JP2009124839A - アクチュエータ用誘電膜およびそれを用いたアクチュエータ - Google Patents

アクチュエータ用誘電膜およびそれを用いたアクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】アクチュエータを構成した場合に、大きな力を出力でき、かつ大きな変位量を得ることのできる誘電膜を提供する。また、そのような誘電膜を使用して、力および変位量の大きなアクチュエータを提供する。
【解決手段】アクチュエータ用誘電膜20は、複数の電極間21a,21bに介装され、複数の該電極間に印加される電圧の変化により伸縮すると共に、架橋密度が5.49×10−6mol/cm以上のニトリル系ゴムからなる。架橋密度が大きいため、ニトリル系ゴムのヤング率は大きく、絶縁破壊強度も大きい。よって、本誘電膜を使用したアクチュエータ1によると、大きな力が得られると共に、高い電圧を印加してより大きな変位量を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、印加される電圧の変化により伸縮するアクチュエータ用誘電膜、およびそれを用いたアクチュエータに関する。
産業用、介護用等のロボット、医療機器、マイクロマシン等の分野では、柔軟性が高く、小型で軽量なアクチュエータの必要性が高まっている。このようなアクチュエータ材料として、例えば、導電性高分子、イオン導電性高分子(ICPF)、誘電体エラストマー等の種々のポリマーが提案されている。なかでも、誘電体エラストマーを用いたアクチュエータは、小型化しやすく、低コストで作製できるため有用である。例えば、特許文献1、2には、誘電体エラストマーからなる誘電膜を一対の電極で狭持したアクチュエータが紹介されている。
特表2003−506858号公報 特表2001−524278号公報
アクチュエータにおいて、電極間への印加電圧を大きくすると、電極間の静電引力が大きくなる。このため、電極間に挟まれた誘電膜は膜厚方向から圧縮され、誘電膜の膜厚は薄くなる。膜厚が薄くなると、その分、誘電膜は電極面に対して平行方向に伸長する。また、電極間への印加電圧を小さくすると、電極間の静電引力が小さくなる。このため、誘電膜に対する膜厚方向からの圧縮力が小さくなり、誘電膜の弾性復元力により膜厚は厚くなる。膜厚が厚くなると、その分、誘電膜は電極面に対して平行方向に収縮する。このように、アクチュエータは、誘電膜を伸長、収縮させることによって、駆動対象部材を駆動させる。
アクチュエータには、出力される力および変位量が大きいことが求められる。上記特許文献1、2に示されているように、アクチュエータの誘電膜としては、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム等が使用されている。しかしながら、これら従来の材料では、力および変位量の両方を満足することはできない。例えばアクリルゴムのヤング率は小さい。このため、アクリルゴムは軟らかく、誘電膜として使用した場合に、得られる力が小さい。また、クリープが大きいため、耐久性にも問題がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、アクチュエータを構成した場合に、大きな力を出力でき、かつ大きな変位量を得ることのできる誘電膜を提供することを課題とする。また、そのような誘電膜を用いることにより、力および変位量の大きなアクチュエータを提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明のアクチュエータ用誘電膜は、複数の電極間に介装され、複数の該電極間に印加される電圧の変化により伸縮すると共に、架橋密度が5.49×10−6mol/cm以上のニトリル系ゴムからなることを特徴とする(請求項1に対応)。
ニトリル系ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、第三モノマーを導入して変性したNBR、およびこれらと塩化ビニル(PVC)等とのブレンド材を含む。ニトリル系ゴムは、極性基であるニトリル基を持つため、誘電率が大きい。また、例えばNBRの双極子モーメントは、アクリルゴムの約2倍である。このため、同じ電場で誘電膜として使用した場合、アクリルゴムと比較して大きな力を出力することができる。
ここで、本発明のアクチュエータ用誘電膜(以下、適宜「本発明の誘電膜」と称す)は、架橋密度が5.49×10−6mol/cm以上のニトリル系ゴムからなる。従来のNBRと比較して架橋密度が大きいため、ニトリル系ゴム(誘電膜)のヤング率は大きい。つまり、ニトリル系ゴムの強度は大きい。このため、本発明の誘電膜を用いてアクチュエータを構成すると、より大きな力を出力することができる。また、架橋密度が大きいため、ニトリル系ゴムの絶縁破壊強度は大きい。このため、より高い電圧を印加することが可能となり、より大きな変位量を得ることができる。さらに、本発明の誘電膜は、クリープしにくく寿命が長い。したがって、本発明の誘電膜によると、アクチュエータの耐久性が向上する。
