JP5474473B2 - 誘電膜およびそれを用いたトランスデューサ - Google Patents
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本発明の誘電膜は、エラストマーと、該エラストマーよりも比誘電率が大きく該エラストマーと結合可能な極性化合物と、を含むエラストマー組成物を架橋した架橋体からなる。
本発明の誘電膜は、エラストマーと極性化合物とを含むエラストマー組成物を架橋して製造される。エラストマー組成物には、必要に応じて、架橋剤、加硫促進剤、加工助剤、可塑剤、老化防止剤、補強剤、着色剤等を添加してもよい。架橋方法は、エラストマーの種類に応じて、適宜決定すればよい。例えば、硫黄架橋、過酸化物架橋、イソシアネート架橋、電子線(EV)架橋、紫外線(UV)架橋等が挙げられる。架橋方法に応じて、架橋剤等の必要な添加剤を、エラストマー組成物に添加すればよい。
本発明のトランスデューサは、上記本発明の誘電膜と、該誘電膜を介して配置されている複数の電極と、を備える。本発明の誘電膜の構成、および製造方法については、上述した通りである。よって、ここでは説明を割愛する。なお、本発明のトランスデューサにおいても、本発明の誘電膜における好適な態様を採用することが望ましい。
本発明のトランスデューサの第一例として、アクチュエータに具現化した実施形態を説明する。図1に、本実施形態のアクチュエータの断面模式図を示す。(a)はオフ状態、(b)はオン状態を各々示す。
本発明のトランスデューサの第二例として、静電容量型センサに具現化した実施形態を説明する。図2に、本実施形態の静電容量型センサの断面模式図を示す。図2に示すように、静電容量型センサ2は、誘電膜20と電極21a、21bと基板22とを備えている。誘電膜20は、水素化ニトリルゴム(エラストマー)と、二炭酸ジアリル(極性化合物)と、を含むエラストマー組成物を架橋した架橋体からなる。誘電膜20は、本発明の誘電膜に含まれる。誘電膜20は、左右方向に延びる帯状を呈している。誘電膜20は、基板22の上面に、電極21bを介して配置されている。電極21a、21bは、左右方向に延びる帯状を呈している。電極21a、21bは、誘電膜20の上面および下面に、それぞれ固定されている。電極21a、21bには、導線(図略)が接続されている。基板22は絶縁性の柔軟なフィルムであって、左右方向に延びる帯状を呈している。基板22は、電極21bの下面に固定されている。
C=ε0εrS/d・・・(I)
[C:静電容量、ε0:真空中の誘電率、εr:誘電膜の比誘電率、S:電極面積、d:電極間距離]
例えば、静電容量型センサ2が上方から押圧されると、誘電膜20は圧縮され、その分だけ電極21a、21b面に対して平行方向に伸長する。膜厚、すなわち電極間距離dが小さくなると、電極21a、21b間の静電容量は大きくなる。この静電容量変化により、加わった荷重の大きさや位置等が検出される。
本発明のトランスデューサの第三例として、発電素子の実施形態を説明する。図3に、本実施形態の発電素子の断面模式図を示す。(a)は伸長時、(b)は収縮時を各々示す。図3に示すように、発電素子3は、誘電膜30と電極31a、31bとを備えている。誘電膜30は、水素化ニトリルゴム(エラストマー)と、二炭酸ジアリル(極性化合物)と、を含むエラストマー組成物を架橋した架橋体からなる。誘電膜30は、本発明の誘電膜に含まれる。電極31a、31bは、誘電膜30の上面および下面に、それぞれ固定されている。電極31a、31bには、導線が接続されており、電極31bは、接地されている。
本発明のトランスデューサの第四例として、スピーカに具現化した実施形態を説明する。まず、本実施形態のスピーカの構成について説明する。図4に、本実施形態のスピーカの斜視図を示す。図5に、図4のV−V断面図を示す。図4、図5に示すように、スピーカ4は、第一アウタフレーム40aと、第一インナフレーム41aと、第一誘電膜42aと、第一アウタ電極43aと、第一インナ電極44aと、第一振動板45aと、第二アウタフレーム40bと、第二インナフレーム41bと、第二誘電膜42bと、第二アウタ電極43bと、第二インナ電極44bと、第二振動板45bと、八つのボルト460と、八つのナット461と、八つのスペーサ462と、を備えている。
[実施例1の誘電膜]
まず、水素化ニトリルゴム(日本ゼオン(株)製「Zetpol(登録商標)1000L」、比誘電率:約13(100Hz))を、メチルエチルケトン(MEK)に溶解した。続いて、この溶液に、極性化合物の二炭酸ジアリル(比誘電率:約20(100Hz))を添加して、エラストマー組成物を調製した。次に、調製したエラストマー組成物を、基材上に塗布し、80℃で約30分間、塗膜を乾燥させた。その後、塗膜に300kGyの電子線を照射して、架橋した。このようにして、実施例1の誘電膜を得た。実施例1の誘電膜の膜厚は、約40μmである。
