以下、本発明の実施形態に係る回胴式遊技機Aについて図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは遊技媒体に遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例にする。
図1は本実施形態に係る回胴式遊技機Aの外観斜視図である。
回胴式遊技機Aは各種制御基板や回胴機構部材を収納した筐体1を有し、筐体1の前面開放部には前扉5が開閉自在に取り付けられている。前扉5の上部2の中央には、表示報知手段の一つとしてのカラー液晶ディスプレイ装置からなる液晶表示装置3の表示画面が配設されている。この表示画面において回胴遊技の進行に応じてキャラクターや文字、数字、メッセージ等の画像表示が行われて、当選役の報知等の各種表示演出が行えるようになっている。液晶表示装置3の両側には、一対の上部スピーカ4が配設されており、液晶表示装置3による画像演出と同調して、各種効果音等による音響演出が行えるようになっている。表示報知手段の表示装置には、カラー液晶の他に、例えばカラーEL(エレクトロルミネッセンス)、カラープラズマディスプレイ装置、電子ペーパディスプレイ、7セグメント、LEDドット表示器等を使用することができる。
液晶表示装置3の下方で前扉5の略中央には、透明パネルからなる図柄表示窓8が設けられている。図柄表示窓8の内側にリール(回胴)8a、8b、8cが筐体1内部に配置されている。図柄表示窓8を通じて、リール(回胴)8a、8b、8cが視認可能になっている。リール8a〜8cはステッピングモータ(図示せず)の回転軸に取り付けられていて、該ステッピングモータの駆動により一定速度で回転駆動される。リール8a〜8cの外周面には21個の図柄が回転方向に沿って形成されている。リール8a〜8cは、図柄表示窓8を通じて視認可能に表示される図柄を可変表示(変動)させる回胴表示部を構成している。
各リール8a〜8cの図柄のうち、3個ずつの図柄が図柄表示窓8を通じて視認可能となっており、図柄表示窓8は3×3個の図柄を表示可能にする図柄組合せ表示領域を構成する。本実施形態においては、回胴表示部として回転ドラムのリール8a〜8cを使用しているが、回転ドラム以外に、例えば、ベルト面に図柄を配置、設定した無端ベルト等の回転機構により回胴表示部を構成することができ、更に、回転機構を用いずに、擬似的に回胴及びその変動を画像表示するディスプレイを使用することも可能である。
図2は図柄表示窓8の図柄組合せ表示領域に設定された、各種当選役の入賞又は成立を確定するための4つの有効ラインL1〜L4を示す。
役抽選(内部抽選)の抽選結果と、遊技者の停止操作による回胴停止タイミングに基づき、回胴表示部の可変表示の停止制御が行われて、当選役に応じた図柄が有効ラインL1〜L4に停止し、当選役図柄の組合せによる表示結果が図柄表示窓8の図柄組合せ表示領域に導出可能になっている。
有効ラインL1、L2は夫々、中央ライン、上段ラインである。有効ラインL3、L4は夫々、右下がりの対角線ライン、右上がりの対角線ラインである。有効ラインL1〜L4は5ラインから下段ラインを除いた変則4ラインからなり、入賞(又は成立)位置を特定する入賞(又は成立)図柄位置特定形態を構成している。有効ラインの設定は入賞率の決定、押し順ARTの図柄停止制御等に関係するが、本実施形態の上記変則4ラインに限らず、図柄配列や出玉率の設計等に応じて各種有効ラインの組合せが可能であり、ライン数を3本以下又は5本にしてもよい。
図柄組合せ表示領域におけるリール8a〜8cの夫々の図柄停止位置はE11〜E13、E21〜E23、E31〜E33の合計9駒からなる。有効ラインL1、L2は夫々、E12−E22−E32、E11−E21−E31の停止位置の配置からなる。有効ラインL3、L4は夫々、E11−E22−E33、E13−E22−E31の停止位置の配置からなる。
図3は各リール8a〜8cに形成した図柄配列帯及び図柄種を示す。即ち、同図(3A)、(3B)は夫々、各リール8a〜8cの図柄配列帯、図柄配列帯に配置される7種の図柄を示す。(3A)における左回胴、中回胴及び右回胴は夫々、リール8a〜8cの図柄配列帯に対応している。各図柄配列帯はリール外周に巻き付けられるリールテープからなり、テープ面には、内部抽選に当選した当選役に対応する図柄の組合せを構成するための図柄が印刷形成されている。
本実施形態においては、(3B)に示すように、赤7(符号31)、青7(符号32)、チェリー(符号33)、スイカ(符号34)、ベル(符号35)、ブランク(符号36)及びリプレイ(RP:符号37)の計7種類の図柄が使用されている。これらの図柄は各リールの外周面に沿って計21駒配置され、図柄の並び順に沿って図柄番号0番〜20番の駒番号が割り当てられている。赤7と青7の図柄はボーナス役を成立させるボーナス役構成図柄であると共に本発明に係る特定図柄を兼ねている。
BETランプ23、クレジット表示部24及び払出枚数表示部25からなるパネル表示部7が図柄表示窓8の下部に配設されている。BETランプはメダル投入(設定)枚数の1〜3枚に応じて点灯するランプからなり、1ゲームを行うために賭けられたメダル数(以下「BET数」という。)に応じて点灯する。クレジット表示部24及び払出枚数表示部25は7セグメントLEDによって構成されている。回胴式遊技機Aは投入メダルの枚数を予め記憶して貯留するクレジット機能を有し、クレジット表示部24にはクレジットされている残メダル枚数が表示される。回胴式遊技機Aにクレジットされる最大枚数は50枚であり、クレジット表示部24に表示されるクレジット枚数は50枚以下となる。なお、最大枚数の50枚がクレジットされている状態で、メダルを更に投入してもそのまま排出されて返却される。払出枚数表示部25は入賞時に払い出されるメダル枚数を表示する。払出枚数表示部25はボーナスゲームの遊技情報を表示する表示機能も有し、ボーナスゲーム中にはボーナスゲームで獲得した総払出枚数が累積表示される。
遊技者が操作する操作部9が図柄表示窓8の下方に設けられている。操作部9は前方に緩やかに傾斜した傾斜部と、前扉1の前面側に設けた正面部からなる。該傾斜部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口10と、クレジットされた貯留枚数範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数の上限値(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数)まで遊技メダルを一度に投入(設定)するためのMAXベットボタン11、押した回数に応じて上記賭け数の上限値まで遊技メダルを加算的に設定するための1ベットボタン13、クレジット精算を行うための貯留メダル精算ボタン12が設けられている。MAXベットボタン11を押下して、メダル貯留残数が十分あるときには、賭け枚数が最大賭け枚数、つまり3枚に設定され、貯留残数が最大賭け枚数に満たない場合には、貯留残数全てが賭け枚数に加算される。
回胴式遊技機Aは、1遊技に供するメダル数が3枚必要とされる所謂3枚専用の回胴式遊技機である。メダルが3枚投入されることにより遊技可能を表す有効化表示器(図示せず)が図柄表示窓8周辺のパネル面に配設されている。
遊技演出を電飾表示するための装飾ランプ部6が図柄表示窓8の左右両側の前扉5側部に設けられている。装飾ランプ部6は、RGB多色発光可能なLEDからなり、その発光色の種類や発光態様による光演出効果を発揮する。
操作部9の正面部には、リール8a〜8cの回転を開始させるための始動スイッチである回胴回転始動レバー15と、各リール8a〜8cに対応して設けられた回胴回転停止ボタン16a、16b、16cと、メダル投入口10から内部のメダル投入路に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン17が配設されている。前扉5の開放側端には前扉5の施錠状態を切り替えるための錠装置18が設けられている。
回胴式遊技機Aの機種名やモチーフ等に基づいた意匠デザインが形成された装飾パネル19が前扉5の下部14に取り付けられており、パネル内側に設置された照明装置(図示せず)により点灯表示される。装飾パネル19の下側には、後述のメダルホッパー305により排出される賞メダル、あるいは返却操作により払い出されるメダルを排出するためのメダル払出口21と、メダル払出口21から排出されたメダルを貯留するためのメダル受皿20が設けられている。メダル払出口21の左右両側には下部スピーカ22a、22bが設けられている。メダル受皿20の横には灰皿26が配設されている。
