JP5734187B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、低発熱性タイヤに関し、さらに詳しくはゴム成分として低分子量合成ゴム、補強用充填剤として特定構造の含水ケイ酸を用いた低発熱性、耐摩耗性及び加工性に優れたゴム組成物を用いたタイヤに関する。
近年、省エネルギーの社会的な要請及び環境問題への関心の高まりに伴う世界的な二酸化炭素排出規制の動きに関連して、自動車の低燃費化に対する要求はより過酷なものとなりつつある。このような要求に対応するため、タイヤ性能についても転がり抵抗を減らした低発熱性のタイヤが求められてきている。タイヤの転がり抵抗を下げる手法としては、ゴム組成物としてより発熱性の低い材料を用いることが最も一般的な手法として行われている。
従来、ゴムの低発熱化技術としては、低ロス化剤の添加やポリマー変性による補強充填剤として添加するカーボンブラックの分散性の向上や充填剤にシリカを使用するなどが数多く検討されている。
従来から、カーボンブラックはゴム組成物に高い耐摩耗性を付与し得るため、補強用充填剤として多く使用されているが、カーボンブラックの単独使用で低発熱化を図ろうとする場合は、カーボンブラックの充填量を減らす、あるいは、粒径の大きいものを使用することになり、いずれの場合も補強、耐摩耗性、湿潤路面でのグリップ性が低下するのを避けられないことが知られている。一方、低発熱性を向上させるために充填剤としてシリカが知られているが(例えば、特許文献1〜4)、シリカはその表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、また、シラノール基は親水性を有する−OH基のためにゴム分子とのぬれ性が良くなく、ゴム中へのシリカの分散は悪い。これをよくするためには混練時間を長くする必要がある。また、ゴム中へのシリカの分散が不十分なためゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押出しなどの加工性に劣るなどの欠点を有していた。さらに、シリカ粒子の表面が酸性であることから、ゴム組成物を加硫する際に、加硫促進剤として使用される塩基性物質を吸着し、加硫が十分行われず、弾性率が上がらないという欠点も有していた。
これらの欠点を改良するために、シランカップリング剤が開発されたが、依然としてシリカの分散は十分なレベルには達しておらず、特に工業的に良好なシリカ粒子の分散を得ることは困難であった。そこで、疎水化剤で表面を処理したシリカを混練してシランカップリング剤の反応を促進することが行われている(特許文献1)。
また、特許文献5には、疎水性沈降ケイ酸を用いることが開示されているが、完全疎水化処理した沈降ケイ酸を用いているので、シランカップリング剤が反応する表面シラノール基が存在しなくなるため、ゴムの補強が十分にとれないという欠点があった。さらに、低発熱性を高めるため、シリカを大粒径化することが行われているが、大粒径化することでシリカの比表面積が低下し、補強性が悪くなる。特許文献6には、特殊形状のシリカを用いることが開示されているが、ゴム組成物の低発熱性、耐摩耗性が十分ではない。
一方、ゴム成分を改良する方法として、カーボンブラックやシリカなどの充填剤と相互作用する変性ゴムの技術開発が多くなされてきた(特許文献7)が、シリカやカーボンブラックを配合したゴム組成物における変性効果は必ずしも充分なものが得られていない。また、耐摩耗性の向上のため、低分子量の液状スチレン−ブタジエンゴムを使用することが行われている(特許文献8、9)。
特開平6−248116号公報 特開平7−70369号公報 特開平8−245838号公報 特開平3−252431号公報 特開平6−157825号公報 特開2006−37046号公報 特公平6−57767号公報 特開平1−197541号公報 特開2005−298804号公報
本発明者らは、ゴム組成物において、ゴム成分として低分子量のポリマー、シリカとして特定構造の含水ケイ酸をそれぞれを単独で使用した場合でも低発熱性が得られ、加工性が良好となるが、両者を同時に使用することでゴム組成物の耐摩耗性が改善されること見出し本発明を完成した。本発明はこのようなゴム組成物を部材として用いた転がり抵抗が小さい低発熱性、耐摩耗性に優れたタイヤを提供することを目的とするものである。
本発明のタイヤに用いるゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム(A)に低分子量の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)及び構造性の含水ケイ酸、特定構造のシランカップリング剤、カーボンブラックを配合混練してなるゴム組成物である。
本発明で用いる低分子量の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)は、重量平均分子量4千〜25万で、0〜80質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜80質量%である共重合体である。さらに、ゴム成分(A)として分子量の大きいに芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体を使用する場合、ゴム成分(A)と共重合体(B)の芳香族ビニル化合物の含量の差が30質量%以下とすることによって、ゴム成分(A)と共重合体(B)の相溶性を高めることができる。
一方、本発明で使用する含水ケイ酸は、次のような指標で表すことができる構造(一次凝集)を持つことが特徴である。
即ち、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)と音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の直径(nm)の最頻値Aacとが下記式(I)
