JP2004131784A - 金属チタンの製錬方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反応槽内に無機溶融塩の電解浴を形成し、電気分解法を利用して酸化チタンを還元する金属チタンの製錬方法であり、上記反応槽の内壁面には無機溶融塩の凝固層を形成せしめ、この凝固層により電気分解で発生して電解浴に入熱する熱量とこの電解浴から上記凝固層及び反応槽の壁面を介して反応槽外部に出熱する熱量とをバランスさせる金属チタンの製錬方法である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無機溶融塩を電解浴として電気分解法により酸化チタン(TiO2)を還元し、金属チタン(Ti)を製造する金属チタンの製錬方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献1】竹内 栄及び渡辺 治、日本金属学会第28巻(1964)第9号第549〜554頁
【特許文献1】WO 99/64638
【0003】
金属チタンは、次々とその優れた性質が明らかにされ、航空・宇宙の分野だけでなく、近年では、カメラ、めがね、時計、ゴルフクラブ等の民生品の分野にも利用されるようになり、更には、建材や自動車の分野でもその需要が期待されている。そして、この金属チタンの製造方法については、現在、工業的に行われている方法は、半導体用高純度チタンを製造するために極めて小規模にチタン製錬を行う電解法を除き、いわゆるクロール法のみとなっている。
【0004】
しかしながら、このクロール法による金属チタンの製錬においては、酸化チタンを製造原料とするものの、この酸化チタンを一旦低沸点の四塩化チタンに変えてから還元するために、その製造工程が長くなり、また、スポンジ状金属チタンの製造過程で高温減圧下の真空分離が不可欠であり、更に、製造されるスポンジ状金属チタンが大きな一つの塊として得られるので製品チタンインゴットを製造する際にはこのスポンジ状金属チタンの破砕・粉砕処理が不可欠になり、しかも、スポンジ状金属チタンはその中心部と外皮部とで固溶酸素濃度が大きく異なるために、製品チタンインゴットの用途によってはその破砕・粉砕処理で中心部からのものと外皮部からのものとを分別しなければならず、このようなことが結果として金属チタンの製造コストを極めて高くする大きな要因になっている。
【0005】
そこで、従来においても、金属チタンの需要の拡大を反映し、上記クロール法に代わる幾つかの金属チタンの製錬方法が提案されており、代表的には、反応槽内に無機溶融塩の電解浴を形成し、電気分解法を利用して酸化チタンを金属チタンに還元する方法が知られている。
【0006】
例えば、竹内 栄及び渡辺 治、日本金属学会第28巻(1964)第9号第549〜554頁には、反応容器として黒鉛製ルツボを使用し、この黒鉛製ルツボを陽極とすると共にその中央部には陰極としてモリブデン製電極を配置し、また、ルツボ内には電解浴として塩化カルシウム(CaCl2)、酸化カルシウム(CaO)及び酸化チタン(TiO2)からなる900〜1100℃の混合溶融塩を入れ、不活性ガスのアルゴン(Ar)雰囲気下に電解浴中で酸化チタンを電解し、生成したチタンイオン(Ti4+)をモリブデン製電極の表面に析出させて金属チタンを製造する方法が記載されている。
【0007】
また、WO 99/64638には、反応容器としてチタン製ルツボを使用し、このルツボ内には電解浴として塩化カルシウム(CaCl2)の溶融塩を入れ、この電解浴中には陽極として黒鉛製電極を、また、陰極として酸化チタン製電極をそれぞれ配置し、上記電解浴中で黒鉛製電極と酸化チタン製電極との間に電圧を印加し、陰極の酸化チタン製電極から酸素イオン(O2−)を引き抜き、この引き抜かれた酸素イオンを陽極の黒鉛製電極で炭酸ガス(CO2)及び/又は酸素ガス(O2)にして放出することにより、酸化チタン製電極それ自体を還元して金属チタンに変換する方法が記載されている。
【0008】
