JP2006082346A - インクジェット記録ヘッドに代表される流体噴射ヘッド、及びそれを利用した流体噴射装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドに代表される流体噴射ヘッド、及びそれを利用した流体噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006082346A
JP2006082346A JP2004268620A JP2004268620A JP2006082346A JP 2006082346 A JP2006082346 A JP 2006082346A JP 2004268620 A JP2004268620 A JP 2004268620A JP 2004268620 A JP2004268620 A JP 2004268620A JP 2006082346 A JP2006082346 A JP 2006082346A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
fluid ejecting
ejecting head
diaphragm
head according
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004268620A
Other languages
English (en)
Inventor
Naibe Regan
ナイベ レーガン
Michiaki Murata
道昭 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP2004268620A priority Critical patent/JP2006082346A/ja
Publication of JP2006082346A publication Critical patent/JP2006082346A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】液体及び気体の両方を良好に噴射可能な流体噴射ヘッド、及びそれを備えた流体噴射装置を提供すること。
【解決手段】 例えば、タンク(図示せず)から流体プール室14を経て流体が圧力室12に供給され、アクチュエータ22(流体噴射素子)が振動板20を介して圧力室12の容積を減少させるように凹状に撓み変形して、圧力室12内の流体を加圧し、ノズル10から流体を噴射させる流体噴射ヘッドにおいて、アクチュエータ22を、上部電極26及び下部電極24と、当該一対の電極に挟持された誘電エラストマー層28と、で構成させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクを記録媒体に噴射し、画像を形成するためのインクジェット記録ヘッドに代表される流体噴射ヘッド及びその製造方法、並びに、それを備えた流体噴射装置に関する。
従来から、例インクジェット記録ヘッドの複数のノズルから選択的にインク滴を噴射し、副走査方向に搬送されて来る記録紙等の記録媒体に文字や画像等を印刷するインクジェット記録装置などの、液体噴射装置が知られている。
このような液体噴射装置の流体噴射ヘッドでは、その液体噴射素子(電気エネルギーを機械エネルギーに変換するアクチュエーター)が利用されている。例えば、特許文献1〜2にはピエゾを利用したアクチュエータが、特許文献3〜4には高分子ゲルを利用したアクチュエータが、特許文献5〜6にはポリストレインされた(予め歪が加えられた)電気活性ポリマー(例えばアクリルエラストマなど)を利用したアクチュエータが開示されている。
一方で、非特許文献8には、人工筋肉の基本原理と主な応用例(主に誘電エラストマーをアクチュエータとして利用する応用例)が開示されている。また、非特許文献9には、誘電エラストマーを利用したアクチュエータによりジェットフロー制御を行うことが開示されている。
特開昭57−178763 特許第2757833 特開平7−124499 特開昭62−60690 特開平6−288606 特表2003−505865 特表2003−506858 日経サイエンス 2004年2月、ページ57〜65 「動きは始めた人工筋肉」 Micro Electrostrictive Actuator with Metal Compliant Electrodes for Flow Control Application:Alongkorn Pimpin 東京大学(MEMS2004)
このような誘電エラストマーは、非常に変位量が大きく、アクチュエータに有効に利用されると考えられる。しかしながら、従来はエアー(気体)の噴射のみの利用しか図られておらず、アクチュエータとして誘電エラストマーを利用して、液体及び気体の両方を噴射可能な流体噴射ヘッドが望まれている。
従って、本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明の目的は、液体及び気体の両方を良好に噴射可能な流体噴射ヘッド、及びそれを備えた流体噴射装置を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
