JP5733474B2 - アルミニウム精製装置およびアルミニウム精製方法 - Google Patents

アルミニウム精製装置およびアルミニウム精製方法 Download PDF

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    • B22D1/00Treatment of fused masses in the ladle or the supply runners before casting
    • B22D1/002Treatment with gases

Description

本発明は、アルミニウム精製装置およびアルミニウム精製方法に関する。
偏析凝固法を利用したアルミニウム精製方法が特許文献1などに開示されている。特許文献1に開示された精製方法は、Fe、Si、包晶系元素その他の不可避的含有元素を不純物として含むアルミニウムまたはアルミニウム合金(以下「原料アルミニウム」という。)を精製する方法であって、溶湯を収容した容器の上部付近を局部的に冷却してアルミニウムの初晶粒子を晶出させる部分冷却過程と、容器内面に晶出した初晶粒子を剥ぎ落として容器下部に沈積させるとともに、沈積した初晶粒子の堆積物を押し固めてアルミニウムの結晶を成長させる結晶成長過程と、不純物を含む溶湯を容器から排出する溶湯排出過程とを含むものである。
なお、特許文献1には、上記精製方法を実施可能な精製装置として、原料アルミニウムの溶湯を収容する有底の容器と、容器を加熱する加熱手段と、容器の内面の一部(以下「晶出面」という。)を冷却する冷却手段と、晶出面に晶出した初晶粒子を剥離させる初晶剥離手段とを備える精製装置が開示されている。冷却手段は、容器の外面に接する管路と、管路に冷却用気体を通流させる冷却用設備(送風ブロワーなど)とを備えていて、管路内を通流する冷却用気体で管壁の熱を奪うことにより容器の一部分を冷却している。
特開2002−155322号公報
この種のアルミニウム精製方法では、晶出面を冷却する一方で、容器の上部等において溶湯の凝固が進行しないように容器の適所を加熱する必要があるので、晶出面を初晶点未満の温度に冷却するまでに時間を要してしまう。
また、この種のアルミニウム精製方法では、堆積物を底部および側面から加熱し、堆積物の高さ位置に応じて適切な温度調整を行っている。堆積物の上端が晶出面から十分に離れていれば、堆積物を加熱した影響が晶出面に及ぶことはないが、堆積物(アルミニウム結晶)の厚みが増して再溶融させる位置(加熱位置)が晶出面に近づくと、晶出面の温度が下がり難くなるとともに、初晶点未満となる領域が狭まるので、晶出量が減少する虞がある。
特許文献1の精製装置あるいは精製方法によれば、高純度のアルミニウムを得ることができるものの、上記の問題を解決するための対策が講じられていないので、精製時間の長期化や歩留まりの悪化を招く虞がある。
このような観点から、本発明は、精製時間の短縮や歩留まりの向上を図ることが可能なアルミニウム精製装置およびアルミニウム精製方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決する本発明に係るアルミニウム精製装置は、原料アルミニウムの溶湯を収容する有底の容器と、前記容器を加熱する加熱手段と、前記容器の一部を冷却する冷却手段と、前記容器の内面に晶出した初晶粒子を剥離させる初晶剥離手段と、を備えるアルミニウム精製装置であって、前記冷却手段は、冷却用気体が通流する気体流路を有し、前記気体流路は、前記容器の外面に沿って配置された環状流路部の内部空間に形成されており、前記環状流路部は、前記容器の外面に対向する少なくとも一つの直接冷却用開口を有することを特徴とする。
本発明に係るアルミニウム精製装置では、環状流路部に設けた直接冷却用開口を通じて容器の外面が気体流路に露出しているので、冷却用気体が容器の外面に直接当たるようになる。つまり、本発明によれば、直接冷却用開口を通じて容器の熱を直接奪うことができるので、直接冷却用開口を設けない場合に比べて冷却効率を高めることが可能となり、ひいては、容器の内面の一部(以下「晶出面」という。)を初晶点未満の温度に冷却するまでに要する時間(初晶粒子が晶出するまでの時間)を短縮することが可能となる。また、冷却効率が高まると、環状流路部の近傍を加熱した場合であっても、晶出面の温度が上昇し難くなる(初晶点未満となる領域が狭まり難くなる)ので、晶出量が減少し難くなる。
気体流路の下流側へ向かうに従って冷却用気体の温度が上昇するので、気体流路の上流側と下流側とで冷却効率に差が生じ、晶出量に偏りが生じる虞がある。晶出量の偏りを小さくしたい場合には、前記気体流路を、上下方向に並ぶ複数の分割通路に区分けし、一の前記分割通路とこれに隣接する他の前記分割通路とで冷却用気体の通流方向を逆向きにするとよい。このようにすると、晶出面の温度のばらつきが小さくなるので、晶出量に偏りが生じ難くなる。
なお、最上段および最下段の前記分割通路に前記直接冷却用開口を連通させると、晶出面の上縁部および下縁部においても冷却効率を高めることができるが、その一方で、加熱手段に掛かる負荷が大きくなる虞がある。このような場合には、最上段および最下段の前記分割通路以外の前記分割通路に前記直接冷却用開口を連通させるとよい。このようにすると、環状流路部に近接した領域における温度の低下が抑制されるので、加熱手段に掛かる負荷を小さくすることが可能となる。
環状流路部に複数の直接冷却用開口を設ける場合には、冷却用気体の通流方向に等しい間隔をあけて並ぶ複数の矩形状領域を前記環状流路部の内周壁に設定し、複数の前記矩形状領域のそれぞれに、少なくとも一つの前記直接冷却用開口を形成するとよい。このようにすると、直接冷却用開口が規則的に配置されるようになるので、晶出面の温度のばらつきが小さくなり、ひいては、晶出量に偏りが生じ難くなる。
