JP2003200531A - ゴム・樹脂複合製品及びそれからなる防振装置 - Google Patents

ゴム・樹脂複合製品及びそれからなる防振装置

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JP2003200531A
JP2003200531A JP2002002012A JP2002002012A JP2003200531A JP 2003200531 A JP2003200531 A JP 2003200531A JP 2002002012 A JP2002002012 A JP 2002002012A JP 2002002012 A JP2002002012 A JP 2002002012A JP 2003200531 A JP2003200531 A JP 2003200531A
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rubber
filler
resin
support
vibration
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JP2002002012A
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English (en)
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Jiyunichirou Suzuki
淳一朗 鈴木
Kazutaka Katayama
和孝 片山
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム・樹脂複合製品において、樹脂製の支持
体を厚肉構造としても、理想的に高強度を確保し、強度
等の特性に優れた防振装置を提供すること。 【解決手段】 金属製の取付軸としての内筒金具4の周
りに、所定の繊維状等の形状の充填材配合の樹脂材料を
用いて、円筒状に形成された内側層6aと外側層6bか
らなる、2層の一体積層構造とされた外筒部6を有する
取付ブラケット8を内筒金具4と所定の間隙を隔てて偏
心して配置し、それら内筒金具4と外筒部6とを加硫ゴ
ム成形体たるゴム弾性体10にて弾性的に連結して構成
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、ゴム・樹脂複合製品及びそれか
らなる防振装置に係り、特に、加硫ゴム成形体と、それ
を支持する樹脂製の支持体とが一体的に設けられてなる
ゴム・樹脂複合製品、中でも、それからなる防振装置に
おける高強度化を図り得る技術に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、所定形状の加硫ゴム成形体に対
して、それを支持する支持部材乃至は支持体としての金
属材料製の金具が加硫接着せしめられて、一体的に設け
られてなる構造のゴム・金属複合製品が、各種の用途に
おいて用いられてきている。例えば、自動車や鉄道車両
等においては、剛性部品への振動・衝撃の伝達防止を目
的とした、ブッシュやマウント等と称される各種形態の
防振装置が用いられており、そこでは、円筒状や板状等
の形状の金具にゴムを加硫接着してなる構造が採用さ
れ、そのような複合製品の金具を介して、他の部材に取
り付けられ得るようになっている。
【0003】ところで、そのような防振装置等のゴム・
金属複合製品にあっては、金具としての金属が重く、ま
た発錆し易い等という問題を有しているところから、最
近では、軽量化やコスト低減を目的として、金属製の金
具よりなる支持体に代えて、樹脂材料よりなる樹脂製の
支持体を用いたゴム・樹脂複合製品が開発されて、実際
に、防振装置の分野においては多く採用されている。そ
して、そのようなゴム・樹脂複合製品において、外部か
ら作用する大荷重にも耐え得るように、その樹脂製の支
持体の高強度化を図るに際しては、材料面からは、例え
ば特開平7−19273号公報にも明らかにされている
如く、主に繊維系充填材との複合化による高強度化が図
られており、また、構造面からは、主に樹脂製支持体の
厚肉化による高強度化が図られているのである。
【0004】しかしながら、上記せる如きゴム・樹脂複
合製品において、その樹脂製支持体の高強度化を図るた
めに、かかる樹脂製の支持体を厚肉構造としても、期待
