JP5716293B2 - 脂肪族ポリエステルポリウレタン - Google Patents

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Description

本発明は脂肪族ポリエステルポリウレタンに関する。本発明の好ましい実施態様においては、積層セラミックコンデンサ誘電体層形成用バインダ組成物として用いた際に脱バインダ性(以下、脱バイ性と略記する場合があり)、強度、耐屈曲性に優れるグリーンシートを作製できる。
積層セラミックコンデンサは例えば特許文献1に詳しく記載されているが、一般的に以下のような製造方法によって製造される。まず所定の組成・粒度に調製されたセラミック粉末、有機バインダ、有機溶剤、必要に応じて更に分散剤や可塑剤等の添加剤を所定の配合比で混合して誘電体ペーストを調製する。次いで得られた誘電体ペーストを、離型処理等を施したポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する場合がある)フイルム等のキャリアフイルムと呼ばれる基材上に塗布・乾燥し、グリーンシートと呼ばれるシートを形成させる。このグリーンシート上に内部電極形成用の導電性塗料をスクリーン印刷して、焼成処理後に内部電極となる塗膜が形成されたグリーンシートを得る。このようにして得られた内部電極となる塗膜が形成されたグリーンシートをキャリアフイルムから剥離した後、内部電極層と誘電体層が交互になるように積層、圧着し、切断することでグリーンチップを作製する。得られたグリーンチップを脱バイ、焼成し、また必要に応じて外部電極を形成することにより誘電体層と内部電極層が交互に積層され、両端に外部電極層が設けられた積層セラミックコンデンサが得られる。
近年、電子機器の高性能化、小型軽量化に伴い積層セラミックコンデンサの誘電体層、内部電極層の薄層化、高積層化が必要となっており、中でも特に誘電体層の薄層化の要求は飛躍的に高くなっている。最近では誘電体層の厚みが1μm程度のものまで製品化されている。誘電体層を薄層化するためにはグリーンシートの薄層化が必須であるが、グリーンシートの薄層化によりシート強度が低下してしまい、圧着積層時にグリーンシートが伸びてしまう、あるいはグリーンシートの取り扱い中に部分的に破損してしまう等の問題が出てきた。
従来から、誘電体ペースト用の有機バインダとして主にブチラール樹脂が用いられている。グリーンシートの強度向上策として、ブチラール樹脂の分子量を上げる、との対応が行われていたが、これに伴い誘電体ペーストの粘度が急上昇することから、均一に薄膜を塗布・形成することが困難であった。誘電体ペーストの粘度上昇対策として特許文献2では平均重合度の異なる2種以上のブチラールバインダを使用すること、特許文献3では水酸基濃度の異なる2種以上のブチラールバインダが用いること、が提案され、一定の効果を発揮した。しかしこれら手法を用いても、最近の更なる誘電体層薄層化の要求には十分に対応することができていない。
また、上記高分子量化に伴う誘電体ペーストの粘度上昇の他、ブチラール樹脂はガラス転移温度が高く硬いために、可塑剤なしではグリーンシートをキャリアフイルムからはがして積層する際に扱いにくいことや、積層したグリーンシートを熱プレスして密着させる際に密着しにくいことなどの問題点があった。このため、大量の可塑剤を添加することによってグリーンシートを軟化させて剥離性を向上させ、また積層したグリーンシートの熱プレス密着性を向上させていた。しかし、かかる従来技術は、グリーンシートに柔軟性を付与することと引き換えにグリーンシート強度を低下させるため、近年の積層セラミックコンデンサの小型化・多層化の要求にともなうグリーンシートの薄層化要求に直面し、キャリアフイルムからはがす際にグリーンシートが傷ついたり、破れたりしやすいという点で問題であった。
一方、誘電体ペースト用の有機バインダとしてブチラール樹脂以外の樹脂を用いることも検討されており、例えば、特許文献4ではポリビニルアセテート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂およびウレタン樹脂、特許文献5ではセルロース系樹脂、ビニール系樹脂、アクリル系樹脂およびウレタン系樹脂、特許文献6ではポリエステルが挙げられている。しかしながら、具体的にどのような組成の樹脂を用いることが適切であるかについては特許文献4〜6のいずれにも明確に開示されていない。また、特許文献7には側鎖として−COOM基を有しかつガラス転移温度が60℃以下のポリエーテルポリウレタン樹脂を用いることが開示されているが、ポリエーテル型ウレタンでは樹脂の強度が十分に得られず上記ブチラール樹脂での現状課題を解決することができないという欠点を有する。
特開平8−316089号公報 特開平3−170360号公報 特開平10−67567号公報 特開2002−179925号公報 特開平9−180959号公報 特開平10−135071号公報 特開平5−299288号公報
本発明は上記課題、すなわちブチラール系樹脂を誘電体層形成用バインダとするグリーンシートにおいて、薄層化によりシート強度が十分に得られにくいという現状の課題を解決しようとするものである。
本発明者らは、上記課題を解決する為に、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、以下の構成からなる。
<1> 下記一般式(1)で表され、数平均分子量20,000以上100,000以下の共重合体である脂肪族ポリエステルポリウレタン。
一般式(1);
(但し、aは下記一般式(2)の化合物の残基であり、pが0以上20以下の整数であり、qが0以上20以下の整数であり、かつp+qが1以上20以下の整数である二価の脂肪族ポリエステルセグメント、bは二価の炭化水素基、cは二価の脂環式有機基、dは二価の脂肪族有機基、eは三価の脂肪族炭化水素基を表す。また、k、l、m、nはモル比を表し、k/(k+l+m+n)は0.05以上0.7以下、l/(k+l+m+n)は0.3以上0.8以下、m/(k+l+m+n)は0以上0.4以下、n/(k+l+m+n)は0以上0.2以下である)
一般式(2);
<2>前記aが数平均分子量200以上3,000以下の脂肪族ポリエステルジオールの残基である<1>に記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
<3> 前記aが数平均分子量200以上3,000以下のポリ乳酸セグメントである<1>に記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
<4> 前記bが下記一般式(3)〜(8)で表される構造を有する炭化水素基いずれか1種以上である<1>〜<3>いずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
一般式(3);
一般式(4);
一般式(5);
一般式(6);
一般式(7);
一般式(8);
<5> 前記cが下記一般式(9)あるいは(10)で表される構造を有する有機基である<1>〜<4>いずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
一般式(9);
一般式(10);
<6> 前記dが炭素数2以上5以下の直鎖あるいは分岐炭化水素鎖、あるいはそれらをエーテル結合で連結した分子量500以上2,000以下のポリエーテル鎖である<1>〜<5>いずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
