JP5735032B2 - 搾乳装置 - Google Patents

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Description

本発明は、一般的な搾乳装置に関する。
特に、本発明は、第1の実施例において、移動可能なティートカップ付きのティートカップホルダを1つ以上有し、かつ、搾乳装置に設けられているフレームと、前記ティートカップに接続される引張手段と、を備えた搾乳装置に関する。
特許文献1は、ティートカップおよび搾乳手段の上側にそのティートカップを運ぶティートカップ運搬装置を開示している。そのティートカップ運搬装置は、上方に移動可能なティートカップグリッパを用いて、操作位置で前記ティートカップを取り付けることができる。
NL−1024522−C
従来の搾乳装置では、使用後にティートカップが信頼できるところに格納することができず、また、ティートカップを汚染物質から守るスペースがほとんどないという問題点があった。
また、従来の搾乳装置は、多くの状況で、特に、低い乳房の牛の場合において、コンパクト化が不十分である。
よって、本発明は、第1の実施例おいて、よりコンパクトで、より確実に、特に低い乳房の牛の自動搾乳ができる搾乳装置を提供することを目的とする。
従来の搾乳装置は、ライナを有するティートカップを備えている。そのライナは、脈動管に接続され、脈動管は、真空管と排出口とを交互に接続される。その接続は、回転可能なリールを介して行われる。
上述した従来の搾乳装置は、特に、コンパクトではないという欠点を有する。そのため、牛の脚の間や牛の下で動くスペースが限られてしまう。
したがって、本発明は、第2の実施例において、よりコンパクトな搾乳装置を提供することを目的とする。
さらに、従来の搾乳装置は、ティートカップに接続される引張手段付きのティートカップホルダを備えている。その搾乳装置は、また、同様にティートカップに接続されるミルク管のための閉鎖手段を備えている。そのような閉鎖手段は、搾乳真空、すなわち、実際には常にミルク管に適用される搾乳真空によって、ティートカップが乳房に取り付けられていないときに、不純物が付着することを防ぐことが、必要とされる。
従来の搾乳装置は、個々の引張手段および閉鎖手段を必要とするので、装置が大きくなってしまうといった問題点があった。牛の下や、牛の間に自由に移動する目的において、装置が大きいことは好ましくない。したがって、搾乳装置はできるだけコンパクトすることが望ましい。
よって、第3の実施例において、本発明は、よりコンパクトな搾乳装置を提供することを目的とする。
従来の搾乳装置は、巻き上げリールおよび巻き上げモータ付きの引張手段を備えている。その巻き上げモータには、モータ制御が設けられている。モータ制御は、特定の回転で巻き上げモータを回転させるために構成されている。引張手段は、実質的に固定された距離を覆う。そのような搾乳装置の問題点としては、引張手段の望まれていない場所に配置された場合、引張手段が巻き上げられたときなどに、効果的に引張手段が機能しないことがある。このため、非常に短い回転の場合において、引張手段が、ティートカップホルダ上にティートカップを確実に戻すことができなかった。
したがって、本発明の第4の実施例において、より信頼性のある搾乳装置を提供することを目的とする。特に、信頼性が高い引張手段およびその制御を有する搾乳装置を提供する。
第1の実施例では、本発明の搾乳装置は、フレームと、底部を有し、かつ、前記フレームに接続されて前記フレームと関連して高さが調整可能なサブフレームと、移動可能なティートカップを有し、かつ、前記サブフレームの底部に固定される1つ以上のティートカップホルダと、前記ティートカップに接続される引張手段と、前記ティートカップに接続される第1端部を有するフレキシブルホースを備えたミルク管と、で構成される。その搾乳装置において、前記ティートカップホルダが、角度α、すなわち、70度以上、好ましくは90度に傾けられ、そして、前記フレキシブルホースが、少なくとも前記第1端部の近くの傾斜する面内で、実質的に延びることを特徴とする。
本発明は、ティートカップホルダが、サブフレームに関連して、傾斜する面内で角度αに傾斜角を変えることを特徴とする搾乳装置によって、第1実施例で、目的を達成する。
傾斜角を変えられるティートカップホルダを設けることによって、ティートカップを平らな位置で配置することが可能である。そのため、牛や他の酪農動物の下に搾乳装置を位置付けることが容易となる。
特に、ホースが、少なくとも第1端部の近くで、傾斜する面内に実質的に延びている。これは、搾乳装置に望ましくない幅を与えるかもしれない傾いたティートカップホルダの場合において、ミルクホースを横に突出するのを防ぐ。その望ましくない幅は、ミルクホースを押したり、歩いたりする牛を案内するかもしれない。または、それは損害や炎症の危険性がある。
したがって、ティートカップホルダを、70度以上、好ましくは90度に傾けることによって、搾乳装置を下げる効果が得られる。
好ましい実施例では、底部が、ホースより下に部分的に少なくとも延びる開口部を有している。そのホースは、ティートカップ付きのティートカップホルダの傾斜する面内で、底部より下に移動可能である。搾乳装置の最新式の底部は、しばしば、とりわけ汚染を防ぐために、または、ミルクホースが地面に接触することを防ぐために、多少閉じた板(closed plate)を備えている。しかし、それは、衛生上好ましくはない。また、汚染を防いだり、地面との接触を防いだりすることを確実に行うことができない。本発明の実施形態においては、ミルクホースが、底部で穴を介して、その底部を通って下がることが可能である。全体としての搾乳装置が、条件に従って動作した場合、底部自体は、閉じる必要がない。このため、ミルクホースが地面に接触することがないように、フレームで確実にすることができる。さらなる詳細は、以下に後述する。主に、穴(hole)を備えたサブフレームの底部は、ミルクホースが底部を通って下がることができる。そのため、外側にミルクホースを突出することなく、傾斜可能なティートカップホルダ付きのコンパクトな搾乳装置を設けることができる。
1つの実施例では、フレキシブルホースは、第2端部を備えている。その第2端部は、固定してフレームに接続されている。サブフレームが上方へ調節される位置にある場合、サブフレームが下に位置する場所で、第2端部は有利にフレームと接続されている。この場合、ミルクホースが、低い場所で排出することができるので、比較的に有利で、かつ、安定したミルク運搬が保証される。
ホースは、有利に、接続手段を用いてサブフレームと接続される第2端部を有する。その接続手段は、回転可能な旋回部を備えている。その旋回部は、ティートカップ付きのティートカップホルダの傾斜する面内で、第2端部をサブフレームの底部下に移動可能である。また、第2端部が、第1端部の近くに位置付けられることができる。すなわち、第2端部がティートカップの近くに位置付けられることができる。そのため、ほとんどミルクホースを必要としない。その一方で、ミルクホースは、非常に広い範囲で自由に動くことが可能である。この実施例は、短いミルクホースが用いられるのにもかかわらず、その第2端部が、搾乳中、最も低い位置にあることを特に保証する。それにより、スムーズなミルク運搬が可能である。
サブフレームが、例えば、牛の下に配置したり、位置付けたりするような低い位置にあった場合、第2端部がサブフレームの底部とほぼ同一平面上に位置付けられるように、旋回部は設計される。そのため、コンパクトな構造となる。この場合、フレームによって、または、地面によってさえも、回転軸を関連する位置に押すことが十分にできるが、調整するモータのような引張手段を用いて、有効な方法で、行うこともできる。サブフレームが上へ動くとき、回転軸は回転可能である。そのため、第2接続ポイントが、サブフレームの底部の下に設けられることができる。
別の実施例では、旋回部が停止部を備えている。その停止部は、フレームと共に協力して動くことが可能である。フレームと関連する旋回部の最も低い位置が、決定される。この実施例では、ミルクホースが、地面上に位置付けられると汚染されるので、ミルクホースを地面上に位置付けることを効率的に防止することが可能である。つまり、調整によって、ミルクホースを地面上に置くことができないようになっている。
別の実施例では、旋回部が停止部を備えている。その停止部は、サブフレームと共に協力して動くことが可能である。サブフレームと関連する旋回部の最も低い位置が、決定される。この実施例では、ミルクホースが、特にミルクホースの第2端部が、ミルクホースの第1端部と比較して、非常に低い位置に配置することを、能率的に防ぐことができる。そのような非常に低い位置は、望ましくないミルクホース、例えば、挟んで締め付けられるミルクホースを生じる可能性もある。この実施例と上述の実施例との両方において、停止部は、1つ以上の横棒(transverse bar)のような、旋回部から突出する要素からなる。横棒は、フレームおよびサブフレームの一部分に対して、それぞれ接することができる。
