以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るスロットマシン100の外観斜視図である。スロットマシン100は、メダルの投入により遊技が開始され、遊技の結果によりメダルが払い出されるものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110〜112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110〜112が構成されている。リール110〜112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110〜112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110〜112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110〜112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110〜112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110〜112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。 図2は、図柄表示窓113の9つの表示領域1〜9と、本実施形態で採用されている入賞ライン114との関係を示した図である。本実施形態では、表示領域2、5、8によって構成される中段水平入賞ライン(水平入賞ラインL1)、表示領域1、5、9によって構成される右下がり入賞ライン(対角入賞ラインL2)、表示領域3、5、7によって構成される右上がり入賞ライン(対角入賞ラインL3)の3本の入賞ラインが設定されている。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。例えば、本実施形態では、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、右下り入賞ラインが追加された2本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右上り入賞ラインが追加された3ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については3ラインに限定されるものではなく、また、ベット数に関係なく一律に同一数の入賞ラインを有効としてもよい。例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン(表示領域1、4、7によって構成される入賞ライン)、下段水平入賞ライン(表示領域3、6、9によって構成される入賞ライン)、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。以下、有効となる入賞ラインを有効ラインと呼ぶ場合がある。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130〜132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAX(マックス)ベットボタンともいう。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130〜132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。本実施形態においては、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および払出枚数表示器127は7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
スタートレバー135は、リール110〜112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。すなわち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130〜132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110〜112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137〜139が設けられている。ストップボタン137〜139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110〜112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110〜112に対応づけてそれぞれ設けられている。本実施形態では、左リール110にストップボタン137、中リール111にストップボタン138、右リール112にストップボタン139が対応付けられている。以下、ストップボタン137〜139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。また、第1停止操作の対象となるリールを第1停止リール、第2停止操作の対象となるリールを第2停止リール、第3停止操作の対象となるリールを第3停止リールという。なお、各ストップボタン137〜139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137〜139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受皿161が設けられている。
音孔181はスロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(図示省略、演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157(図示省略)の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。
本実施形態においては、液晶表示装置157は、後述する停止ボタンナビ演出に用いられており、液晶表示装置157は、ストップボタン137〜139に対する停止操作順序や停止タイミングなどを報知する。
なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成されている。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
<制御部の回路構成>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図である。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器314bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
基本回路302は、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路332を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路332から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、基本回路302には、センサ回路320を設けており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137〜139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、およびベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130〜132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、およびリール112のインデックスセンサは、各リール110〜112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール110〜112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、及び各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328をそれぞれ設けている。
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるが、第1副制御部400から主制御部300にコマンド等の信号を送信できない。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第1副制御部400は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されたROM406を設けている。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられ、音源IC418には出力インタフェースを介してスピーカ272、277が接続されている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
第1副制御部400には、また、駆動回路422が設けられ、駆動回路422には入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。スロットマシン100の第2副制御部500では、演出画像表示装置157やシャッタ163などの制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の制御を行う制御部、シャッタ163の制御を行う制御部とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
次に、スロットマシン100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを、入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、第2副制御部500は、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506を設けている。
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU504に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第2副制御部500には、シャッタ163を駆動する駆動回路530が設けられ、駆動回路530には出力インタフェースを介してシャッタ163が接続されている。この駆動回路530は、CPU504からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
また、第2副制御部500には、センサ回路532が設けられ、センサ回路532には入力インタフェースを介してシャッタセンサ538が接続されている。CPU504は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ538の状態を監視している。
また、第2副制御部500には、VDP534(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)が設けられ、このVDP534には、バスを介してROM506、VRAM536が接続されている。VDP534は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM536のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
<情報出力回路>
図4は、スロットマシン100の主制御部300から外部の情報収集装置650(例えば、ホールコンピュータ)に出力される信号の種類を説明する図である。
スロットマシン100の主制御部300は、基本回路302と情報出力回路334の2つの基板を備える。そして、これら2つの基板を、メダルの投入枚数を「メダル投入信号」として伝達するための信号線と、メダルの払出枚数を「メダル払出信号」として伝達するための信号線と、遊技の状態を「外部信号1〜4」として伝達するための信号線からなる6本のパラレル信号線や、複数種類の遊技情報を1つの「外部信号5(以下、「セキュリティ信号」と称する場合がある)」として伝達する1本のシリアル信号線などにより接続する。
本実施形態では、外部信号1は、遊技状態がRB(レギュラーボーナス)中であること(BB中のRBを含む)を示すRB信号として、外部信号2は、遊技状態がBB1(ビッグボーナス1)中であることを示すBB1信号として、外部信号3は、遊技状態がBB2(ビッグボーナス2)中であることを示すBB2信号として設定されている。また、外部信号4は、補助信号を示しており、本実施形態では、第1副制御部400がAT(アシストタイム)状態であることを示すAT信号として設定されている。ここで、AT状態とは、遊技者にとって有利となる情報を報知する状態をいい、例えば、有利となる操作手順や操作タイミング、または内部当選した入賞役などを報知する状態をいう。詳しくは後述するが、AT信号は、AT状態の各セット(AT状態は1つまたは複数のセット(連続するAT遊技の単位をいう)から構成されている)開始時に出力されるようになっている。なお、AT状態は第1副制御部400の遊技状態であるから、主制御部300は、所定の条件(以下、AT信号出力条件ともいう)が成立することに基づいて、第1副制御部400の状態がAT状態であると判断し、AT状態であると判断をした場合に上記AT信号を出力するようになっている。
情報出力装置334は、遊技店などに設置される情報収集装置(例えば、ホールコンピュータ)650の情報入力回路652と、上述の6本のパラレル信号線及び1本のシリアル信号線で接続されている。
この結果、情報収集装置650は、スロットマシン100の遊技状態(例えば、BB中、AT中など)を把握することが可能となっている。
<図柄配列>
図5を用いて、上述の各リール110〜112に施される図柄配列について説明する。なお、同図は、各リール(左リール110、中リール111、右リール112)に施される図柄の配列を平面的に展開して示した図である。
各リール110〜112には、同図の右側に示す複数種類(本実施形態では10種類)の図柄が所定コマ数(本実施形態では、番号0〜20の21コマ)だけ配置されている。また、同図の左端に示した番号0〜20は、各リール110〜112上の図柄の配置位置を示す番号である。例えば、本実施形態では、左リール110の番号1のコマには「スイカ」の図柄、中リール111の番号0のコマには「ベル」の図柄、右リール112の番号2のコマには「セブン1」の図柄、がそれぞれ配置されている。
<入賞役の種類>
次に、図6を用いて、スロットマシン100の入賞役の種類について説明する。なお、同図は入賞役(作動役を含む)の種類、各入賞役の名称、各入賞役に対応する図柄組合せ、各入賞役の作動または払出を示す図である。
本実施形態における入賞役のうち、特別役1(BB(ビッグボーナス))はボーナス遊技に移行する役として、特別役2(SB(シングルボーナス))はSB遊技に移行する役とされている。また、再遊技役1〜再遊技役4は新たにメダルを投入することなく再遊技が可能となる役として、それぞれ入賞役とは区別され「作動役」と呼ばれる場合があるが、本実施形態における「入賞役」には、作動役である、ビッグボーナス、シングルボーナスおよび再遊技役1〜再遊技役4が含まれる。また、本実施形態における「入賞」には、メダルの配当を伴わない(メダルの払い出しを伴わない)作動役の図柄組合せが有効ライン上に表示される場合も含まれ、例えば、ビッグボーナス、シングルボーナスおよび再遊技役1〜再遊技役4への入賞が含まれる。
スロットマシン100の入賞役には、ビッグボーナス(BB)と、シングルボーナス(SB)と、小役(小役1〜小役6)と、再遊技役(再遊技1〜再遊技4)がある。なお、入賞役の種類は、これに限定されるものではなく、任意に採用できることは言うまでもない。
「ビッグボーナス(BB)」(以下、単に、「BB」と称する場合がある)は、入賞により特別遊技であるビッグボーナス遊技(BB遊技)が開始される特別役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「セブン1−セブン1−セブン1」である。また、BBについてはフラグ持越しを行う。すなわち、BBに内部当選すると、これを示すフラグが立つ(主制御部300のRAM308の所定のエリア内に記憶される)が、その遊技においてBBに入賞しなかったとしても、入賞するまで内部当選を示すフラグが立った状態が維持され、次遊技以降でもBBに内部当選中となり、BBに対応する図柄組み合わせ「セブン1−セブン1−セブン1」が、揃って入賞する状態にある。
なお、主制御部300は、この図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態をRT3(後述する図8で詳細に説明する)に移行させる。RT3は324枚のメダル払出があると当該遊技状態を終了する。
「シングルボーナス(SB)」は、入賞によりシングルボーナス遊技(SB遊技)が開始される特殊役(作動役)である。対応する図柄組合せは、「ブランク2−ベル−ベル」である。SB役に対応する図柄組み合わせが表示されると次回の遊技においてSB遊技が行われる。主制御部300は、SB遊技においてSB遊技であることに対応する入賞役抽選テーブルに基づいて入賞役を抽選する。なお、SB遊技は1回の遊技で終了する。
また、特別役2が当選した遊技で、遊技者が逆押し停止操作(第1停止リールを右リール112とする停止操作。以下、「逆押し」と略記する)を行い、左リール110を停止する際にブランク2の図柄を引き込まないタイミングで停止操作を行うと「SBこぼし目」という図柄組み合わせが表示される。「SBこぼし目」の図柄組み合わせは「ベル−ベル−ベル」であり、主制御部300は、RT0(後述する図8で詳細に説明する)においてこの図柄組み合わせが表示されると、遊技状態をRT1(後述する図8で詳細に説明する)に移行させる。
「再遊技役(再遊技役1、再遊技役2、再遊技役3、再遊技役4)」は、入賞により次回の遊技でメダル(遊技媒体)の投入を行うことなく遊技を行うことができる入賞役(作動役)であり、メダルの払出は行われない。なお、対応する図柄組合せは、再遊技役1(リプレイ)は「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、再遊技役2(パンクリプレイ)は「リプレイ−リプレイ−ベル」、再遊技役3(制御リプレイ1)は「ベル−リプレイ−リプレイ」、再遊技役4(制御リプレイ2)は「リプレイ−ベル−リプレイ」である。なお、主制御部300は、RT1(後述する図8で詳細に説明する)において再遊技役2に対応する図柄組み合わせが表示されたことに基づいて遊技状態をRT0(後述する図8で詳細に説明する)に移行させる。
