以下、本発明の実施形態に係る回胴式遊技機Aについて図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは遊技媒体に遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例にする。
図1は本実施形態に係る回胴式遊技機Aの外観斜視図である。
回胴式遊技機Aは各種制御基板や回胴機構部材を収納した筐体1を有し、筐体1の前面開放部には前扉5が開閉自在に取り付けられている。前扉5の上部2の中央には、演出報知手段の一つとしてのカラー液晶ディスプレイ装置からなる液晶表示装置3の表示画面が配設されている。この表示画面において回胴遊技の進行に応じてキャラクターや文字、数字、メッセージ等の画像表示が行われて、当選役の報知等の各種表示演出が行えるようになっている。液晶表示装置3の両側には、一対の上部スピーカ4が配設されており、液晶表示装置3による画像演出と同調して、各種効果音等による音響演出が行えるようになっている。表示報知手段の表示装置には、カラー液晶の他に、例えばカラーEL(エレクトロルミネッセンス)、カラープラズマディスプレイ装置、電子ペーパディスプレイ、7セグメント、LEDドット表示器等を使用することができる。
液晶表示装置3の下方で前扉5の略中央には、透明パネルからなる図柄表示窓8が設けられている。図柄表示窓8の内側にリール(回胴)8a、8b、8cが筐体1内部に配置されている。図柄表示窓8を通じて、リール(回胴)8a〜8cが視認可能になっている。リール8a〜8cはステッピングモータ(図示せず)の回転軸に取り付けられていて、該ステッピングモータの駆動により一定速度で回転駆動される。リール8a〜8cの外周面には21個の図柄が回転方向に沿って形成されている。リール8a〜8cは、図柄表示窓8を通じて視認可能に表示される図柄を可変表示(変動)させる回胴表示部を構成している。
各リール8a〜8cの図柄のうち、3個ずつの図柄が図柄表示窓8を通じて視認可能となっており、図柄表示窓8は3×3個の図柄を表示可能にする図柄組合せ表示領域を構成する。本実施形態においては、回胴表示部として回転ドラムのリール8a〜8cを使用しているが、回転ドラム以外に、例えば、ベルト面に図柄を配置、設定した無端ベルト等の回転機構により回胴表示部を構成することができ、更に、回転機構を用いずに、擬似的に回胴及びその変動を画像表示するディスプレイを使用することも可能である。
図2は図柄表示窓8の図柄組合せ表示領域に設定された、各種当選役の入賞又は成立を確定するための4つの有効ラインL1〜L4を示す。
役抽選(内部抽選)の抽選結果と、遊技者の停止操作による回胴停止タイミングに基づき、回胴表示部の可変表示の停止制御が行われて、当選役に応じた図柄が有効ラインL1〜L4に停止し、当選役図柄の組合せによる表示結果が2点鎖線で示す図柄表示窓8の図柄組合せ表示領域に導出可能になっている。
有効ラインL1、L2は夫々、中央ライン、上段ラインである。有効ラインL3、L4は夫々、右下がりの対角線ライン、右上がりの対角線ラインである。有効ラインL1〜L4は5ラインから下段ラインを除いた変則4ラインからなり、入賞(又は成立)位置を特定する入賞(又は成立)図柄位置特定形態を構成している。有効ラインの設定は入賞率の決定、押し順ARTの図柄停止制御等に関係するが、本実施形態の上記変則4ラインに限らず、図柄配列や出玉率の設計等に応じて各種有効ラインの組合せが可能であり、ライン数を3本以下又は5本にしてもよい。
図柄組合せ表示領域におけるリール8a〜8cの夫々の図柄停止位置はE11〜E13、E21〜E23、E31〜E33の合計9駒からなる。有効ラインL1、L2は夫々、E12−E22−E32、E11−E21−E31の停止位置の配置からなる。有効ラインL3、L4は夫々、E11−E22−E33、E13−E22−E31の停止位置の配置からなる。
図3は各リール8a〜8cに形成した図柄配列帯及び図柄種を示す。即ち、同図(3A)、(3B)は夫々、各リール8a〜8cの図柄配列帯、図柄配列帯に配置される8種類の図柄を示す。(3A)における左回胴、中回胴及び右回胴は夫々、リール8a〜8cの図柄配列帯に対応している。各図柄配列帯はリール外周に巻き付けられるリールテープからなり、テープ面には、内部抽選に当選した当選役に対応する図柄の組合せを構成するための図柄が印刷形成されている。
本実施形態においては、(3B)に示すように、赤7(符号31)、青7(符号32)、BAR(符号33)、チェリー(符号34)、スイカ(符号35)、ベル(符号36)、ブランク(符号37)及びリプレイ(RP:符号38)の計8種類の図柄が使用されている。これらの図柄は各リールの外周面に沿って計21駒配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜20番の駒番号が割り当てられている。
BETランプ23、クレジット表示部24及び払出枚数表示部25からなるパネル表示部7が図柄表示窓8の下部に配設されている。BETランプはメダル投入(設定)枚数の1〜3枚に応じて点灯するランプからなり、1ゲームを行うために賭けられたメダル数(以下「BET数」という。)に応じて点灯する。クレジット表示部24及び払出枚数表示部25は7セグメントLEDによって構成されている。回胴式遊技機Aは投入メダルの枚数を予め記憶して貯留するクレジット機能を有し、クレジット表示部24にはクレジットされている残メダル枚数が表示される。回胴式遊技機Aにクレジットされる最大枚数は50枚であり、クレジット表示部24に表示されるクレジット枚数は50枚以下となる。なお、最大枚数の50枚がクレジットされている状態で、メダルを更に投入してもそのまま
排出されて返却される。払出枚数表示部25は入賞時に払い出されるメダル枚数を表示する。払出枚数表示部25はボーナスゲームの遊技情報を表示する表示機能も有し、ボーナスゲーム中にはボーナスゲームで獲得した総払出枚数が累積表示される。
遊技者が操作する操作部9が図柄表示窓8の下方に設けられている。操作部9は前方に緩やかに傾斜した傾斜部と、前扉1の前面側に設けた正面部からなる。該傾斜部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口10と、クレジットされた貯留枚数範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数の上限値(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数)まで遊技メダルを一度に投入(設定)するためのMAXベットボタン11、押した回数に応じて上記賭け数の上限値まで遊技メダルを加算的に設定するための1ベットボタン13、クレジット精算を行うための貯留メダル精算ボタン12が設けられている。MAXベットボタン11を押下して、メダル貯留残数が十分あるときには、賭け枚数が最大賭け枚数、つまり3枚に設定され、貯留残数が最大賭け枚数に満たない場合には、貯留残数全てが賭け枚数に加算される。
回胴式遊技機Aは、1遊技に供するメダル数が3枚必要とされる所謂3枚専用の回胴式遊技機である。メダルが3枚投入されることにより遊技可能を表す有効化表示器(図示せず)が図柄表示窓8周辺のパネル面に配設されている。
遊技演出を電飾表示するための装飾ランプ部6が図柄表示窓8の左右両側の前扉5側部に設けられている。装飾ランプ部6は、RGB多色発光可能なLEDからなり、その発光色の種類や発光態様による光演出効果を発揮する。
操作部9の正面部には、リール8a〜8cの回転を開始させるための始動スイッチである回胴回転始動レバー15と、各リール8a〜8cに対応して設けられた回胴回転停止ボタン16a、16b、16cと、メダル投入口10から内部のメダル投入路に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン17が配設されている。前扉5の開放側端には前扉5の施錠状態を切り替えるための錠装置18が設けられている。
回胴式遊技機Aの機種名やモチーフ等に基づいた意匠デザインが形成された装飾パネル19が前扉5の下部14に取り付けられており、パネル内側に設置された照明装置(図示せず)により点灯表示される。装飾パネル19の下側には、後述のメダルホッパー305により排出される賞メダル、あるいは返却操作により払い出されるメダルを排出するためのメダル払出口21と、メダル払出口21から排出されたメダルを貯留するためのメダル受皿20が設けられている。メダル払出口21の左右両側には下部スピーカ22a、22bが設けられている。メダル受皿20の横には灰皿26が配設されている。
回胴式遊技機Aにおいては、液晶表示装置3の画像表示による演出表示、上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる効果音、装飾ランプ部6の電飾効果を用いて、一般役や特別遊技役の当選、特典遊技(ART遊技)の付与、ART回数の上乗せ等の演出、報知を視覚的且つ聴覚的に行うことができる。演出効果手段としては、視覚、聴覚に限らず、触覚などの人間の五感を刺激することにより伝達する手段、例えば、遊技者の体に振動を伝える加振装置、骨伝導装置、送風装置等を使用することができる。
ART遊技中においては、6択のAT役の夫々の回胴の停止操作順序を報知するための報知手段として、液晶表示装置3による演出表示(例えば、停止操作手順の指示表示)及び上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる効果音(例えば、停止操作順序に沿った左・中・右の指示音声)が使用される。
本実施形態に係る回胴式遊技機Aの制御装置について説明する。
図4は回胴式遊技機Aの制御装置の概略構成を示す制御ブロック図である。
回胴式遊技機Aの制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御基板100と、主制
御基板100から制御コマンドを一方向に受信して、画像と光と音についての演出表示制御を統括的に司る副制御基板200と、賞メダルの払出を制御する払出制御基板300と、AC24Vの外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板400からなる。なお、図4においては電源供給ルートを省略している。
主制御基板100は、メインCPU101を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、メインROM102と、メインRAM103とを搭載したメイン側マイクロコンピュータ(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)からなり、役抽選、リール駆動制御、回胴を用いた特別演出(フリーズ演出)の実行可否の決定等を実行処理する主制御部を構成する。メイン側マイクロコンピュータには、図示しないが、CTC(Counter Timer Circuit)やメインCPU101に割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
メインROM102には、各種遊技状態における一連の遊技機制御手順が記述された制御プログラムの他、回胴の停止制御用停止データを記述した停止制御テーブル(図示せず)、役抽選用の役抽選テーブル(図7参照)、入賞による払い出し枚数を設定するための入賞払出テーブル(図示せず)等の遊技動作制御に必要な所定のデータ等が格納されている。
メインRAM103には、当選役を決定するための役の抽選に利用される抽選用乱数値、当選役情報、遊技状態情報等の遊技の進行に必要なデータを格納するためのワークエリアが形成されている。