ac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
を満たし、さらに灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少%)と加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少%)とが下記式(II)
(灼熱減量)−(加熱減量)≦3・・・(II)
を満たすことが好ましく、このような含水ケイ酸を含有するゴム組成物は、低発熱性と耐摩耗性が両立でき、加工性にも優れる。
本発明で使用する含水ケイ酸は、ケイ酸ナトリウム等のケイ酸アルカリ塩水溶液を硫酸等の鉱酸で中和することにより含水ケイ酸を析出、沈殿させる方法、いわゆる沈殿法含水ケイ酸の製造方法に準じた方法により得られる。
本発明によれば、低発熱性、加工性に優れたゴム組成物が得られ、これをタイヤ部材として用いるとき、従来二律背反事象であった低発熱性と耐摩耗性が共に優れ、低燃費で省エネルギーに大きく寄与することができる。
本発明のタイヤに用いるゴム組成物は、天然ゴム及び/又はジエン系合成ゴム(A)100質量部に対して、低分子量の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)5〜60質量部及び構造性の含水ケイ酸、特定構造のシランカップリング剤、カーボンブラックを配合混練してなるゴム組成物である。
ゴム成分(A)は、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムのうち少なくとも1方のゴムからなる。各種のものが適用可能であるが、乳化重合又は溶液重合によるものが好ましい。
合成ジエン系ゴムとしては、シス−1,4−ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、低シス−1,4−ポリブタジエン、高シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニリトル−ブタジエンゴム等を例示でき、天然ゴム及び合成ジエン系ゴムは、単独使用のみならず混合して使用できる。
好ましいゴム成分(A)は、天然ゴム、シス−1,4−ポリイソプレン、SBR、ポリブタジエンである。ゴム成分(A)中、SBRもしくはポリブタジエンが10質量部以上含まれていると、所定の共重合体(B)の組み合わせによる改良効果が明確になる点で好ましい。
好ましくは、ゴム成分(A)は、30万〜150万の重量平均分子量のスチレン−ブタジエン共重合体もしくはポリブタジエンを30質量部以上含有する。このスチレン−ブタジエン共重合体もしくはポリブタジエンは、0〜60質量%のスチレンからなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜80質量%であることが好ましい。より具体的には、このスチレン−ブタジエン共重合体もしくはポリブタジエンは、0質量%以上のスチレンからなる乳化重合または溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体もしくはポリブタジエンである。また、好ましくは、このスチレン−ブタジエン共重合体と共重合体(B)中の芳香族ビニル化合物の含量の差は30質量%以下である。芳香族ビニル化合物の含量の差が30質量%を超えると、相溶性が低下し易く、十分な破壊強度が得られない可能性がある。
低分子量の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)は、単量体である芳香族ビニル化合物とジエン化合物とが共重合した化合物である。4千〜25万の重量平均分子量(ゲル浸透クロマトグラフィーによるポリスチレン換算)を有する。共重合体(B)は、0〜80質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜80質量%からなる。どちらも80質量%を超えると加工性が低下する。好ましくは0〜60質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜80質量%、より好ましくは0〜50質量%の芳香族ビニル化合物からなり、ジエン化合物の部分のビニル結合量が0〜70質量%の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体である。
共重合体(B)は、好ましくは1万〜20万、より好ましくは3万〜15万、さらに好ましくは5万〜15万の重量平均分子量を有する。重量平均分子量が20万以上では作業性が低下する。また、分子量分布は狭いのが好ましく、Mw/Mnが5.0以下が好ましい。広いと低発熱性の指標となるtanδに劣る傾向が出る。
80質量%を超える芳香族ビニル化合物、80質量%を超えるビニル結合量のジエン化合物からなる共重合体は、いずれも、作業性、低発熱性及び耐摩耗性の向上が不十分である。なお、ここに規定するビニル結合量は、ジエン化合物由来の構成単位中のビニル結合の量を示し、シス結合及びトランス結合で表される他の結合を含むすべての結合の量に占めるビニル結合の量の割合を示す。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。好ましくは、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンが挙げられる。特に、スチレンが好ましい。
ジエン化合物としては、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン等が用いられ、特に、ブタジエンが好ましい。
共重合体(B)は、所定の分子構造が与えられる限り、種々の製造方法によって得ることができる。共重合体(B)は、各種液状、又は低分子量のポリマー又はゴムが適用可能であり、好ましくは、スチレンとブタジエンとを溶液重合することにより好適に製造される。特に好ましくは、共重合体(B)は溶液重合スチレン−ブタジエン共重合体ゴムである。