「小役(小役1〜小役6)」(以下、単に、「小役1」、「小役2」、「小役3」、「小役4」、「小役5」、「小役6」と称する場合がある)は、入賞により所定数のメダルが払い出される入賞役で、対応する図柄組合せは、小役1(チェリー)が「ANY−チェリー−ANY」、小役2(スイカ)が「スイカ−スイカ−スイカ」、小役3(青ベル)が「セブン1−ベル−ベル」、小役4(赤ベル)が「セブン2−ベル−ベル」、小役5(黒ベル)が「BAR−ベル−ベル」、小役6(1枚小役)が「セブン2−スイカ−BAR」である。また、対応する払出枚数は同図に示す通りである。なお、「ANY−チェリー−ANY」の場合、中リール110の中リール中段図柄が「チェリー」であればよく、左リール111と右リール112の図柄はどの図柄でもよい。
なお、小役3、小役4および小役5のそれぞれに対応する図柄組み合わせは同時に引き込まない位置に配置されている。詳しく説明すると、小役3、小役4および小役5のそれぞれに対応する図柄組み合わせのうち、左リール110に表示される図柄はそれぞれ「セブン1」、「セブン2」、「BAR」である。そして、図5に示すように「セブン1」は2番の位置、「セブン2」は9番の位置、「BAR」は16番の位置にそれぞれ配置されている。ここで、小役3の入賞役が内部当選した場合に、左リール110に「ベル(7番)、ブランク2(8番)、セブン2(9番)」の3つの図柄が表示されているタイミングで左リール110の停止操作が行われても、左リール110に「セブン1(2番)」は表示されず、遊技者は小役3に対応する図柄組み合わせを表示させることができない。小役3に対応する図柄組み合わせを表示させるには、左リール110に「リプレイ(6番)、ベル(7番)、ブランク2(8番)」〜「ベル(0番)、スイカ(1番)、セブン1(2番)」が表示されているタイミングで停止操作をしなければならない。小役4に対応する図柄組み合わせを表示させるには、左リール110に「スイカ(13番)、ベル(14番)、リプレイ(15番)」〜「ベル(7番)、ブランク2(8番)、セブン2(9番)」が表示されているタイミングで停止操作をしなければならない。小役5に対応する図柄組み合わせを表示させるには、左リール110に「リプレイ(20番)、ベル(1番)、スイカ(2番)」〜「ベル(14番)、リプレイ(15番)、BAR(16番)」が表示されているタイミングで停止操作をしなければならない。つまり、小役3、小役4および小役5に対応する図柄組み合わせのうち左リール110の図柄については、それぞれに共通する停止タイミングが存在しない。同時に引き込まない位置とは、共通する停止タイミングが存在しないように設けられた位置のことを指す。この場合、遊技者は遊技台100が内部当選役を報知しなければどの役が当選しているか分からないため、小役3、小役4および小役5を確実に揃えることができない。以下、小役3〜5を3択小役と呼ぶ場合がある。
<役の内部当選確率>
次に、図7を用いて、役の内部当選確率について説明する。なお、同図は、設定Nにおける入賞役の内部当選確率の一例を遊技状態別に示した図であり、各遊技状態における入賞役の抽選テーブルの内容を示している。詳しくは後述するが、本実施形態では、大別して、RT0〜RT3の4つの遊技状態(RTモードともいう)が存在する。なお、RT0は、図8に示す再遊技低確率状態、RT1は、図8に示す再遊技高確率状態、RT2は、図8に示す特別役1内部当選状態、RT3は、図8に示すBB遊技状態である。また、RT0及びRT1は、さらに非SB中(非SB遊技)とSB中(SB遊技)に分類される。
各々の役の内部当選確率は、各々の役に対応付けされた抽選データの範囲に該当する数値データを、後述する内部抽選時に取得される乱数値の範囲の数値データ(本実施形態では65536)で除した値で求められる。抽選データは、予めいくつかの数値範囲に分割され、各数値範囲に各々の役やハズレを対応付けしている。後述する入賞役内部抽選処理では、内部抽選を実行した結果得られた乱数値が、いずれかの役に対応する抽選データに対応する値であったかを判定し、内部当選役を決定する。実際には、この抽選データは少なくとも1つの役の当選確率を異ならせた設定1〜設定6が用意され、遊技店の係員等はいずれかの設定値を任意に選択し、設定することができる。
また、本実施形態では、一種類の入賞役に内部当選することが可能な単独役の他に、複数種類の役に同時に内部当選することが可能な重複役を設けている。この重複役としては、再遊技1及び2に同時に当選する「再遊技役1、2」、再遊技1、2及び3に同時に当選する「再遊技役1、2、3」、再遊技1、2及び4に同時に当選する「再遊技役1、2、4」、特別役1と小役6に同時に当選する「特別役1+小役6」、小役3、4及び5に同時に当選する「小役3、4、5」を設けている。なお、重複役とは、単一の役ではなく、複数の役をまとめたものであり、重複役に対応する条件装置(フラグ)が作動するわけではなく、重複役に含まれる複数の役(重複小役であれば、重複小役に含まれる複数の小役)に対応する条件装置の各々が作動するものである。
本実施形態では、同図の備考欄に示されるように、RT1(再遊技高確率状態)において、「再遊技役1、2、3」に内部当選し、第1停止リールを左リール110とする停止操作をした場合には、有効ライン上に再遊技役1に対応する図柄組合せが揃い(再遊技1が入賞する)、上記以外の停止操作の場合には、再遊技役2(パンクリプレイ)に対応する図柄組合せが揃う(再遊技2が入賞する)ように、主制御部300が各リール110〜112の停止制御を行う。また、RT1(再遊技高確率状態)において、「再遊技役1、2、3」に内部当選し、第1停止リールを中リール111とする停止操作をした場合には、有効ライン上に再遊技役1に対応する図柄組合せが揃い(再遊技1が入賞する)、上記以外の停止操作の場合には、再遊技役2(パンクリプレイ)に対応する図柄組合せが揃う(再遊技2が入賞する)ように、主制御部300が各リール110〜112の停止制御を行う。また、同様にして、RT1(再遊技高確率状態)において、「再遊技役1、2、4」に内部当選し、第1停止リールを左リール110とする停止操作をした場合には、有効ライン上に再遊技役1に対応する図柄組合せが揃い(再遊技1が入賞する)、上記以外の停止操作の場合には、再遊技役2(パンクリプレイ)に対応する図柄組合せが揃う(再遊技2が入賞する)ように、主制御部300が各リール110〜112の停止制御を行う。
遊技者は、どの入賞役が内部当選したか、あるいはパンクリプレイを避ける押し順の報知など、遊技者にとって有利となる操作手順の報知が行われない限り、内部当選役を認識することができない。したがって、このような報知がない場合には、遊技者は、パンクリプレイ(再遊技役2)に対応する図柄組合せが表示されることを回避操作できず、RT1(再遊技高確率状態)を確実に維持することはできない。なお、「再遊技役1、2」、「再遊技役1、2、3」および「再遊技役1、2、4」のように、停止操作順序によって入賞する役が決定する再遊技役を「押し順リプレイ」と呼ぶ場合がある。これに対して、停止操作順序に関係なく入賞が可能となる再遊技役1を「通常リプレイ」と呼ぶ場合がある。
RT0(再遊技低確率状態)では、「RT0」の列にある「非SB中」または「SB中」のいずれかの抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。SB遊技中でなければ「非SB中」の抽選テーブルを参照し、SB遊技中であれば「SB中」の抽選テーブルを参照する。なお、「SB中」のほうが「非SB中」よりも小役6の当選確率が僅かに高いため、SB遊技はSB遊技でない場合よりも有利な状態であるといえる。
RT0(再遊技低確率状態)において内部当選する入賞役には、特別役1と、特別役2と、再遊技役1と、小役1と、小役2と、小役3と、小役4と、小役5と、小役6と、特別役1+小役6とがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。また、入賞役に当選しなかったことを「ハズレに当選した」と表現する場合がある。
同様にして、RT1(再遊技高確率状態)では、「RT1」の列にある「非SB中」または「SB中」のいずれかの抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。SB遊技中でなければ「非SB中」の抽選テーブルを参照し、SB遊技中であれば「SB中」の抽選テーブルを参照する。なお、「SB中」のほうが「非SB中」よりも小役6の当選確率が僅かに高いため、SB遊技はSB遊技でない場合よりも有利な状態であるといえる。
RT1(再遊技高確率状態)において内部当選する入賞役には、特別役1と、特別役2と、再遊技役1と、再遊技役1、2と、再遊技役1、2、3と、再遊技役1、2、4と、小役1と、小役2と、小役3と、小役4と、小役5と、小役6と、特別役1+小役6とがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
RT2(特別役1内部当選状態)では、「RT2」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。RT2(特別役1内部当選状態)において内部当選する入賞役には、再遊技役1と、小役1と、小役2と、小役3と、小役4と、小役5と、小役6とがある。なお、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
RT3(BB遊技状態)では、「RT3」の列にある抽選テーブルを参照して内部当選する入賞役を抽選する。RT3(BB遊技状態)において内部当選する入賞役には、小役1と、小役2と、小役6と、小役3、4、5がある。また、入賞役に当選しなかった場合はハズレとなり、入賞役に対応する図柄組み合わせは表示されない。
<リールの停止制御>
次に、リール110〜112の停止制御について概要を説明する。リールの停止制御は、予め定めた複数種類のリール停止制御データの中から、所定の条件に基づいていずれかを選択し、選択したリール停止制御データに基づき行う。
本実施形態ではいわゆる引込制御(コマ滑り制御)を行う。引込制御とは、遊技者による各ストップボタン137〜139の操作があってから一定のコマ数(図柄数)の範囲(ここでは最大4コマ)でリール110〜112の停止位置をずらす制御をいう。リール停止データは主制御部300のROM306に格納されている。各リール停止データは、所定の入賞役の図柄組合せが入賞ライン114上に揃って表示されることを許容する許容制御と、いずれの入賞役の図柄組合せも入賞ライン114上に揃って表示されない禁止制御と、に大別される。
許容制御が行われる例としては、例えば、ある入賞役に内部当選した場合や、BBの内部当選中(フラグ持ち越し中)の場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが悪くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されるように制御が行われる。但し、「許容」するだけであるから、各ストップボタン137〜139を操作するタイミング次第で図柄組合せが揃わない場合もある。
例えば、小役3(青ベル)に内部当選した場合には、小役3に対応する図柄組合せのうち、左リール110のセブン1図柄は、1つしか存在しないので(4コマを超えて配置されているので)、ストップボタン137を操作するタイミングが好適でないと、セブン1図柄は入賞ライン114上に停止しない。
尤も、リール110〜112における図柄の配置と引き込みコマ数次第で100%揃う場合もある。例えば、再遊技役1(リプレイ)に対応する、リプレイ図柄の配置間隔は最大4コマであり、再遊技役1に内部当選すると、そのタイミングに関わらず100%入賞することになる。
禁止制御が行われる例としては、例えば、内部抽選結果がハズレで、BBの内部当選中(フラグ持ち越し中)ではない場合であり、遊技者による各ストップボタン137〜139を操作するタイミングが良くても上記のコマ数の範囲内で入賞役の図柄組合せが揃って表示されないように制御が行われる。
<主制御部の遊技状態>
次に、図8を用いて、スロットマシン100の主制御部300における遊技状態の種類について説明する。なお、同図は、主制御部300の遊技状態の遷移を示した状態遷移図である。
スロットマシン100の主制御部300の遊技状態は、上述したように、再遊技低確率状態(RT0)と、再遊技高確率状態(RT1)と、特別役1内部当選状態(RT2)と、BB遊技状態(RT3)と、に大別することができる。なお、通常遊技状態(RT0、RT1およびRT2)と、BB遊技状態(RT3)と、に大別するような区分けを行う場合がある。
<再遊技低確率状態(RT0)>
再遊技低確率状態(RT0)の内容は特に限定されないが、例えば、内部抽選の結果が概ねハズレとなり、遊技者が所定期間の遊技を行った場合に遊技中に獲得できるメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数に満たないような遊技状態をいう。再遊技低確率状態は、通常遊技状態では再遊技の内部当選確率が最も低い遊技状態であり、初期の遊技状態でもある。
この再遊技低確率状態(RT0)では、特別役1(BB1)に内部当選した場合に特別役内部当選状態(RT2)に移行する。また、再遊技低確率状態(RT0)において、特別役2(SB)に当選し、さらに逆押しをすることで「SBこぼし目」の図柄組み合わせが有効ライン上に表示される。この場合、再遊技高確率状態(RT1)に移行する。
<再遊技高確率状態(RT1)>
再遊技高確率状態(RT1)は、再遊技役の内部当選確率が、再遊技低確率状態(RT0)における再遊技役の内部当選確率よりも上昇した遊技状態である。従って、本実施形態の再遊技高確率状態(RT1)は、メダルを投入せずに遊技を継続できる確率が高くなっているため、再遊技低確率状態(RT0)に比べて遊技者に有利な遊技状態となっている。ここで、本実施形態における有利度とは、具体的には、所定期間の遊技を行ったときに遊技者が賭け数として遊技台に使用した遊技媒体の総数に対して、遊技台が払い出した遊技媒体の総数の割合、いわゆる払出率のことをいい、再遊技低確率状態(RT0)に比べて遊技者に有利とは、再遊技低確率状態(RT0)よりも払出率が大きいことを意味する。
再遊技高確率状態(RT1)は、再遊技低確率状態(RT0)において、SBこぼし目の図柄組合せが表示された場合に移行する。また、再遊技高確率状態(RT1)は、パンクリプレイ(再遊技役2)が表示された場合に、再遊技低確率状態(RT0)に移行する。
<特別役1内部当選状態(RT2)>
特別役1内部当選状態(RT2)は、内部当選した特別役1(BB1)に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示させることが可能となっている遊技状態をいう。この特別役1内部当選状態(RT2)は、再遊技低確率状態(RT0)または再遊技高確率状態(RT1)において、特別役1(BB1)に内部当選した場合に移行する。また、内部当選した特別役1に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に終了し、BB遊技状態(RT3)に移行する。
<BB遊技状態(RT3)>
BB遊技状態(RT3)は、遊技者にとって一番利益の大きい遊技状態であり、遊技中に獲得するメダルの総数が、遊技中に投入したメダルの総数を超えるような遊技状態をいう。すなわち、図7に示す抽選値から明らかであるように、BB遊技状態(RT3)は、再遊技低確率状態(RT0)、再遊技高確率状態(RT1)および特別役1内部当選状態(RT2)よりも払い出しを受ける遊技媒体の数の期待値が高い。このため、BB遊技状態は通常遊技状態よりも有利な遊技状態といえる。
BB遊技状態(RT3)は、特別役1内部当選状態(RT2)において内部当選した特別役1に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示された場合に移行する。また、BB遊技状態(RT3)は、遊技中に予め定められた所定の数(本実施形態の場合、324枚)を超えるメダルが払い出された場合に終了し、再遊技低確率状態(RT0)に移行する。
なお、本実施形態ではBB遊技状態は所定の払い出し枚数を払いだした場合に終了し、その間は遊技状態の移行をないとしたが、特別役1の入賞により開始され、他の特別な遊技状態(いわゆるRB遊技状態など)を連続して繰り返し実行可能にしてもよい。また、BB遊技状態は、BB遊技中のRB遊技を除くBB一般遊技を予め定めた回数(例えば、30回)実行した場合、または、BB遊技中に実行したRB遊技の回数が予め定めた回数に達した場合(例えば、3回)に終了するようにしてもよい。
<第1副制御部の遊技状態、及び停止ボタンナビ演出>
詳しくは後述するが、第1副制御部400は、所定の条件が成立した場合に、遊技者にとって有利となる情報を報知するAT状態となる。AT状態においては、演出画像表示装置157を用いて、停止操作に関するナビ演出、すなわち、停止操作順序や停止操作タイミング(内部当選した役の示唆)を報知する停止ボタンナビ演出を行うので、遊技者はこの停止ボタンナビ演出の指示に従うことにより、所定の小役に入賞したり、有利な遊技状態を維持できたりする。そのため、AT状態は、遊技者に大きな利益を付与することが可能な状態である。なお、停止ボタンナビ演出のうち、ストップボタンの停止操作順序に関するナビを「押し順ナビ」、停止操作タイミング(内部当選した役の示唆)に関するナビを「目押しナビ」という場合がある。
具体的には、本実施形態では、RT0(再遊技低確率状態)において特別役2(SB)に内部当選した場合には、SBこぼし目が有効ライン上に表示される停止操作手順(逆押し)及び停止タイミング(ブランク2の図柄を引き込まないタイミング)を報知する停止ボタンナビ演出を実行し、RT1(再遊技高確率状態)への移行を手助けする。この場合には、特別役2(SB)に入賞させるよりもRT1(再遊技高確率状態)に移行させる方が遊技者にとって有利なためである。以下、RT0(再遊技低確率状態)において特別役2(SB)に内部当選した場合に実行される停止ボタンナビ演出を「RT1移行ナビ」(逆押しナビ)ともいう。RT1移行ナビは、押し順ナビ及び目押しナビの双方を兼ね備える。
