JP5729024B2 - 液体移送装置、及び、圧電アクチュエータの製造方法 - Google Patents

液体移送装置、及び、圧電アクチュエータの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、圧電アクチュエータを備えた液体移送装置、及び、その圧電アクチュエータの製造方法に関する。
従来から、圧電層の圧電変形(圧電歪ともいう)を利用して対象を駆動する圧電アクチュエータが、様々な技術分野で広く用いられている。その中でも、特許文献1には、インクジェットヘッド用の圧電アクチュエータが開示されている。
この特許文献1の圧電アクチュエータは、複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を備えた流路ユニットに設けられ、各圧力室内のインクにそれぞれ圧力を付与して、ノズルからインクの液滴を噴射させるものである。より具体的には、特許文献1の圧電アクチュエータは、流路ユニットの複数の圧力室を覆うように配置された圧電層と、この圧電層の両面にそれぞれ設けられた2種類の電極(複数の個別電極と共通電極)とを有する。複数の個別電極は複数の圧力室とそれぞれ対向して設けられ、また、共通電極は、圧電層を挟んで複数の個別電極と共通に対向している。そして、駆動装置(ドライバIC)から個別電極と共通電極間に電圧が印加されたときに、複数の個別電極と共通電極とに挟まれた複数の圧電層部分(以下、活性部という)に圧電変形が生じることで、圧力室内のインクに圧力が付与される。
特開2006−256317号公報
特許文献1に記載されているような圧電アクチュエータにおいては、圧電層の変形阻害を小さくするために、電極は薄くすることが好ましい。しかし、電極を薄くすると、圧電層の駆動時の変形によって、電極に応力が加わり、電極が破断する虞がある。他にも、圧電層にクラックが生じたときに、圧電層のクラックに追従して電極が破断する虞がある。
本発明の目的は、電極が破断されて分断されることを防止できる圧電アクチュエータを備えた液体移送装置、及び、その圧電アクチュエータの製造方法を提供することである。
第1の発明の液体移送装置は、圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータとを備えた液体移送装置であって、前記圧電アクチュエータは、圧電材料からなり、前記圧力室と対向するように配置された圧電層と、前記圧電層の一方の面の前記圧力室と対向する領域に設けられた第1電極と、前記圧電層の他方の面の前記圧力室と対向する領域に設けられた第2電極とを有し、前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方の厚みが0.5〜1.0μmの電極に、局部的に電極厚さが大きい補強部が環状に設けられており、当該補強部の厚みが2〜3μmであることを特徴とする。
この第1の発明によれば、電極に、局部的に電極厚さが大きい補強部が環状に設けられているため、電極の一部に破断が起きた場合であっても、電極全体が分断されることを抑制できる。
の発明の液体移送装置は、前記第1の発明において、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータの積層方向から見て、前記一方の電極は、前記圧力室の外周縁よりも内側の領域と重なる領域のみに配置され、環状の前記補強部は、前記一方の電極の外周縁部に設けられていることを特徴とする。
圧電アクチュエータは、圧力室の中央部に対向する位置が最も変位量が多くなる。そこで、この第4の発明によれば、電極の外周縁部に補強部が設けられているため、補強部が圧電層の変形を阻害して圧電層の変位量が少なくなることを最小限に抑制できる。さらに、最も破断しやすい電極の外周縁部を補強することができる。
第3の発明の液体移送装置は、圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータとを備えた液体移送装置であって、前記圧電アクチュエータは、圧電材料からなり、前記圧力室と対向するように配置され