(2)また、本発明のアクチュエータは、誘電膜と、該誘電膜を介して配置されている複数の電極と、を備えてなり、該誘電膜は、架橋密度が5.49×10−6mol/cm以上のニトリル系ゴムからなることを特徴とする(請求項6に対応)。
本発明のアクチュエータは、上記本発明の誘電膜を備える。このため、本発明のアクチュエータによると、大きな力が得られると共に、高い電圧を印加してより大きな変位量を得ることができる。また、絶縁破壊強度が大きく誘電膜の寿命が長いため、本発明のアクチュエータの耐久性は高い。
以下、本発明のアクチュエータ用誘電膜、およびそれを用いたアクチュエータについて、それぞれ詳細に説明する。
1.誘電膜
本発明の誘電膜は、架橋密度が5.49×10−6mol/cm以上のニトリル系ゴムからなる。上述したように、ニトリル系ゴムとしては、NBR、H−NBR、変性NBR、およびこれらとPVC等とのブレンド材が挙げられる。なかでも、NBRおよびH−NBRから選ばれる一種以上が好適である。ここで、H−NBRは、NBRと比較して二重結合が少ないため電気抵抗が大きい。このため、絶縁破壊強度が大きく、より高い電圧を印加することができる。つまり、ニトリル系ゴムとしてH−NBRを採用すると、アクチュエータを構成した場合に、より大きな変位量を得やすい。
また、ニトリル系ゴムの結合アクリロニトリル量(結合AN量)は、18重量%以上であることが望ましい。結合AN量は、ゴムの全体重量を100重量%とした場合の、含有アクリロニトリルの重量割合である。結合AN量が大きいものほど、強度が大きくなる。よって、アクチュエータを構成した場合に、より大きな力を出力することができる。結合AN量が35重量%以上、さらには40重量%以上であるとより好適である。なお、結合AN量は、例えば、ニトリル系ゴムを濃硫酸で分解した後、水酸化ナトリウム溶液を添加して、発生するアンモニアを定量することにより求めることができる。
ニトリル系ゴムの架橋密度は、5.49×10−6mol/cm以上である。ヤング率、絶縁破壊強度等をより大きくするという観点から、架橋密度を9.09×10−5mol/cm以上とするとより好適である。本明細書では、架橋密度の測定方法として以下の方法を採用する。まず、ニトリル系ゴムの試料(厚さ1.0±0.1mm)を80℃で15時間ソックスレー抽出し、冷風にて風乾後、常温にて15時間真空乾燥する。次に、処理後の試料を縦2.0±0.1mm×横2.0±0.1mm×厚さ1.0±0.1mmの大きさに成形し、トルエン/テトラヒドロフラン(体積比1:1)溶液2mlにて膨潤させる(常温下15時間)。膨潤前後の寸法変化、荷重を加えた際の寸法変化を測定し、Flory−Rhenerの理論式を用いて架橋密度を算出する。
このようなニトリル系ゴムは、原料ポリマーに、架橋剤、加硫促進剤、加工助剤、可塑剤、老化防止剤、着色剤等を必要に応じて添加してニトリル系ゴム組成物を調製し、当該ニトリル系ゴム組成物を架橋して製造すればよい。例えば、次のようにして製造すればよい。第一の方法としては、まず、原料ポリマーに、架橋剤、加工助剤等を添加して混練りし、ニトリル系ゴム組成物を調製する。次に、調製したニトリル系ゴム組成物を成形し、それを金型に充填して、所定の条件下でプレス架橋する。また、上記第一の方法と同様に調製したニトリル系ゴム組成物を、フィルム状あるいはチューブ状に押し出し成形等した後、架橋してもよい。また、第二の方法としては、まず、原料ポリマーを、所定の溶媒に溶解する。この溶液へ架橋剤等を加え、攪拌、混合してニトリル系ゴム組成物を調製する。次に、調製したニトリル系ゴム組成物を基材上に塗布し、乾燥させて溶媒を蒸発させた後、架橋する。
ここで、架橋剤としては、硫黄または有機過酸化物から選ばれる一種以上を使用することが望ましい。なかでも、有機過酸化物を使用した場合には、不純物の残存量が少ない。このため、ニトリル系ゴムの電気抵抗が大きくなり、絶縁破壊強度をより大きくすることができる。
有機過酸化物としては、既に公知の例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ヘキシン−3等が挙げられる。有機過酸化物を使用する場合(過酸化物架橋)には、架橋密度を大きくするという観点から、架橋剤の配合量を、ニトリル系ゴムの架橋前ゴム成分(原料ポリマー)100重量部に対して2.4重量部以上とすることが望ましい。4.8重量部以上とするとより好適である。一方、架橋剤の量が多すぎると、ヤング率が大きくなり硬くなるため、誘電膜として使用した時に破断しやすくなる。このため、架橋剤の配合量は、9.6重量部以下とすることが望ましい。7.2重量部以下とするとより好適である。なお、上記配合量は、架橋剤の有機過酸化物成分を100%とした時の値である。