図9(a)にRT1移行ナビの演出画像の一例を示す。なお、図9は演出画像表示装置157に表示される表示画像を示す図である。ここでは、第1停止操作として右リール112の停止を促す表示と、左リール110の有効ライン上にブランク2図柄を表示させないタイミングで停止操作することを促す表示が行われている。遊技者はこの表示に応じて第1停止リールを右リール112とする停止操作を行い、左リール110にブランク2図柄を表示させないように停止操作する。この場合、SBこぼし目が有効ライン上に表示され、遊技状態がRT0(再遊技低確率状態)からRT1(再遊技高確率状態)に移行する。なお、RT1(再遊技高確率状態)において特別役2(SB)に内部当選した場合には、図9(b)に示すように、押し順ナビ及び目押しナビは実行されない。
また、RT1(再遊技高確率状態)において押し順リプレイ(「再遊技役1、2」、「再遊技役1、2、3」、「再遊技役1、2、4」)のいずれかに内部当選した場合には、パンクリプレイ(再遊技役2)に対応する図柄組み合わせが有効ライン上に表示されることを回避する停止操作順序の報知を行う停止ボタンナビ演出を実行し、RT1(再遊技高確率状態)の状態維持を手助けする。RT1(再遊技高確率状態)はRT0(再遊技低確率状態)よりも有利な遊技状態であるからである。以下、RT1(再遊技高確率状態)において押し順リプレイに内部当選した場合に実行される停止ボタンナビ演出を「RT1維持ナビ」ともいう。RT1維持ナビは、押し順ナビである。
図10(a)にRT1維持ナビの演出画像の一例を示す。なお、図10は演出画像表示装置157に表示される表示画像を示す図である。ここでは、再遊技役1、2、3に内部当選した場合を示しており、第1停止操作として中リール111の停止を促す表示が行われている。遊技者はこの表示に応じて第1停止リールを中リール111とする停止操作を行うと、再遊技役1に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示され、遊技状態はRT1(再遊技高確率状態)の状態に維持される。
また、3択小役(小役3、4、5)のいずれかに内部当選した場合には、目押しすべき図柄(内部当選した小役に対応する図柄組合せ)の報知を行う停止ボタンナビ演出を実行し、内部当選した役の入賞を手助けする。以下、3択小役に内部当選した場合に実行される停止ボタンナビ演出を「3択小役入賞ナビ」ともいう。3択小役入賞ナビは、目押しナビである。
図9(c)に3択小役入賞ナビの演出画像の一例を示す。ここでは、小役3(青ベル)に内部当選した場合を示しており、小役3(青ベル)に対応する図柄組合せを画面上に表示し、左リール110の有効ライン上にセブン1図柄を表示させるタイミングで停止操作することを促している。遊技者はこの表示に応じて左リール110にセブン1図柄を表示させるように停止操作する。この場合、小役3(青ベル)に対応する図柄組合せが有効ライン上に表示され、10枚のメダルが払い出される。
このようにAT状態では、遊技者にとって有利な情報を報知する停止ボタンナビ演出が実行されるので、遊技者は報知された情報に従って停止操作を行えば、より多くの利益(遊技媒体、遊技状態)を得ることが可能である。
<補助信号用ナビ、AT状態特定機能>
さらには、本実施形態のAT状態では、RT1(再遊技高確率状態)において通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選した場合には、主制御部300から送信された停止操作順序(具体的には第1停止操作に関する情報)に沿った停止ボタンナビ演出を行うようになっている。詳しくは後述するが、このナビは、第1副制御部400の状態がAT状態であることを主制御部300が把握するために実行されるナビであり、主制御部300が上述したAT信号を出力するか否かの判断をするために行われるナビである。以下、RT1(再遊技高確率状態)において通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選した場合に実行される停止ボタンナビ演出を「補助信号出力用ナビ」ともいう。補助信号出力用ナビは、押し順ナビである。
すなわち、本実施形態の主制御部300は、第1副制御部400及び第2副制御部500により行われる補助信号出力用ナビ、及び遊技者の実際の停止操作順序に基づいて、第1副制御部400の状態がAT状態であるか否かを判定できるAT状態特定機能を有している。
ここで、図11を用いて、AT状態特定機能について説明する。図11は、主制御部300のAT状態特定機能を説明する概要図である。
まず、RT1(再遊技高確率状態)において通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選した場合には、主制御部300は、抽選処理を行って、所定の停止操作順序を決定し、決定した停止操作順序(後述する押し順ナビ指示情報)を第1副制御部400に送信する(ステップS1)。本実施形態では、第1停止操作に関する停止操作順序を決定するので、例えば、抽選処理により、第1停止操作の対象が左リール110である場合には、「第1停止リールは左」を示す指示情報を第1副制御部400に送信する。なお、通常リプレイ(再遊技役1)は、停止操作順序に依存しない入賞役(いずれの停止操作順序でも入賞する役)であるため、主制御部300が第1副制御部400に送信する停止操作順序は、遊技者の利益に変化を与えない停止操作順序である。
次に、第1副制御部400は、主制御部300から送信された停止操作順序を受信すると、AT状態である場合には、送信された停止操作順序と同一の停止操作順序を報知する補助信号出力用ナビを実行する(ステップS2)。例えば、「第1停止リールは左」を示す停止操作順序を指示された場合には、「第1停止リールは左」であることを示す報知画像を生成して、演出画像表示装置157を介して表示する。
次に、遊技者は、補助信号出力用ナビの停止操作順序に従って停止操作を行う(ステップS3)。例えば、「第1停止リールは左」を示す停止操作順序が演出画像表示装置157を介して表示された場合には、遊技者は左リール110に対して第1停止操作を行う。なお、補助信号出力用ナビは、遊技者の利益に変化を与えない報知となっているが、AT状態では遊技者に有利な停止ボタンナビ演出(例えば、RT1移行ナビ、RT1維持ナビ、3択小役入賞ナビ)が行われるので、遊技者は補助信号出力用ナビに対しても報知された停止操作順序に従うことが予想される。
次に、主制御部300は、遊技者による実際の停止操作順序と、送信した停止操作順序が一致するか否かを判定し、一致した場合には、第1副制御部400はAT状態であると判断し、AT信号を出力する(ステップS4)。例えば、遊技者による実際の第1停止操作が左、送信した第1停止操作が左である場合には、第1副制御部400はAT状態であると判断する。勿論、1回の一致で第1副制御部400をAT状態と判断するのは早計なので(偶然の一致もあり得る)、本実施形態では1回の一致だけで判断せず、複数回(具体的には3回)連続して一致した場合に、AT状態であると判断する。すなわち、RT1(再遊技高確率状態)の通常リプレイに内部当選した場合において、連続して3回、停止操作順序に関する指示と遊技者の実際の停止操作順序が一致した場合には、偶然の一致はあり得ないと判断し(補助信号出力用ナビの報知に従っているので一致していると判断する)、第1副制御部400はAT状態であると判断するものである。
図10(b)に補助信号出力用ナビの演出画像の一例を示す。ここでは、主制御部300から送信される停止操作順序が「第1停止リールは中リール111」の場合を示しており、第1停止リールを中リール111、第2停止リールを左リール110、第3停止リールを右リール112とする停止操作を促す表示を行っている。ここで、図10(a)及び(b)に示すように、RT1維持ナビと補助信号出力用ナビは、同一の報知態様(同一の演出画像)である。すなわち、遊技者は、演出画像を見てもRT1移行ナビと補助信号出力用ナビの違いがわからないため、この意味においても、遊技者は補助信号出力用ナビの停止操作順序に従うことが予想される。
このように本実施形態では、AT信号出力条件は、主制御部300の遊技状態がRT1(再遊技高確率状態)において通常リプレイに内部当選し、通常リプレイに内部当選したゲームにおいて、主制御部300が第1副制御部400に送信した停止操作順序と、実際の停止操作順序が連続して複数回(3回)一致するか否かであり、この条件が成立した場合に、AT信号は出力されるようになっている。
また、図10(b)及び図11においては、送信された停止操作順序と同一の停止操作順序を報知する補助信号出力用ナビ(以下、一致ナビともいう)について説明したが、本実施形態のAT状態では、送信された停止操作順序と異なる停止操作順序を報知する補助信号出力用ナビ(以下、不一致ナビともいう)も、AT状態の状況に応じて、行われるようになっている。すなわち、本実施形態の補助信号出力用ナビには、一致ナビと、不一致ナビが存在する。図10(b)に示した演出画像は一致ナビの画像である。
ここで、不一致ナビは、以下の理由により行われる。本実施形態では、上述したようにAT状態の各セット開始時を把握してAT信号を出力するようになっているので、AT信号を出力するタイミングでないときに(例えば、AT状態の所定セットの中間時期など)、AT信号出力条件が成立しそうな場合(例えば、停止操作順序に関する指示と遊技者の実際の停止操作順序が偶然2回続けて一致するような場合)には、AT信号を出力させない方策が必要である。そこで、本実施形態では、AT信号を出力するタイミングでないときにAT信号出力条件が成立しそうになると、主制御部300から送信された押し順指示とは異なる押し順の報知を行って、停止操作順序に関する指示と遊技者の実際の停止操作順序(補助信号出力用ナビによる停止操作順序に従った停止操作順序)を不一致とさせ、AT信号が確実に出力されないようにしている。
図10(c)に不一致ナビの演出画像の一例を示す。ここでは、主制御部300から送信される停止操作順序が「第1停止リールは中リール111」の場合を示しており、第1停止リールを左リール110、第2停止リールを中リール111、第3停止リールを右リール112とする停止操作を促す表示を行っている。なお、図10(a)〜(c)に示すように、RT1維持ナビと補助信号出力用ナビ(一致ナビ、不一致ナビ)は、同一の報知態様(同一の演出画像)であるため、遊技者は、演出画像を見てもRT1移行ナビと補助信号出力用ナビの違いがわからない。
以上まとめると、本実施形態のAT状態においては、4種類の停止ボタンナビ演出が存在する。すなわち、RT1移行ナビ、RT1維持ナビ、3択小役入賞ナビ及び補助信号出力用ナビであり、さらに補助信号出力用ナビは、一致ナビと不一致ナビから構成されている。
<主制御部メイン処理>
次に、図12を用いて、主制御部300のメイン処理について説明する。なお、同図は、主制御部300のメイン処理の流れを示すフローチャートである。
遊技の基本的制御は、主制御部300のCPU304が中心になって行い、電源断等を検知しないかぎり、CPU304が同図の主制御部メイン処理を繰り返し実行する。
電源投入が行われると、まず、ステップS101で各種の初期設定を行う。この初期設定では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定、割込禁止の設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。
ステップS102ではメダル投入・スタート操作受付処理を実行する。ここではメダルの投入の有無をチェックし、メダルの投入に応じて入賞ライン表示ランプ120を点灯させる。また、第1副制御部400に対してメダルが投入されたことを示すメダル投入コマンドを送信する準備を行う。なお、前回の遊技で再遊技に入賞した場合は、前回の遊技で投入されたメダル枚数と同じ数のメダルを投入する処理を行うので、遊技者によるメダルの投入が不要となる。また、スタートレバー135が操作されたか否かのチェックを行い、スタート操作されたと判断した場合は、投入されたメダル枚数を確定するとともに、第1副制御部400に対してスタートレバー135が操作されたことを示すスタートレバー受付コマンドを送信する準備を行う。
ステップS103では投入されたメダル枚数を確定し、有効な入賞ラインを確定する。
ステップS104では乱数発生回路316で発生させた乱数を取得する。
ステップS105では、ステップS104で取得した乱数を用いて、入賞役内部抽選処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS106では、ステップS105の内部抽選結果に基づき、リール停止制御データを選択する。
ステップS107では、リール回転開始処理により、全リール110〜112の回転を開始させる。
ステップS108では、全リール、すなわち、リール110〜112がすべて停止したか否かを判定し、全リールが停止した場合には、ステップS109に進む。
ステップS109では、入賞判定を行う。ここでは、有効化された入賞ライン114上に、何らかの入賞役に対応する図柄組合せが表示された場合にその入賞役に入賞したと判定する。例えば、有効化された入賞ライン114上に「スイカ図柄−スイカ図柄−スイカ図柄」が揃っていたならばスイカ入賞と判定する。また、このステップS109では、入賞判定の結果を示す表示判定コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。
ステップS110では、メダル払出処理を行う。このメダル払出処理では、払い出しのある何らかの入賞役に入賞していれば、その入賞役に対応する枚数のメダルを払い出す。
ステップS111では、遊技状態更新処理を行う。この遊技状態更新処理では、遊技状態を移行するための制御が行われ、例えば、特別役1入賞の場合には次回からBB遊技状態(RT3)を開始できるよう準備し、BB遊技状態の最終遊技では、次回から再遊技低確率遊技状態(RT0)が開始できるよう準備する。また、再遊技高確率状態(RT1)において、パンクリプレイ(再遊技2)の図柄組み合わせが表示された場合に次回から再遊技低確率状態(RT0)を開始できるよう準備する。また、このステップS111では、遊技状態を示す遊技状態コマンドを送信する準備を行う。
ステップS112では、主制御部300から情報収集装置650に対して外部信号を出力する外部信号出力処理(詳しくは後述)を行う。
以上により1ゲームが終了する。以降ステップS102へ戻って上述した処理を繰り返すことにより遊技が進行することになる。
<入賞役内部抽選処理>
次に、図13を用いて、入賞役内部抽選処理について詳しく説明する。図13は、図12のステップS105の入賞役内部抽選処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS201では、入賞役内部抽選を実行する。具体的には、現在の遊技状態に応じてROM306に格納されている入賞役抽選テーブルを読み出し、これとステップS104で取得した乱数値とを用いて内部抽選を行う。内部抽選の結果、いずれかの入賞役(作動役を含む)に内部当選した場合には、内部当選した役の条件装置(フラグ)を作動させる(その入賞役のフラグがONになる)。
ステップS202では、主制御部300の遊技状態(RT状態)がRT1(再遊技高確率状態)であるか否かを判定する。RT状態がRT1である場合には、ステップS203に進み、RT状態がRT1でない場合には、ステップS206に進む。
ステップS203では、内部抽選の結果、通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選したか否かを判定する。通常リプレイに内部当選した場合には、ステップS204に進み、そうでない場合には、ステップS206に進む。
ステップS204では、押し順抽選を実行し、次いで、ステップS205では、押し順抽選の結果である押し順ナビ指示情報をRAM308上に格納する。すなわち、RT状態がRT1(再遊技高確率状態)において通常リプレイである再遊技役1(条件装置のNOが3)に内部当選した場合には、ROM306に記憶された押し順抽選テーブルと所定の乱数を用いて押し順抽選を行い、押し順抽選の結果をRAM308上に格納する。ここで、押し順抽選とは、ストップボタン137〜139の停止操作順序を抽選により決定する処理であり、具体的には、第1停止リールを左リール110、中リール111、右リール112のいずれとするかを抽選により決定する。なお、本実施形態では、内部当選した再遊技役1に対応する図柄組合せは、ストップボタン137〜139の停止操作順序に関係なく有効ライン上に停止表示されるので(第1停止操作が左、中、右のいずれであっても、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄組合せが有効ライン上に停止表示される)、押し順ナビ指示情報は、後述するように報知されたとしても、遊技者に利益を与えるものではない。
ステップS206では、入賞役内部抽選の結果を含んだ演出情報コマンドを第1副制御部400に送信する準備を行う。例えば、再遊技役1(リプレイ)に内部当選した場合には、再遊技役1に内部当選したことを示す演出情報コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行い、入賞役内部抽選の結果がハズレ(役の非当選)の場合には、ハズレを示す内部当選コマンドを第1副制御部400に対して送信する準備を行う。
なお、演出情報コマンドは、後述する図20のステップS808のコマンド設定送信処理において送信される。
図14は、演出情報コマンドの内容を具体的に示す表である。演出情報コマンドは、スタートレバー操作時に複数回(6回)に亘って連続的に送信される連送コマンドにより構成されている。なお、図14に示す上位及び下位バイトの値は16進で表記されている。
主制御部300から第1副制御部400に送信されるコマンドは、2バイト(16ビット)で構成され、上位1バイト(上位バイト)は、コマンド種別、下位1バイト(下位バイト)は、コマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)を示している。第1副制御部400は、受信したコマンドに含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、コマンドに含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することが可能となる。
本実施形態では、上位バイトの値が「14H」は、条件装置の抽選コード(入賞役の内部抽選結果)を示しており、下位バイトには、内部抽選結果に応じた条件装置のNOの1〜14が設定される。例えば、再遊技役1が内部当選した場合には3が設定される。
