JP4272289B2 - タイヤトレッド用ゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シランカップリング剤を用いてシリカを配合したタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。さらに詳しくは、機械的特性、転がり摩擦抵抗特性(燃費特性)、耐摩耗性にとくに優れたタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、ゴム用補強充填剤としては、カーボンブラックが使用されている。これは、カーボンブラックが他の充填剤に比べ、高い補強性と優れた耐摩耗性とを有するためである。
【0003】
しかし、近年、自動車に対する安全性および低燃費性への要求にともなって、タイヤ用ゴム材料において、互い二律背反の関係にあるウェットスキッド特性、燃費特性、耐摩耗性の同時改良が望まれるようになってきている。
【0004】
従来から、このような二律背反の問題を解決する方法としては、低発熱化充填剤としてシリカを使用する方法などが知られている。
【0005】
しかしながら、シリカは、その表面官能基であるシラノール基の水素結合により粒子同士が凝集する傾向にあり、ゴム中へのシリカ粒子の分散が不充分となるため、ゴム組成物のムーニー粘度が高くなり、押し出しなどの加工性に劣るなどの問題を生じる。これらの問題を解決するために、各種シランカップリング剤も開発されているが、シランカップリング剤系補強剤によってもゴム組成物の作業性および加工性を高水準なものとするにはなお不充分である。
【0006】
たとえば特開平7−1908号公報、特開平7−3078号公報には、乳化重合で製造された中〜高スチレン含量のスチレン−ブタジエンゴム、シリカおよびシランカップリング剤を含有するゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤが、特開平8−333481号公報、特開平8−333484号公報には、乳化重合スチレン−ブタジエンゴムと溶液重合スチレン−ブタジエンゴムとを少なくとも1種含み、シリカまたはシリカとカーボンブラックの2種およびシランカップリング剤を含有するゴム組成物が、さらに特開平9−59433号公報には、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、カーボンブラック、シリカおよびシランカップリング剤を含有するゴム組成物が開示されているが、これらはいずれもシリカとゴム成分との相溶性が低く、シリカの分散が不充分となり、その結果、耐熱性、耐摩耗性などが不充分である。
【0007】
また、溶液重合ゴムにシリカを配合した場合には、シリカやシランカップリング剤を用いることによる効果をある程度得ることができるが、乳化重合ゴムにシリカを配合した場合には、その効果は小さくなる。
【0008】
乳化重合ゴムには、乳化重合用試薬として重合開始剤や乳化剤、重合調整剤、pH調整剤、重合停止剤などが使用されており、とくにこれらの中の乳化剤の一部がシランカップリング剤とシリカとの反応を阻害し、加硫ゴム組成物の耐熱性、耐摩耗性などに悪影響を与えていると考えられる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記諸問題を改善すべく鋭意検討した結果、乳化剤などの乳化重合用試薬などの成分をアセトン抽出法により求められるアセトン抽出分が2.5重量%(以下、%という)以下にまで取り除いた乳化重合ゴムは、シリカの分散が良好であるだけでなく、低発熱性、耐摩耗性の双方に優れた特性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、アセトン抽出法により求められるアセトン抽出分が0.5〜2.5%の乳化重合ゴムを含有するゴム成分100重量部に対し、シリカ5〜100重量部(以下、部という)およびシリカ重量に対して2〜20%のシランカップリング剤を含有するタイヤトレッド用ゴム組成物に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるゴム成分としては、乳化重合ゴムを単独で、または溶液重合ゴムや天然ゴム(NR)とブレンドして使用することができる。乳化重合ゴムは、引張り強度、耐摩耗性の点で溶液重合ゴムよりも好ましい。ブレンドする場合の溶液重合ゴムの比率としては、乳化重合ゴムを用いることによる効果を充分に得る点から、全ゴム成分中の20%以下、さらには10%以下であるのが好ましい。また、50%以下、さらには30%以下のNRとのブレンドが好ましい。
【0012】
前記乳化重合ゴムとしては、たとえば乳化重合により得られるスチレン−ブタジエンゴム(E−SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(E−NBR)、クロロプレン系ラテックスなどがあげられる。これらのうちでは、グリップ特性、耐摩耗性の点から、E−SBRが好ましい。
【0013】
