JP6131864B2 - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の製造方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置、及び、液体吐出装置の製造方法に関する。
液体を吐出する液体吐出装置として、特許文献1には、ノズルからインクの液滴を吐出するインクジェットヘッドが開示されている。特許文献1のインクジェットヘッドは、複数のノズルを含むインク流路が形成された流路ユニットと、この流路ユニットに接合された圧電アクチュエータ(アクチュエータユニット)とを備えている。
流路ユニットは、複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を有する。圧電アクチュエータは、複数の圧力室を覆うように配置された4枚の圧電層(圧電シート)と、最上層の圧電層の上面に、複数の圧力室とそれぞれ対向して配置された複数の個別電極と、最上層の圧電層の下面に配置された共通電極を有する。また、最上層の圧電層の上面の、各圧力室の周囲部分には溝が形成されている。
この圧電アクチュエータにおいて、個別電極と共通電極との間に駆動電圧が印加されたときには、最上層の圧電層の、個別電極と共通電極とに挟まれた部分が面方向に収縮し、4枚の圧電層が圧力室側に凸となるように変形する。この圧電層の変形によって圧力室の体積が変化するために、圧力室内のインクの圧力が上昇して、ノズルからインクが吐出される。
特開2003−311954号公報
前記特許文献1には明確には記載されていないが、圧電層の、圧力室の周囲部分に溝が形成されることで、圧電層の、各圧力室と対向する部分の変形を促進することができる。圧電層の変形量が大きくなると、圧力室の体積変化量が大きくなって、圧力室内のインクにより大きな圧力が付与されることになるため、ノズルからのインクの吐出速度が大きくなる。
ところで、特許文献1の開示されているような液体吐出装置において、複数のノズルの間で、ノズルから吐出される液体の吐出速度や吐出体積が揃っているのが理想的であるのだが、様々な要因によって吐出速度のばらつきが生じ得る、という問題がある。
本発明の目的は、圧電層に溝が形成された圧電アクチュエータを有する液体吐出装置において、溝の位置又は形状を異ならせることによって複数のノズルの間での液体の吐出速度のばらつきを抑制することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の液体吐出装置は、複数のノズル及び前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を含む、液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に設けられた圧電アクチュエータと、を備え、
前記圧電アクチュエータは、前記複数の圧力室を覆うように配置された圧電層と、前記圧電層に、前記複数の圧力室とそれぞれ対向するように設けられた複数の個別電極と、前記圧電層を挟んで前記複数の個別電極と反対側に配置され、且つ、前記複数の個別電極と対向する共通電極と、前記圧電層の、前記複数の圧力室の周囲部分にそれぞれ形成された複数の溝と、を有し、前記複数の溝に含まれる、少なくとも2以上の溝は、対応する前記ノズルからの液体の吐出速度に関連するパラメータに応じて位置又は形状が異なっていることを特徴とするものである。
圧電層の、圧力室の周囲部分に溝が形成されていると、この圧電層の、圧力室と対向する部分の変形が大きくなり、圧力室の体積変化量が大きくなる。そのため、ノズルから吐出される液体の吐出速度を大きくすることができる。
さらに、本発明では、複数の圧力室の周囲部分にそれぞれ形成された複数の溝のうち、少なくとも2以上の溝は、対応するノズルからの液体の吐出速度に関連するパラメータに応じて、位置又は形状が異なっている。つまり、複数のノズルの間で、液体の吐出速度のばらつきが生じる場合でも、2以上の溝の位置又は形状を異ならせることにより吐出速度が補正されるため、複数のノズルの間の吐出速度のばらつきを小さく抑えることができる。
第2の発明の液体吐出装置は、前記第1の発明において、前記少なくとも2以上の溝の各々は、その溝に隣接する2つの前記圧力室と連通する2つの前記ノズルのそれぞれについての、前記パラメータに応じて位置又は形状が異なっていることを特徴とするものである。
1つの溝が2つの圧力室とそれぞれ近接して設けられている場合、この溝は、2つの圧力室の体積変化量、ひいては、2つのノズルのそれぞれの液体の吐出速度に影響を及ぼす。従って、溝に隣接する2つの圧力室のうちの、一方の圧力室に連通するノズルについてのパラメータのみに基づいて、溝の位置又は形状が決定されていると、この溝による他方の圧力室に連通するノズルへの影響が考慮されていないために、逆に、吐出速度ばらつきが大きくなることもあり得る。そこで、本発明では、前記2以上の溝の各々は、その溝に隣接する2つの圧力室に連通する2つのノズルのそれぞれについての、吐出速度に関連するパラメータに応じて、位置又は形状が異なっている。
前記第1の発明において、前記少なくとも2以上の溝は、前記パラメータに応じて位置が異なっていてもよい(第3の発明)。また、前記少なくとも2以上の溝は、前記パラメータに応じて長さが異なっていてもよい(第4の発明)。あるいは、前記少なくとも2以上の溝は、前記パラメータに応じて深さが異なっていてもよい(第5の発明)。
また、前記第1の発明において、前記パラメータには、前記圧力室と前記個別電極との、前記圧電層の面方向における位置ズレ量が含まれてもよい(第6の発明)。また、前記パラメータには、前記圧電層の、前記個別電極と前記共通電極とに挟まれた部分である、活性部の静電容量が含まれてもよい(第7の発明)。また、前記パラメータには、前記ノズルの吐出口の径が含まれてもよい(第8の発明)。あるいは、前記パラメータには、前記ノズルから吐出される液体の粘度が含まれてもよい(第9の発明)。