直接冷却用開口の開口面積の合計値を大きくすると、冷却効率が高まる一方で加熱手段に掛かる負荷(電力等のエネルギー消費量)が大きくなる虞がある。加熱手段に余分な負荷を掛けないようにするためには、前記環状流路部の内周壁の表面積をPとし、前記直接冷却用開口の開口面積の合計値をQとしたときに、Q/(P+Q)の値が0.1以下となるように前記直接冷却用開口の開口面積を設定することが好ましい。なお、Q/(P+Q)の値が0.02以下となるように前記直接冷却用開口の開口面積を設定しておけば、晶出面に対する冷却効率を高めつつも加熱手段に余分な負荷を掛けずに済むので、好適である。
課題を解決する本発明に係るアルミニウム精製方法は、原料アルミニウムの溶湯を有底の容器に注ぐ注湯過程と、前記容器を囲むように配置した環状流路部の内部空間に冷却用気体を通流させることで前記容器の内面の一部を初晶点未満の温度に冷却する部分冷却過程と、前記容器の内面に晶出した初晶粒子を剥ぎ落として前記容器の下部に沈積させるとともに、沈積した初晶粒子の堆積物を押し固めてアルミニウムの結晶を成長させる結晶成長過程と、前記溶湯を容器から排出する溶湯排出過程とを含むアルミニウム精製方法であって、前記環状流路部の内周壁に直接冷却用開口を設けるとともに、前記環状流路部の内周壁の表面積をPとし、前記直接冷却用開口の開口面積の合計値をQとしたときに、Q/(P+Q)の値を0.1以下とし、前記部分冷却過程では、前記環状流路部の内部空間を通流する冷却用気体の少なくとも一部を、前記直接冷却用開口から前記容器の外面に直接吹き付けることを特徴とする。
本発明によれば、冷却用気体を容器の外面に直に当てない場合に比べて、冷却効率を高めることが可能となる。つまり、本発明によれば、初晶粒子が晶出するまでの時間(容器の内面の一部を初晶点未満の温度に冷却するまでに要する時間)を短縮することができる。また、本発明によれば、環状流路部の近傍を加熱した場合であっても、晶出面の温度が上昇し難くなるので、晶出量が減少し難くなる。
前記溶湯排出過程では、前記容器の上下を反転させることで前記溶湯を前記容器から排出することが好ましい。このようにすると、容器内に残存する溶湯を速やかに排出することができ、かつ、溶湯と結晶とを容易に分離することができる。
なお、堆積物を押し固める際の圧力が4.0×104(Pa)を下回ると、初晶粒子間の隙間あるいは結晶間の隙間に存在する溶湯の押し出しが不十分になる虞があり、一方、1.1×105(Pa)を上回ると、アルミニウム精製装置が損傷する虞があるので、前記結晶成長過程では、4.0×104〜1.1×105(Pa)の圧力で、前記堆積物を押し固めることが好ましい。
包晶系元素を不純物として含む場合には、原料アルミニウムの溶湯に、ボロン(ホウ素)およびボロン含有化合物の少なくとも一方を添加するとともに酸化性気体含有ガスを吹き込み、当該溶湯の表面に浮上した包晶系元素または包晶系元素化合物を取り除く包晶系元素分離過程を行い、前記注湯過程では、当該包晶系元素分離過程で得られた溶湯を前記容器に注ぐとよい。このようにすると、溶湯中の包晶系元素の量を低減することが可能となる。
本発明によれば、精製時間の短縮や歩留まりの向上を図ることが可能となる。
本発明の実施形態に係るアルミニウム精製装置を示す断面図である 図1のX1−X1断面図である。 図1の部分拡大図である。 (a)は環状流路部の部分拡大図、(b)は環状流路部の側面図である。 (a)は図2のY1−Y1断面図、(b)は図2のY2−Y2断面図、(c)は図2のY3−Y3断面図である。 図1のX2−X2断面図である。 前処理装置を示す断面図である。 初晶粒子の晶出状況を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るアルミニウム精製装置の変形例である。
本発明の実施形態に係るアルミニウム精製方法は、原料アルミニウム(Fe、Si、包晶系元素その他の不可避的含有元素を不純物として含む原料アルミニウム)の溶湯から純度の高いアルミニウムを得るために実施されるものである。本実施形態に係るアルミニウム精製方法は、図1に示すアルミニウム精製装置1と、図7に示す前処理装置2とを利用して行う。
まず、アルミニウム精製装置1の構成を詳細に説明する。
アルミニウム精製装置1は、偏析現象を利用した分別結晶法によってアルミニウムの結晶を成長させる装置であって、図1に示すように、原料アルミニウムの溶湯(以下「原料溶湯M1」という。)を収容する容器10と、容器10を加熱する加熱手段20と、容器10の内面の一部(晶出面)を冷却する冷却手段30と、容器10の内面に晶出した初晶粒子PAlを剥離させる初晶剥離手段40と、容器10を覆う断熱材50とを備えている。
容器10は、有底円筒状の内側容器11と、内側容器11を覆う有底円筒状の外側容器12とを備えている。内側容器11は、黒鉛(グラファイト)等の耐熱素材からなり、外側容器12は、ステンレス鋼などの金属素材からなる。外側容器12の内面は、内側容器11の外面に接している。なお、外側容器12の開口端には、蓋(図示略)が取り付けられている。
加熱手段20は、容器10の周囲に配置されている。本実施形態の加熱手段20は、容器10の底部を加熱する下部ヒータ21と、容器10の下部から高さ方向の中間部に至る領域を加熱する複数段(本実施形態では四段)の中間部ヒータ22,22,…と、容器10の上部を加熱する上部ヒータ23とを備えている。下部ヒータ21、複数の中間部ヒータ22,22,…および上部ヒータ23は、個別に温度制御可能となるよう、互いに独立している。
下部ヒータ21は、容器10の底部を覆うように配置されている。中間部ヒータ22,22,…は、下部ヒータ21と冷却手段30との間の領域において容器10を囲むように配置されている。上部ヒータ23は、冷却手段30の上側の領域において容器10を囲むように配置されている。
冷却手段30は、冷却用気体が通流する気体流路3aと、気体流路3aに冷却用気体を通流させるための図示せぬ冷却用設備(例えば送風ブロワーなど)とを備えている。
