JP7223304B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

ここでの開示は、アクチュエータに関する。
特許第5714200号公報には、電気エネルギと機械エネルギとの変換を行うためのポリマを備えたトランスデューサが提案されている。ポリマの上面および下面には、トップ電極およびボトム電極がそれぞれ取り付けられている。ポリマは、トップ電極およびボトム電極によって提供される電場の変化によって変形する。電極によって提供される電場の変化に応じたトランスデューサの変形は、作動とも称される。同公報では、ポリマのサイズが変化するのにともなって、この変形を使用して機械的作用を生じることができるとされている。
特開2010-68667号公報には、対向する一対の電極に誘電弾性体を挟み、該一対の電極間に電圧を印加することによって誘電弾性体を圧縮変形させる誘電アクチュエータが開示されている。ここで開示されている誘電アクチュエータでは、誘電弾性体は弾性高誘電材料部と弾性絶縁材料部とを備えている。弾性高誘電材料部と一対の電極との間には、弾性絶縁材料部が介在している。
特許第5714200号公報 特開2010-68667号公報
ところで、アクチュエータとして取り出される仕事量は、発生する力と、変形量の大きさが重要な性能となりうる。本発明者の知見では、誘電弾性体を一対の電極で挟んだアクチュエータでは、発生する力と変形量の大きさとの間には、背反する関係がある。発生する力Fは、F=QE=(CV)×(V/d)で表される。ここで、Q:蓄積電荷、E:電界強度、C:誘電弾性体の静電容量、d:電極間距離、V:印加電圧である。つまり、電極間距離dは、誘電弾性体の厚さで定まる。大きな変形量を取り出すためには、誘電弾性体の厚さ(≒電極間距離d)を大きくする必要がある。しかし、誘電弾性体の厚さ(≒電極間距離d)を大きくすると、発生する力Fは小さくなる。このため、単純に誘電弾性体を一対の電極で挟んだアクチュエータでは、大きな変形量を取り出すことが難しい。また、誘電弾性体として用いられうる誘電エラストマには、高い比誘電率を示す材料が乏しく、十分な性能が得られにくい。
ここで開示されるアクチュエータの一実施形態は、ベース電極と、ベース電極に対向する対向電極と、ベース電極に接続された第1端子と、対向電極に接続された第2端子とを備えている。ベース電極のうち少なくとも対向電極に対向する面は、絶縁層で覆われている。対向電極は、第1端子と第2端子に電圧が印加された際に、ベース電極と対向電極との間に作用するクーロン力によって変形可能な可撓性を有する導電体からなる。
かかるアクチュエータによれば、第1端子と第2端子に電圧が印加された際に、ベース電極と対向電極との間に作用するクーロン力によって、対向電極の変形し、これに伴い駆動する。
順に並べられた複数のベース電極と、複数のベース電極のうち隣接するベース電極の間に1つずつ配置された1または複数の対向電極とを備えていてもよい。第1端子は、複数のベース電極に接続されていてもよい。第2端子は、1または複数の対向電極に接続されていてもよい。隣接するベース電極のうち対向電極を挟んで向かい合う面は、嵌まり合う凹凸形状を有し、かつ、絶縁層で覆われていてもよい。この場合、アクチュエータは、ベース電極間の距離の変化を変位量として出力することができる。
ベース電極は、第1ベース電極と、第1ベース電極と間隔を空けて配置された第2ベース電極とを有していてもよい。対向電極は、第1ベース電極と第2ベース電極との間に配置されていてもよい。第1ベース電極の対向電極に対向する面は、第1凹凸形状を有し、かつ、第1絶縁層で覆われていてもよい。第2ベース電極の対向電極に対向する面は、第1凹凸形状に嵌まる第2凹凸形状を有し、かつ、第2絶縁層で覆われていてもよい。
ベース電極は、第1ベース電極と、第1ベース電極と間隔を空けて配置された第2ベース電極と、第1ベース電極と第2ベース電極との間に配置された中間ベース電極とを有していてもよい。対向電極は、第1ベース電極と中間ベース電極との間、および、第2ベース電極と中間ベース電極との間にそれぞれ配置されていてもよい。第1ベース電極の、中間ベース電極に向けられた第1面は、第1凹凸形状を有し、かつ、第1絶縁層で覆われていてもよい。第2ベース電極の、中間ベース電極に向けられた第2面は、第2凹凸形状を有し、かつ、第2絶縁層で覆われていてもよい。中間ベース電極の、第1ベース電極側に向けられた第3面は、第1凹凸形状に嵌まる第3凹凸形状を有し、かつ、第3絶縁層で覆われていてもよい。中間ベース電極の、第2ベース電極側に向けられた第4面は、第2凹凸形状に嵌まる第4凹凸形状を有し、かつ、第4絶縁層で覆われていてもよい。
ベース電極は、第1ベース電極と、第1ベース電極と間隔を空けて配置された第2ベース電極と、第1ベース電極と第2ベース電極との間に順に並べられた複数の中間ベース電極とを有していてもよい。対向電極は、第1ベース電極と中間ベース電極との間、中間ベース電極と中間ベース電極との間、および、第2ベース電極と中間ベース電極との間にそれぞれ配置されていてもよい。第1ベース電極の、中間ベース電極に向けられた第1面は、第1凹凸形状を有し、かつ、第1絶縁層で覆われていてもよい。第2ベース電極の、中間ベース電極に向けられた第2面は、第2凹凸形状を有し、かつ、第2絶縁層で覆われていてもよい。中間ベース電極の、第1ベース電極側に向けられた第3面は、第1凹凸形状に嵌まる第3凹凸形状を有し、かつ、第3絶縁層で覆われていてもよい。中間ベース電極の、第2ベース電極側に向けられた第4面は、第2凹凸形状に嵌まる第4凹凸形状を有し、かつ、第4絶縁層で覆われていてもよい。複数の中間ベース電極のうち、隣接する中間ベース電極の間で第1ベース電極側に向けられた第5面は、それぞれ第5凹凸形状を有し、かつ、第5絶縁層で覆われていてもよい。複数の中間ベース電極のうち、隣接する中間ベース電極の間で第2ベース電極側に向けられた第6面は、それぞれ第6凹凸形状を有し、かつ、第6絶縁層で覆われていてもよい。
複数のベース電極を並列に接続する第1配線を有していてもよい。対向電極が複数ある場合に、複数の対向電極を並列に接続する第2配線を有していてもよい。
対向電極は、板ばねで構成されていてもよい。
他の実施形態に係るアクチュエータは、順に向かい合うように並べられた複数のベース電極と、複数のベース電極のうち隣接するベース電極の間に1つずつ配置された1または複数の対向電極とを備えていてもよい。第1端子は、複数のベース電極に接続されていてもよい。第2端子は、1または複数の対向電極に接続されていてもよい。対向電極は、隣接するベース電極が向かい合う方向に変形可能な板ばねであってもよい。この場合、アクチュエータは、ベース電極間の距離の変化を変位量として出力することができる。
対向電極は、波板形状であってもよい。複数のベース電極を並列に接続する第1配線を有していてもよい。対向電極が複数ある場合において、複数の対向電極を並列に接続する第2配線を有していてもよい。絶縁層は、セラミックスで構成されていてもよい。絶縁層は、ペロブスカイト構造を有していてもよい。対向電極は、導電材を含有したエラストマで構成されていてもよい。
アクチュエータは、電源と、第1スイッチとをさらに備えていてもよい。電源は、ベース電極および対向電極に電圧を印加する装置である。第1スイッチは、ベース電極および対向電極と電源との接続と切断とを切り替えるスイッチである。また、アクチュエータは、第1スイッチの接続と切断とを操作する制御装置をさらに備えていてもよい。
アクチュエータは、一つの形態として、接続配線と、第2スイッチとを備えていてもよい。接続配線は、電源を介在させずに、ベース電極と対向電極とを電気的に接続する配線である。第2スイッチは、接続配線に設けられ、接続配線によってベース電極と対向電極とが電気的に接続された状態と、接続配線が切断された状態とを切り替えるスイッチである。
アクチュエータは、第1スイッチが接続されたときに第2スイッチが切断され、かつ、第1スイッチが切断されたときに第2スイッチが接続されるように構成された制御装置をさらに備えていてもよい。
アクチュエータは、他の実施形態として、第1接地線と、第2接地線と、第3スイッチと、第4スイッチとを備えていてもよい。
第1接地線は、対向電極を接地させる電気配線である。第2接地線は、ベース電極を接地させる電気配線である。第3スイッチは、第1接地線に設けられ、第1接地線の接続と切断を切り替えるスイッチである。第4スイッチは、第2接地線に設けられ、第2接地線の接続と切断を切り替えるスイッチである。
アクチュエータは、第1スイッチが接続されたときに第3スイッチと第4スイッチとがそれぞれ切断され、かつ、第1スイッチが切断されたときに第3スイッチと第4スイッチとがそれぞれ接続されるように構成された制御装置を備えていてもよい。
図1は、アクチュエータ10を模式的に示す断面図である。 図2は、アクチュエータ10を模式的に示す断面図である。 図3は、他の実施形態にかかるアクチュエータ10Aを模式的に示す断面図である。 図4は、他の実施形態にかかるアクチュエータ10Aを模式的に示す断面図である。 図5は、アクチュエータ10Aを模式的に示す斜視図である。 図6は、アクチュエータ10Aを模式的に示す斜視図である。 図7は、アクチュエータ10Bの斜視図である。 図8は、アクチュエータ10Bの斜視図である。 図9は、アクチュエータ10Cを模式的に示す断面図である。 図10は、アクチュエータ10Cを模式的に示す断面図である。 図11は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Dを模式的に示す断面図である。 図12は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Dを模式的に示す断面図である。 図13は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Eを模式的に示す断面図である。 図14は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Eを模式的に示す断面図である。 図15は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Fを模式的に示す断面図である。 図16は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Fを模式的に示す断面図である。 図17は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Gを模式的に示す断面図である。 図18は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Gを模式的に示す断面図である。 図19は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Hを模式的に示す断面図である。 図20は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Hを模式的に示す断面図である。 図21は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Iを模式的に示す断面図である。 図22は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Iを模式的に示す断面図である。 図23は、他の実施形態に係るアクチュエータ200を模式的に示す断面図である。 図24は、他の実施形態に係るアクチュエータ200を模式的に示す断面図である。 図25は、第1ベース電極211の上に配置された対向電極221を模式的に示す斜視図である。 図26は、他の実施形態に係るアクチュエータ200Aを模式的に示す断面図である。 図27は、他の実施形態に係るアクチュエータ200Bの対向電極221を模式的に示す斜視図である。 図28は、他の実施形態に係るアクチュエータ200Bの対向電極221の跳ね上げられた部位222を模式的に示す断面図である。 図29は、他の実施形態に係るアクチュエータ200Bの対向電極221の跳ね上げられた部位222を模式的に示す断面図である。 図30は、他の実施形態に係るアクチュエータ200Cの対向電極225を模式的に示す斜視図である。 図31は、アクチュエータ200Cを模式的に示す断面図である。 図32は、アクチュエータ200Dを模式的に示す断面図である。 図33は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Jを模式的に示す断面図である。 図34は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Kを模式的に示す断面図である。 図35は、他の実施形態にかかるアクチュエータ10Lを模式的に示す断面図である。 図36は、他の実施形態にかかるアクチュエータ10Lを模式的に示す断面図である。 図37は、他の実施形態にかかるアクチュエータ10Mを模式的に示す断面図である。 図38は、他の実施形態にかかるアクチュエータ10Mを模式的に示す断面図である。
以下、ここで開示されるアクチュエータの一実施形態を説明する。ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。本発明は、特に言及されない限りにおいて、ここで説明される実施形態に限定されない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〈アクチュエータ10〉