また、架橋剤として硫黄を使用する場合(硫黄架橋)には、上記同様に架橋密度を大きくするという観点から、架橋剤の配合量を、ニトリル系ゴムの架橋前ゴム成分(原料ポリマー)100重量部に対して0.44重量部以上とすることが望ましい。0.88重量部以上とするとより好適である。一方、上述したように、架橋剤の量が多すぎると、ヤング率の上昇により、誘電膜として使用した時に破断しやすくなる。このため、架橋剤の配合量を、2.2重量部以下とすることが望ましい。1.8重量部以下とするとより好適である。
本発明の誘電膜を用いてアクチュエータを構成する場合、本発明の誘電膜を挟んで複数の電極を配置すればよい。複数の電極間に印加される電圧の変化により、本発明の誘電膜は伸縮する。以下、本発明の誘電膜を用いたアクチュエータ、すなわち本発明のアクチュエータの実施形態について説明する。
2.アクチュエータ
<第一実施形態>
図1に、本実施形態のアクチュエータの断面模式図を示す。(a)はオフ状態、(b)はオン状態を各々示す。図1に示すように、アクチュエータ1は、誘電膜20と電極21a、21bとを備えている。誘電膜20は、架橋密度が5.49×10−6mol/cm以上のニトリル系ゴムからなる。電極21a、21bは、誘電膜20の表裏に、それぞれ固定されている。電極21a、21bは、導線を介して電源22に接続されている。オフ状態からオン状態に切り替える際は、一対の電極21a、21b間に電圧を印加する。電圧の印加により、誘電膜20の膜厚は薄くなり、その分だけ、図(b)中白抜き矢印で示すように、電極21a、21b面に対して平行方向に伸長する。これにより、アクチュエータ1は、図中横方向の駆動力を出力する。
誘電膜20は、架橋密度の大きいニトリル系ゴムからなる。誘電膜20の強度が大きいため、アクチュエータ1の出力は大きい。また、誘電膜20の絶縁破壊強度が大きいため、より高い電圧を印加することができ、大きな変位量を得ることができる。さらに、誘電膜20は、クリープしにくく寿命が長い。このため、アクチュエータ1は耐久性に優れる。
本発明のアクチュエータにおいても、上述した本発明の誘電膜の好適な態様を採用することが望ましい。また、誘電膜の厚さは、アクチュエータの用途等に応じて適宜決定すればよい。例えば、アクチュエータの小型化、低電位駆動化、および変位量を大きくする等の観点からは、誘電膜の厚さは薄い方が望ましい。この場合、絶縁破壊性等をも考慮して、誘電膜の厚さを、1μm以上1000μm(1mm)以下とすることが望ましい。より好適な範囲は、5μm以上200μm以下である。また、本発明の誘電膜を面延在方向に延伸した状態で取り付けると、誘電膜の絶縁破壊強度が向上し、より大きな変位量を得ることができる。
電極の材質は、特に限定されるものではない。例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ等の炭素材料や金属からなる導電材に、バインダーとしてオイルやエラストマーを混合したペーストまたは塗料を塗布した電極を使用することができる。電極は、誘電膜の伸縮に応じて伸縮可能であることが望ましい。電極が、誘電膜と共に伸縮すると、誘電膜の変形が電極によって妨げられにくく、所望の変位量を得やすくなる。
また、複数の誘電膜と電極とを交互に積層させた積層構造とすると、より大きな力を発生させることができる。これにより、アクチュエータの出力が大きくなり、駆動対象部材をより大きな力で駆動させることができる。
<第二実施形態>
[アクチュエータの構成]
まず、本実施形態のアクチュエータの構成について説明する。図2に、本実施形態のアクチュエータの斜視図を示す。図3に、同アクチュエータの分解斜視図を示す。図4に、同アクチュエータの軸方向断面図を示す。なお、図2〜図4において、図1と対応する部位については同じ符号で示す。
アクチュエータ1は、図2〜図4に示すように、アクチュエータ素子2と錘32とを備えている。
アクチュエータ素子2は、伸縮部材24と上端部材33と下端部材34とを備えている。伸縮部材24は、誘電膜240と一対の電極241a、241bとを備えている。伸縮部材24は、上端部材33と下端部材34との間に介装されている。誘電膜240は、中空円筒状(チューブ状)を呈している。一対の電極241a、241bは、誘電膜240の外周面および内周面に配置されている。一対の電極241a、241bは、各々、電源(図略)に接続されている。
