JP5633769B1 - 柔軟なトランスデューサ - Google Patents

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Abstract

柔軟なトランスデューサ(1)は、エラストマーと、無機半導体および有機半導体の少なくとも一方と、を含む半導体含有層(12)を有する誘電層(10)と、誘電層(10)を挟んで配置され、バインダーおよび導電材を含む一対の電極(11a、11b)と、を備える。半導体含有層(12)は、大きな比誘電率を有し、高い絶縁性を有する。このため、柔軟なトランスデューサ(1)によると、電極(11a、11b)間に大きな電圧を印加して大きな出力を得ることができる。

Description

本発明は、エラストマー材料を用いた柔軟なトランスデューサに関する。
トランスデューサとしては、機械エネルギーと電気エネルギーとの変換を行うアクチュエータ、センサ、発電素子等、あるいは音響エネルギーと電気エネルギーとの変換を行うスピーカ、マイクロフォン等が知られている。柔軟性が高く、小型で軽量なトランスデューサを構成するためには、誘電体エラストマー等の高分子材料が有用である。
例えば、誘電体エラストマーからなるシート状の誘電層の厚さ方向両面に、一対の電極を配置して、柔軟なトランスデューサを構成することができる。この種のトランスデューサによると、電極間の電荷により力を発生させたり、変形により生じた電荷を検知したり、発電することができる。例えば、電極間への印加電圧を大きくすると、電極間の静電引力が大きくなる。このため、電極間に挟まれた誘電層は厚さ方向から圧縮され、誘電層の厚さは薄くなる。膜厚が薄くなると、その分、誘電層は電極面に対して平行方向に伸長する。一方、電極間への印加電圧を小さくすると、電極間の静電引力が小さくなる。このため、誘電層に対する厚さ方向からの圧縮力が小さくなり、誘電層の弾性復元力により膜厚は厚くなる。膜厚が厚くなると、その分、誘電層は電極面に対して平行方向に収縮する。このように、印加電圧の変化に対する誘電層の伸縮を利用して、柔軟なトランスデューサを、アクチュエータとして用いることができる。
アクチュエータから出力される力および変位量は、印加電圧の大きさと、誘電層の比誘電率と、により決定される。すなわち、印加電圧が大きく、かつ誘電層の比誘電率が大きいほど、アクチュエータの発生力および変位量は大きくなる。このため、誘電層の材料としては、耐絶縁破壊性が高いシリコーンゴムや、比誘電率が大きいアクリルゴム、ニトリルゴム等が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
特表2003−506858号公報 特開2002−353521号公報 特表2001−523040号公報 特開2008−211879号公報
シリコーンゴムからなる誘電層は、大きな電圧を印加しても絶縁破壊しにくい。しかしながら、シリコーンゴムの極性は小さい。つまり、シリコーンゴムの比誘電率は小さい。このため、シリコーンゴムからなる誘電層を用いてアクチュエータを構成した場合には、印加電圧に対する静電引力が小さい。よって、実用的な電圧により、所望の力および変位量を得ることができない。
一方、アクリルゴムやニトリルゴムの比誘電率は、シリコーンゴムの比誘電率よりも大きい。このため、誘電層の材料としてアクリルゴム等を用いると、印加電圧に対する静電引力は、シリコーンゴムを用いた場合と比較して、大きくなる。しかしながら、アクリルゴム等の電気抵抗は、シリコーンゴムの電気抵抗と比較して、小さい。このため、アクリルゴム等からなる誘電層は、絶縁破壊しやすい。また、電圧印加時に電流が誘電層中を流れやすいため(いわゆる漏れ電流が大きいため)、誘電層と電極との界面に電荷が溜まりにくい。したがって、比誘電率が大きいにも関わらず、静電引力が小さくなり、充分な力および変位量を得ることができない。このように、エラストマー単独では、静電引力と耐絶縁破壊性との両方を満足する誘電層を実現することは、難しい。
また、静電容量を検知するセンサにおいても、感度を上げるためには、誘電層の比誘電率が大きいことが必要である。同時に、電荷を保持するためには高い絶縁性が要求される。また、発電素子やスピーカを高性能化するためにも、多くの電荷を保持できることが必須である。しかし、エラストマー単独では、大きな比誘電率と高い絶縁性とを両立することは難しい。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、エラストマーを含む誘電層を備え、耐絶縁破壊性が高く、大きな力を出力することができる柔軟なトランスデューサを提供することを課題とする。
本発明の柔軟なトランスデューサは、エラストマーと、無機半導体および有機半導体の少なくとも一方と、を含む半導体含有層を有する誘電層と、該誘電層を挟んで配置され、バインダーおよび導電材を含む一対の電極と、を備えることを特徴とする。
本発明の柔軟なトランスデューサにおいて、一対の電極間に介装される誘電層は、エラストマーと、無機半導体および有機半導体の少なくとも一方(以下、適宜まとめて「半導体」と称す)と、を含む半導体含有層を有する。半導体には、自由電子(負電荷を持つ荷電粒子)を有するn型半導体と、正孔(正電荷を持つ荷電粒子)を有するp型半導体と、がある。例えば、n型半導体を含むn型半導体含有層に電圧が印加されると、自由電子が移動して、n型半導体の内部に電荷の偏りが生じる。また、p型半導体を含むp型半導体含有層に電圧が印加されると、正孔が移動して、p型半導体の内部に電荷の偏りが生じる。半導体の内部に分極が生じることにより、比誘電率は大きくなる。また、自由電子や正孔(キャリア)は、母材である絶縁性のエラストマーが障壁となり、誘電層内では電流として流れにくい。したがって、半導体含有層は、比誘電率は大きいが、絶縁破壊しにくい。
誘電層は、半導体含有層(単層でも複数層でもよい)のみから構成されてもよいが、半導体含有層以外に、他の層を有してもよい。例えば、半導体含有層に、電気抵抗が大きい高抵抗層を積層させることができる。この場合、半導体含有層に隣接する高抵抗層の電気抵抗は大きい。このため、半導体含有層と高抵抗層との界面に、多くの電荷が蓄えられる。したがって、半導体含有層および高抵抗層を圧縮する大きな静電引力が発生し、大きな力を出力することができる。
このように、本発明の柔軟なトランスデューサにおいては、誘電層として半導体含有層を有することにより、誘電層に大きな静電引力を発生させることができる。また、誘電層の絶縁破壊強度は大きい。したがって、本発明の柔軟なトランスデューサによると、大きな電圧を印加して、大きな力を出力することができる。また、本発明の柔軟なトランスデューサを静電容量型センサとして用いた場合には、半導体含有層の静電容量が大きいため、変位に対する分解能が高くなる。
誘電層の比誘電率を大きくするためには、例えば、エラストマーにイオン成分を配合してもよい。この場合、電圧を印加すると、イオン成分の分子が反転して分極する。これにより、誘電層中に多くの電荷を発生させることができる。しかし、イオン分極には、イオン分子自体の反転が必要である。一般に、物質自体が反転することにより分極反転が生じる誘電材料においては、周波数が高くなると、物質の反転する速度が周波数に追いつかなくなる。このため、高周波数の交流電圧を印加した場合には、電圧の変化に分極が追随できない。したがって、イオン成分を配合して比誘電率の向上効果が得られるのは、10Hz程度の低周波数までである。
この点、本発明の半導体含有層においては、半導体のキャリア(正孔または自由電子)により電荷密度が大きくなる。キャリアの移動は、イオン分極のように物質の反転を伴わないため、印加電圧の周波数が高くても、分極による比誘電率の向上効果を得ることができる。したがって、本発明の柔軟なトランスデューサは、高周波数の交流電圧が印加される用途にも適している。
また、イオン成分を配合したイオン含有層と、上述した高抵抗層と、を積層させた場合には、イオン成分が高抵抗層に拡散しやすい。このため、高抵抗層の電気抵抗が低下して、絶縁破壊するおそれがある。また、高抵抗層に電流が流れると、発生するジュール熱により、高抵抗層が破壊されるおそれがある。
この点、本発明の半導体含有層においては、電圧を印加することにより半導体のキャリアは移動するが、半導体自身(固定電荷)は移動しない。したがって、半導体含有層と高抵抗層とを積層させても、半導体自身の移動による経時変化がない。このため、高抵抗層の電気抵抗の低下や絶縁破壊は、生じにくい。