本実施形態の冷却手段30は、図2に示すように、容器10の外面に沿って配置された環状流路部31と、図示せぬ吸気口から環状流路部31に至る第一給気部32および第二給気部33と、環状流路部31から図示せぬ排気口に至る排気部34とを備えている。気体流路3a(図1参照)は、環状流路部31、第一給気部32、第二給気部33および排気部34の内側(内部空間)に形成されている。
環状流路部31は、容器10を取り囲むように配置されている。環状流路部31は、ステンレス鋼材からなる。
図3に示すように、環状流路部31は、断面矩形の外殻(内周壁311、外周壁312、上壁313および下壁314)と、この外殻の内部空間を上下に仕切る仕切壁315とを備えている。すなわち、環状流路部31では、気体流路が上下方向に並ぶ複数の分割通路31a〜31fに区分けされている。なお、本実施形態では、分割通路31a〜31fの断面形状が矩形である場合を例示しているが、分割流路の断面形状を限定する趣旨ではない。図示は省略するが、分割流路の断面形状を円形としてもよい。この場合には、断面円形のステンレス鋼管を利用して各分割流路を形成すればよい。
なお、内周壁311は、容器10の外周面(外側容器12)に隙間をあけて対向する部位であり、外周壁312は、内周壁311と間隔をあけて対向する部位である。上壁313は、内周壁311の上部と外周壁312の上部とを繋ぐ部位であり、下壁314は、内周壁311の下部と外周壁312の下部とを繋ぐ部位である。なお、内周壁311を容器10の外周面に当接させてもよい。
仕切壁315は、気体流路(=環状流路部31の内部空間)を複数の分割流路31a〜31fに分割するための隔壁であり、上下に間隔をあけて複数並設されている。仕切壁315の数に制限はないが、気体流路の分割数が偶数となるよう、仕切壁315の数を奇数とすることが好ましい。
環状流路部31には、容器10の外面に対向する複数の直接冷却用開口3b,3b,…が形成されている。
直接冷却用開口3bは、容器10の外面に冷却用気体を直接吹き付けるために形成されたものであり、内周壁311を貫通する円形の孔からなる。直接冷却用開口3bの容器10側の開口端は、容器10の外面に隙間をあけて対向している。直接冷却用開口3bを円形の孔とする場合の開口直径は、例えば、1〜7mm程度に設定するとよい。なお、直接冷却用開口3bの形状に制限はない。図示は省略するが、多角形状を呈する孔や長孔を直接冷却用開口3bとしてもよいし、容器10の周方向に連続するスリットを直接冷却用開口3bとしてもよい。
直接冷却用開口3bは、最上段の分割流路31aおよび最下段の分割通路31f以外の分割通路31b〜31eに連通している。すなわち、中段の分割通路31b〜31eのそれぞれに直接冷却用開口3bが連通しており、最上段の分割流路31aおよび最下段の分割通路31fには直接冷却用開口3bが連通していない。
図4の(a)に示すように、中段の分割流路31bには、冷却用気体の通流方向(容器10の周方向)に間隔をあけて複数の直接冷却用開口3b,3b,…が連通している。なお、図示は省略するが、他の分割流路31c〜31eについても同様である。
本実施形態の環状流路部31は、冷却用気体の通流方向(容器10の周方向)に等しい間隔をあけて並ぶ複数の直接冷却領域3c,3c,…を有し、複数の直接冷却領域3c,3c,…のそれぞれに、少なくとも一つの直接冷却用開口3bが形成されている。図4の(b)に示すように、本実施形態では、一つの直接冷却領域3cにつき8個(分割通路31b〜31eのそれぞれに2個ずつ)の直接冷却用開口3bを配置する場合を例示しているが、直接冷却用開口3bの個数や配置を限定する趣旨ではない。なお、図4の(b)に示した矢印は、冷却用気体の通流方向を示している。
直接冷却用開口3bの開口面積および直接冷却用開口3bの数は、適宜設定することができるが、加熱手段20(図1参照)に余分な負荷を掛けないようにするためには、内周壁311の表面積(環状流路部31のうち、容器10に対向する面の面積)をPとし、直接冷却用開口3b,3b,…の開口面積の合計値をQとしたときに、Q/(P+Q)の値が0.1以下となることが好ましい。特に、Q/(P+Q)の値を0.02以下とすれば、晶出面の冷却効率を高めつつも加熱手段20に余分な負荷を掛けずに済むので、好適である。なお、円形の管材で環状流路部31を形成した場合は、管材の周壁のうち、管材の断面中心を通る鉛直面よりも容器10側に位置する部分(半割にした円筒状を呈する部分)が内周壁となる。
第一給気部32は、図5の(a)に示すように、吸気口(図示略)から延出する第一給気本管32aと、第一給気本管32aの下流端に接続された第一給気ヘッダー32bと、第一給気ヘッダー32bから環状流路部31に至る複数(本実施形態では三つ)の第一給気枝管32c,32c,32cとを備えている。第一給気ヘッダー32bは、気体流路3aの分岐箇所に配置された中空部材である。第一給気枝管32c,32c,32cの内部空間は、上から奇数段目の分割流路31a,31c,31e(最上段の分割流路31a、上から3段目の分割流路31cおよび上から5段目の分割流路31e)に連通している。すなわち、第一給気部32内の気体流路3aは、三つに分岐したうえで、分割流路31a,31c,31eに連通している。なお、図5中の矢印は、冷却用気体の通流方向を示している。
図6に示すように、環状流路部31と第一給気部32との接続部分には、ガイド壁316が設けられている。ガイド壁316は、第一給気部32から環状流路部31に導入された冷却用気体を一方向(図5では反時計回り)に通流させるための隔壁であり、環状流路部31の内部に設けられている。
