JP6201784B2 - 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の製造方法 - Google Patents

液体吐出装置、及び、液体吐出装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体吐出装置、及び、液体吐出装置の製造方法に関する。
液体を吐出する液体吐出装置として、特許文献1には、ノズルからインクの液滴を吐出するインクジェットヘッドが開示されている。特許文献1のインクジェットヘッドは、複数のノズルを含むインク流路が形成された流路構造体(流路ユニット)と、この流路ユニットに接着された圧電アクチュエータ(アクチュエータユニット)とを備えている。
流路ユニットは、複数のノズルにそれぞれ連通する複数の圧力室を有する。圧電アクチュエータは、複数の圧力室を覆うように配置された4枚の圧電層(圧電シート)と、最上層の圧電層の一方の面に、複数の圧力室とそれぞれ対向して配置された複数の個別電極と、最上層の圧電層の他方の面に配置された共通電極を有する。また、最上層の圧電層の上面には、複数の圧力室にそれぞれ対応する溝が形成されている。より詳細には、圧電層の面方向において、各圧力室を挟む位置に、2つの溝が形成されている。
この圧電アクチュエータにおいて、個別電極と共通電極との間に駆動電圧が印加されたときには、最上層の圧電層の、個別電極と共通電極とに挟まれた部分が面方向に収縮し、4枚の圧電層が圧力室側に凸となるように変形する。この圧電層の変形によって圧力室の体積も変化するため、圧力室内のインクの圧力が上昇し、ノズルからインクが吐出される。
特開2003−311954号公報(図16、図18)
圧電層に、複数の圧力室の各々に対応して溝を形成することで、圧電層の、各圧力室に対向する領域における変形を大きくすることができる。圧電層の変形量が大きくなると、圧力室の体積変化量が大きくなるため、圧力室内のインクにより大きな圧力が付与されることになり、ノズルからのインクの吐出速度が大きくなる。
ところで、溝の位置が、圧力室の縁に近いほど圧電層の変形増大効果が高くなり、溝の位置が圧力室の縁から遠ざかるほど、変形増大効果は小さくなる。つまり、溝の位置によって、ノズルからの液体の吐出速度に及ぼす影響が異なってくる。しかし、前記特許文献1のような圧電アクチュエータにおいて、複数の圧力室の間で、圧力室に対する溝の位置がばらつく場合がある。例えば、流路ユニットに複数の圧力室を形成する際の製造誤差によって、一部の圧力室の位置が、正規の位置からずれて形成されることがある。あるいは、一部の圧力室の形状が、他の圧力室とやや異なる形状に形成されてしまうことがある。このような場合に、複数の圧力室の間で、圧力室と溝の位置関係がばらつきうる。このように、複数の圧力室の間で、圧力室に対する溝の位置が異なっていると、その溝の位置ばらつきによって、複数の圧力室にそれぞれ連通する複数のノズルの間で吐出速度ばらつきが生じてしまう。
本発明の目的は、圧力室に対する2つの溝の位置が、複数の圧力室の間で異なってしまう場合でも、それによる吐出速度ばらつきへの影響が小さくなる、液体吐出装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
第1の発明の液体吐出装置は、所定の配列方向に配列された複数のノズル、及び、前記複数のノズルにそれぞれ連通し、且つ、前記配列方向に配列された複数の圧力室を含む、液体流路が形成された流路構造体と、前記複数の圧力室を覆うように前記流路構造体に配置された圧電層を有する圧電アクチュエータと、を備え
前記複数の圧力室の各々に対して、前記圧電層に、前記配列方向において各圧力室の両側に位置し、且つ、前記配列方向と直交する方向にそれぞれ延びる2つの溝が形成され、前記複数の圧力室の間で、前記圧力室の両側に配置された前記2つの溝の離間距離が等しく、
前記配列方向において、前記圧力室の縁からの、前記溝の位置をXとし、前記配列方向において、前記圧力室の縁から隣接する別の圧力室の縁までの区間の、中間位置をXcとしたときに、前記溝の位置Xが、0.2Xc≦X≦0.6Xcの範囲内にあることを特徴とするものである。
本発明では、前提として、各圧力室の両側に位置する2つの溝の距離は、複数の圧力室の間で等しく維持される。従って、各圧力室に対して2つの溝の位置がずれる場合、2つの溝は、圧力室に対して同じ方向に同じ量だけずれる。そこで、一方の溝が圧力室の縁に近づくことによる、圧力室の体積変化量の増加と、他方の溝が圧力室の縁から遠ざかることによる、圧力室の体積変化量の減少とが、相殺することになれば、溝の位置のばらつきが、ノズルからの液体の吐出速度に及ぼす影響はほとんどなくなる。
発明の詳細な説明の欄で詳述するが、溝の、圧力室の縁からの位置Xと、圧電層が変形したときの圧力室の体積変化量の関係を曲線で近似すると、この曲線は、圧力室の縁近傍で極大値を取り、2つの圧力室の中間位置で極小値を取る。