上記特許文献2には、n型熱電半導体基体とp型熱電半導体基体とを接合した熱電発電モジュールが開示されている。特許文献2に記載の熱電発電モジュールは、ペルチェ効果またはゼーベック効果を用いるものであり、電歪効果を利用する本発明の柔軟なトランスデューサとは異なる。特許文献2に記載のn型熱電半導体基体は、合成ゴムに導電性粒子を混合した体積抵抗率10−4〜10Ω・cmの導電性プラスチック中に、n型熱電半導体粒子を配合したものである。同様に、p型熱電半導体基体は、上記導電性プラスチック中に、p型熱電半導体粒子を配合したものである。n型熱電半導体基体およびp型熱電半導体基体は、導電性粒子により導電性が付与されている点においても、本発明の半導体含有層とは異なる。また、特許文献3には絶縁バインダ、導電性粒子、および半導体粒子を有する組成物が開示されている。特許文献3に記載の組成物は、電気過負荷過渡現象に対する電子部品の保護に用いられるものであり、導電性粒子により導電性が付与されている点において、本発明の半導体含有層とは異なる。特許文献4には、伸縮体と、半導電層と、一対の電極と、を備える電歪型アクチュエータが開示されている。半導電層は、カーボン粉末等の導電性物質を含み、半導体を含まない点において、本発明の半導体含有層とは異なる。
第一実施形態のトランスデューサの断面模式図である。 第二実施形態のトランスデューサの断面模式図である。 第三実施形態のトランスデューサの断面模式図である。 第四実施形態のトランスデューサの断面模式図である。 本発明のトランスデューサの第五実施形態であるスピーカの斜視図である。 図5のVI−VI断面図である。 本発明のトランスデューサの第六実施形態である発電素子の断面模式図であって、(a)は伸長時、(b)は収縮時を示す。 本発明のトランスデューサの第七実施形態である静電容量型センサの上面図である。 図8のIX−IX断面図である。 測定装置に取り付けられたアクチュエータの表側正面図である。 図10のXI−XI断面図である。 評価実験に使用したアクチュエータの上面図である。 図12のXIII−XIII断面図である。
1:トランスデューサ、10:誘電層、11a、11b:電極、12:n型半導体含有層、13:p型半導体含有層、14:高抵抗層。
2:静電容量型センサ(トランスデューサ)、20:誘電層、21a、21b:電極、22a、22b:配線、23a、23b:カバーフィルム、24:コネクタ。
3:発電素子(トランスデューサ)、30:誘電層、31a、31b:電極、32a〜32c:配線。
4:スピーカ(トランスデューサ)、40a:第一アウタフレーム、40b:第二アウタフレーム、41a:第一インナフレーム、41b:第二インナフレーム、42a:第一誘電層、42b:第二誘電層、43a:第一アウタ電極、43b:第二アウタ電極、44a:第一インナ電極、44b:第二インナ電極、45a:第一振動板、45b:第二振動板、430a、430b、440a、440b:端子、460:ボルト、461:ナット、462:スペーサ。
5:アクチュエータ、50:誘電層、51a、51b:電極、52:上側チャック、53:下側チャック。
6:アクチュエータ、60:誘電層、61a、61b:電極、62:電源、63:変位計、610a、610b:端子部、630:マーカー。
以下、本発明の柔軟なトランスデューサの実施の形態について説明する。なお、本発明の柔軟なトランスデューサは、以下の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。本発明の柔軟なトランスデューサは、誘電層と、該誘電層を挟んで配置される一対の電極と、を備える。
<誘電層>
誘電層は、一対の電極間に配置される。誘電層は、半導体含有層を有すれば、一層でも二層以上でもよい。まず、本発明の柔軟なトランスデューサをアクチュエータとして用いる場合を例に挙げ、誘電層の構成例を説明する。なお、後述する第五〜七実施形態に示すように、本発明の柔軟なトランスデューサをスピーカ、発電素子、センサ等として用いる場合においても、以下と同様の構成を採用することができる。
[第一実施形態]
本実施形態の柔軟なトランスデューサ(以下、実施形態において、単に「トランスデューサ」と称す)の構成および動作を説明する。図1に、本実施形態のトランスデューサの断面模式図を示す。図1に示すように、トランスデューサ1は、誘電層10と、一対の電極11a、11bと、を備えている。誘電層10は、n型半導体含有層12からなる。n型半導体含有層12は、ニトリルゴムと、n型半導体無機粒子のPドープSnO粒子と、を含んでいる。ニトリルゴムは、本発明のエラストマーに含まれる。電極11aはプラス電極であり、n型半導体含有層12の上面に配置されている。電極11bはマイナス電極であり、n型半導体含有層12の下面に配置されている。
一対の電極11a、11b間に電圧が印加されると、n型半導体無機粒子の自由電子がプラス電極11a側へ移動することにより、n型半導体無機粒子の内部に分極が生じる。これにより、n型半導体含有層12の電荷密度は大きくなり、比誘電率は大きくなる。したがって、一対の電極11a、11b間に、n型半導体含有層12圧縮するように、大きな静電引力が発生する。一方、自由電子は、母材のニトリルゴムが障壁となり、電流として流れにくい。したがって、n型半導体含有層12は、絶縁破壊しにくい。
したがって、トランスデューサ1によると、印加電圧を大きくして、大きな力および変位量を得ることができる。また、トランスデューサ1は、耐久性に優れる。
[第二実施形態]
本実施形態のトランスデューサの構成および動作を説明する。図2に、本実施形態のトランスデューサの断面模式図を示す。図1と対応する部材については、同じ符号で示す。図2に示すように、トランスデューサ1は、誘電層10と、一対の電極11a、11bと、を備えている。誘電層10は、n型半導体含有層12と、p型半導体含有層13と、からなる。n型半導体含有層12は、p型半導体含有層13の上面に積層されている。p型半導体含有層13は、ニトリルゴムと、p型半導体無機粒子の酸化ニッケル粒子と、を含んでいる。電極11aはプラス電極であり、n型半導体含有層12の上面に配置されている。電極11bはマイナス電極であり、p型半導体含有層13の下面に配置されている。
一対の電極11a、11b間に電圧が印加されると、n型半導体含有層12において、n型半導体無機粒子の自由電子がプラス電極11a側へ移動することにより、n型半導体無機粒子の内部に分極が生じる。また、p型半導体含有層13において、p型半導体無機粒子の正孔がマイナス電極11b側へ移動することにより、p型半導体無機粒子の内部に分極が生じる。これにより、n型半導体含有層12およびp型半導体含有層13の電荷密度は大きくなり、比誘電率は大きくなる。したがって、一対の電極11a、11b間に、n型半導体含有層12およびp型半導体含有層13を圧縮するように、大きな静電引力が発生する。一方、自由電子は、母材のニトリルゴムが障壁となり、電流として流れにくい。したがって、n型半導体含有層12およびp型半導体含有層13は、絶縁破壊しにくい。
[第三実施形態]
本実施形態のトランスデューサの構成および動作を説明する。図3に、本実施形態のトランスデューサの断面模式図を示す。図1と対応する部材については、同じ符号で示す。図3に示すように、トランスデューサ1は、誘電層10と、一対の電極11a、11bと、を備えている。誘電層10は、n型半導体含有層12と、高抵抗層14と、からなる。n型半導体含有層12は、高抵抗層14の上面に積層されている。高抵抗層14は、ニトリルゴムと、絶縁性粒子のTiOと、を含んでいる。高抵抗層14の体積抵抗率は、8×1013Ω・cmである。電極11aはプラス電極であり、n型半導体含有層12の上面に配置されている。電極11bはマイナス電極であり、高抵抗層14の下面に配置されている。
一対の電極11a、11b間に電圧が印加されると、n型半導体含有層12において、n型半導体無機粒子の自由電子がプラス電極11a側へ移動することにより、n型半導体無機粒子の内部に分極が生じる。これにより、n型半導体含有層12の電荷密度は大きくなり、比誘電率は大きくなる。また、電圧を印加し続けると、n型半導体無機粒子の自由電子の一部は、母材のニトリルゴム中に移動する。一方、固定電荷のn型半導体無機粒子自身は、ほとんど動かない。ここで、高抵抗層14の電気抵抗は大きい。このため、n型半導体含有層12と高抵抗層14との界面に、多くの電荷が蓄えられる。したがって、一対の電極11a、11b間に、n型半導体含有層12および高抵抗層14を圧縮するように、大きな静電引力が発生する。
[第四実施形態]
本実施形態のトランスデューサの構成および動作を説明する。図4に、本実施形態のトランスデューサの断面模式図を示す。図2、図3と対応する部材については、同じ符号で示す。図4に示すように、トランスデューサ1は、誘電層10と、一対の電極11a、11bと、を備えている。誘電層10は、n型半導体含有層12と、p型半導体含有層13と、高抵抗層14と、からなる。高抵抗層14は、n型半導体含有層12とp型半導体含有層13との間に介装されている。電極11aはプラス電極であり、n型半導体含有層12の上面に配置されている。電極11bはマイナス電極であり、p型半導体含有層13の下面に配置されている。
