JP2010110090A - エラストマートランスデューザー - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたトランスデューサー性能と耐久性を発揮できる新規なエラストマートランスデューサーを提供する。
【解決手段】誘電性エラストマーの表裏面に、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素内で炭素系導電性フィラーを含浸させてなる電極層が形成されていることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
【選択図】図1
【解決手段】誘電性エラストマーの表裏面に、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素内で炭素系導電性フィラーを含浸させてなる電極層が形成されていることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
【選択図】図1
Description
本発明は、電気エネルギーと機械エネルギーを相互に変換するためのトランスデューサー(変換器)に係り、特に誘電性エラストマーを用いたエラストマートランスデューサーに関する。
電気エネルギーと機械エネルギーを相互に変換するためのトランスデューサー(変換器)は、例えば、アンテナやモバイル機器、エンジン、人工筋肉などの電源(ジェネレータ)や、ポンプ、スピーカーなどのアクチュエータなどとして多種多様の分野への応用が検討されている。このようなトランスデューサー(変換器)は、例えば以下の特許文献1〜3などに開示されているように、シリコンゴムやアクリルゴムなどをベースにした誘電性エラストマー層の両面に電極となる素材を配設した構造が主となっている。
特表2003−505865号公報
特表2003−506858号公報
特表2003−526213号公報
ところで、これら特許文献1〜3などに開示されているような従来のトランスデューサーには、以下に示すような課題がある。
1.このトランスデューサーを発電装置として用いた場合、電極および誘電性エラストマー層の一部が外部の雰囲気または材料と接触することにより、出力する電気エネルギーが外部に漏洩し、発電効率の低下を招く場合がある。
2.また、このトランスデューサーをアクチュエータとして用いた場合、電極および誘電性エラストマー層の一部が外部の雰囲気または材料と接触することにより、入力した電気エネルギーが外部に漏洩し、アクチュエータとしての効率の低下を招く場合がある。
3.また、電極材料として金などの金属材料を用いた場合、誘電性エラストマーへの追従性が充分でないため、早期に剥離するなどの問題を起こすことがある。
2.また、このトランスデューサーをアクチュエータとして用いた場合、電極および誘電性エラストマー層の一部が外部の雰囲気または材料と接触することにより、入力した電気エネルギーが外部に漏洩し、アクチュエータとしての効率の低下を招く場合がある。
3.また、電極材料として金などの金属材料を用いた場合、誘電性エラストマーへの追従性が充分でないため、早期に剥離するなどの問題を起こすことがある。
また、電極材料として導電性エラストマーなどを用いた場合、誘電性エラストマーと導電性エラストマーを接着する必要があり、接着層の追従性が充分でないため、接着界面が部分的に剥離し、早期にエネルギー変換効率の低下が認められる場合がある。
そこで、本発明は前記のような問題点を解決するために案出されたものであり、その目的は、優れたトランスデューサー性能と耐久性を発揮できる新規なエラストマートランスデューサーを提供するものである。
上記の目的を達成するために本発明は、下記のエラストマートランデューサーを提供する。
(1)誘電性エラストマーの表裏面に、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素内で炭素系導電性フィラーを含浸させてなる電極層が形成されていることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
(2)上記(1)に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記誘電性エラストマーの比誘電率が5以上60以下であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
(3)上記(1)または(2)に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
全体または一部を絶縁エラストマーで被覆してなることを特徴とする多層エラストマートランスデューサー。
(4)上記(3)に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの被覆面積が全表面積の80%以上であることを特徴とする多層エラストマートランスデューサー。