第10の発明の液体吐出装置は、複数の液体吐出ユニットを有し、各液体吐出ユニットは、複数のノズル及び前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を含む、液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に設けられた圧電アクチュエータと、を備え、
前記圧電アクチュエータは、前記複数の圧力室を覆うように配置された圧電層と、前記圧電層に、前記複数の圧力室とそれぞれ対向するように設けられた複数の個別電極と、前記圧電層を挟んで前記複数の個別電極と反対側に配置され、且つ、前記複数の個別電極と対向する共通電極と、前記圧電層の、前記複数の圧力室の周囲部分にそれぞれ形成された複数の溝と、を有し、
前記複数の液体吐出ユニットの間で、前記圧電アクチュエータの前記溝が、前記ノズルからの液体の吐出速度に関連するパラメータに応じて位置又は形状が異なっていることを特徴とするものである。
本発明の液体吐出装置は、複数の液体吐出ユニットを備えている。また、複数の液体吐出ユニットの間で、圧電アクチュエータの溝が、ノズルからの液体の吐出速度に関連するパラメータに応じて、位置又は形状が異なっている。つまり、複数の液体吐出ユニットの間で、ノズルからの液体の吐出速度のばらつきが生じる場合でも、複数の液体吐出ユニットの間で溝の位置又は形状を異ならせることにより吐出速度が補正されるため、複数の液体吐出ユニットの間での、吐出速度のばらつきを小さく抑えることができる。
第11の発明の液体吐出装置の製造方法は、複数のノズル及び前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を含む、液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に設けられた圧電アクチュエータを備え、
前記圧電アクチュエータは、前記複数の圧力室を覆うように前記流路構造体に配置された圧電層と、前記圧電層に、前記複数の圧力室とそれぞれ対向するように設けられた複数の個別電極と、前記圧電層を挟んで前記複数の個別電極と反対側に配置され、且つ、前記複数の個別電極と対向する共通電極と、前記圧電層の、前記複数の圧力室の周囲部分にそれぞれ形成された複数の溝と、を有する、液体吐出装置の製造方法であって、
前記圧電層の、前記複数の圧力室の周囲部分に前記複数の溝をそれぞれ形成する、溝形成工程を備え、
前記溝形成工程において、各ノズルについての液体の吐出速度に関連するパラメータに基づいて、そのノズルに連通する前記圧力室に対応する前記溝の、位置又は形状に関連する溝形成条件を決定し、決定した前記溝形成条件に基づいて、前記溝を形成することを特徴とするものである。
本発明では、各ノズルについての吐出速度に関するパラメータに基づいて、そのノズルに連通する圧力室の周囲に形成する溝の形成条件を調整する。従って、複数のノズル間で、液体の吐出速度のばらつきが生じる場合でも、その吐出速度のばらつきに応じて圧力室の周囲に形成する溝の形成条件を調整することにより、複数のノズル間での吐出速度のばらつきを小さくすることができる。
本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2のA部拡大図である。 図3のIV-IV線断面図である。 図3のV-V線断面図である。 図5の一部拡大図である(溝位置変更)。 溝位置と圧力室の体積変化量との関係を示すグラフである。 インクジェットヘッドの製造工程を示す図である。 変更形態のインクジェットヘッドの一部拡大平面図である。 別の変更形態のインクジェットヘッドの部分断面図である。 別の変更形態のインクジェットヘッドの部分断面図である。 別の変更形態のインクジェットヘッドの部分断面図である。 別の変更形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。まず、図1を参照してインクジェットプリンタ1の概略構成について説明する。尚、以下では、図1の紙面手前側を上方、紙面向こう側を下方と定義して、適宜、「上」「下」の方向語を使用して説明する。
(プリンタの概略構成)
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、プラテン2と、キャリッジ3と、インクジェットヘッド4と、搬送機構5と、制御装置6等を備えている。
プラテン2の上面には、被記録媒体である記録用紙100が載置される。キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール10,11に沿って走査方向に往復移動可能に構成されている。キャリッジ3には無端ベルト14が連結され、キャリッジ駆動モータ15によって無端ベルト14が駆動されることで、キャリッジ3は走査方向に移動する。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ3に取り付けられており、キャリッジ3とともに走査方向に移動する。インクジェットヘッド4は、プリンタ1に装着された4色(例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクカートリッジ17と、図示しないチューブによって接続されている。また、インクジェットヘッド4の下面(図1の紙面向こう側の面)には、複数のノズル34が形成されている。そして、このインクジェットヘッド4は、インクカートリッジ17から供給された4色のインクを、複数のノズル34からプラテン2に載置された記録用紙100に対して吐出する。