回胴式遊技機Aにおいては、液晶表示装置3の画像表示による演出表示、上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる効果音、装飾ランプ部6の電飾効果を用いて、一般役や特別遊技役の当選、特典遊技(ART遊技)の付与、ART回数の上乗せ等の演出、報知を視覚的且つ聴覚的に行うことができる。演出効果手段としては、視覚、聴覚に限らず、触覚などの人間の五感を刺激することにより伝達する手段、例えば、遊技者の体に振動を伝える加振装置、骨伝導装置、送風装置等を使用することができる。
ART遊技中においては、6択のAT役の夫々の回胴の停止操作順序を報知するための報知手段として、液晶表示装置3による演出表示(例えば、停止操作手順の指示表示)及び上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる効果音(例えば、停止操作順序に沿った左・中・右の指示音声)が使用される。
本実施形態に係る回胴式遊技機Aの制御装置について説明する。
図4は回胴式遊技機Aの制御装置の概略構成を示す制御ブロック図である。
回胴式遊技機Aの制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御基板100と、主制御基板100から制御コマンドを一方向に受信して、画像と光と音についての演出表示制御を統括的に司る副制御基板200と、賞メダルの払出を制御する払出制御基板300と、AC24Vの外部電源から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板400からなる。なお、図4においては電源供給ルートを省略している。
主制御基板100は、メインCPU101を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、メインROM102と、メインRAM103とを搭載したメイン側マイクロコンピュータ(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)からなり、役抽選、リール駆動制御、回胴を用いた特別演出(フリーズ演出)の実行可否の決定、ART付与抽選等を実行処理する主制御部を構成する。メイン側マイクロコンピュータには、図示しないが、CTC(Counter Timer Circuit)やメインCPU101に割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
メインROM102には、各種遊技状態における一連の遊技機制御手順が記述された制御プログラムの他、回胴の停止制御用停止データを記述した停止制御テーブル(図示せず)、役抽選用の役抽選テーブル(図7参照)、入賞による払い出し枚数を設定するための入賞払出テーブル(図示せず)等の遊技動作制御に必要な所定のデータ等が格納されている。また、メインROM103には、特典遊技としてのART遊技を付与するか否かを決定するART付与決定処理プログラムが格納されている。更に、メインROM103には、ボーナス当選及びART遊技の付与決定に関連してフリーズ演出(特別演出)を実行するか否かを決定するフリーズ演出決定処理プログラムが格納されている。メインRAM104には、当選役を決定するための役の抽選に利用される抽選用乱数値、当選役情報、遊技状態情報等の遊技の進行に必要なデータを格納するためのワークエリアが形成されている。
メイン側マイクロコンピュータには、役抽選用乱数を発生させるためのカウンタ回路(図示せず)が接続されている。このカウンタ回路は、ハードウェア的に一定範囲(乱数域:0〜65535)の乱数を生成する乱数生成回路と、当該乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路が含まれている。メインCPU101は処理状態に応じて上記乱数生成回路により生成された乱数値を内部抽選用乱数値として取得して役抽選処理を実行する。役抽選処理はリール8a〜8cの回転毎の単位回胴遊技(1ゲーム)の実行の度に上記役抽選テーブルを参照して実行される。
主制御基板100には回胴中継基板250を介してリール8a〜8cを回転駆動するための回胴駆動モータ群251が接続されている。回胴駆動モータ群251は各リールを回転駆動する3個のステッピングモータ(図示せず)と、各ステッピングモータのモータ駆動回路からなる。メインCPU101の制御の下、回胴中継基板250を通じて各回胴のステッピングモータを制御するための駆動パルス信号を供給してリール8a〜8cの回転制御及び停止制御が行われる。
また、主制御基板100には回胴中継基板250を介して、各リールに設けた回胴回転位置検出センサ類252が接続されており、主制御基板100の制御の下、回胴回転の後に各リール毎の回胴位置検出センサからの検出信号を受信することにより、抽選結果と停止操作タイミングに応じて所定の位置に停止制御することが可能となっている。
主制御基板100には遊技中継基板150を介して、各種入力信号が入力可能になっている。即ち、主制御基板100には、回胴回転始動レバー15の作動を検出する回胴回転始動スイッチ15aと、回胴回転停止ボタン16a〜16cの夫々の回胴回転停止スイッチ16e、16f、16gを搭載した停止スイッチ基板160と、メダル投入口10からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ10aと、MAXベットボタン11の作動を検出するMAXベットスイッチ11aと、1ベットボタン13の作動を検出する1ベットスイッチ13aと、貯留メダル精算ボタン12の作動を検出する貯留メダル精算スイッチ12aが接続され、主制御基板100は各種スイッチからの検出信号を受信可能となっている。メダル検出センサ10aはメダル投入口10から投入されたメダルが後述のメダルホッパー305のタンクに収容されるまでのメダル投入路に配置したメダル選別装置(図示せず)内に設置されている。回胴回転始動レバー15、回胴回転停止ボタン16a〜16c、MAXベットボタン11、1ベットボタン13、貯留メダル精算ボタン12には、操作部材内部にLED(図示せず)が設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効又は無効が遊技者に報知可能となっている。
主制御基板100には、回胴設定基板350を介して設定スイッチ351による設定データが入力可能になっており、設定スイッチ351の設定操作により、出玉率を6段階のいずれかに設定する「6段階設定」を変更することができる。設定スイッチ351の他に、主制御基板100には、遊技動作エラーを解除するためのリセットスイッチ等の各種スイッチが接続されている。また、主制御基板100からは、ボーナス当選や遊技実行データ等の遊技情報を外部集中端子基板(図示せず)を介してホールコンピュータ(パチンコホールの遊技機を統括的に管理するコンピュータ)に外部出力可能となっている。
副制御基板200は、主制御基板100からの制御コマンドを一方向に受信可能に主制御基板100と接続されている。副制御基板200は、主制御基板100からの制御コマンドの受信の他に、演出内容の抽選や液晶制御基板206への液晶制御コマンドの送信、各スピーカの音制御、装飾ランプ部6等のLED発光制御等を行う。
液晶制御基板206は、副制御基板200から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置3の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDP(Video Display Processor)に出力する液晶制御用CPUと、液晶制御用CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAMと、液晶制御用CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDPと、VDPが画像展開する必要な画像データを格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMとを含んで構成されている。
図5は回胴式遊技機Aの内部構成を示す。筐体1は天板1a、側板1b、1c及び底板1dにより形成された前面開放の箱体からなる。筐体1内には、リール8a〜8c、メダルホッパー305、電源装置400a等が収納されている。リール8の上方には、主制御基板100を収納したメイン基板ボックス100aが取り付けられている。メイン基板ボックス100aの周辺には、副制御基板200等のサブ基板も配設されている。メダルホッパー305はホッパーモータ301により駆動され、タンクに収納した収容メダルをメダル放出口305bを通じてメダル払出口21に連通した放出通路(図示せず)に向けて放出する遊技媒体払出装置である。