前記曲線の極大値である、圧力室の縁近傍は、溝が形成されたときの圧力室の体積変化量が大きくなる、という利点はあるが、一方で、前記曲線の傾きが急激に変化する箇所でもある。そのため、このような位置では、圧力室の両側の2つの溝が同じ方向に同じ量だけずれたときに、2つの溝のそれぞれによる、圧力室の体積変化量の増減が相殺されなくなる。従って、溝の位置ずれによって体積変化量が変化して、ノズルからの液体の吐出速度に影響することになり、複数のノズル間での吐出速度ばらつきにつながる。一方で、溝の位置が圧力室の縁から離れている(2つの圧力室の中間位置に近い)と、溝を形成することによる、圧力室の体積変化量の増加が小さく、溝を形成する意義が低くなる。
本発明では、各圧力室に対する溝の位置Xが、前記曲線の極大値と極小値の間の、変曲点を含む範囲(0.2Xc≦X≦0.6Xc)にある。0.2Xc≦X≦0.6Xcの範囲においては、前記曲線の傾きの変化が小さく、溝の位置と圧力室の体積変化量の関係が、ほぼ直線的な関係となる。そのため、複数の圧力室の間で2つの溝の位置が異なっていても、それらの溝の位置Xが0.2Xc≦X≦0.6Xcの範囲にあるならば、2つの溝の一方が圧力室の縁に近づくことによる体積変化量の増加分と、2つの溝の他方が圧力室の縁から遠ざかることによる体積変化量の減少分とが相殺される。従って、複数の圧力室の間での体積変化量のばらつきは小さいものとなり、複数のノズルの吐出速度ばらつきが許容範囲内に収まる。
また、前記溝の位置Xが、0.35Xc≦X≦0.6Xcの範囲内にあることがより好ましい(第の発明)。さらに、前記溝の位置Xが、0.42Xc≦X≦0.55Xcの範囲内にあることがより好ましい(第の発明)。
の発明の液体吐出装置の製造方法は、所定の配列方向に配列された複数のノズル、及び、前記複数のノズルにそれぞれ連通し、且つ、前記配列方向に配列された複数の圧力室を含む、液体流路が形成された流路構造体と、前記複数の圧力室を覆うように前記流路構造体に配置された圧電層を有する圧電アクチュエータと、を備えた、液体吐出装置の製造方法であって、
前記複数の圧力室の各々に対して、前記圧電層に、前記配列方向において各圧力室の両側に位置し、且つ、前記配列方向と直交する方向にそれぞれ延びる2つの溝を形成する、溝形成工程を備え、前記溝形成工程において、前記2つの溝を、前記複数の圧力室の間で前記2つの溝の離間距離が等しくなるように形成し、
さらに、前記溝形成工程において、前記配列方向において、前記圧力室の縁からの、前記溝の目標形成位置をXmとし、前記配列方向において、前記圧力室の縁から隣接する別の圧力室の縁までの区間の、中間位置をXcとしたときに、前記溝の目標形成位置Xmを、0.2Xc≦Xm≦0.6Xcの範囲内の値に設定して、前記溝を形成することを特徴とするものである。
本発明では、各圧力室に対する溝の目標形成位置Xmを、前記曲線の極大値と極小値の間の、変曲点を含む範囲(0.2Xc≦Xm≦0.6Xc)内の値に設定して、各々の溝を形成する。先にも述べたが、実際に形成される溝の圧力室に対する位置が、目標の位置に対してずれることがある。しかし、溝形成工程で設定する溝の目標形成位置Xmを、前記曲線がほぼ直線的となる、上記範囲内の値とすることで、2つの溝が、設定された位置に対して、同じ方向に同じ量だけずれた場合に、2つの溝の間で、圧力室の体積変化量の増減が相殺される。従って、ある圧力室に対応する溝の位置が目標形成位置から多少ずれても、その圧力室の体積変化量は、他の圧力室とほとんど同じとなる。それ故、複数のノズルの間の吐出速度ばらつきも小さくなる。
本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 図2のA部拡大図である。 図3のIV-IV線断面図である。 図3のV-V線断面図である。 図5の一部拡大図である。 圧力室形成工程を示す図である。 圧電アクチュエータの製造工程を示す図である。 溝の位置と圧力室の体積変化量の関係を示すグラフである。
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態のインクジェットプリンタの概略平面図である。まず、図1を参照してインクジェットプリンタ1の概略構成について説明する。尚、以下では、図1の紙面手前側を上方、紙面向こう側を下方と定義して、適宜、「上」「下」の方向語を使用して説明する。
(プリンタの概略構成)
図1に示すように、インクジェットプリンタ1は、プラテン2と、キャリッジ3と、インクジェットヘッド4と、搬送機構5と、制御装置6等を備えている。
プラテン2の上面には、被記録媒体である記録用紙100が載置される。キャリッジ3は、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール10,11に沿って走査方向に往復移動可能に構成されている。キャリッジ3には無端ベルト14が連結され、キャリッジ駆動モータ15によって無端ベルト14が駆動されることで、キャリッジ3は走査方向に移動する。
