JP5716293B2 - 脂肪族ポリエステルポリウレタン - Google Patents
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Description
<3> 前記aが数平均分子量200以上3,000以下のポリ乳酸セグメントである<1>に記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
<7> 前記eが炭素数3以上6以下の直鎖あるいは分岐炭化水素鎖である<1>〜<6>いずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンは、脂環式有機基を主鎖に有する脂肪族ポリエステルポリウレタンである。本発明において、脂肪族ポリエステルポリウレタンとは、脂肪族ポリエステルポリオールと、イソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物と、ポリイソシアネートとの重付加反応によって形成される化学構造からなる共重合ポリウレタン樹脂である。脂肪族ポリエステルポリオール、イソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物、ポリイソシアネートは、各々、1種類の化合物からなるものでも複数種類の化合物の混合物であっても良い。
一般式(1);
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンを構成する脂肪族ポリエステルポリオール残基は、前記一般式(1)においては化学構造aとなる。本発明の脂肪族ポリエステルポリオール残基は、脂肪族二塩基酸と脂肪族ジオール類および脂環族系ジオールから選ばれる少なくとも1種以上との縮合反応によって得られる二塩基酸−ジオール縮合型ポリエステルポリオールの残基、または、ポリ(ヒドロキシカルボン酸)ポリオールの残基であることが好ましい。
本発明の二塩基酸−ジオール縮合型の脂肪族ポリエステルポリオールの残基は、前記一般式(1)における化学構造aとなることができる。本発明の二塩基酸−ジオール縮合型の脂肪族ポリエステルポリオールを構成する脂肪族二塩基酸の例としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸を挙げることができる。また、脂肪族系ジオールの例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2’,2’−ジメチル−3’−ヒドロキシプロパネート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−エチル−1,5−ペンタンジオール、3−プロピル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、3−オクチル−1,5−ペンタンジオールを挙げることができる。さらに、脂環族系グリコールの例としては、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシプロピル)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシメトキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4ヒドロキシエトキシシクロヘキシル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカンを挙げることができる。これら二塩基酸、グリコール成分のうち、二塩基酸としてはコハク酸あるいはアジピン酸、グリコール成分としてはエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコールおよびネオペンチルグリコールのいずれか1種以上の縮合反応によって得られる化学構造を有するポリエステルジオールが、汎用性と脱バイ性の観点から好ましい。
本発明のポリ(ヒドロキシカルボン酸)ポリオールの残基は、前記一般式(1)における化学構造aとなることができる。本発明の共重合ポリウレタン樹脂に使用される脂肪族ポリエステルポリオールとして好適なポリ(ヒドロキシカルボン酸)ポリオールの例としてはポリ乳酸ポリオールおよびポリグリコール酸ポリオールを挙げることができる。
一般式(2);
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンに使用されるポリイソシアネート化合物としてはジイソシアネート化合物が好ましい。前記一般式(1)における化学構造−OCONH−b−NHCOO−はジイソシアネート化合物OCN−b−NCOとポリオール化合物の反応により形成することができる。ジイソシアネート化合物としては、例えば1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、またはヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの水添物、m−キシレンジイソシアネートの水添物等の脂環族系ジイソシアネートが挙げることができ、これらのうちの1種類を用いても複数種類を混合しても用いても良い。芳香族ジイソシアネートを用いることは樹脂の破断伸度を高くする傾向にあり、脂環族系ジイソシアネートを用いることは脱バイ性を向上させる傾向にあり、いずれも好ましい。これらのうち、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを用いると樹脂の破断伸度が高くなる傾向にあり、イソホロンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネートの水添物を用いると脱バイ性を向上させる傾向にあり、また汎用性・反応性の面からも好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンにジオール化合物やアミノアルコール化合物、ジアミン化合物等のイソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物を共重合させることにより、塗膜の強靭性を向上させることができる場合がある。ジオール化合物としては例えば前記二塩基酸−ジオール縮合型の脂肪族ポリエステルポリオールの構成成分として例示した種々のグリコール類を挙げることができ、ジオール化合物の残基が前記一般式(1)における化学構造cまたは化学構造dとなる。エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、2−メチル−1,3−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、N−メチルモノエタノールアミン、エチレンジアミン等の比較的低分子量の化合物を前記イソシアネート基と反応しうる有機基を2個以上有する有機化合物として用いることが、ウレタン結合濃度の向上および/またはウレア結合の導入により樹脂への強靱性付与の面で好ましい。