(5)上記(3)または(4)に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの体積固有抵抗が107Ω・cm以上であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
(6)上記(3)〜(5)のいずれか1項に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの比誘電率が1以上5以下であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの最大引張り伸びが200%であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載のエラストマートランスデューサーを積層してなることを特徴とする多層エラストマートランスデューサー。
(1)誘電性エラストマーの表裏面に、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素内で炭素系導電性フィラーを含浸させてなる電極層が形成されていることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
(2)上記(1)に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記誘電性エラストマーの比誘電率が5以上60以下であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
(3)上記(1)または(2)に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
全体または一部を絶縁エラストマーで被覆してなることを特徴とする多層エラストマートランスデューサー。
(4)上記(3)に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの被覆面積が全表面積の80%以上であることを特徴とする多層エラストマートランスデューサー。
(5)上記(3)または(4)に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの体積固有抵抗が107Ω・cm以上であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
(6)上記(3)〜(5)のいずれか1項に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの比誘電率が1以上5以下であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの最大引張り伸びが200%であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
(8)上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載のエラストマートランスデューサーを積層してなることを特徴とする多層エラストマートランスデューサー。
本発明に係るエラストマートランスデューサーにおいては、表層に炭素系導電性フィラーを含浸させて電極層を構成したため、歪みなどの繰り返し応力に対して優れた耐久性を発揮できる。
また、全体または一部を絶縁エラストマーで被覆することにより、入出力する電気エネルギーが外部に漏洩するのを防止することができる。これによって、発電効率の低下やアクチュエータとしての効率の低下を防止できる。
次に、本発明の実施の形態を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係るエラストマートランスデューサーの一実施形態を示す断面図である。図示するように、エラストマートランスデューサーは、シート状の誘電性エラストマー10の表裏面の表層に、炭素系導電性フィラーを含浸させてなる電極層20、20を形成したものであり、電極層20,20に接続するリード線50を通じて外部回路に接続される。そして、外部から供給された電気エネルギーにより変形したり、誘電性エラストマーが変形した際に発生する電気エネルギーを外部回路に供給する。
誘電性エラストマー10は、公知の材料、例えばベースゴムに誘電性フィラーを含有する誘電性ゴム組成物などで構成されている。誘電性ゴム組成物のベースゴムとしては、例えば、アクリルゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、イソプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、フルオロシリコンゴム、フッ素ゴムなどが好適であり、このなかでも特に好ましいのは、アクリルゴムやシリコンゴム、クロロプレンゴムである。
また、これらベースゴムに配合される誘電性フィラーとしては、高誘電セラミックス粉末やチオカルボニル基を有する有機化合物が好適である。
