以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。まず、図1〜図14を用いて、本発明に係る遊技機の一例であるスロットマシン1の構成について説明する。ここで、図1はスロットマシン1の正面図であり、図2はスロットマシン1の機能の概略を示すブロック図であり、図3はこのスロットマシン1における制御システムを示すブロック図であり、図4はメインリール及びサブリールの外周面の図柄配列の一例を示す説明図であり、図5は役と図柄の組み合わせを示す説明図であり、図6は操作手段の操作とリールの作動のタイミングを示す説明図であり、図7はメインリール及びサブリールの配置と有効ラインを説明するための説明図であり、図8はステッピングモータのステップ数の割り当て状態を説明するための説明図であり、図9は最小遊技時間を説明するための説明図であり、図10は各遊技状態に対して設定された役抽選テーブルの当選確率を示す説明図であり、図11はストップボタンの押し順と入賞との関係を示す説明図であり、図12はメインリールの停止制御に用いられるテーブルを説明するための説明図であり、図13は電源投入時の設定値設定手段150の処理を示すフローチャートであり、図14はこのスロットマシン1における遊技状態の遷移を示す説明図である。
このスロットマシン1は、図1に示すように、3個のメインリール21a〜21cに表示されている図柄のうち、所定の図柄の組み合わせを所定のライン上に揃えることにより、所定の枚数の遊技メダルを獲得する遊技を提供するものであり、図2に示すように、メインリール21a〜21cにより図柄を表示する図柄表示手段20と、遊技者の操作を受け付ける操作手段30と、遊技の制御を行うメイン制御基板100と、遊技に対する演出を行う演出手段40と、この演出手段40を制御するサブ制御基板200と、から構成されている。なお、本実施形態に係るスロットマシン1においては、メイン制御基板100により制御される上述の3個のメインリール21a〜21c(まとめて「メインリール21」とも呼ぶ)に加えて、サブ制御手段200により制御される1個のサブリール46を有して構成されている(詳細は後述する)。
(メイン制御基板100)
メイン制御基板100は、スロットマシン1における遊技の進行や演出等を含む全体を統括制御する手段であり、役の抽選を行う役抽選手段110、図柄表示手段20の駆動(回転及び停止)制御を行うリール制御手段120、図柄表示手段20が停止したときの図柄の判定を行う停止図柄判定手段130、入賞時の遊技メダルの払い出し等を制御する払出し制御手段140、出玉率に関する設定値を設定する設定値設定手段150、役抽選手段110の抽選結果等を記憶するフラグ情報記憶手段160、役抽選手段110で特別役に当選したときに、後述する有効ライン上に対応する図柄の組み合わせが停止するまで(入賞するまで)当選した状態を保持する特別役持ち越し手段170、遊技の進行や状態を制御する遊技状態制御手段180、遊技に関する情報を外部出力端子70を介して外部機器(例えば、スロットマシン1を管理するホールコンピュータや各々のスロットマシン1の状態を表示する表示装置等)に出力する遊技情報出力手段185、及び、後述するフリーズ制御を行うフリーズ制御手段190を有して構成されている。このメイン制御基板100は、図3に示すように、演算等を行うメインCPU101と、役の抽選を行うための乱数発生器102と、メインCPU101が各種制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM103と、遊技の進行等に必要なプログラムを記憶しておくROM104と、サブ制御基板200と通信を行うI/F回路105と、を有しており、これらはバス106で接続されてデータの送受信が可能に構成されている。このメイン制御基板100において、メインCPU101は、ROM104に記録された遊技用制御プログラムをRAM103に展開して実行し、遊技の制御を行うように構成されている。
このメイン制御基板100の出力側(図2中、右側)には、図柄表示手段20が電気的に接続されている。この図柄表示手段20は、円筒外周面に沿って多種の図柄が描かれた回転可能な3個のメインリール21(左リール21a、中リール21b、右リール21c)、リール駆動手段22(左リール駆動手段22a、中リール駆動手段22b、右リール駆動手段22c)、及び、リール位置検出手段23(左リール位置検出手段23a、中リール位置検出手段23b、右リール位置検出手段23c)を有して構成されている。ここで、上述したサブリール46は、メインリール21a〜21cと同一形状を有しており、図3に示すように、正面左側から順に、左リール21a、中リール21b、サブリール46及び右リール21cが左右方向に並列に設けられている。そして、3個のメインリール21a〜21cのうち、左リール21a及び中リール21bとサブリール46とが、スロットマシン1の前扉3に形成された第1リール表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、これらの左リール21a、中リール21b及びサブリール46は、スロットマシン1の第1リール表示窓11からは、合計9個の図柄が見えるように配置されている。また、右リール21cが、スロットマシン1の前扉3に形成された第2リール表示窓12から、第1リール表示窓11の下段の位置に相当する図柄が見えるように配置されている。なお、3つのメインリール21a〜21cのうち、サブリール46と対応付けられたメインリール(本実施形態の場合は、右リール21c)を「特定リール」と呼び、この特定リール以外のメインリール(本実施形態の場合は、左リール21a及び中リール21b)を「通常リール」と呼ぶ。
メインリール21a〜21c及びサブリール46の各々には、例えば、図4に示すように0番から19番までの20個の図柄が表示されており、番号が増加する順で変動表示される。なお、この図4に示す図柄及びその配置は一例である。また、図2に示すように、リール駆動手段22(22a〜22c)は、ステッピングモータ等で構成され、メインリール21(21a〜21c)の各々の回転中心部に連結され、その作動はメイン制御基板100のリール制御手段120により制御される。さらに、図2には図示していないが、リール位置検出手段23a〜23cは、各々のメインリール21a〜21cの停止位置を検出し、有効ライン上に表示されている図柄を判定するためのものであり、このリール位置検出手段23a〜23cによる検出値はメイン制御基板100により読み出され停止図柄判定手段130に渡される。なお、各々のリール駆動手段22(22a〜22c)の上方には、リールセンサが配置されている。このリールセンサは、メインリール21(21a〜21c)の基準となる位置を検知するものであり、メインリール21(21a〜21c)とリール駆動手段22(22a〜22c)とを連結する部分に取り付けられた被検知部材(インデックス)がこのリールセンサの前を通過したときに、リールセンサで被検知部材を検出するように構成されている。これにより、メインリール21(21a〜21c)が一回転するごとに、それぞれの被検知部材がリールセンサにより検知され、基準となる位置を特定することができる。また、サブリール46も同様に、サブリール駆動手段46aとサブリール位置検出手段46bを有し、その他の構成は、上述のメインリール21と同じである。なお、リールセンサとしては、フォトセンサ、磁気センサ、タッチセンサ等を用いることができる。
また、第1リール表示窓11から見える9つの図柄のそれぞれの後方に、9個のバックランプ44が配置されている。このバックランプ44を点灯することにより、各図柄を強調表示することができる。なお、第2リール表示窓12から見える1つの図画の後方にバックランプ44を配置してもよい。すなわち、メインリール21(21a〜21c)及びサブリール46は、複数の図柄が表示された複数の表示領域(第1リール表示窓11から見える合計9つの図柄の領域、及び、第2リール表示窓12から見える1つの図柄の領域)を変動表示させる変動表示手段としての機能を有し、また、バックランプ44は、この変動表示手段の表示領域に対する演出を行う表示領域演出手段としての機能を有している。
また、このメイン制御基板100の出力側には、遊技メダルを払出すホッパー装置50が接続されており、その動作は払出し制御手段140により制御される。
また、メイン制御基板100の入力側(図2中、左側)には、操作手段30が電気的に接続されており、この操作手段30はベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)、スタートレバー32、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)、及び、精算ボタン34を有している。スタートレバー32は、図柄表示手段20として設けられたメインリール21a〜21c及びサブリール46を始動させるときに操作するレバーであって、始動手段としての機能を有している。また、ストップボタン33(33a〜33c)は、回転しているメインリール21a〜21c及びサブリール46の各々を停止させるときに遊技者が操作するボタンであって、停止手段としての機能を有している。なお、以降の説明では、左ストップボタン33aを操作すると左リール21aが停止、中ストップボタン33bを操作すると中リール21bが停止、右ストップボタン33cを操作すると右リール21c及びサブリール46が停止するように構成されている場合について説明するが、本発明がこの構成に限定されることなく、左ストップボタン33a又は中ストップボタン33bの操作に応じてサブリール46を停止させるように構成することも可能である。また、サブリールの位置は、上記の構成に限定されることはなく、左リール21aの左側、左リール21aと中リール21bとの間、又は右リール21cの右側に配置してもよい。例えば、左リールの左側(実施例の21aの位置)にサブリールを配置したときは、左ストップボタンを操作すると、サブリールと一番右側(実施例の21cの位置)のメインリールが停止するように構成してもよい。
また、ベットボタン31は、遊技者が貯留メダル(クレジット)をスロットマシン1に投入する(ベットする)ときに操作するスイッチであって、その操作によって後述する図柄組み合わせラインが有効化される。なお、図1に示すメダル投入口51は、ベットボタン31と同様に、図柄組み合わせラインを有効化するために遊技メダルを投入する部分であり、このメダル投入口51からの遊技メダルの投入は、ベットボタン31の操作に含まれるものである。なお、1回の単位遊技にベット可能な枚数を超えて遊技メダルが投入された場合には、所定の枚数の範囲内でこのスロットマシン1の内部(遊技媒体貯留手段141)に貯留されるように構成されている。また、精算ボタン34は、スロットマシン1の内部に貯留された遊技メダル及びベットされている遊技メダルを払い出すためのボタンである。
(役抽選手段110)
役抽選手段110は、乱数値を発生させる乱数発生手段111と、この乱数発生手段111から乱数値を抽出する乱数抽出手段112と、複数の役の各々の当選確率が乱数値の取り得る範囲に対応して定義された役抽選テーブルを記憶する役抽選テーブル記憶手段114と、乱数抽出手段112により取得された乱数値及び役抽選テーブルにより役に当選したか否かを判定する乱数判定手段113と、を有して構成されている。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1の役としては、図5に示すように、特別役、入賞役、及び、再遊技役が設けられている。この役抽選手段110は、何らかの役に当選したときは、後述するフラグ情報記憶手段160に対して当選した役のフラグをオンにする。このように、役抽選手段110は、当選役を決定し、変動表示手段の表示領域を変動表示させるときに、少なくともその変動表示内容(停止図柄)を決定する役決定手段としての機能を有している。
ここで、特別役とは、その役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、遊技メダルは払い出されないが、特別遊技状態に移行されるという役であり、本実施形態においては、MB(ミドルボーナス)が設けられている。このMBは特別遊技の1つであるMB遊技(いわゆる、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、遊技メダルが3枚投入されて遊技が行われた場合には、図5に示す特別役MBの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止(入賞)すると、MB遊技に移行するように構成されている。なお、MB遊技は、抽選結果に関わらず全ての入賞役(小役)が当選した状態となり、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、30枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。なお、このMB遊技においては、後述するリール制御手段120は、3つのメインリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから、1コマ分以内で、そのメインリール21a〜21cの回転を停止させるよう定められている(本実施形態に係るスロットマシン1では、右リール21cが該当する)。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、MB遊技においてベットされる遊技メダルの枚数は2枚に設定されている。
なお、特別役はこのMBに限定されることはなく、BB(ビッグボーナス)、RB(レギュラーボーナス)、SB(シングルボーナス)、CB(チャレンジボーナス)等を設けることもできる。BBは、特別遊技の1つであるBB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動する遊技)に移行させる役であり、RBは特別遊技の他の1つであるRB遊技(いわゆる、第一種特別役物に係る条件作動装置が作動する遊技)に移行させる役である。ここで、BB遊技は、一般遊技と所定小役が高確率で当選するボーナスゲームとを、遊技メダルの払出枚数が所定枚数(例えば、345枚)を超えるまで繰り返し行うことができる遊技である。また、RB遊技は、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを12回行うか、8回入賞するまで繰り返し行うことができる遊技である。また、SBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、所定小役が高確率で当選するボーナスゲームを1遊技行うSB遊技が行われるが、このSBは遊技状態を制御するための役として用いられることもある。また、CBの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、抽選結果に関わらず全ての入賞役(小役)が当選した状態となり、1遊技の結果が得られた場合に終了する。このCB遊技において、後述するリール制御手段120は、3つのメインリール21a〜21cのうちの少なくとも1つのリールに対して、ストップボタン33(33a〜33c)が押されたときから1コマ分以内で、そのメインリール21a〜21cの回転を停止させるように定められている。
また、入賞役(小役)とは、その図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、予め定められた枚数の遊技メダルが払い出される役であり、図5に示すように、入賞役(小役)の種類に応じて、その役に対応する図柄の組み合わせ及び払出される遊技メダルの枚数が異なるように設定されている。この本実施形態に係るスロットマシン1においては、入賞役A〜入賞役Vが設定されている。また、再遊技役(リプレイ)とは、この再遊技役の図柄の組み合わせが揃った遊技で投入したメダル枚数を維持して再度遊技が行えるようにした役である。本実施形態に係るスロットマシン1においては、図5に示すように再遊技役A〜再遊技役Gが設定されている。なお、再遊技役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止した次の遊技においても、メダル投入口51からの遊技メダルの投入は可能である。
(リール制御手段120)
リール制御手段120は、操作手段30のスタートレバー32及びストップボタン33が操作されたタイミングに応じて、メインリール21a〜21cの回転の開始及び停止の制御を行う。より具体的には、図6に示すように、リール制御手段120は、時刻t0においてスタートレバー32が操作されると、メインリール21a〜21cを回転させ、その後、時刻t1〜t3においてストップボタン33a〜33cが操作される毎に、後述する遊技状態制御手段180で管理されている遊技状態(例えば、通常遊技状態、内部中遊技状態、特別遊技状態等)、役抽選手段110による抽選の結果、並びに、ストップボタン33(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33c)が操作されたタイミングに基づいて、当該操作がされたストップボタン33a〜33cに対応するメインリール21a〜21cの停止位置を決定すると共に、リール駆動手段(ステッピングモータ)22a〜22cの駆動を制御して、その決定した位置でメインリール21a〜21cの各々の回転を停止させる。このように、リール制御手段120は、複数の図柄が表示された表示領域を変動表示させる変動表示手段としてのメインリール21a〜21cを、停止手段であるストップボタン33a〜33cの操作に応じて停止させる変動表示制御手段の機能を有している。
ここで、スロットマシン1の第1リール表示窓11及び第2リール表示窓12に表示されているメインリール21a〜21cには、図柄組み合わせラインが設けられている。この「図柄組み合わせライン」とは、メインリール21a〜21cの停止時における図柄の並びラインであって、図柄の組み合わせを形成させるラインである。例えば、本実施形態では、図7に示すように、上述のように第1リール表示窓11に表示される3×3の9個の図柄停止位置60〜68のうち、左リール21a及び中リール21bの6個の図柄停止位置60〜65と、第2リール表示窓12に表示される右リール21cの1個の図柄停止位置69に対して、それぞれのリール21a〜21cから1個ずつの図柄停止位置を選択してそれらを結ぶラインとして構成される。
さらに、これらの図柄組み合わせラインの中から、有効ラインと無効ラインとが設定される。「有効ライン」とは、本実施形態では、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止したときに、入賞と判定されその役に応じた利益が遊技者に付与されるラインである。一方、「無効ライン」とは、図柄組み合わせラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組み合わせがそのライン上に停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(遊技メダルの払い出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組み合わせの成立対象となっていないラインである。これらの有効ライン及び無効ラインは、遊技者によって投入された遊技メダルの枚数に応じて設定されるように構成することもできるし、予め決めておくこともできる。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、図7に示すように、左リール21a及び中リール21bの中段の図柄停止位置61,64及び右リール21cの図柄停止位置69を結ぶラインLが有効ラインとして設定されている。なお、この図柄組み合わせラインの構成は一例であって、本発明がこの構成に限定されることはない。
上述したリール駆動手段22a〜22cの各々を構成するステッピングモータは、特に図示していないが、メイン制御基板100から供給される駆動パルスにより励磁する4相のコイルを有している。そして、4相のコイルのうち、同時に2つが励磁した状態となる2相励磁と、4相のコイルのうちの1つが励磁した状態となる1相励磁とが交互に繰り返される1〜2相励磁により、ローターが回転するように構成されている。また、このステッピングモータにはメインリール21a〜21cの制御用に所定のステップ数が定められており、メインリール21a〜21cの各図柄に対してステップ数を割り当てることで、1図柄単位での停止を制御するように構成されている。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1が有するステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)におけるステップ数の割り当てについて説明する。このステッピングモータは、全ステップ数として例えば504ステップ(=21×24)が設定され、かつ、回転速度が80rpmとなっている。また、このスロットマシン1では、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から所定の時間Ts(例えば、190ms)以内に、かつ、当該時点から最大5個の図柄の範囲内で、メインリール21a〜21cの回転を停止させるように構成されている。
例えば、メインリール21a〜21cとして、周囲に21個の図柄が配置されたリールを使用する場合には、各図柄に対して、均等に24ステップを割り当てることができる。そして、上述したように、ステッピングモータの回転速度は80rpmであることから、1ステップ当たりの制御時間は1.49msとなる。すると、ストップボタン33a〜33cの各々が操作された時点から最大で5図柄先で停止させるとすると、5図柄分のステップ数は120ステップ(=24×5)であるため、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するメインリール21a〜21cが停止するまでの時間は、178.8ms(=1.49×120)となる。なお、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングによっては、1ステップ分、遅れて停止の処理が行われる可能性があるが、これを考慮しても、ストップボタン33a〜33cが操作されてから対応するメインリール21a〜21cが停止するまでの時間は、最大で180.29ms(=178.8+1.49)となり、190ms以内に収めることができる。
しかし、本実施形態に係るスロットマシン1のメインリール21a〜21cには、上述したように、周囲に20個の図柄が表示されており、各図柄に対して均等にステップ数を割り当てることができない。また、21個の場合よりも図柄の数が1個減ることにより、割り当てられるステップ数が多くなる図柄が必要となるため、ステップ数の割り当てが偏ると、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から最大で5図柄先で停止させようとした場合、190ms以内に停止させることができなくなるおそれがある。そのため、本実施形態に係るスロットマシン1では、図8に示すように、全ステップ数として設定されている504ステップを20で除算したときの商M(すなわち25)及び余りP(すなわち4)に基づき、20個の図柄のうち、連続する5個の図柄の範囲のいずれにもM+1ステップ(すなわち、26ステップ)を割り当てたP/4個(すなわち、1個)の図柄と、Mステップ(すなわち、25ステップ)を割り当てた(20−P)/4個(すなわち、4個)の図柄とが含まれるように構成している。具体的には図8に示すように、25ステップ、25ステップ、25ステップ、25ステップ、26ステップという並びを4回繰り返すように、リール21a〜21cの各図柄に対してステップ数を割り当てている。
このように各メインリール21a〜21cにステップ数を割り当てることにより、20個の図柄のうち、いずれの連続する5個の範囲においても25ステップが割り当てられた4個と26ステップが割り当てられた1個が含まれることとなるため、5個の図柄の範囲におけるステップ数の合計は126ステップ(=25×4+26)となり、停止時間を190ms以内に収めることができる。
また、上述したように、役抽選手段110で決定される役に特別役が含まれるスロットマシン1のリール制御手段120は、特別役に当選し、特別役持ち越し手段によりその特別役が持ち越されている遊技において、入賞役Gや再遊技役Aに当選しているときは、これらの入賞役Gや再遊技役Aを優先して有効ライン上に停止させるようにメインリール21a〜21cの作動を制御するように構成することができる。なお、このようなメインリール21a〜21cを停止させる際の制御は、後述するようにリール制御用の停止テーブルを用いて行われる。
また、リール制御手段120は、前の遊技と次の遊技との間隔が所定の時間(最小遊技時間)T0以上になるようにメインリール21a〜21cの作動を制御するように構成されている。すなわち、図6に示すように、時刻t0においてスタートレバー32が操作されてメインリール21a〜21cが回転を開始したときから最小遊技時間T0が経過した後に次の遊技が開始されたとき(時刻t0から時間T0が経過した時刻t4よりも後の時刻t5において再びスタートレバー32が操作されたとき)は、そのスタートレバー32の操作に応じてメインリール21a〜21cの回転を開始させる(時刻t5にリール21a〜21cの回転を開始させる)。しかし、図9に示すように、最小遊技時間T0が経過する時刻t4より前の時刻t5′においてスタートレバー32が操作されたときは、リール制御手段120は、スタートレバー32が操作された時点(時刻t5′)ではメインリール21a〜21cの回転は開始させず、最小遊技時間T0が経過した時点(時刻t4)においてメインリール21a〜21cの回転を開始させる。なお、この最小遊技時間T0としては、例えば、4.1秒が設定される。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1において、入賞役(小役)は、上述したように入賞役A〜入賞役Vの22個の役から構成されている。この入賞役A〜入賞役Vは、図5に示すようにそれぞれの図柄の組み合わせが異なるように構成されている。また、入賞役A〜入賞役Vの各々に対して複数の図柄の組み合わせが対応付けられている場合がある。なお、この入賞役A〜入賞役Vに対しては、図10に示すように、これらの入賞役A〜入賞役Vを組み合わせた(重複当選されるように構成された)39個の当選役が割り当てられている(以下、これらの入賞役を含む当選役を「小役1」及び「小役2」と呼ぶ(小役1−A1〜A9、小役1−B1〜B9、小役1−C1〜C9、小役1−D1〜D9及び小役2−1〜3))。この図10において、当選役の括弧内は、小役1及び小役2に割り当てられた入賞役A〜入賞役Vを示し、例えば、当選役として小役1−A1が当選したときは、入賞役G、入賞役H、入賞役I及び入賞役Nが重複して当選することを示している。なお、本実施形態においては、入賞役を含む当選役においては、この入賞役が重複当選する構成となっているが、いずれかの入賞役が単独当選する当選役を含むように構成してもよい。
そして、図11に示すように、これらの当選役のうち、小役1(小役1−A1〜A9、小役1−B1〜B9、小役1−C1〜C9及び小役1−D1〜D9)に対して、ストップボタン33a〜33cの押し順が割り当てられている(以下、これらの小役1を「押し順ベル」とも呼ぶ)。この図11において、たとえば「左**」は、第1停止として左ストップボタン33aが操作され、第2及び第3停止は、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cが任意の順序で操作される場合を示している。また、「中左右」は、第1停止として中ストップボタン33bが操作され、第2停止として左ストップボタン33aが操作され、第3停止として右ストップボタン33cが操作される場合を示している。
上述したように、リール制御手段120は、ストップボタン33a〜33cの各々が操作されると、対応するメインリール21a〜21cを、その操作がされたときに、第1リール表示窓11の中段に相当する位置にある図柄を含めて5図柄以内に停止するように構成されている。図4に示すように、本実施形態に係るスロットマシン1では、メインリール21a〜21cのうち、左リール21a及び中リール21bの何れにおいても、「ベル」の図柄は、互いの間隔が5図柄以内になるように配置されている。そのため、左リール21a及び中リール21cの各々がどのような回転位置にあったとしても、ストップボタン33a及び33bの操作がされると、リール制御手段120は、有効ライン上にベルの図柄を引き込むことができる。また、右リール21cにおける「ブランクB」の図柄も同様に有効ライン上に引き込むことができる。そのため、上述した小役1(押し順ベル)が当選し、割り当てられた押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、ストップボタン33a〜33cがどのタイミングで操作されたとしても、リール制御手段120は、上述した図柄で構成される入賞役Gの図柄の組み合わせ(「ベル」−「ベル」−「ブランクB」)を有効ライン上に揃える制御を行うように構成されている。
以下に、押し順ベルが当選したときのリール制御手段120による停止制御の例として、小役1−A1が当選役である場合について、ストップボタン33a〜33cの押し順毎に説明する。なお、図10に示すように小役1−A1に対しては、入賞役G、入賞役H、入賞役I及び入賞役Nが重複当選し、その正解押し順(入賞役Gが有効ライン上に揃う押し順)は「中左右」である。
(中左右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
当選役として小役1−A1が決定されたときに、中左右の順でストップボタン33a〜33cが操作される、すなわち、第1停止として中ストップボタン33bが操作され、第2停止として左ストップボタン33aが操作され、第3停止とし右ストップボタン33cが操作されると、各々のストップボタン33a〜33cの操作において、リール制御手段120は「枚数優先停止制御」に従って、有効ライン上に入賞役G(「ベル」−「ベル」−「ブランクB」)の図柄の組み合わせを停止させ8枚(特別遊技中は2枚)の払い出しを行う(図11の「○」)。なお、以降の説明において、この入賞役Gを「高目ベル」と呼ぶ。ここで、「枚数優先停止制御」とは、重複当選している複数の入賞役のうち、最も払い出し枚数が多い役に対応する図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するようにメインリール21a〜21cを停止制御することを指す。本実施形態において、小役1−A1で当選する入賞役のうち、払い出される遊技メダルの枚数が最も多いのは、図5に示すように、8枚(又は2枚)の遊技メダルが払い出される入賞役Gである。
(中右左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
中左右で操作した場合の停止制御で説明したように、第1停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は「枚数優先制御」に従って、中リール21bの中段(有効ライン上)に入賞役Gを構成する「ベル」の図柄を停止させる。
次に、第2停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先制御」に従って、右リール21cの下段(有効ライン上)に停止させる図柄を決定する。ここで、「個数優先停止制御」とは、1つのメインリール(21a〜21cの各々)の停止受付時に、停止可能な範囲内でその図柄を有効ラインに停止させたときに入賞可能性を有する役の数が最も多くなるように、メインリール21a〜21cを停止制御することを指す(一つの役に複数の図柄の組み合わせが割り当てられているときは、図柄の組み合わせ毎に1個の役と考える)。本実施形態のスロットマシン1において、小役1−A1を構成する入賞役G、入賞役H、入賞役I及び入賞役Nに割り当てられた図柄の組み合わせのうち、中リール21bに「ベル」の図柄を含む図柄の組み合わせ(役)が割り当てられているものは、入賞役G、入賞役H及び入賞役Iである。ここで、右リール21cの下段に「ブランクB」の図柄を停止させると入賞役Gを構成する1つの図柄の組み合わせしか有効ライン上に揃えることができないが、「白リプレイ」、「赤リプレイ」又は「ブランクA」のいずれかの図柄を停止させると、それぞれに対して入賞役H及び入賞役Iを構成する図柄の組み合わせのうちの2つを有効ライン上に揃えることができる。また、図5に示すように、右リール21cにおいて、どのタイミングで右ストップボタン33cが操作された場合であっても、下段に「白リプレイ」、「赤リプレイ」及び「ブランクA」のいずれかの図柄を引き込むことができる。以上より、小役1−A1に含まれる入賞役G、入賞役H、入賞役I及び入賞役Nに当選しているときに、中右の順序で停止操作がされた際の右リール21cの図柄の個数は「白リプレイ」の図柄が最も多くなるが、有効ライン上に引き込める範囲内で個数優先を使用するため、リール制御手段120は、どのタイミング停止操作をしても、「白リプレイ」、「赤リプレイ」及び「ブランクA」のいずれかの図柄を停止させる。
そして、第3停止である左ストップボタン33aの操作時に、中リール21b及び右リール21cに入賞役H又は入賞役Iの図柄の組み合わせが停止されており、且つ、既に停止している図柄に対応する入賞役を構成する図柄を左リール21aの中段に停止させることができるときはその図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図11の「△」)、停止させることができないときは、いずれの役の図柄の組み合わせも有効ライン上に停止しない図柄の組み合わせ(このときに表示した図柄の組み合わせを「はずれ目」と呼ぶ)となる図柄を停止させる(図11の「×」)。例えば、第1停止及び第2停止で、中リール21b及び右リール21cの有効ライン上に「ベル−白リプレイ」が停止している場合には、左リール21aの中段に「スイカ」又は「ブランクB」の図柄を停止させることにより入賞役Iの図柄の組み合わせを揃えることができるが、図4から明らかなように、左リール21aの図柄の配置から、この左リール21aがどの位置にあるときに左ストップボタン33aが操作されても、「スカイ」又は「ブランクB」のいずれかの図柄を必ず有効ライン上に引き込むことができる。そのため、リール制御手段120は、これらの図柄のいずれかを有効ライン上に停止させる。また、第1停止及び第2停止で、中リール21b及び右リール21cの有効ライン上に「ベル−ブランクA」が停止している場合も同様である。一方、第1停止及び第2停止で、中リール21b及び右リール21cの有効ライン上に「ベル−赤リプレイ」が停止している場合には、左リール21aの有効ライン上に「青7」又は「赤7」の図柄を停止させることにより入賞役Hの図柄の組み合わせを揃えることができるが、この左リール21aにおいてストップボタン33aが操作されるタイミングによっては、これらの図柄を有効ライン上に引き込むことができない。そのため、リール制御手段120は、これらの図柄を左リール21aの有効ライン上に停止させることができるときはこの図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図11の「△」)、引き込むことができないときは、はずれ目となる図柄を停止させる(図11の「×」)。なお、以降の説明において、この入賞役H〜入賞役Vを「安目ベル」と呼ぶ。
なお、図5には示していないが、リール制御手段120は、メインリール21a〜21cのそれぞれに対して、それぞれのメインリールが第3停止になるときのはずれ目の図柄の組み合わせが設定されており、その図柄の組み合わせを参照してメインリール21a〜21cの停止制御を行うように構成することができる。
(左中右の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