特定の実施例では、フレームが、少なくともフレキシブルホースの下で延びるメイン底部を備えている。そのようなメイン底部によって、ミルクホースが地面に接触することを効率的に防ぐことができる。メイン底部が、少なくともミルクホースが地面に接触することができる場所で、例えば、ミルクホースの最も低い位置で、1つ以上の構成部品を備えているならば、十分に防ぐことができる。つまり、メイン底部が、有利な場所で地面との接触を防ぐことができるので、メイン底部に閉じた板を設ける必要がない。
フレームには、移動車両、特に、自律移動車両が設けられている。フレームがロボットアームである搾乳ロボットとして、搾乳装置が設計されてもよい。ロボットアームは移動可能である。例えば、牛などの下に、ティートカップを使ってサブフレームを配置するために、ロボットアームを動かすことができる。この場合、その酪農動物は、搾乳場所に案内されて、その搾乳場所に搾乳装置が配置される。しかしながら、本発明は、特に、非常に有利な自律移動車両に関係する。後者の実施例は、固定される搾乳装置よりも、できるだけコンパクトにする必要がある。自律移動搾乳装置は、脚などの間を操縦するだけではなく、さまざまなところで操縦される。そのような装置は、しばしば、ミルク貯蔵庫や洗浄装置といったような、「装置内に(on board)」他の補助装置を有する。そのような装置を作る際には、各構成部品をできる限りコンパクトに設計することが重要である。
さらに、搾乳装置は、後述する1つ以上の特別な特性を備えることができる。
フレームには、2つ以上の推進手段、特に、キャタピラトラックまたはキャタピラホイールが設けられている。特に、ャタピラトラックまたはキャタピラホイール、が設けられている。好ましくは、さらに、移動手段またはスライド要素が、1つ以上設けられていることが望ましい。これにより、フレーム移動が、スムーズに移動する2つの車両を備えることで、十分に可能となる。好ましくは、フレームが、第3の支持ポイントで、追加の車両またはスライド要素のような、搾乳装置の移動を促進する構成部品をさらに備えていることが望ましい。1つ、または、2つの追加の車両により、全部で4つの車両が設けられているので、快適に、最適な動きを与える。一方、追加のボール車両は、例えば、優れた操作性を提供する。例えば、設けられたスライド要素が、非常に強い設計を可能とし、汚染物によって妨害されない利点を有する。
特に、第2の実施例において、本発明の搾乳装置は、移動可能なティートカップ付きのティートカップホルダを1つ以上有するフレームと、前記ティートカップに接続される引張手段と、真空管と、排出口と、で構成される。前記ティートカップが、脈動管付きのライナ(liner)を有し、かつ、前記脈動管に接続される。前記脈動管が、前記脈動管と関連して移動可能に設けられたダクトによって、前記真空管および前記排出口と交互に接続可能である。前記引張手段には、巻き上げリールと、前記巻き上げリール上で巻き上げたり巻き戻したりすることが可能で、かつ、前記ティートカップホルダを介して案内される引張手段(引き上げ手段)と、前記巻き上げリールを回転させるためのモータ制御を有する巻き上げモータと、前記ダクトを移動させることによって、前記脈動管を前記真空管および前記排出口に交互に接続するために設けられるパラセータモータを有するパラセータリールと、が設けられる。
本発明は、移動可能なダクトが、パラセータリールに1つ以上の凹部を有し、そのパラセータリールが巻き上げリールと接続可能であることを特徴とする請求項28の前文で述べられるタイプの搾乳装置によって、目的を達成する。そのような搾乳装置を用いることによって、巻き上げリール付きのパラセータリールを接続することが可能なので、スペースを得ることができる。操作時間が実際には別々なので、それらの作用は、互いにマイナスに影響しない。ゆえに、有効なスペースを設けることが可能である。引き上げ手段が、もうすでに極限まで巻きつけられた場合には、パラセータリールが動いたとき、原則として、巻き上げリールは動かない。これは、引き上げ手段に前後の動きがあったとしても、マイナスに働くことはないことを意味する。反対に、巻き上げリールが動いているとき、パラセータリールは動かない。それにより、2つのリールの動作が両方とも互いにマイナスの影響を与えることはない。それでも、パラセータリールと巻き上げリールとの接続性能が、スペースの節約を可能とする。そして、互いにできるだけ近くに望ましいところにそれらを配置することができる。
別の実施例では、パラセータモータおよび巻き上げモータは、全体で1つとして形成されている。この実施例においては、パラセータモータおよび巻き上げモータは、連結されている。好ましくは、それら2つのモータが、2つの機能を行うことができる1つのモータであることが望ましい。すなわち、1つのモータで、引張手段を巻き上げて、脈動管を真空管および排出管に接続することが好ましい。上述したように、2つの機能は、原則として分けられる。そのため、2つの機能を1つのモータで簡単に行うことができる。もちろん、当業者が簡単に達成することができるように、モータ制御が、2つの機能で構成されていなければならない。
パラセータリールが、前記巻き上げリールに一体的に固定して接続されることが好ましい。そのような実施例では、パラセータリールと巻き上げリールとの間の信頼できる接続を保証する。この場合、最適な利用は、2つのリールの動作が、適時に分かれるという事実に基づいている。このため、2つのリールの固定接続が、スペースにおいて、最大限利用することができると共に、最大の信頼性を有することができる。事実、パラセータリールおよび巻き上げリールは、1つで構成されている。好ましくは、1つのリールで形成されていることが望ましい。
別の実施例では、ダクトが、パラセータリール上に配置される数個の凹部を備えている。この実施形態によれば、パラセータリールが、さらに引き上げ手段を巻きつける部分と、パラセータリール上に配置される数個の凹部と、を備えている。実際には、1つの凹部だけが必要であり、その凹部は、パラセータリール、真空管、および、排出管のそれぞれの間を接続するダクトとして役に立つ。また、そのダクトは、例えば、汚染を防ぐためにフィルタが配置された排出ダクトであってもよい。ダクトを真空管、および/または、排出管に接続する前に、パラセータリールが、ある程度大きな回転で回転しなければならないので、数個の凹部を設けることが有利である。数個のダクト、すなわち、数個の凹部を設けた場合、そのような接続が達成される前に、モータは平均して非常に小さな回転を作るしかない。それは、より効率的で、より速い。また、ダクトが、傷つけられたり、詰まったりした場合には、次の凹部に到達するまでモータを少し回転させることによって、他のダクトを選ぶことが可能である。
リールの外周に凹部を設けてもよい。例えば、引き上げ手段を巻き上げるために使用される部品の隣に、凹部を設けることができる。また、その凹部は、リールの上面または下面に設けることもできる。特に、回転軸と同心軸であるリング上に設けることが可能である。凹部は、均一に分布する必要はないが、平均して最も短い設定時間が、それによって得られることができるので、均一に分布することが望ましい。
好ましくは、パラセータモータが、ダクトを調整可能な速度で移動させるために配置されることが望ましい。この実施例では、搾乳回転の特徴段階を1つ以上調整することができる。そのため、実際には、搾乳工程の4つの特徴段階、すなわち、真空生成段階、メイン搾乳段階、換気段階、および、放出段階の4つの段階が、ダクトの速度を選択することによって調整することが可能である。以下に例を説明する。
周囲圧力(ambient pressure)であり、かつ、真空ダクトや排出管に接続されていないライナに基づいて、最初のステップでは、ライナは、適切な方向にダクトを動かすことによって、真空管に接続される。そして、ダクトの速度に基づいて、上述の脈動管と真空管との間の接続は、特定の一定期間維持される。その特定の一定期間で、真空管は、特定の真空をライナに適用することができる。例えば、ダクトが非常に速く動く場合、この真空は、ほとんど深さがない。特定の真空に達するのに必要な移動速度は、実験に基づいて、簡単に確立されることができる。
また、ライナに設定される真空は、前記搾乳段階、メイン搾乳段階、または、後期搾乳段階といったような通常の搾乳段階に基づいて、選ばれてもよい。いずれにしても、ライナで一定の真空で搾乳回転をその後に行うことが可能である。搾乳回転の継続は、更にダクトをより速く、または、よりゆっくりと移動させることによって、調整されることができる。次のステップにおいて、ライナは、排出管に接続される。また、ダクトがより速く移動した際には、換気によるこの場合において、脈動管と排出管との接続時間に基づいて、ライナは達成される圧力の差異を保持する。接続時間が短い場合には、残りの真空がある。最終的に、再度、脈動管と、真空管または排出管との間の接続がない放出段階になる。上述したように、通常の真空は、換気中に、ダクトをより速く、または、よりゆっくりと動かすことによって、調整可能である。