ホッパーモータ301は払出制御基板300を介して主制御基板100と接続されている。主制御基板100は、入賞による遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板300に送信する。払出制御基板300は主制御基板100からの払出制御コマンドを受けてホッパーモータ301を駆動制御して、指定枚数の遊技メダルの払い出し処理を行う。
前記放出通路にはメダル払出センサ(図示せず)が設置され、該メダル払出センサはメダルホッパー305から払い出される遊技メダルを検出し、検出信号を主制御基板100に出力可能になっている。ホッパーモータ301を駆動制御し、払い出された遊技メダルは該メダル払出センサにより検出されて、その検出信号は主制御基板100に入力され、払出完了の判定に供される。
メダルホッパー305の横には、メダルホッパー305のタンクの収容メダルがオーバーフローメダル放出口305aよりオーバーフローして溢れ出た遊技メダルを貯留する補助タンク306が配置可能になっている。補助タンク306には、補助タンク306の満杯状態を監視する満杯検知装置(図示せず)が設置されており、該満杯検知装置からの検出信号は主制御基板100に送信可能となっている。
副制御基板200は、サブCPU201を内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、サブROM202と、サブRAM203とを搭載したサブ側マイクロコンピュータからなり、各種演出報知制御、ART遊技中のAT役の停止操作順序報知等を実行処理する副制御部を構成する。サブ側マイクロコンピュータには、メイン側と同様に、前記CTCやサブCPU201に割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路が設けられている。
サブROM202には、一連の演出報知制御手順が記述された演出報知制御プログラムの他、ART遊技中においてAT役の当選役の押し順報知を行う押し順報知制御プログラム、ART遊技の進行や遊技回数の変更を報知する演出抽選テーブル(図示せず)等の所定のデータが格納されている。副制御基板200は前記押し順報知制御プログラムの実行制御により、ART遊技時に当選AT役の押し順報知を行うART遊技実行手段を構成している。サブRAM208には、演出報知に関する抽選に利用される演出用乱数値や演出報知状態に必要なデータ等を格納するためのワークエリアが形成されている。
サブ側マイクロコンピュータには、サブ抽選用乱数を発生させるためのカウンタ回路(図示せず)が接続されている。このカウンタ回路は、メイン側マイクロコンピュータに設けた前記カウンタ回路と同様に乱数生成回路とサンプリング回路を含む。サブCPU201は、演出処理状態(例えば、主制御基板100から制御コマンドを受信したタイミング)に応じて当該サンプリング回路に指示を送ることにより乱数生成回路が生成している数値を演出用乱数値として取得する。取得された演出用乱数値は各種演出報知の抽選に供される。
副制御基板200には、主制御基板100からの制御コマンドを受けて光と音と画像についての演出報知処理を行うための制御対象として、音響発生装置204、ランプ基板205及び液晶制御基板206が接続されている。音響発生装置204は、副制御基板200からの音響制御信号を受けて、上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる楽音又は音声の出力制御を行う。ランプ基板205は装飾ランプ部6を構成するLED群を搭載した回路基板からなり、前扉5の内側部に取着されている。ランプ基板205は副制御基板200からのLED駆動制御信号を受けてLED点灯制御を行う。副制御基板200は主制御基板100からの制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドを液晶制御基板206に送信し、液晶制御基板206は液晶制御コマンドに基づいて液晶表示装置3の画像制御を行う。
副制御基板200は、主制御基板100から送られてくる制御コマンドに基づき、複数種類の演出内容の中から実行演出内容を抽選によりあるいは一意に決定し、この決定内容を実行指示する各種制御信号を、音響発生装置204、ランプ基板205及び液晶制御基板206に送信して、液晶表示装置3の演出画像表示と、効果音の出力と、装飾ランプ部6の点灯・点滅駆動が協働して実行可能になっている。
上記構成の回胴式遊技機Aにおける遊技時の動作概要を説明する。まず、遊技者は遊技する際にメダル投入口10から所定枚数のメダルを投入あるいはクレジット分からのBET設定した後、回胴回転開始始動レバー15を操作する。この始動操作が遊技機内部で行う内部抽選の契機となって、内部抽選が実行される。また、この始動操作により各リール8a〜8cの回転駆動が開始されて、一定の速度に達した後、回胴回転停止ボタン16a〜16cの操作が有効となる。各停止操作のタイミングに基づき、内部抽選結果に応じた位置に各リールは停止制御される。リプレイを除く、いずれかの入賞役に当選している場合には、停止操作タイミングが合致して有効ライン上に当選役の図柄組み合わせが成立したとき、所定枚数のメダルの払出が行われる。
内部抽選によりボーナス役(BB又はRB)が当選すると、ボーナス役図柄の成立によって、ベル役が高確率で当選するボーナス遊技に移行可能となる。1回の遊技毎に内部抽選とは別にART遊技の付与決定処理も実行可能になっている。ART遊技の付与が決定されると、AT役の正解押し順が報知されるART遊技状態に移行可能なる。
主制御基板100によるメイン処理の処理手順を図面を参照して説明する。この処理手順には1回の遊技に必要な一連の流れが含まれている。なお、本実施形態における各処理をステップ番号で示しており、各ステップにおける処理は主制御部又は副制御部による制御手段を構成する。
図6はメイン処理の処理手順を示す。
回胴式遊技機Aに電源投入が行われると、電源基板400から電源投入信号が主制御基板100に送られてメイン処理が開始される。電源投入時には初期設定処理(ステップS1)が行われる。その後、遊技1回毎に正常動作時の処理(ステップS2〜S17)が行われる。
まず、RAM初期化処理(ステップS2)を実行して、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアして、今回のゲームに必要なワークエリアが確保される。
次に、遊技状態フラグ生成処理が行われる(ステップS3)。遊技状態フラグ生成処理においては、今回のゲームの遊技状態の種別(通常遊技、RT1遊技、RT2遊技、ボーナス持越遊技、ボーナス遊技等)の確認が行われ、遊技状態に対応する遊技状態フラグ(通常遊技状態フラグ、RT遊技状態フラグ、ボーナス間フラグ、ボーナス内部当選中フラグ、ボーナス作動フラグ等)が設定される。各遊技におけるメイン処理は設定された遊技状態フラグに基づいて実行される。
本実施形態におけるART遊技はメイン処理上、リプレイの当選確率が高くなるRT2遊技状態において実行可能になる。メイン処理上の遊技状態がRT1遊技状態のときに、ART遊技の付与が決定されて、更にRT2移行条件が成立することによりRT2遊技状態フラグがオンになる。RT2遊技状態フラグがオンされるとRT2遊技状態に移行してART遊技が開始される。RT1及びRT2の遊技状態フラグはメインRAM103に記憶、セットされる。本実施形態では、メイン処理によってART遊技の付与決定処理が行われるが、サブ処理によりART付与決定処理を行うようにしてもよい。サブ処理にてART遊技の付与決定する場合には、ART遊技状態を管理するATフラグがサブRAM203にセットされる。
遊技メダル投入処理(ステップS4)においては、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技が発生した場合の遊技メダルの自動投入設定処理等が行われる。遊技メダル投入処理により遊技開始に要する規定枚数の遊技メダルが投入された否かを監視して、該規定枚数の遊技メダルの投入又はクレジット設定が確認された場合には、遊技開始条件が成立する。遊技開始条件の成立状態を保持したまま、遊技者の回胴回転始動レバー15の押下操作、つまり回胴回転始動スイッチ15aからの操作検出信号を受信可能に待機する。
