JP2005325922A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ポリアミド樹脂成形体の厚みを不要に厚くせず、しかも所望の強度を発揮することができ、結果的に、小型化および軽量化ができる防振装置を提供する。
【解決手段】エンジン等の振動体の振動を減衰するゴム弾性体3と、それを支持するポリアミド樹脂ブラケット2とが一体化された防振装置であって、上記ポリアミド樹脂ブラケット2の外部に露呈した表面が、金属箔の両面を樹脂層でラミネートしたラミネートフィルム1により密着被覆されている。
【選択図】図1
【解決手段】エンジン等の振動体の振動を減衰するゴム弾性体3と、それを支持するポリアミド樹脂ブラケット2とが一体化された防振装置であって、上記ポリアミド樹脂ブラケット2の外部に露呈した表面が、金属箔の両面を樹脂層でラミネートしたラミネートフィルム1により密着被覆されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンマウント等として用いられる防振装置に関するものである。
従来から、自動車に用いられるエンジンマウント等の防振装置には、通常、ゴムブッシュと、それを支持する金属ブラケットとからなるものが用いられてきている。しかしながら、近年、燃費向上につながる軽量化のため、上記金属ブラケットの樹脂化が進んでいる。
そして、最近では、その樹脂ブラケットとして、市販される接着剤で接着できる、ガラス繊維等の補強材入りポリアミド樹脂からなるものが主流となってきている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−214494号公報
ところで、自動車のエンジンマウントでは、エンジンの高出力化や大型化に伴って、高温および高荷重に対応できるものが要請されている。このため、熱による劣化を見越して、また、強度向上のため、樹脂ブラケットは、厚肉に設計されている。一方、上記ポリアミド樹脂は、強度や耐久性に優れるが、吸水すると、それら強度等が低下する。しかも、吸水した水分が可塑剤として作用して、弾性率の低下や融点およびガラス移転点の低下をまねくため、熱に晒されると、吸水していないものよりも強度がより低下する。また、凍結防止剤(塩化カルシウム等)がかかるとクラック等を生じ強度が低下する。これらの観点からも、樹脂ブラケットは、それを見越して、厚肉に設計されている。以上のような安全率を考慮した厚肉設計が、大型化や重量増加をまねいている。
しかしながら、厚肉成形では、樹脂の結晶化や大きな成形収縮(ひけ)等により、内部欠陥(ボイド)が生じ易い。また、成形型への材料注入において、キャビティ内の厚み方向の中央部では、注入した材料の流れが遅くなり、上記ガラス繊維等の補強材の配向が乱れる。これらのため、厚肉成形では、その厚みに比例した強度が得られていないのが実情である。すなわち、厚肉成形では、厚みに比例した強度を得るためには、その厚みに限界があり、実用的には、通常、厚み10mm程度までである。一方、樹脂ブラケットの幅を広げると、スペース増により設計自由度が低下するとともに、断面積の増加により振動伝達が大きくなり防振性能が低下する。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、樹脂ブラケット等を構成するポリアミド樹脂成形体の厚みや幅を不要に大きくせず、しかも所望の強度を発揮することができ、結果的に、小型化および軽量化ができる防振装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の防振装置は、加硫ゴム成形体と、それを支持するポリアミド樹脂成形体とが一体化された防振装置であって、上記ポリアミド樹脂成形体の外部に露呈した表面が、金属箔の両面を樹脂層でラミネートしたラミネートフィルムにより密着被覆されているという構成をとる。
