以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本実施形態におけるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、メイン制御手段(遊技制御手段)50とサブ制御手段(演出制御手段)80とを備える。
メイン制御手段50は、役の抽選、リール31の駆動(回転及び停止)制御、及び入賞時の払出し等の遊技の進行を制御するものである。メイン制御手段50は、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
また、サブ制御手段80は、遊技中及び遊技待機中における演出の選択・出力等を制御するものである。サブ制御手段80は、サブ制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、演出用のデータ等(演出パターン等)を記憶しておくROM、CPUが各種の演出を出力するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
なお、サブ制御基板は、メイン制御基板の下位に属する制御基板である。そして、メイン制御手段50とサブ制御手段80とは電気的に接続されており、メイン制御手段50からサブ制御手段80に一方向で、演出の出力に必要な信号や情報(コマンド)が送信されるように形成されている。
図1に示すように、メイン制御手段50の入力側(図1中、左側)には、遊技者が遊技を進行する上で操作する操作スイッチであるベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及び(左、中、右)ストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。本実施形態では、いずれの遊技状態であってもメダルを3枚投入して遊技を行うように設定されており、ベットスイッチ40を操作することで、3枚のメダルが投入される。なお、これに限らず、1枚ベット用や2枚ベット用のベットスイッチ40を設けてもよい。
また、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルが投入されると、それがセンサ等によって検知されるように構成されている。したがって、メダル投入口43からのメダルの投入は、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
さらにまた、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらに、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
メイン制御手段50の出力側(図1中、右側)には、3つのモータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。
図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図2では、図柄番号を併せて図示している。図2に示すように、本実施形態では、各リール31ごとに、21個の図柄表示領域が等間隔で配置されているとともに(図柄コマ数が21個)、各図柄表示領域にそれぞれ所定の図柄が表示されている。
図示しないが、各リール31には、1個(2個以上であってもよい)のインデックスが設けられている。インデックスは、リール31の例えば周側面に凸状に設けられており、リール31が所定位置を通過したかや、1回転したか否か等を検出するときに用いられる。そして、各インデックスを検知するためのセンサ(図示せず)が設けられており、インデックスがこのセンサを検知する(切る)と、リール31が所定位置を通過したことが検知される。
また、リール31のインデックスを検知した瞬間の表示窓11内の基準位置(たとえば中段)に位置する図柄との対応関係が予め記憶されている。これにより、インデックスを検知した瞬間の表示窓11内の基準位置での図柄の位置を検知することができる。
図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31との位置関係を示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3個(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計3×3=9個の図柄が見えるように配置されている。
なお、本明細書では、図3中、左リール31の「RP」の図柄、中リール31の「スイカ」の図柄、及び右リール31の「チェリー」の図柄が停止している位置を「上段」と称し、左、中及び右リール31の「7」の図柄が停止している位置を「中段」と称し、左リール31の「チェリー」の図柄、中リール31の「RP」の図柄、及び右リール31の「ベル」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
そして、表示窓11内において、左、中及び右リール31の各1図柄を通るラインが、1つの図柄組合せラインとなる。ここで、「図柄組合せライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。
本実施形態では、図柄組合せラインのうち、10本が有効ラインに設定されている。ここで「有効ライン」とは、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
特に、中リール31の上段の図柄を通る有効ラインは、「上段(左リール31)」−「上段(中リール31)」−「上段(右リール31)」の1本である。また、中リール31の中段の図柄を通る有効ラインは、図3に示す9本である。なお、中リール31の下段の図柄を通る有効ラインは設けられていない。
そして、図柄組合せラインのうち、上記有効ライン以外は、無効ラインとなる。ここで、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
有効ライン及び無効ラインは、メダルの投入枚数や遊技状態等に応じて設定されるが、本実施形態では、常に3枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。そして、常に10本が有効ラインとなる。
なお、これに限らず、メダルの投入枚数は、1枚又は2枚でもよい。また、メダル投入枚数や遊技状態等に応じて、図柄組合せラインのうち、有効ライン及び無効ラインの種類及び数を設定してもよい。
さらに、図1において、サブ制御手段80の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、ドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像(後述するフリーズ中の演出画像、AT遊技中の押し順、役の抽選結果に対応する演出等)や、遊技情報等(後述するAT遊技の遊技回数や獲得枚数等)を表示するものである。
図4は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せ等を示す図である。図4に示すように、役としては、特別役、小役、及びリプレイが設けられている。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止すると、その役の入賞となり、その役に対応する枚数のメダルの払出し又は自動投入が行われる(ただし、特別役を除く。)。
本明細書では、「いずれかの役に対応する図柄の組合せがいずれかの有効ラインに停止する」ことを、「その役が入賞する」と称する。
役において、まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、特別役として、MB(ミドルボーナス。第2種ビッグボーナスともいう。)が設けられている。MBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技の1つであるMB遊技に移行する。
なお、他の特別役としては、BB(第1種ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
また、特別役の入賞によって移行する特別遊技には、通常遊技以上に出玉率が高く、遊技者にとって有利な遊技と、メダルの増加を目的としない特別遊技とを有する。
ここで、本実施形態のMBは、MBに当選している遊技状態を作り出すことを目的とするものであり、MBを入賞させてMB遊技に移行させ、そのMB遊技で遊技者のメダルを増加させることを直接の目的とするものではない。
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、大別して小役1〜小役3を備えており、各小役ごとに所定の図柄の組合せが設定されている。なお、小役1及び小役3Aにおける「ANY」とは、いずれの図柄でもよいことを意味している。
また、小役3は、小役3A〜小役3Cの3種類を備える。ここで、小役3B及び小役3Cは、ストップスイッチ42の押し順に応じて、小役3Aである「ANY」−「ベル」−「ANY」の図柄の組合せをどの有効ラインに停止させるかを制御するための「制御役」としての役割を有する小役であり、入賞を本来の目的とするものではない。この点については後述する。
さらにまた、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技が行えるようにした役である。
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役であるMBが挙げられる。特別役に当選したときは、リール31の停止時に、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
このように、特別役の当選は持ち越されるのに対し、特別役以外の役(小役及びリプレイ)は、持ち越されない。役の抽選において、特別役以外の役に当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能なようにリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
なお、特別役に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段50に入力される。
メイン制御手段50(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する(後述するフリーズの実行時を除く)。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
そして、遊技者は、ストップスイッチ42の操作受付けが有効となっているときにストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(例えば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。
ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段50に入力される。メイン制御手段50(具体的にはリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。
そして、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(すなわち、その役の入賞時)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
ここで、本実施形態では、メイン制御手段50側で制御する遊技状態として、通常遊技と特別遊技とを備える。「特別遊技」とは、本実施形態では、MB遊技に相当する。また、「通常遊技」とは、特別遊技以外の遊技をいい、非内部中遊技及び内部中遊技が設けられている。
さらに、内部中遊技のときは、後述するサブ制御手段80は、AT遊技を実行するか否かの決定(抽選)を行い、非AT遊技、AT準備中、及びAT遊技間の移行を制御する。よって、非内部中遊技のときにAT遊技が実行されることはない。
ここで、AT(アシストタイム)遊技とは、遊技者にとって有利となる(有利な遊技結果を得るための)ストップスイッチ42の所定の操作(押し順又は操作タイミング(有効ラインに狙う図柄等))を報知する遊技をいう。
したがって、AT遊技を実行する場合には、ストップスイッチ42の所定の操作によって有利な遊技結果を得ることができる場合とできない場合とを有する役を設ける。
そして、非AT遊技中は、偶然でしか有利な遊技結果を得ることができないが、AT遊技中は、遊技者は、報知に従って所定の操作でストップスイッチ42を操作すれば、最も有利な遊技結果、例えば最も有利となる図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
なお、本実施形態のAT遊技は、押し順に係るものであり、当選した小役3Aに対応する図柄の組合せが最も有利な停止態様となるための押し順を報知する。