本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンから主としてなるバインダと誘電体粒子と分散媒から、セラミックコンデンサの製造に好適な誘電体ペーストを得ることができる。さらに必要に応じて分散剤や可塑剤等の添加剤を加えて混合し、誘電体ペーストを製造するこのもできる。混合方法はペイントシェーカーやプラネタリーミキサーによる攪拌等の従来公知の混合方法を使用することができる。
本発明のバインダを含有するグリーンシートを電極層と積層し次いで焼成することによって積層セラミックコンデンサを製造することができる。
実施例、比較例で得られたポリウレタン樹脂溶液を50μm厚のポリプロピレンフイルム上に乾燥塗膜厚が約20μm厚になるように塗布し、120℃熱風乾燥機で30分間乾燥させ、乾燥塗膜を得た。乾燥塗膜をポリプロピレンフイルムからはがし、評価・分析用の樹脂を得た。
樹脂30mgを10mlメスフラスコ中でテトラヒドロフランに溶解し、GPC分析に供した。
ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)150Cを用い、テトラヒドロフランをキャリアー溶剤とし、RI検出器を用いて流速1ml/分で測定した。カラムとして昭和電工(株)製 Shodex KF−802、KF−804、KF−806を3本連結しカラム温度は30℃に設定した。分子量標準サンプルとしてはポリスチレン標準物質を用いた。
ポリ乳酸オリゴマー0.5gをクロロホルム/メタノール=3/1混合溶液20mlに溶解後、0.1N−ナトリウムメトキシドメタノール溶液でフェノールフタレインを指示薬として測定した。測定値を樹脂固形分106g中の当量で示した。
樹脂5mgを採取し、アルミニウム製サンプルパンに入れて密封し、セイコーインスツルメンツ(株)製示差走査熱量分析計DSC−220を用いて、−20℃から200℃まで、昇温速度20℃/分にて測定し、ガラス転移温度以下のベースラインの延長線と遷移部における最大傾斜を示す接線との交点の温度で求めた。
樹脂10mgを採取し、アルミニウムセルに入れ、(株)島津製作所製の示差熱・熱重量同時測定装置DTG−60を用い、20ml/minのN2気流下、5℃/minの昇温速度で50℃から500℃まで加熱し、500℃到達時の樹脂の残存率(重量%)を求めた。
実施例、比較例で得られたポリウレタン樹脂溶液を50μm厚のポリプロピレンフイルム上に乾燥塗膜厚が約30μm厚になるように塗布し、120℃熱風乾燥機で30分間乾燥させた。次いで幅15mm、長さ30mmの短冊状に切り出し、(株)オリエンテック製テンシロン万能試験機を用い、25℃×60%RH、引張速度200mm/minの条件下で測定した。
1mmガラスビーズ15gを備えた70mLサンプル瓶に、樹脂0.5g、平均粒子径100nmのチタン酸バリウム粉末4.5g、溶剤10.0gを仕込みペイントシェイカーで3時間混合して分散液を得た。得られた分散液をポリプロピレン製フイルム(以下、PPフイルムと略記する場合がある)上にアプリケーターギャップ50μmで塗布し、120℃で15分間乾燥させ、塗膜を得た。得られた塗膜のコート面を外側にして、直径3、6、9、12、15mmの円筒を用い、JIS K5600−5−1(ISO 1519)円筒形マンドレル法により評価した。
樹脂0.01gをNMRチューブに量り取り、重クロロホルム0.5mLを添加して完全に溶解させ、Varian社製核磁気共鳴分析装置(NMR)400−MRを使用して測定した。積算回数は32回で行った。1H−NMRにより樹脂組成比を求めた。
約20mLのDMFに10g/Lジブチルアミントルエン溶液を3mL添加し、ブロモクレゾールグリーン溶液を指示薬として0.1N塩酸で滴定し、このとき得た値をブランク滴定量とした。次にガラスピペット等を使用し、重合系内から重合溶液を0.5gを目安に採取し、約20mLのDMFに完全に溶解させた。そこへ10g/Lジブチルアミントルエン溶液を3mL添加し、BTB溶液を指示薬として0.1N塩酸で滴定し、このとき得た値をサンプル滴定量とした。NCO滴定値は得られた値を用いて下記の式(11)により求めた。
式(11);
NPG:ネオペンチルグリコール
TCD:3(4),8(9)−トリシクロ[5.2.1.02,6]デカンジメタノール
MEK:メチルエチルケトン
IPDI:イソホロンジイソシアネート
TMP:トリメチロールプロパン
SPG:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン
BD:ブタンジオール
H−XDI:m−キシレンジイソシアネートの水添物、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン
MDI:4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
OD−X−2044:DIC株式会社製ポリエステルポリオール ポリライト(登録商標)OD−X−2044
NPG:ネオペンチルグリコール
AA:アジピン酸
GCM:5−スルホイソフタル酸ジメチルナトリウム
BM−2:積水化学工業株式会社製ブチラール樹脂 エスレック(登録商標)BM−2
BE−400:東洋紡績株式会社製ポリ乳酸樹脂 バイロエコール(登録商標)BE−400
温度計、攪拌棒、リービッヒ冷却管を具備した1LガラスフラスコにNPG132部、L−ラクチド400部、D−ラクチド100部及び触媒としてオクチル酸錫0.07部、触媒失活剤としてエチルジエチルホスホノアセテート0.35部を仕込み、常温で窒素ガス気流下に置いた。次いで常温で30分間減圧し、内容物をさらに乾燥させた。
再び窒素ガス気流下で反応系を180℃に昇温し、3時間攪拌した。その後、系を減圧し、未反応残留ラクチドを留去した。約20分後あるいは未反応ラクチドの留出が収まった後内容物を取り出し冷却した。得られたポリ乳酸ジオール−Aの分子量、酸価を測定し、以下に示した。
数平均分子量:500
酸価 :10eq/ton
温度計、攪拌棒、リービッヒ冷却管を具備した1LガラスフラスコにNPG176部、L−ラクチド400部、D−ラクチド100部及び触媒としてオクチル酸錫0.07部、触媒失活剤としてエチルジエチルホスホノアセテート0.35部を仕込み、常温で窒素ガス気流下に置いた。次いで常温で30分間減圧し、内容物をさらに乾燥させた。