工業的な方法を例示すると、有機リチウム化合物を開始剤として、炭化水素溶媒中で、所定の単量体を共重合させる方法である。例えば、共重合体(B)は、槽型又は塔型の反応器中において、炭化水素溶媒中、有機リチウム化合物開始剤をエーテル又は第3級アミンの存在下で用いて、1,3−ブタジエンのようなジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを共重合させることにより得ることができるが、製法はこれに限らない。
本発明で使用するゴム組成物において、低分子量の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、5〜60質量部含有する。5質量部未満では、効果が発揮されず、60質量部を超えると破壊特性が低下する。
次に、本発明で用いる構造性の含水ケイ酸は、シリカやカーボンブラックなどで一般に測定されている方法で測定した特性値が、次のよう関係を満たすことで確認できる。
即ち、セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)と音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の数の最頻値の直径Aac(nm)とが下記式(I)
ac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
を満たし、好ましくは灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少%)と加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少%)とが下記式(II)
(灼熱減量)−(加熱減量)≦3・・・(II)
を満たす含水ケイ酸である。
セチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)は、含水ケイ酸表面に対するセチルトリメチルアンモニウムブロミドの吸着量から算出した含水ケイ酸の比表面積(m/g)である。
CTABの測定は、ASTM D3765−92記載の方法に準拠して行うことができる。ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのCTABを測定する方法であるので、若干の修正を加える。即ち、カーボンブラックの標準品を使用せず、セチルトリメチルアンムニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nmとしてCE−TRABの吸着量から、比表面積を算出する。
本発明で用いる含水ケイ酸は、CTABが50〜250m/g、好ましくは100〜200m/gであることが望ましい。CTABが50m/g未満であるとゴム組成物の貯蔵弾性率が著しく低下し、250m/gより大きいと未加硫時のゴム組成物の粘度が上昇するおそれがある。
含水ケイ酸の粒子径として、音響式粒度分布測定装置によって測定した径(音響式粒度分布径)が構造性の発達の指標になる。含水ケイ酸の粒子は、微粒径の粒子が一次凝集したものと、僅かに二次凝集しているものも含んでいる。
音響式粒度分布測定装置による測定は、含水ケイ酸の0.01M KCl水溶液を超音波で5分間分散処理し、泡を除去して二次凝集体を破壊した後、測定する。含水ケイ酸の一次凝集体の粒径と粒子数の分布が得られ、このうち、最も頻度が多く現われた粒子の直径をAac(nm)とすると、
ac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
を満足するとき、ゴム組成物の低発熱性と耐摩耗性が共に改善される。Aacが、この条件を満たさない時、低発熱性と耐摩耗性のどちらか又は両方が低下する。さらに、Aacは、1μm以下であることが好ましい。1μmより大きいと含水ケイ酸が破壊核となり、ゴム組成物の力学的特性が損なわれる虞がある。
さらに、本発明で用いる含水ケイ酸を加熱した時の質量の減少(%)と灼熱した時の質量減少(%)の差が、
(灼熱減量)−(加熱減量)≦3・・・(II)
であることが好ましい。
加熱減量及び灼熱減量は、JIS K6220−1ゴム用配合剤の試験方法に準じて行い、加熱減量は通常105±2℃で2時間加熱した時の質量の減少%、灼熱減量は通常750±25℃で3時間強熱した時の質量の減少%である。
本発明で用いる含水ケイ酸の使用量は、好ましくはゴム成分(A)100質量部に対して、10〜150質量部である。10質量部未満では補強が十分でなく、150質量部を超えると作業性が悪くなる。
本発明で使用する含水ケイ酸は、沈殿法含水ケイ酸の製造方法に準じて製造される。例えば、予め一定量の温水を張り込んだ反応容器中に、pH、温度を制御しながらケイ酸ナトリウムおよび硫酸を入れ、一定時間添加して含水ケイ酸スラリーを得る。
続いて、該含水ケイ酸スラリーをフィルタープレス等のケーキ洗浄が可能なろ過機により濾別、洗浄して副生電解質を除去した後、得られた含水ケイ酸ケーキをスラリー化し、噴霧乾燥機等の乾燥機を用いて乾燥し製造される。
本発明では、シランカップリング剤を用いることが好ましい。シランカップリング剤は含水ケイ酸表面に残存するシラノール基とゴム成分ポリマーと反応して、含水ケイ酸とゴムとの結合橋として作用し補強相を形成する。
本発明で用いられるシランカップリング剤は、好ましくは下記一般式で表される化合物よりなる群から選ばれた少なくとも一種である。
3−mSi−(CH−S−(CH−SiA3−m・・・(III)
[式中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
3−mSi−(CH−Y・・・(IV)