搬送機構5は、走査方向と直交する搬送方向において、プラテン2を挟むように配置された2つの搬送ローラ18,19を有する。搬送機構5は、2つの搬送ローラ18,19によって、プラテン2に載置された記録用紙100を搬送方向に搬送する。
制御装置6は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備える。制御装置6は、ROMに格納されたプログラムに従い、ASICにより、記録用紙100への印刷等の各種処理を実行する。例えば、印刷処理においては、制御装置6は、PC等の外部装置から入力された印刷指令に基づいて、インクジェットヘッド4やキャリッジ駆動モータ15等を制御して、記録用紙100に画像等を印刷させる。具体的には、キャリッジ3とともにインクジェットヘッド4を走査方向に移動させながらインクを吐出させるインク吐出動作と、搬送ローラ18,19によって記録用紙100を搬送方向に所定量搬送する搬送動作とを、交互に行わせる。
(インクジェットヘッド)
図2は、インクジェットヘッド4の平面図である。図3は、図2のA部拡大図である。図4は、図3のIV-IV線断面図である。図5は、図3のV-V線断面図である。図6は、図5の一部拡大図である。尚、図4〜図6では、インクジェットヘッド4の流路ユニット20内に充填されているインクを、符号“I”で示している。本実施形態のインクジェットヘッド4は、流路ユニット20と、圧電アクチュエータ21とを備えている。
(流路ユニットの構成)
図4、図5に示すように、流路ユニット20は、5枚のプレート25〜29が積層された構造を有する。5枚のプレート25〜29のうちの最下層のプレート29は、複数のノズル34が形成されたノズルプレートである。一方、上側の残り4つのプレート25〜28には、複数のノズル34に連通するマニホールド36や圧力室37等のインク流路が形成されている。
図3に示すように、流路ユニット20の上面には、4つのインク供給口35が走査方向に並んで形成されている。また、流路ユニット20は、その内部に、それぞれ搬送方向に延在する4本のマニホールド36を有する。4本のマニホールド36は、4つのインク供給口35に接続されている。
さらに、流路ユニット20は、その下面に開口した複数のノズル34と、その上面に配置された複数の圧力室37とを有する。図3に示すように、複数のノズル34は、4本のマニホールド36に沿って搬送方向に配列されており、4列のノズル列を構成している。複数の圧力室37も、複数のノズル34と同様に、4本のマニホールド36に沿って搬送方向に配列されており、4列の圧力室列を構成している。また、各圧力室37は、走査方向に長い、略楕円の平面形状を有する。尚、以下の説明において、搬送方向に平行な、複数のノズル34、及び、複数の圧力室37が配列された方向を、「ノズル配列方向」ともいう。
図4に示すように、各圧力室37は、その一端部においてマニホールド36に連通し、その他端部においてノズル34に連通している。そして、図4に矢印で示すように、流路ユニット20内には、各マニホールド36から分岐して、圧力室37を経てノズル34に至る個別流路が複数形成されている。
(圧電アクチュエータの構成)
図3〜図6に示すように、圧電アクチュエータ21は、インク封止膜40と、圧電層44,45と、複数の個別電極42と、共通電極46を備えている。
インク封止膜40は、複数の圧力室37を覆うように、流路ユニット20の上面に接合されている。インク封止膜40は、インク透過性の低い材料、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成されている。
2枚の圧電層44,45は、それぞれ圧電材料からなる。圧電層44,45を構成する圧電材料としては、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を採用することができる。その他、非鉛の圧電材料である、チタン酸バリウムや、ニオブ系の圧電材料を採用することもできる。圧電層44,45は互いに積層された状態で、インク封止膜40の上面に接合されている。圧電層44,45は、それぞれ、ノズル配列方向が長手方向となる、矩形の平面形状を有する。
複数の個別電極42は、圧電層44の、圧電層45と反対側の面である上面において、複数の圧力室にそれぞれ対応してノズル配列方向に配列されている。個別電極42は、圧力室37よりも一回り小さい、走査方向に長い略楕円の平面形状を有し、対応する圧力室37の中央部と対向して配置されている。個別電極42の長手方向一端部には、接続端子42aが設けられている。接続端子42aは、圧電層44の上面において、個別電極42から、圧力室37と対向しない領域まで走査方向に延びている。
複数の個別電極42にそれぞれ設けられた複数の接続端子42aは、図示しない配線部材と接続される。この配線部材には、ドライバIC53が実装されている。ドライバIC53は、制御装置6からの吐出制御信号に基づき、各個別電極42の電位を、所定の駆動電位とグランド電位との間で切り換える。
共通電極46は、2枚の圧電層44,45の間において、ほぼ全面的に配置されている。共通電極46は、上側の圧電層44を挟んで複数の個別電極42と反対側に配置され、且つ、複数の個別電極42のそれぞれと対向している。この共通電極46は、圧電層44の上面に配置された、図示しない接続端子と導通している。そして、共通電極46は、接続端子を介して配線部材に形成されているグランド配線と接続されており、常にグランド電位に維持されている。
また、図4に示される、圧電層44の、個別電極42と共通電極46に挟まれた部分を、特に、活性部41と呼ぶ。活性部41は、厚み方向において下向き、即ち、個別電極42から共通電極46に向かう方向に分極されている。
