JP2010131881A - アクチュエータ装置、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 - Google Patents

アクチュエータ装置、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】リード電極と上電極膜との電気的接触を確保し、アクチュエータ装置の変位量を大きくして、液体噴射装置で噴射できるインク量を増やして高速で印刷したり、圧力発生室の容量を小さくして液体噴射ヘッドを小型化したりすること。
【解決手段】上電極膜80の厚い第2の領域に設けられた保護膜100に開口部100aが設けられているので、エッチングがばらついても開口部100a形成時に上電極膜80が完全に除去される可能性は少なく、開口部100aには上電極膜80が広い面積で露出し、リード電極90と電気抵抗の低い接続を得ることができる。一方、上電極膜80の第1の領域は薄く、上電極膜80の第1の領域と基板と弾性膜50と下電極膜60と圧電体層70とを合わせた圧電体能動部320の変位への上電極膜80による阻害を少なくでき、変位量が大きくインクの噴射量の多い圧電アクチュエータ310を得ることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、アクチュエータ装置、それを用いた液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関する。特に、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置に関しては、インク滴を噴射するノズル開口と連通する圧力発生室の一部をアクチュエータ装置で構成し、アクチュエータ装置によりインク滴を噴射させるインクジェット式記録ヘッドおよびインクジェット式記録装置に関する。
アクチュエータ装置として、基板としての弾性膜および絶縁体膜上に、下電極膜、圧電体層、上電極膜を備えた圧電素子を形成したものが知られている。弾性膜、絶縁体膜および下電極膜は、振動板として働く。
また、インクジェット式記録ヘッドとして、ノズル開口に連通する複数の圧力発生室が併設された流路形成基板と、流路形成基板に設けられた圧力素子側に接合され、かつ圧電素子を駆動させる駆動回路が実装される接合基板とを有する構造が知られている。さらに、このようなインクジェット式記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録装置が知られている。
圧電体層の側面と上電極膜の上面の周縁に設けられたカバレッジ膜を有し、カバレッジ膜に開口部を設け、リード電極と上電極膜を接続する構造のアクチュエータ装置、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−118193号公報(4頁〜6頁、図3)
カバレッジ膜の開口部の形成は、カバレッジ膜のエッチングによって行う。ここで、エッチング速度等が面内で異なる。したがって、場所によってカバレッジ膜の下の上電極膜まで完全にエッチングされてしまうと、リード電極は、エッチングされて形成された上電極膜の穴の側面でしか接触が得られず、上電極膜との接続抵抗が高くなる。その結果、駆動時に発熱して損傷したり、駆動電流が十分に供給できなくなったりする。そのため、上電極膜の厚さは、エッチングがばらついても完全にエッチングされない厚さが必要である。
上電極膜の厚さが厚いため、上電極膜がアクチュエータ装置の変位を阻害してしまい、アクチュエータ装置の変位量を大きくして噴射できる液体量を多く出来ない。したがって、噴射できる液体量を増やして液体噴射装置で高速で印刷したり、圧力発生室の容量を小さくして液体噴射ヘッドを小型化するのが困難であった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
基板と、前記基板上に形成された第1の電極と、前記第1の電極上に形成された圧電体層と、前記圧電体層上に形成された第2の電極と、前記第2の電極の上面の少なくとも一部と側面とを覆うカバレッジ膜とを備え、前記第2の電極は、第1の領域と、前記第1の領域より厚い第2の領域を含み、前記第2の領域に設けられた前記カバレッジ膜に、外部配線と前記第2の電極とを接続するための開口部が形成されていることを特徴とするアクチュエータ装置。
この適用例によれば、第2の電極の厚い第2の領域に設けられたカバレッジ膜に開口部が設けられているので、エッチングがばらついても開口部形成時に第2の電極が完全に除去される可能性は少なく、開口部には第2の電極が広い面積で露出し、外部配線と電気抵抗の低い接続が得られる。一方、第2電極の第1の領域は薄く、第2の電極の第1の領域と基板と第1の電極と圧電体層とを合わせた圧電体能動部の変位への第2の電極による阻害が少なく、変位量が大きいアクチュエータ装置が得られる。
[適用例2]
上記アクチュエータ装置であって、前記第1の領域に設けられた前記カバレッジ膜には、前記第2の電極の露出部が形成されていることを特徴とするアクチュエータ装置。
この適用例では、第1の領域に設けられたカバレッジ膜が第2の電極の露出部を有しているので、圧電体能動部の動きを阻害するカバレッジ膜が第1の領域で少なくなり、圧電体能動部の変位量がより大きいアクチュエータ装置が得られる。
[適用例3]