メイン側マイクロコンピュータには、役抽選用乱数を発生させるためのカウンタ回路(図示せず)が接続されている。このカウンタ回路は、ハードウェア的に一定範囲(乱数域:0〜65535)の乱数を生成する乱数生成回路と、当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路が含まれている。メインCPU101は処理状態に応じて上記乱数生成回路により生成された乱数値を内部抽選用乱数値として取得して役抽選処理を実行する。役抽選処理はリール8a〜8cの回転毎の単位回胴遊技(1ゲーム)の実行の度に上記役抽選テーブルを参照して実行される。
主制御基板100には回胴中継基板250を介してリール8a〜8cを回転駆動するための回胴駆動モータ群251が接続されている。回胴駆動モータ群251は各リールを夫々回転駆動する3個のステッピングモータ(図示せず)と、各ステッピングモータのモータ駆動回路からなる。メインCPU101の制御の下、回胴中継基板250を通じて各回胴のステッピングモータを制御するための駆動パルス信号を供給してリール8a〜8cの回転制御及び停止制御が行われる。
また、主制御基板100には回胴中継基板250を介して、各リールに設けた回胴回転位置検出センサ類252が接続されており、主制御基板100の制御の下、回胴回転の後に各リール毎の回胴位置検出センサからの検出信号を受信することにより、抽選結果と停止操作タイミングに応じて所定の位置に停止制御することが可能となっている。
主制御基板100には遊技中継基板150を介して、各種入力信号が入力可能になっている。即ち、主制御基板100には、回胴回転始動レバー15の作動を検出する回胴回転始動スイッチ15aと、回胴回転停止ボタン16a〜16cの夫々の回胴回転停止スイッチ16e、16f、16gを搭載した停止スイッチ基板160と、メダル投入口10からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ10aと、MAXベットボタン11の作動を検出するMAXベットスイッチ11aと、1ベットボタン13の作動を検出する1ベットスイッチ13aと、貯留メダル精算ボタン12の作動を検出する貯留メダル精算スイッチ12aが接続され、主制御基板100は各種スイッチからの検出信号を受信可能となってい
る。メダル検出センサ10aはメダル投入口10から投入されたメダルが後述のメダルホッパー305のタンクに収容されるまでのメダル投入路に配置したメダル選別装置(図示せず)内に設置されている。回胴回転始動レバー15、回胴回転停止ボタン16a〜16c、MAXベットボタン11、1ベットボタン13、貯留メダル精算ボタン12には、操作部材内部にLED(図示せず)が設けられており、そのLEDの発光態様(例えば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効又は無効が遊技者に報知可能となっている。
主制御基板100には、回胴設定基板350を介して設定スイッチ351による設定データが入力可能になっており、設定スイッチ351の設定操作により、出玉率を6段階のいずれかに設定する「6段階設定」を変更することができる。設定スイッチ351の他に、主制御基板100には、遊技動作エラーを解除するためのリセットスイッチ等の各種スイッチが接続されている。また、主制御基板100からは、ボーナス当選や遊技実行データ等の遊技情報を外部集中端子基板401を介してホールコンピュータHC(パチンコホールの遊技機を統括的に管理するコンピュータ)に外部出力可能となっている。
副制御基板200は、主制御基板100からの制御コマンドを一方向に受信可能に主制御基板100と接続されている。副制御基板200は、主制御基板100からの制御コマンドの受信の他に、演出内容の抽選や液晶制御基板206への液晶制御コマンドの送信、各スピーカの音制御、装飾ランプ部6等のLED発光制御等を行う。
液晶制御基板206は、副制御基板200から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置3の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP(Video Display Processor)に出力する液晶制御用CPUと、液晶制御用CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAMと、液晶制御用CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDPと、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMとを含んで構成されている。
図5は回胴式遊技機Aの内部構成を示す。筐体1は天板1a、側板1b、1c及び底板1dにより形成された前面開放の箱体からなる。筐体1内には、リール8a〜8c、メダルホッパー305、電源装置400a等が収納されている。リール8の上方には、主制御基板100を収納したメイン基板ボックス100aが取り付けられている。メイン基板ボックス100aの周辺には、副制御基板200等のサブ基板も配設されている。メダルホッパー305はホッパーモータ301により駆動され、タンクに収納した収容メダルをメダル放出口305bを通じてメダル払出口21に連通した放出通路(図示せず)に向けて放出する遊技媒体払出装置である。
ホッパーモータ301は払出制御基板300を介して主制御基板100と接続されている。主制御基板100は、入賞による遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板300に送信する。払出制御基板300は主制御基板100からの払出制御コマンドを受けてホッパーモータ301を駆動制御して、指定枚数の遊技メダルの払い出し処理を行う。
前記放出通路にはメダル払出センサ(図示せず)が設置され、該メダル払出センサはメダルホッパー305から払い出される遊技メダルを検出し、検出信号を主制御基板100に出力可能になっている。ホッパーモータ301を駆動制御し、払い出された遊技メダルは該メダル払出センサにより検出されて、その検出信号は主制御基板100に入力され、払出完了の判定に供される。
メダルホッパー305の横には、メダルホッパー305のタンクの収容メダルがオーバーフローメダル放出口305aよりオーバーフローして溢れ出た遊技メダルを貯留する補助タンク306が配置可能になっている。補助タンク306には、補助タンク306の満杯状態を監視する満杯検知装置(図示せず)が設置されており、該満杯検知装置からの検出信号は主制御基板100に送信可能となっている。
副制御基板200は、サブCPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、サブROM202と、サブRAM203とを搭載したサブ側マイクロコンピュータからなり、各種演出報知制御、ART付与抽選処理、ART遊技中のAT役の停止操作順序報知等を実行処理する副制御部を構成する。サブ側マイクロコンピュータには、メイン側と同様に、サブCPU201やサブ用CTCに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
サブROM202には、一連の演出報知制御手順が記述された演出報知制御プログラムの他、ART遊技中においてAT役の当選役の押し順報知を行う押し順報知制御プログラム、ART遊技の付与に関する外部信号を外部出力可能にするための特定役の押し順報知制御を行う特定役押し順報知制御プログラム、ART遊技の進行や遊技回数の変更を報知する演出抽選テーブル(図示せず)等の所定のデータが格納されている。また、サブROM202には、特典遊技としてのART遊技を付与するか否かを決定するART付与決定処理プログラムが格納されている。ART付与決定処理プログラムには、ART付与抽選を実行するART付与抽選実行プログラム、高確遊技モードに移行可能にするモード移行ポイント値を貯留(累積加算)するモード移行ポイント貯留処理プログラム及び高確遊技モードの実行処理プログラムが含まれている。
高確遊技モードはART遊技の付与率を向上させた付与率向上状態である。係る付与率はART遊技を付与するか否かを決定するART遊技付与抽選の抽選確率(あるいはその期待値)であり、付与率向上状態において係る抽選確率が向上される。副制御基板200は前記押し順報知制御プログラムの実行制御により、ART遊技時に当選AT役の押し順報知を行うART遊技実行手段を構成している。サブRAM203には、演出報知に関する抽選に利用される演出用乱数値や演出報知状態に必要なデータ等を格納するためのワークエリアが形成されている。
サブ側マイクロコンピュータには、サブ抽選用乱数を発生させるためのカウンタ回路(図示せず)が接続されている。このカウンタ回路は、メイン側マイクロコンピュータに設けた前記カウンタ回路と同様に乱数生成回路とサンプリング回路を含む。サブCPU201は、演出処理状態(例えば、主制御基板100から制御コマンドを受信したタイミング)に応じて当該サンプリング回路に指示を送ることにより乱数生成回路が生成している数値を演出用乱数値として取得する。取得された演出用乱数値は各種演出報知の抽選に供される。
副制御基板200には、主制御基板100からの制御コマンドを受けて光と音と画像についての演出報知処理を行うための制御対象として、音響発生装置204、ランプ基板205及び液晶制御基板206が接続されている。音響発生装置204は、副制御基板200からの音響制御信号を受けて、上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる楽音又は音声の出力制御を行う。ランプ基板205は装飾ランプ部6を構成するLED群を搭載した回路基板からなり、前扉5の内側部に取着されている。ランプ基板205は副制御基板200からのLED駆動制御信号を受けてLED点灯制御を行う。副制御基板200は主制御基板100からの制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶制御基板206に送信し、液晶制御基板206は液晶制御コマンドに基づいて液晶表示装置3
の画像制御を行う。
副制御基板200は、主制御基板100から送られてくる制御コマンドに基づき、複数種類の演出内容の中から実行演出内容を抽選によりあるいは一意に決定し、この決定内容を実行指示する各種制御信号を、音響発生装置204、ランプ基板205及び液晶制御基板206に送信して、液晶表示装置3の演出画像表示と、効果音の出力と、装飾ランプ部6の点灯・点滅駆動が協働して実行可能になっている。
上記構成の回胴式遊技機Aにおける遊技時の動作概要を説明する。
図8は回胴式遊技機Aにおける回胴遊技の開始処理を示す。まず、遊技者は遊技する際に、クレジット分からMAXベットボタン11の押下によりBET設定するか、あるいはメダル投入口10から規定枚数のメダルを投入する(ステップS120〜S122)。ついで、回胴回転開始始動レバー15を操作すると(ステップS123)、この始動操作が遊技機内部で行う内部抽選の契機となって内部抽選が実行される(ステップS124)。この始動操作により各リール8a〜8cの回転駆動が開始されて、一定の速度に達した後、回胴回転停止ボタン16a〜16cの操作が有効となる。各停止操作のタイミングに基づき、内部抽選結果に応じた位置に各リールは停止制御される。いずれかの入賞役に当選している場合には、停止操作タイミングが合致して有効ライン上に当選役の図柄組み合わせが成立したとき、所定枚数のメダルの払出が行われる。リプレイ役の成立時にはBET又はメダル投入を行うことなく再遊技が可能になる。