た圧電層と、前記圧電層の一方の面の前記圧力室と対向する領域に設けられた第1電極と、前記圧電層の他方の面の前記圧力室と対向する領域に設けられた第2電極とを有し、前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方の厚みが0.5〜1.0μmの電極が、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータの積層方向から見て、前記圧力室内の外周縁よりも内側の領域と重なる領域のみに配置され、前記一方の電極に、その外周縁部の一部から、前記一方の電極の中央部を通って前記一部とは異なる前記外周縁部の他部まで前記電極を横切るように、局部的に電極厚さが大きい補強部が設けられており、当該補強部の厚みが2〜3μmであることを特徴とする。
この第の発明によれば、電極の補強部が、外周縁の一部から、中央部を通って外周縁の他部まで設けられているため、電極の一部に破断が起きた場合であっても、電極全体が分断されることを抑制できる。
第4の発明の圧電アクチュエータの製造方法は、グリーンシートからなる圧電層上に印刷により形成される厚みが0.5μm以上の電極となる電極パターン上に、当該電極パターンよりも厚みが大きい、金属材料からなる環状の金属パターンを印刷により形成するパターン形成工程と、前記電極パターン及び前記金属パターンを焼成し、前記電極上に厚みが2〜3μmの補強部を形成する補強部形成工程とを含んでいることを特徴とする。
第5の発明の圧電アクチュエータの製造方法は、グリーンシートからなる圧電層上に印刷により形成される厚みが0.5〜1.0μmの電極となる電極パターン上に、当該電極パターンよりも厚みが大きく、且つ、金属材料からなり、前記電極パターンの外周縁部の一部から当該電極パターンの中央部を通って前記一部とは異なる前記外周縁部の他部まで前記電極パターンを横切る金属パターンを印刷により形成するパターン形成工程と、前記電極パターン及び前記金属パターンを焼成し、前記電極上に厚みが2〜3μmの補強部を形成する補強部形成工程とを含んでいることを特徴とする。
第4及び第5の発明によれば、電極に補強部が設けられていることで、電極の一部に破断が起きた場合であっても、電極全体が分断されることを抑制できる
本発明によれば、電極に、局部的に電極厚さが大きい補強部が設けられていることで、電極の一部に破断が起きた場合であっても、電極全体が分断されることを抑制できる。
本実施形態に係るインクジェットプリンタを概略的に示す平面図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2の一部拡大図である。 (a)は図3のA−A線断面図、(b)は図3のB−B線断面図である。 変更例のインクジェットヘッドの平面図である。 別の変更例のインクジェットヘッドの平面図である。 (a)さらに別の変更例のインクジェットヘッドの、図3におけるA−A線相当の断面図、(b)はこの変更例の、図3におけるB−B線相当の断面図である。 さらに別の変更例のインクジェットヘッドの、図3におけるB−B線相当の断面図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、記録用紙に対してインクの液滴を噴射するインクジェットヘッドを備えたインクジェットプリンタに本発明を適用した一例である。
まず、本実施形態のインクジェットプリンタ1の概略構成について説明する。図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。プリンタ1は、所定の走査方向(図1の左右方向)に沿って往復移動可能に構成されたキャリッジ2と、このキャリッジ2に搭載されたインクジェットヘッド3(液体移送装置)と、記録用紙100を、走査方向と直交する搬送方向に搬送する搬送機構4等を備えている。
キャリッジ2は、走査方向に平行に延びる2本のガイド軸17に沿って往復移動可能に構成されている。また、キャリッジ2には、無端ベルト18が連結されており、キャリッジ駆動モータ19によって無端ベルト18が走行駆動されたときに、キャリッジ2は、無端ベルト18の走行に伴って走査方向に移動するようになっている。プリンタ1には、走査方向に間隔を空けて配列された多数の透光部(スリット)を有するリニアエンコーダ10が設けられており、キャリッジ2には、発光素子と受光素子とを有する透過型のフォトセンサ11が設けられている。そして、プリンタ1は、キャリッジ2の移動中にフォトセンサ11が検出したリニアエンコーダ10の透光部の計数値(検出回数)から、キャリッジ2の走査方向に関する現在位置を認識できるようになっている。
