JP5719780B2 - 防振装置 - Google Patents
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Description
1<(E1/ε1)<(E2/ε2)<10 …(1)
ε1/ε2>1 …(2)
1<(E1/ε1)<(E2/ε2)<10 …(1)
ε1/ε2>1 …(2)
まず、上記樹脂ブラケット2(サンドイッチ成形体)の形成材料について説明する。
なお、上記第1の熱可塑性樹脂および第2の熱可塑性樹脂は、スキン層2bとコア層2aとの界面の接着性を得るために、同種の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
上記ガラス繊維(x)としては、例えば、Eガラス(Electrical glass)、Cガラス(Chemical glass)、Aガラス(Alkali glass)、Sガラス(High strength glass)、耐アルカリガラス等のガラス材料から構成されるガラス繊維があげられる。
上記ガラス繊維(x)は、公知のガラス繊維の製造方法により製造され、例えば、上記Eガラス等のガラス材料を溶融紡糸して得ることができる。
ガラス繊維(x)の平均繊維長が短すぎると、ガラス繊維(x)による補強効果が低下し、得られる成形体の、常温および高温環境下での曲げ強さが低下する傾向がみられる。ガラス繊維(x)の平均繊維長が長すぎると、曲げ最大歪が小さくなる傾向がみられる。
なお、ガラス繊維(x)の平均繊維長は、成形体とした際の、スキン層2bにおけるガラス繊維の平均繊維長である。
集束剤としては、マトリックス樹脂との密着性、均一分散性の観点から、例えば、カップリング剤を用いることができる。カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニア系カップリング剤等があげられる。なかでも、シランカップリング剤を用いることが好ましく、特にアミノシランカップリング剤、グリシジルシランカップリング剤を用いることが好ましい。
コア層2a中のガラス繊維(y)の平均繊維長は、スキン層2b中のガラス繊維(x)の平均繊維長より長いことが必要である。このようにすることで、コア層2a中において、スキン層2bとの界面で長繊維ガラスが流れ方向に配向しやすくなるとともに、スキン層2bは柔軟性が向上し、コア層2aは剛性が向上する。その結果、得られる成形体は柔軟性に優れ、かつ外部からの力がかかっても応力を低下させることができ、その負荷に充分耐えうるものとなる。その結果、常温および高温環境下における曲げ強度の低下を抑制することが可能になる。
なお、ガラス繊維(y)の平均繊維長は、成形体のコア層2aにおけるガラス繊維の平均繊維長である。
上記カップリング剤としては、上述のガラス繊維(x)の集束剤に含まれるカップリング剤と同様のカップリング剤を使用することができる。
1<(E1/ε1)<(E2/ε2)<10 …(1)
ε1/ε2>1 …(2)
(E1/ε1)の値が小さすぎると、サンドイッチ成形体全体の機械的強度が低くなり、特に100℃以上の環境下でのサンドイッチ成形体全体の機械的強度が大きく低下する。(E2/ε2)の値が大きすぎると、サンドイッチ成形体全体の機械的強度が低下する。
1<(E1/ε1)<7
3≦(E2/ε2)<10
(ε1/ε2)の値が小さすぎると、サンドイッチ成形体に外力が加わった際に、コア層2aを挟持しているスキン層2bが破断しやすくなり、サンドイッチ成形体全体の機械的強度が低下する。
射出成形法によるサンドイッチ成形法において、スキン層形成用ペレットを一次材として用い、コア層形成用ペレットを二次材として用いる場合について具体的に説明する。すなわち、まず、溶融させた一次材を金型内に射出する。ついで、時間差をおいて溶融させた二次材を当該金型内に射出する。このとき、一次材の射出は停止してもよいし、停止されずに二次材とともに射出されていてもよい。ついで、二次材を停止し、一次材を再び射出し、一次材でゲートを閉じる。このようにすることで、当該金型内で溶融している一次材の中を二次材が流動し、一次材が押し広げられスキン層2bを形成し、ゲートも一次材で閉じられているので、すべての表面に一次材が形成される。最後に、金型内の材料を充分に冷却/固化して、サンドイッチ成形体を得ることができる。このようにして得られたサンドイッチ成形体は、二次材(コア層2a)が一次材(スキン層2b)に挟み込まれた、または包み込まれたサンドイッチ構造を有する。
上記ゴム弾性体3を形成するためのゴム弾性体用材料(ゴム組成物)としては、防振機能に優れたものが好ましく、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、カルボキシル変性NBR、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、マレイン酸変性EPM、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化IIR、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム等が用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