図1および図2は、アクチュエータ10を模式的に示す断面図である。アクチュエータ10は、図1に示されているように、ベース電極2と、ベース電極2に対向する対向電極4と、ベース電極2に接続された第1端子31と、対向電極4に接続された第2端子32とを備えている。この実施形態では、ベース電極2と、対向電極4は、それぞれプレート状の電極である。ベース電極2のうち少なくとも対向電極4に対向する面2cは、絶縁層6で覆われている。対向電極4は、可撓性を有する導電体からなる。対向電極4は、第1端子31と第2端子32に電圧が印加された際に、ベース電極2と対向電極4との間に作用するクーロン力によって変形可能であるとよい。
第1端子31と、第2端子32とは、配線51を通じて電源50に接続されている。配線51には、スイッチ52が設けられている。スイッチ52には、例えば、スイッチング素子が用いられる。図1では、スイッチ52がOFFの状態が示されている。図2では、スイッチ52がONの状態が示されている。
ここで、スイッチ52がOFFの状態では、図1に示されているように、対向電極4は、ベース電極2の対向する面2cに全体としてくっついていない。図2に示されているように、スイッチ52がONの状態では、ベース電極2と対向電極4との間に作用するクーロン力によって、対向電極4は、ベース電極2に引きつけられ、ベース電極2の対向する面2cに合せて変形するとともに、ベース電極2にくっつく。スイッチ52がOFFの状態では、クーロン力がなくなり、対向電極4の形状が戻り、対向電極4はベース電極2から離れる。このように、図1および図2に示されたアクチュエータ10では、スイッチ52がONの状態と、スイッチ52がOFFの状態とで、対向電極4が変形し、これに応じて駆動する。スイッチ52のON、OFFは、制御装置60によって切り替えられるとよい。
〈ベース電極2〉
かかるベース電極2には、導電体が用いられているとよい。ここでベース電極2には、例えば、低抵抗の導電体が用いられていてもよい。例えば、ベース電極2には、鉄、銅、アルミニウムのような金属が用いられているとよい。また、ベース電極2は、用途に応じた所要の機械強度を備えているとよい。ここでは、ベース電極2を説明している。他の実施形態のベース電極についても、ここで例示される材料が適宜に用いられる。この実施形態では、ベース電極2は、板状の部材である。ベース電極2は、対向電極4に対向する面2cに凹凸を有している。図1に示されている形態では、対向電極4に対向する面2cに、対向電極4に向けて盛り上がった凸部2c1を有している。
〈絶縁層6〉
絶縁層6は、絶縁体で構成されているとよい。絶縁層6は、ベース電極2と対向電極4との間に所要のクーロン力を発生させるため、所要の比誘電率を有しているとよい。絶縁層6の比誘電率は、例えば、無機フィラーなどの絶縁層を採用することによって70以上とすることができる。さらに、絶縁層6は、セラミックス(例えば、ファインセラミックス)を採用してもよい。ファインセラミックスが採用されることによって、絶縁層6の比誘電率を1000以上とすることができる。ここで例示される比誘電率の測定には、例えば、Radiant Technologies社(米国)の強誘電体測定装置プレシジョンLCIIを用いられる。また、絶縁層6の比誘電率は、温度や、測定用の電流の周波数や、絶縁層を形成する材料の結晶構造などに依存する傾向がある。絶縁層6の比誘電率は、例えば、23℃程度の常温、100Hz~1000Hzで予め定められた周波数によって測定するとよい。絶縁層6は、アクチュエータ10の予め定められた使用環境に応じて、所要の比誘電率を発揮するものが用いられるとよい。
絶縁層6は、薄ければ薄いほど、ベース電極2と対向電極4との電極間距離が近くなる。このため、ベース電極2と対向電極4とに電圧が印加された際に高いクーロン力が生じる。また、絶縁層6は、ベース電極2と対向電極4とに電圧が印加された際に、ベース電極2に溜った電荷の漏れが小さいほどよい。ベース電極2と対向電極4との間に大きなクーロン力を得るとの観点において、絶縁層6は、リーク電流(換言すれば、電荷の漏れ)が少なく、絶縁破壊強度が高く、かつ、ベース電極2を薄くコーティングしたものであるとよい。かかる観点において、絶縁層6は、例えば、スパッタリングによって形成されていてもよい。なお、絶縁層6の形成方法は、スパッタリングに限定されない。絶縁層6の形成方法には、絶縁層6に用いられる材料に応じ、リーク電流(換言すれば、電荷の漏れ)が少なく、かつ、絶縁破壊強度が高くなるように適当な薄膜形成方法が適宜に採用されうる。
ベース電極2と対向電極4との間の絶縁性は、絶縁層6によって、確実に確保されるとよく。また、絶縁層6によって、ベース電極2に溜った電荷が確実に、維持されるとよい。このような観点において、絶縁層6には、セラミックスからなる強誘電体が用いられうる。セラミックスからなる強誘電体は、例えば、ペロブスカイト構造を有していてもよい。
ペロブスカイト構造を有する強誘電体としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO),チタン酸鉛(PbTiO),チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O),チタン酸ジルコン酸ランタン鉛((Pb,La)(Zr,Ti)O),チタン酸ストロンチウム(SrTiO),チタン酸バリウムストロンチウム((Ba,Sr)TiO)ニオブ酸カリウムナトリウム((NaK)NbO)などが挙げられる。なお、絶縁層6に用いられる材料は、ここで例示されるものに限定されない。上述のようなベース電極2と対向電極4との間に大きなクーロン力を得るとの観点において適当な材料が採用されうる。また、適当な添加剤を含む複合材料でもよい。例えば、チタン酸バリウムは、CaZrOやBaSnOなどの物質を添加し固溶させてもよい。
チタン酸バリウムは、比誘電率が1000~10000前後と高い強誘電体の代表的な材料である。チタン酸ジルコン酸鉛は比誘電率が500~5000であり、チタン酸ストロンチウムは比誘電率が200~500である。絶縁層6には、このように比誘電率が高い材料を採用することができる。なお、比誘電率を例示しているが、同じ材料でも、厚さや結晶構造や、結晶構造の緻密さや測定条件(例えば、温度)や測定装置などによって比誘電率が変動しうる。絶縁層6の比誘電率は、アクチュエータ10の予め定められた使用環境に応じて所要の性能を有するものであればよい。なお、ここでは、絶縁層6に用いられる材料の好適な例として、ペロブスカイト構造を有する強誘電体を例示しているが、絶縁層6に用いられる材料は、特段の言及がない限りにおいて、ペロブスカイト構造を有する強誘電体に限定されない。この実施形態では、絶縁層6は、チタン酸バリウムで構成されている。ここでは、絶縁層6を例に説明されている。他の形態の絶縁層についても、ここで例示される材料が適宜に用いられる。
〈対向電極4〉
対向電極4は、ベース電極2の間にそれぞれ配置され、かつ、柔軟な(可撓性を有する)導電体からなる。詳しくは、この実施形態では、対向電極4は、図1に示されているように、絶縁層6が介在した状態でベース電極2に対向している。図2に示されているように、ベース電極2と対向電極4との間に電圧が印加されている状態では、ベース電極2との間に作用するクーロン力によって、対向電極4は、ベース電極2にくっつくように変形する。図1に示されているように、ベース電極2と対向電極4との間に電圧が印加されていない状態では、クーロン力が作用しない。このため、対向電極4は、形状が戻る。対向電極4は、クーロン力が作用しない状態において、形状が戻るように所要の弾性力を備えているとよい。
かかる観点で、対向電極4は、例えば、導電ゴムや導電ゲルなどで形成されうる。この実施形態では、対向電極4には、導電ゴムが採用されている。対向電極4に採用される導電ゴムは、導電材を混ぜ合わせて成形したエラストマであるとよい。ここで導電材には、カーボンブラックやアセチレンブラックやカーボンナノチューブの微粉末や、銀や銅の金属微粉末、シリカやアルミナなど絶縁体にスパッタなどで金属をコートしたコアシェル構造の導電体微粉末が挙げられる。導電ゲルとしては、例えば、3次元ポリマーマトリックスの中に、水や保湿剤などの溶媒、電解質、添加剤などを保持させた機能性ゲル材料が採用されうる。このようなゲル材料には、例えば、積水化成品工業株式会社のテクノゲル(登録商標)が採用されうる。また、対向電極4は、ベース電極2に沿って弾性変形しうる板ばねで構成されていてもよい。例えば、シート状の薄い板ばねでもよい。この場合、ベース電極2は、金属で構成されていてもよい。このように、ベース電極2は、適度な可撓性を有する部材が採用されてもよい。また、対向電極4は、粘弾性体や弾塑性体でもよい。この場合、対向電極4は、例えば、弾性域とみなせる範囲で使用されればよい。ここでは、対向電極4を例に説明されている。他の形態の対向電極についても、ここで例示される材料が適宜に用いられる。
〈電源50、スイッチ52〉
第1端子31と第2端子32は、スイッチ52を介して電源50に接続されている。スイッチ52がONになると、第1端子31と第2端子32は電源50に接続され、第1端子31と第2端子32に所要の電圧が印加される。図1に示された形態では、電源50は、直流電源である。図1に示された形態では、第1端子31は、電源50の正極に接続されている。第2端子32は、電源50の負極に接続されている。なお、電源50は、直流電源が例示されているが、電源50には交流電源でもよい。スイッチ52の構造は、特に限定されない。スイッチ52は、例えば、いわゆる半導体スイッチで構成されてもよい。
図2に示されているように、スイッチ52がONになると、正極に接続されたベース電極2は正の電荷を帯びる。他方で、負極に接続された対向電極4が負の電荷を帯びる。この結果、ベース電極2と対向電極4との間にクーロン力が作用する。クーロン力が作用すると、ベース電極2と対向電極4とが互いに引きつけ合う。ベース電極2は、対向電極4に対向する面2cに、対向電極4に向けて盛り上がった凸部2c1を有している。対向電極4は、ベース電極2と対向電極4との間に作用するクーロン力によって変形可能な可撓性を有する導電体である。スイッチ52がONになり、ベース電極2と対向電極4とにクーロン力が作用すると、対向電極4は、ベース電極2の凸部2c1に沿って変形しつつ、ベース電極2の対向電極4に対向する面2cにくっつく。
このアクチュエータ10では、ベース電極2の凸部2c1の盛り上がった高さに応じて、対向電極4が変位しうる。特開2010-68667号の誘電アクチュエータのように、誘電弾性体を圧縮変形させるものでない。アクチュエータ10では、電極4が変形する。また、誘電体としての絶縁層6は変形を伴わないので、ファインセラミックスのような無機材料を用いることができる。このため、絶縁層6に用いる材料の自由度が高い。このため、絶縁層6にチタン酸バリウムのような比誘電率が高い材料を選択できる。そして、ベース電極2と対向電極4との間に、高いクーロン力を発現させることができる。
以上、図1および図2に示された形態を説明した。ここでは、アクチュエータ10の他の実施形態をさらに説明する。
〈アクチュエータ10A〉
図3および図4は、他の実施形態にかかるアクチュエータ10Aを模式的に示す断面図である。また、図5および図6は、アクチュエータ10Aを模式的に示す斜視図である。図3および図5では、それぞれスイッチ52がOFFの状態が示されている。図4および図6では、それぞれスイッチ52がONの状態が示されている。なお、図5と図6では、それぞれ電源50,スイッチ52および制御装置60などの図示が省略されている。
アクチュエータ10Aは、図3および図5に示されているように、ベース電極2の、対向電極4に対向する面2cは、波板形状を有している。波板形状では、大凡一方向に沿って延びた山と谷とが、延びた方向とは直交する方向に順に繰り返されている。対向電極4は、ベース電極2の対向する面2cに対向している。対向電極4は、ベース電極2の対向する面2cを覆うシート状の部材である。この実施形態では、対向電極4は、フラットなシート状の部材である。対向電極4は、ベース電極2と対向電極4との間に作用するクーロン力によって変形可能な可撓性を有している。
このアクチュエータ10Aは、図4および図6に示されているように、スイッチ52がONになると、正極に接続されたベース電極2は正の電荷を帯びる。他方で、負極に接続された対向電極4が負の電荷を帯びる。この結果、ベース電極2と対向電極4との間にクーロン力が作用する。この際、対向電極4は、クーロン力によってベース電極2に引きつけられ、ベース電極2の対向電極4に対向する面2cの凹凸に沿って変形しつつ、当該面2cにくっつく。
かかるアクチュエータ10Aによれば、スイッチ52がOFFのときは、図3および図5に示されているように、対向電極4は全体としてベース電極2にくっついておらず、ベース電極2の凹凸に沿って変形していない。これに対して、スイッチ52がONのときは、図4および図6に示されているように、対向電極4が、クーロン力によって変形し、ベース電極2の凹凸に沿って変形する。このため、スイッチ52がONの時には、ベース電極2の対向電極4に対向する面2cの凹凸が、対向電極4の表面に浮かび上がる。スイッチ52をOFFにすると、クーロン力が作用しないので、対向電極4はベース電極2から離れる。このように、アクチュエータ10Aは、対向電極4がベース電極2にくっついたり、離れたりするように駆動する。
ここで、ベース電極2の対向電極4に対向する面2cの凹凸は、図3および5に示されているように、波板形状に限定されない。
〈アクチュエータ10B〉