図1に示すように、メイン制御手段50は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、メイン制御手段50は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値がMBの当選領域に属する場合は、MBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。図5は、遊技状態ごとの抽選される役の種類と当選確率とを示す図である。役抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
先ず、非内部中遊技では、特別役であるMBを含め、全役が抽選される。これに対し、内部中遊技及びMB遊技中は、MBは抽選されない。すなわち、一旦MBに当選し、内部中になると、その入賞に基づくMB遊技が終了するまで、MBは抽選されない。
また、図5において、「+」とは、当該遊技で同時に重複当選することを意味している。例えば「小役3A+3B+3C」とは、これら3つの小役3A〜小役3Cが当該遊技で同時に重複当選することを意味する。
なお、本実施形態では例示していないが、例えば特別役(MB)と小役やリプレイが重複当選する場合や、複数種類のリプレイを設けるとともにこれらのリプレイが重複当選するように設定してもよいのはもちろんである。
また、リプレイは、内部中遊技では、比較的高確率(本実施形態では、1/2.1)で当選するように設定されている。これに対し、非内部中遊技及びMB遊技では、1/7程度である。
ここで、本実施形態の非内部中遊技では、MBは1/8の確率で当選するように設定されているが、MBの当選を持ち越して内部中遊技になったときは、非内部中遊技でのMBの当選領域はリプレイの当選領域に置き換わる。
具体的には、非内部中遊技における役抽選テーブル62では、MBの当選確率が1/8、リプレイの当選確率が1/7.3に設定されており、役の非当選確率は、約21%に設定されている。
そして、内部中遊技における役抽選テーブル62では、非内部中遊技でのリプレイの当選領域はそのままリプレイの当選領域となり、非内部中遊技での役の非当選領域はリプレイの当選領域に置き換わり、さらにMBの当選領域はリプレイの当選領域に置き換わる。
説明を図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、当選役に対応するように、MB、小役1、小役2、小役3A〜小役3C、及びリプレイの各当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選において当選したときは、対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。例えば、小役1に当選したときは、小役1に係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフのままである。
また、上述したように、特別役以外の役の当選は持ち越されないので、当該遊技でこれらの役に当選し、これらの役の当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、特別役の当選は持ち越されるので、当該遊技で特別役に当選し、当選した特別役に係る当選フラグ63aがオンになったときは、その特別役が入賞するまでオンの状態が維持され、その特別役が入賞した時点でオフにされる。
例えば、当該遊技でMBに当選したときは、MBの当選フラグ63aがオンにされ、当該遊技でMBが入賞しなかったときは、MBに係る当選フラグ63aはオンの状態が維持される。そして、次遊技(内部中遊技)で、小役3A+3Bに当選したときは、すでにオンであるMBに係る当選フラグ63aのほか、小役3A及び小役3Bの当選フラグ63aがオンにされる。そして、当該遊技の終了時にMBが非入賞のときは、MBに係る当選フラグ63aのオンの状態が維持されるとともに、小役3A及び3Bの当選フラグ63aはオフにされる。
このように、オンとなる当選フラグ63aの数は、1つに限られるものではない。
リール制御手段64は、リール31の回転開始命令を受信したとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたとき(スタートスイッチ41が操作された旨の信号を受信したとき)に、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである(ただし、フリーズの実行時を除く)。
なお、前遊技でのリール31の回転開始時から、当該遊技でのスタートスイッチ41が操作された時までの時間が4.1秒を経過していないときは、スタートスイッチ41の操作により役の抽選は行われるものの、スタートスイッチ41が操作された瞬間(直後)にリール31の回転は開始せず、上記4.1秒の経過後にリール31の回転が開始する。このように、スタートスイッチ41の操作時からリール31の回転が開始されるまでの時間を「ウエイト時間」という。
そして、本実施形態では、フリーズと、スタートスイッチ41の操作時に発生するウエイトとは、異なるものである。
さらに、リール制御手段64は、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
例えば、リール制御手段64は、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(移動図柄数)の範囲内を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が4図柄以内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内)、いいかえればストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間が190ms以内に設定されている。
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
なお、上記の「ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまで」とは、ストップスイッチ42の操作受付けが有効になっていることが前提となる。したがって、フリーズ中やウエイト中は、ストップスイッチ42の操作受付けが無効となっているので、このフリーズ中やウエイト中にストップスイッチ42が操作されてもリール31の停止制御は実行されない。
また、特別役及び小役又はリプレイの当選フラグ63aがオンであるときは、小役又はリプレイに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることを優先し、小役又はリプレイに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、次に、特別役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御される。したがって、特別役と小役又はリプレイとが重複入賞(当該遊技で同時に入賞)することはない。
したがって、例えばMBに当選して内部中遊技となった場合において、当該遊技でリプレイに当選したときは、MBとリプレイとの双方の当選フラグ63aがオンになるが、当該遊技では、リプレイの入賞が優先される。
また、リール制御手段64は、押し順検出手段64aを備える。
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号が押し順検出手段64aに入力される。この信号を判別することで、押し順検出手段64aは、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。
ここで、本実施形態では、ストップスイッチ42の押し順は、
a)左第一停止、中第一停止、右第一停止の3通りのうち、いずれであるかを検出する場合と、
b)左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、及び右中左の6通りのうち、いずれであるかを検出する場合と
を有する。
なお、左第一停止の押し順を「順押し」と称し、中又は右第一停止の押し順を「変則押し」と称する。
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。具体的には、各停止位置決定テーブル65には、例えば1番の図柄(左リール31であれば「チェリー」)が上段(中段又は下段でも可)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を上段に停止させる、というように停止位置が定められている。
停止位置決定テーブル65は、以下のテーブルを備える。
MBテーブルは、MB(のみ)の当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技でMBに当選したとき、又はMBの内部中遊技で役の非当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、かつストップスイッチ42の押し順に応じて、MBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、MBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
図6は、当選役に対する、ストップスイッチ42の押し順と入賞役との関係を示す図である。
本実施形態のMBテーブルは、ストップスイッチ42が右第一停止(変則押し)であることを条件に、MBが入賞可能となるように設定されている。したがって、左(順押し)又は中第一停止時には、目押しが正確であっても、MBは入賞しないように設定されている。
さらに、本実施形態では、非AT遊技中のストップスイッチ42の押し順は、左第一停止(順押し)と定めておき、仮に遊技者が中又は右第一停止(変則押し)をしたときは、ペナルティを課すように制御する。たとえば、非AT遊技中の中又は右第一停止時には、所定遊技回数の間、AT遊技の抽選を行わないようにすることが挙げられる。
特に本実施形態では、AT遊技は、内部中遊技でのみ実行されるので、MB当選時の遊技がAT遊技である場合はない。したがって、MB当選時の遊技では、遊技者は、左第一停止でストップスイッチ42を操作するはずであるから、当選したMBが入賞する場合はない。
さらに本実施形態では、内部中遊技では、小役3Aを含む当選とリプレイの当選とで、約98%を占めており、その他小役1及び小役2の当選で約2%を占めているので、非当選となるのは、極めて低確率に設定されている。したがって、内部中遊技であっても、MBテーブルが用いられるのは稀であり、かつ、MBは上述したように右第一停止であることがMBの入賞の条件に設定されている。これにより、内部中遊技であってもMBが入賞するのは極めて稀である。
なお、AT遊技中において、MBが入賞可能となった遊技(MBテーブルが用いられる遊技)では、MBの入賞を回避するためには、左第一停止を遊技者に指示すればよい。
小役1テーブルは、小役1(のみ)の当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
小役2テーブル、及びリプレイテーブルについても、小役1テーブルと同様である。すなわち、小役1テーブル中、「小役1」を、それぞれ「小役2」及び「リプレイ」と読み替えたものに相当する。
なお、図6に示すように、小役1、小役2及びリプレイについては、ストップスイッチ42の押し順にかかわらず、これらの当選役が入賞可能である。ただし、小役1、小役2及びリプレイの当選時の遊技であっても、非AT遊技中は、中又は右第一停止時はペナルティとなる。
また、小役3A+3Bテーブルは、当該遊技で小役3A+小役3Bの当選となったとき、すなわち小役3A及び小役3Bの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、ストップスイッチ42の押し順が「左第一停止」であるときは、中リール31の停止時に中段に「ベル」の図柄を停止させるとともに、ストップスイッチ42の押し順が「中又は右第一停止」であるときは、中リール31の停止時に上段に「ベル」の図柄を停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
ここで、小役3Aの図柄の組合せは、「ANY」−「ベル」−「ANY」であり、中リール31の「ベル」の図柄が中段に停止すれば、(左及び右リール31の停止図柄にかかわらず)小役3Aの入賞となり、かつ小役3Aに対応する図柄の組合せが9本の有効ラインに停止したこととなる(図3参照)。
これに対し、中リール31の「ベル」の図柄が上段に停止したときは、1本の有効ラインに停止したこととなる。
以上のように、本実施形態では、小役3Aが9本の有効ラインに停止する(中リール31の停止時に「ベル」の図柄が中段に停止する)押し順が「正解押し順」であり、小役3Aが1本の有効ラインに停止する(中リール31の停止時に「ベル」の図柄が上段に停止する)押し順が「不正解押し順」となる。