内部抽選によりボーナス役(BB又はRB)が当選すると、ボーナス役図柄の成立によって、ベル役が高確率で当選するボーナス遊技に移行可能となる。メイン処理の内部抽選による当選役の決定処理とは別に、サブ処理によるART遊技の付与決定処理も実行可能になっている。ART遊技の付与が決定されると、AT役の正解押し順が報知されるART遊技状態に移行可能なる。
図25は外部集中端子基板401とホールコンピュータHCの接続関係を示す概略ブロック図である。
主制御基板100には、図4に示したように、外部集中端子基板401を介してホールコンピュータHCが接続され、主制御基板100から内部抽選情報等の遊技履歴情報がホールコンピュータHCに外部出力可能となっている。外部集中端子基板401は、主制御基板100に設けた出力バッファ(図示せず)の外部情報信号出力端子と接続された入力端子GI1〜GI8を有し、入力端子GI1〜GI8に入力された外部情報信号を、夫々中継して、出力端子GS1〜GS8から通信ケーブルを介してホールコンピュータHCの情報入力回路部403に送信する信号中継送信機能を備えている。
入力端子GI1〜GI8の夫々には、主制御基板100から、外部信号1〜5、遊技スタート信号、メダル払出信号及びメダル投入信号が入力される。外部信号1はBBの作動中にオンになるBB信号であり、外部信号2はRBの作動中にオンになるRB信号である。外部信号3はRT2遊技状態の開始時にオンになるRT2信号である。外部信号3の出力はART遊技(サブ側のAT遊技モード)への移行条件の一つに使用される。外部信号4は前扉5の開放エラー、設定変更、メダル払出エラー等のセキュリティ事象の発生時にオンするセキュリティ信号である。
入力端子GI5入力される外部信号5は、本発明に係る特定役(リプレイ4)の当選時に該特定役が成立したときにオンするリプレイRP4成立信号である。主制御部内におけるリプレイRP4成立信号の生成処理は、リプレイ4の当選フラグのオン情報に基づいて発生するオン信号を、リプレイ4が成立したことを条件に前記出力バッファに取り込むことにより実行可能となっている。この生成処理に代えて、当選フラグのオン情報に基づい
て発生するオン信号とは別に、リプレイ4が成立したときリプレイRP4成立フラグをオンして、それに応じたオン信号を発生させて前記出力バッファに取り込んで生成してもよい。前者の生成処理により生成されるリプレイRP4成立信号は本発明に係る前記特定役の当選を示す情報であり、後者の生成処理により生成されるリプレイRP4成立信号は本発明に係る前記特定役の成立を示す情報に対応する。
遊技スタート信号は1回の回胴遊技の開始に対応して回胴回転始動レバー15の作動時にオンする信号であり、入力端子GI6に入力される。メダル払出信号は回胴式遊技機Aから払い出されたメダル数を特定可能にするパルス信号として入力端子GI7に入力される。メダル投入信号に投入又はベットされたメダル数を特定可能にするパルス信号として入力端子GI8に入力される。
ホールコンピュータHCは、HC用マイクロコンピュータ(図示せず)を含むホールコン制御部からなり、遊技場内に設置された各種遊技機(パチンコ機や回胴式遊技機)からの遊技履歴情報が情報入力回路部403に入力されると、遊技履歴情報データをHC用マイクロコンピュータにより演算処理した各種遊技データを記憶し、保管するデータ処理機能を有する。ホールコンピュータHCには各種遊技データを各種遊技機別にモニタ表示可能にしたモニタ装置(図示せず)や各種遊技データを印字するためのプリンタ(図示せず)が付設されている。また、ホールコンピュータHCには、図示しないが、遊技媒体貸出用カード処理装置や景品交換機、メダル計数機からの処理情報も入力可能になっている。
回胴式遊技機AからホールコンピュータHCに入力された遊技履歴情報(BB信号、RB信号、RT2信号、セキュリティ信号、リプレイRP4成立信号、遊技スタート信号、メダル払出信号及びメダル投入信号の外部情報信号)は遊技場側での稼働状況の把握、管理に利用されると共に、各遊技機の設置島において遊技台毎に設けた遊技履歴情報表示装置404に遊技者向けに配信される。遊技履歴情報表示装置404はホールコンピュータHCとデータ通信可能に接続されており、ホールコンピュータHCから、前記遊技履歴情報に基づく表示指令及び表示情報を受信して、ボーナス入賞回数やART遊技の実行回数等の遊技データをデータ表示部405に表示するデータ表示機能を備えている。データ表示部405には、RT2信号及びリプレイRP4成立信号によるART遊技の実行回数(セット数)を累積表示するART実行回数表示部406、BB信号によるBB回数及びRB信号によるRB回数を累積表示するボーナス回数表示部407、ボーナス間遊技回数、ボーナス・ART間遊技回数又はART間遊技回数を累積表示する遊技回数履歴表示部402が設けられており、夫々、7セグメントのLED表示器によりデジタル表示が可能になっている。遊技履歴情報表示装置404は、図示しないが、ART実行回数表示部406、ボーナス回数表示部407及び遊技回数履歴表示部402の他に、検索ボタンの操作によって過去の遊技履歴データを検索して表示する過去データ表示機能や呼出しボタンの操作によって、エラー発生時にホール係員の呼出し表示を行う呼出し機能等を備えている。
図25には、遊技履歴情報表示装置404のデータ表示部405によるデータ表示の一例を示している。即ち、ボーナス遊技もART遊技も生じていない遊技期間が220ゲーム続いていることを遊技回数履歴表示部402に「220」として表示されている。また、現在までに24セットのART遊技が実行されていることをART実行回数表示部406に「24」として表示されている。更に、BB及びRB遊技が夫々、12回、2回発生したことをボーナス回数表示部407に表示している。
主制御基板100(主制御部)におけるメイン処理の処理手順を図面を参照して説明する。この処理手順には1回の遊技に必要な一連の流れが含まれている。なお、本実施形態における各処理をステップ番号で示しており、各ステップにおける処理は主制御部又は副
制御部による制御手段を構成する。
図8は主制御部によるメイン処理を示す。このメイン処理はメインCPU102の制御下により実行されるものであり、処理実行の主体を主制御基板100として説明する。
回胴式遊技機Aに電源投入が行われると、電源基板400から電源投入信号が送られ、主制御基板100はこの電源投入信号を受けてメイン処理を開始する。電源投入時に初期設定処理(ステップS1)が行われた後、正常動作時の処理(ステップS2〜S14)が行われる。まず、RAM初期化処理(ステップS2)が行われ、RAM初期化処理では、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアし、今回のゲームに必要なワークエリアを確保する。
次に、遊技状態フラグ生成処理が行われる(ステップS3)。遊技状態フラグ生成処理では、今回のゲームの遊技状態の種別(通常遊技、RT1遊技、RT2遊技、ボーナス持越遊技、ボーナス遊技等)を確認して、これに対応する遊技状態フラグ(通常遊技フラグ、RTフラグ、ボーナス間フラグ、ボーナス内部当選中フラグ、ボーナス作動フラグ等)が設定される。遊技状態フラグ生成処理において設定された遊技状態フラグに基づき、その遊技状態に応じたメイン処理が実行される。ART遊技の間は、リプレイの当選確率が高くなるRT2遊技状態になる。メイン処理上の遊技状態がRT1遊技状態のときに、後述のRT2移行条件が成立することによりRT2遊技状態フラグがオンになり、RT2遊技状態に移行する。RT2遊技状態フラグのオン時には、RT2信号が外部信号3として外部集中端子板401に出力可能になる。
本実施形態では、RT遊技状態を主制御部によるメイン処理によって管理して、特典遊技として付与するART遊技の付与決定処理やART遊技の実行処理は副制御部のサブ処理によって行われる。ART付与決定処理はメイン処理により行うようにしてもよい。なお、副制御部は当選AT役の押し順を報知するAT遊技状態を主として管理するが、便宜上サブ処理上も、メイン処理と協働して実行するので、サブ処理における実行処理もART遊技と称する。
遊技メダル投入処理(ステップS4)においては、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技が発生した場合の遊技メダルの自動投入設定処理等が行われる。遊技メダル投入処理により遊技開始に要する規定枚数の遊技メダルが投入された否かを監視して、該規定枚数の遊技メダルの投入又はクレジット設定が確認された場合には、遊技開始条件が成立する。遊技開始条件の成立状態を保持したまま、遊技者の回胴回転始動レバー15の押下操作、つまり回胴回転始動スイッチ15aからの操作検出信号を受信可能に待機する。
回胴回転始動スイッチ15aからの操作検出信号の受信により、主制御基板100は前記乱数生成回路により生成された内部抽選用乱数値を取得して、取得した内部抽選用乱数値に基づく内部抽選処理が行われる(ステップS5)。取得した内部抽選用乱数値と現在の遊技状態に対応する役抽選テーブルとに基づく内部抽選が行われ、抽選結果に対応した当選役情報(当選フラグ)がメインRAM103に設定、記憶される。
図7は回胴式遊技機Aに用いる各種入賞役の入賞図柄組合せ及び役抽選テーブルを示す。
ステップS5における内部抽選は図7の役抽選テーブルに基づき実行される。役抽選テーブルは6段階の各段階に応じて出玉率が異なるように抽選確率が設定されてなり、図7は設定3の場合の一例を示す。この役抽選テーブルは、一般入賞役等と、2種類のボーナス役(ビッグボーナスゲームBBとレギュラーボーナスゲームRB)の抽選確率テーブル(一般遊技中抽選テーブル、RT中抽選テーブル及びボーナス遊技中抽選テーブル)を示
す。図7においては、乱数域(0〜65535)に対する各抽選役の振り分け抽選値の幅域により計算された抽選確率が示されている。図7の抽選確率テーブルにおいては、例えばチェリー、スイカ等の小役とボーナス役、通常リプレイ1とリプレイ2、4間が同時に当選可能に当選乱数域幅が設定されている。これらのリプレイが同時当選した場合には押し順によりいずれかのリプレイが成立するようになっている。
本実施形態においては、RTとして2種類、RT1とRT2が生ずるが、実質的にリプレイ確率が向上するのはRT2のみであり、RT1中では通常遊技状態のリプレイ確率が1/100程度向上するだけである。RT1遊技状態は、ART遊技状態(RT2遊技状態)に移行させる6択のリプレイ遊技を実施するために設けられている。RT2遊技中の遊技状態においては、リプレイ1の抽選確率を通常遊技時の1/7.3より高確率の1/2.7に設定したRT中抽選テーブルが使用される。
本実施形態においては、特別遊技として、獲得可能なメダル量の規定払出枚数(あるいは、払出枚数から投入枚数を引いた純増枚数)が大きく異なるビッグボーナスゲームBBとレギュラーボーナスゲームRBの2種類が付与可能になっている。ボーナス遊技終了の規定枚数は、ビッグボーナス遊技で200枚、レギュラーボーナス遊技ではビッグボーナス遊技の半分以下の50枚である。ビッグボーナスゲームBBには、別々の当選フラグにより成立する2種類の特別図柄の組合態様(青7−青7−青7又は赤7−赤7−赤7)があり、これらを合成した抽選確率は約1/410である。別々のビッグボーナス当選フラグが設定された内部当選状態において、いずれかの特別図柄組み合わせを4本の有効ラインのいずれかに停止させると、ビッグボーナス遊技に移行させることができる。レギュラーボーナス役の場合はBAR−BAR−BARの1種類だけであり、その抽選確率は1/820である。ボーナス役は所謂、0枚役であり、その入賞時には賞メダルの払出は行われない。ベル、スイカの入賞時には9枚、6枚の賞メダルが払い出される。更に、チェリー−リプレイ−リプレイの組合せからなるチェリー役が設けられており、入賞時に2枚の賞メダルが払い出される。