すなわち、本発明の防振装置は、上記ポリアミド樹脂成形体の表面に密着被覆された、金属箔両面ラミネートフィルムにより、そのポリアミド樹脂成形体に悪影響を与える水分を遮断し、熱等の強度低下要因を低減することができる。より詳しく説明すると、上記ラミネートフィルムのうち外部に露呈する側の樹脂層は、上記金属箔の補強効果を有する。すなわち、ピッチング性能を発現し、石はねや他部品との摩擦を低減し、金属箔の破損を防止する。また、上記ラミネートフィルムの内部の金属箔まで、上記水分や熱等が達したとしても、その金属箔が、上記水分等を略完全に遮断し、ポリアミド樹脂成形体への侵入を抑制する。さらに、上記ラミネートフィルムのうちポリアミド樹脂成形体に接触する側の樹脂層は、上記金属箔の破損防止等の補強効果を有する。さらに、その樹脂層は、ポリアミド樹脂成形体と同様あるいは変性された樹脂からなり、なじみ性がよいため、強固に上記ポリアミド樹脂成形体と密着しており、ポリアミド樹脂成形体の振動や変形に対する耐剥離性が大きく、耐久性に富んでいる。
本発明の防振装置は、ポリアミド樹脂成形体の外部に露呈した表面が、金属箔の両面を樹脂層でラミネートしたラミネートフィルムにより密着被覆されている。このため、ポリアミド樹脂成形体は、水分等から保護され、それらによる強度や耐久性の低下を抑制することができる。その結果、不要に厚肉化や幅広化する必要がなくなり、これら厚肉化等による弊害を減少ないし無くすことができる。すなわち、厚みが不要に厚くならないため、小型化および軽量化が可能となる。また、成形工程では、成形収縮(ひけ)を抑制することができるため、寸法精度を向上させることができる。さらに、内部欠陥(ボイド)やガラス繊維等(補強材)の配向の乱れも抑制することができ、上記厚みで充分な強度や耐久性を得ることができる。そして、ポリアミド樹脂成形体の剛性を長期にわたって維持することができるようになるため、共振周波数も長期にわたって変化が小さく、本発明の防振装置の防振効果を長期にわたって維持することができる。
特に、上記ラミネートフィルムのうち、外部に露呈する側の樹脂層が、ポリオレフィン,変性ポリオレフィン,ポリフェニレンサルファイド,ポリアミドまたはフッ素樹脂のいずれかからなる場合には、耐水性に優れる材料からなるため、防振装置は、水分に対して、より強い抗力を有するものとなる。なかでも特に、耐熱性,耐加水分解性のあるポリプロピレン等のポリオレフィン,ポリフェニレンサルファイド,フッ素樹脂が有効である。
また、上記ラミネートフィルムのうち、ポリアミド樹脂成形体に接触する側の樹脂層が、ポリアミド,エチレンビニルアルコールコポリマー,変性ポリオレフィンまたは変性フッ素樹脂のいずれかからなる場合には、ポリアミド樹脂との接着性に優れるため、振動や変形に対して、ラミネートフィルムがより強い接着力を有するものとなる。なかでも特に、変性ポリオレフィンが有効である。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1および図2は、本発明の防振装置の一実施の形態を示している。この防振装置は、ゴム弾性体(加硫ゴム成形体)3が樹脂ブラケット(ポリアミド樹脂成形体)2で支持されたエンジンマウントである。すなわち、このエンジンマウントは、円筒状金具4の外周面に密着接合した略円筒状のゴム弾性体3と、このゴム弾性体3の外周面に密着接合した樹脂ブラケット2とを備えている。そして、その樹脂ブラケット2のうち外部に露呈した表面には、図3に示すように、金属箔1bの両面を樹脂層1a,1cでラミネートしたラミネートフィルム1が密着被覆されている。
なお、この実施の形態では、図1および図2に示すように、上記樹脂ブラケット2の左右両側の斜面部には、厚肉化による内部欠陥やガラス配向の乱れの防止のために、凹部2aが形成されている。そして、その凹部2aを構成する内側の面は、ラミネートフィルム1を被覆する前は外部に露呈した表面となっているが、ラミネートフィルム1は被覆されていない。その理由は、凹部2aの開口面が上記樹脂ブラケット2の左右両側の斜面部と同一平面にあるため、上記ラミネートフィルム1の被覆により、上記凹部2aの開口面が閉口され、凹部2aを構成する内側の面が被覆されなくても、樹脂ブラケット2が水分等から保護され、本発明の所期の目的を達成することができるからである。さらに、上記樹脂ブラケット2の底部(図2では、下部)の4隅部には、ナット5が埋設されている。また、上記ゴム弾性体3は、円筒状金具4に密着接合する内側筒部3aと、樹脂ブラケット2に密着接合する外側筒部3bと、これらを2ヶ所で連結する連結部3cとからなっており、それらで囲まれている部分は、中空部3dとなっている。