前述した特徴によれば、望ましい速度でダクトを移動させることによって、搾乳回転中にライナの真空状態を完全に調整することができる。この速度のそれぞれの調整は、搾乳回転の4つの異なる段階で行うことが可能である。
特定の実施例においては、パラセータリールが、前記パラセータモータによって、往復動式に移動可能に設けられている。移動可能なパラセータリールは、必要とされるパラセータリールに設けられた1つの凹部だけで、簡単にかつ効率的に、脈動管をダクトに接続することを可能とさせる。本発明の第3の実施例によれば、脈動管は、実際には、真空管と排出管との間に設けられる。必要に応じて、ダクトに従って、他のシーケンスが適用されてもよい。
別の実施例では、パラセータリールが、パラセータモータによって回転可能に設けられている。この実施例においては、パラセータリールが、真空管および排出管に交互に接続されるとき、パラセータリールは回転し続ける。この場合において、巻き上げリールとの連結が中断されると、パラセータリールは有利である。
本発明は、特に、第3の実施例において、フレームと、引張手段と、を備えた搾乳装置に関する。そのフレームは、移動可能なティートカップ付きのティートカップホルダを1つ以上有する。引張手段は、ティートカップに接続される。引張手段は、巻き上げリールと、引き上げ手段と、巻き上げモータと、を備えている。引き上げ手段は、前記巻き上げリール上で巻き上げたり巻き戻したりすることが可能であり、前記ティートカップホルダを介して案内される。巻き上げモータは、引き上げ手段で巻き上げるために、巻き上げリールを回転させるためのモータ制御を有する。
本発明は、請求項41の前文で述べられるタイプの搾乳装置によって、第3の実施例において、目的を達成する。搾乳装置は、さらに、ガイド要素を備えている。ガイド要素は、巻き上げリールと同心軸で、所定のカーブに対して少なくとも延びている。ミルク管は、ガイド要素に案内される。ガイド要素の方向に延びる締め付け手段が、巻き上げリールに設けられている。その締め付け手段によって、ミルク管が少なくとも所定のカーブで、締め付けられて閉められることを特徴とする。
そのような搾乳装置において、閉鎖手段(closing means)は、引張手段に連結する。特に、締め付け手段が、巻き上げリールに連結する。そのため、非常にコンパクトな搾乳装置を設けることができる。締め付け手段(pinching means)は、突出部として、巻き上げドラム、または、巻き上げリールに設けられる。もちろん、締め付け手段が、ミルク管が配置されているガイド要素と協力することもできる。そのようなガイド要素は、U字状などに形成されていてもよい。締め付け手段、および、ガイド要素の形状は、閉じたミルク管を締め付けるために協力することが可能なように、組み合わせて形成される。その形成は、ミルク管の寸法と弾性に基づいて、簡単に決定されることができる。
ミルク管が、常に締め付けられて閉じられるので、所定のカーブは、360度よりも小さくしなければならない。これが要求されたとき、非完成のカーブ(non-complete curve)は、正確にミルク管を閉じることを可能とする。
好ましい実施例では、所定のカーブが、180度を上回らないカーブで構成される。また、所定のカーブを明らかに小さくすることもできる。それら所定のカーブは、引き上げ手段を巻き上げる時、巻き上げリールによって作られる(平均的な)回転と接続される。この搾乳装置の動作に関しては、以下に詳細に後述する。
搾乳が可能な最初の位置において、引き上げ手段は、最大限戻され、そして、締め付け手段が、ガイド要素に位置づけされていない。これは、ミルク管が自由に動くことができ、かつ、ミルクがミルク管によって吸引されることができることを意味する。搾乳が終了した後に、巻き上げリールは、ティートカップをティートカップホルダ上に戻すために、回転する。そのときに、ミルク管は閉じられていなければならないので、巻き上げリールの小さな回転で、すでに締め付け手段がガイド要素に入り込んで、ミルク管をそこで締め付けて閉じられていることが好ましい。その後、巻き上げリールを所望の回転させることによって、ティートカップホルダの上にティートカップを戻すことが完了する。回転している間は、ミルク管が閉じられていることが望ましい。
乳頭にティートカップの次の取り付けをするために、ティートカップは、最初に乳頭に設置される。それから、巻き上げリールは、締め付け手段がガイド要素から離れて、ミルク管を戻す元の位置まで、回転する。その結果、搾乳真空は、ティートカップに当てはめられて、ティートカップで乳頭を吸引する。さらに、巻き上げリールは、回転させることによって、ティートカップを戻す。そのときに、そのサイクルは完了し、次のサイクルが始まる。
特定の有利な実施例では、フレームが、移動車両、特に、自律移動車両を備えている。パラセータ/巻き上げドラムで一体化されている閉鎖手段は、小型性の利点を提供する。特に、(自律)移動搾乳装置で有利である。搾乳装置は、例えば、酪農動物の脚の間で動かさなければならない。さらに、搾乳装置は、しばしば、ミルク貯蔵容器、洗浄装置や、ナビゲーション装置などといった追加の補助道具を備えている。そのため、それぞれのスペースの節約が、有利である。
特に、第4実施例において、本発明の搾乳装置は、移動可能なティートカップ付きのティートカップホルダを1つ以上有するフレームと、前記ティートカップに接続される引張手段と、で構成される。前記引張手段が、巻き上げリールと、前記巻き上げリール上で巻き上げたり巻戻したりすることが可能で、かつ、前記ティートカップホルダを介して案内される引き上げ手段と、前記引き上げ手段において、巻き上げ力で巻き上げるために、前記巻き上げリールを回転させるためのモータ制御を有する巻き上げモータと、を有する。
本発明は、請求項49の前文で述べられるタイプの搾乳装置によって、目的を達成する。その搾乳装置では、巻き上げ力が所定の最大巻き上げ力を上回ったときに、モータ制御が、運転休止の巻き上げモータ(winding motor out of operation)を動かすために構成されている。そのようなモータ制御の場合、特別な抵抗が巻き上げ力に生じるまで、モータ制御が巻き上げを続けるので、特定の調整された回転を考慮する必要がない。これは、モータ制御が、確実にティートカップホルダ上にティートカップを戻すことが常に可能であるということを意味する。引張手段の延長、移動なども簡単に行うことができる。
引き上げ手段は、コードまたはチェーンなどで構成される。そのような引き上げ手段は、確実に、簡単に、そして、容易に製造することができる。そのようなコードが、例えば、ナイロンや金属のような合成物質で形成されていてもよく、巻きつきコードや巻きつきケーブルのようなもので構成されていてもよい。また、金属または合成材料で繋がれるチェーンであってもよい。さらに、他の引き上げ手段が、皮ベルトなどのようなものでもよい。
特定の実施形態において、モータ制御は、巻き上げ力に関連する量を測定するためのセンサを備えている。そのセンサは、例えばモータ制御によって、巻き上げ力に関する量を測定する。その後、その巻き上げ力に基づいて、引張り力を決定することが可能である。その測定した巻き上げ力に基づいて、モータ制御は、巻き上げモータを巻き上げるかどうかを決める。
特定の実施例では、そのセンサが、速度計、流速計、張力計、または、トルク計で構成されている。速度計および張力計は、実際には、引き上げ手段を測定する。一方、流速計およびトルク計は、実際には、巻き上げモータで測定する。そのような計測器は、一般的に用いられ、簡単にモータ制御に設置することができる。必要に応じて、別のセンサを同様に用いてもよい。
特別な実施例において、巻き上げ力が、所定期間中に所定の値以下のままであるとき、前記巻き上げ力が減少するように、前記モータ制御が、前記巻き上げモータを調整するために構成されている。
この実施形態では、低い能力で動かすために巻き上げモータを設けていることが適している。または、運転休止中の巻き上げモータを、例えば、引き上げ手段の破損の場合において、配置することが適している。このため、そのような場合では、巻き上げ力が、所定の最大巻き上げ力まで一度も上回らない。所定の値が、所定の最大巻き上げ力と等しくなるように選ばれることがよいが、必要に応じて、その最大巻き上げ力と低い値で選ぶこともできる。所定の一定期間は、引き上げ手段で行われる平均的な回転に基づいて、簡単に測定される。その引き上げ手段は、その回転の間平均的な速度によって分けられる。必要に応じて、要因3のような余白(margin)が、含まれていてもよい。巻き上げモータが、この状況に基づいて、操作範囲外に設置されたとき、モータ制御は、警報信号を与えるのに有利に構成されている。