回胴回転始動スイッチ15aからの操作検出信号の受信により、主制御基板100は前記乱数生成回路により生成された内部抽選用乱数値を取得して、取得した内部抽選用乱数値に基づく内部抽選処理が行われる(ステップS5)。取得した内部抽選用乱数値と現在の遊技状態に対応する役抽選テーブルとに基づく内部抽選が行われ、抽選結果に対応した当選役情報(当選フラグ)がメインRAM103に設定、記憶される。
図7は回胴式遊技機Aに用いる各種入賞役の入賞図柄組合せ及び役抽選テーブルを示す。
ステップS5における内部抽選は図7の役抽選テーブルに基づき実行される。役抽選テーブルは6段階の各段階に応じて出玉率が異なるように抽選確率が設定されてなり、図7は設定3の場合の一例を示す。この役抽選テーブルは、一般入賞役等と、2種類のボーナス役(ビッグボーナスゲームBBとレギュラーボーナスゲームRB)の抽選確率テーブル(一般遊技中抽選テーブル、RT中抽選テーブル及びボーナス遊技中抽選テーブル)を示す。図7においては、乱数域(0〜65535)に対する各抽選役の振り分け抽選値の幅域により計算された抽選確率が示されている。図7の抽選確率テーブルにおいては、例えばチェリー、スイカ等の小役とボーナス役、通常リプレイ1と特定リプレイ2間が同時に抽選可能なように当選乱数域幅が設定されている。
RT遊技状態として2種類のRT1遊技状態とRT2遊技状態が生ずるが、実質的にリプレイ確率が向上するのはRT2のみであり、RT1中では通常遊技状態のリプレイ確率が1/100程度向上するだけである。RT1遊技状態は、ART遊技状態(RT2遊技状態)に移行させる前段階の遊技状態となる。RT2遊技状態においては、リプレイ1の抽選確率を通常遊技時の1/8.2より高確率の1/1.5に設定したRT中抽選テーブルが使用される。
ART遊技とは別に、特別遊技として、獲得可能なメダル量の規定払出枚数(あるいは、払出枚数から投入枚数を引いた純増枚数)が大きく異なるビッグボーナスゲームBBとレギュラーボーナスゲームRBの2種類が付与可能になっている。ボーナス遊技終了の規定枚数は、ビッグボーナス遊技で200枚、レギュラーボーナス遊技ではビッグボーナス遊技の半分以下の50枚である。ビッグボーナスゲームBBには、別々の当選フラグにより成立する2種類の特別図柄の組合態様(青7−青7−青7又は赤7−赤7−赤7)があり、これらを合成した抽選確率は約1/410である。別々のビッグボーナス当選フラグが設定された内部当選状態において、いずれかの特別図柄組み合わせを4本の有効ラインのいずれかに停止させて成立させると、ビッグボーナス遊技に移行させることができる。
レギュラーボーナス役の場合はBAR−BAR−BARの1種類だけであり、その抽選確率は1/820である。BB、RBのボーナス役は所謂、0枚役であり、その成立時には賞メダルの払出は行われない。ベル、スイカの入賞時には9枚、6枚の賞メダルが払い出される。更に、チェリー図柄を含むチェリー役には2種類、つまり中回胴にチェリー図柄が有効ラインに停止することで入賞するチェリー1の小役と、チェリー−ベル−ベルの組合せからなるチェリー2の小役が設けられており、夫々入賞時に2枚の賞メダルが払い出される。チェリー2は当選によりART遊技の付与が100%確定するプレミア的な小役であり、その当選確率はチェリー1の1/80より極めて低い値(1/16384)になっている。
チェリー1は中回胴にチェリー図柄が有効ラインに停止することにより成立可能な特定役であるので、図3の(3A)の中回胴欄に示すように、2個のチェリー図柄の夫々に、特定図柄を兼ねる赤7と青7の図柄が次の図柄位置(中回胴欄の図柄配列帯の図柄番号2、13)に配設されている。係る特定図柄の近傍配置により、特定役の成立時に、本発明に係る特定図柄表示(特別図柄の組合態様と同様の組合態様(青7−青7−青7又は赤7−赤7−赤7))が当該特定役に近接して、図柄表示窓8の図柄組合せ表示領域内又は領域内外に亘って導出可能になっている。チェリー1、2はART遊技の付与抽選契機となる小役である。チェリー1は、役成立時に図柄表示窓8の前記図柄組合せ表示領域内外に亘って前記特定図柄表示結果が付随して導出可能となる、本発明に係る第1の特定役に対応する。チェリー2は役不成立時に前記図柄組合せ表示領域内に前記特定図柄表示結果が導出可能となる、本発明に係る第2の特定役に対応する。なお、チェリー2の役成立時にも前記特定図柄表示結果が付随して導出可能とするようにしてもよい。
ベル役は、リール8a〜8cの停止順序の組み合わせ(左回胴→中回胴→右回胴、左回胴→右回胴→中回胴、中回胴→左回胴→右回胴、中回胴→右回胴→左回胴、右回胴→中回胴→左回胴、右回胴→左回胴→中回胴)が異なる6種類の一般小役である。通常遊技状態のとき、各ベル役の抽選確率は1/30であるが、ボーナスゲーム中は、停止順序に関係なく入賞可能な、所謂JAC役となって、1/1.1の高確率で当選する。JAC役としてのベル役が入賞すると、13枚の賞メダルが払い出される。
押し順により区別された6種類のベル役は、ART遊技において、副制御部による押し順報知に従って各回胴が停止されることにより入賞可能になるAT役(押順ベル役)となる。通常遊技状態では、6択の各ベル役は1/30の抽選確率に基づき抽選されて、いずれかのベル役が入賞可能になるが、通常遊技状態においては、押し順が報知されないため、一般的に、左回胴から中・右回胴の順に停止させる、所謂順押しの停止操作が行うと、押し順が不正解となって入賞が生じない場合が多くなる。ART遊技状態では、押し順がナビ報知されることによりAT役の入賞確率は6倍(全ベル役の合成抽選確率1/5)に向上する。
リプレイ役には通常時のリプレイ1(RP−RP−RPの組合せ)の他に、リプレイ1と同時成立可能なRT2解除用のリプレイ2(RP−RP−ベルの組合せ)が含まれている。
リプレイ役は、リール8a〜8cの停止順序の組み合わせ(左回胴→中回胴→右回胴、左回胴→右回胴→中回胴、中回胴→左回胴→右回胴、中回胴→右回胴→左回胴、右回胴→中回胴→左回胴、右回胴→左回胴→中回胴)が異なる6種類のリプレイ役であり、当選時にいずれかの停止順序によるリプレイが決定される。リプレイ2は所謂パンク役と呼ばれるリプレイ役であり、RT2遊技(ART遊技)状態時にリプレイ2が当選したときにリプレイ2の不成立が発生するとRT2遊技状態が解除され、RT1遊技状態に戻る。ART遊技中はART遊技のパンクが生じないようにリプレイ2の押し順が報知される。リプレイ2の正解押し順と異なる押し順で停止操作したときには同時成立可能なリプレイ1が成立する停止制御が行われ、再遊技の不発生に至らないようになっている。
以上の役の他に、ボーナスゲーム中にのみ抽選される抽選役であって、ART付与抽選に供されるチャンス役が設けられている。チャンス役は、青7−青7−青7又は赤7−赤7−赤7の組み合わせ(賞メダルの払出なし)からなり、チャンス役の当選によりボーナスゲーム終了後のART遊技の付与が決定される。
ART遊技状態においては、副制御部によるAT役ナビ制御によりAT役(押し順ベル役)の押し順報知が実施されるので、当選したAT役を確実に停止させ、且つリプレイ発生の頻度が増えてメダル消費が少なく、且つAT役等の小役獲得によりART遊技中に保有メダルを漸増させることが可能になる。
本実施形態では、停止順報知遊技(押し順ナビAT遊技)とRT遊技を併用した押し順ナビART遊技が特典遊技として付与され、押し順ナビART遊技中における回胴停止処理において、当選情報と回胴の停止順序を参照して停止制御が実行される。特典遊技として、AT図柄の種別を報知するART遊技を付与するようにしてもよい。
ボーナス役の内部当選状態においては、ボーナス当選フラグを次回以降のゲームに持ち越し可能な持越役として設定しているため、ボーナス役の当選時においては、ボーナス役が成立するまでの遊技期間、その当選フラグの成立状態が維持される。一方、ボーナス役以外の役は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない持越不可能役として設定されている。ボーナス持越遊技中においても通常通りに各役の抽選が行われるが、このとき当選した小役に対応する図柄の組合せを入賞させるか否かは、所定の引き込み優先順位に基づいて決定される。本実施形態では、「(リプレイ又は小役)>ボーナス役」の順位で優先的に引き込む停止制御が行われる。
内部抽選処理においては、副制御部への制御コマンドとして「遊技開始コマンド(遊技状態に関する情報や当選情報(抽選結果情報)を含む)」がセットされる。この遊技開始コマンドに含まれる「遊技状態に関する情報」には、「通常遊技中」、「RT遊技中」、「ボーナス遊技中」、「ボーナス持越遊技中」等の遊技状態に関する情報が含まれる。
ついで、回胴の起動態様を設定する回胴回転開始設定処理(ステップS6)が行われる。