上記エンジンマウントは、車体とエンジン(振動体)との間に介装されるが、それは、上記樹脂ブラケット2の一部(図2では、底部)が車体に固定(上記ナット5にボルトを螺合させることにより固定)され、上記円筒状金具4がエンジンに固定される(エンジンの一部に形成された貫通孔と上記円筒状金具4の中空部とにボルトを貫通させ、そのボルトにナットを螺合させて共締めする)ことにより行われる。そして、エンジンの振動が、上記円筒状金具4に密着接合したゴム弾性体3により減衰され、車体に伝達され難くなっている。
そして、上記エンジンマウントのラミネートフィルム1は、その樹脂ブラケット2を水分等から保護している。すなわち、上記エンジンマウントは、雨水や空気中の水蒸気等の水分以外にも、バッテリー液,路面凍結防止剤(塩化カルシウム)等に晒されるが、これらは、樹脂ブラケット2に悪影響を与え、その強度や耐久性を低下させる。そこで、上記ラミネートフィルム1は、これら水分等を、樹脂ブラケット2に対して遮断している。
より詳しく説明すると、上記ラミネートフィルム1のうち外部に露呈する側の樹脂層1aは、内部の金属箔1bを破損防止するとともに、水分,バッテリー液,路面凍結防止剤を遮断する。仮に、内部の金属箔1bまで、上記水分等が達したとしても、その金属箔1bが、水分等を完全に遮断する。さらに、樹脂ブラケット2に接触する側の樹脂層1cは、上記金属箔1bを破損防止するとともに、樹脂ブラケット2と接着する。
このように、上記エンジンマウントの樹脂ブラケット2は、ラミネートフィルム1により、水分等から保護され、強度や耐久性の低下を抑制することができる。このため、その強度等の低下を見越して従来行っていた厚肉化は、不要となり、厚肉化による弊害を減少ないし無くすことができる。すなわち、厚みを不要に厚くする必要がないため、小型化および軽量化が可能となる。また、成形工程では、成形収縮(ひけ)が抑制されるようになるため、寸法精度を向上させることができるようになる。また、内部欠陥(ボイド)やガラス繊維等(補強材)の配向の乱れも抑制されるようになり、不要に厚くしなくても、設計通りの厚みで充分な強度や耐久性を得ることができる。そして、樹脂ブラケット2の剛性が長期にわたって維持されるようになるため、共振周波数も長期にわたって変化が小さく、エンジンマウントの防振効果を長期にわたって維持することができる。
しかも、樹脂ブラケット2に接触する側の樹脂層1cは、樹脂ブラケット2と同様に樹脂からなり、なじみ性がよいため、強固に樹脂ブラケット2と密着しており、樹脂ブラケット2の振動や変形に対して剥がれ難く、耐久性に優れたものとなっている。
このようなエンジンマウントは、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、上記円筒状金具4の外周面(ゴム弾性体3と密着する部分に対応する部分)に接着剤を塗布した後、その円筒状金具4をゴム弾性体3用の成形金型内の所定位置にセットする。そして、その成形金型内に未加硫ゴムを注入した後、加硫する。これにより、円筒状金具4と一体化したゴム弾性体3を得る。つぎに、そのゴム弾性体3とナット5の外周面(樹脂ブラケット2と密着する部分に対応する部分)に接着剤を塗布した後、それらゴム弾性体3およびナット5を樹脂ブラケット2用の成形金型内の所定位置にそれぞれセットする。そして、その成形金型内に補強材(ガラス繊維等)入りポリアミド樹脂を注入し、射出成形する。これにより、上記ゴム弾性体3と一体化した樹脂ブラケット2を得る。つぎに、樹脂ブラケット2のうち外部に露呈した表面に、上記ラミネートフィルム1を加熱プレスして被覆させる。このようにして、上記エンジンマウントが製造される。
なお、上記製造において、各部材の作製順序は、他でもよく、例えば、樹脂ブラケット2を成形した後、ラミネートフィルム1を貼着してから、ゴム弾性体3を加硫成形してもよい。
また、上記ラミネートフィルム1の作製は、公知の方法により行われ、例えば、金属箔1bに対して樹脂層1a,1cが、熱溶着,超音波溶着,接着剤による接着等により、積層されて作製される。
つぎに、上記エンジンマウントの形成材料等について説明する。