図7および図8は、アクチュエータ10Bの斜視図である。図7では、スイッチがOFFの状態が示されている。図8では、スイッチがONの状態が示されている。なお、図7と図8では、それぞれ電源,スイッチおよび制御装置は、図示が省略されている。例えば、図7に示されているように、ベース電極2の対向電極4に対向する面2cは、任意の位置に突起2c2があってもよい。図7では、ベース電極2は、対向電極4に対向する面2cの任意の位置に、略半球状に滑らかに隆起した突起を有している。スイッチ52がONになると、図8に示されているように、ベース電極2と対向電極4との間にクーロン力が作用し、ベース電極2に対向電極4がくっつく。この際、対向電極4は、かかるベース電極2の対向する面2cの凹凸形状に応じて変形する。このため、ベース電極2の対向電極4に対向する面2cの突起2c2に応じた形状が、対向電極4の表面に浮かびあがる。図7および図8に示されているように、ベース電極2の対向電極4に対向する面2cには、突起2c2のみがあってもよい。また、図示は省略するが、ベース電極2の対向電極4に対向する面2cには、窪みのみがあってもよい。ベース電極2の対向電極4に対向する面2cに設けられる突起や窪みの位置や形状は、特段、言及されない限りにおいて限定されない。
このように、図7および図8に示されているように、アクチュエータ10Bでは、スイッチ52がOFFになると、クーロン力が作用せず、対向電極4はベース電極2から離れる。スイッチ52がONになると、クーロン力が作用し、対向電極4がベース電極2にくっつく。このようにアクチュエータ10Bでは、対向電極4がベース電極2にくっついたり、離れたりするように動作する。このため、対向電極4がベース電極2にくっつくと、ベース電極2の対向電極4に対向する面2cの突起2c2に応じた形状が、対向電極4の表面に浮かびあがる。このため、アクチュエータ10Bは、例えば、表面に凹凸を浮かび上がらせたり、表面に浮かび上がった凹凸を解消させたりするような場合に、そのアクチュエータとして用いられうる。このようなアクチュエータ10Bを用いれば、例えば、表面に凹凸が浮かび上がったり、消失したりするような今までにない、車両の内装材を実現できる。また、アクチュエータ10Bは、車両の外装材の表面に凹凸を浮かび上がらせたり、表面に浮かび上がった凹凸を解消させたりするような場合に、そのアクチュエータとして用いられうる。車両の外装材の表面に凹凸を浮かび上がらせたり、表面に浮かび上がった凹凸を解消させたりすることによって、例えば、走行時の空気の流れをコントロールし空力改善による走行安定性、燃費向上などを図ることができる。また、車両の外装材の表面に凹凸を浮かび上がらせたり、表面に浮かび上がった凹凸を解消させたりすることによって、車両の外観の印象を変えることができ、デザイン性を向上させることができる。
〈アクチュエータ10C〉
図9および図10は、アクチュエータ10Cを模式的に示す断面図である。アクチュエータ10Cは、ここで開示されるアクチュエータの一実施形態である。図9では、電源50に接続されたアクチュエータ10Cについてスイッチ52がOFFの状態が示されている。図10では、アクチュエータ10Cについてスイッチ52がONの状態が示されている。アクチュエータ10Cは、図9に示されているように、2つのベース電極11,12と、対向電極21と、第1端子31と、第2端子32とを備えている。
〈ベース電極11,12〉
ベース電極11,12は、対向電極21を挟んで互いに向かい合うように並べられている。換言すると、対向電極21は、ベース電極11,12の間に配置されている。ベース電極11,12のうち、対向電極21を挟んで向かい合う面11a,12aは、嵌まり合う凹凸形状を有している。また、対向電極21を挟んで向かい合う面11a,12aは、絶縁層11b,12bで覆われている。なお、ここで、ベース電極11とベース電極12を区別するべく、ベース電極11は適宜に「第1ベース電極」と称される。ベース電極12は適宜に「第2ベース電極」と称される。ベース電極11とベース電極12の向かい合う面11a,12aは、それぞれ凹凸形状を有している。ベース電極11の面11aの凹凸形状は、適宜に「第1凹凸形状」という。ベース電極12の面12aの凹凸形状は、適宜に「第2凹凸形状」という。
この実施形態では、ベース電極11とベース電極12の向かい合う面11a,12aは、それぞれ波板形状を有している。ここで、ベース電極11の面11aは、山11a1と谷11a2とが順に繰り返されている。ベース電極12の面12aは、同様に山12a1と谷12a2とが順に繰り返されている。ベース電極11の山11a1と、ベース電極12の谷12a2とは向かい合っている。ベース電極11の谷11a2と、ベース電極12の山12a1とは向かい合っている。さらに、かかるベース電極11の面11aは、全面が絶縁層11bで覆われている。ベース電極12の面12aは、全面が絶縁層12bで覆われている。
ベース電極11,12は、配線31aによって並列に接続されている。第1端子31は、かかる配線31aに設けられている。ベース電極11,12は、第1端子31を通じて電源50に接続されている。対向電極21には、第2端子32が設けられている。対向電極21は、第2端子32を通じて電源50に接続されている。電源50にはONとOFFを切り替えるためのスイッチ52が設けられている。図9および図10に示された形態では、電源50は、直流電源である。ベース電極11,12は、電源50の正極に接続されている。対向電極4は、電源50の負極に接続されている。
スイッチ52がONになると、電源50の正極に接続されたベース電極11,12は、正の電荷を帯びる。電源50の負極に接続された対向電極21は、負の電荷を帯びる。そして、ベース電極11と対向電極21との間、および、ベース電極12と対向電極21との間に、それぞれクーロン力が生じる。ベース電極11と対向電極21、および、ベース電極12と対向電極21は、かかるクーロン力によって引きつけ合う。対向電極21は、ベース電極11,12と対向電極21との間に作用するクーロン力によって変形可能な可撓性を有している。この結果、ベース電極11,12と対向電極21との間にクーロン力が作用すると、図10に示されているように、対向電極21は、ベース電極11と、ベース電極12とに挟まれて変形する。また、対向電極21の変形に伴い、ベース電極11とベース電極12とが接近する。この際、ベース電極11の山11a1と、ベース電極12の谷12a2とが嵌まり合う。また、ベース電極11の谷11a2と、ベース電極12の山12a1とが嵌まり合う。
スイッチ52がONからOFFになると、ベース電極11と対向電極21との間、および、ベース電極12と対向電極21との間に、クーロン力がなくなる。クーロン力がなくなると、対向電極21が元の形状に戻ろうとする。図9に示されているように、かかる対向電極21の復元力によって、ベース電極11とベース電極12とが離れる。このように、アクチュエータ10Cでは、スイッチ52がONのときは、クーロン力の作用を受けて対向電極21が変形し、その結果、ベース電極11とベース電極12とが接近する(図10参照)。スイッチ52がOFFのときは、クーロン力の作用がなくなり、対向電極21が復元し、その結果、ベース電極11とベース電極12とが離れる(図9参照)。対向電極21には、スイッチ52がONからOFFになった時に、ベース電極11とベース電極12とを離すことができる程度に、所要の弾性力を有する部材が採用されるとよい。なお、スイッチ52がONからOFFになった際に、対向電極21は、どの程度復元するかは、対向電極21の弾性的性質による。このため、スイッチ52がONからOFFになった際に、対向電極21は、完全に元の形状に戻らないこともありうる。
このように、アクチュエータ10Cは、第1端子31と第2端子32とに電圧が印加されていない状態では、ベース電極11とベース電極12とが離れている(図9参照)。第1端子31と第2端子32とに電圧が印加された状態では、クーロン力が作用し、ベース電極11とベース電極12とが接近する(図10参照)。離れた状態のベース電極11とベース電極12との距離d1(図9参照)と、接近した状態のベース電極11とベース電極12との距離d2(図10参照)との差(d1-d2)が、アクチュエータ10Cの変位量となる。
ベース電極11と対向電極21および対向電極21とベース電極12との間に作用するクーロン力が、アクチュエータ10Cを動作させる力になる。なお、厳密には、クーロン力は、ベース電極11,12の凹凸形状に沿って作用する。このため、クーロン力が作用する方向は、アクチュエータ10Cが作動する方向とは必ずしも一致しない。電源50によって印加される電圧は、所要のクーロン力が得られるように所要の大きさであるとよい。
ここで開示されるアクチュエータ10Cでは、第1端子31と第2端子32とに電圧が印加されたときに、ベース電極11,12の凹凸形状に沿って対向電極21が変形することに応じて、ベース電極11,12の間隔が狭くなる。また、第1端子31と第2端子32とに電圧が印加されないときには、対向電極21の形状が復元することによって、ベース電極11,12の間隔が広がる。アクチュエータ10Cでは、主として対向電極21が変形し、絶縁層11b,12bに変形は伴わない。アクチュエータ10Cは、対向電極21の曲げ変形に起因して変位が得られる。アクチュエータ10Cでは、誘電弾性体を一対の電極で挟み、一対の電極間に作用するクーロン力によって、誘電弾性体を圧縮変形させるような構造の圧電素子よりも、大きな変形量が得られるように構成しやすい。また、ここで開示されるアクチュエータ10Cでは、絶縁層11b,12bの変形量は、対向電極21と比較して無視できるほどに小さい。このため、絶縁層11b,12bに無機材料からなる比誘電率が高い材料を採用することができる。
例えば、絶縁破壊強度が高く、かつ、薄くコーティングできる材料を、第1絶縁層11bと第2絶縁層12bに採用できる。第1絶縁層11bと第2絶縁層12bには、例えば、チタン酸バリウムのように無機系の比誘電率が高い材料を採用できる。第1絶縁層11bと第2絶縁層12bに無機系の比誘電率が高い材料が採用されることによって、ベース電極11と対向電極21および対向電極21とベース電極12との間に大きなクーロン力が得られる。作用するクーロン力が大きいと、スイッチ52がONのときに対向電極21を変形させやすい。また、作用するクーロン力が大きいと、対向電極21の剛性が高い材料を採用しやすくなる。対向電極21に剛性の高い材料が採用できると、スイッチ52がOFFになったときに、対向電極21の形状が復元しやすく、ベース電極11とベース電極12とが離れやすい。このように、比誘電率が高い材料が採用されることによって、アクチュエータ10Cの機能が向上する。
このようにアクチュエータ10Cの隣接するベース電極11,12のうち対向電極21を挟んで向かい合う面11a,12aは、嵌まり合う凹凸形状を有し、かつ、絶縁層11b,12bで覆われている。このアクチュエータ10Cでは、対向電極21の変形および復元力に応じて所要の変位が得られる。図9および図10では、ベース電極11,12の向かい合う面11a,12aは、山11a1,12a1と谷11a2,12a2とが交互に形成された波板形状を例示している。ベース電極11,12の向かい合う面11a,12aは、かかる形態に限定されない。
〈アクチュエータ10D〉
図11および図12は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Dを模式的に示す断面図である。ここで、図11では、アクチュエータ10Dについてスイッチ52がOFFの状態が示されている。図12では、アクチュエータ10Dについてスイッチ52がONの状態が示されている。アクチュエータ10Dでは、図11に示されているように、ベース電極11とベース電極12の向かい合う面11a,12aは、緩やかな曲面で形成された波板形状である。アクチュエータ10Dは、その余の点では、図9および図10のアクチュエータ10Cと同じ構成である。
アクチュエータ10Dは、スイッチ52がONになったときに、ベース電極11,12と、対向電極21との間にクーロン力が作用する。そして、図12に示されているように、クーロン力によって、ベース電極11,12と対向電極21とがくっつく。この際、対向電極21が変形し、ベース電極11の山11a1と、ベース電極12の谷12a2とが嵌まり合う。また、ベース電極11の谷11a2と、ベース電極12の山12a1とが嵌まり合う。アクチュエータ10Dでは、ベース電極11とベース電極12の向かい合う面11a,12aは、緩やかな曲面で形成された波板形状である。このため、対向電極21が緩やかな曲面に沿って変形する。アクチュエータ10Dでは、アクチュエータ10Cに比べて対向電極21に応力集中が生じ難い。
〈アクチュエータ10E〉
図13および図14は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Eを模式的に示す断面図である。ここで、図13では、アクチュエータ10Eについてスイッチ52がOFFの状態が示されている。図14では、アクチュエータ10Eについてスイッチ52がONの状態が示されている。アクチュエータ10Eでは、図13および図14に示されているように、ベース電極11とベース電極12が向かい合う面11a,12aは、山11a1,12a1と谷11a2,12a2を有する波板形状である。山11a1,12a1は、それぞれ頂部が平坦になっており、頂部から傾斜面が形成されている。谷11a2,12a2は、それぞれ底部が平坦になっており、底部に向けて傾斜面が形成されている。アクチュエータ10Eは、その余の点では、図9および図10のアクチュエータ10Cと同じ構成である。
