JP4344929B2 - 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 - Google Patents

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本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に関し、特に、インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板の表面に圧電素子を形成して、圧電素子の変位によりインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッド及びインクジェット式記録装置に関する。
インク滴を吐出するノズル開口と連通する圧力発生室の一部を振動板で構成し、この振動板を圧電素子により変形させて圧力発生室のインクを加圧してノズル開口からインク滴を吐出させるインクジェット式記録ヘッドには、圧電素子の軸方向に伸長、収縮する縦振動モードの圧電アクチュエータを使用したものと、たわみ振動モードの圧電アクチュエータを使用したものの2種類が実用化されている。
前者は圧電素子の端面を振動板に当接させることにより圧力発生室の容積を変化させることができて、高密度印刷に適したヘッドの製作が可能である反面、圧電素子をノズル開口の配列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分けるという困難な工程や、切り分けられた圧電素子を圧力発生室に位置決めして固定する作業が必要となり、製造工程が複雑であるという問題がある。
これに対して後者は、圧電材料のグリーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し、これを焼成するという比較的簡単な工程で振動板に圧電素子を作り付けることができるものの、たわみ振動を利用する関係上、ある程度の面積が必要となり、高密度配列が困難であるという問題がある。
一方、後者の記録ヘッドの不都合を解消すべく、振動板の表面全体に亙って成膜技術により均一な圧電材料層を形成し、この圧電材料層をリソグラフィ法により圧力発生室に対応する形状に切り分けて各圧力発生室毎に独立するように圧電素子を形成したものがある。これによれば圧電素子を振動板に貼付ける作業が不要となって、リソグラフィ法という精密で且つ簡便な手法で圧電素子を作り付けることができるばかりでなく、圧電素子の厚みを薄くできて高速駆動が可能になるという利点がある。
しかしながら、このような圧電素子は、例えば、湿気等の外部環境に起因して破壊され易いという問題がある。そして、この問題を解決するために、圧電素子を構成する上電極の上面の少なくとも周縁及び圧電体層の側面を覆うように、例えば、酸化シリコン、窒化シリコン、有機材料、好ましくは感光性ポリイミドからなる薄い絶縁体層を設け、この絶縁体層上に、導電パターン(リード電極)を形成したものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、圧電素子を高密度に配列したインクジェット式記録ヘッドでは、多数の圧電素子を同時に駆動すると、電圧降下が発生して圧電素子の変位量が不安定になり、インク吐出特性が低下するという問題がある。このような問題を解決するために、下電極から複数の共通リード電極を延設するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
そして、上述した引用文献1に記載の構造において、下電極に接続される共通リード電極を、上電極に接続される導電パターンと同様に絶縁体層上に設ける場合、この共通リード電極によって圧電素子の間隔が制限されてしまい、圧電素子を十分に高密度に配列することができないという問題がある。なお、このような問題は、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドだけではなく、勿論、インク以外の液滴を吐出する他の液体噴射ヘッドにおいても、同様に存在する。
特開平10−226071号公報(第2図、段落[0015]) 特開2003−127358号公報(特許請求の範囲、第3図)
本発明は、このような事情に鑑み、圧電素子を高密度に配列できると共に圧電素子の破壊を長期間に亘って確実に防止することができ、且つ液滴の吐出特性の低下を防止することができる液体噴射ヘッド及び液体噴射装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、液滴を吐出するノズル開口連通し長手方向をもつ圧力発生室が隔壁によって区画され前記長手方向に直交して並設されている流路形成基板と、該流路形成基板の一方面側に設けられた振動板と、該振動板の上にあって前記圧力発生室の並設方向に沿って連続して設けられた共通電極、該共通電極上であって前記圧力発生室に対応する領域に積層され各圧力発生室の前記長手方向に沿って前記共通電極よりも外側まで延伸した圧電体層、及び該圧電体層上に積層された個別電極からなる圧電素子とを具備する液体噴射ヘッドであって、前記共通電極に繋がり前記圧力発生室間の前記隔壁上から前記長手方向に沿って伸びる接続配線が設けられ、該接続配線及び前記圧電素子が絶縁性膜によって覆われており、該絶縁性膜に第1の開口部と第2の開口部が設けられ、前記個別電極が前記第1の開口部を介して個別電極用リード電極に接続され、前記接続配線が前記第2の開口部を介して共通電極用リード電極に接続されていて、さらに前記第2の開口部の位置が前記長手方向において前記個別電極の端部の外側にあることを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる第1の態様では、共通電極と共通電極用リード電極とを接続するための第2の開口部が、圧電素子の長手方向端部の外側の領域に設けられているため、圧電素子の間隔がこの第2の開口部によって制限されることがなく、圧電素子を高密度に配列することができる。
