選番号であるときは、サブ制御手段80は、サブ当選番号2を決定する。
あるいは、複数回のリール演出を実行する場合には、最後のリール演出で「7」揃い等を表示し、それ以前のリール演出では、たとえばリプレイに対応する図柄の組合せを仮停止させてもよい。
たとえば、左リール31の20番、中リール31の19番、右リール31の18番の図柄が中段に停止して遊技が終了したとき(このとき、中段ラインには、「RP」−「ベル」−「スイカ」が停止)、次遊技でスタートスイッチ41の操作に基づき各リール31が一斉に回転されると、その相関位置関係が保持された状態で各リール31が回転し、かつ定速状態となって、ストップスイッチ42の受付け可能となる。
このため、そのような相関位置関係が目押し補助につながるおそれがあり、遊技の公正を害するおそれがある。
そこで、本発明では、フリーズ中のリール演出の終了後、リール31を回転させて定速状態とし、ストップスイッチ42の操作受付けが可能となったときは、リール演出によって停止したときの相関位置関係と異なる相関位置関係であってランダムに選択された相関位置関係となるように、少なくとも1つのリール31の回転を制御する。特に第1実施形態では、本遊技の再開時におけるリール31の回転開始タイミングを、リール31ごとにランダムに遅延させ(ランダム遅延)、リール31の回転開始タイミングがばらばらになるように制御する。
これらのカウンターC1〜C3は、いずれも、0〜7999の周期を有し、乱数値を取得するために用いられる。
カウンターC1〜C3の周期を「8000」としたのは、各リール31の図柄数を「N」、リール31の個数を「M」としたとき、「NM 」(本実施形態では、「203 」)としたためである。
カウンターC1〜C3は、いずれも、第1の更新と第2の更新とを有する。第1の更新は、すべてのカウンターC1〜C3において、一律に更新される。本実施形態では、リール31の定速回転時におけるモータ32の1ステップ時間が1.56msであることから、1.56msに1割込みとし、4割込みを1セットとする。1割込み目はカウンターC1の値のみを更新し、2割込み目はカウンターC2の値のみを更新し、3割込み目はカウンターC3の値のみを更新する。4割込み目は、いずれのカウンターC1〜C3の値も更新しない。
また、この第1の更新は、スロットマシン10の電源がオンである間は、ずっと行われる。
たとえば、第1の更新をなくし、スタートスイッチ41の操作後、1番目のストップスイッチ42が操作されるまでは、第2の更新によってカウンターC1のみを更新し続けると、カウンターC2及びC3が全く更新されない時間帯が発生する。しかし、第1の更新を設けることで、スタートスイッチ41の操作後、1番目のストップスイッチ42が操作されるまでの間であっても、カウンターC2及びC3の値についても更新することができる。
これに対し、第1の更新のみとすると、カウンターC1〜C3の値が同一になってしまう場合がある(4割込み時)が、第2の更新を設けることで、カウンターC1〜C3の値を異ならせる(同期を解消する)ことができる。
また、カウンターC1〜C3の更新は、毎遊技行い続け、カウンターC1〜C3の値を使用するときのみ抽出する。
なお、第1の更新についても、1回につき「1」の更新に限らず、2以上の値であってもよい。
前遊技の終了時(全リール31の停止時)におけるカウンターC1、C2、C3の値がたとえば「3504、0085、0729」であったと仮定する。
この場合、フリーズ中のリール演出後、スタートスイッチ41の操作を受け付けた時から、左リール31は、「3504」に対応する遅延時間の経過後に左リール31の回転を開始する。同様に、中リール31は、「0045」に対応する遅延時間の経過後に中リール31の回転を開始し、右リール31は、「0729」に対応する遅延時間の経過後に右リール31の回転を開始する。
したがって、上記の例では、
左リール31:3504×480/8000×1.56ms≒328ms
中リール31:0085×480/8000×1.56ms≒8ms
右リール31:0729×480/8000×1.56ms≒68ms
となる。
なお、本実施形態では、「8000」の周期を有するカウンターC1〜C3を使用したが、たとえばカウンターC1〜C3の周期を、リール31が1回転するモータ32のステップ数と同一の「480」の周期(0〜479)としたときは、取得したカウンターC1〜C3の値をステップ数に換算することなく、取得した値に「1.56(ms)」を掛けた値を遅延時間に設定することができる。