前記溶液重合ゴムとしては、たとえば溶液重合により得られるスチレン−ブタジエンゴム(S−SBR)、シス−1,4−ポリイソプレン、低シス−1,4−ポリブタジエン、高シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)などがあげられる。これらのうちでは、グリップ特性と耐摩耗性の点から、S−SBR、シス−1,4−ポリイソプレン、低シス−1,4−ポリブタジエン、高シス−1,4−ポリブタジエンが好ましい。
【0014】
前記乳化重合ゴムは、水系重合媒体中で、適した乳化重合用試薬を用いて合成される。このような乳化重合法は、当業者には周知である。また、前記溶液重合ゴムは、炭化水素などの溶媒中で、適した溶液重合用試薬(有機リチウム化合物など)用いて合成される。このような溶液重合法は当業者には周知である。
【0015】
本発明に用いられる乳化重合ゴムは、アセトン抽出法により求められるアセトン抽出分(主にゴム中に残存している乳化重合用試薬、以下、単にアセトン抽出分ともいう)を2.5%以下にまで除去してなるものである。乳化重合ゴム、シリカおよびシランカップリング剤を配合したゴム組成物において、基材ゴム中のアセトン抽出分を2.5%以下にすることにより、シリカとゴムとの相溶性が高められ、耐摩耗性、低燃費性、ウェット性能に優れたゴム組成物を得ることができる。アセトン抽出分が2.5%をこえると、シリカとシランカップリング剤との反応が抑制され、シリカの凝集を促進し、加工性、物性に問題が生じるため好ましくない。また、乳化重合用試薬の中には脂肪酸セッケンのように物性を阻害する試薬もあるがロジン酸カリウムのように物性に好影響を与える試薬もある。したがって物性を阻害する試薬をある程度除去でき、かつ好影響を与える試薬をある程度残すという点、シリカの分散効果という点から、アセトン抽出分は0.5〜2.5%、さらには1〜2.5%が好ましい。
【0016】
なお、乳化重合ゴム中のアセトン抽出分とは、JIS K6350に準じてアセトン抽出法により求めらるアセトン抽出分(%)をいう。
【0017】
具体的には、試料(アセトン抽出前の乳化重合ゴム)約2gを1mgまで正しく計りとり、ろ紙に包むか、または円筒ろ紙に入れ、これをクネフレル形またはコットル形の抽出装置のサイホンカップ中に置き、また、あらかじめ計量した抽出フラスコにアセトン約50mlを入れ、全装置を組み立てて加熱しながら抽出を行なう。加熱はサイホンカップ中のアセトンが約3分ごとに落下更新するように調節し、抽出時間は連続48時間とする。
【0018】
抽出後、抽出液を水浴上で加熱し、アセトン留去したのち、直ちに70±5℃の空気浴中で約2時間乾燥し、放冷後、抽出物の質量を計り、式:
EA = E/S × 100
(EAはアセトン抽出分(%)、Eはアセトン抽出物の質量(g)、Sは試料の質量(g)を示す)
によりアセトン抽出分を算出する。
【0019】
なお、ゴム成分がオイルを含有する油展ポリマー(OEP)である場合には、アセトン抽出物にはオイルも含まれるが、アセトン抽出分EAには該オイルは含めない。したがって油展ポリマーの場合には、実際のアセトン抽出物からオイルを除いた量をアセトン抽出物Eとして、該アセトン抽出物Eと抽出残査(アセトン抽出後のゴム成分)との合計量を試料の質量Sとして前記式により計算すればよい。
【0020】
前記アセトン抽出分に主に含まれる乳化重合用試薬とは、具体的には、乳化剤、重合開始剤、重合調整剤(反応の連鎖移動剤)、pH調整剤、重合停止剤などのうちアセトン抽出可能なものをいう。
【0021】
前記乳化剤は、乳化重合用試薬としてもっとも多く含まれ、ゴム組成物の物性への影響も大きいと考えられる成分であり、たとえば脂肪酸セッケン、ロジン酸セッケンあるいはこれらの組み合わせ(混合セッケン)などがあげられる。
【0022】
前記重合開始剤としては、ホットラバーの場合には、たとえば過硫酸カリウムなど、コールドラバーの場合には、たとえば酸化剤と還元剤とを併用するレドックス系重合開始剤などがあげられる。
【0023】
前記酸化剤としては、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、メタンヒドロペルオキシドなどのヒドロペルオキシド、前記還元剤としては、2価の鉄(たとえば硫酸鉄)、テトラエチレンペンタミンやその他のポリアミンなどがあげられる。また、エチレンジアミンテトラアセチックアシッドテトラNa塩(EDTA−Na)などが反応時間短縮のため少量添加される。
【0024】
前記重合調整剤は、分子量調整剤として作用するものであり、ホットラバーの場合には、たとえばn−ドデシルメルカプタンなど、コールドラバーの場合には、たとえば第3級ドデシルメルカプタン、混合第3級メルカプタン(炭素数14、16および18のものの混合物)などがあげられる。
【0025】
前記pH調整剤は、pH調整の緩衝剤、反応促進剤として、また、ラテックス粘度をさげ、ゲル化を防ぐなどのために使用される電解質成分をいい、たとえば苛性アルカリ、リン酸ナトリウム、硫酸カリウムなどがあげられる。
【0026】