一対の電極11a、11b間に電圧が印加されると、n型半導体含有層12において、n型半導体無機粒子の内部に分極が生じる。また、p型半導体含有層13において、p型半導体無機粒子の内部に分極が生じる。これにより、n型半導体含有層12およびp型半導体含有層13の電荷密度は大きくなり、比誘電率は大きくなる。また、印加電圧をより大きくすると、n型半導体無機粒子の自由電子の一部は、母材のニトリルゴム中に移動する。一方、プラス固定電荷のn型半導体無機粒子自身は、ほとんど動かない。同様に、p型半導体無機粒子の正孔の一部は、母材のニトリルゴム中に移動する。一方、マイナス固定電荷のp型半導体無機粒子自身は、ほとんど動かない。ここで、高抵抗層14の電気抵抗は大きい。このため、n型半導体含有層12と高抵抗層14との界面、およびp型半導体含有層13と高抵抗層14との界面に、多くの電荷が蓄えられる。したがって、一対の電極11a、11b間に、n型半導体含有層12、高抵抗層14、およびp型半導体含有層13を圧縮するように、大きな静電引力が発生する。
次に、誘電層を構成する各層の詳細を説明する。
[半導体含有層]
半導体含有層は、エラストマーと、無機半導体および有機半導体の少なくとも一方と、を含む。エラストマーには、架橋ゴムおよび熱可塑性エラストマーが含まれる。これらの一種を単独で、または二種以上を混合して用いることができる。エラストマーは、トランスデューサに要求される性能に応じて、適宜選択すればよい。例えば、電圧印加時に発生する静電引力を大きくするという観点では、極性が大きい、つまり比誘電率が大きいエラストマーが望ましい。具体的には、比誘電率が2.8以上(測定周波数100Hz)のものが好適である。比誘電率が大きいエラストマーとしては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、およびウレタンゴム等が挙げられる。また、官能基を導入するなどして変性されたエラストマーを用いてもよい。変性エラストマーとしては、例えば、カルボキシル基変性ニトリルゴム(X−NBR)、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴム(XH−NBR)等が好適である。X−NBR、XH−NBRにおいては、アクリロニトリル含有量(結合AN量)が33質量%以上のものが望ましい。結合AN量は、ゴムの全体質量を100質量%とした場合のアクリロニトリルの質量割合である。
また、比誘電率が小さくても、電気抵抗が大きいエラストマーは、電圧印加時に絶縁破壊しにくいという点で望ましい。電気抵抗が大きいエラストマーとしては、シリコーンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体等が挙げられる。
また、熱可塑性エラストマーは、架橋剤を使用しないため、不純物が入りにくく、好適である。熱可塑性エラストマーとしては、スチレン系(SBS、SEBS、SEPS)、オレフィン系(TPO)、塩ビ系(TPVC)、ウレタン系(TPU)、エステル系(TPEE)、アミド系(TPAE)、およびこれらの共重合体やブレンド体が挙げられる。
無機半導体としては、無機物からなるp型またはn型半導体の粒子を含むことが望ましい。p型またはn型半導体は、真性半導体に所定の元素を微量ドーピングした材料、酸化物およびカルコゲナイド等のp型またはn型を示す材料、のいずれでもよい。カルコゲナイドは、硫化物、セレン化物、およびテルル化物を含む。これらのうち、安定性および安全性の観点から、酸化物または硫化物、なかでも金属酸化物または金属硫化物が好適である。
p型を示す金属酸化物、金属硫化物としては、ニッケルを含む化合物、1価の銅を含む化合物、コバルトを含む化合物が挙げられる。具体的には、酸化ニッケル、酸化銅、コバルトとナトリウムとの複合酸化物(例えばNaCoO)等が挙げられる。なお、金属酸化物、金属硫化物は、元素が一部置換されたものや、所定の元素が微量ドーピングされたものでもよい。
n型を示す金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化バナジウム、酸化タンタル、酸化ニオブ、酸化タングステン、酸化スズ、酸化鉄、タンタル酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウムおよびチタン酸ストロンチウム等が挙げられる。金属硫化物としては、硫化カドミウム、硫化亜鉛、および硫化インジウム等が挙げられる。なお、金属酸化物、金属硫化物は、元素が一部置換されたものや、所定の元素が微量ドーピングされたものでもよい。
粒子内のキャリア濃度を増加して、比誘電率向上効果を高めるという観点から、金属酸化物および金属硫化物としては、元素が一部置換されたものや、所定の元素が微量ドーピングされたものが望ましい。なかでも、チタン酸バリウムにLa、Nb、Ta、Y、Ca、Mg、Mnがドーピングされたもの、酸化チタンにNb、Ta、Sb、P、Nがドーピングされたもの、酸化スズにP、Sb、Alがドーピングされたもの、酸化亜鉛にAl、Gaがドーピングされたもの、酸化インジウムにSnがドーピングされたものが、好適である。また、複数の元素がドーピングされたものを用いてもよい。また、還元アニーリング等により、酸素欠損を生成して、キャリア濃度を増加させてもよい。
元素のドーピング量は、ドーピングする母粒子により最適値が異なるため、適宜決定すればよい。例えば、ドーピング量は、0.01mol%以上20mol%以下であることが望ましい。ドーピング量が0.01mol%未満の場合には、比誘電率向上効果が少なく、20mol%を超えると、かえって比誘電率が小さくなる。より好適には、0.5mol%以上10mol%以下である。
半導体含有層に含まれる半導体粒子は、一種でも二種以上でもよい。半導体粒子としては、市販の粉末を用いてもよく、固相合成法、超臨界水熱合成法、水熱合成法、ゾルゲル法、シュウ酸法等により合成したものを用いてもよい。固相合成法を用いると、ドーピング量をコントロールしやすいため、任意のドーピング量の粒子を得やすい。また、得られる粒子の結晶性も高くなる。水熱合成法、超臨界水熱合成法、ゾルゲル法を用いると、ナノサイズで結晶性の高い粒子を得ることができる。結晶性の高い粒子を用いると、半導体含有層の電気抵抗が大きくなり、半導体含有層が絶縁破壊しにくくなる。ナノサイズの粒子を用いると、半導体含有層を薄膜化することができる。半導体含有層、ひいては誘電層を薄膜化することにより、トランスデューサの体積エネルギー密度を高めることができる。また、印加電圧を小さくして、省電力化を図ることができる。
半導体粒子は、エラストマー中に単分散状態で存在することが望ましい。半導体粒子がエラストマー中に凝集した状態で存在すると、凝集した部分の絶縁性が損なわれ、半導体含有層全体の絶縁性が低下してしまう。これにより、誘電層の絶縁破壊強度が低下する。半導体粒子の分散性を高めるため、エラストマーの種類に応じて、半導体粒子に公知の表面処理を施してもよい。この際、表面処理剤としては、半導体粒子およびエラストマーの両方と共有結合できるものが望ましい。共有結合により、半導体粒子とエラストマーとの親和性が増加することにより、ミクロボイドが生じにくくなり、エラストマーから半導体粒子が剥離しにくくなる。これにより、半導体含有層の絶縁破壊強度が大きくなる。例えば、ゾルゲル法により合成した半導体粒子は、粒子表面に多くの水酸基を有する。このため、表面処理を施さなくても、エラストマーと共有結合しやすい。したがって、ゾルゲル法により合成した半導体粒子は、半導体含有層の絶縁破壊強度を大きくするのに好適である。
半導体粒子は、キャリア密度の高いものが好適である。半導体粒子のキャリア密度が高いと、エラストマーへの配合量が少なくても、半導体含有層の電荷密度を増加させることができる。半導体粒子の配合量が少ないと、半導体含有層の柔軟性が向上する。また、エラストマー中の半導体粒子同士の距離が大きくなるため、電圧印加時の粒子間ホッピングを抑制することができる。これにより、漏れ電流が低減し、半導体含有層が絶縁破壊しにくくなる。一方、半導体粒子の配合量を多くすると、半導体含有層の電荷密度を増加させることができる。しかし、柔軟性や耐絶縁破壊性の低下を招くおそれがある。したがって、半導体粒子の配合量は、相反する利点を考慮して、半導体含有層が所望の比誘電率、体積抵抗率、柔軟性等を有するように、適宜決定すればよい。例えば、半導体粒子の配合量を、エラストマー100質量部に対して、1質量部以上120質量部以下にするとよい。5質量部以上80質量部以下にすると、より好適である。