ベル役は、リール8a〜8cの停止順序の組み合わせ(左回胴→中回胴→右回胴、左回胴→右回胴→中回胴、中回胴→左回胴→右回胴、中回胴→右回胴→左回胴、右回胴→中回胴→左回胴、右回胴→左回胴→中回胴)が異なる6種類の一般小役である。通常遊技状態のとき、ベル役の合成抽選確率は1/5であるが、ボーナスゲーム中は、停止順序に関係なく入賞可能な、所謂JAC役となって、1/1.007の高確率で当選する。JAC役としてのベル役が入賞すると、13枚の賞メダルが払い出される。
押し順により区別された6種類のベル役は、ART遊技において、副制御部による押し順報知に従って各回胴が停止されることにより入賞可能になるAT役(押順ベル役)となる。通常遊技状態では、6択の各ベル役は1/30の抽選確率(全ベル役の合成抽選確率1/5)に基づき抽選されて、いずれかのベル役が入賞可能になるが、通常遊技状態においては、押し順が報知されないため、一般的に、左回胴から中・右回胴の順に停止させる、所謂順押しの停止操作が行うと、押し順が不正解となって入賞が生じない場合が多くなる。ART遊技状態では、押し順がナビ報知されることによりAT役の入賞確率は6倍に向上する。
リプレイ役には通常時のリプレイ1(RP−RP−RPの組合せ)の他に、リプレイ1と同時成立可能するRT作動用のリプレイ2(RP−RP−ベルの組合せ)及びRT2遊技(ART遊技)中のみリプレイ1と同時成立可能なリプレイ3(RP−RP−スイカ/ブランクの組合せ)及びリプレイ4(RP−ベル−スイカ/ブランクの組合せ)が含まれている。
リプレイ1、3、4は、リール8a〜8cの停止順序の組み合わせ(左回胴→中回胴→右回胴、左回胴→右回胴→中回胴、中回胴→左回胴→右回胴、中回胴→右回胴→左回胴、右回胴→中回胴→左回胴、右回胴→左回胴→中回胴)が異なる6種類のリプレイ役であり、当選時にいずれかの停止順序によるリプレイが決定される。
リプレイ2は、リール8a〜8cの逆押し停止順序(右回胴→中回胴→左回胴)のみにより成立可能なリプレイ役である。RT1遊技時に、リプレイ2に当選すると、リプレイ2の押し順(逆押し)が報知されてRT2遊技に移行可能になっている。回胴式遊技機Aは回胴停止の押し順規制機能を有している。このため、通常遊技状態では押し順報知がない限り、順押し停止順序(左回胴→中回胴→右回胴)で回胴停止操作を行わなければ、遊技者に不利となるペナルティを課すペナルティ処理が行われる。処理フローは省略しているが、押し順規制を無視して停止操作が行われたときには、それ以降ボーナス当選までART付与抽選を行わないペナルティ処理が実行される。従って、RT1遊技状態中に遊技者が逆押しで回胴停止遊技をし続けて無理にRT2遊技状態に移行させようとすると、前記ペナルティ処理が作動して、結果的にはART遊技の獲得の点で極めて不利になる。ペナルティ内容としては、一定ゲーム数の期間、例えば、300ゲームの間ART付与抽選を不実行とするペナルティを課すようにしてもよい。
なお、本実施形態では、メイン処理上のRT2遊技とサブ処理上のAT遊技を併用したART遊技を特典遊技として付与し、サブ処理によるART付与抽選に当選してART遊技フラグがオンのときにリプレイ2の成立を条件に、ART遊技への移行の前提としてRT2遊技状態に移行させる。即ち、RT2遊技状態に移行した後、リプレイ4の成立を条件にART遊技状態に移行することができる。
リプレイ3は所謂パンク役と呼ばれるリプレイ役であり、RT2遊技(ART遊技)状態時にリプレイ3が当選したときにリプレイ3の不成立が発生するとRT2遊技状態が解除される。ART遊技中はART遊技のパンクが生じないようにリプレイ3の押し順が報知される。リプレイ2、3及び4は正解押し順停止操作で成立可能であり、不正解押し順で停止操作したときには同時成立可能なリプレイ1が成立する停止制御が行われ、再遊技の不発生に至らないようになっている。なお、6択のベル役及びリプレイ役の押し順は内部抽選用乱数抽出処理(ステップS5)において当選したときに決定される。
リプレイ4はART遊技履歴情報を1セットずつ外部出力可能にするための再遊技役であり、本発明に係る特定役に対応する。リプレイ4はRT2遊技時にのみ抽選可能なリプレイ役であり、リプレイ4の抽選確率(1/2.7)はリプレイ1と同様に高く設定され、RT2遊技中に高確率で当選するようになっている。リプレイ4がリプレイ1と同時当選したときには、当選時にメイン側で決定された回胴の押し順が報知され、正解押し順に従って停止操作することにより成立させることができる。
リプレイ4の成立は、不適切な回胴停止操作を行わない限り、ART遊技への移行前段階のRT2遊技において発生する。リプレイ4の成立に基づいて、サブ処理上、後述のAT遊技実行フラグがオンになってAT遊技を実行するAT遊技状態に移行して、メイン・サブ処理によるART遊技状態に移行可能となる。リプレイ4は、パンク役のリプレイ3とは異なり、ART遊技への移行前段階で当選して正解押し順が報知されるので、正解押し順に従って停止操作せずに不成立となってもパンク条件を発生させない。正解押し順に従って停止操作せずにリプレイ4の不成立となったときには、例えば、ART遊技への移行を遅延させて、遊技者に不利となるペナルティを課すようにしてもよい。
本発明に係る特定役には、ART遊技への移行前段階に役成立時期を制限する必要性から、所定の順序により各回胴を停止操作したときに成立する停止操作順別成立可能役を使用して、当該所定の順序を移行前段階に報知して役成立時期を制限するのが好ましく、上
記のリプレイ4のような押し順リプレイ役の他に、停止操作順別に成立可能な小役(例えば、成立押し順が限定された特定小役や6択のベル役のいずれか)を特定役に使用することができる。
以上の役の他に、特殊小役としてチャンス役が設けられている。チャンス役は、ボーナスゲーム中に抽選され、青7−青7−青7又は赤7−赤7−赤7の組み合わせ(賞メダルの払出なし)からなり、ART付与に供される。
ART遊技状態においては、副制御部によるATナビ制御モードによりAT用小役の押し順報知が実施されて、当選したAT役を確実に停止させることで、リプレイ発生の頻度が増えてメダル消費が少なく、且つAT役等の小役獲得によりART遊技中に保有メダルを漸増させることが可能になる。
ボーナス役の内部当選状態においては、ボーナス当選フラグを次回以降のゲームに持ち越し可能な持越役として設定されている。このため、ボーナス役の当選時においては、ボーナス役が入賞するまでの遊技期間、その当選フラグの成立状態が維持される。一方、ボーナス役以外の役は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない持越不可能役として設定されている。ボーナス持越遊技中においても通常通りに各役の抽選が行われるが、このとき当選した小役に対応する図柄の組合せを入賞させるか否かは、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態では、「(リプレイ又は小役)>ボーナス役」の順位で優先的に引き込む停止制御が行われる。内部抽選処理においては、演出制御コマンドとして「遊技開始コマンド(遊技状態に関する情報や当選情報(抽選結果情報)を含む)」がセットされる。この遊技開始コマンドに含まれる「遊技状態に関する情報」には、「通常遊技中」、「RT遊技中」、「ボーナス遊技中」、「ボーナス持越遊技中」等の遊技状態に関する情報が含まれる。
次に、回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)が行われる(ステップS6)。回胴回転開始設定処理においては、各リール8a〜8cの回転開始時に必要となるデータとして、例えば、遊技開始ウエイトタイマ(最小遊技時間(遊技間隔時間:例えば4.1秒)計時用タイマ)がセットされたり、回胴の回転状態を示す回胴状態フラグが「全回胴回転中」にセットされたりする。ついで、リール回転始動が行われると、演出制御コマンドとして回胴始動を示す「回胴起動コマンド」がセットされて、各リール8a〜8cが回転状態に移行する。
リール回転の後に、回胴回転停止ボタン16a〜16cの停止操作による回胴回転停止スイッチ16e、16f、16gの検出信号が出力された場合には、停止対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS7)。回胴停止処理では、上記当選情報と回胴の停止操作手順(停止操作タイミング)に基づき、メインROM102内に記憶された停止制御テーブルから滑りコマ数を算出し、これに基づく回胴の停止制御を行う。即ち、この停止制御処理においては、各リールについて停止操作を行った位置である停止操作位置と抽選処理の抽選結果に基づいて、前記停止制御テーブルを参照して、該当リール停止位置でリールの回転を停止させることにより行われる。リール停止位置は、停止操作タイミングの位置からみて、図柄の駒数で所定の駒数以内(遊技規則に定められた4駒:最大引き込み範囲)で引き込んで停止するように決定される。停止操作タイミングの位置から4駒以内に抽選結果に対応する図柄が有る場合には、当選役図柄が有効ライン上に揃うように停止制御される。殊に、再遊技の停止制御処理においては、通常遊技状態やボーナスフラグ持越状態においても再遊技が当選している場合、再遊技が必ず有効ライン上に整列するように優先的引き込み制御が行われる。リプレイやAT役等の停止操作順別成立役の場合には、停止操作時の正解押し順の判別も行われる。例えば、リプレイ2の当選時の不正解押し順の場合には、リプレイ1の図柄組合せが揃うように回胴の引き込み停止制御が行われる。
本実施形態では、停止順報知遊技(押し順ナビAT遊技)とRT遊技を併用した押し順ナビART遊技が特典遊技として付与され、押し順ナビART遊技中における回胴停止処理において、当選情報と回胴の停止順序を参照して停止制御が実行される。特典遊技として、RT遊技を併用しないAT遊技を付与したり、AT図柄の種別を報知するART遊技を付与するようにしてもよい。演出制御コマンドとして、回胴の停止操作時には「停止情報受付コマンド」が、回胴が停止した際には「停止結果情報コマンド」がセットされる。「停止情報受付コマンド」には回胴の停止操作に関する情報が含まれ、「停止結果情報コマンド」には回胴の停止位置に関する情報が含まれる。
全リールの回転停止が確認されると、入賞判定処理が行われる(ステップS8)。入賞判定処理では、当選役に対応する図柄の組合せが有効ライン上に停止したか否か、つまり入賞が発生したか否かを確認し、入賞が確認された場合には停止した図柄の組合せに基づき、払い出すべき遊技メダル枚数の設定処理を行う。このときの入賞に係わる情報を持つ演出制御コマンドとして「入賞情報コマンド」がセットされる。入賞情報コマンドには、入賞役情報(全リール停止時の停止図柄情報)、入賞ライン情報等が含まれる。入賞が発生した場合にはメダル払出枚数監視処理を行う(ステップS9)。メダル払出枚数監視処理では、入賞判定処理で設定された払い出し情報に基づき、メダルホッパー305を駆動制御して払出枚数分の遊技メダルの払い出し処理やクレジットの加算処理を行う。
メダル払出枚数監視処理の後、再遊技RT設定処理(ステップS10)に移り、再遊技RT設定処理では、当選情報に基づいてRT遊技成立条件が成立したか否かを判定し、RT遊技成立条件が成立した場合にはRT1又は2のRT遊技状態への移行を設定する。即ち、RT1又は2のRT遊技状態への移行に応じて、夫々RT1、RT2遊技状態フラグがオンになり、メインRAM103の対応メモリエリアにセットされる。