なお、上記から明らかであるが、カウンターC1〜C3の値によって、どのリール31が最初に回転を開始するかはまちまちであり、左→中→右の順に限られるものではない。
モータ32の定速時は、上述のように、1.56msで1ステップ駆動であり、480ステップで1回転(360度回転)する。しかし、実際にリール31を停止させるときは、有効ライン上に図柄と図柄の間で停止させることはできず、常に、図柄の中心位置と有効ライン上とが略一致する位置で停止させる必要がある。したがって、モータ32の実際の停止位置は、20か所に限られる。つまり、480ステップのうち、24ステップの整数倍の位置に限られる。
そこで、カウンターC1〜C3の値を抽出したら、総図柄数20に換算した遅延時間となるように設定する。
この場合、
左リール31:3504×480/8000≒210ステップ
中リール31:0085×480/8000≒5ステップ
右リール31:0729×480/8000≒44ステップ
となる。
左リール31:216ステップ(24ステップ×9図柄)=336.96ms
中リール31:0ステップ
右リール31:48ステップ(24ステップ×2図柄)=74.88ms
となる。
これにより、中リール31は、スタートスイッチ41の操作受付けと同時に回転し(遅延時間0)、次に右リール31を(中リール31の回転開始時から)74.88msの遅延時間の経過後に回転を開始し、さらに次に左リール31を(中リール31の回転開始時から)336.96msの遅延時間の経過後に回転を開始する。
これにより、すべてのリール31が定速となったとき、中リール31に対して、右リール31は2図柄だけ遅れた位置にあり、左リール31は9図柄だけ遅れた位置にある。
図8(a)において、決定された左、中、右リールの遅延時間(ms)を、それぞれt1、t2、t3とし、図8では、「t1<t3<t2」の関係にあるものとする。また、図8では、横軸が時間軸を示し、縦軸がリール31の回転速度を示す。
一方、これに限らず、直接、遅延時間に対応する図柄(コマ)数、すなわち遅延図柄数を求めるようにしてもよい。たとえば図2に示すようにリール31の図柄総数が「20」であるときは、遅延図柄数は、「0」〜「19」のいずれかとなる。そして、カウンターC1〜C3の各値は、それぞれ、「0」〜「19」の周期となるように設定する。
そして、上記の例と同様に、モータ32の1回転(360度回転)が480ステップ、1図柄(コマ)あたりのステップ数が「24」であるとき、各リール31の遅延ステップ数は、
左リール31:5×24=120ステップ
中リール31:11×24=264ステップ
右リール31:7×24=168ステップ
となる。
上記の例では、モータ32の定速時における1ステップ時間は、1.56msであるので、各リール31の回転開始時の遅延時間は、
左リール31:120ステップ×1.56=187.2ms
中リール31:264ステップ×1.56=411.84ms
右リール31:168ステップ×1.56=262.08ms
となる。
ただし、カウンター等の乱数を用いて各リール31の遅延変数を決定する場合、遅延変数の数値を最も小さくすることができるのは、遅延図柄数である。後述する第3実施形態のように、1つのカウンター(乱数発生装置や数列発生装置等)でN個のリール31の遅延時間を決定するとき、図柄数に対応するカウンターの範囲は、図柄数のN乗となる。
たとえば、図柄数が「20」のときは、遅延図柄数の範囲は、「0〜19」となる。そして、リール数が「3」であれば、カウンターの範囲は、「20の3乗=8000」となる。
遅延時間の最大値は、1.56ms(1ステップ時間)×479(最大遅延ステップ数)=「747.24ms」となるので、上記の例にあてはめると、「747.24」の3乗の範囲を有するカウンターが必要となり、その範囲が莫大となる。
したがって、最も小さい範囲のカウンターとする場合(抽選置数を最も小さくする場合)には、遅延図柄数を算出するカウンターが望ましい。
たとえば上記の例では、3回目のリール演出に対応するリール31の回転開始時には、ランダム遅延を実行するように制御する。
リール演出(1回目)によるリール回転開始→リール仮停止→リール演出(2回目)によるリール回転開始(ランラム遅延なし)→リール仮停止→(リール演出及びフリーズの終了かつ)本遊技の再開に基づくリール回転開始(ランダム遅延あり)
となる。
リール演出(1回目)によるリール回転開始→リール仮停止→リール演出(2回目)によるリール回転開始(ランラム遅延なし)→リール仮停止→リール演出(3回目)によるリール回転開始(ランラム遅延あり)→リール仮停止→(リール演出及びフリーズの終了かつ)本遊本遊技の再開に基づくリール回転開始(ランダム遅延あり)