本発明の流体噴射ヘッドは、
流体が噴射されるノズルと、
前記ノズルと連通し、流体が充填される圧力室と、
前記圧力室へ流体流路を介して供給する流体がプールされる流体プール室と、
前記圧力室の容積を変位させ前記ノズルから流体を噴射させる流体噴射素子と、
を有し、
前記流体噴射素子を、誘電エラストマー層と前記誘電エラストマー層を挟持する一対の電極層とを含んで構成したことを特徴としている。
本発明の流体噴射ヘッドでは、上記流路構成において、流体噴射素子として一対の電極層に挟持された誘電エラストマー層が圧力室の容積を変位させることで、ノズルから流体が噴射される。この誘電エラストマー層は例えばピエゾに比べ変位量が高いため、本発明の流体噴射ヘッドは、液体及び気体の両方を良好に噴射可能となる。
本発明の流体噴射ヘッドにおいて、前記誘電エラストマー層を、シリコーン樹脂、又はアクリル・シリコーン系高分子で構成することができる。これらの材料は、高反応で伸縮(変位)する材料である。
本発明の流体噴射ヘッドにおいては、前記電極層に脆弱部を設けることがよい。また、この脆弱部は周回状に設けることがよく、また、複数の外周長が異なる周回状の脆弱部を外周長の短い前記脆弱部が内側に配されるように設けることがよい。そして、この脆弱部を溝で構成することがよい。この脆弱部を電極層に設けることで、電極層が屈曲或いは湾曲し易くなり、誘電エラストマー層の変位量を増大させることができる。特に、周回状の脆弱部を複数設けることで、誘電エラストマー層をドーム状に変位させることができ、良好な噴射特性を得ることができる。そして、電極層に溝を設けることで容易に、電極層に脆弱部を設けることができる。
本発明の流体噴射ヘッドにおいては、前記圧力室の一部を構成する振動板をさらに有する場合、前記圧力室に対して振動板を介して前記流体噴射素子を設けることができる。この場合でも、前記振動板に脆弱部を設けることがよい。また、この脆弱部は周回状に設けることがよく、また、複数の外周長が異なる周回状の脆弱部を前記外周長が短い前記脆弱部が内側に配されるように設けることがよい。また、この前記脆弱部を、前記振動板の前記圧力室側に設けることがよい。そして、この脆弱部を溝で構成することがよい。この脆弱部を振動板に設けることで、振動板が屈曲或いは湾曲し易くなり、誘電エラストマー層の変位量を増大させることができる。特に、周回状の脆弱部を複数設けることで、誘電エラストマー層をドーム状に変位させることができ、良好な噴射特性を得ることができる。また、脆弱部を振動板の圧力室側に設けることで、振動板の屈曲或いは湾曲を阻害し難くなる。そして、振動板に溝を設けることで容易に、振動板に脆弱部を設けることができる。
本発明の流体噴射ヘッドにおいては、前記電極層及び前記振動板に脆弱部を設けた場合、前記電極層及び前記振動板の前記脆弱部を前記誘電エラストマー層の主面側から見たとき同一位置になるように設けることがよい。このように各脆弱部を設けることで、電極層及び振動板が同じように屈曲或いは湾曲し易くなるため、誘電エラストマー層の変位形状が安定し、噴射特性が向上する。
本発明の流体噴射ヘッドにおいては、前記圧力室の一部を構成する薄膜をさらに有する場合、前記圧力室に対して薄膜を介して前記流体噴射素子を設けることもできる。また、この薄膜を、樹脂膜、又は酸化物膜で構成することができる。この薄膜により、流体噴射素子(誘電エラストマー及び電極層)の変位を阻害することなくより直接的に圧力室の容積を変位させ、流体に対する耐久性を付与しつつ、噴射特性を向上させることができる。
一方、本発明の流体噴射装置は、上記本発明の流体噴射ヘッドを備えることを特徴とするしている。
本発明よれば、液体及び気体の両方を良好に噴射可能な流体噴射ヘッド、及びそれを備えた流体噴射装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、実質的に同一の機能を有する部材には同一符号を付与し、重複する説明は省略する場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る流体噴射ヘッドの構成を示す断面図である。
本実施形態に係る流体噴射記録ヘッドは、図1に示すように、流体を噴射するノズル10と、流体を加圧しノズル10から流体を噴射させる圧力室12と、タンク(図示せず)からの流体をプールし圧力室12へ流体を供給する流体プール室14と、を有している。ノズル10と圧力室12とは流体連通路16を介して連通している。また、圧力室12と流体プール室14とは流体供給路18を介して連通している。
そして、圧力室12の一部を振動板20により構成させ、圧力室12に対して振動板20を介してアクチュエータ22(流体噴射素子)が設けられている。
本実施形態に係る流体噴射ヘッドでは、タンク(図示せず)から流体プール室14を経て流体が圧力室12に供給され、アクチュエータ22が振動板20を介して圧力室12の容積を減少させるように凹状に撓み変形して、圧力室12内の流体を加圧し、ノズル10から流体を噴射させる。
