JP4218358B2 - 筒形防振装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はゴムブッシュを筒形の相手部材に圧入し嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置に関し、特にゴムブッシュの外筒が樹脂にて構成されたものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、剛性の外筒及び内筒と、それら外筒及び内筒間に配置されたゴム弾性体とを有するゴムブッシュを、外筒の外面において筒形の剛性の相手部材に圧入して、ゴムブッシュを相手部材にて嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置が、自動車のトレーリングアームブッシュ,トルクロッドブッシュ等のサスペンションブッシュやエンジンマウント等として広く用いられている。
【0003】
この種の筒形防振装置は、従来ゴムブッシュの外筒,内筒,相手部材が何れも金属製であり、ゴムブッシュの外筒を所定の締め代で相手部材に圧入すると、外筒の外面と相手部材の内面との間に発生する強い摩擦力に基づいてゴムブッシュが相手部材から抜け防止される。
【0004】
ところで、近年ゴムブッシュの外筒を樹脂化することが検討されており、この場合、樹脂から成る外筒の弾性復元力が応力緩和により低下し、更に熱影響を受けることにより大きく応力緩和を生じ、初期には所定の締め代をもって圧入したとしても、その後の経時変化により外筒の相手部材に対する弾性復元力が低下し、抜き力が低下してしまう問題が内在する。
【0005】
この問題の対策の一例が下記特許文献1に開示されている。
図13はその具体例を示している。同図において200はゴムブッシュで、金属製の内筒202と、その外周面に一体に固着されたゴム弾性体204と、更にそのゴム弾性体204の外周面に一体に固着された樹脂製の外筒206とを有している。
208は金属製の筒形をなす相手部材で、ゴムブッシュ200は、この相手部材208内部に圧入されて嵌合状態に保持されている。
【0006】
樹脂製の外筒206は、軸方向端部(図中下端部)に鍔部210を有しており、その鍔部210の、相手部材208の軸端面への当接によって図13中上方向へのゴムブッシュ200の抜けが防止されている。
また外筒206はこれとは反対側の軸方向端部且つ相手部材208から軸方向に突き出した部分に、互いに逆方向に傾斜する傾斜面214,216を備えた部分的に厚肉の係合部218を有しており、ゴムブッシュ200を相手部材208に圧入した後においてこの係合部218を相手部材208の軸端面、詳しくは鍔部210とは反対側の軸端面に係合させることによって、ゴムブッシュ200を相手部材208から図13中下方向への抜け防止をなしている。
【0007】
【特許文献1】
実開平5−77637号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらこの特許文献1に開示のものは、相手部材208に対するゴムブッシュ200の回止めが特になされておらず、相手部材208に対して圧入されたゴムブッシュ200の樹脂製の外筒206の弾性復元力が応力緩和により低下したとき、かかるゴムブッシュ200が相手部材208に対し相対回転してしまう恐れが生ずる。
【0009】
また図13に示す筒形防振装置の場合、外筒206の一部、詳しくは係合部218の部分が相手部材208から軸方向に突き出して外部に露出し、外気に曝されていることから劣化を生じ易い問題の他、相手部材208から突き出して露出した部分に飛び石等が当ったりして割れを生じ易い問題がある。
【0010】
更にこの筒形防振装置の場合、必然的にゴムブッシュ200の軸方向長、詳しくは鍔部210を除いた部分の軸方向長が相手部材208よりも長くなければならず、形状的な制約を受ける問題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の筒形防振装置はこのような課題を解決するために案出されたものである。
