JP2014065269A - 防振用樹脂成形体の製法およびそれによって得られる防振用樹脂成形体、並びにそれを用いた防振装置 - Google Patents

防振用樹脂成形体の製法およびそれによって得られる防振用樹脂成形体、並びにそれを用いた防振装置 Download PDF

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Junichiro Suzuki
淳一朗 鈴木
Masayoshi Nakano
正義 中野
Kazutaka Katayama
和孝 片山
Koji Mizutani
幸治 水谷
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Abstract

【課題】より簡単かつ安価に、軽量で機械的強度に優れた防振用樹脂成形体を得ることのできる製法と、それによって得られる防振用樹脂成形体、並びにそれを用いた防振装置を提供する。
【解決手段】弾性部材1とこれを支受する樹脂ブラケット2とを備え、これらを防振すべき2つの部材間に連結するための第1、第2の締結部3、4が設けられた防振装置において、上記締結部3、4の少なくとも一方が、特殊な射出成形法によって得られた、機械的強度に優れた防振用樹脂成形体によって構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンマウント等に用いられる防振用樹脂成形体の製法およびそれによって得られる防振用樹脂成形体、並びにそれを用いた防振装置に関するものである。
従来、自動車に用いられるエンジンマウント等の防振装置において、エンジンマウント等と車体とを連結するための締結部には金属製のものが用いられてきたが、近年、軽量化および製造コストの低減等を目的として、この部分を樹脂製のものに置き換えることが検討されている。
しかしながら、樹脂は、通常、曲げ弾性率が低いため、樹脂製の締結部にボルトを締め込んで車体との連結を行った場合、応力緩和してボルトがすぐに緩んでしまうという問題がある。そこで、曲げ弾性率が高くてボルトが緩みにくく、しかも耐熱性,耐久性に優れた樹脂成形体として、ポリアミド等の熱可塑性樹脂にガラス繊維等の充填材を含有させた繊維強化樹脂を用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、防振用途に限定されないが、機械的強度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂を提供する技術もいくつか提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−260171号公報 特開平8−59847号公報
このような繊維強化熱可塑性樹脂からなる成形体を得るために、射出成形機に直接樹脂と充填材とを供給すると、樹脂と充填材の配合割合にばらつきが生じて成形品の品質が悪いものが混じるおそれがあるため、予め熱可塑性樹脂とガラス繊維等の充填材とを溶融混合してペレット化したものを、成形材料として射出成形機に供給することが一般的である。しかし、このようなペレットにおいて、樹脂に配合する充填材の割合を高くすると、ペレット状に成形することが困難となるため、充填材をある程度以上多く配合することができず、得られる成形品の機械的強度に限界がある、という問題を有している。
また、得ようとする成形品に要求される性能に応じて、樹脂や充填材の種類を変えたり、配合割合を変更したりしたい場合、その都度、組成の異なるペレットを用意しなければならず、コストと手間がかかるという問題もある。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、より簡単かつ安価に、軽量で機械的強度に優れた防振用樹脂成形体を得ることのできる製法と、それによって得られる防振用樹脂成形体、並びにそれを用いた防振装置の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、防振部材として用いられる防振用樹脂成形体の製法であって、材料供給部と、材料溶融部と、射出成形部とを備えた射出成形機を準備する工程と、上記射出成形機の材料供給部に、熱可塑性樹脂(A)と充填材(B)とを同時に、その割合(A/B)が重量基準で35/65〜10/90となるよう直接供給する工程とを備え、上記供給された熱可塑性樹脂(A)と充填材(B)とを、上記射出成形機の材料溶融部を経由させ、射出成形部において所定形状に射出成形するようにした防振用樹脂成形体の製法を第1の要旨とする。