一対の電極241a、241bのうち、誘電膜240の内周側に配置された電極241bは、誘電膜240の内周面の全面を覆っている。また、電極241bは、誘電膜240の内周面下端部から下端面を介して外周面下端部まで延在している。
一方、一対の電極241a、241bのうち、誘電膜240の外周側に配置された電極241aは、誘電膜240の外周面の中間部を覆っている。すなわち、誘電膜240上端部において、外周側の電極241aは上端部材33から、所定間隔離間して配置されている。並びに、誘電膜240下端部において、外周側の電極241aは、内周側に連なる電極241bから、所定間隔離間して配置されている。
伸縮部材24の上端内径側には、線材90の下端が挿入されている。一方、伸縮部材24の上端外周面には、リング状の上端部材33が加締め固定されている。上端部材33は、線材90と伸縮部材24とが分離するのを抑制している。上端部材33は、線材90を介して、上方部材(図略)に固定されている。
伸縮部材24の下端内径側には、錘32の上端が挿入されている。一方、伸縮部材24の下端外周面には、リング状の下端部材34が加締め固定されている。下端部材34は、錘32と伸縮部材24とが分離するのを抑制している。錘32は、アクチュエータ素子2に、下向きの付勢力を加えている。
[アクチュエータの製造方法]
次に、本実施形態のアクチュエータの製造方法について説明する。本実施形態のアクチュエータの製造方法は、伸縮部材作製工程と、上下端部材取付工程と、を有している。伸縮部材作製工程においては、まず、原料ポリマーのH−NBR(日本ゼオン社製「Zetpol(登録商標)0020」)100重量部と、加工助剤のステアリン酸(花王社製「ルナック(登録商標)S30」)1重量部と、架橋剤の硫黄(鶴見化学工業社製「サルファックスT−10」)0.88重量部と、加硫促進助剤の酸化亜鉛(堺化学工業社製)5重量部と、加硫促進剤のテトラエチルチウラムジスルフィド(三新化学社製「サンセラー(登録商標)TET−G」)2.1重量部、およびN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(同社製「サンセラーCZ−G」)1重量部とを、ロール練り機にて混練りする。
次いで、この混練物を押出機(ヘッド部は100℃に設定)に通し、内径(直径)1.6mm、外径(直径)2.0mmのチューブを成形する。それから、当該チューブを、170℃のオーブン中で30分間加硫させる。このようにして、誘電膜240を作製する。
続いて、誘電膜240の内周側に、カーボンブラックとエラストマーとを混合した溶液を通過させ、誘電膜240の内周面に、当該溶液を付着させる。並びに、誘電膜240の外周面に、同じ溶液を塗布する。この際、外周面の下端付近に、リング状の塗り残し部を確保する。そして、塗り残し部の下方部分と、誘電膜240内周面の溶液付着部分とを塗り繋ぐ。その後、誘電膜240を風乾し、170℃のオーブン中で30分間加熱する。
このようにして、誘電膜240の外周面の塗り残し部の上方に電極241aを、誘電膜240の内周面、および外周面の塗り残し部の下方に電極241bを、それぞれ形成し、伸縮部材24が完成する。
上下端部材取付工程においては、完成した伸縮部材24(長さ200mm)の下端に、下端部材34を介して、錘(重さ50g)32を連結する。同様に、完成した伸縮部材24の上端に、上端部材33を介して、線材90を連結する。このようにして、アクチュエータ1の製造および取付が完了する。
[作用効果]
次に、本実施形態のアクチュエータの作用効果について説明する。本実施形態のアクチュエータは、構成が共通する部分については、第一実施形態のアクチュエータと同様の作用効果を有する。
本実施形態のアクチュエータ1の電極241a、241bに電圧を印加し、錘32の変位量を測定した。1Hzにて7.5kVまで絶縁破壊することなく電圧を印加することができ、大きな変位量を得ることができた。本実施形態のアクチュエータ1、誘電膜240は、例えば人工筋肉として好適である。
<第三実施形態>
本実施形態は、本発明のアクチュエータをポンプとして具現化したものである。
[ポンプの構成]
まず、本実施形態のポンプの構成について説明する。図5に、本実施形態のポンプの斜視図を示す。図6に、同ポンプの分解軸方向断面図を示す。図7に、同ポンプのダイヤフラム部材の分解斜視図を示す。図8に、同ポンプのオフ状態における軸方向断面図を示す。図9に、同ポンプのオン状態における軸方向断面図を示す。
ポンプ6は、作動用ハウジング部材60と、駆動用ハウジング部材61と、ダイヤフラム部材62と、付勢部材63と、を備えている。図8、図9に示すように、ポンプ6は熱源用冷却回路Cの一部を構成している。熱源用冷却回路Cには、冷却液が循環している。