而して請求項1のものは、全周に亘り連続した環状をなす樹脂製の外筒と、内筒と、それら外筒及び内筒間に配置されたゴム弾性体とを有するゴムブッシュを、該外筒の外面において筒形の剛性の相手部材に圧入して該ゴムブッシュを該相手部材にて嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置において、前記相手部材の内面に、径方向外方に凹陥した形態の凹陥部を軸方向に部分的に且つ全周に亘り連続して形成して、該凹陥部と非凹陥部との境界部に段付面から成る軸方向係合用の全周に亘り連続した面をなす第1の係合面を形成する一方、前記外筒の外面を該相手部材への圧入前の状態で前記非凹陥部よりも大径となし、樹脂の弾性を利用して該外筒を縮径させながら該相手部材内部に圧入して、該外筒の外面形状を該相手部材の内面形状に倣った段付形状に弾性変形させ、該外筒に前記第1の係合面に対応した形状の段付面から成る全周に亘り連続した面をなす第1の被係合面を形成して該第1の係合面とともに第1の係合部を構成せしめ、それら第1の係合面及び第1の被係合面を軸方向に係合させるとともに、軸方向の他の位置において前記相手部材と外筒とにそれら第1の係合面及び第1の被係合面の係合の向きとは軸方向において逆向きに係合する全周に亘り連続した面をなす第2の係合面及び第2の被係合面を形成してそれらにより第2の係合部を構成せしめ、且つ前記第1の係合部及び第2の係合部の少なくとも何れか一方における係合面及び被係合面を軸直角方向に対して傾斜し且つ全周に亘り連続した面をなす傾斜面として、周方向に係合して回止めをなす第3の係合面及び第3の被係合面となし、それらにより第3の係合部を構成せしめたことを特徴とする。
【0012】
請求項2のものは、請求項1において、前記第1の係合部及び第2の係合部における前記第3の係合部を形成していない側の係合面及び被係合面を、軸直角方向の面として形成したことを特徴とする。
【0013】
請求項3のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記相手部材の軸端面及び該軸端面に重合する鍔付ゴムブッシュにおける前記外筒の鍔部の重合面を、前記第2の係合面及び被係合面となしたことを特徴とする。
【0014】
請求項4のものは、請求項3において、前記第2の係合面及び被係合面を前記回止め用の第3の係合面及び被係合面となしてあることを特徴とする。
【0015】
請求項5のものは、請求項3において、前記第1の係合面及び被係合面を前記回止め用の第3の係合面及び被係合面となしてあり、前記第2の係合面及び被係合面を軸直角方向の面となしてあることを特徴とする。
【0016】
請求項6のものは、請求項1,2の何れかにおいて、前記相手部材の軸方向の一端部に第1の凹陥部を、他端部に第2の凹陥部を前記凹陥部としてそれぞれ全周に亘り連続して設けて、それら凹陥部と軸方向中間部の非凹陥部との境界部に、軸方向において互いに逆向きをなす前記第1の係合面と前記第2の係合面とを形成して、それらを前記外筒に形成された対応する前記第1の被係合面と前記第2の被係合面とに係合させ、且つ前記第1の係合部及び第2の係合部の少なくとも何れか一方における係合面及び被係合面、前記第3の係合面及び被係合面となしてあることを特徴とする
【0017】
求項のものは、請求項1〜の何れかにおいて、前記外筒の外面を前記相手部材への圧入前の状態で実質的に軸方向のストレート形状となしてあることを特徴とする。
【0018】
請求項のものは、請求項1,2,6及び7の何れかにおいて、前記ゴムブッシュが前記外筒の軸方向端に鍔部を有しない鍔無しのものであることを特徴とする。
【0019】
【作用及び発明の効果】
以上のように本発明は、ゴムブッシュにおける樹脂製の外筒を相手部材に圧入して、その外筒の外面形状を相手部材の内面形状に倣った段付形状に弾性変形させ、以って相手部材の段付面からなる第1の係合面に対して軸方向に係合する第1の被係合面を外筒に形成するとともに、これとは軸方向の他の位置において相手部材と外筒とに、それら第1の係合面及び被係合面の係合の向きとは軸方向において逆向きに係合する第2の係合面及び被係合面を形成し、且つ上記第1の係合面及び被係合面からなる第1の係合部および第2の係合面及び被係合面からなる第2の係合部の少なくとも何れか一方における係合面及び被係合面を全周に亘り連続した面をなす傾斜面とし、周方向に係合して回止めをなす第3の係合面及び被係合面として形成したものである。