再び窒素ガス気流下で反応系を180℃に昇温し、3時間攪拌した。その後、系を減圧し、未反応残留ラクチドを留去した。約20分後あるいは未反応ラクチドの留出が収まった後内容物を取り出し冷却した。得られたポリ乳酸ジオール−Aの分子量、酸価を測定し、以下に示した。
数平均分子量:400
酸価 :18eq/ton
温度計、攪拌棒、空冷管を具備した2LガラスフラスコにAA427部、GCM47部、NPG526部を仕込み、始めは160℃で反応させた。留出する水の量が少なくなってきたら180℃に昇温し、また水の留出が収まってきたら200℃、さらに215℃、230℃と徐々に昇温していき、最終的に240℃まで昇温し、酸価滴定値が10以下になるまで240℃で反応させた。途中215℃程度になるとNPGモノマーが留出してくるが、ヒートガン等で融かし、空冷管内部が塞がれないよう注意した。得られたポリエステルジオール−Cの分子量、酸価を測定し、以下に示した。
数平均分子量:450
酸価 :5eq/ton
温度計、攪拌棒、空冷管を具備した2LガラスフラスコにAA465部、NPG535部を仕込み、始めは160℃で反応させた。留出する水の量が少なくなってきたら180℃に昇温し、また水の留出が収まってきたら200℃、さらに215℃、230℃と徐々に昇温していき、最終的に240℃まで昇温し、酸価滴定値が10以下になるまで240℃で反応させた。途中215℃程度になるとNPGモノマーが留出してくるが、ヒートガン等で融かし、空冷管内部が塞がれないよう注意した。得られたポリエステルジオール−Dの分子量、酸価を測定し、以下に示した。
数平均分子量:530
酸価 :5eq/ton
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−A50部、TCD30部をMEK9部、トルエン34部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI20部を添加し、反応熱が収まり、内温が下降したら触媒としてジブチル錫ラウレート0.04部を添加した。85℃で2時間反応後、系内温度を80℃に下げ、IPDI20部を添加した。さらに85℃で2時間反応後、系内温度を80℃に下げ、IPDI21部を添加し、反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.12部を再び添加し、85℃で反応させた。NCO滴定値が水酸基とイソシアネート基の仕込み量比率から算出される理論値になったらMEK10部、トルエン39部、TMP3部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK24部、トルエン100部で固形分濃度40%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−1)の組成を表1に、分子量、破断応力、また脱バイ性の指標として熱重量減少(500℃残存率)、グリーンシートのシート強度の指標として耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部、SPG30部をMEK9部、トルエン34部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI20部を添加し、反応熱が収まり、内温が低下したら触媒としてジブチル錫ラウレート0.04部を添加した。85℃で30分間反応後、IPDI20部を添加した。さらに85℃で1時間反応後、IPDI15部を添加した。反応熱が収まり、内温が低下したらジブチル錫ラウレート0.08部を再び添加し、85℃で反応させた。NCO滴定値が理論値になったらMEK10部、トルエン39部、TMP3部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK46部、トルエン184部で固形分濃度30%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−2)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部をMEK23部、シクロヘキサノン23部に溶解し、65℃に加温した。IPDI55部を添加し、反応熱が収まり、内温が低下したら触媒としてジブチル錫ラウレート0.10部を添加した。NCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた後、BD10部を添加し、再びNCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた。MEK15部、シクロヘキサノン15部を添加し均一に攪拌した後、IPDI37部、ジブチル錫ラウレート0.08部を再び添加し、NCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた。次いでTCD35部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK56部、トルエン56部で固形分濃度50%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−3)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部をMEK21部、シクロヘキサノン21部に溶解し、65℃に加温した。H−XDI49部を添加し、反応熱が収まり、内温が低下したら触媒としてジブチル錫ラウレート0.10部を添加した。NCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた後、BD10部を添加し、再びNCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた。MEK15部、シクロヘキサノン15部を添加し均一に攪拌した後、H−XDI32部、ジブチル錫ラウレート0.08部を再び添加し、NCO滴定値が理論値になるまで85℃で反応させた。次いでTCD35部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK96部、トルエン96で固形分濃度40%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−4)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部をMEK24部、シクロヘキサノン24部に溶解し、55℃に加温した。