JP2004257541A - スタビライザブッシュ - Google Patents

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JP2004257541A JP2003052079A JP2003052079A JP2004257541A JP 2004257541 A JP2004257541 A JP 2004257541A JP 2003052079 A JP2003052079 A JP 2003052079A JP 2003052079 A JP2003052079 A JP 2003052079A JP 2004257541 A JP2004257541 A JP 2004257541A
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Naoki Nishi
直樹 西
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Abstract

【課題】軸直角方向のばね特性を硬くし、さらにスタビライザバーのスタビライザブッシュに対する滑りによる異音の発生を抑え、スタビライザブッシュの位置ずれや、ばね特性の低下を防止できるスタビライザブッシュを提供する。
【解決手段】スタビライザブッシュ10は、軸方向に貫通する中心軸孔12を有する筒状のゴム弾性体本体11と、筒形状であって周方向の1箇所にて軸方向両端間に延びた線状の切欠き部22を設け、ゴム弾性体本体内に中心軸孔の径方向外方にて中心軸孔を囲んで埋設された補強部材21とを設けている。ゴム弾性体本体は、補強部材及びその切欠き部を含めた近傍に設けた空隙部17により、軸心側の内側ゴム部15と外周側の外側ゴム部16と分離されている。内側ゴム部は、低摩擦係数の自己潤滑ゴムにより形成されており、外側ゴム部は通常のゴム材料により形成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のスタビライザバーの外周に嵌合固定される筒状のゴム弾性本体を有し、ゴム弾性体本体の外周側に装着されたブラケットにより車体側部材に固定されて、スタビビライザバーを車両上下方向に弾性支持するスタビライザブッシュに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のスタビライザブッシュにおいては、スタビライザバーの軸直角入力に対して動かないようにすることによって車両の操縦安定性と乗り心地を高めるために、軸直角方向のばね特性は硬いことが望ましい。そのために、例えば特許文献1,2等に示すように、ゴム弾性体内に中心軸孔の径方向外方にて中心軸孔を囲んで埋設された断面C字形状や一対の円弧状形状のインターリング金具を設けたスタビライザブッシュが知られている。
【0003】
一方、スタビライザバーの捩り入力に対してはスタビライザブッシュを低トルク即ち低摩擦とすることが望ましく、それによりスタビライザバーのスタビライザブッシュに対する滑りによる異音の発生を抑えることができる。ここで、スタビライザブッシュを、通常のゴム材料により形成すると、スタビライザバーの捩り入力に対する低トルクの実現が困難である。また、スタビライザブッシュを、いわゆる自己潤滑ゴムといわれる通常のゴム材料より摩擦係数の低いゴム材料により形成すると、スタビライザブッシュを車体側に取り付けるために装着されるブラケットに対してスタビライザブッシュに滑りが生じ、スタビライザブッシュの位置ずれが生じたり、そのばね特性が低くなったりするという問題がある。
【0004】
これに対して、例えば特許文献3に示すように、筒状のゴム弾性体を、内周部と外周部とに分け、内周部を高摺動性ゴム(低摩擦係数ゴム)で形成し,外周部を通常のゴムで形成したスタビライザブッシュが知られている。これにより、高摺動性の内周部により、スタビライザバーのスタビライザブッシュに対する滑りによる異音の発生を抑えることができ、摺動性が低い外周部により、ブラケットに対するスタビライザブッシュの滑りを抑えて、スタビライザブッシュの位置ずれや、ばね特性の低下を防止することができる。しかし、このスタビライザブッシュの場合、内周部の高摺動性ゴムと、摺動性の低い外周部のゴムとを同一金型内に注入して成形するため、両者が混ざり合ったり、またそれぞれのゴムを成形後、両者を後から接着したとしても、インターリング金具がないため、スタビライザブッシュの軸直角方向のばね特性が低いという問題がある。