半導体粒子の形状は、特に限定されない。例えば、半導体粒子のアスペクト比が小さい場合、エラストマーへの配合量が多くても、半導体粒子同士が接触しにくい。このため、電圧印加時の粒子間ホッピングの抑制に、効果的である。反対に、半導体粒子のアスペクト比が大きい場合、エラストマーへの配合量が少なくても、電荷密度を増加できる可能性がある。
柔軟なトランスデューサにおいて、誘電層の厚さは、印加電圧と発生力との関係に影響を与える。すなわち、誘電層の厚さを薄くすると、単位厚さ当たりの印加電圧を、小さくすることができる。したがって、誘電層の厚さは薄い方が望ましい。つまり、半導体含有層の厚さも、薄い方が望ましい。半導体粒子の大きさは、半導体含有層の厚さに応じて、適宜決定すればよい。例えば、半導体含有層の厚さが20μm程度の場合には、半導体粒子の粒子径(凝集体ではない一次粒子の粒子径)は、500nm以下であることが望ましく、100nm以下、さらには50nm以下であるとより好適である。
半導体含有層は、無機半導体および有機半導体の少なくとも一方を有すればよい。有機半導体としては、ポリアニリン、ポリチオフェン等を用いることが望ましい。キャリア濃度を高くする、不純物が入りにくいという観点から、半導体含有層は、無機半導体の粒子を含む態様が望ましい。また、半導体含有層の絶縁破壊強度を大きくするという観点から、半導体含有層の体積抵抗率は、1010Ω・cm以上であることが望ましい。1012Ω・cm以上が好適である。
半導体含有層は、半導体に加えて、さらに絶縁性粒子を含んでいてもよい。絶縁性粒子を配合することにより、半導体含有層の体積抵抗率を大きくすることができ、絶縁破壊強度を大きくすることができる。絶縁性粒子としては、例えば、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、焼成クレー、タルク等の粉末を用いればよい。これらの一種を単独で、または二種以上を混合して用いることができる。シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウムについては、有機金属化合物の加水分解反応(ゾルゲル法)により製造したものを用いてもよい。例えば、チタン酸バリウムの比誘電率は大きい。よって、半導体含有層に、チタン酸バリウム等の誘電性を有する粒子を配合すると、電圧印加時に発生する静電引力を大きくすることができる。また、半導体含有層は、絶縁性粒子以外にも、架橋剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、着色剤等を含むことができる。
[高抵抗層]
上記第三、第四実施形態に示したように、誘電層は、エラストマーを含み体積抵抗率が1012Ω・cm以上の高抵抗層を備える態様が望ましい。高抵抗層は、エラストマーのみから形成されてもよく、エラストマーおよび他の成分を含んで形成されてもよい。
エラストマーとしては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、イソプレンゴム、天然ゴム、フッ素ゴム、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(H−NBR)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、アクリルゴム、ブチルゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体等が好適である。また、エポキシ化天然ゴム、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴム(XH−NBR)等のように、官能基を導入するなどして変性したエラストマーを用いてもよい。エラストマーとしては、一種を単独で、または二種以上を混合して用いることができる。
エラストマーに加えて配合される他の成分の一つとして、絶縁性粒子が挙げられる。絶縁性粒子を配合することにより、高抵抗層の体積抵抗率を大きくすることができる。絶縁性粒子としては、例えば、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、焼成クレー、タルク等の粉末を用いればよい。これらの一種を単独で、または二種以上を混合して用いることができる。半導体含有層の場合と同様に、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウムについては、ゾルゲル法により製造したものを用いてもよい。
電子の流れを遮断して、絶縁性をより高くするためには、エラストマーと絶縁性粒子とが、化学結合されていることが望ましい。こうするためには、エラストマーおよび絶縁性粒子の両方が、互いに反応可能な官能基を有することが望ましい。官能基としては、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、無水マレイン酸基等が挙げられる。この場合、エラストマーとしては、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴム等のように、官能基を導入するなどして変性したものが好適である。また、絶縁性粒子の場合、製造方法により、あるいは製造後に表面処理を施すことにより、官能基を導入したり、官能基の数を増加させることができる。官能基の数が多いほど、エラストマーと絶縁性粒子との反応性が向上する。
絶縁性粒子の配合量は、エラストマーの体積抵抗率等を考慮して、決定すればよい。例えば、エラストマーの100質量部に対して、5質量部以上50質量部以下とすることが望ましい。5質量部未満であると、電気抵抗を大きくする効果が小さい。反対に、50質量部を超えると、高抵抗層が硬くなり、柔軟性が損なわれるおそれがある。
次に、誘電層の製造方法を説明する。誘電層が一層(半導体含有層)の場合、半導体含有層は、例えば、エラストマー分のポリマーおよび半導体等の原料を含む原料液を、基材上に塗布し、塗膜を乾燥して(必要に応じて架橋反応させて)製造することができる。また、誘電層が二層以上の積層体の場合、まず、各々の層を、原料液を基材上に塗布、乾燥して(必要に応じて架橋反応させて)形成する。次に、形成した層同士を重ね合わせて、基材を剥離することにより、積層体を製造することができる。
<電極>
本発明の柔軟なトランスデューサにおいて、一対の電極は、バインダーおよび導電材を含む。バインダーとしては、樹脂やエラストマーを用いることができる。伸縮しても電気抵抗が増加しにくい電極を形成するという観点から、バインダーとしては、エラストマーが好適である。エラストマーとしては、シリコーンゴム、NBR、EPDM、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム、ウレタンゴム、エピクロロヒドリンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン等の架橋ゴム、およびスチレン系、オレフィン系、塩ビ系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。また、エポキシ基変性アクリルゴム、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴム等のように、官能基を導入するなどして変性したエラストマーを用いてもよい。
導電材の種類は、特に限定されない。カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラファイト等の導電性炭素粉末、銀、金、銅、ニッケル、ロジウム、パラジウム、クロム、チタン、白金、鉄、およびこれらの合金等の金属粉末等から、適宜選択すればよい。また、銀被覆銅粉末など、金属で被覆された粒子からなる粉末を用いてもよい。これらの一種を単独で、または二種以上を混合して用いればよい。
例えば、金属で被覆される粒子が金属以外の粒子の場合、金属だけで構成する場合と比較して、導電材の比重を小さくすることができる。よって、塗料化した場合に、導電材の沈降が抑制されて、分散性が向上する。また、粒子を加工することにより、様々な形状の導電材を容易に製造することができる。また、導電材のコストを低減することができる。被覆する金属としては、先に列挙した銀等の金属材料を用いればよい。また、金属以外の粒子としては、カーボンブラック等の炭素材料、炭酸カルシウム、二酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム等の金属酸化物、シリカ等の無機物、アクリルやウレタン等の樹脂等を用いればよい。