次に、アクチュエータ22について詳細に説明する。アクチュエータ22は、上部電極26及び下部電極24と、当該一対の電極に挟持された誘電エラストマー層28と、で構成されている。例えば、この上部電極26及び下部電極24厚みを、例えば、0.05〜1.0μmの範囲で設定し、誘電エラストマー層28の厚みは、例えば、5〜20μmの範囲で設定すると、アクチュエータ22を良好に機能させることができる。
このように厚さを設定すると、例えば、流体噴射ヘッドを、インク(液体)を噴射する1200npi以上の高解像度のインクジェット記録ヘッドに良好に適用することができる。
ここで、誘電エラストマーは、電歪ポリマーとも呼ばれ、強い電場中に置くと,電場の方向に収縮し,電場と垂直な方向には膨張するものである。このため、層状の誘電エラストマーを一対の電極層で挟持し、この電極層間に電圧をかけると、例えば、一方の電極層にはプラスの電荷が,他方の電極層にはマイナスの電荷が蓄えられて、電極間に引力が生じ、この力によって誘電エラストマーが押しつぶされ、面方向に膨張する。
また、例えば、ピエゾの伸縮率が1未満であるのに対し、この誘電エラストマーの伸縮率は最大で380%にも達する。そして、誘電エラストマーは、高弾性の高分子物質であり、張力を受けてもエネルギーの散逸に伴う発熱などが生じることなく、迅速に伸縮(変位)する。
誘電エラストマーとしては、シリコーン樹脂(例えば、DOW CORNING社製「SYLGARD 186」、DOW CORNING社製「HS3」など)、アクリル・シリコーン系高分子(例えば、3M社製「VHB 4910」など)などが好適に挙げられる。これらの材料は、電子導電性で電場応答性を有し、電場によって材料中の電子が移動して、高反応で伸縮(変位)するものである。
一方、上部電極26及び下部電極24の材料としては、誘電エラストマーとの親和性が高いものが好適であり、例えば、Al、Cu、Au等が好適に挙げられる。
なお、アクチュエータ22(誘電エラストマー層28)の変位を圧力室12に伝えるために介される振動板20構成材料としては、例えば、金属(例えば、ニッケル、銅、ステンレス(SUS)等)、ガラス、アモルファスカーボン、が挙げられが、上述のようにアクチュエータ22(誘電エラストマー層28)の変位量が大きいため、薄膜シリコン、ポリシリコン、ドライフィルム、を適用することが最も好適である。
次に、振動板20上にアクチュエータ22を形成する方法について説明する。まず、図2(a)に示すように、上記構成材料を用い、例えば、エレクトロフォーミング法、エッチング法、モールド法により、振動板20を形成する。
次に、図2(b)に示すように、振動板20上に、下部電極24、誘電エラストマー層28、及び上部電極26を順次成膜する。下部電極24及び上部電極26は、例えばCVD(Cへmical Vapor Deposition)法やスパッタ法などににより成膜する。誘電エラストマー層28は、例えば、各種塗布法(スプレー法、ディップ塗布法)、スクリーン印刷法、転写法などにより成膜する。ここで、誘電エラストマー層28は、プリストレインされることなく(歪を加えることなく)、形成している。このように誘電エラストマー層28を、機械的な歪を加えることなく形成することで、作製プロセスが容易にできるので生産性が高くなる。
次に、図2(c)に示すように、上部電極26上に、所望のパターンのレジスト(例えばSi含有レジスト)30をホトリソグラフィー法により形成する。
次に、図2(d)に示すように、レジスト30をマスクとして、下部電極24、誘電エラストマー層28、及び上部電極26を例えばドライエッチングによりパターニングする。そして、レジスト30を除去する。
このようにして、振動板20上に、アクチュエータ22を形成する。
以上、説明した本実施形態に係る流体噴射ヘッドでは、アクチュエータ22により圧力室12の容積を変位させ、ノズルから流体を噴射させる流路構成において、上述のように、変位量が大きい誘電エラストマーを利用したアクチュエータ22を適用するため、液体及び気体の両方を良好に噴射可能となる。
また、本実施形態では、振動板20(アクチュエータ22)の一方主面側に、圧力室12及びプール室14を設けた流路構成の場合を説明したが、これに限定されず、例えば、図3に示すように、振動板20(アクチュエータ22)を間に置いて圧力室12と反対側にプール室14を設ける、言い換えれば、プール室14と圧力室12の間に振動板20(アクチュエータ22)が配置され、プール室14と圧力室12が同一水平面上に存在しない流路構成であってもよい。この場合、ノズル10と圧力室12とは直接連結され、また、アクチュエータ22はプール室14内に配置(プール室14の一部を構成)しているので、流体からアクチュエータ22を保護する目的で、アクチュエータ22周囲に保護層32を設けている。また、この流路構成では、圧力室12が互いに近接配置され、ノズル10が高密度に配設することができる。
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る流体噴射ヘッドの構成を示す概略断面図である。図5は、本発明の第2の実施形態に係る流体噴射ヘッドの他の構成を示す概略断面図である。図6は、本発明の第2の実施形態に係る流体噴射ヘッドのアクチュエータ22を示す図であり、(a)は(b)のA−A断面図であり、(b)は平面図である。