【0005】
これに対して、例えば特許文献4に示すように、円筒形の樹脂製の補強部材により、ゴム弾性体の高摺動性ゴムからなる内周部と低摺動性の通常のゴムからなる外周部とを分離したスタビライザブッシュが知られている。これにより、内周部と外周部とが混ざり合うことがなく、内周部及び外周部が、それぞれ上記機能を適正に発揮することができる。しかし、このスタビライザブッシュは、補強部材が円筒形であるため、ゴム弾性体にスタビライザバーへの装着のための分離部を形成する際、ゴム弾性体の切断と同時に補強部材を切断する必要があり、切断の手間が大きい。このような補強部材の切断の手間を避けるために、補強部材を、隙間を有する切欠き部を設けた断面略C形状とすることができる。しかし、この場合、隙間により、内周部と外周部とが接触することにより、両者が混ざり合うという問題が生じる。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−46110号公報(第2頁、図3,6)
【特許文献2】
特開2002−321516号公報(第2頁、図1)
【特許文献3】
特開平10−82441号公報(第2頁、図1,3)
【特許文献4】
特開平11−82625号公報(第2頁、図3,6)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した問題を解決しようとするもので、軸直角方向のばね特性を硬くすることができ、さらにスタビライザバーのスタビライザブッシュに対する滑りによる異音の発生を抑え、スタビライザブッシュの位置ずれや、ばね特性の低下を確実に防止することができるスタビライザブッシュを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、軸方向に貫通する中心軸孔を有する筒状のゴム弾性体本体からなり、中心軸孔にて車両のスタビライザバーの外周に嵌合固定され、ゴム弾性体部の外周に装着されたブラケットにより車体側部材に固定されるスタビライザブッシュにおいて、筒形状であって周方向の1箇所又は2箇所にて軸方向両端間に延びると共に周方向に隙間を有する切欠き部を設け、ゴム弾性体本体内に、中心軸孔の径方向外方にて中心軸孔を囲んで埋設されてゴム弾性体本体を内側ゴム部と外側ゴム部とに分離する補強部材と、ゴム弾性体本体の外周面から一つの切欠き部を経て中心軸孔に達すると共に軸方向両端に延びたゴム弾性体本体を周方向に分離可能にする分離部と、補強部材の切欠き部を含む径方向の内外の近傍部分にて内側及び外側ゴム部を分離する空間である空隙部とを備え、さらに、内側ゴム部のみが、低摩擦係数のゴム材料により形成されたことにある。なお、摩擦係数が低いゴム材料には、ゴムに不飽和脂肪酸アミドを含有させた自己潤滑ゴムや、ゴムに合成ワックスを配合したもの、熱硬化型ポリウレタンエラストマにシリコーンオイルを配合したもの等があるが、自己潤滑ゴムが好適に用いられる。
【0009】
上記のように構成した請求項1の発明においては、低摩擦係数のゴム材料により形成された内側ゴム部が、補強部材及び補強部材の切欠き部を含む径方向内外の近傍部分に設けた空隙部によって、通常のゴム材料により形成された外側ゴム部から完全に分離されており、内側及び外側ゴム部がそれぞれ相手側によって悪影響を受けることがない。そのため、低摩擦係数の内側ゴム部により、スタビライザバーのスタビライザブッシュに対する滑りによる異音の発生を抑えることができ、通常のゴム材料の外側ゴム部により、ブラケットに対するスタビライザブッシュの滑りを抑えて、スタビライザブッシュの位置ずれや、ばね特性の低下を防止することができる。また、補強部材は、切欠き部に周方向の隙間を有することにより、ゴム弾性体本体の切断の際に補強部材を切断する必要がないため、ゴム弾性体本体の切断が容易に行われる。また、ゴム弾性体本体の中心軸孔の径方向外方にて中心軸孔を囲んで補強部材が配設されているため、ゴムブッシュの軸直角方向のばね特性が硬くされる。
【0010】