図3、図5、図6に示すように、上側の圧電層44の、各圧力室37の周囲部分には2つの溝51,52が形成されている。2つの溝51,52は、圧電層44の上面の、圧力室37に対してノズル配列方向における両側の領域において、走査方向にそれぞれ延びている。尚、図5,図6では、2つの溝51,52は、圧電層44にのみ形成されているが、下側の圧電層45まで溝51,52が深く形成される場合もある。このように、圧電層44の、各圧力室37の両側の部分にそれぞれ溝51,52が形成されることで、圧電層44の、圧力室37と対向する部分の変形が促進される。尚、各圧力室37に対して、その圧力室37を挟むように1対の溝51,52が設けられている。そのため、図5、図6に示すように、圧電層44の、ノズル配列方向において隣接する2つの圧力室37の間の部分47(図6の“W”の幅を有する部分)には、左側の圧力室37(37A)に近接する溝51と右側の圧力室37(37B)に近接する溝52とが形成されている。
以上説明した圧電アクチュエータ21の、ノズル34からインクを吐出させる際の動作は、以下の通りである。ドライバIC53により、ある個別電極42の電位が、グランド電位から駆動電位に切り換えられたとする。このとき、個別電極42とグランド電位に保持されている共通電極46の間に電位差が生じる。これにより、圧電層44の活性部41に厚み方向の電界が生じる。また、活性部41の分極方向と電界の方向とが一致するために、活性部41はその分極方向である厚み方向に伸びて面方向に収縮する。この活性部41の収縮変形に伴って、2つの圧電層44,45が圧力室37側に凸となるように撓む。これにより、圧力室37の容積が減少してその内部のインクに圧力が付与され、圧力室37に連通するノズル34の吐出口34aからインクの液滴が吐出される。
また、圧電層44の、各圧力室37の周囲部分に溝51,52が形成されているため、圧電層44の、圧力室37と対向する部分の変形が促進されて、圧力室37の体積変化量が大きくなる。そのため、ノズル34から吐出されるインクの吐出速度を大きくすることができる。
ところで、上記のインクジェットヘッド4においては、複数のノズル34の間で、ノズル34から吐出されるインクの吐出速度が揃っているのが、本来好ましいのであるが、実際には、複数のノズル34の間でインクの吐出速度はばらついてしまう。その一例を以下に挙げる。
個別電極42が、圧力室37の中央部と対向する正規位置に対して、圧電層44の面方向にずれて形成されてしまうと、その分、圧力室37における圧電層44の変形が小さくなってしまう。これにより、その圧力室37の体積変化量も小さくなり、この圧力室37に連通するノズル34からのインクの吐出速度が低下する。また、圧電層44に複数の個別電極42を形成したときに、ある個別電極42の圧力室37に対する位置がずれて、他の個別電極42の位置と異なってしまうことがある。
例えば、後の図8で詳細説明するが、焼成前のグリーンシート71に複数の個別電極42を形成してから、グリーンシート71を焼成して圧電層44とする場合、焼成時に圧電層44が元のグリーンシート71から面方向に収縮する。この影響により、各個別電極42の、対応する圧力室37に対する位置がずれる。また、圧電層44の、複数の個別電極42がそれぞれ形成される箇所によって、収縮量は異なるから、圧電アクチュエータ21を流路ユニット20に接合したときに、複数の圧力室37の間で、個別電極42の圧力室37に対する位置ズレ量も異なることになる。
その他にも、プレート25に複数の圧力室37をエッチング等で形成する際に、その製造時の誤差によって、複数の圧力室37の間で、位置や形状が異なってしまうことがある。この要因によっても、複数の圧力室37の間で、個別電極42の圧力室37に対する位置ズレ量も異なることになる。
そこで、本実施形態では、複数のノズル34の間でのインクの吐出速度ばらつきが小さくなるように、各圧力室37の溝51,52の位置が決定されている。具体的には、図6に示すように、各圧力室37に対応する溝51,52の、圧力室37の縁からのノズル配列方向における位置Aが、圧力室37と個別電極42との、ノズル配列方向における位置ズレ量aに応じて決定されており、複数の圧力室37の間で、溝51,52の位置Aが異なっている。図6では、左側の圧力室37Aの両側の溝51,52が、右側の圧力室37Bの両側の溝51,52よりも、圧力室37の縁から離れた位置に形成されている。尚、1つの圧力室37に対応する溝51と溝52とで、位置Aの値は同じ値となっている。従って、2つの溝51,52は、ノズル配列方向において、圧力室37に関して対称な位置に設けられる。
尚、溝51,52は、それぞれ、ノズル配列方向に所定の幅を有する溝であるが、上記の「溝位置A」とは、圧力室37の縁から、溝51,52のノズル配列方向における中心までの位置のことを言う。また、位置ズレ量aとは、圧力室37の中心線C1と個別電極42の中心線C2の、ノズル配列方向におけるズレ量のことを言う。尚、この位置ズレ量aが、本発明における、「ノズルからの液体の吐出速度に関連したパラメータ」である。
図7は、溝位置Aと圧力室37の体積変化量との関係を示すグラフである。尚、「圧力室37の体積変化量」とは、圧電層44の、圧力室37を覆う部分が変形したときの圧力室37の体積変化量のことであり、圧電層44の変位量と言い換えることもできる。図7から理解されるように、溝51(52)が圧力室37の縁近傍に位置している場合に、圧力室37の体積変化量が最も大きくなり、溝51(52)の位置が圧力室37の縁から離れるにつれて、圧力室37の体積変化量は減少していく。そこで、本実施形態では、複数の圧力室37の間での体積変化量のばらつきが小さくなるように、溝51(52)の位置Aが設定される。