第二給気部33は、図5の(b)に示すように、吸気口(図示略)から延出する第二給気本管33aと、第二給気本管33aの下流端に接続された第二給気ヘッダー33bと、第二給気ヘッダー33bから環状流路部31に至る複数(本実施形態では三つ)の第二給気枝管33c,33c,33cとを備えている。第二給気ヘッダー32bは、気体流路3aの分岐箇所に配置された中空部材である。第二給気枝管33c,33c,33cの内部空間は、上から偶数段目の分割流路31b,31d,31f(上から2段目の分割流路31b、上から4段目の分割流路31dおよび上から6段目(最下段)の分割流路31f)に連通している。すなわち、第二給気部33内の気体流路3aは、三つに分岐したうえで、分割流路31b,31d,31fに連通している。
図示は省略するが、環状流路部31と第二給気部33との接続部分には、ガイド壁が設けられている。このガイド壁は、第二給気部33から環状流路部31に導入された冷却用気体を一方向に通流させるための隔壁であり、環状流路部31の内部に設けられている。なお、本実施形態では、上から奇数段目の分割通路31a,31c,31eとこれらに隣接する偶数段目の分割通路31b,31d,31fとで冷却用気体の通流方向が逆向きとなるようにガイド壁を設けている。
排気部34は、図5の(c)に示すように、環状流路部31から延出する排気枝管34a,34a,…と、排気枝管34a,34a,…の下流端に接続された排気ヘッダー34bと、排気ヘッダー34bから図示せぬ排気口に至る排気本管34cとを備えている。排気ヘッダー34bは、排気枝管34a,34a,…の合流箇所に配置された中空部材である。排気枝管34a,34a,…の内部空間は、分割流路31a〜31fに連通している。
初晶剥離手段40は、図1に示すように、支持棒41と、支持棒41の下端に設けられた円板状の剥離押圧部42と、支持棒41および剥離押圧部42を上下動させる図示せぬ動力源とを備えている。支持棒41および剥離押圧部42は、黒鉛(グラファイト)等の耐熱素材からなる。
剥離押圧部42は、容器10の内径と同等の外径を有し、容器10の内周面を摺動する。剥離押圧部42には、通液孔42aが形成されている。通液孔42aは、剥離押圧部42を上下に貫通する貫通孔である。
断熱材50は、容器10の保温効果を高めるものであり、加熱手段20および環状流路部31を取り囲むように配置されている。断熱材50は、耐火性および断熱性を有する素材からなる。
次に、図7を参照して前処理装置2の構成を詳細に説明する。
前処理装置2は、包晶系元素を不純物として含む原料アルミニウムの溶湯(以下「原料溶湯M0」という。)に対して包晶系元素の量を低減させる処理を行う装置であって、原料溶湯M0を保持する坩堝60と、坩堝60内の原料溶湯M0にボロンおよびボロン含有化合物の少なくとも一方を添加するボロン添加手段70と、坩堝60内の原料溶湯M0に酸化性気体含有ガスを吹き込むガス吹込み手段80とを備えている。
坩堝60は、有底円筒状の容器である。坩堝60の内面は、黒鉛、不定形耐火物、耐火レンガ等の耐熱素材で覆われている。
ボロン添加手段70は、ボロンおよびボロン含有化合物の少なくとも一方を貯蔵する貯蔵容器71と、貯蔵容器71の底部から坩堝60に向かう投入管72と、投入管72を開閉する開閉弁73とを備えている。
ガス吹込み手段80は、回転支持管81と、回転支持管81の下端に設けられた攪拌翼82と、回転支持管81の上端部に接続された動力源83と、動力源83と回転支持管81との間に介設されたロータリジョイント84と、酸化性気体含有ガス(大気や炭酸ガス等)を蓄えるガス供給源85と、ガス供給源85からロータリジョイント84に至るガス供給管86と、ガス供給管86に設けられた圧力調整弁87とを備えている。
回転支持管81および攪拌翼82は、黒鉛(グラファイト)等の耐熱素材からなる。攪拌翼82には、回転支持管81と連通するガス吐出口82aが形成されている。
動力源83は、毎分0〜1200回転の回転速度で正逆回転可能なモータ等からなる。動力源83の出力軸は、ロータリジョイント84を介して回転支持管81の上端に接続されている。なお、回転支持管81および攪拌翼82を正逆回転させると、原料溶湯M0の表面を大きく乱すことなく原料溶湯M0を攪拌することができる。
ガス供給源85は、ロータリジョイント84およびガス供給管86を介して回転支持管81に連通している。ガス供給源85内の酸化性気体含有ガスは、ガス供給管86とロータリジョイント84と回転支持管81とを通り、ガス吐出口82aから原料溶湯M0中に吹き込まれる。酸化性気体含有ガスの気泡は、攪拌翼82により微細化されつつ拡散する。
次に、アルミニウム精製装置1(図1参照)および前処理装置2(図7参照)を利用したアルミニウム精製方法を説明する。なお、本実施形態では、Fe、Si、包晶系元素その他の不可避的含有元素を不純物として含む原料アルミニウムを精製する場合を例示する。
本実施形態に係るアルミニウム精製方法は、包晶系元素分離過程と、注湯過程と、部分冷却過程と、結晶成長過程と、溶湯排出過程とを含むものである。なお、包晶系元素分離過程は、前処理装置2で行い、部分冷却過程、結晶成長過程および溶湯排出過程は、アルミニウム精製装置1で行う。
包晶系元素分離過程は、図7に示すように、原料溶湯M0(Fe、Si、包晶系元素その他の不可避的含有元素を不純物として含む原料アルミニウムの溶湯)に、ボロンおよびボロン含有化合物の少なくとも一方を添加するとともに酸化性気体含有ガスを吹き込み、原料溶湯M0の表面に浮上した包晶系元素または包晶系元素化合物を取り除く過程である。
包晶系元素分離過程では、まず、所定量の原料溶湯M0を坩堝60に注湯する。次に、ボロン添加手段70により坩堝60内の原料溶湯M0にボロンおよびボロン含有化合物の少なくとも一方を添加し、さらに、攪拌翼82を所定の回転速度(例えば毎分400回転)で正逆回転させつつ原料溶湯M0に対してガス吐出口82aから酸化性気体含有ガスを吹き込む。酸化性気体含有ガスの吹き込みを所定時間継続したら、酸化性気体含有ガスの吹き込みを停止し、その後、原料溶湯M0の表面に浮上した包晶系元素ボライド吸着滓を掻き上げて分離し、排出する。包晶系元素分離過程を経ると、包晶系元素を殆ど含まない原料溶湯M1を得ることができる。