するほどの効果が得られない場合がある。特に、材料面
からの高強度化対策である繊維系充填材を配合してなる
複合樹脂材料を用いて、支持体を形成すると共に、構造
面からの対策である厚肉化対策を組み合わせて、そのよ
うな支持体を厚肉構造としても、それらの対策によっ
て、期待されるほどの効果は得られないのである。その
理由は、一般的に、樹脂製品を厚肉化すると、その成形
に際しての樹脂のヒケによって、内部に巣やクラックが
発生し、それらが製品の強度低下を惹起するようになる
からである。
【0005】また、繊維系充填材を配合してなる複合樹
脂材料を用いて、目的とする成形体を成形する場合にお
いて、薄肉の成形品が対象となるときには、樹脂材料中
の繊維系充填材は、樹脂の流動方向に配向するのに対し
て、厚肉成形品を成形するときには、樹脂の流動方向に
配向し難いために、期待するほどの高強度化を図ること
が困難となるのである。なお、この繊維系充填材配合の
複合樹脂材料を高配向化させる技術としては、Push-Pul
l法、Scorim法、Rheomolding法等が、従来から知られて
いるが、それらの方法にあっては、何れも、装置が大掛
かりとなり、コストも嵩むために、直ちに採用され得る
方法でもないのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、ゴム・樹脂複合製品において、その樹脂製の支
持体を厚肉構造としても、理想的に高強度を確保し得る
構造を提供することにあり、また、強度等の特性に優れ
た防振装置を提供することを、他の解決課題とするもの
である。
【0007】
【解決手段】そして、本発明にあっては、上述の如きゴ
ム・樹脂複合製品に係る課題を解決するために、加硫ゴ
ム成形体に対して樹脂製の支持体が一体的に設けられて
なるゴム・樹脂複合製品において、該支持体を、繊維状
充填材、または針状、板状若しくは薄片状充填材、或い
は層状珪酸塩充填材を配合、含有せしめてなる樹脂材料
にてそれぞれ形成される複数層の一体積層構造からなる
積層体にて、構成したことを特徴とするゴム・樹脂複合
製品を、その要旨とするものである。
【0008】このように、本発明に従うゴム・樹脂複合
製品にあっては、それを構成する樹脂製の支持体が、繊
維状等の所定の充填材を配合、含有せしめてなる樹脂材
料からなる層の複数を一体的に積層してなる構造の積層
体にて、構成されるものであるところから、そのような
支持体の全体を一挙に成形する単一層構造の場合より
も、そのような積層体の各層の層厚さを薄くすることが
出来、それによって、成形時に惹起される樹脂のヒケに
よる巣やクラックの発生を効果的に低減せしめ得ること
となるのであり、以て強度や耐疲労性を有利に向上させ
得るのである。
【0009】また、そのような支持体を与える積層体の
各層が、繊維状等の所定の充填材を配合、含有せしめて
なる樹脂材料にて形成されることによって、単一成形体
よりも、かかる充填材を、成形体の成形時に、樹脂の流
動方向に、より一層良好に配向せしめることが可能とな
るのであり、これによって、強度や耐疲労性の向上に、
より一層寄与せしめ得ることとなる。
【0010】そして、本発明にあっては、ゴム・樹脂複
合製品における樹脂製の支持体を積層体にて形成し、そ
れを構成する各層が、繊維状等の所定の充填材を配合、
含有せしめてなる樹脂材料からなる薄い層にて構成され
るようにしたことによって、高強度化が実現され得たこ
とにより、支持体としてのトータル厚みを減少せしめる
ことが出来、以て低コスト化も図られ得ることとなるの
である。
【0011】なお、かくの如き本発明に従うゴム・樹脂
複合製品の好ましい態様の一つによれば、前記支持体を
与える積層体は、10mm以下の厚みの層の複数にて構成
されている。このような薄い層の複数からなる積層体を
用いることにより、それぞれの層における巣やクラック
の発生が、より一層効果的に低減され得、また、充填材
の配向も、より一層向上せしめられ得て、強度向上によ
り一層寄与せしめ得るのである。
【0012】ところで、本発明にあっては、また、前記
した課題を解決せしめるべく、上述せる如き構成のゴム
・樹脂複合製品からなることを特徴とする防振装置を
も、その要旨とするものである。
【0013】特に、本発明にあっては、防振装置に適用
されることによって、その特徴が、より有利に発揮され
得ることとなるのである。即ち、防振装置においては、