即ち、個別電極42の圧力室37に対する位置ズレ量aが大きく、体積変化量が小さい圧力室37については、溝位置Aの値が小さく設定されて、圧力室37の縁の近くに溝51,52が形成される。一方、個別電極42の位置ズレ量aが小さく、体積変化量が比較的大きい圧力室37については、溝位置Aの値が大きく設定されて、圧力室37の縁から離れた位置に溝51,52が形成される。
次に、インクジェットヘッド4の製造工程について、主に、圧電アクチュエータ21の製造工程を中心に説明する。図8は、インクジェットヘッド4の製造工程を示す図である。
(電極形成工程)
図8(a)に示すように、上側の圧電層44となる、未焼成のグリーンシート71の一面に複数の個別電極42を形成する。また、下側の圧電層45となる、未焼成のグリーンシート72の一面に共通電極46を形成する。個別電極42、及び、共通電極46の形成は、スクリーン印刷、蒸着、CVD等の公知の方法で行うことができる。
(積層工程、焼成工程)
次に、2枚のグリーンシート71,72を、共通電極46を挟むように積層する。その後、積層した2枚のグリーンシート71,72を所定の温度で焼成して、圧電層44,45の積層体を得る。尚、上の説明では、未焼成のグリーンシート71に複数の個別電極42を形成するとしたが、複数の個別電極42は、圧電層44,45(グリーンシート71,72)の焼成後に、圧電層44の上面にスクリーン印刷等によって形成することも可能である。
(接合工程)
次に、圧電アクチュエータ21を流路ユニット20に接合する。まず、図8(b)に示すように、流路ユニット20の上面にインク封止膜40を接着剤で接合する。尚、インク封止膜40の接合は、この段階で行う必要は必ずしもなく、流路ユニット40の製造時に、プレート25〜29の接合と同時に行ってもよい。さらに、インク封止膜40の上面に、図8(a),(b)の工程で得られた、個別電極42及び共通電極46が形成された2枚の圧電層44,45を、流路ユニット20に対して位置合わせをした上で、接着剤で接合する。
(位置ズレ量測定工程)
接合工程後、複数の個別電極42のそれぞれについて、対応する圧力室37に対する位置ズレ量aを測定する。圧電層44の上面に形成されている個別電極42と、圧電層44,45によって覆われる圧力室37との位置ズレ量aの測定は、例えば、次のようにして行えば可能である。まず、流路ユニット20の上面の、圧電層44,45によって覆われない所定位置に予め基準マークを設けておく。次に、上記接合工程で圧電アクチュエータ21を流路ユニット20に接合した後に、流路ユニット20の基準マークに対する、各個別電極42の位置を測定する。ここで、上記の圧電アクチュエータ21の製造工程中に、流路ユニット20の基準マークに対する各圧力室37の位置は変化しないとすれば、各個別電極42の圧力室37に対する位置ズレ量aを把握できることになる。
尚、プレート25に複数の圧力室37を形成する際に、複数の圧力室37の間で位置がずれる場合は、以下のようにする。プレート25に、例えばエッチングで複数の圧力室37を形成する際に、その位置ズレは、使用するマスクなどのエッチングの条件によって、ある傾向性を有する。この傾向性に関する情報は、通常、トレーサビリティの観点から、予め、組立情報として記録される。そこで、この組立情報を用いて、各個別電極42の圧力室37に対する位置ズレ量aを推定できる。また、複数の圧力室について、圧力室と個別電極の位置ズレ量aを、センサ等を用いて個別に測定すれば、位置ズレ量aを精度よく取得することができる。
(溝形成工程)
次に、図7に示す、溝位置Aと圧力室37の体積変化量との関係を参照し、各圧力室37に対する個別電極42の位置ズレ量aに応じて、各圧力室37に対応する2つの溝51,52の溝の位置Aを決定する。この溝位置Aが、本発明の溝形成条件に相当する。このようにして決定した溝位置Aに基づいて、図8(c)に示すように、各圧力室37について圧電層44に2つの溝51,52を形成する。溝51,52の形成は、例えば、ピコ秒レーザー等を用いたレーザー加工を採用することで、精度よく行うことができる。
以上説明したように、本実施形態では、複数の圧力室37の周囲部分にそれぞれ形成された複数の溝51(52)の位置Aは、ノズル34からの吐出速度に関連するパラメータである、個別電極42の圧力室37に対する位置ズレ量aに応じて決定されており、複数の溝51(52)の間で前記位置Aが異なっている。これにより、複数のノズル34の間で、インクの吐出速度のばらつきが存在していても、溝51(52)の位置又は形状を異ならせることにより吐出速度が補正されるため、複数のノズル34の間での、インクの吐出速度のばらつきが小さく抑えられる。
以上説明した実施形態において、インクジェットヘッド4が、本発明の液体吐出装置に相当する。流路ユニット20が、本発明の流路構造体に相当する。
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
1]前記実施形態では、ノズル34からの吐出速度に関連するパラメータである、個別電極42の圧力室37に対する位置ズレ量aに応じて、複数の溝51(52)の位置を異ならせていた。これに対し、複数の溝51(52)の形状を異ならせてもよい。例えば、溝51(52)の長さが長いほど、圧電層44の変形が大きくなって、圧力室37の体積変化量は大きくなる。そこで、図9に示すように、複数のノズル34の間でのインクの吐出速度のばらつきを小さく抑えるために、複数の圧力室37の間で、溝51(52)の溝長さBを異ならせてもよい。