[式中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Yはメルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基又はエポキシ基であり、mは1〜3の整数、cは0〜9の整数である。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
3−mSi−(CH−S−Z・・・(V)
[式中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Zはベンゾチアゾリル基、N,N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル基であり、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
具体的には、一般式(III)で表されるシランカップリング剤としては、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス−(3−トリメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、
一般式(IV)で表されるシランカップリング剤としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、
一般式(V)で表されるシランカップリング剤としては、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリロイルモノスルフィドが挙げられる。
シランカップリング剤の使用量は、含水ケイ酸の量に対して、1〜20質量%が好ましい。使用量が1質量%未満では、十分なカップリング効果が得られないことがあり、20質量%を超えると、ポリマーのゲル化を引き起こすことがある。
本発明のゴム組成物では、含水ケイ酸と共にカーボンブラックを補強用充填剤として用いることができる。カーボンブラックを配合することによって、ゴム組成物の耐摩耗性を向上させることができる。カーボンブラックとしては、例えば、SAF、HAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなど種々のグレードのカーボンブラックを使用することができる。
カーボンブラックの使用量は、好ましくはゴム成分(A)100質量部に対して80質量部以下で、カーボンブラックと含水ケイ酸を合わせた総配合量が120質量部以下であることが好ましい。総配合量をゴム成分100質量部に対して120質量部以下とすることで、低発熱性及び耐摩耗性を十分に向上させることができる。
本発明のゴム組成物には、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望により、通常ゴム工業界で用いられる各種薬品、例えば他の補強性充填剤、加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、亜鉛華、ステアリン酸などを適宜配合することができる。
軟化剤としては、プロセス油、例えば、パラフィン系、ナフテン系、アロマチック系等の少なくとも1種を用いることができ、破壊特性、耐摩耗性を重視する用途にはアロマチック系が、また、低発熱性、低温特性を重視する用途にはナフテン系又はパラフィン系がそれぞれ好ましい。
また、加硫剤としては、例えば、硫黄等が挙げられ、これらの使用量はゴム成分(A)100質量部に対し、硫黄分として0.1〜10質量部、好ましくは0.5〜8.0質量部である。0.1質量部未満では、加硫ゴムの破壊特性や耐摩耗性が低下し、10質量部を超えると、ゴム弾性が失われる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、ロール等の開放式混練機やバンバリーミキサー等の密閉式混練機等を用いて混練することにより得られ、成形加工後に加硫を行い、防振ゴム、ベルト、ホースその他の工業品等の用途にも用いることができる。特にタイヤ用ゴムとして好適に使用され、例えばトレッドゴム(キャップゴム、ベースゴムを含む)、サイドゴム、サイド補強ゴム、インナーライナーゴムなどあらゆるタイヤ部材に適用することができる。
本発明のタイヤは、上記ゴム組成物を部材に適用することを特徴とする。該ゴム組成物をトレッド部材に用いたタイヤは、ゴム組成物が低発熱性であるため転がり抵抗が低く、耐摩耗性に優れている。本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の又は酸素分圧を変えた空気、又は窒素等の不活性ガスも使用できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例、比較例において、各種測定、評価は、下記の方法に従って行なった。
1.低分子量の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)の物性
(1)重量平均分子量(Mw)の測定
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー社製、HLC−8220GPC)を用いて、ポリスチレン換算で求めた。
(2)スチレン量(ポリマー中の質量%)
270MHz H−NMRによって求めた。
(3)ビニル量(ジエン化合物部分全体に対する質量%)
270MHz H−NMRによって求めた。
2.含水ケイ酸の物性
(1)音響式粒度分布径の測定
各含水ケイ酸の0.01M KCl水溶液を超音波で5分間分散処理し、泡を除去した後、超音波式粒度分布測定装置DT1200(Dispertion Technology社製)を用いて、含水ケイ酸の1次凝集体の直径の最頻値Aac(nm)を測定した。
(2)CTABの測定