しかしながら、前者の竹内・渡辺の論文に記載の方法においては、黒鉛製ルツボを反応容器及び陽極として兼用しており、また、電解浴中で酸化チタンを電気分解した際には酸素イオン(O2−)が発生するので、反応容器として用いた黒鉛製ルツボは酸素イオンの攻撃を受けて炭酸ガス(CO2)となり、次第に消耗し、長期の使用に耐えられず、工業的製造方法としては不向きである。また、後者のWO 99/64638記載の方法においても、その金属チタンの製錬中に生成する炭酸ガスや酸素ガスが反応容器として用いるチタン製ルツボを攻撃してその酸化物や炭化物を形成していくため、反応容器のチタン製ルツボは高価であるにもかかわらず長期の使用に耐えられず、大量生産のための工業的製造方法としては不向きであるという問題がある。
【0009】
また、本発明者らは、先に、酸化チタン(TiO2)を熱還元して金属チタン(Ti)を製造する金属チタンの製錬方法であって、塩化カルシウム(CaCl2)と酸化カルシウム(CaO)及び/又はカルシウム(Ca)からなる混合溶融塩で電解浴を構成し、この電解浴を混合溶融塩中の酸化カルシウム及び/又は塩化カルシウムを電気分解する電解帯域と酸化チタンを還元する還元帯域とに区画し、上記電解帯域では混合溶融塩中の酸化カルシウム及び/又は塩化カルシウムを電気分解してカルシウム(Ca)及び1価カルシウムイオン(Ca+)を生成せしめ、また、上記還元帯域ではこの還元帯域に導入された酸化チタンを上記電解帯域で生成したカルシウム及び1価カルシウムイオンにより還元すると共に、この酸化チタンの還元で得られたスポンジ状金属チタン(Ti)の脱酸素を行うようにした金属チタンの製錬方法を提案した(特願2002−210,537号)。
【0010】
この方法によれば、単一反応槽で酸化チタンから直接かつ連続的に金属チタンを製造することが可能であり、しかも、この金属チタン中の固溶酸素濃度を制御することもできるので、金属チタンを工業的に有利に製造することができるという格別な利点がある。しかしながら、この方法においても、反応槽内に塩化カルシウムと酸化カルシウム及び/又はカルシウムからなる混合溶融塩(無機溶融塩)の電解浴を形成する必要があり、一般に高温で活性に富む無機溶融塩を用いる以上、金属材料や耐火物等で形成された反応槽を用いた場合には、上述したような反応槽の損傷という問題や、この反応槽から溶出した不純物による金属チタンの汚染という問題が不可避的に生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、反応槽内に無機溶融塩の電解浴を形成し、電気分解法を利用して酸化チタンを金属チタンに還元する金属チタンの製錬方法においては、一般に、電解浴を構成するための無機溶融塩として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩化物、フッ化物等の無機塩から選ばれた1種又は2種以上の混合物や、これに少量のアルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物を添加してなる混合物の溶融物が用いられる。
【0012】
そして、例えば、反応槽を形成するための材料として鉄やステンレス等の汎用の金属材料が用いられた場合、電気分解の際に上記電解浴を形成する無機溶融塩中に存在する成分の析出電位より卑な電位を保持すれば、理論上は、金属材料で形成された反応槽壁面から金属が溶出することはあり得ないことになる。しかしながら、実際には、反応槽壁面からの鉄、ニッケル、クロム等の金属の溶出が不可避的に発生して無機溶融塩中に混入し、この無機溶融塩中に混入した金属不純物は陰極においてチタンやカルシウムより優先的に析出し、電流効率の悪化を招くほか、製品金属チタンの不純物含有量を著しく増加させてしまう。そして、金属チタンに鉄等の不純物金属が多量に混入した場合、その後のチタン溶解・凝固・圧延等の加工工程において、操業の不安定さ、品質の不均一さ、場合によっては硬度上昇による圧延不能等、大きな問題を引き起こす。従って融点が高く、硬い性質を特徴とする金属チタンの製錬においては、これらの不純物の混入を極力避けなくてはならない。なお、上記の反応槽壁面で生じる金属溶出の反応機構については、特に確認されているものではないが、反応槽壁面と無機溶融塩との界面において局部電池が形成されたと同様の反応が生じているものと考えられる。