特定の実施例では、モータ制御が、ティートカップの操作位置において、所定のポスト搾乳引張り力(post-milking pulling force)を、ティートカップに接続される引き上げ手段(引張手段)に適応するために構成されている。ここで、ティートカップ操作位置とは、乳房の上にティートカップが設置されている位置のことである。すなわち、搾乳真空(milking vaccum)が適用される位置である。この搾乳真空は、ティートカップが、しっかりと乳頭に接続されることを確実にする。ポスト搾乳段階が始動し、搾乳装置が確立した後に、例えば、ポスト搾乳引張り力を適用してもよい。これにより、モータ制御は、搾乳装置制御(milking implement control)と連結することができる。その搾乳装置制御は、搾乳装置に配置されるか、あるいは、搾乳装置を外部の位置から制御する。ポスト搾乳引張り力は、搾乳される動物に応じて、選択される。そして、必要に応じて、その動物の特性に応じて、選択される。当業者が、公知の望ましい原則によって、簡単な方法でこれらを確立することは可能である。
特定の実施例においては、引き上げ手段が、ティートカップの操作位置において、巻き上げリールとティートカップとの間の引き上げ手段の最大自由長さ(maximum free length)の少なくとも2倍の長さで、巻き上げたり巻戻したりすることができる。この実施例では、引き上げ手段に破損が生じたとしても、簡単な方法で修理することができ、そして、その後も効率的に機能することができるといった利点を有する。例えば、ティートカップとティートカップホルダの接続位置との間における引き上げ手段の一部分の破損が、しばしば起こる。すなわち、自由走行距離(free travel)で、引き上げ手段の一部が破損することがある。その破損は、特に、最も大きな摩擦位置、または、外側から最も大きなダメージを受ける位置で起こる。破損した引き上げ手段の場合では、ティートカップを戻すとき、モータ制御が破損を確認して、巻き上げを停止し、警報信号を鳴らす。その後、オペレータは、その引き上げ手段を修理することができる。例えば、節止めや溶接などによって、壊れた引き上げ手段を修理することが可能である。この修理のために引き上げ手段の全体の長さが変更されたとしても、全ての場合において、モータ制御が、引き上げ手段の長さに関係なく、確実にティートカップホルダ上にティートカップを移動することが可能であるので、操作において問題はない。
実施例の2つ以上の組合せは、さらにコンパクト化するので、有利である。特に、本発明の第1〜第4実施例、参考例のそれぞれが、各第1〜第4実施例、参考例に組み合わせることが可能である。
本発明の実施形態に係る搾乳装置の側面図である。 本発明の実施例に係る任意のさらなる詳細な3つの側面図を示す。 本発明の第1の実施例に係る実施形態の平面図である。 本発明の第2の実施例に係る実施形態における搾乳装置の部分側面図である。 図4の詳細を示す断面図である。 本発明の第3の実施例に係る実施形態の側面図である。 図6に示される搾乳装置の垂直方向における詳細を示す。 図6および図7による実施形態を理論上広げられた形状で示す。 本発明の第4の実施例に係る搾乳装置の部分側面図である。
(参考例)
参考例の実施例において、コンパクトで、かつ、汚染物質から守られるティートカップ用の貯蔵庫を有する搾乳装置を提供することを目的とする。
参考例の搾乳装置は、移動可能なティートカップ付きのティートカップホルダを1つ以上有するフレームと、前記ティートカップに接続される引張手段と、で構成される搾乳装置であって、前記フレームには、前記フレームおよび前記ティートカップホルダに接続される中間アームと、前記ティートカップホルダおよび前記フレームに、または、必要に応じて前記中間アームおよび前記フレームに接続されるティートカップホルダ位置決め手段と、が設けられ、前記中間アームには、第1接続部と、第2接続部と、が設けられ、そして、前記ティートカップホルダおよび前記中間アームが、それぞれ、前記引張手段によって、前記第1接続部および前記第2接続部において傾けられることを特徴とする。
上述の搾乳装置によれば、そのような搾乳装置が、ティートカップホルダを介して、ティートカップを傾けることが可能となる。これにより、上からティートカップの中に非常に少ない不純物しか入らない、または、不純物が入らないことを保証する。好ましくは、ティートカップが、水平方向に傾くことが望ましい。より好ましくは、ティートカップが、垂直方向に対して90度より大きな角度で傾くことが望ましい。そのような角度では、不純物が上からティートカップに入ることは、原則として不可能である。
また、2段階傾斜のため、サブフレームの全体と、中間アームと、ティートカップホルダとが、多少コンパクトにすることができる。このため、搾乳装置を少ないスペースで配置することができ、例えば隣の牛へ移動したり、牛の下に設けたり簡単に配置可能になる。
さらに、2つ段階で行われる傾斜を設けることができる。第1の傾斜では、有利な傾斜ポイント位置で、ティートカップをある程度下げることが可能である。また、第2の傾斜では、第2傾斜ポイントを超えて、垂直方向に対して大きな角度が実質的に達成される。この点に関しては、以下に詳細に説明する。
特定の実施例において、第1、第2接続部が、同一平面上で傾けられるように構成されている。同一平面上における傾きの場合では、搾乳装置において、ティートカップが、コンパクトにティートカップホルダに格納されることができる。また、第1、第2接続部が、異なる平面で傾くように構成されている場合では、本発明によって無視できないとはいえ、ティートカップは、常にある程度突出する。
また、特別な実施例において、第1接続部および第2接続部を通るラインは、前記フレームに対して、角度bで配置される。この場合において、前記フレームが、水平方向に、少なくとも地面に平行であると仮定する。ここで、角度bは、0度ではなく、フレームに対して中間アームの傾きを示す。好ましくは、15度〜45度の間であることが望ましい。例えば、角度bは、約30度であることが好ましい。第1、第2接続部が、前記フレームに対して、角度bとなるラインに設けられている場合、以下に示す簡単な方法で、保証することができる。まず、第1の傾斜において、ティートカップの高さを下げる。そして、第2傾斜ポイントで傾斜する際に、水平方向に傾くことができるようにする。この場合、ティートカップの近くの傾斜ポイントが、最も高い位置に配置された傾斜ポイントであるとみなされる。
別の実施例において、前記第1接続部が、前記角度bと少なくとも同じ大きさである角度cを超えて傾けられるように構成されている。そのような傾斜角度では、ティートカップの近くに配置される第1接続部の周りで傾斜する際に、フレームに対してティートカップを下げることを効率的に保証する。特に、第2傾斜ポイントの周りで傾斜する際に、ティートカップを確実に下げることを保証する。
また、別の実施例において、第2接続部が、角度dを超えて傾けられるように構成されている。角度cおよび角度dが、一体に直角を形成する。この実施例では、第1接続部における角度c、および、第2接続部における角度d、の2つの傾斜角度は、上から落ちてくる汚れを防ぐために、ティートカップが垂直線で少なくとも直角になる位置で設けられることを保証する。好ましくは、その2つの角度がより広い角度で、設けられていることが望ましい。この場合、さらなる利点としては、中間アームを介して、2つの段階で角度調節を行える。つまり、中間アームが90度以上傾かないので、サブフレームのやや上に設けられるティートカップの低い位置で、中間アームを保つことができる。そのため、ティートカップの上側が90度以上傾くことが可能となる。
好ましい実施例では、搾乳装置は、複数のティートカップホルダと、ティートカップと、引張手段と、第1、第2接続部と、スプリングと、を備えている。スプリングは、引張手段を緩めた際に、ティートカップを運ぶのに役に立つ。また、機械的に上述の動作を行うことができる。例えば、引張手段が緩んだ際に、ティートカップが(ほぼ)水平に格納される位置に運ばれる。そのような機械的な逆戻りは、簡単に行うことが可能である。
この場合、スプリングは、ティートカップホルダ、中間アーム、および、サブフレーム、に連結されていてもよい。動作状態では、例えば、引張手段が、最初にティートカップホルダを引っ張る。それにより、ティートカップホルダは、第1接続部のスプリングにおけるスプリング力モーメント(spring force moment)を超えた後、第1接続部で傾く。第1接続部で完全に傾斜した後、引張手段が、第2接続部のスプリングにおけるスプリング力モーメントを超えた後、第2接続部で実質的に中間アームを傾けることが可能となる。この場合、第1接続部におけるスプリング力モーメントが、第2接続部におけるスプリング力モーメントよりも小さいときに利点があるので、2つの傾きが所望のシーケンスで行われる。