内径が800(mm)で内部高さが1000(mm)の坩堝60に、Ti(チタン)を30質量ppm、V(バナジウム)を50質量ppm含む原料溶湯1.0(t)を注湯し、ボロン母合金を1.3(kg)添加した後、酸化性気体含有ガスを80(l/min)の流量で20分間吹き込んだところ、アルミニウム溶湯中のTiは1質量ppmとなり、Vは1質量ppmとなった。ちなみに、酸化性気体含有ガスの代わりにアルゴンガスを吹き込む比較実験を行ったところ、アルミニウム溶湯中のTiは7質量ppmとなり、Vは23質量ppmとなった。
なお、上記試験におけるTiおよびVの除去速度は、下記式1に示す一次反応速度式で表され、除去速度係数kは、下記表1に示すとおりとなる。
C=C0-kt ・・・式1
ここで、
C:時間t分後の濃度(質量ppm)
0:初期濃度(質量ppm)
k:除去速度係数
t:反応時間(min)
Figure 0005733474
表1から分かるように、酸化性気体含有ガスを吹き込んだ場合のTiの除去速度定数kは、アルゴンガスを吹き込んだ場合の2.6倍となり、酸化性気体含有ガスを吹き込んだ場合のVの除去速度定数kは、アルゴンガスを吹き込んだ場合の5.5倍となる。酸化性気体含有ガスを吹き込んだ場合の除去速度定数kは、TiおよびVのいずれでもアルゴンガスの場合に比べて大きくなるので、所定時間(例えば20分)後のTi濃度および到達V濃度が非常に低くいものとなる。
包晶系元素を殆ど含まない原料溶湯M1が得られたら、アルミニウム精製装置1の容器10に原料溶湯M1を注ぎ(注湯過程)、図1に示すアルミニウム精製装置1において、部分冷却過程、結晶成長過程および溶湯排出過程を実行する。
なお、注湯過程は、初晶剥離手段40を取り外した状態で行う。初晶剥離手段40は、原料溶湯M1を容器10に注湯した後にセットする。また、容器10は、加熱手段20により加熱する。また、部分冷却過程および結晶成長過程は、アルゴン雰囲気下で行う。
部分冷却過程は、気体流路3aに冷却用気体を通流させることで容器10の内面の一部(以下「晶出面」という。)を初晶点未満の温度に冷却する過程である。部分冷却過程では、図3に示すように、分割流路3b〜3eを通流する冷却用気体の少なくとも一部が直接冷却用開口3b,3b,…を通じて容器10の外面に直接接触する。
図5および図6に示すように、冷却用気体は、第一給気部32および第二給気部33を通じて環状流路部31内の分割流路31a〜31fに供給され、分割流路31a〜31fを周回した後、排気部34を通じて排出される。分割流路31a〜31fに冷却用気体を通流させると、環状流路部31の内周壁311(図3参照)を介して容器10が間接的に冷却されるとともに、直接冷却用開口3b,3b,…から容器10の外周面に吹き付けられた冷却用気体によって容器10が直接的に冷却される。
なお、第一給気部32内を通流する冷却用気体は、三つに分岐して分割流路31a,31c,31eに供給され(図5の(a)参照)、分割流路31a,31c,31eを左周り(反時計周り)に周回し、第二給気部33内を通流する冷却用気体は、三つに分岐して分割流路31b,31d,31fに供給され(図5の(b)参照)、分割流路31b,31d,31fを右周り(時計周り)に周回する。すなわち、一の分割流路(上から奇数段目の分割流路31a,31c,31e)とこれらに隣接する他の分割流路(上から偶数段目の分割流路31b,31d,31f)とで冷却用気体の通流方向が逆向きになっている(図4の(b)参照)。このようにすると、分割流路31a〜31fのうち、分割通路31a,31c,31eの上流側(低温側)に残りの分割通路31b,31d,31fの下流側(高温側)が隣接して配置され、分割通路31a,31c,31eの下流側(高温側)に残りの分割通路31b,31d,31fの上流側(低温側)が隣接して配置されるようになるので、冷却用気体を一方向のみに通流させた場合に比べて、晶出面(容器10のうち、初晶点以下に冷却される帯状領域)の高さ(幅)のばらつきが小さくなり、さらには、晶出面における温度のばらつきも小さくなる。すなわち、晶出面の全周に亘って温度が均一化するようになる。
而して冷却用気体の通流を継続すると、環状流路部31に対応する容器10の内面の帯状領域(晶出面)の温度が共晶点と初晶点との間の温度範囲に維持されるようになる。晶出面の温度が初晶点を下回ると、晶出面にアルミニウムの初晶粒子PAlが晶出するようになる。なお、晶出面以外の部位で原料溶湯M1が凝固しないように、加熱手段20で容器10を適宜加熱する。
晶出面に初晶粒子PAlが晶出したら、結晶成長過程を実行する。
結晶成長過程は、図1に示すように、晶出面(容器10の内面)に晶出した初晶粒子PAlを剥ぎ落として容器10の下部に沈積させるとともに、沈積した初晶粒子PAlの堆積物CAlを押し固めてアルミニウムの結晶を成長させる過程である。結晶成長過程は、晶出面の下縁に堆積物CAlが近接するまで繰り返し実行する。結晶成長過程を実行している間も、冷却用気体による晶出面の冷却を継続する。
初晶粒子PAlを剥ぎ落とす場合には、初晶剥離手段40の剥離押圧部42を晶出面付近で周期的に上下させればよい。晶出面(環状流路部31)の上側から下側へ剥離押圧部42を移動させ、あるいは晶出面の下側から上側へ剥離押圧部42を移動させると、初晶粒子PAlが剥ぎ取られ、容器10の下部に沈積するようになる。剥離押圧部42を上下動させると、晶出面が周期的に更新されるようになるので、晶出速度が低下することはない。なお、剥ぎ取られた初晶粒子PAlの一部は、原料溶湯M1中を浮遊している間に結晶成長したうえで容器10の下部に沈積する。剥離押圧部42の上下は、通液孔42aを介して連通しているので、剥離押圧部42を下方向に移動させた際には、剥離押圧部42の下側の原料溶湯M1が通液孔42aを通じて剥離押圧部42の上側に流入し、剥離押圧部42を上方向に移動させた際には、剥離押圧部42の上側の原料溶湯M1が通液孔42aを通じて剥離押圧部42の下側に流入する。