このキャリッジ2には、インクジェットヘッド3が搭載されている。インクジェットヘッド3は、その下面(図1の紙面向こう側の面)に多数のノズル30(図2〜図4参照)を備えている。このインクジェットヘッド3は、搬送機構4により搬送方向に搬送される記録用紙100に対して、図示しないインクカートリッジから供給されたインクを多数のノズル30から噴射するように構成されている。
搬送機構4は、インクジェットヘッド3よりも搬送方向上流側に配置された給紙ローラ12と、インクジェットヘッド3よりも搬送方向下流側に配置された排紙ローラ13とを有する。給紙ローラ12と排紙ローラ13は、それぞれ、給紙モータ14と排紙モータ15により回転駆動される。そして、この搬送機構4は、給紙ローラ12により、記録用紙100を図1の上方からインクジェットヘッド3へ搬送するとともに、排紙ローラ13により、インクジェットヘッド3によって画像や文字が記録された記録用紙100を図1の下方へ排出する。
次に、インクジェットヘッド3について説明する。図2はインクジェットヘッドの平面図、図3は図2の一部拡大図、図4は図3の断面図であり、(a)は図3のA−A線断面図、(b)は図3のB−B線断面図である。インクジェットヘッド3は、ノズル30や圧力室24を含むインク流路が形成された流路ユニット6と、圧力室24内のインクに圧力を付与する圧電アクチュエータ7とを備えている。
流路ユニット6はキャビティプレート20、ベースプレート21、マニホールドプレート22、及びノズルプレート23を備えており、これら4枚のプレート20〜23が積層状態で接合されている。このうち、キャビティプレート20、ベースプレート21及びマニホールドプレート22は、それぞれ、ステンレス鋼等の金属材料からなる平面視で略矩形状の板である。そのため、これら3枚のプレート20〜22に、後述するマニホールド27や圧力室24等のインク流路をエッチングにより容易に形成することができるようになっている。また、ノズルプレート23は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート22の下面に接着剤で接合される。あるいは、このノズルプレート23も、他の3枚のプレート20〜22と同様にステンレス鋼等の金属材料で形成されていてもよい。
4枚のプレート20〜23のうち、最も上方に位置するキャビティプレート20には、その面と平行な方向に沿って配列された複数の圧力室24がプレート20を貫通する孔により形成されている。各圧力室24は、平面視で走査方向(図2の左右方向)に長い、略楕円形状に形成されている。複数の圧力室24は、搬送方向(図2の上下方向)に千鳥状に2列に配列されている。また、図4に示すように、圧力室24は上下両側から後述する振動板40及びベースプレート21によりそれぞれ覆われている。さらに、後述するインク供給口28に連通する孔が形成されている。
ベースプレート21には、平面視で圧力室24の長手方向両端部と重なる位置に、それぞれ連通孔25、26が形成されている。また、マニホールドプレート22には、平面視で、2列に配列された圧力室24とそれぞれ重なるように、搬送方向に延びる2つのマニホールド27が形成されている。これら2つのマニホールド27は、後述する圧電アクチュエータ7の振動板40に形成されたインク供給口28に連通しており、図示しないインクカートリッジからインク供給口28を介してマニホールド27へインクが供給される。さらに、マニホールドプレート22の、平面視で複数の圧力室24のマニホールド27と反対側の端部と重なる位置には、それぞれ、複数の連通孔26に連通する複数の連通孔29が形成されている。
ノズルプレート23には、平面視で複数の連通孔29にそれぞれ重なる位置に、複数のノズル30が形成されている。図2に示すように、複数のノズル30は、搬送方向に沿って2列に配列された複数の圧力室24の、マニホールド27と反対側の端部とそれぞれ重なるように配置され、2列のノズル列を構成している。
以上より、マニホールド27は連通孔25を介して圧力室24に連通し、さらに、圧力室24は、連通孔26、29を介してノズル30に連通している。このように、流路ユニット6内には、マニホールド27から圧力室24を経てノズル30に至る個別インク流路31が複数形成されている。