本実施形態に係る流体噴射ヘッドは、図4、図5及び図6に示すように、アクチュエータ22おける上部電極26及び下部電極24に脆弱部として外周長の異なる周回状溝34を複数設けている。また、振動板20にも、同様に脆弱部として外周長の異なる周回状溝34を複数設けている。これらの周回状溝34は、非貫通で設けられている(所謂凹部)。また、これら周回状溝34の各々は、連続的に設けられていてもよいし、断続的に設けられていてもよい。
上部電極26における複数の周回状溝34のうち、外周長が一番大きい周回状溝34は上部電極26の外形に沿って設られており、この周回状溝34の内周側に所定の間隔で外周長が短い周回状溝34が順次設けられている。これら複数の周回状溝34は、その中心が同一となるように設けられている。下部電極24及び振動板20における複数の周回状溝34も同様である。但し、上部電極26及び下部電極24には、その上面側(圧力室と反対側の面)に周回状溝34が設けられており、振動板20には、その下面側(圧力室側の面)に周回状溝34が設けられている。
また、上部電極26、下部電極24及び振動板20に設けられた周回状溝34は、これら部材の主面側から見たとき、同一に位置するように設けられている。
次に、振動板20上にアクチュエータ22を形成する方法について説明する。まず、図7(a)に示すように、上記構成材料を用い、例えば、エレクトロフォーミング法、エッチング法、モールド法により、周回状溝34が設けられた振動板20を形成する。
次に、図7(b)に示すように、振動板20(周回状溝34が設けられた面とは反対の面側)上に、下部電極24をCVD法やスパッタ法などにより成膜した後、レジストを形成し、例えば、ドライエッチングによりパターニングする。その後、下部電極24上に、所望のパターンのレジスト36をホトリソグラフィー法により形成する。
次に、図7(c)に示すように、レジスト36をマスクとして、下部電極24にハーフエッチング(例えばドライエッチングをタイムストップで制御する)を施して、周回状溝34を形成する。そして、レジスト36を除去する。ここで、下部電極24の周回状溝34は、振動板20の周回状溝34とアラインさせるように形成する。
次に、図7(d)に示すように、下部電極24上に、誘電エラストマー層28を、例えば各種塗布法(スピン法、スプレー法、ディップ塗布法)、スクリーン印刷法、転写法などにより成膜した後、所望のパターンのレジスト(例えばSi含有レジスト)38をホトリソグラフィー法により形成する。
次に、図7(e)に示すように、レジスト38をマスクとして、誘電エラストマー層28を例えばドライエッチングによりパターニングする。
次に、図7(f)に示すように、誘電エラストマー層28上に、上部電極26をCVD法やスパッタ法などにより成膜した後、レジストを形成し、例えば、ドライエッチングによりパターニングする。その後、上部電極26上に、所望のパターンのレジスト40をホトリソグラフィー法により形成する。
次に、図7(g)に示すように、レジスト40をマスクとして、上部電極26にハーフエッチング(例えばドライエッチングをタイムストップで制御する)を施して、周回状溝34を形成する。そして、レジスト40を除去する。ここで、上部電極26の周回状溝34は、下部電極24及び振動板20の周回状溝34とアラインさせるように形成する。このようにして、振動板20上にアクチュエータ22を形成する。
これ以外は、第1実施形態と同様なので説明を省略する。
以上、説明した本実施形態に係る流体噴射ヘッドでは、上部電極26、下部電極24、及び振動板20に、脆弱部として周回状溝34を複数設けることで、これら各部材が屈曲或いは湾曲し易くなり、誘電エラストマー層28の変位量を増大させることができる。
例えば、第1実施形態におけるアクチュエータ22(溝なし)では、電界25V/μmでの変位量が2.5μm、電界40V/μmでの変位量が10μmであるのに対し、本実施形態におけるアクチュエータ22(溝あり)では、電界25V/μmでの変位量が6μm、電界40V/μmでの変位量が30μmである。このように、脆弱部として周回状溝34を複数設けることで、アクチュエータ22の変位量が増大させることができる。
特に、外周長の異なる周回状の溝34を複数設けることで、ドーム状に変位させ(一番内側の周回状溝34の中心が一番変位量が大きくなるため)、良好な噴射特性を得ることができる。また、振動板20の下面側(圧力室側の面)に周回状溝34を設けることで、周回状溝34を設けた面が他の部材と非接触となり(流体は除く)、振動板20の屈曲或いは湾曲が阻害され難くくしている。
また、上部電極26、下部電極24及び振動板20に設けられた周回状溝34は、これら部材の主面側から見たとき、同一に位置するように設けることで、これら部材は同様に屈曲或いは湾曲し易くなるため、より高い誘電エラストマー層生成の変位量が得られる。
また、上部電極26及び下部電極24に設ける周回状溝34は、非貫通としているので、誘電エラストマー層28全体に電場を付与しつつ、屈曲性或いは湾曲性を向上されており、より高い誘電エラストマー層28の変位量が得られる。