回胴回転開始設定処理においてはウエイト処理を経て回転起動処理が行われる。ウエイト処理は、前回の回胴遊技においてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)を、主制御部に設けたウエイトタイマ(図示せず)により計時し、所定時間(ウエイト時間)が経過するまで今回の回胴遊技にいてリールの回転を開始せずに待機させるための処理である。回転起動処理においては、通常回転時の回胴起動条件及び、本発明に係る特別演出の回胴演出パターンに応じた回胴回転条件が設定される。
回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)が行われた後、リール回転始動が行われて各リール8a〜8cの回転状態に移行する。リール回転の後に、回胴回転停止ボタン16a〜16cの停止操作による回胴回転停止スイッチ16e、16f、16gの検出信号が出力された場合には、停止対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS7)。回胴停止処理では、上記当選情報と回胴の停止操作手順(停止操作タイミング)とに基づき、停止制御テーブルから滑りコマ数を算出し、これに基づく回胴の停止制御を行う。
回胴停止処理は、各リールについて停止操作を行った位置である停止操作位置と抽選処理の抽選結果に基づいて、メインROM102内に記憶された停止制御テーブルを参照して、該当リール停止位置でリールの回転を停止させることにより行われる。リール停止位置は、停止操作タイミングの位置からみて、図柄の駒数で所定の駒数以内(遊技規則に定められた4駒)で引き込んで停止するように決定される。停止操作タイミングの位置から4駒以内に抽選結果に対応する図柄が有る場合には、当選役図柄が有効ライン上に揃うように停止制御される。殊に、再遊技の停止制御処理においては、通常遊技状態やボーナスフラグ持越状態においても再遊技が当選している場合、再遊技が必ず有効ライン上に整列するように優先的引き込み制御が行われる。殊に、チェリー1が当選した場合には、チェリー1の役成立時に、「7」図柄が図柄組合せ表示領域内外に亘って整列する特定図柄表示が出現するように停止制御が実行可能になっている。チェリー2が当選した場合には、チェリー2の役不成立時に、「7」図柄が図柄組合せ表示領域内に整列する特定図柄表示が出現するように停止制御が実行可能になっている。
全リールの回転停止が確認されると、入賞判定処理が行われる(ステップS8)。入賞判定処理では、当選役に対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止したか否か、つまり入賞が発生したか否かの確認が行われる。
入賞判定処理の後、ART遊技の付与決定に基づくART設定処理が実行される(ステップS9)。ART設定処理の詳細は付与決定処理と併せて後述する。入賞判定処理により入賞が確認された場合には停止した図柄の組合せに基づき、払い出すべき遊技メダル枚数の設定処理を行う。入賞が発生した場合にはメダル払出枚数監視処理を行う(ステップS10)。メダル払出枚数監視処理により、入賞判定処理において設定された払い出し情報に基づき、メダルホッパー305を駆動制御して払出枚数分の遊技メダルの払い出し処理やクレジットの加算処理が行われる。
更に、遊技の進行を一時停止するフリーズ期間中に、通常と異なる前記回胴の回転駆動を行う特別演出の実行可否を決定する特別演出処理(ステップS11)が実行される。特別演出処理において決定された回胴演出パターンによる特別演出は次のフリーズ実行処理(ステップS12)において実行される。この特別演出には、本発明に係る領域内特定図柄表示演出が含まれている。特別演出処理においては、特別演出の実行可否の決定と共に、ART遊技の付与決定処理も行われる。特別演出処理及びフリーズ実行処理の詳細は後述する。
特別演出処理及びフリーズ実行処理の後、再遊技(リプレイ)の設定及びRT遊技状態の移行設定を行う再遊技RT設定処理が行われる(ステップS13)。再遊技RT設定処理では、当選情報等に基づいてRT遊技成立条件が成立したか否かを判定し、RT遊技成立条件が成立した場合にはRT1遊技状態又はRT2遊技状態への移行を設定する。再遊技RT設定処理(ステップS13)においては、リプレイ役の成立時に再遊技を行うための再遊技の設定処理も行われる。つまり、リプレイが有効入賞ライン上に停止したか否かを判定し、リプレイが停止した場合には、再遊技を付与するための設定処理を行いステップS14に移る。
再遊技RT設定処理の後、ボーナス遊技中か否かを判定し(ステップS14)、ボーナス遊技中である場合にはボーナス遊技作動中処理が行われる(ステップS16)。ボーナス遊技作動中処理では、ボーナス遊技の継続処理及びその終了に要求される設定処理が実行される。
主制御部は、ボーナス遊技中の払い出し枚数(ボーナス遊技中獲得枚数)と予め規定された最大獲得枚数を比較しながら、ボーナス遊技中獲得枚数が最大獲得枚数(ビッグボーナス遊技で200枚、レギュラーボーナス遊技で50枚)に達するまでボーナス遊技を継続し、ボーナス遊技中獲得枚数が最大獲得枚数に達するかあるいは超えた場合には、ボーナス遊技作動中処理を終了する。以上の各処理、設定を終えるとRAM初期化処理(ステップS2)に戻る。
ボーナス遊技中においてもART付与抽選が実行可能になっている。図7に示すように、抽選確率1/80でチャンス役が当選したことを契機に、ボーナス中付与抽選が実行され、付与抽選に当選することによりボーナス遊技中にボーナス図柄が揃うART確定役(青7−青7−青7又は赤7−赤7−赤7)が成立可能になる。ボーナス遊技終了後は通常遊技状態に戻るが、ART確定役の成立によりART遊技の付与が決定されているときには、RT2状態(ART遊技状態)に移行可能になっている。
ボーナス遊技中でない場合にはボーナス役(特別入賞役)の図柄組み合わせが有効ライン上に停止したか否かを判定し(ステップS15)、ボーナス役図柄が停止していない場合にはRAM初期化処理に移行する(ステップS2)。一方、ボーナス役図柄が停止し、ボーナス役が成立した場合にはボーナス遊技作動開始処理が行われる(ステップS17)。ボーナス遊技作動開始処理を終えると、ステップS2のRAM初期化処理に移行する。
図8はART設定処理(ステップS9)の処理内容を示す。
本実施形態においては、フリーズ期間中にリール逆回転演出等のリール(回胴)挙動に関連した特別演出を決定する特別演出処理(ステップS11)においてART遊技の付与決定も行っており、ART遊技の付与決定に応じてART遊技条件が設定される。ART遊技条件は、ART遊技状態フラグのオンと、ART遊技の付与決定からART遊技状態(RT2遊技状態)に移行するまでの移行ゲーム数(1〜30ゲームのいずれか)の設定である。
ART遊技の付与決定によりART遊技条件が設定されているときには、ART遊技状態に移行するまでの移行ゲーム数がカウントされる(ステップS90、S91)。移行ゲーム数のカウント処理はメインRAM103に設けた遊技回数カウンタ用メモリエリアにより実行可能になっている。移行ゲーム数のカウント値が設定値に達して、ART移行条件が成立したときにはART遊技条件がクリアされる。即ち、遊技回数カウンタのクリア及びART遊技状態フラグのオフが実行されると共に、RT2遊技状態フラグがオンになってメインRAM103の対応エリアにセットされる。
ART設定処理においてはRT2遊技状態の解除処理も実行される。即ち、RT2遊技状態において、リプレイ2が当選して不成立となった場合と、ART遊技中にAT役の取りこぼし(AT役の非入賞)が生じたときにRT2遊技状態の解除条件が成立する。RT2遊技状態の解除条件が成立すると、RT2遊技状態フラグはオフになる(ステップS94、S95)。
図9及び図10は特別演出処理(ステップS11)の処理内容を示す。
本実施形態では、ART遊技状態でない遊技状態においてスイカ役やベル役の当選時にも極めて低確率でART付与抽選の実行を可能にしているが、以下の説明では特定図柄表示の出現を明確にするために、チェリー1、2を主な抽選契機として説明している。ボーナス遊技中においてART付与抽選契機は、ボーナス遊技中にチャンス役が当選することにより、ART遊技の付与決定処理が実行可能になっている。
チェリー2の当選は100%ART遊技の付与に相当し、チェリー2の当選によりART遊技の付与が確定する。チェリー2の当選の場合には、ART付与抽選を行うことなく、図13の(13A)の移行ゲーム数抽選テーブルに基づいてART遊技条件の設定が行われる(ステップS110、S111)。