<7> 前記eが炭素数3以上6以下の直鎖あるいは分岐炭化水素鎖である<1>〜<6>いずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンを積層セラミックコンデンサ誘電体層形成用バインダ組成物に用いると、強度と伸度のバランスに優れ、なおかつ脱バイ性に優れたグリーンシートを得ることができ、グリーンシートの薄膜化および積層セラミックコンデンサの誘電体層の薄膜化が可能となる。さらに、バインダ組成物を構成する脂肪族ポリエステルポリウレタンを構成するジイソシアネート成分として脂環族イソシアネートを用いる脂肪族ポリエステルポリウレタンを含有する実施態様では、実用範囲の伸度を有した上で、脱バイ性と耐屈曲性に特に優れたグリーンシートを得ることができる傾向にある。また、バインダ組成物を構成する脂肪族ポリエステルポリウレタンを構成するジイソシアネート成分として芳香族イソシアネートを用いる脂肪族ポリエステルポリウレタンを含有する実施態様では、実用範囲の脱バイ性を備えた上で伸度と耐屈曲性に特に優れたグリーンシートを得ることができる傾向にある。
<脂環式有機基を主鎖に有する脂肪族ポリエステルポリウレタン>
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンは、脂環式有機基を主鎖に有する脂肪族ポリエステルポリウレタンである。本発明において、脂肪族ポリエステルポリウレタンとは、脂肪族ポリエステルポリオールと、イソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物と、ポリイソシアネートとの重付加反応によって形成される化学構造からなる共重合ポリウレタン樹脂である。脂肪族ポリエステルポリオール、イソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物、ポリイソシアネートは、各々、1種類の化合物からなるものでも複数種類の化合物の混合物であっても良い。
本発明において、脂肪族ポリエステルポリオールとは、ポリエステルポリオールを構成する全酸成分に対する芳香族酸成分の占める割合が40モル%未満のものであり、20モル%未満であることが好ましく、10モル%未満であることがより好ましく、5モル%未満であることがさらに好ましく、芳香族酸成分を含まなくても差し支えない。
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンは下記一般式(1)で示される化学構造からなるものである。
一般式(1);
(但し、aは二価の脂肪族ポリエステルセグメント、bは二価の炭化水素基、cは二価の脂環式有機基、dは二価の脂肪族有機基、eは三価の脂肪族炭化水素基を表す。また、k、l、m、nはモル比を表し、k/(k+l+m+n)は0.05以上0.7以下、l/(k+l+m+n)は0.3以上0.8以下、m/(k+l+m+n)は0以上0.4以下、n/(k+l+m+n)は0以上0.2以下である)
一般式(1)において、より好ましくはk/(k+l+m+n)は0.05以上0.5以下、l/(k+l+m+n)は0.4以上0.8以下、m/(k+l+m+n)は0以上0.3以下、n/(k+l+m+n)は0.1以上0.2以下である。k/(k+l+m+n)が低すぎると得られる脂肪族ポリエステルポリウレタンのガラス転移温度(以下、Tgと略記する場合がある)が高くなり脆くなる傾向にあり、高すぎるとTgが低くなり機械的物性が悪くなる傾向にある。l/(k+l+m+n)が低すぎると得られる脂肪族ポリエステルポリウレタンのTgが低くなり機械的物性が悪くなる傾向にあり、高すぎるとTgが高くなり樹脂が脆くなる傾向にある。m/(k+l+m+n)が高すぎると得られる脂肪族ポリエステルポリウレタンのTgが低くなり機械的物性が悪くなる傾向にある。m/(k+l+m+n)は0であっても差支えないが、d成分を共重合する効果を有効に発揮させるには0.05以上であることが好ましく、より好ましくは0.1以上である。n/(k+l+m+n)が高すぎるとゲル化しやすい傾向にあり、低すぎるとe成分を共重合する効果が発揮されない。
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンの主鎖に脂環式有機基を導入するには、例えば、前記したイソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物として脂環構造を有するポリオールを用いればよい。また、脂肪族ポリエステルポリオールの主鎖に脂環式有機基を有するものを用いてもよい。本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンの主鎖に脂環式有機基を導入することにより、脱バイ性と伸度に優れなおかつブロッキングしにくいグリーンシートを得られる傾向にある。前記脂環式有機基としてはシクロヘキサン環等の単環脂環式有機基を用いても良いが、ブリッジを有する脂環式有機基およびスピロ構造を有する脂環式有機基を用いることにより、シートの機械的物性を向上する効果があり、特に3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノールおよび3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを用いて得られる脂環式有機基が好ましい。前者を用いることにより前記一般式(1)における化学構造cを一般式(9)の化学構造とすることができ、後者を用いることによりは前記一般式(1)における化学構造cを前記一般式(10)の化学構造とすることができる。前記したイソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物として芳香族構造を有するポリオールを用いると、脱バイ性が悪化する傾向がある。また、前記したイソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物として脂肪族構造を有するポリオールを用いると、ブロッキング性が悪化する傾向がある。
<脂肪族ポリエステルポリオール>
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンを構成する脂肪族ポリエステルポリオール残基は、前記一般式(1)においては化学構造aとなる。本発明の脂肪族ポリエステルポリオール残基は、脂肪族二塩基酸と脂肪族ジオール類および脂環族系ジオールから選ばれる少なくとも1種以上との縮合反応によって得られる二塩基酸−ジオール縮合型ポリエステルポリオールの残基、または、ポリ(ヒドロキシカルボン酸)ポリオールの残基であることが好ましい。
<二塩基酸−ジオール縮合型の脂肪族ポリエステルポリオール>