本実施形態では、外周長の異なる複数の周回状溝34をそれぞれの部材表面に、その中心が同一となるように設けた形態を説明したが、これに限定されず、例えば、図8に示すように、外側の周回状溝34と内側の周回状溝34の中心がずれるように、複数の周回状溝34を設けることもできる(互いの周回状溝の中心をずらして設ける)。これにより、誘電エラストマー層28における変位量が一番大きい箇所を制御することができる。例えば、誘電エラストマー層28主面側から見たとき、一番外周長が短い周回状溝34の中心がノズル10の配置位置と同一に位置するように、互いの中心をずらして、複数の周回状溝34を設けることで、誘電エラストマー層28はノズル10配置位置に対応する箇所の変位量が一番大きくなり、より高い噴射特性が得られる。
本実施形態では、上部電極26及び下部電極24に設ける周回状溝34が非貫通である形態を説明したが、図9に示すように、当該周回状溝34を貫通させて形成することもできる(周回状溝34を貫通口とする)。この構成のアクチュエータ22の形成方法は、図10に示す通りであるが、各電極を成膜した後、図10(c)、図10(g)において下層が露出するまで各電極に例えばドライエッチングを施して、貫通した周回状溝34を形成すると共にパターニングをすること以外は、図7に示す非貫通の周回状溝34を電極に有するアクチュエータ22と同様に形成することができるため説明を省略する。
また、上部電極26、下部電極24及び振動板20に設ける脆弱部としての溝は、周回状以外にも、格子状、ストライプ状、螺旋状でもよい。また、脆弱部としては溝に限定されるわけではなく、屈曲或いは湾曲させ易く機能を有する構造であればよい。
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態に係る流体噴射ヘッドの構成を示す概略断面図である。図12は、本発明の第3の実施形態に係る流体噴射ヘッドの他の構成を示す概略断面図である。
本実施形態に係る流体噴射ヘッドは、図11及び図12に示すように、振動板20の代わりに薄膜42を設けた形態である。即ち、圧力室12の一部を薄膜42により構成させ、圧力室12に対して薄膜42を介してアクチュエータ22(流体噴射素子)を設けている。
この薄膜42の構成材料としては、樹脂膜(例えば、ポリイミド、エポクシ樹脂、PDMSドライフィルム等)、又は酸化物膜(例えば、SiO2等)又は、デポジション膜(PolySi、等)が好適に挙げられる。また、その膜厚は、例えば、5μm以下の範囲で設定することがよい。
次に、薄膜42上にアクチュエータ22を形成する方法につてい説明する。まず、図13(a)に示すように、シリコン基板44を準備し、その裏面(一方の面)に所望のパターンの耐エッチングマスク46(例えば、SiN膜)を成膜し、裏面全面に保護膜48(例えばポリシリコン膜)を成膜する。そして、シリコン基板の表面(他方の面)に、薄膜42を成膜する。薄膜42は、酸化物膜の場合、例えばCVD法などにより成膜することができ、樹脂膜の場合、ドライフィルム転写、電着法、蒸着法などにより成膜することができる。
次に、図13(b)に示すように、薄膜42上に、下部電極24をCVD法やスパッタ法などにより成膜する。そして、下部電極24上に、所望のパターンのレジスト36をホトリソグラフィー法により形成する。
次に、図13(c)に示すように、レジスト36をマスクとして、薄膜42が露出するまで下部電極24に例えばドライエッチングを施して、貫通した周回状溝34を形成すると共にパターニングする。そして、レジスト36を除去する。
次に、図13(d)に示すように、下部電極24上に、誘電エラストマー層28を、例えば各種塗布法(スピン法、スプレー法、ディップ塗布法)、スクリーン印刷法、転写法などにより成膜した後、所望のパターンのレジスト(例えばSi含有レジスト)38をホトリソグラフィー法により形成する。
次に、図13(e)に示すように、レジスト38をマスクとして、誘電エラストマー層28を例えばドライエッチングによりパターニングする。
次に、図13(f)に示すように、誘電エラストマー層28上に、上部電極26をCVD法やスパッタ法などにより成膜する。その後、上部電極26上に、所望のパターンのレジスト40をホトリソグラフィー法により形成する。
次に、図13(g)に示すように、レジスト40をマスクとして、誘電エラストマー層28が露出するまで上部電極26に例えばドライエッチングを施して、周回状溝34を形成すると共にパターニングをする。そして、レジスト40を除去する。ここで、上部電極26の周回状溝34は、下部電極24の周回状溝34とアラインさせるように形成する。
次に、図13(h)に示すように、シリコン基板44の保護膜48を除去し、シリコン基板44の裏面に、耐エッチングマスク46を用いて異方性エッチングを施し、これを薄膜42が露出するまで行う。なお、図示していないが、シリコン基板の表面に形成される酸化膜がエッチングストップ層の役割を果たしている。
このようにして、薄膜42上に、アクチュエータ22を形成する。
これ以外の構成は第2実施形態と同様なので説明を省略する。但し、本実施形態は、電極に貫通した周回状溝34を有する形態である。