高誘電セラミックス粉末としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)やチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ランタンドープチタン酸ジルコン酸鉛(PLZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸鉛(PbTiO3)、チタン酸ビスマス、チタン酸ビスマスバリウムなどが好適である。なかでもチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)は、200℃以上のキュリー点と、高に比誘電率を併せ持つため、最も好適である。なお、一定の比誘電率とキュリー点を有するものであれば、これら以外の化合物であっても良い。
チオカルボニル基を有する有機化合物としては、チオウレヤ誘導体、チオアミド誘導体、チオケトン誘導体、ジチオカルバミン酸エステル誘導体などが好適である。これらの有機化合物は、加工温度、使用温度、目標とする比誘電率、および用いるベースゴムとの相溶性を考慮して適宜選択されることになるが、なかでもチオウレヤ誘導体は、空気や水に対して非常に安定であり、ベースゴムとの相溶性に優れると共に低い融点を示すことから最も好適な有機化合物である。
また、誘電性エラストマー10は、その比誘電率が5以上60以下であることが好ましい。
一方、電極層20を形成するために誘電性エラストマー10の表層に含浸される炭素系導電性フィラーとしては、カーボンナノファイバー(CNF)、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンブラック、グラファイトなどが好適である。これら炭素材料は抵抗率が十分小さいため、これらを含浸させた誘電性エラストマー10の表面抵抗を十分に低下させることができる。炭素材料の中でもアスペクト比(長径/短径)が10以上のものが、誘電性エラストマー10の表層に固定化されやすく、誘電性エラストマー10から剥離し難いため好ましい。このようなアスペクト比を満たすことから、カーボンナノファイバー及びカーボンナノチューブが特に好ましい。
炭素系導電性フィラーを含浸させる方法としては、亜臨界状態または超臨界状態での二酸化炭素雰囲気中に、誘電性エラストマー10および炭素系導電性フィラーを導入する方法が挙げられる。
ここで、「亜臨界状態の二酸化炭素」とは、圧力が二酸化炭素の臨界圧力(7.38MPa)以上であり、かつ温度が臨界温度(31.1℃)未満である液体状態の二酸化炭素、あるいは圧力が二酸化炭素の臨界圧未満であり、かつ温度が臨界温度以上である液体状態の二酸化炭素、または温度および圧力が共に臨界点未満であるが、これに近い状態をいう。また、「超臨界状態の二酸化炭素」とは、圧力が二酸化炭素の臨界圧力以上であり、かつ、温度が臨界温度以上である状態の二酸化炭素をいう。
亜臨界状態または超臨界状態での二酸化炭素雰囲気中への誘電性エラストマー10および炭素系導電性フィラーの導入方法としては、炭素系導電性フィラーを誘電性エラストマー10に付着させた状態で導入することが好ましい。その際、誘電性エラストマー10の表面に炭素系導電性フィラーを均一に付着させるために、有機溶媒に炭素系導電性フィラーを分散させた溶液に誘電性エラストマー10を浸漬し、超音波を与えることが好ましい。
有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、ジブチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香族系溶媒などを用いることができる。
本発明における亜臨界状態または超臨界状態での処理条件は、誘電性エラストマー10が溶解などの変性により比誘電率や弾性状態の性能劣化が起きない範囲において適宜定めることができる。尚、誘電性エラストマー10の膨張や変形を防止するために、処理前に架橋処理を施すことが好ましい。
また、誘電性エラストマー10は、エネルギー変換効率を高めるためにエレクトレット処理などを行っても良い。その場合、炭素系導電性フィラーを含浸させる処理は、エレクトレット処理などの前後のいずれでも良い。
電極層20の厚さ、即ち誘電性エラストマー10の表層の炭素系導電性フィラーが存在している領域の深さは、0.1〜100μmであることが好ましい。0.1μmよりも薄いと十分な導電性が得られない場合があり、100μmを超えると誘電性エラストマー10の本来の伸縮性を阻害し、電気エネルギーから機械エネルギーへの変換効率に悪影響を及ぼすおそれがある。
このように、電極層20は、誘電性エラストマー10に連続して形成され、誘電性エラストマー10との間で明確な界面が形成されていない状態となっている。従って、電極層20は誘電性エラストマー10から極めて剥離し難い構造となっている。
また、図2に断面図で示すように、エラストマートランスデューサーの周囲を、絶縁エラストマー40で被覆することが好ましい。これにより、入出力する電気エネルギーが外部に漏洩するのを防止することができ、発電効率の低下やアクチュエータとしての効率の低下を防止できる。