また、本発明は、上記防振用樹脂成形体の製法によって得られる防振用樹脂成形体であって、熱可塑性樹脂(A)と充填材(B)とが含有されており、上記熱可塑性樹脂(A)と充填材(B)の割合(A/B)が重量基準で35/65〜10/90に設定されている防振用樹脂成形体を第2の要旨とする。
さらに、本発明は、二つの部材を、その二つの部材間で振動が抑制されるように連結するための防振装置であって、弾性部材とこれを支受する樹脂ブラケットとを備え、上記弾性部材には、これを片方の部材に連結するための第1の締結部が設けられ、上記樹脂ブラケットには、これを他方の部材に連結するための第2の締結部が設けられており、上記第1の締結部および第2の締結部の少なくとも一方の締結部が、上記防振用樹脂成形体によって形成されている防振装置を第3の要旨とする。
本発明の防振用樹脂成形体の製法によれば、従来、熱可塑性樹脂Aと充填材Bとが予め溶融混合されペレット状に成形された樹脂材料を用いて、防振用樹脂成形体を製造していたのに対し、これらA、Bを、そのまま同時に、直接射出成形機に供給して射出成形するようにしたものである。この方法によれば、熱可塑性樹脂Aと充填材Bとを予めペレット化する必要がないため、充填材Bを高い割合、すなわちA/Bが重量基準で35/65〜10/90となる割合で配合することができ、従来に比べて、非常に機械的強度に優れた防振用樹脂成形体を得ることができる。
そして、上記製法によれば、上記熱可塑性樹脂Aと充填材Bを、直接射出成形機に供給するため、得ようとする射出成形品に要求される用途に応じて、充填材の種類を変えたり、配合割合の異なるものを組み合わせたりすることを、簡単に行うことができ、低コストで効率よく、求める性能の射出成形品を得ることができる、という利点を有する。
なお、上記製法のなかでも、特に、上記射出成形機の材料溶融部に、材料を移送しながら圧縮溶融するためのスクリューが設けられており、上記スクリューによる圧縮比が1.4〜3.5となるように設定すると、熱可塑性樹脂Aに対する充填材Bの割合が多くても、上記スクリューによる材料の移送が滞らず、スムーズに射出成形を行うことができ、好適である。
また、上記製法のなかでも、特に、上記射出成形機において1回の射出成形が終了するごとに、上記材料供給部に、1回の射出成形分の熱可塑性樹脂Aと無機質充填材Bとを同時に直接供給するようにすると、連続供給する場合のように、大きさの小さな方から先に射出成形機内に入って両者の配合バランスが崩れ、得られる射出成形体の品質が不揃いになるような不都合が生じず、好適である。
そして、上記製法のなかでも、特に、上記射出成形機の射出成形部において、射出ノズル径を2.5〜7mmに設定すると、熱可塑性樹脂Aに対する充填材Bの割合が多くても、ノズル内に充填材Bが詰まりにくいため、スムーズに射出成形を行うことができ、好適である。
さらに、本発明の、上記製法によって得られる防振用樹脂成形体は、金属製のものに比べて軽量で、しかも機械的強度、耐久性、耐熱性等に優れており、防振装置における締結部等の防振部材として良好に使用することができる。そして、これを上記締結部に用い、ボルト等を挿通して締結した場合、長期にわたってボルト等が緩むことがない。
また、本発明の防振装置によれば、この装置を、防振すべき2つの部材間に連結するための第1、第2の締結部が、熱可塑性樹脂Aに対する充填材Bの割合の高い、機械的強度に優れた防振用樹脂成形体によって構成されているため、締結部が緩んでくるようなことがなく、長期にわたって優れた防振性能を発揮することができる。しかも上記締結部が金属製のものに比べて、軽量である。
そして、上記防振装置のなかでも、特に、上記樹脂ブラケットと、防振用樹脂成形体からなる締結部とが、二色成形によって一体化されたものは、両者が簡便に一体化されており、効率よく得ることができる。