剥離押圧部42の上下動を開始してから所定時間(例えば、3〜30分程度)が経過したら、剥離押圧部42を下方向に移動させ、容器10の下部に沈積した初晶粒子の堆積物CAl(アルミニウム結晶)を押圧して、堆積物CAlを押し固める。剥離押圧部42で堆積物CAlを上から押圧すると、初晶粒子間の隙間あるいは結晶間の隙間から原料溶湯M1が浸出し、通液孔42aを通じて剥離押圧部42の上側の原料溶湯M1に排出される。
堆積物CAlを押し固める際には、下部ヒータ21および中間部ヒータ22,22,…のうち、新たに堆積した部分(押圧域)の周囲に位置するヒータを適宜加熱する。このようにすると、堆積物CAlの下層部から上層部に向けて、また、堆積物CAlの外周部から中心方向へ向けて、アルミニウム結晶の再溶解、再結晶化が進行するようになる。また、剥離押圧部42による押圧と、容器10の外周部からの加熱とによって、不純物を含有する不純物含有液が底部から上部へ向けて移動するとともに、外周部から中心部へ向けて移動するようになる。
なお、堆積物CAlを押し固める際の圧力が4.0×104(Pa)を下回ると、初晶粒子間の隙間あるいは結晶の隙間に存在する原料溶湯M1の押し出しが不十分になる虞があり、一方、1.1×105(Pa)を上回ると、アルミニウム精製装置1が損傷する虞があるとともに、剥離押圧部42の通液孔42aに結晶が固着する虞があるので、4.0×104〜1.1×105(Pa)の圧力で、堆積物CAlを押し固めることが好ましい。
アルミニウムの結晶(堆積物CAl)の上面が晶出面の下縁付近にまで達したら、冷却用気体の通流を停止するとともに、支持棒41および剥離押圧部42を容器10から抜き出し、溶湯排出工程に移行する。
溶湯排出過程は、残存した原料溶湯M1を容器10から排出する過程である。図示は省略するが、本実施形態では、傾動手段によって容器10を傾動させ、容器10の上下を反転させることで原料溶湯M1を容器10から排出する。堆積物CAlの中央部や上層部においては、堆積物CAlの内側(結晶間の隙間)にも不純物を含む原料溶湯M1が残留しているが、容器10の上下を反転した状態を維持すると、堆積物CAlの外側に残留する原料溶湯M1に加えて、堆積物CAlの内側(結晶の隙間)に残留する原料溶湯M1が重力の作用によって容器10から速やかに排出され、その結果、高濃度の不純物を含む原料溶湯M1と純度の高いアルミニウムの結晶(堆積物CAl)とが分離する。なお、堆積物CAlは容器10の底面等に密着しているので、容器10を反転させても直ちにずり落ちることはないが、5分を超えて反転させていると、堆積物CAlがずり落ちる場合があるので、容器10の反転時間は5分以内とし、その後は速やかに元の位置に復帰させることが好ましい。
容器10を元の位置に復帰させると、アルミニウムの固液分離が完了する。なお、容器10内の原料溶湯M1を吸引することで堆積物CAlと原料溶湯M1とを分離してもよい。
その後、堆積物CAlを数時間放冷し、堆積物CAlを容器10から取り出し、製品として倉入れする。
上記の手順によりアルミニウムを精製すると、堆積物CAlの中心部またはその上部近傍においては再溶解した不純物含有液が僅かに残留するものの、その他の部分においては、Fe,Si等が数質量ppm未満に抑えられた高純度アルミニウムが得られる。
以上のとおり、アルミニウム精製装置1によれば、剥離押圧部42によって原料溶湯M1が攪拌され、堆積物CAlの押圧(突き固め)に伴って結晶間の不純物が通液孔42aから上方へ押し出されるので、アルミニウムの純度も高純度となる。また、不純物を含有した原料溶湯M1が堆積物CAlの上部の隙間に押し上げられるようになるので、簡単に排出することができる。さらに、アルミニウム精製装置1によれば、初晶粒子PAlの剥ぎ落としと堆積物CAlの突き固めを一つの剥離押圧部42で行うことができるので、構造および操作が極めて簡単となり、故障のリスクも低下する。
加えて、アルミニウム精製装置1によれば、容器10の外面が気体流路3a(分割流路31b〜31e)に露出しているので、冷却用気体が容器10の外面に直接当たるようになる。つまり、アルミニウム精製装置1によれば、直接冷却用開口3b,3b,…を通じて容器10の熱を直接奪うことができるので、直接冷却用開口3b,3b,…を設けない場合に比べて冷却効率を高めることが可能となり、ひいては、晶出面を初晶点未満の温度に冷却するまでに要する時間(初晶粒子PAlが晶出するまでの時間)を短縮することが可能となる。また、冷却効率が高まると、晶出面の近傍を加熱した場合であっても、比較的広い晶出面が得られ、かつ、晶出面の温度が上昇し難くなる(初晶点未満となる領域が狭まり難くなる)ので、晶出量が減少し難くなる。
また、アルミニウム精製装置1によれば、環状流路部31内の気体流路3aを複数の分割通路31a〜31fに区分けし、分割通路31a,31c,31eとこれらに隣接する他の分割通路31b,31d,31fとで冷却用気体の通流方向を逆向きにしているので、晶出面の温度のばらつきが小さくなり、その結果、晶出量に偏りが生じ難くなる(図8参照)。
特に本実施形態においては、気体流路3aを偶数段の分割流路31a〜31fに分割するとともに、上から奇数段目の分割通路31a,31c,31eと上から偶数段目の分割通路31b,31d,31fとで冷却用気体の通流方向を逆向きにしているので、晶出面をその全周に亘ってバランス良く冷却することができ、したがって、晶出量の偏りがより一層小さいものとなる。なお、本実施形態においては、分割通路31b〜31eに直接冷却用開口3b,3b,…が連通しているので、分割通路31c,31eの上流側(低温側)においては、分割通路31c,31eから吹き出された低温の冷却用気体と分割流路31b,31dから吹き出された高温の冷却用気体とが容器10と環状流路部31との間の空間において混ざり合い、一方、分割通路31b,31dの上流側(低温側)においては、分割通路31c,31eから吹き出された高温の冷却用気体と分割流路31b,31dから吹き出された低温の冷却用気体とが容器10と環状流路部31との間の空間において混ざり合うようになるので、温度分布に偏りが生じ難くなり、ひいては、晶出量の偏りが小さいものとなる。