この場合、図13に示されているように、スイッチ52がOFFの時に、山11a1,12a1の頂部の平坦な面が、それぞれ対向電極21に当接している。スイッチ52がONになった時に、クーロン力が発生する。この時、当接している山11a1,12a1の頂部の平坦な面と対向電極21とは、直ぐにくっつく。そして、図14に示されているように、山11a1,12a1の頂部を起点として、対向電極21は、山11a1,12a1の頂部から傾斜面に沿って変形し、かつ、山11a1,12a1と谷11a2,12a2に挟まれる。この場合、スイッチ52がOFFの時に、山11a1,12a1の頂部の平坦な面が、それぞれ対向電極21に当接しているので、スイッチ52がONになった時に、対向電極21が山11a1,12a1の形状に沿って変形しやすく、スムーズに変形しやすい。
〈アクチュエータ10F〉
図15および図16は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Fを模式的に示す断面図である。ここで、図15では、アクチュエータ10Fについてスイッチ52がOFFの状態が示されている。図16では、アクチュエータ10Fについてスイッチ52がONの状態が示されている。
アクチュエータ10Fでは、ベース電極11とベース電極12は、対向電極21を挟んで対向している。図15に示された例では、ベース電極11は、ベース電極12に向かい合う面11aに突起11fを有している。ベース電極12は、ベース電極11に向かい合う面12aに窪み12fを有している。突起11fと窪み12fは、向かい合っている。突起11fは、錐台形状の突起である。窪み12fは、突起11fが嵌まりうる錐台形状の窪みである。
スイッチ52がONになると、図16に示されているように、ベース電極11,12と、対向電極21との間にクーロン力が作用する。そして、クーロン力によって、ベース電極11,12と対向電極21とがくっつく。この際、対向電極21が変形し、ベース電極11の突起11fと、ベース電極12の窪み12fが嵌まり合う。このように、ベース電極11に突起11fだけがあり、ベース電極12に窪み12fだけがある形態でもよい。また、突起11fや窪み12fは、錐台形状でもよい。なお、突起11fや窪み12fは、錐台形状に限定されない。突起や窪みは、例えば、半球形のように滑らかな曲面からなる突起や窪み(例えば、図7参照)でもよい。このように、ベース電極11,12のうち、対向電極21を挟んで向かい合う面11a,12aには、嵌まり合う凹凸形状を有しているとよい。凹凸形状は、波板形状に限定されず、種々の形状が採用されうる。
ここでは、図示は省略するが、アクチュエータ10は、第1ベース電極11と第2ベース電極12の動作を案内するガイドを備えていてもよい。ガイドを備えていることによって、第1ベース電極11と第2ベース電極12が接近するとき、および、第1ベース電極11と第2ベース電極12が離れるときの動作が安定する。なお、ガイドは、アクチュエータ10の動作に影響を与えないように絶縁材で構成されているとよい。
複数のベース電極は、向かい合うように並べられ、向かい合うベース電極の間に、それぞれ対向電極21が配置されていてもよい。この場合、アクチュエータとしてより大きな変位を得ることができる。
〈アクチュエータ10G〉
図17および図18は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Gを模式的に示す断面図である。ここで、図17では、アクチュエータ10Gについてスイッチ52がOFFの状態が示されている。図18では、アクチュエータ10Gについてスイッチ52がONの状態が示されている。
アクチュエータ10Gは、図17に示されているように、第1ベース電極11と、第2ベース電極12と、中間ベース電極13とを有している。第2ベース電極12は、第1ベース電極11と間隔を空けて配置されている。中間ベース電極13は、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間に配置されている。対向電極21は、第1ベース電極11と中間ベース電極13との間、および、第2ベース電極12と中間ベース電極13との間にそれぞれ配置されている。
図17に示された形態では、中間ベース電極13は、プレート状の電極である。図17に示された形態では、中間ベース電極13は1つである。対向電極21は、第1ベース電極11と中間ベース電極13との間、中間ベース電極13と第2ベース電極12との間に、それぞれ1つずつ配置されている。換言すると、第1ベース電極11と中間ベース電極13、および、中間ベース電極13と第2ベース電極12は、それぞれ対向電極21を挟んで対向している。
第1端子31は、複数のベース電極11~13に接続されている。この実施形態では、複数のベース電極11~13を並列に接続する第1配線31aを有している。第1端子31は、かかる第1配線31aに設けられている。第1端子31は、第1配線31aを通じて電源50に接続されている。この実施形態では、第1端子31は、電源50の正極に接続されている。
第2端子32は、複数の対向電極21に接続されている。この実施形態では、複数の対向電極21を並列に接続する第2配線32aを有している。第2端子32は、かかる第2配線32aに設けられている。第2端子32は、第2配線32aを通じて電源50に接続されている。この実施形態では、第2端子32は、電源50の負極に接続されている。電源50にはスイッチ52が取り付けられている。スイッチ52のONとOFFは、制御装置60によって制御される。
第1ベース電極11の、中間ベース電極13に向けられた第1面11aは、第1凹凸形状f1を有し、かつ、第1絶縁層11bで覆われている。
第2ベース電極12の、中間ベース電極13に向けられた第2面12aは、第2凹凸形状f2を有し、かつ、第2絶縁層12bで覆われている。
中間ベース電極13の、第1ベース電極11側に向けられた第3面133は、第1凹凸形状f1に嵌まる第3凹凸形状f3を有し、かつ、第3絶縁層133bで覆われている。
中間ベース電極13の、第2ベース電極12側に向けられた第4面134は、第2凹凸形状f2に嵌まる第4凹凸形状f4を有し、かつ、第4絶縁層134bで覆われている。
この実施形態では、第1凹凸形状f1と、第2凹凸形状f2と、第3凹凸形状f3と、第4凹凸形状f4は、それぞれ波板形状である。ここで、第1ベース電極11の第1凹凸形状f1と、中間ベース電極13の第3凹凸形状f3とは、山と谷が向かい合っており、嵌まり合う形状を有している。また、第2ベース電極12の第2凹凸形状f2と、中間ベース電極13の第4凹凸形状f4とは、山と谷が向かい合っており、嵌まり合う形状を有している。
この場合、アクチュエータ10Gは、図17に示されているように、スイッチ52がOFFのときは、対向電極21によって、第1ベース電極11と中間ベース電極13、および、中間ベース電極13と第2ベース電極12が、それぞれ離れた状態に保たれる。このため、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間隔は広く保たれている。
スイッチ52がONのときは、図18に示されているように、第1ベース電極11と対向電極21と中間ベース電極13とのそれぞれの間、および、中間ベース電極13と対向電極21と第2ベース電極12とのそれぞれの間に、クーロン力が作用する。クーロン力が作用すると、第1ベース電極11と、中間ベース電極13と、第2ベース電極12とが、それぞれ対向電極21を挟んでくっつく。また、第1ベース電極11と中間ベース電極13の間、および、中間ベース電極13と第2ベース電極12の間で、それぞれ対向電極21が変形する。そして、第1ベース電極11の第1凹凸形状f1と中間ベース電極13の第3凹凸形状f3とは、対向電極21を挟んで山と谷が嵌まり合う。第2ベース電極12の第2凹凸形状f2と中間ベース電極13の第4凹凸形状f4とは、対向電極21を挟んで山と谷が嵌まり合う。これにより、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間隔が狭まる。
このように、アクチュエータ10Gは、スイッチ52がONになると、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間隔が狭くなる。スイッチ52がOFFになると、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間隔が広くなる。このアクチュエータ10Gは、第1ベース電極11に対する第2ベース電極12の変位量を、アクチュエータ10Gの動作量として出力することができる。
アクチュエータ10Gでは、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間に、2枚の対向電極21と、1枚の中間ベース電極13とが挟まれている。図9および図10に示されたアクチュエータ10Cでは、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間に、1枚の対向電極21が挟まれているだけである。ここで、各ベース電極11,12,13の向かい合う面の凹凸形状や、対向電極21などが同じであると、アクチュエータ10Gでは、図9および図10に示されたアクチュエータ10Cよりも2倍の動作量が出力できる。
〈アクチュエータ10H〉
図19および図20は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Hを模式的に示す断面図である。ここで、図19では、アクチュエータ10Hについてスイッチ52がOFFの状態が示されている。図20では、アクチュエータ10Hについてスイッチ52がONの状態が示されている。
アクチュエータ10Hでは、図19に示されているように、ベース電極として、複数の中間ベース電極13を有している。複数の中間ベース電極13は、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間に順に並べられている。対向電極21は、複数の中間ベース電極13の間に、それぞれ配置されている。複数の中間ベース電極13のうち、隣接する中間ベース電極13の間で第1ベース電極11側に向けられた第5面135は、それぞれ第5凹凸形状f5を有し、かつ、第5絶縁層135bで覆われている。複数の中間ベース電極13のうち、隣接する中間ベース電極13の間で第2ベース電極12側に向けられた第6面136は、それぞれ第6凹凸形状f6を有し、かつ、第6絶縁層136bで覆われている。
このアクチュエータ10Hでは、第1ベース電極11、複数の中間ベース電極13および第2ベース電極12の各ベース電極11,12,13の間にそれぞれ対向電極21が配置されている。アクチュエータ10Hは、図19に示されているように、スイッチ52がOFFのときは、対向電極21によって、第1ベース電極11と中間ベース電極13、複数の中間ベース電極13、および、中間ベース電極13と第2ベース電極12が、それぞれ離れた状態に保たれる。このため、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間隔は広く保たれている。
スイッチ52がONのときは、図20に示されているように、第1ベース電極11と対向電極21と中間ベース電極13とのそれぞれの間、隣り合う中間ベース電極13と中間ベース電極13に挟まれた対向電極21とのそれぞれの間、および、中間ベース電極13と対向電極21と第2ベース電極12とのそれぞれの間に、クーロン力が作用する。クーロン力が作用すると、第1ベース電極11と、複数の中間ベース電極13と、第2ベース電極12が、対向電極21を挟んでそれぞれくっつく。また、第1ベース電極11と中間ベース電極13の間、中間ベース電極13の間、および、中間ベース電極13と第2ベース電極12の間で、それぞれ対向電極21が変形する。そして、第1ベース電極11の第1凹凸形状f1と中間ベース電極13の第3凹凸形状f3とは、対向電極21を挟んで山と谷が嵌まり合う。中間ベース電極13の間で第5凹凸形状f5と第6凹凸形状f6とは、対向電極21を挟んで山と谷が嵌まり合う。第2ベース電極12の第2凹凸形状f2と中間ベース電極13の第4凹凸形状f4とは、対向電極21を挟んで山と谷が嵌まり合う。これにより、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間隔が狭まる。
このように、アクチュエータ10Hは、スイッチ52がONになると、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間隔が狭まくなり、スイッチ52がOFFになると、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間隔が広くなる。このアクチュエータ10Hは、第1ベース電極11に対する第2ベース電極12の変位量を、アクチュエータ10Hの動作量として出力することができる。
アクチュエータ10Hでは、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間に複数の中間ベース電極13が配置されている。そして、隣り合う中間ベース電極13の間隙に対向電極21が配置されている。アクチュエータ10Hでは、中間ベース電極13の数が多く、中間ベース電極13の間にそれぞれ対向電極21が挟まれている。アクチュエータ10Hでは、中間ベース電極13の数が多い分、図17に示されたアクチュエータ10Gよりも動作量をさらに大きくなる。例えば、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間に、配置される中間ベース電極13および対向電極21の数を増やすことによって、アクチュエータ10Hの動作量がさらに大きくなる。