左中右の順でストップボタン33a〜33cが操作されると、第1停止である左ストップボタン33aの操作時に、リール制御手段120は「個数優先停止制御」に従って左リール21aの中段に停止させる図柄を決定する。本実施形態のスロットマシン1において、小役1−A1を構成する入賞役G、入賞役H、入賞役I及び入賞役Nに割り当てられた図柄の組み合わせのうち、左リール21aの中段に「ベル」、「赤7」及び「青7」のいずれかの図柄を停止させると、入賞役G又は入賞役Hを構成する図柄の組み合わせの中のいずれか1つしか揃えることができない。一方、「スイカ」、「ブランクB」及び「白リプレイ」のいずれかの図柄を左リール21aの中段に停止させると、入賞役I又は入賞役Nを構成する図柄の組み合わせの中のいずれか2つを揃えることができる。このとき、左リール21aにおいて、左ストップボタン33aの停止操作のタイミングに拘わらず、「スイカ」及び「ブランクB」のいずれかの図柄を有効ライン上に停止させることができる。また、左リール21aの有効ライン上に「スイカ」又は「ブランクB」の図柄が含まれる役は、それぞれの2図柄に対して2個ずつある。このような場合、リール制御手段120は、予め定められた図柄を有効ライン上に停止させるように構成されているため、本実施形態のスロットマシン1の場合は、左ストップボタン33aの操作に対して左リール21aの中段に「白リプレイ」の図柄を停止させる。
このように第1停止で左リール21aの中段に「白リプレイ」の図柄を停止させると、入賞可能な役は、入賞役Nに限定される。そこで、第2停止である中ストップボタン33bの操作時には、リール制御手段120は、入賞役Nを構成する図柄(「青7」又は「ブランクA」の図柄)を中リール21bの中段に引き込むことができるときは、この図柄を停止させ、引き込むことができないときは、はずれ目となる図柄を停止させる。
そして、第3停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は、左リール21a及び中リール21bの中段に、入賞役Nを構成する図柄が停止しているときで、右リール21cの下段に「白リプレイ」の図柄を引き込めるときは、この図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図11の「△」)、引き込むことができないときは、はずれ目となる図柄を停止させる(図11の「×」)。また、左リール21a及び中リール21bの中段に、入賞役Nを構成する図柄が停止していないときもはずれ目となる図柄を停止させる。
(左右中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
左中右で操作されたときの停止制御で説明したように、第1停止である左ストップボタン33aの操作時に、リール制御手段120は「個数優先制御」に従って、左リール21aの中段に入賞役Nを構成する「白リプレイ」の図柄を停止させる。次に、第2停止である右ストップボタン33cの操作時に、入賞役Nの図柄の組み合わせである「白リプレイ」の図柄を右リール21cの下段に引き込むことができるときは、この図柄を停止させ、引き込むことができないときは、はずれ目となる図柄を停止させる。そして、第3停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は、左リール21aの中段及び右リール21cの下段に入賞役Nの図柄の組み合わせが停止されているときで、中リール21bの中段に「青7」又は「ブランクA」の図柄を引き込むことができるときは、この図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図11の「△」)、引き込むことができないときは、はずれ目となる図柄を停止させる(図11の「×」)。また、左リール21aの中段及び右リール21cの下段に、入賞役Nを構成する図柄が停止していないときも中リール21bの中段にはずれ目となる図柄を停止させる。
(右左中の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
第1停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先制御」に従って、右リール21cの下段(有効ライン上)に停止させる図柄を決定する。本実施形態に係るスロットマシン1の場合、右リール21cの下段に「白リプレイ」を停止させると、入賞役I及び入賞役Nを構成する4つの図柄の組み合わせを停止させることができるが、右リール21cにおいて「白リプレイ」の図柄は、ストップボタン33cが操作されるタイミングによっては下段に引き込むことができない。一方、上述したように、右リール21cの図柄配置から、右ストップボタン33cがどのタイミングで操作されても、「白リプレイ」、「赤リプレイ」又は「ブランクA」のいずれかの図柄を下段に停止させることができるので、以降のストップボタンの操作で入賞させることができる可能性を有する役の数が最も多くなるので、リール制御手段120は、右ストップボタン33cの操作に対して、その操作タイミングに応じて、右リール21cの下段にこれらの図柄のいずれかを停止させる。
次に、第2停止である左ストップボタン33aの操作時に、リール制御手段120は、「個数優先制御」にしたがって、左リール21aの中段(有効ライン上)に停止させる図柄を決定する。このとき、リール制御手段120は、右リール21cの下段に停止している図柄に応じて、停止させる左リール21aの中段停止させるに図柄を決定する。例えば、右リール21cの下段に「赤リプレイ」の図柄が停止しているときは、入賞役Hの図柄の組み合わせを揃えることができる可能性があるため、左リール21aの中段に「赤7」又は「青7」の図柄を引き込むことができるときはこれらの図柄を停止させ、引き込むことができないときははずれ目となる図柄を停止させる。また、右リール21cの下段に「ブランクA」の図柄が停止しているときは、入賞役Iの図柄の組み合わせを揃えることができる可能性があるため、左リール21aの中段に「スイカ」又は「ブランクB」の図柄を停止させる。この左リール21aにおいて、「スイカ」又は「ブランクB」の図柄は、左ストップボタン33aの操作タイミングに拘わらず、いずれかの図柄を引き込むことができる。また、右リール21cの下段に「白リプレイ」の図柄が停止しているときは、入賞役I又は入賞役Nの図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができる。すなわち、リール制御手段120は、「スイカ」、「ブランクB」、「白リプレイ」のいずれかを左リール21aの中段に停止させればよい。ここで、図4に示す図柄の配置から、「白リプレイ」の図柄は左ストップボタン33aの操作タイミングに関わらず、必ず、左リール21aの中段に引き込むことができる。そのため、リール制御手段120は、左ストップボタン33aが操作されると、左リール21aの中段に「白リプレイ」の図柄(入賞役Nの図柄)を停止させる。
そして、第3停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は、中リール21bの中段(有効ライン上)に、右リール21cの下段及び左リール21aの中段に停止している図柄に応じて、入賞役H、入賞役I又は入賞役Nを構成する図柄(入賞役H又は入賞役Iのときは「ベル」の図柄、入賞役Nのときは「青7」または「ブランクA」の図柄)を引き込むことができるときは、この図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図11の「△」)、引き込むことができないとき、及び、右リール21c及び左リール21aで構成される図柄の組み合わせがはずれ目のときは、はずれ目となる図柄を停止させる(図11の「×」)。
(右中左の順でストップボタン33a〜33cを操作した場合)
右左中で操作されたときの停止制御で説明したように、第1停止である右ストップボタン33cの操作時に、リール制御手段120は「個数優先制御」に従って、右リール21cの下段(有効ライン上)に入賞役G、入賞役H及び入賞役Iを構成する図柄である「白リプレイ」、「赤リプレイ」及び「ブランクA」の図柄のいずれかを停止させる。
また、第2停止である中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は「個数優先制御」に従って、中リール21bの中段に停止させる図柄を決定する。図6から明らかなように、中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止させると、入賞可能性を有する役の数が最も多くなるため、リール制御手段120は、中ストップボタン33bの操作に対して中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止させる。
そして、第3停止である左ストップボタン33aの操作時に、リール制御手段120は、左リール21aの中段(有効ライン上)に入賞役Hまたは入賞役Iを構成する図柄を停止させることができるときは、この図柄を停止させて1枚の払い出しを行い(図11の「△」)、停止させることができないときは、はずれ目となる図柄を停止させる(図11の「×」)。例えば、第1停止及び第2停止で、中リール21b及び右リール21cの有効ライン上に「ベル−白リプレイ」が停止している場合には、左リール21aの中段に「スイカ」又は「ブランクB」の図柄を停止させることにより入賞役Iの図柄の組み合わせを揃えることができるが、図4から明らかなように、左リール21aの図柄の配置から、この左リール21aがどの位置にあるときに左ストップボタン33aが操作されても、「スイカ」又は「ブランクB」のいずれかの図柄を必ず有効ライン上に引き込むことができる。そのため、リール制御手段120は、これらの図柄のいずれかを有効ライン上に停止させる。また、第1停止及び第2停止で、中リール21b及び右リール21cの有効ライン上に「ベル−ブランクA」が停止している場合も同様である。一方、第1停止及び第2停止で、中リール21b及び右リール21cの有効ライン上に「ベル−赤リプレイ」が停止している場合には、左リール21aの有効ライン上に「青7」又は「赤7」の図柄を停止させることにより入賞役Hの図柄の組み合わせを揃えることができるが、この左リール21aにおいてストップボタン33aが操作されるタイミングによっては、これらの図柄を有効ライン上に引き込むことができます。そのため、リール制御手段120は、これらの図柄を左リール21aの有効ライン上に停止させることができるときは停止させ、停止させることができないときは、はずれ目を構成する図柄を停止させる。
なお、以降の説明において、左ストップボタン33aを最初に押す操作を「順押し」と呼び、中ストップボタン33b又は右ストップボタン33cを最初に押す操作を「変則押し」と呼ぶ。
以上のように、本発明に係るスロットマシン1において、押し順ベルである小役1(小役1−A1〜A9、小役1−B1〜B9、小役1−C1〜C9及び小役1−D1〜D9)が当選したときは、予め割り当てられた押し順(正解押し順)でストップボタン33a〜33cが操作されたときは有効ライン上に入賞役Gの図柄の組み合わせ(高目ベル)が揃って8枚(特別遊技中は2枚)の遊技メダルが払い出され、それ以外の押し順(以下「不正解押し順」と呼ぶ)でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、その操作タイミングに応じて、入賞役H〜入賞役Vの図柄の組み合わせ(安目ベル)が有効ライン上に揃って1枚の遊技メダルが払い出されるか、又は、揃えることができないときははずれ目となり遊技メダルは払い出されない。
また、図4に示すメインリール21a〜21cの図柄の配置、及び、図5に示す入賞役G〜入賞役Vに割り当てられた図柄の組み合わせから明らかなように、入賞役Gの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、第1リール窓11から見える左リール21a及び中リール21bの中段に「ベル」の図柄が停止し、同時に、左リール21a及び中リール21bの上段に「白リプレイ」の図柄が停止する。また、入賞役Iの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、左リール21aの下段及び中リール21bの中段に「ベル」の図柄が停止し、入賞役K又は入賞役Lの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと左リール21a及び中リール21bの下段に「ベル」の図柄が停止する。
同様に、当選役である小役2(スイカ)は、図10に示すように、3つの小役2−1〜小役2−3から構成されており、各々の小役2−1〜小役2−3は図5に示す入賞役A〜入賞役Fを組み合わせて構成されている。この図10に示す当選役の括弧内も、重複して当選する役が示されており、例えば、小役2−1が当選すると、入賞役A、入賞役B及び入賞役Dが重複して当選することを示している。なお、これらの小役2−1〜小役2−3を構成する入賞役A〜入賞役Fに割り当てられた図柄は、各メインリール21a〜21cにおいて、有効ラインまたはそれより前の所定のコマ数以内に当該図柄があるときにストップボタン33a〜33cが操作されない場合は、これらの図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができず、はずれ目となるように構成されている。また、図4に示すメインリール21a〜21cの図柄の配置、及び、図5に示す入賞役A〜入賞役Fに割り当てられた図柄の組み合わせから明らかなように、入賞役Aの図柄の組み合わせのうち、左リール21aの中段に5番又は10番の「ベル」の図柄が有効ライン上に停止すると、左リール21aの上段及び中リール21bの中段に「スイカ」の図柄が停止し、入賞役Bの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、左リール21a及び中リール21bの右下がり、中段、右上がりのいずれかのライン上に「スイカ」の図柄が停止し、入賞役C又は入賞役Dの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、左リール21a及び中リール21bの上段に「スイカ」の図柄が停止する。また、入賞役Dの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、左リール21aの上段及び下段並びに中リール21bの中段に「白リプレイ」の図柄が停止する。これらの入賞役A〜入賞役Fの図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うと、3枚の遊技メダルが払い出される(特別遊技時は2枚)。
また、当選役であるリプレイは、図10に示すように、リプレイ1、リプレイ2、リプレイ3及びリプレイ4から構成から構成されており、リプレイ1〜リプレイ4の各々は、図5に示す再遊技役A〜再遊技役Gを組み合わせて構成されている。なお、このリプレイ1〜リプレイ4は、図4に示すメインリール21a〜21cの図柄の配置、及び、図5に示す再遊技役A〜再遊技役Gに割り当てられた図柄の組み合わせから明らかなように、ストップボタン33a〜33cがどのタイミングで操作されても、これらの再遊技役A〜再遊技役Gのいずれかの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するように構成されている。
ここで、リプレイ1が当選したときに、ストップボタン33a〜33cが順押しされると、リール制御手段120は、第1停止で左リール21aの中段に「赤7」の図柄を停止できるときはこの図柄を停止させ、停止させることができないときは「白リプレイ」の図柄を停止させる。第1停止で左リール21aに「白リプレイ」が停止したときは、中及び右リール21b,21cに再遊技役Aの図柄を停止させる。一方、左リール21aに「赤7」の図柄を停止したときに、後述する内部中遊技状態のときは、第2停止で中リール21bの中段に「赤7」の図柄を停止できるときはこの図柄を停止させ、停止させることができないときは「スイカ」又は「ブランクA」の図柄を停止させ、右リール21cには再遊技役Bの図柄を停止させる。また、通常遊技状態(非内部中)のときは、第2停止及び第3停止で、中リール21b及び右リール21cに再遊技役Cの図柄を停止させる。内部中・非内部中とストップボタン33a〜33cの操作タイミングに応じて、第1リール表示窓11の中段(左リール21a及び中リール21bの中段)に「白リプレイ」の図柄が揃う場合、中段に「赤7」の図柄が揃う場合、上段に「白リプレイ」が揃う場合、及び、右下がり及び左下がりのラインに「白リプレイ」の図柄が揃う場合がある。一方、ストップボタン33a〜33cが変則押しされると、操作タイミングに関わらず、再遊技役Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。
また、リプレイ2又はリプレイ3が当選し、ストップボタン33a〜33cが順押しされると、リール制御手段120は、左リール21aの上段又は下段に「チェリー」の図柄を優先して停止させる制御を行う(以下、「チェリーリプレイ」と呼ぶ)。また、「チェリー」の図柄を停止させることができないときは、再遊技役Aの図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させる制御を行う。なお、リプレイ3が当選した場合に、ストップボタン33a〜33cが変則押しされると、リール制御手段120は、有効ライン上に再遊技役Gの図柄の組み合わせを優先して停止させ、この再遊技役Gの図柄を停止させることができないときは、再遊技役Aの図柄の組み合わせを停止させる。また、リプレイ4が当選した場合に、ストップボタン33a〜33cが変則押しされたときも、リール制御手段120は、有効ライン上に再遊技役Aの図柄の組み合わせを停止させる。ここで、再遊技役Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止すると、左リール21a及び中リール21bの中段に「白リプレイ」の図柄が停止し、これにより、上段に「ベル」の図柄が停止する。
また、リプレイ4が当選した場合は、ストップボタン33a〜33cが順押しされると、リール制御手段120は、再遊技役Dの図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させる(これにより、左リール21aの上段及び中リール21bの中段(右下がりのライン上)に「ベル」の図柄が停止する(以下、「ベルリプレイ」と呼ぶ))。一方、ストップボタン33a〜33cが変則押しされると、リール制御手段120は、再遊技役Aの図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させる(これにより、左リール21a及び中リール21bの中段に「白リプレイ」の図柄が停止し、上段に「ベル」の図柄が停止する)。
また、本実施形態に係るスロットマシン1においては、特別役が当選するときは、入賞役G又は再遊技役Aも重複して当選するように構成されている。すなわち、この特別役が当選した遊技では、入賞役G又は再遊技役Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に優先して揃うため、当該遊技で特別役の図柄の組み合わせが揃うことはない。これに限らず、特別役は単独当選をしてもよく、通常遊技状態RT0から内部中遊技状態RT1へ移行したときは、特別役が入賞する(特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する)のを困難にするために、再遊技役の当選領域を多くすることもできる(例えば、通常遊技状態RT0のときはハズレの頻度を高くし、内部中遊技状態RT1のときは、ハズレの領域を再遊技役の領域にすることで、特別役の入賞を困難にすることができる)。
ここで、リール制御手段120によるメインリール21a〜21cの停止制御の方法について説明する。このリール制御手段120は、上述したメインリール21a〜21cの制御を行うために、図2に示すように、回転開始制御手段121、停止テーブル記憶手段122、停止位置データ作成手段123、回転位置検出手段124及び回転停止制御手段125を有している。
(回転開始制御手段121)
回転開始制御手段121は、メインリール21a〜21cの回転の開始に関する制御を行うためのものであり、具体的には、スタートレバー32の操作に基づいて出力されるスタート信号が入力されることで、各々のメインリール21a〜21cに設けられているステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)に回転開始信号を出力し、これらのステッピングモータを起動させることにより、全てのメインリール21a〜21cの回転を開始させるように構成されている。また、回転開始制御手段121は、スタートレバー32が操作されると、予め定められた所定の加速度で全てのメインリール21a〜21cを回転させ、全てのメインリール21a〜21cの回転速度が所定の速度に達すると、この所定の速度で定速回転を行わせるように構成されている。
(停止テーブル記憶手段122)
停止テーブル記憶手段122は、メインリール21a〜21cを停止させるための情報である停止順序選択テーブル及び停止テーブルを記憶している。停止テーブルは、図12(b)に示すように、メインリール21a〜21cの各々において、0〜19番の図柄番号で示される図柄が第1リール表示窓11の中段に相当する位置にあるときに、ストップボタン33a〜33cが操作されたときに、どの図柄を下段に相当する位置に停止させるかについて規定されているテーブルであり、それぞれにテーブル番号が割り当てられている。例えば、図12(b)に示す停止テーブルは、押し順ベルの1つである小役1−A1を停止させるために用いられるテーブルを示している。
具体的に、この図12(b)において、1番のテーブルは、左リール21a及び中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止させるために用いられる。また、2番のテーブルは、右リール21cの下段に「ブランクB」の図柄を停止させるために用いられる。また、3番のテーブルは、右リール21cの下段に「白リプレイ」、「赤リプレイ」または「ブランクA」の図柄を停止させるために用いられる。また、4番のテーブルは、左リール21aの中段に「青7」または「赤7」の図柄を停止させるために用いられる。また、5番のテーブルは、左リール21aの中段に「スイカ」または「ブランクB」の図柄を停止させるために用いられる。また、6番のテーブルは、左リール21a及び中リール21bの中段に「白リプレイ」の図柄を停止させるために用いられる。また、7番のテーブルは、中リール21bの中段に「青7」または「ブランクA」の図柄を停止させるために用いられる。そして、8番のテーブルは、右リール21cの下段に「白リプレイ」の図柄を停止させるために用いられる。なお、図12(b)においては、2つの図柄番号を選択可能なとき(例えば、中リール21bの中段に「青7」又は「ブランクA」の図柄のいずれかを停止する場合に、10番の「ベル」の図柄で停止操作を受け付けたときは、11番の「白リプレイ」の図柄を下段に停止させれば12番の「青7」の図柄が中段に停止し、12番の「青7」の図柄を下段に停止させれば13番の「ブランクA」の図柄が中段に停止するとき)は、いずれか一方の図柄番号を予め設定している。しかしながら、両方設定して、ストップボタン33a〜33cの操作タイミングに応じて、所定のアルゴリズムに従って停止する図柄番号を選択するように構成してもよい。なお、この図12(b)は小役1−A1の場合を例示しているだけであり、その他の当選役に対しても定義されている。
そして、上述の小役1−A1を例にして説明したリール制御手段120の具体的な停止制御に示すように、当選役とストップボタン33a〜33cの押し順(打順)により、どの停止テーブルを使用するかを決定することができる。本実施形態に係るスロットマシン1は、この当選役と打順の関係を、図12(a)に示す停止順序選択テーブルに記憶している。ここで、役抽選手段で当選した役(条件作動装置状態番号)に対して、図柄制御番号を割り当て、停止順序選択テーブルは、この図柄制御番号をキーにして打順とテーブルの関係を定義している。なお、この図12(a)において、「/」は、それまでに有効ライン上に停止している図柄により選択されるテーブルが変化する場合を表し、「*」は、図12(a)に示していない、ハズレ目を構成するためのテーブルが選択されることを表している。また、この図12(a)は小役1−A1の場合を例示しているだけであり、その他の当選役に対しても定義されている。
また、図12(a),(b)に示す停止順序選択テーブル及び停止テーブルにおいて、一部のテーブルは2以上のリールで共用している。例えば、左リール21aと中リール21bにおいて、「ベル」の図柄配置は共通しており、入賞役Gの図柄の組み合わせである「ベル」を停止させるために、左リール21aと中リール21bで1番の停止テーブルを共用している。このように構成することにより、停止テーブルのための記憶容量を少なくし、ROM104等を有効利用することができる。
なお、図12に示す停止テーブルは、受付操作がされた図柄番号と、その図柄番号に対して何番の図柄番号の図柄を下段に停止させるかの対応が定義されているが、本発明はこの構成に限定されることはない。例えば、受付操作がされた図柄番号に対して、何コマ滑らせて停止するかを定義するテーブル構成とすることもできる。例えば、図12(b)のテーブル番号1番の停止テーブルは左リール21a又は中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止させるものである。ここで、左リール21aにおいて、7番の「チェリー」の図柄が中段にあるときに左ストップボタン33aが操作されると9番の「白リプレイ」の図柄を下段に停止させる。そのため、滑らせるコマ数で停止テーブルを規定するときは、7番の図柄番号に対しては「3」が設定される(中段にある7番から3コマ滑ると9番の図柄が下段に停止する)。このようなスベリコマ数による停止テーブルは、本実施形態に係るスロットマシン1のメインリール21a〜21b及びサブリール46のいずれにも使用することもできるし、メインリール21a〜21bに対しては、図12(b)に示す停止図柄の図柄番号を規定した停止テーブルを使用し、サブリール46に対してはスベリコマ数で定義した停止テーブルを使用するというように、使い分けることもできる。
(停止位置データ作成手段123)
停止位置データ作成手段123は、役抽選手段110による抽選の結果に基づき、ストップボタン33a〜33cが操作された場合にメインリール21a〜21cを停止させる停止位置を決定するために、上述した停止順序選択テーブルに基づいて停止テーブルからいずれかのテーブルを選択して停止位置データを作成する。この停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されると、3個のメインリール21a〜21cが全て定速回転状態となるまでの間に、3個のメインリール21a〜21cのそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また、第1停止のストップボタン(ストップボタン33a〜33cのいずれか)が操作された後は、この第1停止から遅くとも第2停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第2停止のストップブタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第1停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作がいまだ行われていない残りの2個のリール(すなわち、第1停止のストップボタンが操作された時点で回転中の2個のリール)のそれぞれについて、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。また同様に、第2停止のストップボタンが操作された後は、第2停止のストップボタンが操作されてから遅くとも第3停止のストップボタンが操作されるまで(すなわち、第3停止のストップボタンの操作を受け付けた時点まで)の間に、第2停止のストップボタンが操作された時点でストップボタンの操作がいまだ行われていない残りの1個のリール(すなわち、第2停止のストップボタンが操作された時点で回転中の1個のリール)について、停止順序選択テーブルに基づいて、停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。
例えば、スタートレバー32が操作された後、中リール21bに対応する中ストップボタン33b、左リール21aに対応する左ストップボタン33a、右リール21cに対応する右ストップボタン33cという順番で(すなわち、小役1−A1に対する正解押し順で)、ストップボタン33a〜33cの操作が行われるものとする。この場合には、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されると、3つ全てのメインリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの間に、全てのメインリール21a〜21cについて停止テーブルを選択して停止位置データを作成する。図12(a)に示す例では、第1停止の前に、左リール21aに対しては6番のテーブルを選択し、中リール21bに対しては1番のテーブルを選択し、右リール21cに対しては3番のテーブルを選択して停止位置データを作成する。そして、中ストップボタン33bが操作されると、左ストップボタン33aが操作されるまでの間に、回転中の左リール21a及び右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。すなわち、左リール21aに対しては1番のテーブルを選択し、右リール21cに対しては3番のテーブルを選択する。さらに、左ストップボタン33aが操作されると、右ストップボタン33cが操作されるまでの間に、回転中の右リール21cについて停止位置データを選択して停止位置データを作成しなおす。ここでは、右リール21cに対して2番のテーブルを選択する。
なお、停止位置データ作成手段123は、スタートレバー32が操作されたときは、3つ全てのメインリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの間ではなく、メインリール21a〜21cが回転を開始するまでの間に、全てのメインリール21a〜21cについて、停止位置データとして停止データを選択して停止位置データを作成するように構成してもよい。また、停止位置データ作成手段123は、ストップボタン33a〜33cのうち、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンが操作される時点までの間に、停止データを選択しなおすのではなく、前回のストップボタンの操作後、次のストップボタンの操作が可能となる時点(すなわち、次のストップボタンの操作を受付可能な状態となる時点)までの間に、停止データを選択して停止位置データを作成しなおすように構成してもよい。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、スタートレバー32が操作されてから3つ全てのメインリール21a〜21cの回転速度が定速となるまでの時間は、これらのメインリール21a〜21cについての停止データを選択して停止位置データを作成するために十分なものとなっている。また、本実施形態に係るスロットマシン1では、ストップボタン33a〜33cのうち、いずれか一つのストップボタンが操作されてから次のストップボタンが操作されるまでに、メインリール21a〜21cのうち、回転中の全てのリールについての停止データを選択して停止位置データを作成できるようにすべく、ストップボタンが操作された後に、所定時間の間、次のストップボタンの操作を受付不可とする受付不可期間を設けている。
(回転位置検出手段124)
回転位置検出手段124は、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるメインリール21a〜21cの位置を検出するためのものである。具体的には、回転位置検出手段124は、特に図示していないが、ステッピングモータ(リール駆動手段22a〜22c)から出力されるパルス信号をカウントするためのカウント手段、及び、このカウント手段によるパルス信号のカウント値をリセットするためのリセット手段などを備えている。より具体的には、各メインリール21a〜21cが回転を開始し、すべてのメインリール21a〜21cが所定の速度で定速回転するようになった後、リールセンサ(図示しておらず)により被検知部材(インデックス)の通過が検知されたことを契機として、カウント手段が、ステッピングモータから出力されるパルス信号のカウントを開始する。そして、ストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるカウント値に基づいて、被検知部材(インデックス)の回転角度を算出し、これによりストップボタン33a〜33cが操作された時点におけるメインリール21a〜21cの位置を検出することとなる。また、カウント手段によるパルス信号のカウント値は、リールセンサにより被検知部材(インデックス)の通過が検知される都度、リセット手段によりリセットされ、この時点から新たにパルス信号のカウントが行われるものとなっている。
(回転停止制御手段125)
回転停止制御手段125は、ストップボタン33a〜33cの操作に基づき、停止位置データ作成手段123aにより作成された停止位置データにおいて当該ストップボタン33a〜33cが操作された時点のメインリール21a〜21cの位置に対応して定められた停止位置で、これらのメインリール21a〜21cを停止させるためのものである。すなわち、ストップボタン33a〜33cが操作されると、このストップボタン33a〜33cが操作された時点のメインリール21a〜21cの位置に対応して、停止位置データにおいて定められている停止位置で、メインリール21a〜21cは停止することとなる。
なお、図10には、後述する各遊技状態における役の当選確率(役抽選テーブルの構成)も示している。ここで、各役に示される「−」は、その遊技状態では当該役の抽選は行われないことを示している。また、MBが当選してその図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときの特別遊技状態においては、役の抽選が行われた後、後述するフラグ情報記憶手段160の全てのフラグが当選した状態になるが、ストップボタン33a〜33cの押し順態様などにより、予め定められた役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止するように構成されている。また、どの役にも当選しない確率(いわゆる「ハズレ」の場合の確率)は、特別役、小役及びリプレイの当選確率の合計を1から引いた確率である。なお、「ハズレ」は設けなくてもよい(抽選により、何れかの役に必ず当選するように構成してもよい)。
(停止図柄判定手段130)
停止図柄判定手段130は、メインリール21a〜21cの全てが停止したときに、上述の有効ライン上に役の図柄の組み合わせが並んでいるか否かを判定し、並んでいるものがあれば当該遊技でその役が成立した(入賞した)、又は、遊技状態が移行する特定図柄が停止したと判定する。このとき、停止図柄判定手段130は、リール位置検出手段23a〜23cを用いて、例えばステッピングモータの停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上に位置する図柄を判定し、これに基づいて、役の成立(入賞)の有無を判定する。なお、メインリール21a〜21cを停止させる際の制御にテーブルを用いている場合には、メインリール21a〜21cが実際に停止してから停止図柄判定手段130が図柄の組み合わせを判定するのではなく、リール制御手段120により上述したようなテーブルを用いてメインリール21a〜21cの停止位置が定められた時に、有効ライン上に停止する図柄の組み合わせを判定するようにしてもよい。
(払出し制御手段140)