アルミニウム精製装置1によれば、最上段の分割流路31aおよび最下段の分割通路31f以外の分割通路31b〜31eに直接冷却用開口3b,3b,…を連通させているので、晶出面の上下の領域における温度の低下を抑制することができ、その結果、加熱手段20に掛かる負荷を小さくすることが可能となる。
アルミニウム精製装置1によれば、冷却用気体の通流方向に等しい間隔をあけて並ぶ複数の直接冷却領域3c,3c,…を設定し、直接冷却領域3c,3c,…のそれぞれに、少なくとも一つの直接冷却用開口3bを形成している。このようにすると、直接冷却用開口3b,3b,…が規則的に配置されるようになるので、晶出面の温度のばらつきが小さくなり、その結果、晶出量に偏りが生じ難くなる。
なお、本実施形態では、最上段の分割流路31aおよび最下段の分割通路31f以外の分割通路31b〜31eに直接冷却用開口3bを連通させた場合を例示したが、最上段の分割流路31aおよび最下段の分割通路31fに直接冷却用開口3bを連通させてもよい。このようにすると、加熱手段20に掛かる負荷が大きくなる虞があるものの、晶出面の上縁部および下縁部においても冷却効率を高めることができる。
また、本実施形態では、環状流路部31内の気体流路3aを複数の分割通路31a〜31fに区分けし、分割通路31a,31c,31eとこれらに隣接する他の分割通路31b,31d,31fとで冷却用気体の通流方向を逆向きにした場合を例示したが、逆向きにする分割流路の数を同数とする必要はない。図示は省略するが、少なくとも一つの分割通路と残りの分割通路とで通流方向を逆向きとすればよい。また、本実施形態では、冷却用気体の通流方向が左回りとなる分割流路と右回りとなる分割流路とを交互に配置した場合を例示したが、必ずしも交互に配置する必要はない。例えば、気体流路3aを四つに分割し、最上段および最下段の分割流路と、中二段の分割流路とで冷却用気体の通流方向を逆向きとしてもよい。また、冷却用気体の通流方向を一方向に統一してもよい。
冷却用気体の通流方向を一方向に統一する場合には、図9に示すアルミニウム精製装置1'を使用する。なお、冷却用気体は、給気部32’を通じて環状流路部31内の複数の分割流路に供給され、各分割流路を同一方向に周回した後、排気部34’を通じて排出される。アルミニウム精製装置1’では、給気部32’から排気部34’に向かうに従って冷却能力が低下するので、図8に示すアルミニウム精製装置1に比べて、晶出量に偏りが生じるものの、アルミニウム精製装置1の第一給気部32と第二給気部33とを一つに集約することができるので、シンプルな構造となる。
直接冷却用開口3bの効果を確認する試験を行った。
試験では、容器10として、内径560mm、高さ1300mmのものを使用した。
直接冷却用開口3bは、直径5mmの円孔とし、100個の直接冷却用開口3bを中段の分割通路31b〜31eに均等に割り付けた。なお、各段では、25個の直接冷却用開口3bを周方向に略等間隔に配置した。環状流路部31の内周壁311の表面積をPとし、直接冷却用開口3b,3b,…の開口面積の合計値をQとした場合、Q/(P+Q)の値は0.006(0.6%)である。
冷却用気体の通流方向は、上から奇数段目の分割流路31a,31c,31eでは左回りとし、上から偶数段目の分割流路31b,31d,31fでは右回りとした。なお、第一給気部32および第二給気部33に供給される冷却用気体の温度は約25℃、排気部34から排出された冷却用気体の温度は約114℃であった。
直接冷却用開口3bを設けたケース(本発明の実施例)では、Fe濃度が250(ppm)、Si濃度が230(ppm)の原料溶湯580(kg)を容器10に注湯し、直接冷却用開口3bを設けないケース(比較例)では、Fe濃度が250(ppm)、Si濃度が200(ppm)の原料溶湯500(kg)を容器10に注湯した。実施例および比較例とも、部分冷却過程および結晶成長過程は、アルゴン雰囲気下で行った。
部分冷却過程を開始してからアルミニウムの初晶粒子PAlが初めて晶出するまでに要した時間は、実施例では0.6時間であったのに対し、比較例では2時間であった。
また、実施例では、部分冷却過程において冷却を開始してから9時間で原料溶湯の60%を凝固させることができ、12時間で原料溶湯の70%を凝固させることができた。これに対し、比較例では、部分冷却過程において冷却を開始してから12時間経過しても、原料溶湯の55%しか凝固させることができなかった。なお、堆積物CAlを押し固める際の圧力は、実施例および比較例とも9.9×104(Pa)とした。
その後、容器10の上下を反転させる方式で溶湯排出過程を行い、堆積物CAlと原料溶湯M1とを分離した。
実施例で得られたアルミニウム塊を厚さ20mmで縦方向にスライスするとともに、得られたスライス片を径方向に3分割、縦方向に7分割し、発光分析にて各部のFe濃度およびSi濃度を分析した。実施例におけるFeの分析結果を表2に示し、Siの分析結果を表3に示す。
Figure 0005733474
Figure 0005733474
また、比較例で得られたアルミニウム塊を厚さ20mmで縦方向にスライスするとともに、得られたスライス片を径方向に3分割、縦方向に6分割し、発光分析にて各部のFe濃度およびSi濃度を分析した。比較例におけるFeの分析結果を表4に示し、Siの分析結果を表5に示す。
Figure 0005733474
Figure 0005733474