上記ゴム弾性体3の形成材料としては、通常、下記の主材料が用いられる。すなわち、その主材料としては、特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム(NR),ブタジエンゴム(BR),スチレンブタジエンゴム(SBR),イソプレンゴム(IR),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),カルボキシル変性NBR,クロロプレンゴム(CR),エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM),マレイン酸変性EPM,ブチルゴム(IIR),ハロゲン化IIR,クロロスルホン化ポリエチレン(CSM),フッ素ゴム(FKM),アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、必要性能に応じて、カーボンブラック等の補強剤,加硫剤,加硫促進剤,滑剤,助剤,可塑剤,老化防止剤等が適宜に選定される。
上記樹脂ブラケット2の形成材料としては、通常、補強材入りポリアミド樹脂が用いられるが、そのポリアミド樹脂としては、例えば、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン612,ナイロン11,ナイロン12,芳香族ナイロン,非晶質ナイロン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、必要に応じて、老化防止剤等を適宜に添加してもよい。
また、上記補強材としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維,カーボン繊維,アラミド繊維,ボロン繊維,アルミナ繊維,金属繊維,炭化珪素繊維等の繊維や、ウイスカー,カオリナイト,タルク,マイカ,カーボンナノチューブ等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。そのうち、例えば、上記繊維は、通常、短繊維(長さ0.3〜6mm程度,太さ1〜100μm程度)が用いられ、その配合量は、10〜60重量%程度とされる。
上記ラミネートフィルム1の金属箔1bの形成材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム,銅,ステンレス,ニッケル,錫,鉄等があげられる。そして、その厚みは、被覆時の作業性の観点から、7〜300μm程度に設定されることが好ましい。すなわち、7μmよりも薄いものは、被覆時の折り曲げに追従できず金属箔1bにクラックが生じ易く、逆に300μmよりも厚いものは、スプリングバック等が生じ易く、著しく作業性が劣る傾向にある。また、上記金属箔1bには、必要に応じて、エポキシ系接着剤等のカップリング処理を施してもよい。
また、ラミネートフィルム1の樹脂層1a,1cの形成材料としては、例えば、ポリオレフィン(ポリプロピレン等),ポリフェニレンサルファイド,ポリアミド,フッ素樹脂,エチレンビニルアルコールコポリマー,変性ポリオレフィン,変性フッ素樹脂等があげられる。なかでも、外部に露呈する側の樹脂層1aの形成材料としては、耐水性,耐熱性,耐塩化カルシウム性の観点から、ポリオレフィン,変性ポリオレフィン,ポリフェニレンサルファイド,低吸水ポリアミド(ナイロン11,ナイロン12,ナイロン912,芳香族ナイロン等),フッ素樹脂等が好ましく、なかでも特に、ポリオレフィン,ポリフェニレンサルファイド,フッ素樹脂が有効である。また、樹脂ブラケット2に接触する側の樹脂層1cの形成材料としては、ポリアミド樹脂との接着性に優れる観点から、ポリアミド,エチレンビニルアルコールコポリマー,変性ポリオレフィン,変性フッ素樹脂等が好ましく、なかでも特に、変性ポリオレフィンが有効である。そして、ラミネートフィルム1全体の厚みは、通常、37〜350μm程度に設定される。
なお、上記ラミネートフィルム1は、全面を被覆することが好ましいが、樹脂ブラケット2の一部が劣化しても防振装置として影響しない場合等には、被覆されない部分があってもよい。
また、上記実施の形態では、防振装置としてエンジンマウントについて説明したが、それ以外の用途で用いられてもよく、例えば、ミッションマウント,コンロッド,トルクロッド等に用いてもよい。また、自動車以外のものにおける防振装置として用いられてもよい。そして、それに伴って、防振装置の形状も、適宜変えてもよい。また、必ずしも、水分や熱等に晒される場所で使用する必要はない。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
〔実施例1〕
図1に示すエンジンマウントを作製するに際し、円筒状金具として外径24mm,内径12mm,長さ60mmの鉄製のものを準備するとともに、下記のラミネートフィルム,ゴム弾性体の形成材料および樹脂ブラケットの形成材料を準備した。