尚、図2においては、説明の簡単のため、1つのインク供給口28に連通する液体流路のみが描かれているが、インクジェットヘッド3が、複数のインク供給口28とそれに連通する液体流路をそれぞれ備え、各液体流路に連通するノズル30から互いに異なるインク(例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの4色のインク)をそれぞれ噴射可能に構成されてもよい。
次に、圧電アクチュエータ7について説明する。圧電アクチュエータ7は、複数の圧力室24を覆うように流路ユニット6(キャビティプレート20)の上面に配置された振動板40と、この振動板40の上面に、複数の圧力室24と対向するように配置された圧電層41と、圧電層41の上面に配置された複数の個別電極42とを備えている。
振動板40は、平面視で略矩形状の金属板であり、例えば、ステンレス鋼等の鉄系合金、銅系合金、ニッケル系合金、あるいは、チタン系合金などからなる。この振動板40は、キャビティプレート20の上面に複数の圧力室24を覆うように配設された状態で、キャビティプレート20に接合されている。
圧電層41は、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料からなり、平板状に形成されている。この圧電層41は、振動板40の上面において、複数の圧力室24に跨って連続的に形成されている。
圧電層41の上面の、複数の圧力室24と対向する領域には、複数の個別電極42がそれぞれ配置されている。各個別電極42は圧力室24よりも一回り小さい略楕円形の平面形状を有し、圧力室24の中央部と対向している。個別電極42の外周縁部には、他の部分より電極厚さの大きい補強部42aが形成されている。個別電極42の厚さは、0.5〜1.0μmであり、補強部42aの厚さは、2〜3μmである。個別電極42は、補強部42aを含めて同一の金属材料で形成されている。なお、補強部42aを他の部分とは異なる金属材料で形成することもできる。この場合、補強部42aに弾性係数の大きな金属材料を採用することもできる。各個別電極42からその長手方向に沿って接点部48がそれぞれ引き出されている。
個別電極42と振動板40とに挟まれた、圧電層の各部分(活性部46)は、予め、その厚み方向に分極されている。
この圧電アクチュエータ7は、圧電層41となる圧電材料のグリーンシートに個別電極42となる電極パターンを印刷し、さらに補強部42aとなる部分を印刷して、一体焼成し、その後、振動板40と圧電層41とを接着剤を介して接合することで形成することができる。なお、個別電極42は、圧電層41を焼成して形成した後に、個別電極42となる金属を蒸着させることで形成してもよい。また、振動板40上にエアロゾルデポジション法により、圧電材料の粉末を吹き付けて圧電層41を形成してもよい。
圧電アクチュエータ7の上には、この圧電アクチュエータ7を駆動するドライバIC47(駆動装置)を実装した図示しないフレキシブル配線基板(FPC)が配置されており、FPC上の配線を介してドライバIC47と複数の個別電極42、及び、振動板40が電気的に接続されている。さらに、ドライバIC47はFPC上の配線を介して図示しない制御装置とプリンタの電源に接続されている。このとき、振動板40は、常時グランド電位に保持されている。制御装置からの指令を受けて、ドライバIC47が所定のパルス波形と電圧レベル(波高値)を有する駆動パルス信号を生成し、個別電極42に供給する。
次に、圧電アクチュエータ7の動作について説明する。個別電極42に駆動パルス信号が供給されると、個別電極42と振動板40との間に電位差が発生し、個別電極42と振動板40との間に挟まれた活性部46に厚み方向の電界が作用する。この電界の方向は活性部46の分極方向と平行であるから、活性部46が厚み方向と直交する面方向に収縮する。ここで、圧電層41の下側の振動板40はキャビティプレート20に固定されているため、この振動板40の上面に位置する圧電層41が面方向に収縮するのに伴って、振動板40の圧力室24を覆う部分が圧力室24側に凸となるように変形する(ユニモルフ変形)。このとき、圧力室24内の容積が減少して圧力室24内のインクの圧力が上昇し、この圧力室24に連通するノズル30からインクが噴射される。