電極は、バインダーおよび導電材に加えて、必要に応じて架橋剤、分散剤、補強剤、可塑剤、老化防止剤、着色剤等の添加剤を含んでいてもよい。例えば、バインダーとしてエラストマーを用いる場合、当該エラストマー分のポリマーを溶剤に溶解したポリマー溶液に、導電材、必要に応じて添加剤を添加して、攪拌、混合することにより、導電塗料を調製することができる。調製した導電塗料を、誘電層の対向する二面に直接塗布することにより、電極を形成すればよい。あるいは、離型性フィルムに導電塗料を塗布して電極を形成し、形成した電極を、誘電層の対向する二面に転写してもよい。
導電塗料の塗布方法としては、既に公知の種々の方法を採用することができる。例えば、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、パッド印刷、リソグラフィー等の印刷法の他、ディップ法、スプレー法、バーコート法等が挙げられる。例えば、印刷法を採用すると、塗布する部分と塗布しない部分との塗り分けを、容易に行うことができる。また、大きな面積、細線、複雑な形状の印刷も容易である。印刷法の中でも、高粘度の塗料が使用でき、塗膜厚さの調整が容易であるという理由から、スクリーン印刷法が好適である。
以下、本発明の柔軟なトランスデューサの実施形態として、スピーカ、発電素子、および静電容量型センサの実施形態を説明する。
[第五実施形態]
まず、本実施形態のスピーカの構成について説明する。図5に、本実施形態のスピーカの斜視図を示す。図6に、図5のVI−VI断面図を示す。図5、図6に示すように、スピーカ4は、第一アウタフレーム40aと、第一インナフレーム41aと、第一誘電層42aと、第一アウタ電極43aと、第一インナ電極44aと、第一振動板45aと、第二アウタフレーム40bと、第二インナフレーム41bと、第二誘電層42bと、第二アウタ電極43bと、第二インナ電極44bと、第二振動板45bと、八つのボルト460と、八つのナット461と、八つのスペーサ462と、を備えている。
第一アウタフレーム40a、第一インナフレーム41aは、各々、樹脂製であって、リング状を呈している。第一誘電層42aは、円形の薄膜状を呈している。第一誘電層42aは、第一実施形態と同じニトリルゴムとn型半導体無機粒子とを含むn型半導体含有層からなる。第一誘電層42aは、第一アウタフレーム40aと第一インナフレーム41aとの間に張設されている。すなわち、第一誘電層42aは、表側の第一アウタフレーム40aと裏側の第一インナフレーム41aとにより、所定の張力を確保した状態で、挟持、固定されている。第一振動板45aは、樹脂製であって、円板状を呈している。第一振動板45aは、第一誘電層42aよりも小径である。第一振動板45aは、第一誘電層42aの表面の略中央に配置されている。
第一アウタ電極43aは、リング状を呈している。第一アウタ電極43aは、第一誘電層42aの表面に貼着されている。第一インナ電極44aも、リング状を呈している。第一インナ電極44aは、第一誘電層42aの裏面に貼着されている。第一アウタ電極43aと第一インナ電極44aとは、第一誘電層42aを挟んで、表裏方向に背向している。第一アウタ電極43aと第一インナ電極44aとは、いずれも、アクリルゴムおよびカーボンブラックを含んでいる。また、図6に示すように、第一アウタ電極43aは、端子430aを備えている。第一インナ電極44aは、端子440aを備えている。端子430a、440aには、外部から電圧が印加される。
第二アウタフレーム40b、第二インナフレーム41b、第二誘電層42b、第二アウタ電極43b、第二インナ電極44b、第二振動板45b(以下、「第二部材」と総称する。)の構成、材質、形状は、上記第一アウタフレーム40a、第一インナフレーム41a、第一誘電層42a、第一アウタ電極43a、第一インナ電極44a、第一振動板45a(以下、「第一部材」と総称する。)の構成、材質、形状と、同様である。また、第二部材の配置は、上記第一部材の配置と、表裏方向に対称である。簡単に説明すると、第二誘電層42bはn型半導体含有層からなり、第二アウタフレーム40bと第二インナフレーム41bとの間に張設されている。第二振動板45bは、第二誘電層42bの表面の略中央に配置されている。第二アウタ電極43bは、第二誘電層42bの表面に印刷されている。第二インナ電極44bは、第二誘電層42bの裏面に印刷されている。第二アウタ電極43bと第二インナ電極44bとは、いずれも、アクリルゴムおよびカーボンブラックを含んでいる。第二アウタ電極43bの端子430b、第二インナ電極44bの端子440bには、外部から電圧が印加される。
第一部材と第二部材とは、八つのボルト460、八つのナット461により、八つのスペーサ462を介して、固定されている。「ボルト460−ナット461−スペーサ462」のセットは、スピーカ4の周方向に所定間隔ずつ離間して配置されている。ボルト460は、第一アウタフレーム40a表面から第二アウタフレーム40b表面までを貫通している。ナット461は、ボルト460の貫通端に螺着されている。スペーサ462は、樹脂製であって、ボルト460の軸部に環装されている。スペーサ462は、第一インナフレーム41aと第二インナフレーム41bとの間に、所定の間隔を確保している。第一誘電層42aの中央部裏面(第一振動板45aが配置されている部分の裏側)と、第二誘電層42bの中央部裏面(第二振動板45bが配置されている部分の裏側)と、は接合されている。このため、第一誘電層42aには、図6に白抜き矢印Y1aで示す方向に、付勢力が蓄積されている。また、第二誘電層42bには、図6に白抜き矢印Y1bで示す方向に、付勢力が蓄積されている。
次に、スピーカ4の動きについて説明する。端子430a、440aと端子430b、440bとを介して、第一アウタ電極43aおよび第一インナ電極44aと、第二アウタ電極43bおよび第二インナ電極44bと、には、初期状態(オフセット状態)において、所定の電圧(オフセット電圧)が印加されている。スピーカ4の動作時には、端子430a、440aと端子430b、440bとに、逆位相の電圧が印加される。 例えば、端子430a、440aに、オフセット電圧+1Vが印加されると、第一誘電層42aのうち、第一アウタ電極43aと第一インナ電極44aとの間に配置されている部分の厚さが薄くなる。並びに、当該部分が径方向に伸長する。これと同時に、端子430b、440bに逆位相の電圧(オフセット電圧−1V)が印加される。すると、第二誘電層42bのうち、第二アウタ電極43bと第二インナ電極44bとの間に配置されている部分の厚さが厚くなる。並びに当該部分が径方向に収縮する。これにより、第二誘電層42bは、第一誘電層42aを引っ張りながら、図6に白抜き矢印Y1bで示す方向に、自身の付勢力により弾性変形する。反対に、端子430b、440bにオフセット電圧+1Vが印加され、端子430a、440aに逆位相の電圧(オフセット電圧−1V)が印加されると、第一誘電層42aは、第二誘電層42bを引っ張りながら、図6に白抜き矢印Y1aで示す方向に、自身の付勢力により弾性変形する。このようにして、第一振動板45a、第二振動板45bを振動させることにより空気を振動させ、音声を発生させる。
次に、スピーカ4の作用効果について説明する。本実施形態によると、第一誘電層42aおよび第二誘電層42bの比誘電率は大きく、絶縁破壊強度も大きい。また、印加電圧の周波数が高くても、n型半導体無機粒子の分極による比誘電率の向上効果を、得ることができる。また、第一アウタ電極43a、第一インナ電極44a、第二アウタ電極43b、および第二インナ電極44b(以下、「電極43a、44a、43b、44b」と称す)は、柔軟で伸縮性を有する。このため、スピーカ4の全体が柔軟であり、第一誘電層42aおよび第二誘電層42bの動きが、電極43a、44a、43b、44bにより規制されにくい。したがって、スピーカ4は、耐久性および応答性に優れる。特に、高周波領域における応答性が良好である。
[第六実施形態]
まず、本実施形態の発電素子の構成について説明する。図7に、本実施形態における発電素子の断面模式図を示す。(a)は伸長時、(b)は収縮時を各々示す。
図7に示すように、発電素子3は、誘電層30と、電極31a、31bと、配線32a〜32cと、を備えている。誘電層30は、第一実施形態と同じニトリルゴムとn型半導体無機粒子とを含むn型半導体含有層からなる。電極31aは、誘電層30の上面の略全体を覆うように、配置されている。同様に、電極31bは、誘電層30の下面の略全体を覆うように、配置されている。電極31aには、配線32a、32bが接続されている。すなわち、電極31aは、配線32aを介して、外部負荷(図略)に接続されている。また、電極31aは、配線32bを介して、電源(図略)に接続されている。電極31bは、配線32cにより接地されている。電極31a、31bは、いずれも、アクリルゴムおよびカーボンブラックを含んでいる。