表2〜5から分かるように、実施例と比較例とでFe濃度およびSi濃度に大きな差異はなく、いずれも極めて低い濃度まで低下している。一方、サイクルタイムおよび歩留まりについてみると、実施例では、12時間で原料溶湯の70%を凝固させることができるのに対し、比較例では、12時間で原料溶湯の55%しか凝固させることができない。
このように、本発明の実施例によれば、冷却用設備(送風ブロワーなど)を増強せずとも、精製時間の短縮や歩留まりの向上を図ることができ、かつ、高純度のアルミニウムを得ることができる。
一方、比較例では、冷却効率が悪く、堆積物の上面が晶出面に近づくに従って晶出面の範囲が狭まるとともに晶出面の温度が上昇し易くなるので、晶出量が低下する。比較例でも、冷却部の範囲を拡げれば、晶出量を増やすことはできるが、アルミニウム溶湯の使用が多くなるので、歩留まりが低下する。
10 容器
20 加熱手段
30 冷却手段
31 流路構成材
3a 気体流路
31a〜31f 分割流路
3b 直接冷却用開口
3c 直接冷却領域
40 初晶剥離手段
50 断熱材

Claims (8)

  1. 原料アルミニウムの溶湯を収容する有底の容器と、
    前記容器を加熱する加熱手段と、
    前記容器の一部を冷却する冷却手段と、
    前記容器の内面に晶出した初晶粒子を剥離させる初晶剥離手段と、を備えるアルミニウム精製装置であって、
    前記冷却手段は、冷却用気体が通流する気体流路を有し、
    前記気体流路は、前記容器の外面に沿って配置された環状流路部の内部空間に形成されており、
    前記環状流路部は、前記容器の外面に対向する少なくとも一つの直接冷却用開口を有し、
    前記気体流路は、上下方向に並ぶ複数の分割通路に区分けされており、
    一の前記分割通路とこれに隣接する他の前記分割通路とで冷却用気体の通流方向が逆向きになっており、
    前記直接冷却用開口は、最上段および最下段の前記分割通路以外の前記分割通路に連通している、ことを特徴とするアルミニウム精製装置。
  2. 原料アルミニウムの溶湯を収容する有底の容器と、
    前記容器を加熱する加熱手段と、
    前記容器の一部を冷却する冷却手段と、
    前記容器の内面に晶出した初晶粒子を剥離させる初晶剥離手段と、を備えるアルミニウム精製装置であって、
    前記冷却手段は、冷却用気体が通流する気体流路を有し、
    前記気体流路は、前記容器の外面に沿って配置された環状流路部の内部空間に形成されており、
    前記環状流路部は、前記容器の外面に対向する少なくとも一つの直接冷却用開口を有し、
    前記環状流路部の内周壁の表面積をPとし、前記直接冷却用開口の開口面積の合計値をQとしたときに、Q/(P+Q)の値が0.1以下である、ことを特徴とするアルミニウム精製装置。
  3. 原料アルミニウムの溶湯を収容する有底の容器と、
    前記容器を加熱する加熱手段と、
    前記容器の一部を冷却する冷却手段と、
    前記容器の内面に晶出した初晶粒子を剥離させる初晶剥離手段と、を備えるアルミニウム精製装置であって、
    前記冷却手段は、冷却用気体が通流する気体流路を有し、
    前記気体流路は、前記容器の外面に沿って配置された環状流路部の内部空間に形成されており、
    前記環状流路部は、前記容器の外面に対向する少なくとも一つの直接冷却用開口を有し、
    前記環状流路部の内周壁の表面積をPとし、前記直接冷却用開口の開口面積の合計値をQとしたときに、Q/(P+Q)の値が0.02以下である、ことを特徴とするアルミニウム精製装置。
  4. 前記環状流路部の内周壁に、冷却用気体の通流方向に等しい間隔をあけて並ぶ複数の矩形状領域を設定し、
    複数の前記矩形状領域のそれぞれに、少なくとも一つの前記直接冷却用開口が形成されている、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のアルミニウム精製装置。
  5. 原料アルミニウムの溶湯を有底の容器に注ぐ注湯過程と、
    前記容器を囲むように配置した環状流路部の内部空間に冷却用気体を通流させることで前記容器の内面の一部を初晶点未満の温度に冷却する部分冷却過程と、
    前記容器の内面に晶出した初晶粒子を剥ぎ落として前記容器の下部に沈積させるとともに、沈積した初晶粒子の堆積物を押し固めてアルミニウムの結晶を成長させる結晶成長過程と、
    前記溶湯を容器から排出する溶湯排出過程とを含むアルミニウム精製方法であって、
    前記環状流路部の内周壁に直接冷却用開口を設けるとともに、前記環状流路部の内周壁の表面積をPとし、前記直接冷却用開口の開口面積の合計値をQとしたときに、Q/(P+Q)の値を0.1以下とし、
    前記部分冷却過程では、前記環状流路部の内部空間を通流する冷却用気体の少なくとも一部を、前記直接冷却用開口から前記容器の外面に直接吹き付けることを特徴とするアルミニウム精製方法。
  6. 前記溶湯排出過程では、前記容器の上下を反転させることで前記溶湯を前記容器から排出することを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム精製方法。
  7. 前記結晶成長過程では、4.0×104〜1.1×105(Pa)の圧力で、前記堆積物を押し固めることを特徴とする請求項5に記載のアルミニウム精製方法。
  8. 包晶系元素を不純物として含む原料アルミニウムの溶湯に、ボロンおよびボロン含有化合物の少なくとも一方を添加するとともに酸化性気体含有ガスを吹き込み、当該溶湯の表面に浮上した包晶系元素または包晶系元素化合物を取り除く包晶系元素分離過程を行い、
    前記注湯過程では、当該包晶系元素分離過程で得られた溶湯を前記容器に注ぐことを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一項に記載のアルミニウム精製方法。
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