となる。
これにより、リール演出を2回行った後、本遊技を再開するときの回転開始と、3回目のリール演出を行うときの回転開始とで、遊技者は、見分けが付かなくなる。よって、ストップスイッチ42の操作を契機としてリール31を仮停止させたときの揺れ変動が発生するまでは、リール演出中であるか本遊技中であるかをわからなくすることができる。
さらにまた、擬似ランダム遅延を行うために算出した各リール31の遅延時間を、そのまま本ランダム遅延時にも用いる場合と、本ランダム遅延時には、新規に各リール31の遅延時間を算出する場合とが挙げられる。
また、複数回のリール演出を実行する場合には、リール演出の開始時ごとに、擬似ランダム遅延を実行するか否かを抽選で決定し、この抽選に当選したときには擬似ランダム遅延を行うようにしてもよい。
リール31の回転開始時は、加速処理が必要であることから、リール31の揺れ変動中において、たとえばリール31の図柄が上方向に移動している最中に加速処理に移行する(図柄が上から下に向かう加速を行う)と、モータ32の脱調のおそれがある。
具体的には、揺れ変動中に最初のリール31の回転開始信号を受信したときは、その瞬間のリール31の位置がいずれの位置であっても、そのリール31については、「上」位置から「中央」位置に移動する直前に揺れ変動を終了し、その終了と同時に、そのリール31の加速処理を行う。
まず、AT遊技の次のセットを有しているときは、AT遊技開始時と同様に、リール演出により、「7」揃い又は「BAR」揃いでリール31を停止させ、その図柄停止によって、遊技者に対し、次遊技以降もAT遊技が継続されることを報知する。
図1において、サブ制御手段80は、演出出力制御手段81を備える。
演出出力制御手段81は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
しかし、操作スイッチの操作の受付け、並びにリール31の回転及び停止に係るフリーズについては、メイン制御手段50によって制御される。
ただし、フリーズが実行されると、その旨の信号がメイン制御手段50からサブ制御手段80に送信され、フリーズの実行中における画像表示等については、サブ制御手段80によって制御される。
AT遊技の終了時は、メイン制御手段50からサブ制御手段80に対してAT遊技の終了の情報が送信され、サブ制御手段80は、この情報を受信すると、AT遊技の終了を意味する演出を出力するとともに、その後は小役3の重複当選時に押し順報知を行わないように制御する。
第1実施形態では、フリーズ中のリール演出後、スタートスイッチ41の操作受付けに基づくリール31の回転を開始するときに、各リール31ごとの遅延時間を決定し、その遅延時間の経過後にそれぞれリール31の回転を開始した。
このようにした場合、例えば左、中、右リール31の遅延時間が100ms、200ms、300msであるとき、最初に回転を開始する左リール31について、スタートスイッチ41の操作受付けから100msを経過した後でないと、回転を開始することができない。
そこで、第2実施形態では、最初に回転を開始するリール31については、スタートスイッチ41の操作受付けと同時に回転を開始するように制御するものである。
第1実施形態では、最初に回転を開始する左リール31であっても、スタートスイッチ41の操作受付け時から時間t1を要する。
また、リール31が定速状態になった後、最初にインデックス34を検知したときのタイミングを図8中、「I」で示している。実際には、リール31が定速となった時からインデックス34が検知されるまでの時間はリール31の回転前の停止位置に依存するが、図8の例では、リール31が定速になった後、一定時間後に最初にインデックス34が検知されるものとしている。
たとえば第1実施形態を例にとると、各リール31の遅延時間が、
左リール31:187.2ms
中リール31:411.84ms
右リール31:262.08ms
と算出されたときに、最短時間である左リール31の遅延時間を「0」にすればよいので、各リール31の遅延時間から「187.2ms」を減算し、
左リール31:0ms
中リール31:224.64ms
右リール31:74.88ms
と算出することができる。
よって、各リール31の回転開始時の遅延時間は、
左リール31:0ms
中リール31:6×24×1.56=224.64ms
右リール31:2×24×1.56=74.88ms
と算出することができる。