ASTM D3765−92記載の方法に準拠して実施した。ASTM D3765−92記載の方法は、カーボンブラックのCTABを測定する方法であるので、若干の修正を加えた。すなわち、カーボンブラックの標準品であるIRB#3(83.0m/g)を使用せず、別途セチルトリメチルアンムニウムブロミド(以下、CE−TRABと略記する)標準液を調製し、これによって含水ケイ酸OT(ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム)溶液の標定を行い、含水ケイ酸表面に対するCE−TRAB1分子当たりの吸着断面積を0.35nmとしてCE−TRABの吸着量から、比表面積(m/g)を算出した。これは、カーボンブラックと含水ケイ酸とでは表面が異なるので、同一表面積でもCE−TRABの吸着量に違いがあると考えられるからである。
(3)加熱減量及び灼熱減量の測定
含水ケイ酸サンプルを秤量し、加熱減量の場合は105±2℃でサンプルを2時間加熱し、灼熱減量の場合は750±25℃でサンプルを3時間加熱した後、質量を測定し、加熱前のサンプル質量との差を加熱前の質量に対して%で表した。
3.加工性
JIS K6300−1994に従い、Lローターを使用して、予熱1分、ローター作動時間4分、温度130℃の条件でムーニー粘度(ML1+4、130℃)を測定し、比較例1を100として指数で表示した。この数値が大きい程、加工性が悪い。
4.転がり抵抗(低発熱性)
粘弾性スペクトロメーター(東洋精機株式会社製)を使用し、温度60℃、歪1%、周波数50Hzでtanδ(動的損失)を測定した。(比較例1のtanδ/実施例のtanδ)×100として指数で表示した。この数値が小さい程、低発熱性に優れる。
5.耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用い、JIS K6264に従い、室温におけるスリップ率60%の摩耗量を測定し、摩耗量の逆数を比較例1を100として指数で表示した。この数値が大きい程、耐摩耗性が良好である。
6.耐久性
破壊強度(TB)を、JIS K6301−1995に従って測定する。比較例1を100として指数化し評価する。指数が大きいほど耐久性が良好である。
製造例1(低分子量の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体の製造)
重量平均分子量8万の液状芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B−1)は、以下のように製造することができる。
乾燥し、窒素置換された800mLの耐圧ガラス容器に、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(16%)、スチレンのシクロヘキサン溶液(21%)をブタジエン単量体37.5g、スチレン単量体12.5gとなるように注入し、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.66ミリモルを注入し、これに、n−ブチルリチウム(BuLi)1.32ミリモルを加えた後、50℃の温水浴中で1.5時間重合する。重合転化率はほぼ100%である。
この後、重合系に、更に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5重量%溶液0.5mLを添加し、反応を停止させる。その後、常法に従い乾燥することにより、重合体を得る。
得られた共重合体は、重量平均分子量8万、25質量%のスチレンからなり、ブタジエンの部分のビニル結合量は65質量%である。
同様にして、重量平均分子量4千、9千、1万2千、2万5千、4万、6万、12万、18万及び22万で、25質量%のスチレンからなり、ブタジエンの部分のビニル結合量は65質量%の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体B−2〜B−10を用意した。
含水ケイ酸の製造
製造例A
攪拌機を備えた容量180Lのジャケット付ステンレス製反応槽に、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液(SiO 160g/L、SiO/NaOモル比3.3)0.6Lを入れ96℃に加熱した。得られた溶液中のNaO濃度は、0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を96℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNaO濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、47分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を96℃に30分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。得られたケイ酸スラリーをフィルタープレスで濾過、水洗を行なって湿潤ケーキを得た。次いで、湿潤ケーキを乳化装置を用いてスラリーとして、噴霧式乾燥機で乾燥して湿式法含水ケイ酸Aを得た。
製造例B
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、90℃に加熱した。得られた溶液中のNaO濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を90℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNaO濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から白濁をはじめ、47分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を90℃に30分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Bを得た。
製造例C