払出し制御手段140は、停止図柄判定手段130による判定の結果、成立(入賞)している役(本実施形態に係るスロットマシンにおいては入賞役A〜入賞役V)に応じたメダルの払い出しを行う。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1においては、払出し制御手段140に設けられた遊技媒体貯留手段141により、内部に所定の枚数(例えば50枚)の遊技メダルを貯留することができる(以下、このスロットマシン1の内部に貯留されている遊技メダルを「クレジット」と呼ぶ)。メダル投入口51から最大のベット数(本実施の形態では3枚(特別遊技時は2枚))以上の遊技メダルが投入されるか、若しくは、遊技メダルが払い出される役に入賞すると、払出し制御手段140は、その遊技メダルを遊技媒体貯留手段141に記憶(内部に貯留)する。なお、貯留されている遊技メダル(クレジット)の枚数が所定の枚数(上述の場合50枚)を超えると、払出し制御手段140は、超えた枚数の遊技メダルの払い出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。また、払出し制御手段140は、精算ボタン34が操作されると、ベットされている遊技メダル及び貯留されている遊技メダル(クレジット)の払い出しを、ホッパー装置50に行わせるように構成されている。このとき、ベットされている遊技メダル及び遊技媒体貯留手段141の貯留数は0になる。
(設定値設定手段150)
設定値設定手段150は、図示しない設定キーの操作により、本実施形態に係るスロットマシン1における役の抽選や払い出しに関する設定等を行うものである。このスロットマシン1においては、電源がオフされている状態で設定キーをオンにして電源を投入し、所定の操作を行って設定値を入力した後、設定キーをオフすると、この設定値が設定値記憶手段151に記憶されるように構成されている。例えば、1〜6までの6段階の設定値を設定することができ、役抽選手段110は、当該設定値に応じて役の当選確率を変化させ、これにより、払い出される遊技メダルの出玉率(払出し率)を変化させるように構成されている。したがって、図10に示す当選確率は一例である。また、設定値の変更が行われると遊技に関する情報のうちの一部(特別役の当選フラグや通常遊技状態、再遊技確率変動遊技状態などの遊技状態)は保持される一方、他の情報(リールの駆動状態や小役の当選フラグなど)は初期化されるように構成することもできる。また、特別役を有するスロットマシンにおいては、特別遊技状態にあるときは、上記操作を行っても設定値の変更ができないように構成することもできる。さらに、内部中遊技状態においても設定値の変更ができないように構成してもよい。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、フリーズが実行されているときは設定変更できないように構成されている。
図13に示すように、設定値設定手段150は、電源が投入されると、前扉3が開放されていて、且つ、設定キーがオンになっているかを判定する(ステップS530)。さらに、設定値設定手段150は、前扉3が開放された状態で設定キーがオンになっていると判断すると、RAM103の状態をチェックする(ステップS531)。例えば、RAM103が、記憶しているデータのチェックサムを生成してこれらのデータとともに記憶する機能を有する場合、設定値設定手段150は、RAM103の現在のデータから求められるチェックサムと、RAM103に記憶されているチェックサムとを比較し、一致をすればRAM103が正常であると判断し、一致しなければ異常であると判断する。設定値設定手段150は、このRAM103の状態のチェックの結果から(ステップS532)、正常であると判断すると正常な状態で設定値の変更が開始される旨の制御コマンド(正常設定値変更開始コマンド)をサブ制御基板200に送信し(ステップS533)、異常であると判断すると異常がある状態で設定値の変更が開始される旨の制御コマンド(異常設定値変更開始コマンド)をサブ制御基板200に送信する(ステップS534)。そして、設定値設定手段150は、設定キーがオフされるのを監視し(ステップS535)、設定キーがオフされると、設定された設定値を設定値記憶手段151に記憶させるとともに、この設定値を含む制御コマンド(設定値変更終了コマンド)をサブ制御基板200に送信する(ステップS536)。また、ステップS530で設定キーがオフであると判断すると、設定値設定手段150はサブ制御基板200に対して電源断復帰時コマンドを送信する(ステップS537)。
(フラグ情報記憶手段160)
フラグ情報記憶手段160は、役抽選手段110によって何らかの役に対するフラグがオンになった場合に、当選した役の種類及びそのフラグがオンになったことを記憶する。なお、特別役を有するスロットマシンにおいては、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報が消去されるタイミング(当選フラグがオフとなるタイミング)は、特別役とそれ以外の役とで異なっている。すなわち、特別役の場合、フラグ情報記憶手段160に記憶されている情報は、特別役の図柄が有効ライン上に揃ったことを条件として消去され、特別役の図柄が有効ライン上に揃わなければ次遊技以降、当該図柄が有効ライン上に揃うまで持ち越されるのに対し、それ以外の役の場合には、その役に対する図柄が有効ライン上に揃うか否かに関わらず、当該遊技の終了の際に消去され、次遊技まで持ち越されることはない。また、MB遊技中は、役抽選手段110の抽選結果に拘わらず、特別役を除く全ての役の当選フラグをオンすることができる。
(特別役持ち越し手段170)
特別役持ち越し手段170は、役抽選手段110により特別役に当選し、フラグ情報記憶手段160に、この特別役に対するフラグが立てられると、当選した特別役の図柄が有効ライン上に揃うまで、その当選役を持ち越し(フラグが立てられた状態を維持し)、特別役の図柄が有効ライン上に揃うと特別役の持ち越しを終了する(フラグが下げられる)。なお、特別役のうちSBと、その他の役は、当選した遊技で図柄を揃えることができないと、フラグは下げられる(次遊技に持ち越すことはできない)。また、特別役を持ち越し中(内部中遊技状態RT1にあるとき)に、役抽選手段110による役抽選の結果、小役が当選したときは、特別役と小役のフラグが立っている状態であり、停止態様によって当選フラグのうちのいずれかを有効ライン上に停止させることができる。
(遊技状態制御手段180)
遊技状態制御手段180は、このスロットマシン1における遊技状態を制御するものであり、通常遊技制御手段181、特別遊技制御手段182、及び、再遊技確率変動遊技制御手段183を有して構成される。図14に示すように、このスロットマシン1の電源が投入されたときやリセットされたとき(「RAMクリア」とも呼ばれる)のような初期状態において、遊技状態制御手段180は、通常遊技制御手段181を実行し、このスロットマシン1は、通常遊技状態(非内部中)RT0になる。ここで、「非内部中」とは、電源投入やRAMクリア時のように特別役に当選していない状態のことを指す。
そして、この通常遊技状態RT0において、役抽選手段110により特別役に当選すると、遊技状態制御手段180は、再遊技確率変動遊技制御手段183を起動し、このスロットマシン1は、内部中遊技状態RT1に移行する。ここで、「内部中」とは、特別役に当選はしているが、有効ライン上にこの特別役に対応する図柄の組み合わせを揃えていない状態のことである。また、再遊技確率変動遊技とは、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態RT0とは異なるように構成された遊技である。また、図10に示す内部中遊技状態RT1の当選確率のように、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態RT0よりも高く設定されている遊技状態を「リプレイタイム(RT)」とも呼ぶ。このように、内部中遊技状態RT1に移行すると、特別役持ち越し手段170により、当選した特別役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うまで当選役が持ち越される(すなわち、内部中遊技状態RT1が継続される)。
また、内部中遊技状態RT1において、当選した特別役に対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えると、遊技状態制御手段180は特別遊技制御手段182を実行し(作動させ)、このスロットマシン1は、特別遊技状態RT2になる。特別遊技状態RT2に移行すると、所定の終了条件を満たすまで通常遊技以上の遊技メダルの獲得を期待できる遊技者にとって有利な遊技(特別遊技)が実行される。ここで、所定の終了条件とは、上述したように、例えばその特別遊技状態RT2において、遊技者に対して所定の枚数以上の遊技メダルが払い出された場合(例えば、29枚を超える枚数が払い出された場合)である。この特別遊技状態RT2において所定の終了条件が満たされると、特別遊技制御手段182の作動が終了し、通常遊技制御手段181が実行されて通常遊技状態RT0に移行する。
なお、いずれの遊技状態においても、入賞役(小役)に当選して対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃える(入賞する)と払出し制御手段140により所定の枚数の遊技メダルが払い出され(若しくは貯留され)、再遊技役(リプレイ)に当選して対応する図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えると再遊技が実行されるように構成されている。また、以上の遊技状態の説明は一例であり、本発明がこの遊技状態の遷移に限定されることはない。例えば、有効ライン上に当選役の図柄の組み合わせが揃うことにより遊技状態を移行させるように構成してもよいし、当選役の図柄の組み合わせが揃う有効ライン以外の有効ラインに、当選役とは異なる遊技状態移行図柄を表示させて、遊技状態を移行させてもよい。
(遊技情報出力手段185)
遊技情報出力手段185は、メイン制御基板100に接続された外部出力端子70を介して、遊技に関する情報を出力するものである。ここで、遊技に関する情報とは、スタートレバー32が操作されたときの情報、投入された遊技メダルや払い出された遊技メダルの情報、特定の図柄の組み合わせ(例えば「7−7−7」)が有効ライン上に表示されたときの情報等であって、これらの情報に基づいて遊技回数やボーナスゲームの開始を外部装置で表示する(若しくは管理する)ための情報である。例えば、スタートレバー32が操作されたときの情報により遊技回数を表示することができ、投入された遊技メダルと払い出された遊技メダルの差から差枚数を表示することができる。また、特定の図柄が有効ライン上に表示されたときの情報により、ボーナスの回数を表示することができる。具体的な処理については後述する。
(フリーズ制御手段190)
フリーズ制御手段190は、所定の条件を満たしたときに、遊技の進行を所定時間不能にする(一時停止状態にする)又は抽選結果を停止表示させる制御を遅延するフリーズを行う。
遊技の進行を所定期間一時停止状態にして遅延させる「フリーズ演出」としては、例えば、遊技媒体(遊技メダル)の受付け、予めクレジットされた遊技媒体の賭け枚数を定めるためのベットボタン31の操作の受付け、遊技を開始するためのスタートレバー32の操作の受付け、又は、メインリール21a〜21cの停止操作の受付け(ストップボタン33a〜33cの操作の受付け)に関する機能を一時停止状態(操作受付不可状態)にすることが挙げられる。
フリーズ演出としては、前述した遊技の進行に関わる全ての機能に関して一時停止状態にしてもよいし、一部の機能に関してのみ一時停止状態にしてもよい。
遊技の進行を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく制御処理(通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、ベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、スタートレバー32の操作に基づいたリール回転処理または役抽選処理、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいたリール停止処理)を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出によって遊技の進行を一時停止している期間中に遊技者の操作に基づいた入力信号が発せられたときは、入力信号に基づく制御処理を行わない、入力信号を受付けない、入力信号の送信を所定期間が経過するまで遅延させるなどの処理を行うことで、フリーズ演出を行わない場合と比べ1回の遊技における終了タイミングが遅延することになる。
スタートレバー32の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、スタートレバー32が操作されたときに所定期間はメインリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後にメインリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されたときに所定期間は役抽選とメインリール21a〜21cの回転を行わずに所定期間の経過後に役抽選とメインリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されたときに所定期間は役抽選を行うがメインリール21a〜21cの回転は行わずに所定期間の経過後にメインリール21a〜21cの回転を行う場合や、スタートレバー32が操作されて役抽選が行われた後に所定期間を設定し所定期間中はメインリール21a〜21cの回転や停止を行う場合が挙げられる。
ストップボタン33a〜33cの操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、ストップボタン33a〜33cの操作の受付けに基づいて行うフリーズ演出と、ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がメインリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出と、において、フリーズ演出の制御処理が異なる。また、ストップボタン33a〜33cの押し順(操作態様)によって、フリーズが発生するか否かを決定するように構成してもよい。
ストップボタン33a〜33cの操作の受付けに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、回転しているメインリール21a〜21cの停止制御処理を行わないことが挙げられる。これにより所定期間においては、遊技者が回転しているメインリール21a〜21cを停止できなくなるが、所定期間が経過したことによりストップボタン33a〜33cの操作の受付け処理より後の停止制御処理を行うので、停止受付けからリール停止までのタイミングを遅延させることができる。
ストップボタン33a〜33cの操作の結果、特定の図柄がメインリール21a〜21c上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出の制御処理は、ストップボタン33a〜33cのうち、最後のストップボタン以外のストップボタンの操作で特定の図柄がリール上に停止表示されたときは、次に停止するストップボタンの停止制御を行わず、最後のストップボタンの操作で特定の図柄がリール上に停止表示されたときは、次の遊技を開始するベットボタン31の操作に基づいた賭け枚数設定処理、通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、または、再遊技役(リプレイ)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したときに行う自動賭け枚数設定処理に基づく制御処理を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、遊技者の操作に基づく遊技進行制御を一時停止させるが、遊技の進行に関わらない遊技機動作は実行可能である。例えば、ストップボタン33a〜33cの操作に基づく停止制御処理は行わないが、メインリール21a〜21cの回転態様は任意に設定することができる。
所定期間におけるメインリール21a〜21cの回転態様として、メインリール21a〜21cを通常回転とは逆方向に回転すること、メインリール21a〜21cを所定図柄数だけ回転させて特定の図柄組合せを停止すること、複数のメインリール21a〜21cのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にすること、メインリール21a〜21cの回転速度を変化すること、または、遊技者の操作に起因してメインリール21a〜21cの動作を変化することが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、所定の条件(遊技者の操作、抽選等)によって変化させることができる。ここで、所定の条件とは、遊技者による操作(スタートレバー32、ベットボタン31、ストップボタン33a〜33c、清算ボタン32)に基づく信号の検出や抽選による所定の結果が挙げられる。また、変化させることとは一時停止期間を短くすることや長くすることが挙げられる。
一時停止期間を短くする制御処理として、一時停止期間を強制終了すること、または、一時停止期間よりも短い期間に書き換えることが挙げられる。そして、一時停止期間を長くする制御処理として、一時停止期間の後に他の期間を追加すること、または、一時停止期間よりも長い期間に書き換えることが挙げられる。また、フリーズ演出に基づく一時停止期間は、最大時間が定められたものでなく、遊技者の操作に基づき一定の結果が得られるまで継続してもよい。
フリーズ演出を行う一時停止期間は、ウエイト期間の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了するか否かを判断して、終了する場合は、ウエイト期間後にフリーズ演出期間を設定する態様やフリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開する態様が挙げられる。または、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ演出期間を設けることで、このような判断処理を省略することも可能である。
フリーズ演出として、あたかも通常の遊技を進行しているかのような疑似遊技フリーズ演出を行うことが挙げられる。疑似遊技フリーズ演出は、スタートレバー32が操作されたことに基づいたスタートレバー受付け処理からメインリール21a〜21cの回転開始処理までの間にフリーズ演出期間を定め、フリーズ演出期間中は、通常の遊技のようにスタートレバー32の操作に基づいてリール回転制御を行い、ストップボタン33a〜33cの操作に基づいてリール停止制御を行う。但し、スタートレバー32の操作に基づく役抽選処理やストップボタン33a〜33cの操作に基づく入賞判定処理または払出し制御処理は行わない。
疑似遊技フリーズ演出では、ストップボタン33a〜33cが操作されたタイミング、メインリール21a〜21cのうち、特定のリールが回転したタイミング、又は、全てのリールが停止したタイミングで上下に揺動する動きを行ってもよい。これにより、通常の遊技であるか疑似遊技フリーズ演出であるかを示唆することができる。
なお、フリーズ制御は、所定の時間が経過すると終了するように構成されている。但し、所定の時間が経過する前に、所定の操作(スタートレバー32やストップボタン33a〜33cの操作)を行うと、フリーズ制御をキャンセルできるように構成することも可能である。また、所定の時間が経過する前に、さらに所定の時間だけフリーズ制御を実行するか否かを抽選で決定するように構成することも可能である。なお、フリーズ制御が終了した時点のメインリール21a〜21cの状態によっては、この状態からメインリール21a〜21cを回転開始させると、メインリール21a〜21cを停止させるための、ストップボタン33a〜33cの操作の補助となるおそれがあるため、全てのメインリール21a〜21cの回転開始時間をランダムに変化させる(すなわち、フリーズ制御後に、メインリール21a〜21cの回転開始順序がランダムに変化する)ように構成することができる。あるいは、フリーズ制御が実行されないときのメインリール21a〜21cの回転開始処理と、フリーズ制御が実行された後のメインリールの回転開始処理とを異なるように構成することも可能である。また、フリーズ制御でメインリール21a〜21cを回転及び停止させたときは、メインリール21a〜21cの図柄の位置を、フリーズ制御が実行される前の状態に戻し、そこから回転を開始するように構成することができる。
(サブ制御基板200)
このようなスロットマシン1においては、遊技の結果に外部からの影響を加えることができないように、遊技を制御するメイン制御基板100とその遊技に対する演出を制御するサブ制御基板200とは分離して構成されている。そのため、メイン制御基板100は、サブ制御基板200で実行される演出を制御するために、上述の当選結果や遊技状態等の遊技に関する情報(制御状態)を含む制御コマンドをサブ制御基板200に送信するように構成されており、サブ制御基板200の演出制御基板300は、この制御コマンドを受信してその演出の態様を決定し、演出手段40を構成する画像表示装置41、各種演出用ランプ42、放音部(スピーカー)43、バックランプ44、サブリール46、ベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48により映像、光及び音響効果並びに第1リール表示窓11に表示される図柄を用いて演出を行うように構成されている。
このサブ制御基板200において演出制御基板300と画像音響生成基板400とは、図3に示すように、バス210に接続されている。演出制御基板300には、サブCPU310、乱数発生器320、RAM330、ROM340及びI/F回路350が設けられており、これらはバス210に接続されている。一方、画像音響生成基板400には、上述のバス210に接続された画像制御IC410及び音源IC440が設けられている。さらに、画像制御IC410には、ビデオRAM420及び画像ROM430と、画像表示装置41が接続されている。また、音源IC440には音源ROM450及びアンプ460が接続され、アンプ460には上部及び下部スピーカー43(43a,43b)が接続されている。また、バス210には、上述の各種演出用ランプ42(42a,42b)、バックランプ44、ベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48も接続されてその点灯・消灯動作が演出制御基板300により制御される。さらにバス210には、サブ入力手段45が接続されている。このサブ入力手段45は、サブ制御基板200で実行される演出に対して遊技者からの指示を与えるものであり、例えば、ボタン及び方向キーから構成されている。このサブ入力手段45は、例えば、図1に示すように、ストップボタン33a〜33cの上方に配置されている。
上述したように、サブリール46は、メインリール21a〜21cと同一の形状を有しており、また、左リール21a及び中リール21cとともに第1リール表示窓11を通して視認可能に配置されている。したがって、本実施形態に係るスロットマシン1は、遊技者に対し、第1リール表示窓11から見える3つのリール(9つの図柄)が、一般的なスロットマシンのメインリールであると認識させることができる。上述のように、メイン制御基板100のリール制御手段120で制御されるメインリール21a〜21cの停止図柄は、役抽選手段110の抽選結果により決定されるが、サブ制御手段200(演出制御手段300)により制御されるサブリール46はこの抽選結果に影響されることなく、図柄の停止位置を決定することができる。また、上述したように、メインリール21a〜21cは、ストップボタン33a〜33cが操作された時点から所定の時間内にその回転を停止させなければならないが、サブリール46にはこのような制約はない。但し、左リール21a及び中リール21bと一体のリールであることを遊技者に認識させるために、サブリール46の作動は、特定の場合を除いて、メインリール21a〜21cと同じ停止制御が行われる。このサブ制御手段200(演出制御手段300)によるサブリール46の制御の詳細については後述する。
サブCPU310は、ROM340に記録された演出用制御プログラムをRAM330に展開して実行し、画像音響生成基板400に設けられた画像制御IC410及び音源IC440を制御して、画像表示装置41やスピーカー43(43a,43b)を用いて映像や音響効果による遊技の演出を行うように構成されている。なお、画像表示装置41に表示される映像は、画像制御IC410が、画像ROM430に記憶された画像情報をビデオRAM420に展開して実行することにより表示され、また、スピーカー43(43a,43b)から出力される音響効果(音楽、音声、効果音等)は、音源IC440が音源ROM450から取り出した音響情報から再生され、アンプ460を介してスピーカー43(43a,43b)から出力される。
なお、このサブCPU310で実行される演出は、上述したように、メイン制御基板100から送信される制御コマンドを、サブCPU310がI/F回路350を介して受信し、この制御コマンドに応じて決定・制御されるが、この演出の態様(パターン)の一部は、演出制御基板300に設けられた乱数発生器320で発生された乱数値を用いて決定されるように構成されている。
また、ベットボタンランプ47は、ベットボタン31(1ベットボタン31a及びMAXベットボタン31b)の内部に配置されており、メイン制御基板100から送信される制御コマンドに基づいて演出制御基板300により制御が行われる(例えば、ベット可能なときに点灯し、ベットされたときに消灯する)。同様に、ストップボタンランプ48は、ストップボタン33a〜33cの各々の内部に配置されており、メイン制御基板100から送信される制御コマンドに基づいて演出制御基板300により制御が行われる(例えば、停止操作が受け付け可能となったときに点灯し、停止操作がされたときに消灯する)。
(フリーズモードについて)
本実施形態に係るスロットマシン1は、メイン制御基板100のフリーズ制御手段190で実行されるフリーズ制御として、疑似遊技を実行するように構成されている。上述したように、疑似遊技とは、フリーズ制御手段190によりフリーズが実行されているときに、メインリール21a〜21cのうちの少なくとも一つのリールを回転させ、遊技者によるストップボタン33a〜33cに応じて、疑似的に停止させて所定の図柄を揃えることによる演出を行うものである。本実施形態に係るスロットマシン1では、第1リール表示窓11から見える左リール21a及び中リール21b、並びに、第2リール表示窓12から見える右リール21cが疑似遊技における回転制御の対象となる。すなわち、第1リール表示窓11から視認できるサブリール46と合わせて、所定のライン上に所定の図柄の組み合わせを停止させる演出を行うものである。サブリール46が設けられていない遊技機では、3つのメインリール21a〜21cを用いて疑似遊技が行われるが、各リールの制御は、本実施形態の場合と同一である。なお、疑似遊技(フリーズ)が終了した後に、メインリール21a〜21cが回転を開始して行われる遊技を「本遊技」と呼ぶ。
まず、図15を用いて、フリーズ制御手段190でフリーズを実行する条件を変化させるための状態(以下「フリーズモード」と呼ぶ)の遷移について説明する。ここで、図15はスロットマシン1におけるフリーズモードの遷移を示す説明図である。なお、この図15は、フリーズモードの遷移の条件も示しているが、これらは、後述する演出内容とも関連している。
スロットマシン1の電源が投入されたときやリセットされたときは、フリーズモードAから開始される。そして、上述した押し順ベルに当選し、正解押し順の操作が2回連続すると、フリーズモードBに移行する。本実施形態に係るスロットマシン1は、後述する演出制御手段300の演出による押し順の報知がされない限り遊技者はストップボタン33a〜33cを順押しするように構成されている(後述するように、変則押しするとペナルティが科せられるため)。図11に示すように、これらの押し順ベルの正解押し順は変則押しに割り当てられている。そのため、演出制御手段300の演出により正解押し順が報知されない限り、フリーズモードAからフリーズモードBに移行することはない。換言すると、フリーズモードBへの移行は演出制御手段300の演出により制御することができる。なお、遊技者が偶然正解押し順を2回続けて操作することにより、フリーズモードBに移行してしまう場合もあるが、フリーズ制御手段190は、3回連続して不正解押し順で操作されるとフリーズモードAに戻るように構成されている(他のフリーズモードであっても、3回連続して不正解押し順で操作がされるとフリーズモードAに戻るように構成されている)。そのため、後述するように、フリーズモードA以外のフリーズモードでは、演出制御手段300は、押し順ベルに対する正解押し順の報知を行うように構成されている。
また、フリーズ制御手段190は、フリーズモードBで所定の遊技数の遊技が行われると、フリーズモードC又はフリーズモードDに移行する。ここで、フリーズモードBでの遊技数及び、この遊技数を消化した後にフリーズモードC及びフリーズモードDのどちらに移行するか(これを「継続状態」と呼ぶ)は、フリーズモードAからフリーズモードBに移行するときに決定される。なお、フリーズモードC又はフリーズモードDに移行する直前の遊技において、疑似遊技が実行される場合と実行されない場合がある。具体的には、疑似遊技が実行される場合はフリーズモードC又はフリーズモードDに移行し、疑似遊技が実行されない場合はフリーズモードCに移行する。また、疑似遊技においては、「青7」の図柄が有効ライン上に揃う場合と揃わない場合があり、「青7」の図柄が揃う場合はフリーズモードDに移行し、「青7」の図柄が揃わない場合(はずれ目の図柄が揃う場合)はフリーズモードCに移行する。なお、フリーズモードDの遊技数は、継続状態に応じて抽選で決定される(本実施形態では、1セットが30ゲームのJACゲーム(小役ゲーム)で構成され、このセット数(以下、「JACカウンタ」と呼ぶ)を抽選で決定することにより、フリーズモードDの遊技数が決定される(例えば、JACカウンタが2であれば、30ゲーム×2=60ゲームとなる))。
フリーズモードCにおいて、フリーズ制御手段190は、演出における自キャラクタと敵キャラクタに対する所定のポイント(体力又はヒットポイント等)を設定し、役抽選手段110による当選役に応じてダメージを決定し、自キャラクタ又は敵キャラクタのポイントからこのダメージを減算し、どちらのポイントが先に所定の値(例えば、0)になるかにより、移行するフリーズモードを決定するように構成されている。具体的には、自キャラクタのポイントが先に0になったときはフリーズモードAに移行し、敵キャラクタのポイントが先に0になったときはフリーズモードBに移行する。なお、フリーズモードBとフリーズモードCの遷移が連続して所定の回数(本実施形態では20回)実行された場合(所定の回数目のフリーズモードCの遊技において先に敵キャラクタのポイントが0になった場合)は、フリーズモードEに移行するように構成されている。また、フリーズモードBに移行するときは、上述したフリーズモードBでの遊技数及び、継続状態(この遊技数を消化した後にフリーズモードC及びフリーズモードDのどちらに移行するか)を決定するように構成されている。
上述したフリーズモードCでは、当選役によってフリーズモードBに戻る場合と、フリーズモードA(又はフリーズモードE)に移行する場合とがあったが、フリーズモードDは、所定の遊技数の遊技が実行されると、必ずフリーズモードBに戻るように構成されている。なお、フリーズモードDの遊技数は、フリーズモードBの最後に実行される疑似遊技において揃う図柄の組み合わせ(継続状態)により決定される。また、フリーズモードBに戻るときは、上述したフリーズモードBでの遊技数及び継続状態を決定するように構成されている。また、フリーズモードBの最後に疑似遊技bが行われると説明したが、フリーズモードC又はフリーズモードDの遊技開始時に疑似遊技bを実行するように構成してもよい。
また、フリーズ制御手段190は、フリーズモードEにおいて、所定の回数の遊技が実行されると、フリーズモードAに移行するように構成されている。
ここで、フリーズモードCにおける自キャラクタ及び敵キャラクタのポイントやダメージは、所定の継続率に応じて決定されるように構成されている。すなわち、この継続率は、フリーズモードCにおいて自キャラクタが敵キャラクタに勝利する期待値を示している。具体的には、本実施形態では継続率は4段階あり、この継続率に応じて、上記ポイントやダメージが決定されるように構成されている。なお、フリーズモードBにおける遊技数及び、このフリーズモードBからフリーズモードCに移行するかフリーズモードDに移行するかを、上述した継続率に応じて決定するように構成してもよい(例えば、継続率に応じてフリーズモードC又はフリーズモードDに移行する確率が変化するように構成する)。もちろん、継続率に影響されない抽選によりフリーズモードC又はフリーズモードDのいずれに移行するかを抽選してもよい(すなわち、ブリーズモードBに移行したときに、疑似遊技bを発生するか否かの抽選を行うように構成してもよい)。この継続率は、フリーズモードA以外のフリーズモードからフリーズモードAに移行するときに抽選により決定されるように構成されている。なお、以上で説明した継続率や遊技数等は、あるフリーズモードから別のフリーズモードに移行するときに決定されるように構成した場合について説明したが、移行後に決定するように構成することも可能である。また、継続率を決定するタイミングとしては、上述の説明では、フリーズモードAに移行するときに抽選される構成で説明したが、これに限らず、設定変更操作を行いスタートレバー32の操作により設定値が決定したことに基づいて継続率を決定するように構成してもよい。
また、本実施形態に係るスロットマシン1において、フリーズの一つである疑似遊技は、本遊技とともに1つの遊技として扱われるため(疑似遊技も本遊技も、メインリール21a〜21cの回転の始動操作及び停止操作の組を1つの遊技として扱うため)、メイン制御手段で管理しているフリーズモードの遊技数等の整合性を維持するために、フリーズ制御手段190が上述したフリーズ(特に、疑似遊技)を実行しているときに、電源断が発生したときは、フリーズに関する情報を保持するように構成し、電源の復帰時に、フリーズを再開するように構成されている。
以上のようにフリーズモードを管理することにより、ART遊技(フリーズモードB〜Eのときに、演出制御手段で押し順ベルの正解押し順を報知する遊技)を、メイン制御基板100側で管理することができるので、演出制御手段300側の処理量及びプログラムやデータの容量を削減することができる。また、メイン制御基板100側で管理するART遊技の進行を円滑に行うことができる。
(疑似遊技について)
本実施形態に係るスロットマシン1において実行される疑似遊技としては、遊技毎の抽選により実行が決定される疑似遊技(以下、「疑似遊技a」と呼ぶ)、フリーズモードBの最後の遊技で実行される疑似遊技(以下、「疑似遊技b」と呼ぶ)、及び、フリーズモードB、フリーズモードD及びフリーズモードEにおいて当選したレア役の情報をストックし、フリーズモードCにおいて所定の条件を満たしたとき(詳細は後述するが、例えば、再遊技役に当選するか、いずれの役にも当選しないとき(ハズレのとき))にこのストックに基づいて実行される疑似遊技(以下、「疑似遊技c」と呼ぶ)がある。なお、疑似遊技aは、実行する条件を満たした遊技から所定の遊技数後(以下、「前兆遊技数」と呼ぶ)に実行されるように構成されており、この前兆遊技数は抽選により決定される(本実施形態での前兆遊技数は、最大7ゲームである)。なお、疑似遊技aと疑似遊技b又は疑似遊技cが同じ遊技で実行される場合には、疑似遊技b又は疑似遊技cを優先し、疑似遊技aは、当該疑似遊技b又は疑似遊技cが実行された後に再度、前兆遊技数が決定されるように構成されている。また、疑似遊技aが実行される遊技が、フリーズモードB、フリーズモードD又はフリーズモードEの最後の2遊技のいずれかで実行される場合には、これらの最後の2遊技においては疑似遊技aを実行せず、これらの遊技の終了後に再度前兆遊技数が決定されるように構成されている。また、以上の疑似遊技の種類を「疑似遊技タイプ」と呼ぶ。なお、疑似遊技が重複することを避けるために、疑似遊技aに当選後は、この疑似遊技aが実行されるまでは、新たな疑似遊技aに当選しないように構成することもできる。このように、疑似遊技の発生が重複したときでも、優先順位を付けることで混乱が生じるのを少なくすることができる。