本発明の第2の態様は、前記圧力発生室の並設方向において、前記第2の開口部に対向する前記接続配線の接続部の幅が、少なくとも前記圧力発生室間の前記隔壁の幅よりも広いことを特徴とする第1の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第2の態様では、圧電素子間を狭くすることにより圧電素子を高密度に配列でき且つ接続配線と共通電極用リード電極とを良好に接続することができる。
本発明の第3の態様は、前記圧力発生室の並設方向において、前記圧力発生室間の前記隔壁に対向する位置にある前記接続配線の幅が、当該隔壁の幅よりも狭いことを特徴とする第1又は2の態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第3の態様では、圧電素子を高密度に配列してヘッドを小型化することができると共に、接続配線と共通電極用リード電極とを良好に接続することができる。
本発明の第4の態様は、前記絶縁性膜が、無機材料を含み構成されていることを特徴とする第1〜3の何れか一つの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第4の態様では、圧電素子が絶縁性膜で覆われていることで、大気中の水分等に起因する圧電素子の破壊を防止することができ、特に、絶縁膜が無機材料を含み構成されていることで、絶縁性膜の膜厚を比較的薄くしても、高湿度環境下での水分透過を十分に防ぐことができる。
本発明の第5の態様は、前記接続配線が、タングステン、モリブデン又はタンタルの少なくとも一つを含み形成されていることを特徴とする第1〜4の何れか一つの態様の液体噴射ヘッドにある。
かかる第5の態様では、接続配線として特定の材料を用いることで、共通電極と接続配線とで電池が形成されるのを防止することができる。これにより、接続配線のエッチング時に発生する共通電極及び接続配線の腐食が防止される。
本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか一つの態様の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる第6の態様では、信頼性及び耐久性を向上した液体噴射装置を実現することができる。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るインクジェット式記録ヘッドを示す分解斜視図であり、図2は、図1の平面図であり、図3は、図2のA−A′断面図及びB−B′断面図である。図示するように、流路形成基板10は、本実施形態では面方位(110)のシリコン単結晶基板からなり、その一方の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンからなる、厚さ1〜2μmの弾性膜50が形成されている。流路形成基板10には、隔壁11によって区画された複数の圧力発生室12が並設されている。また、流路形成基板10の圧力発生室12の長手方向外側の領域には連通部13が形成され、連通部13と各圧力発生室12とが、各圧力発生室12毎に設けられたインク供給路14を介して連通されている。なお、連通部13は、後述する保護基板のリザーバ部と連通して各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバの一部を構成する。インク供給路14は、圧力発生室12よりも狭い幅で形成されており、連通部13から圧力発生室12に流入するインクの流路抵抗を一定に保持している。
また、流路形成基板10の開口面側には、圧力発生室12を形成する際のマスクとして用いられる絶縁膜51を介して、各圧力発生室12のインク供給路14とは反対側の端部近傍に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が接着剤や熱溶着フィルム等を介して固着されている。なお、ノズルプレート20は、厚さが例えば、0.01〜1mmで、線膨張係数が300℃以下で、例えば2.5〜4.5[×10-6/℃]であるガラスセラミックス、シリコン単結晶基板又は不錆鋼などからなる。