【0020】
かかる本発明によれば、圧入後の外筒を相手部材に対し軸方向の一方向にも、またこれとは反対向きの他方向にも良好に抜止めすることができる。
また本発明では、周方向に係合して回止めをなす第3の係合部が上記第1の係合部及び第2の係合部の少なくとも何れか一方に形成してあるため、軸方向の抜けと併せてゴムブッシュを回転方向にも移動阻止することができる。
【0021】
また本発明は、第1の係合部において相手部材の内面と外筒の外面とを係合させるものであり、従って図13に示す筒形防振装置のように、係合部を相手部材より軸方向外側に突き出した部分に設けることによって、その係合部が外気に曝されて劣化し、また飛び石等が当って割れを生じるなどの問題を回避することが可能となる。
また少なくとも第1の係合部を設けることによって、それだけ外筒即ちゴムブッシュが軸方向に長くなってしまうといった問題も解決することが可能となる。
【0022】
ここで第1の係合部及び第2の係合部における上記第3の係合部を形成していない側の係合面及び被係合面は、軸直角方向の面となしておくことができる(請求項2)。
【0023】
また本発明では、相手部材の軸端面及びこれに重合するゴムブッシュの外筒の鍔部の重合面を、上記第2の係合面及び被係合面となすことができる(請求項3)。
【0024】
この場合において第2の係合面及び被係合面、即ち相手部材の軸端面及びゴムブッシュの鍔部の重合面を、軸直角方向に対して傾斜した傾斜面となしてそれら第2の係合面及び被係合面、つまり相手部材の軸端面及びゴムブッシュの鍔部の重合面全体に亘って上記第3の係合面及び被係合面を形成しておくことができる(請求項4)。
【0025】
或いはまた請求項5に従って上記段付面からなる第1の係合面及び被係合面を傾斜面となして、それら全体に亘り回止め用の第3の係合面及び被係合面を形成しておく一方、前記第2の係合面及び被係合面を軸直角方向の面となしておくことができる。
【0026】
一方請求項6のものは、相手部材の軸方向の一端部に第1の凹陥部を、他端部に第2の凹陥部を設けることによって、軸方向に互いに逆向きをなす第1の係合面と第2の係合面とを形成し、またゴムブッシュの外筒に対応した第1の被係合面と第2の被係合面とを形成してそれらを互いに係合させ、ゴムブッシュを相手部材から軸方向の一方向と他方向とに抜止めするとともに、第1の係合部及び第2の係合部の少なくとも何れか一方における係合面及び被係合面、回止め用の第3の係合面及び被係合面として形成したもので、この場合においてもゴムブッシュを軸方向の一方向と他方向との両方向に良好に抜止めすることができるとともに、併せて相手部材に対するゴムブッシュの回転移動を阻止することができる。
【0027】
この請求項6によれば、ゴムブッシュとして外筒が軸方向端部に鍔部を有しないものを用いることも可能となる(請求項)。
而してそのような鍔部を有しないゴムブッシュを用いることができれば、筒形防振装置におけるゴムブッシュの形状を単純化でき、ゴムブッシュに要するコストを低減することができるとともに、相手部材に対してゴムブッシュを圧入する際の方向性が制約されなくなり、圧入作業性も良好となる
【0028】
た本発明において、外筒の外面を相手部材への圧入前の状態で実質的に軸方向のストレート形状となしておくことができる(請求項)。
【0029】
【実施例】
次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく説明する。
この例は自動車のトーションビーム式リヤサスペンションにおけるトレーリングアームと車体との連結部分に用いられる筒形防振装置の例で、図2はゴムブッシュ10を、図3は図2のゴムブッシュ10を圧入すべき相手部材12を、図1は図3の相手部材12に図2のゴムブッシュ10を圧入して組み付けた状態をそれぞれ示している。
尚、図1において14は相手部材12から延び出したアームである。
【0030】
図3に示しているように、相手部材12は全体としてゴムブッシュ10に対応した円筒形状をなしている。