このようなアクチュエータ10Hによれば、第1端子31と第2端子32が電源50に接続されて電圧が印加されることによって、ベース電極11,12,13と対向電極21との間にクーロン力が作用する。このため複数のベース電極11,12,13と対向電極21とが引きつけ合う。電圧の印加をOFFにすると、対向電極21の復元力によって、複数のベース電極11,12,13が離れる。このように電圧のONとOFFとが切り替えられることによってアクチュエータ10Hを動作させることができる。
このアクチュエータ10Hでは、絶縁層は、柔軟性を要さず、高い比誘電率を示す材料が選択できる。このため、対向電極21とベース電極11,12,13とに高いクーロン力を作用させやすい。また、隣接の電極の対向する面は、互いに嵌まり合う凹凸形状を有している。対向電極は、ベース電極と対向電極との間に作用するクーロン力によって変形可能な可撓性を有する導電体からなる。このため、クーロン力が作用すると、対向電極21は、隣接の電極の嵌まり合う凹凸に沿って変形し、クーロン力が無くなると、対向電極21の復元力により、隣接する電極が離れる。かかる動作に基づいて、アクチュエータ10Hは、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間の変位を動作量として出力できる。
なお、この実施形態では、中間ベース電極13は、平板状であり、アクチュエータ10Hは、中間ベース電極13が重ねられる方向に変位する。中間ベース電極13は、平板状であることに限定されない。例えば、中間ベース電極13は、扇形のように一方が厚くなっていてもよく、アクチュエータが全体として円弧方向に沿って変位するように構成してもよい。このように、中間ベース電極13の厚さ方向の形状を変更することによって、アクチュエータの動作方向を設定できる。
〈アクチュエータ10I〉
図21および図22は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Iを模式的に示す断面図である。ここで、図21では、アクチュエータ10Iについてスイッチ52がOFFの状態が示されている。図22では、アクチュエータ10Iについてスイッチ52がONの状態が示されている。
アクチュエータ10Iでは、図21に示されているように、第1ベース電極11と第2ベース電極12の間に配置された中間ベース電極13を有している。中間ベース電極13は、略平板状であるが、一方向に沿った片側k1が薄く、反対側k2が厚くなっている。このため、第2ベース電極12に対して、第1ベース電極11が傾いている。このアクチュエータ10Iは、スイッチ52がONになると、図22に示されているように、ベース電極11,12,13と対向電極21との間にクーロン力が作用する。このため複数のベース電極11,12,13と対向電極21とが引きつけ合う。電圧の印加をOFFにすると、図21に示されているように、対向電極21の復元力によって、複数のベース電極11,12,13が離れる。このように電圧のONとOFFを切り替えることによってアクチュエータ10Iを動作させることができる。この際、第2ベース電極12に対して、第1ベース電極11が傾いており、第1ベース電極11は傾いた方向に動く。第1ベース電極11と第2ベース電極12の間には、このような中間ベース電極13を複数、順に配置してもよい。このように、中間ベース電極13の厚さ方向の形状を変更することによって、アクチュエータの動作方向を設定できる。
このように、ここで開示されるアクチュエータの一実施形態は、例えば、図9から図22に示されているように、順に並べられた複数のベース電極11,12,13と、複数のベース電極11,12,13のうち隣接するベース電極の間に1つずつ配置された1または複数の対向電極21とを備えている。第1端子31は、複数のベース電極11,12,13に接続されている。第2端子32は、隣接するベース電極の間に1つずつ配置された1または複数の対向電極21に接続されている。隣接するベース電極のうち対向電極21を挟んで向かい合う面は、嵌まり合う凹凸形状を有し、かつ、絶縁層で覆われている。
〈アクチュエータ200〉
図23および図24は、他の実施形態に係るアクチュエータ200を模式的に示す断面図である。ここで、図23では、アクチュエータ200についてスイッチ52がOFFの状態が示されている。図24では、アクチュエータ200についてスイッチ52がONの状態が示されている。
アクチュエータ200は、図23に示されているように、第1ベース電極211と、第2ベース電極212と、対向電極221と、第1端子231と、第2端子232とを備えている。この実施形態では、第1ベース電極211と、第2ベース電極212と、対向電極221は、それぞれプレート状の部材である。第1ベース電極211と第2ベース電極212とは、間隔を空けて向かい合うように配置されている。対向電極221は、第1ベース電極211と第2ベース電極212の間に配置されている。対向電極221は、隣接する第1ベース電極211と第2ベース電極212が向かい合う方向に変形可能な板ばねである。
この実施形態では、第1ベース電極211および第2ベース電極212の、対向電極221に対向する面211a、面212aは、それぞれ平坦である。かかる面211aは、絶縁層211bで覆われている。面212aは、絶縁層212bで覆われている。絶縁層211bは、対向する第1ベース電極211と対向電極221との間に、所要のクーロン力が生じるように、薄く形成されているとよい。絶縁層212bは、対向する第2ベース電極212と対向電極221との間に、所要のクーロン力が生じるように、薄く形成されているとよい。また、ベース電極211,212と対向電極221とに印加される電圧に対して、リーク電流が抑制されるような適切な絶縁材が選ばれるとよい。絶縁層211b,212bに用いられる材料については、絶縁層6(図1参照)の説明において既に説明されており、ここでは重複する説明を省略する。
図25は、第1ベース電極211の上に配置された対向電極221を示す斜視図である。この実施形態では、対向電極221は、図23および図25に示されているように、波板形状である。対向電極221は、図25に示された形態では、大凡一方向に沿って延びた山221aと谷221bとが、延びた方向とは直交する方向に順に繰り返されている。なお、ここでは、図23において、第1ベース電極211側から見て、盛り上がった部分を「山」とし、凹んだ部分を「谷」としている。対向電極221は、波板形状であり、谷221bは、第2ベース電極212側から見て盛り上がっている。山221aは、第2ベース電極212側から見て凹んでいる。対向電極221は、ベース電極211,212と対向電極221との間に作用するクーロン力によって変形可能な可撓性を有している。
第1端子231は、第1ベース電極211と第2ベース電極212にそれぞれ接続されている。第2端子232は、対向電極221に接続されている。この実施形態では、第1ベース電極211と第2ベース電極212は、配線231aによって並列に接続されている。第1端子231は、電源50の正極に接続されている。第2端子232は、電源50の負極に接続されている。
スイッチ52がONになると、第1ベース電極211と第2ベース電極212は、電源50の正極に接続され、正の電荷を帯びる。対向電極221は、電源50の負極に接続され、負の電荷を帯びる。そして、第1ベース電極211と対向電極221との間、および、第2ベース電極212と対向電極221との間に、それぞれクーロン力が生じる。第1ベース電極211と対向電極221、および、第2ベース電極212と対向電極221は、かかるクーロン力によって引きつけ合う。対向電極221は、上述のようにかかるクーロン力によって変形可能な可撓性を有している。
この結果、第1ベース電極211および第2ベース電極212と、対向電極221との間にクーロン力が作用すると、図24に示されているように、対向電極221は、第1ベース電極211と、第2ベース電極212とにくっつく。さらに対向電極221が変形することによって、第1ベース電極211と、第2ベース電極212とにくっつく領域が広がっていく。対向電極221の変形に伴い、第1ベース電極211と第2ベース電極212とが接近する。この際、図24では、対向電極221が変形し、第1ベース電極211と第2ベース電極212とに挟まれて平坦になった状態で図示されている。実際には、対向電極221の変形の度合いは、発生するクーロン力の強さと、対向電極221の弾性的性質による。例えば、対向電極221の山221aと谷221bがそれぞれ押しつぶされて、第1ベース電極211と第2ベース電極212との間隔が狭くなる程度に対向電極221が変形するものでもよい。つまり、図24は、模式的な例示に過ぎない。対向電極221は、図24に示されているように、第1ベース電極211と第2ベース電極212の形状に合せて平坦になるまで変形する必要はない。
スイッチ52がONからOFFになると、第1ベース電極211と対向電極221との間、および、第2ベース電極212と対向電極221との間に、クーロン力がなくなる。クーロン力がなくなると、対向電極221が元の形状に戻ろうとする。図23に示されているように、かかる対向電極221の復元力によって、第1ベース電極211と第2ベース電極212とが離れる。対向電極221には、スイッチ52がONからOFFになった時に、ベース電極211とベース電極212とを離すことができる程度に、所要の弾性力を有する部材が採用されるとよい。
アクチュエータ200では、スイッチ52がONのときは、第1ベース電極211と第2ベース電極212とが接近する(図24参照)。スイッチ52がOFFのときは、第1ベース電極211と第2ベース電極212とが離れる(図23参照)。第1ベース電極211と第2ベース電極212とが離れている時の距離d3(図23参照)と、第1ベース電極211と第2ベース電極212とが接近した時の距離d4(図24参照)との差(d3-d4)が、アクチュエータ200の変位量となる。対向電極221は、作用するクーロン力によって変形し、作用するクーロン力がなくなると復元する。このように対向電極221は、板ばねのように機能するとよい。電圧を印加した際に発生するクーロン力と、対向電極221の弾性反力とによって、アクチュエータ200は駆動する。
なお、スイッチ52がONからOFFになった際に、対向電極221は、元の形状に戻ることが理想的ではあるが、対向電極221は、完全に元の形状に戻らない場合もありうる。スイッチ52がONからOFFになった際に、対向電極221が完全に元の形状に戻らない場合でも、第1ベース電極211と第2ベース電極212とが離れることによって、アクチュエータ200は駆動する。
図9および図10に示されたアクチュエータ10Cでは、ベース電極11,12の向かい合った面11a,12aに嵌まり合う凹凸が形成されている。図23および図24に示されたアクチュエータ200では、第1ベース電極211と第2ベース電極212の向かい合った面211a,212aは、平坦に加工するとよい。このため、ベース電極211,212の加工が容易になる。他方で、対向電極221は、対向するベース電極211,212に形状を合せる必要がない。対向電極221は、導電材を混ぜ合わせて成形したエラストマやシート状の金属の板ばねなどで形成するとよい。対向電極221は、予め定められた形状に成形するとよい。対向電極221の形状を、対向するベース電極211,212の形状に合せる必要がないので、対向電極221の形状に自由度がある。
〈アクチュエータ200A〉
図26は、他の実施形態に係るアクチュエータ200Aを示す断面図である。アクチュエータ200Aは、図26に示されているように、対向電極221の波板形状の山221aと谷221bが滑らかな曲面で形成されている。アクチュエータ200Aは、対向電極221の構造が異なる点を除いて、図23および図24に示されたアクチュエータ200を同じ構造を有している。図26に示されたアクチュエータ200Aは、スイッチ52がONになると、クーロン力が生じ、対向電極221が第1ベース電極211と第2ベース電極212にくっつくように変形する。かかる対向電極221の変形によって、第1ベース電極211と第2ベース電極212の間隔が狭くなる。スイッチ52がOFFになると、クーロン力がなくなり、対向電極221が復元する。対向電極221が復元することによって、第1ベース電極211と第2ベース電極212の間隔が広くなる。このように、対向電極221が波板形状である場合、山221aと谷221bの形状は、特段限定されない。
〈アクチュエータ200B〉
図27は、他の実施形態に係るアクチュエータ200Bの対向電極221を示す斜視図である。図27では、第1ベース電極211(図28参照)が取り外された状態が示されている。図28および図29は、他の実施形態に係るアクチュエータ200Bの対向電極221の跳ね上げられた部位222を示す断面図である。図28では、スイッチがOFFの状態が示されている。図29では、スイッチがONの状態が示されている。
アクチュエータ200Bの対向電極221は、図27に示されているように、略板状の部材であり、第2ベース電極212の上に配置されている。対向電極221は、第1ベース電極211側に跳ね上げられた部位222を複数有している。この実施形態では、跳ね上げられた部位222は、略長方形である。跳ね上げられた部位222は、略長方形の一辺を除いて、スリット223によって、他の部位と切り離されている。跳ね上げられた部位222は、繋がった略長方形の一辺に沿って折れ曲っており、全体として第1ベース電極211側に跳ね上げられている。当該跳ね上げられた部位222は、対向電極221に分散して配置されていてもよい。アクチュエータ200Bは、対向電極221の構造が異なる点を除いて、図23および図24に示されたアクチュエータ200を同じ構造を有している。