一方、このような流路形成基板10の開口面とは反対側には、上述したように、厚さが例えば約1.0μmの弾性膜50が形成され、この弾性膜50上には、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO)からなり厚さが約0.4μmの絶縁体膜55が形成されている。さらに、この絶縁体膜55上には、例えば、白金(Pt)とイリジウム(Ir)とからなり厚さが約0.2μmの下電極膜60と、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)からなり厚さが約1.0μmの圧電体層70と、例えば、イリジウム(Ir)からなり厚さが約0.05μmの上電極膜80とが、後述するプロセスで積層形成されて、圧電素子300を構成している。ここで、圧電素子300は、下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80を含む部分をいう。一般的には、圧電素子300の何れか一方の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層70を各圧力発生室12毎にパターニングして構成する。そして、ここではパターニングされた何れか一方の電極及び圧電体層70から構成され、両電極への電圧の印加により圧電歪みが生じる部分を圧電体能動部という。本実施形態では、下電極膜60は圧電素子300の共通電極とし、上電極膜80を圧電素子300の個別電極としているが、駆動回路や配線の都合でこれを逆にしても支障はない。何れの場合においても、各圧力発生室毎に圧電体能動部が形成されていることになる。また、ここでは、圧電素子300と当該圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板とを合わせて圧電アクチュエータと称する。
ここで、圧電素子300の構造について詳しく説明する。本実施形態では、図2及び図3に示すように、下電極膜60は、複数の圧力発生室12に対応する領域に亘って連続的に設けられて複数の圧電素子300に共通する共通電極を構成している。なお、圧力発生室12の並設方向とは直交する方向では、下電極膜60の端部は、圧力発生室12に対向する領域内に位置している。一方、圧電体層70及び上電極膜80は、基本的には圧力発生室12に対向する領域内に設けられて圧電素子300が形成されている。なお、本実施形態では、圧電体層70及び上電極膜80の端部は、圧力発生室12の並設方向とは直交する方向では、圧力発生室12の外側に位置している。
そして、圧電素子300の共通電極である下電極膜60には、接続配線90が直接接続されている。この接続配線90は、隣接する圧電素子300間に対応する領域の下電極膜60上から圧電素子300のインク供給路14とは反対側の端部の外側まで延設され、その先端部近傍は他の部分よりも広い幅を有する。すなわち、接続配線90は、圧電素子300の間隔よりも狭い幅、好ましくは隔壁11よりも狭い幅を有する延設部90aと、この延設部90aよりも広い幅を有し後述する共通電極用リード電極が接続される接続部90bとからなる。接続部90bの幅は、特に限定されないが、共通電極用リード電極を良好に接続するためには、比較的広い幅とするのが好ましい。例えば、本実施形態では、接続配線90の延設部90aは、隔壁11の幅よりも狭い幅で形成され、接続部90bは、隣接する圧電素子300の間隔よりも広い幅で形成されている。
このような接続配線90は単層、すなわち、一層の金属膜で形成されていることが好ましく、その材料としては、例えば、タングステン、モリブデン、タンタル等を用いることが好ましい。接続配線90の材料としては、下電極膜60の材料よりも導電性の高い材料を用いることが好ましいが、下電極膜60上に下電極膜60とは異なる金属からなる接続配線90を直接形成すると電池が形成されてしまい、接続配線90をエッチングによりパターニングする際に接続配線90又は下電極膜60が腐食してしまう虞がある。しかしながら、接続配線90を上記のような材料で形成することで、このような腐食の発生を防止することができる。なお、このような接続配線90は、所定の間隔で複数本設けられていることが好ましく、例えば、本実施形態では、10本の圧電素子300に対して1本程度の割合で設けるようにしている。
そして、圧電素子300を構成する下電極膜60、圧電体層70及び上電極膜80、並びに接続配線90は、耐湿性を有する絶縁材料からなる絶縁性膜としての保護膜100によって覆われている。このように圧電素子300を保護膜100で覆うことにより、大気中の水分等に起因する圧電素子300の破壊を防止することができる。保護膜100の材料としては、耐湿性を有する絶縁材料であれば、特に限定されないが、例えば、酸化アルミニウム(Al)、五酸化タンタル(Ta)等の無機絶縁材料を用いることが好ましく、特に、酸化アルミニウム(Al)を用いるのが好ましい。保護膜100の材料として酸化アルミニウムを用いた場合、保護膜100の膜厚を100nm程度と比較的薄くしても、高湿度環境下での水分透過を十分に防ぐことができる。
この保護膜100上には、例えば、金(Au)等からなる個別電極用リード電極110及び共通電極用リード電極120が設けられている。個別電極用リード電極110は、保護膜100に設けられた第1の開口部100aを介して一端部が上電極膜80に接続されると共に、他端部側が流路形成基板10の端部近傍まで延設され、その先端部は後述する駆動配線が接続される端子部110aとなっている。一方、共通電極用リード電極120は、保護膜100に設けられた第2の開口部100bを介して一端部が接続配線90の接続部90aに接続されると共に、他端部側が流路形成基板10の端部近傍まで延設され、その先端部が個別電極用リード電極110と同様に駆動配線が接続される端子部120aとなっている。