また、上記請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載のスタビライザブッシュにおいて、内側ゴム部及び外側ゴム部のいずれか一方が先に加硫成形され、その後、先に加硫成形された成形品が別の成形金型内に装着されていずれか他方が加硫成形される2段階の成形により、内側ゴム部と外側ゴム部が別個に形成されたものであることにある。このように、異なった種類の内側ゴム部と外側ゴム部とが、2段階で別個に形成されることにより、両者を一体で成形するめの専用の加硫成形装置は必要ではなく、通常の加硫成形装置で対応できるため、設備のコストが安価にされる。
【0011】
また、上記請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1又は2に記載のスタビライザブッシュにおいて、補強部材が、径方向の対向する2箇所に設けた一対の切欠き部により2分割されており、さらに内側ゴム部が、一対の切欠き部の境界において、空隙部により周方向に互いに分離されたものであることにある。これにより、補強部材が2分割されており、それぞれに内側ゴム部が形成されていることにより、分割された部分を別個に形成して、外側ゴム部形成時に成形金型にセットすればよい。そのため、内側ゴム部を形成するための加硫成形に用いられる成形金型の構造が簡易にされ、そのコストが削減される。
【0012】
また、上記請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、前記請求項1から3のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュにおいて、ゴム弾性体本体の分離部全体が、周方向に隙間を設けており、ゴム弾性体本体のゴム加硫成形時に成形金型により同時に形成されたことにある。これにより、ゴム弾性体本体の分離部の形成をゴム加硫成形とは別個に行う必要がないので、分離部形成の手間が省かれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1,図2は、第1実施形態である自動車のサスペンション装置に設けたスタビライザバーに装着されるスタビライザブッシュ10を車両左右方向から見た図(正面図)及び車両前後方向から見た図(側面図)により示したものであり、また、図3は、スタビライザブッシュ10の車体への組み付け状態をそれぞれ正面図により示したものである。以下、図1〜3において、上下方向をスタビライザブッシュ10の上下方向に合せるものとする。
【0014】
スタビライザブッシュ10は、軸方向に貫通する中心軸孔12を有する筒状のゴム弾性体本体11と、筒形状であって周方向の1箇所にて軸方向両端間に延びた切欠き部14を設け、ゴム弾性体本体11内に中心軸孔12の径方向外方にて中心軸孔を囲んで埋設された補強部材21とを設けている。ゴム弾性体本体11は、補強部材21により、軸心側の内側ゴム部15と外周側の外側ゴム部16とに区分されている。
【0015】
ゴム弾性体本体11は、軸直角断面形状がそれぞれ長方形と半円形である上下に配列された直方体部分11aと半円筒部分11bとが一体的に組み合わされており、直方体部分11aの高さ寸法は、スタビライザブッシュ10の車体側部材への組付け時の寸法よりわずかに大きめに形成されている。ゴム弾性体本体11の直方体部分11aと半円筒部分11bの境界の中心位置には、所定内径の円形の中心軸孔12が、直方体部分11aと半円筒部分11bとに跨ると共に軸方向両端間を貫通して配設されている。
【0016】
また、ゴム弾性体本体11の軸方向両端側には、直方体部分11aの対向する両側縁及びこれに続く半円筒部分11bの外周縁から外方に突出すると共に所定の軸方向厚さを有するU字状の一対のフランジ部13が一体で設けられている。ゴム弾性体本体11の両フランジ部13に挟まれた凹んだ部分は、後述するブラケット3が装着される装着部11cとなる。そして、ゴム弾性体本体11の直方体部分11aと半円筒部分11bの境界には、分離部14が、一方の外周面(図1の右端縁)から中心軸孔12に達すると共に軸方向両端に延びて配設されており、ゴム弾性体本体11を分断している。
【0017】
