JP2007177827A - 防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂成形体(樹脂ブラケット)が水分や塩化カルシウム等に接触しても所望の強度を発揮することができる防振装置を提供する。
【解決手段】防振機能を持つゴム弾性体3と、それを支持した状態で基体に固定する樹脂ブラケット2とが一体化された防振装置であって、上記樹脂ブラケット2は、ポリアミド樹脂を主成分とするコア層2aが、変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方を主成分とするスキン層2bにより被覆された被覆成形体からなるという構成をとる。
【選択図】図3
【解決手段】防振機能を持つゴム弾性体3と、それを支持した状態で基体に固定する樹脂ブラケット2とが一体化された防振装置であって、上記樹脂ブラケット2は、ポリアミド樹脂を主成分とするコア層2aが、変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方を主成分とするスキン層2bにより被覆された被覆成形体からなるという構成をとる。
【選択図】図3
Description
本発明は、防振装置に関するものであり、詳しくは自動車のエンジンマウント等として用いられる自動車用防振装置に関するものである。
従来から、自動車や鉄道車両等においては、剛性部品への振動・衝撃の伝達防止を目的とした各種形態の防振装置が用いられてきている。そして、そのような防振装置としては、金属材料からなる支持部材にゴムを加硫接着した金属材料・ゴム複合体よりなるものが数多く研究、開発され、実際に採用されている。しかし、最近では、特にエンジンマウント等の自動車用防振装置において、かかる防振装置の軽量化および製造コストの低減等を目的として、これまでの金属製支持部材(金属ブラケット等)に代えて、樹脂材料よりなる軽量の樹脂製支持部材(樹脂ブラケット等)を用いた、樹脂・ゴム複合体より構成される防振装置(エンジンマウント等)が多く採用されている。
上記樹脂・ゴム複合体よりなる防振装置において、軽量の樹脂製支持部材(樹脂ブラケット等)を構成する樹脂としては、各種の樹脂材料の中でも、特に耐熱性、耐久性等の優れているものが選択され、用いられることとなるが、現在では、ガラス繊維による補強性、加工時の射出成形性および耐薬品性に優れており、さらに生産コストを低く抑えることができる等の点から、ポリアミド樹脂の採用が有効とされている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−214494号公報
しかしながら、上記ポリアミド樹脂は、水分が存在する状態においては、吸水により力学的特性が低下するという問題があり、また、冬季に道路上に散布される融雪剤ないしは凍結防止剤たる塩化カルシウムによっても、その力学的特性が低下するという問題があった。そのため、ポリアミド樹脂・ゴム複合体より構成される自動車用防振装置にあっては、水分や塩化カルシウム等と接触することが比較的少ない部位においてのみ使用されるに止まり、その用途が非常に限定されていた。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、樹脂成形体(樹脂ブラケット)が水分や塩化カルシウム等に接触しても所望の強度を発揮することができる防振装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の防振装置は、防振機能を持つ加硫ゴム成形体と、それを支持した状態で基体に固定する樹脂成形体とが一体化された防振装置であって、上記樹脂成形体は、ポリアミド樹脂を主成分とするコア層が、変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方を主成分とするスキン層により被覆された被覆成形体からなるという構成をとる。
すなわち、本発明者らは、上記目的を達成するため、樹脂成形体(樹脂ブラケット)を中心に研究を続けたところ、吸水によって強度低下が問題となるポリアミド樹脂をコア層とし、これを吸水性の低い材料である、変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方を主成分とするスキン層で被覆してなる断面サンドイッチ形状の被覆成形体に着目し、この被覆成形体からなる樹脂ブラケットを用いると、好結果が得られることを突き止めた。すなわち、上記吸水性の低い材料を主成分とするスキン層により、コア層を形成するポリアミド樹脂に悪影響を与える水分等を遮断し、強度低下要因を低減することができる。また、上記変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方を主成分とするスキン層は、コア層を形成するポリアミド樹脂との融着性に優れるため、コア層とスキン層との界面での剥離等を抑制することができる。
ここで、本発明において、主成分とは、通常、全体の過半を占める成分のことをいい、全体が主成分のみからなる場合も含む意味である。