【0013】
そこで、反応槽を形成するための材料としてチタン等の耐蝕性に優れた金属材料を用いることも考えられるが、この場合においても、チタン製錬の反応過程で電気分解の際に酸素や炭酸ガスが発生し、反応容器壁面で次第に酸化反応や炭化反応が進行し、反応槽としての性能が劣化するほか、一般にこのような特殊な金属製の反応槽は高価になり、金属チタンの大量生産に用いる反応槽としては不向きである
【0014】
また、反応槽をアルミナやマグネシア等の耐火材で形成することも考えられるが、このような耐火材で反応槽を形成しても、反応槽内に上述の無機溶融塩からなる電解浴を形成して酸化チタンを還元する場合には、反応槽を形成する耐火材自体が還元されてしまい、次第に損傷して長期の使用には適さない。特に、本発明者らが先に提案した金属チタンの製錬方法(特願2002−210,537号)においては、強還元性物質であるカルシウム及び1価のカルシウムイオンが生成するため、反応槽を形成するアルミナやマグネシア等の耐火材はアルミニウムやマグネシウムに還元され、反応槽の損傷が発生するのみならず、金属チタンの汚染原因になるほか、液体・固体金属として電解浴上に浮遊し、電極間を短絡させる等の問題も引き起こす。
【0015】
更に、反応槽を炭素材で形成することも考えられるが、炭素材では大型の反応槽の製造が困難であり、たとえ製造が可能であっても割れや雰囲気酸化等の問題があって工業的規模での使用には適さないという問題があり、また、このような炭素材製の反応槽に陽極としての機能も付与した場合には、上記の如き問題に加えて、この炭素材で形成された反応槽自体が金属チタン製錬の反応過程で発生する酸素や炭酸ガスと反応し、次第に消耗して長期の使用に適さないという問題もある。
【0016】
本発明者らは、反応槽内に無機溶融塩の電解浴を形成し、電気分解法を利用して酸化チタンを還元して金属チタンを製造する際に、使用する反応槽に起因して生じる種々の問題を如何に解決するかについて鋭意検討した結果、反応槽の内壁面に無機溶融塩の凝固層を形成せしめ、この凝固層により電気分解で発生して電解浴に入熱する熱量とこの電解浴から上記凝固層及び反応槽の壁面を介して反応槽外部に出熱する熱量とをバランスさせることにより、たとえ反応槽を安価な汎用の金属材料等で形成しても、この反応槽の損傷を効果的に防止することができ、工業的規模で金属チタンの製錬を行うことができることを見出し、本発明を完成した。
【0017】
すなわち、本発明の目的は、反応槽内に無機溶融塩の電解浴を形成し、電気分解法を利用して酸化チタンを還元する金属チタンの製錬方法において、反応槽壁面から金属不純物等の不純物の溶出や反応槽自体の損傷がなく、工業的規模で有利に操業可能な金属チタンの製錬方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、反応槽内に無機溶融塩の電解浴を形成し、電気分解法を利用して酸化チタンを金属チタンに還元する金属チタンの製錬方法であり、上記反応槽の内壁面には無機溶融塩の凝固層を形成せしめ、この凝固層により電気分解で発生して電解浴に入熱する熱量とこの電解浴から上記凝固層及び反応槽の壁面を介して反応槽外部に出熱する熱量とをバランスさせることを特徴とする金属チタンの製錬方法である。
【0019】
本発明において、金属チタンの製錬に使用する反応槽としては、それが電解浴として無機溶融塩を収容することができ、また、その内壁面に無機溶融塩の凝固層を形成できるものであり、内壁面に無機溶融塩の凝固層が形成されるまでの比較的短時間のうちに酸化、還元、割れ等の操業の継続が不能になるような重大な問題を起こさない材料で形成されていればよく、特に制限はないが、好適には、例えば、ステンレス、鉄等の比較的熱伝導性の良好な汎用金属材料や、チタン、モリブデン等の耐蝕性に優れた金属材料を挙げることができ、反応槽の内壁面に制御された凝固層を形成する上で、より好ましくは比較的熱伝導性の良好な金属材料で形成するのがよい。
【0020】