絶縁エラストマー40は、体積固有抵抗が107Ω・cm以上であることが好ましく、より好ましくは109Ω・cm以上である。体積固有抵抗が107Ω・cmに満たない場合は、絶縁性が不十分であり、電気エネルギーが外部に漏洩しやすいため、不適切である。
また、絶縁エラストマー40の比誘電率は、1以上5以下、より好ましくは1以上5である必要がある。すなわち、比誘電率が5以上の場合は、それ自身の誘電分極により発生した電荷が、電極層内の電荷と、相互作用を及ぼし、発電効率もしくはアクチュエータとして効率を低下させる場合があるため、好ましくない。
更に、絶縁エラストマー40は、その最大引張り伸びが200%以上、好ましくは300%以上である必要がある。すなわち、本発明のエラストマートランスデューサーは、誘電性エラストマー10の伸縮作用により発電もしくはアクチュエータとしての作用を及ぼすものであるため、誘電性エラストマー10の伸縮作用を阻害しないように絶縁エラストマー40自身も充分な伸縮性を有する必要がある。このため、引張り最大伸びが200%に満たない場合は、伸縮作用の追従性が不十分となり、トランスデューサーとしての作用を充分に発揮することができないため、好ましくない。
これらの全ての条件を満たす絶縁エラストマー40の形成材料としては、例えばアクリルゴム、シリコンゴム、イソプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。そして、これら材料からなるシートを接着剤で接着したり、これら材料を含む塗液をコーティングすることにより、絶縁エラストマー40とすることができる。
絶縁エラストマー40の被覆面積は、エラストマートランスデューサーの全表面積の80%以上、より好ましくは90%以上とする必要がある。この被覆面積が全表面積の80%に満たないと、湿度などの外部雰囲気もしくは外部材料との接触により、電気エネルギーが外部に漏洩しやすくなるためである。
本発明のエラストマートランスデューサーは、その効率を高めるために積層して用いることができる。この場合、誘電性エラストマー10と電極層20,20とが一体となっているため、電極を別に形成する場合と比較して全体の厚さを薄く抑えることが可能となる。
次に、本発明のエラストマートランスデューサーに係る具体的実施例を説明する。
(実施例1〜2、比較例1)
表1に示すように、架橋剤(トリアリルイソシアヌレート、日本化成製「タイク」)を1.5質量%添加した反応性液状アクリルゴム(株式会社トウペ製「トアアクロンSA−110S」)80質量%をベースゴムとし、このベースゴムに、高誘電性フィラーとして、PTZ(富士チタン工業製「PE−600」(比誘電率33℃で2688))を20質量%の割合で添加分散させて誘電性ゴム組成物を作製した。その後、この誘電性ゴム組成物をKコントロールコーター(松尾製作所製)を用いて、長さ70mm、幅50mm、厚さ250μmの半硬化状態の薄膜とし、更に架橋処理(架橋条件:100℃、1時間)を施して誘電性エラストマーシートを形成した。この誘電性エラストマーシートの比誘電率は11.0(50Hz)、硬さは30(デュロメータA)であった。
表1に示すように、架橋剤(トリアリルイソシアヌレート、日本化成製「タイク」)を1.5質量%添加した反応性液状アクリルゴム(株式会社トウペ製「トアアクロンSA−110S」)80質量%をベースゴムとし、このベースゴムに、高誘電性フィラーとして、PTZ(富士チタン工業製「PE−600」(比誘電率33℃で2688))を20質量%の割合で添加分散させて誘電性ゴム組成物を作製した。その後、この誘電性ゴム組成物をKコントロールコーター(松尾製作所製)を用いて、長さ70mm、幅50mm、厚さ250μmの半硬化状態の薄膜とし、更に架橋処理(架橋条件:100℃、1時間)を施して誘電性エラストマーシートを形成した。この誘電性エラストマーシートの比誘電率は11.0(50Hz)、硬さは30(デュロメータA)であった。
そして、実施例1、2では、導電性フィラーをメタノールに全量の10質量%となるように添加し、更に超音波(45kHZ)を10分間当てて十分に分散させた分散液に、上記の誘電性エラストマーシートを浸漬し、誘電性エラストマーシートの表面に導電性フィラーを均一に付着させた後、超臨界二酸化炭素を用いた超臨界法にて導電性フィラーを誘電エラストマーに固定化(固定化条件:温度50℃、圧力15MPa)して電極層を形成した。また、比較例1では、誘電エラストマーシート上に、スパッタリングにより金を堆積して電極を形成した。
このようにして作製したエラストマートランスデューサーについて、下記(1)発電量及び(2)耐熱性を評価した。
(1)発電量
発電量の測定は、図3に示すように、エラストマーエランスデューサーSの一端を固定板60によって固定し、他方の端を50%(45mm)力学的に伸長させた後、力を除加したときに発生した電流量を電流計70により測定した。測定は温度30℃、湿度90%の環境で行った。そして、比較例1の発電量を「1」とした比発電量を算出した。結果を表1に併記する。
(2)耐久性
耐久性の評価は、同じく図3に示す発電力測定方法を用い、発電量が初期の10%になるまでの伸縮回数を測定することにより評価した。伸縮量は、発電量の測定と同様に50%(45mm)である。測定は温度20℃、湿度50%の環境で行った。そして、比較例1の耐久性を「1」とした比耐久性を算出した。結果を表1に併記する。