このように、本発明の防振装置は、樹脂成形体(樹脂ブラケット)のコア層を構成するポリアミド樹脂が、吸水性の低い材料である、変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方を主成分とするスキン層で被覆されている。そのため、ポリアミド樹脂から構成されるコア層は、水分等から保護され、それらによる強度や耐久性の低下を抑制することができる。また、上記スキン層用材料である変性ポリオレフィン樹脂や変性フッ素樹脂は、耐塩化カルシウム性にも優れるため、塩化カルシウムによるコア層の劣化も抑制することができる。その結果、樹脂成形体(樹脂ブラケット)を不要に厚肉化や幅広化する必要がなくなり、これら厚肉化等による弊害を減少等することができる。すなわち、樹脂ブラケットが不要に厚くならないため、防振装置の小型化および軽量化が可能となる。また、上記変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方を主成分とするスキン層は、コア層を形成するポリアミド樹脂との融着性に優れるため、コア層とスキン層との界面での剥離等を抑制することができる。また、ポリアミド樹脂成形体の剛性を長期にわたって維持することができるようになるため、共振周波数も長期にわたって変化が小さく、本発明の防振装置の防振効果を長期にわたって維持することができる。さらに、本発明の防振装置は、コア層を形成するポリアミド樹脂がスキン層で被覆されているため、コア層中に黒着色剤や耐候剤を配合する必要がなく、コストの上昇や強度低下を抑制することもできる。
また、上記樹脂成形体が、サンドイッチ成形法により形成されていると、コア層とスキン層の積層体からなる樹脂成形体を一体化して成形できるため、成形時間の短縮を図ることができる。
また、上記スキン層中に繊維状充填材が含有されていると、本発明の防振装置の強度がさらに向上する。
さらに、上記変性ポリオレフィン樹脂が、変性高密度ポリエチレン樹脂であると、特に吸水性が低いため、ポリアミド樹脂を主成分とするコア層への水分の遮断効果がより高くなる。
また、上記スキン層を形成する変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂が、エポキシ基,カルボン酸無水物残基,マレイン酸基,アクリル酸基,メタクリル酸基,アクリル酸エステル基,メタクリル酸エステル基および酢酸ビニル基からなる群から選ばれた少なくとも一つの官能基により変性されたものであると、スキン層/コア層間の親和性,およびスキン層/加硫ゴム成形体間の親和性がさらに向上し、強度の点でより良好となる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
図1および図2は、本発明の防振装置の一実施の形態を示すが、本発明の防振装置はこの実施の形態に何ら限定されるものではない。この防振装置は、防振機能を持つゴム弾性体(加硫ゴム成形体)3が、樹脂ブラケット(樹脂成形体)2で支持されたエンジンマウントである。すなわち、このエンジンマウントは、円筒状金具4の外周面に密着接合した略円筒状のゴム弾性体3と、このゴム弾性体3の外周面に密着接合しゴム弾性体3の外周面を被覆する樹脂ブラケット2とを備えており、樹脂ブラケット2を利用して車体等の基体に取着される。
本発明においては、上記樹脂ブラケット2が、図3(図2において丸で囲ったA部を矢符α方向に切断した断面図)に示すように、ポリアミド樹脂を主成分とするコア層2aと,変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方を主成分とするスキン層2bとからなる被覆成形体(樹脂ブラケット)2からなり、この被覆成形体2はいずれの個所も、その一端面から他端面にかけての断面形状が、図3に示すような、コア層2aを両側からスキン層2bで挟んだ断面サンドイッチ構造になっているのであって、これが最大の特徴である。
より詳しく述べると、この実施の形態では、図1および図2に示すように、上記樹脂ブラケット2の左右両側の斜面部には、厚肉化による内部欠陥の防止のために、凹部1が形成されている。また、上記樹脂ブラケット2の底部(図2では、下部)の4隅部には、ナット5が埋設されている。また、上記ゴム弾性体3は、円筒状金具4に密着接合する内側筒部3aと,樹脂ブラケット2に密着接合する外側筒部3bと,これらを2ヶ所で連結する連結部3cとからなっており、それらで囲まれている部分は、中空部3dとなっている。
上記エンジンマウントは、車体(図示せず)とエンジン(振動体、図示せず)との間に介装される。すなわち、上記樹脂ブラケット2の一部(図2では、樹脂ブラケット2の底部)が車体(基体)に固定〔樹脂ブラケット2に埋設されたナット5にボルト(図示せず)を螺合させることにより固定〕され、上記円筒状金具4がエンジン側ブラケット(図示せず)に固定され介装される。そして、エンジンの振動が、上記円筒状金具4に密着接合したゴム弾性体3により減衰され、車体に伝達されにくくなるという防振機能が発揮される。
つぎに、上記エンジンマウントの形成材料等について説明する。