防振連結のために、それを構成する樹脂製の支持体に対
して大きな荷重がかかり、そのために、そのような支持
体の高強度化を図ることは、防振装置の特性の向上に大
きく寄与し得るからである。
【0014】なお、そのような本発明に従う防振装置に
おける望ましい態様の一つによれば、筒状又は中実の軸
部材と、該軸部材の周りに、該軸部材に対して所定の間
隙を隔てて同軸的に若しくは偏心して位置する外筒部を
有する取付ブラケットと、それら軸部材と取付ブラケッ
トの外筒部とを連結するゴム弾性体とを含む防振装置で
あって、該ゴム弾性体が前記加硫ゴム成形体にて構成さ
れる一方、該取付ブラケットの少なくとも外筒部位が、
前記積層体からなる支持体にて構成されていることを特
徴としている。
【0015】そして、このような構造の本発明に従う防
振装置においては、有利には、前記支持体を与える積層
体が、充填材の配向方向が同一とされた、繊維状充填
材、または針状、板状若しくは薄片状充填材、或いは層
状珪酸塩充填材を配合、含有せしめてなる樹脂からなる
複数の層から、構成されていることが望ましい。このよ
うに、積層体を構成する複数の層における充填材の配向
方向が何れも同一方向とされることによって、そのよう
な防振装置に加わる振動荷重に対して、より一層の高強
度化が実現され得ることとなるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】ところで、図1には、本発明が適
用される防振装置の一種である自動車用エンジンマウン
トの構成が、縦断面形態において概略的に示されている
が、そこにおいて、エンジンマウント2は、金属製の取
付軸としての内筒金具4と、かかる内筒金具4の周り
に、内筒金具4に対して所定の間隙を隔てて偏心して位
置せしめられた外筒部6を有する取付ブラケット8と、
それら内筒金具4と取付ブラケット8の外筒部6とを弾
性的に連結する、加硫ゴム成形体たるゴム弾性体10と
を含んで構成されている。そして、そのような取付ブラ
ケット8における外筒部6が、所定の繊維状等の形状の
充填材配合の樹脂材料を用いて、それぞれ円筒状に形成
された内側層6aと外側層6bの2層積層構造におい
て、一体的に構成されてなる積層体構造とされているの
である。
【0017】なお、かかるエンジンマウント2は、その
内筒金具4及び取付ブラケット8において、それぞれ自
動車のパワーユニット側乃至は自動車のボデー側に取り
付けられるようになっているが、一般に、内筒金具4が
自動車のパワーユニットに取り付けられる一方、取付ブ
ラケット8が自動車のボデーに取り付けられることによ
り、それらボデーとパワーユニットとの間に介装され
て、パワーユニットをボデーに対して防振支持せしめる
ようになっている。
【0018】また、このエンジンマウント2において、
軸部材としての内筒金具4は、一般に、鉄等の適当な金
属材料からなる厚肉のパイプにて構成されることとなる
が、また、それが連結されるパワーユニット等との連結
形態に応じて、ロッド状等の中実の所定形状の軸部材と
することも可能である。
【0019】さらに、そのような内筒金具4が、その周
りにおいて、それを取り囲むように配置された取付ブラ
ケット8の外筒部6との間において、ゴム弾性体10に
て連結せしめられている。そして、ここでは、内筒金具
4の両側に位置するように、ゴム弾性体10を軸方向に
貫通する肉抜き部12,14が設けられており、偏心配
置された内筒金具4が、エンジンマウント2の取付けに
よって加わる静荷重により、外筒部6に対して略同心的
に位置し得るようになっている。尤も、かかる内筒金具
4と外筒部6との位置関係は、防振装置(エンジンマウ
ント2)の使用形態に応じて、適宜に選定され得るとこ
ろであり、例示の如き偏心配置に代えて、同軸的(同心
的)に配置せしめることも可能であり、また静荷重が加
わったときに、内筒金具4と外筒部6とが偏心配置する
形態も採用可能であり、更には外筒部6の形状を、円筒
形状の他、三角、四角、五角等の角筒形状とすることも
出来る。
【0020】なお、この加硫ゴム成形体たるゴム弾性体
10を形成するゴム材料としては、公知の各種のゴム材
料の中から適宜に選択されて用いられるものであって、
例えば、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエ
ンゴム、イソプレンゴム、アクリロニトリルブタジエン
ゴム、カルボキシル変性NBR、クロロプレンゴム、エ