再遊技RT設定処理(ステップS10)においては、リプレイ役の成立時に再遊技を行うための再遊技の設定処理が行われる。つまり、リプレイの組合せ図柄が有効ライン上に停止したか否かを判定して、リプレイの組合せ図柄が停止しリプレイが成立した場合には、再遊技を付与するための設定処理を行いステップS11に移る。
再遊技RT設定処理の後、ボーナス遊技中か否かを判定する(ステップS11)。ボーナス遊技中である場合にはボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS13)。ボーナス遊技作動中処理では、ボーナス遊技の継続およびその終了に要求される設定処理を行う。以上の各処理、設定を終えるとRAM初期化処理(ステップS2)に戻る。
ボーナス遊技中でない場合にはボーナス役(特別入賞役)の図柄組み合わせが有効ライン上に停止したか否かを判定する(ステップS12)。ボーナス役図柄が停止していない場合にはRAM初期化処理に移行する(ステップS2)。一方、ボーナス役が停止した場合にはボーナス遊技作動開始処理を行う(ステップS12、S14)。ボーナス遊技作動開始処理を終えると、ステップS2のRAM初期化処理に移行する。
図9はCTC105の計時に基づく一定時間ごとの割り込みにより起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。図9を参照して、上記主制御基板(主制御部)において1.5ms(ミリ秒)程度ごとに実行されるタイマ割込処理について説明する。
主制御基板100は、タイマ割り込みが発生した場合、レジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行ってから(ステップS20)、ポート入力処理を行う(ステップS21)。ポート入力処理では遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類からの検出情報を管理する。ついで、回胴回転制御処理を行う(ステップS22)。回胴回転制御処理では、回胴制御フラグに応じて、回胴の起動、回転、停止が行われる。回胴回転制御処理
の後、定期更新処理が行われる(ステップS23)。
図28はステップS23の定期更新処理の処理内容を示す。
定期更新処理では、メインRAM103に設けた割込みカウンタのカウンタ値を1加算し(ステップS600)、更に主制御部100のマイクロコンピュータ101に設けた1バイトタイマ及び2バイトタイマの値を1減算する(ステップS601、S602)。この割込みカウンタは1割込み毎に+1更新される割込み回数計数用カウンタである。割込みカウンタのカウンタ値は、「00」→「01」→「02」→・・・→「FE」→「FF」→「00」→「01」→・・・といった順に更新される。1バイトタイマは1バイトで構成されたタイマであり、メダル投入センサONタイマ、クレジットメダル投入間隔タイマ、停止ボタン停止間隔タイマ、前扉5に設けた扉開放センサ(図示せず)の監視タイマ等を含む。2バイトタイマは2バイト構成のタイマであり、ウエイトタイマや消灯時間計時用タイマ等を含む。
次に、コマンド出力処理が行われて(ステップS24)、遊技の進行に伴う処理状態に応じてセットされる演出制御コマンドが演出制御基板200に送信される。主制御基板100は、割り込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力する。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信される。
ついで、表示出力処理(ステップS25)及び異常監視処理(ステップS26)が行われる。表示出力処理では、遊技機に設けられたLEDや7セグメント等の発光制御等を行う制御信号を出力する。異常監視処理では、主として遊技機内に設けた機器に関連した異常監視、例えばメダル払出センサ303の監視によるメダル払出時のエラーや、前記扉開放センサの監視による扉開放エラー等の遊技機異常(遊技動作エラー)を監視する。
更に、外部情報信号出力処理(ステップS27)が行われる。
図26は外部情報信号出力処理の処理内容を示す。
外部情報信号出力処理はホールコンピュータHC向けに外部情報信号(内部抽選関連情報、遊技実行履歴情報、セキュリティ情報)を出力するために実行される。外部情報信号出力処理の実行により、主制御基板100に設けた前記出力バッファがオン状態になって前記出力バッファの各外部情報信号出力端子を通じて、外部集中端子基板401の入力端子GI1〜GI8に外部情報信号(外部信号1〜5、遊技スタート信号、メダル払出信号及びメダル投入信号)が送信される(ステップS700)。リプレイ4の成立時には、外部情報信号の送信(ステップS700)により、ホールコンピュータHCにリプレイRP4成立信号が送信されるので、リプレイRP4成立信号の受信に基づいてホールコンピュータHCより遊技履歴情報表示装置404にART遊技の累積セット数の表示更新情報を送信することができる。
図27はメインCPU102による各種信号の外部出力処理のうちの外部情報信号の出力処理手順を示す。
BB遊技が作動中のときには(ステップS530)、外部信号1(BB信号)が前記出力バッファに記憶され、またRB遊技が作動中のときには(ステップS531)、外部信号2(RB信号)が前記出力バッファに記憶され、外部情報信号出力処理(ステップS27)の実行によって、夫々、外部集中端子基板401の入力端子GI1、GI2に外部出力される(ステップS538、S539)。 RT2遊技状態に移行したときには(ステップS532)、外部信号3(RT2信号)が前記出力バッファに記憶され、外部情報信号出力処理(ステップS27)の実行によって、外部集中端子基板401の入力端子GI3に外部出力される(ステップS540)。
リプレイRP4が当選して、決定された押し順で停止操作されて成立したときには(ステップS533)、外部信号4(リプレイRP4成立信号)が前記出力バッファに記憶され、外部情報信号出力処理(ステップS27)の実行によって、外部集中端子基板401の入力端子GI4に外部出力される(ステップS541)。
上記の内部抽選関連情報(外部信号1〜4)の他に、扉開放エラー等の各種セキュリティ事象が発生しているときには(ステップS534)、外部信号5(セキュリティ信号)が前記出力バッファに記憶され、外部情報信号出力処理(ステップS27)の実行によって、外部集中端子基板401の入力端子GI5に外部出力される(ステップS542)。また、遊技実行履歴情報が発生しているとき、つまり、回胴回転始動レバー15がオンされて遊技を開始したときには(ステップS535)、遊技スタート信号が前記出力バッファに記憶され、あるいはメダル払出があるときには(ステップS536)、メダル払出信号が前記出力バッファに記憶され、更に、メダル投入又はベット入力があるときには(ステップS537)、メダル払出信号が前記出力バッファに記憶され、夫々、外部情報信号出力処理(ステップS27)の実行によって、外部集中端子基板401の入力端子GI6〜8に外部出力される(ステップS543〜S545)。
上記のステップS20〜ステップS27の処理を終えた後、MAXベットボタン11の操作が有効か否かの判定を行い、MAXBETボタン有効フラグがオンで操作有効のときに、MAXベットボタン11が操作されたときには、MAXBET操作コマンドをセットする(ステップS28〜S30)。MAXBETボタン有効フラグは、通常、回胴回転始動レバー15がオンされた後にオンになり、全リール停止後にオフになる。そのため、ゲーム中にMAXベットボタン11が操作された場合には、MAXBET操作コマンドが演出制御基板200に送信され、それを受けた演出制御基板200は所定の遊技演出・報知を実行することができる。MAXBET操作コマンドのセット後、レジスタの内容を復帰させて(ステップS31)、タイマ割込処理を終了する。MAXベットボタン11が操作されないとき、あるいはMAXBETボタン有効フラグがオフのときにも、レジスタの内容を復帰させて(ステップS31)タイマ割込処理を終了する。
ボーナス遊技中においてもART付与抽選が実行可能になっている。このART付与抽選の場合には、図7に示すように、抽選確率1/200でチャンス役が抽選されて当選したときには、ボーナス遊技中にボーナス図柄が揃うART確定役(青7−青7−青7又は赤7−赤7−赤7)が成立可能になる。ボーナス遊技終了後は通常遊技状態に戻るが、チャンス役の当選によりART遊技フラグがオンになって、ART遊技の付与が決定されているときにはRT2状態を経由してART遊技状態に移行可能になっている。
図10はメイン処理により発生する遊技状態の遷移関係を示す。
同図(10A)は、メイン処理における一般遊技状態10A、RT1遊技状態10B、RT2遊技状態10C及び特別遊技状態10Eの遷移関係を示し、同図(10B)は各遊技状態間の遷移契機(移行条件)を示す。
RT1状態、RT2状態(ART遊技状態を含む。)あるいはボーナスゲーム状態(特別遊技状態10E)となっていない一般遊技状態10Aから移行条件4(AT役取りこぼし)が成立すると第1のRT1遊技状態10Bに移行する。RT1遊技状態10Bにおいて、移行条件5が成立すると、第2のRT2遊技状態10Cに移行する。移行条件5は特定リプレイ2の成立により成立する。
一般遊技状態10A及びRT1遊技状態10B及びRT2遊技状態10Cにおいて移行条件1のボーナスゲーム当選が成立すると、特別遊技内部当選中状態10Dを経て、移行条件2のボーナス図柄表示が成立することにより特別遊技状態10Eに移行可能になる。特別遊技状態10Eの終了(移行条件3の成立)により一般遊技状態10Aに戻る。RT
2遊技状態10Cにおいてリプレイ4の成立によりART遊技状態に移行して、副制御部の制御下で実行される、AT役の回胴押し順報知遊技のAT遊技が実行可能になる。ART遊技の終了後、リプレイ3の不成立(移行条件6の成立)によりRT2遊技状態10Cは解除されてRT1遊技状態10Bに移る。ART遊技中に移行条件7が成立(パンク条件の成立:AT役の取りこぼし)すると一般遊技状態10Aに移る。ART遊技中はリプレイ3の押し順が報知されて、停止操作を誤らない限りRT2遊技状態が解除されないようになっている。ART遊技状態が終了してもRT2遊技状態が継続するが、ART遊技終了後にリプレイ3が当選してもその停止操作順序が報知されないので、リプレイ3の不成立が発生してRT2遊技状態は速やかに解除される。RT2解除条件としてAT役の非入賞を使用することができる。
本実施形態では、一般遊技状態10AからART遊技状態に直接的に移行させずに、RT1遊技状態10Bを経由させる遊技状態移行システムを搭載しているが、2以上のRT遊技状態を経由してART遊技状態に移行させてもよい。
図11〜図15及び図19〜図24は副制御部によるART付与決定処理、ART移行処理及びART実行処理等に関連したサブ処理内容を示す。各サブ処理はメイン処理の内部抽選結果及び遊技状態情報を参照して実行される。
図11は副制御部におけるサブ処理上の遊技モードA〜Cの設定処理を示す。
各遊技モードでは夫々の遊技期間においてモード移行ポイント値の設定値及びART付与抽選確率の期待値が異なる。
図17の(17A)〜(17C)は夫々、遊技モードA〜Cにおいて用いるポイント設定値テーブルを示す。これらのポイント設定値テーブルはサブROM202に格納されている。
遊技モードA〜Cにおいて、夫々、内部抽選結果に応じて付与されるポイント設定値の期待値が異なり、遊技モードA〜Cの順に期待値が向上するようになっている。例えば、チェリー当選時で比較すると、遊技モードA〜Cの夫々において、ポイント値が160、200、240に段階的に向上している。本実施形態においては、BB又はRB当選によってもポイント値の付与を可能にしている。例えば、(17A)の遊技モードAにおいてはBB当選により140のポイント値が付与される。