別の実施例では、2つ以上のティートカップホルダには、少なくとも1つの接続部が設けられる。前記接続部には、1つの傾斜面で傾くことが可能な旋回軸が設けられる。そして、2つ以上の傾斜面が、互いに関連して0度以外の角度で形成される。この場合では、台形状に配置される4つのティートカップホルダを設けることが好ましい。その傾斜面は、台形の短辺で交差する。この場合、非常にコンパクトで、通常の4つのティートカップを格納することができる搾乳装置を提供することができる。さらに、その搾乳装置は、簡単な方法で、牛や他の酪農動物の後脚の周辺の間に、位置付けることが可能である。牛などの後脚は、しばしば後脚同士が非常に近い位置に配置されているので、搾乳装置を配置するスペースが限られてしまう。そのため、牛を刺激することなく、簡単に上述の実施例のような搾乳装置を設置することが可能である。
また、本発明の搾乳装置は、以下に記述する特別な特性を1つ以上設けることができる。以下に記載の追加および任意の特性は、本発明の実施例において、適用することが可能であり、任意の特性を再度、本発明の第1、第2、第3、第4実施例において、適用することが可能である。
フレームは、移動車両、特に、自律移動車両(autonomous mobile vehicle)を備えている。フレームをロボットアームである搾乳ロボットとして、搾乳装置が設計されてもよい。ロボットアームは、移動可能である。例えば、牛などの下に、ティートカップを使って、サブフレームを配置するために、ロボットアームを動かすことができる。この場合、その酪農動物は、搾乳場所に案内される。そして、その搾乳場所に、搾乳装置が配置される。特に、本発明は、非常に有利な自律移動車両に関係する。後述する実施例は、固定の搾乳装置よりも、できるだけコンパクトにする必要がある。自律移動搾乳装置は、脚などの間を操縦するだけではない。また、そのような装置は、しばしば、ミルク貯蔵庫や洗浄装置といったような、「装置内に(on board)」他の補助装置を有する。したがって、そのような装置を作る際には、各構成部品をできる限りコンパクトに設計することが重要である。
また、フレームには、2つ以上の推進手段を設けることができる。特に、キャタピラトラック(caterpillar tracks)またはキャタピラホイール(caterpillar wheel)を設けることが可能である。好ましくは、さらに移動手段またはスライド要素を1つ以上設けていることが望ましい。これにより、スムーズに移動する2つの車両を備えることで、フレーム移動が十分に可能となる。
好ましくは、フレームが、第3の支持ポイントで、追加の車両またはスライド要素のような搾乳装置の移動を促進する構成部品をさらに備えていることが望ましい。1つ、または、2つの追加の車両により、全部で4つの車両が設けられているので、快適に最適な動きを与える。その一方で、追加のボール車両は、例えば、優れた操作性を提供する。例えば、設けられたスライド要素が、非常に強い設計を可能とし、汚染物によって妨害されない利点を有する。
別の実施例においては、搾乳装置が、2つ以上の引張手段のうち少なくとも1つを動かすためのモータをさらに備えている。そのようなモータによって、搾乳装置は自走式であるので、オペレータによる移動を行う必要がない。また、そのような設備は、もちろん、オペレータによって行われる作業量を軽減することができる。モータ制御は、駆動モータに対して有利に設けられる。駆動モータは、例えば、位置付けられる範囲において、搾乳装置の位置決めをするために、GPSシステムなどに接続される。
好ましい実施例では、搾乳装置は、さらにミルク貯蔵容器を備えている。この実施形態において、搾乳装置が、原則として完全に自律している。非常に大きなミルク貯蔵容器の場合、牛や他の動物を搾乳した後、搾乳装置は、ミルク貯蔵タンクの大きさに関係なくミルク貯蔵容器の中身を供給するために、自律的に動かすことが可能である。そのようなミルク貯蔵容器を設ける場合の問題として、そのミルク貯蔵容器を置くスペースが必要となるが、ミルク貯蔵容器を設けることにより、動物や搾乳装置がホースに引っかかる後ろに、ホースを設ける必要がないといった利点がある。他の実施例では、ミルク運搬管を用いて、搾乳装置をミルク貯蔵タンクに接続することができるが、接続していなくてもよい。特にコンパクトな装置として、そのような搾乳装置を設計することが可能となる。
また、別の実施例においては、ミルク貯蔵容器が、少なくとも部分的にパラセータリール、および/または、巻き上げリール内に配置される。この実施例においては、原則として、パラセータリールおよび/または巻き上げリールの無駄なスペースを使用することが、最適条件となる。ミルク貯蔵容器をそのスペースに配置することによって、そのスペースは有効に使用される。その結果、搾乳装置をコンパクト化することもできる。
また、搾乳装置は、ティート検出手段、ティート洗浄装置、および/または、ティートカップ洗浄装置、をさらに備えている。そのようなティート検出手段は、従来技術で知られていて、より信頼性のある、より衛生的な搾乳装置を得るのに役に立つ。そして、当業者が、搾乳装置に関連する利点を得るために、搾乳装置を現状技術で知られている他の手段に組み合わせることもできる。
以下に、本発明の搾乳装置の実施形態に関する詳細を添付の図面を用いて説明する。
図1aおよび図1bは、本発明の実施形態に係る搾乳装置の側面図である。図1aは、上側位置における搾乳装置を示し、図1bは、下側位置における搾乳装置を示す。
搾乳装置は、床2に支持されている。搾乳装置は、フレーム10と、サブフレーム20と、を備えている。
フレーム10は、ホイール12と、スライドシュー14と、直立部16と、を備えている。サブフレーム20は、底部22と、ケーシング46と、シリンダー18および平行四辺形構造24で高さが調整可能な調整装置と、を備えている。また、ティートカップ28付きのティートカップホルダ26が、全体で4つ設けられている。図面では、2つのティートカップホルダが示されている。ティートカップホルダ26は、それぞれ傾斜可能な中間アーム30に配置されている。ミルク管32は、ブラケット34を通って、ミルク排出管36まで延びている。旋回部38は、旋回軸39の周りを旋回することができる。旋回部38は、停止部40を備えている。
真空管用連結部42、および、パラセータ/巻き上げドラム(パラセータリール/巻き上げリール)44は、ケーシング46に設けられている。ケーシング46は、ティート検出カメラ48を備えている。
図1aに示すように、搾乳装置は、2つのホイール12と、スライドシュー14と、を備えている。このため、非常に簡単に動かすことができるホイールを用いることによって、例えば、小さな障害を越えることができるといった、優れた移動性を得られる。また、スライドシューを用いることによって、低い高さのところを移動することができる。動物の乳房の下に搾乳装置を配置する際には、スライドシューが非常に有利である。ホイール12は、モータ(図示せず)によって、選択的に動かしてもよい。各モータによって、それぞれのホイール12を動かすことが好ましい。スライドシューは、ホイール12間で必要とする軸を使用する必要がないという利点を有する。さらに、ホイールの独立制御によって、簡単に操縦することが可能である。また、モータの制御、すなわち、制御装置を搾乳装置に設けてもよい。また、搾乳装置は、モータなしで装備されることもできる。例えば、手動で牛の下で動かしたり、牛の下まで手動で運んだりすることができる。
本発明による搾乳装置の実施形態では、移動式の搾乳装置を示す。他の実施形態では、移動可能なロボットアーム搭載の固定式の搾乳装置を示す。これは、省略されたホイール12を想像することによって、図中で解釈されることができる。なお、実際には、ロボットアームは、1つのものとして設計され、スライドして完全に折りたたむことが可能である。
実施形態において、フレーム10は、搾乳装置のいくつかのライン、例えば、ミルク管32のようなラインが、床2と触れないように防止する多くの支持装置を設ける必要がない。支持装置ついては、以下に図1bを用いて詳細に説明する。
搾乳装置は、伸縮可能な伸張性のシリンダー18を備えているので、サブフレーム20は、フレーム10と関連して、結果的には、床2と関連して、高さで調整可能である。シリンダー18は、フレーム10とサブフレーム20との間を接続している、具体的には、平行四辺形構造24の2つの平行な棒の1つと接続している。シリンダー18を縮めたり、伸ばしたりすることによって、平行四辺形構造の棒24は旋回し、サブフレーム20が移動する。高さの調整は、異なる(乳房の)高さで、ティートカップ28を取り付けることができるのが望ましい。なお、平行四辺形構造24、および、シングルシリンダー18の代わりに、他に高さ調整可能な調節装置を適用してもよい。例えば、丸穴車、および、その丸穴車と協力するギアホイール、の組合せの装置を用いてもよい。その場合には、サブフレームが、1つの(ギア)ホイールと、別の(ギア)ホイール付きのフレームと、に接続される。あるいは、複数のシリンダーなどに接続される。なお、平行四辺形構造24、および、シングルシリンダー18の代わりに、他に高さ調整可能な調節装置を適用してもよい。例えば、丸穴車、および、その丸穴車と協力するギアホイール、の組合せの装置を用いてもよい。その場合には、サブフレームが、1つの(ギア)ホイールと、別の(ギア)ホイール付きのフレームと、に接続される。あるいは、複数のシリンダーなどに接続される。
