JP2011201992A - 誘電膜およびそれを用いたトランスデューサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 誘電膜は、ゴムポリマーと、室温で固体のイオン導電剤と、を含むゴム組成物を架橋してなる。誘電膜を、少なくとも一対の電極間に介装して、トランスデューサを構成する。この場合、該電気間に電界強度20V/μmの直流電圧を10分間印加し続けた後の誘電膜の体積抵抗率は、1011Ωcm以上である。
【選択図】 図1
Description
上述したように、本発明の誘電膜は、ゴムポリマーと、室温で固体のイオン導電剤と、を含むゴム組成物を架橋してなり、該電気間に電界強度20V/μmの直流電圧を10分間印加し続けた後の体積抵抗率が、1011Ωcm以上である。
トランスデューサに用いられる誘電膜としては、柔軟性、耐絶縁破壊性が高く、比誘電率が大きいものが望ましい。このような観点から、好適なゴムポリマーとしては、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ウレタンゴム等が挙げられる。また、エポキシ化天然ゴム、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴム等のように、官能基を導入する等により変性したゴムポリマーを用いてもよい。ゴムポリマーとしては、一種を単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
イオン導電剤は、室温で固体のものであればよい。イオン導電剤のカチオンとしては、例えば、第四級アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン等が挙げられる。より具体的には、第四級アンモニウムイオンとしては、テトラブチルアンモニウムイオン、テトラオクチルアンモニウムイオン、テトラデシルアンモニウムイオン等が挙げられる。イミダゾリウムイオンとしては、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムイオン、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウムイオン等が挙げられる。ピリジニウムイオンとしては、1−エチルピリジニウムイオン、1−ブチルピリジニウムイオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムイオン等が挙げられる。ピロリジニウムイオンとしては、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムイオン等が挙げられる。第四級ホスホニウムイオンとしては、テトラブチルホスホニウムイオン等が挙げられる。また、アニオンとしては、塩化物イオン(Cl−)、臭化物イオン(Br−)、ヨウ化物イオン(I−)、過塩素酸イオン(ClO4 −)等が挙げられる。イオン導電剤としては、これらのカチオンとアニオンとを任意に組み合わせてなる化合物であって、室温で固体のものを採用すればよい。なかでも、潮解性が低く、取扱いやすいという観点から、第四級アンモニウム塩が好適である。なお、イオン導電剤としては、一種を単独で、あるいは二種以上を混合して用いることができる。
本発明の誘電膜の厚さは、トランスデューサの用途等に応じて適宜決定すればよい。例えば、アクチュエータを構成する場合には、小型化、低電位駆動化、および変位量を大きくする等の観点から、誘電膜の厚さは薄い方が望ましい。この場合、耐絶縁破壊性等をも考慮して、誘電膜の厚さを、1μm以上1000μm(1mm)以下とすることが望ましい。より好適な範囲は、5μm以上200μm以下である。
本発明の誘電膜は、ゴムポリマーと、室温で固体のイオン導電剤と、を含むゴム組成物を架橋して製造される。ゴム組成物には、必要に応じて、架橋剤、加硫促進剤、加工助剤、可塑剤、老化防止剤、補強剤、着色剤等の添加剤を配合してもよい。架橋方法は、ゴムポリマーの種類に応じて、適宜決定すればよい。例えば、硫黄架橋、過酸化物架橋、イソシアネート架橋、電子線(EV)架橋、紫外線(UV)架橋等が挙げられる。また、有機金属化合物のゾルゲル反応を利用してもよい。
本発明のトランスデューサは、上記本発明の誘電膜と、該誘電膜を介して配置されている複数の電極と、を備える。本発明の誘電膜の構成、および製造方法については、上述した通りである。よって、ここでは説明を割愛する。なお、本発明のトランスデューサにおいても、本発明の誘電膜における好適な態様を採用することが望ましい。
本発明のトランスデューサの第一例として、アクチュエータに具現化した実施形態を説明する。図1に、本実施形態のアクチュエータの断面模式図を示す。(a)はオフ状態、(b)はオン状態を各々示す。
本発明のトランスデューサの第二例として、静電容量型センサに具現化した実施形態を説明する。まず、本実施形態の静電容量型センサの構成について説明する。図2に、静電容量型センサの上面図を示す。図3に、図2のIII−III断面図を示す。
本発明のトランスデューサの第三例として、発電素子の実施形態を説明する。図4に、本実施形態における発電素子の断面模式図を示す。(a)は伸長時、(b)は収縮時を各々示す。
[実施例1〜7の誘電膜]
下記の表1に示す原料から、実施例1〜7の誘電膜を製造した。まず、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴム(ランクセス社製「テルバン(登録商標)XT8889」)と、所定のイオン導電剤(固体)と、をロール練り機にて混練りした。次に、混練りした材料を、アセチルアセトンに溶解した。続いて、この溶液に、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタンを混合して、液状のゴム組成物を調製した。ここで、アセチルアセトンは、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴム(ゴムポリマー)を溶解させる溶媒であると共に、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン(金属アルコキシド化合物)のキレート剤である。その後、ゴム組成物を基材上に塗布し、乾燥させた後、150℃で約60分間加熱して誘電膜を得た。誘電膜の膜厚は、いずれも約40μmとした。
イオン導電剤を配合しない点以外は、上記実施例の誘電膜と同様に、誘電膜を製造した。
イオン導電剤に替えて、イオン性液体を使用した点以外は、上記実施例の誘電膜と同様に、誘電膜を製造した。すなわち、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴム(同上)と、所定のイオン性液体と、をロール練り機にて混練りした。次に、混練りした材料を、アセチルアセトンに溶解した。続いて、この溶液に、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタンを混合して、液状のゴム組成物を調製した。その後、ゴム組成物を基材上に塗布し、乾燥させた後、150℃で約60分間加熱して誘電膜を得た。誘電膜の膜厚は、いずれも約40μmとした。
実施例および比較例の各誘電膜を用いてアクチュエータを作製し、アクチュエータの発生力等を測定した。まず、測定装置および測定方法について説明する。
13:電源
2:静電容量型センサ(トランスデューサ) 20:誘電膜 21a、21b:電極
22a、22b:配線 23a、23b:カバーフィルム 24:コネクタ
3:発電素子(トランスデューサ) 30:誘電膜 31a、31b:電極
32a〜32c:配線
5:アクチュエータ 50:誘電膜 51a、51b:電極 52:上側チャック
53:下側チャック
Claims (6)
- トランスデューサにおいて少なくとも一対の電極間に介装される誘電膜であって、
ゴムポリマーと、室温で固体のイオン導電剤と、を含むゴム組成物を架橋してなり、
該電気間に電界強度20V/μmの直流電圧を10分間印加し続けた後の体積抵抗率が、1011Ωcm以上であることを特徴とする誘電膜。 - 前記イオン導電剤は、第四級アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピロリジニウムイオン、および第四級ホスホニウムイオンから選ばれるカチオンと、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、および過塩素酸イオンから選ばれるアニオンと、を有する化合物である請求項1に記載の誘電膜。
- 前記イオン導電剤の配合量は、前記ゴムポリマーの100質量部に対して、0.155mmol以上3mmol以下である請求項1または請求項2に記載の誘電膜。
- 前記ゴムポリマーは、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ウレタンゴムから選ばれる一種以上である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の誘電膜。
- 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の誘電膜と、
該誘電膜を介して配置されている複数の電極と、
を備えることを特徴とするトランスデューサ。 - 複数の前記電極間に印加された電圧に応じて、前記誘電膜が伸縮するアクチュエータである請求項5に記載のトランスデューサ。
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