チレンプロピレンゴム(EPM、EPDM)、マレイン
酸変性EPM若しくはEPDM、ブチルゴム、ハロゲン
化IIR、クロロスルホン化ポリエチレン、フッ素ゴ
ム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム等が、単独
で若しくは複数を組み合わせて、用いられることとな
る。更に、このゴム材料を加硫する加硫剤についても、
ゴム材料に応じて、例えば、イオウ、アルキルフェノー
ル樹脂等の樹脂、酸化亜鉛等の金属酸化物、ヘキサメチ
レンジアミンカルバメート等のポリアミン類等が用いら
れる。更に必要に応じて、加硫促進剤、加硫促進助剤、
老化防止剤等も、従来と同様に用いられることとなる。
【0021】そして、本発明にあっては、そのような内
筒金具4と取付ブラケット8における外筒部6とを、ゴ
ム弾性体10にて、一体的に連結せしめてなるエンジン
マウント2において、取付ブラケット8は、繊維状充填
材、または針状、板状若しくは薄片状充填材、或いは層
状珪酸塩充填材の配合された樹脂材料を用いて成形して
得られた成形体にて構成されていると共に、その外筒部
6が、それぞれ円筒状の内側層6aと外側層6bとが積
層されてなる二重筒構造の、一体的な積層体にて構成さ
れているのである。
【0022】ここにおいて、そのような二層積層構造の
外筒部6を有する取付ブラケット8は、二色成形法、溶
着法、接着剤による接着法等の各種の手法に従って積層
せしめる方法により、成形されることとなるが、製造方
法の簡便性や接着性の観点から、二色成形法、即ち、先
ず、所定の金型内において、所定の充填材配合樹脂材料
を用いて内側層6aを与える筒体を成形した後、金型を
代えて、その外側に、同様な或いは異なる充填材配合樹
脂材料を用いて外側層6bを与える筒体を成形せしめる
と同時に、取付ブラケット8の板状の基部8a等の残余
の部分も成形せしめることにより、目的とする取付ブラ
ケット8を得ることからなる成形法が、好適に採用され
ることとなる。なお、例示の構造においては、取付ブラ
ケット8の板状の基部8aが単層構造とされているが、
勿論、そのような基部8aの部分をも、外筒部6と同様
に、二層構造、或いはそれ以上の複数層構造の一体的な
積層体とすることも可能であることは、言うまでもない
ところである。
【0023】このように、取付ブラケット8の外筒部6
を二層構造の積層体とすることにより、それを単層構造
とする場合よりも、内側層6aや外側層6bの層厚さを
薄くすることが可能となるところから、成形に際しての
巣やクラックの発生が効果的に低減され得ることとな
り、それによって、強度や耐疲労性が有利に向上せしめ
られ得ることに加えて、図2に拡大して示されるよう
に、それら内側層6aや外側層6bにおける樹脂材料中
の充填材(ここでは、繊維)16を、それぞれ同一方向
(ここでは、周方向)に効果的に配向させることが出来
ることとなり、これによって、強度や耐疲労性の向上
に、より一層寄与せしめ得るのである。
【0024】なお、このような取付ブラケット8を与え
る充填材配合樹脂材料における樹脂材料としては、ポリ
アミド、変性ポリアミド、ポリエステル、変性ポリエス
テル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネー
ト、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、変
性ポリフェニレンエーテル等の各種の公知の樹脂、中で
も熱可塑性樹脂が好適に用いられ、また、そのような樹
脂材料に配合乃至は混入せしめられる充填材としても、
ガラス繊維の他、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊
維、アルミナ繊維、金属繊維、炭化ケイ素繊維、ポリ
(p−フェニレンテレフタルアミド)繊維、ポリ(p−
フェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維等の繊維類
や、ウイスカー、亜鉛華、ワラスナイト、カオリナイ
ト、タルク、マイカ、カーボンナノチューブ等の針状、
板状若しくは薄片状粒子、珪酸マグネシウム若しくは珪
酸アルミニウムの層で構成される層状フィロ珪酸塩、例
えばモンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ノ