図28に示されているように、第1ベース電極211は、第1ベース電極211側に跳ね上げられた部位222によって第2ベース電極212から離されている。このアクチュエータ200Bは、スイッチ52がONになると、クーロン力が生じ、対向電極221が第1ベース電極211と第2ベース電極212にくっつく。この際、図29に示されているように、跳ね上げられた部位222は、スリット223によって切り離された穴224に収まる。かかる対向電極221の変形によって、第1ベース電極211と第2ベース電極212の間隔が狭くなる。スイッチ52がOFFになると、クーロン力がなくなり、対向電極221が復元する。対向電極221が復元することによって、図28に示されているように、跳ね上げられた部位222が復元して跳ね上がり、第1ベース電極211と第2ベース電極212との間隔が広くなる。
このように、対向電極221は、対向する第1ベース電極211と第2ベース電極212のうち、一方のベース電極(図28に示された形態では、第2ベース電極212)に配置されている。そして、スリット223によって一部を残して切り離され、かつ、他方のベース電極(図28に示された形態では、第1ベース電極211)側に跳ね上げられた部位222を有していてもよい。この場合、スイッチ52がONになると、跳ね上げられた部位222は、スリット223によって切り離された穴224に収まる。このため、跳ね上げられた部位222がスムーズに変形する。なお、図27~図29に示された形態では、跳ね上げられた部位222は、略長方形であるが、跳ね上げられた部位222の大きさや形状は、特に言及されない限りにおいて限定されない。
〈アクチュエータ200C〉
図30は、他の実施形態に係るアクチュエータ200Cの対向電極221を示す斜視図である。図30では、第1ベース電極211(図示省略)が取り外された状態が示されている。図31は、アクチュエータ200Cを模式的に示す断面図である。図31では、スイッチ52がOFFの状態が示されている。アクチュエータ200Cでは、図30および図31に示されているように、複数の対向電極225が、第2ベース電極212の上で間隔を空けて並べられている。この実施形態では、対向電極225は、一定の幅で一方向に延びた帯状のシートである。対向電極225の幅方向の中央部は、山形に盛り上がっている。複数の対向電極225は、第2ベース電極212の上で幅方向に間隔を空けて並べられている。対向電極225は、それぞれ第2端子232に並列に接続されている。
このアクチュエータ200Cは、スイッチ52がONになると、図示は省略するが、クーロン力が生じ、各対向電極225が第1ベース電極211と第2ベース電極212にくっつく。対向電極225は、幅方向の中央部の山形に盛り上がった部位225aが平坦に延びる。この際、複数の対向電極225は、間隔を空けて並べられている。対向電極221は、隙間226を埋めつつ変形することができる。かかる対向電極221の変形によって、第1ベース電極211と第2ベース電極212の間隔が狭くなる。スイッチ52がOFFになると、クーロン力がなくなり、対向電極221が復元する。対向電極221が復元することによって、図30に示されているように、対向電極221の幅方向の中央部が山形に盛り上がる。そして、図31に示されているように、第1ベース電極211と第2ベース電極212との間隔が広くなる。このように、一対のベース電極(この実施形態では、第1ベース電極211と第2ベース電極212)の間には、複数の対向電極225が隙間226を空けて配置されていてもよい。対向電極225は変形する際に、当該隙間226を埋めるように変形することができる。このため、対向電極225は、スイッチ52がONになったときに互いに干渉せずに、スムーズに変形できる。対向電極221は、幅方向の中央部が盛り上がった帯状のシートを例示した。対向電極225の形態は、かかる形態に限定されない。
アクチュエータ200について説明したが、アクチュエータ200では、図23および図24で示されたように、一対のベース電極211,212の間に対向電極221が挟まれている。かかる形態では、第1ベース電極211と第2ベース電極212とが離れている時の距離d3(図23参照)と、第1ベース電極211と第2ベース電極212とが接近した時の距離d4(図24参照)との差(d3-d4)が、アクチュエータ200の変位量となる。アクチュエータ200の変位量を大きくするためには、向かい合うように並べられたベース電極211,212の数と、一対のベース電極211,212の間に配置された対向電極221の数を増やすとよい。
〈アクチュエータ200D〉
図32は、アクチュエータ200Dを示す断面図である。図32では、スイッチ52がOFFの状態が示されている。図32に示されたアクチュエータ200Dは、第1ベース電極211と、第2ベース電極212と、複数の中間ベース電極213と、対向電極221とを備えている。
第1ベース電極211と第2ベース電極212は、間隔を空けて配置されている。中間ベース電極213は、第1ベース電極211と第2ベース電極212との間に、間隔を空け、かつ、順に向かい合うように並べられている。対向電極221は、順に並べられた複数のベース電極211,212,213のうち隣接するベース電極の間に1つずつ配置されている。対向電極221は、隣接するベース電極が向かい合う方向に変形可能な板ばねである。この実施形態では、対向電極221は、波板形状である。対向電極221は、種々例示したように、波板形状に限定されない。
中間ベース電極213は、対向電極221を挟んで、他のベース電極と向かい合っている。第1ベース電極211と第2ベース電極212と中間ベース電極213のうち、少なくとも対向電極221に対向する面211a,212a,213aは、絶縁層211b,212b,213bで覆われている。中間ベース電極213は、両側の面213aがそれぞれ対向電極221に対向しており、それぞれ絶縁層213bで覆われている。
第1端子231は、第1ベース電極211と第2ベース電極212と中間ベース電極213にそれぞれ接続されている。第2端子232は、各対向電極221に接続されている。この実施形態では、第1ベース電極211と第2ベース電極212と中間ベース電極213は、配線231aによって並列に接続されている。配線231aは、第1端子231に繋げられている。第1端子231は、電源50の正極に接続されている。各対向電極221は、配線232aによって並列に接続されている。配線232aは、第2端子232に繋げられている。第2端子232は、電源50の負極に接続されている。
スイッチ52がONになると、第1ベース電極211と第2ベース電極212と中間ベース電極213は、電源50の正極に接続され、正の電荷を帯びる。各対向電極221は、電源50の負極に接続され、負の電荷を帯びる。そして、第1ベース電極211と対向電極221との間、第2ベース電極212と対向電極221との間、および、中間ベース電極213と対向電極221との間に、それぞれクーロン力が生じる。第1ベース電極211と対向電極221、第2ベース電極212と対向電極221、および、中間ベース電極213と対向電極221とは、かかるクーロン力によって引きつけ合う。対向電極221は、上述のようにかかるクーロン力によって変形可能な可撓性を有している。
この結果、図示は省略するが、ベース電極211,212,213と対向電極221との間に作用するクーロン力によって、各対向電極221は、ベース電極211,212,213にくっつく。対向電極221は、ベース電極211,212,213との間に作用するクーロン力によって変形可能な可撓性を有している。図32のように、各対向電極221は、一対のベース電極間で変形する。変形することによって、対向電極221がベース電極211,212,213にくっつく領域が広がっていく。そして、対向電極221が変形することに伴って、ベース電極211,212,213の間隔がそれぞれ狭くなる。
図32に示されたアクチュエータ200Dでは、向かい合うように並べられたベース電極211,212,213の数と、ベース電極211,212,213の間に配置された対向電極221の数が多い。アクチュエータ200Dの変位量は、スイッチ52をOFFにした時の両端のベース電極211,212の距離と、スイッチ52をONにした時の、両端のベース電極211,212の距離との差である。このアクチュエータ200Dは、向かい合うように並べられたベース電極211,212,213の数と、ベース電極211,212,213の間に配置された対向電極221の数が多い分、変位量が大きい。ベース電極211,212,213と対向電極221の構造が同じであれば、中間ベース電極213の数と、対向電極221の数が多ければ多い程、アクチュエータ200Dの変位量は大きくなる。
ここで開示されるアクチュエータについて、さらに説明する。例えば、図19に示されたアクチュエータ10Hや、図32に示されたアクチュエータ200Dは、向かい合うように順に並べられた複数のベース電極の間に、それぞれ対向電極が配置されている。
この場合、複数の対向電極のうち全ての対向電極が変形するモードと、複数の対向電極のうち一部の対向電極だけが変形するモードとを用意してもよい。複数の対向電極のうち一部の対向電極だけが変形するモードでは、例えば、複数の対向電極のうち一部の対向電極だけを電源に接続し、他の対向電極は電源に接続されないようにスイッチが構成されていてもよい。また、複数の対向電極のうち一部の対向電極だけが変形するモードでは、複数のベース電極のうち一部のベース電極だけが電源に接続され、他のベース電極が電源に接続されないようにスイッチが構成されていてもよい。複数の対向電極のうち全ての対向電極が変形するモードでは、例えば、図20に示されているように、全ての対向電極21が変形するので、アクチュエータ10Hの変位量が大きくなる。複数の対向電極のうち一部の対向電極だけが動くモードでは、一部の対向電極21が変形するだけなので、アクチュエータ10Hの変位量が小さくなる。
〈アクチュエータ10J〉
図33は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Jを示す断面図である。図33では、スイッチ52a,52bがいずれもOFFの状態が示されている。アクチュエータ10Jは、第1ベース電極11と中間ベース電極13と第2ベース電極12との間に配置された複数の対向電極21のうち、一部の対向電極21だけが変形するように構成されている。
例えば、図33に示されたアクチュエータ10Jでは、複数の対向電極21のうち、一部の対向電極21を並列に接続する配線32a1と、配線32a1に接続されていない他の対向電極21を並列に接続する配線32a2とを備えている。図33に示されたアクチュエータ10Jでは、配線32a1と配線32a2は、1つおきに対向電極21に接続されている。
図33において、配線32a1に接続された対向電極21は、対向電極21(a)とされている。配線32a2に接続された対向電極21は、対向電極21(b)とされている。配線32a1と、配線32a2は、それぞれ第2端子32に接続されている。スイッチ52aは、配線32a1に接続された対向電極21(a)を電源50に接続するためのスイッチである。スイッチ52bは、配線32a2に接続された対向電極21(b)を電源50に接続するためのスイッチである。この実施形態では、配線32a1は、第2端子32に接続されている。スイッチ52aは、第2端子32と電源50とを繋ぐ配線に設けられている。スイッチ52bは、配線32a2と第2端子32とを繋ぐ配線に設けられている。スイッチ52aとスイッチ52bは、それぞれ制御装置60によってONとOFFが制御される。配線32a1に接続された対向電極21(a)は、スイッチ52aをONにすると電源50に接続される。配線32a2に接続された対向電極21(b)は、スイッチ52aをONにした状態で、スイッチ52bをONにすると、電源50に接続される。スイッチ52bがONでも、スイッチ52aがOFFであれば、全ての対向電極21は、電源50から切り離される。
かかる構成を除いて、アクチュエータ10Jは、図19に示されたアクチュエータ10Hと同じ構成である。ここでは、重複する説明は省略する。
アクチュエータ10Jは、例えば、スイッチ52a,スイッチ52bを全てONにすると、対向電極21(a)および対向電極21(b)と、対向するベース電極11,12,13に電圧が印加される。このとき、全ての対向電極21(a),21(b)がそれぞれ変形する。このとき、第1ベース電極11と第2ベース電極12との間隔が最も狭くなる。
アクチュエータ10Jは、例えば、スイッチ52bをOFFとし、スイッチ52aをONにすると、配線32a1に接続された対向電極21(a)と、当該対向電極21(a)を挟むベース電極11,12,13とに電圧が印加される。他方で、配線32a2に接続された対向電極21(b)には、電圧は印加されない。このため、対向電極21のうち対向電極21(a)だけが変形する。対向電極21(b)は変形しない。このため、アクチュエータ10Jの変位量は小さく抑えられる。この実施形態では、複数の対向電極21のうち1つおきに配線32a2に接続されているので、アクチュエータ10Jの変位量は大凡半分になる。このように、複数の対向電極21のうち、一部の対向電極21だけが変形するように構成されていてもよい。これにより、アクチュエータ10Jの変位量をコントロールできる。複数の対向電極21のうち、電圧が印加される対向電極21が細かく制御できるようにスイッチ52を配置してもよい。例えば、対向電極21毎に電源50への接続のONとOFFを切り替えるスイッチ52を設けてもよい。