液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室とを備え、前記圧力発生室の一部は、前記アクチュエータ装置で構成されていることを特徴とする液体噴射ヘッド。
この適用例によれば、圧力発生室の一部が上記に記載のアクチュエータ装置で構成されているので、アクチュエータ装置の変位量が大きいことにより、圧力発生室の容量の変化も大きくなり、噴射できる液体量が増えた液体噴射ヘッドが得られる。また、噴射できる液体量が増えるので、圧力発生室の容量を小さくでき、液体噴射ヘッドを小型化できる。
[適用例4]
上記に記載の液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
この適用例によれば、前述の効果を達成できる液体噴射装置が得られる。また、噴射できる液体量が増えるので、高速で印刷が可能な液体噴射装置が得られる。
以下、実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態における液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置1000の一例を示す概略斜視図である。
図1において、インクジェット式記録装置1000は、記録ヘッドユニット1Aおよび1Bを備えている。記録ヘッドユニット1Aおよび1Bには、インク供給手段を構成するカートリッジ2Aおよび2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1Aおよび1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。
記録ヘッドユニット1Aおよび1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物およびカラーインク組成物を吐出する。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1Aおよび1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動する。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
記録ヘッドユニット1Aおよび1Bは、液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド1を記録シートSに対向する位置に備えている。図では、記録ヘッドユニット1Aおよび1Bの記録シートS側に位置しており、図示していない。
図2に、本実施形態にかかるインクジェット式記録ヘッド1を示す分解部分斜視図を示した。インクジェット式記録ヘッド1の形状は略直方体であり、図2は、インクジェット式記録ヘッド1の長手方向(図中の白抜き矢印方向)に直交する面で切断した分解部分斜視図である。
また、図3には、インクジェット式記録ヘッド1の部分平面図を、図4(a)には、図3におけるA−A断面図、(b)にはB−B部分断面図を示した。
図2および図4において、インクジェット式記録ヘッド1は、流路形成基板10とノズルプレート20と接合基板30とコンプライアンス基板40と駆動回路200とを備えている。
流路形成基板10とノズルプレート20と接合基板30とは、流路形成基板10をノズルプレート20と接合基板30とで挟むように積み重ねられ、接合基板30上には、コンプライアンス基板40が形成されている。また、接合基板30上には、駆動回路200が実装されている。
図2、図3および図4において、流路形成基板10は、面方位(110)のシリコン単結晶板からなる。流路形成基板10には、異方性エッチングによって、隔壁11で区画された複数の圧力発生室12が形成されている。ここで、圧力発生室12は、インクジェット式記録ヘッド1の長手方向に並設されている。圧力発生室12のインクジェット式記録ヘッド1の幅方向の断面形状は台形状で、圧力発生室12は、インクジェット式記録ヘッド1の幅方向に長く形成されている。
図2および図4において、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向の一方には連通部13が形成されている。さらに、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12に設けられたインク供給路14を介して連通されている。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
ノズルプレート20には、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に、外部と連通するノズル開口21が穿設されている。
ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又は不錆鋼などからなる。
流路形成基板10とノズルプレート20とは、圧力発生室12を異方性エッチングで形成する際のマスクとして用いられた絶縁保護膜51を介して、接着剤や熱溶着フィルム等によって固着されている。
流路形成基板10のノズルプレート20が固着された面と対向する面には、基板としての振動板である弾性膜50が形成されている。弾性膜50は、熱酸化により形成された酸化膜からなる。また、弾性膜50上には、酸化膜からなる絶縁体膜55が形成されている。