本発明の二塩基酸−ジオール縮合型の脂肪族ポリエステルポリオールの残基は、前記一般式(1)における化学構造aとなることができる。本発明の二塩基酸−ジオール縮合型の脂肪族ポリエステルポリオールを構成する脂肪族二塩基酸の例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸を挙げることができる。また、脂肪族系ジオールの例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3’−ヒドロキシプロパネート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオールを挙げることができる。さらに、脂環族系グリコールの例としては、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを挙げることができる。これら二塩基酸、グリコール成分のうち、二塩基酸としてはコハク酸あるいはアジピン酸、グリコール成分としてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコールおよびネオペンチルグリコールのいずれか1種以上の縮合反応によって得られる化学構造を有するポリエステルジオールが、汎用性と脱バイ性の観点から好ましい。
本発明の二塩基酸−ジオール縮合型の脂肪族ポリエステルポリオールは芳香族二塩基酸を共重合したものであっても良い。芳香族二塩基酸を共重合することによって、形成されるグリーンシートの強度を向上させる効果がある一方、脱バイ性を低下させる傾向にある。芳香族二塩基酸の共重合比率は全多塩基酸成分に対し40モル%未満であることが好ましく、20モル%未満であることがより好ましく、10%未満であることがさらに好ましい。
本発明の二塩基酸−ジオール縮合型の脂肪族ポリエステルポリオールには、ゲル化が問題にならない範囲で、トリメリット酸やトリメチロールプロパン等の3官能以上の多塩基酸および/またはポリオールを共重合することができ、得られるポリエステルポリウレタン樹脂の高分子量の樹脂を得やすくする効果がある。ゲル化を生じさせないためには、3官能以上の多塩基酸と3官能以上のポリオールの共重合比率を、全酸成分と全アルコール成分の合計200モル%に対し10モル%未満とすることが好ましい。
本発明の二塩基酸−ジオール縮合型の脂肪族ポリエステルポリオールの数平均分子量は200〜3000であることが好ましく、より好ましくは300〜1000、さらに好ましくは350〜600の範囲である。数平均分子量200未満ではソフトセグメントとしてのポリエステル鎖の特性を活かせず、得られるポリエステルポリウレタン樹脂の強靱性がなくなってしまう。一方、数平均分子量が3000を超えると、ポリマー中ポリエステルの鎖長が長くなることとウレタン結合の減少による影響で、得られるポリウレタン樹脂の強度が低下する傾向にある。
<ポリ(ヒドロキシカルボン酸)ポリオール>
本発明のポリ(ヒドロキシカルボン酸)ポリオールの残基は、前記一般式(1)における化学構造aとなることができる。本発明の共重合ポリウレタン樹脂に使用される脂肪族ポリエステルポリオールとして好適なポリ(ヒドロキシカルボン酸)ポリオールの例としてはポリ乳酸ポリオールおよびポリグリコール酸ポリオールを挙げることができる。
本発明のポリ乳酸ポリオール中のL−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)は1/9以上9以下であることが好ましく、この範囲ではポリウレタン重合時の反応溶媒への良好な溶解性とウレタン反応性が得られる。L−乳酸とD−乳酸のモル比(L/D)が上記範囲を外れると、ポリ乳酸ジオールの汎用溶剤への溶解性が悪くなり、共重合反応性が低下する傾向にある。
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンに使用されるポリ(ヒドロキシカルボン酸)ポリオールとしてはポリ乳酸ジオールが好ましい。ポリ乳酸ジオールは、ジオールを開始剤としてラクチドモノマーを開環付加重合する方法により製造することができる。開始剤として用いられるジオール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類や1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、等の脂環族ジオール類あるいはビスフェノールAの両末端水酸基へのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド付加物の様な芳香族基を有する脂肪族ジオール類から選ばれる1種以上であることが好ましい。これらのうち、エチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等の低分子量ジオール類が、低分子量のポリ乳酸ジオールを合成することができ、好ましい。
前記ポリ乳酸ジオールの数平均分子量は200〜3000であることが好ましく、より好ましくは300〜1000、さらに好ましくは350〜600の範囲である。数平均分子量200未満では開始剤にラクチドが付加していない。一方、数平均分子量が3000を超えると、ポリマー中ポリ乳酸セグメントの鎖長が長くなることとウレタン結合の減少による影響で、得られるポリウレタン樹脂の強度が低下する。
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンに使用されるポリ(ヒドロキシカルボン酸)ポリオールとしては、下記一般式(2)のポリ乳酸ジオールが、開始剤が汎用である点と開始剤自体が低分子量であるために分子量数百程度の低分子量ジオールを得ることができる点、さらにジオール末端からのバッグバイティングが起こりにくく分子量を維持しやすいという点で特に好ましい。
一般式(2);
(但し、pは0以上20以下の整数であり、qは0以上20以下の整数であり、かつp+qは1以上20以下の整数である)
<ポリイソシアネート化合物>
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンに使用されるポリイソシアネート化合物としてはジイソシアネート化合物が好ましい。前記一般式(1)における化学構造−OCONH−b−NHCOO−はジイソシアネート化合物OCN−b−NCOとポリオール化合物の反応により形成することができる。ジイソシアネート化合物としては、例えば1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、またはヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの水添物、m−キシレンジイソシアネートの水添物等の脂環族系ジイソシアネートが挙げることができ、これらのうちの1種類を用いても複数種類を混合しても用いても良い。芳香族ジイソシアネートを用いることは樹脂の破断伸度を高くする傾向にあり、脂環族系ジイソシアネートを用いることは脱バイ性を向上させる傾向にあり、いずれも好ましい。これらのうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いると樹脂の破断伸度が高くなる傾向にあり、イソホロンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネートの水添物を用いると脱バイ性を向上させる傾向にあり、また汎用性・反応性の面からも好ましい。
前記一般式(1)において、前記化学構造bを下記一般式(3)とするにはイソホロンジイソシアネート、下記一般式(4)とするにはm−キシレンジイソシアネートの水添物、下記一般式(5)とするにはノルボルナンジイソシアネート、下記一般式(6)とするには4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、下記一般式(7)とするには2,4−トリレンジイソシアネート、下記一般式(8)とするにはm−キシレンジイソシアネートをポリイソシアネート化合物として使用すればよい。