さらに、本実施形態では、小役3Aの入賞時は、遊技者に対し、「ベル」図柄に係る小役が有効ラインに停止したことを一見して理解できるようにするために、いずれかの一直線状の図柄組合せラインに、「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せを停止させるように、各リール31の停止位置が定められている。どのラインに「ベル」揃いを停止させるかは任意である。
さらにまた、小役3A+3Cテーブルは、当該遊技で小役3A+小役3Cの当選となったとき、すなわち小役3A及び小役3Cの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、ストップスイッチ42の押し順が「中第一停止」であるとき(押し順正解時)は、中リール31の停止時に中段に「ベル」の図柄を停止させるとともに、ストップスイッチ42の押し順が「左又は右第一停止」であるとき(押し順不正解時)は、中リール31の停止時に上段に「ベル」の図柄を停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
同様に、小役3A+3B+3Cテーブルは、当該遊技で小役3A+小役3B+小役3Cの当選となったとき、すなわち小役3A、小役3B及び小役3Cの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、ストップスイッチ42の押し順が「右第一停止」であるとき(押し順正解時)は、中リール31の停止時に中段に「ベル」の図柄を停止させるとともに、ストップスイッチ42の押し順が「左又は中第一停止」であるとき(押し順不正解時)は、中リール31の停止時に上段に「ベル」の図柄を停止させるように、リール31の停止位置が定められたものである。
なお、非AT遊技中は、左第一停止が前提であるので、小役3A+3C当選時、小役3A+3B+3C当選時には、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等がない限り、押し順正解になることはない。
また、図5に示すように、小役3Aの当選を含む当選確率の合算値は、1/2に設定されている。ここで、左第一停止、中第一停止、右第一停止が均等に1/6の当選確率で割り当てられておらず、左第一停止が正解押し順となる小役3A+3Bの当選確率は、1/12(約8%)である。一方、中又は右第一停止が正解押し順となる小役3A+3C、小役3A+3B+3Cの当選確率は、合算で10/24(約42%)である。
このため、非AT遊技中は、左第一停止で遊技を進行するので、約8%の確率でしか小役Aの当選時に正解押し順にならないように設定されている。これに対し、AT遊技中は、小役3Aの当選時には正解押し順が報知されるので、報知された押し順に従うことで、常に押し順正解になることができる。
さらにまた、図2に示すように、すべてのリール31において、「ベル」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、リール31の停止制御の範囲内において、常に、所望の位置に「ベル」の図柄を停止させることができる。よって、小役3Aを含む重複当選時には、リール制御手段64は、常に、所望の図柄組合せラインに、「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せを停止させることができる。
なお、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール31の停止制御の範囲内において、所望の有効ラインに対象図柄を停止させることができること(常に入賞させることができること)を、「引込み率(PB)=1」という。これに対し、遊技者の目押しによらなければ有効ラインに対象図柄を停止させることができないこと(常に入賞させることができないこと)を、「PB≠1」という。
また、図2に示すように、すべてのリール31において、「RP」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、リプレイについても、小役3Aと同様に、「PB=1」である。
ここで、後述するように、リプレイの当選時において、AT準備中やAT遊技中は、変則押しを遊技者に指示する場合があるが、どの押し順であっても、リプレイ当選時には常にリプレイを入賞させることができる。
さらにまた、すべての当選フラグ63aがオフであるときは、非当選テーブルが用いられる。
非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるとき(すなわち、非内部中遊技又は特別遊技における役の非当選時)に用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。したがって、非当選テーブルは、特別役の内部中に用いられることはない。
一方、特別役の内部中遊技において、小役若しくはリプレイに当選したとき、すなわちいずれか1つの特別役に係る当選フラグ63aと、少なくとも1つの小役又はリプレイに係る当選フラグ63aがオンであるときは、小役又はリプレイを入賞させることを優先する停止位置決定テーブル65が用いられる。
そして、この停止位置決定テーブル65において、小役又はリプレイを入賞させることができないときは、次に、特別役を入賞させるようにし、特別役も入賞させることができないときは、いずれの役も入賞しないようにリール31の停止位置が定められている。
ここで、本実施形態では、MBの内部中遊技において、リプレイや小役3Aに当選したときは、いずれのストップスイッチ42の押し順であっても、当該遊技で当選したリプレイ又は小役3Aを常に入賞させることができるようにリール31の図柄が配列されている。このため、当該遊技では、たとえ右第一停止でストップスイッチ42が操作されたとしても、MBが入賞する場合はない。
説明を図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、各リール31の停止時ごとに、有効ラインに停止した図柄を判断する。また、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したか否かを判断する。停止図柄判断手段66は、例えばインデックスを検知してからのモータ32のステップ数を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
ただし、停止図柄判断手段66は、ストップスイッチ42が操作され、停止位置決定テーブル65を用いて停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したと判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。
特別遊技制御手段68は、特別遊技の開始、特別遊技中の遊技の進行、及び特別遊技の終了を制御するものである。
通常遊技中に、MBに当選し、MBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、MBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技からMB遊技を開始するように制御する。
ここで、本実施形態のMB遊技は、払出し枚数が20枚以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、MB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続けるとともに、カウントされた払出し枚数が20枚以上となったと判断したときはMB遊技の終了条件を満たすと判断する。
遊技状態制御手段69は、通常遊技/特別遊技、通常遊技の非内部中/内部中の移行を制御する。
図7は、本実施形態の遊技状態の移行を説明する図である。
遊技状態制御手段69は、非内部中遊技においてMBに当選し、当該遊技でMBが入賞しなかったときは、次遊技から内部中遊技に移行する。この内部中遊技は、当選したMBが入賞するまで継続する。そして、当選したMBが入賞すると、遊技状態制御手段69は、MB遊技に移行する。MB遊技は、上述したMB遊技の終了条件を満たすまで継続する。そして、MB遊技が終了すると、遊技状態制御手段69は、遊技状態を非内部中遊技に移行させる。
なお、上述したように、MBは、押し順が右第一停止であることを条件として入賞可能となる。また、非AT遊技中は、右第一停止はペナルティとしているので、遊技者は、左第一停止で遊技を進行する。このため、MBに当選しても、原則として、当選したMBが入賞することはない。したがって、MBの当選後は、MBが入賞しない状態、すなわち内部中遊技がずっと継続することとなる。
また、MBの当選確率は任意に設定できるが、本実施形態では、比較的高確率(図5の例では1/8)に設定されている。これにより、仮に、当選したMBが入賞してMB遊技に移行し、そのMB遊技が終了して非内部中遊技に移行すると、早期にMBに当選して内部中遊技となる。
ATメイン制御手段70は、サブ制御手段80側で実行されるAT遊技に動作を合わせるべく、メインカウンター70aのカウント値の更新、フリーズの実行、AT遊技の実行を意味する外端信号(スロットマシン10の外部に送信する信号)の出力等を制御するものである。
先ず、メインカウンター70aは、役の抽選結果、ストップスイッチ42の押し順、遊技回数の消化に基づいてそのカウント値が更新される。
図8は、メインカウンター70aのカウント値を示す図である。メインカウンター70aは、後述するAT開始フリーズを実行する前は、図8(a)に示す更新値に基づいて、毎遊技、カウント値を更新し続ける。
たとえば、リプレイの当選時は、左第一停止(左中右又は左右中)であるときは、カウント値を「−5」にする。したがって、非AT遊技中は、左第一停止が原則であるので、リプレイ当選時のカウント値は、遊技者のストップスイッチ42の操作ミスがない限り、カウント値は「−5」される。
また、メインカウンター70aのカウント値の下限値は、「0」に設定されている。すなわち、負の値のカウントを行わない。たとえば、当該遊技の開始時のカウント値が「0」である場合において、リプレイに当選し、左第一停止でストップスイッチ42が操作されたときは、「−5」となるが、カウント値は「0」を維持するように制御する。
さらにまた、ストップスイッチ42の押し順が右左中であるときは、カウント値の更新値は「0」であるので、それまでのカウント値が維持される。
これに対し、ストップスイッチ42の押し順が右中左であるときは、カウント値の更新値は「+5」となる。
また、小役3Aの当選時には、押し順正解時にはカウント値が「+5」更新され、押し順不正解時にはカウント値は「−5」更新される。
以上のようにしてメインカウンター70aは、当選役やストップスイッチ42の押し順に応じてカウント値を更新し続ける。
また、上述したように、約1/12の確率で、小役3Aの当選時に押し順正解となる場合がある。この押し順正解時には、メインカウンター70aのカウント値は「+5」にされる。しかし、次遊技以降、リプレイの当選時や、小役3A当選時の押し順不正解時には、カウント値は「−5」にされるので、カウント値は早期に「0」に戻ることとなる。すなわち、非AT遊技中は、小役3A当選時の押し順正解時に一時的に「+5」となるが、すぐに「0」に戻る。
また、後述するサブ制御手段80で、AT遊技の実行の抽選に当選すると、サブ制御手段80は、メインカウンター70aのカウント値を「+5」にする押し順を指示(報知)する。
ここで、内部中遊技では、リプレイ又は小役3Aの当選確率の合算値は、約98%であるから、約8ゲームで、メインカウンター70aのカウント値は「+40」に到達する。
そして、ATメイン制御手段70は、メインカウンター70aのカウント値が「+40」以上となったときは、次遊技で、フリーズ制御手段70bによるフリーズを実行するように制御する。
ここで、「フリーズ(フリーズ演出、又はフリーズ動作ともいう。)」とは、遊技機(本実施形態ではスロットマシン10)の操作スイッチの機能を一時停止状態にすることをいう。
より具体的には、例えば、
(1)メダル投入口43から投入された遊技媒体(メダル)の受付け、又は予めクレジットされた遊技媒体の投入(賭け)枚数を定めるためのベットスイッチ40の操作を一時停止状態にすること、
(2)遊技を開始するためのスタートスイッチ41の操作を一時停止状態にすること、
(3)ストップスイッチ42の操作(リール31の停止操作)を一時停止状態にすること
等が挙げられる。
また、操作スイッチの機能を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく信号(例えば、遊技媒体の投入を検知するセンサからの信号、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41又はストップスイッチ42の操作に基づき操作スイッチから送信される信号)の受付けを所定期間行わないことが挙げられる。この場合、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、受け付けた信号を無効にする制御処理を行うことや、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を検知したときであっても受付け処理自体を行わないことが挙げられる。