次に、発電素子3の動きについて説明する。図7(a)中白抜き矢印で示すように、発電素子3を圧縮し、誘電層30を電極31a、31b面に対して平行方向に伸長すると、誘電層30の厚さは薄くなり、電極31a、31b間に電荷が蓄えられる。その後、圧縮力を除去すると、図7(b)に示すように、誘電層30の弾性復元力により誘電層30は収縮し、厚さが厚くなる。その際、蓄えられた電荷が配線32aを通して放出される。
次に、発電素子3の作用効果について説明する。本実施形態によると、誘電層30の比誘電率は大きく、絶縁破壊強度も大きい。このため、発電素子3は、電極31a、31b間に多くの電荷を蓄えることができると共に、耐久性に優れる。また、電極31a、31bは、柔軟で伸縮性を有する。このため、発電素子3の全体が柔軟であり、誘電層30の動きが、電極31a、31bにより規制されにくい。
[第七実施形態]
まず、本実施形態の静電容量型センサの構成について説明する。図8に、静電容量型センサの上面図を示す。図9に、図8のIX−IX断面図を示す。図8、図9に示すように、静電容量型センサ2は、誘電層20と、一対の電極21a、21bと、配線22a、22bと、カバーフィルム23a、23bと、を備えている。
誘電層20は、左右方向に延びる帯状を呈している。誘電層20の厚さは、約300μmである。誘電層20は、第一実施形態と同じニトリルゴムとn型半導体無機粒子とを含むn型半導体含有層からなる。
電極21aは、長方形状を呈している。電極21aは、誘電層20の上面に、スクリーン印刷により三つ形成されている。同様に、電極21bは、長方形状を呈している。電極21bは、誘電層20を挟んで電極21aと対向するように、誘電層20の下面に三つ形成されている。電極21bは、誘電層20の下面に、スクリーン印刷されている。このように、誘電層20を挟んで、電極21a、21bが三対配置されている。電極21a、21bは、アクリルゴムおよびカーボンブラックを含んでいる。
配線22aは、誘電層20の上面に形成された電極21aの一つ一つに、それぞれ接続されている。配線22aにより、電極21aとコネクタ24とが結線されている。配線22aは、誘電層20の上面に、スクリーン印刷により形成されている。同様に、配線22bは、誘電層20の下面に形成された電極21bの一つ一つに、それぞれ接続されている(図8中、点線で示す)。配線22bにより、電極21bとコネクタ(図略)とが結線されている。配線22bは、誘電層20の下面に、スクリーン印刷により形成されている。配線22a、22bは、アクリルゴムおよび銀粉末を含んでいる。
カバーフィルム23aは、アクリルゴム製であって、左右方向に延びる帯状を呈している。カバーフィルム23aは、誘電層20、電極21a、配線22aの上面を覆っている。同様に、カバーフィルム23bは、アクリルゴム製であって、左右方向に延びる帯状を呈している。カバーフィルム23bは、誘電層20、電極21b、配線22bの下面を覆っている。
次に、静電容量型センサ2の動きについて説明する。例えば、静電容量型センサ2が上方から押圧されると、誘電層20、電極21a、カバーフィルム23aは一体となって、下方に湾曲する。圧縮により、誘電層20の厚さは薄くなる。その結果、電極21a、21b間の静電容量は大きくなる。この静電容量変化により、圧縮による変形が検出される。
次に、静電容量型センサ2の作用効果について説明する。本実施形態によると、誘電層20の比誘電率は大きく、絶縁破壊強度も大きい。このため、誘電層20の静電容量が大きくなり、小さな変位でも感度良く検出することができる。また、静電容量型センサ2は、耐久性に優れる。また、電極21a、21bおよび配線22a、22bは、柔軟で伸縮性を有する。このため、静電容量型センサ2の全体が柔軟であり、誘電層20の動きが、電極21a、21bにより規制されにくい。なお、静電容量型センサ2には、誘電層20を狭んで対向する電極21a、21bが、三対形成されている。しかし、電極の数、大きさ、形状、配置等は、用途に応じて、適宜決定すればよい。
次に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
<半導体含有層の製造>
[実施例1]
n型無機半導体粉末を使用して、半導体含有層を製造した。n型無機半導体粉末としては、リン(P)をドーピングした酸化スズ(SnO)粉末(三菱マテリアル(株)製「EPSP2」)を使用した。まず、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴムのポリマー(ランクセス社製「テルバン(登録商標)XT8889」)を、アセチルアセトンに溶解して、固形分濃度が12質量%のポリマー溶液を調製した。また、n型無機半導体粉末をアセチルアセトンへ分散して、濃度12質量%の分散液を調整した。次に、ポリマー溶液100質量部に、無機半導体粉末の分散液13質量部を混合して、混合液を調製した。さらに、調製した混合液に、架橋剤のテトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタンのアセチルアセトン溶液(濃度20質量%)を、5質量部添加した。そして、混合液を基材上に塗布し、乾燥させた後、150℃で60分間加熱して、n型半導体含有層を製造した。製造されたn型半導体含有層の厚さは、約20μmである。このn型半導体含有層を、実施例1の半導体含有層と称す。
[実施例2]
n型無機半導体粉末の分散液の配合量を、52質量部に変更した点以外は、実施例1と同様にして、n型半導体含有層を製造した。製造したn型半導体含有層を、実施例2の半導体含有層と称す。
[実施例3]
n型無機半導体粉末に加えて、絶縁性粒子としてチタン酸バリウム(BaTiO)粉末を配合した点以外は、実施例2と同様にして、n型半導体含有層を製造した。チタン酸バリウム粉末は、次のようにして製造した。まず、ジエトキシバリウムおよびテトライソプロピルチタンの各々0.019molを、2−メトキシエタノール116mlに溶解した。次に、この溶液を還流しながら125℃で3時間処理した後、さらに還流しながら70℃で6時間処理した。このようにして得られたチタン酸バリウム粉末を、ポリマー溶液と無機半導体粉末の分散液との混合液に添加した。製造したn型半導体含有層を、実施例3の半導体含有層と称す。
[実施例4]
n型無機半導体粉末の分散液の配合量を、100質量部に変更した点以外は、実施例1と同様にして、n型半導体含有層を製造した。製造したn型半導体含有層を、実施例4の半導体含有層と称す。
[実施例5]
n型無機半導体粉末を使用して、半導体含有層を製造した。n型無機半導体粉末としては、アンチモン(Sb)をドーピングした酸化スズ(SnO)と酸化チタン(TiO)とからなる無機半導体粉末(石原産業(株)製「ET300W」)を使用した。まず、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴムのポリマー(JSR(株)製「XER32」)を、アセチルアセトンに溶解して、固形分濃度が12質量%のポリマー溶液を調製した。また、n型無機半導体粉末をアセチルアセトンへ分散して、濃度12質量%の分散液を調整した。次に、ポリマー溶液100質量部に、無機半導体粉末の分散液50質量部を混合して、混合液を調製した。さらに、調製した混合液に、架橋剤のテトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタンのアセチルアセトン溶液(濃度20質量%)を、5質量部添加した。そして、混合液を基材上に塗布し、乾燥させた後、150℃で60分間加熱して、n型半導体含有層を製造した。製造されたn型半導体含有層の厚さは、約20μmである。このn型半導体含有層を、実施例5の半導体含有層と称す。
[実施例6]
n型無機半導体粉末の種類および配合量を変更した点以外は、実施例1と同様にして、n型半導体含有層を製造した。すなわち、n型無機半導体粉末としては、次のようにして製造したランタン(La)をドーピングしたチタン酸バリウム(BaTiO)粉末を使用し、その分散液の配合量を60質量部とした。製造したn型半導体含有層を、実施例5の半導体含有層と称す。
まず、ジエトキシバリウム、テトライソプロピルチタン、およびトリイソプロポキシランタンをモル比で0.995:1:0.005の割合で、ジエトキシバリウムを0.019molとして、2−メトキシエタノール116mlに溶解した。次に、この溶液を還流しながら125℃で3時間処理した後、さらに還流しながら70℃で6時間処理した。このようにして、ランタンを0.5mol%ドーピングしたチタン酸バリウム粉末を得た。