図1に示すエンジンマウントを作製するに際し、円筒状金具として外径24mm,内径12mm,長さ60mmの鉄製のものを準備するとともに、下記のラミネートフィルム,ゴム弾性体の形成材料および樹脂ブラケットの形成材料を準備した。
〔ラミネートフィルム〕
厚み15μmのアルミニウム箔の両面に、酸変性ポリプロピレン(三井化学社製、アドマーQF500)を押し出し(各厚み150μm)、ラミネート成形した。
厚み15μmのアルミニウム箔の両面に、酸変性ポリプロピレン(三井化学社製、アドマーQF500)を押し出し(各厚み150μm)、ラミネート成形した。
〔ゴム弾性体の形成材料〕
天然ゴム100重量部に対して、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、シースト3)35重量部,酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛1種)5重量部,ステアリン酸(花王社製、ルーナックS−30)2重量部,加硫促進剤(住友化学社製、ソクシノールCZ)0.7重量部,硫黄(鶴見化学工業社製、サルファックス200S)2重量部をニーダーおよび練りロール機を用いて混練することにより、ゴム弾性体の形成材料を調製した。
天然ゴム100重量部に対して、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、シースト3)35重量部,酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛1種)5重量部,ステアリン酸(花王社製、ルーナックS−30)2重量部,加硫促進剤(住友化学社製、ソクシノールCZ)0.7重量部,硫黄(鶴見化学工業社製、サルファックス200S)2重量部をニーダーおよび練りロール機を用いて混練することにより、ゴム弾性体の形成材料を調製した。
〔樹脂ブラケットの形成材料〕
ガラス繊維が45重量%配合されたナイロン66(東レ社製、アミランCM3001G−45)を準備した。
ガラス繊維が45重量%配合されたナイロン66(東レ社製、アミランCM3001G−45)を準備した。
そして、上記材料を用いて、つぎのようにしてエンジンマウントを作製した。
〔エンジンマウントの作製〕
上記実施の形態と同様にして、まず、円筒状金具の外周面に接着剤を塗布した後、上記ゴム弾性体の形成材料を加硫成形(150℃×30分間)することにより、円筒状金具が一体化したゴム弾性体(外径70mm)を得た。つぎに、そのゴム弾性体とナットの外周面にエポキシ系接着剤を塗布した後、成形金型内にセットし、上記樹脂ブラケットの形成材料を注入し、射出成形した(射出成形機のシリンダー温度:290℃,金型温度:80℃)。つぎに、得られた樹脂ブラケット(縦50mm×横120mm×高さ100mm)のうち外部に露呈した表面に、上記ラミネートフィルムを、160℃に設定したアイロンを用いて被覆させた。なお、このラミネートフィルムの接着力を、引張試験機(東洋精機社製)を用いて測定すると、19N/cmであった。
上記実施の形態と同様にして、まず、円筒状金具の外周面に接着剤を塗布した後、上記ゴム弾性体の形成材料を加硫成形(150℃×30分間)することにより、円筒状金具が一体化したゴム弾性体(外径70mm)を得た。つぎに、そのゴム弾性体とナットの外周面にエポキシ系接着剤を塗布した後、成形金型内にセットし、上記樹脂ブラケットの形成材料を注入し、射出成形した(射出成形機のシリンダー温度:290℃,金型温度:80℃)。つぎに、得られた樹脂ブラケット(縦50mm×横120mm×高さ100mm)のうち外部に露呈した表面に、上記ラミネートフィルムを、160℃に設定したアイロンを用いて被覆させた。なお、このラミネートフィルムの接着力を、引張試験機(東洋精機社製)を用いて測定すると、19N/cmであった。
〔比較例1〕
上記実施例1において、ラミネートフィルムを被覆させないものを比較例1とした。それ以外は、上記実施例1と同様とした。
上記実施例1において、ラミネートフィルムを被覆させないものを比較例1とした。それ以外は、上記実施例1と同様とした。
〔比較例2〕