本発明の防振装置の一実施の形態を示す外観斜視図である。 本発明に用いられる射出成形機の一例を模式的に示す説明図である。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明の防振装置を、車体とエンジンとの間に取り付けられるエンジンマウントに適用した一実施の形態の示している。上記エンジンマウントは、エンジンで発生する振動を吸収・低減して車体側にできるだけ伝達しないようにする役割を果たすもので、振動を吸収・低減するための弾性部材1と、これを支受する樹脂ブラケット2とを備えている。
そして、上記弾性部材1の中央には、これをエンジンに連結するための第1の締結部3が設けられ、上記樹脂ブラケット2の、肉抜きされた左右の凹部2a内には、これを車体に固定するための第2の締結部4が、それぞれ設けられている。
より詳しく説明すると、上記第1の締結部3は、円筒状の樹脂成形体で構成されており、その外周面が、上記弾性部材1と接合一体化されている。そして、この締結部3の中央貫通孔3aと、エンジン側に設けられたブラケット(図示せず)の貫通孔とを位置合わせした状態で、2つの貫通孔にまたがってボルトを挿通してナットをら合させて共締めすることによって、エンジンと、この防振装置の弾性部材1とが連結されるようになっている。
また、上記第2の締結部4は、外周に回り止めの角部がついたリング形状の樹脂成形体で構成されており、その側周面が、上記樹脂ブラケット2と接合一体化されている。そして、この締結部4に、車体側の貫通孔に挿通されたボルトを通し、上方にナットを置いて締め込むことによって、車体と、この防振装置の樹脂ブラケット2とが連結されるようになっている。
ここで、上記第1、第2の締結部3、4に用いられる樹脂成形体は、熱可塑性樹脂とこれを補強する充填材とを成形材料として、特殊な射出成形によって得られたものであり、これが、本発明の最大の特徴である。
上記特殊な射出成形によって締結部3、4となる樹脂成形体を得る方法の一例を説明する。まず、成形材料として、熱可塑性樹脂Aと充填材Bとを準備する。また、図2に示すような、材料供給部10と、材料溶融部11と、射出成形部12とを備えた射出成形機13を準備し、その射出成形部12に、目的とする形状を賦形するための金型(図示せず)を組み付ける。なお、上記材料供給部10には、熱可塑性樹脂Aを待機させるためのホッパー14と、充填材Bを待機させるためのホッパー15とが設けられており、それぞれ、熱可塑性樹脂Aと充填材Bとを所定量ずつ下方の供給ホッパー16に投入できるよう断続的に送り動作を行うフィーダー機構17、18が設けられている。
上記射出成形機13を用い、まず、上記熱可塑性樹脂Aと充填材Bとを、上記ホッパー14、15から、1回分の射出量ずつ、ワンショットごとに、射出成形機13上の供給ホッパー16内に、同時に供給する。そして、射出成形機13内に供給された成形材料を、材料溶融部11を経由させて、熱可塑性樹脂Aを溶融し充填材Bと混合させながら前方(図において向かって左側)に移送し、上記射出成形部12の先端に設けられた射出ノズル12aから金型内に噴射し、冷却して脱型することにより、目的とする樹脂成形体を得ることができる。
上記熱可塑性樹脂Aとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル/スチレン樹脂(AS)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂(ABS)、メタクリル樹脂(PMMA)、塩化ビニル樹脂(PVC)等の汎用樹脂、ポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)等の汎用エンジニアリング樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリアリレート(PAR)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)等のスーパーエンジニアリング樹脂等があげられる。
これらの熱可塑性樹脂Aは、単独で用いても2種以上を組み合わせてもよい。そして、なかでも、剛性、成形性、充填材Bとのなじみ性等の点から、ポリアミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート等が好適に用いられ、なかでも、ポリアミドが最適である。そして、これらの熱可塑性樹脂Aには、必要に応じて、熱安定剤、酸化防止剤、結晶核剤、強化材、顔料、着色防止剤、耐候剤、可塑剤、離型剤、滑剤等の添加剤を配合することができる。