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水93Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.6Lを入れ、65℃に加熱した。得られた溶液中のNaO濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を65℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を540ml/分、硫酸(18mol/L)を24ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNaO濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、50分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を65℃に60分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は55g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Cを得た。
製造例D
製造例Aと同じ容器および原料を使用し、水86Lとケイ酸ナトリウム水溶液0.5Lを入れ、96℃に加熱した。得られた溶液中のNaO濃度は0.005mol/Lであった。
この溶液の温度を96℃に維持しながら、上記と同じケイ酸ナトリウム水溶液を615ml/分、硫酸(18mol/L)を27ml/分の流量で同時に滴下した。流量を調整しながら、反応溶液中のNaO濃度を0.00〜0.01mol/Lの範囲に維持して中和反応を行なった。反応途中から反応溶液は白濁をはじめ、40分目に粘度が上昇してゲル状溶液となった。さらに添加を続けて90分で反応を停止した。反応停止後、反応液温度を96℃に30分間維持した。生じた溶液中のシリカ濃度は62g/Lであった。引き続いて、上記濃度の硫酸を溶液のpHが3になるまで添加してケイ酸スラリーを得た。以下製造例Aと同様な方法で湿式法含水ケイ酸Dを得た。
実施例1〜13及び比較例1〜5
実施例として、低分子量の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体B−1〜B−10と製造例A〜Dで得られた含水ケイ酸A〜Dを用いたゴム組成物、比較例として低分子量の芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体を用いないか、又はB−1を用い、シリカとして含水ケイ酸C又はD、あるいは東ソー・シリカ社製Nipsil AQ又はDegussa社製ULTRASIL VN2を用いて、第1、2表に示す配合処方に基づきトレッド配合及びサイド配合の各成分を常法により混練りし、ゴム組成物を調製した。
Figure 0005734187


1)SBR#1500〔JSR社製〕
2)BR150L〔宇部興産社製〕
3)低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体B−1〜B−10
4)シーストKH(N339)〔東海カーボン社製〕
5)含水ケイ酸の製造例A〜D又は市販のシリカ
6)シランカップリング剤Si75(一分子中のSの数が平均2.4であるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド)〔Degussa社製〕
7)N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン
8)ジフェニルグアニジン
9)N−t−ブチル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド
Figure 0005734187


1)RSS#3グレードの天然ゴム
2)BR150L〔宇部興産社製〕
3)低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体B−1〜B−10
4)旭#70〔旭カーボン社製〕
5)含水ケイ酸の製造例A〜D又は市販のシリカ
6)シランカップリング剤Si75(一分子中のSの数が平均2.4であるビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド)〔Degussa社製〕
7)2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体
8)ジベンゾチアジルジスルフィド
9)N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
各実施例、比較例において、ゴム組成物を160℃、15分間の条件で加硫し、加硫ゴムの加工性、低発熱性及び耐摩耗性又は耐久性を評価した。その結果を使用した含水ケイ酸の物性と共に表3及び4に示す。
Figure 0005734187
Figure 0005734187
表3、4の結果から低分子量芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体B−1〜B−10のいずれかと含水ケイ酸A〜Dのいずれかとを組合わせて用いたゴム組成物は、低発熱性と耐摩耗性、耐久性がバランスよく向上して、その上加工性がよいゴム組成物であることが分かる。
表3、4から実施例で用いた含水ケイ酸A〜Dの音響式粒度分布径Aacは、式:−0.76×(CTAB)+274で求めた値より大きいのに対して、比較例で使用した市販のシリカは、Aacが小さいことが分かる。また、表3、4から含水ケイ酸A〜Dは、灼熱減量と加熱減量の差が前記式(II)をも満たしている。

Claims (15)