合成したチタン酸バリウムを、X線回折(XRD)装置(パナリティカル社製「EMPYREAN(登録商標)」)を用いて測定した結果、高結晶のチタン酸バリウムであることを確認した。また、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置(Perkin Elmer社製「Optima4300DV」)により元素比を測定した結果、Ba:Ti:La=0.995:1:0.005であることを確認した。
[実施例7]
ランタンをドーピングしたチタン酸バリウム粉末の製造において、ジエトキシバリウム、テトライソプロピルチタン、およびトリイソプロポキシランタンの配合比を、0.90:1:0.1に変更した点以外は、実施例6と同様にしてn型半導体含有層を製造した。得られたチタン酸バリウム粉末におけるランタンのドープ量は、10mol%である。製造したn型半導体含有層を、実施例7の半導体含有層と称す。
合成したチタン酸バリウムを、XRD装置(同上)を用いて測定した結果、高結晶のチタン酸バリウムであることを確認した。また、ICP発光分光分析装置(同上)により元素比を測定した結果、Ba:Ti:La=0.9:1:0.1であることを確認した。
[実施例8]
架橋剤を配合しない点以外は、実施例7と同様にして、n型半導体含有層を製造した。製造したn型半導体含有層を、実施例8の半導体含有層と称す。
[実施例9]
n型無機半導体粉末の種類および配合量を変更した点以外は、実施例1と同様にして、n型半導体含有層を製造した。すなわち、n型無機半導体粉末としては、次のようにして製造したニオブ(Nb)をドーピングしたチタン酸バリウム(BaTiO)粉末を使用し、その分散液の配合量を60質量部とした。製造したn型半導体含有層を、実施例9の半導体含有層と称す。
まず、ジエトキシバリウム、テトライソプロピルチタン、およびペンタエトキシニオブをモル比で0.95:1:0.05の割合で、ジエトキシバリウムを0.019molとして、2−メトキシエタノール116mlに溶解した。次に、この溶液を還流しながら125℃で3時間処理した後、さらに還流しながら70℃で6時間処理した。このようにして、ニオブを5mol%ドーピングしたチタン酸バリウム粉末を得た。
合成したチタン酸バリウムを、XRD装置(同上)を用いて測定した結果、高結晶のチタン酸バリウムであることを確認した。また、ICP発光分光分析装置(同上)により元素比を測定した結果、Ba:Ti:Nb=0.95:1:0.05であることを確認した。
[実施例10]
実施例9におけるニオブをドーピングしたチタン酸バリウム粉末の製造において、テトライソプロピルチタンおよびペンタエトキシニオブのみを用い、両者の配合比を0.95:0.05に変更して、ニオブをドーピングした二酸化チタン(TiO)粉末を製造した。そして、この粉末を用いた点以外は、実施例9と同様にして、n型半導体含有層を製造した。得られた二酸化チタン粉末におけるニオブのドープ量は、5mol%である。製造したn型半導体含有層を、実施例10の半導体含有層と称す。
合成した二酸化チタンを、XRD装置(同上)を用いて測定した結果、高結晶の二酸化チタンであることを確認した。また、ICP発光分光分析装置(同上)により元素比を測定した結果、Ti:Nb=0.95:0.05であることを確認した。
[実施例11]
n型無機半導体粉末ではなく、p型有機半導体のポリアニリンを使用して、半導体含有層を製造した。まず、o−トルイジン1mol(107g)を、1N塩酸1000mlに添加して、o−トルイジン溶液を調製した。調製したo−トルイジン溶液に、酸化剤として、1N塩酸500mlに溶解した過硫酸アンモニウム1mol(228.21g)を添加して、15℃下で10時間攪拌して重合反応を行うことにより、ポリo−トルイジンを得た。次に、得られたポリo−トルイジンを、メタノールと水とにより洗浄した後、0.1N水酸化ナトリウム溶液に添加して、脱ドープ反応を行った。脱ドープ後のポリo−トルイジンを、再度メタノールと水とにより洗浄して、テトラヒドロフラン(THF)に溶解した。一方、スルホン酸ナトリウム基を有するポリエステルウレタン樹脂(東洋紡(株)製「バイロン(登録商標)UR−5537」)をTHFに溶解して、ポリマー溶液を調製した。そして、ポリマー溶液と、ポリo−トルイジンのTHF溶液と、を混合して、混合液を調製した。さらに、調製した混合液に、架橋剤の「コロネート(登録商標)L」(日本ポリウレタン工業(株)製、変性トリレンジイソシアネートの75質量%酢酸エチル溶液)を、5質量部添加した。それから、混合液を基材上に塗布し、乾燥させて、p型半導体含有層を製造した。製造された半導体含有層の厚さは、約20μmである。このp型半導体含有層を、実施例11の半導体含有層と称す。
<半導体含有層の物性>
実施例の各半導体含有層について、比誘電率、体積抵抗率、および弾性率を測定した。測定結果は、後出表1に示す。各々の測定方法については、以下の通りである。
[比誘電率]
比誘電率の測定は、半導体含有層を、サンプルホルダー(ソーラトロン社製、12962A型)に設置して、誘電率測定インターフェイス(同社製、1296型)、および周波数応答アナライザー(同社製、1255B型)を併用して行った。
[体積抵抗率]
半導体含有層の体積抵抗率を、JIS K6271(2008)に準じて測定した。測定は、直流電圧100Vを印加して行った。
[弾性率]
半導体含有層の静的せん断弾性率を、JIS K 6254(2003)に準じて測定した。低変形引張試験における伸び率は25%とした。
<アクチュエータの製造>
実施例1〜11の半導体含有層の各々を誘電層として、電歪型のアクチュエータを製造した。電極は、誘電層の表裏両面に、導電塗料をスクリーン印刷して形成した。導電塗料は、アクリルゴムポリマー溶液にカーボンブラックを混合、分散させて調製した。そして、製造した実施例1〜11のアクチュエータについて、発生力、変位量、および絶縁破壊強度を測定した。なお、実施例1〜11のアクチュエータは、本発明の柔軟なトランスデューサに含まれる。
一方、比較のため、半導体含有層を有さない誘電層を四種類製造し、当該誘電層を備えるアクチュエータの発生力、変位量、および絶縁破壊強度を測定した。
[比較例1]
誘電層を、次のように製造した。まず、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴムのポリマー(ランクセス社製「テルバンXT8889」)を、アセチルアセトンに溶解して、固形分濃度が12質量%のポリマー溶液を調製した。次に、ポリマー溶液100質量部に、架橋剤のテトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタンのアセチルアセトン溶液(濃度20質量%)を、5質量部混合した。そして、混合液を基材上に塗布し、乾燥させた後、150℃で60分間加熱して、誘電層を製造した。製造した誘電層を比較例1の誘電層、当該誘電層を備えるアクチュエータを比較例1のアクチュエータと称す。
[比較例2]
絶縁性粒子としてTiO粉末(シグマアルドリッチ社製、平均粒子径100nm)を配合した点以外は、比較例1の誘電層と同様に製造した。製造した誘電層を比較例2の誘電層、当該誘電層を備えるアクチュエータを比較例2のアクチュエータと称す。
[比較例3]
絶縁性粒子としてSiO粉末(シグマアルドリッチ社製、平均粒子径100nm)を配合した点以外は、比較例1の誘電層と同様に製造した。製造した誘電層を比較例3の誘電層、当該誘電層を備えるアクチュエータを比較例3のアクチュエータと称す。
[比較例4]
まず、比較例1と同様にして、カルボキシル基変性水素化ニトリルゴムのポリマー(同上)から、ニトリルゴム膜を製造した。次に、ニトリルゴム膜を、LiClO/プロピレンカルボネート電解液に24時間浸漬して、電解液のイオン成分(LiClO)をニトリルゴム膜の内部に浸透させた。その後、真空オーブン中、常温下で24時間乾燥させた。このようにして、イオン成分が含浸したニトリルゴム膜を製造し、誘電層とした。製造した誘電層を比較例4の誘電層、当該誘電層を備えるアクチュエータを比較例4のアクチュエータと称す。
<アクチュエータの評価>
[絶縁破壊強度の測定]
まず、絶縁破壊強度の測定装置および測定方法について説明する。図10に、測定装置に取り付けられたアクチュエータの表側正面図を示す。図11に、図10のVI−VI断面図を示す。
図10、図11に示すように、アクチュエータ5の上端は、測定装置における上側チャック52により把持されている。アクチュエータ5の下端は、下側チャック53により把持されている。アクチュエータ5は、予め上下方向に延伸された状態で、上側チャック52と下側チャック53との間に、取り付けられている(延伸率25%)。上側チャック52の上方には、ロードセル(図略)が配置されている。