ミルク管32は、ガイドブラケット34を通って、ミルク排出管36まで伸びている。ミルク排出管36は、ミルク貯蔵庫(図示せず)に接続されている。ミルク排出管36に接続される側のミルク管32の端部は、ミルク排出管36と共に、底部22の下に配置されている。このため、改良されたミルクの排出を保証する。また、旋回部38は、旋回軸39で旋回することができる。そして、非常に大きな偏向動作、または、旋回動作を防ぐために、選択的に停止部40が設けられている。停止部40は、底部22と協力することができる。さらに詳細な説明は、図1bにおける説明で述べる。この段落で記載される部分、および、それらの特性は、ミルク管32を除いて、大部分は、本発明の参考例の実施例においても、前述した実施形態と同様の利点が得られる。
外付けのミルクタンクの形をしたミルク貯蔵庫を設けることが可能である。その場合には、搾乳装置およびミルクタンクは、例えば、ミルク排出管36から延びているホースによって、相互接続する。また、ミルク貯蔵容器は、搾乳装置の板(board)に設けられる。例えば、ホイール12の近く、または、ホイール12の間、または、パラセータ/巻き上げドラム(パラセータリール/巻き上げリール)44に、ミルク貯蔵容器を設けることができる。
ティートカップは、図示しない真空管、または、図示しない脈動管を介して、関連する連結部42に接続される。連結部42は、それ自体有効にパラセータ/巻き上げドラム44と接続される。パラセータ/巻き上げドラム44は、最新技術によって、選択可能である。パラセータ/巻き上げドラム44は、取付板などを備える必要がない支持装置46に配置される。他のパラセータ機構は、電気機械の弁のようなもので、選択されることができる。
図1aに示されるティート検出カメラ48は、搾乳される動物のティート位置を検出する。そのようなティート検出カメラ48は、当然当業者において公知であるが、ティート検出カメラ48は、脚や障害物を認識するために装備されている。同様に、家畜小屋や搾乳場所のような領域で操縦するために、そのようなカメラが備えられている。搾乳装置が、独立した自走式で動く駆動装置を備えた場合でも、ティート検出カメラ48は、家畜小屋や搾乳場所のような領域で操縦するのに、特に役に立つ。
図1bは、最も低い位置における図1aの搾乳装置を示す。最も低い位置とは、例えば、低い乳房の牛の下に、その搾乳装置を配置することができる位置である。図1bにおいて、前述した実施形態と対応する要素は、同じ参照番号によって示される。
図1bに示すシリンダー18は、最大限収縮している。そのため、サブフレームが、可能な限りの最も低い位置にあり、フレーム10に可能な限り最も近く配置されている。
図1bは、本発明の実施例に係る搾乳装置の利点を示す。各ティートカップホルダ26は、中間アーム30と比較して多少傾いている。つまり、ティートカップ28が実質的に水平に配置されるように、中間アームが配置されている。ミルク管32は、底部22の下に設けられる。そして、スライドシュー14、または、フレーム10の他の適切な手段によって、ミルク管23が床2に接触することを防ぐ。また、旋回部38は、実質的に底部22と平行に折り曲げられている。その旋回部38は、底部22の下に配置することない。その折りたたみは、任意の駆動装置(図示せず)を用いて、モータ制御されることができる。または、受動的な方法(passive manner)で行うことが可能である。受動的な方法とは、例えば、サブフレームを折りたたむことによって、ミルク管32が張力を受けるため、旋回部を引っ張ることができる。つまり、搾乳装置が、全体として非常にコンパクトであることが重要である。このため、ミルク管が最も低い位置に到達し、かつ、スライドシューがさらに最小の構造の高さを必要とする間、サブフレームを下げて、かつ、ティートカップを折りたたむことが可能である。したがって、実際には、乳頭が地面より上にほんの少しのセンチメートルだけ位置づけられる牛や他の動物から搾乳するのに適した移動式の搾乳装置、または、自走式の搾乳装置を設けることが可能である。特に、より小さな酪農動物で、大きな利点を提供することができる。
搾乳装置が、全体として非常にコンパクトになることは重要である。このため、ミルク管が、最も低い位置に到達し、かつ、スライドシューが、最小構造の高さを必要とする間、サブフレームがより低いところに配置され、かつ、ティートカップが折り曲げられることができる。ゆえに、実際には、乳頭が地面より上にほんの少しのセンチメートルだけ位置付けられている牛や他の動物から搾乳するのに適した移動式の搾乳装置、または、自走式の搾乳装置を設けることが可能となる。特に、より小さな酪農動物で、有利である。
図2a、図2b、および、図2cは、本発明のさらなる詳細な3つの側面図を示す。
図2aは、搾乳中の状態、すなわち、完全に緩められたコードの状態を示す。図2bおよび図2cは、それぞれティートカップの折りたたみの第1段階、第2段階を示す。
ティートカップ28は、ティートカップホルダ26に接続されている。また、ティートカップホルダ26は、引張手段60に接続されている。引張手段60は、第1ガイド要素78および第2ガイド要素80を通って案内される。第1、第2ガイド要素78、80は、両方とも中間アーム30に固定されている。中間アーム30は、軸76周りを旋回することが可能である。ティートカップホルダ26は、小さなアーム62の一端部に固定されている。アーム62は、軸64で旋回可能である。また、アーム62の一端部はティートカップホルダ26に接続され、アーム62の他端部がスプリング(ティートカップホルダ位置決め手段)66に接続されている。スプリングは、底部22に接続されている。
図2aに示された位置において、ティートカップ28は、従来どおり搾乳するために、直立している。これは、スプリング66のバネ張力により、確実にされる。引張手段60では、張力はほとんどなく、ティートカップは、自由に動くことができる。このため、牛がある程度まで動いた場合、牛はティートカップホルダから離れることが可能である。
搾乳が終了し、ティートカップ28が分離される際、ティートカップ28は、最初にティートカップホルダ26の上に戻される。これは、引張手段60を巻き上げることによって行われる。巻き上げは、ティートカップの交換を確実にする。したがって、図2aの状況に達する。また、引張手段60のさらなる巻き上げが、小さなアーム62を介して、乳頭カップホルダー26上で引っ張り力を及ぼす。これは、ティートカップ28と共に、ティートカップホルダ26を傾かせる。このため、不純物のリスク、例えば、牛からの落下、ティートカップに不純物が入り込んだり、不純物を吸い込んだりすることなどを減らすことができる。その傾きは、原則として、最大角度αに到達するまで行われる。スプリング力モーメント(spring force moment)およびコード引き上げ力モーメント(cord pulling force moment)は、軸64に対して互いに相殺する。これは、図2bで示される。一方、図2cに示すように、第2傾斜運動を有することも可能である。
図2cにおいて、コード引き上げ力は、軸76の周りの傾斜に対して、スプリング抵抗を生じるのに十分である。これは、ティートカップ28が水平位置に到達するまで、中間アームをさらに傾けさせる。このため、中間アーム30は、角度bを超えて旋回する。この場合では、α+b=90度である。そのため、ティートカップが上から落ちてきたほこりなどで汚れることもない。そして、最も低い高さは、ティートカップの高さとしてみなされる。角度bを制限するために、ガイド要素80は、例えば、底部22と協力することができる。または、1つ以上の停止部をガイド要素80に設けることができる。
図3は、図1aにおける実施形態の平面図を示す。図1に関してすでに記述された構成部品のほかに、図3において、2つのモータ50と、2つのバッテリ52が示されている。それらは、すべて任意で設けることができる。バッテリ52は、モータ、シリンダー18、ティート検出カメラ48などに給電するために役に立つ。また、バッテリ52の1つを、例えば、ミルク貯蔵容器に置き換えすることも可能である。モータ50は、ホイール12を動かす、具体的には、独立して動く。そのモータにより、優れた操作性を保証することができる。
ティートカップ28側で位置づけられる端部において、全体としての搾乳装置ができるだけコンパクトであることが、図3で明らかである。搾乳装置の幅は、ブラケット34によって実質的に決定され、その高さがティート検出カメラ48によって決定される。前記端部は、有利にコンパクトである。なぜなら、脚部と接触するなどのリスクをできるだけ最小限にする。ティートカップおよび中間アーム30は、もちろん、稼働する部品の寸法を決定するが、乳房の大きさと実質的に対応する「ベース」を有する。
図4は、本発明の第2の実施例に係る搾乳装置の部分側面図である。図5は、図4の詳細を平面図で示す。