まず、実施例および比較例に先立ち、樹脂ブラケット用のスキン層用材料、コア層用材料として、下記に示す材料を準備した。
〈PA66(ポリアミド66)〉
ユニチカ社製、E2000
〈PA12(ポリアミド12)〉
アルケマ社製、AESNTL
〈PA6T(変性ポリヘキサメチレンテレフタルアミド)〉
三井化学社製、A3000
〈ガラス繊維(x)(短繊維)〉
チョップドストランド(日本電気硝子社製、商品名「CS03T275H」)、(繊維径:10μm、平均繊維長:3mm)(アミノシランカップリング剤による表面処理品)
ガラスロービング(試験品)(繊維径:13μm、繊維巻長:3500m)(アミノシランカップリング剤による表面処理品)
三菱レーヨン社製、TR06NEB4J(繊維径7μm)
〔製造例1〕
ペレットの作製には、同方向二軸押出機(東芝機械社製、TEM37BS)を用いた。この同方向二軸押出機には、上流部に主原料投入用の主ホッパーおよび主ホッパーに主原料を定量供給する連続定量供給装置(クボタ社製)が設けられ、中間部に副原料投入用のサイドフィーダーを設け、下流部に冷却水槽およびペレタイザーが設けられている。
同方向二軸押出機の押出温度を270〜300℃に設定し、同方向二軸押出機の上流部の位置より、連続定量供給装置により主ホッパーから同方向二軸押出機へ、主原料として熱可塑性樹脂であるPA66を65質量部となるように供給し、―方で、同方向二軸押出機の中間部の位置より、サイドフィーダーにより、ガラス繊維(x)を35質量部となるように供給し、PA66とガラス繊維(x)をスクリュー回転数300rpmにて溶融混練した。PA66とガラス繊維(x)の配合比率は、連続定量供給装置による主原料のフィード速度とサイドフィーダーによる副原料のサイドフィード速度の比率で調整した。その後、PA66とガラス繊維(x)を含有する樹脂組成物をダイスから吐出量35kg/hにてストランド状に引き取り、冷却水槽を通して冷却固化し、ペレタイザーでカッティングしてペレット長3mmのペレットを得た。なお、ダイスから出た樹脂組成物の樹脂温度は290℃であった。
下記の表1に示す各成分を同表に示す割合で配合する以外は、製造例1に準じてペレットを作製した。
先端部に含浸ダイボックスを取り付けた同方向二軸押出機(東芝機械社製、「TEM37BS」)を用いた。温度設定280〜300℃で昇温した後、同方向二軸押出機で溶融したポリアミド66をスクリュー回転数200rpm、供給量15kg/hで含浸ダイボックスに送った。溶融したポリアミド66は含浸ダイボックスで溶融状態を保ったまま加温した。
一方で、ガラス繊維の繊維径13μm、単繊維数800本からなるガラス繊維(ガラスロービング)であるガラス繊維(y)を、所定の比率で含浸ダイボックス側方よりボックス内に導入し、含浸ローラでガラスロービングを挟みながら溶融樹脂中を引抜き、ガラスロービングへの溶融樹脂の含浸を行った。含浸ダイボックスから出た樹脂含浸ロービングの樹脂温度は280℃であった。
その後、樹脂槽の下流に位置するフィードローラーにてストランドとして引き取り、水槽を通して冷却固化し、それをペレタイザーでペレット長が10mmになるようにカッターの回転数を調整してペレットを得た。
なお、ペレットの調製においては、含浸、および引取条件を調整し、ポリアミド66が65質量部、ガラス繊維(y)が35質量部の配合となるように設定した。得られたペレット中のガラス平均繊維長はペレット長と同じ10mmであった。
カッティングした各ペレットを乾燥し、シリンダー温度290℃、金型温度90℃の射出成形機(ファナック社製、S−2000i 100B)で射出成形し、試験片を作製した。作製した試験片について、ISO178に準じて曲げ試験を行い、曲げ弾性率Eおよび曲げ最大歪εを測定した。
ペレット10gを秤量瓶に入れ、炭化炉中で600℃にて3時間焼却処理した。焼却完了した秤量瓶を室温で充分に冷却した後、秤量瓶中の残渣よりガラス繊維を取り出し、マイクロスコープ(キーエンス社製、「VH−500型」)にて任意400本のそれぞれのガラス繊維の繊維長を計測し、次式によりガラス繊維の平均繊維長を求めた。
ガラス繊維の平均繊維長=Σ(L1+・・・・+L400)/400
但し、Lnは、1本当たりのガラス繊維の繊維長である。
(ゴム弾性体用材料の調製)
天然ゴム100質量部に対して、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、シースト3)35質量部、酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛1種)5質量部、ステアリン酸(花王社製、ルーナックS−30)2質量部、加硫促進剤(住友化学社製、ソクシノールCZ)0.7質量部、および硫黄(鶴見化学工業社製、サルファックス200S)2質量部を配合し、ニーダーおよび練りロール機を用いて混練することにより、ゴム弾性体用材料(ゴム組成物)を調製した。