アクチュエータ5は、誘電層50と一対の電極51a、51bとからなる。誘電層50は、自然状態で、縦50mm、横25mmの矩形板状を呈している。誘電層50の構成は、アクチュエータごとに異なる(後出表1参照)。電極51a、51bは、誘電層50を挟んで表裏方向に対向するよう配置されている。電極51a、51bは、自然状態で、各々、縦40mm、横25mm、厚さ約10μmの矩形板状を呈している。電極51a、51bは、上下方向に10mmずれた状態で配置されている。つまり、電極51a、51bは、誘電層50を介して、縦30mm、横25mmの範囲で重なっている。電極51aの下端には、配線(図略)が接続されている。同様に、電極51bの上端には、配線(図略)が接続されている。電極51a、51bは、各々の配線を介して、電源(図略)に接続されている。電圧印加時には、表側の電極51aがプラス極、裏側の電極51bがマイナス極になる。
絶縁破壊強度の測定は、電極51a、51b間に印加する電圧を段階的に増加して、誘電層50が破壊されるまで行った。そして、誘電層50が破壊される寸前の電圧値を誘電層50の全体の厚さで除した値を、絶縁破壊強度とした。
[発生力の測定]
発生力の測定は、絶縁破壊強度の測定と同じ装置を用いて行った(図10、図11参照)。電極51a、51b間に電圧を印加すると、電極51a、51b間に静電引力が生じて、誘電層50を圧縮する。これにより、誘電層50の厚さは薄くなり、延伸方向(上下方向)に伸長する。誘電層50の伸長により、上下方向の延伸力は減少する。電圧印加時に減少した延伸力を、ロードセルにより測定して、発生力とした。発生力の測定は、電界強度を30V/μmにして行った。また、印加電圧を誘電層50が破壊される寸前まで段階的に増加させて、誘電層50の最大発生力を測定した。
[変位量の測定]
まず、変位量の測定方法について説明する。図12に、作製したアクチュエータの上面図を示す。図13に、図12中XIII−XIII断面図を示す。図12、図13に示すように、アクチュエータ6は、誘電層60と一対の電極61a、61bとからなる。誘電層60は、直径70mmの円形の薄膜状を呈している。誘電層60は、二軸方向に25%延伸された状態で配置されている。誘電層60の構成は、アクチュエータごとに異なる(後出表1参照)。一対の電極61a、61bは、誘電層60を挟んで上下方向に対向するよう配置されている。電極61a、61bは、直径約27mmの円形の薄膜状を呈しており、各々、誘電層60と略同心円状に配置されている。電極61aの外周縁には、拡径方向に突出する端子部610aが形成されている。端子部610aは矩形板状を呈している。同様に、電極61bの外周縁には、拡径方向に突出する端子部610bが形成されている。端子部610bは矩形板状を呈している。端子部610bは、端子部610aに対して、180°対向する位置に配置されている。端子部610a、610bは、各々、導線を介して電源62に接続されている。
電極61a、61b間に電圧を印加すると、電極61a、61b間に静電引力が生じて、誘電層60を圧縮する。これにより、誘電層60の厚さは薄くなり、拡径方向に伸長する。この時、電極61a、61bも、誘電層60と一体となって拡径方向に伸長する。電極61aには、予め、マーカー630が取り付けられている。マーカー630の変位を、変位計63により測定し、アクチュエータ6の変位量とした。変位量の測定は、電界強度を30V/μmにして行った。また、印加電圧を誘電層60が破壊される寸前まで段階的に増加させて、誘電層60の最大変位量を測定した。そして、測定された変位量から、次式(1)により変位率を算出した。
変位率(%)=(変位量/電極の半径)×100・・・(1)
表1に、実施例の各アクチュエータにおける誘電層の組成および物性と、アクチュエータの発生力、変位量、および絶縁破壊強度の測定結果と、をまとめて示す。表2に、比較例の各アクチュエータにおける誘電層の組成および物性と、アクチュエータの発生力、変位量、および絶縁破壊強度の測定結果と、をまとめて示す。
Figure 0005633769
Figure 0005633769
表1に示すように、実施例1〜10の誘電層(半導体含有層)においては、比較例1の誘電層と比較して、1Hzの低周波数でも10000Hzの高周波数でも、比誘電率が大きくなった。また、体積抵抗率も大きくなった。これにより、実施例1〜10のアクチュエータにおいては、比較例1のアクチュエータと比較して、発生力および絶縁破壊強度が共に大きくなった。
実施例3の誘電層には、絶縁性粒子が配合されている。このため、同量の無機半導体粉末を含む実施例2の誘電層よりも、体積抵抗率が大きくなった。したがって、実施例3のアクチュエータにおいては、実施例2のアクチュエータよりも、絶縁破壊強度がさらに大きくなった。また、実施例4の誘電層においては、無機半導体粉末の配合量が多い。その結果、実施例1〜3の誘電層よりも、比誘電率は大きいが、体積抵抗率は同等若しくは小さくなった。このため、実施例4のアクチュエータの絶縁破壊強度は、実施例1〜3のアクチュエータのそれよりも低下したが、単位電界強度あたりの発生力(発生力/絶縁破壊強度)は、大きくなった。このように、半導体および絶縁性粒子の配合量については、用途ごとに要求される絶縁破壊強度や発生力に合わせて、適宜決定すればよい。
なお、p型有機半導体を使用した実施例11の誘電層(半導体含有層)については、比較例1の誘電層と比較して、比誘電率は大きくなったものの、体積抵抗率は小さくなった。しかし、実施例11のアクチュエータの発生力および絶縁破壊強度は、比較例1のアクチュエータのそれと比較して、大きくなった。
比較例2、3の誘電層には、半導体粒子ではなく、絶縁性粒子が多量に配合されている。このため、比較例1の誘電層と比較して、体積抵抗率は大きくなったが、比誘電率は変わらなかった。したがって、比較例2のアクチュエータにおいては、発生力を大きくする効果は得られなかった。また、イオン成分を含む比較例4の誘電層の比誘電率は、1Hzの低周波数では大きくなったが、周波数が高くなると、他の比較例のそれと変わらなかった。また、比較例4の誘電層においては、比較例1〜3の誘電層と比較して、体積抵抗率が小さくなった。したがって、比較例4のアクチュエータの最大発生力および絶縁破壊強度は、比較例1〜3のアクチュエータのそれと比較して、小さくなった。
以上より、誘電層として半導体含有層を用いることにより、アクチュエータの発生力が大きくなり、耐絶縁破壊性が向上することが確認された。
本発明の柔軟なトランスデューサは、機械エネルギーと電気エネルギーとの変換を行うアクチュエータ、センサ、発電素子等、あるいは音響エネルギーと電気エネルギーとの変換を行うスピーカ、マイクロフォン、ノイズキャンセラ等として、広く用いることができる。なかでも、産業、医療、福祉ロボットやアシストスーツ等に用いられる人工筋肉、電子部品冷却用や医療用等の小型ポンプ、および医療用器具等に用いられる柔軟なアクチュエータ、として好適である。

Claims (9)

  1. エラストマーと、無機半導体および有機半導体の少なくとも一方を含む半導体含有層を有する誘電層と、
    該誘電層を挟んで配置され、バインダーおよび導電材を含む一対の電極と、を備え、
    該無機半導体は、異種元素がドーピングされた金属酸化物の粒子であることを特徴とする柔軟なトランスデューサ。
  2. 前記半導体含有層の体積抵抗率は、1010Ω・cm以上である請求項1に記載の柔軟なトランスデューサ。
  3. 前記半導体含有層は、前記無機半導体を含む請求項1または請求項2に記載の柔軟なトランスデューサ。
  4. 前記半導体含有層は、さらに絶縁性粒子を含む請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の柔軟なトランスデューサ。
  5. 前記半導体含有層は、p型半導体を含むp型半導体含有層とn型半導体を含むn型半導体含有層とからなり、
    前記誘電層は、該p型半導体含有層と該n型半導体含有層とが積層されてなる請求項1ないし請求項3、および請求項5のいずれかに記載の柔軟なトランスデューサ。
  6. 前記誘電層は、さらに、エラストマーを含み体積抵抗率が1012Ω・cm以上の高抵抗層を備える請求項1ないし請求項3、請求項5、および請求項6のいずれかに記載の柔軟なトランスデューサ。
  7. 前記半導体含有層は、p型半導体を含むp型半導体含有層とn型半導体を含むn型半導体含有層とからなり、
    前記高抵抗層は、該p型半導体含有層と該n型半導体含有層との間に配置される請求項7に記載の柔軟なトランスデューサ。
  8. 電歪型である請求項1ないし請求項3、請求項5ないし請求項8のいずれかに記載の柔軟なトランスデューサ。
  9. 前記半導体含有層は、前記有機半導体を含む請求項1または請求項2に記載の柔軟なトランスデューサ。
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