ントロナイト、ヘクトライト、スティブンサイト、バー
ミキュライト、ハロサイト等の公知のものを挙げること
が出来るが、その中でも、樹脂としては、強度や充填材
による補強効果、コストのバランスに優れるポリアミド
が好適に用いられ、また、充填材としては、補強効果の
高さやコストの点から、特に繊維、中でもガラス繊維が
好適に用いられることとなる。
【0025】また、かかる樹脂材料中に好適に混入せし
められる繊維は、一般に、短繊維であって、通常、長さ
が0.3〜6mm程度、太さが1〜100μm程度のもの
であり、更にその配合量としても、一般的に、10〜6
0重量%程度とされる。加えて、そのような繊維は、カ
ップリング剤等にて表面処理されていることが望ましい
のである。
【0026】そして、このような充填材配合樹脂材料を
用いて、上述の如く、取付ブラケット8を成形するに際
しては、内側層6aと外側層6bの積層体として形成さ
れる外筒部6において、その積層数は何等限定されるも
のではないが、一般に2〜4層からなる積層構造の積層
体として成形されることが望ましく、また、そのような
積層体の各層、即ち内側層6aや外側層6bの厚みとし
ても、一般に、10mm以下、好ましくは6mm以下の厚さ
において形成されることとなる。このような薄肉の層か
らなる積層構造とすることにより、本発明の目的がより
一層良く達成され得るのである。
【0027】なお、上例の如き、ゴム・樹脂複合製品か
らなる防振装置であるエンジンマウント2を製造するに
際しては、例えば、樹脂製支持体である取付ブラケット
8を前述の如く成形した後、その外筒部6の内側層6a
の内周面に接着剤を塗布せしめ、所定の金型内に、取付
ブラケット8と内筒金具4とをセットした状態におい
て、未加硫ゴム組成物を加硫成形すると共に、形成され
るゴム弾性体10を、外筒部6の内側層6a内周面に加
硫接着せしめて、一体的な構造と為す方法を採用した
り、また、所定の金型内に内筒金具4を配置せしめた状
態下において、未加硫ゴム組成物を加硫成形して、内筒
金具4を一体的に有するゴム弾性体10を得た後、ゴム
弾性体10の外周面に、接着剤を塗布し、その後、上述
せる如き手法により、かかるゴム弾性体10の周りに外
筒部6を有する取付ブラケット8を所定の充填材配合樹
脂材料を用いて射出成形すると同時に、加硫ゴム成形体
であるゴム弾性体10の外周面に接着せしめる方法等を
採用することが出来るが、特に、本発明にあっては、ゴ
ム弾性体10に対して、樹脂収縮による圧縮を加え得る
後者の手法を採用することが推奨される。
【0028】また、そのような取付ブラケット8の成形
に際しては、図2に示される如く、その外筒部6を構成
する内側層6aと外側層6bにおける樹脂材料中の繊維
等の充填材の配向方向が、かかる外筒部6の周方向にお
いて同一方向となって、その配向方向が揃うように、そ
れぞれの層6a,6bの成形に際して、充填材配合樹脂
材料の流れを、金型内において同一方向(周方向)とな
るように調整することが望ましい。そして、そのような
樹脂流れは、金型の成形空間内への充填材配合樹脂材料
の導入位置によって主として決定されるものであるとこ
ろから、一般に、内側層6aの成形に際しても、また外
側層6bの成形に際しても、かかる導入位置の選定が慎
重に行われることとなる。
【0029】なお、本発明が適用されるゴム・樹脂複合
製品としては、例示の防振装置に限られるものでは決し
てなく、加硫ゴム成形体に対して樹脂製の支持体が一体
的に設けられてなる各種形状、構造の複合体が対象とさ
れ得るものであり、また、防振装置としても、図1に示
される如き構造のエンジンマウントに限定されるもので
は決してなく、例えば、自動車用防振ゴムの複合構成部
材、具体的にはボデーマウント、キャブマウント、メン
バーマウント、ストラットバークッション、センターベ
アリングサポート、トーショナルダンパー、ステアリン
グラバーカップリング、テンションロッドブッシュ、ブ
ッシュ、バウンドストッパー、FFエンジンロールスト
ッパー、マフラーハンガー等の各種部材を対象とするこ
とができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない
限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0031】実施例 1 先ず、充填材配合樹脂材料として、PA66:ポリアミ