一般式(3);
一般式(4);
一般式(5);
一般式(6);
一般式(7);
一般式(8);
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンに使用されるジイソシアネート化合物の一部を3官能以上のポリイソシアネートで置換することにより、共重合ポリウレタン樹脂の分子量を上げやすくすること、また硬化剤との反応性を向上させることが可能である。ただし、3官能ポリイソシアネートの置換比率が低すぎるとこれらの効果が発揮されず、置換比率が高すぎると共重合ポリウレタン樹脂のゲル化が生じるので、3官能以上のポリイソシアネートへの置換率は0.1モル%以上5モル%以下であることが好ましく、さらには0.5モル%以上3モル%以下であることが好ましい。好ましい3官能以上のポリイソシアネートとしては、トリメチロールプロパンあるいはグリセリン各々1分子に対し、3分子のトリレンジイソシアネートもしくは3分子の1,6−ヘキサンジイソシアネートの付加物、さらには3分子の1,6−ヘキサンジイソシアネートで形成されるイソシアヌレート環を有する化合物を挙げることができる。
<イソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物>
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンにジオール化合物やアミノアルコール化合物、ジアミン化合物等のイソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物を共重合させることにより、塗膜の強靭性を向上させることができる場合がある。ジオール化合物としては例えば前記二塩基酸−ジオール縮合型の脂肪族ポリエステルポリオールの構成成分として例示した種々のグリコール類を挙げることができ、ジオール化合物の残基が前記一般式(1)における化学構造cまたは化学構造dとなる。エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、N−メチルモノエタノールアミン、エチレンジアミン等の比較的低分子量の化合物を前記イソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物として用いることが、ウレタン結合濃度の向上および/またはウレア結合の導入により樹脂への強靱性付与の面で好ましい。
あるいは3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、ノルボルネンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添化ビスフェノール−A等の脂環族系グリコール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン等のスピログリコールを共重合させることによりポリウレタン樹脂の溶剤溶解性を保持したまま、弾性率を効果的に向上させることができる。これら化合物のうち、脱バイ性と樹脂弾性率向上効果から3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンが特に好ましい。イソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物として脂環族系グリコールを用いると、前記一般式(1)における化学構造cを形成することができる。
また本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンに、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール等の3官能以上のポリオール化合物を、得られる脂肪族ポリエステルポリウレタンがゲル化しない範囲で共重合させることにより、共重合ポリウレタン樹脂の分子量を上げやすくすることが可能であり、分岐構造を有する脂肪族ポリエステルポリウレタンが形成される。これらポリオールの中では汎用性と反応性の面で、分子量の小さいトリメチロールプロパンが好ましい。ポリオール化合物の共重合比率は、本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンを構成するポリイソシアネート化合物と反応してウレタン結合を形成する全ポリオールの合計に対し、0.1モル%以上5モル%以下であることが好ましく、さらには0.5モル%以上3モル%以下であることが好ましい。トリメチロールプロパン等の3価のポリオール化合物を用いることにより、前記一般式(1)における化学構造eを形成することもできる。
<誘電体ペースト>
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンから主としてなるバインダと誘電体粒子と分散媒から、セラミックコンデンサの製造に好適な誘電体ペーストを得ることができる。さらに必要に応じて分散剤や可塑剤等の添加剤を加えて混合し、誘電体ペーストを製造するこのもできる。混合方法はペイントシェーカーやプラネタリーミキサーによる攪拌等の従来公知の混合方法を使用することができる。
前記誘電体ペーストに使用される誘電体粒子の材質や粒子径、粒子の形状は特に限定されず、また、単一成分からなるものでも複数成分の混合物であっても良い。前記誘電体ペーストに適する代表的な誘電体粒子としてはチタン酸バリウムを挙げることができる。
前記誘電体ペーストに使用される分散媒は特に限定されないが、前期バインダを溶解する有機溶剤が好ましい。前記誘電体ペーストに使用される分散媒の好適な例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等のモル質量が102g/mol以下のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、トルエン、キシレン等を挙げることができ、これらのうち少なくとも1種以上であることが好ましい。アルコール類のモル質量が102g/mol以下であると、沸点がおよそ100℃以下程度なので乾燥性が良いので好ましい。
<積層セラミックコンデンサの製造方法>
本発明のバインダを含有するグリーンシートを電極層と積層し次いで焼成することによって積層セラミックコンデンサを製造することができる。
前記誘電体ペーストをキャリアフイルム上に塗布し、ついで、分散媒として使用した有機溶剤を除去することによってグリーンシートを得ることができる。有機溶剤の除去は、使用した有機溶剤の沸点付近の低温で乾燥することが、均質なグリーンシートを得るうえで有利である。必要に応じて、減圧乾燥や送風乾燥等の手段を併用しても差し支えない。
内部電極は、一般的にはグリーンシートに導電ペーストをスクリーン印刷することによって形成されるが、他の方法で形成されても差し支えない。内部電極が形成されたグリーンシートはキャリアフイルムから剥離され、内部電極層と誘電体層が交互になるように積層される。次に400〜500℃程度で加熱圧着し、ついで切断することでグリーンチップが作製される。得られたグリーンチップを1000℃以上の高温で焼成し、また必要に応じて外部電極を形成する。このようにして誘電体層と内部電極層が交互に積層され、両端に外部電極層が設けられた積層セラミックコンデンサが得られる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。また、実施例中の原材料配合において、部は特記しない限り重量部を示すものとする。