また、上記熱可塑性樹脂Aとともに用いられる充填材Bとしては、ガラス繊維(GF)、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、金属繊維、炭化珪素繊維、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、シリカ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、ワラストナイト、ウイスカー、カオリナイト、タルク、マイカ、カオリン、ハイドロタルサイト、モンモリナイト、クレー、カーボンナノチューブ、ミルドファイバー、低融点ガラス等があげられる。
これらの充填材Bも、単独で用いても2種以上を組み合わせてもよい。そして、なかでも、成形体の機械的強度向上、軽量化の点、あるいは樹脂とのなじみ性の点から、ガラス繊維、タルク等が好適である。そして、充填材Bは、そのままで用いても、ハンドリング性を考慮してその表面を集束剤等によって処理したものであってもよい。
そして、上記充填材Bの形状が繊維状である場合は、その平均繊維径が0.005〜0.05mm、平均繊維長さが0.01〜4mmのものが、効果の点と成形性の点で好適である。また、同様の理由から、充填材Bの形状が粒状である場合は、その平均粒子性が0.002〜1mmのものが好適である。なお、これらの値は、サンプル(n=300)を取り出して計測される実測値の平均値として求められる。
また、上記熱可塑性樹脂Aと充填材Bとは、両者の割合(A/B、重量基準)が、35/65〜10/90となるよう用いることが必要である。すなわち、従来の射出成形方法では、予め両者を溶融混合しペレット化したものを成形材料とするため、ペレット化のための成形上の制約から、熱可塑性樹脂Aよりも充填材Bを多く配合することが困難で、一般に、両者の割合(同上)は、50/50〜80/20程度に設定されている。このため、そのようなペレットを成形材料として用いて得られる樹脂成形体は、機械的強度に限界がある。
これに対し、本発明では、上述のように、射出成形機13に対し、熱可塑性樹脂Aと充填材Bとを、ペレット化せずに、同時に直接供給するようにしたため、上記のように充填材Bの割合を多くすることができる。したがって、充填材Bの含有割合の高い樹脂成形体を得ることができ、防振装置の締結部3、4に使用した場合、優れた耐久性を発揮するのである。
なお、熱可塑性樹脂Aと充填材Bとを、射出成形機13に直接供給すると、両者の組み合わせによっては、射出成形機13内における熱可塑性樹脂Aの動き方と充填材Bの動き方にずれが生じることがある。そこで、両者を、供給時の配合割合を保ちながら溶融・移送して射出成形するために、先にも述べたように、1ショット分の材料を、各ホッパー14、15(図2参照)から射出成形機13側の供給ホッパー16に供給し、1ショットが終了するまでは、供給を停止して、供給ホッパー16側に余分な材料が入らないようにすることが好適である。供給ホッパー16に余分な材料が溜まると、異質な2種類の材料のうち細かい方(通常、充填材Bの方)が先に材料溶融部11に入っていくおそれがあるからである。
また、上記射出成形機13において、材料溶融部11には、通常、材料を移送しながら圧縮溶融するためのスクリュー11aが設けられているが、このスクリュー11aによる圧縮比は、1.4〜3.5に設定することが好ましく、特に、1.5〜2.8に設定することが最適である。すなわち、熱可塑性樹脂Aに対する充填材Bの割合が多いため、圧縮比が大きすぎると、充填材Bが詰って移動が遅れるため、好ましくない。また、逆に圧縮比が小さすぎると、溶融混練に時間がかかって好ましくない。なお、上記「圧縮比」とは、スクリュー11aと、射出成形機13の胴体壁13aとの間に形成される隙間のうち、最も大きい部分D1と最も狭い部分D2との割合(D1/D2)をいう。
さらに、上記射出成形機13の射出成形部12において、射出ノズル12aのノズル径は、2.5〜7.0mmに設定することが好ましく、特に、3.0〜6.0mmに設定することが最適である。すなわち、射出ノズル12aのノズル径が小さすぎると、射出時に射出圧が高くなりすぎるおそれがあり、好ましくない。また、逆に、ノズル径が大きすぎると、鼻たれ(ドルーリング)が生じて成形性が悪くなるおそれがある。