絶縁体膜55上には、白金(Pt)などの金属やルテニウム酸ストロンチウム(SrRuO)などの金属酸化物からなる下電極膜60と、ペロブスカイト構造の圧電体層70と、Au、Irなどの金属からなる上電極膜80とが形成され、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70および上電極膜80を含む部分をいう。
圧電素子300と圧電素子300の駆動により変位が生じる弾性膜50および絶縁体膜55(振動板)とを合わせて、アクチュエータ装置としての圧電アクチュエータ310と称する。
一般的には、圧電素子300のいずれか一方の電極を共通電極とし、他方の電極および圧電体層70を各圧力発生室12にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた電極および圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部320という。
また、本実施形態では、下電極膜60の圧力発生室12の長手方向の端部を圧力発生室12に相対向する領域内に設けることで、圧電素子300の実質的な駆動部となる圧電体能動部320の長手方向の端部(長さ)を規定している。また、圧電体層70及び上電極膜80の圧力発生室12の幅方向の端部を圧力発生室12に相対向する領域内に設けることで、圧電体能動部320の短手方向の端部(幅)を規定している。すなわち、圧電体能動部320は、パターニングされた下電極膜60及び上電極膜80によって、圧力発生室12に相対向する領域にのみ設けられていることになる。さらに、本実施形態では、圧電体層70及び上電極膜80が、図4(b)に示すように、上電極膜80側の幅が狭くなるようにパターニングされ、その側面は傾斜面となっている。
なお、本実施形態では、弾性膜50、絶縁体膜55および下電極膜60が振動板として作用するが、これに限定されるものではなく、例えば、弾性膜50及び絶縁体膜55を設けずに、下電極膜60のみが振動板として作用するようにしてもよい。
図2、図3および図4において、圧電素子300を構成する下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80(圧電体能動部320)は、耐湿性を有する絶縁材料からなるカバレッジ膜としての保護膜100によって覆われている。
このように圧電素子300を保護膜100で覆うことにより、大気中の水分等に起因する圧電素子300の破壊を防止することができる。ここで、このような保護膜100の材料としては、耐湿性を有する材料であればよいが、例えば、酸化シリコン(SiOx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化アルミニウム(AlOx)等の無機絶縁材料を用いるのが好ましく、特に、無機アモルファス材料である酸化アルミニウム(AlOx)、例えば、アルミナ(Al23)を用いるのが好ましい。保護膜100の材料として酸化アルミニウムを用いた場合、保護膜100の膜厚を100nm程度と比較的薄くしても、高湿度環境下での水分透過を十分に防ぐことができる。
保護膜100上には、例えば、金(Au)等からなるリード電極90が設けられている。リード電極90は、配線コンタクト部400を介して一端部が上電極膜80に接続されると共に、他端部が延設され、延設された先端部は、圧電素子300を駆動する駆動回路200と接続配線210を介して接続されている。
以下に、上電極膜80、保護膜100、リード電極90、配線コンタクト部400について詳しく説明する。
図5に、圧電アクチュエータ310付近の図3におけるA−A拡大断面図を示した。
上電極膜80には凹部80aが、保護膜100には開口部100aが形成され、リード電極90の一部が開口部100aおよび凹部80aに埋め込まれて形成されることにより、上電極膜80とリード電極90との接触が得られ、配線コンタクト部400が構成されている。
上電極膜80は、凹部80aおよび開口部100aが形成される第2の領域82では厚く、その他の第1の領域81では薄く形成されている。第2の領域82は、凹部80aおよび開口部100aより広く形成されていればよい。
なお、上電極膜80に凹部80aが形成されていなくても、保護膜100の開口部100aだけを形成して、上電極膜80の上面とリード電極90とが接触するようにしてもよい。
例えば、上電極膜80の第1の領域81の厚さt1は30nm程度、第2の領域82の厚さt2は50nm程度、リード電極90の厚さは130nm程度である。また、図3において、平面視した場合の配線コンタクト部400の大きさは、20μm角程度である。
以上示した厚さ、大きさは、例示でありその他の数値であってもよい。
図2および図4(a)において、圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、圧電素子300に対向する領域に、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部31を有する接合基板30が、接着剤35によって接合されている。 なお、圧電素子保持部31は、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有していればよく、当該空間は密封されていても、密封されていなくてもよい。