なお、本明細書中で採用した測定、評価方法は次の通りである。
(1)評価・分析用ポリウレタン樹脂
実施例、比較例で得られたポリウレタン樹脂溶液を50μm厚のポリプロピレンフイルム上に乾燥塗膜厚が約20μm厚になるように塗布し、120℃熱風乾燥機で30分間乾燥させ、乾燥塗膜を得た。乾燥塗膜をポリプロピレンフイルムからはがし、評価・分析用の樹脂を得た。
(2)樹脂の数平均分子量
樹脂30mgを10mlメスフラスコ中でテトラヒドロフランに溶解し、GPC分析に供した。
ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)150Cを用い、テトラヒドロフランをキャリアー溶剤とし、RI検出器を用いて流速1ml/分で測定した。カラムとして昭和電工(株)製 Shodex KF−802、KF−804、KF−806を3本連結しカラム温度は30℃に設定した。分子量標準サンプルとしてはポリスチレン標準物質を用いた。
(3)ポリ乳酸オリゴマーの酸価
ポリ乳酸オリゴマー0.5gをクロロホルム/メタノール=3/1混合溶液20mlに溶解後、0.1N−ナトリウムメトキシドメタノール溶液でフェノールフタレインを指示薬として測定した。測定値を樹脂固形分10g中の当量で示した。
(4)樹脂のガラス転移温度
樹脂5mgを採取し、アルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計DSC−220を用いて、−20℃から200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
(5)樹脂の熱重量減少(500℃残存率)
樹脂10mgを採取し、アルミニウムセルに入れ、(株)島津製作所製の示差熱・熱重量同時測定装置DTG−60を用い、20ml/minのN気流下、5℃/minの昇温速度で50℃から500℃まで加熱し、500℃到達時の樹脂の残存率(重量%)を求めた。
(6)樹脂フイルムの引張強度
実施例、比較例で得られたポリウレタン樹脂溶液を50μm厚のポリプロピレンフイルム上に乾燥塗膜厚が約30μm厚になるように塗布し、120℃熱風乾燥機で30分間乾燥させた。次いで幅15mm、長さ30mmの短冊状に切り出し、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用い、25℃×60%RH、引張速度200mm/minの条件下で測定した。
(6)グリーンシートの耐屈曲性
1mmガラスビーズ15gを備えた70mLサンプル瓶に、樹脂0.5g、平均粒子径100nmのチタン酸バリウム粉末4.5g、溶剤10.0gを仕込みペイントシェイカーで3時間混合して分散液を得た。得られた分散液をポリプロピレン製フイルム(以下、PPフイルムと略記する場合がある)上にアプリケーターギャップ50μmで塗布し、120℃で15分間乾燥させ、塗膜を得た。得られた塗膜のコート面を外側にして、直径3、6、9、12、15mmの円筒を用い、JIS K5600−5−1(ISO 1519)円筒形マンドレル法により評価した。
(7)樹脂組成
樹脂0.01gをNMRチューブに量り取り、重クロロホルム0.5mLを添加して完全に溶解させ、Varian社製核磁気共鳴分析装置(NMR)400−MRを使用して測定した。積算回数は32回で行った。H−NMRにより樹脂組成比を求めた。
(8)NCO滴定値
約20mLのDMFに10g/Lジブチルアミントルエン溶液を3mL添加し、ブロモクレゾールグリーン溶液を指示薬として0.1N塩酸で滴定し、このとき得た値をブランク滴定量とした。次にガラスピペット等を使用し、重合系内から重合溶液を0.5gを目安に採取し、約20mLのDMFに完全に溶解させた。そこへ10g/Lジブチルアミントルエン溶液を3mL添加し、BTB溶液を指示薬として0.1N塩酸で滴定し、このとき得た値をサンプル滴定量とした。NCO滴定値は得られた値を用いて下記の式(11)により求めた。
式(11);
以下、実施例中の本文及び表に示した化合物の略号はそれぞれ以下の化合物を示す。
NPG:ネオペンチルグリコール
TCD:3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール
MEK:メチルエチルケトン
IPDI:イソホロンジイソシアネート
TMP:トリメチロールプロパン
SPG:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
BD:ブタンジオール
H−XDI:m−キシレンジイソシアネートの水添物、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
OD−X−2044:DIC株式会社製ポリエステルポリオール ポリライト(登録商標)OD−X−2044
NPG:ネオペンチルグリコール
AA:アジピン酸
GCM:5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム
BM−2:積水化学工業株式会社製ブチラール樹脂 エスレック(登録商標)BM−2
BE−400:東洋紡績株式会社製ポリ乳酸樹脂 バイロエコール(登録商標)BE−400
<合成例1>ポリ乳酸ジオール−Aの合成
温度計、攪拌棒、リービッヒ冷却管を具備した1LガラスフラスコにNPG132部、L−ラクチド400部、D−ラクチド100部及び触媒としてオクチル酸錫0.07部、触媒失活剤としてエチルジエチルホスホノアセテート0.35部を仕込み、常温で窒素ガス気流下に置いた。次いで常温で30分間減圧し、内容物をさらに乾燥させた。
再び窒素ガス気流下で反応系を180℃に昇温し、3時間攪拌した。その後、系を減圧し、未反応残留ラクチドを留去した。約20分後あるいは未反応ラクチドの留出が収まった後内容物を取り出し冷却した。得られたポリ乳酸ジオール−Aの分子量、酸価を測定し、以下に示した。
数平均分子量:500
酸価 :10eq/ton
<合成例2>ポリ乳酸ジオール−Bの合成
温度計、攪拌棒、リービッヒ冷却管を具備した1LガラスフラスコにNPG176部、L−ラクチド400部、D−ラクチド100部及び触媒としてオクチル酸錫0.07部、触媒失活剤としてエチルジエチルホスホノアセテート0.35部を仕込み、常温で窒素ガス気流下に置いた。次いで常温で30分間減圧し、内容物をさらに乾燥させた。
再び窒素ガス気流下で反応系を180℃に昇温し、3時間攪拌した。その後、系を減圧し、未反応残留ラクチドを留去した。約20分後あるいは未反応ラクチドの留出が収まった後内容物を取り出し冷却した。得られたポリ乳酸ジオール−Aの分子量、酸価を測定し、以下に示した。
数平均分子量:400
酸価 :18eq/ton
<合成例3>ポリエステルジオール−Cの合成
温度計、攪拌棒、空冷管を具備した2LガラスフラスコにAA427部、GCM47部、NPG526部を仕込み、始めは160℃で反応させた。留出する水の量が少なくなってきたら180℃に昇温し、また水の留出が収まってきたら200℃、さらに215℃、230℃と徐々に昇温していき、最終的に240℃まで昇温し、酸価滴定値が10以下になるまで240℃で反応させた。途中215℃程度になるとNPGモノマーが留出してくるが、ヒートガン等で融かし、空冷管内部が塞がれないよう注意した。得られたポリエステルジオール−Cの分子量、酸価を測定し、以下に示した。
数平均分子量:450
酸価 :5eq/ton
<合成例4>ポリエステルジオール−Dの合成