インクジェットヘッド4は、キャリッジ3に取り付けられており、キャリッジ3とともに走査方向に移動する。インクジェットヘッド4は、プリンタ1に装着された4色(例えば、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)のインクカートリッジ17と、図示しないチューブによって接続されている。また、インクジェットヘッド4の下面(図1の紙面向こう側の面)には、複数のノズル34が形成されている。そして、このインクジェットヘッド4は、インクカートリッジ17から供給された4色のインクを、複数のノズル34からプラテン2に載置された記録用紙100に対して吐出する。
搬送機構5は、走査方向と直交する搬送方向において、プラテン2を挟むように配置された2つの搬送ローラ18,19を有する。搬送機構5は、2つの搬送ローラ18,19によって、プラテン2に載置された記録用紙100を搬送方向に搬送する。
制御装置6は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を備える。 制御装置6は、ROMに格納されたプログラムに従い、ASICにより、記録用紙100への印刷等の各種処理を実行する。例えば、印刷処理においては、制御装置6は、PC等の外部装置から入力された印刷指令に基づいて、インクジェットヘッド4やキャリッジ駆動モータ15等を制御して、記録用紙100に画像等を印刷させる。具体的には、キャリッジ3とともにインクジェットヘッド4を走査方向に移動させながらインクを吐出させるインク吐出動作と、搬送ローラ18,19によって記録用紙100を搬送方向に所定量搬送する搬送動作とを、交互に行わせる。
(インクジェットヘッド)
図2は、インクジェットヘッド4の平面図である。図3は、図2のA部拡大図である。図4は、図3のIV-IV線断面図である。図5は、図3のV-V線断面図である。図6は、図5の一部拡大図である。尚、図4〜図6では、インクジェットヘッド4の流路ユニット20内に充填されているインクを、符号“I”で示している。本実施形態のインクジェットヘッド4は、流路ユニット20と、圧電アクチュエータ21とを備えている。
(流路ユニットの構成)
図4、図5に示すように、流路ユニット20は、5枚のプレート25〜29が積層された構造を有する。5枚のプレート25〜29のうちの最下層のプレート29は、複数のノズル34が形成されたノズルプレートである。一方、上側の残り4つのプレート25〜28には、複数のノズル34に連通するマニホールド36や圧力室37等のインク流路が形成されている。
図3に示すように、流路ユニット20の上面には、4つのインク供給口35が走査方向に並んで形成されている。また、流路ユニット20は、その内部に、それぞれ搬送方向に延在する4本のマニホールド36を有する。4本のマニホールド36は、4つのインク供給口35に接続されている。
さらに、流路ユニット20は、その下面に開口した複数のノズル34と、その上面に配置された複数の圧力室37とを有する。図3に示すように、複数のノズル34は、4本のマニホールド36に沿って搬送方向に配列されており、4列のノズル列を構成している。複数の圧力室37も、複数のノズル34と同様に、4本のマニホールド36に沿って搬送方向に配列されており、4列の圧力室列を構成している。また、各圧力室37は、走査方向に長い、略楕円の平面形状を有する。尚、以下の説明において、搬送方向に平行な、複数のノズル34、及び、複数の圧力室37が配列された方向を、「ノズル配列方向」ともいう。
図4に示すように、各圧力室37は、その一端部においてマニホールド36に連通し、その他端部においてノズル34に連通している。そして、図4(b)に矢印で示すように、流路ユニット20内には、各マニホールド36から分岐して、圧力室37を経てノズル34に至る個別流路が複数形成されている。
(圧電アクチュエータの構成)
図3〜図6に示すように、圧電アクチュエータ21は、インク封止膜40と、圧電層44,45と、複数の個別電極42と、共通電極46を備えている。
インク封止膜40は、複数の圧力室37を覆うように、流路ユニット20の上面に接合されている。インク封止膜40は、インク透過性の低い材料、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成されている。
2枚の圧電層44,45は、それぞれ圧電材料からなる。圧電層44,45を構成する圧電材料としては、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を採用することができる。その他、非鉛の圧電材料である、チタン酸バリウムや、ニオブ系の圧電材料を採用することもできる。圧電層44,45は互いに積層された状態で、インク封止膜40の上面に接合されている。圧電層44,45は、それぞれ、ノズル配列方向が長手方向となる、矩形の平面形状を有する。