上位バイトの値が「15H」は、上述した押し順ナビ指示情報を示しており、下位バイトには、0(抽選なしを示す)、1(左リール110を示す)、2(中リール111を示す)、3(右リール112を示す)のいずれかが設定される。例えば、押し順抽選により左リール110が選択された場合には、1が設定される。上位バイトの値が「16H」〜「18H」は、補助信号(AT信号)出力に関するパラメータを示しており、下位バイトには、それぞれのパラメータ値が設定される。上位バイトの値が「19H」は、RT状態(主制御部300の遊技状態)を示しており、下位バイトには、遊技状態に応じて、0(RT0を示す)、1(RT1を示す)、2(RT2を示す)、3(RT3を示す)のいずれかが設定される。
ここで、上位バイトの値が「16H」の場合が示す補助信号出力カウンタ無効遊技残回数とは、AT信号出力条件を判断しないゲーム数を示しており、この補助信号出力カウンタ無効遊技残回数が0の場合には、当該ゲームにおいてAT信号出力条件が成立しているか否かを判定し、0以外の場合には、RT1(再遊技高確率状態)において通常リプレイに内部当選したとしても当該ゲームにおいてAT信号出力条件が成立しているか否かの判定を行わない。具体的には、本実施形態では、RT1(再遊技高確率状態)において小役6に内部当選した場合には、補助信号出力カウンタ無効遊技残回数に3が設定され、3ゲーム間、上記AT信号出力条件の判定が行われない。本実施形態では、小役6はBBとの同時当選が期待できる役(図7参照)なので、小役6に内部当選した場合にはBB当選を期待させる演出を最大2ゲーム行うようになっている。したがって、この演出期間にAT信号を出力してしまうと、この演出期間においてAT開始報知とBB入賞報知が続いてしまい(例えば、当該遊技においてAT状態が開始されたことを示すランプ点灯報知を行い、次遊技においてBBに入賞し、BB入賞の報知が行われる場合)、遊技者を混乱させることとなるので、このような事態を回避するため、本実施形態では、この演出期間にはAT信号を出力しないようにしている。
上位バイトの値が「17H」の場合が示す補助信号出力カウンタとは、主制御部300が第1副制御部400に送信した停止操作順序と、実際の停止操作順序の一致した回数を計数するカウンタであり、押し順ナビ指示情報と実際に第1停止操作で操作されたストップボタンの情報(以下、押し順状況情報ともいう)が一致することにより1加算されていく。また、不一致となった場合には0クリアされる。主制御部300は、この補助信号出力カウンタの値を用いて、押し順ナビ指示情報と押し順状況情報が連続して3回一致したことを判断する。
上位バイトの値が「18H」の場合が示す補助信号出力フラグ設定フラグとは、後述する補助信号出力フラグを設定するか否かを示すフラグであり、補助信号出力フラグ設定フラグがONの場合には、補助信号出力フラグの設定を行う、すなわち、当該ゲームの状況に応じてONまたはOFFを設定する。一方、補助信号出力フラグ設定フラグがOFFの場合には、補助信号出力フラグの設定を行わない。なお、連送コマンドの下位バイトには、補助信号出力フラグ設定フラグがONの場合には1、補助信号出力フラグ設定フラグがOFFの場合には0が設定される。
また、補助信号出力フラグとは、AT信号を出力可能な状態にあるか否かを示すフラグであり、補助信号出力フラグがONの場合には、AT信号を出力可能な状態にあるので、上記補助信号出力カウンタの値が3のときにAT信号を出力する。一方、補助信号出力フラグがOFFの場合には、AT信号を出力可能な状態にないので、上記補助信号出力カウンタの値が3であってもAT信号は出力されない。
<外部信号出力処理>
次に、図15を用いて、外部信号出力処理について詳しく説明する。図15は、図12のステップS112の外部信号出力処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS301では、AT信号を出力する補助信号出力処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS302では、ボーナス信号(BB1信号)を出力するボーナス信号出力処理を行う。詳しくは、RT状態がRT2からRT3に移行すると、BB遊技が開始されるので、ボーナス信号を出力し、また、RT状態がRT3からRT0に移行すると、BB遊技が終了するので、ボーナス信号の出力を停止する。
<補助信号出力処理>
次に、図16を用いて、補助信号出力処理について詳しく説明する。図16は、図15のステップS301のAT信号出力処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS401では、補助信号出力タイマ値を取得する。ここで、補助信号出力タイマとは、AT信号の出力時間(本実施形態では約2秒)を計測するためのタイマである。補助信号出力タイマ値は、後述する補助信号出力カウンタ確認処理(図19)においてAT信号の出力が開始されたときに初期値(本実施形態では約2秒)が設定され、主制御部300タイマ割込み処理のタイマ更新処理においてデクリメントされる。
ステップS402では、補助信号出力タイマ値が0であるか否かを判定する。補助信号出力タイマ値が0である場合には、ステップS403に進み、補助信号出力タイマ値が0でない場合には、ステップS402を繰り返す。
ステップS403では、AT信号の出力時間が経過したので、AT信号の出力を停止する。
ステップS404では、主制御部300の遊技状態(RT状態)がRT1(再遊技高確率状態)であるか否かを判定する。RT状態がRT1でない場合には、ステップS405に進み、RT状態がRT1である場合には、ステップS409に進む。
ステップS405〜S408では、主制御部300の遊技状態(RT状態)がRT1(再遊技高確率状態)でないので、AT信号の出力に関するパラメータを初期化する。本実施形態では、上述したようにAT信号はRT1(再遊技高確率状態)において出力されるので、それ以外の状態では、AT信号の出力に関するパラメータを初期化するものである。詳しくは、ステップS405では、補助信号出力カウンタ無効遊技残回数を0クリアし、ステップS406では、補助信号出力カウンタを0クリアし、補助信号出力フラグ設定フラグをOFFに設定し、ステップS408では、補助信号出力フラグをOFFに設定する。
一方、ステップS409では、補助信号出力カウンタ無効遊技残回数が0か否かを判定する。補助信号出力カウンタ無効遊技残回数が0の場合には、ステップS411に進み、補助信号出力カウンタ無効遊技残回数が0でない場合には、ステップS410に進む。
ステップS410では、補助信号出力カウンタ無効遊技残回数が1以上あるので、補助信号出力カウンタ無効遊技残回数を1減算する。
ステップS411では、当該ゲームにおける内部抽選結果を検証する条件装置確認処理(詳しくは後述)を行う。
<条件装置確認処理>
次に、図17を用いて、条件装置確認処理について詳しく説明する。図17は、図16のステップS411の条件装置確認処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS501では、当該ゲームの入賞役内部抽選処理において通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選したか否かを判定する。通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選した場合には、ステップS502に進み、通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選しなかった場合には、ステップS504に進む。
ステップS502では、補助信号出力カウンタ無効遊技残回数が0であるか否かを判定する。補助信号出力カウンタ無効遊技残回数が0である場合には、ステップS503に進み、補助信号出力カウンタ無効遊技残回数が0でない場合には、ステップS504に進む。
ステップS503では、通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選し、かつ、補助信号出力カウンタ無効遊技残回数が0であるので、通常リプレイ時処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS504では、当該ゲームの入賞役内部抽選処理において小役6(1枚小役)に内部当選したか否かを判定する。小役6(1枚小役)に内部当選した場合には、ステップS505に進み、小役6(1枚小役)に内部当選しなかった場合には、ステップS506に進む。
ステップS505では、RT1(再遊技高確率状態)において小役6に内部当選したので、補助信号出力カウンタ無効遊技残回数に3を設定する。
ステップS506では、当該ゲームにおいてSBこぼし目が有効ライン上に表示されたか否かを判定する。SBこぼし目が有効ライン上に表示された場合は、ステップS507に進み、SBこぼし目が有効ライン上に表示されなかった場合は、条件装置確認処理を終了する。
ステップS507では、当該ゲームのステップS111の遊技状態更新処理において、遊技状態がRT1(再遊技高確率状態)となったので、補助信号出力フラグ設定フラグをONに設定する。この結果、次ゲームにおいては、補助信号出力フラグの設定が行われる。
<通常リプレイ時処理>
次に、図18を用いて、通常リプレイ時処理について詳しく説明する。図18は、図17のステップS503の通常リプレイ時処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS601では、補助信号出力カウンタに1加算する。
ステップS602では、当該ゲームにおいて、主制御部300から送信された停止操作順序と、実際の停止操作順序が一致したか否かを判定する。具体的には、図13の入賞役内部抽選処理のステップ205において格納された押し順ナビ指示情報と、後述する図21のストップボタン受付処理のステップS903において格納された押し順状況情報が一致したか否かを判定する。停止操作順序が一致した場合には、ステップS604に進み、停止操作順序が一致しなかった場合には、ステップS603に進む。
ステップS603では、主制御部300から送信された停止操作順序と、実際の停止操作順序が一致しなかったので、補助信号出力カウンタを0クリアする。
ステップS604では、補助信号出力フラグ設定フラグがONであるか否かを判定する。補助信号出力フラグ設定フラグがONである場合には、ステップS605に進み、補助信号出力フラグ設定フラグがOFFである場合には、ステップS608に進む。
ステップS605では、当該ゲームにおいて、主制御部300から送信された停止操作順序と、実際の停止操作順序が一致したか否かを判定する。具体的には、図13の入賞役内部抽選処理のステップ205において格納された押し順ナビ指示情報と、後述する図21のストップボタン受付処理のステップS903において格納された押し順状況情報が一致したか否かを判定する。停止操作順序が一致した場合には、ステップS607に進み、停止操作順序が一致しなかった場合には、ステップS606に進む。
ステップS606では、主制御部300から送信された停止操作順序と、実際の停止操作順序が一致しなかったので、AT信号を出力可能な状態にないと判断し、補助信号出力フラグをOFFに設定し、ステップS608に進む。
一方、ステップS607では、停止操作順序が一致したので、AT信号を出力可能な状態にあると判断し、補助信号出力フラグをONに設定し、ステップS608に進む。
ステップS608では、補助信号出力フラグ設定フラグをOFFに設定する。すなわち、当該ゲームにおいて補助信号出力フラグ設定がOFFの場合には、補助信号出力フラグ設定フラグにそのままOFFを設定し、当該ゲームにおいて補助信号出力フラグ設定フラグがONの場合には、補助信号出力フラグの設定が終了したので(ステップS606またはS607参照)、補助信号出力フラグ設定フラグにOFFを設定する。
ステップS609では、補助信号出力カウンタ確認処理(詳しくは後述)を行う。
<補助信号出力カウンタ確認処理>
次に、図19を用いて、補助信号出力カウンタ確認処理について詳しく説明する。図19は、図18のステップS609の通補助信号出力カウンタ確認処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS701では、補助信号出力カウンタの値が3以上であるか否かを判定する。補助信号出力カウンタの値が3以上である場合には、ステップS702に進み、補助信号出力カウンタの値が3未満である場合には、補助信号出力カウンタ確認処理を終了する。
ステップS702では、補助信号出力カウンタの値を0クリアする。
ステップS703では、補助信号出力フラグがONであるか否かを判定する。補助信号出力フラグがONである場合には、ステップS704に進み、補助信号出力フラグがOFFである場合には、補助信号出力カウンタ確認処理を終了する。
ステップS704では、補助信号出力カウンタの値が3以上であって、補助信号出力フラグがONであり、AT信号出力条件を満たすので、AT信号を出力する。
ステップS705では、補助信号出力タイマを設定する。具体的には、補助信号出力タイマにAT信号の出力時間を担保するための値(本実施形態では、約2秒)を設定する。
ステップS706では、補助信号出力フラグ設定フラグをONに設定する。これは、AT状態は複数のセット数で構成されている場合があるので、次セットのAT信号出力に備えるためである。
<主制御部タイマ割込処理>
次に、図20を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約1.5msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS801では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS802では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約1.5msに1回)リスタートを行う。
ステップS803では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、各種センサ318のセンサ回路320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。
ステップS804では、各種遊技処理を行う。具体的には、割込みステータスを取得し(各種センサ318からの信号に基づいて各種割込みステータスを取得する)、このステータスに従った処理を行う。例えば、割込みステータスがメダル投入処理中であれば、メダル投入受付処理を行い、また、割込みステータスが払出処理中であれば、メダル払出処理を行う。
ステップS805では、タイマ更新処理を行う。各種タイマをそれぞれの時間単位により更新する。例えば、本実施形態では、上述した補助信号出力タイマのデクリメント処理を行う。
ステップS806では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、まず、ステップS803において信号状態記憶領域に記憶した各種センサ318の信号状態を読み出して、メダル投入異常及びメダル払出異常等に関するエラーの有無を監視し、エラーを検出した場合にはエラー処理を実行する。さらに、現在の遊技状態に応じて、メダルセレクタ170(メダルセレクタ170内に設けたソレノイドが動作するメダルブロッカ)、各種ランプ338、各種の7セグメント(SEG)表示器の設定を行う。
ステップS807では、各リールのステータスが「回転開始」になっている場合には、リール制御処理を行う。このリール制御処理では、リールの回転を制御するとともに、主制御部メイン処理のステップS106で選択した複数のリール停止制御データの候補から、リール110〜112の停止順序や停止状況に応じて、実際にリール停止制御に用いるリール停止制御データを決定した後、決定したリール停止データに基づいて、押されたストップボタン137〜139に対応するリール110〜112の回転を停止させる。なお、後述するストップボタン受付処理は、ステップS807のリール制御処理のサブルーチンである。
ステップS808では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は本実施形態では16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、スタートレバー受付コマンド、演出情報コマンド、リール110〜112の回転を開始に伴う回転開始コマンド、ストップボタン137〜139の操作の受け付けに伴う停止ボタン受付コマンド、リール110〜112の停止処理に伴う停止位置情報コマンド、メダル払出処理に伴う払出枚数コマンド及び払出終了コマンド等)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
第1副制御部400は、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することが可能となる。
ステップS809では、外部信号設出力処理を行う。この、外部信号設出力処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してスロットマシン100とは別体の情報入力回路652に出力する。例えば、本実施形態では、メダル投入信号、メダル払出信号、ボーナス信号、AT信号などを出力する。
ステップS810では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS812に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS811に進む。
ステップS811では、タイマ割込終了処理を終了する各種処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS801で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定等行う。その後、図12に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS812では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図12に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<ストップボタン受付処理>