MDI62部を添加し、反応熱が収まり、内温が低下したら触媒としてジブチル錫ラウレート0.04部を添加した。NCO滴定値が理論値になるまで70℃で反応させた後、BD10部を添加し、再びNCO滴定値が理論値になるまで70℃で反応させた。MEK37部、シクロヘキサノン37部を添加し均一に攪拌した後、MDI42部を再び添加し、NCO滴定値が理論値になるまで70℃で反応させた。次いでTCD35部を添加し、NCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK171部、トルエン171部で固形分濃度30%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−5)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部、TCD30部をMEK9部、トルエン34部に溶解し、55℃に加温した。次いでMDI20部を添加した。70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI20部を添加した。さらに70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI30部を再び添加し、反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.14部を添加してNCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK36部、トルエン146部で固形分濃度40%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−6)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリ乳酸ジオール−B50部、TCD30部をMEK9部、トルエン34部に溶解し、55℃に加温した。次いでMDI20部を添加した。70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI20部を添加した。さらに70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI35部を再び添加し、反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.14部を添加して70℃で反応させた。NCO滴定値が理論値になったらMEK12部、トルエン48部、TMP3部を添加し、NCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK74部、トルエン297部で固形分濃度25%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−7)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコ中で50部のOD−X−2044をMEK10部、トルエン30部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI42.3部を添加し、85℃で30分間反応後、触媒としてジブチル錫ラウレート0.16部を添加した。85℃で3時間反応後、SPG30部を添加し、さらに85℃で3時間反応後、NPG5部を添加し、そのまま85℃で反応させた。NCO滴定値が理論値になったらMEK15部を添加し、均一になったらTMP2.5部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK32部で固形分濃度60%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−8)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した500mLガラスフラスコ中で20部のOD−X−2044をMEK5部、トルエン15部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI28.3部を添加し、85℃で30分間反応後、触媒としてジブチル錫ラウレート0.10部を添加した。85℃で3時間反応後、SPG30部を添加し、さらに85℃で反応させた。NCO滴定値が理論値になったらMEK15部を添加し、均一になったらTMP2.5部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK19部で固形分濃度60%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−9)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコで前記ポリエステルジオール−C50部、TCD30部をMEK15部、シクロヘキサノン45部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI30部を添加し、85℃で1時間反応後、系内温度を75℃に下げ、IPDI28.6部を添加した。さらに85℃で30分間反応後、ジブチル錫ラウレート0.24部を添加してNCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK141部、シクロヘキサノン7部で固形分濃度40%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−10)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコで前記ポリエステルジオール−C50部、TCD30部をMEK15部、シクロヘキサノン45部に溶解し、65℃に加温した。次いでH−XDI30部を添加し、85℃で1時間反応後、系内温度を75℃に下げ、H−XDI21.2部を添加した。さらに85℃で30分間反応後、ジブチル錫ラウレート0.20部を添加してNCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK133部、シクロヘキサノン5部で固形分濃度40%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−11)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコで前記ポリエステルジオール−C50部、TCD30部をMEK17部、シクロヘキサノン50部に溶解し、55℃に加温した。次いでMDI20部を添加した。