前記重合停止剤としては、たとえば第3級ブチルヒドロキノン、ジニトロクロロベンゼン、ヒドロキノンと水、ジメチルジチオカルバミン酸塩、多硫化ナトリウム、ポリエチレンポリアミンなどがあげられる。
【0027】
本発明に使用できるシリカとしては、とくに制限はないが、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などがあげられ、湿式法シリカが好ましい。湿式法シリカの好適例としては、デグッサ社製Ultrasil VN3(商品名)、日本シリカ社製ニップシールVN3 AQ(商品名)などがあげられる。
【0028】
前記シリカの配合量は、前記ゴム成分100部に対し、5〜100部である。シリカの配合が5部未満になると、補強効果が小さくなり、100部をこえると、発熱性が増大し作業性が低下するため好ましくない。低発熱性と作業性の両面から、シリカの配合量は、さらには10〜85部が好ましい。
【0029】
本発明に使用できるシランカップリング剤としては、従来からシリカ充填剤と併用される任意のシランカップリンク剤でよい。具体的には、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−ニトロプロピルトリメトキシシラン、3−ニトロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、2−クロロエチルトリメトキシシラン、2−クロロエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィドなどがあげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちではカップリング剤添加効果とコストの両立の点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドなどが好ましい。
【0030】
前記シランカップリング剤は、シリカ重量に対し、2〜20%配合される。シランカップリング剤の配合量が2%未満になると、カップリング効果が小さくなり、20%をこえると、コストがあがる割にカップリング効果が小さく好ましくない。カップリング効果と分散効果との両面から、シランカップリング剤の配合量は、さらには4〜15%が好ましい。
【0031】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、充填剤の分散性、補強効果をさらに高めるために、さらにカーボンブラックを配合してもよい。
【0032】
前記カーボンブラックとしては、窒素吸着比表面積(以下、N2SAともいう)が30〜250m2/g、さらには50〜200m2/gで、圧縮ジブチルフタレート吸油量(以下、24M4DBP吸油量ともいう)が30〜150ml/100g、さらには50〜150ml/100gの範囲のものが好ましい。N2SAおよび24M4DBP吸油量が、各々の下限値より小さい場合には、分散性改良効果や補強効果が小さくなる傾向が生じ、また上限値をこえる場合には、分散性がわるくなり、発熱性が増大する傾向が生じる。
【0033】
前記カーボンブラックの例としては、HAF、ISAF、SAFなどがあげられるが、とくに限定されるものではない。
【0034】
前記カーボンブラックの配合量は、前記ゴム成分100部に対し、80部以下であることが好ましい。カーボンブラックの配合量が80部をこえると、発熱性が増大する傾向が生じる。補強性および低発熱性の両面から、カーボンブラックの配合量は、さらには25〜60部が好ましい。
【0035】
本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物は、さらにシリカおよびカーボンブラック以外の無機充填剤を含んでいてもよい。シリカおよびカーボンブラック以外の無機充填剤としては、クレー、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、アルミナなどがあげられる。
【0036】
なお、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物には、必要に応じて、軟化剤、老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤などの通常ゴム工業で使用される配合剤を適宜配合してもよい。得られたタイヤトレッド用ゴム組成物は、機械的特性、燃費特性および耐摩耗性に優れ、タイヤのトレッドとして好適に用いることができる。
【0037】
【実施例】
つぎに、本発明のタイヤトレッド用ゴム組成物を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0038】
なお、実施例および比較例で用いた原料および各特性の試験方法を以下にまとめて示す。
【0039】