図21を用いて、ストップボタン受付処理について説明する。ストップボタン受付処理は、図20のステップS807のリール制御処理の中のサブルーチン処理であり、図21は、ストップボタン受付処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS901では、ストップボタンの受付があったか否かを判定する。具体的には、図20のステップS803の入力ポート状態更新処理においてストップボタン137〜139のいずれかのストップボタンの操作を検知したか否かを判定する。ストップボタン137〜139のいずれかのストップボタンの受付があったと判定した場合には、ステップS902に進み、そうでない場合には、ストップボタン受付処理を終了する。
ステップS902では、受付があったストップボタンの操作が有効であるか否かを判定する。ストップボタンの操作は、全リール110〜112が一定速度になるまでは無効とするため、全リール110〜112の加速が終了したか否かを判定するものである。受付があったストップボタンの操作が有効である場合には、ステップS903に進み、そうでない場合には、ストップボタン受付処理を終了する。
ステップS903では、押し順状況情報を格納する。この処理では第1停止操作が行われたいずれかのリールに関する情報を押し順状況情報として格納する。例えば、左リール110に対して第1停止操作を行った場合には、「左」を押し順状況情報として格納する。
ステップS904では、停止対象リールの停止準備を行う。具体的には、停止対象のリールを引込み制御するためにデータ(停止データ情報、図柄位置データなど)の取得を行い、引込みコマ数の設定(停止位置までの駆動パルス数の設定含む)等を行い、リール制御状態を「引込み制御中」にする。
ステップS905では、その他の処理を行う。具体的には、停止ボタンを受け付けたことを示す停止ボタン受付コマンドを第1副制御部400に送信する準備や、ストップボタンのランプデータの更新等を行う。
<第1副制御部400の処理>
図22を用いて、第1副制御部400の処理について説明する。なお、同図(a)は、第1副制御部400のCPU404が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第1副制御部400のコマンド処理のフローチャートであり、同図(c)は、第1副制御部400のコマンド受信割込処理のフローチャートであり、同図(d)は、第1副制御部400のタイマ割込処理のフローチャートである。
電源投入が行われると、まずステップS1001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポートの初期設定や、RAM408内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS1002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS1003の処理に移行する。
ステップS1003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS1004では、コマンド処理(詳しくは後述)を行う。コマンド処理では、主制御部300からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS1005では、演出更新処理を行う。例えば、ステップS1004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する各イベント処理(例えば、演出設定処理、停止ボタン受付時処理等)の結果に基づいて、演出データをROM406から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には各演出デバイス(スピーカ、ランプ、液晶画像表示装置、シャッタなど)の演出データの更新処理を行う。
ステップS1006では、音源制御処理を行う。音源制御処理では、ステップS1005で読み出した演出データの中に音源IC418への命令がある場合には、この命令を音源IC418に出力する。
ステップS1007では、ランプ制御処理を行う。ランプ制御処理では、ステップS1005で読み出した演出データの中に各種ランプ420への命令がある場合には、この命令を駆動回路422に出力する。
ステップS1008では、情報出力処理を行う。情報出力処理では、ステップS1005で読み出した演出データの中に第2副制御部500に送信する制御コマンドがある場合には、この制御コマンドを出力する設定を行い、ステップS1002へ戻る。この結果、設定された制御コマンドは、第2副制御部500に送信される。
次に、同図(b)を用いて、第1副制御部400コマンド処理について説明する。この第1副制御部400コマンド処理は、同図(a)のステップS1004の第1副制御部400コマンド処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1101では、RAM408のコマンド記憶領域に未処理コマンドがあるか否かを判定する。未処理コマンドがある場合には、ステップS1102に進み、未処理コマンドがない場合には、第1副制御部400コマンド処理を終了する。
ステップS1102では、未処理コマンドに応じた処理にジャンプする。例えば、未処理コマンドがメダル投入コマンドの場合には、メダル投入時処理(説明は省略)、演出情報コマンドの場合には、演出設定処理(詳しくは後述)、停止ボタン受付時コマンドの場合には、停止ボタン受付時処理(詳しくは後述)にジャンプする。
次に、同図(c)を用いて、第1副制御部400のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第1副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。コマンド受信割込処理のステップS1201では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(d)を用いて、第1副制御部400のCPU404によって実行する第1副制御部タイマ割込処理について説明する。第1副制御部400は、所定の周期(本実施例では2msに1回)でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS1301では、同図(a)に示す第1副制御部メイン処理におけるステップS1002において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS1002において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
ステップS1302では、演出用乱数値の更新処理等を行う。
<演出設定処理>
次に、図23を用いて、演出設定処理について説明する。演出設定処理は、図22(b)のステップS1102において、未処理コマンドが演出情報コマンドである場合に実行されるイベント処理である。なお、同図は、演出設定処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1401では、AT遊技を付与するか否かを決定するAT抽選処理(詳しくは後述)を行う。
ステップS1402では、主制御部300の遊技状態(RT状態)やステップS1401のAT抽選の結果に応じて、各イベント(スタートレバー操作時、ストップボタン受付時、表示判定時など)で発生させる演出の抽選処理を行う。
ステップS1403では、ステップS1402の演出の抽選結果に基づき、各イベントの演出を設定する(ただし、後述する停止ボタンナビ演出は次ステップで設定されるため除く)。なお、現在が後述するペナルティ遊技中であり、ペナルティ報知が行われている場合には、新たな演出の設定はされない。
ステップS1404では、停止ボタンナビ演出に関する演出情報の設定処理(詳しくは後述する)を行う。停止ボタンナビ演出は、上述したように、AT状態において実行される演出であり、停止ボタンナビ演出では、ストップボタン137〜139の停止操作順序や停止操作タイミング(内部当選した役の示唆)を報知する。
ステップS1405では、演出情報コマンドに基づくその他の処理を実行する。
<AT抽選処理>
次に、図24を用いて、AT抽選処理について説明する。なお、同図は、図23のステップS1401のAT抽選処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1501では、ペナルティ遊技中か否かを判定する。本実施形態でいうペナルティとは正確にはペナルティ付与のことを指し、遊技者が特定の停止操作順序で停止操作を行った場合に特別な不利益を与えることを指す。本実施形態におけるペナルティは、所定の遊技回数(ここでは10回の遊技回数)を行うまでの間、AT抽選は受けられないことをいう。AT抽選が受けられなければ、その結果としてAT状態が付与されることもないので、ペナルティを受けると遊技者にとって不利益となる。また、ペナルティ遊技中とは、ペナルティを現に受けている遊技のことをいう。ペナルティ遊技中か否かは第1副制御部のRAM408のペナルティ情報記憶領域に記憶されたペナルティ遊技情報に基づいて判定される。ステップS1501において、ペナルティ遊技中である判定された場合には、ペナルティ遊技回数をデクリメントした後にAT抽選処理を終了する。一方、ペナルティ遊技中でない場合には、ステップS1502に進む。本実施形態では、後述する停止ボタン受付時処理に示すように(図28参照)、AT状態において右リール112に対して第1停止操作を行った場合に10ゲームのペナルティ遊技を付与するようになっている。
ステップS1502では、主制御部300の遊技状態(RT状態)がBB遊技状態(RT3)か否かを判定する。具体的には、受信した演出情報コマンドが示すRT状態がRT3であるか否かを判定する。BB遊技状態(RT3)である場合には、ステップS1503に進み、そうでない場合には、ステップS1505に進む。
ステップS1503では、小役6(1枚小役)が当選したか否かを判定する。具体的には、受信した演出情報コマンドが示す内部当選情報(条件装置の抽選コード)が小役6の当選情報であるか否かを判定する。小役6が当選した場合には、ステップS1508に進み、小役6が当選しなかった場合には、ステップS1504に進む。
ステップS1504では、入賞役に当選せず、ハズレが当選したか否かを判定する。具体的には、受信した演出情報コマンドが示す内部当選情報(条件装置の抽選コード)がハズレであるか否かを判定する。ハズレが当選した場合は、ステップS1508に進み、ハズレが当選しなかった場合は、AT抽選処理を終了する。
ステップS1505では、小役6(1枚小役)が当選したか否かを判定する。具体的には、受信した演出情報コマンドが示す内部当選情報(条件装置の抽選コード)が小役6の当選情報であるか否かを判定する。小役6が当選した場合には、ステップS1506に進み、小役6が当選しなかった場合には、AT抽選処理を終了する。
ステップS1506では、AT遊技を付与するか否かを抽選により決定するAT抽選を実行する。
ステップS1507では、ステップS1506のAT抽選で当選した場合には、ステップS1508に進み、そうでない場合には、AT抽選処理を終了する。
ステップS1508では、AT遊技のセット数抽選を行う。本実施形態では、AT状態は、1または複数のセットで構成されているため、まず、付与するAT遊技のセット数を抽選する。具体的には、付与するAT遊技のセット数は1〜5セットなので、1〜5のいずれかが抽選により決定される。
ステップS1509では、1セットに含まれるAT遊技のゲーム数抽選を行い、付与されるAT遊技のゲーム数をそれぞれのセットごとに決定する。具体的には、付与するAT遊技のゲーム数は50、60、70または100ゲームなので、ステップS1508で付与された各セットに対して、50、60、70または100のいずれかを付与する。すなわち、本実施形態では、AT遊技の継続ゲーム数は、セットごとに異なる可能性がある。
ステップS1510では、AT遊技情報を更新する。ここで、AT遊技情報とは、AT遊技のセット数及び各セットのゲーム数、ATフラグ、AT1セット開始時フラグなどの情報をいう。AT遊技のセット数及び各セットのゲーム数に関しては、ステップS1508及びS1509の抽選結果を反映して更新される。また、ATフラグとは、第1副制御部400の状態がAT状態であるか否かを示すフラグであり、AT状態であればON、非AT状態であればOFFが設定される。また、AT1セット開始時フラグとは、AT遊技の各セットの開始時期を示すフラグであり、AT遊技の各セット開始時(1ゲーム目)にONが設定され、AT1セット開始時フラグがONの状態において、演出情報コマンドに含まれる補助信号出力カウンタの値が2の場合(停止操作順序が連続して2回一致している場合)にOFFが設定される。
以上から、本実施形態では、BB遊技状態(RT3)においては、小役6またはハズレに当選したときにAT遊技が付与され、また、BB遊技状態(RT3)以外の遊技状態においては、小役6に当選し、かつAT抽選に当選したときにAT遊技が付与される。
<停止ボタンナビ演出設定処理>
次に、図25及び26を用いて、停止ボタンナビ演出設定処理について説明する。なお、図25及び26は、図23のステップS1404の停止ボタンナビ演出設定処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS1601では、補助信号出力用ナビの種類に「ナビなし」を設定する。補助信号用ナビは、上述したように、主制御部300がAT信号を出力するか否かを判定するためのナビ演出であり、本実施形態では、主制御部300の遊技状態がRT1(再遊技高確率状態)かつ、第1副制御部400の遊技状態がAT状態であって、通常リプレイ(再遊技役1)に当選した場合に実行される押し順ナビである。補助信号出力用ナビには、主制御部300から指示された停止操作順序と同一の停止操作順序を報知する「一致ナビ」と、主制御部300から指示された停止操作順序と異なった停止操作順序を報知する「不一致ナビ」がある。なお、補助信号出力用ナビに「ナビなし」が設定された場合には、補助信号出力用ナビは実行されない。
ステップS1602では、主制御部300の遊技状態がRT1(再遊技高確率遊技状態)、かつ第1副制御部400の状態がAT状態であるか否かを判定する。主制御部300の遊技状態がRT1(再遊技高確率遊技状態)、かつ第1副制御部400の状態がAT状態である場合には、ステップS1603に進み、主制御部300の遊技状態がRT1(再遊技高確率遊技状態)でない、または第1副制御部400の状態がAT状態でない場合には、ステップS1606に進む。
ステップS1603では、通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選したか否かを判定する。通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選した場合には、ステップS1604に進み、通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選しなかった場合には、ステップS1606に進む。
ステップS1604では、補助信号出力カウンタ無効遊技残回数が1以下か否かを判定する。補助信号出力カウンタ無効遊技残回数が1以下の場合には、ステップS1605に進み、そうでない場合には、ステップS1605に進む。
ステップS1605では、補助信号出力用ナビの種類を設定する補助信号出力用ナビ設定処理(詳しくは後述する)を行う。補助信号出力用ナビ設定処理では、条件に応じて、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」または「不一致ナビ」を仮設定する。
ステップS1606では、第1副制御部400の状態がAT状態であるか否かを判定する。第1副制御部400の状態がAT状態である場合には、ステップS1607に進み、第1副制御部400の状態がAT状態でない場合には、停止ボタンナビ演出設定処理を終了する。
ステップS1607では、SB(特別役2)に内部当選したか否かを判定する。具体的には、受信した演出情報コマンドが示す内部当選情報(条件装置の抽選コード)がSB(特別役2)の当選情報であるか否かを判定する。SB(特別役2)に内部当選した場合には、ステップS1608に進み、SB(特別役2)に内部当選しなかった場合には、ステップS1609に進む。
ステップS1608では、AT状態においてSB(特別役2)に内部当選したので、有効ライン上にSBこぼし目の表示を促すべく、停止ボタンナビ演出の種類に「RT1移行ナビ」を設定する。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500が制御する演出デバイスにより、停止操作前にRT1移行ナビが実行される(図9(a)参照)。
ステップS1609では、押し順リプレイ(「再遊技役1、2」、「再遊技役1、2、3」、「再遊技役1、2、4」)のいずれかに内部当選したか否かを判定する。具体的には、受信した演出情報コマンドが示す内部当選情報(条件装置の抽選コード)が押し順リプレイの当選情報であるか否かを判定する。押し順リプレイに内部当選した場合には、ステップS1610に進み、押し順リプレイに内部当選しなかった場合には、ステップS1611に進む。
ステップS1610では、AT状態において押し順リプレイに内部当選したので、有効ライン上に再遊技役2(パンクリプレイ)が表示されることを回避すべく、停止ボタンナビ演出の種類に「RT1維持ナビ」を設定する。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500が制御する演出デバイスにより、停止操作前にRT1維持ナビが実行される(図10(a)参照)。
ステップS1611では、小役3、4、5のいずれかに内部当選したか否かを判定する。具体的には、受信した演出情報コマンドが示す内部当選情報(条件装置の抽選コード)が小役3、4、5のいずれかの当選情報であるか否かを判定する。小役3、4、5のいずれかに内部当選した場合には、ステップS1612に進み、小役3、4、5のいずれにも内部当選しなかった場合には、ステップS1613に進む。
ステップS1612では、AT状態において小役3、4、5のいずれかに内部当選したので、内部当選した小役に対応する図柄組合せを有効ライン上に表示させることを促すべく、停止ボタンナビ演出の種類に「3択小役入賞ナビ」を設定する。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500が制御する演出デバイスにより、停止操作前に3択小役入賞ナビが実行される(図9(c)参照)。