また、上記反応槽内に電解浴を形成するために用いられる無機溶融塩については、操業温度で蒸気圧が低いという性質を有するものであれば特に制限はなく、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の塩化物、フッ化物等の無機塩から選ばれた1種又は2種以上の混合物や、これに少量のアルカリ金属やアルカリ土類金属の酸化物を添加してなる混合物の溶融物が用いられる。
【0021】
そして、本発明においては、反応槽の内壁面に無機溶融塩の凝固層を形成せしめ、この凝固層により電気分解の際に発生して反応槽内の電解浴(無機溶融塩)に入熱する熱量とこの電解浴から上記凝固層及び反応槽の壁面を介して反応槽外部に出熱する熱量とをバランスさせるが、その方法については特に制限はなく、例えば、好ましくは以下のようにして行うのがよい。
【0022】
先ず、反応槽について、その物理的形状、熱的性状、電気分解時に電気エネルギーにより電解浴に入熱する熱量、反応槽周囲の自然放熱により電解浴から出熱する熱量、反応槽に付設した強制放熱手段により電解浴から出熱する熱量、電解浴(無機溶融塩)やその凝固層が有する熱伝導率等の因子を検討し、例えば伝熱学及び流体力学の基本式から導かれた微分方程式からなる熱流体解析プログラム等を利用し、操業時の反応槽内の温度分布を計算し、その上で、反応槽の内壁面に所定の層厚の凝固層が形成されるように各因子を設定する。この熱流体解析プログラムとしては、例えば、サイバネットシステム株式会社の「ANSYS」や株式会社シーディー・ヌダプコ・ジャパンの「STAR−CD」等のソフトウエアが挙げられる。
【0023】
ここで、反応槽の電解浴への入熱量については、例えば、電気分解時の電流や電圧、更には電極間距離を制御したり、あるいは、電解浴(無機溶融塩)中で電気伝導の担い手となるイオンを生成する元素を含む化合物を添加して電解浴の電気比抵抗を調整する等の方法(例えば、塩化カルシウムと酸化カルシウムの混合溶融塩中の場合であって酸素イオンが電気伝導の担い手となる場合には酸化カルシウムを添加することにより混合溶融塩の電気比抵抗を調整する方法)等により制御することができる。また、反応槽の電解浴からの出熱量については、水冷、空冷等の強制冷却手段等の方法で制御することができるので、この電解浴に対する入熱量と出熱量のバランスが保たれる反応槽の操業条件を設定する。
【0024】
このようにして反応槽を設計し、製作した後、設定された操業条件で反応槽の起動を行うが、この際の起動方法については特に制限されず、例えば、所定の無機塩を事前に別の電気炉で溶融し、乾燥させ、脱水して所定温度に保持しておき、しかる後に反応槽内に注ぎ込み、その後に電極を設置して通電し、反応槽の入熱制御と出熱制御を行って反応槽の内壁面に所定の層厚の凝固層を生成せしめ、反応槽に対する入熱量と出熱量とをバランスさせる。
そして、反応槽の準備が整った後、この反応槽内で電気分解を行い、酸化チタンを還元して金属チタンを製造する。
【0025】
このように、反応槽の内壁面に無機溶融塩の凝固層を形成し、この凝固層により反応槽内の電解浴(無機溶融塩)に対する入熱と出熱とをバランスさせて酸化チタンの還元を行う本発明方法は、操業中に反応槽それ自体が直接に無機溶融塩と接触することがないので、反応槽の性能が劣化したり、反応槽からの不純物金属等の溶出がなく、長期に亘って反応槽を安定的に操業でき、特に工業的規模で連続的に操業する金属チタンの製錬に有用である。また、電流・電圧制御、電極間距離制御等の人為的な熱バランス制御に対し、この凝固層は、槽内の温度上昇が生じた場合は、凝固層自体の融解により放熱を増大させ、槽内の温度低下が生じた場合は、凝固層の成長により放熱を抑制するといった自己制御機能を併せ持つ点においても、工業的規模で連続的に操業する金属チタンの製錬に特に有用であるといえる。
【0026】