図13の(13A)はART付与決定における移行ゲーム数抽選テーブルを示す。この移行ゲーム数抽選テーブルには、ART遊技の付与決定からART遊技状態(RT2遊技状態)に移行するまでの移行ゲーム数(1〜30ゲームのいずれか)が1〜10、11〜19、20〜30の3段階に割り振られている。各段階において、夫々1/10、1/10、1/11の抽選確率でいずれかのゲーム数が選択抽選される。チェリー2の当選時には、短期間に移行可能となる、1〜10の移行ゲーム数が高い割合で割り付けられている。例えば、チェリー2の当選の場合には、1〜10の移行ゲーム数が24/32で最も多く割り付けられている。チェリー1の当選時には、1〜10の移行ゲーム数が低い割合で割り付けられている。例えば、チェリー1の当選の場合には、11〜19の移行ゲーム数が18/32で最も多く割り付けられている。
チェリー2の当選の場合には、ART遊技条件の設定と共に回胴演出パターンの設定が行われる。
図15は回胴演出パターンの種別を示す。これらの回胴演出パターンデータはメインROM102に格納されていて、夫々のフリーズ期間も各パターン毎に設定されている。回胴演出パターンPTN1は、本発明に係る特定図柄表示を視認可能に低速逆回転した後、通常遊技時と同様の速度で高速逆回転させ、低速逆回転(3秒間)と高速逆回転を交互に繰り返す回胴演出である。特定図柄表示を視認可能に低速逆回転する演出は本発明に係る領域内特定図柄表示演出に対応する。回胴演出パターンPTN1のフリーズ期間は30秒である。チェリー2の当選の場合には、ART遊技の付与確定を演出報知するために、特定図柄表示を含む回胴演出パターン1が一意に決定される。ART遊技条件及び回胴演出パターンの設定の後、ART当選フラグがオンになる(ステップS111、S112)。回胴演出パターンの設定は各パターンに対応する設定フラグをメインRAM103の対応メモリエリアにセットすることにより行われる。
回胴演出パターンPTN2〜6は領域内特定図柄表示演出を伴わない回胴演出である。回胴演出パターンPTN2は回胴逆回転を10秒間行う回胴演出であり、このときのフリーズ期間は20秒である。回胴演出パターンPTN3は回胴逆回転を5秒間行う回胴演出であり、このときのフリーズ期間は10秒である。回胴演出パターンPTN4〜6は回胴の始動時を通常時より短時間遅延させる回胴始動遅れ演出であり、夫々、フリーズ期間として、左回胴、中回胴、右回胴の始動遅延時間が400ミリ秒に設定されている。
チェリー1の当選時には、ART付与抽選と、ART当選による回胴演出パターンを決定するための回胴演出抽選が実行される(ステップS113、S114)。ART付与抽選は図13の(13B)に示す抽選テーブルに基づいて実行される。即ち、チェリー1の当選時には1/3の抽選確率でART遊技を付与するか否かの抽選が実行される。なお、ボーナス遊技中のチャンス役当選時におけるART付与抽選は1/2の抽選確率で実行可能になっている。
チェリー1の当選に基づくART付与抽選によりART付与が決定されると、図13の(13A)の移行ゲーム数抽選テーブルに基づいてART遊技条件の設定が行われる(ステップS115、S116)。更に、回胴演出パターンの設定が行われる。このときの回胴演出パターンの設定においては、図15の回胴演出パターンPTN1〜6のいずれかを決定する抽選が実行され、その抽選結果に応じた回胴演出パターンが設定される。チェリー1の当選によるART付与決定時においては領域内特定図柄表示演出を含む回胴演出パターン1が5/8の高い抽選確率(その他のパターンは略均等に抽選される)で優先選択可能になっている。なお、チャンス役の当選によるART付与決定時において回胴演出パターン1は更に高い抽選確率7/8で選択可能になっている。
チェリー1の当選によるART付与決定時にもART遊技条件及び回胴演出パターンの設定の後、ART当選フラグがオンになる(ステップS116、S117)。なお、チェリー1当選時にART付与が外れたときにも、低確率で回胴演出パターン4〜6が選択可能になっているが、この選択ルーティンは図9の処理フローから省略している。
ART付与抽選契機を発生させる役以外の役が当選した場合にはステップS118以下の処理に移る。ボーナス役の当選時も、回胴演出を実行するか否かの回胴演出抽選が行われる(ステップS118、S119)。この回胴演出抽選では、BB、RB当選時に、夫々、3/16、1/16の抽選確率で回胴演出の実行が決定される。回胴演出の実行が決定されると、回胴演出パターンの選択抽選が実行されて、設定される(ステップS120、S121)。ボーナス役とチェリー役が同時当選可能になっているので、同時当選した場合には領域内特定図柄表示演出を伴う回胴演出の実行が決定可能になっている。ボーナス役以外の小役、例えば、スイカ等の当選時には、ART非付与時において出現する所謂ガセ演出として回胴演出の実行可否が1/30の低確率で抽選により決定され、当選により設定される(ステップS122)。
図12はフリーズ実行処理(ステップS12)の処理内容を示す。回胴演出が設定されている場合、遊技開始によりフリーズ演出に移行する。フリーズ期間が開始されると、回胴演出パターンPTNが判別される(ステップS180、S181)。回胴演出パターン1のときには、特定図柄表示を図柄組合せ表示領域内に視認可能にするための回胴のスロー逆回転駆動が実行される(ステップS182、S183)。
図14は回胴演出パターン1による領域内特定図柄表示演出の実行例を示す。同図において、図柄種別を明確にするために、図面に図柄符号を付している。同図(14A)はチェリー1の当選時にチェリー図柄(符号33)が中回胴の中央停止位置E22に停止してチェリー1役が有効ラインL1上に成立した状態を示す。チェリー1当選のときには、「7を狙え!」といった「7」図柄を停止させる音声・表示ナビが実行されるので、遊技者が「青7」図柄を狙って回胴の停止操作を行って停止操作タイミングが合致したときには、チェリー1の成立と同時に、斜め上向きに「青7」図柄が図柄組合せ表示領域内外に亘って揃った状態で回胴停止制御が実行可能になる。同図(14A)はこの「青7」図柄揃いを伴ったチェリー1役成立状態を示す。
回胴演出パターン1の実行に際しては、前回の遊技によりチェリー1役が成立し、(14A)に示したような特定図柄が揃った図柄停止があるか否かを判断する(ステップS182)。図柄組合せ表示領域内外に特定図柄が揃った特定図柄表示があるときには、図柄停止状態から特定図柄表示を維持したまま3個の回胴を同期して低速で逆回転(図14における下から上への回転)させる。このスロー逆回転はフリーズ開始後、3秒経過したときから開始され、3秒間で図柄組合せ表示領域内を特定図柄表示が通過する、回胴の低速駆動により実行される。更に特定図柄表示が図柄組合せ表示領域内を通過した後、高速の逆回転駆動が実行される(ステップS183)。この回胴の低速及び高速逆回転駆動は設定回転時間(20秒)の間、繰り返し実行される(ステップS184)。
図14の(14B)は特定図柄表示が図柄組合せ表示領域内を通過する状態を示し、(14C)は高速逆回転状態を示す。遊技者はチェリー1役の成立と共に、図柄組合せ表示領域内を低速で通過する特定図柄表示を視認することにより、ART遊技の獲得への期待感が増大することになる。逆回転の設定回転時間(20秒)を経過したとき、再び回胴が停止され、フリーズ期間の経過により、通常の正回転状態に移行する(ステップS184、S185)。フリーズ期間中は、液晶表示装置3の画像表示による特定の画像演出が併行して実行される。フリーズ期間の最終段階では、液晶表示装置3の画像表示等によりART遊技の付与決定が報知され、遊技者は期待感の増大からART遊技の獲得を認知することとなる。通常の正回転状態への移行により、回胴の停止操作が有効化され、通常の回胴停止遊技に移行する。
チェリー2役が当選したときにも、「777を狙え」といった「7」図柄を停止させる音声・表示ナビが実行される。これにより、遊技者が「7」図柄を狙って回胴の停止操作を行って停止操作タイミングが合致し、且つチェリー2の不成立と同時に、非有効ラインの下段ラインの図柄停止位置E13−E23−E33に「7」図柄が横並びに揃う停止図柄表示が出現可能になる。図14の(14D)は「赤7」図柄が揃った特定図柄表示の図柄停止状態を示す。この特定図柄表示の図柄停止状態はチェリー2の不成立時に発生し、チェリー2を成立させたときには発生しない。