ここで、ランダム遅延中、すなわち少なくとも1つのリール31について、回転開始待機中(タイマーによる計測中)に電断が発生すると、RAMに記憶しておいた遅延時間のデータが消失する。
左リール31:定速中
中リール31:待機中(残り遅延時間t’)
右リール31:加速中
の情報を記憶する。
なお、このバックアップメモリは、電断の発生や設定変更等でも記憶された情報が消去されずに保持できるメモリである。
これに対し、バックアップメモリにステータスが記憶されているときは、その内容を読み取るとともに、読み取ったステータスに応じて以下のように制御する。
ここで、電断復帰後、回転を開始するタイミングは、特に限定はない。電断復帰後、最短で回転を開始してもよく、あるいは、電断復帰時から所定時間(数秒)の経過後に回転を開始してもよい。
その後、すべてのリール31の回転を開始したら、バックアップメモリに記憶されているステータスを消去する。
以上の電断復帰処理は、本遊技再開時の本ランダム遅延中でも、リール演出中の擬似ランダム遅延中でも、適用することができる。
第1実施形態では、3つのカウンターC1〜C3を設け、各リール31ごとの遅延時間を演算するようにした。これに対し、第3実施形態では、1つのカウンターから、全リール31の遅延時間を演算するものである。
第3実施形態のカウンターをカウンターC4とする。カウンターC4の周期は、リールの図柄数をN、リール31の個数をMとしたとき、「NM 」とする。
次に、カウンターC4から抽出した乱数値をRとしたとき、
R=xM ×NM−1 +xM−1 ×NM−2 +・・・+x1 ×N0
を満たすxM 、xM−1 、・・・、x1 を決定する。
そして、リール31の定速時の1回転時間をTとしたとき、
各リール31の遅延時間t=x×T/N(x=xM 、xM−1 、・・・、x1 )
を決定する。
そして、
R=x3 ×202 +x2 ×201 +x1×200
を満たすx3 、x2 、x1 を決定する。
ここで、x3 、x2 、x1 は、それぞれ、左リール31、中リール31、右リール31に対応する乱数値となり、その範囲は、いずれも「0〜20」である。
1234=3×202 +1×201 +14×200
となるので、(x3 、x2 、x1 )=(3、1、14)となる。
この値が、遅延時間に対応する図柄数(遅延図柄数)となる。
上述したように、モータ32の定速時は、1.56msで1ステップの駆動であり、480ステップで1回転(360度回転)する。
左リール31:3×1.56×480/20=112.32(ms)
中リール31:1×1.56×480/20=37.44(ms)
右リール31:14×1.56×480/20=524.16(ms)
となる。
したがって、スタートスイッチ41の操作受付け時から上記遅延時間の経過後に、それぞれ各リール31の回転を開始するように制御すれば、全リール31が定速となったときは、中リール31を基準とすれば、左リール31は2図柄遅れ、右リール31は13図柄遅れとなる。
この場合には、中リール31の遅延時間は「0」、左リール31の遅延時間は74.88ms(2図柄遅れ)、右リール31の遅延時間は486.72ms(13図柄遅れ)となる。
第4実施形態は、モータ32の回転を開始し、リール31の加速域において、遅延時間を含めた加速を行うものである。
図9は、第4実施形態におけるモータ32の割込み時間とステップ数との関係を示す図である。
図9において、左リール31は、遅延時間がないときのモータ32の加速状態の一例を示している。先ず、最初は90割込み(90×1.56=140.4ms)で1ステップ駆動、次は45割込みで1ステップ駆動、さらに次は20割込みで1ステップ駆動、・・・と徐々に少ない時間で1ステップ駆動していき、最後は、1割込み(1.56ms)で1ステップ駆動(定速状態)にする。
中リール31では、「4+60」割込みで1ステップ駆動としている。すなわち、1ステップが1.56msであるので、「1.56×60=93.6ms」の遅延時間を設けている。
また、右リール31については、「4+80」割込みで1ステップ駆動としているので、「1.56×80=124.8ms」の遅延時間を設けている。
第4実施形態のようにすれば、スタートスイッチ41の操作受付け時に、すべてのリール31を同時に回転開始することができるので、リール31の回転開始時に遊技者に与える違和感をより少なくすることができる。
第5実施形態は、乱数値の取得を行うことなく、前遊技での各リール31の相関位置関係に戻すように、モータ32の駆動を制御するものである。
