JP5735811B2 - 銅を主成分とする金属薄膜のエッチング液組成物 - Google Patents
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Description
さらに、酸化銅(I)(CuO)による膜は、フラットパネルディスプレイ製造工程におけるTFTの製造工程で行なわれる水素プラズマ処理により、酸化膜が還元されることにより基板との密着性が劣化するという問題が存在する。
(a)銅からなる層と、銅を含む銅合金(ただし、銅とモリブデンおよび/またはチタンとからなる合金を除く)からなる層とを有する金属積層膜を、りん酸を40〜50重量%、硝酸を1.5〜3.5重量%、酢酸を25〜40重量%および水を配合してなるエッチング液組成物を用いてエッチングするエッチング方法。
(b)金属積層膜が、銅合金/銅または銅合金/銅/銅合金の層構成でなり、銅合金が基板と接している、(a)に記載のエッチング方法。
(c)銅合金が、銅−マグネシウム−アルミニウムまたは銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物である、(a)または(b)に記載のエッチング方法。
(e)金属積層膜が、銅/銅合金、または銅合金/銅/銅合金の層構成でなり、銅合金が基板と接している、(d)に記載のエッチング液組成物。
(f)フラットパネルディスプレイにおいて、駆動トランジスタ電極をエッチングするための、(d)または(e)に記載のエッチング液組成物。
(g)銅合金が銅−マグネシウム−アルミニウムまたは銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物である、(d)〜(f)のいずれか1つに記載のエッチング液組成物。
本発明のエッチング液組成物は、銅と銅を主成分とする銅合金との金属積層膜をエッチングにおいて、撹拌した条件と静置した条件とで、エッチングの結果に影響を生じない。
本発明は、銅からなる層と、銅を含む銅合金(ただし、銅とモリブデンおよび/またはチタンとからなる合金を除く)からなる層とを有する金属積層膜を、りん酸を40〜50重量%、硝酸を1.5〜3.5重量%、酢酸を25〜40重量%および水を配合してなるエッチング液組成物を用いてエッチングするエッチング方法を提供する。
本発明において、本発明の銅合金は、銅を主成分とし、銅および任意の金属を含んで成る合金であり、好ましくは、銅を80原子パーセント以上含む。ただし、銅と、モリブデンおよび/またはチタンとからなる合金を除く。
また、りん酸および硝酸の濃度が上記範囲内であれば、エッチング残渣およびエッチングムラが発生しない。
リン酸の濃度が上記よりも小さければ、また、大きければ、面内均一性が悪くなり、サイドエッチングが生じやすくなる。
硝酸の濃度が上記よりも小さければ、エッチングが進行しなかったり、止まってしまうといったことが生じ、また、大きければ、エッチング速度が高すぎ、微細なエッチングを行うことができない。
酢酸の濃度が上記よりも小さければ、エッチング速度が高すぎ、微細なエッチングを行うことができず、また、大きければ、有機物の濃度の増加により、レジストが剥がれてしまう。
また、本発明のエッチング液組成物のエッチングを行う温度は、好ましくは、20〜40℃である。低温ではエッチングレートが低すぎてエッチング所要時間が長過すぎる問題が生じ、また、高い温度ではエッチングレートが高すぎてサイドエッチング等の問題が生じる。
本発明のエッチング方法は、銅/銅合金、または銅合金/銅/銅合金の層構成でなる、積層膜に適している。
本発明のエッチング方法では、テーパー角度を制御することができる。テーパー角度は、20〜80度の範囲であり、好ましくは30〜60度の範囲である。
ここで基板は、限定されないが、ガラス、シリコン、セラミック、ポリイミドなどの樹脂など、絶縁材料または半導体としてその表面にパターンを形成されることが所望されるあらゆる材料を含んでもよく、好ましくはガラスまたはシリコンである。
本発明のエッチング液組成物およびエッチング方法は、フラットパネルディスプレイにおいて、駆動トランジスタ電極をエッチングするための、エッチング液組成物およびエッチング方法に関する。
本発明のエッチング方法は、エッチングによる銅の溶解とそれに伴う銅イオンの触媒作用により、過酸化水素が分解することないため水素の発生による爆発の危険がなく、銅が30,000ppm程度溶解しても液のエッチング特性の低下を伴わず、液寿命が長い。
さらに、銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物合金による膜は、フラットパネルディスプレイ製造工程中におけるTFTの製造工程で行なわれる水素プラズマ処理により、酸化膜が還元されることにより密着性が劣化するという問題が生じない。(ULVAC TECHNICAL JOURNAL No.71 2009 P24〜28頁参照)