ここで相手部材12はその全体が金属にて構成されている。
相手部材12の内面には、軸方向の一端部(図3(B)中右端部)に、径方向外方に凹陥した環状の凹陥部(第1の凹陥部)16が設けられており、かかる凹陥部16と非凹陥部18との境界に段付面が形成されている。
ここで凹陥部16は図4に示しているように軸方向長がLとされている。
【0031】
本例において、この段付面は第1の係合面20を成すものである。ここで段付面からなる第1の係合面20は軸直角方向の面とされている。
本例において、この凹陥部16を設けたのとは反対側の軸端面は第2の係合面22とされている。
この第2の係合面22は、図4に示しているようにその全体が軸直角方向に対し角度θで傾斜する傾斜面をなしている。
即ち本例では第2の係合面22の全体が同時に回止め用の第3の係合面24を成している。
【0032】
ここで凹陥部16の内径D(図4参照)は、圧入前のゴムブッシュ10の外筒28の外径d(この例では直径67mm)と等しい寸法とされている。
一方非凹陥部18の内径Dは、外筒28の外径dよりも小さい寸法、具体的にはここでは直径65mmの寸法とされている。
尚凹陥部16の軸方向長Lは、相手部材12全体の軸方向長Lの1/2よりも若干小さい寸法とされている。
但しLの寸法は適宜変更可能である。
【0033】
一方ゴムブッシュ10は、図2に示しているように円筒形状をなす内筒26と、同じく円筒形状をなす外筒28と、それらの間に配置されて内筒26及び外筒28を弾性的に連結するゴム弾性体30とを有している。
本例においてゴム弾性体30は内筒26及び外筒28に対して一体に加硫接着されている。
ここで内筒26は金属製とされ、また外筒28は樹脂製とされている。
尚、内筒26については剛性の樹脂を用いることも可能である。
またゴム弾性体30には、図2(A)に示しているように一対の空所(すぐり)32が軸方向に沿って形成されている。
【0034】
図2(B)に示しているように、外筒28には上記相手部材12における凹陥部16とは反対側の軸方向端部に鍔部33が一体に設けられている。
この鍔部33の裏面(図2(B)中右面)は、相手部材12における軸端面、即ち第2の係合面22(これは同時に第3の係合面24ともなっている)に対して軸方向に重合する重合面となるもので、この例ではこの重合面が第2の被係合面34を成している。
【0035】
本例において、鍔部33は周方向に沿って肉厚が変化しており、その第2の被係合面34が、軸直角方向に対し相手部材12における第3の係合面24と同じ角度θで傾斜する傾斜面を成しており、かかる第2の被係合面34が、同時に回止め用の第3の被係合面36を成している。
【0036】
ここでゴムブッシュ10は外筒28の軸方向長、詳しくは鍔部33を除いた部分の軸方向長lが、相手部材12の軸方向長Lとほぼ同等とされている。
【0037】
尚本例において、外筒28を構成する樹脂としては各種のものを用いることができる。
詳しくは、かかる外筒28の構成樹脂として熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等を用いることができ、その中でも振動入力に対する耐衝撃強度や外筒28としての成形性に優れる熱可塑性樹脂が好適に用いられる。
【0038】
また熱可塑性樹脂材料としてはポリアミド(芳香族ポリアミドや変性ポリアミドを含む),ポリエステル(変性ポリエステルを含む),ポリプロピレン,ポリカーボネート,ポリアセタール,ポリフェニレンサルファイド,変性ポリフェニレンエーテル等があり、その中でも強度や充填材による補強効果,コストのバランスに優れるポリアミドが好適に用いられる。
【0039】
またそのような樹脂材料を補強するために樹脂材料に配合ないしは混合される充填材としてガラス繊維,炭素繊維,アラミド繊維,ボロン繊維,アルミナ繊維,金属繊維,炭化珪素繊維,ガラスビーズ,ウィスカー,ワラスナイト,カオリナイト,タルク,マイカ,カーボンナノチューブ他、珪酸マグネシウム若しくは珪酸アルミニウムの層で構成される層状フィロ珪酸塩、例えばモンモリロナイト,ヘクトライト,バーミキュライト,ハロサイト等があるが、その中でも補強効果の高さやコストの点からガラス繊維が好適に用いられる。