チェリー2の不成立時に、(14D)に示す特定図柄表示が図柄組合せ表示領域内にあるときには、チェリー1の場合と同様に、図柄停止状態から特定図柄表示を維持したまま3個の回胴を同期して低速で逆回転させ、高速逆回転を経て図柄組合せ表示領域内を視認可能に特定図柄表示を低速通過させる再表示が実行される(ステップS182、S183)。図柄組合せ表示領域内を視認可能に特定図柄表示を低速通過させる再表示処理は本発明に係る特定図柄再表示演出に対応する。特定図柄再表示演出も回胴の低速及び高速逆回転駆動は設定回転時間(20秒)の間、繰り返し実行される(ステップS184)。遊技者は例えば、チェリー1を狙って不成立となったにも拘わらず、図柄組合せ表示領域内に特定図柄表示が出現したことによりART遊技の獲得への期待感を増大させ、更に、フリーズ演出に移行して低速で図柄組合せ表示領域内を通過する特定図柄表示の再表示を視認することにより、ART遊技の獲得への確信を得ることとなる。
チェリー1、2の当選時における遊技において、(14A)又は(14D)に示した特定図柄表示が発生しなかった場合には、フリーズ期間の開始後3秒経過したときに、回胴の低速駆動を行いながら、特定図柄の「赤7」又は「青7」を3回胴で揃える整列駆動が実行される(ステップS186)。この整列駆動においては前回遊技の回胴停止状態から判断して、速やかに整列可能な「赤7」又は「青7」の組み合わせが決定されて、いずれかの特定図柄による図柄整列が実行される。特定図柄による図柄整列を行った後、その整列に係る特定図柄表示を図柄組合せ表示領域内で視認可能に低速移動させる。回胴演出パターン1以外の回胴演出の場合には、図15の回胴演出パターン2〜6のうち、設定されている回胴演出が実行される(ステップS180、S187)。
図16は上記のメイン処理により発生する遊技状態の遷移関係を示す。
同図(16A)は、メイン処理における一般遊技状態16A、RT1遊技状態16B、RT2遊技状態16C及び特別遊技状態16Eの遷移関係を示し、同図(16B)は各遊技状態間の遷移契機(移行条件)を示す。
RT1状態、RT2状態(ART遊技状態を含む。)あるいはボーナスゲーム状態(特別遊技状態16E)となっていない一般遊技状態16Aから移行条件4(AT役取りこぼし)が成立すると第1のRT1遊技状態16Bに移行する。RT1遊技状態16Bにおいて、移行条件5が成立すると、第2のRT2遊技状態16Cに移行する。移行条件5はART遊技の付与決定後の前記移行ゲーム数の消化によるART移行条件に対応する。
一般遊技状態16A及びRT1遊技状態16B及びRT2遊技状態16Cにおいて移行条件1のボーナスゲーム当選が成立すると、特別遊技内部当選中状態16Dを経て、移行条件2のボーナス図柄表示が成立することにより特別遊技状態16Eに移行可能になる。特別遊技状態16Eの終了(移行条件3の成立)により一般遊技遊技状態16Aに戻る。RT2遊技状態16Cにおいて、副制御部の制御下で実行される、AT役の停止ボタン押し順報知遊技のART遊技状態が実行される。ART遊技の終了後、リプレイ2の不成立(移行条件6の成立)によりRT2遊技状態16Cは解除されてRT1遊技状態16Bに移る。ART遊技中の移行条件7の成立(パンク条件の成立:AT役の取りこぼし)により一般遊技状態16Aに移る。ART遊技状態が終了してもRT2遊技状態が継続するが、ART終了後にAT役が当選してもその停止操作順序が報知されないので、AT役の非入賞(取りこぼし)が発生して、RT2遊技状態は速やかに解除される。
本実施形態では、一般遊技状態16AからART(RT2)遊技状態に直接的に移行させずに、RT1遊技状態16Bを経由させるモード移行システムを搭載しているが、本発明はこれらのRT遊技状態を付加せずに一般遊技状態16AからART遊技状態に移行可能にした回胴式遊技機にも適用することができる。
ART遊技中におけるAT役の停止操作順序(押し順)の報知処理やART遊技回数の上乗せ更新処理は副制御部によるサブ処理によって実行される。
図11は副制御部におけるART遊技のサブ側管理処理を示す。なお、同図においては、ART遊技中のボーナス当選による途中解除処理を省略している。
図17はサブ側におけるART遊技回数の設定処理を示す。
ART遊技状態に移行が決定すると、RT2遊技状態フラグのオン情報を受けて、サブ側でART遊技回数の設定処理が実行される。本実施形態においては、メイン処理により付与が決定された後、サブ処理によりART遊技が25ゲームを1単位(セット)として付与される。ART遊技の遊技回数の決定処理はメイン処理により実行するようにしてもよい。
図18はART遊技回数の決定処理に用いる遊技回数(セット回数)振分用抽選テーブルを示す。
ART遊技の移行により、図18の抽選テーブルに基づくセット回数の振分抽選が実行される(ステップS320、S321)。図18の抽選テーブルによれば、1〜10セットの値の何れかが選択可能になっており、例えば、セット回数3(総ART遊技回数:75)は12/256の確率で当選可能になっている。振分抽選により決定されたセット回数の値は、サブRAM203に設けたARTセット数カウンタ用のメモリエリアにセットされる(ステップS322)。
ART遊技が開始されると(ステップS300)、ART遊技のセット回数を記憶するART遊技セット数カウンタの値NSが1減算される(ステップS301)。更に、サブRAM203に設けたART遊技回数カウンタに初期値(25)が記憶、セットされる(ステップS302)。ついで、メダル投入又はクレジット設定の投入、リール回転始動操作により1回の回胴遊技が実行されると(ステップS303)、当選役に応じて遊技回数の上乗せ抽選が行われる(ステップS304)。
図19はサブROM202に格納した上乗せ抽選テーブルを示す。上乗せ抽選はリプレイ、チェリー役、スイカ、チャンス役の当選又は内部抽選外れを抽選契機にして実行可能になっている。例えば、スイカ役の当選時には、20ゲームの上乗せが256/65536の抽選確率で決定可能になっている。チェリー役等の当選時に、例えば、50ゲーム以上の大量ゲーム数の上乗せに当選した場合には、回胴演出(領域内特定図柄表示演出を含む)を実行可能にして上乗せ当選を報知するようにしてもよい。
上乗せ抽選に当選したときは、当選に係る上乗せ遊技回数によりART遊技セット数カウンタの上乗せ更新を行う(ステップS305、S306)。更に、ART遊技回数カウンタに対して1回分の減算を行う(ステップS307)。上記のART遊技セット数カウンタの更新により、ART遊技期間の上乗せ変更が実行される。以上の1セット分のART遊技を実行して消化し、ART遊技回数カウンタの値が0になると(ステップS308)、ART遊技セット数カウンタの値NSが0か否か、つまり、セット回数の残回数があれば(ステップS310)、再び、セット回数の減算及びART遊技回数カウンタの初期値セットを行って(ステップS301、S302)、1セット分のART遊技実行を繰り返す。セット回数の残回数がなくなると(ステップS310)、ART遊技を終了する。また、ART遊技中にATパンクが発生したときにはその時点で終了する(ステップS309)。
次に、副制御部の制御下において実行される報知演出制御を説明する。以下の説明では、主にART遊技状態における遊技回数の更新における報知演出制御を説明する。
図20は副制御部により実行される演出報知処理の概要を示す。
本実施形態においては、主に液晶表示装置3による画像表示により当選図柄や役種の告知、役獲得時の祝福演出等が行われる。この画像演出に加え、あるいは別個に上部スピーカ4、下部スピーカ22a、22bによる効果音、装飾ランプ部6の電飾効果を用いて各種音、光演出が実行される。
副制御部による演出報知処理は、遊技状態に応じた画像・音・光の演出報知が行われる。副制御部は主制御部からの制御コマンドを受けて遊技状態を判別し、通常遊技モード時には通常遊技演出報知処理を実行する(ステップS400、S405)。通常遊技演出報知処理では、主に、内部抽選の結果に関連した遊技情報、例えば、各種の役(特定役を含む。)、リプレイあるいは外れの100%告知、当選蓋然性の告知などが行われる。通常遊技演出報知処理には、領域内特定図柄表示演出を含むフリーズ演出の出現、ART付与抽選及び上乗せ抽選の結果を報知する報知処理も含まれている。
ボーナス遊技中の場合には、遊技機のモチーフの内容に沿ったボーナスゲームの進行演出及び獲得枚数の表示等を行うボーナス遊技中演出報知処理が実行される(ステップS401、S406)。
ART遊技モードの場合には、ART遊技の進行演出、ART遊技継続・上乗せの報知、獲得メダル枚数の累積表示等のART遊技演出報知処理が実行される(ステップS402、S407)。
内部当選状態の場合には、ボーナス役当選の確定報知、ART遊技の獲得有無ないし蓋然性の報知等を行う内部当選状態演出報知処理が実行される(ステップS403、S408)。更に、ボーナスゲームに入賞したときには、ボーナスゲームの発生を祝福演出するボーナス入賞時演出報知処理が実行される(ステップS404、S409)。フリーズ演出実行時、フリーズ期間中に実行される特定の映像演出は、通常遊技演出報知処理(ステップS405)や内部当選状態演出報知処理(ステップS408)において実行可能になっている。特に、フリーズ期間に領域内特定図柄表示演出が行われるときは、特定の映像演出のうち出現頻度の比較的低いプレミア的な演出が実行可能になっている。