上記ゴム弾性体3を形成するためのゴム弾性体用材料(ゴム組成物)としては、防振機能に優れたものが好ましく、例えば、天然ゴム(NR),ブタジエンゴム(BR),スチレンブタジエンゴム(SBR),イソプレンゴム(IR),アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR),カルボキシル変性NBR,クロロプレンゴム(CR),エチレンプロピレンゴム(EPM、EPDM),マレイン酸変性EPM,ブチルゴム(IIR),ハロゲン化IIR,クロロスルホン化ポリエチレン(CSM),フッ素ゴム(FKM),アクリルゴム,エピクロロヒドリンゴム等のゴムが用いられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
なお、上記ゴム組成物には、必要性能に応じて、カーボンブラック等の補強剤、加硫剤、加硫促進剤、滑剤、助剤、可塑剤、老化防止剤等を適宜に配合しても差し支えない。
また、上記樹脂ブラケット2(被覆成形体)のコア層2aの形成材料としては、ポリアミド樹脂が用いられる。上記ポリアミド樹脂としては、特に限定はなく、例えば、ナイロン6,ナイロン66,ナイロン610,ナイロン612,ナイロン11,ナイロン12,芳香族ナイロン,非晶質ナイロン等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記ポリアミド樹脂としては、補強材入りポリアミド樹脂を用いても差し支えない。上記補強材としては、特に限定されないが、例えば、ガラス繊維,カーボン繊維,アラミド繊維,ボロン繊維,アルミナ繊維,金属繊維,炭化珪素繊維等の繊維や、ウイスカー,カオリナイト,タルク,マイカ,カーボンナノチューブ等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。なお、上記繊維の配合量は、通常、10〜60重量%程度である。
また、本発明の要部となる上記樹脂ブラケット2(被覆成形体)のスキン層2bの形成材料としては、変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方が用いられる。
上記変性ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン樹脂やポリプロピレン(PP)樹脂等のポリオレフィン樹脂を官能基で変性させたものがあげられる。また、上記変性フッ素樹脂としては、例えば、エチレンテトラフルオロエチレン樹脂(ETFE)、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(THV)等のフッ素樹脂を官能基で変性させたものがあげられる。これらのなかでも、特に吸水性が低く、コア層2aへの水分の遮断効果がより高くなるという点から、変性HDPEが好適に用いられる。
上記変性ポリオレフィン樹脂もしくは変性フッ素樹脂の変性用官能基としては、スキン層2aを構成するポリアミド樹脂との親和性,およびゴム弾性体(加硫ゴム成形体)3との親和性が良好なものが好ましく、例えば、エポキシ基,カルボン酸無水物残基,マレイン酸基,アクリル酸基,メタクリル酸基,アクリル酸エステル基,メタクリル酸エステル基,酢酸ビニル基等があげられる。
なお、上記スキン層2bにも、ガラス繊維,カーボン繊維,アラミド繊維,ボロン繊維,アルミナ繊維,金属繊維,炭化珪素繊維等の繊維状充填材を配合しても差し支えない。上記繊維状充填材の配合量は、通常、10〜60重量%程度である。
また、上記スキン層2bには、黒着色剤や耐候剤等を適宜に配合しても差し支えない。
上記樹脂ブラケット2(被覆成形体)において、コア層2aの厚みは、通常、2〜20mmであり、好ましくは3〜12mmである。また、上記スキン層2bの厚みは、通常、0.1〜5mmであり、好ましくは0.2〜3mmである。
つぎに、前記図1〜図3に示した防振装置(エンジンマウント)の製法について説明する。すなわち、まず、円筒状金具4を準備し、その外周面(ゴム弾性体3と密着する部分に対応する部分)に接着剤等を塗布した後、その円筒状金具4をゴム弾性体3用の成形金型内の所定位置にセットする。そして、その成形金型内にゴム弾性体用材料を注入した後、所定の条件(例えば、150℃×30分間)で加硫することにより、円筒状金具4が一体化したゴム弾性体3を得る。
ついで、図4の構成図に示すように、樹脂ブラケット2被覆成形用の成形機(サンドイッチ成形用射出成形機)17を準備する。この成形機17は、コア層用ノズル11の外側に、スキン層用ノズル12が同心円状に配置された二重構造のノズルを備えている。そして、図2における、上記ゴム弾性体3(樹脂ブラケット2と密着する部分に対応する部分)に接着剤等を塗布した後、ナット5とともにこれらを図4の被覆成形金型15,16内の所定位置にそれぞれセットする。なお、図において、15は固定金型(上型)、16は可動金型(下型)を示す。つぎに、スキン層用材料である変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方を、スキン層用シリンダー14からスキン層用ノズル12を介して金型15,16のキャビティ内に射出する。その後に、コア層用材料であるポリアミド樹脂を、コア層用シリンダー13からコア層用ノズル11を介して金型15,16のキャビティ内に射出して成形する。その後、固定金型(上型)15から可動金型(下型)16を脱型する。このようにして、図2に示すようなエンジンマウントが得られる。このエンジンマウントの樹脂ブラケット2は、図3に示すように、コア層2aの外周がスキン層2bで被覆されてなる断面サンドイッチ構造になっている。