作動用ハウジング部材60は、アクリル樹脂製であって、下方に開口する有底円筒状を呈している。すなわち、作動用ハウジング部材60の下端には、作動用開口部600が配置されている。また、作動用ハウジング部材60の内部には、作動用流体室601が区画されている。また、作動用ハウジング部材60の上底壁には、吸入筒部602および排出筒部603が突設されている。吸入筒部602と排出筒部603とは、上底壁の中心を挟んで、180°対向して配置されている。吸入筒部602および排出筒部603は、共に短軸円筒状を呈している。吸入筒部602先端には、吸入口602aが開設されている。吸入口602aは、熱源用冷却回路Cの吸入側逆止弁V1下流側に接続されている。排出筒部603先端には、排出口603aが開設されている。排出口603aは、熱源用冷却回路Cの排出側逆止弁V2上流側に接続されている。作動用ハウジング部材60の側周壁外面には、リング状のフランジ部604が形成されている。フランジ部604には、上下方向に延びるボルト貫通孔604aが穿設されている。ボルト貫通孔604aは、180°対向して、一対配置されている。
駆動用ハウジング部材61は、アクリル樹脂製であって、円筒状を呈している。駆動用ハウジング部材61の上端には、駆動用開口部610が配置されている。駆動用ハウジング部材61と作動用ハウジング部材60とは、駆動用開口部610と作動用開口部600との間に、ダイヤフラム部材62および付勢部材63を挟持した状態で、上下方向に対向して配置されている。駆動用ハウジング部材61の側周壁外面には、リング状のフランジ部614が形成されている。フランジ部614には、上下方向に延びるボルト貫通孔614aが穿設されている。ボルト貫通孔614aは、180°対向して、一対配置されている。一対のボルト貫通孔614aは、作動用ハウジング部材60の一対のボルト貫通孔604aと、上下方向に対向して配置されている。これらボルト貫通孔604a、614aには、下方から上方に向かって、ボルト615が貫通している。ボルト615の貫通端(上端)には、ナット616が螺着されている。これらボルト615およびナット616により、駆動用ハウジング部材61のフランジ部614と作動用ハウジング部材60のフランジ部604とは、連結されている。
ダイヤフラム部材62は、プラス電極620と、マイナス電極621と、誘電膜622と、が積層されて形成されている。プラス電極620およびマイナス電極621は、円形膜状を呈している。プラス電極620およびマイナス電極621は、誘電膜622の伸縮を規制しないように、誘電膜622と共に変形する。プラス電極620は、スイッチSを介して、電源のプラス側に接続されている。マイナス電極621は、電源のマイナス側に接続されている。
誘電膜622は、円形膜状を呈している。誘電膜622は、プラス電極620およびマイナス電極621よりも、若干大径である。誘電膜622は、プラス電極620とマイナス電極621との間に、介装されている。すなわち、上下方向に隣り合う一対のプラス電極620およびマイナス電極621により、誘電膜622に電圧が印加される。
なお、誘電膜622、プラス電極620およびマイナス電極621の材質は、第二実施形態と同様である。誘電膜622は、上記所定の原料を混練した混練物をプレス加硫して、厚さ0.2mmのフィルム状に作製した。プラス電極620およびマイナス電極621は、バーコート法により、各々厚さ10μmのフィルム状に作製した。
ダイヤフラム部材62は、駆動用ハウジング部材61の駆動用開口部610を覆っている。ダイヤフラム部材62は、クランプ部材617により、駆動用ハウジング部材61の外周面に締め付け固定されている。
付勢部材63は、ゴム製であって、円形膜状を呈している。付勢部材63の円中心部分には、下方に突出する半球部630が形成されている。付勢部材63は、作動用ハウジング部材60の作動用開口部600を覆っている。付勢部材63は、クランプ部材607により、作動用ハウジング部材60の外周面に締め付け固定されている。
[本実施形態のポンプの組付方法]
次に、本実施形態のポンプ6の組付方法について簡単に説明する。まず、駆動用ハウジング部材61の駆動用開口部610に、クランプ部材617を用いて、ダイヤフラム部材62を固定する。なお、この際、ダイヤフラム部材62を、外周縁が二軸方向に伸張された延伸状態で、駆動用開口部610に固定する。ダイヤフラム部材62の延伸率(後述する式(1)参照)は、100%である。続いて、作動用ハウジング部材60の作動用開口部600に、クランプ部材607を用いて、付勢部材63を固定する。