コード60は、その一方がティートカップホルダ26を介して、ティートカップ28と接続され、他方がパラセータ/巻き上げドラム44に巻きつけられている。パラセータ/巻き上げドラム44は、直立端部164と、外側面150と、を有する。直立端部14は、コードが巻き上げドラムから滑り落ちるのを防ぐ。外側面150は、8つの凹部166を有する。各凹部166は、外側面上に円状に均一に配置されている。凹部を8つ以上設けたり、8つよりも少なく設けたりすることも可能である。最小で、1つの凹部があればよい。また、凹部が必ずしも均一に配置される必要はない。
図4において、さらに、断面側面図で、脈動管162と、真空管170と、排出管172と、が示されている。脈動管162は、一方がティートカップ28のライナ(liner)に接続される。ここで、ミルク管用接続が、別々に表示されていないことが指摘されるが、その接続は、例えば、脈動管接続のそばに設けることができ、小さな角度で回転可能である。また、その代わりに、ミルク管と脈動管を1つの組み合わせた管で設けることも可能である。このため、さらにコンパクト化された搾乳装置を得ることができる。
凹部166が、脈動管162と排出管172と、および/または、真空ラインとの間の接続を形成することができるように、凹部166、上述した脈動管162、真空管170、および、排出管172、が位置付けられている。この場合、脈動管162において、すなわち、ティートカップ28におけるライナにおいて、圧力を変化することができる。ここでは、凹部166の大きさが重要である。つまり、脈動管162が、排出管172と接続されていないだけでなく、真空管170とも接続されないように、凹部166を位置付けることが重要である。
脈動管162と排出管172と、または、真空管170との間の所望の接続が達成されるように、脈動管162で圧力を変えることが、パラセータ/巻き上げドラム44を回転させることによって達成される。これらすべては、図3によって、もっと詳細に説明される。なお、ティートカップ28が乳頭に取り付けられる場合、ティートカップ28の位置については、パラセータ/巻き上げドラム44の回転は、搾乳装置の動作に影響を及ぼさない。なぜなら、引張手段60は所望の回転を達成するために必要とされるよりも非常に広く移動することが可能である。
図5は、図4の詳細な断面図を示す。図5において、パラセータ/巻き上げドラム44の端部164と、凹部166が示される。さらに、真空管170、脈動管162、および、排出管172、が示される。真空管170、脈動管162、および、排出管172は、ラインブロック(line block)174に固定されている。
所望の位置に凹部166を移動させるためのパラセータ/巻き上げドラム44の回転は、往復動式方法(reciprocating manner)でパラセータ/巻き上げドラム44を置き換えることによって、または、パラセータ/巻き上げドラム44を動かすことによって、行われる。ドラムを動かすことは、もちろん、引張手段60の自由走行距離の長さがごくわずかに影響される利点を、提供する。往復動作は、凹部166の周りで行われるが、その代わりに、パラセータ/巻き上げドラム44で、数個の凹部166が、脈動管162と排出管172と真空管170とそれぞれ連続して接続する大きな回転を作ることも可能である。その逆動は、例えば、2つか3つ以上の段部166を備えた回転後に、行ってもよい。その場合には、高速な往復運動の維持は、まばらな逆動だけを構成する回転よりも多くのエネルギーを消費するので、エネルギーを節約することが可能となる。
図中において、脈動管162が真空管170に接続されているように、凹部166は、位置付けられている。これは、脈動管162における圧力が減少することを意味する。パラセータ/巻き上げドラム44が、矢印Dの方向に動く場合、脈動管162が排出管172と接触するまで、真空管170との接続は中断される。その後、脈動管162における圧力が、周囲圧力の最大まで、再び増加する。
好ましくは、パラセータ/巻き上げドラム44の端部164、ラインブロック174、脈動管162、真空管170、および、排出管172、が平坦に作られ、および/または、耐摩耗性の材料で形成されていることが望ましい。または、それらの端部が滑らかに形成されていることが好ましい。例えば、パラセータ/巻き上げドラム44の端部は、ステンレス鋼で形成されている。好ましくは、平らな、あるいは、磨かれたステンレス鋼で製造されていることがよい。ラインブロック174は、優れた潤滑とスライド特性とを有するカーボンから成る。もちろん、同様に、他の材料を用いることもできる。
図6は、本発明の第3の実施例に係る搾乳装置の詳細な側面図を示す。図7は、図6に示された搾乳装置の詳細を垂直方向において示す。図8は、理論上広げられた形で、図6および図7における実施例を示す。
図6は、ティートカップ28と、巻き上げドラム44と、コード60と、ミルク管32と、を示す。コード60は、ティートカップホルダを通って、ティートカップ28から巻き上げドラム44まで伸びている。具体的には、ティートカップ28から図7に示す巻き上げドラム部44aまで、コード60は伸びている。また、ミルク管32、特に、ミルク管部44bは、ティートカップ28から巻き上げドラム44まで伸びている。引張手段(コード)60とミルク管32との両方が、ガイドホイール88を通って案内される。なお、大部分が他の実施例と同じであるが、明確にするために、図6〜図8においては、異なる位置で搾乳装置が記載されている。コード60およびミルク管32の両方が、部分的に巻き上げドラムに巻きついている。この場合において、ミルク管32は、ガイド要素82内に案内される。図6に示すように、巻き上げドラム44には、突出部84が設けられている。ミルク管32の内径および外径、巻き上げドラム44とガイド要素82との間の距離、および、突出部84のサイズは、突出部がガイド要素で案内されるミルク管を挟むことができるように、選択される。
突出部84は、ミルク管32を締め付けて閉じるのに役に立つ。それにより、原則として、連続に適用される搾乳バキュームによって、不純物がミルク管に吸い込まれることを防止することができる。したがって、突出部は、閉鎖手段として動作する。動作モードは、以下の通りである。実際には、ティートカップ28を戻すために、巻き上げドラム44が回転する特定の回転がある。引張手段60は、それと共に関連する特定の自由長さ(free length)を有する。ティートカップ28が乳房に取り付けられる際、ティートカップ28が適切にいちづけられた後、真空(vacuum)が適用されなければならない。搾乳バキュームを戻すことによって、ティートカップ28は、適切な方法で乳房を吸引し、落下することを防ぐ。また、巻き上げドラム44を所定の回転以上回転させることによって、引張手段60を戻すことが可能となる。この回転中は、ミルク管32は、開いていなければならない。したがって、突出部84は、ガイド要素の外側に位置付けられるべきである。つまり、突出部84が、図6の左側に示すように、位置付けられるように、巻き上げドラム44が回転する。その後、与えられた時間で、搾乳ステップは終了する。そのとき、バキュームは取り外されている。そして、ミルク管32は、それから締め付けられて、閉じられる。これは、再び、ガイド要素82の中で突出部84を回転させることによって、ミルク管32を挟んで閉じることができる。図6中において、突出部84が、ガイド要素82の中で、具体的には、ガイド要素82の上側または下側で、回転することを示す。さらに、その後、引張手段60を巻き上げなくてはならないので、巻き上げドラム44が、さらに矢印Eの方向に回転された後、結果として、実際、突出部84は、ガイド要素の下側に位置する。また、回転中に、引張手段60がさらに巻き上げられる。その間、突出部84はガイド要素82を通って動く。この場合、ミルク管32が固定して配置される。したがって、引張手段60は、ミルク管32を巻き上げることなく、ミルク管部44bを超えてスライドする。巻き上げドラムの回転中、ミルク管32は開いている。すなわち、牛を搾乳する位置で、ミルク管32は開いている。そして、次の牛を搾乳するため最初の位置では、ミルク管32が締め付けられ、閉じられている。次の牛の準備の間、巻き上げドラムは、矢印Eの方向と反対方向に回転する。そして、およそ半分回転させた後で、突出部84は、ガイド要素82の下側で、ガイド要素82から離れる。ミルク管は、それから開かれるが、巻き上げドラム44は、引張手段60を巻き取るために、さらにもう半分回転しなければならない。そのため、巻き上げドラム部が、図に示すものとは異なって、多くて引張手段60の1回転で構成することが好ましい。巻き取っている間、ティートカップ28は取り付けられていないが、ミルク管32は開いている。好ましくは、閉める必要がなくても、ミルク管32を外部から閉じることが望ましい。また、完全に巻き取った後、必要に応じて、ガイド要素の上側部分で突出部84を再度位置付けることができる。その結果、再度、ミルク管32を閉めることが可能である。