なお、上記製造工程において、各部材の作製順序は上記の製造例に限定されるものではなく、例えば、樹脂ブラケット2を成形した後、接着剤を塗布してから、ゴム弾性体3を加硫成形してもよい。
本発明の防振装置について、上記実施の形態では、エンジンマウントについて説明したが、本発明の防振装置は、それ以外の用途で用いてもよく、例えば、自動車の車両等のミッションマウント、ボディマウント、キャブマウント、メンバーマウント、コンロッド、トルクロッド、ストラットバークッション、センタベアリングサポート、トーショナルダンパー、ステアリングラバーカップリング、テンションロッドブッシュ、ブッシュ、バウンドストッパー、FFエンジンロールストッパー、マフラーハンガー等に用いてもよい。また、自動車の車両等以外のものにおける防振装置として用いても差し支えない。そして、それに伴って、防振装置の形状も、適宜変更しても差し支えない。また、本発明の防振装置は、必ずしも、水分や熱等に晒される場所で使用する必要もない。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔PA66GF50(コア層用材料もしくはスキン層用材料)〕
ガラス繊維が50重量%配合されたナイロン66(ビーエーエスエフジャパン社製、A3WG10)
ガラス繊維が50重量%配合されたナイロン66(ビーエーエスエフジャパン社製、A3WG10)
〔無水マレイン酸変性HDPE(スキン層用材料)〕
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ580)に、無水マレイン酸0.3重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ580)に、無水マレイン酸0.3重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
〔メタクリル酸変性HDPE(スキン層用材料)〕
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ580)に、メタクリル酸0.3重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ580)に、メタクリル酸0.3重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
〔メタクリル酸エステル変性HDPE(スキン層用材料)〕
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ580)に、メタクリル酸メチル0.3重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ580)に、メタクリル酸メチル0.3重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
〔エポキシ変性HDPE(スキン層用材料)〕
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ580)に、グリシジルメタクリレート0.3重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
HDPE(日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ580)に、グリシジルメタクリレート0.3重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
〔エポキシ変性ETFE(スキン層用材料)〕
ETFEに、グリシジルメタクリレート0.5重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド1重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
ETFEに、グリシジルメタクリレート0.5重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド1重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
〔無水マレイン酸変性HDPE GF50(スキン層用材料)〕
上記無水マレイン酸変性HDPEに、ガラス繊維(日東紡社製、CS3PE−957)を50重量%配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