また使用部位によっては充填材のない非強化樹脂材料も用いることができる。
本例の外筒28の樹脂材料は、ポリアミド66(PA66)に充填材としてガラス繊維30%を混合したものを用いている。
【0040】
本例の筒形防振装置では、図4に示すようにしてゴムブッシュ10を鍔部33とは反対側の軸方向端から相手部材12内部に圧入して組み付け、ゴムブッシュ10を相手部材12にて嵌合状態に保持させるようにする。
このとき、樹脂製の外筒28は弾性変形を伴って縮径しつつ、その外面において相手部材12の内部に圧入される。
そして圧入後、外筒28における相手部材12の凹陥部16に対向して位置する部分が弾性復元力によって拡径し、凹陥部16内に部分的に入り込んだ状態となって、外筒28の外面形状が、相手部材12の内面形状に倣った段付形状に変形する。
【0041】
詳しくは、図1において凹陥部16に対応した部分が大径部38、非凹陥部18に対応した部分が小径部40を成す段付形状に変形し、そしてその変形により生じた外筒28における段付面が第1の被係合面42として、相手部材12側の第1の係合面20に対し軸方向に、即ち図中左向きに係合した状態となる。
本例において、これら相手部材12側の第1の係合面20と外筒28における第1の被係合面42とは第1の係合部44を構成している。
【0042】
この状態においてゴムブッシュ10はまた、外筒28の第2の被係合面34及びこの第2の被係合面34全体に亘って形成された第3の被係合面36、具体的には鍔部33の裏面の重合面が、相手部材12の第2の係合面22及び第2の係合面22全体に亘って形成された第3の係合面24に対し同時に係合した状態となる。
ここにおいてゴムブッシュ10は、相手部材12に対し図の右方向及び左方向の何れの方向、即ち軸方向の一方向と他方向との両方向に抜止めされた状態となる。
【0043】
本例ではまた、軸直角方向に対して傾斜した第3の係合面24と被係合面36とが周方向に係合することで、相手部材12に対するゴムブッシュ10の回転が防止される。
ここで本例では、図1に示しているようにこれら第3の係合面24及び被係合面36が第3の係合部48を成し、また第2の係合面22及び被係合面34が第2の係合部46を成している。
【0044】
かかる本例の筒形防振装置によれば、圧入後の外筒28を相手部材12に対し軸方向の一方向にも、またこれとは反対向きの他方向にも良好に抜止めすることができる。
また本例では、周方向に係合して回止めをなす第3の係合部48が第2の係合部46全体に亘って形成してあるため、軸方向の抜けと併せてゴムブッシュ10を回転方向にも移動阻止することができる。
【0045】
また本例は、第1の係合部44において相手部材12の内面と外筒28の外面とを係合させるものであり、従って図13に示す従来の筒形防振装置のように、係合部を相手部材より軸方向外側に突き出した部分に設けることによって、その係合部が外気に曝されて劣化し、また飛び石等が当って割れを生じるなどの問題を回避することができる。
また第1の係合部44を設けることによって、それだけ外筒28即ちゴムブッシュ10が軸方向に長くなってしまうといった問題も解決することができる。
【0046】
次に図5〜図8は本発明の他の実施例を示している。
図7に示しているように、この例では相手部材12の段付面から成る第1の係合面20全体を、図8に示しているように軸直角方向に対し角度θで傾斜した傾斜面となし、かかる第1の係合面20を全体的に第3の係合面24として形成する一方、軸端面の第2の係合面22を軸直角方向の面と成している。
またこれに対応して、図6に示しているようにゴムブッシュ10における鍔部33の裏面、即ち重合面である第2の被係合面34を、相手部材12の第2の係合面22に対応して軸直角方向の面と成してある。
【0047】
本例においては、図8に示しているようにゴムブッシュ10を相手部材12に圧入することによって生ずる段付面から成る第1の被係合面42が、図5に示すように相手部材12に形成した第1の係合面20に対応した傾斜形状、即ち軸直角方向に対し角度θで傾斜した傾斜形状の面となり、かかる第1の被係合面42全体に亘って第3の被係合面36が形成された状態となる。