図18の(18A)〜(18C)は遊技モードA〜Cにおいて実行されるART抽選の抽選テーブルを示す。これらのART抽選テーブルはサブROM202に格納されている。各遊技モードにおいてはチェリー役又はスイカ役の当選を契機に、ART遊技を付与するか否かを決定するART付与抽選が実行される。遊技モードA〜CにおけるART遊技の当選確率の期待値は遊技モードA〜Cの順に向上している。例えば、チェリー当選時の抽選確率値で比較すると、遊技モードA〜Cの順に3668/65536、4816/65536、6104/65536と大きくなっている。
モード移行ポイント値の累積値が第1基準値N1に到達したときに発生する高確遊技モードにおいては、ポイント設定値テーブルとして遊技モードCと同様の、ポイント値の高設定値テーブルが使用される。
図18の(18D)は高確遊技モードにおいて実行されるART付与抽選の抽選テーブルを示す。このART抽選テーブルもサブROM202に格納されている。高確遊技モード中においては、チェリー役、スイカ役の当選に加え、ベル役やリプレイ役の当選時にもART抽選が実行可能になっており、しかも高確遊技モードにおけるART遊技の当選確率の期待値は遊技モードA〜Cと比較して各段に向上されている。例えば、チェリー役及びスイカ役の当選時の抽選確率値は、遊技モードA〜Cの場合より48982/65536、14804/65536と大きくなっている。ベル役やリプレイ役の当選時にも、高
確率のART付与抽選が実行可能になっている。
各遊技モードにおいては内部抽選結果に基づいて他の遊技モードに切換可能になっている。回胴式遊技機Aの初期設定段階では遊技モードAが初期設定される(ステップS150、S155)。遊技モードAから始まって、チェリー役又はスイカ役の当選(遊技モード切換条件の成立)を契機に、遊技モードB、C、A、B・・・に順々に切換られる。即ち、初期モード設定済みのとき(ステップS150)、遊技モード切換条件の成立を判断して、遊技モード切換条件の成立時には、現在の遊技モードを次の遊技モードに切換設定される(ステップS151、S152)。各遊技モードの状態フラグはサブRAM203の対応エリアにセットされる。
ついで、RT2遊技状態が解除されたか否かを判断して、RT2遊技状態が解除されたときには遊技モードAの設定を行う(ステップS153、S154)。高確遊技モードは後述のように、モード有効期間(ゲーム数)が限定されて実行可能になっているので、高確遊技モードのときには上記の遊技モード切換条件の成立を判断せずに、モード有効期間の終了により遊技モードAに設定される(ステップS153、S154)。高確遊技モードの終了時には遊技モードAに固定せずに、遊技モードA〜Cのいずれかを決定する移行モード抽選を行って、高確遊技モードの終了後の遊技モードをより有利な遊技モードCになる可能性を持たせて選択設定するようにしてもよい。
図12は副制御部によるART抽選処理を示す。
このART抽選処理は高確遊技モードでない通常遊技(遊技モードA〜C)時に実行可能になっている。高確遊技モードにおけるART抽選処理は図22により後述する。1回の遊技が実行される毎に、既にART遊技に当選してART遊技フラグがサブRAM203の対応エリアにセットされている場合を除き、ART付与抽選がサブ処理により実行される(ステップS160〜S162)。ART付与抽選はサブ処理上で設定されている遊技モード(A〜C又は高確率遊技モードのいずれか)におけるART抽選テーブルに基づいて実行される。ART付与抽選に当選したとき、ART遊技フラグがオンになってセットされる(ステップS163、S164)。ART当選により、ART遊技の実行に必要なART条件の設定が行われる(ステップS165)。
本実施形態においては、35ゲームを付与単位(1セット単位)としてART遊技の付与設定が行われ、またART遊技の遊技回数はART遊技中の上乗せ抽選により上乗せ更新可能であり、更に、1セット単位分のART遊技が終了したときには継続抽選により新たに1セット分の継続付与更新が可能になっている。ART条件の設定時には、1セット単位分のART遊技回数(35)がサブRAM203のART遊技回数カウンタ用メモリエリアにセットされる(ステップS165)。ART当選時にはモード移行ポイント値のカウント処理もクリアされる(ステップS166)。ART条件の設定後にはART遊技状態に移行させるためのART準備モード処理に移る(ステップS167)。
高確遊技モードへの移行形態として遊技進行に伴って発生するモード移行ポイント値の累積状況に基づく移行形態が設けられている。係る移行形態には特定の特別演出の実行決定に基づいて高確遊技モードへの移行を可能にする移行形態を使用したり、併用したりすることができる。
図13はモード移行ポイント値の累積を行うポイント処理を示す。
このポイント処理によって、遊技進行に伴って当選役に応じて設定したモード移行ポイント値を累積加算していき、その累積値が第1基準値N1(=600)に達したことに基づいてART遊技の付与抽選が有利になる高確遊技モードに移行可能になる。更に、該累積値が第2基準値N2(=800)に達したことに基づいて高確遊技モードの究極の遊技
状態に移行可能にしてART遊技の付与を確定させることができる。
図13のポイント処理は通常遊技状態に限らず高確遊技モード中にも実行可能になっている(ステップS170)。即ち、通常遊技状態の遊技モードA〜C又は高確遊技モードにおいて、内部抽選結果に基づいて、当選役に応じたポイント値が確定して付与される(ステップS171)。高確遊技モードにおけるポイント値の設定値には、最も設定値の大きい遊技モードCと同様の値が使用される。高確遊技モードにおいては、遊技モードCよりも高設定のポイント値を付与可能にしてもよい。付与されたモード移行ポイント値はサブRAM203に設けたモード移行ポイントカウンタ用メモリエリアに累積記憶され、該ポイントカウンタのカウント値の更新が行われる(ステップS172)。
モード移行ポイント値の累積記憶の後、前記ポイントカウンタのカウント累積値Scと第2基準値N2との比較が行われる(ステップS173)。第2基準値N2より小さい第1基準値N1を超えて一気に第2基準値N2に到達又は第2基準値N2を超えたときには、ART付与抽選を行うことなくART遊技の付与が確定する(ステップS173〜S177)。このART遊技の付与確定時には上記ポイントカウンタのカウント値はクリアされてART遊技フラグがオンになる(ステップS174、S175)。ついで、ART遊技の付与確定に基づいてART遊技の設定処理が行われてART準備モード処理に移行する(ステップS176、S177)。
高確遊技モードでない場合、ポイントカウンタのカウント累積値Scが第2基準値N2未満で、第1基準値N1以上になったときには、高確遊技モードへの移行が可能になる。カウント累積値Scの第1基準値N1への到達により、高確遊技モードフラグがオンになり高確遊技モードに移行可能になる(ステップS178、S179、S180)。高確遊技モードフラグはサブRAM203の対応エリアにセットされる。高確遊技モードには直ちに移行せずに、その前兆モードとしての高確遊技モード移行処理が実行される(ステップS181)。高確遊技モードが終了したときには高確遊技モードフラグはオフになる(ステップS182、S183)。カウント累積値Scの第1基準値N1への到達時以降において、後述の高確遊技モード設定処理等により既に高確遊技モードフラグがオンになっているときにはオン処理は不要となる。
図14は高確遊技モード移行処理(ステップS181)を示す。
高確遊技モードフラグのオンに基づいて、前兆モードのゲーム数(移行期間)を決定するためのゲーム数抽選が実行される(ステップS190)。
図18の(18E)は前兆モードゲーム数抽選に用いる振分抽選テーブルを示す。この振分抽選テーブルはサブROM202に格納されている。前兆モードゲーム数抽選により、1〜10のゲーム数のいずれかが決定される。この振分抽選テーブルによれば、1〜10のゲーム数のうち1〜4のゲーム数が高確率で振分抽選可能になっている。例えば、ゲーム数「3」は最も高い振分抽選確率値(40/128)により振分けられる。
前兆モードゲーム数抽選(ステップS190)により決定されたゲーム数は高確遊技モードへの移行期間として、サブRAM203に設けた移行期間遊技回数カウンタ用メモリエリアにセットされる(ステップS191)。この移行期間中に高確遊技モードのモード有効期間が決定される。モード有効期間は、移行期間中の振分抽選契機役(チェリー役、スイカ役、ベル役又はリプレイ役)の発生に基づき、単位数(1単位:16ゲーム)の振分抽選を行って決定される(ステップS194)。モード有効期間の決定は上限値(20)になるまで移行期間中の当選役の全てに有効となるので、移行期間が長ければ長いほど遊技者に有利となる。モード有効期間の単位数値はサブRAM203に設けたモード単位数カウンタ用メモリエリアに加算、記憶可能になっている。
移行期間中に前記振分抽選契機役(チェリー役、スイカ役、ベル役又はリプレイ役)が発生しない場合も生ずるので、高確遊技モードのモード有効期間を最低1単位を確保するようになっている。即ち、モード単位数カウンタには前記移行期間開始時に初期値「1」がセットされる(ステップS192)。この初期値セットに替えて、振分抽選契機役を全ての抽選役とし、且つ振分抽選の外れ時にも少なくともモード単位数「1」以上が付与されるようにすることができる。
前兆モードの移行期間中には、1遊技毎にメイン側より受信した当選役に応じたモード単位数の付与処理が実行される(ステップS194)。
図18の(18F)はこの付与処理(ステップS194)において使用される高確遊技モードの有効期間(モード単位数)の振分抽選テーブルを示す。この振分抽選テーブルはサブROM202に格納されている。(18F)の振分抽選テーブルに基づく振分抽選により、1〜10のモード単位数のいずれかが付与可能になっている。例えば、モード単位数「1」は最も高い振分抽選確率値(64/128)により振分けられる。
(18F)の振分抽選テーブルに基づく振分抽選によりモード単位数の付与が決定されたときには、その付与値によるモード単位数カウンタの加算更新が行われる(ステップS194〜S196)。モード単位数の付与が発生しないときにはモード単位数カウンタのカウント値は更新されない(ステップS195)。ついで、モード単位数カウンタのカウント値が上限値(20)に達したか否かが判断される(ステップS197)。
モード有効期間が上限値(20)に達したときには移行期間の残ゲームがあっても、高確遊技モード移行処理は終了し、移行期間遊技回数カウンタをクリアして高確遊技モードに移行する(ステップS197、S199、S200)。この移行パターンにおいては、モード単位数20による高確遊技モードが実行可能になっている。
モード有効期間が上限値(20)未満のときには移行期間遊技回数カウンタを1減算して更新し(ステップS197、S198)、移行期間のゲーム数が0になるまで高確遊技モード移行処理は継続される。移行期間遊技回数カウンタのカウント値が0になると、移行期間の終了となって高確遊技モード移行処理は終了し、高確遊技モードに移行する(ステップS193、S200)。この移行パターンにおいては、モード単位数1〜19のいずれかによる高確遊技モードが実行可能になっている。高確遊技モードでは、モード有効期間のゲーム数(16×付与モード単位数)の間、遊技モードA〜CのときよりART付与の当選確率の期待値が格段に向上されてART遊技の付与が得られやすい遊技状態となる。
図15は高確遊技モード処理(ステップS200)を示す。