上記無水マレイン酸変性HDPEに、ガラス繊維(日東紡社製、CS3PE−957)を50重量%配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
〔無水マレイン酸変性PP(スキン層用材料)〕
PP(サンアロマー社製、PM801A)に、無水マレイン酸0.3重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
PP(サンアロマー社製、PM801A)に、無水マレイン酸0.3重量%と、ジ−t−ブチルパーオキサイド0.5重量%とを配合し、二軸押出機を用いて溶融混練して調製した。
〔HDPE(スキン層用材料)〕
日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ580
日本ポリエチレン社製、ノバテックHJ580
〔実施例1〕
(ゴム弾性体用材料の調製)
天然ゴム100重量部(以下「部」と略す)に対して、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、シースト3)35部,酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛1種)5部,ステアリン酸(花王社製、ルーナックS−30)2部,加硫促進剤(住友化学社製、ソクシノールCZ)0.7部,硫黄(鶴見化学工業社製、サルファックス200S)2部を配合し、ニーダーおよび練りロール機を用いて混練することにより、ゴム弾性体用材料を調製した。
(ゴム弾性体用材料の調製)
天然ゴム100重量部(以下「部」と略す)に対して、HAFカーボンブラック(東海カーボン社製、シースト3)35部,酸化亜鉛(堺化学工業社製、酸化亜鉛1種)5部,ステアリン酸(花王社製、ルーナックS−30)2部,加硫促進剤(住友化学社製、ソクシノールCZ)0.7部,硫黄(鶴見化学工業社製、サルファックス200S)2部を配合し、ニーダーおよび練りロール機を用いて混練することにより、ゴム弾性体用材料を調製した。
(防振装置の作製)
前記図1〜図3に示した防振装置(エンジンマウント)を作製するに際し、円筒状金具として外径24mm,内径12mm,長さ60mmの鉄製のものを準備した。この円筒状金具の外周面(ゴム弾性体と密着する部分に対応する部分)に接着剤を塗布した後、その円筒状金具をゴム弾性体用の成形金型内の所定位置にセットした。そして、その成形金型内にゴム弾性体用材料を注入した後、150℃×30分間加硫することにより、円筒状金具が一体化したゴム弾性体を得た。つぎに、前記図4に示した樹脂ブラケット被覆成形用の成形機(サンドイッチ成形用射出成形機)を準備し、上記ゴム弾性体の外周面(樹脂ブラケットと密着する部分に対応する部分)に接着剤を塗布した後、ナットとともにこれらを上記被覆成形金型内の所定位置にそれぞれセットした。つぎに、スキン層用材料である無水マレイン酸変性HDPEをスキン層用シリンダーからスキン層用ノズルを介して金型のキャビティ内に射出した。続いて、コア層用材料であるPA66GF50を、コア層用シリンダーからコア層用ノズルを介して金型のキャビティ内に射出して成形した(シリンダー温度:290℃,金型温度:80℃)。このようにして、ゴム弾性体(加硫ゴム成形体)と樹脂ブラケット(樹脂成形体)とが一体化された防振装置(エンジンマウント)を作製した。この防振装置(エンジンマウント)の樹脂ブラケット(縦50mm×横120mm×高さ80mm)は、前記図3に示したように、コア層(厚み8mm)の外周がスキン層(厚み1mm)で被覆されてなる断面サンドイッチ構造になっている。
前記図1〜図3に示した防振装置(エンジンマウント)を作製するに際し、円筒状金具として外径24mm,内径12mm,長さ60mmの鉄製のものを準備した。この円筒状金具の外周面(ゴム弾性体と密着する部分に対応する部分)に接着剤を塗布した後、その円筒状金具をゴム弾性体用の成形金型内の所定位置にセットした。そして、その成形金型内にゴム弾性体用材料を注入した後、150℃×30分間加硫することにより、円筒状金具が一体化したゴム弾性体を得た。つぎに、前記図4に示した樹脂ブラケット被覆成形用の成形機(サンドイッチ成形用射出成形機)を準備し、上記ゴム弾性体の外周面(樹脂ブラケットと密着する部分に対応する部分)に接着剤を塗布した後、ナットとともにこれらを上記被覆成形金型内の所定位置にそれぞれセットした。つぎに、スキン層用材料である無水マレイン酸変性HDPEをスキン層用シリンダーからスキン層用ノズルを介して金型のキャビティ内に射出した。続いて、コア層用材料であるPA66GF50を、コア層用シリンダーからコア層用ノズルを介して金型のキャビティ内に射出して成形した(シリンダー温度:290℃,金型温度:80℃)。このようにして、ゴム弾性体(加硫ゴム成形体)と樹脂ブラケット(樹脂成形体)とが一体化された防振装置(エンジンマウント)を作製した。この防振装置(エンジンマウント)の樹脂ブラケット(縦50mm×横120mm×高さ80mm)は、前記図3に示したように、コア層(厚み8mm)の外周がスキン層(厚み1mm)で被覆されてなる断面サンドイッチ構造になっている。
〔実施例2〜7、比較例1,2〕