(1)発電量
発電量の測定は、図3に示すように、エラストマーエランスデューサーSの一端を固定板60によって固定し、他方の端を50%(45mm)力学的に伸長させた後、力を除加したときに発生した電流量を電流計70により測定した。測定は温度30℃、湿度90%の環境で行った。そして、比較例1の発電量を「1」とした比発電量を算出した。結果を表1に併記する。
(2)耐久性
耐久性の評価は、同じく図3に示す発電力測定方法を用い、発電量が初期の10%になるまでの伸縮回数を測定することにより評価した。伸縮量は、発電量の測定と同様に50%(45mm)である。測定は温度20℃、湿度50%の環境で行った。そして、比較例1の耐久性を「1」とした比耐久性を算出した。結果を表1に併記する。
・PZT:富士チタン工業製「PE−600」、比誘電率33℃で2688
・反応性液状アクリルゴム:株式会社トウペ製「トアアクロンSA−110S」
・架橋剤:トリアリルイソシアヌレート、日本化成製「タイク」
・カーボンブラック:ライオン製「ケッチェンブラックEC300J」、アスペクト比
1〜3
・カーボンナノファイバー:昭和電工製「VGCF」、アスペクト比60〜130m
・金:体積固有抵抗20℃で2×10-6Ω・cm
・反応性液状アクリルゴム:株式会社トウペ製「トアアクロンSA−110S」
・架橋剤:トリアリルイソシアヌレート、日本化成製「タイク」
・カーボンブラック:ライオン製「ケッチェンブラックEC300J」、アスペクト比
1〜3
・カーボンナノファイバー:昭和電工製「VGCF」、アスペクト比60〜130m
・金:体積固有抵抗20℃で2×10-6Ω・cm
表1に示すように、本発明に係る実施例1、2は、いずれも比較例1に比べて優れた発電量及び耐久性を発揮した。
10……誘電性エラストマー
20……電極層
40……絶縁エラストマー
50……リード線
60……固定板
20……電極層
40……絶縁エラストマー
50……リード線
60……固定板
Claims (8)
- 誘電性エラストマーの表裏面に、亜臨界状態または超臨界状態の二酸化炭素内で炭素系導電性フィラーを含浸させてなる電極層が形成されていることを特徴とするエラストマートランスデューサー。
- 請求項1に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記誘電性エラストマーの比誘電率が5以上60以下であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。 - 請求項1または2に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
全体もしくは一部を絶縁エラストマーで被覆してなることを特徴とする多層エラストマートランスデューサー。 - 請求項3に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの被覆面積が全表面積の80%以上であることを特徴とする多層エラストマートランスデューサー。 - 請求項3または4に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの体積固有抵抗が107Ω・cm以上であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。 - 請求項3〜5のいずれか1項に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの比誘電率が1以上5以下であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のエラストマートランスデューサーにおいて、
前記絶縁エラストマーの最大引張り伸びが200%であることを特徴とするエラストマートランスデューサー。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載のエラストマートランスデューサーを積層してなることを特徴とする多層エラストマートランスデューサー。
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2013115609A (ja) * | 2011-11-29 | 2013-06-10 | Tokai Rubber Ind Ltd | スピーカーおよび再生帯域調整方法 |
JPWO2014157627A1 (ja) * | 2013-03-29 | 2017-02-16 | バンドー化学株式会社 | 静電容量型センサシート及び静電容量型センサ |
JP2017205005A (ja) * | 2016-05-10 | 2017-11-16 | 三星電子株式会社Samsung Electronics Co.,Ltd. | 摩擦電気発電機 |
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