複数の個別電極42は、圧電層44の、圧電層45と反対側の面である上面において、複数の圧力室にそれぞれ対応してノズル配列方向に配列されている。個別電極42は、圧力室37よりも一回り小さい、走査方向に長い略楕円の平面形状を有し、対応する圧力室37の中央部と対向して配置されている。個別電極42の長手方向一端部には、接続端子42aが設けられている。接続端子42aは、圧電層44の上面において、個別電極42から、圧力室37と対向しない領域まで走査方向に延びている。
複数の個別電極42にそれぞれ設けられた複数の接続端子42aは、図示しない配線部材と接続される。この配線部材には、ドライバIC53が実装されている。ドライバIC53は、制御装置6からの吐出制御信号に基づき、各個別電極44の電位を、所定の駆動電位とグランド電位との間で切り換える。
共通電極46は、2枚の圧電層44,45の間において、ほぼ全面的に配置されている。共通電極46は、上側の圧電層44を挟んで複数の個別電極44のそれぞれと対向している。この共通電極46は、圧電層の上面に配置された、図示しない接続端子と導通している。そして、共通電極46は、接続端子を介して配線部材に形成されているグランド配線と接続されており、常にグランド電位に維持されている。
また、図4に示される、圧電層44の、個別電極42と共通電極46に挟まれた部分を、特に、活性部41と呼ぶ。活性部41は、厚み方向において下向き、即ち、個別電極42から共通電極46に向かう方向に分極されている。
図3、図5、図6に示すように、上側の圧電層44の、各圧力室37の周囲部分には2つの溝51,52が形成されている。2つの溝51,52は、圧電層44の上面の、圧力室37に対してノズル配列方向における両側の領域において、走査方向にそれぞれ延びている。このように、圧電層44の、各圧力室37の両側の部分にそれぞれ溝51,52が形成されることで、圧電層44の、圧力室37と対向する部分の変形が促進される。
図5、図6に示すように、2つの溝51,52は、圧力室37に対して、ノズル配列方向(圧力室37の短手方向)に対称な位置に形成されている。尚、図5,図6では、2つの溝51,52は、圧電層44にのみ形成されているが、下側の圧電層45まで溝51,52が深く形成される場合もある。また、2つの溝51,52の、ノズル配列方向における離間距離Dは、全て等しくなっている。但し、後で説明するが、圧力室37と2つの溝51,52の位置がずれることがあり、その場合には、2つの溝51,52の位置は、圧力室37に関して対称な位置からそれぞれずれることになる。さらに、ある圧力室37について、2つの溝51,52が所定の目標形成位置に対してずれた位置に形成され、複数の圧力室37間で、圧力室37に対する溝51,52の位置がばらついたとしても、その溝51,52の位置のばらつきが圧電層44の変形量に及ぼす影響が小さくなるように、実際に溝51,52が存在する位置の範囲が規定されている。
具体的には、ノズル配列方向における、圧力室37の縁からの溝51,52の位置をX、圧力室37の縁から隣接する別の圧力室37の縁までの区間の、中間位置をXcとしたときに、溝51,52の位置Xは、それぞれ、0.2Xc≦X≦0.6Xcの範囲内にある。尚、溝51,52は、それぞれ、ノズル配列方向に所定の幅を有する溝であるが、上述の「溝の位置X」とは、圧力室37の縁から、溝51,52のノズル配列方向における中心までの位置である。
また、上記の内容を別の表現を用いて説明すると、圧力室37のノズル配列方向における幅をW、溝51の圧力室37の縁からの位置XをX1、溝52の圧力室37の縁からの位置XをX2としたときに、X1+X2=D−Wという関係を常に維持しつつ、X1、X2が、それぞれ、上記の0.2X≦X≦0.6Xcの範囲にある、ということである。つまり、一方の溝51が、圧力室37の縁から離れた位置にある場合には、他方の溝52は圧力室37の縁に近い位置にあり、溝51,52の離間距離Dは変わらない。溝51,52の位置が上記範囲内にあることの詳細については、後で説明する。
以上説明した圧電アクチュエータ21の、ノズル34からインクを吐出させる際の動作は、以下の通りである。ドライバIC53により、ある個別電極42の電位が、グランド電位から駆動電位に切り換えられたとする。このとき、個別電極42とグランド電位に保持されている共通電極46の間に電位差が生じる。これにより、圧電層44の活性部41に厚み方向の電界が生じる。また、活性部41の分極方向と電界の方向とが一致するために、活性部41はその分極方向である厚み方向に伸びて面方向に収縮する。この活性部41の収縮変形に伴って、2つの圧電層44,45が圧力室37側に凸となるように撓む。これにより、圧力室37の容積が減少してその内部のインクに圧力が付与され、圧力室37に連通するノズル34からインクの液滴が吐出される。
次に、インクジェットヘッド4の製造工程について説明する。以下、流路ユニット20の製造工程と、圧電アクチュエータ21の製造工程の順に説明する。
(1)流路ユニットの製造