実施例1の誘電膜と比較例1の誘電膜との相違点は、極性化合物の有無である。つまり、二炭酸ジアリルを添加せずにエラストマー組成物を調製した以外は、上記実施例1と同じようにして、比較例1の誘電膜を製造した。比較例1の誘電膜の膜厚は、約40μmである。
[MEK不溶分の測定]
実施例1の誘電膜について、エラストマーに極性化合物がグラフト結合されているかどうかを、確認した。まず、実施例1の誘電膜の1gを、試料として準備した。次に、当該試料を、誘電膜の製造に使用したMEK40mlに、室温下で4時間浸漬した。その後、MEKに溶解せずに残存した試料(MEK不溶分)の質量を、測定した。そして、MEK浸漬前の試料1gに対するMEK不溶分の質量割合を、算出した。一方、比較のために、エラストマーのみからなる比較例1の誘電膜についても、同様にして、MEK不溶分の質量割合を算出した。
実施例1および比較例1の誘電膜の体積抵抗率を、JIS K 6911(1995)に準じて測定した。測定は、直流電圧100Vを印加して行った。測定結果を下記表1に示す。表1に示すように、実施例1の誘電膜の体積抵抗率は、比較例1の誘電膜の体積抵抗率と、略同じ値となった。これより、実施例1の誘電膜は、高い耐絶縁破壊性を維持していることがわかる。
実施例1および比較例1の誘電膜の比誘電率を測定した。比誘電率の測定は、各誘電膜をサンプルホルダー(ソーラトロン社製、12962A型)に設置し、誘電率測定インターフェイス(同社製、1296型)、および周波数応答アナライザー(同社製、1255B型)を併用して測定した(周波数100Hz)。測定結果を下記表1に示す。表1に示すように、実施例1の誘電膜の比誘電率は、比較例1の誘電膜の比誘電率よりも、大きくなった。
次に、実施例1および比較例1の各誘電膜を用いてアクチュエータを作製し、アクチュエータの発生応力を測定した。まず、実験装置および実験方法について説明する。
12:電源
2:静電容量型センサ(トランスデューサ) 20:誘電膜 21a、21b:電極
22:基板
3:発電素子(トランスデューサ) 30:誘電膜 31a、31b:電極
4:スピーカ(トランスデューサ)
40a:第一アウタフレーム 40b:第二アウタフレーム
41a:第一インナフレーム 41b:第二インナフレーム
42a:第一誘電膜 42b:第二誘電膜
43a:第一アウタ電極 43b:第二アウタ電極
44a:第一インナ電極 44b:第二インナ電極
45a:第一振動板 45b:第二振動板
430a、430b、440a、440b:端子 460:ボルト 461:ナット
462:スペーサ
5:アクチュエータ 50:誘電膜 51a、51b:電極 52:上側チャック
53:下側チャック
Claims (5)
- トランスデューサにおいて少なくとも一対の電極間に介装される誘電膜であって、
エラストマーと、該エラストマーよりも比誘電率が大きく、炭素−炭素二重結合、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、およびハロゲン化アルキル基から選ばれる一種以上を有し、該エラストマーと結合可能な極性化合物と、を含むエラストマー組成物を架橋した架橋体からなり、
該架橋体において、該極性化合物は該エラストマーにグラフト結合されていることを特徴とする誘電膜。 - 前記エラストマーの体積抵抗率は、109Ω・cm以上である請求項1に記載の誘電膜。
- 前記極性化合物は、スルホキシド、スルホンアミド、炭酸エステル、およびシアノ基のうちのいずれかの構造または官能基を有する請求項1または請求項2に記載の誘電膜。
- 前記エラストマーは、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、カルボキシル変性水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン、ウレタンゴムから選ばれる一種以上である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の誘電膜。
- エラストマーと、該エラストマーよりも比誘電率が大きく、炭素−炭素二重結合、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、およびハロゲン化アルキル基から選ばれる一種以上を有し、該エラストマーと結合可能な極性化合物と、を含むエラストマー組成物を架橋した架橋体からなり、該架橋体において、該極性化合物は該エラストマーにグラフト結合されている誘電膜と、
該誘電膜を介して配置されている複数の電極と、
を備えることを特徴とするトランスデューサ。
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