なお、流路形成基板10の圧電素子300側の面には、圧電素子300に対向する領域にその運動を阻害しない程度の空間を確保可能な圧電素子保持部31を有する保護基板30が接着剤35を介して接合されている。この空間は、完全に密封されていても良いが、密封されていなくとも良い。圧電素子300は、この圧電素子保持部31内に形成されているため、外部環境の影響を殆ど受けない状態で保護されている。また、上述した個別電極用リード電極110及び共通電極用リード電極120は、この圧電素子保持部31の外側まで延設され、各端子部110a,120aは、保護基板30の外側に設けられている。そして、保護基板30上には、圧電素子300を駆動するための駆動IC130が実装されており、これら個別電極用リード電極110の端子部110a及び、共通電極用リード電極120の端子部120aには、この駆動IC130から延設される駆動配線140の一端が接続されている。
また、保護基板30には、流路形成基板10の連通部13に対応する領域にリザーバ部32が設けられている。このリザーバ部32は、本実施形態では、保護基板30を厚さ方向に貫通して圧力発生室12の並設方向に沿って設けられており、上述したように流路形成基板10の連通部13と連通されて各圧力発生室12の共通のインク室となるリザーバ150を構成している。
なお、保護基板30の材料としては、例えば、ガラス、セラミックス材料、金属、樹脂等が挙げられるが、流路形成基板10の熱膨張率と略同一の材料で形成されていることがより好ましく、本実施形態では、流路形成基板10と同一材料のシリコン単結晶基板を用いて形成した。
また、保護基板30上には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されている。封止膜41は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さが6μmのポリフェニレンサルファイド(PPS)フィルム)からなり、この封止膜41によってリザーバ部32の一方面が封止されている。また、固定板42は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さが30μmのステンレス鋼(SUS)等)で形成される。この固定板42のリザーバ150に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっているため、リザーバ110の一方面は可撓性を有する封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッドでは、図示しない外部インク供給手段からインクを取り込み、リザーバ150からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動IC130からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧を印加し、弾性膜50、絶縁体膜55、下電極膜60及び圧電体層70をたわみ変形させることにより、各圧力発生室12内の圧力が高まりノズル開口21からインク滴が吐出する。
以上説明したように、下電極膜60に接続される複数の共通電極用リード電極120を設けることで、複数の圧電素子300を同時に駆動した際に、電圧降下が発生するのを防止することができ、インク吐出特性を常に良好に維持することができる。そして、本発明では、下電極膜60上から圧電素子300の端部の外側まで延設される接続配線90を設け、この接続配線90を介して下電極膜60と共通電極用リード電極120とを接続するようにした。このため、保護膜100上に共通電極用リード電極120が設けられていても、共通電極用リード電極120によって圧電素子300の間隔が制限されることがない。すなわち、下電極膜60に対向する領域の保護膜100に、下電極膜60と共通電極用リード電極120とを接続するための第2の開口部を設ける必要がないため、圧電素子300の間隔がこの第2の開口部によって制限されることがない。したがって、圧電素子300の間隔を十分に狭くすることができ、圧電素子300を高密度に配列することができる。
さらに、接続配線90を単層とすることで、圧電体層70の水分(湿気)に起因する破壊を防止することができる。例えば、スパッタ法等により保護膜100を形成する際、接続配線が複数層であると、その周囲への保護膜100が形成され難い場合があるが、接続配線90を単層とすることで、その周囲への保護膜の付きまわりがよくなり、保護膜が良好に形成される。したがって、圧電体層70の水分(湿気)に起因する破壊を確実に防止することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施形態では、各接続配線は、それぞれ独立して設けられているが、これに限定されず、例えば、図4に示すように、接続配線90の接続部90aとは反対側の端部を圧力発生室12の外側まで延設し、圧力発生室12の外側の領域で各接続配線90を連結するようにしてもよい。これにより、複数の圧電素子300を同時に駆動した際の電圧降下の発生をより確実に防止することができる。また、上述した実施形態では、接続配線90及び共通電極用リード電極120は、圧電素子300の間のみに設けられているが、勿論、圧電素子300の列の外側にも設けられていてもよい。