さらにまた、所定期間以内に遊技者の操作に基づいて送信された信号を受け付けたときは、遊技者の操作に基づく信号の受付けは行うが、受け付けた信号に基づいて実施する操作スイッチの制御処理を所定期間実行せずに、所定期間経過後に受け付けた信号に基づいた制御処理を開始させることが挙げられる。
さらに、スタートスイッチ41のフリーズに関しては、スタートスイッチ41を操作しても、所定期間、スタートスイッチ41の操作受付けに基づくリール31の回転を開始させないことや、所定期間、役抽選を開始しないことが挙げられる。
また、フリーズの終了条件としては、予め定めた所定時間が経過することによりフリーズを終了することが挙げられるが、所定時間の経過前であっても、メイン制御手段50に入力される各種操作信号によって途中でフリーズをキャンセルすることも考えられる。
この場合、単純にスタートスイッチ41の操作入力を受け付けることでフリーズをキャンセルすることが可能であり、あるいは、所定の操作手順(例えば、「スタートスイッチ41を5回操作する」、「ストップスイッチ42を、中、右、左の順で操作する」、「所定のタイミングに合わせてベットスイッチ40を操作する」等)を検知したことを条件にフリーズをキャンセルすることも可能である。
特に本実施形態では、フリーズ制御手段70bは、メインカウンター70aのカウント値が「+40」以上となったときに、次遊技でのスタートスイッチ41の操作を所定時間受け付けないフリーズを実行するように制御する。このフリーズが実行されると、このフリーズ中は、操作スイッチを操作してもそれが無効となる。
なお、当該遊技でフリーズが実行された場合であっても、スタートスイッチ41が操作されると、その信号がメイン制御手段50に入力され、そのタイミングで役の抽選が行われる。
次に、前記所定時間が経過してフリーズが解除されると、既にスタートスイッチ41の操作が行われているので、リール31の回転を開始する。したがって、前記所定時間の経過前にスタートスイッチ41の操作が行われたときは、遊技者は、フリーズの解除後に改めてスタートスイッチ41を操作する必要はない。仮に、遊技者が、フリーズの解除後に再度スタートスイッチ41を操作したとしても、その操作に基づいて役の抽選が行われたり、その操作でリール31の回転が開始されるわけではない。
なお、メインカウンター70aのカウント値が「+40」以上になったときに実行されるフリーズは、AT開始フリーズとなり、このAT開始フリーズの実行によって、AT遊技の開始を遊技者に知らせる。
次に、AT開始フリーズが行われ、AT遊技中になると、メインカウンター70aは、図8(b)に示すカウント値に基づいて、毎遊技、カウント値を更新していく。
メインカウンター70aのカウント値が「+40」以上となりAT遊技が実行されると、AT遊技中は、メインカウンター70aのカウント値が遊技回数の消化とともに減少していくように制御される。たとえば、AT遊技中のリプレイ当選時は、原則として「左中右」の押し順が報知され、遊技者がその押し順に従うと、当該遊技でメインカウンター70aのカウント値が「−1」される。
そして、メインカウンター70aのカウント値が「+40」となってAT開始フリーズが実行された後、カウント値が「0」となったときは、フリーズ制御手段70bは、AT遊技の終了を意味するAT終了フリーズを実行する。
図1に示すように、メイン制御手段50は、外部端子基板100と電気的に接続され、メイン制御手段50から外部端子基板100に対して外端信号(AT遊技の実行回数をカウントするための信号)を送信する。その外端信号は、たとえば外部端子基板100から、遊技履歴表示装置110やホールコンピュータ120に送信される。遊技履歴表示装置110は、各スロットマシン10の上部に設置され、本日や前日等のAT遊技の実行回数等を遊技者に対して開示するものである。
また、ホールコンピュータ120は、各台(スロットマシン10)が、当日、AT遊技の実行回数を含めて、どの程度の払出しがあったか(差枚数情報)等の各種統計情報を収集するものである。
ここで、セキュリティ上の理由により、外部端子基板100は、メイン制御基板(メイン制御手段50)とのみ接続が許可され、セキュリティの面でメイン制御基板より劣るサブ制御基板(サブ制御手段80)とは接続されないのが一般的である。したがって、メイン制御基板で、AT遊技の実行の有無を把握する必要がある。
そして、本実施形態のように、サブ制御手段80側でAT遊技の抽選を行う場合において、サブ制御基板からメイン制御基板に対してAT遊技の情報を送信できれば何ら問題はないが、上述したように、信号は、メイン制御基板からサブ制御基板への一方向送信であるので、サブ制御手段80からメイン制御手段50に信号の送信はできない。
そこで、AT遊技の実行の有無をメイン制御手段50側で把握する方法として、フリーズの実行を検知する。
例えば、AT開始フリーズ又はAT終了フリーズが実行されたタイミングで、外端信号(AT遊技が実行された旨の信号)を外部端子基板100に送信する。あるいは、メインカウンター70aのカウント値が「+40」に到達した時点で外端信号を送信するようにしてもよい。
メイン制御手段50は、サブ制御手段80に対し、各種の情報(コマンド)を送信するように制御する。送信される情報としては、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、役の抽選結果(当選役)の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作された旨の情報、ストップスイッチ42の押し順の情報、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置(停止図柄)の情報、入賞役の情報、メダルの払出しの情報、遊技状態(非内部中/内部中遊技、通常/特別遊技)の情報、フリーズに関する情報(フリーズの開始及び終了の情報)等が挙げられる。
なお、メインカウンター70aのカウント値は、サブ制御手段80側で把握するようにし、その情報を送信しなくてもよいが、毎遊技、メイン制御手段50からサブ制御手段80に対し、メインカウンター70aのカウント値の情報を送信するようにしてもよい。
説明を図1に戻す。
図1において、サブ制御手段80は、演出出力制御手段81を備える。
演出出力制御手段81は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出出力制御手段81は、遊技ごとに、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって、演出を選択する。具体的には、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を選択する。そして、この選択に従って、演出を出力する。
なお、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力は、サブ制御手段80によって制御されるものであり、メイン制御手段50によって制御されるものではない。
しかし、操作スイッチの操作の受付け、並びにリール31の回転及び停止に係るフリーズについては、メイン制御手段50によって制御される。
ただし、フリーズが実行されると、その旨の信号がメイン制御手段50からサブ制御手段80に送信され、フリーズの実行中における画像表示等については、サブ制御手段80によって制御される。
ATサブ制御手段82は、AT遊技を実行するか否かの抽選、AT遊技の遊技回数(上乗せ数を含む)、AT遊技に関する情報の表示及び演出の出力を制御する。たとえば、ATサブ制御手段82は、AT遊技を実行するか否かの抽選で当選したときや、AT遊技の開始・終了時(フリーズ中を含む)には、AT遊技に関する情報や演出を画像表示装置23に画像表示する。また、AT遊技の遊技回数や払出し枚数の情報等を画像表示装置23に画像表示する。
ATサブ制御手段82は、非内部中遊技及びMB遊技中は、AT遊技の抽選を行わない。これに対し、MBに当選し、内部中遊技になったときは、AT遊技を実行するか否かの抽選を行う。
AT遊技の抽選は、どのような契機で行ってもよいが、たとえば小役1又は小役2(レア小役)の当選時、前回のAT遊技の終了後から所定遊技回数の到達時、等が挙げられる。
具体的には、小役1の当選時は1/2で当選するようにし、小役2の当選時は1/3で当選するようにし、前回のAT遊技の終了後から1000遊技の到達時は100%で当選するように設定すること等が挙げられる。
さらに、本実施形態では、ATサブ制御手段82は、サブカウンター82aを備える。サブカウンター82aは、AT遊技の遊技回数を管理(カウント)するためのものであり、AT遊技の抽選に当選したときからAT遊技を終了するまで、カウント値を毎遊技更新し続ける。したがって、サブカウンター82aのカウント値は、AT遊技の残り遊技回数と一致する。
AT遊技の抽選に当選したときは、ATサブ制御手段82は、サブカウンター82aのカウント値を「+40」に設定する。すなわち、AT遊技の遊技回数の初期値は、40ゲームである。
ここで、サブ制御手段80が管理する遊技状態としては、非内部中遊技、内部中遊技、特別遊技を有し、これら3つの遊技状態は、メイン制御手段50が管理する遊技状態と一致する。
さらに、サブ制御手段80のみが管理する遊技状態として、内部中遊技の場合に、非AT遊技、AT準備中、AT遊技を有する。
ATサブ制御手段82は、非AT遊技中であるときにAT遊技を実行するか否かの抽選を行い、AT遊技の抽選に当選し、サブカウンター82aのカウント値を「+40」にしたときは、次遊技から、遊技状態をAT準備中に設定する。
AT準備中は、非AT遊技からAT遊技に移行するまでの間の遊技状態であり、メイン制御手段50側のメインカウンター70aのカウント値をサブカウンター82aのカウント値(「+40」)に一致させ、メイン制御手段50側でAT遊技開始時のフリーズ(AT開始フリーズ)を実行させるまでの間の遊技期間である。
ATサブ制御手段82は、AT準備中に移行すると、リプレイの当選時に、中左右又は右中左の押し順を遊技者に指示(報知)する。いずれを指示するかは、たとえば抽選等によってランダムに決定する。
また、小役3Aの当選時は、押し順正解となる押し順、たとえば小役3A+3B当選時は第一停止左と報知する。なお、リプレイの押し順の指示は6択であるため、小役3Aの当選時にも6択で報知してもよい。たとえば小役3A+3B当選時は、左中右又は左右中のいずれかをランダムに選択して報知してもよい。
上記のようにして、リプレイ当選時には、メインカウンター70aのカウント値を「+5」にする押し順を指示し、小役3Aの当選時には、正解押し順を報知することでメインカウンター70aのカウント値を「+5」にする押し順を報知する。
したがって、毎遊技、リプレイ又は小役3Aのいずれかに当選すると仮定すると、遊技者のストップスイッチ42の操作ミスがなければ、AT準備中に移行した後、8ゲームでメインカウンター70aのカウント値が「+40」になる。
なお、メインカウンター70aのカウント値を「+40」に上げるまでの過程において、遊技者のストップスイッチ42の操作ミスがあったとしても、メインカウンター70aのカウント値が「+40」に到達するまで、ATサブ制御手段82は、上記の押し順の報知(リプレイ当選時の指示を含む。以下同じ。)を継続する。
たとえば、メインカウンター70aのカウント値が「+30」である場合において、当該遊技でリプレイに当選し、「中左右」の押し順(カウント値を「+5」にする押し順)を報知したが、遊技者の操作ミスで左中右でストップスイッチ42が操作されたときは、当該遊技では、カウント値が「−5」にされる。ただし、その後もカウント値を「+5」にする押し順を報知し続けるので、いずれは「+40」となる。
なお、ATサブ制御手段82は、AT準備中のときは、サブカウンター82aのカウント値の「+40」を維持し、当選役や押し順等に応じて変動させることはない。
また、サブ制御手段80側でのAT遊技の当選時に、メインカウンター70aのカウント値が「0」以外であるときは、以下のように制御する。
たとえば、リプレイ当選時に遊技者の操作ミスによりカウント値を「+5」にする押し順でストップスイッチ42が操作された遊技で、AT遊技に当選したと仮定する。
この場合には、ATサブ制御手段82は、上記と同様に、メインカウンター70aのカウント値が「+40」になるまで、リプレイ当選時及び小役3A当選時に、メインカウンター70aのカウント値が「+5」となる押し順を報知する。よって、この場合には、最短で、7ゲームでカウント値が「+40」となる。
また、図8の例では起こりえないが、たとえばリプレイ当選時に、メインカウンター70aのカウント値として、「0」より大きく、かつ「+5」より小さい値(以下、「N」とする)を加算する押し順を割り当てていると仮定する。そして、リプレイ当選時に遊技者の操作ミスによりカウント値を「N」だけ加算する押し順でストップスイッチ42が操作された遊技で、AT遊技に当選したとする。
この場合には、カウント値を「+40」ちょうどにしてからAT遊技を開始するようにしてもよく、あるいは、AT遊技の開始後に、AT遊技開始時のカウント値の差分(「+40」との差)を調整してもよい。