温度計、攪拌棒、空冷管を具備した2LガラスフラスコにAA465部、NPG535部を仕込み、始めは160℃で反応させた。留出する水の量が少なくなってきたら180℃に昇温し、また水の留出が収まってきたら200℃、さらに215℃、230℃と徐々に昇温していき、最終的に240℃まで昇温し、酸価滴定値が10以下になるまで240℃で反応させた。途中215℃程度になるとNPGモノマーが留出してくるが、ヒートガン等で融かし、空冷管内部が塞がれないよう注意した。得られたポリエステルジオール−Dの分子量、酸価を測定し、以下に示した。
数平均分子量:530
酸価 :5eq/ton
<実施例1>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−A50部、TCD30部をMEK9部、トルエン34部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI20部を添加し、反応熱が収まり、内温が下降したら触媒としてジブチル錫ラウレート0.04部を添加した。85℃で2時間反応後、系内温度を80℃に下げ、IPDI20部を添加した。さらに85℃で2時間反応後、系内温度を80℃に下げ、IPDI21部を添加し、反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.12部を再び添加し、85℃で反応させた。NCO滴定値が水酸基とイソシアネート基の仕込み量比率から算出される理論値になったらMEK10部、トルエン39部、TMP3部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK24部、トルエン100部で固形分濃度40%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−1)の組成を表1に、分子量、破断応力、また脱バイ性の指標として熱重量減少(500℃残存率)、グリーンシートのシート強度の指標として耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例2>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部、SPG30部をMEK9部、トルエン34部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI20部を添加し、反応熱が収まり、内温が低下したら触媒としてジブチル錫ラウレート0.04部を添加した。85℃で30分間反応後、IPDI20部を添加した。さらに85℃で1時間反応後、IPDI15部を添加した。反応熱が収まり、内温が低下したらジブチル錫ラウレート0.08部を再び添加し、85℃で反応させた。NCO滴定値が理論値になったらMEK10部、トルエン39部、TMP3部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK46部、トルエン184部で固形分濃度30%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−2)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例3>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部をMEK23部、シクロヘキサノン23部に溶解し、65℃に加温した。IPDI55部を添加し、反応熱が収まり、内温が低下したら触媒としてジブチル錫ラウレート0.10部を添加した。NCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた後、BD10部を添加し、再びNCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた。MEK15部、シクロヘキサノン15部を添加し均一に攪拌した後、IPDI37部、ジブチル錫ラウレート0.08部を再び添加し、NCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた。次いでTCD35部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK56部、トルエン56部で固形分濃度50%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−3)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例4>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部をMEK21部、シクロヘキサノン21部に溶解し、65℃に加温した。H−XDI49部を添加し、反応熱が収まり、内温が低下したら触媒としてジブチル錫ラウレート0.10部を添加した。NCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた後、BD10部を添加し、再びNCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた。MEK15部、シクロヘキサノン15部を添加し均一に攪拌した後、H−XDI32部、ジブチル錫ラウレート0.08部を再び添加し、NCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた。次いでTCD35部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK96部、トルエン96で固形分濃度40%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−4)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例5>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部をMEK24部、シクロヘキサノン24部に溶解し、55℃に加温した。MDI62部を添加し、反応熱が収まり、内温が低下したら触媒としてジブチル錫ラウレート0.04部を添加した。NCO滴定値が理論値になるまで70℃で反応させた後、BD10部を添加し、再びNCO滴定値が理論値になるまで70℃で反応させた。MEK37部、シクロヘキサノン37部を添加し均一に攪拌した後、MDI42部を再び添加し、NCO滴定値が理論値になるまで70℃で反応させた。次いでTCD35部を添加し、NCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK171部、トルエン171部で固形分濃度30%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−5)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例6>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部、TCD30部をMEK9部、トルエン34部に溶解し、55℃に加温した。次いでMDI20部を添加した。70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI20部を添加した。