〈アクチュエータ10K〉
図34は、他の実施形態に係るアクチュエータ10Kを示す断面図である。図34では、スイッチ52L,52RがいずれもOFFの状態が示されている。アクチュエータ10Kは、第1ベース電極11と中間ベース電極13と第2ベース電極12との間に配置された対向電極21は、それぞれ幅方向の中間で分割されている。図34の対向電極21のうち図中左側の対向電極21は、対向電極21(L)とする。図中右側の対向電極21は、対向電極21(R)とする。左側の対向電極21(L)は、配線32Lによって並列に接続されている。右側の対向電極21(R)は、配線32Rによって並列に接続されている。配線32Lと配線32Rは、それぞれ第2端子32に接続されている。第2端子32と配線32Lとの接続箇所には、スイッチ52Lが取り付けられている。第2端子32と配線32Rとの接続箇所には、スイッチ52Rが取り付けられている。スイッチ52Lとスイッチ52Rは、それぞれ制御装置60によってONとOFFが制御される。
かかる構成を除いて、アクチュエータ10Kは、図19に示されたアクチュエータ10Hと同じ構成である。ここでは、重複する説明は省略する。
アクチュエータ10Kでは、スイッチ52Lとスイッチ52Rとを共にONにすると、左右の対向電極21(L),21(R)にそれぞれ電圧が印加される。このため、左右の対向電極21(L),21(R)がそれぞれ変形する。このため、アクチュエータ10Kは、全体的に変位する。
スイッチ52LをONにし、スイッチ52RをOFFにすると、左側の対向電極21(L)に電圧が印加されるが、右側の対向電極21(R)には電圧が印加されない。このため、左側の対向電極21(L)だけが変形する。この際、アクチュエータ10Kは、左側で、第1ベース電極11と第2ベース電極12とが接近するが、右側では第1ベース電極11と第2ベース電極12が離れたままである。このため、アクチュエータ10Kの左側において、第1ベース電極11が第2ベース電極12に近づくように変位する。
スイッチ52RをONにし、スイッチ52LをOFFにすると、右側の対向電極21(R)に電圧が印加されるが、左側の対向電極21(L)には電圧が印加されない。このため、右側の対向電極21(R)だけが変形する。この際、アクチュエータ10Kは、右側で、第1ベース電極11と第2ベース電極12とが接近するが、左側では第1ベース電極11と第2ベース電極12が離れたままである。このため、アクチュエータ10Kの右側において、第1ベース電極11が第2ベース電極12に近づくように変位する。
このように、第1ベース電極11と中間ベース電極13と第2ベース電極12との間に配置された対向電極21を、それぞれ平面視で分割されていてもよい。そして、それぞれ分割された部分が並列に接続されて、電源50に接続されるように構成されているとよい。この場合、電源50に接続された部分において、対向電極21が変形する。その結果、平面視において、アクチュエータ10Kの一部で、第1ベース電極11が第2ベース電極12に近づくように構成できる。つまり、アクチュエータ10Kの第1ベース電極11が、第2ベース電極12に対して傾くように構成できる。
ここで開示されるアクチュエータ10や200などの各実施形態では、スイッチ52が操作されることによって対向電極が変形する。対向電極が変形すると、第1ベース電極と第2ベース電極との距離が変化する。かかるアクチュエータは、例えば、車両内装の表面材の内側に取り付けられてもよい。この場合、アクチュエータを駆動させることによって、車両内装の表面に凹凸を形成するなど、表面の形状や質感を変化させることができる。また、アクチュエータは、例えば、車両外装の表面材の内側に取り付けられてもよい。この場合、アクチュエータを駆動させることによって、車両外装の表面に凹凸を浮かび上がらせたり、浮かび上がった凹凸を解消させたりすることができる。これにより、車両の空力特性を変更させることができる。
このように、ここで開示されるアクチュエータは、上述のように少なくとも1つのベース電極と、ベース電極に対向する対向電極と、ベース電極に接続された第1端子と、対向電極に接続された第2端子とを備えている。そして、ベース電極のうち少なくとも対向電極に対向する面は、絶縁層で覆われており、対向電極は、第1端子と第2端子に電圧が印加された際に、ベース電極と対向電極との間に作用するクーロン力によって変形可能な可撓性を有する導電体からなる。上述した実施形態では、例えば、ベース電極には、対向電極に向かい合う面に凹凸形状を有しており、ベース電極の凹凸形状を有する面に沿って対向電極がクーロン力でくっつく形態が例示されている。また、対向電極が波板形状であり、クーロン力によって対向電極が変形を伴いつつ、ベース電極にくっつく形態が例示されている。
ここで開示されるアクチュエータは、かかる形態に限定されない。例えば、アクチュエータの対向電極とベース電極の向かい合う面は、何れも平坦であってもよい。この場合でも、アクチュエータは、ベース電極と対向電極とに電圧を印加し、クーロン力を作用させると、クーロン力によって対向電極がベース電極にくっつく。アクチュエータは、アクチュエータの対向電極とベース電極の向かい合う面が、何れも平坦であり、対向電極がベース電極にくっついた状態と、印加された電圧およびクーロン力を解消させ、対向電極がベース電極にくっついていない状態とに、状態が変化するように構成されていてもよい。
ところで、ここで開示されたアクチュエータは、上述したように、スイッチ52がONの状態では、ベース電極2と対向電極4との間に作用するクーロン力によって、対向電極4は、ベース電極2に引きつけられ、ベース電極2の対向する面2cに合せて変形するとともに、ベース電極2にくっつく(図2参照)。スイッチ52がOFFの状態で、クーロン力がなくなると、対向電極4の形状が戻り、対向電極4はベース電極2から離れる(図1参照)。スイッチ52がONの状態からOFFの状態になったときに、速やかにクーロン力がなくなると、対向電極4の形状が速やかに戻り、対向電極4はベース電極2から速やかに離れるようになり、応答速度が向上する。
〈アクチュエータ10L〉
応答速度を向上させるとの観点では、スイッチ52がONの状態からOFFの状態になったときに、速やかにクーロン力がなくなることが望ましい。なお、ここでは、図1および図2に示された形態を例にしてさらなる変形例を説明する。かかる変形例で示されたアクチュエータの形態は、図1および図2で示された形態に限定されず、種々の形態に適用されうる。図35および図36は、他の実施形態にかかるアクチュエータ10Lを模式的に示す断面図である。図35および図36に示されたアクチュエータ10Lにおいて、図1に示されたアクチュエータ10と同一の作用を奏する部材・部位には同じ符号が付されており、適宜に重複する説明は省略する。図35は、アクチュエータ10Lの第1スイッチ52がONの状態、換言すると、ベース電極2と対向電極4とがくっついた状態が示されている。図36は、アクチュエータ10Lの第1スイッチ52がOFFの状態、換言すると、ベース電極2と対向電極4とが離れた状態が示されている。
図35および図36に示されたアクチュエータ10Lは、ベース電極2と、対向電極4と、電源50と、第1スイッチ52と、接続配線55と、第2スイッチ56と、第1制御装置60と、第2制御装置62とを備えている。
電源50は、ベース電極2および対向電極4に電圧を印加する装置である。第1スイッチ52は、ベース電極2および対向電極4と、電源50との接続と切断とを切り替えるスイッチである。この実施形態では、電源50と第1スイッチ52とは、それぞれ配線51に設けられている。配線51は、ベース電極2に接続された第1端子31と、対向電極4に接続された第2端子32とを電源50に接続するための配線である。第1制御装置60は、第1スイッチ52の接続と切断とを操作する制御装置である。
接続配線55は、電源50を介在させずに、ベース電極2と対向電極4とを電気的に接続する配線である。この実施形態では、接続配線55は、図35および図36に示されているように、ベース電極2に接続された第1端子31と、対向電極4に接続された第2端子32とを電源50に接続する配線51に対して、電源50をバイパスするように設けられている。なお、接続配線55は、配線51とは別に、ベース電極2に接続された第1端子31と、対向電極4に接続された第2端子32とを電源50に接続するように設けられていてもよい。
第2スイッチ56は、接続配線55に設けられている。第2スイッチ56は、接続配線55によってベース電極2と対向電極4とが電気的に接続された状態と、接続配線55が切断された状態とを切り替えるスイッチである。第2制御装置62は、第2スイッチ56の接続と切断とを操作する制御装置である。
第1制御装置60と第2制御装置62とは、図35に示されているように、第1スイッチ52が接続されたときに第2スイッチ56が切断されるように構成されているとよい。さらに、第1制御装置60と第2制御装置62とは、図36に示されているように、第1スイッチ52が切断されたときに第2スイッチ56が接続されるように構成されているとよい。
このアクチュエータ10Lは、第1スイッチ52が接続されると、ベース電極2および対向電極4に電圧が印加され、ベース電極2と対向電極4とがくっつく。第1スイッチ52が切断されると、ベース電極2および対向電極4に印加されていた電圧がなくなり、さらにクーロン力が解消されるとベース電極2と対向電極4とが離れる。
かかるアクチュエータ10Lで第1スイッチ52がONの状態では、図35に示されているように、ベース電極2と対向電極4とがそれぞれ帯電しており、ベース電極2と対向電極4とにクーロン力を生じている。そして、第1スイッチ52が接続された状態(ONの状態)から切断された状態(OFFの状態)になったときに、図36に示されているように、第2スイッチ56が接続されてベース電極2と対向電極4とが電気的に接続されるとよい。ベース電極2と対向電極4とが電気的に接続されると、ベース電極2の帯電と対向電極4の帯電とがそれぞれ速やかに解消される。このため、ベース電極2と対向電極4との間に作用するクーロン力が速やかに解消され、対向電極4の形状が速やかに戻り、対向電極4がベース電極2から速やかに離れる。このように、第2スイッチ56が設けられていることによって、第1スイッチ52が接続された状態(ONの状態)から切断された状態(OFFの状態)になったときに、ベース電極2と対向電極4とが離れる際の応答速度が速くなる。
アクチュエータ10Lは、第1スイッチ52が接続されたときに第2スイッチ56が切断され、かつ、第1スイッチ52が切断されたときに第2スイッチ56が接続されるように構成された制御装置60,62を備えている。図35および図36に示された形態では、アクチュエータ10Lは、第1制御装置60によって第1スイッチ52が電気的に操作されるように構成されている。また、第2制御装置62によって第2スイッチ56が電気的に操作されるように構成されている。このため、第1スイッチ52と第2スイッチ56が、電気的に素早く操作され、さらにタイミングが合わせられる。ここで、第1制御装置60と第2制御装置62とは、それぞれ別々の制御装置で実現されてもよいし、1つの制御装置で実現されてもよい。第1制御装置60と第2制御装置62とは、例えば、1つのマイコンで実現することができる。
ここで、制御装置は、このアクチュエータを含む装置の種々の電気的な処理を行う装置でありうる。制御装置は、予め定められたプログラムに沿って駆動するコンピュータによって具現化されうる。具体的には、制御装置の各機能は、制御装置を構成する各コンピュータの演算装置(プロセッサ、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)とも称される)や記憶装置(メモリーやハードディスクなど)によって処理される。例えば、制御装置の各構成は、コンピュータによって具現化されるデータを予め定められた形式で記憶するデータベース、データ構造、予め定められたプログラムに従って所定の演算処理を行う処理モジュールなどとして、または、それらの一部として具現化されうる。また、図示は省略するが、制御装置は、複数の制御装置が協働するものでもよい。例えば、制御装置は、LANケーブルや無線回線やインターネットなどを通じて、他のコンピュータとデータ通信可能に接続されていてもよい。制御装置の処理は、このような他のコンピュータと協働で行われてもよい。例えば、制御装置に記憶される情報または一部の情報を、外部のコンピュータが記憶してもよいし、制御装置が実行する処理または処理の一部を、外部のコンピュータが実行してもよい。
〈アクチュエータ10M〉
図37および図38は、他の実施形態にかかるアクチュエータ10Mを模式的に示す断面図である。図37および図38に示されたアクチュエータ10Mにおいて、図1に示されたアクチュエータ10と同一の作用を奏する部材・部位には同じ符号が付されており、適宜に重複する説明は省略する。図37は、アクチュエータ10MのスイッチがONの状態が示されている。図38は、アクチュエータ10MのスイッチがOFFの状態が示されている。
図37および図38に示されたアクチュエータ10Mは、第3制御装置63と、第4制御装置64と、第1接地線71と、第2接地線72と、第3スイッチ73と、第4スイッチ74とを備えている。また、アクチュエータ10Mは、上述した第1スイッチ52と、第1制御装置60とを備えている。