  1. 天然ゴム及び合成ジエン系ゴムの少なくとも1つからなるゴム成分(A)100質量部に対して、重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算)4千〜25万を有する芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)で、芳香族ビニル化合物が0超〜80質量%以下からなり、ジエン化合物部分のビニル結合が0〜80質量%である該共重合体(B)5〜60質量部含んでなるゴム成分と含水ケイ酸を配合したゴム組成物であって、含水ケイ酸が含水ケイ酸のセチルトリメチルアンモニウムブロミド吸着比表面積(CTAB)(m/g)と音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の直径の最頻値Aac(nm)とが下記式(I)
    ac≧−0.76×(CTAB)+274・・・(I)
    を満たす含水ケイ酸であるゴム組成物を用いることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 含水ケイ酸が、その灼熱減量(750℃で3時間加熱した時の質量減少%)と加熱減量(105℃で2時間加熱した時の質量減少%)とが下記式(II)
    (灼熱減量)−(加熱減量)≦3・・・(II)
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 含水ケイ酸が、音響式粒度分布測定によって求められる一次凝集体の直径の最頻値が1μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 含水ケイ酸が、CTABが50〜250m/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  5. ゴム成分(A)100質量部に対して含水ケイ酸を10〜150質量部を配合してなる請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  6. シランカップリング剤を含水ケイ酸の配合量の1〜20質量%配合したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  7. シランカップリング剤が、下記一般式(III)で表される化合物:
    3−mSi−(CH−S−(CH−SiA3−m・・・(III)
    [式中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]、
    下記一般式(IV)で表される化合物:
    3−mSi−(CH−Y・・・(IV)
    [式中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Yはメルカプト基、ビニル基、アミノ基、グリシドキシ基又はエポキシ基であり、mは1〜3の整数、cは0〜9の整数である。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
    および下記一般式(V)で表される化合物:
    3−mSi−(CH−S−Z・・・(V)
    [式中、AはC2n+1O(nは1〜3の整数)又は塩素原子であり、Bは炭素数1〜3のアルキル基であり、Zはベンゾチアゾリル基、N,N−ジメチルチオカルバモイル基又はメタクリロイル基であり、mは1〜3の整数、aは1〜9の整数、bは1以上の整数で分布を有していてもよい。但し、mが1の時、2つのBは同一でも異なってもよく、mが2又は3の時、2つ又は3つのAは同一でも異なってもよい。]
    からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項6に記載の空気入りタイヤ。
  8. 補強用充填剤としてカーボンブラックをゴム成分(A)100質量部に対して80質量部以下含有し、カーボンブラックと含水ケイ酸との総配合量が120質量部以下であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算)が1万〜20万である請求項1〜8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  10. 芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算)が3万〜15万である請求項9に記載の空気入りタイヤ。
  11. 芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算)が5万〜15万である請求項10に記載の空気入りタイヤ。
  12. 芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)が、芳香族ビニル化合物が0超〜60質量%以下からなり、ジエン化合物部分のビニル結合が0〜80質量%であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  13. 芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)が、芳香族ビニル化合物が0超〜50質量%以下からなり、ジエン化合物部分のビニル結合が0〜70質量%であることを特徴とする請求項12に記載の空気入りタイヤ。
  14. 芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)の芳香族ビニル化合物がスチレンであることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
  15. 芳香族ビニル化合物−ジエン化合物共重合体(B)のジエン化合物がブタジエンであることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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