ド66にガラス繊維を45重量%混合せしめてなるポリ
アミド樹脂材料(東レ株式会社製、CM3001G−4
5)、PA6:ポリアミド6にガラス繊維を45重量%
混合してなるポリアミド樹脂材料(東レ株式会社製、C
M1011G−45)、変性PA6T:変性ポリアミド
6Tにガラス繊維を50重量%混合してなる変性ポリア
ミド樹脂材料(三井化学株式会社製、A350)、PA
9T:ポリアミド9Tにガラス繊維を30重量%混合し
たポリアミド樹脂材料(クラレ株式会社製、G130
0)、PPS:ポリフェニレンサルファイドにガラス繊
維を40重量%混合したポリフェニレンサルファイド樹
脂材料(東レ株式会社製、A504)、及び変性PP
E:変性ポリフェニレンエーテルにガラス繊維を30重
量%混合した変性ポリフェニレンエーテル樹脂材料(旭
化成株式会社製、G703H)を、それぞれ準備した。
なお、それら樹脂材料中に混入されたガラス繊維は、何
れも、その太さの平均が10〜15μm程度、また、そ
の長さの平均が2mm以下のものである。
【0032】そして、そのような充填材配合樹脂材料を
用いて、ISO試験方法におけるISO多目的ダンベル
(Aタイプ)を、全長:170mm、厚さ:4mmにおい
て、それぞれ射出成形すると共に、そのようなダンベル
と同形状において、厚さのみを8mm或いは12mmとした
ダンベルを、それぞれの充填材配合樹脂材料を用いて射
出成形することにより、比較例1〜3に係る試験片(ダ
ンベル)を作製した。
【0033】また、上記の厚さが4mmのISO多目的ダ
ンベルが2つ積層されてなる形態の試験片を、二色成形
法によって、それぞれの充填材配合樹脂材料を用いて成
形し、更に、そのようなダンベルを3つ積層せしめてな
る構造の試験片を、二色成形法によって、それぞれの充
填材配合樹脂材料から成形し、本発明例1及び本発明例
2の試験片(ダンベル)とした。
【0034】次いで、かかる得られた比較例1〜3及び
本発明例1〜2に係る各種試験片(ダンベル)につい
て、それぞれ5mm/分の速度で引張せしめることからな
る引張試験を行い、その結果を、下記表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】かかる表1の結果から明らかなように、比
較例1から、比較例2や比較例3の如く、試験片(ダン
ベル)の厚さを厚くすることにより、引張強度が低下す
るようになるのに対して、本発明に従って一体的な積層
構造とする(本発明例1,2)と、その試験片(ダンベ
ル)の厚さを厚くしても、単位面積あたりの引張強度が
低下することがないところから、試験片全体としての引
張強度が効果的に高められ得ていることが、理解される
のである。
【0037】実施例 2 上記の実施例1と同様な充填材配合樹脂材料を用いて、
図1に示される如き形状の、加硫ゴム成形体(ゴム弾性
体10)と外筒部6が単層構造又は2層積層構造の樹脂
製支持体(取付ブラケット8)とを含んで構成される、
複合構造の防振装置(エンジンマウント2)を、それぞ
れ作製した。
【0038】なお、外筒部6が単層構造であるエンジン
マウント(2)は、先ず、未加硫ゴムを加硫成形して、
内筒金具4とゴム弾性体10とが一体となった加硫成形
品を作製した後、そのゴム弾性体10の外周面に接着剤
を塗布せしめ、そして、それをセットした金型内におい
て、前記した各種充填材配合樹脂材料を射出成形するこ
とにより、外筒部6の厚さが8mmとなる取付ブラケット
(8)を形成せしめることによって、目的とするエンジ
ンマウント(2)を作製した。一方、外筒部6が、2層
積層構造の本発明に従う取付ブラケット8を備えたエン
ジンマウント2の作製に際しては、内筒金具4とゴム弾
性体10とからなる前記一体加硫成形品の外周面に、前
記と同様にして接着剤の塗布を行った後、先ず、肉厚が
4mmの円筒を射出成形して、内側層6aを成形せしめた
後、更に、その円筒(内側層6a)を包むように、肉厚
が4mmの円筒(外側層6b)を有する取付ブラケット8
の残余部分を射出成形せしめる手法(二色成形法)によ
り、目的とする本発明に従うエンジンマウント2を作製
した。
【0039】そして、このようにして作製された各種の
充填材配合樹脂材料からなる各種のエンジンマウント2
について、破壊強度測定試験を実施し、その得られた結
果を、下記表2に示した。なお、破壊強度測定試験は、
それぞれのエンジンマウント2を治具に固定した後、金