例えば、単一反応槽内に塩化カルシウム(CaCl2)と酸化カルシウム(CaO)及び/又はカルシウム(Ca)からなる混合溶融塩で電解浴を構成し、この電解浴をその混合溶融塩中の酸化カルシウム及び/又は塩化カルシウムを電気分解する電解帯域と酸化チタンを還元する還元帯域とに区画し、上記電解帯域では混合溶融塩中の酸化カルシウム及び/又は塩化カルシウムを電気分解してカルシウム(Ca)及び1価カルシウムイオン(Ca+)を生成せしめ、また、上記還元帯域ではこの還元帯域に連続的に導入される酸化チタンを上記電解帯域で生成したカルシウム及び1価カルシウムイオンにより還元すると共に、この酸化チタンの還元で得られたスポンジ状金属チタン(Ti)中の固溶酸素の脱酸素を行う金属チタンの連続的製錬方法において、特に有用である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す反応槽を用いて行った実施例及び比較例並びに試験例に基づいて、本発明の好適な実施の形態を具体的に説明する。
【0028】
実施例1
図1に、この実施例1で用いた反応槽1が示されている。
この反応槽1は、厚さ9mmのステンレス鋼板で上端開口の箱型状に形成され、幅750mm×奥行き750mm×高さ1200mmの大きさを有する容量675リットル(L)の内側容器1aと、この内側容器1aの外壁全面を耐火煉瓦で2層に取り囲む厚さ300mmの耐火煉瓦層1bと、上記内側容器1aと同様に形成され、上記耐火煉瓦層1bの外側全面を被覆する外側容器1cと、この外側容器1cの外壁周面に配設され、冷却用圧縮空気を吹き付ける強制空気冷却器2と、上記内側容器1aの上方開口部を閉塞し、この内側容器1a内に密閉空間を形成する蓋体3とで構成されている。
【0029】
また、この反応槽1の内側容器1a内には、操業中に電解浴を形成する混合溶融塩4が入れられ、この混合溶融塩4内には、450mm×600mm×200mmの大きさに形成された炭素陽極5と、450mm×600mm×9mmの大きさであって、混合溶融塩の浸漬部に10mmφの大きさの貫通孔(図示せず)が多数形成されたチタン陰極6とが互いに相対面するように設置され、これら炭素陽極5とチタン陰極6とは図示外の駆動手段でその極間距離を制御できるように構成されている。
【0030】
更に、上記チタン陰極6の近傍には、炭素陽極5が相対面する側とは反対側の位置にチタン陰極6から所定の間隔をおいて、板厚2mmのチタン板で400mm×300mm×80mmの大きさの上端開口の箱型状に形成され、また、5mmφの貫通孔(図示せず)が多数形成された内容量9.6Lの大きさの反応容器7が取り付けられており、上記電解浴は炭素陽極5とチタン陰極6との間の電解帯域と反応容器7内の還元帯域とに区画されている。なお、符号8は、上記反応容器7内に原料の酸化チタン粉末を導入するための原料導入管である。
【0031】
この実施例1において、反応槽1の起動は、次のようにして行った。
すなわち、先ず、上記反応槽1とは異なる別の電気炉内に、2mol%の割合で酸化カルシウム(CaO)を含む塩化カルシウム(CaCl2)からなる混合塩約1000kgを入れ、徐々に加熱して乾燥した後、不活性ガス(アルゴン)雰囲気下に950℃に加熱して溶解し、2mol%−CaO含有CaCl2からなる混合溶融塩4を調製し、この混合溶融塩4を上記反応槽1の内側容器1a内に注入し、反応槽1内に混合溶融塩4からなる電解浴を形成した。
【0032】
次に、上記炭素陽極5とチタン陰極6との極間距離を調整して入熱量を制御し、また、強制空気冷却器2から反応槽1の外側容器1cの外壁面に冷却用圧縮空気を吹き付けて出熱量を制御しながら、不活性ガスのアルゴン雰囲気下に500Aの定電流で混合溶融塩4の酸化カルシウム及び/又は塩化カルシウムの電気分解を行い、混合溶融塩4を溶融塩温度約900℃で約14時間保持し、反応槽1の内側容器1aの内壁面に約1〜5cm、平均的には約3cmの厚さを有する混合溶融塩4の凝固層4aを形成せしめた。
【0033】
このようにして反応槽1の内壁面に混合溶融塩4の凝固層4aを形成せしめ、電気分解により電解浴(混合溶融塩4)に入る入熱量とこの電解浴(混合溶融塩4)から凝固層4a及び反応槽1の壁面を介して外部に出る出熱量とをバランスさせた後、上記原料導入管8を介して反応容器7内に酸化チタン(TiO2)を370g/hrの速度で連続的に導入し、酸化カルシウム及び/又は塩化カルシウムの電気分解により生成するカルシウム(Ca)及び1価のカルシウムイオン(Ca+)(還元性分解生成物)により酸化チタンの熱還元反応を実施した。