また、疑似遊技において、メインリール21a〜21cに疑似停止させる(揃う)図柄の組み合わせとしては、本遊技におけるレア役に加えて、「赤7」−「赤7」−「any」(サブリール46の中段に「赤7」の図柄を停止させることにより、第1リール表示窓11の中段に「赤7」の図柄が1ライン揃えることができる)や、「青7」−「青7」−「any」(左リール21aの上段及び中段に「青7」を停止させた状態で、サブリール46の上段及び中段に「青7」の図柄を停止させれば、第1リール表示窓11の中段に「青7」の図柄が1ライン揃い、サブリール46の中段及び下段に「青7」の図柄を停止させれば、第1リール表示窓11の中段及び右下がりのラインに「青7」の図柄が2ライン揃えることができる)等の役が含まれる(これらの図柄の組み合わせもレア役として扱う)。ここで、本遊技と同じレア役については、本遊技と同じリール制御(最大5図柄のスベリで停止させる制御)を行い、「赤7」や「青7」等の疑似遊技だけの図柄の組み合わせは、本遊技以上のスベリを許容した停止制御を行う。本遊技と同じレア役を、本遊技と同じ停止制御で停止させることにより、遊技者に疑似遊技での違和感を与えないようにすることができる。反対に、疑似遊技だけの図柄の組み合わせでは、本遊技と異なる停止制御をすることにより、遊技者に与える印象を強化し、この疑似遊技により演出の効果を高めることができる。
(メイン制御基板100での処理)
次に、図16〜図33を合わせて用いてメイン制御基板100で制御される各遊技における処理について説明する。ここで、図16は遊技開始からメインリールが停止するまでの処理の流れを示すフローチャートであり、図17はメインリール停止後の処理の流れを示すフローチャートであり、図18はリール制御の流れを示すフローチャートであり、図19は疑似遊技処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図20は疑似遊技処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図21は本遊技処理の流れを示すフローチャートであり、図22は演出前処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図23は演出前処理の後段の流れを示すフローチャートであり、図24は演出後処理のうち、フリーズモードAのときの流れを示すフローチャートであり、図25は演出後処理のうち、フリーズモードBのときの前段の流れを示すフローチャートであり、図26は演出後処理のうち、フリーズモードBのときの後段の流れを示すフローチャートであり、図27は演出後処理のうち、フリーズモードCのときの前段の流れを示すフローチャートであり、図28は演出後処理のうち、フリーズモードCのときの後段の流れを示すフローチャートであり、図29は演出後処理のうち、フリーズモードDのときの流れを示すフローチャートであり、図30は演出後処理のうち、フリーズモードEのときの流れを示すフローチャートであり、図31は疑似遊技a処理の流れを示すフローチャートであり、図32は1回の単位遊技において、メイン制御基板100からサブ制御基板200(演出制御基板300)に送信される制御コマンドの流れの一例を示す説明図であり、図33はリール制御の変形例の流れを示すフローチャートである。なお、以降の説明において、メイン制御基板100のメインCPU101で実行される遊技用制御プログラムによる機能を「メイン制御手段」と呼ぶ。
図16に示すように、遊技が開始されると、メイン制御手段は、遊技状態制御手段180により、遊技状態を管理し(すなわち、前回の遊技において遊技状態が変化したときは、当該遊技状態での遊技の開始のための処理(初期設定等)を行い)、遊技の実行が可能になると、現在の遊技状態及び遊技メダルの受け付け(ベット)が可能になったことを示す遊技状態コマンドC1000をサブ制御基板200に送信する(ステップS500)。なお、メイン制御基板100からサブ制御基板200(演出制御基板300)に送信される主な制御コマンドは、図32に示されている。また、メイン制御手段は、このメイン制御手段で実行される遊技(フリーズモード)に基づいた演出を演出制御手段300で実行するための情報(演出情報)を、制御コマンド(以下、「第1演出情報コマンド」と呼ぶ)としてサブ制御基板200に送信する(ステップS501)。この演出情報には、上述したフリーズモード、継続率、継続回数、JACカウンタ、継続状態、疑似遊技タイプ及び前兆遊技数が含まれる。さらに、メイン制御手段は、上述した遊技状態をサブ制御基板200に送信する(ステップS502)。
遊技の開始時に、遊技者は、メダル投入口51から遊技メダルを投入するか、若しくは、ベットボタン31(1ベットボタン31a又はMAXベットボタン31b)を操作して遊技者の望む遊技メダルの数のベットを行う。なお、本実施形態に係るスロットマシン1のベット数は3枚(特別遊技時は2枚)に設定されている。メイン制御手段は、このベット操作が行われることを監視し(ステップS503)、ベット操作が行われると、メダル投入口51から投入された遊技メダルの枚数か若しくはベットボタン31の操作によりベットされた遊技メダルの枚数等の情報を含むベット情報をベットコマンドC1001としてサブ制御基板200に送信する(ステップS504)。ここで、前の遊技でリプレイ(再遊技役)の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときは、遊技メダルが自動投入されたことを示すベットコマンドC1001が送信される。
さらに、メイン制御手段は、遊技者によりスタートレバー32が操作されたか否かを監視する(ステップS505)。そして、メイン制御手段は、スタートレバー32が操作されたと判断すると、役抽選手段110により役の抽選を行う(ステップS506)。具体的には、この役抽選手段110による役抽選処理は、現在の遊技状態に応じて、図10に示す抽選テーブルを選択し、選択した抽選テーブルを用いて役の抽選を行う。なお、メイン制御手段は、当選役にレア役(図10に示す小役のうち、当選確率が低く設定された当選役のことをいう)が含まれるか否かを判断し、当選役にレア役が含まれていると判断したときは、上述したフリーズを実行するように構成してもよい。このフリーズの実行は、レア役に当選したときに必ず実行するように構成してもよいし、抽選で実行するか否かを決定してもよい。また、遊技状態に応じてフリーズを実行するか否かを決定してもよい。また、レア役に当選したときだけでなく、他の小役に当選したときにフリーズを実行するように構成してもよい(当選した小役に応じて、フリーズを実行するか否かの抽選の確率を変化させてもよい)。なお、本実施形態に係るスロットマシン1におけるレア役は、小役2−1、小役2−2及び小役2−3(スイカ)、並びに、リプレイ2及びリプレイ3(チェリー)の少なくとも1つが相当する。
役抽選手段110による役の抽選が行われると、メイン制御手段は、スタートレバー32が操作された情報(始動操作情報)をスタートレバー受付コマンドC1002としてサブ制御基板200に送信し(ステップS507)、また、役の抽選結果である当選情報を含み演出態様の決定を指示するための条件装置状態番号コマンドC1004をサブ制御基板200に送信する(ステップS508)。この条件装置状態番号コマンドC1004には、役抽選処理S505で押し順が設定された役(例えば、図10に示す小役1−A1〜小役1−A9、小役1−B1〜小役1−B9、小役1−C1〜小役1−C9及び小役1−D1〜小役1−D9(押し順ベル))に当選している場合には、その押し順に関する情報も含まれる。なお、上述した疑似遊技以外のフリーズ(例えば、スタートレバー32が操作されたときに、所定時間だけメインリール21a〜21cの少なくとも一部の回転開始を遅らせる制御(フリーズ制御))が行われる場合は、メイン制御手段のフリーズ制御手段180はサブ制御基板200に対して待機演出コマンドC1003を送信するように構成してもよい。
続いて、メイン制御手段は、リール制御手段120により、リール駆動手段22a〜22cを駆動制御して、すべてのメインリール21a〜21cを回転させるように制御する(ステップS509)。図18に示すように、メイン制御手段は、まず、本遊技の当選役(条件装置状態番号)をRAM103等の記憶手段の第1の記憶領域に記憶し、この当選役から上述した停止制御を行うための図柄制御番号を決定する(ステップS5091)。そして、メイン制御手段は、疑似遊技(疑似遊技a、疑似遊技b及び疑似遊技cのいずれかであって、ステップS5092の「Ff*」は、「*」の部分に疑似遊技タイプの「a」、「b」、「c」が入る)が実行される遊技か否かを判断し(ステップS5092)、疑似遊技が実行されると判断すると、ステップS5091で決定した本遊技の図柄制御番号を、第1の記憶領域に記憶させる(ステップS5093)。なお、図柄制御番号等を記憶させる領域は、RAM103に限定されることはなく、メインCPU101内のレジスタ領域に記憶させることも可能である。また、この本遊技の図柄制御番号を格納するための専用の記憶領域を設けておけば、そのままこの情報を記憶させておけるので、別の領域に記憶させる必要はない。また、疑似遊技の停止図柄を決定するための情報である疑似当選役の記憶領域は、上述した記憶手段の第2の記憶領域であるとする。また、これらの第1及び第2の記憶領域にはそれぞれ、当選役(当選役決定結果)や疑似当選役(フリーズ遊技決定結果)を記憶する領域や、これらの当選役又は疑似当選役に基づいて決定される図柄制御番号、及び、停止位置データ(停止テーブル情報)を記憶する領域が設けられている。さらにメイン制御手段は、本遊技の当選役と疑似遊技の疑似当選役とを比較して同じ役であるか否かを判断し(ステップS5094)、同じ役であるときは疑似遊技の図柄制御番号に上述の本遊技の図柄制御番号を設定し(ステップS5095)、同じ役でない場合は、疑似当選役から疑似遊技の図柄制御番号を決定する(ステップS5096)。この疑似遊技の図柄制御番号は、第2の記憶領域に記憶される。また、この疑似遊技の図柄制御番号には、疑似当選役が本遊技の当選役と同じとき(同じ図柄の組み合わせのとき)は、同じ番号を割り当てることができる。このように、本遊技の当選役と疑似遊技の疑似当選役とが同じときは、本遊技のために決定した図柄制御番号をそのまま疑似遊技の図柄制御番号とすることにより、疑似遊技のために、疑似当選役から図柄制御番号を決定する処理を省略することができる。なお、本遊技の当選役に拘わらず、必ず、疑似当選役から疑似遊技の図柄制御番号を決定するように構成することも可能である(この場合、図18に示すステップS5094及びS5095が省略される)。
このようにして疑似遊技の図柄制御番号が決定されると、メイン制御手段は、メインリール21a〜21cを用いて疑似遊技を実行する(ステップS5097)。図19に示すように、メイン制御手段は、疑似遊技処理S5097に移行すると、まず、演出前処理を実行する(ステップS5100)。具体的には、図22に示すように、疑似遊技aの抽選を行い(ステップS5150)、疑似遊技aに当選したか否かを判断し(ステップS5151)、疑似遊技aに当選した場合は、この疑似遊技に関する情報(疑似遊技情報)を記憶領域にストックする(ステップS5152)。この疑似遊技情報としては、例えば、有効ライン上に疑似停止させる図柄の組み合わせ(疑似当選役)であり、抽選等で決定される。なお、「ストック」とは、RAM103等の記憶領域に、当選した順に情報を蓄積することを示している。ここで、本実施形態に係るスロットマシン1では、特に断らない限り、記憶領域にストックした順番で、この情報を取り出すように構成されている(FIFO)。このようなストックの方法としては、例えば、循環して利用できる所定のサイズの記憶領域を設け、もっとも古いデータを指し示すポインタと、次に記憶する領域を指し示すポインタとを用意することで実現できる。すなわち、疑似遊技情報をストックするときは、次に記憶する領域を示すポインタの位置にその情報を記憶して、このポインタを次の領域に進め、疑似情報を取り出すときは、最も古いデータを示すポインタの位置からその情報を取り出し、このポインタを次の領域に進めることで記憶された情報を管理することができる。なお、現在ストックされている疑似遊技情報の数は、個別のカウンタを設けて管理しても良いし、上記ポインタの差から演算で求めてもよい。以降の説明においてもこのストックの方法は同じである。
次にメイン制御手段は、現在のフリーズモードFMが「B」、「D」または「E」のいずれかであるか否かを判断し(ステップS5153)、フリーズモード「B」,「D」,「E」のいずれかであるときは、役抽選手段110の当選役に上述したレア役が含まれるか否かを判断し(ステップS5154)、レア役が含まれると判断したときはこの情報(レア役情報)をストックする(ステップS5155)。このレア役情報としては、当選役である条件装置状態番号である。
さらに、図23に示すように、メイン制御手段は、現在のフリーズモードFMが「C」であるか否かを判断し(ステップS5156)、現在のフリーズモードが「C」でなければ、この演出前処理を終了する。一方、現在のフリーズモードが「C」であると判断したときは、上述したフリーズモードCにおけるダメージを決定する。すなわち、メイン制御手段は、役抽選手段110により決定された当選役がリプレイ(リプレイ1〜4)であるか、または、いずれの役にも当選していないハズレであるかを判断し(ステップS5157)、リプレイまたはハズレであると判断したときは、上述したレア役情報がストックされているか否かを判断し(ステップS5158)、レア役情報のストックがないときは、自キャラクタのダメージDGmを抽選で決定する(ステップS5159)。また、レア役情報がストックされているときは、このストックを利用することを示すフラグ(以下、「ダメージ回避フラグFg」と呼ぶ)に1を設定し(ステップS5160)、自キャラクタのダメージDGmに0を設定する(ステップS5161)。一方、メイン制御手段は、ステップS5157でリプレイまたはハズレでないと判断したときは、当選役に小役(入賞役)が含まれるため、敵キャラクタのダメージDGeを抽選で決定する(ステップS5162)。なお、自キャラクタ及び敵キャラクタのダメージは、上述した継続率や当選役により変化するように構成することができる。例えば、継続率が高いときは、自キャラクタに対するダメージは小さい値を当選しやすく、敵キャラクタに対するダメージは大きい値を当選しやすくする。反対に、継続率が低いときは、自キャラクタに対するダメージは大きい値を当選しやすく、敵キャラクタに対するダメージは小さい値を当選しやすくする。また、通常の役(小役1やリプレイ1,4)のときのダメージは小さい値を当選しやすくし、レア役(小役2やリプレイ2,3)のときは大きい値を当選しやすくする。なお、ステップS5159又はステップS5162で決定するダメージDGm,DGeは、継続率に応じて変化させてもよい。例えば、継続率が高いときは、敵キャラクタのダメージDGeを大きくし(自キャラクタを強くし)、継続率が低いときは、敵キャラクタのダメージDGeを小さくする(自キャラクタを弱くする)ように構成することもできる。同様に、継続率が高いときは、自キャラクタのダメージDGmを小さくし、継続率が低いときは、自キャラクタのダメージDGmを大きくするように構成してもよい。また、継続回数が増えるほど、敵キャラクタが受けるダメージDGeが小さくなる(すなわち、継続回数が増えるほど強い敵が出現する)ように構成することもできる。
また、この演出前処理S5100で実行される疑似遊技aの抽選処理(ステップS5150)において、疑似遊技aが当選する確率は、当選役又は疑似当選役により変化するように構成してもよい(例えば、当選役としてリプレイやハズレのときは、当選確率を低くし、レア役のときは当選確率を高くする)。また、現在のフリーズモードに応じて、疑似遊技aの当選確率を変化させてもよい(例えば、フリーズモードAのときは疑似遊技aの当選確率を低くし、ブリーズモードBのときは高くする)。上述したように、疑似遊技aが実行されるときの疑似当選役はレア役であるため、演出制御基板300により実行される演出において、ART遊技が実行されないフリーズモードAのときは疑似遊技aの発生確率を低くし、ART遊技が実行されるフリーズモードB(又はフリーズモードC〜E)のときは疑似遊技aの発生確率を高くすることで、演出を効果的に実行することができる。
図19に戻り、メイン制御手段は、メインリール21a〜21cを用いた演出の情報、すなわち、フリーズモード(疑似遊技)に関する情報(演出情報)を制御コマンド(以下、「第2演出情報コマンド」と呼ぶ)としてサブ制御基板200に送信する(ステップS5101)。この演出情報には、現在のフリーズモード、上述の処理で獲得したレア役情報、ストックされているレア役情報の数、ダメージ、現在のフリーズモード、現在のフリーズモードの遊技数、演出状態(疑似遊技か本遊技か)、疑似遊技の疑似当選役または本遊技の当選役、MBに当選した情報が含まれている。
また、メイン制御手段は、前の遊技の開始(メインリール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているかを監視し(ステップS5102)、最小遊技時間を経過しているときはこの最小遊技時間のカウントを0にセットして次の遊技のために再度計時を開始する(ステップS5103)とともに、リール駆動制御により全てのメインリール21a〜21cを回転させ、回転が開始されたことを示す制御コマンド(疑似遊技状態における回転開始に関する制御コマンドであるが、本遊技で用いられる制御コマンド(後述する第1〜第3回胴回転開始コマンドC1005〜C1007を用いてもよいし、疑似遊技専用の制御コマンドを用いてもよい)をサブ制御基板200に送信する(ステップS5104)。なおこのとき、後述するように、サブリール46は演出制御手段で回転が開始される。なお、右リール21cは、この疑似遊技において、回転させてもよいし、回転させなくてもよいが、ここでは回転させるものとして説明する。また、メイン制御手段は、現在回転しているメインリール21a〜21cに対して、疑似遊技の図柄制御番号に基づいて停止テーブルを選択して停止位置データを作成し、この停止位置データを第2の記憶領域に記憶する(ステップS5105)。そして、メイン制御手段はタイマーを例えば、20秒に設定する(ステップS5106)。このタイマーは、疑似遊技で遊技者がストップボタン33a〜33cを操作しないときに、自動的にこの疑似遊技を終了させるためのものである。
メイン制御手段は、タイマーが経過したかを判断し(ステップS5107)、経過していないと判断したときはストップボタン33a〜33cが操作された否かを判断し(ステップS5108)、操作されていないときはステップS5107に戻る。そして、ストップボタン33a〜33cが操作されたと判断すると、メイン制御手段は、ストップボタンが操作されたことを示す制御コマンド(疑似遊技においてストップボタン33a〜33cの操作がされたことをメイン制御手段からサブ制御手段に送信する制御コマンド(停止受付コマンド)は、本遊技で送信される制御コマンド(後述する第1〜第3停止受付コマンドC1008,C1010,C1012)を用いてもよいし、これらの制御コマンドとは別の停止受付に関する制御コマンドを用いてもよい)をサブ制御基板200に送信し(ステップステップS5109)、操作がされたストップボタンに対応するメインリール(メインリール21a〜21c)を、上記のようにして作成された停止位置データに基づいて停止させる(ステップS5110)。なお、疑似遊技においては、ストップボタンが操作されてからメインリールが停止するまでの時間の制限はないため、停止図柄が第1リール表示窓11の中段に位置するまで当該メインリールを回転させてもよいし、本遊技と同じように停止させてもよい。また、疑似遊技においては、通常の遊技(本遊技)におけるメインリールの停止と判別可能とするために、疑似遊技中にストップボタン33a〜33cが操作されてメインリール21a〜21cが停止するときは、揺動制御を行う(メインリール21a〜21cを揺れ変動させる)。この停止態様を「疑似停止」と呼ぶ。また、当該メインリールが疑似停止したときに、メイン制御手段は、このメインリールが停止したことを示す制御コマンド(疑似遊技においてメインリール21a〜21cが停止したことを示す制御コマンド(停止コマンド)であるが、この制御コマンドは本遊技で送信される制御コマンド(後述する第1〜第3回胴回転停止コマンドC1009,C1011,C1013)を用いてもよいし、これらの制御コマンドとは別の停止に関する制御コマンドを用いてもよい)をサブ制御基板200に送信する。
さらに、メイン制御手段は、全てのメインリール21a〜21cが疑似停止したか否かを判断し(ステップS5111)、疑似停止していないメインリールがあるときはステップS5105に戻る。一方、ステップS5107で、タイマーが所定の時間を経過したと判断したときは、メイン制御手段は、全てのメインリール21a〜21cを疑似停止させる(ステップS5112)。なお、ステップS5106で設定された時間内にストップボタン33a〜33cが操作されたときは、ステップS5106において、再度、タイマーの時間が設定される(延長される)。
ステップS5111で全てのメインリール21a〜21cが疑似停止したと判断したときは、メイン制御手段は、図20に示すように、再度所定の時間にタイマーを設定し(ステップS5113)、ベットボタン31が操作されるか(ステップS5114)、タイマーに設定した時間が経過したと判断する(ステップS5115)と、さらにタイマーを所定の時間に設定し(ステップS5116)、スタートレバー32が操作されるか(ステップS5117)、タイマーに設定した時間が経過したと判断する(ステップS5118)。そして、実行した疑似遊技のフラグFf*(*=a又はb又はc)に0を設定し(ステップS5119)、現在のフリーズモードの遊技数または疑似遊技aのための前兆遊技数N*(*=B〜Fのいずれか)から1を減算し(ステップS5120)、この疑似遊技処理S5093を終了する。なお、上述したように、図20において、ステップS5119の「Ff*」は、現在実行している疑似遊技のタイプ(「a」、「b」、「c」のいずれか)が入り、ステップS5120の「N*」は、現在実行しているフリーズモードもしくは疑似遊技aの前兆遊技数(B〜F)が入る。
なお、この疑似遊技処理S5093を終了すると、後述するように、メイン制御手段は、図18のステップS5099において、本遊技のためにメインリール21a〜21cの回転を開始するが、このとき、3つのメインリール21a〜21cの回転の開始時間を、互いにランダムな時間だけ異なるようにしている。上述したように、疑似遊技においては、一旦、所定の図柄の組み合わせが第1リール表示窓11の所定のライン(例えば中段)に疑似停止するが、これらのリールを本遊技において同時に回転開始させると、上述したように、本遊技におけるストップボタン33a〜33cの操作の補助となるおそれがあるからである。また、図19のステップS5107でタイマーが経過して、ステップS5112で全てのメインリール21a〜21cが疑似停止したときは、メインリール21a〜21cのそれぞれの回転開始までの時間をランダムに決定して、本遊技を行うためのメインリール21a〜21cの回転開始を行うように構成してもよい。
図18に戻り、疑似遊技処理が終了すると、メイン制御手段は、第1の記憶領域に記憶させてある本遊技の図柄制御番号を読み出し(ステップS5098)、本遊技を開始する(ステップS5099)。なお、上述したステップS5092において疑似遊技が実行されないと判断された場合も、このステップS5099に移行する。図21に示すように、この本遊技においても、メイン制御手段はまず上述した演出前処理(ステップS5100)を実行し、疑似遊技aの抽選、レア役のストック、及びフリーズモードCにおけるダメージの算出を行う。さらに、疑似遊技処理S5097と同様に、サブ制御基板200に対して、演出情報(現在のフリーズモード、上述の処理で獲得したレア役情報、ストックされているレア役情報の数、ダメージ、現在のフリーズモード、現在のフリーズモードの遊技数、演出状態(疑似遊技か本遊技か)、疑似遊技の疑似当選役または本遊技の当選役、MBに当選した情報)を第2の演出情報コマンドとしてサブ制御基板200に送信する(ステップS5131)。
また、メイン制御手段は、前の遊技(疑似遊技または本遊技)の開始(メインリール21a〜21cの回転開始)から最小遊技時間が経過しているか否かを監視し(ステップS5132)、最小遊技時間を経過しているときはこの最小遊技時間のカウントを0にセットして次の遊技のために再度計時を開始する(ステップS5133)とともに、リール駆動制御により全てのメインリール21a〜21cを回転させる(ステップS5134)。なお、このステップS5134においてリール制御手段120は、メインリール21a〜21cの各々の回転を開始させたときに、変動開始情報である第1〜第3回胴回転開始コマンドC1005〜C1007をサブ制御基板200に送信する。ここで、3つのメインリール21a〜21cのうち、左リール21aの回転が開始すると第1回胴回転開始コマンドC1005が送信され、中リール21bの回転が開始すると第2回胴回転開始コマンドC1006が送信され、右リール21cの回転が開始されると第3回胴回転開始コマンドC1007が送信される。そのため、第1〜第3回胴回転開始コマンドC1005〜C1007は、必ずしも図32に示される順番で送信されるわけではない。このようにして、メインリール21a〜21cがリール駆動手段22a〜22cによって回転されることで、メインリール21a〜21c上の図柄は、所定の速度で第1リール表示窓11及び第2リール表示窓12内において上下方向に変動表示される。また、メイン制御手段は、現在回転しているメインリール21a〜21cに対して、本遊技の図柄制御番号に基づいて停止テーブルを選択して停止位置データを作成し、この停止位置データを第1の記憶領域に記憶する(ステップS5135)。
そして、遊技者が、各ストップボタン33a〜33cを操作すると、そのときに発生する操作信号がメイン制御基板100に入力される。メインリール21a〜21cが変動表示されている状態で、メイン制御手段は、遊技者のストップボタン33a〜33cに対する停止操作によりこの操作信号が入力されるのを監視し(ステップS5136)、この操作信号を受信すると、リール制御手段120により、操作されたストップボタンに関する制御コマンドをサブ制御基板200に送信し(ステップS5137)、さらに、役の抽選結果とストップボタン33a〜33cが操作されたときのメインリール21a〜21c上の図柄の位置(受付位置)から停止位置データに基づいて、一意の停止位置を決め、ストップボタン33a〜33cに対応するリール駆動手段22a〜22cを駆動制御することにより、そのリール駆動手段22a〜22cに係るメインリール21a〜21cの停止制御を行う(ステップS5138)。ここで、回転する3つのメインリール21a〜21cに対する停止操作のうち、3つのストップボタン33a〜33cがどの順序で操作されたとしても、最初の操作を第1停止と呼び、次の操作を第2停止と呼び、最後の操作を第3停止と呼ぶ。また、メイン制御手段は、3つのストップボタン33a〜33cが遊技者により押されて、対応するメインリール21a〜21cの回転が停止される毎に、ストップボタン33a〜33cの操作情報として、第1停止受付コマンドC1008及び第1回胴回転停止コマンドC1009、第2停止受付コマンドC1010及び第2回胴回転停止コマンドC1011、並びに、第3停止受付コマンドC1012及び第3回胴回転停止コマンドC1013をサブ制御手段に送信する。これらの制御コマンドのうち、第1〜第3停止受付コマンドC1008,C1010,C1012は、ストップボタン33a〜33cの操作を受け付けたことを示すコマンドであり、また、第1〜第3回胴回転停止コマンドC1009,C1011,C1013は、メインリール21a〜21cが停止したこと示すコマンドである。また、このストップボタン33a〜33cの操作情報には、3つのストップボタン33a〜33cのうちの操作されたストップボタンの順番や、中段に停止した図柄の情報(停止位置)、及び、ストップボタン33a〜33cが押されたときのメインリール21a〜21c各々の位置の情報であって、左リール21a及び中リール21bにおける第1リール表示窓11の中段にある図柄、及び、右リール21cにおける第2リール表示窓12(下段)にある図柄に関する情報(図柄受付位置情報)が含まれる。このステップS5135〜S5138の処理は、全てのメインリール21a〜21cの回転が停止するまで繰り返される(ステップS5139)。そして、全てのメインリール21a〜21cが停止すると、現在のフリーズモードの遊技数または疑似遊技aのための前兆遊技数N*から1を減算し(ステップS5140)、この本遊技処理S5099を終了し、さらに、リール制御処理S509を終了する。
次に、図17に示すように、本遊技において全てのメインリール21a〜21cが停止すると、メイン制御手段は、停止図柄判定手段130により、有効ライン上にいずれかの役(抽選により当選した役)に対応する図柄の組み合わせが停止したか否かを判定し(ステップS510)、メインリール21a〜21cに停止した図柄の組み合わせに応じた演出の開始を指示するための、表示されている図柄の組み合わせに関する情報を示す作動図柄表示コマンドC1014をサブ制御基板200に送信する(ステップS511)。この作動図柄表示コマンドC1014は、例えば、特別役や入賞役(小役)、再遊技役(リプレイ)の図柄が有効ライン上に揃った場合に、対応する演出の実行をサブ制御基板200に指示するためのコマンドであり、図柄に応じた演出が無い場合も送信される。
また、メイン制御手段は、遊技メダルの払い出しが開始されたことを示す情報をメダル払出開始コマンドC1015としてサブ制御基板200に送信する(ステップS512)。このメダル払出開始コマンドC1015には、払出されるメダルの枚数が設定されており、遊技メダルが払出される小役以外の図柄が有効ライン上に揃っているときは0枚が設定される。そして、メイン制御手段は、ステップS510の停止図柄の判定の結果、有効ライン上に特別役に対応する図柄(ボーナス図柄)の組み合わせが表示されていると判定したときは(ステップS513)、次遊技から特別遊技を実行する。また、有効ライン上にボーナス図柄が揃っていない場合に、入賞役A〜入賞役Vに対応する図柄(小役図柄)が揃っている(入賞している)と判定したときは(ステップS514)、メイン制御手段は、払出し制御手段140により入賞した小役に対応する遊技メダルの払い出しを行い(ステップS515)、遊技メダルの払い出しが終了するとメダル払出終了コマンドC1016をサブ制御基板200に送信する(ステップS516)。一方、有効ライン上に小役図柄が揃っていない場合に、有効ライン上にリプレイ(再遊技役)に対応する図柄(リプレイ図柄)が揃っていると判定したときは(ステップS517)、メイン制御手段は、現在ベットされている遊技メダルを次の遊技のベットとして持ち越す処理を行う(ステップS518)。
このステップS518において、メイン制御手段は、役抽選手段110によりリプレイ4が当選したか否かを判断し、リプレイ4に当選している場合にはさらに、無効ライン(左リール21aの上段及び中リール21bの中段)に「ベル」の図柄が停止しているか否かを判断する。この判断は、例えば、作動図柄表示コマンドC1014により有効ライン上に再遊技役Dの図柄の組み合わせが揃っているか否かで判断してもよいし、第1〜第3停止受付コマンドC1009,C1011,C1013から、ストップボタン33a〜33cが順押しされたか否かで判断してもよい。そして、メイン制御手段は、無効ライン上にベルの図柄が揃っていると判断したときは、演出制御基板300を介して無効ライン上に並んでいる「ベル」の図柄の後ろに配置されたバックランプ44を点灯させる演出を実行する。なお、後述するが、この場合、サブ制御手段200(演出制御手段300)は、サブリール46の下段に「ベル」の図柄が停止するように制御する。このため、第1リール表示窓11から見える3×3の9個の図柄停止位置において、右斜め下に延びるライン上に「ベル」の図柄が停止することになり、これらの図柄がバックランプ44を点灯することにより強調表示される。すなわち、遊技者に対して、あたかも無効ライン上に揃ったベル(入賞役Gと同じ図柄の組み合わせ)が入賞したと感じさせる演出(これを「ベル入賞演出」と呼ぶ)が実行される。なお、ベル入賞演出は、バックランプ44の点灯に限定されることはなく、例えば、貯留されている遊技メダルの枚数の表示を点滅させてもよいし、演出用ランプ42を点滅させてもよいし、スピーカー43からベル入賞時に効果音を再生する場合は、無効ラインにベルが揃ったときも同一の効果音を再生してもよい。また、リプレイ(再遊技役)の図柄が有効ライン上に揃ったときは、当該遊技でベットされた遊技メダルが次の遊技で自動的に投入されることとなるが、このベル入賞演出として、あたかもベットを行うことが可能なように、ベットボタン31を点灯させてもよい(この場合、ベットボタン31が操作されると消灯するように制御する)。また、次の遊技において、ベットボタン31、スタートレバー32が操作されると、ベル入賞演出が終了するように構成される。反対に、いずれの役の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃ったときでも、「入賞演出」や獲得枚数表示ランプ等を用いた演出を行わないように構成してもよい。これにより、「ベル」の図柄の組み合わせ(入賞役G)が有効ライン上に揃ったときも、リプレイ4(再遊技役4)により無効ライン上に「ベル」の図柄の組み合わせが揃ったときも、遊技者には小役1が入賞したと認識させることができる。
−フリーズモードAに対する演出後処理−
また、メイン制御手段は、全リール停止後の疑似遊技の処理(演出後処理)を実行する(ステップS519)。図24に示すように、メイン制御手段は、現在のフリーズモードが「A」であるか否かを判断し(ステップS5170)、フリーズモードAでないと判断したときは、ステップS5180に移行する。一方、現時のフリーズモードが「A」であると判断したときは、疑似遊技aに関する処理を実行する(ステップS5171)。
図31に示すように、疑似遊技aに対してメイン制御手段は、疑似遊技aの前兆遊技数が決定されて実行待ち状態であることを示すフラグ(以下、「放出待ちフラグFh」と呼ぶ)に1が設定されているか否かを判断する(ステップS5230)。この放出待ちフラグFhに1が設定されていない、すなわち、疑似遊技aが実行待ち状態でないと判断すると、メイン制御手段は、疑似遊技aがストックされているか否かを判断し(ステップS5231)、ストックされている疑似遊技情報を取り出し(ステップS5232)、取り出された疑似遊技情報を疑似当選役として設定し(ステップS5233)、疑似遊技aの前兆遊技数NFを抽選で決定し(ステップS5234)、放出待ちフラグFhに1を設定する(ステップS5235)。なお、メイン制御手段は、ステップS5231で疑似遊技aのストックがないと判断したときは、この疑似遊技a処理S5171を終了する。なお、前兆遊技数は所定の範囲で決定される(例えば、本実施形態に係るスロットマシン1では、最大7ゲームに設定されている)。
そして、メイン制御手段は、上記のようにしてストックされた疑似遊技aが放出待ちにされたとき、または、既に放出待ちの疑似遊技aがあると判断したときは、前兆遊技数NFが0であるか否かを判断し(ステップS5236)、前兆遊技数NFが0であるときは、次遊技で疑似遊技aを実行することを示すフラグFfaに1を設定し(ステップS5237)、放出待ちフラグFhに0を設定して(ステップS5238)、この疑似遊技a処理S5171を終了する。