さらに70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI30部を再び添加し、反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.14部を添加してNCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK36部、トルエン146部で固形分濃度40%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−6)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例7>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部、TCD30部をMEK9部、トルエン34部に溶解し、55℃に加温した。次いでMDI20部を添加した。70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI20部を添加した。さらに70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI35部を再び添加し、反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.14部を添加して70℃で反応させた。NCO滴定値が理論値になったらMEK12部、トルエン48部、TMP3部を添加し、NCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK74部、トルエン297部で固形分濃度25%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−7)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例8>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコ中で50部のOD−X−2044をMEK10部、トルエン30部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI42.3部を添加し、85℃で30分間反応後、触媒としてジブチル錫ラウレート0.16部を添加した。85℃で3時間反応後、SPG30部を添加し、さらに85℃で3時間反応後、NPG5部を添加し、そのまま85℃で反応させた。NCO滴定値が理論値になったらMEK15部を添加し、均一になったらTMP2.5部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK32部で固形分濃度60%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−8)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例9>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した500mLガラスフラスコ中で20部のOD−X−2044をMEK5部、トルエン15部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI28.3部を添加し、85℃で30分間反応後、触媒としてジブチル錫ラウレート0.10部を添加した。85℃で3時間反応後、SPG30部を添加し、さらに85℃で反応させた。NCO滴定値が理論値になったらMEK15部を添加し、均一になったらTMP2.5部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK19部で固形分濃度60%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−9)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例10>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコで前記ポリエステルジオール−C50部、TCD30部をMEK15部、シクロヘキサノン45部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI30部を添加し、85℃で1時間反応後、系内温度を75℃に下げ、IPDI28.6部を添加した。さらに85℃で30分間反応後、ジブチル錫ラウレート0.24部を添加してNCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK141部、シクロヘキサノン7部で固形分濃度40%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−10)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例11>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコで前記ポリエステルジオール−C50部、TCD30部をMEK15部、シクロヘキサノン45部に溶解し、65℃に加温した。次いでH−XDI30部を添加し、85℃で1時間反応後、系内温度を75℃に下げ、H−XDI21.2部を添加した。さらに85℃で30分間反応後、ジブチル錫ラウレート0.20部を添加してNCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK133部、シクロヘキサノン5部で固形分濃度40%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−11)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例12>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコで前記ポリエステルジオール−C50部、TCD30部をMEK17部、シクロヘキサノン50部に溶解し、55℃に加温した。次いでMDI20部を添加した。70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI20部を添加した。さらに70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI26部を再び添加し、反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.14部を添加してNCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK312部、シクロヘキサノン60部で固形分濃度25%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−12)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<実施例13>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリエステルジオール−D50部、TCD30部をMEK17部、シクロヘキサノン50部に溶解し、55℃に加温した。次いでMDI20部を添加した。70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI20部を添加した。さらに70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI22部を再び添加し、反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.12部を添加してNCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK409部、シクロヘキサノン92部で固形分濃度20%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−13)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