ところで、上述した圧電アクチュエータ7の変形の効率を上げるためには個別電極42の厚さを極力小さくすることが好ましいが、厚さの小さい個別電極42は、圧電層41の駆動時の変形や、圧電層41に発生したクラックに追従して、破断が生じる虞がある。しかしながら、本実施形態では、個別電極42の外周縁部に、局部的に電極厚さが大きい補強部42aが環状に設けられていることで、圧電層41の駆動時の変形や、クラックに追従して、個別電極42の破断が起きた場合であっても、電極全体が分断されることを抑制できる。さらに、圧電層41の変位量は、圧力室24の中央部ほど多いが、補強部42aが、個別電極42の外周縁部に設けられることにより、圧電層41の変形が阻害され、変位量が少なくなることを最小限に抑制できる。さらに、本実施形態では、焼成して個別電極42が形成された圧電層41を、接着剤を介して振動板40に接合しているが、個別電極42の外周縁部に補強部42aが設けられていることにより、この接合時に接着剤が圧電層41の上面に回りこんだ場合であっても、個別電極42の中央部に流入することを抑制することができる。これにより、接着剤が圧電層41の変形を阻害することを防止できる。
次に、本実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、本実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
本実施形態では、補強部42aは、個別電極42の外周縁部に設けられていたが、図5に示すように、個別電極42と振動板40間に電圧が印加されたときの圧電層41の圧力室24に対する変位量が等しくなる部分に環状に設けられてもよい。この場合、補強部42aは圧電層41の変位量が等しくなる部分であれば、個別電極42の外周縁部よりも内側に設けられてもよい。また、そのような、補強部42aを複数設けてもよい。また、個別電極42の外周縁の圧電層41の変位量が等しくなるように個別電極42の外周縁(個別電極42の外形)が形成されてもよい。
本実施形態では、補強部42aは、個別電極42の外周縁部に設けられていたが、図6に示すように、個別電極42の外周縁の一部から他部まで中央部を横断するように設けられてもよい。また、補強部42aは、一部が欠けた環状に形成されていてもよい。具体的には、個別電極42の接点部48につながる部分には補強部42aが形成されておらず、個別電極42のその他の外周縁部には補強部42aが形成されて、補強部42aがほぼ環状に形成されていてもよい。このように補強部42aが設けられていても、個別電極42に破断が生じた場合に、個別電極42が分断されることを抑制できる。
また、本実施形態では、金属板の振動板40が共通電極を兼ねていたが、振動板40がセラミックなどの材料で構成され、さらに、共通電極が、圧電層41の圧力室側の面に設けられてもよい。この場合、補強部は共通電極が圧力室24に対向する領域内に設けられてもよい。また、補強部は圧力室24に対向する領域の外周縁部に設けられてもよい。また、補強部は、個別電極42と共通電極間に電圧が印加されたときの圧電層41の圧力室24に対する変位量が等しくなる部分に環状に設けられてもよい。また、そのような補強部を複数設けてもよい。さらには、補強部は、活性部46の外周縁の一部から他部まで中央部を横断するように設けられてもよい。また、補強部は、一部が欠けた環状に形成されていてもよい。さらに、個別電極42と共通電極の両方に補強部が設けられてもよい。
また、本実施形態では、圧電層41の圧力室24と反対側の面に個別電極42が設けられ、圧力室側の面に共通電極が設けられていたが、図7に示すように、圧電層41の圧力室24と反対側の面に共通電極50が設けられ、圧力室側の面に個別電極42が設けられてもよい。図7では、振動板41と個別電極42とを絶縁するため、絶縁層49が、圧電層41と、振動板40の間に設けられている。仮に共通電極50に破断が起きたとしても、共通電極50に電気的に孤立する部分が形成される可能性は、個別電極42ほど高くない。そのため、個別電極42に補強部42aが設けられている。なお、共通電極50の圧力室24と対向する領域内に補強部42aを設けてもよい。あるいは、個別電極42と共通電極50の両方に補強部を設けてもよい。
本実施形態では、共通電極を兼ねた振動板40と、この振動板40の上面に配置された圧電層41と、この圧電層41の上面に配置された個別電極42を有する、ユニモルフ型の圧電アクチュエータに本発明を適用したが、図8に示すような、複数枚の圧電層41、41a、41b、41cが積層されて、それら圧電層41、41a、41b、41cの間に、個別電極44と共通電極43、45が交互に配置された、いわゆる、積層型の圧電アクチュエータ7に本発明を適用することも可能である。この場合、補強部はどの電極に設けられてもよいが、圧電層に挟まれていない最上部の個別電極42が破断する可能性が最も高いため、最上部の個別電極42にのみ補強部42aを設けている。