前記図1〜図3に示した防振装置(エンジンマウント)を作製するに際し、円筒状金具として外径24mm,内径12mm,長さ60mmの鉄製のものを準備した。この円筒状金具の外周面(ゴム弾性体と密着する部分に対応する部分)に接着剤を塗布した後、その円筒状金具をゴム弾性体用の成形金型内の所定位置にセットした。そして、その成形金型内にゴム弾性体用材料を注入した後、150℃×30分間加硫することにより、円筒状金具が一体化したゴム弾性体を得た。つぎに、前記図4に示した樹脂ブラケット成形用の成形機(サンドイッチ成形用射出成形機)(JSW社製、J180AD−2M)を準備し、上記ゴム弾性体の外周面(樹脂ブラケットと密着する部分に対応する部分)に接着剤を塗布した後、ナットとともにこれらを上記成形金型内の所定位置にそれぞれセットした。つぎに、スキン層用材料であるペレット(製造例1)を、スキン層用シリンダーからスキン層用ノズルを介して金型のキャビティ内に射出した。続いて、コア層用材料であるペレット(製造例2)を、コア層用シリンダーからコア層用ノズルを介して金型のキャビティ内に射出して成形した(シリンダー温度:290℃,金型温度:80℃)。このようにして、ゴム弾性体(加硫ゴム成形体)と樹脂ブラケット(樹脂成形体)とが一体化された防振装置(エンジンマウント)を作製した。
この防振装置(エンジンマウント)の樹脂ブラケット(縦50mm×横120mm×高さ100mm)は、前記図3に示したように、コア層(厚み4mm)の外周がスキン層(厚み3mm)で被覆されてなる断面サンドイッチ構造になっている。
(ゴム弾性体用材料の調製)
実施例1と同様にして、ゴム弾性体用材料(ゴム組成物)を調製した。
下記の表2および表3に示す、スキン層用材料のペレット、コア層用材料のペレットの組み合わせに変更する以外は、実施例1に準じて、防振装置を作製した。
この防振装置(エンジンマウント)の樹脂ブラケット(縦50mm×横120mm×高さ100mm)は、コア層(厚み4mm)の外周がスキン層(厚み3mm)で被覆されてなる断面サンドイッチ構造になっている。
防振装置を治具に固定し、防振装置の円筒状金具内に金属の丸棒を挿入した状態で、丸棒を、図2において上方向に、防振装置が破壊するまで20mm/minの速度で引っ張った。そして、常温(20℃)の環境下にて、引張試験装置(島津製作所社製、オートグラフAG−IS)を使用して破壊時の荷重を測定した。
射出成形機によりサンドイッチ成形体のスキン層(一次材)の射出体積およびコア層(二次材)の射出体積を計測した。スキン層(一次材)の体積比率は、射出成形機により計測された一次材の射出体積と二次材の射出体積を加算し、この加算した総体積に対する一次材の射出体積の比率により求めた。
なお、一次材の射出体積および二次材の射出体積はそれぞれ、(射出成形時のスクリュー移動距離)と(シリンダー断面積)との積により算出した。また、射出成形時のスクリュー移動距離は、(計量完了時のスクリュー位置)と(射出完了時のスクリュー位置)との差により算出した。スキン層の体積比率は、サンドイッチ成形体全体の40〜70%であることが必要である。
比較例2は、スキン層の体積比率が規定値を下回るため、破壊強度が劣っていた。
比較例3は、スキン層の体積比率が規定値を上回るため、破壊強度が劣っていた。
比較例4は、E2/ε2が規定値を上回るため、破壊強度が劣っていた。
比較例5は、E1/ε1が規定値を下回るため、破壊強度が劣っていた。
2a コア層
2b スキン層
3 ゴム弾性体
Claims (4)
- 防振機能を持つ加硫ゴム成形体と、上記加硫ゴム成形体を支持した状態で基体に固定する樹脂成形体とが一体化されてなる防振装置であって、上記樹脂成形体は、コア層がスキン層によって挟持されてなるサンドイッチ成形体からなり、上記樹脂成形体を形成するスキン層の一方は、上記加硫ゴム成形体と密着するように配置され、上記スキン層を構成する樹脂組成物(A)が第1の熱可塑性樹脂および無機充填材を含有するとともに、上記コア層を構成する樹脂組成物(B)が第2の熱可塑性樹脂および無機充填材を含有し、上記スキン層の曲げ弾性率をE1,スキン層の曲げ最大歪をε1,上記コア層の曲げ弾性率をE2,コア層の曲げ最大歪をε2としたとき、下記の式(1)および(2)の関係を満たし、かつ上記スキン層の体積比率がサンドイッチ成形体全体の40〜70%であることを特徴とする防振装置。
1<(E1/ε1)<(E2/ε2)<10 …(1)
ε1/ε2>1 …(2) - 第1の熱可塑性樹脂および第2の熱可塑性樹脂が、いずれもポリアミド樹脂である請求項1記載の防振装置。
- 無機充填材が、ガラス繊維および炭素繊維の少なくとも一方である請求項1または2記載の防振装置。
- スキン層が平均繊維長100〜500μmのガラス繊維(x)を含有し、コア層が平均繊維長0.5〜5mmで、ガラス繊維(x)の平均繊維長よりも長いガラス繊維(y)を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の防振装置。
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