流路ユニット20を構成する5枚のプレートのうち、上側の4枚の金属プレート25〜28については、それぞれエッチングを行って、それぞれ圧力室37、マニホールド36等の流路孔を形成する。また、ノズルプレート29には、レーザー加工等により、複数のノズル34を形成する。そして、5枚のプレートを重ね合わせて接着剤により接合する。
ここで、プレート25へのエッチングによる複数の圧力室37の形成について補足説明する。図7は、圧力室形成工程を説明する図である。図7(a)に示すように、まず、金属製のプレート25の表面にレジスト膜60を形成する。次に、図7(b)に示すように、レジスト膜60の上にマスク61を設置した上で、プレート61の複数の圧力室37がそれぞれ形成される領域のレジスト膜60を露光し、その露光部分を溶解液で溶解させて除去する。その後、図7(c)に示すように、プレート25のレジスト膜60が除去された領域にエッチング液を接触させて、ウェットエッチングによりプレート25に複数の圧力室37を形成する。
(2)圧電アクチュエータの製造
図8は、圧電アクチュエータ21の製造工程を示す図である。
(共通電極形成工程)
図8(a)に示すように、下側の圧電層45となる、未焼成のグリーンシート72の一面に共通電極46を形成する。共通電極46の形成は、スクリーン印刷、蒸着、CVD等の公知の方法で行うことができる。
(積層工程、焼成工程)
次に、上側の圧電層44となる、別の未焼成のグリーンシート71を、グリーンシート72に、共通電極46を挟むように積層する。その後、積層した2枚のグリーンシート71,72を所定の温度で焼成して、圧電層44,45の積層体を得る。
(個別電極形成工程)
次に、図8(b)に示すように、圧電層44の上面の、複数の圧力室37とそれぞれ対向することとなる領域に、複数の個別電極42をそれぞれ形成する。個別電極42の形成も、スクリーン印刷、蒸着、CVD等の公知の方法で行うことができる。尚、複数の個別電極42も、共通電極46と同様に、圧電層44,45の焼成前に、グリーンシート71に形成してもよい。
(溝形成工程)
次に、図8(c)に示すように、圧電層44の上面に、複数の圧力室37の各々に対して、個別電極42を基準として、2つの溝51,52を、ピコ秒レーザー等を用いたレーザー加工により形成する。具体的には、まず、圧電層44の上面に、複数の溝51,52にそれぞれ対応した複数の孔73aを有するマスク73を配置する。2つの溝51,52を形成するための2つの孔73aは、ノズル配列方向にDだけ離れている。このマスク73の上方からレーザー光を照射することで、圧電層44の上面に、ノズル配列方向に個別電極42を挟んで距離Dだけ離れた2つの溝51,52を形成する。尚、上記のマスク73を使用する方法の他、ガルバノスキャナによりレーザー光を走査して溝51,52を形成してもよい。
(接合工程)
図8(d)に示すように、流路ユニット20の上面にインク封止膜40を接着剤で接合する。尚、インク封止膜40の接合は、この段階で行う必要は必ずしもなく、流路ユニット40の製造時に、プレート25〜29の接合と同時に行ってもよい。さらに、インク封止膜40の上面に、図8(a)〜(c)の工程で得られた、個別電極42及び共通電極46が形成された2枚の圧電層44,45を、流路ユニット20に対して位置合わせをした上で、接着剤で接合する。
ところで、圧電アクチュエータ21が流路ユニット20に接合された状態で、複数の圧力室37の間で、溝51,52の圧力室37に対する位置がばらつくことがある。その理由としては、プレート25に複数の圧力室37を形成したときに、(1)一部の圧力室37において、圧力室の配列ピッチが正規のピッチからずれる、あるいは、(2)一部の圧力室37のサイズが他の圧力室37のサイズと異なる、等が考えられる。
図7の例では、上記(1)の要因としては、レジスト膜60の露光に使用するマスク61が、熱膨張又は熱収縮することによって、マスク61の孔61aの位置がずれ、それによって、圧力室37の位置がずれる、という点が挙げられる。また、上記(2)の要因としては、ウェットエッチングに使用するエッチング液の濃度や温度がばらつくことによって、複数の圧力室37の間でエッチング速度がばらつくことによって、サイズがばらつく、という点が挙げられる。
(1)の圧力室37の配列ピッチのばらつき、及び、(2)の圧力室37のサイズのばらつきによって、溝51,52の、圧力室37の縁からの位置Xがずれることになる。例えば、圧力室37の短手方向の幅W(図6参照)=340μmの場合、(1)の圧力室37の配列ピッチの最大ばらつき量Aは、±18μm程度、(2)の短手方向の幅Wの最大ばらつき量Bは、±8μm程度となる。この場合、上記(1)、(2)のそれぞれの要因によって生じる、溝51,52の、ノズル配列方向における圧力室37の縁からの位置Xの、目標形成位置に対する最大ズレ量ΔXは、上記2つの要因による最大ばらつき量の最小二乗法で規定すると、ΔX=A+Bから、ΔXは約20μmとなる。つまり、溝51,52の圧力室37に対する実際の位置が、圧力室37の目標形成位置に対して、最大20μm程度ずれる可能性がある、ということである。