後記の表1に示すように、樹脂ブラケットのスキン層用材料を変更する以外は、実施例1に準じて、防振装置を作製した。
後記の表1に示すように、樹脂ブラケットのスキン層用材料を変更する以外は、実施例1に準じて、防振装置を作製した。
このようにして得られた実施例および比較例の防振装置を用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1に併せて示した。
〔破壊強度(水中浸漬後)〕
まず、前処理として、40℃の温水中に各防振装置を1000時間浸漬させた後、温水中より防振装置を取り出し、常温まで自然冷却した。そして、前処理後の防振装置を治具に固定し、金属の丸棒を、防振装置の円筒状金具内に挿入し、そのような状態で、丸棒を、図2において上方向に、20mm/minの速度にて、防振装置が破壊するまで引っ張り、その破壊時の応力を測定した。なお、破壊強度を測定するに際しては、常温の環境下にて行なった。
まず、前処理として、40℃の温水中に各防振装置を1000時間浸漬させた後、温水中より防振装置を取り出し、常温まで自然冷却した。そして、前処理後の防振装置を治具に固定し、金属の丸棒を、防振装置の円筒状金具内に挿入し、そのような状態で、丸棒を、図2において上方向に、20mm/minの速度にて、防振装置が破壊するまで引っ張り、その破壊時の応力を測定した。なお、破壊強度を測定するに際しては、常温の環境下にて行なった。
〔耐疲労性(水中浸漬後)〕
まず、前処理として、40℃の温水中に各防振装置を1000時間浸漬させた後、温水中より防振装置を取り出し、常温まで自然冷却させた後、前処理後の防振装置を治具に固定し、金属の丸棒を、防振装置の円筒状金具内に挿入し、その状態で、丸棒に対して、2Hzの周波数にて±10kNの荷重を、図2における上下方向に加え、樹脂ブラケットが破断するまでの回数を記録した。
まず、前処理として、40℃の温水中に各防振装置を1000時間浸漬させた後、温水中より防振装置を取り出し、常温まで自然冷却させた後、前処理後の防振装置を治具に固定し、金属の丸棒を、防振装置の円筒状金具内に挿入し、その状態で、丸棒に対して、2Hzの周波数にて±10kNの荷重を、図2における上下方向に加え、樹脂ブラケットが破断するまでの回数を記録した。
上記結果から、全ての実施例品は、ポリアミド樹脂を主成分とするコア層が、変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方を主成分とするスキン層により被覆された樹脂ブラケット(被覆成形体)を用いているため、水中浸漬後の破壊強度および耐疲労性に優れていた。なかでも実施例6品は、スキン層用材料として、ガラス繊維入りの無水マレイン酸変性HDPE(無水マレイン酸変性HDPE GF50)を用いているため、水中浸漬後の破壊強度および耐疲労性が最も優れていた。
これに対して、比較例1品は、PA66GF50が外部に露出しているため、水中浸漬後の破壊強度および耐疲労性が最も劣っていた。比較例2品は、無変性のHDPEを用いてスキン層を形成しているため、スキン層/ゴム弾性体間およびスキン層/コア層間の接着力が弱く、耐疲労性が劣るとともに、水中浸漬後の破壊強度も若干劣っていた。
本発明の防振装置は、自動車の車両等のエンジンマウント、ミッションマウント、ボディマウント、キャブマウント、メンバーマウント、コンロッド、トルクロッド、ストラットバークッション、センタベアリングサポート、トーショナルダンパー、ステアリングラバーカップリング、テンションロッドブッシュ、ブッシュ、バウンドストッパー、FFエンジンロールストッパー、マフラーハンガー等として、好適に用いられるが、自動車の車両等以外のものにおける防振装置として用いても差し支えない。
2 樹脂ブラケット
2a コア層
2b スキン層
3 ゴム弾性体
2a コア層
2b スキン層
3 ゴム弾性体
Claims (5)
- 防振機能を持つ加硫ゴム成形体と、それを支持した状態で基体に固定する樹脂成形体とが一体化された防振装置であって、上記樹脂成形体は、ポリアミド樹脂を主成分とするコア層が、変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂の少なくとも一方を主成分とするスキン層により被覆された被覆成形体からなることを特徴とする防振装置。
- 上記樹脂成形体が、サンドイッチ成形法により形成されている請求項1記載の防振装置。
- 上記スキン層中に繊維状充填材が含有されている請求項1または2記載の防振装置。
- 上記変性ポリオレフィン樹脂が、変性高密度ポリエチレン樹脂である請求項1〜3のいずれか一項に記載の防振装置。
- 上記スキン層を形成する変性ポリオレフィン樹脂および変性フッ素樹脂が、エポキシ基,カルボン酸無水物残基,マレイン酸基,アクリル酸基,メタクリル酸基,アクリル酸エステル基,メタクリル酸エステル基および酢酸ビニル基からなる群から選ばれた少なくとも一つの官能基により変性されたものである請求項1〜4のいずれか一項に記載の防振装置。
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