副制御基板200は、ART遊技演出報知処理(ステップS407)において、当選役種別を取得して当選役に応じた演出処理を行う。当選役がAT役である場合には、サブROM202に記憶した当選役押し順報知演出選択テーブルに基づいて当選役種別に応じた押し順報知演出が選択される。例えば、押し順が中回胴→左回胴→右回胴のベル役に当選したときは、その停止操作手順に沿った右・左・中の指示音声が、最初のリール停止前に「みぎ」、次のリール停止前に「ひだり」、更に最後のリール停止前に「なか」といった音声出力順序で、画像表示と共に報知される。この押し順報知演出はART遊技全体の進行を演出するART進行演出と併行して実行される。ART遊技演出報知処理は停止操作順報知遊技における停止操作順序の報知制御を行う報知制御手段を構成する。当選AT図柄の種別を報知するART遊技を付与する場合にも、当選AT役の種別を報知する当選役報知制御手段を演出制御基板200に設けることにより当選役報知を行うことができる。なお、当選役がボーナス役である場合にはボーナス当選時の演出が選択され、小役又は外れである場合には夫々に応じた演出内容が選択され。
本実施形態によれば、特定役停止制御手段(ステップS7)により、抽選役の一つである特定役(チェリー1)に当選したとき、回胴停止タイミングが前記特定役の表示結果の導出タイミングと一致していることを条件に図柄表示窓8の図柄組合せ表示領域内に前記特定役の表示結果を導出可能にすると共に、前記特定役の表示結果に付随して、前記図柄組合せ表示領域内外に亘って、ART遊技の付与に関連した特定図柄(「赤7」、「青7」図柄)の組合せによる特定図柄表示結果を導出可能に回胴停止制御を行い、特別演出決定手段(ステップS114)によって前記特定役の当選に基づいて特別演出の実行を決定したことにより、遊技の進行を一時停止するフリーズ期間中に、通常と異なる回胴の回転駆動を行う前記特別演出を特別演出実行手段(ステップS12)により実行可能にし、ART付与が決定し、且つ、前記図柄組合せ表示領域内外に亘って前記特定図柄表示結果が導出されていることを条件に、前記特定図柄表示結果が前記図柄組合せ表示領域内に視認可能に回胴の回転駆動を行う領域内特定図柄表示演出(ステップS183)を出現させることができる。
従って、本形態においては、ART遊技の付与が決定されていることを、当該付与決定に関係する前記特定役の成立に付随して、前記領域内特定図柄表示演出により該付与決定有無を視覚的に明瞭に識別可能にする、前記特定図柄を用いた識別情報(前記特定図柄表示)を報知することができるので、ボーナス役の成立により付与されるボーナス遊技とは異なるART遊技を付与するART遊技付与機能を具備した回胴式遊技機における回胴遊技の興趣増大を図ることができる。即ち、前記特定役の表示結果だけでは前記特定役の成立(あるいは入賞)を識別することだけにとどまるが、本実施形態においては、前記特定役の成立に引き続いて、通常時と異なる回胴のスロー逆回転駆動が行われて、前記図柄組合せ表示領域内に前記特定図柄表示が識別可能に出現することになって、遊技者は前記特定図柄表示を視認してART遊技の付与が決定されていることを識別することができるので、特定役の成立から速やかに当該付与決定に係る識別情報の報知を衝撃的な出現タイミングで実行してART遊技獲得への期待感を高揚させることができる。
図21は別の実施例に係るART付与の高確率モードの決定処理を示す。
この実施例に係る回胴式遊技機は、本発明に係る領域内特定図柄表示演出を集中的に発生可能にして、遊技興趣をより一層高揚させるART付与の高確率モードを搭載した遊技機である。
図21の実施例は前記実施形態と異なり、メイン処理にてART遊技の付与セット数が決定可能となっている。即ち、チェリー1の当選に基づきART付与抽選を実行して当選したとき、更に付与セット数の抽選を行って当選したセット分のART遊技として付与され、当該セット数はメインRAM103の対応メモリエリアにセットされる。ART遊技状態に移行したときは、副制御部はメイン側よりセット数データを取得してART遊技の実行処理を行う。チェリー2の当選時にはART付与が確定しているので、付与セット数の抽選のみが行われる。チェリー2の当選時には、チェリー1の当選時より、付与セット数の大きい値が当選しやすく有利になっている。更に、ART付与の高確率モードの遊技状態に移行すると、チェリー1、2の区別なく、また付与セット数の抽選も行われず、チェリー役の当選により、ART遊技の1セットが獲得可能になる。回胴演出については、高確率モードにおいてはチェリー役の当選によりすべて、回胴演出パターン1による回胴演出が実行可能になっている。高確率モードにおいても、ART遊技付与抽選及び回胴演出抽選を行うことができる。その場合には、チェリー1が当選したとき、高確率でART遊技付与抽選を実行し、且つART遊技付与決定に応じて回胴演出抽選においても回胴演出パターン1が高確率で当選可能にするのが好ましい。
高確率モードの決定処理はメイン処理により実行可能になっている。いずれかのチェリー役に当選したときに、高確率モードの移行可否の抽選が行われる(ステップS190〜S192)。図13の(13C)は高確率モードの移行可否抽選に用いる抽選テーブルを示す。チェリー1、2の当選に応じて、夫々、1/100、1/2の抽選確率で移行可否抽選が実行される。チェリー1役は内部抽選の当選確率値を高めているので、移行抽選確率は低いものの、移行抽選契機は発生しやくなっている。この可否抽選に当選すると、高確率モードに移行可能となる。高確率モードの決定時にはモード中のゲーム数の抽選も実行され、1、3、8、20ゲームのいずれかが決定される(ステップS193、S194)。1、3、8、20ゲームの夫々の振分抽選確率は、5/32、12/32、10/32、5/32となっている。また、高確率モード時にはモードゲーム数の消化によりART遊技状態に移行可能になる。
高確率モード中においては、1遊技実行毎にゲーム回数がメインRAM103を用いてカウントされる。設定ゲーム数の消化により高確率モードは解除されると共に、RT2遊技状態フラグがオンになってART遊技状態に移行する(ステップS195、S198、S199)。高確率モード中にチェリー役に当選すると、ART遊技セット数のカウント値が1加算される(ステップS196、S197)。
図21の実施例によれば、高確率モード中にチェリー役に当選してART遊技セット数が増加する都度、回胴演出パターン1による回胴演出が実行されるので、遊技者はメダル獲得が大量となる期待感を高め、遊技興趣を一層向上させることができる。
図22は、更に別の実施例に係るART付与・設定処理を示す。図23は図22の実施例における特別演出処理を示す。
図9及び図10に示した特別演出処理では、回胴演出抽選とART付与抽選を行っているが、それらを分離して行うことができる。図22及び図23は回胴演出抽選とART付与抽選を別個に処理する実施例を示す。
図22に示すように、ART遊技条件が未設定のときにチェリー2に当選すると、ART遊技の付与が確定するので、前記実施形態と同様にART遊技条件の設定が行われてART当選フラグF1がオンになる(ステップS210〜S213)。チェリー1又はチャンス役に当選したときにはART付与抽選が実行され、当選によりART遊技条件が設定され、チェリー2当選時と区別するART当選フラグF2がオンになる(ステップS211〜S218)。ART当選フラグF1、F2はメインRAM103の対応エリアにセットされる。ART遊技条件が設定されているときには、図8のART設定処理におけるステップS90〜S93と同様のART移行処理が実行される(ステップS210、S219)。
図23に示す特別演出処理においては、ART当選フラグF1、F2のオン・オフに応じて回胴演出パターンの設定が実行される。ART当選フラグF1がオンのときには、領域内特定図柄表示演出を含む回胴演出パターン1が設定されて実行可能になる(ステップS230、S231)。ART当選フラグF2がオンのときには、回胴演出パターンを決定する回胴演出抽選が実行されて、当選した回胴演出パターンが設定される(ステップS230、ステップS232〜S235)。この回胴演出抽選により回胴演出パターン1が設定されたときには、前記領域内特定図柄表示演出が実行可能になる。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。