尚、上記の、圧力室37の配列ピッチの最大ばらつき量Aは、プレート25の搬送方向長さ(圧力室37の配列数)に依存する。プレート25の搬送方向長さが35mm程度の長さである場合に、上記のように、最大ばらつき量Aが±18μm程度となる。プレート25の長さが短ければ、その分、Aの値は小さくなる。また、圧力室37の幅Wの最大ばらつき量Bは、圧力室37の幅にはあまり依存せず、ほぼ±8μm程度となる。これは、圧力室37の幅Wのばらつきは、エッチングで圧力室37を形成する際のマスク61の稜線からのばらつき量が支配的であるため、と考えられる。
しかし、次に説明するように、溝51,52の、圧力室37に対する位置がずれても、溝51,52の位置Xが、以下に説明する所定の範囲内にあれば、複数の圧力室37の間の体積変化量のばらつきは小さくなり、それがノズル34からのインクの吐出速度に及ぼす影響は小さくなる。
図9は、溝51,52の位置と圧力室37の体積変化量の関係を示すグラフである。図9の横軸は、溝位置Xを、中間位置までの距離Xcで除して無次元化した値(X/Xc)をパーセントで表示したものである。また、図9の縦軸の「体積変化率」は、溝51,52が形成されている場合の圧力室37の体積変化量の、溝51,52が形成されていない場合の体積変化量に対する比率をパーセントで表示したものである。また、図9は、溝51,52の圧力室37に対する位置を変化させたときの、圧力室37の体積変化量を複数点プロットし、それらを4次曲線で近似したものである。
また、図9には、溝51,52の深さが異なる4つのモデルでの検討結果が示されている。これらモデルの主要条件は以下の通りである。
(圧電層44、45の材質):チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)
(圧電層44,45の厚み):18μm
(圧力室37のノズル配列方向における幅):340μm
(溝の深さ):18μm、23μm、28μm、33μmの4種類
また、これら4つのモデルにおいて、ノズル34の吐出速度ばらつきの検討も行っており、それに使用した主要条件は以下の通りである。
(ノズル径):20μm
(インクの粘度):3Pa・s
図9の、4つのモデルについての4つの4次の近似曲線の各々は、それぞれ、圧力室37の縁近傍(横軸の無次元値が10%付近)で極大値をとる。また、圧力室37の中間位置近傍(横軸の無次元値が100%付近)で極小値をとる。さらに、各曲線は、極大値と極小値の間の○印で示される位置に変曲点を有する。図9の4つの曲線のそれぞれについての変曲点の位置は、46%(溝深さ18μm)、47%(溝深さ23μm)、48%(溝深さ28μm)、49%(溝深さ33μm)である。但し、図9には示されていないが、他にも様々なモデルを検討して近似曲線を取得した結果、溝位置と体積変化量の関係を示す近似曲線の変曲点は、42%〜55%の範囲に入ることがわかった。溝51,52の位置Xで表すと、0.42Xc≦X≦0.55Xcの範囲となる。この変曲点が存在する範囲では、曲線の傾きはほぼ一定となる。
ところで、先に述べたように、複数の圧力室37の間で、圧力室37を挟んで配置されている2つの溝51,52の離間距離Dは等しくなっている。そして、圧電層44の収縮に起因して、溝の位置が圧力室37に対してずれる場合、各圧力室37の両側の2つの溝51,52は、圧力室37に対して同じ方向に同じ量だけずれる。その際に、一方の溝51(52)が圧力室37の縁に近づくことによる、圧力室37の体積変化量の増加と、他方の溝52(51)が圧力室37の縁から遠ざかることによる、圧力室37の体積変化量の減少とが、相殺することになれば、溝51,52の位置のばらつきが、ノズル34からの液体の吐出速度に及ぼす影響はほとんどなくなる。
曲線の極大値である、圧力室37の縁近傍は、溝51,52が形成されたときの圧力室37の体積変化量が大きくなる、という利点はあるが、一方で、曲線の傾きが急激に変化する箇所でもある。そのため、圧力室37の両側の2つの溝51,52が同じ方向に同じ量だけずれたときに、2つの溝51,52のそれぞれによる、圧力室37の体積変化量の増減が相殺されなくなる。従って、溝51,52の位置ずれがノズル34からの液体の吐出速度に影響することになり、複数のノズル34間での吐出速度ばらつきにつながる。尚、溝51,52の位置が圧力室37の縁から離れている(2つの圧力室37の中間位置に近い)と、溝51,52を形成することによる、圧力室37の体積変化量の増加が小さく、圧電層44に溝51,52を形成する意義が低くなる。
図9の曲線において、変曲点を含む、無次元値X/Xcが20〜60%の範囲、即ち、0.2Xc≦X≦0.6Xcの範囲においては、曲線の傾きの変化が小さく、溝51,52の位置と圧力室37の体積変化量の関係が、ほぼ直線的な関係となっている。そのため、各圧力室37の2つの溝51,52のうち、一方の溝51(52)が圧力室37の縁に近づくようにずれたときに、それによって圧力室37の体積変化量は大きくなるが、他方の溝52(51)は圧力室37の縁から離れるようにずれるために圧力室37の体積変化量は小さくなる。そして、溝51,52の位置が上記範囲にある場合は、溝51,52の位置と圧力室37の体積変化量の関係がほぼ直線的な関係であることから、一方の溝51(52)が圧力室37の縁に近づくことによる体積変化量の増加分と、他方の溝52(51)が圧力室37の縁から遠ざかることによる体積変化量の減少分とが、相殺されることになる。