【0034】
この酸化チタンの熱還元反応を240時間に亘って連続的に実施したところ、反応槽1の内壁面に形成された混合溶融塩4の凝固層4aは安定的に維持され、反応槽1の熱的制御も容易であって安定に操業できることが判明した。
また、製造された金属チタン(スポンジ状金属チタン)を回収して金属不純物の鉄、ニッケル、及びクロムについて分析した結果、鉄600ppm以下、ニッケル400ppm以下、クロム200ppm以下と極めて低く、金属チタンインゴット製造用金属チタン原料として問題のないレベルであった。
【0035】
更に、混合溶融塩4をカーボン製の杓により採取し、この混合溶融塩4中の金属不純物の鉄、ニッケル、及びクロムについて分析した結果、鉄20ppm以下、ニッケル10ppm以下、クロム10ppm以下と極めて低く、金属チタンへの不純物混入源として問題となる量の濃度は検出されなかった。
【0036】
以上のことから、使用したステンレス製の反応槽1からの不純物金属の溶出はないと考えられ、生成する金属チタンの反応槽に起因する汚染問題はなく、また、反応槽の腐食や破損の問題もないことが判明した。また、反応槽1の内壁面に形成された混合溶融塩4の凝固層4aは、鉄、ステンレス等の金属材料や炭素材料等の良導電性材料に比べて電気比抵抗が大きいため、このような良導電性材料で形成された反応槽に発生する迂回電流による電流効率の低下もなく、無機溶融塩の電気分解を効率良くできるという効果もある。
【0037】
比較例1
図2に示すように、SiC発熱体23を備えた電気炉22内に、縦300×横300×高さ400mmの大きさの鉄製反応槽21を据え付け、この反応槽21内には上記実施例1の場合と同じ混合塩約20kgを仕込み、900℃に加熱して混合溶融塩24とした後、この混合溶融塩24中に図示外の予備電解用の炭素陽極及びチタン陰極を配置し、1.0Vの定電圧を印加して予備電解を実施し、これによって混合溶融塩24中に混入している水分及び酸素、鉄等の不純物を除去した。
【0038】
この予備電解が終了した後、予備電解用の炭素陽極及びチタン陰極を酸化カルシウム電解用の炭素陽極25及びチタン陰極26と交換し、2.8Vの定電圧を印加して約10時間電気分解を実施した。
【0039】
上記チタン陰極26は、炭素陽極25に相対面する面がチタンプレートで形成され、また、その背面側にはチタンネットを折り曲げ加工して作製された反応容器27が設けられており、この反応容器27内に酸化チタン約20gを仕込み、この酸化チタンの還元を行った。
【0040】
上記の予備電解時も含めて、酸化チタンの還元反応中、反応槽21を常時チタン陰極26に接続してこのチタン陰極26の陰極電位と同電位に保ちながら電気分解を継続した。
なお、これらの操作は、電極の挿入・交換時を除いて全て不活性ガス(Ar)雰囲気下で実施した。また、反応中、電流は、電気分解開始直後に8〜10Aに達したが、電気分解によって炭素陽極25から酸素イオンが失われるにつれて低下する傾向を示し、最終的に0.1Aまで低下した。
【0041】
電気分解終了後、両電極25,26を混合溶融塩24上に引き上げ、電気炉22の電源を切って室温まで徐冷した。
反応槽21の反応容器27内に仕込んだ酸化チタンはその全てが金属チタンに還元されていた。この金属チタンを反応容器27内から取り出し、水洗して周囲に付着した塩を溶解除去し、乳鉢で粉砕した後、蛍光X線分析により鉄を分析した結果、回収された金属チタン中から3000ppmもの鉄が検出され、金属チタンの製品としては十分なものではなかった。
【0042】
また、反応槽1を水洗して凝固した塩を溶解除去したところ、加熱時に混合溶融塩24に浸かっていた部分の厚みが部分的に減少しているのが反応槽1の内壁面のいたる所で確認された。
この現象と生成した金属チタン中の鉄濃度とから、反応中に鉄製の反応槽1から混合溶融塩24中に鉄が溶出し、生成した金属チタン中に混入したことが判明した。
【0043】
試験例1