高確遊技モードにおける遊技処理は、モード単位数カウンタに記憶された貯留(ストック)単位数の1モード単位(16ゲーム)ずつ実行可能になっている。即ち、モード単位数カウンタのカウント値が1減算される(ステップS201)と共に、サブRAM203に設けた実行回数カウンタ用メモリエリアに「16」がセットされて(ステップS202)、1モード単位の高確遊技モードの遊技処理の実行が開始される。
高確遊技モード中において、図12と異なるART抽選処理が1遊技毎にパラレル処理により実行される。
図22は高確遊技モード中のART抽選処理を示す。
1回の遊技が実行されると、高確率遊技モードの遊技期間に応じたART付与抽選が実行される(ステップS350、S351)。高確率遊技モードにおいては、高確率遊技モードのモード前半期間の10ゲームの間はART遊技の当選確率の期待値が遊技モードA
〜Cより格段に高くなっているので、ART遊技に当選する割合が非常に大きくなっている。
ART付与抽選の実行(ステップS351)により当選したときには、1単位分のART遊技がサブRAM203に設けたARTストックカウンタのメモリエリアに貯留(ストック)記憶される(ステップS352、S353)。高確率遊技モード中におけるART遊技の当選の都度、ARTストックカウンタに1加算されていき、当選したART遊技の単位数はARTストックカウンタにストックされる。高確率遊技モードの遊技期間が終了すると、ARTストックカウンタのストック有無が判断される(ステップS354、S355)。ARTストックカウンタにART遊技のストックがある場合には、1単位分のART遊技のART条件が設定されて、高確遊技モード中のART抽選処理が終了し、ストックのない場合にはART条件が設定されることなく高確遊技モード中のART抽選処理が終了する。ART遊技のストックがある場合には、図22では省略しているが、ART条件の設定時にART遊技フラグのオン状態がセットされる。
高確遊技モードにおいて1回の回胴遊技が実行されると共に上記ART付与抽選が実行される。1回の遊技の実行後、実行回数カウンタを1減算して、次の遊技の処理に移る。上記の遊技処理は実行回数カウンタのカウント値が0になるまで繰り返される(ステップS203〜S205)。更に、16ゲームの遊技の消化毎に、前記モード単位数カウンタに記憶されたストック単位数が1減算され(ステップS201)、高確遊技モードの遊技は1モード単毎にモード単位数カウンタのカウント値が0になるまで繰り返される(ステップS206)。モード単位数カウンタのカウント値が0になると高確遊技モードフラグがオフになって高確遊技モードの設定が解除される。
図13では省略しているが、高確遊技モード中にもモード移行ポイント値の累積が進行して、カウント累積値Scが第2基準値N2に到達したときにはART遊技の付与が確定する。このときには、高確遊技モードフラグをオフにしてART準備モードに移行する。この場合にも、ART準備モードの移行時にモード単位数カウンタの残数があるときには残数データをクリアせずに残存期間として有効化するようにしてもよい。ART遊技フラグのオンによって、ART条件の設定が行われると共に、高確遊技モード中においても継続していたモード移行ポイント値のカウント処理も解除され、更に、ART付与抽選の当選に伴って高確遊技モードフラグがオフになってART準備モードに移行する(ステップS164〜S167参照)。なお、本実施形態では、高確遊技モード中において2セット以上のART遊技のストックが可能になっているが、高確遊技モードでない通常遊技時のART付与抽選時にも、ART付与当選によって付与セット数の抽選を行い、2セット以上のART遊技のストックを可能にすることができる。
高確遊技モード中にART遊技の付与が決定された場合に、当該モード単位における実行回数カウンタはクリアされるが、モード単位数カウンタのクリアは行われないようにし、モード単位数カウンタのカウント値が1以上残存している場合には、モード単位数カウンタの残存単位数に基づく遊技回数値が高確遊技モードの残存期間として維持可能にすることができる。この場合、ART遊技の終了後に、当該残存期間の高確遊技モードの遊技期間に移行、復帰可能にすることができる。
図19は副制御部によるART準備モード処理を示す。
ART遊技フラグのオン状態において、RT2遊技状態への移行条件が成立し、且つAT遊技実行フラグがオンになることによりART遊技状態に移行する(ステップS210〜S212)。当該移行条件の成立有無はRT2遊技状態フラグのオン情報をメイン側から受信することによって判断される(ステップS210)。RT2遊技状態への移行条件はリプレイ2の成立により成立する。AT遊技実行フラグはリプレイ4の成立情報をメイ
ン側から受信してオンになる。
図20及び図21は副制御部によるART遊技処理を示す。このART遊技処理は高確遊技モードを経由して付与された場合を示す。ART遊技中におけるAT役の停止操作順序(押し順)の報知処理やART遊技回数の上乗せ更新処理は副制御部によるサブ処理によって実行される。
1セット分のART遊技はAT遊技実行フラグのオンに基づいて実行可能になっている(ステップS220)。1セットずつのART遊技の開始に際して、ARTストックカウンタを1減算した後、実行分のART遊技の継続有無を決定する継続抽選が実行される(ステップS220、S230、S231)。高確遊技モードを経由せずに付与されたART遊技においては、ストック単発のART遊技の付与であり、ARTストックカウンタの減算は行われない。
継続抽選においては抽選確率(1/3)で継続可否の抽選が実行される(ステップS231)。継続抽選の抽選モードも複数に設定することができる。例えば、ART条件の設定時に、低抽選確率(1/3)又は高確率(7/8)の振分抽選(例えば、1/10の振分率で高確率が選択可能にする。)を行って、高低いずれかの抽選確率による継続抽選モードを設定することができる。この場合、継続抽選において設定された継続抽選モードの抽選確率に基づく継続抽選が実行可能になる。継続抽選に当選したときはART継続フラグがオンになる(ステップS232、S233)。ART継続フラグはサブRAM203の対応エリアにセットされる。
ART遊技が開始され、メダル投入又はクレジット設定の投入、リール回転始動操作により1回の回胴遊技が実行されると(ステップS221)、当選役に応じて遊技回数の上乗せ抽選が行われる(ステップS222)。初回のART遊技の場合には、ART遊技付与時にART遊技回数カウンタに初期値「35」がセットされている(ステップS356参照)。
図16はサブROM202に格納した上乗せ抽選テーブルを示す。上乗せ抽選はリプレイ、チェリー役、スイカ役の当選又は内部抽選外れを抽選契機にして実行可能になっている。例えば、スイカ役の当選時には、20ゲームの上乗せが512/65536の抽選確率で決定可能になっている。
上乗せ抽選に当選したときは、当選に係る上乗せ遊技回数によりART遊技回数カウンタの上乗せ更新を行う(ステップS223、S224)。更に、ART遊技回数カウンタに対して1回分の減算を行う(ステップS225)。1セット分(上乗せ分を含む。)のART遊技を実行して消化し、ART遊技回数カウンタの値が0になると(ステップS226)、ART遊技の継続可否を判断する(ステップS228)。ART継続フラグがオンのときには、ART遊技回数カウンタの初期値セットを行って(ステップS229)、1セット分のART遊技実行を繰り返す。このART遊技の実行更新の開始時にも継続抽選処理が実行される(ステップS231〜S233)。
継続抽選外れ時のときには(ステップS228)、AT遊技実行フラグをオフして今回のART遊技を終了する(ステップS234)。ついで、ARTストックカウンタの残数の判別が行われる(ステップS235)。ARTストックカウンタのカウント値が0であればART遊技の終了となる。ART遊技のストック残があれば、リプレイ4の成立に基づくAT遊技実行フラグがオンになるまでRT2遊技状態のままで待機する(ステップS236)。AT遊技実行フラグがオンになると、新たにART遊技回数カウンタに「35」をセットしてART遊技回数の更新設定を行い(ステップS237)、更にステップS230にてARTストックカウンタを1減算して上記のART遊技処理を繰り返す。なお
、ART遊技中にATパンクが発生したときにはその時点で終了する(ステップS227)。
なお、上記の継続抽選の実行はART遊技の開始時に限らず、ART遊技中、あるいはART遊技を終了した後のRT2遊技状態において継続抽選期間を設けて行うようにしてもよい。
次に、副制御部の制御下において実行される報知演出制御を説明する。以下の説明では、主にART遊技状態における遊技回数の更新における報知演出制御を説明する。
図23は副制御部により実行される演出報知処理の概要を示す。
本実施形態においては、主に液晶表示装置3による画像表示により当選図柄や役種の告知、役獲得時の祝福演出等が行われる。この画像演出に加え、あるいは別個に上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる効果音、装飾ランプ部6の電飾効果を用いて各種音、光演出が実行される。
副制御部による演出報知処理は、遊技状態に応じた画像・音・光の演出報知が行われる。副制御部は主制御部からの制御コマンドを受けて遊技状態を判別し、通常遊技モード時には通常遊技演出報知処理を実行する(ステップS400、S405)。通常遊技演出報知処理では、主に、内部抽選の結果に関連した遊技情報、例えば、各種の役(特定役を含む。)、リプレイあるいは外れの100%告知、当選蓋然性の告知などが行われる。通常遊技演出報知処理には、特別演出の出現、高確遊技モードの前兆演出・モード実行演出・復帰演出、ART抽選結果、ART準備モードにおける特定役当選時の押し順、上乗せ抽選の結果及びモード移行ポイント値の累積状況を報知する報知処理も含まれている。モード移行ポイントの累積状況については例えば、ヒーローと悪役とのバトル演出を行って、倒した悪役の数で基準値への到達度が報知される。
ボーナス遊技中の場合には、遊技機のモチーフの内容に沿ったボーナスゲームの進行演出及び獲得枚数の表示等を行うボーナス遊技中演出報知処理が実行される(ステップS401、S406)。
ART遊技中の場合には、ART遊技の進行演出、ART遊技継続・上乗せの報知、獲得メダル枚数の累積表示等のART遊技演出報知処理が実行される(ステップS402、S407)。
内部当選状態の場合には、ボーナス役当選の確定報知、ART遊技の獲得有無ないし蓋然性の報知等を行う内部当選状態演出報知処理が実行される(ステップS403、S408)。更に、ボーナスゲームに入賞したときには、ボーナスゲームの発生を祝福演出するボーナス入賞時演出報知処理が実行される(ステップS404、S409)。
副制御基板200は、ART遊技演出報知処理(ステップS407)において、当選役種別を取得して当選役に応じた演出処理を行う。当選役がAT役である場合には、サブROM202に記憶した当選役押し順報知演出選択テーブルに基づいて当選役種別に応じた押し順報知演出が選択される。例えば、押し順が中回胴→左回胴→右回胴のベル役に当選したときは、その停止操作手順に沿った右・左・中の指示音声が、最初のリール停止前に「みぎ」、次のリール停止前に「ひだり」、更に最後のリール停止前に「なか」といった音声出力順序で、画像表示と共に報知される。この押し順報知演出はART遊技全体の進行を演出するART進行演出と併行して実行される。ART遊技演出報知処理は停止操作順報知遊技における停止操作順序の報知制御を行う報知制御手段を構成する。当選AT図柄の種別を報知するART遊技を付与する場合にも、当選AT役の種別を報知する当選役報知制御手段を演出制御基板200に設けることにより当選役報知を行うことができる。なお、当選役がボーナス役である場合にはボーナス当選時の演出が選択され、小役又は外れである場合には夫々に応じた演出内容が選択される。