図24に戻り、メイン制御手段は次に、押し順ベルに対するストップボタン33a〜33cの操作態様から、フリーズモードBに移行する条件が成立したか否かを判断する。具体的には、役抽選手段110による当選役に押し順ベル(小役1)が含まれるか否かを判断し(ステップS5172)、押し順ベルが含まれると判断したときは、正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたか否かを判断する(ステップS5173)。メイン制御手段は、このステップS5173において正解押し順で操作されたと判断すると、カウンタ(以下、「正解カウンタCo」と呼ぶ)に1を加算し(ステップS5174)、正解押し順で操作されていないと判断すると、正解カウンタCoに0を設定する(ステップS5175)。すなわち、この正解カウンタCoは、連続する押し順ベルに対して、連続して正解押し順で操作された回数を計測するものである。そして、メイン制御手段は、正解カウンタCoの値が2以上である(2回以上連続して正解押し順で操作された)と判断すると(ステップS5176)、フリーズモードを「B」に設定し(ステップS5177)、継続率に基づいて継続状態Skを抽選で決定し(ステップS5178)、フリーズモードBの遊技数NBを抽選で決定し(ステップS5179)、演出後処理S519を終了する。なお、上述したように、継続状態Skは、フリーズモードBが終了したときに、フリーズモードC及びフリーズモードDのどちらに移行するかを決定する情報である。また、継続率が高いほど、フリーズモードDに移行する確率が高くなるように抽選を構成することができる。また、以降の説明では、継続状態Sk=0のときは、疑似遊技bを実行せずにフリーズモードCに移行し、Sk=1のときは、疑似遊技bを実行するが「青7」の図柄が有効ライン上に疑似停止せずにハズレ目となってフリーズモードCに移行し、Sk=2,3のときは、疑似遊技bを実行して「青7」の図柄が有効ライン上に疑似停止してフリーズモードDに移行するように構成されている場合について説明する(Sk=2のときは、「青7」の図柄が1ライン揃い、Sk=3のときは「青7」の図柄が2ラインに揃うように構成され、1ラインよりも2ラインの方がフリーズモードDの遊技数(JACゲームの回数)が多くなる確率が高く設定されるものとする)。
−フリーズモードBに対する演出後処理−
メイン制御手段は、ステップS5170で現在のフリーズモードが「A」でないと判断すると、図25に示すように、現在のフリーズモードが「B」であるか否かを判断し(ステップS5180)、フリーズモードBでないと判断したときは、ステップS5196に移行する。一方、現時のフリーズモードが「B」であると判断したときは、メイン制御手段は、このフリーズモードBにおける遊技数NBが2ゲーム以下であるか否かを判断し(ステップS5181)、3ゲーム以上残っているときは、上述した疑似遊技a処理S5171を実行し、この演出後処理S519を終了する。さらに、メイン制御手段は、フリーズモードBの遊技数NBが0であるか否か、すなわち、フリーズモードBの最後の遊技であるか否かを判断し(ステップS5182)、最後の遊技でないと判断したときもこの演出後処理S519を終了する。
一方、メイン制御手段は、ステップS5182でフリーズモードBの最後の遊技であると判断したときは、継続状態Skが0より大きいか否かを判断し(ステップS5183)、0であるときは疑似遊技bの実行を設定せずに、フリーズモードを「C」に設定し(ステップS5184)、このフリーズモードCでの遊技数NCを決定し、また、フリーズモードCで用いる、自キャラクタのポイントPm、敵キャラクタのポイントPe及び継続回数Crを初期化し(ステップS5185)、演出後処理S519を終了する。なお、自キャラクタ及び敵キャラクタのポイントPm,Peは、抽選で決定しても良いし、予め決められた値を設定してもよい。また、敵キャラクタのポイントPeは、継続率に応じて変化させてもよい。すなわち、継続率が高いときは、敵キャラクタのポイントPeの初期値が低くなる(弱くなる)ようにし、反対に継続率が低いときは、敵キャラクタのポイントPeの初期値が高くなる(強くなる)ようにすることができる。同様に、継続率が高いときは、自キャラクタのポイントPmの初期値が高くなるように(強くなる)ようにし、継続率が低いときは、自キャラクタのポイントPmの初期値が低くなるように(弱くなるように)してもよい。また、この敵キャラクタのポイントPeは、継続回数の増加に伴って増加するように(すなわち、継続回数が増えるほど強い敵が出現する)ように構成することもできる。また、
また、メイン制御手段は、ステップS5183で継続状態Skが1以上であると判断したときは、図26に示すように、継続状態Skに応じた疑似当選役(Sk=1のときはハズレ目、Sk=2のときは1ラインの青7、Sk=3のときは2ラインの青7)を設定し(ステップS5186)、次遊技で疑似遊技bを実行することを示すフラグFfbに1を設定する(ステップS5187)。さらに、継続状態Skが1より大きいか否かを判断し(ステップS5188)、1より大きいとき(Sk=2または3のとき)は、フリーズモードを「D」に設定し(ステップS5189)、フリーズモードDにおける遊技数NDを抽選で決定する(ステップS5190)。ここで、フリーズモードDは、上述したように、30ゲームのJACゲームを所定のセット数(JACカウンタ)だけ実行するものである。そのため、継続状態Skに応じて抽選でセット数を決定し、30ゲームにセット数を乗じて得られたゲーム数を遊技数NDとしてもよい。もちろん、継続状態Skが高いほど、得られるセット数の期待値も大きくするように構成してもよい。
一方、ステップS5188で継続状態Skが1であると判断したときは、メイン制御手段は、フリーズモードを「C」に設定し(ステップS5191)、このフリーズモードCでの遊技数NCを決定し、また、フリーズモードCで用いる、自キャラクタのポイントPm、敵キャラクタのポイントPe及び継続回数Crを初期化する(ステップS5192)。
さらに、メイン制御手段は、疑似遊技aの放出待ちフラグFhに1が設定されており、かつ、前兆遊技数NFが2より小さい(残りが2ゲーム以下である)か否かを判断し(ステップS5193)、疑似遊技aの残り遊技数が2ゲーム以下であるときは、疑似遊技aの情報(疑似遊技情報)をストックに戻し(ステップS5194)、放出待ちフラグFh及び疑似遊技aの実行フラグFfaに0を設定して(ステップS5195)、演出後処理S519を終了する。上述したように、フリーズモードBの最後の遊技として疑似遊技bを実行するときは、疑似遊技aを実行させないように構成されているため、以上のように構成すると、フリーズモードBの遊技数が2ゲーム以下になったときは、一旦疑似遊技aの情報である疑似遊技情報をストックに戻し、疑似遊技bの終了後、疑似遊技aを再設定することができる。ここで、「ストックに戻す」とは、例えば上述したストックの構成においては、当該疑似遊技aの情報(疑似遊技情報)が取り出された記憶領域にこの情報を記憶させ、上述したポインタを取り出した前の状態にすることで実現できる。
また、このフリーズモードBの遊技において、所定の条件を満たしたとき(例えば、レア役に当選したとき)に、抽選を行い、この抽選に当選したときは、フリーズモードCに移行した遊技において、敵からのダメージを一切受けないように構成することも可能である。
−フリーズモードCに対する演出後処理−
メイン制御手段は、ステップS5180で現在のフリーズモードが「B」でないと判断すると、図27に示すように、現在のフリーズモードが「C」であるか否かを判断し(ステップS5196)、フリーズモードCでないと判断したときは、ステップS5218に移行する。一方、現時のフリーズモードが「C」であると判断したときは、メイン制御手段は、ステップS5160でダメージ回避フラグFgに1が設定されているか否かを判断し(ステップS5197)、このフラグFgに1が設定されている場合には、フラグFgに0を設定し(ステップS5198)、ストックされたレア役情報を取り出し(ステップS5199)、このレア役情報を疑似当選役に設定し(ステップS5200)、次遊技で疑似遊技cを実行することを示すフラグFfcに1を設定する(ステップS5201)。このように、本発明に係るスロットマシン1では、フリーズモードCであるときに、演出前処理において、ストックされているレア役情報を用いて自キャラクタが受けるダメージを0にしたときは、このレア役情報を使って次遊技に疑似遊技cが実行される。このレア役情報は、演出前処理で説明したように、フリーズモードが「B」、「D」、「E」のときに当選したレア役の情報であり、また、疑似遊技cで疑似停止する図柄の組み合わせは、ストックしたレア役と同じであるため、このようにしてストックしたレア役をフリーズモードCの疑似遊技cで利用するように構成されている。
また、このフリーズモードCにおいても、疑似遊技cを実行するときは、疑似遊技aの実行を行わないため、メイン制御手段は、疑似遊技aの放出待ちフラグFhに1が設定されており、かつ、前兆遊技数NFが2より小さい(残りが2ゲーム以下である)か否かを判断し(ステップS5202)、疑似遊技aの残り遊技数が2ゲーム以下であるときは、疑似遊技aの情報(疑似遊技情報)をストックに戻し(ステップS5203)、放出待ちフラグFh及び疑似遊技aの実行フラグFfaに0を設定する(ステップS5204)。一方、ステップS5197で、ダメージ回避フラグFgに1が設定されていない、すなわち、次遊技で疑似遊技cは実行しないと判断したおきは、上述した疑似遊技a処理S5171を実行し、疑似遊技aの実行を制御する。
次にメイン制御手段は、ダメージの処理を行い、フリーズモードを移行するか否かを決定する。具体的には、図28に示すように、メイン制御手段は、演出前処理で決定されたダメージDm,Dgを、自キャラクタまたは敵キャラクタのポイントPm,Peから減算する(ステップS5205)。そして、メイン制御手段は、自キャラクタのポイントPmが0以下になったか否かを判断し(ステップS5206)、自キャラクタのポイントPmが0以下になった(自キャラクタが敵キャラクタに敗北した)と判断したときは、フリーズモードを「A」に設定し(ステップS5207)、次回フリーズモードBへ移行した際に使用する継続率を抽選で決定し(ステップS5208)、演出後処理S519を終了する。なお、この継続率は、現在の継続率を考慮した抽選を行っても良いし、継続回数を考慮した抽選を行ってもよい。
また、メイン制御手段は、自キャラクタのポイントPmが0以下でないと判断したときは、敵キャラクタのポイントPeが0以下であるか否かを判断し(ステップS5209)、敵キャラクタのポイントPeが0以下になった(自キャラクタが敵キャラクタに勝利した)と判断したときは、継続回数Crに1を加算する(ステップS5210)。そして、メイン制御手段は、継続回数Crが20以上であるか否かを判断し(ステップS5211)、20以上であるときはフリーズモードを「E」に設定し(ステップS5212)、フリーズモードEの遊技数NEを設定して(ステップS5213)、演出後処理S519を終了する。なお、フリーズモードEの遊技数NEは予め決められた値であってもよいし、抽選で決定するように構成してもよい。また、ステップS5211で継続回数Crが20より小さいと判断したときは、メイン制御手段は、フリーズモードを「B」に設定し(ステップS5215)、継続率に応じて継続状態Skを抽選で決定し(ステップS5216)、フリーズモードBの遊技数NBを抽選で決定して(ステップS5217)、演出後処理S519を終了する。
また、メイン制御手段は、ステップS5209で敵キャラクタのポイントPeが0以下でないと判断したときは、フリーズモードCの遊技数NCが0以下であるか否かを判断し(ステップS5214)、この遊技数NCが0以下であるときは、引き分けと判断し、フリーズモードを「B」に設定して演出後処理S519を終了する(ステップS5215〜S5217)。なお、フリーズモードCの遊技数NCは設定せず、自キャラクタまたは敵キャラクタのポイントPm,Peのいずれかが0になるまでこのフリーズモードCを継続するように構成してもよい。
−フリーズモードDに対する演出後処理−
メイン制御手段は、ステップS5196で現在のフリーズモードが「C」でないと判断すると、図29に示すように、現在のフリーズモードが「D」であるか否かを判断し(ステップS5218)、フリーズモードDでないと判断したときは、ステップS5224に移行する。一方、現時点のフリーズモードが「D」であると判断したときは、メイン制御手段は、このフリーズモードDにおける遊技数NDが2ゲーム以下であるか否かを判断し(ステップS5219)、3ゲーム以上残っているときは、上述した疑似遊技a処理S5171を実行し、この演出後処理S519を終了する。さらに、メイン制御手段は、フリーズモードDの遊技数NDが0であるか否か、すなわち、フリーズモードDの最後の遊技であるか否かを判断し(ステップS5220)、最後の遊技でないと判断したときもこの演出後処理S519を終了する。一方、ステップS5220でフリーズモードDの最後の遊技であると判断したときは、フリーズモードを「B」に設定し(ステップS5221)、継続率に応じて継続状態Skを抽選で決定し(ステップS5222)、フリーズモードBの遊技数NBを抽選で決定して(ステップS5223)、演出後処理S519を終了する。
−フリーズモードEに対する演出後処理−
メイン制御手段は、ステップS5218で現在のフリーズモードが「D」でないと判断すると、現在のフリーズモードは「E」であるため、図30に示すように、このフリーズモードEにおける遊技数NEが2ゲーム以下であるか否かを判断し(ステップS5224)、3ゲーム以上残っているときは、上述した疑似遊技a処理S5171を実行し、この演出後処理S519を終了する。さらに、メイン制御手段は、フリーズモードEの遊技数NEが0であるか否か、すなわち、フリーズモードEの最後の遊技であるか否かを判断し(ステップS5225)、最後の遊技でないと判断したときもこの演出後処理S519を終了する。一方、ステップS5225でフリーズモードEの最後の遊技であると判断したときは、フリーズモードを「A」に設定し(ステップS5226)、継続率を抽選で決定して(ステップS5227)、演出後処理S519を終了する。
最後に、図17に戻り、メイン制御手段は、図14に示す条件、すなわち、全てのメインリール21a〜21cが停止したときに有効ライン上に並んでいる図柄の組み合わせに応じて遊技状態制御手段180により遊技状態を設定する(ステップS520)。こうして、一回の遊技に対する処理が終了すると、メイン制御手段はその情報を作動終了コマンドC1017としてサブ制御基板200に送信する(ステップS521)。
なお、図32には図示していないが、このスロットマシン1においてエラーが発生したことをメイン制御基板100が検知すると、サブ制御基板200に対してエラー通知コマンドが送信される。例えば、前扉3が開放されたことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー通知コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。また、エラー状態から正常な状態に復帰したことを検知すると、その旨を通知する制御コマンドとしてエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。例えば、前扉3が閉じられるとその旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、メイン制御基板100は、ホッパー装置50において、遊技メダルが詰まったり、払い出す遊技メダルが無いために、遊技メダルの払い出しに所定の時間以上を要していたりすることを検知すると、このホッパー装置50に異常がある旨を通知するエラー通知コマンドをサブ制御基板200に送信し、異常状態が解除されてエラー前の状態に戻ると、その旨を通知するエラー解除コマンドが送信される。また、遊技中に何らかの理由により電源が切断された場合には、再度電源が投入されたときに、図12を用いて説明したように、その旨を通知するエラー解除コマンドがサブ制御基板200に対して送信される。さらに、前回の遊技が終了してから次の遊技のスタートレバー32が操作されるまでの間に精算ボタン34が操作されると、精算が開始されたことと精算が終了したことを示す制御コマンドがメイン制御基板100からサブ制御基板200に送信される。
なお、以上の説明における疑似遊技は、1回の本遊技に対して1回の疑似遊技を実行するように構成した場合について説明したが、1回の本遊技に対して複数回の疑似遊技を実行するように構成することも可能である。
(リール制御について)
図18を用いた上述の説明では、疑似遊技を実行する前に本遊技の図柄制御番号を決定して記憶しておき、疑似遊技の実行後にその図柄制御番号を取り出して本遊技を実行するように構成した場合について説明した。例えば、小役1−A1の図柄制御番号が「1」で、レア役の1つである小役2−1の図柄制御番号が「7」であるとする。本遊技の当選役として小役1−A1が当選しているときに、疑似当選役である小役2−1の図柄の組み合わせを疑似停止させる疑似遊技を実行する場合、メイン制御手段は、上述したステップS5091で本遊技の図柄制御番号として「1」を選択し、さらに、ステップS5094で、本遊技の当選役(小役1−A1)と疑似遊技の疑似当選役(小役2−1)とは異なることから、ステップS5096で疑似遊技の図柄制御番号として「7」を選択する。一方、本遊技の当選役も疑似遊技の疑似当選役も小役2−1である場合、メイン制御手段は、上述したステップS5091で本遊技の図柄制御番号として「7」を選択肢、さらに、ステップS5094で、本遊技の当選役(小役2−1)と疑似遊技の疑似当選役(小役2−1)とが一致することから、ステップS5095で本遊技の図柄制御番号(1)をそのまま疑似遊技の図柄制御番号とする。
(リール制御の変形例について)
次に、リール制御の変形例として、本遊技の図柄制御番号の決定を疑似遊技の実行後に行う構成について図33を用いて説明する。なお、同一の処理は同一のステップ番号とする。
図33に示すように、上述したステップS509において、メイン制御手段は、疑似遊技(疑似遊技a、疑似遊技b及び疑似遊技cのいずれか)が実行される遊技か否かを判断し(ステップS5301)、疑似遊技が実行されると判断すると、疑似遊技の疑似当選役から上述した停止制御を行うための図柄制御番号を決定して第2の記憶領域に記憶し(ステップS5302)、上述した疑似遊技処理S5097を実行する。なお、ステップS5301において疑似遊技が実行される遊技でないと判断すると、ステップS5303に進む。そして、疑似遊技が終了すると、疑似遊技の疑似当選役と本遊技の当選役とを比較して同じ役であるか否かを判断し(ステップS5303)、同じ役であるときは本遊技の図柄制御番号に上述した疑似遊技の図柄制御番号を設定し(ステップS5304)、同じ役でない場合は、当選役から本遊技の図柄制御番号を決定する(ステップS5305)。この本遊技の図柄制御番号は、第1の記憶領域に記憶される。このように、疑似遊技の疑似当選役と本遊技の当選役とが同じときは、疑似遊技のために決定した図柄制御番号をそのまま本遊技の図柄制御番号とすることにより、本遊技のために、当選役から図柄制御番号を決定する処理を省略することができる。なお、疑似遊技の疑似当選役に拘わらず、必ず、当選役から本遊技の図柄制御番号を決定するように構成することも可能である(この場合、図33に示すステップS5303及びS5304が省略される)。このようにして本遊技の図柄制御番号が決定されると、メイン制御手段は、上述した本遊技処理S5099を実行する。
例えば、本遊技の当選役として小役1−A1が当選しているときに、疑似当選役である小役2−1の図柄の組み合わせを疑似停止させる疑似遊技を実行する場合、メイン制御手段は、上述したステップS5302で疑似遊技の図柄制御番号として「7」を選択し、さらに、ステップS5303で、本遊技の当選役(小役1−A1)と疑似遊技の疑似当選役(小役2−1)とは異なることから、ステップS5305で本遊技の図柄制御番号として「1」を選択する。一方、本遊技の当選役も疑似遊技の疑似当選役も小役2−1である場合、メイン制御手段は、上述したステップS5302で疑似遊技の図柄制御番号として「7」を選択肢、さらに、ステップS5303で、本遊技の当選役(小役2−1)と疑似遊技の疑似当選役(小役2−1)とが一致することから、ステップS5304で疑似遊技の図柄制御番号(7)をそのまま本遊技の図柄制御番号とする。
疑似遊技の実行前に本遊技の図柄制御番号を決定しておく構成にすることにより、疑似遊技の終了後にすぐに本遊技の制御に移ることができる。また、本遊技の当選役と疑似遊技の疑似当選役とが同一であるときは、疑似当選役から疑似遊技のための図柄制御番号を決定せずに本遊技で決定された図柄制御番号をそのまま利用することができるので、メインCPU101での処理を少なくすることができる。一方、疑似遊技の実行前には本遊技の図柄制御番号を決定せず、疑似遊技の実行後に本遊技の図柄制御番号を決定する構成とすると、本遊技のための図柄制御番号を記憶しておく必要が無く、記憶領域を少なくすることができる。また、疑似遊技の疑似当選役と本遊技の当選役とが同一であるときは、本遊技の当選役から図柄制御番号を決定せずに疑似遊技で決定された図柄制御番号をそのまま利用することができるので、メインCPU101での処理を少なくすることができる。
また、疑似遊技において、予め決められた押し順以外でストップボタン33a〜33cが操作された場合は、当該ストップボタン33a〜33cの操作ではメインリール21a〜21cは疑似停止せず、決められた押し順で操作された場合だけ、メインリール21a〜21cを疑似停止させるように構成することができる。本遊技においては、第1停止においては、左ストップボタン33a、中ストップボタン33b及び右ストップボタン33cのいずれかが操作される可能性があるため、上述した停止テーブルはそれぞれのストップボタンに対して選択しなければならないが、上記のように、疑似遊技においては押し順を固定することにより、第1〜第3停止の各々において1つの停止テーブルを選択するだけでよくなるため、記憶する停止テーブルを少なくすることができる。
また、本実施形態に係るスロットマシン1において、疑似遊技で停止する図柄の組み合わせ(疑似当選役)は、レア役が設定されているため、押し順ベル(小役1)の図柄の組み合わせは疑似停止しないように構成されている。また、疑似遊技におけるレア役は、ストップボタン33a〜33cの停止操作の態様によっては(操作されるタイミング等)、取りこぼし目(ハズレ目)の組み合わせが停止するようにしてもよい。
(演出に関する制御コマンドについて)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1は、フリーズモードに関する情報を(演出情報)を、第3停止後からベット操作の前までの間(図16に示すステップS501)に第1演出情報コマンドとしてサブ制御基板200に送信し、疑似遊技及び本遊技の開始時(図19のステップS5101及び図21のステップS5131)に第2演出情報コマンドとしてサブ制御基板200に送信している。上述したように、フリーズモードB〜Eの遊技数はメイン制御手段で管理しているため、サブ制御基板200(後述する演出制御手段)に送信することで、演出の実行を制御することができる。また、疑似遊技及び本遊技をそれぞれ、一つの単位遊技としているため、これらの遊技毎に演出を実行する必要がある。そのため、上記のように2回のタイミング(第1及び第2演出状態コマンド)を送信することにより、メイン制御基板100とサブ制御基板200との間のズレを少なくすることができる。また、第2演出状態コマンドは、疑似遊技及び本遊技のそれぞれにおいて送信しているため、メイン制御基板100とサブ制御基板200との間のズレを更に少なくすることができる。
(ベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48の制御)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1においては、ベットボタン31及びストップボタン33a〜33cのそれぞれには、ベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48が内蔵されており、演出制御手段300によりこれらのランプの点灯及び消灯を制御することにより、演出が行われるように構成されている。また、通常の遊技では、メイン制御基板100で制御される遊技の進行にしたがって、ベット可能な状態になるとベットボタン31が点灯し、ベットが行われると消灯するように構成されている。同様に、ストップボタン33a〜33cに対する停止操作の受付けが不可のときは、各々のストップボタン33a〜33cが赤色に点灯し、受付けが可能になると青色に点灯し、停止操作が行われたストップボタン33a〜33は消灯する制御が行われる。
それでは、図34〜図39を用いて、メイン制御基板100から送信される制御コマンドに基づいて、演出制御基板300により、ベットボタン31及びストップボタン33aの点灯・消灯を制御する構成について説明する。ここで、図34はメイン制御基板100における操作情報送信処理を説明するためのフローチャートであり、図35は演出制御基板300におけるベットボタンランプ及びストップボタンランプの制御処理を説明するためのフローチャートであり、図36はランプ制御指示コマンド受信処理を説明するためのフローチャートであり、図37はランプデータ切替処理を説明するためのフローチャートであり、図38はランプ出力開始処理を説明するためのフローチャートであり、図39はメイン制御基板100で管理するボタン操作の状態に関するフラグを説明するための説明図である。
−メイン制御基板100における処理−
まず、メイン制御基板100において、ベットボタン31やストップボタン33a〜33cの状態を監視し、それらの状態に変化が発生したときに、その情報を制御コマンドとして演出制御基板300に送信する構成について説明する。
なお、メイン制御基板100は、図39に示すように、このスロットマシン1に関連する状態を、RAM103でフラグとして管理している。図39(a)は、遊技機の状態を管理するフラグであり、電断(電源が切断された状態)から電源がオンの状態になったときに1が設定されるフラグ、ドアが開放されたときに1が設定され、閉鎖されたときに0が設定されるフラグ、上述した設定値設定手段150に関連し、設定キー等を格納する箇所のドアの開閉を監視するフラグ、設定キーのオン/オフを監視するフラグ、リセットボタンのオン/オフを管理するフラグ、電断復帰時に1が設定されるフラグを有している。また、図39(b)は、ベットボタン31及びストップボタン33a〜33cの受付状態を管理するフラグであり、それぞれのボタンの受付が有効なときは1が設定され、無効なときは0が設定される。また、図39(c)はベットボタン31、スタートレバー32、ストップボタン33a〜33c及び精算ボタン34の操作状態を管理するフラグであり、これらのボタンの操作が検出されると、該当するフラグに1が設定される。メイン制御基板100は、上述した状態を監視し、その状態を上記フラグに設定するように構成されている。
図34に示す操作情報送信処理は、メイン制御基板100のROM104に格納されており、メインCPU101において、定期的な割り込みタイミングを契機とした割り込み処理として実行される。例えば、このメイン制御基板100は、所定の間隔で信号を出力するクロックを有しており、このクロック信号に基づいて、操作情報送信処理を所定の間隔で繰り返し実行する。この図34に示すように、操作情報送信処理が起動されると、受付状態送信カウンタICの値が7より小さいか否かを判断し(ステップS540)、7より小さいと判断したときは受付状態送信カウンタICに1を加算する(ステップS541)。一方、7以上であると判断すると、受付状態送信カウンタICに0を設定してリセットし(ステップS542)、上述した遊技機状態フラグ及び受付状態フラグが変化したか否かを判断し(ステップS543)、変化したと判断したときは、そのフラグの内容を受付状態コマンドとして演出制御基板300に送信する(ステップS544)。このように、遊技状態フラグ及び受付状態フラグの変化は、メイン制御基板100における8クロック毎に検出されて演出制御基板300に通知される。
次に、操作状態送信カウンタHCの値が9より小さいか否かを判断し(ステップS545)、9より小さいと判断したときは操作状態送信カウンタHCに1を加算する(ステップS546)。一方、9以上であると判断すると、操作状態送信カウンタHCに0を設定してリセットし(ステップS547)、上述したボタン操作フラグが変化したか否かを判断し(ステップS548)、変化したと判断したときは、そのフラグの内容を操作状態コマンドとして演出制御基板300に送信する。ここで、操作状態コマンドは、操作状態コマンド(0)と操作状態コマンド(1)の2つの制御コマンドから構成されており、操作フラグの状態は、この2つの制御コマンドを交互に用いて送信される。具体的には、0または1が設定される振り分けフラグFFを有し、この振り分けフラグFFが0であると判断したときは(ステップS549)、操作状態コマンド(0)を用いて操作フラグの状態を演出制御基板300に送信し(ステップS550)、振り分けフラグFFに1を設定する(ステップS551)。一方、振り分けフラグFFが1である判断したときは(ステップS549)、操作状態コマンド(1)を用いて操作フラグの状態を演出制御基板300に送信し(ステップS552)、振り分けフラグFFに0を設定する(ステップS553)。このように、2つの制御コマンドを用いて操作フラグを送信することにより、演出制御基板300側では、この制御コマンドの受信に失敗したことを検出することができる(操作状態コマンド(0)又は操作状態コマンド(1)を連続して受信した場合には、その間に送信された操作状態コマンドの受信失敗したことを検出することができる)。このように、操作フラグの変化は、メイン制御基板100における10クロック毎に検出されて演出制御基板300に通知される。
以上のように構成すると、受付状態コマンド及び操作状態コマンド(0/1)という制御コマンドを用いて、メイン制御基板100から、ベットボタン31やストップボタン33a〜33cの状態を演出制御基板300に通知することができる。このとき、この操作情報送信処理は、メイン制御基板100のメインCPU101において、クロック信号に基づいて、所定の間隔が実行され、受付状態送信カウンタIC及び操作状態送信カウンタHCにより所定のクロック数毎に演出制御基板300に制御コマンドが送信されるため、メイン制御基板100における状態の変化を確実に演出制御基板300に通知することができる。
なお、以上の説明において、「割り込み処理」とは、メイン制御基板100のメインCPU101において、現在行われている処理を中断し、別の処理を実行することを意味しており、割り込み方式は特に限定されない(例えば、ハードウェア割り込みやソフトウェア割り込みといった方式を採用することができる)。この割り込み処理の説明は、演出制御基板300においても同様である。
−演出制御基板300における処理−
次に、上述のようにしてメイン制御基板100から送信される制御コマンド(受付状態コマンド及び操作状態コマンド(0/1))を用いて、演出制御基板300により、ベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48の点灯・消灯を制御する構成について説明する。
図35に示すベットボタン(BB)/ストップボタン(SB)ランプ制御処理は、演出制御基板300のROM340に格納されており、サブCPU310において、定期的な割り込みタイミングを契機とした割り込み処理として実行される。例えば、この演出制御基板300は、所定の間隔で信号を出力するクロックを有しており、このクロック信号に基づいて、BB/SBランプ制御処理を所定の間隔で繰り返し実行する。この図35に示すように、BB/SBランプ制御処理が起動されると、メイン制御基板100から、上述した制御コマンド(受付状態コマンド又は操作状態コマンド(0/1))を受信したか否かが判断され(ステップS700)、少なくとも一方の制御コマンドを受信したと判断すると、ランプ制御指示コマンド受信処理を実行する(ステップS710)。このランプ制御指示コマンド受信処理は、メイン制御基板100からの制御コマンドにより、ベットボタン31及びストップボタン33a〜33cを点灯する際の態様(例えば色)を設定するものである。なお、ベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48の点灯・消灯の制御や、点灯するときの色(点灯色)については、RAM103に指示データとして記憶されており、これらのランプ47,48の点灯・消灯を行うときは、この指示データに従って制御が行われる。以下、メイン制御基板100からの制御コマンドによる指示データを「メイン指示データ」と呼び、演出制御手段300から設定される指示データを「サブ指示データ」と呼ぶ。
図36に示すように、ランプ制御指示コマンド受信処理S710が実行されると、上述の遊技機状態フラグの情報から設定キーがオンになっているか否かを判断し(ステップS7101)、設定キーがオンになっていると判断したときは、左ストップボタン(左SB)33a、中ストップボタン(中SB)33b、右ストップボタン(右SB)33c及びベットボタン(BB)31が点灯されたときの色を白色としてメイン指示データに設定する(ステップS7102〜S7105)。一方、ステップS7101で設定キーがオフであると判断すると、ストップボタン33a〜33cの各々について停止可能状態であるか(上述する受付状態フラグにおいて各ストップボタン33a〜33cが有効であるか)否かにより、それぞれのストップボタン33a〜33cが点灯されたときの色をメイン指示データとして設定し、また、ベットボタン31について遊技メダルが投入可能であるか(上述する受付状態フラグにおいてベットボタン31が有効であるか)否かにより、ベットボタン31が点灯されたときの色をメイン指示データとして設定する。具体的には、左ストップボタン33aが停止可能状態であるか否かを判断し(ステップS7106)、停止可能状態でないときは赤色を設定し(ステップS7107)、停止可能状態であるときは青色を設定する(ステップS7108)。また、中ストップボタン33bが停止可能状態であるか否かを判断し(ステップS7109)、停止可能状態でないときは赤色を設定し(ステップS7110)、停止可能状態であるときは青色を設定する(ステップS7111)。また、右ストップボタン33cが停止可能状態であるか否かを判断し(ステップS7112)、停止可能状態でないときは赤色を設定し(ステップS7113)、停止可能状態であるときは青色を設定する(ステップS7114)。さらに、ベットボタン31が投入可能状態であるか否かを判断し(ステップS7115)、投入可能状態でないときは消灯を設定し(ステップS7113)、投入可能状態であるときは赤色を設定する(ステップS7114)。このようなランプ制御指示コマンド受信処理S710によると、設定キーがオンになっているときは、ストップボタン33a〜33c及びベットボタン31の点灯色が白色に設定され、設定キーがオフになっているときは、ストップボタン33a〜33cの各々が、停止可能状態でないときは点灯色が赤色に設定され、停止可能状態であるときは点灯色が青色に設定される。また、ベットボタン31に対しては、投入可能状態でないときは消灯状態が設定され、投入可能状態であるときは点灯色が赤色に設定される。
図35に戻り、ベットボタン/ストップボタンランプ制御処理は、次に、ランプデータ切替カウンタSCが4よりも小さいか否かを判断し、4よりも小さいときはこのランプデータ切替カウンタSCに1を加算する(ステップS721)。一方、ランプデータ切替カウンタSCが4以上であると判断すると、ランプデータ切替カウンタSCに0を設定してクリアし(ステップS722)、ランプデータ切替処理を実行する(ステップS730)。
図37に示すように、ランプデータ切替処理S730が実行されると、演出制御基板300で実行される演出の処理により、演出としてベットボタンランプ47またはストップボタンランプ48の点灯を制御するためのデータ(以下、「演出用ランプ制御データ」呼ぶ)が設定されているか否かを判断し(ステップS7301)、演出用ランプ制御データがあるときは、この演出用ランプ制御データを用いてサブ指示データを更新する(ステップS7302)。なお、以降の説明において、演出制御基板300で実行される演出により、ベットボタン31またはストップボタン33a〜33cの点灯・消灯を制御するモードを「サブモード」と呼び、メイン制御基板100からの制御コマンドに基づいてベットボタン31またはストップボタン33a〜33cの点灯・消灯を制御するモードを「メインモード」と呼ぶ。