ステップS1613では、通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選したか否かを判定する。具体的には、受信した演出情報コマンドが示す内部当選情報(条件装置の抽選コード)が通常リプレイ(再遊技役1)の当選情報であるか否かを判定する。通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選した場合には、ステップS1614に進み、通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選しなかった場合には、停止ボタンナビ設定処理を終了する。
ステップS1614では、補助信号出力用ナビの種類に「ナビなし」が設定されているか否かを判定する。補助信号出力用ナビの種類に「ナビなし」が設定されている場合には、停止ボタンナビ設定処理を終了し、補助信号出力用ナビの種類に「ナビなし」が設定されていない場合、つまり、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」または「不一致ナビ」が仮設定されている場合(詳しくは、図27の補助信号出力用ナビ設定処理において後述する)には、ステップS1615に進む。
ステップS1615では、主制御部300から送信された演出情報コマンドに含まれる押し順ナビ指示情報が「左」を示す場合には、ステップS1616に進み、そうでない場合には、ステップS1619に進む。
ステップS1616では、ステップS1605の補助信号出力用ナビ設定処理において、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されているか否かを判定する。補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されている場合には、ステップS1617に進み、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されていない、つまり「不一致ナビ」が仮設定されている場合には、ステップS1618に進む。
ステップS1617では、押し順ナビ指示情報が「左」であり、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されているので、左リール110を第1停止リールとする押し順ナビを設定する。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500が制御する演出デバイスにより、停止操作前に、左リール110を第1停止リールとする補助信号出力用ナビ(一致ナビ)が実行される。
一方、ステップS1618では、押し順ナビ指示情報が「左」であり、補助信号出力用ナビの種類に「不一致ナビ」が仮設定されているので、中リール111または右リール112を第1停止リールとする押し順ナビを設定する。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500が制御する演出デバイスにより、停止操作前に、中リール111または右リール112を第1停止リールとする補助信号出力用ナビ(不一致ナビ)が実行される。
ステップS1619では、主制御部300から送信された演出情報コマンドに含まれる押し順ナビ指示情報が「中」を示す場合には、ステップS1620に進み、そうでない場合には、ステップS1623に進む。
ステップS1620では、ステップS1605の補助信号出力用ナビ設定処理において、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されているか否かを判定する。補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されている場合には、ステップS1621に進み、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されていない、つまり「不一致ナビ」が仮設定されている場合には、ステップS1622に進む。
ステップS1621では、押し順ナビ指示情報が「中」であり、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されているので、中リール111を第1停止リールとする押し順ナビを設定する。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500が制御する演出デバイスにより、停止操作前に、中リール111を第1停止リールとする補助信号出力用ナビ(一致ナビ)が実行される(図10(b)参照)。
一方、ステップS1622では、押し順ナビ指示情報が「中」であり、補助信号出力用ナビの種類に「不一致ナビ」が仮設定されているので、左リール110または右リール112を第1停止リールとする押し順ナビを設定する。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500が制御する演出デバイスにより、停止操作前に、左リール110または右リール112を第1停止リールとする補助信号出力用ナビ(不一致ナビ)が実行される(図10(c)参照)。
ステップS1623では、ステップS1605の補助信号出力用ナビ設定処理において、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されているか否かを判定する。補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されている場合には、ステップS1624に進み、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されていない、つまり「不一致ナビ」が仮設定されている場合には、ステップS1625に進む。
ステップS1624では、押し順ナビ指示情報が「右」であり、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」が仮設定されているので、右リール112を第1停止リールとする押し順ナビを設定する。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500が制御する演出デバイスにより、停止操作前に、右リール112を第1停止リールとする補助信号出力用ナビ(一致ナビ)が実行される。
一方、ステップS1625では、押し順ナビ指示情報が「右」であり、補助信号出力用ナビの種類に「不一致ナビ」が仮設定されているので、左リール110または中リール111を第1停止リールとする押し順ナビを設定する。この結果、第1副制御部400及び第2副制御部500が制御する演出デバイスにより、停止操作前に、左リール110または中リール111を第1停止リールとする補助信号出力用ナビ(不一致ナビ)が実行される。
なお、ステップS1618、S1622、及びS1625の不一致ナビにおける押し順は、所定の振り分けテーブルを用いた抽選処理により決定される。
<補助信号出力用ナビ設定処理>
次に、図27を用いて、補助信号出力用ナビ設定処理について説明する。なお、図27は、図25のステップS1605の補助信号出力用ナビ設定処理の流れを示すフローチャートである。概説すれば、補助信号出力用ナビ設定処理においては、AT1セット開始時フラグがONのときには、AT信号の出力時期なので、AT信号出力条件の成立を促すべく「一致ナビ」を仮設定(補助信号出力用ナビの設定状況を「ナビなし」から「一致ナビ」に更新設定)し、AT1セット開始時フラグがOFFのときには、AT信号の出力時期でないので、AT信号出力条件の成立を回避すべく「不一致ナビ」を仮設定(補助信号出力用ナビの設定状況を「ナビなし」から「不一致ナビ」に更新設定)する。
ステップS1701では、補助信号出力カウンタが0又は1であるか否かを判定する。補助信号出力カウンタが0又は1である場合には、ステップS1702に進み、そうでない場合には、ステップS1708に進む。
ステップS1702では、AT1セット開始時フラグがONであるか否かを判定する。AT1セット開始時フラグがONである場合には、ステップS1703に進み、AT1セット開始時フラグがOFFである場合には、ステップS1704に進む。
ステップS1703では、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」を仮設定する。すなわち、補助信号出力カウンタが0又は1であって、AT1セット開始時フラグがONである場合(AT信号の出力時期であって、停止操作順序の一致が0または1回の場合)には、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」を仮設定する。
ステップS1704では、補助信号出力フラグ設定フラグがONであるか否かを判定する。ここで、補助信号出力フラグ設定フラグの判定を行うのは、図19のステップS706により補助信号出力フラグ設定フラグがONに設定されているか否かを見るもの、つまり、既にAT信号が出力されたか否かを見るためである。補助信号出力フラグ設定フラグがONである場合には、ステップS1705に進み、補助信号出力フラグ設定フラグがOFFである場合には、補助信号出力用ナビ設定処理を終了する。
ステップS1705では、AT遊技の残りセット数が1以上あるか否かを判定する。ここで、AT遊技の残りセット数が1以上あるか否かを判定するのは、当該セットのAT遊技が終了したときに、次セットのAT遊技があるか否かを判定するためである。AT遊技の残りセット数が1以上ある場合には、ステップS1706に進み、AT遊技の残りセット数が0、つまり当該セットでAT状態が終了する場合には、ステップS1707に進む。
ステップS1706では、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」を仮設定する。すなわち、補助信号出力カウンタが0又は1、AT1セット開始時フラグがOFF、AT遊技の残りセット数が1以上の場合(AT信号の出力時期ではないが、次セットのAT遊技がある場合)には、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」を仮設定する。ここで、AT信号の出力時期ではないが、次セットのAT遊技がある場合に「一致ナビ」を仮設定するのは、次セットのAT遊技の開始時にはAT信号を出力しなければいけないので、次セットのAT遊技に備えてAT信号出力条件の成立を促す必要があるためである。
一方、ステップS1707では、補助信号出力用ナビの種類に「不一致ナビ」を仮設定する。すなわち、補助信号出力カウンタが0又は1、AT1セット開始時フラグがOFF、AT遊技の残りセット数が0の場合(AT信号の出力時期ではなく、かつ、次セットのAT遊技もない場合)には、補助信号用ナビに「不一致ナビ」を仮設定する。次セットのAT遊技に備える必要がないからである。
ステップS1708では、AT1セット開始時フラグがONであるか否かを判定する。AT1セット開始時フラグがONである場合には、ステップS1709に進み、AT1セット開始時フラグがOFFである場合には、ステップS1711に進む。
ステップS1709では、AT1セット開始時フラグにOFFを設定し、次いで、ステップS1710では、補助信号出力用ナビの種類に「一致ナビ」を仮設定する。すなわち、補助信号出力カウンタが2以上であって、AT1セット開始時フラグがONの場合(AT信号の出力時期であって、停止操作順序の一致が2回の場合)には、補助信号用ナビに「一致ナビ」を仮設定する。これにより、停止操作順序が3回連続して一致することが促進される。
ステップS1711では、補助信号出力用ナビの種類に「不一致ナビ」を仮設定する。すなわち、補助信号出力カウンタが2以上であって、AT1セット開始時フラグがOFFの場合(AT信号の出力時期でなく、停止操作順序の一致が2回の場合)には、補助信号用ナビに「不一致ナビ」を仮設定する。これにより、停止操作順序が3回連続して一致することが防止される。
<停止ボタン受付時処理>
次に、図28を用いて、停止ボタン受付時処理について説明する。停止ボタン受付時処理は、図22(b)のステップS1102において、未処理コマンドが停止ボタン受付コマンドである場合に実行されるイベント処理である。なお、同図は、停止ボタン受付時処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS1801では、遊技者が右リール112の停止操作を第1停止操作としたか否かを判定する。具体的には、主制御部300から受信した停止ボタン受付コマンドに基づいて、第1停止リールが右リール112であったか否かを判定する。右リール112の停止操作を第1停止操作とした場合は、ステップS1802に進み、そうでない場合は、ステップS1804に進む。
ステップS1802では、第1副制御部400の遊技状態がAT状態であるか否かを判定する。AT状態であるか否かは、AT遊技情報のATフラグに基づいて判断する。第1副制御部400の遊技状態がAT状態である場合には、ステップS1804に進み、第1副制御部400の遊技状態がAT状態でない場合には、ステップS1803に進む。
ステップS1803では、AT状態でないのに逆押しをしたので、ペナルティ遊技の設定を行う。具体的には、ペナルティ情報記憶領域に所定回数(本実施形態では10回)のペナルティ遊技回数をセットする。なお、ペナルティ遊技は10ゲームの消化によりクリアされ、主制御部300の遊技状態(RT状態)が通常遊技状態(RT0またはRT1)のときにだけ減算処理されていく(BB遊技中においては減算されない)。
ステップS1804では、ペナルティ遊技中か否かを判定する。ペナルティ遊技中である場合には、ステップS1805に進み、そうでない場合には、ステップS1806に進む。
ステップS1805では、ペナルティ報知の演出情報をセットする。この結果、ペナルティ遊技中は、演出画像表示装置157を介してペナルティ報知の画像が表示される。図10(d)にペナルティ報知の画像の一例を示す。ペナルティ報知の画像には、ペナルティ期間中であること、ペナルティ遊技の残りゲーム数、AT状態では逆押しをしないことをなどの情報が報知される。
ステップS1806では、停止ボタン受付コマンドに基づくその他の処理を行う。
<一致ナビ、不一致ナビの選択>
図29は、図11の第1副制御部400の機能を詳細に示す機能ブロック図である。すなわち、図29は、主制御部300のAT状態特定機能における第1副制御部400の補助信号出力用ナビの役割を一致ナビ及び不一致ナビに分けて説明する図である。
本実施形態では、第1副制御部400は、主制御部300から送信された停止操作順序を受信すると、AT状態である場合には、(1)AT信号の出力時期であるか(具体的にはAT1セット開始時フラグがONであるか)、または(2)AT信号の出力時期ではないが、AT遊技の残りセットがあるか(AT遊技のストックがあるか)を判定し、(1)または(2)の条件を満たす場合には、送信された停止操作順序と同一の停止操作順序を報知する一致ナビを実行する(ステップS21)。
一方、AT信号の出力時期でないとき(上記(2)の条件は除く)には、送信された停止操作順序と異なる停止操作順序を報知する不一致ナビを実行する(ステップS22)。
このように本実施形態では、第1副制御部400が補助信号出力用ナビを実行する場合、第1副制御部400の状況(ATのストックがあるか否か、ATのセットにおけるゲーム消化状況(セットの開始時期か、中間時期か)に応じて、送信された停止操作順序と同一の停止操作順序を報知する一致ナビか、送信された停止操作順序と異なる停止操作順序を報知する不一致ナビを選択するようになっている。
<第2副制御部の処理>
図30を用いて、第2副制御部500の処理について説明する。なお、同図(a)は、第2副制御部500のCPU504が実行するメイン処理のフローチャートである。同図(b)は、第2副制御部500のコマンド受信割込処理のフローチャートである。同図(c)は、第2副制御部500のタイマ割込処理のフローチャートである。同図(d)は、第2副制御部500の画像制御処理のフローチャートである。
まず、同図(a)を用いて、第2副制御部500のメイン処理について説明する。
電源投入が行われると、まずS2001で初期化処理が実行される。この初期化処理では、入出力ポート初期設定や、RAM508内の記憶領域の初期化処理等を行う。
ステップS2002では、タイマ変数が10以上か否かを判定し、タイマ変数が10となるまでこの処理を繰り返し、タイマ変数が10以上となったときには、ステップS2003の処理に移行する。
ステップS2003では、タイマ変数に0を代入する。
ステップS2004では、コマンド処理を行う。第2副制御部500のCPU504は、第1副制御部400のCPU404からコマンドを受信したか否かを判別する。
ステップS2005では、演出制御処理を行う。例えば、ステップS2004で新たなコマンドがあった場合には、このコマンドに対応する演出データをROM506から読み出す等の処理を行い、演出データの更新が必要な場合には演出データの更新処理を行う。
ステップS2006では、ステップS2005で読み出した演出データの中にシャッタ制御の命令がある場合には、この命令に対応するシャッタ制御を行う。
ステップS2007では、ステップS2005で読み出した演出データの中に画像制御の命令がある場合には、この命令に対応する画像制御を行い(詳細は後述する)、ステップS2002へ戻る。本実施形態では、上述した停止ボタンナビ演出が実行される。
次に、同図(b)を用いて、第2副制御部500のコマンド受信割込処理について説明する。このコマンド受信割込処理は、第2副制御部500が、第1副制御部400が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。
コマンド受信割込処理のステップS2101では、第1副制御部400が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM508に設けたコマンド記憶領域に記憶する。
次に、同図(c)を用いて、第2副制御部500のCPU504によって実行する第2副制御部タイマ割込処理について説明する。第2副制御部500は、所定の周期でタイマ割込を発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割込を契機として、タイマ割込処理を所定の周期で実行する。
ステップS2201では、同図(a)に示す第2副制御部メイン処理におけるステップS2002において説明したRAM508のタイマ変数記憶領域の値に1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。
ステップS2202では、演出用乱数値などを更新する各種更新処理等を行う。
次に、同図(d)を用いて、第2副制御部500の画像制御処理について説明する。同図(d)は、同図(a)のステップS2007の画像制御処理の流れを詳しく示すフローチャートである。