補強部材21は、ゴム弾性体本体11の中心軸孔12から径方向外方にわずかに離間した位置にて中心軸孔12を囲んで同軸状に、かつ軸方向両端に延びて埋設されている。補強部材21は、ゴム弾性体本体11の分離部14と重なり合う位置に切欠き部22を設けた軸直角断面が略C形状である。切欠き部22は、周方向にわずかに延びた隙間を有しており、この隙間により分離部14を挟んでいる。また、補強部材21の軸方向両端は、ゴム弾性体本体11の軸方向両端面からわずかに外側に突出している。補強部材21は、スタビライザブッシュのスタビライザバーへの装着作業の容易さ及びスタビライザブッシュ軽量化の観点から、柔軟性が高くかつ軽量である樹脂材料製とすることが好ましい。樹脂材料としては、例えばポリアミド6(PA6)、ポリアミド66(PA66)等が用いられ、また、それら樹脂材料に補強のためにガラス繊維等を加えたものも採用される。ただし、場合によっては、樹脂材料に替えて金属製材料とすることも可能である。
【0018】
ゴム弾性体本体11は、補強部材21により、軸心側の低摩擦係数の自己潤滑ゴムにより形成された内側ゴム部15と、通常のゴム材料により形成された外周側の外側ゴム部16とに区分されている。さらに、補強部材21の切欠き部22を含む径方向の近傍の内側及び外側ゴム部15,16には、切欠き部22に沿って軸方向両端に延びた空隙部17が設けられている。このように、補強部材21がゴム弾性体本体11の軸方向両端から外方に突出しており、さらに空隙部17が設けられたことにより、内側及び外側ゴム部15,16が互いに混ざり合わないように完全に分離されている。
【0019】
つぎに、スタビライザブッシュ10の形成について説明する。まず、補強部材21を、軸方向両端にて第1成形金型(図示しない)にセットし、自己潤滑ゴム材料を用いてゴム加硫成形を行うことにより、内側ゴム部15が一体で形成される。つぎに、内側ゴム部15の形成された補強部材21を、その切欠き部22を第2成形金型(図示しない)の分離部14形成部分に位置合せし、軸方向両端にて第2成形金型にセットし、通常のゴム材料を用いてゴム加硫成形を行うことにより、外側ゴム部16が一体で形成される。さらに、ゴム弾性体本体11を切断して分離部14を形成することにより、スタビライザブッシュ10が得られる。
【0020】
スタビライザブッシュ10は、ゴム弾性体本体11の分離部14を外方に押し広げることにより、中心軸孔12にて車両のサスペンション装置側(図示しない)に固定されたスタビライザバー1の所定位置に嵌め合わされる。その際、同時に補強部材21も切欠き部22にて外方に押し広げられが、補強部材21は樹脂製であるため、金属製の場合に比べて非常に容易に外方に広げられる。そのため、スタビライザブッシュ10のスタビライザバー1への取り付けの作業の負担が大幅に軽減されその作業性が高められる。
【0021】
さらに、スタビライザバー1に固定されたスタビライザブッシュ10は、図3に示すように、ブラケット3を用いて、車体側部材2に固定される。ブラケット3は、金属厚板を曲げ加工することにより形成され、その内側面がゴム弾性体本体11の装着部11c外周面と略同一形状である断面U字状の嵌合部4と、嵌合部4の両端部から直角に外方に延びた一対の取付部5を一体で設けている。取付部5には、取付孔(図示しない)が設けられている。
【0022】
スタビライザブッシュ10の車体側部材2への固定は、ブラケット3の嵌合部4をスタビライザブッシュ10の装着部11cに嵌め合せて、さらに取付部5を車体側部材2に押付けてスタビライザブッシュ10を圧縮した状態で、取付部5の取付孔にボルト6を挿入し、ボルト6に車体側部材2の反対側からナット7を螺合して締め付けることにより行われる。このようにスタビライザバー1と車体側部材2間に組付けられたスタビライザブッシュ10により、サスペンション装置側からの振動の車体側への伝播を抑えることができる。さらに、スタビライザブッシュ10は、ゴム弾性体本体11の中心軸孔12の径方向外方にて中心軸孔を囲んで補強部材21が配設されているため、軸直角方向のばね特性が硬くされる。そのため、車両の操縦安定性が高められると共に、車両の乗り心地が良好に確保される。さらに、本実施形態においては、補強部材21が樹脂製であるため、従来に比べてスタビライザブッシュ10の重量が軽くされ、車両の軽量化に寄与することができる。
【0023】
そして、上記実施形態においては、低摩擦係数のゴム材料により形成された内側ゴム部15が、補強部材21及び空隙部17によって完全に外側ゴム部16から分離されており、内側及び外側ゴム部15,16がそれぞれ相手側によって悪影響を受けることがない。そのため、スタビライザバー1からの斜め方向振動に対して、低摩擦係数の内側ゴム部15により、スタビライザブッシュ10の滑りによる異音の発生が抑えられる。また、通常のゴム材料の外側ゴム部16により、ブラケット3に対するスタビライザブッシュ10の滑りが抑えられ、スタビライザブッシュ10の位置ずれや、ばね特性の低下が確実に防止される。また、補強部材21の切欠き部22に隙間を設けたことにより、ゴム弾性体本体11の切断の際に補強部材21を切断する必要がないため、ゴム弾性体本体11の切断が容易に行われる。