アニオン系界面活性剤としては、ふっ素系界面活性剤としてフタージェント110(株式会社ネオス)、EF−104(三菱マテリアル株式会社)、非ふっ素系界面活性剤としてパーソフトSF−T(日本油脂株式会社)等があげられる。
また、ノニオン系界面活性剤としては、ふっ素系界面活性剤としてEF−122A(三菱マテリアル株式会社)、非ふっ素系界面活性剤としてフタージェント250(株式会社ネオス)等があげられる。このエッチング組成物を用いたエッチング方法については、バッチ法式による静置もしくは液の撹拌条件で基板の浸漬処理、撹拌は液自体の撹拌もしくは基板の揺動、その両方が可能である。
ガラス基板上に500Åの膜厚のCu合金(Cu−Mg−Al)、3000Åの膜厚のCuを成膜した後、レジストパターンを形成し、表1(実施例1〜2)のエッチング液に液温度30℃、ジャストエッチング時間の1.5倍の時間で浸漬した。その後、水洗、乾燥後の基板について顕微鏡観察を行いエッチング後のサイドエッチング量、テーパー形状、残渣について評価した。
結果を表1に示す。
ガラス基板上に500Åの膜厚のCu合金(Cu−Mg−Al−O)、3000Åの膜厚のCuを成膜した後、レジストパターンを形成し、表2(実施例3〜4)のエッチング液に液温度30℃、ジャストエッチング時間の1.5倍の時間で浸漬した。その後、水洗、乾燥後の基板について顕微鏡観察を行いエッチング後のサイドエッチング量、テーパー形状、残渣について評価した。
結果を表2に示す。
ガラス基板上に膜厚500ÅのCu合金膜(Cu−Mg−Al)を成膜した後、膜厚3000ÅのCuを成膜した後、レジストパターンを形成した基板と、ガラス基板上に膜厚250ÅのCu合金酸化膜(Cu−Mg−Al−O)を成膜、次に膜厚250ÅのCu合金膜(Cu−Mg−Al)を成膜、3000Åの膜厚のCuを成膜した後、レジストパターンを形成し、表1(実施例1)のエッチング液に、無撹拌条件または回転数700rpmのスターラー撹拌を行い、液温度30℃、ジャストエッチング時間の1.5倍の時間で浸漬した。その後、水洗、乾燥後の基板について顕微鏡観察を行いエッチング後のサイドエッチング量、テーパー形状、残渣について評価した。結果を表3に示す。
いずれの写真においても、確かにテーパー形状の良好なエッチングパターンが確認できる。
ガラス基板上に500ÅのMoを成膜したのち、3000ÅのCuを成膜し、さらにレジストパターンを形成した。その基板について、実施例1で使用したエッチンッグ液組成物を用いて、液温度30度でエッチングを行い、ジャストエッチング時間の1.5倍(エッチング時間:32秒)で浸漬した。その後、水洗、乾燥後の基板について顕微鏡観察を行い、サイドエッチング量、テーパー形状、残渣について評価した。結果を表4に示す。
ガラス基板上に250ÅのMoを成膜したのち、4000ÅのCuを成膜し、さらにレジストパターンを形成した。その基板について、比較例2に示したエッチンッグ液組成物を用いて、液温度35度でエッチングを行い、ジャストエッチング時間の1.5倍(エッチング時間:30秒)で浸漬した。その後、水洗、乾燥後の基板について顕微鏡観察を行い、サイドエッチング量、テーパー形状、残渣について評価した。結果を表5に示す。
ガラス基板上に350ÅのTiを成膜したのち、4000ÅのCuを成膜し、さらにレジストパターンを形成した。その基板について、実施例1で使用したエッチンッグ液組成物を用いて、液温度30度でエッチングを行い、ジャストエッチング時間の1.5倍(エッチング時間:20秒)で浸漬した。その後、水洗、乾燥後の基板について顕微鏡観察を行い、サイドエッチング量、テーパー形状、残渣について評価した。結果を表6に示す。
Claims (5)
- 銅からなる層と、銅−マグネシウム−アルミニウムおよび銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物からなる群から選択される銅合金からなる層とを有する金属積層膜を、りん酸を40〜50重量%、硝酸を1.5〜3.5重量%、酢酸を25〜40重量%および水を配合してなるエッチング液組成物を用いてエッチングするエッチング方法。
- 金属積層膜が、銅/銅合金または銅合金/銅/銅合金の層構成でなり、銅合金が基板と接している、請求項1に記載のエッチング方法。
- 銅からなる層と、銅−マグネシウム−アルミニウムおよび銅−マグネシウム−アルミニウム酸化物からなる群から選択される銅合金からなる層とを有する金属積層膜をエッチングするためのエッチング液組成物であって、りん酸を40〜60重量%、硝酸を1.5〜4.0重量%、酢酸を25〜45重量%および水を配合してなる、前記エッチング液組成物。
- 金属積層膜が、銅/銅合金または銅合金/銅/銅合金の層構成でなり、銅合金が基板と接している、請求項3に記載のエッチング液組成物。
- フラットパネルディスプレイにおいて、駆動トランジスタ電極をエッチングするための、請求項3または4に記載のエッチング液組成物。
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