例えば、遊技の終了時(全リール31の停止時)における各リール31の相関位置関係をRAMに記憶しておく。
たとえば全リール31の停止時に、中段ラインに、図2中、左リール31の10番の「ベル」、中リール31の6番の「チェリー」、右リール31の13番の「スイカ」の図柄が停止しているときは、各リール31の停止位置を、「10、6、13」と記憶する。
たとえば当該遊技の終了時での相関位置関係が上記の例のように「10、6、13」であるとする。そして、次遊技でフリーズ中のリール演出が行われ、中段ラインに「7」揃いを停止させたとする。ここで、「7」揃いを停止させたときの停止位置は、「16、16、16」となる。
したがって、リール31の回転開始時の相関位置関係「16、16、16」を、リール31の回転が定速となったときに、「10、6、13」に戻すように制御する。
このとき、先ず、「L2−L1、C2−C1、R2−R1」を算出する。上記の例では、「+6、+10、+3」となる。
よって、中リール31については、スタートスイッチ41の操作受付けと同時に回転を開始し、左リール31は、4図柄分だけ遅延するように回転を開始し、右リール31は7図柄分だけ遅延するように回転を開始する。
なお、各リール31の相関位置関係を元に戻す際に、リール31の回転は正回転としたが、場合によっては一部を逆回転させた後停止させて正回転に戻す等により、最小時間で相関位置関係を元に戻すものであれば、どのような方法を採用してもよい。
(1)第1実施形態において、カウンターC1〜C3は、「0〜7999」のカウンターを用いたが、これに限らず、モータ32が1回転(360度回転)するステップ数のカウンターを用いてもよい。たとえば、リール31の図柄数が「20」であり、リール31が1回転するモータ32のステップ数が480であるときは、「0〜479」の範囲のカウンターを用いてもよい。
さらにまた、フリーズ中のリール演出を行う際に、「7」又は「BAR」揃いを最小回転量で行う場合と、各リール31が少なくとも1回転以上した後で「7」又は「BAR」揃いをさせるものであってもよい。
以上の回転速度やリール演出時の回転量についても、AT遊技の継続率等を示唆するものであってもよい。
しかし、これに限らず、サブ制御手段80側でAT遊技の抽選を実行するようにしてもよい。サブ制御手段80側でAT遊技に当選したことをメイン制御手段50側に知らせる方法としては、以下の方法が挙げられる。
そして、メイン制御手段50は、リプレイ当選時に所定の変則押しが複数回連続で実行されたときは、AT遊技に当選したと判断することが挙げられる。メイン制御手段50側がAT遊技に当選したと判断したときは、メイン制御手段50と電気的に接続された外部端子基板を通じてAT遊技の発生信号を外部に送信する。
まず、メイン制御手段50は、非AT遊技中かつMB内部中は、RT1遊技に滞在し続ける。サブ制御手段80は、第1実施形態等と同様に、非内部中はAT遊技の抽選を行わず、MBに当選して内部中となったとき(内部中となった旨の信号をメイン制御手段50から送信されてきたとき)に、AT遊技の抽選を実行する。
これに対し、サブ制御手段80は、AT遊技を終了したときは、次遊技から、レアリプレイ当選時に、転落リプレイの入賞を回避するための押し順の報知や、小役3Aの重複当選時に9枚の払出しを受けるための押し順の報知を行わない。したがって、メイン制御手段50による遊技状態の移行(RT3遊技からRT1遊技への移行)と、サブ制御手段80によるAT遊技の終了のタイミングとは必ずしも一致するものではない。
これに対し、図10の例のように、サブ制御手段80側でAT遊技の抽選を行う場合において、サブ制御基板からメイン制御基板に対してAT遊技の情報を送信できれば何ら問題はないが、上述したように、信号は、メイン制御基板からサブ制御基板への一方向送信であるので、サブ側からメイン側への信号送信はできない。
しかし、上述のように、RT3遊技に移行したときは常にAT遊技であるとは限らず、メイン制御手段50は、現在のRT3遊技がAT遊技であるか否かを判断することができない。
仮に、RT3遊技に移行したとき、AT遊技の実行回数を一律に「+1回」とカウントしてしまうと、AT遊技の実行回数を正しくカウントできないこととなる。
なお、指示押し順の送信は、1回でも可能であるが、RT3遊技(AT遊技)の移行後、最初の複数回に対して行うことで、より信頼性を高めることができるとともに、偶然にRT3遊技に移行したときのAT遊技のカウントを防止することができる。