【0024】
つぎに、第2実施形態について説明する。
第2実施形態においては、図4に示すように、補強部材24が、径方向の対向する2箇所で分割された略半円形状の一対の補強板25により構成されており、さらに自己潤滑ゴム製の内側ゴム部27も同様に径方向の2箇所で分離されて一対の補強板25に接着形成された略半円筒形状の一対の円弧ゴム部28により構成されている。円弧ゴム部28は、所定の第1成形金型(図示しない)に1つの補強板25をセットして加硫成形を行うことにより形成される。そして、円弧ゴム部28が接着された一対の補強板25を、別の第2成形金型(図示しない)にセットして、通常のゴム材料を用いて加硫成形することにより外側ゴム部16が形成される。この状態で、一対の補強板25の周方向端部間には、内側ゴム部27の切欠き部を構成する一対の隙間26が設けられる。この隙間26を含む一対の円弧ゴム部28の周方向端部間、及び外側ゴム部16内に延びた部分が空隙部18になる。また、一対の円弧ゴム部28の内周面により、中心軸孔29が形成される。
【0025】
以上に説明したように、第2実施形態によれば、1つの補強板25を第1成形金型にセットして円弧ゴム部28を形成し、外側ゴム部16形成時に、円弧ゴム部28が接着された一対の補強板25を第2成形金型にセットすればよい。そのため、内側ゴム部27を形成するための第1成形金型の構造が簡易にされ、そのコストが削減される。また、本実施形態においては、補強部材24が一対の補強板25に分割されていることにより、ゴム弾性体本体11の分離部14を外方に押し広げてスタビライザバー1に嵌め合わせる際に、補強部材21には力が作用しないため、スタビライザブッシュ10のスタビライザバー1への取り付けの作業の負担がさらに軽減されその作業性が一層高められる。この効果については、補強部材21が金属製の場合に特に大きい。
【0026】
また、上記第2実施形態の変形例について説明する。変形例においては、図6に示すように、補強部材24は、第2実施形態に示したものと同様であるが、内側ゴム部31は、中心軸孔32を有する一体で円筒形状になっており、一対の補強板25の内面に接着固定されている。一対の補強板25の隙間26を含む径方向両側には、空隙部19が内側及び外側ゴム部31,16に延びて設けられている。このように、内側ゴム部31は一対の補強板25に加硫成形されるものであり、成形金型についての第2実施形態に示した効果は得られないが、スタビライザブッシュ10のスタビライザバー1への取り付けの作業の負担が軽減されその作業性が高められる効果が得られる。
【0027】
つぎに、第3実施形態について説明する。
第3実施形態においては、図7に示すように、上記第1実施形態において、中心軸孔35を有するゴム弾性体本体34の分離部について、内側ゴム部36及び外側ゴム部37に、加硫成形の際に2つの成形金型の構造により同時にそれぞれ隙間を有する分離部38,39を形成し、さらにこの分離部38,39に両ゴム部36,37を分離する空間部としての機能を持たせたものである。このように、分離部38,39が、ゴム弾性体本体34のゴム加硫成形時に、成形金型により同時に形成されたことにより、分離部38,39の形成をゴム加硫成形とは別個に行う必要がないので、分離部38,39形成の手間が省かれる。なお、ゴム弾性体本体の分離部を加硫成形と同時に形成する本実施形態については、上記第2実施形態及び変形例にも適用することができる。
【0028】
なお、上記各実施形態においては、補強部材の軸方向両端は、ゴム弾性体本体の軸方向両端からわずかに突出しているが、ゴム弾性体本体の軸方向両端位置に合わせてもよく、またゴム弾性体本体両端わずか内側内に配置されてもよい。その他、上記実施形態に示したスタビライザブッシュについては、一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