そして、演出によりサブモードが設定され、左ストップボタン33aに対してサブモードを適用する(優先要求がある)ときは(ステップS7303)、左ストップボタン優先状態を設定する(ステップS7304)。また、中ストップボタン33bに対してサブモードを適用する(優先要求がある)ときは(ステップS7305)、中ストップボタン優先状態を設定する(ステップS7305)。また、右ストップボタン33cに対してサブモードを適用する(優先要求がある)ときは(ステップS7307)、右ストップボタン優先状態を設定する(ステップS7308)。さらに、ベットボタン31に対してサブモードを適用する(優先要求がある)ときは(ステップS7309)、ベットボタン優先状態を設定する(ステップS7310)。このように、本実施形態に係るスロットマシン1では、ベットボタン31及びストップボタン33a〜33cの各々に対して、サブモードを適用するか、メインモードを適用するかを設定することができる。
図35に戻り、ベットボタン/ストップボタンランプ制御処理は、次に、ランプ出力開始カウンタBCが79よりも小さいか否かを判断し、79よりも小さいときはこのランプ出力開始カウンタBCに1を加算する(ステップS741)。一方、ランプ出力開始カウンタBCが79以上であると判断すると、ランプ出力開始カウンタBCに0を設定してクリアし(ステップS742)、ランプ出力開始処理を実行する(ステップS750)。
ランプ出力開始処理は、上述したメイン指示データもしくはサブ指示データに基づいて、ベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48の点灯・消灯の制御を行う処理である。図38に示すように、ランプ出力開始処理S750が実行されると、左ストップボタン優先状態であるか否かが判断され(ステップS7501)、左ストップボタン優先状態でないときは、メイン指示データに基づいて左ストップボタン33aに対応するストップボタンランプ48の点灯・消灯を制御し(ステップS7502)、左ストップボタン優先状態であるときは、サブ指示データに基づいて左ストップボタン33aに対応するストップボタンランプ48の点灯・消灯を制御する(ステップS7503)。また、中ストップボタン優先状態であるか否かが判断され(ステップS7504)、中ストップボタン優先状態でないときは、メイン指示データに基づいて中ストップボタン33bに対応するストップボタンランプ48の点灯・消灯を制御し(ステップS7505)、中ストップボタン優先状態であるときは、サブ指示データに基づいて中ストップボタン33bに対応するストップボタンランプ48の点灯・消灯を制御する(ステップS7506)。また、右ストップボタン優先状態であるか否かが判断され(ステップS7507)、右ストップボタン優先状態でないときは、メイン指示データに基づいて右ストップボタン33cに対応するストップボタンランプ48の点灯・消灯を制御し(ステップS7508)、右ストップボタン優先状態であるときは、サブ指示データに基づいて右ストップボタン33cに対応するストップボタンランプ48の点灯・消灯を制御する(ステップS7509)。さらに、ベットボタン優先状態であるか否かが判断され(ステップS7510)、ベットボタン優先状態でないときは、メイン指示データに基づいてベットボタンランプ47の点灯・消灯を制御し(ステップS7511)、ベットボタン優先状態であるときは、サブ指示データに基づいてベットボタンランプ47の点灯・消灯を制御する(ステップS7512)。
以上のように、演出制御基板300において、ベットボタン/ストップボタンランプ制御処理を、所定のクロック信号に基づいて起動することにより、メイン制御手段から制御コマンド(受付状態コマンド及び操作状態コマンド(0/1))を受信したときに、これらの制御コマンドに基づいてベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48の点灯・消灯の制御の態様(メイン指示データ)を設定することができる。また、5クロック毎に、演出用ランプ制御データに基づいてベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48の点灯・消灯の制御の態様(サブ指示データ)を設定するとともに、メインモードかサブモードかを設定することができ、80クロック毎に、設定されたモードにより、メイン指示データかサブ指示データに基づいて、ベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48の点灯及び消灯を行うことができる。例えば、1クロックを0.2m秒とすると、ランプデータ切替処理S730は1m秒毎に実行され、ランプ出力開始処理S750は16m秒毎に実行される。そのため、ベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48に対して、メイン制御基板100からも演出制御基板300からも、その点灯・消灯の制御を行うことができる。
このような制御を行うと、演出制御手段がモードを切り替える(メインモードからサブモードに切り替える)ことを決定してから、割り込み処理でベットボタンランプ47又はストップボタンランプ48による点灯態様を出力する(サブ指示データでこれらのランプの点灯・消灯を実際に制御する)までの期間を、サブモード要求リセット状態とすることができ、メインモードを維持することができるので、ベットボタンランプ47又はストップボタンランプ48の切り替えのメインモードからサブモードの切り替えのタイムラグを、割り込み処理に関する僅かな時間に抑えることができる。同様に、ランプデータ切替処理S730が1m秒毎に実行され、ランプ出力開始処理S750が16m秒毎に実行されるため、ランプデータ切替処理S730で演出用ランプ出力データを更新してサブモード優先状態を設定してから、ランプ出力開始処理S750が実行されるまでの間にタイムラグが発生するが、この間はメインモードが設定されているため、ベットボタンランプ47又はストップボタンランプ48の点灯・消灯状態に齟齬が生じることはない。
−演出によるストップボタンランプ48の制御について−
それでは、以上のような構成のスロットマシン1において、演出制御基板300で実行される演出によりストップボタンランプ48の点灯・消灯の制御を行う場合について、一例を説明する。ここでは、図40を用いて、上述した押し順ベル(小役1−A〜小役1−D)が当選したときに、ART遊技において、演出制御手段300で実行される演出により、その正解押し順を報知する場合について説明する。なお、ART遊技とは、AT遊技とRT遊技とが組み合わされた遊技である。AT遊技とは、上述した小役1−A〜小役1−Dのように、ストップボタン33a〜33cを操作するときに、その押し順を上述の画像表示装置41等を用いて遊技者に報知する(アシストする)ことで、この小役の図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることができるという遊技者に有利な遊技を提供するものである。また、RT遊技とは、遊技状態制御手段180により制御される再遊技確率変動遊技状態のうち、特に、リプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態と異なる遊技状態において行われる遊技のことを示している。例えば、本実施形態に係るスロットマシン1においては、このリプレイ(再遊技役)の当選確率が通常遊技状態よりも高く設定されている遊技状態(内部中遊技状態)において行われる遊技であるが、これに限定されず、リプレイ確率が通常遊技状態と同じかそれよりも低く設定されている遊技状態においてRT遊技を実行するように構成しても良い。ここで、図40はART遊技における押し順報知処理を説明するためのフローチャートである。
図40に示すように、演出制御手段は、押し順報知処理の実行を開始すると、メイン制御基板100から送信される制御コマンド(スタートレバー受付コマンドC1002)を監視し、スタートレバー32が操作されたか否かを判定する(ステップS760)。そして、スタートレバー32が操作されたと判断すると、メイン制御基板100から送信される条件装置状態番号コマンドC1004を受信し、このコマンドに含まれる当選結果(条件装置状態番号)から、当選役が押し順ベルであるか否かを判定する(ステップS761)。押し順ベルでなかったときは、この押し順報知処理を終了する(すなわち、ストップボタン33a〜33cに対するストップボタンランプ38の点灯・消灯制御はメインモードに基づいて、メイン指示データにより制御される)。
一方、ステップS761で押し順ベルに当選していると判断すると、演出制御手段は、当該押し順ベルに割り当てられた押し順により、ストップボタンランプ38の点灯・消灯態様(演出用ランプ制御データ)をサブ指示データとして設定する(ステップS762)。本実施形態に係るスロットマシン1の演出制御手段は、押し順ベルに割り当てられた押し順のパターン(上述した説明の構成では、中左右、中右左、右左中、右中左の4パターン)のそれぞれに対して(それぞれの識別情報を「ナビ番号」と呼ぶ)、表示態様(スタートレバー32の操作から停止受付可能となるまで、停止受付可能から第1停止がされるまで、及び、第1停止がされて停止受付可能となるまで、及び、停止受付可能から第2停止がされるまでの、点灯及び消灯のパターンと、その点灯色)が定義されている。すなわち、演出制御手段は、ステップS762において、条件装置状態番号コマンドC1004に含まれる条件装置状態番号からナビ番号を決定し、当該ナビ番号に対応する表示態様をサブ指示データとして設定する。
本実施形態に係るスロットマシン1において、押し順報知がされるときは、ストップボタン33a〜33cのうち、次に操作すべきストップボタンのストップボタンランプ38に対し、受付可能状態となるまでは、青色の点灯色で高速に点滅し、受付可能状態となると低速に点滅し、当該ストップボタンに操作がされると消灯し、次に操作すべきストップボタンランプ38の制御を繰り返すという構成となっている。したがって、ステップS762にサブ指示データを設定すると、正解押し順に従って、第1停止で操作すべきストップボタンのストップボタン38が高速点滅した後、受付可能状態になったところで低速点滅となり、第1停止の操作がされると当該低速点滅が消灯する(これらの制御は上述したように、ベットボタン/ストップボタンランプ制御処理で実行される)。
このとき、演出制御手段は、制御コマンドのうち、第1停止受付コマンドC1008により第1停止の操作がされたことを検出すると(ステップS763)、当該操作が行われたストップボタンが正解押し順であるか否かを判断し(ステップS764)、正解押し順であるときは、当該操作で正解押し順が確定したか否かを判断し(ステップS765)、確定していないときはステップS763に戻って第2停止の操作を監視する。この場合も、上述したように、ベットボタン/ストップボタンランプ制御処理により、第2停止のストップボタンに対するストップボタンランプ38が、停止受付可能となるまでは高速点滅し、停止受付可能となると低速点滅し、停止操作がなされると消灯する。なお、上述した押し順ベルでは、第2停止の操作がされるまで正解押し順は確定しないが、押し順の設定によっては第1停止のみを正解押し順に設定する場合もある。また、上記の例では、第2停止が操作された時点で、第3停止で操作されるストップボタンは確定するため、第2停止で正解押し順は確定する。このステップS765で正解押し順が確定したと判断すると、演出制御手段は、メインモードに設定する。これにより、第3停止のストップボタンに対しては、上述したように、メイン指示データによる点灯・消灯制御が行われる(すなわち、停止受付不可のときは赤色に点灯し、停止受付可能になると青色に点灯し、停止操作がされると消灯する)。
一方、ステップS764で、正解押し順でないと判定すると、演出制御手段は、その時点でメインモードに切り替える(ステップS766)。これにより、以降のストップボタン33a〜33cに対しては、通常のメイン指示データによる点灯・消灯制御が行われる(すなわち、残りのストップボタンが青色に点灯し、停止操作がされたストップボタンが消灯する)。
本実施形態に係るスロットマシン1では、図35等を用いて説明した、メイン制御手段から送信されるストップボタン33a〜33c(又はベットボタン31)の状態によるメインモードにおけるストップボタンランプ38(又はベットボタンランプ37)の表示態様の設定(メイン指示データの設定)と、演出制御手段によるストップボタンランプ38の表示態様の設定(サブ指示データの設定)を、それぞれ別の処理として並行して実行し、メイン指示データを選択するかサブ指示データを選択するかを、表示優先度に応じて、演出制御手段により、表示するモードを切り替える(メインモードかサブモードを選択する)ように構成されている。このように構成することにより、モードを切り替えたときの状態(メイン指示データ及びサブ指示データとして設定されている状態)に応じて、ストップボタンランプ38の表示態様(点灯態様)の切り替えをスムーズに行うことができる(ベットボタンランプ37の場合も同様である)。このような構成を用いず、全てのパターンを想定してランプ点灯パターン(メイン指示データ及びサブ指示データの全てのパターン)を備えることが考えられるが、このような構成とするとデータ量が多くなり処理が複雑化されてしまう。すなわち、上述したような構成とすることにより、押し順ベルの種類(ナビ番号)に対応した演出用ランプ制御データだけをROM340に記憶すればよく、データ量を少なくし、効率良く管理することができる。また、押し順を失敗したときや正解押し順が確定したときはメインモードに切り替えることにより、演出制御基板300側に失敗後や確定後のデータを記憶する必要がなくなるため、記憶容量を小さくすることができる。
なお、上述した電断が発生したときは、メイン制御基板100において、このメイン制御基板100に設けられたバックアップエリア(電池等の電源により情報が保持される記憶領域)に、内部抽選に関する制御で用いるデータや、遊技メダルの払い出しに関する制御で用いるデータ、メインリール21a〜21cの回転及び停止に関する制御で用いるデータ、制御コマンドの入出力に関する制御で用いるデータを格納して、メイン制御基板100のバックアップフラグを記憶するように構成されている(このバックアップフラグが記憶されていることで、バックアップされているか否かの状態を判断することができる)。一方、サブ制御基板200(演出制御基板300及び画像音響生成基板400)のバックアップエリアには、演出制御手段による演出(例えば、後述するART演出)に関する制御で用いるデータや画像の表示に関する制御で用いるデータを格納して、サブ制御基板200のバックアップフラグを記憶するように構成されている。そして、電断復帰時の起動処理として、メイン制御基板100及びサブ制御基板200においてバックアップフラグを記憶していた場合には、各バックアップフラグに応じて復帰処理が実行される。このとき、画像音響制御基板400での画像復帰処理には時間がかかるが、上述したように、ストップボタンランプ38の制御を演出制御基板300側(演出制御手段)で実行するように構成することにより、画像復帰を待たずにストップボタンランプ38で押し順を報知することができるので、遊技者は画面に押し順が表示されるのを待たずとも、ストップボタンランプの点灯態様で押し順を知ることができる。
−演出によるベットボタンランプ47の制御について−
次に、以上のような構成のスロットマシン1において、演出制御基板300で実行される演出によりベットボタンランプ47の点灯・消灯の制御を行う場合について、一例を説明する。本実施形態に係るスロットマシン1では、上述したサブリール46を有しているため、3つのメインリール21a〜21cの有効ライン上に停止する図柄の組み合わせではなく、第1リール表示窓11から見える3つのリール(左及び中リール21a,21b、並びに、サブリール46)の9つの図柄停止位置に停止する図柄により入賞役が決定しているように感じさせることができる。ここで、上述したリプレイ4は、ストップボタン33a〜33cが変則押しされると再遊技役Aの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止し、順押しされると再遊技役Dの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する。ここで、図4及び図5から明らかなように、再遊技役Dの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止すると、右下がりのライン(左リール21aの上段及び中リール21bの中段)に「ベル」の図柄が停止する(上述したベルリプレイ)。そのため、この図柄が停止するときに、サブリール46の下段に「ベル」の図柄が停止すると、入賞した役は再遊技役(リプレイ)であるにも関わらず、遊技者に対しては小役1(第1リール表示窓11の右下がりのライン上に「ベル−ベル−ベル」の図柄の組合せが停止して、この図柄の組み合わせを有する小役1)に当選したと思わせることができる。しかしながら、このリプレイ4(再遊技役D)はリプレイ(再遊技役)であるため、次の遊技における遊技メダルの投入の必要はなく、ベットボタン47の点灯はされず、スタートレバー32が受付可能となってしまい、遊技者にリプレイであることを認識させてしまうことになる。
そこで、リプレイ4(再遊技役D)に当選してストップボタン33a〜33cが順押しされ、演出制御手段によりサブリール46を制御して下段に「ベル」の図柄を停止させたときは、演出制御手段によりベットボタンランプ47を点灯させ、あたかも小役1に入賞し、遊技メダルの投入(ベット)が可能であるという感覚を与える演出を行う。以下に、図41を用いてベルリプレイ当選時の演出制御手段の処理について説明する。なお、図41はベルリプレイ入賞処理を説明するためのフローチャートである。
図41に示すように、演出制御手段は、メイン制御基板100から送信される制御コマンド(スタートレバー受付コマンドC1002)を監視し、スタートレバー32が操作されたか否かを判定する(ステップS770)。そして、スタートレバー32が操作されたと判断すると、サブリール46の回転を開始させ(ステップS771)、さらに、メイン制御基板100から送信される条件装置状態番号コマンドC1004を受信し、このコマンドに含まれる当選結果(条件装置状態番号)から、当選役がベルリプレイ(リプレイ4)であるか否かを判定する(ステップS772)。ここで、ベルリプレイでなかったときは、このベルリプレイ入賞処理を終了する(すなわち、ベットボタン31に対するベットボタンランプ37の点灯・消灯制御はメインモードに基づいて、メイン指示データにより制御される)。
一方、ステップS772で当選役がベルリプレイであると判定すると、演出制御手段は、制御コマンドのうち第1〜第3停止受付コマンドC1008,C1010,C1012により、ストップボタン33a〜33cが操作された否かを判定し(ステップS773)、ストップボタンが操作されたと判定したときは、当該操作がされたストップボタンが右ストップボタン33cであるか否かを判定する(ステップS774)。そして演出制御手段は、右ストップボタン33cが操作されたと判定すると、第1リール表示窓11の下段に「ベル」の図柄が停止するようにサブリール46を停止させる(ステップS775)。なお、上述したようにメインリール21a〜21cは停止操作がされてから停止するまでの時間に制約があるが、サブリール46にはそのような制約はない。しかし、図4に示すように、このサブリール46において「ベル」の図柄は5コマ毎に配置されているため、どのタイミングで右ストップボタン33cが操作されても、メインリール21a〜21cと同じ制約で「ベル」の図柄を上段に停止させることができる。もちろん、メインリール21a〜21cの制約以上の時間で停止させても(滑らせても)よい。
そして、演出制御手段は、全てのメインリール21a〜21cが停止したか否かを判定し(ステップS776)、回転しているメインリール21a〜21cがある場合はステップS773に戻る。一方、全てのメインリール21a〜21cが停止したと判断すると、演出制御手段は、第1リール表示窓11内に停止しているサブリール46の3個の図柄、並びに、メイン制御手段から送信される制御コマンド(メインリール21a〜21cが停止したときに、メイン制御手段が第1及び第2リール表示窓11,12に表示されている図柄を送信するための作動図柄表示コマンドC1014)により、第1リール表示窓11内に停止している左リール21a及び中リール21bの3個×2列=6個の図柄を検出し、サブリール46の3個の図柄を加えた合計9個の図柄のいずれかのライン(本実施形態では右下がりのライン)に「ベル」の図柄が停止しているか否かを判定し(ステップS777)、「ベル」の図柄が揃っていないときはそのまま処理を終了する。一方、「ベル」の図柄が揃っていると判定したときは、演出制御手段は、小役1が入賞したときの演出(「ベルリプレイ演出」と呼ぶ)を実行する(ステップS778)。ここで、ベルリプレイ演出としては、第1リール表示窓11の左及び中リール21a,21b並びにサブリール46の後ろ側に配置されているバックランプ44のうち、「ベル」の図柄が並んでいるものを点灯(又は点滅)させたり、小役1が入賞したときの効果音を再生したり、画像音響生成基板400を介して画像表示装置41に小役1が入賞したときの画像を再生することが含まれる。また、メイン制御手段は、ベルリプレイ演出が実行されるとき、すなわち、役抽選手段110によりリプレイ4に当選し、ストップボタン33a〜33cが変則押しされたと判断されたとき、又は、左リール21aの上段及び中リール21bの中段に「ベル」の図柄が停止していると判断したときは、フリーズを発生させてもよい。この場合、フリーズを解除する条件としては、ベットボタン31の操作、遊技メダルの投入によるメダル投入受付時、及び、所定の時間が経過したときがある。このフリーズが解除されることにより、リプレイ遊技が可能となる。
さらに、演出制御手段は、演出用ランプ出力データとしてベットボタン31を赤色に点灯させるデータをサブ指示データに設定し、また、サブモードに設定する(ステップ779)。この処理により、リプレイの図柄が揃い、次遊技の遊技メダルが自動投入されているにもかかわらず、ベットボタン31が点灯するため、遊技者に対し、次遊技のベットが可能であると認識させることができる。そして、演出制御手段はスタートレバー32が操作されたか否かを判定し(ステップS780)、スタートレバー32が操作されていないときはベットボタン31が操作されたか否かを判定し(ステップS781)、ベットボタンが操作されたと判定したときはベットがされたときの演出(ベット演出)を実行する(ステップS782)。このベット演出としては、ベットがされたときの効果音を再生したり、画像表示装置41で再生されている画像を変化させたりすることが含まれる。また、ベットボタン31の操作されていないと判定したときは、演出制御手段はステップS780に戻り、ステップS780でスタートレバー32が操作されたと判定したとき、及び、ステップS782でベット演出が実行されたときは、メインモードに切り替える(ステップS783)。このようにメインモードに切り替えることにより、ベットボタンランプ48が消灯する。
なお、上述したように、第1リール表示窓11の右下がりのライン上に停止している3つのベルの図柄に対して、これらの図柄の後ろ側に位置するバックラップ44を点灯しているときは、ベットボタン31が操作されたときに実行されるベット演出(ステップS782)においてこのバックラップ44を消灯する。このように構成することにより、バックランプ44の制御を、通常の小役1(上述した押し順ベル)の図柄が停止したときと同じとすることができる。ここで、上述したベットボタン/ストップボタンランプ制御では、ベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48を制御対象としていたが、このバックランプ44の制御も同様の方法で行うことにより、モードの切り替えで、上記処理を簡単に制御することができる。具体的には、通常の遊技ではメイン制御手段からの制御コマンドに応じて、メインモードを選択してバックラップ44の制御を行い、ベルリプレイのときは、演出制御手段でバックラップ44の作動を制御するデータ(サブ指示データ)を設定し、サブモードにしてバックランプ44を点灯させ、さらに、ベットボタン31が操作されたときに演出制御手段でメインモードを設定することにより、バックランプ44を消灯させることができる。
以上のような構成によると、ベットボタンランプ47の点灯・消灯の態様を設定するとともにサブモードに設定することにより演出制御手段からベットボタンランプ47の制御を行うことができ、演出制御手段の処理を複雑にすることがない。
−演出によるサブリール46の作動の制御について−
次に、図42を用いて、演出制御手段によるサブリール46の作動の制御について説明する。なお、ここでは、上記疑似遊技に対応する演出(疑似遊技演出処理)について説明するが、本遊技においても同様である。図42に示すように、演出制御手段は、メイン制御基板100から送信される制御コマンド(スタートレバー受付コマンドC1002)を監視し、スタートレバー32が操作されたか否かを判定する(ステップS800)。そして、スタートレバー32が操作されたと判断すると、メイン制御手段から送信された疑似当選役(又は当選役)に割り当てられたメインリール21a〜21cの図柄の組み合わせ(特に、左リール21a及び中リール21bに停止する図柄)に基づいて、サブリール46に停止させる図柄(以下、「停止図柄」と呼ぶ)を決定する(ステップS801)。例えば、左リール21a及び中リール21bの中段に「青7」の図柄が停止するときは、サブリール46の中段に「青7」を停止すると決定する(図柄を揃えるラインを「停止ライン」と呼ぶ)。あるいは、抽選により停止図柄を決定してもよい。
次に、演出制御手段は、サブリール46の回転を開始させる(ステップS802)。また、演出制御手段は、メイン制御手段から送信されたストップボタン33a〜33cに対する停止操作を受け付けたことを示す制御コマンド(停止受付コマンドであって、例えば、第1〜第3停止受付コマンドC1008,C1010,C1012)により、ストップボタン33a〜33cが操作されたか否かを判定し(ステップS803)、ストップボタンが操作されたと判定したときは、当該操作がされたストップボタンが右ストップボタン33cであるか否かを判定する(ステップS804)。そして演出制御手段は、右ストップボタン33cが操作されたと判定すると、サブリール46の停止ライン上に停止図柄を停止させる(ステップ805)。そして、演出制御手段は、全てのリールが停止したか否かを判定し(ステップS806)、全てのリールが停止していないと判定するとステップS803に戻る。なお、この疑似遊技においても、ストップボタン33a〜33cに対するストップボタンランプ38の点灯・消灯制御を、上述した押し順報知処理と同様に演出制御手段で行う。この場合、押し順を報知してもよいし、通常の遊技と同様に(メインモードによるメイン指示データに基づく制御と同様に)、疑似遊技によるストップボタン33a〜33cの停止操作が不可能なときに赤色に点灯させ、受付可能となったときに青色に点灯させ、停止操作を受け付けたときに消灯するように制御してもよい。なお、この疑似遊技の際のストップボタンランプ38の点灯・消灯制御は、メイン制御手段からの制御コマンドに基づいて上述したランプ制御指示コマンド受信処理で設定してもよいし(この場合メインモードが設定される)、演出制御手段で演出として設定してもよい(この場合サブモードが設定される)。
一方、ステップS806で全てのメインリール21a〜21cが停止したと判定すると、演出制御手段は、演出用ランプ出力データとしてベットボタン31を赤色に点灯させるデータ設定し、また、サブモードに設定する(ステップS807)。この処理により、疑似遊技が実行されているときにベットボタン31が点灯するため、遊技者に対し、次遊技のベットが可能であると認識させることができる。そして、演出制御手段は疑似遊技の終了条件を満たしているかを判定する(ステップS808)。この疑似遊技の終了条件としては、全てのメインリール21a〜21cの停止(疑似停止)から所定の時間が経過したときや、当該所定の経過前にスタートレバー32が操作されたときである。演出制御手段は、ステップS808で疑似遊技が終了していないと判断すると、ベットボタン31が操作されたか否かを判定し(ステップS809)、ベットボタン31が操作されたと判定したときはベットがされたときの演出(ベット演出)を実行する(ステップS810)。このベット演出としては、ベットがされたときの効果音を再生したり、画像表示装置41で再生されている画像を変化させたりすることが含まれる。また、ベットボタン31の操作されていないと判定したときは、演出制御手段はステップS808に戻る。また、ステップS808で疑似遊技の終了条件を満足していると判断したとき、または、ステップS810のベット演出が実行されたときは、演出制御手段は、メインモードに切り替える(ステップS811)。このようにメインモードに切り替えることにより、ベットボタンランプ48が消灯する。なお、疑似遊技が終了したときは、通常の演出(本遊技に対する演出)が実行される。
なお、疑似遊技の開始後、ストップボタン33a〜33cに対する第3停止の操作後(すなわち、疑似遊技に対して遊技者が全てのストップボタン33a〜33cを操作して左及び中リール21a,21b並びにサブリール46を停止させたとき)は、上記のようなベットボタン31の操作を行えるが、第3停止の操作が行われる前にタイマーが経過したと判断され、メイン制御手段により全てのメインリールが停止されたときは、その後、メイン制御手段により本遊技が開始されるためベットボタン31の操作を行うことができない。そのため、ステップS803でタイムアウトにより全リールが停止したと判断したときは、演出制御手段は、疑似遊技が終了したと判断し、ベット演出を行わない。
また、以上の説明では、スタートレバー32が操作された時点でサブリールの停止図柄を決定するように構成した場合について説明したが、メインリール21a〜21cと同様に、ストップボタン33a〜33cが操作される前に、既に停止されているメインリール21a〜21cの停止図柄に応じて、停止テーブルを選択するように構成してもよい。
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン1では、フリーズモードB〜Eの遊技数及び疑似遊技aの前兆遊技数は、疑似遊技及び本遊技をそれぞれ1遊技としてカウントしている。また、疑似遊技中にストップボタン33a〜33cのストップボタンランプ48を点灯させ、疑似遊技の終了後にベットボタン31のベットボタンランプ47を点灯させ、さらに、疑似遊技の終了後にスタートレバー32の操作で疑似遊技を終了して本遊技を実行するように構成しているため、遊技者に対して、疑似遊技と本遊技の区別を付けづらくし、疑似遊技も1つの遊技と認識させるように構成されている。
(当選役に応じたサブリール46の停止図柄について)
次に、サブリール46の停止図柄について説明する。上述したように、演出制御手段は、メイン制御手段によりメインリール21a〜21cの回転が開始されたと判断すると、サブリール46の回転を開始し、右ストップボタン33cが操作されたと判断すると、サブリール46を停止させる。メインリール21a〜21cの回転開始は、メイン制御基板100からサブ制御基板200(演出制御基板300)に送信されるスタートレバー受付コマンドC1002で判断してもよいし、待機演出コマンドC1003によりフリーズが実行されるときは、このフリーズを考慮してもよい。また、第1〜第3回胴回転開始コマンドC1005〜C1007でメインリール21a〜21cの回転開始を判断してもよい。一方、右ストップボタン33cの操作は、第1〜第3停止受付コマンドC1008,C1010,C1012で判断してもよいし、第1〜第3回胴回転停止コマンドC1009,C1011,C1013で判断してもよい(これらの制御コマンドのうち、右ストップボタン33cの操作に対応するもので判断する)。
上述したように、このスロットマシン1におけるサブリール46は、サブ制御基板200でその作動が制御されるため、メイン制御基板100における役抽選の結果の影響を受けない。そこで、第1リール表示窓11から見える左リール21a及び中リール21bの停止図柄を考慮したサブリール46の停止方法について説明する。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、サブ制御手段によりストップボタン33a〜33cの押し順が報知されない限り、遊技者は、ストップボタン33a〜33cを順押しする(左ストップボタン33a、中ストップボタン33b、右ストップボタン33cの順で操作される)ものとして説明する。
−押し順ベル(小役1)に当選しているとき−
まず、押し順ベル(小役1(小役1−A1〜A9、小役1−B1〜B9、小役1−C1〜C9、小役1−D1〜D9))に当選しているときについて説明する。本実施形態に係るスロットマシン1においては、後述する演出状態がART演出状態にあるときに押し順ベル(小役1)に当選すると、演出制御手段によりその正解押し順が報知される(例えば、画像表示装置41に正解押し順が表示される)。そして、ストップボタン33a〜33cがこの正解押し順で操作されると、メインリール21a〜21cの有効ライン上には、図5に示す入賞役Gの図柄の組み合わせが停止する。すなわち、左リール21a及び中リール21bの中段(有効ライン上)に「ベル」の図柄が停止する。またこのとき、図4に示す図柄配置から明らかなように、左リール21a及び中リール21bの下段に「白リプレイ」の図柄が停止する。したがって、サブ制御手段は、正解押し順で右ストップボタン33cが操作されたときに、サブリール46の中段に「ベル」の図柄を停止させると、第1リール表示窓11から見える3×3の図柄の中段に「ベル」の図柄が揃った(小役1に入賞した)ように見せることができ、下段に「白リプレイ」を停止させると「白リプレイ」の図柄が揃った(再遊技になった)ように見せることができる。なお、以降の説明において、上述したように、サブリール46の3つの図柄の停止位置のうち、少なくとも2つにいずれかの図柄を配置すると、第1リール表示窓11内のいずれかのライン上に同一または類似する図柄が揃うことになる左リール21a及び中リール21bの図柄の配置を「ダブルテンパイ」と呼ぶ。
一方、ART演出状態でないとき(例えば、後述する通常演出状態のとき)は、演出制御手段は、正解押し順を報知しないので、遊技者がストップボタン33a〜33cを順押しすると不正解押し順となる。したがって、サブ制御手段は、ストップボタン33a〜33cが不正解押し順で操作されたときに、サブリール46の中段にはずれ目の図柄を停止させることにより、いずれの役にも当選しなかったように見せることができる。以上より、押し順ベル(小役1)に当選し、正解押し順で操作されたとしても、サブリール46の中段に「ベル」の図柄を停止させるか、下段に「白リプレイ」の図柄を停止させるかを切り替えることにより、遊技者に対して、小役1(ベル)に入賞したように見せることもできるし、リプレイが揃ったように見せることもできる。なお、図4から明らかなように、このスロットマシン1においては、メインリール21a〜21cと同じ制御でサブリール46を制御している場合でも、右ストップボタン33cの操作タイミングに関わらず「ベル」及び「白リプレイ」の図柄を所望のライン上に引き込むことができる。
−小役2に当選しているとき−
小役2に当選しているときは、左ストップボタン33a及び中ストップボタン33bを所定のタイミングで操作すれば「スイカ」の図柄を第1リール表示窓11内に引き込むことができるが、それ以外のタイミングで操作すると引き込むことができない。同様に、サブリール46をメインリール21a〜21cと同じ制御をしている場合には、所定のタイミングで右ストップボタン33cが操作されないと「スイカ」の図柄を引き込むことができない。したがって、演出制御手段は、右ストップボタン33cの操作時に、左リール21a及び中リール21bに「スイカ」の図柄が揃っており、その延長線上のサブリール46に「スイカ」の図柄を引き込めるときは引き込み、引き込むことができないときや左リール21a及び中リール21bに「スイカ」の図柄が揃っていないときははずれ目となるように制御する。なお、この小役2−1〜小役2−3は左リール21a、中リール21b及びサブリール46に「スイカ」の図柄が揃うことで、遊技者に対して有利な状態になる可能性あることを示唆する演出に用いられる場合がある。なお、小役2−1に当選しているときは、入賞役Aの図柄の組み合わせのうち、左リール21aの「ベル」の図柄、及び、右リール21cの「ブランクB」の図柄は、左及び右ストップボタン33a,33cの操作タイミングに拘わらず、必ず、有効ライン上に停止させることができるので、左リール21aに「スイカ」の図柄が停止していなくても、遊技メダルの払い出しを受けることができる。