ステップS2301では、画像データの転送指示を行う。ここでは、CPU504は、まず、VRAM536の表示領域Aと表示領域Bの描画領域の指定をスワップする。これにより、描画領域に指定されていない表示領域に記憶された1フレームの画像が演出画像表示装置157に表示される。次に、CPU504は、VDP534のアトリビュートレジスタに、位置情報等テーブルに基づいてROM座標(ROM506の転送元アドレス)、VRAM座標(VRAM536の転送先アドレス)などを設定した後、ROM506からVRAM536への画像データの転送開始を指示する命令を設定する。VDP534は、アトリビュートレジスタに設定された命令に基づいて画像データをROM506からVRAM536に転送する。その後、VDP534は、転送終了割込信号をCPU504に対して出力する。
ステップS2302では、VDP534からの転送終了割込信号が入力されたか否かを判定し、転送終了割込信号が入力された場合はステップS2303に進み、そうでない場合は転送終了割込信号が入力されるのを待つ。
ステップS2303では、演出シナリオ構成テーブルおよびアトリビュートデータなどに基づいて、パラメータ設定を行う。ここでは、CPU504は、ステップS1001でVRAM536に転送した画像データに基づいてVRAM536の表示領域AまたはBに表示画像を形成するために、表示画像を構成する画像データの情報(VRAM536の座標軸、画像サイズ、VRAM座標(配置座標)など)をVDP534に指示する。VDP534はアトリビュートレジスタに格納された命令に基づいてアトリビュートに従ったパラメータ設定を行う。
ステップS2304では、描画指示を行う。この描画指示では、CPU504は、VDP534に画像の描画開始を指示する。VDP534は、CPU504の指示に従ってフレームバッファにおける画像描画を開始する。
ステップS2305では、画像の描画終了に基づくVDP534からの生成終了割込み信号が入力されたか否かを判定し、生成終了割込み信号が入力された場合はステップS2306に進み、そうでない場合は生成終了割込み信号が入力されるのを待つ。
ステップS2306では、RAM508の所定の領域に設定され、何シーンの画像を生成したかをカウントするシーン表示カウンタをインクリメント(+1)して処理を終了する。
<AT信号出力に関する処理及びパラメータ値の推移>
次に、図31及び図32を用いて、AT信号出力に関する処理及びパラメータ値の推移を具体的に説明する。図31は、AT信号を出力する場合のAT信号出力に関する処理及びパラメータ値の推移を具体的に示した表であり、図32は、AT信号を出力しない場合のAT信号出力に関する処理及びパラメータ値の推移を具体的に示した表である。なお、図31及び図32の各表における回数は、RT1(再遊技高確率状態)移行後の通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選した回数を示している。
図31(a)は、第1副制御部400が非AT状態からAT状態になったとき、すなわち初回(第1セット)のAT遊技が開始された時にAT信号を出力する場合を示している。なお、図31(a)は、複数のセット数が付与された場合(AT残りセット数が1以上の場合)、つまり当該セットが終了しても2回目(第2セット)のAT遊技が開始され、AT状態が維持される場合である。
まず、SBこぼし目が有効ライン上に表示されたゲーム(RT1移行ナビが実行されたゲーム)においては、補助信号出力フラグ設定フラグがONに設定される(図17のステップS507)。
次に、以降のゲームにおいて1回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビとして、一致ナビを行う(図27のステップS1703)。補助信号出力カウンタは0、AT1セット開始時フラグはONであるからである。なお、図31(a)に示すように、SBこぼし目が有効ライン上に表示されたゲームにおいてAT状態は開始されているので、1回目の通常リプレイ当選ゲームにおいては、AT1セット開始時フラグはONとなっている。
そして、遊技者は、この一致ナビに従った停止操作を行ったので、補助信号出力カウンタは1加算されて1になり(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはONであるから、補助信号出力フラグはONに設定される(図18のステップS607)。なお、補助信号出力フラグ設定フラグは、補助信号出力フラグをONに設定した後、OFFに設定される(図18のステップS608)。
次に遊技が進行し、2回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビとして、一致ナビを行う(図27のステップS1703)。補助信号出力カウンタは1、AT1セット開始時フラグはONであるからである。
そして、遊技者は、この一致ナビに従った停止操作を行ったので、補助信号出力カウンタは1加算されて2になる(図18のS601〜S603)。なお、当該ゲームにおいて、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはONのままである。
次に遊技が進行し、3回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビとして、一致ナビを行う(図27のステップS1710)。なお、3回目の一致ナビを行うと、AT1セット開始時フラグはOFFに設定される(図27のステップS1709)。
そして、遊技者は、この一致ナビに従った停止操作を行ったので、補助信号出力カウンタは1加算されて3になる(図18のS601〜S603)。なお、当該ゲームにおいて、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはONのままである。このとき、主制御部300は、補助信号出力フラグはON、かつ、補助信号出力カウンタが3であるから、AT信号を出力する(図19のステップS704)。なお、補助信号出力カウンタは0クリアされ(図19のステップS702)、また、補助信号出力フラグ設定フラグはONに設定される(図19のステップS706)。
次に遊技が進行し、4回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビとして、一致ナビを行う(図27のステップS1706)。AT1セット開始時フラグはOFF、補助信号出力フラグ設定フラグはON、AT残りセット数は1以上であるからである。
そして、遊技者は、この一致ナビに従った停止操作を行ったので、補助信号出力カウンタは1加算されて1になり(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはONであるから、補助信号出力フラグはONに設定される(図18のステップS607)。なお、補助信号出力フラグ設定フラグは、補助信号出力フラグをONに設定した後、OFFに設定される(図18のステップS608)。
次に遊技が進行し、5回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビは行われない(図27のステップS1704でNO)。補助信号出力カウンタは1、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるからである。
そして、遊技者は、ナビのない状態で停止操作を行い、押し順指示ナビ情報と一致しなかったので、補助信号出力カウンタは0クリアされ(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはONのままである。
なお、以降のゲームの進行に関しては、5回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時と同様の説明となるので、説明を省略する。このように、次セットのAT遊技が存在する場合には、第1回目のセットの開始時にAT信号を出力しても、次セットに備えて、補助信号出力フラグはONのままに設定される。
一方、図31(b)は、図31(a)と同様に、第1副制御部400が非AT状態からAT状態になったとき、すなわち初回(第1セット)のAT遊技が開始された時にAT信号を出力する場合を示しているが、付与されたセット数が1(AT残りセット数が0)の場合、つまり当該セットが終了するとAT状態が終了してしまう場合を示している。
3回目の通常リプレイ(再遊技役1)が内部当選したゲームまでは、図31(a)と同様なので、説明を省略する。
遊技が進行し、4回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビとして、不一致ナビを行う(図27のステップS1707)。AT1セット開始時フラグはOFF、補助信号出力フラグ設定フラグはON、AT残りセット数は0であるからである。
そして、遊技者は、この不一致ナビに従った停止操作を行ったので、押し順指示ナビ情報と一致せず、補助信号出力カウンタは0クリアされ(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはONであるから、補助信号出力フラグはOFFに設定される(図18のステップS606)。なお、補助信号出力フラグ設定フラグは、補助信号出力フラグをOFFに設定した後、OFFに設定される(図18のステップS608)。
次に遊技が進行し、5回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビは行われない(図27のステップS1704でNO)。補助信号出力カウンタは0、AT1セット開始時フラグはOFF、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるからである。
そして、遊技者は、ナビのない状態で停止操作を行い、押し順指示ナビ情報と一致しなかったので、補助信号出力カウンタは0クリアされ(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはOFFのままである。
なお、以降のゲームの進行に関しては、5回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時と同様の説明となるので、説明を省略する。このように、次セットのAT遊技が存在しない場合には、第1回目のセットの開始時にAT信号を出力した後は、次セットに備える必要がないので、補助信号出力フラグはOFFのままに設定される。
図31(c)は、第1副制御部400がAT状態にあり、1つのセットが終了した後に次のセットが開始され、開始時にAT信号を出力する場合を示している。なお、図31(a)は、次のセット(当該セット)は最後のセットではなく(AT残りセット数が1以上の場合)、当該セットが終了してもさらに次のセットのAT遊技が開始され、AT状態が維持される場合である。
X回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選ゲームから説明する。X回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時においては、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビとして、一致ナビを行う(図27のステップS1703)。補助信号出力カウンタは0、AT1セット開始時フラグはONであるからである。なお、図31(c)に示すように、X回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選ゲームにおいて新たなセットのAT遊技は開始されているので、AT1セット開始時フラグはONとなっている。
そして、遊技者は、この一致ナビに従った停止操作を行ったので、補助信号出力カウンタは1加算されて1になり(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはONのままである。
次に遊技が進行し、X+1回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビとして、一致ナビを行う(図27のステップS1703)。補助信号出力カウンタは1、AT1セット開始時フラグはONであるからである。
そして、遊技者は、この一致ナビに従った停止操作を行ったので、補助信号出力カウンタは1加算されて2になり(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはONのままである。
次に遊技が進行し、X+2回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビとして、一致ナビを行う(図27のステップS1710)。補助信号出力カウンタは2、AT1セット開始時フラグはONであるからである。なお、X+2回目の一致ナビを行うと、AT1セット開始時フラグはOFFに設定される(図27のステップS1709)。
そして、遊技者は、この一致ナビに従った停止操作を行ったので、補助信号出力カウンタは1加算されて3になる(図18のS601〜S603)。なお、当該ゲームにおいて、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはONのままである。このとき、主制御部300は、補助信号出力フラグはON、かつ、補助信号出力カウンタが3であるから、AT信号を出力する(図19のステップS704)。なお、補助信号出力カウンタは0クリアされ(図19のステップS702)、また、補助信号出力フラグ設定フラグはONに設定される(図19のステップS706)。
この後、X+4回目以降の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選ゲームは、図31(a)に示した5回目以降のゲームと同様の経過となるので、説明は省略する。このように、次セットのAT遊技が存在する場合には、当該セットの開始時にAT信号を出力しても、次セットに備えて、補助信号出力フラグはONのままに設定される。
一方、図31(d)は、図31(c)と同様に、第1副制御部400がAT状態にあり、1つのセットが終了した後に次のセットが開始され、開始時にAT信号を出力する場合を示しているが、次のセット(当該セット)が最後のセットである場合(AT残りセット数が0の場合)、つまり当該セットが終了するとAT状態が終了してしまう場合を示している。
X+2回目の通常リプレイ(再遊技役1)が内部当選したゲームまでは、図31(c)と同様なので、説明を省略する。
遊技が進行し、X+3回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビとして、不一致ナビを行う(図27のステップS1707)。AT1セット開始時フラグはOFF、補助信号出力フラグ設定フラグはON、AT残りセット数は0であるからである。
そして、遊技者は、この不一致ナビに従った停止操作を行ったので、押し順指示ナビ情報と一致せず、補助信号出力カウンタは0クリアされ(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはONであるから、補助信号出力フラグはOFFに設定される(図18のステップS606)。なお、補助信号出力フラグ設定フラグは、補助信号出力フラグをOFFに設定した後、OFFに設定される(図18のステップS608)。
次に遊技が進行し、X+4回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビは行われない(図27のステップS1704でNO)。補助信号出力カウンタは0、AT1セット開始時フラグはOFF、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるからである。
そして、遊技者は、ナビのない状態で停止操作を行い、押し順指示ナビ情報と一致しなかったので、補助信号出力カウンタは0クリアされ(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはOFFのままである。
なお、以降のゲームの進行に関しては、X+4回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選ゲームと同様の説明となるので、説明を省略する。このように、次セットのAT遊技が存在しない場合には、当該セットの開始時にAT信号を出力した後は、次セットに備える必要がないので、補助信号出力フラグはOFFのままに設定される。
図32(a)は、第1副制御部400がAT状態にあるが、セット開始時でないとき(AT1セット開始時フラグがOFFのとき)に、遊技者の停止操作が連続して2回、押し順ナビ指示情報と一致した場合を示している。なお、図32(a)は、当該セットは最後のセットではなく(AT残りセット数が1以上の場合)、当該セットが終了してもさらに次のセットのAT遊技が開始され、AT状態が維持される場合を示している。したがって、補助信号出力フラグは、図31(a)に示したように、ONのまま設定されている。
X+1回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選ゲームから説明する。X+1回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時においては、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビを行わない(図27のステップS1704でNO)。補助信号出力カウンタは0、AT1セット開始時フラグはOFF、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるからである。
そして、遊技者は、ナビのない状態で停止操作を行ったが、押し順指示ナビ情報と偶然一致したので、補助信号出力カウンタは1加算されて1になり(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはONのままである。
次に遊技が進行し、X+2回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビを行わない(図27のステップS1704でNO)。補助信号出力カウンタは1、AT1セット開始時フラグはOFF、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるからである。
そして、遊技者は、ナビのない状態で停止操作を行ったが、押し順指示ナビ情報と偶然一致したので、補助信号出力カウンタは1加算されて2になり(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはONのままである。