以上、説明した本実施形態に係る液体噴射ヘッドでは、振動板20の代わりに薄膜42を適用することで、アクチュエータ22の変位を阻害することなくより直接的に圧力室の容積を変位させ、流体に対する耐久性を付与しつつ、噴射特性を向上させることができる。
なお、本実施形態に係る流体噴射ヘッドは、ジェットフロー装置などの気体噴射装置や、インクジェット記録装置などの液体噴射装置に代表される公知の流体噴射装置に適用することができる。
例えば、インクジェット記録装置は、記録紙上に着色インクを噴射して文字や画像などの記録を行う液体噴射装置である。ここで、インクジェット記録とは、記録紙上への文字や画像の記録に限定されるものではない。すなわち、記録媒体は紙に限定されるものでなく、また、噴射する液体も着色インクに限定されるものではない。例えば、高分子フィルムやガラス上に着色インクを噴射してディスプレイ用のカラーフィルタを作製したり、溶融状態のハンダを基板上に噴射して部品実装用のバンプを形成したりするなど、工業的に用いられる液滴噴射装置一般も含まれる。
なお、本発明は、上記構成に限定されるものでなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施することが可能である。
本発明の第1の実施形態に係る流体噴射ヘッドの構成を示す概略断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る流体噴射ヘッドにおいて、振動板上にアクチュエータを形成する方法を示す工程図である。 本発明の第1の実施形態に係る流体噴射ヘッドの他の構成を示す概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体噴射ヘッドの構成を示す概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体噴射ヘッドの他の構成を示す概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体噴射ヘッドのアクチュエータを示す図であり、(a)は(b)のA−A断面図であり、(b)は平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体噴射ヘッドにおいて、振動板上にアクチュエータを形成する方法を示す工程図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体噴射ヘッドの他の構成のアクチュエータを示す図であり、(a)は(b)のB−B断面図であり、(b)は平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体噴射ヘッドの他の構成のアクチュエータを示す図であり、(a)は(b)のC−C断面図であり、(b)は平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る流体噴射ヘッドにおいて、振動板上に他の構成のアクチュエータを形成する方法を示す工程図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体噴射ヘッドの構成を示す概略断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体噴射ヘッドの他の構成を示す概略断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る流体噴射ヘッドにおいて、振動板上にアクチュエータを形成する方法を示す工程図である。
符号の説明
10 ノズル
12 圧力室
14 流体プール室
16 流体連通路
18 流体供給路
20 振動板
22 アクチュエータ
24 下部電極
26 上部電極
28 誘電エラストマー層
34 周回状溝(脆弱部)

Claims (14)

  1. 流体が噴射されるノズルと、
    前記ノズルと連通し、流体が充填される圧力室と、
    前記圧力室へ流体流路を介して供給する流体がプールされる流体プール室と、
    前記圧力室の容積を変位させ前記ノズルから流体を噴射させる流体噴射素子と、
    を有する流体噴射ヘッドにおいて、
    前記流体噴射素子を、誘電エラストマー層と前記誘電エラストマー層を挟持する一対の電極層とを含んで構成した流体噴射ヘッド。
  2. 前記誘電エラストマー層を、シリコーン樹脂、又はアクリル・シリコーン系高分子で構成した請求項1に記載の流体噴射ヘッド。
  3. 前記電極層に脆弱部を設けた請求項1に記載の流体噴射ヘッド。
  4. 複数の外周長が異なる周回状の前記脆弱部を、外周長の短い前期脆弱部が内側に配されるように設けた請求項3に記載の流体噴射ヘッド。
  5. 前記電極層の前記脆弱部を、前記電極層に設けた溝とした請求項3に記載の流体噴射ヘッド。
  6. 前記圧力室の一部を構成する振動板をさらに有し、記圧力室に対して前記振動板を介して前記流体噴射素子を設けた請求項1に記載の流体噴射素子。
  7. 前記振動板に脆弱部を設けた請求項1に記載の流体噴射ヘッド。
  8. 複数の外周長が異なる周回状の前記脆弱部を、前記外周長の短い前記脆弱部が内側に配されるように設けた請求項7に記載の流体噴射ヘッド。