−リプレイ1に当選しているとき−
リプレイ1に当選しているときは、上述したように、順押しされたときは、左リール21a及び中リール21bの中段に「白リプレイ」の図柄が停止する場合、中段に「赤7」の図柄が停止する場合、上段に「白リプレイ」の図柄が停止する場合、右下がり及び左下がりのライン上に「白リプレイ」の図柄が停止する場合がある。また、変則押しされたときは、中段に「白リプレイ」の図柄が停止する。さらに、中段に「白リプレイ」が停止するときは、図4から明らかなように上段に「ベル」の図柄が停止する。したがって、サブ制御手段は、右ストップボタン33cが操作されたときに左リール21a及び中リール21bに並ぶ「白リプレイ」又は「ベル」の図柄の延長線上に「白リプレイ」又は「ベル」の図柄を停止させることにより、遊技者に対してリプレイが揃ったように見せることができるし、小役1(ベル)が揃ったように見せることもできる。また、左及び中リール21a,21bの中段に「赤7」の図柄が停止しているときは、サブリール46の上段に「白リプレイ」の図柄を停止させれば、遊技者に対してリプレイが揃ったように見せることができるし、サブリール46の中段に「赤7」の図柄を停止させれば、ボーナスが揃ったように見せることができる。
−リプレイ4に当選しているとき−
リプレイ4に当選しているときは、上述したように、ストップボタン33a〜33cが順押しされると、左リール21aの上段及び中リール21bの中段に「ベル」の図柄が停止するため、右ストップボタン33cの操作時にサブリール46の下段に「ベル」の図柄を停止させることにより、遊技者に対して、第1リール表示窓11内の右下がりのライン上に小役1(ベル)の図柄が揃ったように見せることができる。一方、ストップボタン33a〜33cが変則押しされると、再遊技役Aの図柄が有効ライン上に停止するように制御されるため、左リール21a及び中リール21bの中段に「白リプレイ」の図柄が停止し、これにより、上段に「ベル」の図柄が停止する。そのため、サブリール46の中段に「白リプレイ」の図柄を停止させると、リプレイの図柄が揃ったように見せることができるし、上段に「ベル」の図柄を停止させると、小役1(ベル)の図柄が揃ったように見せることができる。
−リプレイ2またはリプレイ3に当選しているとき−
リプレイ2またはリプレイ3に当選しているときは、左ストップボタン33aを所定のタイミングで操作すれば「チェリー」の図柄を左リール21aの上段又は下段に引き込むことができるが、それ以外のタイミングで操作すると引き込むことができない。したがって、演出制御手段は、左リール21aに停止した図柄によりサブリール46に停止させる図柄を決定する。詳細は後述する。なお、このリプレイ2及びリプレイ3は左リール21aに「チェリー」の図柄が停止することで、遊技者に対して有利な状態になる可能性あることを示唆する演出に用いられる場合がある。
(サブリール46に停止させる図柄の例)
以上のような制御によりサブリール46を停止制御するときに、第1リール表示窓11に停止する図柄の例について図43〜図49を用いて説明する。ここで、図43は左リール21aに対して「チェリー」の図柄を狙ったときに中段に「白リプレイ」の図柄が停止する場合のサブリール46の停止制御の例を示し、図44は左リール21aに対して「チェリー」の図柄を狙ったときに中段に「バー」の図柄が停止する場合のサブリール46の停止制御の例を示し、図45は左リール21aに対して「チェリー」の図柄を狙ったときに中段に「スイカ」の図柄が停止する場合のサブリール46の停止制御の例を示し、図46は左リール21aに対して「チェリー」の図柄を狙ったときに中段に「ベル」の図柄が停止する場合のサブリール46の停止制御の例を示し、図47は左リール21aに対して「赤7」の図柄を狙ったときに中段に「赤7」の図柄が停止する場合のサブリール46の停止制御の例を示し、図48は左リール21aに対して「赤7」の図柄を狙ったときに中段に「白リプレイ」の図柄が停止する場合のサブリール46の停止制御の例を示し、図49は上記以外のサブリール46の停止制御の例を示す。なお、この説明においては、図4に示す左リール21a、中リール21b及びサブリール46の図柄の配置、並びに、図5及び図10に示す当選役と図柄の組み合わせを参照して説明する。また、これらの図43〜図49において、中リール21b又はサブリール46に表示される図柄の上又は下の空白は以下の説明に影響しない図柄であることを示し、「×」は当選役を構成する図柄以外の図柄であることを示し、「−」は任意の図柄であることを示している。
まず、図43〜図46を用いて、遊技者が、左リール21aの「チェリー」の図柄(図4に示す7番の図柄)を狙って左ストップボタン33aを操作するときの、当選役と演出制御手段によるサブリール46の停止制御との関係を説明する。なお、遊技者は、左リール21aの有効ライン上を「チェリー」の図柄が通過しようとするタイミングで左ストップボタン33aを操作するものとする。
再遊技役Aや再遊技役Dのように、左リール21aに「白リプレイ」の図柄を含む役(リプレイ1やリプレイ4)が当選しているときに、遊技者が左リール21aの「チェリー」の図柄を狙って左ストップボタン33aを操作すると、リール制御手段120は、図43(a)に示すように、図4に示す9番の図柄である「白リプレイ」の図柄を左リール21aの中段(有効ライン上)に停止させる。このとき、左リール21aの上段には「ベル」の図柄が停止している。そして、リプレイ1に当選しているときに、中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、図43(b)に示すように、中リール21bの中段(有効ライン上)に「白リプレイ」の図柄を停止させるので、これにより中リール21bの上段には「ベル」の図柄が停止する。そのため、演出制御手段は、右ストップボタン33cの操作時に、そのときの演出の状況に応じて、サブリール46の中段に「白リプレイ」の図柄を停止させるか、若しくは、図43(c)に示すように、サブリール46の上段に「ベル」の図柄を停止させる。また、図43(a)の状態でリプレイ4に当選しているときは、中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、図43(d)に示すように、中リール21bの中段に「ベル」の図柄を停止させるので、演出制御手段は、右ストップボタン33cの操作時に、サブリール46の下段に「ベル」の図柄を停止させる。また、押し順ベル(小役1)に当選しているときに、遊技者が左リール21aの「チェリー」の図柄を狙って左ストップボタン33aを操作したときも、リール制御手段120は、図43(e)に示すように、図4に示す9番の図柄である「白リプレイ」の図柄を左リール21aの中段(有効ライン上)に停止させるが、中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は、「青7」又は「ブランクA」の図柄を中リール21bの中段に停止させることができるときはこれらの図柄を停止させ、停止させることができないときははずれ目の図柄を停止させる。すなわち、第2停止である中ストップボタン33bの操作タイミングによっては、遊技メダルが1枚払い出される入賞役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する可能性があるので、演出制御手段は、右ストップボタン33cの操作時に、左及び中リール21a,21bの有効ライン上に停止する図柄に合わせて、サブリール46の停止図柄を決定する。
また、再遊技役Eや再遊技役Gのように、左リール21aに「バー」の図柄を含む役(リプレイ2やリプレイ3)が当選しているときに、遊技者が左リール21aの「チェリー」の図柄を狙って左ストップボタン33aを操作すると、リール制御手段120は、図44(a)に示すように、図4に示す8番の図柄である「バー」の図柄を左リール21aの中段(有効ライン上)に停止させる。このとき、左リール21aの下段には、図4に示す7番の図柄である「チェリー」の図柄が停止し、上段には、図4に示す9番の図柄である「白リプレイ」が停止する。そして、リプレイ2に当選しているときに、中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、図44(b)に示すように、中リール21bの中段(有効ライン上)に「白リプレイ」の図柄を停止させるので、演出制御手段は、右ストップボタン33cの操作時に、そのときの演出の状況に応じて、サブリール46に「白リプレイ」以外の図柄を停止させることで遊技者に対して「弱チェリー」を示唆することができ、図44(c)に示すように、サブリール46の下段に「白リプレイ」の図柄を停止させることで遊技者に対して「強チェリー」を示唆することができる。ここで、左リール21aの下段に「チェリー」の図柄が停止すると、一般的なスロットマシンでは、遊技者に有利な状態になる度合いを示唆している場合があり、「弱チェリー」及び「強チェリー」はその状態になる確率の高低を示している。図44(b)では、右下がりのライン上に「白リプレイ」の図柄が揃わないことにより「弱チェリー」を示し、図44(c)では、右下がりのライン上に「白リプレイ」の図柄が揃うことにより「強チェリー」を示している。また、図44(a)の状態でリプレイ3に当選しているときは、中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、図44(d)に示すように、中リール21bの中段に図4に示す10番の「ベル」の図柄を停止させる場合があり、このときは、上段に「白リプレイ」の図柄が停止することになる。そのため、演出制御手段は、右ストップボタン33cの操作時に、サブリール46の上段に「白リプレイ」の図柄を停止させることで「強チェリー」を示唆することができる。この場合も、上段のライン上に「白リプレイ」の図柄が揃うことにより「強チェリー」を示している。
また、入賞役Bや入賞役Eのように、左リール21aに「スイカ」の図柄を含む役(例えば小役2−3)が当選しているときに、遊技者が左リール21aの「チェリー」の図柄を狙って左ストップボタン33aを操作すると、リール制御手段120は、図45(a)に示すように、図4に示す11番の図柄である「スイカ」の図柄を左リール21aの中段(有効ライン上)に停止させる。そして、リール制御手段120は、中ストップボタン33bの操作時に、中リール21bの中段に「スイカ」の図柄を引き込めるときは、図45(b)に示すように、この「スイカ」の図柄を停止させるので(入賞役Bの図柄の組み合わせ)、演出制御手段も、右ストップボタン33cの操作時に、サブリール46の中段に「スイカ」の図柄を引き込めるときはこの「スイカ」の図柄を停止させることで「強スイカ」を示唆することができる。一般的なスロットマシンでは、「スイカ」の図柄が揃う役(小役2)は当選確率の低い小役に割り当てられている場合があり(上述したように、このような役を「レア役」と呼ぶ)、この役の図柄の組み合わせが揃うと、遊技者は、有利な状態になることを期待する。ここで、「弱スイカ」及び「強スイカ」はその状態になる確率の高低を示している。なお、演出制御手段によるサブリール46の停止制御は、メインリール21a〜21cのように、ストップボタン33a〜33cが操作されてから停止するまでのコマ数の制約を受けないため、メインリール21a〜21cの制約を超えて「スイカ」の図柄をサブリール46の中段に引き込むように構成することも可能である。
また、入賞役Aや入賞役Cのように、左リール21aに「ベル」の図柄を含む役(例えば小役2−1、小役2−2)が当選しているときに、遊技者が左リール21aの「チェリー」の図柄を狙って左ストップボタン33aを操作すると、リール制御手段120は、図46(a)に示すように、図5に示す10番の図柄である「ベル」の図柄を左リール21aの中段(有効ライン上)に停止させる。このとき、左リール21aの上段には図4に示す11番の図柄である「スイカ」の図柄が停止する。そして、小役2−1に当選しているときに、中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、図46(b)に示すように、中リール21bの中段(有効ライン上)に「スイカ」の図柄を引き込めるときはこの「スイカ」の図柄を停止させるので(入賞役Aの図柄の組み合わせ)、演出制御手段も、右ストップボタン33cの操作時に、サブリール46の下段に「スイカ」の図柄を引き込めるときはこの「スイカ」の図柄を停止させることで「弱スイカ」を示唆することができ、図46(c)に示すように、サブリール46の上段に「スイカ」の図柄を引き込めることができるときはこの「スイカ」の図柄を停止させることで遊技者に対して「強スイカ」を示唆することができる。また、図46(a)の状態で小役2−2に当選しているときは、中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、図46(d)に示すように、中リール21bの中段に「チェリー」又は「ブランクB」の図柄を引き込めるときはこの図柄を停止させるので(入賞役Cの図柄の組み合わせ)、中リール21bの上段に「スイカ」の図柄が停止する。そのため、演出制御手段は、右ストップボタン33cの操作時に、サブリール46の上段に「スイカ」の図柄を停止させることで「強スイカ」を示唆することができる。このサブリール46における「スイカ」の図柄についても、演出制御手段によるサブリール46の停止制御は、メインリール21a〜21cのように、ストップボタン33a〜33cが操作されてから停止するまでのコマ数の制約を受けないため、メインリール21a〜21cの制約を超えて「スイカ」の図柄をサブリール46の上段又は下段に引き込むように構成することも可能である。
次に、図47及び図48を用いて、遊技者が、左リール21aの「赤7」の図柄(図4に示す18番の図柄)を狙って左ストップボタン33aを操作するときの、当選役と演出制御手段によるサブリール46の制御との関係を説明する。なお、遊技者は、左リール21aの有効ライン上を「赤7」の図柄が通過するタイミングで左ストップボタン33aを操作するものとする。
入賞役Dのように、左リール21aに「赤7」の図柄を含む役(例えば、小役2−1〜3)が当選しているときに、遊技者が左リール21aの「赤7」の図柄を狙って左ストップボタン33aを操作すると、リール制御手段120は、図47(a)に示すように、図4に示す18番の図柄である「赤7」の図柄を左リール21aの中段(有効ライン上)に停止させる。このとき、左リール21aの上段に図4に示す17番の図柄である「白リプレイ」の図柄が停止し、下段に図4に示す19番の図柄である「白リプレイ」の図柄が停止する。次に、中ストップボタン33bが操作されると、リール制御手段120は、中リール21bの中段(有効ライン上)に「白リプレイ」の図柄を停止させるので(入賞役Dの図柄の組み合わせ)が停止する。これにより、右ストップボタン33cの操作時に、右斜め上のライン上、又は、右斜め下のライン上のサブリール46(下段又は上段)に「白リプレイ」の図柄を停止させることにより、これらのライン上にリプレイの図柄(白リプレイ)を揃えることができる。そこで、演出制御手段は、演出の状態に応じて、図47(b)に示すように、サブリール46の上段、又は、図47(c)に示すように、サブリール46の下段に「白リプレイ」の図柄を停止させる。
再遊技役Dのように、左リール21aに「白リプレイ」の図柄を含む役(例えば、リプレイ4)が当選しているときに、遊技者が左リール21aの「赤7」の図柄を狙って左ストップボタン33aを操作すると、リール制御手段120は、図48(a)に示すように、図4に示す19番の図柄である「白リプレイ」の図柄を左リール21aの中段(有効ライン上)に停止させる。このとき、左リール21aの上段には「ベル」の図柄が停止する。また、中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は、図48(b)に示すように、中リール21aの中段に「ベル」の図柄を停止させる(再遊技役Dの図柄の組み合わせ)。そのため、演出制御手段は、右ストップボタン33cの操作時に、サブリール46の下段に「ベル」の図柄を停止させることにより、右斜め下のライン上に小役1(ベル)の図柄の組み合わせを揃えることができる。また、押し順ベル(小役1)に当選しているときに、遊技者が左リール21aの「赤7」の図柄を狙って左ストップボタン33aを操作したときも、リール制御手段120は、図48(c)に示すように、図4に示す19番の図柄である「白リプレイ」の図柄を左リール21aの中段(有効ライン上)に停止させ、中ストップボタン33bの操作時に、リール制御手段120は遊技メダルが1枚払い出される入賞役の図柄を中リール21bの中段に停止させるか、又は、はずれ目を停止させるので、演出制御手段は、右ストップボタン33cの操作時に、左及び中リール21a,21bの有効ライン上に停止する図柄に合わせて、サブリール46の停止図柄を決定する(図48(c)は、中リール21bにはずれ目が停止した場合を示している)。
また、サブリール46は、メインリール21a〜21cと同じ停止位置にする必要はなく、例えば、図49(a)に示すように、図4の12番及び13番の図柄である「バトル」の図柄のそれぞれを、上段と中段及び中段と下段に跨がるように停止させることにより、演出として特別の意味を持たせることもできる。なお、本実施形態に係るスロットマシン1では、図49(a)に示すサブリール46の停止態様を「特定図柄停止態様」と呼ぶ。また、メイン制御手段による役の抽選結果に関わらず、例えば、図49(b)に示すように、サブリール46の中段に「バー」の図柄を停止させることにより、演出として特別な意味を持たせることもできる(上述したレア役と同じ役割を担わせることができる)。
また、上述したように、内部中遊技状態RT1であるときに、リプレイ1に当選し、遊技者により左ストップボタン33aから操作がされると(順押しされると)、リール制御手段120は、左リール21a及び中リール21cの中段に可能な限り「赤7」の図柄を引き込むように制御を行う。そのため、内部中遊技状態RT1であって、リプレイ1に当選しているときに、演出制御手段により、遊技者に対して、例えば「赤7を狙え」等の報知をし、右ストップボタン33cが操作されたときにサブリール46の中段に「赤7」の図柄を引き込むと、図49(c)のように中段に「赤7」の図柄が揃うので、これにより演出として特別な意味を持たせることができる。なお、サブリール46の制御は演出制御手段により行われるため、上述のような報知をしていないにも関わらず、左リール21a及び中リール21bの中段に「赤7」の図柄が停止した場合には、サブリール46の中段に「赤7」の図柄を停止させないように制御される。同様に、内部中遊技状態RT1以外の遊技状態では、リール制御手段120は、中リール21bの中段に「赤7」の図柄を引き込まないように構成されているため、この場合も、演出制御手段は、サブリール46に「赤7」の図柄を引き込まないように構成されている。
図5から明らかなように、メインリール21a〜21cの有効ライン上に揃う図柄の組み合わせのほとんどは、通常リール(左リール21a及び中リール21b)の図柄と、特定リール(右リール21c)の図柄とが異なるように構成されている。そのため、第1リール表示窓11及び第2リール表示窓12から視認できるメインリール21a〜21cの図柄からは、揃った役が判別しにくいように構成されている。一方、第1リール表示窓11から見える通常リール(左リール21a及び中リール21b)とサブリール46のいずれかのライン上に揃う図柄は、同一又は類似(「白リプレイ」と「赤リプレイ」)しているため、遊技者は瞬時に揃った図柄の組み合わせを認識することができる。そのため、遊技者に対し。この第1リール表示窓11から見えるリールが、通常の遊技機におけるリールであると認識させることができる。
なお、第1リール表示窓11内に揃う図柄の組み合わせは、通常リール(左リール21a及び中リール21b)の有効ライン上に停止した図柄と、その有効ラインの延長線上の位置に停止したサブリール46の図柄とで構成してもよいし、通常リールの有効ラインとは異なるライン(上段、下段や斜めのライン)上に停止した図柄で構成してもよい。また、役抽選手段110による当選役、又は、通常リールに停止した図柄に対して、予め決まった図柄をサブリール46に停止させてもよいし、複数の図柄の組み合わせを揃えることができるときは、抽選で、どちらの図柄の組み合わせを揃えるか(サブリール46にどの図柄を停止させるか)を決定するように構成してもよい。
(演出制御基板300による演出)
上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、メイン制御基板(メイン制御手段)100で制御される遊技の進行に応じて、単位遊技ごとに、サブ制御基板200の演出制御基板300で実行される演出制御手段(例えば、演出制御基板300のサブCPU310で実行されるプログラム)により演出パターンが選択され、画像表示装置41、演出用ランプ42、放音部43、バックランプ44、サブリール46等からなる演出手段40を用いた演出が実行される。まず、図50を用いてこの演出制御基板300で実行される演出の流れについて説明する。ここで、図50は演出制御基板300で実行される演出状態の流れを示す説明図である。なお、以降の説明において、演出制御基板300のサブCPU310で実行される処理のうち、演出の実行に関する処理を「演出制御手段」と呼ぶ。
ここで、本実施形態に係るスロットマシン1において、通常遊技状態RT0の遊技で用いられる役抽選テーブルによる役の抽選では、図10に示すように、約1/3の確率で特別役に当選する。そのため、通常遊技状態RT0にあるときは、すぐに、遊技状態が内部中遊技状態RT1に移行する。また、内部中遊技状態RT1の遊技で用いられる役抽選テーブルによる抽選では、約1/2の確率で押し順ベル(小役1−A1〜A9,小役1−B1〜B9,小役1−C1〜C9,小役1−D1〜D9)に当選し、約1/2の確率でリプレイ(リプレイ1〜リプレイ4)に当選する。また、このリプレイのうち、約1/3の確率で通常のリプレイ(ストップボタン33a〜33cの押し順に関わらず左リール21a及び中リール21bの有効ライン上に「白リプレイ」の図柄が揃うリプレイ1)に当選し、約2/3の確率でベルリプレイ(順押しで左リール21a及び中リール21bの無効ライン上(右下がりのライン上)に「ベル」の図柄が揃うリプレイ4)に当選するように構成されている。すなわち、かなりの確率でベルリプレイ(リプレイ4)に当選する。そのため、これらの役に当選すると小役1、リプレイ1及びリプレイ4の図柄の組み合わせが有効ライン上に揃うため、特別役(MB)の図柄の組み合わせを有効ライン上に揃えることが困難になる。よって、このスロットマシン1においては、ほとんどの遊技が内部中遊技状態RT1で実行されることになるので、以下の説明では、特に断らない限り、内部中遊技状態RT1で遊技が行われているものとして説明する。なお、内部中遊技状態RT1にあるときに、特別役(MB)の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させる方法としては、置数が1(図10において、当選確率の分子の値が1)のはずれを設け、図10の当選役のいずれにも当選しない遊技において(すなわち、役抽選にはずれたときに)、特別役(MB)の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させることができるタイミングでストップボタン33a〜33cが操作されたときにこのMBの図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させるように構成してもよいし、特定役の当選時に、特定の押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたときに、特別役(MB)の図柄の組み合わせを有効ライン上に停止させるように構成してもよい。
なお、上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、疑似遊技も、本遊技と同じ1つの遊技と見なすことができるので、以降の説明では特に断らない限り、疑似遊技及び本遊技のそれぞれを1つの単位遊技として説明する。
(演出状態の遷移)
それでは、上述したようなメイン制御基板100(メイン制御手段)による遊技に対応して、演出制御基板300で実行される演出について説明する。本実施形態に係るスロットマシン1では、上述したフリーズモードに応じて演出状態を切り替えるように構成されている。具体的には、図50に示す演出状態のうち、通常演出状態D1、第1高確演出状態D2、第1前兆演出状態D3、第1準備中演出状態D4、第2高確演出状態D5、第2前兆演出状態D6及び第2準備中演出状態D7の演出は、フリーズモードAのときに実行される。また、ART演出状態D8の演出は、フリーズモードBのときに実行され、継続判定演出状態D9の演出は、フリーズモードCのときに実行され、継続確定演出状態D10の演出は、フリーズモードDのときに実行され、終了演出状態の演出は、フリーズモードEのときに実行される。
−通常演出状態D1−
本実施形態に係るスロットマシン1において、工場出荷時のようにメイン制御手段のフリーズモードが「A」であるときは、演出制御手段は通常演出状態D1の演出を実行する。このスロットマシン1において、通常演出状態D1からART演出状態D8に移行するためのルートは、第1高確演出状態D2、第1前兆演出状態D3及び第1準備中演出状態D4を経由する場合(以下、「第1ルート」と呼ぶ)、並びに、第2高確演出状態D5、第2前兆演出状態D6及び第2準備中演出状態D7を経由する場合(以下、「第2ルート」と呼ぶ)がある。
−第1ルート−
通常演出状態D1において所定の遊技数の遊技が実行されると、演出制御手段は、演出状態を第1高確演出状態D2に切り替える。なお、この第1高確演出状態D2の遊技数は、予め決められた遊技数でもよいし、通常演出状態D1から第1高確演出状態D2に移行するときに、抽選で決定してもよい。この第1高確演出状態D2において、演出制御手段は、所定の遊技数の間、遊技毎に抽選を行い、当選すると演出状態を第1前兆演出状態D3に移行させる。ここで、演出制御手段は、第1高確演出状態D2から第1前兆演出状態D3に移行するときに、第1前兆演出状態D3の結果を抽選で決定するように構成されている。例えば、第1前兆演出状態D3の演出として画像表示装置41に自キャラクタと敵キャラクタが戦闘を行う映像を流し、所定の遊技数が実行されたときにその戦闘の結果(勝ち又は負け)が表示され、勝ちのときは、第1準備中演出状態D4に移行し、負けのときは第1高確演出状態D2に移行する。このように、演出制御手段は、第1高確演出状態D2において、上述した所定の遊技数の間、抽選に当選する毎に第1前兆演出状態D3に移行するという処理を繰り返し、所定の遊技数の遊技が終了すると、演出状態を通常演出状態D1に移行させる。なお、第1前兆演出状態D3の遊技数も、予め決められた遊技数であってもよいし、第1前兆演出状態D3に移行するときに抽選で決定するように構成してもよい。また、演出制御手段は、通常演出状態D1の遊技においても、遊技毎に抽選を行い、この抽選に当選すると第1前兆演出状態D3に演出状態を移行させるが、通常演出状態D1で第1前兆演出状態D3への移行に当選する確率は、第1高確演出状態D2で第1前兆演出状態D3への移行に当選する確率よりも低く設定されている。このとき、演出制御手段は、通常演出状態D1から第1前兆演出状態D3に移行するときに、この第1前兆演出状態D3の結果が負けであったときは、第1前兆演出状態D3の終了後は通常演出状態D1に戻るように構成されている。また、第1前兆演出状態D3の遊技において、演出制御手段は、遊技毎に抽選を行い、この第1前兆演出状態D3に移行するときに結果が負けであっても、抽選に当選したときはその結果を勝ちに置き換えるように構成してもよい。また、通常演出状態D1又は第1高確演出状態D2から第1前兆演出状態D3に移行すると決定したときは、当該遊技の第3停止(右ストップボタン33c)の操作時に、メインリール21a〜21cの停止図柄に拘わらず、上述したようにサブリール46に「バトル」の図柄を表示させる。
第1準備中演出状態D4は、フリーズモードを「A」から「B」に切り替えて、ART演出状態D8に移行するための演出を実行する状態である。演出制御手段は、第1準備中演出状態D4に移行すると、役抽選手段110でリプレイ1に当選するのを待ち、このリプレイ1に当選した遊技において、遊技者に「赤7」を第1リール表示窓11の中段に揃えさせる報知を行う。そして、遊技者が「赤7」を揃えることができると、押し順ベルの当選に対してその正解押し順を報知する。この報知により、押し順ベルに2回当選すると、メイン制御手段がフリーズモードを「A」から「B」に切り替えるので、演出制御手段は、演出状態をART演出状態D8に移行させる。
以上のように、この第1のルートでは、通常演出状態D1の遊技数が長くなると、比較的単調な遊技が連続するため、遊技者の興味や集中力が低くなる可能性があるが、通常演出状態D1で所定の遊技が実行されると、必ず、第1高確演出状態D2に移行するので、遊技者に対して、ART遊技に移行するチャンスがあるかも知れないという期待を与え、このスロットマシン1に対する遊技者の興味や集中力を持続させることができる。また、通常演出状態D1で所定の遊技数が実行されなくても、抽選で第1前兆演出状態D3に移行する場合もあるため、さらに、遊技者の興味や集中力を持続させることができる。
−第2ルート−
一方、通常演出状態D1の遊技において、役抽選手段によりレア役に当選すると、演出制御手段は抽選を行い、この抽選に当選すると、演出状態を第2高確演出状態D5に移行させる。この第2高確演出状態D5においても、役抽選手段によりレア役に当選すると、演出制御手段は抽選を行い、この抽選に当選すると、演出状態を第2前兆演出状態D6に切り替える。なお、通常演出状態D1でレア役に当選して抽選で第2高確演出状態D5に移行する確率よりも、第2高確演出状態D5でレア役に当選して抽選で第2前兆演出状態D6に移行する確率の方が高くなるように設定されている。また、通常演出状態D1において、演出制御手段は、役抽選手段によりレア役に当選した遊技で、第2高確演出状態D5を経由せずに直接第2前兆演出状態D6に移行させる場合もある。但し、通常演出状態D1から第2前兆演出状態D6に移行する確率は、第2高確演出状態D5に移行する確率よりも低くなるように構成されている。
この第2高確演出状態D5の遊技数は予め決められており、演出制御手段は、遊技毎に、ART演出状態D8への移行の権利を抽選で決定する。具体的には、演出制御手段は、第2前兆演出状態D6において、遊技毎に、まず、上記権利を得られるか否かの抽選を行い(第1の抽選であって、以下「移行権利抽選」と呼ぶ)、この抽選に当選して権利を得たときは、その権利がART演出状態D8へ移行させるものか否かの抽選を行い(第2の抽選であって、以下「移行結果抽選」と呼ぶ)、それらの結果をRAM330等の記憶領域に記憶する。図51(a)は、9ゲームと定められた第2前兆演出状態D6の遊技毎の上記抽選の結果を示している。ここで、「−」は第1の抽選にハズレたことを示し、「×」は第1の抽選に当選したが、第2の抽選でART演出状態D8へ移行させないと決定されたことを示し、「○」は第1の抽選に当選し、さらに、第2の抽選でART演出状態D8へ移行させると決定されたことを示している。図51(b)は第1の抽選で当選した結果だけを記憶領域にストックした場合を示している(図51(b)の左側から得られた結果の順序で記憶されている)。なお、上述したように、第1の抽選及び第2の抽選を実行するのではなく、各遊技の一度の抽選で、ハズレ、移行させない、移行させるを決定するように構成してもよい。また、ハズレは設けず、移行させない及び移行させるを抽選で決定するように構成してもよい。
そして、演出制御手段は、所定の遊技数の第2前兆演出状態D6の遊技が実行されると、演出状態を第2準備中演出状態D7に切り替える。この第2準備中演出状態D7は、上述の第2前兆演出状態D6での抽選の結果の遊技者への報知と、ART演出状態D8へ移行させる権利を得ているときに、この演出状態に移行させる演出を実行させる状態である。本実施形態のスロットマシン1では、ストックされている権利の結果のうち、先にストックされた結果から取り出し、「移行させる(図51における「○」)がでるまで、その結果を演出として報知する。一例としては、役抽選手段110でリプレイ1に当選するのを待ち、このリプレイ1に当選した遊技において、遊技者に「赤7」を第1リール表示窓11の中段に揃えさせる報知を行う。そして、第1停止及び第2停止(左ストップボタン33a及び中ストップボタン33b)の操作で第1リール表示窓11の中段に「赤7」の図柄が停止した場合に、第3停止(右ストップボタン33c)の操作で演出制御手段はサブリール46を停止させるが、ストックから取り出した結果が「×」のときは、サブリール46の中段に「赤7」以外の図柄を停止させ、所定の時間経過後に再度サブリール46を回転させる。そして、「○」が取り出されるまで、すなわち「×」が取り出される毎に、サブリール46の中段に「赤7」以外の図柄を停止させ、再度回転させる動作を繰り返し、「○」が取り出されたときに、「赤7」の図柄をサブリール46の中段に停止させる。図51(b)の場合、最初の結果は「×」であるため、サブリール46の中段には「赤7」以外の図柄が停止し、その後サブリール46が再度回転したときに取り出される結果が「○」であるためサブリール46の中段に「赤7」が停止する。図51(c)は、上記結果(「×」及び「○」)が取り出された後の記憶領域の状態を示している。なお、全ての結果を取り出した結果、ART演出状態D8に移行させる結果がないときは、演出制御手段は、演出状態を通常演出状態D1に移行させる(サブリール46の中段に「赤7」以外の図柄が停止した状態で、当該遊技が終了する)。また、第2準備中演出状態D7に移行し、役抽選手段110によりリプレイ1に当選するまでの遊技において、レア役に当選したときは、上記抽選(第1抽選及び第2抽選)を行って結果をさらにストックするように構成してもよい。
演出制御手段は、第1リール表示窓11の中段に「赤7」の図柄が揃うと、押し順ベルの当選に対してその正解押し順を報知する。この報知により、押し順ベルに2回当選すると、メイン制御手段がフリーズモードを「A」から「B」に切り替えるので、演出制御手段は、演出状態をART演出状態D8に移行させる。
なお、第2前兆演出状態D6で得た権利は、演出として、画像表示装置41に表示するように構成してもよい。例えば、第2前兆演出状態D6において、移行権利抽選が実行される毎に、玉の画像を画像表示装置41に表示し、第2準備中状態D7で権利を取り出すときに、玉が割れてその結果が表示される演出を実行するように構成してもよい。このとき、上述の移行権利抽選で当選した結果だけを画像表示装置41に表示してもよいし、移行権利抽選のハズレも含めて画像表示装置41に表示してもよい。また、ストックされている結果に応じて、抽選等で画像表示装置41に表示されている玉の色を変化させてもよい。一例として、玉の色を、「赤色」及び「青色」とし、結果が「○」のときは、「赤色」が選択される確率を高くし、「×」又は「−」のときは「青色」が選択される確率を高くすることで実現できる。
この第2ルートを経由してART演出状態D8に移行すると、後述するように、第2前兆演出状態D6の抽選結果(ART演出状態D8に移行できる「○」)のストックに応じて、ART遊技が終了しても再度ART遊技(ART演出状態D8)に戻る可能性があり、遊技者に対して期待を与え、このスロットマシン1に対する遊技者の興味及び集中力を持続させることができる。また、通常演出状態D1からART演出状態D8に移行する経路を、上述した第1ルートに加えてこの第2ルートを設けることにより、ART演出状態D8に移行させるためのパターンを複数用意することができるので、本実施形態に係るスロットマシン1の遊技性を向上させることができる。
−ART演出状態D8−