図24はRT2遊技状態からART遊技状態に移行する移行前段階に実行される特定役の押し順のサブ報知演出処理を示す。この移行前段階の遊技状態は、ART遊技フラグがオンになり、更にRT2遊技フラグがオンになって、ART遊技に移行する、本発明に係る付与決定状態に対応する。また、係る移行前段階はART遊技の初期付与時にはART準備モードにおいて実行可能になる。
メイン側から取得したフラグ情報に基づいて移行前段階の遊技状態か否かが判断される(ステップS500)。ART遊技フラグ及びRT2遊技フラグがオンになっている移行前段階の遊技状態のときには、メイン側から取得した役当選情報に基づいて特定役(リプレイ4)に当選したか否かが判断される(ステップS502)。特定役に当選したときには特定役の正解押し順が報知される(ステップS503)。この特定役の押し順報知処理(ステップS503)は通常遊技演出報知処理(ステップS405)の一部として実行可能になっている。
特定役の押し順報知処理(ステップS503)はART遊技のセット数データを外部出力可能にする外部出力用特定役(リプレイ4)の停止操作時の正解押し順(特定役の成立に有効な特定役遊技情報)を報知する特定役遊技情報報知手段を構成する。当選リプレイ4の押し順報知が行われ、その報知内容に従って遊技者が正解押し順で停止操作すると、回胴停止処理(ステップS7)によりリプレイ4の図柄組合せが有効ラインに停止してリプレイ4が成立する。リプレイ4の成立に伴って、リプレイRP4成立信号が出力されて、ホールコンピュータHCを通じて遊技履歴情報表示装置404にART遊技の累積セット数の表示更新データが送信可能になる。
該正解押し順の報知の後、メイン側から取得した役成立情報に基づいて特定役の成立有無が判断される(ステップS504)。特定役の成立時にはAT遊技の開始を可能にするAT遊技実行フラグがオンになる(ステップS505)。AT遊技実行フラグがオンになると(ステップS501)、ART遊技演出報知処理(ステップS407)が実行開始になり、メイン処理と協働して実行されるART遊技状態に移行可能になる(図20のステップS200以下参照)。
図29は前記ART遊技演出報知処理による表示画面3aの表示演出例及び遊技履歴情報表示装置404による遊技履歴情報の表示例を示す。
図29の(29A)は初期セット遊技の開始時の画面表示例を示す。画面の上隅の左右には、1セット目を示す「R1」の表示と、1セット35ゲームの1ゲーム目を示す「1/35」の表示が行われている。このART遊技開始時には、遊技履歴情報表示装置404のART実行回数表示部406においては、RT2信号の出力に基づいてART遊技の累積セット数の表示更新が行われる。
例えば、(29E)は非ART遊技状態中の遊技履歴情報の表示例を示す。(29E)の場合には、遊技回数履歴表示部402には「125」が表示されており、非ART遊技期間が「125」ゲーム続いている状態を示している。この状態において、新たなART遊技が付与されたときの遊技履歴情報の表示例を(29F)に示す。(29F)は前回までの累積セット数「12」((29E)参照)に「1」加算されて「13」セット数に更新された実行実績表示例を示し、遊技回数履歴表示部402はリセットされて「0」が表示される。
(29B)は2セット以上付与されたART遊技において、2セット目のART遊技が開始されたときの画面表示例を示す。2セット目のセット回数の減算(図20のステップS230)が行われた場合には、図示のように画面の上隅には2セット目を示す「R2」の表示が行われる。
(29C)は2セット目のART遊技中において3ゲーム実行したときに30ゲームの
上乗せに当選して上乗せ更新(図20のステップS224)したときの画面表示例を示す。上乗せ当選によりART遊技回数カウンタの上乗せ更新が生ずると、図示のように画面の上隅には3ゲーム実行時の30ゲーム上乗せを示す「3/65」の表示が行われる。
(29D)はART準備モードにおいて当選したリプレイ4の押し順報知(ステップS503参照)を行う画面表示の一例を示す。(29D)に示すように、当選押し順(左回胴→右回胴→中回胴)が「1」、「3」、「2」のナビ表示により、停止操作に合わせて拡大表示される。このとき停止操作順の音声ナビ報知も行われ、それに従って停止操作することによりリプレイ4が成立すると、リプレイRP4成立信号が出力されて、遊技履歴情報表示装置404における累積セット数の表示更新が行われる。(29G)は遊技回数履歴表示部402において「13」セット数から、リプレイRP4成立信号の出力に基づいて「14」にカウントアップ更新された表示例を示す。
本実施形態によれば、特典遊技としてART遊技を付与するART遊技付与機能を具備した回胴式遊技機Aにおいて、特定役遊技情報報知手段(ステップS503)により、特定役(リプレイ4)が当選したときに、ART遊技の付与が決定された付与決定状態(ART遊技フラグ及びRT2遊技フラグのオン状態)にあることを条件に、遊技情報の一つとして特定役の成立に有効な特定役遊技情報(リプレイ4の正解押し順)を報知して、成立特定役情報出力手段(ステップS27)により、特定役の成立に基づく特定役の当選(又は成立)を示す情報(特定役の当選フラグに基づくリプレイ4成立信号)を情報外部出力手段(外部集中端子基板401)に出力することができ、更に、ART遊技移行手段(ステップS211)により特定役の成立に基づいて前記付与決定状態からART遊技状態に移行可能にすることができる。従って、ART遊技の付与が決定されたときに直ちに前記付与決定状態からART遊技状態に移行させずに、前記特定役遊技情報を遊技者に報知して特定役を成立させることにより特定役の当選(又は成立)を示す情報が外部集中端子基板401に出力可能になると共に、特定役の成立の発生を経て前記付与決定状態からART遊技状態に移行するので、ART遊技状態の移行に連関して特定役の当選(又は成立)を示す情報(ART遊技関連情報)が1セット単位毎のART遊技の実行と1対1の関係を持って正確に外部出力されて外部集中端子基板401を通じてホールコンピュータに送信可能になり、例えば該ホールコンピュータに通信可能に接続された遊技履歴情報表示装置404においてART遊技付与の発生に応じた付与セット回数を順次表示させることができる。
特に、ART遊技の付与決定(ART付与抽選)と、AT遊技の進行管理をサブ側で行っていても、リプレイ4の特定役は成立に必要な正解押し順報知が提供されない限り成立困難となる停止操作順別成立可能役であるので、1セット単位毎に、特定役が当選したときに正解押し順の報知を受けて遊技者が特定役を成立させ、且つ、該成立によりAT遊技を実行可能にることにより、特定役の当選又は成立を示す情報をART遊技の付与単位数毎に正確に外部集中端子基板401に出力することができる。なお、RT2遊技を併用せずに、AT遊技単独で特典遊技を付与する場合には、AT付与抽選により当選したことのみで前記付与決定状態に移行させ、その付与決定状態での特定役の成立に基づいて、1単位分のAT遊技に移行させ、且つAT遊技付与に対応したAT遊技関連情報を外部出力可能にすることができる。
本実施形態においては、ART遊技のストック残があるときに、AT遊技実行フラグがオフの状態で、リプレイ4の成立に基づくAT遊技実行フラグがオンになるまでRT2遊技状態のままで待機して(ステップS236)、次のセット単位のART遊技に移行するが、係る待機状態は本発明に係る付与単位残存状態に対応する。係る付与単位残存状態において、リプレイ4の成立に基づいてART遊技状態に移行可能になるので、複数セットのART遊技有効単位を付与する場合にも、各単位ずつ特定役遊技情報を報知して、付与
単位数に関連したART遊技関連情報を正確に外部出力することができる。
特定役の当選又は成立を示す情報として、特定役の当選フラグに基づくオン信号に代えて、前記特定役の成立時にオンする成立フラグに基づくオン信号を外部出力するようにしてもよい。特定役として、RT2遊技状態(再遊技高確率状態)において高確率に当選するリプレイ1と同時抽選され、高確率で当選可能なリプレイ4を用いているので、付与決定状態ないし付与単位残存状態において特定役の当選が容易に発生してリプレイ4の停止操作順序を報知することによって付与決定状態ないし付与単位残存状態時にのみ特定役の成立を確実に発生させることができ、付与セット回数に関連したART遊技セット回数情報をART遊技の付与に応じて正確に外部出力することができる。
前記実施形態では、継続抽選に当選してART遊技を継続する場合には、本発明に係る特定役の成立に基づく移行処理の対象としていないが、継続ART遊技も本発明を適用して、継続回数を外部出力対象データに加えることができる。即ち、1セット分のART遊技が終了したとき、継続抽選に当選してART継続フラグがオンになっている場合には(ステップS228参照)、ART遊技のストック残があるときと同様に、一旦、AT遊技実行フラグをオフにして(ステップS234参照)、次の特定役の成立を待ってから新たに継続ART遊技を開始することにより、継続ART遊技の付与単位数に関連したART遊技関連情報を正確に外部出力することが可能になる。
図30は別の実施例である特定役の押し順報知演出処理を示す。
前記実施形態では、AT遊技実行フラグがオンになると、直ちにART遊技に移行可能にしているが、AT遊技実行フラグがオンになってから、ART遊技の開始までの前兆演出を一定の前兆遊技期間において実行する場合には、係る前兆遊技期間において再度、リプレイ4の当選が発生する場合があり、このときには特定役の重複成立が生ずるおそれがある。図30の実施例は前兆遊技期間における重複成立を回避する場合に有効な押し順報知演出処理である。
図24の特定役の押し順報知演出処理と同様に、メイン側から取得したフラグ情報に基づいて移行前段階の遊技状態か否かが判断される(ステップS550)。ついで、メイン側から取得した役当選情報に基づいて特定役(リプレイ4)に当選したか否かが判断される(ステップS551)。最初に特定役に当選したときには特定役の正解押し順が報知される(ステップS553)。特定役の正解押し順の報知によりリプレイ4が成立するとAT遊技実行フラグがオンになる(ステップS554、S555)。AT遊技実行フラグがオンになった後、前兆遊技期間(前兆遊技期間処理の詳細は省略している。)に入り、所定ゲーム(例えば、4ゲーム)の経過を経てART遊技状態に移行する。前兆遊技期間中に新たに特定役が当選した場合には、AT遊技実行フラグがオンになっているかを判断して(ステップS552)、オンのときには、メイン側で決定された特定役の押し順と異なる押し順を報知して多重成立を回避することができる(ステップS556)。前兆遊技期間の終了により、押し順報知演出処理は終了してART遊技状態に移行する(ステップS550)。
本実施例によれば、AT遊技実行フラグがオンになった後に特定役が当選しても、成立に導かない不正解押し順を報知して多重成立を回避でき、ART遊技の付与データの外部出力に不都合を生ずることを未然に防止することができる。従って、AT遊技実行フラグがオンになってから前兆遊技期間を設けても正確な付与データの外部出力に弊害を生ずることなく、AT遊技実行フラグがオンになった後において遊技者にART遊技獲得への期待感の盛り上げ効果を発揮させる報知演出を実行してからART遊技状態に移行させて遊技興趣の更なる増大を図ることができる。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。