上記特殊な射出成形方法によって得られる樹脂成形体は、機械的強度、耐久性、耐熱性等に優れており、防振装置における締結部等の防振部材として良好に使用することができる。
したがって、このようにして得られた樹脂成形体を、図1に示すエンジンマウントの第1、第2の締結部3、4に用い、ボルト等を挿通して締結した場合、長期にわたって、その締結部3、4が緩むことがなく、長期にわたって良好に使用することができる。
なお、図1に示すエンジンマウントは、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、第1の締結部3および第2の締結部4を射出成形により成形する。そして、上記第1の締結部3の外周面(弾性部材1との密着予定部分)に接着剤を塗布した後、上記第1の締結部3を弾性部材1用の成形金型内の所定位置にセットする。そして、その成形金型内に未加硫ゴムを注入して加硫することにより、第1の締結部3と一体化した弾性部材1を得る。
つぎに、上記弾性部材1の外周面(樹脂ブラケット2との密着予定部分)に接着剤を塗布した後、第1の締結部3が一体化された弾性部材1と、一対の第2の締結部4とを、樹脂ブラケット2用の成形金型内の所定位置にそれぞれセットする。そして、上記成形金型内に、樹脂ブラケット2を成形するための成形材料(例えばポリアミド樹脂)を射出成形する。これにより、上記第1の締結部3が一体化された弾性部材1と、第2の締結部4が一体化された樹脂ブラケット2とを一体化する。このようにして、目的とするエンジンマウントを得ることができる。
ここで、上記弾性部材1の成形材料としては、例えば、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、カルボキシル変性NBR、水添アクリロニトリルブタジエンゴム(H−NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、マレイン酸変性EPM、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化IIR、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。また、必要に応じて、カーボンブラック等の補強剤、加硫剤、加硫促進剤、滑剤、助剤、可塑剤、老化防止剤等を適宜に添加してもよい。
また、上記樹脂ブラケット2の成形材料としては、ポリアミド樹脂の外、各種の熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、前述の、締結部3、4の成形材料である熱可塑性樹脂Aと同様の熱可塑性樹脂があげられる。そして、上記熱可塑性樹脂は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。もちろん、締結部3、4の成形材料である熱可塑性樹脂Aと同一のものを用いても異なるものを用いてもよい。
そして、上記熱可塑性樹脂には、締結部3、4の場合と同様、各種の充填材を用いることができる。具体的には、前述の、締結部3、4の成形材料である充填材Bと同様の充填材があげられる。そして、上記充填材は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。もちろん、締結部3、4の成形材料である充填材Bと同一のものを用いても異なるものを用いてもよい。
なお、上記エンジンマウントは、上記の製法に限らず、例えば二色成形法によっても得ることができる。すなわち、まず、弾性部材1用の成形金型を用い、その中に未加硫ゴムを注入して加硫することにより、弾性部材1を得る。
つぎに、上記弾性部材1の外周面(樹脂ブラケット2との密着予定部分)と内周面(締結部3、4との密着予定部分)に接着剤を塗布した後、これを二色成形用の金型(第1段階に樹脂ブラケット2を射出成形し、第2段階で締結部3、4を射出成形することができるよう設定された金型)内の所定位置にセットする。そして、この金型内に、樹脂ブラケット2用を成形するための成形材料(例えばポリアミド樹脂)を射出成形した後、金型の一部を交換して、引き続き、締結部3、4用の成形材料を射出成形する。これにより、上記第1の締結部3が一体化された弾性部材1と、第2の締結部4が一体化された樹脂ブラケット2とを一体化する。このようにして、目的とするエンジンマウントを得ることができる。