上述したように、フリーズモードBの遊技数はメイン制御手段で管理されているため、演出制御手段は、メイン制御手段でのフリーズモードの制御に同期して、ART演出状態D8の演出を実行する。なお、上述したように、各フリーズモードの遊技数は、制御コマンドとしてメイン制御基板100から送信されるため、この遊技数で演出制御手段の演出を管理してもよいし、演出制御手段側でメイン制御手段とは別にこの遊技数を管理してもよい。演出制御手段は、このART演出状態D8では、役抽選手段により押し順ベルが当選したときは、画像表示装置41等にその正解押し順を表示して遊技者に報知する。なお、上述したように、このフリーズモードAからフリーズモードBに移行するときに、継続状態(フリーズモードBからフリーズモードC及びDのどちらに移行するか)は決定されているため、この継続状態をART演出状態D8の演出に反映させるように構成することも可能である(例えば、演出で表示されるキャラクタを抽選で決定するようにし、継続状態に応じてこの抽選の確率を変化させる)。また、演出制御手段は、フリーズモードBの最後の遊技で、疑似遊技bが実行されるときは、この疑似遊技bに応じた演出を行い(例えば、「青7」の図柄が揃うかも知れないという期待を遊技者に抱かせるような演出を行い)、次の遊技でフリーズモードに応じて演出状態を継続判定演出状態D9又は継続確定演出状態D10に移行させ、疑似遊技bが実行されないときは、すぐに演出状態を継続判定演出状態Dに移行させる。また、演出制御手段は、このART演出状態D8、すなわち、フリーズモードBの遊技においてレア役に当選し、そのレア役情報がストックされるときは、レア役情報がストックされたことを示す演出を実行する(例えば、ストックされているレア役情報を画像表示装置41に玉の画像として表示し、さらに、当選したレア役に応じた色をその玉に表示する演出を行う)。
−継続判定演出状態D9−
継続判定演出状態D9は、フリーズモードCの遊技に対応する演出を実行する状態である。上述したように、メイン制御手段は、遊技毎に、役抽選手段による当選役に応じてダメージDGm,DGeを決定し、自キャラクタ又は敵キャラクタのポイントPm,Peからダメージを減算する処理を行うため、演出制御手段は、画像表示装置41等により、この結果(ダメージ)に応じた演出を遊技毎に行う。例えば、リプレイに当選又はハズレにより自キャラクタのポイントPmからダメージDGmが減算されるときは、自キャラクタが攻撃を受ける演出を行う。同様に、小役に当選して敵キャラクタのポイントPeからダメージDGeが減算されるときは、敵キャラクタが攻撃を受ける演出を行う。もちろん、ダメージDGm,DGeの大きさにより、演出を変化させてもよい。また、現在のポイントPm,Peを画像として表示してもよい(例えば、棒状の領域の全体を最大値とし、残りのポイントに応じた領域を色付けして表示する)。そして、どちらかのポイントPm,Peが0になったときは、そのキャラクタが負けた演出を行い、メイン制御手段により決定されるフリーズモードに応じて演出状態を移行させる。本実施形態の場合、自キャラクタのポイントPmが0になるとフリーズモードAに移行するので、演出制御手段は、演出状態を通常演出状態D1に移行させ、敵キャラクタのポイントPmが0になると、継続回数が20回未満のときはフリーズモードBに移行するのでART演出状態D8に移行させ、継続回数が20回になるとフリーズモードEに移行するので終了演出状態D11に移行させる。なお、ART演出状態D8に対して第2準備中状態D7から移行したときに自キャラクタのポイントが0になったときは、演出制御手段は、第2前兆演出状態D6の結果がストックされているか否かを判断し、ストックが残っているときは演出状態を第2準備中演出状態D7に移行させ、ストックがないときは通常演出状態D1に移行させる。第2準備中状態D7に移行したときの演出制御手段の演出は上述した通りである。また、自キャラクタがダメージを受ける場合に、ストックされているレア役情報を使用するときは、このレア役情報の使用に対応した演出が実行される(例えば、画像表示装置41に表示されている玉が取り出されて使用される演出を実行する)。なお、この継続判定演出状態D9においても、役抽選手段110により押し順ベルに当選したときは、演出制御手段はその正解押し順を報知する。また、メイン制御手段は、フリーズモードCでは、上述した継続率に応じて、抽選で敵キャラクタのポイントPeを決定するように構成されているため、演出制御手段は、敵キャラクタのポイントPeの初期値に応じて、演出で表示する敵キャラクタを決定するように構成してもよい(例えば、ポイントPeの初期値が大きいほど、強いキャラクタを表示する)。
−継続確定演出状態D10−
継続確定演出状態D10は、フリーズモードDの遊技に対応する演出を実行する状態である。演出制御手段は、メイン制御手段がフリーズモードを切り替えるまで、このフリーズモードDに対応した演出を実行する。なお、この継続確定演出状態D10においても、役抽選手段110により押し順ベルに当選したときは、演出制御手段はその正解押し順を報知する。また、レア役情報がストックされるときの演出はART演出状態D8と同じである。
−終了演出状態D11−
また、終了演出状態D11は、フリーズモードEの遊技に対応する演出を実行する状態である。演出制御手段は、メイン制御手段がフリーズモードを切り替えるまで、このフリーズモードEに対応した演出を実行する(例えば、画像表示装置41にムービーを再生する)。なお、この終了確定演出状態D11においても、役抽選手段110により押し順ベルに当選したときは、演出制御手段はその正解押し順を報知する。また、レア役情報がストックされるときの演出はART演出状態D8と同じである。また、演出制御手段は、メイン制御手段によりフリーズモードが「A」に切り替わると、演出状態を第1準備中演出状態D4に移行させる(第1準備中演出状態D4の処理は上述した通りであり、「赤7」が揃うと、再度ART演出状態D8に移行する)。
なお、演出制御手段は、第1準備中演出状態D4及び第2準備中演出状態D7において、「赤7」の図柄が第1リール表示窓11の中段に揃ったときに、この「赤7」の図柄の後方にあるバックランプ44を点灯させ、ART遊技が実行されることを遊技者に報知する。このとき、メイン制御手段の継続率に応じて、バックランプ44の色を変化させることが好ましい。例えば、バックランプ44の色を、青、黄、緑、赤のいずれから抽選で決定し、この青、黄、緑、赤の順で継続率が高いことを示唆するように構成することができる。そして、継続率が高いほど、赤が選択される確率を高くし、継続率が低いほど青が選択される確率を高くする。
また、フリーズモードに関して説明したように、本実施形態に係るスロットマシン1において、フリーズモードA以外のフリーズモードにおいて押し順ベルの当選に対して3回連続して不正解押し順でストップボタン33a〜33cが操作されたときは、フリーズモードAに戻るように構成されている。また、MBの図柄の組み合わせが有効ライン上に停止し、特別遊技状態RT2に移行したときは、特別遊技の終了条件を満たして通常遊技状態RT0に移行したときに、フリーズモードAに戻るように構成されている。そのため、演出制御手段は、フリーズモードA以外のフリーズモードからフリーズモードAに移行したときは、演出状態を通常演出状態D1に移行するように構成されている。上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、特別な場合を除いて内部中遊技状態RT1で遊技を行うことを前提としている。また、図10等から明らかなように、この内部中遊技状態RT1において、特別役(MB)の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止する確率は非常に低く設定されている。そのため、特別役の図柄が有効ライン上に停止して特別遊技状態RT2に移行して特別遊技が実行されたときは、遊技者に与えるペナルティの一つとして、その特別遊技の終了後にフリーズモードA(通常演出状態D1)に戻るように構成されている。
また、AT遊技として、ストップボタン33a〜33cの押し順を報知するのではなく、当選した小役の種類を報知するように構成することも可能である。
(各演出状態における演出制御手段の処理)
それでは、図50に示す上述の各演出状態における演出制御手段の処理について図52〜図60を用いて説明する。ここで、図52は演出の流れを示すフローチャートであり、図53は通常演出状態における演出状態切替処理の流れを示すフローチャートであり、図54は第1高確演出状態における演出状態切替処理の流れを示すフローチャートであり、図55は第1前兆演出状態における演出状態切替処理の流れを示すフローチャートであり、図56は第1準備中演出状態における演出状態切替処理の流れを示すフローチャートであり、図57は第2高確演出状態における演出状態切替処理の流れを示すフローチャートであり、図58は第2前兆演出状態における演出状態切替処理の流れを示すフローチャートであり、図59は第2準備中演出状態における演出状態切替処理の前段の流れを示すフローチャートであり、図60は第2準備中演出状態における演出状態切替処理の後段の流れを示すフローチャートである。
なお、演出制御手段の基本的な処理は、遊技者によりスタートレバー32が操作されると、現在の演出状態に応じて、抽選により演出パターンを決定し、遊技の進行(ストップボタン33a〜33cの操作や、遊技メダルの払い出し等)に応じて、演出パターンにより決定される演出を画像表示装置41、演出用ランプ42、放音部43、及び、バックランプ44等を用いて実行する。ここで、演出パターンには、スタートレバー32が操作されてから第3停止のストップボタン33(33a〜33cのいずれか)が操作されて全てのメインリール21a〜21cが停止するまでの間に行う演出パターン(この演出パターンによる演出を「演出1」と呼ぶ)、全てのメインリール21a〜21cが停止したときに実行される演出パターン(「演出2」)、及び、次の遊技のベットボタン31の操作時に行う演出パターン(「演出3」)が含まれる。また、演出制御手段は、通常演出状態D1のときは、通常演出処理S600を実行し、準備中演出状態D2のときは、準備中演出処理S620を実行し、ART演出状態D3のときはART演出処理S640を実行するが、これらは、RAM330等に記憶されて管理される演出状態によって切り換えられるように構成されている。この演出状態は、例えば工場出荷時のような初期状態においては、通常演出状態D1に設定されているものとする。また、上述したように、本実施形態に係るスロットマシン1において、メイン制御手段で制御される疑似遊技及び本遊技は、演出制御手段側からは各々が単位遊技と見なすことができるため、以降の説明では、疑似遊技及び本遊技の区別をしない説明を行う。
−演出の流れ−
まず、図52を用いて、演出制御手段による演出の処理(演出処理)について説明する。演出制御手段は、メイン制御基板100から送信されるスタートレバー受付コマンドC1002を受信してスタートレバー32が操作されたと判断すると(ステップS600)、遊技状態コマンドC1000に含まれる遊技状態、待機演出コマンドC1003に含まれるフリーズ制御の有無、条件装置状態番号コマンドC1004に含まれる条件装置状態番号(役抽選手段110による役の抽選結果)、第1及び第2演出情報コマンドに含まれるフリーズモード等の演出の情報等の遊技情報を取得し、これらの情報をRAM330に記憶する(ステップS601)。また、演出制御手段は、上述した演出状態を切り替える条件を満たしているか否かを判断し、条件を満たしている場合は、次遊技の演出状態を切り替える(ステップS602)。また、演出制御手段は、現在の演出状態に対応した演出パターンを抽選で決定する(ステップS603)。そして、演出制御手段は、ステップS603で決定された演出パターンに基づいて、現在の演出状態における演出1を実行する(ステップS604)。ここで、演出1には、上述したように、演出パターンにより決定される演出を画像表示装置41、演出用ランプ42及び放音部43を用いて音声(音楽を含む)、映像により行う演出に加えてバックランプ44を用いて行う演出、サブリール46を用いて行う演出、並びに、ベットボタンランプ47及びストップボタンランプ48を用いた選出が含まれる。なお、上述したように、メイン制御手段のフリーズモードAに対応する演出状態では、上述した押し順ベル(小役1−A〜小役1−D)が当選しても、演出1においてその押し順等の報知は行われない。一方、フリーズモードB〜Eに対応する演出状態では、押し順ベルが当選したときは、演出1においてその押し順の報知を行う。なお、押し順ベルに対する正解押し順の報知は、上述した押し順報知処理によりストップボタンランプ38の点灯・消灯が制御される。また、後述するように、演出状態切替処理で遊技者に「赤7」の図柄を狙わせる演出が設定されたときは、演出制御手段は、遊技者がストップボタン33a〜33cの操作を開始する前に、演出1でこの演出を実行する。
さらに、演出制御手段は、例えば、メイン制御基板100から送信される第3停止受付コマンドC1012やそれに対応する第3回胴回転停止コマンドC1013に基づいて全てのメインリール21a〜21cが停止したと判断すると(ステップS605)、第1〜第3回胴回転停止コマンドC1009,C1011,C1013(又は、作動図柄表示コマンドC1004)に基づいて有効ライン上に停止した図柄(停止図柄)を判定する(ステップS606)。また、演出制御手段は、ストップボタン33a〜33cに対して変則押し(中ストップボタン33b又は右ストップボタン33cを第1停止とする押し順)がされたか否か(演出制御手段により押し順が報知された場合は,報知された押し順以外の押し順で操作がされたか否か)を判断し(ステップS607)、変則押しがされたときは、罰則処理により遊技者にペナルティを与える(遊技者に不利益を与える)処理を行う(ステップS608)。ここで、ペナルティとは、所定の遊技数の遊技の間、遊技者にとって有利な処理の少なくとも1つを実行しない等を行うことである。例えば、ペナルティが発生したときは、演出制御手段は、準備中演出状態D2へ移行する条件を満たしていても、当該ペナルティが発生した遊技から所定の遊技数の遊技が経過するまでの間、準備中演出状態D2に移行しないように構成される。また、5ゲームの間、AT抽選を行わないように構成することや、AT遊技時に、5ゲーム又は5回の報知を行わないように構成することもできる。なお、ART演出状態D8のように、演出制御手段により押し順が報知される遊技では、このペナルティの処理を行わないように構成することも可能である。
次に、演出制御手段は、上述した演出パターンに基づいて現在の演出状態に対応する演出2を実行する(ステップS609)。この演出2としては、例えば、何らかの役の図柄の組み合わせが有効ライン上に停止したとき、又は、第1リール表示窓11内の所定のライン上に所定の図柄が停止したときに、当該図柄の後方にあるバックランプ44を点灯又は点滅させたり、画像表示装置41にその役に応じた画像を表示する等が行われる。このステップS609で実行される演出2には、役抽選手段110によりリプレイ4(再遊技役D)に当選し、「ベル」の図柄が所定のライン上に停止したときのベルリプレイ入賞演出(ベルリプレイ入賞処理)が含まれる。
最後に、演出制御手段は、次の遊技のベット操作が行われ、メイン制御基板100から送信されたベットコマンドC1001によりベット操作がされたと判断すると(ステップS610)、上述の演出パターンに基づいて演出3を実行し(ステップS611)、一回の単位遊技に対する演出を終了する。
このように、通常演出状態D1等のフリーズモードAに対応する演出状態にあるときは、演出制御手段は、押し順ベル(小役1−A〜小役1−D)に当選しても、その押し順が報知されないため、小役に入賞する可能性は低い。しかしながらリプレイ4(再遊技役D)の当選に対してストップボタン33a〜33cが順押しされるため、ベルリプレイ演出が実行されるので、小役に入賞した感覚を遊技者に与えることができる。
演出状態の遷移で説明したように、本実施形態に係るスロットマシン1では、フリーズモードAに対応する演出状態は、演出制御手段の処理により切り替え、フリーズモードB〜Eに対応する演出状態は、メイン制御手段によるフリーズモードの切り替えに応じて切り替えられる。そのため、上述したステップS602の演出状態切替処理について、フリーズモードAに対応する演出状態について説明する。
−通常演出状態D1における演出状態切替処理−
上述した演出状態切替処理S602において、演出制御手段は、現在の演出状態が通常演出状態D1であると判断したときは、図53に示すように、通常演出状態D1の遊技数Mに1を加算し(ステップS6021)、この遊技数Mが閾値Mmax以上であるか否かを判断する(ステップS6022)。演出制御手段は、この遊技数Mが閾値Max以上であると判断したときは、次遊技からの演出状態を第1高確演出状態D2に設定し(ステップS6023)、この第1高確演出状態D2の遊技数Lに所定の遊技数を設定して(ステップS6024)、演出状態切替処理S602を終了する。一方、演出制御手段は、ステップS6022で遊技数Mが閾値Mmax以上でないと判断したときは、第1前兆演出状態D3に移行させるか否かの抽選(第1ルート抽選)を行う(ステップS6025)。そして、演出制御手段は、この第1ルート抽選に当選したか否かを判断し(ステップS6026)、当選している場合は、次遊技からの演出状態を第1前兆演出状態D3に設定し(ステップS6027)、この第1前兆演出状態D3の結果を抽選で決定し(ステップS6028)、さらに、この第1前兆演出状態D3の遊技数Kを設定して(ステップS6029)、演出状態切替処理S602を終了する。なお、第1前兆演出状態D3の結果は、「第1準備中演出状態D3に移行させる(以下「勝ち」と呼ぶ)」及び「第1準備中演出状態D3に移行させない(以下「負け」と呼ぶ)」のいずれかである。また、第1前兆演出状態D3の遊技数Kは、抽選で決定してもよいし、予め決められた遊技数(例えば3ゲーム)を設定してもよい。
また、演出制御手段は、ステップS6026で第1ルート抽選に当選していないと判断したときは、役抽選手段110によりレア役に当選しているか否かを判断し(ステップS6030)、レア役に当選しているときは、第2高確演出状態D5又は第2前兆演出状態D6に移行させるか否かの抽選(第2ルート抽選)を行う(ステップS6031)。この第2ルート抽選は、「第2高確演出状態D5に移行させる」、「第2前兆演出状態D6に移行させる」、及び、「どの演出状態にも移行させない」を決定するものであり、演出制御手段は、この第2ルート抽選に当選していると判断し(ステップS6032)、その当選結果が第2高確演出状態D5に移行させるものであるときは(ステップS6033)、次遊技からの演出状態を第2高確演出状態D5に設定し(ステップS6034)、第2高確演出状態D5に移行させるものでないときは、次遊技からの演出状態を第2前兆演出状態D6に設定し(ステップS6035)、さらに、第2前兆演出状態D6の遊技数Jに所定の遊技数を設定して(ステップS6036)、演出状態切替処理S602を終了する。また、ステップS6030でレア役に当選していないと判断したとき、及び、ステップS6032で第2ルート抽選に当選していないと判断したときは、そのまま演出状態切替処理S602を終了する。なお、第2前兆演出状態D6の遊技数Jは、抽選で決定してもよいし、予め決められた遊技数(例えば9ゲーム)を設定してもよい。
−第1高確演出状態D2における演出状態切替処理−
演出状態切替処理S602において、演出制御手段は、現在の演出状態が第1高確演出状態D2であると判断したときは、図54に示すように、第1高確演出状態D2の遊技数Lから1を減算し(ステップS6041)、第1前兆演出状態D3に移行させるか否かの抽選(第1前兆抽選)を行い(ステップS6042)、この第1前兆抽選に当選したか否かを判定する(ステップS6043)。演出制御手段は、第1前兆抽選に当選したと判断したときは、次遊技からの演出状態を第1前兆演出状態D3に設定し(ステップS6044)、この第1前兆演出状態D3の結果を抽選で決定し(ステップS6045)、さらに、この第1前兆演出状態D3の遊技数Kを設定して(ステップS6046)、演出状態切替処理S602を終了する。一方、演出制御手段は、ステップS6043で第1前兆当選に当選していないと判断したときは、遊技数Lが0であるか否かを判断し(ステップS6047)、遊技数Lが0であるときは、次遊技からの演出状態を通常演出状態D1に設定し(ステップS6048)、この通常演出状態D1の遊技数Mを初期化、すなわち0を設定して(ステップS6049)、演出状態切替処理S602を終了する。また、演出制御手段は、ステップS6047で遊技数Lが0出ないと判断したときは、そのまま演出状態切替処理S602を終了する。
−第1前兆演出状態D3における演出状態切替処理−
演出状態切替処理S602において、演出制御手段は、現在の演出状態が第1前兆演出状態D3であると判断したときは、図55に示すように、第1前兆演出状態D3の遊技数Kから1を減算し(ステップS6051)、この遊技数Kが0か否か、すなわち、第1前兆演出状態D3の最後の遊技か否かを判断する(ステップS6052)。演出制御手段は、遊技数Kが0であると判断したときは、第1前兆演出状態D3の結果が「勝ち」であるか否かを判断し(ステップS6053)、「勝ち」であるときは、次遊技からの演出状態を第1準備中演出状態D4に設定して(ステップS6054)、演出状態切替処理S602を終了する。また、演出制御手段は、ステップS6053で「勝ち」でないと判断したときは、現在の第1前兆演出状態D3に対して通常演出状態D1から移行したか否かを判断し(ステップS6055)、通常演出状態D1から移行していないとき(第1高確演出状態D2から移行したとき)は、次遊技からの演出状態を第1高確演出状態D2に設定し(ステップS6056)、通常演出状態D1から移行したときは、次遊技からの演出状態を通常演出状態D1に設定して(ステップS6057)、演出状態切替処理S602を終了する。また、演出制御手段は、ステップS6052で遊技数Kが0でないと判断したときは、そのまま演出状態切替処理S602を終了する。なお、この第1前兆演出状態D3から第1高確演出状態D2に戻るときも、通常演出状態D1に戻るときも、この第1前兆演出状態D3に移行する前の遊技数M,Lは保持されているため、移行する前の遊技数で演出が継続される。
−第1準備中演出状態D4における演出状態切替処理−
演出状態切替処理S602において、演出制御手段は、現在の演出状態が第1準備中演出状態D4であると判断したときは、図56に示すように、現在の第1準備中演出状態D4の遊技において、第1リール表示窓11の所定のライン上に(本実施形態では、左リール21a、中リール21b及びサブリール46の中段に)「赤7」の図柄が停止しているか否かを判断する(ステップS6061)。演出制御手段は、「赤7」の図柄が未だ揃っていないときは、役抽選手段110によりリプレイ1に当選したか否かを判断し(ステップS6062)、当該遊技の演出1において、遊技者に「赤7」の図柄を停止させる操作を示唆する演出を実行することを設定する(ステップS6063)。一方、演出制御手段は、既に「赤7」の図柄が揃っているときは、押し順ベルが当選したときに演出1でその正解押し順を報知する演出を実行することを設定する(ステップS6064)。このように、押し順ベルに対する正解押し順を報知することにより、2回連続して正解押し順が行われると、メイン制御手段はフリーズモードを「B」に切り替えることになる。
そして、演出制御手段は、メイン遊技手段のフリーズモードが「B」であるか否かを判断し(ステップS6065)、フリーズモードBであるときは、次遊技からの演出状態をART演出状態D8に設定して(ステップS6066)、演出状態切替処理S602を終了する。また、演出制御手段は、ステップS6065でフリーズモードBでないと判断したときは、そのまま演出状態切替処理S602を終了する。
−第2高確演出状態D5における演出状態切替処理−
演出状態切替処理S602において、演出制御手段は、現在の演出状態が第2高確演出状態D5であると判断したときは、図57に示すように、役抽選手段110によりレア役に当選したか否かを判断し(ステップS6071)、レア役に当選しているときは、第2前兆演出状態D6に移行させるか否かの抽選(第2前兆抽選)を行う(ステップS6072)。そして、演出制御手段は、第2前兆抽選に当選したか否かを判断し(ステップS6073)、この第2前兆抽選に当選したときは、次遊技からの演出状態を第2前兆演出状態D6に設定し(ステップS6074)、この第2前兆演出状態D6の遊技数Jに所定の遊技数を設定して(ステップS6075)、演出状態切替処理S602を終了する。また、演出制御手段は、ステップS6073でレア役に当選していないと判断したとき、及び、ステップS6073で第2前兆抽選に当選していないと判断したときは、そのまま演出状態切替処理S602を終了する。
−第2前兆演出状態D6における演出状態切替処理−
演出状態切替処理S602において、演出制御手段は、現在の演出状態が第2前兆演出状態D6であると判断したときは、図58に示すように、この第2前兆演出状態D6の遊技数Jから1を減算し(ステップS6081)、この遊技数Jが0であるか否かを判断し(ステップS6082)、遊技数Jが0であるときは、次遊技からの演出状態を第2準備中演出状態D7に設定する(ステップS6083)。次に、演出制御手段は、演出状態の遷移において説明した移行権利抽選を行い(ステップS6084)、この移行権利抽選に当選したか否かを判断し(ステップS6085)、移行権利抽選に当選したときは、さらに移行結果抽選を行い(ステップS6086)、その結果を記憶領域にストックして(ステップS6087)、演出状態切替処理S602を終了する。また、演出制御手段は、ステップS6085で移行権利抽選に当選していないと判断したときは、そのまま演出状態切替処理S602を終了する。
−第2準備中演出状態D7における演出状態切替処理−
演出状態切替処理S602において、演出制御手段は、現在の演出状態が第2準備中演出状態D7であると判断したときは、図59に示すように、現在の第2準備中演出状態D7の遊技において、第1リール表示窓11の所定のライン上に(本実施形態では、左リール21a、中リール21b及びサブリール46の中段に)「赤7」の図柄が停止しているか否かを判断する(ステップS6091)。演出制御手段は、「赤7」の図柄が未だ揃っていないときは、役抽選手段110によりリプレイ1に当選したか否かを判断する(ステップS6092)。そして、演出制御手段は、リプレイ1に当選しているときは、ストックされている移行結果抽選の結果を取り出し(ステップS6093)、その結果が「○」か否かを判断し(ステップS6094)、結果が「○」でないときは、当該遊技の演出1において、ハズレ演出を実行することを設定する(ステップS6095)。また、演出制御手段は、記憶領域に結果がストックされているか否かを判断し(ステップS6096)、ストックが残っているときはステップS6093に戻る。また、演出制御手段は、ステップS6094でストックから取り出した結果が「○」であると判断したときは、当該遊技の演出1において、遊技者に「赤7」の図柄を停止させる操作を示唆する演出を実行することを設定する(ステップS6099)。一方、演出制御手段は、ステップS6096でストックが残っていないと判断したときは、次遊技からの演出状態を通常演出状態D1に設定し(ステップS6097)、通常演出状態D1の遊技数Mを初期化する(ステップS6098)。ここで「ハズレ演出」とは、演出状態の遷移において説明したように、遊技者に赤7の図柄を停止させるときに、サブリール46の中段に、一旦、ハズレ目の図柄を停止させる演出を実行するものである。例えば、移行結果抽選の結果が「×○」であるときは、当該遊技の演出1において、第1停止及び第2停止で左リール21a及び中リール21bの中段に「赤7」の図柄が停止したときは、第3停止において一旦サブリール46の中段に「赤7」以外の図柄を停止させ、所定の時間が経過した後に再度サブリール46を回転させて「赤7」を停止させる演出が行われ、次遊技からART演出状態D8に移行することになる。なお、「×」が続くときは、その回数だけ「赤7」以外の図柄を停止させ、その後「赤7」が停止する。また、ストックから取り出した最後の結果が「×」のときは、サブリール46に「赤7」の図柄が停止されず、「×」の回数だけ「赤7」以外の図柄が停止し、次遊技から通常演出状態D1に移行することになる。
次に、演出制御手段は、図60に示すように、役抽選手段110によりレア役に当選しているか否かを判断し(ステップS6100)、レア役に当選しているときは、移行権利抽選を行い(ステップS6101)、移行権利抽選に当選しているか否かを判断し(ステップS6102)、当選しているときはさらに移行結果抽選を行って(ステップS6103)、その結果を記憶領域にストックする(ステップS6104)。このように構成することにより、第2準備中演出状態D7において、「赤7」の図柄が揃うまで(リプレイ1に当選するまで)の間に当選したレア役に対して、再度移行権利抽選及び移行結果抽選を行うことができる。なお、図59に示すように、演出制御手段は、ステップS6091で、既に「赤7」の図柄が揃っていると判断したときは、押し順ベルが当選したときに演出1でその正解押し順を報知する演出を実行することを設定する(ステップS6105)。
そして、図60に戻り、演出制御手段は、メイン遊技手段のフリーズモードが「B」であるか否かを判断し(ステップS6106)、フリーズモードBであるときは、次遊技からの演出状態をART演出状態D8に設定して(ステップS6107)、演出状態切替処理S602を終了する。また、演出制御手段は、ステップS6106でフリーズモードBでないと判断したときは、そのまま演出状態切替処理S602を終了する。
(演出とフリーズモードの関係について)
このように、本発明に係るスロットマシン1は、フリーズモードのうち、フリーズモードB〜Eの遊技数をメイン制御手段で管理している。このとき、疑似遊技も1回の遊技としてカウントしている(疑似遊技と本遊技が実行される場合は、遊技数を2回とカウントしている)。そのため、遊技者に対して、疑似遊技も、演出等に影響する遊技と認識させることができ、疑似遊技の演出上の効果を向上させることができる。また、継続率や継続状態は、当該状態を演出として遊技者に提示するフリーズモードに移行する前に決定されている(継続率は、フリーズモードAに移行する前に決定され、継続状態はフリーズモードBに移行する前に決定されている)。そのため、演出制御手段は、演出に継続率や継続状態を反映することができ、演出を効果的に実行することができる。また、上述したように、継続率は、フリーズモードCにおいて自キャラクタが敵キャラクタに勝利する期待値(フリーズモードBからフリーズモードCに移行したとき、再度フリーズモードBに戻る期待値)を示している。換言すると、この継続率は、演出制御手段におけるART演出状態D8で演出を実行する(押し順ベルに当選したときにその正解押し順が報知される遊技を実行する)ための期待値である。
(第1ルートの変形例について)
上述の説明では、第1ルートからART演出状態D8に移行するときに、第1高確演出状態D2において第1前兆抽選に当選したときに、第1前兆演出状態D3での結果を決定している。すなわち、第1高確演出状態D2において毎遊技抽選を行い、第1前兆演出状態D3に移行するときは、その第1前兆演出状態D3から第1準備中演出状態D4に移行するか否か(「勝ち」か「負け」か)を決定している。ここで、携帯電話機等の外部端末、及び、この携帯電話機等によりネットワークを介して接続可能なサーバを用いて、本実施形態のスロットマシン1のサブ入力手段46から、外部端末を介してサーバから得た情報(パスワード)を入力することにより、このスロットマシン1で実行される演出を遊技者がカスタマイズすることができる機能がある。このような機能を用いて、第1高確率演出状態D2において、演出として画像表示装置41に表示されるキャラクタを選択可能にし、このキャラクタ毎に、上記第1前兆抽選の結果を変化させるように構成することが可能である。図61は、第1前兆抽選のための抽選テーブルを示しており、3つの設定値(3つのキャラクタ)毎に、その当選確率を変化させた場合を示している。ここで、選択したキャラクタにより、遊技者が得られる利益が変化しないように、この抽選テーブルでは、「勝ち」の確率をいずれの設定値でも同一の値にしている。一方、ハズレ(第1前兆演出状態D3に移行しないという結果)と負け(第1前兆演出状態D3から第1準備中演出状態D4に移行しないという結果)の確率は、設定値により変化させている。このように構成することにより、設定値1が選択されると、第1高確演出状態D2から第1前兆演出状態D3に移行する回数が多くなるが、第1前兆演出状態D3から第1準備中演出状態D4に移行する確率は低くなる。一方、設定値3が選択されると、第1高確演出状態D2から第1前兆演出状態D3に移行する回数は少なくなるが、第1前兆演出状態D3に移行すると、第1準備中演出状態D4に移行する確率は高くなる。そのため、遊技者によるキャラクタの選択と、このスロットマシン1における遊技の内容を連携させることができる。
(第2ルートの変形例について)
上述の説明では、第2ルートからART演出状態D8に移行するときに、第2前兆演出状態D6の所定回数(例えば、9ゲーム)の遊技で、ART演出状態D8への移行の結果を当選順にストックし、このストックから抽選結果を取り出し、この結果のうち移行に当選した結果(○)が取り出されるたびに、ART遊技を繰り返すというように構成している。しかしながら、本発明に係る遊技機はこの構成に限定されることはない。
例えば、第2前兆演出状態D6の所定回数(例えば、9ゲーム)の遊技の各々で抽選をして、ART演出状態D8に移行するという権利をストックし(移行しない権利はストックしない)、移行するという権利を所定個数以上(例えば、9個以上)得られたときに、ART演出状態D8への移行を確定する(第2準備中演出状態D7に移行する)ように構成することもできる。この場合、得られた権利が所定個数に満たなかったときは、得ている個数に応じて当選確率を変化させ、抽選によりART演出状態D8に移行させるか否かを決定するように構成することができる。また、所定の個数以上の権利を得たときは、ART演出状態D8に移行するときにその権利から1個を減算し、継続判定演出状態D9から第2準備中演出状態D7に戻ってきたときに、残っている権利の個数に応じた抽選で、ART演出状態D8へ移行させるか否かを決定するように構成することもできる。また、権利の個数が、所定の個数以下のときは、それらの権利を全て用いて抽選を行うように構成することもできる。また、第2前兆演出状態D6の所定回数の遊技の各々において、役抽選手段110により小役又はレア役に当選したときは権利の抽選を行い、リプレイ又はハズレのときは、権利の抽選を行わずにストックされている権利から所定の個数(例えば1個)を削除する(現在ストックされている権利の個数から所定の数を減算する)ように構成してもよい。もちろん、上述の説明のように、第2準備中演出状態D7において、リプレイ1が当選するまでの間にレア役に当選したときは、権利を得るための抽選を行うように構成してもよい。
(外部出力端子70からの信号の出力について)
以上のように、本発明に係るスロットマシン1において、フリーズモードB〜Eの遊技数、換言すると、ART遊技の遊技数は、メイン制御手段で管理している。ここで、外部出力端子70から外部機器(例えば、ホールコンピュータ)等に出力する情報として、フリーズモードAからフリーズモードBに移行した回数(初当たり回数:RB信号)と、フリーズモードB及びフリーズモードCの繰り返し回数(継続回数:BB信号)と、を出力するように構成している。具体的には、初当たり時(押し順ベルに2回連続して正解し、フリーズモードAからフリーズモードBに移行したとき)に、RB信号とBB信号をオンにし(RB信号をオンにしてから0.5秒後にBB信号をオンにする)、フリーズモードC又はフリーズモードDからフリーズモードBへの継続が決定したときにRB信号及びBB信号をオフにした後、BB信号をオンにすることにより、外部機器により初当たり回数と継続回数をカウントすることができる。
(疑似遊技における遊技状態制御手段180の制御について)
上述したように、疑似遊技は、通常の本遊技と類似する処理を行っている。すなわち、スタートレバー32の操作後にメインリール21a〜21cが回転し、ストップボタン33a〜33cの操作により該当するメインリール21a〜21cが疑似停止する。このとき、第1リール表示窓11及び第2リール表示窓12に疑似停止している図柄により、遊技状態制御手段180は遊技状態を変更しないように構成されている。