  9. 前記振動板の前記脆弱部を、前記振動板の前記圧力室側に設けた請求項7に記載の流体噴射ヘッド。
  10. 前記振動板の前記脆弱部を、前記振動板に設けた溝とした請求項7に記載の流体噴射ヘッド。
  11. 前記電極層及び前記振動板に脆弱部を設け、前記電極層及び前記振動板の前記脆弱部を前記誘電エラストマー層の主面側から見たとき同一位置になるように設けた請求項7に記載の流体噴射ヘッド。
  12. 前記圧力室の一部を構成する薄膜をさらに有し、前記圧力室に対して前記薄膜を介して前記流体噴射素子を設けた請求項1に記載の流体噴射ヘッド。
  13. 前記薄膜を、樹脂膜、又は酸化物膜で構成した請求項11に記載の流体噴射ヘッド。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の流体噴射ヘッドを備える流体噴射装置。
JP2004268620A 2004-09-15 2004-09-15 インクジェット記録ヘッドに代表される流体噴射ヘッド、及びそれを利用した流体噴射装置 Pending JP2006082346A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004268620A JP2006082346A (ja) 2004-09-15 2004-09-15 インクジェット記録ヘッドに代表される流体噴射ヘッド、及びそれを利用した流体噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004268620A JP2006082346A (ja) 2004-09-15 2004-09-15 インクジェット記録ヘッドに代表される流体噴射ヘッド、及びそれを利用した流体噴射装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006082346A true JP2006082346A (ja) 2006-03-30

Family

ID=36161237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004268620A Pending JP2006082346A (ja) 2004-09-15 2004-09-15 インクジェット記録ヘッドに代表される流体噴射ヘッド、及びそれを利用した流体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006082346A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007303410A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Kyoto Univ マイクロポンプの構造
JP2009083231A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Kyocera Corp 液体吐出ヘッド
JP2009124839A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 Tokai Rubber Ind Ltd アクチュエータ用誘電膜およびそれを用いたアクチュエータ
JP2010036562A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Brother Ind Ltd 液滴吐出ヘッド及びインクジェットヘッド
JP2012183781A (ja) * 2011-03-08 2012-09-27 Brother Industries Ltd 液体移送装置、及び、圧電アクチュエータ
US8368284B2 (en) 2008-09-12 2013-02-05 Toyoda Gosei Co., Ltd. Dielectric actuator
JP2016054199A (ja) * 2014-09-03 2016-04-14 ローム株式会社 圧電素子およびそれを備えたインクジェットヘッド
JP2016225600A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 本田技研工業株式会社 電歪素子
JP2019212917A (ja) * 2019-07-19 2019-12-12 ローム株式会社 圧電素子ならびにそれを備えた圧電アクチュエータおよび圧電センサ
WO2023119864A1 (ja) * 2021-12-22 2023-06-29 正毅 千葉 誘電エラストマトランスデューサの製造方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007303410A (ja) * 2006-05-12 2007-11-22 Kyoto Univ マイクロポンプの構造
JP2009083231A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Kyocera Corp 液体吐出ヘッド