また、上述した実施形態では、個別電極用リード電極110及び共通電極用リード電極120が露出されているが、勿論、これら個別電極用リード電極110及び共通電極用リード電極120を覆う第2の保護膜をさらに設けるようにしてもよい。これにより、保護膜内への水分の侵入がさらに抑えられるため、圧電素子(圧電体層)の水分に起因する破壊をより確実に防止することができる。
なお、上述した実施形態のインクジェット式記録ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載される。図5は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。図5に示すように、インクジェット式記録ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bは、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられ、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。この記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上を搬送されるようになっている。
また、上述した実施形態においては、本発明の液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを説明したが、液体噴射ヘッドの基本的構成は上述したものに限定されるものではない。本発明は、広く液体噴射ヘッドの全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射するものにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンタ等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレー、FED(面発光ディスプレー)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの断面図である。 他の実施形態に係る記録ヘッドの平面図である。 一実施形態に係る記録装置の概略図である。
符号の説明
10 流路形成基板、 12 圧力発生室、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 圧電素子保持部、 32 リザーバ部、 40 コンプライアンス基板、 50 弾性膜、 55 絶縁体膜、 60 下電極膜、 70 圧電体膜、 80 上電極膜、 90 接続配線、 100 保護膜、 110 個別電極用リード電極、 120 共通電極用リード電極、 130 駆動IC、 140 駆動配線、 300 圧電素子

Claims (6)

  1. 液滴を吐出するノズル開口連通し長手方向をもつ圧力発生室が隔壁によって区画され前記長手方向に直交して並設されている流路形成基板と、
    該流路形成基板の一方面側に設けられた振動板と、
    該振動板の上にあって前記圧力発生室の並設方向に沿って連続して設けられた共通電極、該共通電極上であって前記圧力発生室に対応する領域に積層され各圧力発生室の前記長手方向に沿って前記共通電極よりも外側まで延伸した圧電体層、及び該圧電体層上に積層された個別電極からなる圧電素子とを具備する液体噴射ヘッドであって、
    前記共通電極に繋がり前記圧力発生室間の前記隔壁上から前記長手方向に沿って伸びる接続配線が設けられ、該接続配線及び前記圧電素子が絶縁性膜によって覆われており、該絶縁性膜に第1の開口部と第2の開口部が設けられ、前記個別電極が前記第1の開口部を介して個別電極用リード電極に接続され、前記接続配線が前記第2の開口部を介して共通電極用リード電極に接続されていて、さらに前記第2の開口部の位置が前記長手方向において前記個別電極の端部の外側にあることを特徴とする液体噴射ヘッド。
  2. 前記圧力発生室の並設方向において、前記第2の開口部に対向する前記接続配線の接続部の幅が、少なくとも前記圧力発生室間の前記隔壁の幅よりも広いことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッド。
  3. 前記圧力発生室の並設方向において、前記圧力発生室間の前記隔壁に対向する位置にある前記接続配線の幅が、当該隔壁の幅よりも狭いことを特徴とする請求項1又は2に記載の液体噴射ヘッド。
  4. 前記絶縁性膜が、無機材料を含み構成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  5. 前記接続配線が、タングステン、モリブデン又はタンタルの少なくとも一つを含み形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッド。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
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