つまり、複数の圧力室37の間で溝51,52の位置がばらついていても、それぞれの溝51,52の位置Xが、近似曲線がほぼ直線的となる0.2Xc≦X≦0.6Xcの範囲内にあるならば、複数の圧力室37の間での体積変化量のばらつきは小さいものとなる。それ故、複数のノズル34の間の吐出速度ばらつきも小さくなる。そこで、圧電層44に溝51,52を形成する際の、溝51,52の目標形成位置Xmは、0.2Xc≦Xm≦0.6Xcの範囲内で設定することが好ましい。
但し、実際に形成された溝51,52の位置Xは、目標形成位置Xmに対してずれる可能性があり、そのときの最大ズレ量は、先に説明したように±20μm程度である。つまり、目標形成位置Xmを0.2Xc≦Xm≦0.6Xcの範囲内で設定したときに、実際の溝51,52の位置は、0.2Xc−20μm≦X≦0.6Xc+20μmの範囲内に存在しうる。
そこで、0.2Xc≦Xm≦0.6Xcの範囲内の目標形成位置Xmのそれぞれについて、実際の溝位置Xが±20μmずれた場合に、吐出速度がどの程度ばらつくのかを検討した。図9の●印は、目標形成位置Xmに対して、実際の溝51,52の位置が圧力室37側へ20μmずれたときに、吐出速度のばらつきが5%となる、その目標形成位置Xmを示す。また、図9の△印は、目標形成位置Xmに対して、実際の溝51,52の位置が圧力室37側へ20μmずれたときに、吐出速度のばらつきが10%となる、その目標形成位置Xmを示す。
例えば、溝深さが33mmの曲線において、●印は、横軸の値が35%(X=0.35Xc)である。これは、目標形成位置Xm=0.35Xcで溝51,52を形成したときに、ある圧力室37について実際の溝位置XがXm(=0.35Xc)に対して圧力室37側に20μmずれると、目標形成位置Xmに溝51,52が形成されている圧力室37と比較して、吐出速度ばらつきが5%となるということを示す。また、△印は、横軸の値が16%(X=0.16Xc)である。これは、目標形成位置Xm=0.16Xcで溝51,52を形成したときに、ある圧力室37について実際の溝位置XがXm(=0.16Xc)に対して圧力室37側に20μmずれると、吐出速度ばらつきが10%となるということを示す。つまり、Xm=0.35Xc以上に設定すれば、溝51,52の位置がずれても吐出速度ばらつきは5%以下に抑えられるし、Xm=0.16Xc以上に設定すれば、吐出速度ばらつきは10%以下に抑えられる、ということである。
一般に、インクジェット分野において、吐出速度ばらつきに起因する画質低下を抑えるために、吐出速度ばらつきを10%以下に抑えることが求められている。この点、目標形成位置Xmの範囲を0.2Xc≦Xm≦0.6Xcとしたときに、その最小値である0.2Xcは、4つのモデルの曲線の何れにおいても、吐出速度ばらつきが10%となる△印よりも右側にある。従って、ある圧力室37について実際の溝位置Xが、目標形成位置Xm(=0.2Xc)から20μmずれて、0.2Xc−20μmとなっても、目標形成位置Xmに溝51,52が形成されている圧力室37と比べて、吐出速度ばらつきは10%以下に抑えられる。
尚、0.2Xc≦X≦0.6Xcの範囲よりも、Xの値が大きくなる圧力室37側では、図9の曲線の傾きが小さくなっている。これは、溝位置Xが異なっても体積変化率はほとんど変化しないことを意味する。それ故、図9では、圧力室37の縁から離れる側(右側)には、吐出速度ばらつき5%以下を示す●印や、吐出速度ばらつき10%以下を示す△印は存在していない。即ち、目標形成位置Xmが最大値0.6Xcである場合に、実際の溝51,52の位置が、Xm(=0.6Xc)よりも圧力室37と反対側に20μmずれても、吐出速度ばらつきにはほとんど影響しない。
以上より、圧電層44に形成される溝51,52の実際の位置Xは、目標形成位置Xmの範囲(0.2Xc≦Xm≦0.6Xc)に、さらに、最大ズレ量±20μmを加味した、0.2Xc−20μm≦X≦0.6Xc+20μmの範囲内にあれば、吐出速度ばらつきが10%以下に抑えられることがわかる。
尚、吐出ばらつきを小さく抑えるという観点からは、溝51,52の実際の位置Xは、図9の近似曲線がほぼ直線的となる、0.2Xc≦X≦0.6Xcの範囲内にあることがより好ましい。また、吐出速度ばらつきをより小さく抑える(具体的には5%以下に抑える)ためには、0.35Xc≦X≦0.6Xcの範囲内であることが好ましい。さらに、変曲点の近傍であって曲線の傾きがほぼ一定となる、0.42Xc≦X≦0.55Xcの範囲内にあることが一層好ましい。
以上説明した実施形態において、インクジェットヘッド4が、本発明の液体吐出装置に相当する。流路ユニット20が、本発明の流路構造体に相当する。