【0029】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、低摩擦係数のゴム材料により形成された内側ゴム部が、補強部材及び空隙部によって完全に通常のゴム材料の外側ゴム部から分離されているため、内側ゴム部により、スタビライザバーのスタビライザブッシュに対する滑りによる異音の発生を抑えることができ、外側ゴム部により、スタビライザブッシュの位置ずれや、ばね特性の低下を防止することができる。
【0030】
また、内側ゴム部及び外側ゴム部のいずれか一方を先に加硫成形した後、先に加硫成形された成形品を別の成形金型内に装着して、いずれか他方を加硫成形させる2段階で、異なった種類の内側ゴム部と外側ゴム部とが別個に形成されることにより、通常の加硫成形装置で対応できるため、設備のコストが安価にされる(請求項2の発明の効果)。さらに、補強部材が2分割されており、それぞれに内側ゴム部が形成されていることにより、それぞれの部分を別個に形成することができるため、加硫成形に用いられる成形金型の構造が簡易にされ、そのコストが削減される(請求項3の発明の効果)。また、ゴム弾性体本体の分離部の形成をゴム加硫成形と同時に行うことにより、分離部形成の手間が省かれる(請求項4の発明の効果)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるスタビライザブッシュを示す車両左右方向から見た図(正面図)である。
【図2】同スタビライザブッシュを示す車両前後方向から見た図(側面図)である。
【図3】スタビライザブッシュの車体側への組付け状態を示す一部破断面図である。
【図4】第2実施形態であるスタビライザブッシュを示す正面図である。
【図5】同スタビライザブッシュを示す側面図である。
【図6】変形例であるスタビライザブッシュを示す正面図である。
【図7】第3実施形態であるスタビライザブッシュを示す正面図である。
【符号の説明】
1…スタビライザバー、2…車体側部材、3…ブラケット、10…スタビライザブッシュ、11…ゴム弾性体本体、12…中心軸孔、14…分離部、15…内側ゴム部、16…外側ゴム部、17,18,19…空隙部、21…補強部材、22…切欠き部、24…補強部材、25…補強板、26…隙間、27…内側ゴム部、28…円弧ゴム部、31…内側ゴム部、34…ゴム弾性体本体、36…内側ゴム部、37…外側ゴム部、38,39…分離部。

Claims (4)

  1. 軸方向に貫通する中心軸孔を有する筒状のゴム弾性体本体からなり、前記中心軸孔にて車両のスタビライザバーの外周に嵌合固定され、前記ゴム弾性体部の外周に装着されたブラケットにより車体側部材に固定されるスタビライザブッシュにおいて、
    筒形状であって周方向の1箇所又は2箇所にて軸方向両端間に延びると共に周方向に隙間を有する切欠き部を設け、前記ゴム弾性体本体内に、前記中心軸孔の径方向外方にて該中心軸孔を囲んで埋設されて該ゴム弾性体本体を内側ゴム部と外側ゴム部とに分離する補強部材と、
    前記ゴム弾性体本体の外周面から前記一つの切欠き部を経て前記中心軸孔に達すると共に軸方向両端に延びた該ゴム弾性体本体を周方向に分離可能にする分離部と、
    前記補強部材の切欠き部を含む径方向の内外の近傍部分にて前記内側及び外側ゴム部を分離する空間である空隙部とを備え、
    さらに、前記内側ゴム部のみが、低摩擦係数のゴム材料により形成されたことを特徴とするスタビライザブッシュ。
  2. 前記内側ゴム部及び外側ゴム部のいずれか一方が先に加硫成形され、その後、先に加硫成形された成形品が別の成形金型内に装着されていずれか他方が加硫成形される2段階の成形により、前記内側ゴム部と外側ゴム部が別個に形成されたものであることを特徴とする前記請求項1に記載のスタビライザブッシュ。
  3. 前記補強部材が、径方向の対向する2箇所に設けた一対の前記切欠き部により2分割されており、さらに前記内側ゴム部が、該一対の切欠き部の境界において、前記空隙部により周方向に互いに分離されたものであることを特徴とする前記請求項1又は2に記載のスタビライザブッシュ。
  4. 前記ゴム弾性体本体の分離部全体が、周方向に隙間を設けており、該ゴム弾性体本体のゴム加硫成形時に成形金型により同時に形成されたことを特徴とする前記請求項1から3のいずれか1項に記載のスタビライザブッシュ。
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