たとえば、リプレイ当選時の押し順として、メインカウンター70aのカウント値を「N」だけ加算する押し順と、「N」だけ減算する押し順とを割り当てておく。そして、AT遊技に当選した後、メインカウンター70aのカウント値が「N」だけ多い場合には、リプレイ当選時の遊技で「N」を減算する押し順を報知して、「N」を差し引く制御を行うことが挙げられる。なお、このようなカウント値を差し引く報知は、AT準備中でもAT遊技中であってもよい。
メインカウンター70aのカウント値が「+40」以上になったときは、上述したように、フリーズ制御手段70bは、次遊技の開始時に、AT開始フリーズを行う。このAT開始フリーズ中に、ATサブ制御手段82は、AT遊技が開始される旨の演出等を出力する。また、この時点では、メインカウンター70aのカウント値とサブカウンター82aのカウント値は、原則として、「+40」で一致している。
次に、AT遊技が開始されると、ATサブ制御手段82は、1遊技ごとに、サブカウンター82aのカウント値を「1」ずつ減算していくので、後述するAT遊技の遊技回数の上乗せ時を除き、サブカウンター82aのカウント値を加算・維持する場合はない。
また、ATサブ制御手段82は、リプレイ当選時には、原則として「左中右」の押し順を報知し、小役3A当選時には正解押し順を報知し、メインカウンター70aのカウント値を「1」減算するように制御する。なお、図8(b)に示すように、小役3A当選時に不正解押し順でストップスイッチ42が操作されたとしても、メインカウンター70aのカウント値は「1」減算する。小役1及び小役2の当選時(遊技回数の上乗せ時を除く)や役の非当選時についても同様である。
そして、ATサブ制御手段82は、毎遊技、メインカウンター70aのカウント値と、サブカウンター82aのカウント値が一致しているか否かを判断し続け、一致していないと判断したときは、メインカウンター70aのカウント値をサブカウンター82aのカウント値に一致させるべく、所定の押し順の報知を行う。
たとえば、AT遊技中のリプレイ当選時は、ATサブ制御手段82は、左中右の押し順を遊技者に報知し、遊技者がその報知に従ってストップスイッチ42を操作すれば、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値は「1」減算される。また、小役3A当選時には、報知された押し順に従ってストップスイッチ42を操作すれば、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値は「1」減算される。
よって、AT遊技の開始時のメインカウンター70aのカウント値は、「+40」であるが、AT遊技中に遊技回数の上乗せがない場合には、40ゲーム消化時に「0」となるはずである。
しかし、AT遊技中に遊技者のストップスイッチ42の操作ミスがあると、メインカウンター70aのカウント値とサブカウンター82aのカウント値とにズレが生じる。
たとえば、リプレイ当選時に遊技者が「中左右」の押し順でストップスイッチ42を操作したとき、図8(b)に示すように、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値は「−2」となり、本来であれば「−1」であるべきところ、さらに「1」だけ多く減算される。
この場合、次のリプレイ当選時に、「右左中」の押し順を報知して、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値の更新値を「0」とし(現状維持)、本来であれば「−1」にすべきところ、「1」だけ多くする。
これにより、リプレイ当選時の上記2ゲームにおいて、メインカウンター70aのカウント値を、トータルで「−2+0=−2」とすることができる。
上記とは逆に、リプレイ当選時に遊技者が「右左中」の押し順でストップスイッチ42を操作したとき、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値は「0」となり、本来であれば「−1」にすべきところ、「1」だけ多くなる。
この場合、次のリプレイ当選時に、「中左右」の押し順を報知して、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値を「−2」とし、本来であれば「−1」にすべきところ、「1」だけ多く減算する。
さらにまた、たとえばリプレイ当選時に遊技者が「右中左」の押し順でストップスイッチ42を操作したとき、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値は「+4」となり、本来であれば「−1」にすべきところ、「5」だけ増加する。
この場合、次のリプレイ当選時に、「中右左」の押し順を報知して、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値を「−6」とし、本来であれば「−1」にすべきところ、「5」だけ多く減算する。
これにより、リプレイ当選時の上記2ゲームにおいて、メインカウンター70aのカウント値を、トータルで「+4−6=−2」とすることができる。
上記とは逆に、リプレイ当選時に遊技者が「中右左」の押し順でストップスイッチ42を操作したとき、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値は「−6」となり、本来であれば「−1」にすべきところ、「5」だけ多く減算される。
この場合、次のリプレイ当選時に、「右中左」の押し順を報知して、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値を「+4」とし、本来であれば「−1」にすべきところ、「5」だけ多く加算する。
さらに、本実施形態では、ATサブ制御手段82は、AT遊技中は、レア小役(本実施形態では、小役1又は小役2)当選時に、AT遊技の遊技回数を上乗せ(加算)するか否かの決定を行う。
例えば、小役1の当選時は、最低でも10ゲームを上乗せするとともに、10、30、又は50ゲームの中から抽選で上乗せ数を決定する。
また、小役2の当選時は、抽選によって遊技回数を上乗せするか否かを決定し、上乗せすることに決定したときは、30ゲームを上乗せする。
小役1に当選したときは、ATメイン制御手段70は、メインカウンター70aのカウント値を判別し、図8(b)に示すように、「+6」以上であるときは、メインカウンター70aのカウント値を「−1」更新する。これに対し、メインカウンター70aのカウント値が「+5」以下であるときは、カウント値を「+9」更新する。すなわち、メインカウンター70aのカウント値が「+5」以下であるときは、小役1に当選した時点で、カウント値を更新する。
なお、更新値を「+9」としたのは、実際の上乗せ数は「+10」であるが、当該遊技の1遊技消化分を差し引いて「+9」としている。
また、小役2の当選時は、小役3A当選時と同様に、メインカウンター70aのカウント値を「−1」更新する。
ATサブ制御手段82は、小役1の当選時に遊技回数の上乗せ抽選を行った結果、「+10」に当選した場合において、小役1当選時のメインカウンター70aのカウント値が「+5」以下であるときは、すでにメインカウンター70aのカウント値を「10」だけ加算しているので、さらにメインカウンター70aのカウント値を加算する制御を行わない。
これに対し、小役1当選時のメインカウンター70aのカウント値が「+6」以上であるときは、メインカウンター70aのカウント値を「10」加算する制御を行う。
具体的には、それ以降のリプレイの当選時の2回の遊技で、右中左の押し順の報知を行う。この2回の遊技で、メインカウンター70aのカウント値は「+8」だけ増加するので、2回の遊技の消化分を差し引いて「+10」にすることができる。
一方、小役1に当選し、遊技回数の上乗せ抽選が行われた結果、「+30」に当選したときは、既に加算している「+10」に加え、「+20」を加算する必要がある。
同様に、「+50」に当選したときは、さらに「+40」を加算する必要がある。
ここで、ATメイン制御手段70は、リプレイ当選時に所定の押し順パターンでストップスイッチ42が操作されたときは、それぞれ「+20」、「+40」を加算する。
図9は、このときの押し順パターンと、加算数(メインカウンター70aのカウント値の更新値)とを示す図である。
たとえば、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値を「20」加算する場合には、リプレイ当選時の遊技で「左右中」の押し順を報知し、次のリプレイ当選時の遊技では「左右中」の押し順を報知する。
なお、AT遊技中のリプレイ当選時は、「左中右」の押し順が報知されるので、遊技者の操作ミスがない限り、「左右中」の押し順でストップスイッチ42が操作されることはない。
リプレイ当選時の遊技で「左右中」の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、図8(b)及び図9に示すように、メインカウンター70aのカウント値は「−1」更新される。次のリプレイ当選時の遊技で「左右中」の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、図9に示すようにメインカウンター70aのカウント値は「+19」だけ更新される。
また、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値を「40」加算する場合には、リプレイ当選時の遊技で「左右中」の押し順を報知し、次のリプレイ当選時の遊技では「右左中」の押し順を報知する。
リプレイ当選時の遊技で「左右中」の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、図8(b)及び図9に示すように、メインカウンター70aのカウント値は「−1」更新される。次のリプレイ当選時の遊技で「右左中」の押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、図9に示すようにメインカウンター70aのカウント値は「+39」だけ更新される。
なお、上述したように、リプレイ当選時に遊技者の操作ミスによりメインカウンター70aのカウント値にズレが生じたときは、その後のリプレイ当選時に「右左中」の押し順が報知される場合があるので、1遊技だけをみれば、リプレイ当選時に「右左中」の押し順でストップスイッチ42が操作される場合がある。しかし、その前のリプレイ当選時の遊技で「左右中」の押し順で操作されていることはほぼないと考えられる。
また、AT遊技の遊技回数が残り5ゲーム以下であるとき、すなわちメインカウンター70aのカウント値が「+5」以下であるときは、小役1に当選したときに直ちにメインカウンター70aのカウント値が「+9」されるので、その時点での残り遊技回数は、最低でも「+9」となる。よって、この9ゲーム間に2回はリプレイに当選すると考えられるので、AT遊技中にメインカウンター70aのカウント値を所定値に更新することができる。
また、小役2に当選し、AT遊技の遊技回数に30ゲームを加算することとなったときは、ATサブ制御手段82は、その後の最初のリプレイ当選時の遊技において、「右中左」の押し順を報知する。これにより、その時点でメインカウンター70aのカウント値は、図8(b)及び図9に示すように、「+4」加算される。
その次のリプレイ当選時の遊技では、ATサブ制御手段82は、「右左中」の押し順を報知する。これにより、図9に示すように、当該遊技ではメインカウンター70aのカウント値は「+24」される。よって、30ゲームを上乗せするときは、2回のリプレイ当選時の遊技で、「+28」(加算数「30」−遊技回数消化分「2」=「28」)にすることができる。
図10は、小役2に当選してAT遊技の遊技回数を上乗せする場合において、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値の変化を具体的に説明する図である。
たとえばAT遊技のN遊技目において、遊技開始前のメインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値は、いずれも「+6」であるとする。すなわち、AT遊技の残り遊技回数が6ゲームである場合である。
このN遊技目で小役2に当選し、ATサブ制御手段82aによる抽選で、AT遊技の遊技回数を30ゲーム上乗せ(加算)することに決定したときは、その時点で、サブカウンター82aのカウント値を「+30」にする。よって、サブカウンター82aのカウント値は「+36」となる。そして、当該遊技の終了時には、サブカウンター82aのカウント値は、当該遊技消化分の1ゲームを減算して「+35」となる。
一方、メインカウンター70aのカウント値は、N遊技目終了時には、1ゲーム分を減算して「+5」となる。
次遊技以降において、ATサブ制御手段82は、リプレイに当選した遊技で、ストップスイッチ42の所定の押し順を報知して、メインカウンター70aのカウント値を「30」加算するように制御する。