属の丸棒をエンジンマウント2の内筒金具4内に挿入
し、そのような状態において、丸棒を、図1において上
方向に、20mm/分の速度にて、エンジンマウント2が
破壊するまで引っ張り、その破壊時の応力を測定した。
また、そのような破壊強度の測定は、常温の環境下にお
いて行われた。
【0040】
【表2】
【0041】かかる表2の結果から明らかなように、エ
ンジンマウント2における取付ブラケット8の外筒部6
を、単一層にて構成する場合よりも、2層の積層構造に
おいて構成した場合の方が、破壊強度において著しく優
れた結果が得られ、これによって、本発明に従えば、高
強度の外筒部6を有する取付ブラケット8が提供され得
ることが明らかとなった。
【0042】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に従うゴム・樹脂複合製品においては、それを構成する
加硫ゴム成形体を支持する樹脂製の支持体が、繊維状等
の所定の充填材を配合、含有せしめてなる樹脂材料に
て、それぞれ形成される、複数層の一体積層構造からな
る積層体にて、構成されていることによって、著しい高
強度化が実現され得ているのであり、また、それによっ
て、そのような支持体のトータル厚みを減少させること
が可能となって、その低コスト化も有利に図り得るので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される防振装置の一つであるエン
ジンマウントの構成を示す断面説明図である
【図2】図1のエンジンマウントにおける、A部を拡大
して示す説明図である。
【符号の説明】
2 エンジンマウント 4 内筒金具 6 外筒部 8 取付ブラケット 10 ゴム弾性体 16 充填材
フロントページの続き Fターム(参考) 3D035 CA05 3J048 AA01 BA19 BD04 BD07 EA07 3J059 AB11 BA42 BC13 CA20 EA04 4F100 AA03B AA03C AK01B AK01C AN00A BA03 BA07 BA10A BA10B CA23B CA23C DE02B DE02C DE10B DE10C EJ06A GB31 JH02 JL00 YY00A YY00B YY00C

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加硫ゴム成形体に対して樹脂製の支持体
    が一体的に設けられてなるゴム・樹脂複合製品におい
    て、該支持体を、繊維状充填材、または針状、板状若し
    くは薄片状充填材、或いは層状珪酸塩充填材を配合、含
    有せしめてなる樹脂材料にてそれぞれ形成される複数層
    の一体積層構造からなる積層体にて、構成したことを特
    徴とするゴム・樹脂複合製品。
  2. 【請求項2】 前記積層体が、10mm以下の厚みの層の
    複数にて構成されている請求項1に記載のゴム・樹脂複
    合製品。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のゴム・
    樹脂複合製品からなることを特徴とする防振装置。
  4. 【請求項4】 筒状又は中実の軸部材と、該軸部材の周
    りに、該軸部材に対して所定の間隙を隔てて同軸的に若
    しくは偏心して位置する外筒部を有する取付ブラケット
    と、それら軸部材と取付ブラケットの外筒部とを連結す
    るゴム弾性体とを含む防振装置であって、該ゴム弾性体
    が前記加硫ゴム成形体にて構成される一方、該取付ブラ
    ケットの少なくとも外筒部位が、前記支持体にて構成さ
    れていることを特徴とする請求項3に記載の防振装置。
  5. 【請求項5】 前記支持体を与える積層体が、充填材の
    配向方向が同一とされた、繊維状充填材、または針状、
    板状若しくは薄片状充填材、或いは層状珪酸塩充填材を
    配合、含有せしめてなる樹脂材料からなる複数の層から
    構成されている請求項3又は請求項4に記載の防振装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015098914A (ja) * 2013-11-20 2015-05-28 住友理工株式会社 トルクロッド

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