上記二色成形法によれば、締結部3、4を単体として射出成形する場合に比べて、効率がよく、短時間で、互いの部材が強固に一体化したものを得ることができ、好適である。
なお、上記二色成形法において、金型の組み方によっては、弾性部材1をセットした金型内において、先に第1、第2の締結部3、4を射出成形し、つぎに樹脂ブラケット2を射出成形するようにしても差し支えない。
また、上記のエンジンマウントにおいて、第1、第2の締結部3、4のうち、一方は、上記特殊な射出成形品ではなく、金属製のものを用いることができる。少なくとも一方の締結部を、本発明の特殊な樹脂成形体に置き換えることによって、その部分が軽量化され、一定の効果を得ることができるからである。
その場合は、従来法によって準備した締結部(3もしくは4)と弾性部材1とを金型内にセットし、樹脂ブラケット2と、本発明の特殊な射出成形による締結部(4もしくは3)とを、上記と同様にして二色成形することにより、目的とするエンジンマウントを得ることができる。また、本発明の特殊な射出成形によって準備した締結部(4もしくは3)と、従来法によって準備した締結部(3もしくは4)と、弾性部材1とを、金型内にセットし、樹脂ブラケット2を射出成形することにより、目的とするエンジンマウントを得ることができる。
さらに、上記の例は、本発明を、防振装置であるエンジンマウントの締結部に適用したものであるが、本発明を適用することのできる防振装置は、上記エンジンマウントに限らない。例えば、ミッションマウント、ボディマウント、キャブマウント、メンバーマウント、デフマウント、コンロッド、トルクロッド、ストラットバークッション、センタベアリングサポート、トーショナルダンパー、ステアリングラバーカップリング、テンションロッドブッシュ、ブッシュ、バウンドストッパー、FFエンジンロールストッパー、マフラーハンガー、スタビライザーリンクロッド、ラジエータサポート、コントロールアーム、サスペンションアーム等があげられる。また、自動車以外のものにおける防振装置にも適用することができる。例えば、航空宇宙業界、電気・電子機器業界、建築業界、産業機器業界、造船業界、ロボット業界等において用いられる防振装置でもよい。そして、それに伴って、防振装置の形状や、それに用いる締結部の形状や配置も、図1に示すものとは異なっていてもよい。そして、本発明の樹脂成形体は、これらの防振装置の締結部に限らず、各種の防振部材に用いることができる。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
〔実施例1〜9、比較例1、2〕
後記の表1〜3に示す射出成形用の成形材料を準備し、図2に示す射出成形機13を用いて、熱可塑性樹脂Aと充填材Bとを同時に、直接供給して射出成形することにより、ISO規格のダンベルを作製した。なお、表1〜3において、組成の数値の単位は重量部である。
なお、上記射出成形機13において、スクリュー11aによる圧縮比は、いずれも2.5とした。また、噴射ノズル径は5mmである。
〔比較例3〜5〕
後記の表3に示す成形材料を準備し、二軸押出し成形機(日本製鋼所社製、TEX30)によりペレットを作製した後、射出成形機(住友重機械工業社製、SH100)を用いて射出成形することにより、実施例と同様のISO規格のダンベルを作製した。ただし、上記射出成形機の、スクリューによる圧縮比は、いずれも3.0、噴射ノズル径は3mmである。
このようにして得られた各ダンベルを用いて、その引張強度(ISO527に準拠)と曲げ弾性率(ISO178に準拠)を測定するとともに、その比重を測定した。また、実施例1〜9、比較例1、2の各例における射出成形時の成形性を、「○…良好」、「やや劣る…△」、「劣る…×」の3段階で評価した。そして、比較例3〜5の各例については、ペレット作製時の押出し成形時の成形性について、同様にして評価した。これらの結果を、後記の表1〜3に併せて示す。