上記比較例1のエンジンマウントにおいて、樹脂ブラケットのうち外部に露呈した表面に、アルミニウムをスパッタ処理した(厚み:0.2μm)。それ以外は、上記比較例1と同様とした。上記スパッタ処理は、つぎのようにして行った。すなわち、処理室内を一旦、到達圧力0.0012Pa(略真空状態)にした後、アルゴンガスを毎分59.5cm3 (0℃、1気圧)の流量で上記処理室内に供給して,反応ガス(アルゴンガス)圧0.67Paとなるようにした状態で、印加電力6kWとし、製膜した。
上記比較例1のエンジンマウントにおいて、樹脂ブラケットのうち外部に露呈した表面に、アルミニウムをスパッタ処理した(厚み:0.2μm)。それ以外は、上記比較例1と同様とした。上記スパッタ処理は、つぎのようにして行った。すなわち、処理室内を一旦、到達圧力0.0012Pa(略真空状態)にした後、アルゴンガスを毎分59.5cm3 (0℃、1気圧)の流量で上記処理室内に供給して,反応ガス(アルゴンガス)圧0.67Paとなるようにした状態で、印加電力6kWとし、製膜した。
〔樹脂ブラケットの吸水率〕
上記実施例1および比較例1,2の各エンジンマウントを、80℃の温水中に500時間浸漬した。そして、その浸漬の前後でエンジンマウントの重量を測定し、樹脂ブラケットの吸水率を求めた。その結果を下記の表1に表記した。なお、上記エンジンマウントの重量測定では、予め、上記円筒状金具が一体化したゴム弾性体の重量を測定しておき、その分を差し引いた。
上記実施例1および比較例1,2の各エンジンマウントを、80℃の温水中に500時間浸漬した。そして、その浸漬の前後でエンジンマウントの重量を測定し、樹脂ブラケットの吸水率を求めた。その結果を下記の表1に表記した。なお、上記エンジンマウントの重量測定では、予め、上記円筒状金具が一体化したゴム弾性体の重量を測定しておき、その分を差し引いた。
〔樹脂ブラケットの耐久性〕
上記温水への浸漬後、円筒状金具に金属棒を差し込み、90℃の雰囲気下で、2Hzの周波数にて上下方向に10kNの定荷重をかけ、樹脂ブラケットが破壊するまでの回数を測定した。その結果を下記の表1に表記した。
上記温水への浸漬後、円筒状金具に金属棒を差し込み、90℃の雰囲気下で、2Hzの周波数にて上下方向に10kNの定荷重をかけ、樹脂ブラケットが破壊するまでの回数を測定した。その結果を下記の表1に表記した。
〔被覆層の状態〕
上記耐久性の評価とともに、そのときのラミネートフィルム(実施例1)またはスパッタしたアルミニウム層(比較例2)の状態も評価した。その結果を下記の表1に表記した。
上記耐久性の評価とともに、そのときのラミネートフィルム(実施例1)またはスパッタしたアルミニウム層(比較例2)の状態も評価した。その結果を下記の表1に表記した。
上記表1の結果から、実施例1のエンジンマウントは、樹脂ブラケットの吸水率が低く、耐久性に優れていることがわかる。また、ラミネートフィルムに剥がれ等の異常もないことから、樹脂ブラケットとの接着力が高く、その変形や歪みに追従していることがわかる。これに対して、比較例1,2のエンジンマウントは、樹脂ブラケットの吸水率が高く、耐久性に劣っていることがわかる。また、比較例2では、スパッタしたアルミニウム層にクラックが発生していることから、樹脂ブラケットの振動や変形に追従できていず、防水効果がないことがわかる。
1 ラミネートフィルム
2 樹脂ブラケット
3 ゴム弾性体
2 樹脂ブラケット
3 ゴム弾性体
Claims (3)
- 加硫ゴム成形体と、それを支持するポリアミド樹脂成形体とが一体化された防振装置であって、上記ポリアミド樹脂成形体の外部に露呈した表面が、金属箔の両面を樹脂層でラミネートしたラミネートフィルムにより密着被覆されていることを特徴とする防振装置。
- 上記ラミネートフィルムのうち、外部に露呈する側の樹脂層が、ポリオレフィン,変性ポリオレフィン,ポリフェニレンサルファイド,ポリアミドまたはフッ素樹脂のいずれかからなる請求項1記載の防振装置。
- 上記ラミネートフィルムのうち、ポリアミド樹脂成形体に接触する側の樹脂層が、ポリアミド,エチレンビニルアルコールコポリマー,変性ポリオレフィンまたは変性フッ素樹脂のいずれかからなる請求項1または2記載の防振装置。
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- 2004-05-14 JP JP2004144648A patent/JP2005325922A/ja active Pending
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