次いで、作動用開口部600(つまり付勢部材63)と、駆動用開口部610(つまりダイヤフラム部材62)とを、上下方向から突き合わせる。この際、ダイヤフラム部材62は、付勢部材63の半球部630により押圧され、下方に弾性変形する。一方、付勢部材63は、ダイヤフラム部材62により押圧され、上方に弾性変形する。ダイヤフラム部材62と付勢部材63とは、双方の弾性力が釣り合う位置で停止する。それから、ボルト615およびナット616により、駆動用ハウジング部材61のフランジ部614と、作動用ハウジング部材60のフランジ部604と、を連結する。
その後に、吸入筒部602の吸入口602aを熱源用冷却回路Cの吸入側逆止弁V1下流側に、排出筒部603の排出口603aを熱源用冷却回路Cの排出側逆止弁V2上流側に、それぞれ接続する。このようにして、本実施形態のポンプ6は組み付けられる。
[本実施形態のポンプの動き]
次に、本実施形態のポンプ6の動きについて説明する。オフ状態においては、スイッチSが開成されている。このため、ダイヤフラム部材62の誘電膜622には、電圧が印加されていない。したがって、ダイヤフラム部材62は、図8に示すように、ダイヤフラム部材62の弾性力(上向き)と、付勢部材63の弾性力(下向き)と、ダイヤフラム部材62および付勢部材63および冷却液の重さ(下向き)と、が釣り合う位置で停止している。
スイッチSが閉成されると、オン状態になり、ダイヤフラム部材62は、膜展開方向に伸張する。しかしながら、ダイヤフラム部材62の外周部は、作動用開口部600と駆動用開口部610との間に、挟持されている。このため、ダイヤフラム部材62は、伸張分に応じて、付勢部材63の弾性力、ダイヤフラム部材62および付勢部材63および冷却液の重さにより、下方に突出する。すなわち、図9に示すように、オフ状態(図8)と比較して、ダイヤフラム部材62は、下方に突出する。ダイヤフラム部材62が下方に突出すると、その分、作動用流体室601の容積が大きくなる。このため、吸入側逆止弁V1が開き(排出側逆止弁V2は閉じている)、吸入口602aを介して、熱源用冷却回路Cから作動用流体室601に、冷却液が流入する。
再びスイッチが開成されると、オン状態からオフ状態に切り替わる。このため、ダイヤフラム部材62が、付勢部材63の弾性力、ダイヤフラム部材62および付勢部材63および冷却液の重さに抗して、上方に復動する。したがって、作動用流体室601の容積が小さくなる。作動用流体室601の容積が小さくなると、排出側逆止弁V2が開き(吸入側逆止弁V1は閉じている)、排出口603aを介して、作動用流体室601から熱源用冷却回路Cに、冷却液が流出する。
以上説明したように、本実施形態のポンプ6は、スイッチの開閉を繰り返すことにより、オフ状態とオン状態とを交互に発生させ、冷却液を熱源用冷却回路Cに循環させている。循環する冷却液は、ポンプ6出側で熱源を冷却する。熱源との熱交換で高温になった冷却液は、放熱器で冷却され低温に戻る。低温に戻った冷却液は、ポンプ6に流入し、再びポンプ6出側で熱源を冷却する。このようにして、冷却液は、熱源用冷却回路Cを循環している。
[作用効果]
次に、本実施形態のポンプ6の作用効果について説明する。本実施形態のポンプ6によると、誘電膜622の電歪特性を利用して駆動力を取り出している。このため、モーターなどにより駆動力を取り出す場合と比較して、消費電力を小さくすることができる。また、駆動時の騒音を低減することができる。
また、本実施形態のポンプ6によると、誘電膜622の絶縁破壊強度が大きいため、より高い電圧を印加することができ、より大きな変位量を得ることができる。また、誘電膜622の強度が大きいため、出力も大きい。具体的には、15Hzにて3.5kVまで絶縁破壊することなく電圧を印加することができ、大きな吐出液量を得ることができた。
また、本実施形態のポンプ6によると、プラス電極620およびマイナス電極621が、誘電膜622の伸縮を規制しないように伸縮可能である。このため、所望のストロークを確保しやすい。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<誘電膜の製造>
(1)H−NBR膜の製造
架橋剤として有機過酸化物を使用し、その配合量を変えて四種類のH−NBR膜を製造した。まず、原料ポリマーのH−NBR(日本ゼオン社製「Zetpol1000L」;結合AN量=44重量%)100重量部と、架橋剤のジクミルパーオキサイド(日本油脂社製「パークミル(登録商標)D−40」、有機過酸化物成分40%)6重量部と、をロール練り機にて混練りし、H−NBR組成物を調製した。調製したH−NBR組成物を薄いシート状に成形した後、金型に充填し、150℃で約35分間プレス架橋することにより、H−NBR膜を得た。得られたH−NBR膜の架橋密度は5.49×10−6mol/cmであった。このH−NBR膜を実施例1のH−NBR膜とした。