また、上記実施例、比較例と同様にして、図1に示すエンジンマウント用の第1の締結部3となる円筒状の成形品と、第2の締結部4となる外周に回り止めの角部が付いたリング形状の成形品を得た。そして、これらの成形品を用いて、図1に示すエンジンマウントを得た。そして、厚み2.3mmの鋼材(第2の締結部4に相当する部分にボルト挿通用の穴を有する)の上に、上記エンジンマウントを載置し、上記第2の締結部4のリング形状部分に、鋼材の下からM12のボルトを通し、上側にナットを置いて締めることによって、鋼材上にエンジンマウントを固定した。このものを、60℃のオーブン内に48時間放置した後、取り出して、その締め付け部分の状態を、「○…ボルトナットと第2の締結部4との間に隙間がなく、手で回すことができない。」、「×…ボルトナットと第2の締結部4との間に隙間ができて、手で回すことができる。」の2段階で評価した。これらの結果を、下記の表1〜3に併せて示す。
Figure 2014065269
Figure 2014065269
Figure 2014065269
上記の結果から、実施例1〜9品はいずれも軽量であり、引張強度、曲げ弾性率も概ね良好で、機械的強度に優れていることがわかる。一方、比較例1品は、熱可塑性樹脂Aと充填材Bとを射出成形機に直接供給して射出成形したものであるが、充填材Bの割合が低いため、曲げ弾性率が低く、ボルト緩み試験の評価が悪いものとなっている。また、比較例2品は、熱可塑性樹脂Aの割合が低すぎるため、成形できなかった。
さらに、比較例3品は、充填材Bの割合が低いため、押出し成形によるペレットの成形性は良好であるが、曲げ弾性率が低く、ボルト緩み試験の評価が悪いものとなっている。そして、比較例4品は、ペレット化はできたものの、いずれの評価も悪くなっている。また、比較例5品は、ペレット化することができなかった。
本発明は、エンジンマウント等の防振装置であって、車体等との連結部に用いられる締結部を樹脂製にしたものに利用することができる。
1 弾性部材
2 樹脂ブラケット
3 第1の締結部
4 第2の締結部

Claims (8)

  1. 防振部材として用いられる防振用樹脂成形体の製法であって、材料供給部と、材料溶融部と、射出成形部とを備えた射出成形機を準備する工程と、上記射出成形機の材料供給部に、熱可塑性樹脂(A)と充填材(B)とを同時に、その割合(A/B)が重量基準で35/65〜10/90となるよう直接供給する工程とを備え、上記供給された熱可塑性樹脂(A)と充填材(B)とを、上記射出成形機の材料溶融部を経由させ、射出成形部において所定形状に射出成形するようにしたことを特徴とする防振用樹脂成形体の製法。
  2. 上記射出成形機の材料溶融部に、材料を移送しながら圧縮溶融するためのスクリューが設けられており、上記スクリューによる圧縮比が1.4〜3.5となるよう設定した請求項1記載の防振用樹脂成形体の製法。
  3. 上記射出成形機において1回の射出成形が終了するごとに、上記材料供給部に、1回の射出成形分の熱可塑性樹脂(A)と無機質充填材(B)とを同時に、直接供給するようにした請求項1または2記載の防振用樹脂成形体の製法。
  4. 上記射出成形機の射出成形部において、射出ノズル径を2.5〜7mmに設定した請求項1〜3のいずれか一項に記載の防振用樹脂成形体の製法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の防振用樹脂成形体の製法によって得られる防振用樹脂成形体であって、熱可塑性樹脂(A)と充填材(B)とが含有されており、上記熱可塑性樹脂(A)と充填材(B)の割合(A/B)が重量基準で35/65〜10/90に設定されていることを特徴とする防振用樹脂成形体。
  6. 上記防振用樹脂成形体が、防振装置の締結部に用いられるものである請求項5記載の防振用樹脂成形体。
  7. 二つの部材を、その二つの部材間で振動が抑制されるように連結するための防振装置であって、弾性部材とこれを支受する樹脂ブラケットとを備え、上記弾性部材には、これを片方の部材に連結するための第1の締結部が設けられ、上記樹脂ブラケットには、これを他方の部材に連結するための第2の締結部が設けられており、上記第1の締結部および第2の締結部の少なくとも一方の締結部が、上記請求項6記載の防振用樹脂成形体によって形成されていることを特徴とする防振装置。
  8. 上記樹脂ブラケットと、防振用樹脂成形体からなる締結部とが、二色成形によって一体化されている請求項7記載の防振装置。
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