図7は、垂直の側面図において、ドラム(パラセータ/巻き上げドラム)44を示す。巻き上げ部(巻き上げドラム部)44aおよびミルク管部44bが、明らかに示されている。引張手段60は、ここでは、数回転巻かれている状態で示されている。その状態は、消耗などで切れて、再度固定する場合には、有利である。
図8は、図6の巻き上げドラム44の一部分の理論上の巻き取りモデル、または、広がりモデルを示す。つまり、図8において、図6のリング状部分が、ドラム44の外周の周りで、切り取って広げられた図を示す。
ゆえに、巻き上げドラム44の壁部分だけが、ここでは示される。さらに、図8において、管壁33付きのミルク管32が、ガイド要素82の中に示される。ガイド要素82は、第1供給ガイド要素86−1と、第2供給ガイド要素86−2と、を備えている。突出部84は、ミルク管32を締め付け、ミルク管32がその位置で閉じられる。
巻き上げドラム44が回転するとき、突出部84は、ガイド要素82を介して動く。そして、ミルク管32がガイド要素82に位置づけられている限り、突出部84はミルク管32を締め付ける。ガイド要素の外側では、ミルク管が開かれている。
図9は、本発明の第4実施形態に係る搾乳装置の部分側面図である。
コード60は、ティートカップホルダ26を介して、ティートカップ28に接続されている。また、コード60は、パラセータ/巻き上げドラム44に巻きつけられている。そのパラセータ/巻き上げドラム44は、コードが巻き上げドラムからすべり落ちるのを防ぐために、直立端部164を有する。また、パラセータ/巻き上げドラム44は外側面150を有し、巻き上げ軸168の周りで回転可能である。図示していないが、巻き上げドラム44に巻き上げモータを設けることも可能である。また、外部に巻き上げモータを設けることもできる。その巻き上げモータは、例えば、変速機を介して巻き上げ軸168を動かすことも可能である。
巻き上げモータは、ティートカップホルダ26の中にティートカップ28を戻すために、コード60を巻き取ることが可能である。そして、ティートカップ28が、ティートカップホルダ26の中に完全に配置されるまで、巻き上げモータは巻き上げを続ける。巻き上げ力が、それから強力に増加するので、そのモーメントを測定することができる。巻き上げ力が測定された場合、例えば、巻き上げモータや巻き上げ軸などの上に設けられる図示しないトルク計を用いて、巻き上げを停止するモーメントを測定することができる。その後、確実にティートカップを固定するために、モータは完全に止まるか、あるいは、非常に小さい巻き上げ力を適用することができる。
巻き上げを停止するモーメントは、コード長さとは無関係である。そのため、コードを延長した場合でも確実に巻き上げることが可能である。コードの破損の場合においては、巻き上げ力の増加のモーメントはない。ゆえに、好ましくは、巻き上げ力の増加が起こらないある特定期間後、コード破損を疑って、巻き上げを停止する期間制限装置を、巻き上げモータに設けることが望ましい。
なお、ここでは、代替装置60が所定の回転に達するために必要とされる非常に大きな自由走行距離を可能にするので、パラセータ/巻き上げドラム44の回転は、乳房に取り付けられるティートカップ28の位置に関して、搾乳装置の動作において影響しない。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
2 床
10 フレーム
12 ホイール(推進手段)
14 スライドシュー(スライド要素)
20 サブフレーム
22 底部
26 ティートカップホルダ
28 ティートカップ
30 中間アーム
32 ミルク管
36 ミルク排出管
38 旋回部
39 旋回軸
40 停止部
42 真空ライン用連結部
44 パラセータ/巻き上げドラム(パラセータリール/巻き上げリール)
44a巻き上げドラム部(巻き上げ部)
44bミルク管部
46 ケーシング(支持装置)
48 ティート検出カメラ(ティートカップ検出手段)
50 モータ
60 コード(引張手段、引き上げ手段)
62 アーム
64、76 軸
66 スプリング
82 ガイド要素
88 ガイドホイール
162脈動管(pulsation line)
166凹部
170真空管
172排出管(vent aperture)

Claims (16)

  1. フレーム(10)と、底部(22)を有し、かつ、前記フレームに接続されて前記フレームと関連して高さが調整可能なサブフレーム(20)と、移動可能なティートカップ(28)を有し、かつ、前記サブフレーム(20)の底部(22)に固定される1つ以上のティートカップホルダ(26)と、前記ティートカップ(28)に接続される引張手段(60)と、前記ティートカップ(28)に接続される第1端部を有するフレキシブルホースを備えたミルク管(32)と、で構成される搾乳装置であって、
    前記ティートカップホルダ(26)が、サブフレーム(20)に対して、70度以上の角度αに傾斜角を変えることができ、
    前記フレキシブルホースが、少なくとも前記第1端部の近くの傾斜する面内で延び、
    前記底部(22)が、前記フレキシブルホースより下に少なくとも部分的に延びる開口部を有し、そして、
    前記ティートカップ(28)付きティートカップホルダ(26)が傾斜した際に、前記フレキシブルホースが、前記底部(22)の下に移動可能に設けられていることを特徴とする搾乳装置。
  2. 前記角度αが、90度であることを特徴とする請求項に記載の搾乳装置。
  3. 前記フレキシブルホースには、前記フレーム(10)に固定して接続される第2端部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の搾乳装置。
  4. 前記フレキシブルホースには、接続手段を用いて前記サブフレーム(20)に接続される第2端部が設けられ、
    前記ティートカップ(28)付きのティートカップホルダ(26)の傾斜上で前記第2端部がサブフレームの底部の下で移動可能なように、回転可能な旋回部(38)が、前記接続手段に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の搾乳装置。
  5. 前記回転可能な旋回部(38)には、前記フレーム(10)と協力することが可能な停止部が、設けられ、
    前記フレーム(10)に対して、前記旋回部(38)の最も低い位置が、決定されることを特徴とする請求項4に記載の搾乳装置。
  6. 前記回転可能な旋回部(38)には、前記サブフレーム(20)と協力することが可能な停止部が、設けられ、
    前記サブフレーム(20)に対して、前記旋回部(38)の最も低い位置が、決定されることを特徴とする請求項4又は5に記載の搾乳装置。
  7. 前記フレーム(10)には、少なくとも前記フレキシブルホースの下で延びるメイン底部が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の搾乳装置。
  8. 前記フレームには、移動車両が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の搾乳装置。
  9. 前記移動車両が、自律移動車両であることを特徴とする請求項8に記載の搾乳装置。
  10. 前記フレーム(10)には、2つ以上の推進手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の搾乳装置。
  11. 前記推進手段が、キャタピラトラックまたはキャタピラホイール(12)であること特徴とする請求項10に記載の搾乳装置。
  12. 前記フレームには、さらに移動手段または前記フレームが床に対してスライド可能なスライド要素(14)が1つ以上設けられていることを特徴とする請求項10に記載の搾乳装置。
  13. 前記搾乳装置が、前記2つ以上の推進手段(12)のうち少なくとも1つの推進手段(12)を動かすためのモータ(50)を、さらに有していることを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の搾乳装置。
  14. 前記搾乳装置が、ミルク貯蔵容器をさらに有していることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の搾乳装置。
  15. 前記ミルク貯蔵容器が、パラセータリールおよび/または巻き上げリール(44)内に、少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする請求項14に記載の搾乳装置。
  16. 前記搾乳装置が、ティート検出手段(48)、ティート洗浄装置、および/または、ティートカップ洗浄装置、をさらに有していることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の搾乳装置。
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