また、本発明の適用対象となる圧電アクチュエータは、ノズルからインクの液滴を噴射させるインクジェットヘッドの圧電アクチュエータには限られない。例えば、インク以外の液体に圧力を付与するための圧電アクチュエータであってもよいし、活性部に生じる圧電歪みによって固形、あるいは、気体の駆動対象を振動させるような圧電アクチュエータであってもよい。
1 インクジェットプリンタ
3 インクジェットヘッド(液体移送装置)
6 流路ユニット
7 圧電アクチュエータ
24 圧力室
40 振動板
41 圧電層
42 個別電極
42a 補強部
48 接点部

Claims (5)

  1. 圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータとを備えた液体移送装置であって、
    前記圧電アクチュエータは、
    圧電材料からなり、前記圧力室と対向するように配置された圧電層と、
    前記圧電層の一方の面の前記圧力室と対向する領域に設けられた第1電極と、
    前記圧電層の他方の面の前記圧力室と対向する領域に設けられた第2電極とを有し、
    前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方の厚みが0.5〜1.0μmの電極に、局部的に電極厚さが大きい補強部が環状に設けられており、
    当該補強部の厚みが2〜3μmであることを特徴とする液体移送装置。
  2. 前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータの積層方向から見て、前記一方の電極は、前記圧力室の外周縁よりも内側の領域と重なる領域のみに配置され、
    環状の前記補強部は、前記一方の電極の外周縁部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体移送装置。
  3. 圧力室を含む液体流路が形成された流路ユニットと、前記圧力室内の液体に圧力を付与する圧電アクチュエータとを備えた液体移送装置であって、
    前記圧電アクチュエータは、
    圧電材料からなり、前記圧力室と対向するように配置された圧電層と、
    前記圧電層の一方の面の前記圧力室と対向する領域に設けられた第1電極と、
    前記圧電層の他方の面の前記圧力室と対向する領域に設けられた第2電極とを有し、
    前記第1電極と前記第2電極の少なくとも一方の厚みが0.5〜1.0μmの電極が、前記流路ユニットと前記圧電アクチュエータの積層方向から見て、前記圧力室内の外周縁よりも内側の領域と重なる領域のみに配置され、
    前記一方の電極に、その外周縁部の一部から、前記一方の電極の中央部を通って前記一部とは異なる前記外周縁部の他部まで前記電極を横切るように、局部的に電極厚さが大きい補強部が設けられており、
    当該補強部の厚みが2〜3μmであることを特徴とする液体移送装置。
  4. グリーンシートからなる圧電層上に印刷により形成される厚みが0.5〜1.0μmの電極となる電極パターン上に、当該電極パターンよりも厚みが大きい、金属材料からなる環状の金属パターンを印刷により形成するパターン形成工程と、
    前記電極パターン及び前記金属パターンを焼成し、前記電極上に厚みが2〜3μmの補強部を形成する補強部形成工程とを含んでいることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
  5. グリーンシートからなる圧電層上に印刷により形成される厚みが0.5〜1.0μmの電極となる電極パターン上に、当該電極パターンよりも厚みが大きく、且つ、金属材料からなり、前記電極パターンの外周縁部の一部から当該電極パターンの中央部を通って前記一部とは異なる前記外周縁部の他部まで前記電極パターンを横切る金属パターンを印刷により形成するパターン形成工程と、
    前記電極パターン及び前記金属パターンを焼成し、前記電極上に厚みが2〜3μmの補強部を形成する補強部形成工程とを含んでいることを特徴とする圧電アクチュエータの製造方法。
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