JP2009124839A (ja) * 2007-11-14 2009-06-04 Tokai Rubber Ind Ltd アクチュエータ用誘電膜およびそれを用いたアクチュエータ
JP2010036562A (ja) * 2008-08-08 2010-02-18 Brother Ind Ltd 液滴吐出ヘッド及びインクジェットヘッド
US8333458B2 (en) 2008-08-08 2012-12-18 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Droplet discharge head and ink jet head
US8368284B2 (en) 2008-09-12 2013-02-05 Toyoda Gosei Co., Ltd. Dielectric actuator
JP2012183781A (ja) * 2011-03-08 2012-09-27 Brother Industries Ltd 液体移送装置、及び、圧電アクチュエータ
JP2016054199A (ja) * 2014-09-03 2016-04-14 ローム株式会社 圧電素子およびそれを備えたインクジェットヘッド
JP2016225600A (ja) * 2015-05-28 2016-12-28 本田技研工業株式会社 電歪素子
JP2019212917A (ja) * 2019-07-19 2019-12-12 ローム株式会社 圧電素子ならびにそれを備えた圧電アクチュエータおよび圧電センサ
WO2023119864A1 (ja) * 2021-12-22 2023-06-29 正毅 千葉 誘電エラストマトランスデューサの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6640402B1 (en) Method of manufacturing an ink actuator
JP4638750B2 (ja) インクジェットプリントヘッドの圧電アクチュエータ、及びその形成方法
US9415593B2 (en) Ink jet head and manufacturing method of the same
JP2007216684A (ja) スクリーンプリンティングによる厚膜の形成方法及びインクジェットヘッドの圧電アクチュエータの形成方法
JP5545965B2 (ja) 流体吐出ヘッド、流体を流体吐出モジュールから排出する方法、及び流体吐出ヘッドを作製する方法
JP2006082346A (ja) インクジェット記録ヘッドに代表される流体噴射ヘッド、及びそれを利用した流体噴射装置
US7488057B2 (en) Piezoelectric ink jet printer head and its manufacturing process
US7341332B2 (en) Ink-jet printhead and manufacturing method thereof
US7159793B2 (en) Liquid discharging head and liquid discharging device
US6322202B1 (en) Heating apparatus for micro injecting device and method for fabricating the same
JP3693118B2 (ja) シリコンデバイスの製造方法及び液体噴射ヘッドの製造方法並びに液体噴射ヘッド
US8939557B2 (en) Liquid discharge head
CN107303757B (zh) 形成压电驱动器电极的方法
KR100288699B1 (ko) 마이크로 인젝팅 디바이스와 이의 제조방법
US8336994B2 (en) Droplet ejection device and manufacturing method thereof
JP2000318163A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法並びにノズル形成部材及びその製造方法
JP2004130558A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法
JPH03288649A (ja) 液体噴射ヘッド
KR20140127487A (ko) 잉크젯 프린트 헤드
KR19980079246A (ko) 프린트헤드의 기록액 분사장치 및 그 방법
JP2010228276A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びにアクチュエーター装置
JP2005305827A (ja) 液体噴射ヘッド
US20140292894A1 (en) Insulating substrate electrostatic ink jet print head
JP2004330567A (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
KR20050014130A (ko) 압전 및 정전 방식에 의해 구동되는 잉크젯 프린트헤드 및그 제조방법