第1接地線71は、対向電極4を接地させる電気配線である。第3スイッチ73は、第1接地線71に設けられており、第1接地線71の接続と切断とを切り替えるスイッチである。第3制御装置63は、第3スイッチ73を操作し、対向電極4の接地を制御する装置である。
第2接地線72は、ベース電極2を接地させる電気配線である。第4スイッチ74は、第2接地線72に設けられており、第2接地線72の接続と切断とを切り替えるスイッチである。第4制御装置64は、第4スイッチ74を操作し、ベース電極2の接地を制御する装置である。
第1制御装置60と第3制御装置63と第4制御装置64とは、第1スイッチ52が接続されたときに第3スイッチ73と第4スイッチ74とがそれぞれ切断されるように構成されている。さらに、第1制御装置60と第3制御装置63と第4制御装置64とは、第1スイッチ52が切断されたときに第3スイッチ73と第4スイッチ74とがそれぞれ接続されるように構成されている。
このアクチュエータ10Mは、図37に示されているように、第1スイッチ52が接続されると、ベース電極2および対向電極4に電圧が印加され、ベース電極2と対向電極4とがくっつく。かかるアクチュエータ10Mで第1スイッチ52がONの状態では、ベース電極2と対向電極4とがそれぞれ帯電しており、ベース電極2と対向電極4とにクーロン力を生じている。第1スイッチ52が切断されると、ベース電極2および対向電極4に印加されていた電圧がなくなり、さらにクーロン力が解消されるとベース電極2と対向電極4とが離れる。
アクチュエータ10Mでは、第1スイッチ52が接続された状態(ONの状態)から切断された状態(OFFの状態)になったときに、図38に示されているように、第3スイッチ73と第4スイッチ74が接続されてベース電極2と対向電極4とがそれぞれ接地される。ベース電極2と対向電極4とがそれぞれ接地されると、ベース電極2の帯電と対向電極4の帯電とがそれぞれ速やかに解消される。このため、ベース電極2と対向電極4との間に作用するクーロン力が速やかに解消され、対向電極4の形状が速やかに戻り、対向電極4がベース電極2から速やかに離れる。このように、第3スイッチ73と第4スイッチ74が設けられていることによって、第1スイッチ52が接続された状態(ONの状態)から切断された状態(OFFの状態)になったときに、ベース電極2と対向電極4とが離れる際の応答速度が速くなる。
このようにアクチュエータ10Mは、第1スイッチ52が接続されたときに第3スイッチ73と第4スイッチ74とがそれぞれ切断され、かつ、第1スイッチ52が切断されたときに第3スイッチ73と第4スイッチ74とがそれぞれ接続されるように構成された制御装置60,63,64を備えている。図37および図38に示された形態では、アクチュエータ10Mは、第1制御装置60によって第1スイッチ52が電気的に操作されるように構成されている。また、第3制御装置63によって第3スイッチ73が電気的に操作されるように構成されている。さらに、第4制御装置64によって第4スイッチ74が電気的に操作されるように構成されている。このため、第1スイッチ52と第3スイッチ73と第4スイッチ74が、電気的に素早く操作され、さらに各スイッチの動作タイミングが適切に調整される。ここで、第1制御装置60と第3制御装置63と第4制御装置64とは、それぞれ別々の制御装置で実現されてもよいし、1つまたは2つの制御装置で実現されてもよい。第1制御装置60と第3制御装置63と第4制御装置64とは、例えば、1つまたは2つのマイコンで実現することができる。アクチュエータは、ここで例示されるように、さらに複雑な構造を備えうる。アクチュエータは、予め定められたプログラムに基づいて制御装置で操作されることによって、より複雑な動作が可能になる。
以上、ここで開示されるアクチュエータについて、種々説明した。特に言及されない限りにおいて、ここで挙げられたアクチュエータの実施形態などは、本発明を限定しない。
本出願は、2019年7月22日に出願された日本国特許出願2019-134838に対するパリ優先権の利益を主張するものであり、その全体が参照によって組み込まれる。
2 ベース電極
2c 対向電極4に対向する面
2c1 凸部
2c2 突起
4 対向電極
6 絶縁層
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,10I,10J,10K,10L,10M アクチュエータ
11 第1ベース電極(ベース電極)
11b 絶縁層
12 第2ベース電極(ベース電極)
12b 絶縁層
13 中間ベース電極(ベース電極)
21 対向電極
31 第1端子
31a 第1配線
32 第2端子
32a 第2配線
50 電源
52 スイッチ(第1スイッチ)
55 接続配線
56 第2スイッチ
60 制御装置(第1制御装置)
62~64 制御装置(第2制御装置~第4制御装置)
71 第1接地線
72 第2接地線
73 第3スイッチ
74 第4スイッチ
133 中間ベース電極13の第1ベース電極11に向けられた第3面
133b 第3絶縁層
134 中間ベース電極13の第2ベース電極12に向けられた第4面
134b 第4絶縁層
135 中間ベース電極13の第1ベース電極11側に向けられた第5面
135b 第5絶縁層
136 中間ベース電極13の第2ベース電極12側に向けられた第6面
136b 第6絶縁層
200,200A,200B,200C,200D アクチュエータ
211 第1ベース電極
211a 第1ベース電極211の対向電極221に対向する面
211b 絶縁層
212 第2ベース電極
212a 第2ベース電極212の対向電極221に対向する面
212b 絶縁層
213 中間ベース電極
213a 中間ベース電極の対向電極221に対向する面
213b 絶縁層
221 対向電極
221a 山
221b 谷
222 跳ね上げられた部位
223 スリット
224 穴
225 対向電極
225a 山形に盛り上がった部位
226 隙間
231 第1端子
231a 第1配線
232 第2端子
232a 第2配線

Claims (19)

  1. ベース電極と、
    前記ベース電極に対向する対向電極と、
    前記ベース電極に接続された第1端子と、
    前記対向電極に接続された第2端子と
    を備え、
    前記ベース電極のうち少なくとも前記対向電極に対向する面は、ペロブスカイト構造を有するセラミックスからなる絶縁層で覆われており、
    前記対向電極は、前記第1端子と前記第2端子に電圧が印加された際に、前記ベース電極と前記対向電極との間に作用するクーロン力によって変形可能な可撓性を有する導電体からなる、
    アクチュエータ。
  2. 順に並べられた複数のベース電極と、
    前記複数のベース電極のうち隣接するベース電極の間に1つずつ配置された1または複数の対向電極と
    を備え、
    前記第1端子は、前記複数のベース電極に接続されており、
    前記第2端子は、前記1または複数の対向電極に接続されており、
    前記隣接するベース電極のうち対向電極を挟んで向かい合う面は、嵌まり合う凹凸形状を有し、かつ、絶縁層で覆われた、
    請求項1に記載されたアクチュエータ。
  3. 前記ベース電極は、第1ベース電極と、第1ベース電極と間隔を空けて配置された第2ベース電極とを有し、
    前記対向電極は、前記第1ベース電極と第2ベース電極との間に配置されており、
    前記第1ベース電極の前記対向電極に対向する面は、第1凹凸形状を有し、かつ、第1絶縁層で覆われており、
    前記第2ベース電極の前記対向電極に対向する面は、前記第1凹凸形状に嵌まる第2凹凸形状を有し、かつ、第2絶縁層で覆われている、
    請求項1に記載されたアクチュエータ。
  4. 前記ベース電極は、
    第1ベース電極と、
    第1ベース電極と間隔を空けて配置された第2ベース電極と、
    前記第1ベース電極と前記第2ベース電極との間に配置された中間ベース電極と
    を有し、
    前記対向電極は、
    前記第1ベース電極と前記中間ベース電極との間、および、前記第2ベース電極と前記中間ベース電極との間にそれぞれ配置されており、
    前記第1ベース電極の、前記中間ベース電極に向けられた第1面は、第1凹凸形状を有し、かつ、第1絶縁層で覆われており、
    前記第2ベース電極の、前記中間ベース電極に向けられた第2面は、第2凹凸形状を有し、かつ、第2絶縁層で覆われており、
    前記中間ベース電極の、前記第1ベース電極側に向けられた第3面は、前記第1凹凸形状に嵌まる第3凹凸形状を有し、かつ、第3絶縁層で覆われており、
    前記中間ベース電極の、前記第2ベース電極側に向けられた第4面は、前記第2凹凸形状に嵌まる第4凹凸形状を有し、かつ、第4絶縁層で覆われている、
    請求項1に記載されたアクチュエータ。
  5. 前記ベース電極は、
    第1ベース電極と、
    第1ベース電極と間隔を空けて配置された第2ベース電極と、
    前記第1ベース電極と前記第2ベース電極との間に順に並べられた複数の中間ベース電極と
    を有し、
    前記対向電極は、
    前記第1ベース電極と前記中間ベース電極との間、前記中間ベース電極と前記中間ベース電極との間、および、前記第2ベース電極と前記中間ベース電極との間にそれぞれ配置されており、
    前記第1ベース電極の、前記中間ベース電極に向けられた第1面は、第1凹凸形状を有し、かつ、第1絶縁層で覆われており、
    前記第2ベース電極の、前記中間ベース電極に向けられた第2面は、第2凹凸形状を有し、かつ、第2絶縁層で覆われており、
    前記中間ベース電極の、前記第1ベース電極側に向けられた第3面は、前記第1凹凸形状に嵌まる第3凹凸形状を有し、かつ、第3絶縁層で覆われており、
    前記中間ベース電極の、前記第2ベース電極側に向けられた第4面は、前記第2凹凸形状に嵌まる第4凹凸形状を有し、かつ、第4絶縁層で覆われており、
    前記複数の中間ベース電極のうち、隣接する中間ベース電極の間で前記第1ベース電極側に向けられた第5面は、それぞれ第5凹凸形状を有し、かつ、第5絶縁層で覆われており、
    前記複数の中間ベース電極のうち、隣接する中間ベース電極の間で前記第2ベース電極側に向けられた第6面は、それぞれ第6凹凸形状を有し、かつ、第6絶縁層で覆われている、
    請求項1に記載されたアクチュエータ。
  6. 前記複数のベース電極を並列に接続する第1配線を有する、請求項2から5までの何れか一項に記載されたアクチュエータ。
  7. 前記対向電極が複数ある場合に、複数の前記対向電極を並列に接続する第2配線を有する、請求項2から6までの何れか一項に記載されたアクチュエータ。
  8. 前記対向電極は、板ばねで構成された、請求項1から7までの何れか一項に記載されたアクチュエータ。
  9. 順に向かい合うように並べられた複数のベース電極と、
    前記複数のベース電極のうち隣接するベース電極の間に1つずつ配置された1または複数の対向電極と
    を備え、
    前記第1端子は、前記複数のベース電極に接続され、
    前記第2端子は、前記1または複数の対向電極に接続され、
    前記対向電極は、前記隣接するベース電極が向かい合う方向に変形可能な板ばねである、
    請求項1に記載されたアクチュエータ。
  10. 前記対向電極は、波板形状である、請求項9に記載されたアクチュエータ。
  11. 前記複数のベース電極を並列に接続する第1配線を有する、請求項9または10に記載されたアクチュエータ。
  12. 前記対向電極が複数ある場合において、複数の対向電極を並列に接続する第2配線を有する、請求項9から11までの何れか一項に記載されたアクチュエータ。
  13. 前記対向電極は、導電材を含有したエラストマで構成されている、請求項1から12までの何れか一項に記載されたアクチュエータ。
  14. 前記ベース電極および前記対向電極に電圧を印加する電源と、
    前記ベース電極および前記対向電極と前記電源との接続と切断とを切り替える第1スイッチと、
    をさらに備えた、請求項1から13までの何れか一項に記載されたアクチュエータ。
  15. 前記第1スイッチを操作する制御装置をさらに備えた、請求項14に記載されたアクチュエータ。
  16. 前記電源を介在させずに、前記ベース電極と前記対向電極とを電気的に接続する接続配線と、
    前記接続配線に設けられ、前記接続配線によって前記ベース電極と前記対向電極とが電気的に接続された状態と、前記接続配線が切断された状態とを切り替える第2スイッチとを備えた、請求項14に記載されたアクチュエータ。
  17. 前記第1スイッチが接続されたときに前記第2スイッチが切断され、かつ、前記第1スイッチが切断されたときに前記第2スイッチが接続されるように構成された制御装置をさらに備えた、請求項16に記載されたアクチュエータ。
  18. 前記対向電極を接地させる第1接地線と、
    前記ベース電極を接地させる第2接地線と、
    前記第1接地線に設けられ、第1接地線の接続と切断を切り替える第3スイッチと、
    前記第2接地線に設けられ、第2接地線の接続と切断を切り替える第4スイッチと
    をさらに備えた、請求項14に記載されたアクチュエータ。
  19. 前記第1スイッチが接続されたときに前記第3スイッチと前記第4スイッチとがそれぞれ切断され、かつ、前記第1スイッチが切断されたときに前記第3スイッチと前記第4スイッチとがそれぞれ接続されるように構成された制御装置をさらに備え、請求項18に記載されたアクチュエータ。
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