そして外筒28における第3の被係合面36と、相手部材12における第3の係合面24との周方向の係合作用に基づいて、ゴムブッシュ10が相手部材12に対し回転防止される。
【0048】
即ち上記の第1の実施例では、第3の係合面24及び被係合面36が、それぞれ第2の係合面22及び被係合面34全体に亘って形成されていたが、この例ではそれら第3の係合面24及び被係合面36が、第1の係合面20及び被係合面42全体に亘ってそれぞれ形成されている。
尚他の点については上記第1の実施例と同様である。
【0049】
かかる本例の筒形防振装置においても、圧入後の外筒28を相手部材12に対し軸方向の一方向にも、またこれとは反対向きの他方向にも良好に抜止めすることができ、また周方向に係合して回止めをなす第3の係合部48が第1の係合部44に形成してあるため、軸方向の抜けと併せてゴムブッシュ10を回転方向にも移動阻止することができる。
【0050】
次に図9〜図12は本発明の更に他の実施例を示している。
この例は、第2の実施例において、図11に示しているように相手部材12の内面に第1の凹陥部16と併せて、これとは反対の軸方向端部に第2の凹陥部52を設けた例である。
この例では、第2の凹陥部52と非凹陥部18との間に生ずる段付面を、第2の係合面22と成している。ここで第2の係合面22は軸直角方向の面となっている。
一方、図10に示しているようにゴムブッシュ10は外筒28が鍔部33を有しない鍔無しのゴムブッシュ10として構成されている。
【0051】
この例の場合、図12に示しているようにゴムブッシュ10を相手部材12内部に圧入すると、外筒28が相手部材12の内面の段付形状に倣った形状に弾性変形して、図9に示しているように第2の凹陥部52に対応する部分が第2の大径部56となり、この第2の大径部56と小径部40との境界部に段付面が生じる。
本例ではこの段付面が第2の被係合面34を成し、この第2の被係合面34が第2の係合面22に対し軸方向に、詳しくは図9中右向きに係合する。
【0052】
本例においても、ゴムブッシュ10は相手部材12に圧入された後において軸方向の一方向にもまた他方向にも抜止めされると同時に、回転方向にも移動阻止される。
【0053】
また本例によれば、ゴムブッシュ10として軸方向端部に鍔部33を有しないものを用いることができるので、筒形防振装置におけるゴムブッシュ10の形状を単純化でき、ゴムブッシュ10に要するコストを低減することができるとともに、相手部材12に対してゴムブッシュ10を圧入する際の方向性が制約されなくなり圧入作業性も良好となる。
【0054】
以上本発明の実施例を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば本発明は自動車のトーションビーム式リヤサスペンションにおける筒形防振装置以外の各種筒形防振装置に適用することが可能である等、その趣旨を逸脱しない範囲において様々な変更を加えた形態で構成可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である筒形防振装置を、相手部材にゴムブッシュを組み付けた状態で示す図である。
【図2】 同実施例におけるゴムブッシュの単品図である。
(A):(B)の左側面図である。
(B):(A)のB−B断面図である。
【図3】 同実施例における相手部材の単品図である。
【図4】 同実施例における筒形防振装置の組付方法の説明図である。
【図5】 本発明の他の実施例の筒形防振装置を、相手部材にゴムブッシュを組み付けた状態で示す図である。
【図6】 同実施例におけるゴムブッシュの単品図である。
(A):(B)の左側面図である。
(B):(A)のB−B断面図である。
【図7】 同実施例における相手部材の単品図である。
【図8】 同実施例における筒形防振装置の組付方法の説明図である。
【図9】 本発明の更に他の実施例の筒形防振装置を、相手部材にゴムブッシュを組み付けた状態で示す図である。
【図10】 同実施例におけるゴムブッシュの単品図である。
(A):(B)の左側面図である。
(B):(A)のB−B断面図である。
【図11】 同実施例における相手部材の単品図である。