<比較例1>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリエステルジオール−D50部をMEK40部に溶解し、55℃に加温した。次いでMDI10部を添加した。70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI12.7部を添加した。反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.04部を添加してNCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK8.5部で固形分濃度60%に希釈し、反応を終了した。得られた共重合ポリウレタン樹脂(CU−1)の組成を表1に、分子量、500℃残存率を評価し、表2に示した。共重合ポリウレタン樹脂(CU−1)はTgが低く、樹脂の機械的物性を評価することができなかった。また、シートの耐屈曲性は良好な値を示したが、Tgが低いので作製したグリーンシートをキャリアフイルムごと巻き取る工程においてグリーンシートの表面がキャリアフイルムの裏面に粘着してしまうため、好ましくない。共重合ポリウレタン樹脂(CU−1)はポリウレタン主原料の1成分である脂環族ジオールを用いていない点が本発明の請求項に記載の範囲から外れるもので、得られたポリウレタン樹脂はTgが低く、積層セラミックコンデンサ誘電体層形成用バインダとして用いることができるものではなかった。
<比較例2>
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した500mLガラスフラスコでSPG30部をMEK6部、トルエン18部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI25.2部を添加し均一に攪拌した後ジブチル錫ラウレート0.10部を添加した。NCO滴定値が理論値になったらTMP2部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK14部で固形分濃度60%に希釈し、反応を終了した。得られた共重合ポリウレタン樹脂(CU−2)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。共重合ポリウレタン樹脂(CU−2)は脂肪族ポリエステルジオールを共重合した本発明のバインダ樹脂に比べて樹脂破断伸度が低く、シートの耐屈曲性の評価時もシートが非常に脆く、割れたシートは粉末状になった。共重合ポリウレタン樹脂(CU−2)は、ポリウレタン主原料の1成分である脂肪族ポリエステルジオールを用いていない点が本発明の請求項に記載の範囲から外れるもので、得られたポリウレタン樹脂は破断伸度が低く非常に脆かったため、これを用いて得られるグリーンシートの耐屈曲性の評価結果も悪く、耐屈曲性の試験後サンプルは粉末状でサラサラに散っていた。
<比較例3>
比較例として従来型誘電体層形成用バインダとして代表的なブチラール系樹脂であるBM−2について、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を表2に示した。BM−2はジイソシアネート成分として脂環族構造を用いた本発明のバインダ樹脂に対して、特筆すべきような物性を示さなかった。特に樹脂の機械的物性や500℃残存率、シートの耐屈曲性それぞれを一つ一つ本発明のバインダ樹脂と比較すると、いずれも平凡な値であった。
<比較例4>
脱バイ性に優れるポリ乳酸ホモポリマーについての比較例としてBE−400の分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を表2に示した。BE−400は500℃残存率には優れるものの、本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンに比べ、シートの耐屈曲性が著しく悪い結果となった。
本発明の積層セラミックコンデンサ誘電体層形成用バインダ組成物を用いると、強度と伸度のバランスに優れ、なおかつ脱バイ性に優れたグリーンシートを得ることができ、グリーンシートの薄膜化および積層セラミックコンデンサの誘電体層の薄膜化が可能となる。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1)で表され、数平均分子量20,000以上100,000以下の共重合体である脂肪族ポリエステルポリウレタン。
    一般式(1);
    (但し、aは下記一般式(2)の化合物の残基であり、pが0以上20以下の整数であり、qが0以上20以下の整数であり、かつp+qが1以上20以下の整数である二価の脂肪族ポリエステルセグメント、bは二価の炭化水素基、cは下記一般式(9)あるいは(10)で表される構造を有する二価の脂環式有機基、dは二価の脂肪族有機基、eは三価の脂肪族炭化水素基を表す。また、k、l、m、nはモル比を表し、k/(k+l+m+n)は0.05以上0.7以下、l/(k+l+m+n)は0.3以上0.8以下、m/(k+l+m+n)は0以上0.4以下、n/(k+l+m+n)は0以上0.2以下である)
    一般式(2);
    一般式(9);
    一般式(10);
  2. 前記aが数平均分子量200以上3,000以下の脂肪族ポリエステルジオールの残基である請求項1に記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
  3. 前記aが数平均分子量200以上3,000以下のポリ乳酸セグメントである請求項1に記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
  4. 前記bが下記一般式(3)〜(8)で表される構造を有する炭化水素基いずれか1種以上である請求項1〜3いずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
    一般式(3);
    一般式(4);
    一般式(5);
    一般式(6);
    一般式(7);
    一般式(8);
  5. 前記dが炭素数2以上5以下の直鎖あるいは分岐炭化水素鎖、あるいはそれらをエーテル結合で連結した分子量500以上2,000以下のポリエーテル鎖である請求項1〜4いずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
  6. 前記eが炭素数3以上6以下の直鎖あるいは分岐炭化水素鎖である請求項1〜5いずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
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