図3に示すように、SiC発熱体33を備えた電気炉32内に、内径50mmφ×高さ200mmの円筒形アルミナ製反応槽31を据え付け、この反応槽31内には上記実施例1の場合と同じ混合塩約200gを仕込み、900℃に加熱して混合溶融塩34とした後、この混合溶融塩34中に図示外の予備電解用の炭素陽極及びチタン陰極を配置し、1.0Vの定電圧を印加して予備電解を実施し、これによって混合溶融塩24中に混入している水分及び酸素、鉄等の不純物を除去した。
【0044】
この予備電解が終了した後、予備電解用の炭素陽極及びチタン陰極を酸化カルシウム電解用の炭素陽極35(20mm×80mm×6mm)及びチタン陰極36(20mm×80mm×3mm)と交換し、極間距離20mmで2.8Vの定電圧を印加して約2時間電気分解を実施した。
【0045】
この電気分解終了後、両電極35,36を混合溶融塩34上に引き上げ、混合溶融塩34を900℃のまま約5時間保持した。この試験終了後、電気炉32の加熱電源を切り、室温まで徐冷した。
なお、これらの操作は、電極の挿入・交換時を除いて全て不活性ガス(Ar)雰囲気下で実施した。また、反応中、電流は、電気分解開始直後に6Aに達し、次第に3〜4Aに低下した。
【0046】
この試験終了後のアルミナ製反応槽31については、水洗して内部に凝固した塩を溶解除去したのち、観察を行った。
試験中、陽極では炭素陽極35と酸素イオン又は酸素ガス、炭酸ガスが反応して炭酸ガスが発生し、また、陰極では酸化カルシウムが還元され、強還元性のカルシウムイオン及び/又はカルシウムが発生しており、試験終了後のアルミナ製反応槽31の観察では、混合溶融塩34の表面に反応槽31の内壁面から溶出した様子が確認され、反応槽31の試験前後での重量減少量は約3.0gであった。なお、このアルミナ製反応槽31の重量減少量は金属アルミニウム(Al)に変化していることが確認された。
【0047】
【発明の効果】
本発明の金属チタンの製錬方法によれば、反応槽内に無機溶融塩の電解浴を形成し、電気分解法を利用して酸化チタンを還元することにより金属チタンを製造するに際し、反応槽壁面から金属不純物等の不純物の溶出や反応槽自体の損傷がなく、工業的規模で連続的に有利に操業することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例1において用いられた反応槽を示す断面説明図である。
【図2】図2は、比較例1において用いられた反応槽を示す断面説明図である。
【図3】図3は、試験例1において用いられた反応槽を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1,21,31…反応槽、1a…内側容器、1b…耐火煉瓦層、1c…外側容器、2…強制空気冷却器、3…蓋体、4,24,34…混合溶融塩、5,25,35…炭素陽極、626,36…チタン陰極、7,27…反応容器、8…原料導入管、22,32…電気炉、23,33…SiC発熱体。
Claims (3)
- 反応槽内に無機溶融塩の電解浴を形成し、電気分解法を利用して酸化チタンを還元する金属チタンの製錬方法であり、上記反応槽の内壁面には無機溶融塩の凝固層を形成せしめ、この凝固層により電気分解で発生して電解浴に入熱する熱量とこの電解浴から上記凝固層及び反応槽の壁面を介して反応槽外部に出熱する熱量とをバランスさせることを特徴とする金属チタンの製錬方法。
- 反応槽が、熱伝導性に優れた金属材料で形成されている請求項1に記載の金属チタンの製錬方法。
- 電解浴を形成する無機溶融塩の一部を電気分解して還元性分解生成物を生成せしめ、生成した還元性分解生成物により酸化チタンを熱還元して金属チタンを製造する金属チタンの製錬方法であって、上記無機溶融塩が塩化カルシウム(CaCl2)と酸化カルシウム(CaO)及び/又はカルシウム(Ca)からなる混合溶融塩であり、また、還元性分解生成物が酸化カルシウム及び/又は塩化カルシウムを電気分解して得られるカルシウム(Ca)及び1価カルシウムイオン(Ca+)であり、電解浴内では還元性分解生成物により酸化チタンの還元とこの還元で生成したスポンジ状金属チタン(Ti)の脱酸素とを行う請求項1又は2に記載の金属チタンの製錬方法。
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