次に遊技が進行し、X+3回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビとして、不一致ナビを行う(図27のステップS1711)。補助信号出力カウンタは2、AT1セット開始時フラグはOFFであるからである。
そして、遊技者は、この不一致ナビに従った停止操作を行ったので、押し順指示ナビ情報と一致せず、補助信号出力カウンタは0クリアされ(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはONのままである。この結果、遊技者の停止操作が3回連続して押し順指示ナビ情報と一致するという状況は回避され、AT信号は出力されない。
一方、図32(b)は、図32(a)と同様に、第1副制御部400がAT状態にあるが、セット開始時でないとき(AT1セット開始時フラグがOFFのとき)に、遊技者の停止操作が連続して2回、押し順ナビ指示情報と一致した場合を示しているが、当該セットが最後のセットの場合(AT残りセット数が0の場合)、つまり当該セットが終了するとAT状態が終了してしまう場合を示している。したがって、補助信号出力フラグは、図31(b)に示したように、OFFのまま設定されている。
X+1回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選ゲームから説明する。X+1回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時においては、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビを行わない(図27のステップS1704でNO)。補助信号出力カウンタは0、AT1セット開始時フラグはOFF、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるからである。
そして、遊技者は、ナビのない状態で停止操作を行ったが、押し順指示ナビ情報と偶然一致したので、補助信号出力カウンタは1加算されて1になり(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはOFFのままである。
次に遊技が進行し、X+2回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビを行わない(図27のステップS1704でNO)。補助信号出力カウンタは1、AT1セット開始時フラグはOFF、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるからである。
そして、遊技者は、ナビのない状態で停止操作を行ったが、押し順指示ナビ情報と偶然一致したので、補助信号出力カウンタは1加算されて2になり(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはOFFのままである。
次に遊技が進行し、X+3回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビとして、不一致ナビを行う(図27のステップS1711)。補助信号出力カウンタは2、AT1セット開始時フラグはOFFであるからである。
そして、遊技者は、この不一致ナビに従った停止操作を行ったので、押し順指示ナビ情報と一致せず、補助信号出力カウンタは0クリアされ(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはOFFのままである。この結果、遊技者の停止操作が3回連続して押し順指示ナビ情報と一致するという状況は回避され、AT信号は出力されない。
図32(c)は、第1副制御部400がAT状態にないときに、遊技者の停止操作が連続して2回、押し順ナビ指示情報と一致した場合を示している、なお、この場合には、第1副制御部400は、AT状態でないので、補助信号用出力ナビは実行されない。また、この場合は、図32(b)に示した状態のままでAT状態が終了した場合であるから、AT補助信号出力フラグ及びAT補助信号出力フラグ設定フラグはOFFのままである。
X+1回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選ゲームから説明する。X+1回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時においては、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビを行わない。非AT状態であるからである。
そして、遊技者は、ナビのない状態で停止操作を行ったが、押し順指示ナビ情報と偶然一致したので、補助信号出力カウンタは1加算されて1になり(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはOFFのままである。
次に遊技が進行し、X+2回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビを行わない。非AT状態であるからである。
そして、遊技者は、ナビのない状態で停止操作を行ったが、押し順指示ナビ情報と偶然一致したので、補助信号出力カウンタは1加算されて2になり(図18のS601〜S603)、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはOFFのままである。
次に遊技が進行し、X+3回目の通常リプレイ(再遊技役1)内部当選時には、第1副制御部400は、遊技者の停止操作前に、補助信号出力用ナビを行わない。非AT状態であるからである。
そして、遊技者は、ナビのない状態で停止操作を行ったが、押し順指示ナビ情報と偶然一致したので、補助信号出力カウンタは1加算されて3になる(図18のS601〜S603)。しかしながら、補助信号出力フラグ設定フラグはOFFであるから、補助信号出力フラグはOFFのままであり、AT信号は出力されない。
このように第1副制御部400が非AT状態であるときは、遊技者の停止操作が3回連続して押し順指示ナビ情報と一致したとしても、AT信号は出力されることはない。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態では、主制御部300は、押し順抽選を実行して、押し順ナビ指示情報を決定していたが、押し順指示情報は抽選により決定するのではなく、予め定められていてもよい。すなわち、抽選により、第1停止操作の対象リールを決定するのではなく、予め第1停止操作の対象リールを決定していてもよい。
また、上記実施形態では、押し順指示情報は1つの指示情報(左、中、右のうちの1つ)であったが、押し順指示情報は複数であってもよい。例えば、第1副制御部400のAT状態が2種類ある場合には、主制御部300は、AT状態1の場合には第1停止操作は左、AT状態2の場合には第1停止操作は右という2つの押し順指示情報を備えていて、この2つの押し順指示情報を第1副制御部400に送信するようにしてもよい。この場合には、第1副制御部400は、現在のAT状態の種類に応じて、いずれかの押し順指示情報に従った報知を行うことができるので、この報知に従った遊技者の停止操作により、主制御部300は、第1副制御部400のAT状態の種類を特定することができる。例えば、第1副制御部400の状態がAT状態1である場合には、第1停止操作として左を示唆する報知を行うので、遊技者がこの報知に従って第1停止操作を左とした場合には、主制御部300は、送信した2つの押し順指示情報と、実際に停止操作された状況から、第1副制御部400はAT状態1にあると特定することができる。
また、上記実施形態では、主制御部300が、第1副制御部400の状態をAT状態であると把握した場合には、AT信号を出力したが、第1副制御部400の状態をAT状態であると把握した場合の主制御部300の制御はAT信号出力に限定されない。例えば、第1副制御部400の状態をAT状態であると把握した場合には、主制御部300側で行う演出(メイン演出ともいう。例えば、リールを用いたリール演出やタイマを用いて一定時間(例えば15秒)、リールの回転開始を遅延するフリーズ演出など)を行ってもよい。
また、上記実施形態では、主制御部300は、AT状態の有無に応じて、AT信号の出力制御を行ったが、これは一例であって、より一般的には、主制御部300は、第1副制御部400の演出制御の状況に応じて、主制御部300の制御を行うものである。ここで、第1副制御部400の演出制御の状況とは、AT状態の有無のほか、AT状態の種類(例えば、長い期間のAT、短い期間のATなど)、AT状態のストックの有無などであってもよい。そして、主制御部300により上記リール演出を行う場合には、リール回転開始時に、このような第1副制御部400の演出制御の状況に応じて、リールの回転順序を異ならせたり(例えば、A状態のときは左リールから回転開始、B状態のときには中リールから回転開始など)、スタートレバー操作やストップボタン操作時に、このような第1副制御部400の演出制御の状況に応じて、リールの回転開始を遅延させる演出やストップボタンが有効となるタイミングを遅延させる演出などのフリーズ演出の種類、遅延させる期間(フリーズ期間)の種類、フリーズ演出の発生頻度などを異ならせたりしてもよい(例えば、A状態のときは多い、B状態のときは少ないなど)。このような場合には、遊技者は、メイン演出(リール演出、フリーズ演出)を見ることにより、第1副制御部400の制御状況を把握することができる。
また、上記実施形態では、主制御部300は、停止操作順序に依存せずに入賞が可能な通常リプレイ(再遊技役1)に内部当選した場合を利用して、AT状態の特定をしていたが、AT状態の特定をするための入賞役はこれに限定されない。例えば、停止操作順序に依存せずに入賞が可能な小役や特別役、停止操作順序に依存して入賞する押し順リプレイ、停止操作タイミングに依存して入賞する3択小役などのいずれでもよい。例えば、停止操作順序に依存せずに入賞が可能なBBの場合には、BB内部当選時に、主制御部300が「逆押し」を第1副制御部400に指示し、第1副制御部400は、AT状態であれば、主制御部300からの指示に従って「逆押しでボーナスを狙え」などの報知を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者がこの報知に従って、逆押しで停止操作を行うと、主制御部300は、第1副制御部400の状態がAT状態であることを特定することができる。
<実施形態のまとめ>
以上述べたように、本実施形態の遊技台(例えば、スロットマシン100)によれば、少なくとも、遊技の進行に関する制御を行う主制御手段(例えば、主制御部300、主制御部300により制御される装置など)と、前記主制御手段と一方向通信で構成され、前記主制御手段から送信された情報に基づいて、遊技に関する演出を制御する副制御手段(例えば、第1制御部400、第2制御部500、第1制御部400及び第2制御部500により制御される装置など)と、を備えた遊技台であって、前記主制御手段は、複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール(例えば、リール110〜112)と、予め定められた複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(例えば、主制御部300、入賞役内部抽選処理)と、前記複数のリールそれぞれに対応して設けられ、前記複数のリールの回転を個別に停止させる複数の停止ボタン(例えば、ストップボタン137〜139)と、前記複数の停止ボタンに対する各停止操作を受け付ける停止操作受付手段(例えば、主制御部300、ストップボタン受付処理)と、前記抽選手段の抽選結果及び前記停止操作受付手段による停止操作に基づいて、前記複数のリールの回転の停止に関する停止制御を行う停止制御手段(例えば、主制御部300、リール制御処理)と、前記停止制御手段による停止制御により、予め定められた有効ライン上に停止表示された図柄組合せが、前記抽選手段により内部当選した役に対応して定められた図柄組合せであるか否かにより前記役への入賞を判定する判定手段(例えば、主制御部300、入賞判定処理)と、遊技に関する情報を前記副制御手段に送信する情報送信手段(例えば、主制御部300、コマンド設定送信処理)と、前記副制御手段における演出制御の状況を特定する演出制御特定手段(例えば、主制御部300、補助信号出力処理)と、を有し、前記副制御手段は、前記複数の停止ボタンに対する操作手順を所定の報知態様で報知する報知処理を実行する報知手段(例えば、第1制御部400、第2制御部500、演出設定処理、画像制御処理、演出画像表示装置157など)を有し、前記抽選手段により第一の役(例えば、通常リプレイ、押し順役など)に内部当選した場合には、前記操作受付手段による操作受付前に、前記第一の役に入賞し、かつ前記複数の停止ボタンに対する最も有利な(例えば、メダルの払出が最も多い)操作手順(例えば、停止操作順序、操作タイミングなど。1つまたは複数のいずれでもよい。抽選処理、または予め定められていてもよい)を示す第一の情報を前記副制御手段に送信し、前記報知手段は、前記操作受付手段による操作受付前に、前記副制御手段の演出制御の状況(例えば、AT状態の有無、AT状態の種類、AT状態のストックの有無など)に応じて、前記主制御手段から送信された前記第一の情報に基づく操作手順(例えば、送信された情報と同一の操作手順、異なる操作手順、送信された複数の情報の対応する1つの操作手順など)を第一の報知態様(例えば、演出画像表示装置157を用いた画像表示による報知態様)で報知する第一の報知処理(例えば、補助信号出力用ナビ)を実行し、前記演出制御特定手段は、前記情報送信手段が前記副制御手段に送信した前記第一の情報の操作手順と、前記停止操作受付手段により受け付けた前記複数の停止ボタンに対する操作手順に基づいて(例えば、送信された情報の操作手順と、実際の操作手順が一致するか否か)、前記副制御手段における前記演出制御の状況を特定することを基本的構成とする。
本実施形態では、セキュリティ上、主制御手段から副制御手段への一方向通信だけが許容される構成であっても、主制御手段側で副制御手段側の演出制御の状況を把握でき、副制御手段側の演出制御の状況に合わせて主制御手段側の制御を行うことができる。例えば、副制御手段側の演出制御の状況に合わせて、AT信号出力、リール演出、フリーズ演出などを行うことができる。
また、前記第一の役は、前記抽選手段により内部当選した場合は、前記複数の停止ボタンに対する操作手順に係わらず、入賞しかつ同一の利益を付与する役であることが好ましい。
この場合には、遊技者に損失を与えることなく、第一の報知処理を行うことができる。
また、前記複数種類の役には、前記複数の停止ボタンに対する操作手順が入賞条件に含まれる操作手順役(例えば、押し順リプレイなど)が含まれ、前記情報送信手段は、前記抽選手段により前記操作手順役が内部当選した場合には、前記操作受付手段による操作受付前に、前記操作手順役が入賞可能な操作手順(例えば、第1停止は左など)を示す第二の情報を前記副制御手段に送信し、前記報知手段は、前記操作受付手段による操作受付前に、前記操作手順役が入賞可能な操作手順を前記第一の報知態様で報知する第二の報知処理(例えば、RT1維持ナビ)を実行することが好ましい。
この場合には、第二の報知処理の報知に従うことは、遊技者の利益付与につながるので、報知の信頼性が向上し、遊技者は報知手段による報知に従うこととなる。
また、前記副制御手段は、所定の条件が成立した場合には、複数の遊技に亘って前記第二の報知処理を行う報知遊技(例えば、AT遊技)を設定するか否かを決定する報知遊技決定手段(例えば、第1副制御部400、AT抽選処理)を有し、前記報知手段は、前記報知遊技決定手段により、前記報知遊技が設定されている場合において、前記副制御手段が前記第二の情報を受信したときは前記第二の報知処理を行い、前記副制御手段が前記第一の情報を受信した場合には前記第一の報知処理を行うことが好ましい。
この場合には、報知遊技の状態において、第一の報知処理及び第二の報知処理を混在して行うことができるので、第一の報知処理を違和感なく行うことができる。
また、前記主制御手段は、前記情報送信手段が前記副制御手段に送信した前記第一の情報の操作手順と、前記停止操作受付手段により受け付けた前記複数の停止ボタンに対する操作手順の一致状況に関する情報を、予め定められた複数の遊技に亘って記憶する一致状況記憶手段(例えば、主制御部300、RAM308、入賞役内部抽選処理)を有し、前記演出制御特定手段は、前記一致状況記憶手段に記憶された一致状況に関する情報に基づいて、前記副制御手段における前記演出制御の状況を特定することが好ましい。
この場合には、複数の遊技に亘って一致状況に基づいて、副制御手段における前記演出制御の状況を特定することができるので、正確に特定することができる。
また、前記第一の役は、入賞することにより次遊技において遊技媒体(例えば、メダル)の投入を行うことなく遊技を行うことができる再遊技役(例えば、再遊技役1)であり、前記主制御手段は、前記遊技媒体が投入された状態で、前記複数のリールの回転開始を指示するスタートスイッチ(例えば、スタートレバー135)と、前記判定手段による判定により、配当を伴う役に入賞した場合には、前記遊技媒体を配当として払い出す払出手段(例えば、主制御部300、メダル払出処理)と、少なくとも、通常遊技状態(例えば、RT0)、及び前記通常遊技状態よりも前記再遊技役の当選確率が高い再遊技高確率遊技状態(例えば、RT1)を含む、有利度の異なる複数の遊技状態の中から、いずれかの遊技状態を設定する遊技状態設定手段(例えば、主制御部300、遊技状態更新処理)と、を有し、前記情報送信手段は、前記遊技状態設定手段により前記再遊技高確率遊技状態に設定され、かつ、前記抽選手段により前記再遊技役に内部当選した場合には、前記第一の情報を前記副制御手段に送信することが好ましい。
この場合には、第一の役に入賞しやすい状態で第一の報知処理を行うので、短い遊技数で、副制御手段における前記演出制御の状況を特定することができる。
また、前記主制御手段は、遊技に関する情報を遊技台の外部の情報装置(例えば、情報収集装置650)に出力する外部出力手段(例えば、主制御部300、外部信号出力処理)を有し、前記外部出力手段は、前記演出制御特定手段により特定された前記副制御手段の演出制御の状況に関する情報を、前記外部の情報装置に出力することが好ましい。
この場合には、副制御手段側の演出制御の状況を示す情報を、主制御手段側で外部に出力するので、外部の情報装置は、副制御手段側の演出制御の状況に応じた処理を実行することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。