70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI20部を添加した。さらに70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI26部を再び添加し、反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.14部を添加してNCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK312部、シクロヘキサノン60部で固形分濃度25%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−12)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリエステルジオール−D50部、TCD30部をMEK17部、シクロヘキサノン50部に溶解し、55℃に加温した。次いでMDI20部を添加した。70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI20部を添加した。さらに70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI22部を再び添加し、反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.12部を添加してNCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK409部、シクロヘキサノン92部で固形分濃度20%に希釈し、反応を終了した。得られた脂肪族ポリエステルポリウレタン(U−13)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した1Lガラスフラスコに前記ポリエステルジオール−D50部をMEK40部に溶解し、55℃に加温した。次いでMDI10部を添加した。70℃で1時間反応後、系内温度を60℃に下げ、MDI12.7部を添加した。反応熱が収まり、内温が下降したらジブチル錫ラウレート0.04部を添加してNCO滴定値が0になるまで70℃で反応させた。MEK8.5部で固形分濃度60%に希釈し、反応を終了した。得られた共重合ポリウレタン樹脂(CU−1)の組成を表1に、分子量、500℃残存率を評価し、表2に示した。共重合ポリウレタン樹脂(CU−1)はTgが低く、樹脂の機械的物性を評価することができなかった。また、シートの耐屈曲性は良好な値を示したが、Tgが低いので作製したグリーンシートをキャリアフイルムごと巻き取る工程においてグリーンシートの表面がキャリアフイルムの裏面に粘着してしまうため、好ましくない。共重合ポリウレタン樹脂(CU−1)はポリウレタン主原料の1成分である脂環族ジオールを用いていない点が本発明の請求項に記載の範囲から外れるもので、得られたポリウレタン樹脂はTgが低く、積層セラミックコンデンサ誘電体層形成用バインダとして用いることができるものではなかった。
温度計、攪拌棒、コンデンサを具備した500mLガラスフラスコでSPG30部をMEK6部、トルエン18部に溶解し、65℃に加温した。次いでIPDI25.2部を添加し均一に攪拌した後ジブチル錫ラウレート0.10部を添加した。NCO滴定値が理論値になったらTMP2部を添加し、NCO滴定値が0になるまで85℃で反応させた。MEK14部で固形分濃度60%に希釈し、反応を終了した。得られた共重合ポリウレタン樹脂(CU−2)の組成を表1に、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を評価し、表2に示した。共重合ポリウレタン樹脂(CU−2)は脂肪族ポリエステルジオールを共重合した本発明のバインダ樹脂に比べて樹脂破断伸度が低く、シートの耐屈曲性の評価時もシートが非常に脆く、割れたシートは粉末状になった。共重合ポリウレタン樹脂(CU−2)は、ポリウレタン主原料の1成分である脂肪族ポリエステルジオールを用いていない点が本発明の請求項に記載の範囲から外れるもので、得られたポリウレタン樹脂は破断伸度が低く非常に脆かったため、これを用いて得られるグリーンシートの耐屈曲性の評価結果も悪く、耐屈曲性の試験後サンプルは粉末状でサラサラに散っていた。
比較例として従来型誘電体層形成用バインダとして代表的なブチラール系樹脂であるBM−2について、分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を表2に示した。BM−2はジイソシアネート成分として脂環族構造を用いた本発明のバインダ樹脂に対して、特筆すべきような物性を示さなかった。特に樹脂の機械的物性や500℃残存率、シートの耐屈曲性それぞれを一つ一つ本発明のバインダ樹脂と比較すると、いずれも平凡な値であった。
脱バイ性に優れるポリ乳酸ホモポリマーについての比較例としてBE−400の分子量、破断応力、500℃残存率、耐屈曲性を表2に示した。BE−400は500℃残存率には優れるものの、本発明の脂肪族ポリエステルポリウレタンに比べ、シートの耐屈曲性が著しく悪い結果となった。
Claims (6)
- 下記一般式(1)で表され、数平均分子量20,000以上100,000以下の共重合体である脂肪族ポリエステルポリウレタン。
一般式(1);
一般式(2);
- 前記aが数平均分子量200以上3,000以下の脂肪族ポリエステルジオールの残基である請求項1に記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
- 前記aが数平均分子量200以上3,000以下のポリ乳酸セグメントである請求項1に記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
- 前記bが下記一般式(3)〜(8)で表される構造を有する炭化水素基いずれか1種以上である請求項1〜3いずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
一般式(3);
- 前記dが炭素数2以上5以下の直鎖あるいは分岐炭化水素鎖、あるいはそれらをエーテル結合で連結した分子量500以上2,000以下のポリエーテル鎖である請求項1〜4いずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
- 前記eが炭素数3以上6以下の直鎖あるいは分岐炭化水素鎖である請求項1〜5いずれかに記載の脂肪族ポリエステルポリウレタン。
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