例えば、遊技者による第一(最初の)ストップスイッチ42の操作時に、所定位置に「7」図柄が停止したことを条件としてフリーズを開始し、第二及び第三停止については、フリーズを実行している間に「7」揃いをさせるリール演出を行った後、本発明を実施することも可能である。
また、特定役に当選したときの遊技者による第二ストップスイッチ42の操作時にフリーズを開始し、第三停止については、フリーズを実行している間に、AT遊技の実行を意味する図柄並び(通常遊技中には停止しない上段〜下段の位置)で第三リール31を停止させるリール演出を行った後、本発明を実施することも可能である。
たとえば、第2実施形態と第3実施形態の組み合わせが挙げられる。
具体的には、第3実施形態のように1つのカウンターC4から各リール31の乱数値を決定し、その値に基づいて各リールの遅延時間を決定する。そして、遅延時間が最も短い(遅延時間がt1である)リール31については、第2実施形態のようにフリーズ解除と同時にそのリール31の回転を開始し、他のリール31については、遅延時間t1を引いた遅延時間の経過後にそのリール31の回転を開始することが挙げられる。
具体的には、第1実施形態のように3つのカウンターC1〜C3から各リール31の乱数値を決定し、その値に基づいて各リールの遅延時間を決定する。そして、遅延時間が最も短い(遅延時間がt1である)リール31については、第2実施形態のようにフリーズ解除と同時にそのリール31の回転を開始し、他のリール31については、遅延時間t1を引いた遅延時間の経過後にそのリール31の回転を開始することが挙げられる。
さらに、第1実施形態のカウンターC1〜C3、又は第3実施形態のカウンターC4から各リール31の乱数値を決定した後は、その乱数値に基づいて、各リール31の遅延時間を決定すること、各モータ32の遅延ステップ数を決定すること、各リール31の遅延図柄数を決定すること、のいずれであってもよい。
<付記>
本願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(1)当初発明が解決しようとする課題
当初発明が解決しようとする課題は、スタートスイッチの操作を所定時間受け付けないフリーズを行い、このフリーズ中のリール演出を行った後、リールの回転を開始する場合において、フリーズ中のリール演出が目押しの補助にならないようにすることである。
(2)当初発明に係る課題を解決するための手段(なお、かっこ書きで、対応する実施形態を記載する。)
第1の解決手段(第4実施形態)は、複数種類の図柄を表示した複数のリール(31)と、前記リールの回転を開始するときに遊技者が操作するスタートスイッチ(41)、及び前記リールの回転を停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチ(42)を含む操作スイッチと、前記スタートスイッチが操作されたときに前記リールの回転を開始するとともに、前記ストップスイッチが操作されたときに、そのストップスイッチに対応する前記リールを停止制御するリール制御手段(64)と、フリーズの実行条件を満たしたときに、前記スタートスイッチの操作を所定時間受け付けないフリーズを実行するフリーズ制御手段(70)とを備え、前記リール制御手段は、フリーズ中に、少なくとも1つの前記リールを回転させて、それまでの停止位置と異なる位置に前記リールを停止させるフリーズ演出を実行し、フリーズの解除条件を満たしたときに、前記スタートスイッチの操作を受け付けて前記リールの回転を開始するように制御し、各前記リールごとに、前記リールの回転速度が定速に到達するまでの遅延時間tを乱数値に基づいて決定し、フリーズ演出の終了後、すべての前記リールを同時に始動するとともに、各前記リールごとに、定速に到達するまでに遅延時間tを含む加速を行うように制御することを特徴とする。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、各前記リールごとに設けられ、前記リールを駆動するめのステッピングモータ(32)を備え、フリーズ演出の終了後、前記リールを回転させるときは、複数回の割込みで1ステップの駆動を開始し、1ステップの駆動に対する割込み数を徐々に少なくしていき、1割込みで1ステップの駆動となったときに前記リールの回転速度が定速となるように制御し、前記リールの遅延時間tを有するときは、遅延時間tを有さないときのN(Nは、2以上の整数)割込みで1ステップの駆動を「N+t」割込みで1ステップの駆動に変更することで、そのリールに対して遅延時間tを加算することを特徴とする。
(当初発明と実施形態との関係)