ポリマー1:2リットルのガラス製セパラブルフラスコに乳化重合スチレン−ブタジエンゴム(日本合成ゴム(株)製のSBR1502(商品名)(スチレン含量23.5%))100gとトルエン1.0リットルを入れ、撹拌下に60℃に昇温して前記スチレン−ブタジエンゴムを完全に溶解させた。完全に溶解後、室温に冷却して、該スチレン−ブタジエンゴムのトルエン溶液を250メッシュの金網で濾過し、メタノール1.5リットルを加えてゴム成分を沈殿させた。そののち再度トルエンによる溶解、メタノールによる沈殿の操作を行ない、合計4回繰り返して乳化重合スチレン−ブタジエンゴムに含まれていた乳化重合用試薬などの成分を抽出し、酸化防止剤としてテトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(日本チバガイギー社製のIrganox1010(商品名))をスチレン−ブタジエンゴムに対して1000ppmになるように練り混んだ。そののち100℃で1時間乾燥させてポリマー1を得た。ポリマー1に含まれるアセトン抽出分をJIS K6350に準じてアセトン抽出法により求めたところ、アセトン抽出分は0.5%であった。
ポリマー2:再沈殿の回数を合計3回にした以外はポリマー1と同様にしてポリマー2を得た。アセトン抽出分は1.5%であった。
ポリマー3:再沈殿の回数を合計2回にした以外はポリマー1と同様にしてポリマー3を得た。アセトン抽出分は2.5%であった。
ポリマー4:再沈殿の回数を合計1回にした以外はポリマー1と同様にしてポリマー4を得た。アセトン抽出分は5.0%であった。
NR:天然ゴム
SBR1502:日本合成ゴム(株)製のSBR1502(乳化重合ゴム、スチレン含量23.5%)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(化学名:ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(化学名:N−(1,3−ジメチルブチル)−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン)
加硫促進剤A:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(化学名:N−tert−ブチル−2−ベンゾチアジル・スルフェンアミド)
加硫促進剤B:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(化学名:N,N′−ジフェニル・グアニジン)
【0040】
(引張試験)
JIS K6301に準拠して、M300、TBおよびEBを測定した。
【0041】
(摩耗試験)
ランボーン摩耗試験機により、温度20℃、スリップ率20%、試験時間5分間の条件でランボーン摩耗量を測定した。
【0042】
各配合の容積損失を計算し、比較例1の損失量を100とし、式:
ランボーン摩耗指数={比較例1の損失量/各配合の損失量}×100
で指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性が優れる。
【0043】
(転がり抵抗試験)
粘弾性スペクトロメーター VES((株)岩本製作所製)により、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件で各配合のtanδを測定し、比較例1のtanδを100とし、式:
転がり抵抗指数={比較例1のtanδ/各配合のtanδ}×100
で指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗特性に優れる。
【0044】
(ウェットスキッド試験)
スタンレー社製のポータブルスキッドテスターを用いてASTM E303−83の方法にしたがってウェットスキッド抵抗を測定し、式:
ウェットスキッド指数={各配合の測定値/比較例1の測定値}×100
で指数表示した。指数が大きいほどウェットスキッド性能が優れる。
【0045】
実施例1〜4および比較例1〜2
硫黄、加硫促進剤Aおよび加硫促進剤B以外の表1に示す原料を表1に示す組成になるように配合し、120〜180℃で3〜5分間BR型バンバリーミキサーで混練りした。ついで50℃で硫黄、加硫促進剤Aおよび加硫促進剤Bを表1に示す組成になるように配合して10分間オープンロールで混練りし、タイヤトレッド用グリーンゴム組成物を得た。グリーンゴム組成物は140〜170℃で10〜40分間プレス加硫して加硫物を得、該加硫物を用いて各試験を行なった。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、乳化重合ゴムとシリカとの相溶性が高められることにより、機械的特性、耐摩耗性、低燃費性およびウェット性能に優れたゴム組成物を得ることができる。
Claims (2)
- アセトン抽出法により求められるアセトン抽出分が0.5〜2.5重量%の乳化重合ゴムを含有するゴム成分100重量部に対し、シリカ5〜100重量部およびシリカ重量に対して2〜20重量%のシランカップリング剤を含有するタイヤトレッド用ゴム組成物。
- 前記アセトン抽出分が1〜2.5重量%である請求項1記載のタイヤトレッド用ゴム組成物。
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