また、溝51(52)の幅が大きいほど、あるいは、溝51(52)の深さが深いほど、圧電層44の変形が大きくなり、圧力室37の体積変化量が大きくなる。そこで、図10,図11に示すように、複数の圧力室37の間で、溝51(52)の溝幅C、あるいは、溝深さDを異ならせてもよい。レーザー加工によって溝51(52)を形成する場合、レーザー光の照射エネルギー、あるいは、照射時間を変えることによって、溝幅C、あるいは、溝深さDを容易に異ならせることができる。
さらに、複数の圧力室37の間で、上述した、溝位置A、溝長さB、溝幅C、及び、溝深さDのうちの、2以上の溝形成条件をそれぞれ異ならせてもよい。
2]溝の位置又は形状を決定するための、ノズル34からのインクの吐出速度に関連するパラメータとしては、前記実施形態で例示した、個別電極42の位置ズレ量aの他にも、以下のようなものがある。そして、これらのパラメータを単独、あるいは、組み合わせて用いることができる。
(a)圧電層44の厚みばらつき、あるいは、個別電極42の大きさのばらつき等の要因により、複数の個別電極42と共通電極とに挟まれる、複数の活性部41の間で、静電容量がばらつくことがある。活性部41の静電容量が高いほど、圧力室37における圧電層44の変形が大きくなり、圧力室37の体積変化量が大きくなって、ひいては、インクの吐出速度も大きくなる。そこで、圧電アクチュエータ21の製造段階において複数の活性部41の静電容量を測定しておき、これら複数の活性部41の静電容量値に応じて、それぞれ対応する複数の溝51(52)の位置又は形状を異ならせてもよい。
(b)圧電層44,45の厚みばらつき等の要因により、圧電層44,45の、複数の圧力室37をそれぞれ覆う部分の間で、固有振動数がばらつくことがある。
固有振動数が高いということは、圧電層44,45の、圧力室37を覆う部分の剛性が高いということである。圧電層44,45が変形する際に、この圧電層44,45は、圧力室37のインクから圧力を受ける。このとき、圧電層44,45の剛性が高い(固有振動数が高い)と、圧電層44,45が、インクの圧力に負けずに変形することが可能となる。つまり、圧電層44,45の固有振動数が高いほど、圧電層44,45の変形が大きくなるため、インクの吐出速度も大きくなる。そこで、複数の圧力室37を覆う圧電層44の固有振動数に応じて、それぞれ対応する複数の溝51(52)の位置又は形状を異ならせてもよい。
(c)ノズルプレート29に複数のノズル34を形成する際の製造誤差によって、複数のノズル34の間で、吐出口34aの径がばらつくことがある。ノズル34の吐出口34aの径が小さいほど、そのノズル34から吐出されるインクの吐出速度が大きくなる。そこで、複数のノズル34の吐出口34aの径に応じて、それぞれ対応する複数の溝51(52)の位置又は形状を異ならせてもよい。
(d)ノズル34から吐出されるインクの種類が異なる場合、インクの粘度が低いほど、インクの吐出速度は大きくなる。そこで、複数のノズル34のそれぞれについて、吐出するインクの粘度に応じて、複数のノズル34にそれぞれ対応する複数の溝51(52)の位置又は形状を異ならせてもよい。
3]前記実施形態では、図8(c)に示すように、圧電アクチュエータ21が流路ユニットに接合された後に、圧電層44に溝51,52を形成している。これに対し、インクの吐出速度に関連するパラメータが、接合工程よりも前に既に把握できるものである場合は、接合前の圧電層44に、溝51,52を形成してもよい。例えば、ノズル34の吐出口34aの径や、ノズル34から吐出されるインクの種類といったパラメータでは、接合工程前に把握することは可能である。
4]前記実施形態では、図5、図6に示されるように、圧電層44の、隣接する2つの圧力室37の間の部分47には、2つの溝51,52が形成されている。これに対して、図12に示すように、圧電層44の、2つの圧力室37の間の部分47に1つの溝61だけが形成されていてもよい。この形態では、2つの圧力室37の間に存在する1つの溝61によって、その両側2つの圧力室37における圧電層44の変形がそれぞれ促進される。
また、前記実施形態では、圧電層44の、圧力室37に対してノズル配列方向(圧力室37の長手方向)に隣接する位置に溝51(52)が形成されていたが、圧力室37に対して走査方向(圧力室37の短手方向)に隣接する位置に溝が形成されていてもよい。さらには、1つの圧力室37を取り囲むように、その全周にわたって溝が形成されてもよい。
5] 1つの溝が2つの圧力室37とそれぞれ近接して設けられている場合、この溝は、その両側の2つの圧力室37の双方の体積変化量、ひいては、2つのノズル34のそれぞれのインクの吐出速度に影響を及ぼす。そのため、このような場合に、溝に隣接する2つの圧力室37のうちの、一方の圧力室37に連通するノズル34についてのパラメータ(例えば、個別電極42の圧力室37に対する位置ズレ量a)のみに基づいて、溝の位置又は形状が決定されていると、この溝による他方の圧力室37に連通するノズル34への影響が考慮されていないために、逆に、吐出速度のばらつきが大きくなることもあり得る。そこで、上記の場合には、複数の溝は、各溝に隣接する2つの圧力室37に連通する2つのノズル34のそれぞれについての、吐出速度に関連するパラメータに応じて、位置又は形状が異なっていることが好ましい。
例えば、図12のように、2つの圧力室37の間に1つの溝61が存在する場合であれば、2つの圧力室37に連通する2つのノズル34の、吐出速度に関連するパラメータ(例えば、個別電極42の位置ズレ量a等)の平均値を求め、この平均値に応じて、溝61の位置又は形状を決定する。
一方、図6のように、2つの圧力室37の間に2つの溝51,52が存在する場合は、図12の形態と比べると、一方の圧力室37に近接する溝51(52)が、反対側の他方の圧力室37に及ぼす影響は小さいと言える。但し、圧電層44の、圧力室37の間の部分47の、ノズル配列方向における幅Wが小さい場合は、溝51(52)が、前記他方の圧力室37に及ぼす影響を無視できなくなる。そこで、図6の形態での溝51,52の位置又は形状の決定は以下のようにする。