第1の解決手段において、「フリーズの実行条件を満たしたとき」とは、実施形態では、AT遊技に当選し、スタートスイッチ41が操作されたときに相当する。
「それまでの停止位置と異なる位置」とは、実施形態では、「7」揃い又は「BAR」揃いに相当する。
「フリーズの解除条件を満たしたとき」とは、実施形態では、フリーズに割り当てられた所定時間を経過したとき、又はフリーズに割り当てられた所定時間が経過する前に所定の操作(スタートスイッチやストップスイッチ等の操作)が行われることによって、フリーズがキャンセルされたときに相当する。
「各前記リールごとに、定速に到達するまでに遅延時間tを含む加速を行う」とは、実施形態では、図9に示すように、本来であれば4割込み1ステップ駆動のところを、そのリールの遅延時間を割込み時間に換算した値を加算して1ステップ駆動を行っている。
(3)当初発明の効果
当初発明によれば、フリーズ中にリール演出を行ったときは、リール演出終了時のリールの相関位置関係と異なる相関位置関係にして(例えば前遊技での相関位置関係に戻して)リールを定速状態にする(ストップスイッチの操作を受け付ける)ことができる。
したがって、リール演出時の停止出目が目押しの補助になることはなく、遊技の公正を害しないようにすることができる。
さらに、全リールについて、フリーズの解除と同時に(遅延時間「0」で)回転を開始することができるので、遊技者に違和感を与えないようにすることができる。
11 表示窓
21 ランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置
31 リール
32 モータ
40 ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
43 メダル投入口
50 メイン(遊技)制御手段
61 役抽選手段
62 役抽選テーブル
63 当選フラグ制御手段
63a 当選フラグ
64 リール制御手段
C1、C2、C3 カウンター
65 停止位置決定テーブル
66 停止図柄判断手段
67 払出し手段
68 特別遊技制御手段
69 遊技状態制御手段
70 フリーズ制御手段
80 サブ(演出)制御手段
81 演出出力制御手段
82 AT制御手段
Claims (1)
- 複数種類の図柄を表示したリールと、
前記リールの変動を開始するときに遊技者が操作するスタートスイッチ、及び前記リールの変動を停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチを含む操作スイッチと、
遊技の進行を制御するメイン制御手段と、
演出の出力を制御するサブ制御手段と
を備え、
前記リールは、左、中及び右リールを有し、
前記ストップスイッチは、前記左リール、前記中リール、及び前記右リールにそれぞれ対応する左ストップスイッチ、中ストップスイッチ、及び右ストップスイッチを有し、
前記メイン制御手段は、
役の抽選を行う役抽選手段と、
前記スタートスイッチが操作されたときに前記リールの変動を開始するとともに、前記ストップスイッチが操作されたときに、そのストップスイッチに対応する前記リールを停止制御するリール制御手段と、
前記リールの変動を行う所定のフリーズ演出を実行するフリーズ制御手段と
を備え、
前記メイン制御手段は、前記役抽選手段による役抽選結果に関する情報を前記サブ制御手段に送信し、
前記サブ制御手段は、所定の条件を満たしていることを条件に、前記役抽選手段で所定の役抽選結果となった遊技で、前記左ストップスイッチが第一停止以外となる所定の変則押し順を報知し、
前記フリーズ制御手段は、前記役抽選手段で前記所定の役抽選結果となった遊技で、前記所定の変則押し順で前記ストップスイッチが操作されたことを条件に、前記所定のフリーズ演出を実行可能に制御し、
前記所定のフリーズ演出は、所定の契機で前記リールの変動を開始し、その後に所定の図柄の組合せが表示されるように前記リールを仮停止させるものであり、
前記リール制御手段は、前記所定のフリーズ演出が終了した後、前記リールの再変動を行うように制御し、
前記リールの再変動を行うときは、少なくとも1つのリールについて、前記リールの1回転のステップ数と同値の範囲から一の値を取得し、その値に対応する遅延時間の経過後に前記リールの回転を開始する遅延処理を実行し、
前記メイン制御手段は、前記リールの再変動を行い、すべての前記リールを所定速度になるまで加速した後、前記ストップスイッチの操作に基づき前記リールを停止可能な状態にする
ことを特徴とするスロットマシン。
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