たとえば、図10に示すように、「N+1」遊技目においてリプレイに当選したときは、ATサブ制御手段82は、「右中左」と報知する。遊技者がこの報知に従ってストップスイッチ42を操作すると、当該遊技では、メインカウンター70aのカウント値は、「+4」されるので、この遊技終了時には「+9」となる。一方、サブカウンター80aのカウント値は、1遊技の消化に伴い「1」を減算するので、「+34」となる。
次の「N+2」遊技目は、小役3Aに当選したとする。当該遊技では、9枚の払出しとなる押し順が報知される。そして、この遊技終了時には、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値は、いずれも「1」を減算するので、メインカウンター70aは「+8」、サブカウンター82aは「+33」となる。
次に、「N+3」遊技目でリプレイに当選したとすると、ATサブ制御手段82は、「右左中」と報知する。遊技者がこの報知に従ってストップスイッチ42を操作すると、図9に示す「リプレイ当選N回目「右中左」、かつ、リプレイ当選「N+1」回目「右左中」」の条件を満たすので、メインカウンター70aのカウント値は、「+24」され、当該遊技の終了時には「+32」となる。一方、サブカウンター82aは「1」減算されるので、当該遊技の終了時には「+32」となる。これにより、「N+3」遊技目の終了時に、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値は同値となる。
図11は、小役1に当選してAT遊技の遊技回数を上乗せするときのメインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値の変化を具体的に説明する図である。
たとえばAT遊技のN遊技目において、遊技開始前のメインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値は、いずれも「+3」であるとする。すなわち、AT遊技の残り遊技回数が3ゲームである場合である。
このN遊技目で小役1に当選すると、その時点で、メインカウンター70aのカウント値は「+9」される。これは、AT遊技の残り遊技回数が5ゲーム以下での小役1の当選に基づく加算である(図8(b))。よって、当該遊技の終了時のメインカウンター70aのカウント値は、「+12」となる。
また、ATサブ制御手段82は、小役1の当選に基づき、遊技回数の上乗せ抽選を行った結果、50ゲームに当選したとすると、その時点で、サブカウンター82aのカウント値に「50」を加算する。よって、その時点でのサブカウンター82aのカウント値は、「+53」となる。そして、当該遊技の終了時には、サブカウンター82aのカウント値は、当該遊技消化分の1ゲームを減算して「+52」となる。
次遊技以降において、ATサブ制御手段82は、リプレイに当選した遊技で、ストップスイッチ42の所定の押し順を報知して、メインカウンター70aのカウント値を「40」加算するように制御する。すなわち、N遊技目で加算した「10」に加え、さらに「40」を加算するように制御する。
図11に示すように、「N+1」遊技目においてリプレイに当選したときは、ATサブ制御手段82は、「左右中」と報知する。遊技者がこの報知に従ってストップスイッチ42を操作すると、当該遊技では、メインカウンター70aのカウント値は、「−1」されるので、この遊技終了時には「+11」となる。一方、サブカウンター82aのカウント値は、1遊技の消化に伴い「1」を減算するので、「+51」となる。
次の「N+2」遊技目は、小役3Aに当選したとすると、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値は、いずれも「1」を減算するので、メインカウンター70aのカウント値は「+10」、サブカウンター82aのカウント値は「+50」となる。
次に、「N+3」遊技目でリプレイに当選したとすると、ATサブ制御手段82は、「右左中」と報知する。遊技者がこの報知に従ってストップスイッチ42を操作すると、図9に示す「リプレイ当選N回目「左右中」、かつ、リプレイ当選時「N+1」回目「右左中」」の条件を満たすので、メインカウンター70aのカウント値は、「+39」され、当該遊技の終了時には「+49」となる。一方、サブカウンター82aのカウント値は「1」減算されるので、当該遊技の終了時には「+49」となる。これにより、「N+3」遊技目の終了時に、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値は同値となる。
メイン制御手段50側でメインカウンター70aのカウント値が「0」になると、フリー制御手段70bは、AT遊技の終了を意味するAT終了フリーズを実行する。AT終了フリーズが実行されると、その旨の信号がサブ制御手段80に送信される。サブ制御手段80は、この情報を受信すると、AT遊技の終了を意味する演出を出力するとともに、その後は、小役3Aの当選時に正解押し順を報知しないように制御する。また、リプレイ当選時についても何ら報知を行わない。
続いて、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値の整合性をとる例を、図12〜図16(グラフ)に基づいて、具体的に説明する。
図12(第1例)は、AT遊技の途中で遊技回数が上乗せされた例を示す。図12では、横軸が遊技回数であり、縦軸がメインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値を示す。図中、上側がメインカウンター70aのカウント値を示し、図中、下側がサブカウンター82aのカウント値を示す。
図12において、ATサブ制御手段82は、AT遊技を実行することに決定したときは、サブカウンター82aのカウント値を「+40」に設定する(この時点での遊技回数を「0」に設定する)。また、この時点でのメインカウンター70aのカウント値は「0」である。
その後、ATサブ制御手段82は、ストップスイッチ42の押し順を指示し、メインカウンター70aのカウント値を加算させるように制御し、サブカウンター82aのカウント値を「+40」に設定した遊技(「0」遊技目)から数えて遊技回数X1のときにメインカウンター70aのカウント値が「+40」に到達したものとする。したがって、遊技回数X1のときに、AT遊技が開始される。
以上は、以下の図13〜図16についても同様である。
そして、遊技回数の消化に伴って、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値は毎遊技「1」ずつ減算されていく。
次に、遊技回数X2のときに、レア小役に当選し、AT遊技の遊技回数が上乗せされた例を示している。遊技回数X2のときの(上乗せ前の)メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値はC1である。そして、上乗せ数が「C3−C1」に決定されたことにより、遊技回数X2のときにサブカウンター82aのカウント値はC3となる。
これにより、次遊技から、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値を加算するための押し順を報知し続け、遊技回数X3のときにメインカウンター70aのカウント値がC2となり、この時点でサブカウンター82aのカウント値と一致したとする。これにより、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値を加算する押し順の報知を終了する。その後は、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値を毎遊技「1」ずつ減算する押し順を報知し続け、メインカウンター70a及びサブカウンター82aともに、カウント値を毎遊技「1」ずつ減算していく。
そして、遊技回数X4のときに、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値が「0」となり、AT遊技を終了する。また、遊技回数X4のときにメインカウンター70aのカウント値が「0」になると、ATメイン制御手段70は、AT遊技の終了時に必要な処理(フリーズ、外端信号の送信等)を行う。
図13の例(第2例)は、遊技回数X2までは、図12と同一である。
遊技回数X2のときの(上乗せ前の)メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値はC1であり、上乗せ数が「C3−C1」に決定されたことにより、遊技回数X2のときにサブカウンター82aのカウント値はC3となる。
次に、次遊技から、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値を加算するための押し順を報知し続ける。そして、遊技回数X3のときに、サブカウンター82aのカウント値はC2であるが、メインカウンター70aのカウント値はC3(C3>C2)となり、メインカウンター70aのカウント値の方がサブカウンター82aのカウント値を上回った例を示している。具体的には、遊技回数X3のときに、メインカウンター70aのカウント値は、サブカウンター82aのカウント値よりも「C3−C2」だけ大きい値である。
この場合、次遊技から、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値を通常時よりも多く減算する押し順を報知し(たとえば図8(b)において、リプレイ当選時に、「中左右」の押し順を報知し)、メインカウンター70aのカウント値を調整する。その結果、遊技回数X5のときに、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値がともにC1となり、一致したとする。これにより、その後は、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値を毎遊技「1」ずつ減算する押し順を報知し続け、メインカウンター70a及びサブカウンター82aともに、カウント値を毎遊技「1」ずつ減算していく。
図14の例(第3例)は、遊技回数X2までは、図12と同一である。
ここで、遊技回数X2のときに、AT遊技の遊技回数の上乗せを行い、サブカウンター82aのカウント値が遊技回数X2の時点でC3になったとする。次に、次遊技から、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値を加算するための押し順を報知し続ける。
そして、遊技回数X6のときに、メインカウンター70aのカウント値がC2になったとする。ここで、遊技回数X6の時点でのサブカウンター82aのカウント値は、C2より大きい値であるとする。しかし、次遊技以降においてもメインカウンター70aのカウント値の加算を続けると、メインカウンター70aのカウント値がサブカウンター82aのカウント値を上回ってしまうとATサブ制御手段82が判断した場合には、その後、1〜数遊技間において、メインカウンター70aのカウント値を維持する押し順を報知する。たとえば図8(b)の例では、リプレイ当選時に「右左中」と報知する。
これにより、サブカウンター82aのカウント値は遊技回数の消化に伴って毎遊技「1」ずつ減算していくが、メインカウンター70aのカウント値は、現状維持するように制御する。
その結果、遊技回数X7の時点で、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値がいずれもC2となり、一致したとする。これにより、その後は、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値を毎遊技「1」ずつ減算する押し順を報知し続け、メインカウンター70a及びサブカウンター82aともに、カウント値を毎遊技「1」ずつ減算していく。
図15の例(第4例)は、AT遊技中に遊技回数の大幅な上乗せに当選した例であり、図10の例に相当するものである。
ここで、図15の遊技回数X2は、図10のN遊技目に相当し、図15の遊技回数「X2+1」は、図10の「N+1」遊技目に相当し、図15の遊技回数「X2+2」は図10の「N+2」遊技目に相当し、図15の遊技回数X8(X2+3)は、図10の遊技回数「N+3」遊技目に相当する。
図15において、遊技回数X2(図10のN遊技目)に上乗せ数「30」に当選すると、サブカウンター82aのカウント値は、C4(図10の「+36」に相当。C4−C1=30)にされる。
次の遊技回数「X2+1」(図10の「N+1」遊技目)では、メインカウンター70aのカウント値に「4」が加算される。さらに次の遊技回数「X2+2」(図10の「N+2」遊技目)では、メインカウンター70aのカウント値は、「1」減算される。
そして、次の遊技回数X8(図10の「N+3」遊技目)では、メインカウンター70aのカウント値に「24」が加算され、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値はC5(図10の「+32」)となり、サブカウンター82aのカウント値と一致する。その後は、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値が「0」となる遊技回数X9までAT遊技が実行される。