圧電層44の圧力室37の間の部分47の幅W≧所定幅W0であり、前記部分47の幅が十分に大きい場合には、溝51,52の各々の位置又は形状を、近接する圧力室37に連通するノズル34のパラメータのみによって決定する。一方、圧電層44の圧力室37の間の部分47の幅W<所定幅W0で、前記部分47の幅が小さい場合は、溝51,52の各々の位置又は形状を、2つの圧力室37に連通する2つのノズル34のそれぞれについてのパラメータに応じて決定する。尚、2つの圧力室37のうち、溝51(52)が及ぼす影響が大きいのは、この溝51(52)が近接する方の圧力室37である。そこで、溝51(52)の位置又は形状の決定の際には、近接する圧力室37に連通するノズル34のパラメータに大きな重み係数をかけ、反対側の圧力室37に連通するノズル34のパラメータには小さな重み係数をかける、というように影響の大きさに応じて重みをつけることが望ましい。また、圧電層44の部分47の所定幅W0については、例えば、隣接する2つの圧力室37の、ノズル配列方向における離間距離(中心間距離)の、25%とすることができる。
6]複数の圧力室37(複数のノズル34)の周囲にそれぞれ設けられている複数の溝の全てが、対応するノズル34の、吐出速度に関連するパラメータに応じて決定されて、全ての溝の位置又は形状が異なっている必要はない。例えば、複数のノズル34を、吐出速度が近いノズル34同士をまとめることによって複数のグループに区分けし、そのグループ単位で、溝の位置又は形状を決定することもできる。即ち、1つのグループに属するノズル34の間では、溝の位置及び形状が全て同じであり、異なるグループに属するノズル34の間では、溝の位置又は形状が異なっている。
7]流路ユニットや圧電アクチュエータの構成は、前記実施形態のものには限られない。例えば、圧電アクチュエータの圧電層の枚数は2枚には限られず、適宜変更できる。また、圧力室37や、それに対応する個別電極42の形状についても、前記実施形態の形状には限られない。例えば、前記実施形態では、個別電極42は、圧電層44の圧力室37と反対側に配置されていたが、圧力室37側に配置されていてもよい。
8]前記実施形態は、1つのインクジェットヘッド4内での、複数のノズル34からの吐出速度のばらつきを小さくすることを目的として、圧電アクチュエータ21の各溝の溝形成条件を、対応するノズル34についてのインクの吐出速度に関連するパラメータに基づいて決定している。これに対して、複数のインクジェットヘッド4間での、吐出速度の差を小さくするために本発明を適用することも可能である。即ち、複数のインクジェットヘッド4を製造する際に、各インクジェットヘッド4の溝形成条件を、そのインクジェットヘッド4における吐出速度に関連するパラメータに基づいて決定する。つまり、各インクジェットヘッド4の溝形成条件を調整することにより、複数のインクジェットヘッド4の間で、ノズル34からのインクの吐出速度のばらつきを小さくすることができる。
9]インクジェットヘッドが、それぞれ複数のノズルを有する複数のヘッドユニットが組み合わされて構成されたものであってもよい。図13に示すインクジェットプリンタ71は、記録用紙100の幅方向に長尺な、ライン型のインクジェットヘッド74を備えている。インクジェットヘッド74は、用紙幅方向に沿って配列された6つのヘッドユニット80を有する。6つのヘッドユニット80は、板状のヘッドホルダ81に取り付けられている。ヘッドホルダ81は、左右2つの支持部材82によって水平な姿勢で支持されている。インクジェットヘッド74には、ホルダ75に装着されたインクカートリッジ73から4色のインクが供給される。インクジェットヘッド74は、搬送ローラ78,79によって搬送される記録用紙100に対して、6つのヘッドユニット80のノズル84からそれぞれインクを吐出させて、記録用紙100に画像を記録する。
各ヘッドユニット80は、流路ユニット85と圧電アクチュエータ86を有する。流路ユニット85と圧電アクチュエータ86は、図2に示される前記実施形態のインクジェットヘッドのものと同様の構成を有する。流路ユニット85は、その下面において4列に配列された複数のノズル84と、複数のノズル84にそれぞれ連通する複数の圧力室(図示省略)を有する。また、詳細な図示は省略するが、圧電アクチュエータ86は、圧電層と、流路ユニット85の複数の圧力室にそれぞれ対応した複数の個別電極等を有する。また、前記実施形態と同様に、圧電層の、複数の圧力室の周囲部分には複数の溝が形成されている。
このインクジェットヘッド74において、6つのヘッドユニット80の間で、圧電アクチュエータ86の溝が、ノズル84からのインクの吐出速度に関連するパラメータ(例えば、前記実施形態の図6に示される、位置ズレ量a等)に応じて、位置又は形状が異なっている。これにより、6つのヘッドユニット80の間で、ノズル84からのインクの吐出速度のばらつきが生じる場合でも、6つのヘッドユニット80の間で溝の位置又は形状を異ならせることにより吐出速度が補正されるため、6つのヘッドユニット80の間での、吐出速度のばらつきを小さく抑えることができる。尚、上記の形態において、ヘッドユニット80が、本発明の液体吐出ユニットに相当する。
以上説明した実施形態及びその変更形態は、本発明を、記録用紙にインクを吐出して画像等を印刷するインクジェットヘッドに適用したものであるが、画像等の印刷以外の様々な用途で使用される液体吐出装置においても本発明は適用されうる。例えば、基板に導電性の液体を噴射して、基板表面に導電パターンを形成する液体吐出装置にも、本発明を適用することは可能である。