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の適用形態は、上述した実施形態に限られるものではなく、以下に例示するように、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
前記実施形態では、1つの圧力室に対して、その短手方向両側に2つの溝51,52が設けられていたが、1つの圧力室に対して、その長手方向(走査方向)に、2つの溝51,52が設けられていてもよい。
前記実施形態では、複数の圧力室37の間で、溝51,52の圧力室37に対する位置がずれる理由として、圧力室37の配列ピッチのばらつきや、圧力室37の形状のばらつきを挙げている。これ以外にも、溝51,52の圧力室37に対する位置がずれる要因はある。例えば、前記実施形態図8では、焼成後の圧電層44に複数の個別電極42を形成しているが、焼成前のグリーンシート71に複数の個別電極42を形成してから、グリーンシート71を焼成して圧電層44としてもよい。この場合、焼成時に圧電層44が収縮するため、流路ユニット40に接合したときに個別電極42の圧力室37に対する位置がずれる。その上で、圧電層44に、個別電極42の位置を基準に溝51,52を形成すると、溝51,52の圧力室37に対する位置もずれることになる。
流路ユニットや圧電アクチュエータの構成は、前記実施形態のものには限られない。例えば、圧電アクチュエータの圧電層の枚数は2枚には限られず、適宜変更できる。また、圧力室37や、それに対応する個別電極42の形状についても、前記実施形態の形状には限られない。例えば、前記実施形態では、個別電極42は、圧電層44の圧力室37と反対側に配置されていたが、圧力室37側に配置されていてもよい。
前記実施形態は、本発明を、記録用紙にインクを吐出して画像等を印刷するインク吐出装置に適用したものであるが、画像等の印刷以外の様々な用途で使用される液体吐出装置においても本発明は適用されうる。例えば、基板に導電性の液体を噴射して、基板表面に導電パターンを形成する液体吐出装置にも、本発明を適用することは可能である。
4 インクジェットヘッド
20 流路ユニット
21 圧電アクチュエータ
34 ノズル
37 圧力室
44,45 圧電層
51,52 溝

Claims (4)

  1. 所定の配列方向に配列された複数のノズル、及び、前記複数のノズルにそれぞれ連通し、且つ、前記配列方向に配列された複数の圧力室を含む、液体流路が形成された流路構造体と、
    前記複数の圧力室を覆うように前記流路構造体に配置された圧電層を有する圧電アクチュエータと、を備え
    前記複数の圧力室の各々に対して、前記圧電層に、前記配列方向において各圧力室の両側に位置し、且つ、前記配列方向と直交する方向にそれぞれ延びる2つの溝が形成され、
    前記複数の圧力室の間で、前記圧力室の両側に配置された前記2つの溝の離間距離が等しく、
    前記配列方向において、前記圧力室の縁からの、前記溝の位置をXとし、
    前記配列方向において、前記圧力室の縁から隣接する別の圧力室の縁までの区間の、中間位置をXcとしたときに、
    前記溝の位置Xが、0.2Xc≦X≦0.6Xcの範囲内にあることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記溝の位置Xが、0.35Xc≦X≦0.6Xcの範囲内にあることを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  3. 前記溝の位置Xが、0.42Xc≦X≦0.55Xcの範囲内にあることを特徴とする請求項に記載の液体吐出装置。
  4. 所定の配列方向に配列された複数のノズル、及び、前記複数のノズルにそれぞれ連通し、且つ、前記配列方向に配列された複数の圧力室を含む、液体流路が形成された流路構造体と、
    前記複数の圧力室を覆うように前記流路構造体に配置された圧電層を有する圧電アクチュエータと、
    を備えた、液体吐出装置の製造方法であって、
    前記複数の圧力室の各々に対して、前記圧電層に、前記配列方向において各圧力室の両側に位置し、且つ、前記配列方向と直交する方向にそれぞれ延びる2つの溝を形成する、溝形成工程を備え、
    前記溝形成工程において、前記2つの溝を、前記複数の圧力室の間で前記2つの溝の離間距離が等しくなるように形成し、
    さらに、前記溝形成工程において、
    前記配列方向において、前記圧力室の縁からの、前記溝の位置をXとし、
    前記配列方向において、前記圧力室の縁から隣接する別の圧力室の縁までの区間の、中間位置をXcとしたときに、
    前記溝の目標形成位置Xmを、0.2Xc≦Xm≦0.6Xcの範囲内の値に設定して、前記溝を形成することを特徴とする液体吐出装置の製造方法。
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