また、実施形態では、各圧電素子保持部31は、各圧力発生室12の列に対応する領域に一体的に設けられているが、圧電素子300毎に独立して設けられていてもよい。
接合基板30には、連通部13に対向する領域にリザーバ部32が設けられており、このリザーバ部32は、流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ110を構成している。また、接合基板30の圧電素子保持部31とリザーバ部32との間の領域には、接合基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられ、この貫通孔33内に下電極膜60の一部およびリード電極90の先端部が露出している。
また、接合基板30上には、圧電素子300を駆動するための駆動回路200が固定されている。この駆動回路200としては、例えば、回路基板や半導体集積回路(IC)等を用いることができる。そして、駆動回路200とリード電極90とはボンディングワイヤ等の導電性ワイヤからなる接続配線210を介して電気的に接続されている。
接合基板30としては、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料、例えば、ガラス、セラミック材料等を用いることが好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
接合基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。ここで、封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ110に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ110の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1では、インク供給手段であるカートリッジ2Aおよび2Bからインクを取り込み、リザーバ110からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たす。その後、駆動回路200からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加して、弾性膜50、下電極膜60および圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力を高め、ノズル開口21からインク滴を吐出させる。
このような実施形態によれば、以下の効果がある。
(1)上電極膜80の厚い第2の領域82に設けられた保護膜100に開口部100aが設けられているので、エッチングがばらついても開口部100a形成時に上電極膜80が完全に除去される可能性は少なく、開口部100aには上電極膜80が広い面積で露出し、リード電極90と電気抵抗の低い接続を得ることができる。一方、上電極膜80の第1の領域81は薄く、上電極膜80の第1の領域81と弾性膜50と下電極膜60と圧電体層70とを合わせた圧電体能動部320の変位への上電極膜80による阻害を少なくでき、変位量が大きくインクの噴射量の多い圧電アクチュエータ310を得ることができる。
(2)圧力発生室12の一部が圧電アクチュエータ310で構成されているので、圧電アクチュエータ310の変位量が大きいことにより、圧力発生室12の容量の変化も大きくでき、噴射できるインク量が増えたインクジェット式記録ヘッド1を得ることができる。また、噴射できるインク量が増えるので、圧力発生室12の容量を小さくでき、インクジェット式記録ヘッド1を小型化できる。
(3)前述の効果を達成できるインクジェット式記録装置1000を得ることができる。また、噴射できるインク量が増えるので、高速で印刷が可能なインクジェット式記録装置1000を得ることができる。
(第2実施形態)
図6に、本実施形態にかかる圧電アクチュエータ310の拡大図を示した。(a)は圧電アクチュエータ付近の拡大平面図、(b)は拡大断面図である。
第1実施形態と異なる点は、上電極膜80の圧電体能動部320にあたる領域に、保護膜100が設けられておらず、上電極膜80の上面の圧電体能動部320に相当する領域に露出部101が設けられている。
露出部101は、保護膜100を厚さ方向に貫通して圧電素子300の長手方向に沿って矩形状に開口するものであり、例えば、流路形成基板10上の全面に亘って保護膜100を形成した後、選択的にパターニングすることで形成することができる。
上電極膜80の厚さは、圧電体能動部320に相当する第1の領域81がさらに薄く形成されている。第1の領域81の厚さt1は第2の領域82の厚さt2よりも薄い。
また、第1の領域81および第2の領域82の他に、厚さt3の領域も設けられている。厚さt3はt1より厚くt2より薄い。このように、第1の領域81および第2の領域82とは別の領域が設けられていてもよい。
このような実施形態によれば、以下の効果がある。
(4)第1の領域81に設けられた保護膜100が上電極膜80の露出部101を有しているので、圧電体能動部320の変位を阻害する保護膜100が第1の領域81で少なくなり、圧電体能動部320の変位量をより大きくでき、インクの噴射量のより多い圧電アクチュエータ310を得ることができる。
(変形例)