次に、架橋剤(ジクミルパーオキサイド)の配合量のみを変更し、上記同様にしてH−NBR膜を製造した。架橋剤の配合量は、12重量部、18重量部、24重量部の三種類とした。これらのH−NBR膜を、架橋剤の配合量の少ない方から順に、実施例2、実施例3、実施例4のH−NBR膜とした。また、架橋剤の配合量を3重量部として製造したH−NBR膜を、比較例1のH−NBR膜とした。表1に、各々のH−NBR膜について、使用した原料、その配合量、架橋密度およびヤング率の値を示す。なお、表1には、後述するNBR膜(実施例5〜7)についても同様に示す。
Figure 2009124839
(2)NBR膜の製造
架橋剤として硫黄を使用し、その配合量を変えて三種類のNBR膜を製造した。まず、原料ポリマーのNBR(日本ゼオン社製「Nipol(登録商標)DN003」;結合AN量=50重量%)100重量部と、加硫促進助剤の酸化亜鉛(堺化学工業社製)5重量部とを、ロール練り機にて混練りした。続いて、架橋剤の硫黄(鶴見化学工業社製「サルファックスT−10」)0.44重量部と、加硫促進剤のテトラエチルチウラムジスルフィド(三新化学社製「サンセラーTET−G」)2.1重量部、およびN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(同社製「サンセラーCZ−G」)1重量部と、を添加して、ロール練り機にて混合し、分散させて、NBR組成物を調製した。調製したNBR組成物を薄いシート状に成形した後、金型に充填し、150℃で約18分間プレス架橋することにより、NBR膜を得た。得られたNBR膜の架橋密度は1.26×10−4mol/cmであった。このNBR膜を実施例5のNBR膜とした。
次に、架橋剤(硫黄)の配合量のみを0.88重量部、2.2重量部に変更し、上記同様にしてNBR膜を製造した。これらのNBR膜を、実施例6、実施例7のNBR膜とした。
<アクチュエータの評価>
製造した各々の膜を誘電膜としてアクチュエータを構成し、同アクチュエータの変位量と力の大きさを測定した。
(1)実験装置および実験方法
まず、実験装置および実験方法について説明する。実施例および比較例の各々の膜から、所定の大きさの誘電膜を作製した。作製した誘電膜の上下面に、導電性カーボンとオイルとを混合した導電性ペーストを塗布して電極を形成して、アクチュエータを作製した。以下、作製されたアクチュエータを、誘電膜の種類に対応させて、実施例1〜7または比較例1のアクチュエータと称す。図10に、作製したアクチュエータの上面図を示す。図11に、図10中XI−XI断面図を示す。
図10、図11に示すように、アクチュエータ3は、誘電膜30と一対の電極31a、31bとを備えている。誘電膜30は、直径70mmの円形の薄膜状を呈している。誘電膜30は、延伸率100%で二軸方向に延伸された状態で配置されている。ここで、延伸率は、次式(1)により算出した値である。
延伸率(%)={√(S/S)−1}×100・・・(1)
[S:延伸前(自然状態)の誘電膜面積、S:延伸後の誘電膜面積]
一対の電極31a、31bは、誘電膜30を挟んで上下方向に対向するよう配置されている。電極31a、31bは、直径約27mmの円形の薄膜状を呈しており、各々、誘電膜30と略同心円状に配置されている。電極31aの外周縁には、拡径方向に突出する端子部310aが形成されている。端子部310aは矩形板状を呈している。同様に、電極31bの外周縁には、拡径方向に突出する端子部310bが形成されている。端子部310bは矩形板状を呈している。端子部310bは、端子部310aに対して、180°対向する位置に配置されている。端子部310a、310bは、各々、導線を介して電源4に接続されている。
電極31a、31b間に電圧を印加すると、電極31a、31b間に静電引力が生じて、誘電膜30を圧縮する。これにより、誘電膜30の厚さは薄くなり、拡径方向に伸長する。この時、電極31a、31bも、誘電膜30と一体となって拡径方向に伸長する。電極31aには、予め、マーカー50が取り付けられている。マーカー50の変位を、変位計5により測定し、アクチュエータ3の変位量とした。
(2)実験結果
次に、実験結果について説明する。図12に、実施例および比較例の各アクチュエータにおける印加電圧に対する変位率を示す。変位率は次式(2)により算出した。図12の縦軸は、変位率を基準値aの倍数で示している。
変位率(%)=(変位量/電極の半径)×100・・・(2)
図12のグラフに示すように、H−NBR膜を用いたアクチュエータでは、比較例1→実施例1→実施例2→実施例3の順に、また、NBR膜を用いたアクチュエータでは、実施例5→実施例6→実施例7の順に、印加できる電圧が大きくなった。つまり、絶縁破壊強度が大きくなった。言い換えると、H−NBR膜、NBR膜のいずれにおいても、架橋剤の配合量を増加して架橋密度を大きくすると、絶縁破壊強度が大きくなった。これにより、変位量も大きくなる傾向にあった。特に、過酸化物架橋によるH−NBR膜を用いた実施例2、3のアクチュエータでは、絶縁破壊強度が大きく、大きな変位量が得られた。なお、実施例3のアクチュエータと比較して、実施例4のアクチュエータにおいて印加できる電圧が小さくなったのは、H−NBR膜のヤング率が大きく、硬くなり過ぎたためと考えられる。