4 インクジェットヘッド
20 流路ユニット
21 圧電アクチュエータ
34 ノズル
34a 吐出口
37 圧力室
41 活性部
42 個別電極
44,45 圧電層
46 共通電極
51,52 溝
61 溝
74 インクジェットヘッド
80 ヘッドユニット
84 ノズル
85 流路ユニット
86 圧電アクチュエータ

Claims (11)

  1. 複数のノズル及び前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を含む、液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に設けられた圧電アクチュエータと、を備え、
    前記圧電アクチュエータは、
    前記複数の圧力室を覆うように配置された圧電層と、
    前記圧電層に、前記複数の圧力室とそれぞれ対向するように設けられた複数の個別電極と、
    前記圧電層を挟んで前記複数の個別電極と反対側に配置され、且つ、前記複数の個別電極と対向する共通電極と、
    前記圧電層の、前記複数の圧力室の周囲部分にそれぞれ形成された複数の溝と、を有し、
    前記複数の溝に含まれる、少なくとも2以上の溝は、対応する前記ノズルからの液体の吐出速度に関連するパラメータに応じて位置又は形状が異なっていることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記少なくとも2以上の溝の各々は、その溝に隣接する2つの前記圧力室と連通する2つの前記ノズルのそれぞれについての、前記パラメータに応じて位置又は形状が異なっていることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記少なくとも2以上の溝は、前記パラメータに応じて位置が異なっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記少なくとも2以上の溝は、前記パラメータに応じて長さが異なっていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の液体吐出装置。
  5. 前記少なくとも2以上の溝は、前記パラメータに応じて深さが異なっていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の液体吐出装置。
  6. 前記パラメータには、前記圧力室と前記個別電極との、前記圧電層の面方向における位置ズレ量が含まれることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の液体吐出装置。
  7. 前記パラメータには、前記圧電層の、前記個別電極と前記共通電極とに挟まれた部分である、活性部の静電容量が含まれることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の液体吐出装置。
  8. 前記パラメータには、前記ノズルの吐出口の径が含まれることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の液体吐出装置。
  9. 前記パラメータには、前記ノズルから吐出される液体の粘度が含まれることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の液体吐出装置。
  10. 複数の液体吐出ユニットを有し、
    各液体吐出ユニットは、複数のノズル及び前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を含む、液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に設けられた圧電アクチュエータと、を備え、
    前記圧電アクチュエータは、
    前記複数の圧力室を覆うように配置された圧電層と、
    前記圧電層に、前記複数の圧力室とそれぞれ対向するように設けられた複数の個別電極と、
    前記圧電層を挟んで前記複数の個別電極と反対側に配置され、且つ、前記複数の個別電極と対向する共通電極と、
    前記圧電層の、前記複数の圧力室の周囲部分にそれぞれ形成された複数の溝と、を有し、
    前記複数の液体吐出ユニットの間で、前記圧電アクチュエータの前記溝が、前記ノズルからの液体の吐出速度に関連するパラメータに応じて位置又は形状が異なっていることを特徴とする液体吐出装置。
  11. 複数のノズル及び前記複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を含む、液体流路が形成された流路構造体と、前記流路構造体に設けられた圧電アクチュエータを備え、
    前記圧電アクチュエータは、前記複数の圧力室を覆うように前記流路構造体に配置された圧電層と、前記圧電層に、前記複数の圧力室とそれぞれ対向するように設けられた複数の個別電極と、前記圧電層を挟んで前記複数の個別電極と反対側に配置され、且つ、前記複数の個別電極と対向する共通電極と、前記圧電層の、前記複数の圧力室の周囲部分にそれぞれ形成された複数の溝と、を有する、液体吐出装置の製造方法であって、
    前記圧電層の、前記複数の圧力室の周囲部分に前記複数の溝をそれぞれ形成する、溝形成工程を備え、
    前記溝形成工程において、
    各ノズルについての液体の吐出速度に関連するパラメータに基づいて、そのノズルに連通する前記圧力室に対応する前記溝の、位置又は形状に関連する溝形成条件を決定し、
    決定した前記溝形成条件に基づいて、前記溝を形成することを特徴とする液体吐出装置の製造方法。
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