図7に、変形例にかかる圧電アクチュエータ310の拡大図を示した。
第2実施形態と異なる点は、上電極膜80が薄く形成された圧電体能動部320に相当する第1の領域81にも保護膜100が形成されている点である。また、変形例では、第1の領域81および第2の領域82以外の領域は設けられていない。
実施形態および変形例以外にも、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、実施形態および変形例では、保護膜100を図2、図3および図4(b)に示すように、複数の圧電素子300(圧電体能動部320)にわたって連続して設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、保護膜100を各圧電素子300に設けるようにしてもよい。
また、実施形態および変形例では、接合基板として圧電素子保持部31を有する接合基板30を例示したが、接合基板は、駆動回路が実装される基板であれば特に限定されるものではない。
また、凹部80a、開口部100aおよび配線コンタクト部400の形状、使用する材料、寸法等、その他詳細な事項において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
さらに、上述した実施形態および変形例では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。 その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(電界放出ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
さらに、このような液体噴射ヘッドに圧力発生手段として搭載されるアクチュエータ装置だけでなく、あらゆる装置に搭載されるアクチュエータ装置に適用することができる。例えば、アクチュエータ装置は、上述したヘッドの他に、センサー等にも適用することができる。
第1実施形態にかかるインクジェット式記録装置を示す概略斜視図。 インクジェット式記録ヘッドを示す分解部分斜視図。 インクジェット式記録ヘッドの部分平面図。 (a)は図3のA−A断面図、(b)はB−B部分断面図。 圧電アクチュエータ付近の図3におけるA−A拡大断面図。 (a)は、第2実施形態にかかる、圧電アクチュエータ付近の拡大平面図、(b)は拡大断面図。 変形例にかかる圧電アクチュエータ付近の拡大断面図。
符号の説明
1…液体噴射ヘッドとしてのインクジェット式記録ヘッド、12…圧力発生室、21…ノズル開口、50…基板としての弾性膜、60…第1の電極としての下電極膜、70…圧電体層、80…第2の電極としての上電極膜、81…第1の領域、82…第2の領域、90…外部配線としてのリード電極、100…カバレッジ膜としての保護膜、100a…開口部、101…露出部、310…アクチュエータ装置としての圧電アクチュエータ、1000…液体噴射装置としてのインクジェット式記録装置。

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成された第1の電極と、
    前記第1の電極上に形成された圧電体層と、
    前記圧電体層上に形成された第2の電極と、
    前記第2の電極の上面の少なくとも一部と側面とを覆うカバレッジ膜とを備え、
    前記第2の電極は、第1の領域と、前記第1の領域より厚い第2の領域を含み、
    前記第2の領域に設けられた前記カバレッジ膜に、外部配線と前記第2の電極とを接続するための開口部が形成されている
    ことを特徴とするアクチュエータ装置。
  2. 請求項1に記載のアクチュエータ装置において、
    前記第1の領域に設けられた前記カバレッジ膜には、前記第2の電極の露出部が形成されている
    ことを特徴とするアクチュエータ装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載のアクチュエータ装置と、
    液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室とを備え、
    前記圧力発生室の一部は、前記アクチュエータ装置で構成されている
    ことを特徴とする液体噴射ヘッド。
  4. 請求項3に記載の液体噴射ヘッドを備えた
    ことを特徴とする液体噴射装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012054486A (ja) * 2010-09-03 2012-03-15 Seiko Epson Corp 圧電素子、液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
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JP2013215930A (ja) * 2012-04-05 2013-10-24 Rohm Co Ltd インクジェットプリントヘッドおよびその製造方法
JP2016032880A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置の製造方法、及び、液体吐出装置

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