【図12】 同実施例における筒形防振装置の組付方法の説明図である。
【図13】 従来の筒形防振装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
10 ゴムブッシュ
12 相手部材
16 凹陥部(第1の凹陥部)
18 非凹陥部
20 第1の係合面
22 第2の係合面
24 第3の係合面
26 内筒
28 外筒
30 ゴム弾性体
33 鍔部
34 第2の被係合面
36 第3の被係合面
42 第1の被係合面
44 第1の係合部
46 第2の係合部
48 第3の係合部
52 凹陥部(第2の凹陥部)

Claims (8)

  1. 全周に亘り連続した環状をなす樹脂製の外筒と、内筒と、それら外筒及び内筒間に配置されたゴム弾性体とを有するゴムブッシュを、該外筒の外面において筒形の剛性の相手部材に圧入して該ゴムブッシュを該相手部材にて嵌合状態に保持するようになした筒形防振装置において、
    前記相手部材の内面に、径方向外方に凹陥した形態の凹陥部を軸方向に部分的に且つ全周に亘り連続して形成して、該凹陥部と非凹陥部との境界部に段付面から成る軸方向係合用の全周に亘り連続した面をなす第1の係合面を形成する一方、前記外筒の外面を該相手部材への圧入前の状態で前記非凹陥部よりも大径となし、樹脂の弾性を利用して該外筒を縮径させながら該相手部材内部に圧入して、該外筒の外面形状を該相手部材の内面形状に倣った段付形状に弾性変形させ、該外筒に前記第1の係合面に対応した形状の段付面から成る全周に亘り連続した面をなす第1の被係合面を形成して該第1の係合面とともに第1の係合部を構成せしめ、それら第1の係合面及び第1の被係合面を軸方向に係合させるとともに、軸方向の他の位置において前記相手部材と外筒とにそれら第1の係合面及び第1の被係合面の係合の向きとは軸方向において逆向きに係合する全周に亘り連続した面をなす第2の係合面及び第2の被係合面を形成してそれらにより第2の係合部を構成せしめ、且つ前記第1の係合部及び第2の係合部の少なくとも何れか一方における係合面及び被係合面を軸直角方向に対して傾斜し且つ全周に亘り連続した面をなす傾斜面として、周方向に係合して回止めをなす第3の係合面及び第3の被係合面となし、それらにより第3の係合部を構成せしめたことを特徴とする筒形防振装置。
  2. 請求項1において、前記第1の係合部及び第2の係合部における前記第3の係合部を形成していない側の係合面及び被係合面を、軸直角方向の面として形成したことを特徴とする筒形防振装置。
  3. 請求項1,2の何れかにおいて、前記相手部材の軸端面及び該軸端面に重合する鍔付ゴムブッシュにおける前記外筒の鍔部の重合面を、前記第2の係合面及び被係合面となしたことを特徴とする筒形防振装置。
  4. 請求項3において、前記第2の係合面及び被係合面を前記回止め用の第3の係合面及び被係合面となしてあることを特徴とする筒形防振装置。
  5. 請求項3において、前記第1の係合面及び被係合面を前記回止め用の第3の係合面及び被係合面となしてあり、前記第2の係合面及び被係合面を軸直角方向の面となしてあることを特徴とする筒形防振装置。
  6. 請求項1,2の何れかにおいて、前記相手部材の軸方向の一端部に第1の凹陥部を、他端部に第2の凹陥部を前記凹陥部としてそれぞれ全周に亘り連続して設けて、それら凹陥部と軸方向中間部の非凹陥部との境界部に、軸方向において互いに逆向きをなす前記第1の係合面と前記第2の係合面とを形成して、それらを前記外筒に形成された対応する前記第1の被係合面と前記第2の被係合面とに係合させ、且つ前記第1の係合部及び第2の係合部の少なくとも何れか一方における係合面及び被係合面、前記第3の係合面及び被係合面となしてあることを特徴とする筒形防振装置。
  7. 請求項1〜の何れかにおいて、前記外筒の外面を前記相手部材への圧入前の状態で実質的に軸方向のストレート形状となしてあることを特徴とする筒形防振装置。
  8. 請求項1,2,6及び7の何れかにおいて、前記ゴムブッシュが前記外筒の軸方向端に鍔部を有しない鍔無しのものであることを特徴とする筒形防振装置。
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