図16の例(第5例)は、メインカウンター70aのカウント値に意図しない加算が行われたときの例である。
図16の例では、遊技回数X2までは、図12と同一である。また、図16の例では、ATサブ制御手段82によるAT遊技の遊技回数の上乗せは行われない。
遊技回数X2であるときに、遊技者が報知されたストップスイッチ42の押し順に従わなかったとき、又はストップスイッチ42の操作ミスにより、実際にはAT遊技の遊技回数の上乗せが行われていないが、メインカウンター70aのカウント値のみが加算されたとする。たとえば図9に示す押し順でストップスイッチ42が偶然に操作された場合等である。
そして、メインカウンター70aのカウント値が遊技回数X10のときにC6になったとしたとき、図9に示す方法と同様の方法により、複数回の遊技にわたって所定の役に当選したときに所定の押し順でストップスイッチ42が操作されれば、メインカウンター70aのカウント値を大幅に減算するように予め設定しておく。
このような方法で、メインカウンター70aのカウント値が意図しない増加をしたときは、それを解消し、サブカウンター82aのカウント値に近づけることができる押し順を報知することで、メインカウンター70aとサブカウンター82aのカウント値を近づける又は一致させるようにする。
図16の例では、遊技回数X11のときに、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値をいずれもC7にした例を示している。
その後は、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値が「0」となる遊技回数X12までAT遊技が実行される。
<第2実施形態>
図17は、第2実施形態におけるメインカウンター70aの更新値を示す図である。なお、第2実施形態におけるサブカウンター82aは、第1実施形態と同様に、AT遊技中は1遊技ごとに「1」ずつ減算していく。
第2実施形態では、非AT遊技中、AT準備中、及びAT遊技中で、メインカウンター70aの更新値を区別していない。
先ず、ATサブ制御手段82は、AT遊技の抽選に当選すると、その時点で、サブカウンター82aのカウント値を「+40」にする(第1実施形態と同様)。そして、次遊技から、ATサブ制御手段82は、AT準備中に移行する。
AT準備中では、リプレイの当選時は、ATサブ制御手段82は、右中左の押し順を報知する。
遊技者がこの押し順に従ってストップスイッチ42を操作したときは、ATメイン制御手段70は、図17に示すように、メインカウンター70aのカウント値を「5」だけ加算する。
また、AT準備中では、小役3A+3B当選時は左右中と報知し、小役3A+3C当選時は中右左と報知し、小役3A+3B+3C当選時は右中左と報知する。これにより、どの小役3Aの当選時であっても、遊技者は、報知された押し順に従うことで9枚の払出しを受けることができるとともに、メインカウンター70aのカウント値は「5」だけ加算される。
よって、AT準備中に移行した後、リプレイ又は小役3Aのみに当選するとすれば、8ゲームでメインカウンター70aのカウント値が「+40」となる。
また、AT準備中において、遊技者が報知された押し順に従わなかった場合であっても、図17に示すカウント値が加算される。
このため、メインカウンター70aのカウント値が「5」の整数倍にはならない場合があるが、AT準備中では、ATサブ制御手段82は、リプレイ当選時及び小役3A当選時には、原則として、メインカウンター70aのカウント値を「5」だけ加算する押し順を報知し続ける。また、メインカウンター70aのカウント値を調整可能であるときには、調整するための押し順を報知する。
たとえば、AT準備中において、メインカウンター70aのカウント値が「+35」であるとき、小役3Aに当選したと仮定する。当該遊技で遊技者がストップスイッチ42を操作ミスしたときは、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値の更新値は「−1」となる。したがって、当該遊技の終了時にはメインカウンター70aのカウント値は「+34」となる。このことは、リプレイに当選した遊技で、右中左の押し順(メインカウンター70aのカウント値を「+5」にする押し順)を報知したが、遊技者のストップスイッチ42の操作ミスで、右中左以外の押し順でストップスイッチ42が操作されたときも同様である。
次遊技でリプレイ又は小役3Aに当選したときは、メインカウンター70aのカウント値に「5」を加算する押し順を報知する。そして、当該遊技の終了時には、メインカウンター70aのカウント値が「+39」になったとする。
さらに次遊技で、リプレイに当選したときは、ATサブ制御手段82は、中左右の押し順を報知し、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値に「1」を加算するようにする。これにより、当該遊技の終了時にはメインカウンター70aのカウント値は、「+40」となる。
これに対し、メインカウンター70aのカウント値が「+39」であるとき、小役3Aに当選したときは、ATサブ制御手段82は、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値を「+5」にする押し順を報知する。したがって、当該遊技の終了時にはメインカウンター70aのカウント値は、「+44」となる。
そして、メインカウンター70aのカウント値が「+40」以上になったときは、ATメイン制御手段70は、AT開始フリーズを実行する。
また、AT遊技中には、ATサブ制御手段82は、リプレイの当選時には左中右の押し順を報知して、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値を「1」減算するように制御する。
さらに、小役3Aの当選時には、正解押し順のうち、メインカウンター70aのカウント値を「1」減算する押し順を報知する。たとえば、小役3A+3B当選時には、左中右の押し順を報知する。AT遊技の残り遊技回数が6ゲーム以上のときの小役1当選時、並びに小役2当選時及び非当選時も同様に、メインカウンター70aのカウント値を「1」減算する。
したがって、AT遊技中は、原則として、メインカウンター70a及びサブカウンター82aのカウント値は、毎遊技、「1」ずつ減算される。
ここで、AT遊技開始時のメインカウンター70aのカウント値が、上記の「+44」のように、「+40」ちょうどでない場合には、AT遊技の開始時に、メインカウンター70aとサブカウンター82aのカウント値にズレが生じている。このため、ATサブ制御手段82は、これを是正するための押し順をAT遊技中に報知する。さらにまた、AT遊技の開始時にはメインカウンター70aのカウント値が「+40」であったが、AT遊技中の遊技者のストップスイッチ42の操作ミスによりカウント値にズレが生じたときも同様にカウント値を是正する。
上記の例のように、AT遊技の開始時のメインカウンター70aのカウント値が「+44」であったとき、次のリプレイ当選時の遊技では、ATサブ制御手段82は、右左中の押し順を報知する。この押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値は、「7」減算される。よって、本来であればAT遊技中のカウント値の更新値は「−1」であるが、「−7」にすることにより、「6」だけ多く減算することになる。
よって、AT遊技の開始時にはメインカウンター70aのカウント値は「4」だけ多かったが、当該遊技で通常よりも「6」だけ多く減算することになるので、この時点で、メインカウンター70aのカウント値は、本来よりも「2」だけ小さい値となる。
さらにこの場合、次のリプレイ当選時の遊技では、ATサブ制御手段82は、中左右の押し順を報知する。この押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値は、「+1」となる。よって、本来であればAT遊技中のカウント値の更新値は「−1」であるが、「+1」にすることにより、「2」だけ多く加算することになる。
したがって、当該遊技の開始前にはメインカウンター70aのカウント値は「2」だけ小さい値であったが、当該遊技で通常よりも「2」だけ多く加算することで、差し引き「0」となる。
また、AT遊技中の小役3A当選時に、メインカウンター70aのカウント値を「1」減算する押し順を報知したが、カウント値を「5」加算する押し順で遊技者がストップスイッチ42を操作したときは、その時点で、メインカウンター70aのカウント値は、サブカウンター82aのカウント値よりも「6」だけ多くなる。
この場合には、次のリプレイ当選時の遊技で、右左中の押し順を報知して、当該遊技ではメインカウンター70aのカウント値を「7」減算する。これにより、当該遊技では通常時よりも「6」だけ多く減算されるので、差し引き「0」にすることができる。
さらにまた、AT遊技中のリプレイ当選時に、遊技者の操作ミスにより中左右の押し順でストップスイッチ42が操作され、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値が「+1」となったときは、次のリプレイ当選時の遊技で中右左の押し順を報知し、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値を「−3」にすることで、リプレイ当選時の上記2ゲーム合算でのカウント値が「−2」になるように制御する。
さらに、AT遊技中のリプレイ当選時に、遊技者の操作ミスにより中右左の押し順でストップスイッチ42が操作され、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値が「−3」となったときは、上記とは逆に、次のリプレイ当選時の遊技で中左右の押し順を指示する。これにより、リプレイ当選時の上記2ゲーム合算でのカウント値を「−2」にすることができる。
また、AT遊技中のリプレイ当選時に、遊技者の操作ミスにより右中左の押し順でストップスイッチ42が操作され、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値が「+5」となったときは、次のリプレイ当選時の遊技で右左中の押し順を報知する。この押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値は「−7」になるので、リプレイ当選時の2ゲーム合算でのカウント値を「−2」にすることができる。
さらにまた、AT遊技中のリプレイ当選時に、遊技者の操作ミスにより右左中の押し順でストップスイッチ42が操作され、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値が「−7」となったときは、上記とは逆に、次のリプレイ当選時の遊技で右中左の押し順を報知する。この押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、当該遊技でのメインカウンター70aの更新値は「+5」になるので、リプレイ当選時の2ゲーム合算でのカウント値を「−2」にすることができる。
図18は、第2実施形態において、AT遊技の遊技回数を上乗せするときのストップスイッチ42の押し順とメインカウンター70aのカウント値との関係を示す図であり、第1実施形態の図9に相当する図である。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、小役1又は小役2に当選た場合において、ATサブ制御手段82は、AT遊技の遊技回数を上乗せすることに決定したときは、複数回の遊技にわたって所定の押し順を報知し、所定数だけメインカウンター70aのカウント値を加算するように制御する。
たとえば、メインカウンター70aのカウント値に「20」を加算するときは、以下のようにする。図18に示すように、まず、ATサブ制御手段82は、小役3A当選時の遊技でメインカウンター70aのカウント値を「+5」にする押し順を報知する。その押し順で操作されたときは、ATメイン制御手段70は、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値を「5」だけ加算する。
さらに、次の小役3A当選時の遊技では、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値に「5」を加算する押し順を報知する。ATメイン制御手段70は、その押し順で操作されたときは、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値に「13」を加算する。これにより、小役3A当選時の2遊技で、メインカウンター70aのカウント値を「20」だけ加算する(実際には、2遊技分の「2」を引いた「18」を加算する)ことができる。
また、メインカウンター70aのカウント値に「40」を加算するときは、以下のようにする。まず、ATサブ制御手段82は、小役3A当選時の遊技でメインカウンター70aのカウント値を「+5」にする押し順を報知する。その押し順で操作されたときは、ATメイン制御手段70は、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値を「5」だけ加算する。