また、実施例および比較例の各アクチュエータについて、変位率にヤング率を乗じて発生する力を見積もった。結果を図13に示す。図13の縦軸は、力を基準値bの倍数で示している。
図13に示すように、H−NBR膜を用いたアクチュエータでは、比較例1→実施例1→実施例2→実施例3の順に、また、NBR膜を用いたアクチュエータでは、実施例5→実施例6→実施例7の順に、絶縁破壊強度が大きくなると共に、出力される力が大きくなる傾向にあった。
本発明の誘電膜は、例えば、産業、医療、福祉ロボット用の人工筋肉、電子部品冷却用や医療用等の小型ポンプ、医療用器具等に用いられるアクチュエータに有用である。また、本発明の誘電膜を用いたアクチュエータは、モータ等機械式アクチュエータおよび圧電素子アクチュエータ等のすべてのアクチュエータの代替として利用することができる。
第一実施形態のアクチュエータの断面模式図であって、(a)はオフ状態、(b)はオン状態を各々示す。 第二実施形態のアクチュエータの斜視図である。 同アクチュエータの分解斜視図である。 同アクチュエータの軸方向断面図である。 第三実施形態のポンプの斜視図である。 同ポンプの分解軸方向断面図である。 同ポンプのダイヤフラム部材の分解斜視図である。 同ポンプのオフ状態における軸方向断面図である。 同ポンプのオン状態における軸方向断面図である。 評価実験に使用したアクチュエータの上面図である。 図10中のXI−XI断面図である。 実施例および比較例の各アクチュエータにおける印加電圧に対する変位率を示すグラフである。 実施例および比較例の各アクチュエータにおける印加電圧に対する力を示すグラフである。
符号の説明
1:アクチュエータ 2:アクチュエータ素子
20:誘電膜 21a、21b:電極 22:電源
24:伸縮部材 240:誘電膜 241a、241b:電極
32:錘 33:上端部材 34:下端部材 90:線材
3:アクチュエータ 30:誘電膜 31a、31b:電極
310a、310b:端子部 4:電源 5:変位計 50:マーカー
6:ポンプ
60:作動用ハウジング部材 600:作動用開口部 601:作動用流体室
602:吸入筒部 602a:吸入口 603:排出筒部 603a:排出口
604:フランジ部 604a:ボルト貫通孔 607:クランプ部材
61:駆動用ハウジング部材 610:駆動用開口部 614:フランジ部
614a:ボルト貫通孔 615:ボルト 616:ナット 617:クランプ部材
62:ダイヤフラム部材 620:プラス電極 621:マイナス電極 622:誘電膜
63:付勢部材 630:半球部
C:熱源用冷却回路 S:スイッチ V1:吸入側逆止弁 V2:排出側逆止弁

Claims (7)

  1. 複数の電極間に介装され、複数の該電極間に印加される電圧の変化により伸縮すると共に、架橋密度が5.49×10−6mol/cm以上のニトリル系ゴムからなるアクチュエータ用誘電膜。
  2. 前記ニトリル系ゴムは、硫黄または有機過酸化物から選ばれる一種以上の架橋剤により架橋されてなる請求項1に記載のアクチュエータ用誘電膜。
  3. 前記架橋剤は硫黄であり、
    該架橋剤の配合量は、前記ニトリル系ゴムの架橋前ゴム成分100重量部に対して0.44重量部以上2.2重量部以下である請求項2に記載のアクチュエータ用誘電膜。
  4. 前記架橋剤は有機過酸化物から選ばれる一種以上であり、
    該架橋剤の配合量は、前記ニトリル系ゴムの架橋前ゴム成分100重量部に対して2.4重量部以上9.6重量部以下である請求項2に記載のアクチュエータ用誘電膜。
  5. 前記ニトリル系ゴムは、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NBR)および水素化ニトリルゴム(H−NBR)から選ばれる一種以上である請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のアクチュエータ用誘電膜。
  6. 誘電膜と、該誘電膜を介して配置されている複数の電極と、を備えてなり、
    該誘電膜は、架橋密度が5.49×10−6mol/cm以上のニトリル系ゴムからなることを特徴とするアクチュエータ。
  7. ポンプまたは人工筋肉を構成する請求項6に記載のアクチュエータ。
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