次のリプレイ当選時の遊技では、ATサブ制御手段82は、右中左の押し順を報知する。その押し順で操作されたときは、ATメイン制御手段70は、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値を「33」だけ加算する。これにより、小役3A当選時の遊技及び次のリプレイ当選時の遊技(計2遊技)で、メインカウンター70aのカウント値を「40」だけ加算する(実際には、2遊技分の「2」を引いた「38」を加算する)ことができる。
さらにまた、メインカウンター70aのカウント値に「30」を加算するときは、以下のようにする。まず、ATサブ制御手段82は、リプレイ当選時の遊技で右中左の押し順を報知する。その押し順で操作されたときは、ATメイン制御手段70は、メインカウンター70aのカウント値を「5」だけ加算する。次のリプレイ当選時の遊技では、ATサブ制御手段82は、中左右の押し順を報知する。その押し順で操作されたときは、ATメイン制御手段70は、当該遊技でのメインカウンター70aのカウント値を「23」だけ加算する。これにより、リプレイ当選時の2遊技で、メインカウンター70aのカウント値を「30」だけ加算する(実際には、2遊技分の「2」を引いた「28」を加算する)ことができる。
<第3実施形態>
図19は、第3実施形態におけるAT遊技中のメインカウンター70aの更新値を示す図であり、第1実施形態の図8(b)に相当する図である。
第3実施形態では、小役1として、2種類の小役1A及び小役1Bを備える。小役1Aは、左リール31の停止時に「チェリー」の図柄が中段に停止するいわゆる中チェリーであり、小役1Bは、左リール31の停止時に「チェリー」の図柄が上段又は下段に停止するいわゆる角チェリーである。
さらに、第3実施形態では、AT遊技中の小役1A(中チェリー)当選時には、常にAT遊技の遊技回数の上乗せを行うように制御する。また、ATサブ制御手段82は、小役1Aの当選時には、上乗せする遊技回数として、「10」、「30」、又は「50」の中からいずれか1つを抽選によって決定する。
したがって、小役1A当選時の最低上乗せ数は「10」であるので、ATメイン制御手段70は、小役1A当選時には、メインカウンター70aのカウント値を「+9」だけ更新する。
なお、サブカウンター82aは、ATサブ制御手段82による上乗せ遊技回数の抽選後に、決定した遊技回数に対応するカウント値を加算する。
そして、ATサブ制御手段82による抽選の結果、上乗せ数「30」に当選したときは、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値にさらに「20」を加算する押し順を報知し、上乗せ数「50」に当選したときは、メインカウンター70aのカウント値にさらに「40」を加算する押し順を報知する。この加算方法としては、第1実施形態と同一である。
また、小役1B当選時には、ATメイン制御手段70は、メインカウンター70aのカウント値を「+9」だけ更新する。
さらに、ATサブ制御手段82は、小役1Bの当選時には、上乗せ遊技回数として、「0」、「10」、「20」の中からいずれか1つを抽選によって決定する。すなわち、「0」が選択されたときは、AT遊技の遊技回数を上乗せしないことを意味する。そして、ATサブ制御手段82は、上乗せ数を決定したときは、その決定した数をサブカウンター82aのカウント値に加算する。なお、上乗せ数を「0」に決定したときは、サブカウンター82aのカウント値を維持する。
ATサブ制御手段82は、上乗せ数を「10」に決定したときは、すでに上乗せ数「10」に対応するカウント値がメインカウンター70aに加算されているので、それ以降にメインカウンター70aのカウント値を加算する制御を行わない。
また、ATサブ制御手段82は、上乗せ数を「20」に決定したときは、メインカウンター70aのカウント値をさらに「10」だけ加算する処理を行う。この場合、第1実施形態の図9に示す方法により、ATサブ制御手段82は、複数回の遊技にわたって所定の押し順を報知する。そして、所定の押し順パターンでストップスイッチ42が操作されたときは、ATメイン制御手段70は、メインカウンター70aのカウント値に「10」を加算する。あるいは、ATサブ制御手段82は、2回のリプレイの当選時に右中左の押し順を報知し、メインカウンター70aのカウント値に「10」を加算するようにしてもよい。
さらにまた、ATサブ制御手段82による抽選の結果、上乗せ数「0」に当選したときは、すでに上乗せ数「10」に対応するカウント値がメインカウンター70aに加算されているので、それ以降に、ATサブ制御手段82は、メインカウンター70aのカウント値を「10」減算する押し順を報知する。たとえば、それ以降の2回のリプレイの当選時に、中右左の押し順を報知する。これにより、メインカウンター70aのカウント値は通常時よりも「10」だけ減算されるので、小役1Bの当選に基づく加算をクリアすることができる。
以上のようにして、第3実施形態では、小役1A当選時は、AT遊技の残り遊技回数にかかわらず、メインカウンター70aのカウント値に所定値を加算する。
また、小役1B当選時には、メインカウンター70aのカウント値に所定値を加算するものの、ATサブ制御手段82による上乗せ数の抽選の結果、上乗せ数「0」に決定したときは、一旦加算したメインカウンター70aのカウント値からその値を差し引くように制御する。
<第4実施形態>
上記実施形態では、MBの当選を持ち越している内部中遊技においてAT遊技を実行するか否かを決定した。
これに対し、第4実施形態では、内部中遊技の遊技状態として、RT1遊技(非ART遊技)、RT2遊技(ART準備中)、RT3遊技(ART遊技)の3種類を備える。
ここで、RT1遊技では、リプレイの当選確率は、第1実施形態の非内部中遊技と同様の1/7.3程度である。これに対し、RT2遊技及びRT3遊技のリプレイの当選確率は、1/2程度に設定される。
図20は、第4実施形態におけるメイン制御手段50側の遊技状態とその移行を説明する図である。メイン制御手段50では、通常の(ノーマル)リプレイの他に、レアリプレイ(ノーマルリプレイとの重複当選を含む)を設けておく。
メイン制御手段50は、非ART遊技中は、RT1遊技に滞在し続ける。サブ制御手段80は、第1実施形態等と同様に、RT1遊技中は、ART遊技の抽選を実行する。
次に、サブ制御手段80でART遊技に当選したときは、サブ制御手段80は、レアリプレイの当選時に変則押し(左第一停止以外)を報知する。レアリプレイの当選時に所定の変則押しでストップスイッチ42が操作されたときは、昇格リプレイが入賞するようにリール31を停止制御する。昇格リプレイが入賞したときは、メイン制御手段50は、遊技状態をRT1遊技からRT2遊技に移行させる。
なお、「レアリプレイの当選」とは、
a)1種類のレアリプレイの単独当選であって、所定の押し順では昇格リプレイが入賞し、前記所定の押し順以外の押し順では昇格リプレイ取りこぼし目(転落停止出目)が停止表示される場合、
b)2種類以上のレアリプレイの重複当選又は1種類以上のレアリプレイとノーマルリプレイとの重複当選であって、所定の押し順では昇格リプレイが入賞し、前記所定の押し順以外の押し順では転落リプレイ(転落リプレイに相当するノーマルリプレイを含む)が入賞する場合
等が挙げられる。
さらに、RT2遊技では、レアリプレイの抽選を継続し、ART遊技に移行させるときは、サブ制御手段80は、レアリプレイ当選時に所定の変則押しを報知する。そして、その押し順でストップスイッチ42が操作されたときは、昇格リプレイが入賞するようにリール31を停止制御する。ここで昇格リプレイが入賞したときは、メイン制御手段50は、遊技状態をRT2遊技からRT3遊技に移行させる。
以上の遊技状態の移行において、RT1遊技中にART遊技に当選したときは、RT1遊技からRT3遊技に移行するまでの間に、リプレイ当選時又は小役3A当選時に所定の押し順を報知して、メインカウンター70aのカウント値を「+40」にするように制御する。
メイン制御手段50は、遊技状態がRT3遊技に移行し、かつメインカウンター70aのカウント値が「+40」以上であるときは、ART遊技が開始されたと判断し、ART開始フリーズを実行するとともに、外端信号を送信する。
メイン制御手段50は、RT3遊技への移行後(RT3遊技への移行時にメインカウンター70aのカウント値が「+40」以上である場合に限る)は、メインカウンター70aのカウント値が「0」になったときに、ART終了フリーズを実行する。
ただし、メイン制御手段50は、転落リプレイが入賞しない限り、RT3遊技に滞在し続ける。RT3遊技で転落リプレイが入賞して初めて、RT1遊技に移行する。
これに対し、サブ制御手段80は、サブカウンター82aのカウント値が「0」となったときは、ART遊技を終了する。これにより、次遊技から、レアリプレイ当選時に、転落リプレイの入賞を回避するための押し順の報知や、小役3Aの当選時に9枚の払出しを受けるための押し順の報知を行わない。したがって、メイン制御手段50による遊技状態の移行(RT3遊技からRT1遊技への移行)と、サブ制御手段80によるART遊技の終了のタイミングとは必ずしも一致するものではない。
なお、RT1遊技においてART遊技の抽選に当選していない状態で、遊技者のストップスイッチ42の操作ミス等によって偶然にレアリプレイ当選時に昇格リプレイが入賞してRT1遊技に移行したときは、サブ制御手段80は、ART準備中ではないと判断するので、一切の報知を行わない。その結果、RT1遊技で抽選されるレアリプレイの当選時に転落リプレイの入賞確率が高くなるので、RT3遊技に移行する前にRT1遊技に転落する可能性が高くなる。
仮に、偶然が重なって、ART遊技に当選していないにもかかわらず、RT1遊技→RT2遊技→RT3遊技と移行する場合があるが、メイン制御手段50は、RT3遊技への移行時に、メインカウンター70aのカウント値を判別し、カウント値が「+40」以上でなければART開始フリーズを行わないように制御する。
特に、本実施形態のように、中又は右第一停止時にはペナルティを発生させるようにしておくとともに、レアリプレイの当選時に左第一停止時には転落リプレイが入賞するように設定しておけば、当該遊技で転落リプレイを入賞させることができるので、RT3遊技に移行してしまう可能性を低く設定することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、AT遊技中のレア小役当選時は、一律に又は抽選により、遊技回数の上乗せを行うようにした。しかし、AT遊技の残り遊技回数が少ないとき、たとえばAT遊技の遊技回数が残り5ゲーム以下であるときは、レア小役の当選時であっても遊技回数の上乗せを一切行わないように設定することも可能である。
このようにすれば、AT遊技の終了直前にレア小役に当選したが、メインカウンター70aのカウント値の加算が間に合わなくなるという事態を回避することができる。
(2)本実施形態では、AT遊技中の小役1当選時には、10ゲーム〜50ゲームの遊技回数を加算するようにした。しかし、これに限らず、たとえば100ゲーム〜300ゲームのように、より数の多い上乗せ数を設けることも可能である。この場合においてメインカウンター70aのカウント値の加算が偶然に生じないようにするため、たとえば5遊技程度にわたり所定の押し順で操作されたことを条件としてメインカウンター70aのカウント値を加算すること等がある。
(3)第1実施形態等では、AT遊技中の小役1当選時に、AT遊技の残り遊技回数が5ゲーム以下であるときは、小役1に当選した時点でメインカウンター70aのカウント値を加算した。しかし、AT遊技の残り遊技回数とは関係なく、当選した時点で直ちにメインカウンター70aのカウント値を加算する役(当選した時点で直ちに所定数が上乗せされる役)を設けてもよい。
(4)AT遊技の遊技回数の上乗せ数として10ゲームに決定したとき、AT遊技の残り遊技回数によっては、2回のリプレイ当選時の遊技で右中左の押し順を報知することで、リプレイ当選1回あたり、メインカウンター70aのカウント値に「5」を加算するように制御してもよい。
(5)AT遊技中に、AT遊技の遊技回数を上乗せする期間を設けてもよい。たとえば、その遊技期間では、リプレイ当選時ごとに、「0」、「1」、又は「5」ゲームを上乗せするように制御する。たとえば第1実施形態において、リプレイ当選時の上乗せ数が「0」であるときは、左中右の押し順を報知し、リプレイ当選時の上乗せ数が「1」であるときは、中左右の押し順を報知し、リプレイ当選時の上乗せ数が「5」であるときは右中左の押し順を報知することが挙げられる。
同様に、第2実施形態において、AT遊技の遊技回数を上乗せする期間を設け、その遊技期間では、小役3A当選時ごとに、「0」又は「6」ゲームを上乗せするように制御する。この場合、小役3A当選時の上乗せ数が「0」であるときは、メインカウンター70aのカウント値を「1」減算する正解押し順を報知し、小役3A当選時の上乗せ数が「6」であるときは、メインカウンター70aのカウント値を「5」加算する正解押し順を報知することが挙げられる。