JP5704918B2 - 第viii因子およびフォンビルブラント因子の精製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬品の活性薬剤として使用するために第VIII因子およびフォンビルブラント(Von Willebrand)因子を精製する方法に関するものである。
第VIII因子(下記単にFVIII)はヒトの血漿中に低濃度で存在する血漿タンパクで、これが凝固カスケードのキーポイントを成している。すなわち、このタンパクは第X因子(または「FX」)を活性化するために第IX因子(または「FIX」)の共因子として作用する。第X因子が活性化されるとプロトロンビンをトロンビンへ転換し、それがフィブリノーゲンをフィブリンに転換し、止血フィブリンクロットを形成する。
血友病Aの患者はFVIIIが欠乏し、自然発生的または事故や外科手術による外傷に続いて厳しい出血を生じる。
こうした血友病A患者に対する伝統的な治療方法は精製血漿か作ったFVIIIを注射することである。この注射はたびたび行なう必要があり、繰り返す必要があるため、極めて純粋なFVIIIの濃縮物が利用できることが重要である。すなわち、FVIII濃縮物の精製が不充分であると、望ましくない免疫応答を誘発する危険のあるフィブリノーゲンと免疫グロブリンを高い比率で含むことになる。
従って、治療用に使用する血漿由来タンパクを提供するためには、高純度製品を得ることのできる血漿由来FVIIIの精製方法が必要になる。
第VIII因子濃縮物は大抵の場合、低温沈殿させたヒトの血漿画分から製造される。一般に、ヒト血漿の工業的処理センターで得られる第VIII因子濃縮物の純度は約1lU/mgで、一般に最大範囲は10〜20lU/mgを越えることはない。最も一般的な製造方法ではタンパク由来の汚染物、例えばフィブリノーゲン、フィブロネクチンおよび免疫グロブリンを除去するために沈殿ステップを使用するが、大抵の場合、不充分にしか除去できない。この方法は一般に低温沈降(10℃)またはPEG(非特許文献1、2)等の親水性ポリマーのようなタンパク沈澱剤を使用したり、組合せて用いられる。沈降剤としてはポリビニルピロリドン(非特許文献3)、デキストラン、フィコール、パーコール、ヒドロキシエチル澱粉およびアルミナが提案されている。同じく、ThorellおよびBlombackはグリシンと塩化ナトリウムの使用を推薦している(非特許文献4)。別の著者はPEGと、グリシンと、塩化ナトリウムとの3つの沈降剤を使用して10〜16lU/mgの比活性を有する第VIII因子濃縮物を得ている (非特許文献5)。
また、多孔質シリカビーズと接触させて低分子量のタンパク由来汚染物をトラップする段階を含む生産方法で第VIII因子濃縮物を得ることもできる(非特許文献6)。しかし、この方法で得られた製品の比活性は低く、1UI/mg程度のままである。
純度が極めて高いVIII因子濃縮物を製造できる方法すなわち免疫アフィニティークロマトグラフィ法によって濃縮物を得る方法も提案されている(非特許文献7〜9)。この方法の本質はクロマトグラフ基材に固定した抗第VIII因子:C抗体または抗フォンビルブラント因子抗体によって第VIII因子を精製することにある。この方法は効率的ではあるが第VIII因子をその抗体またはからフォンビルブラント因子から脱着させるのにドラスチックな溶液を使用する必要がある。従って、望ましくない化学試薬を除去するために追加の限外濾過階段を必要とするが、これは第VIII因子の生物学的活性に影響を与える。この方法では第VIII因子の活性は4000〜10000lU/mgに達するが、不安定であるため凍結乾燥階段の前にアルブミンのような安定化剤を加える必要がある。この安定化剤は第VIII因子の比活性を3〜5lU/mgに低下させる。しかし、この免疫アフィニティー精製法の主たる欠点は動物起源の残存抗体が存在し、従って、これら非ヒトタンパクに対する免疫反応が患者に誘導されることにある。
以上の全ての方法は非ヒトタンパク類、例えば動物起源の抗体を完全に含まない、純度が極めて高い第VIII因子濃縮物を大規模な工業的な環境に適用できる方法ではない。
特許文献1にはウィルスの失活処理前に冷凍沈殿物をpH値が6.5〜7.5で1〜3U/mlのヘパリンを含む水中に懸濁させ、水酸化アルミニウム懸濁液と反応させ、10〜18℃の温度へ冷却し、pH値を6〜7に調節し、遠心分離または濾過し、さらにフラクトゲル(Fractogel)-DEAEのような親水性タイプのイオン交換樹脂(DEAE-TOYOPEARLRとよばれ、東ソービオサイエンス社から市販)を使用したクロマトグラフィによる後処理でさらに精製することを特徴とする冷凍沈殿物から第VIII因子を製造する方法が記載されている。すなわち、この特許方法は極めて特殊な前階段、特にエタノール処理を完全に無くし、フラクトゲル(Fractogel)-DEAEのような親水性タイプのイオン交換樹脂を用いた前階段を特徴とする第VIII因子の精製法である。
特許文献2にはアニオン交換クロマトグラフィを用いた精製法が記載されている。この精製法では後処理を不必要にすることができるような充分によく熟考された条件下で単一のクロマトカラムで予定タンパク類を分離する。この精製法を用いることで第VIII因子、フィブリノーゲン、フィブロネクチンおよびフォンビルブラント因子タンパクをヒトの動物血漿から分離することができる。この方法は以下のように要約できる:水に可溶化された冷凍沈殿物画分を、架橋したマクロ-ビニルポリマーゲルのタイプのマトリックスを有する陰イオン交換樹脂を使用したクロマトグラフィによる1回の分離を行なって、気孔率の特性によって第VIII因子-フォンビルブラント因子複合体を保持し、次に、溶出緩衝剤のイオン強度を順次増加させて各種タンパク類を選択的に回収する。この方法はフラクトゲル(Fractogel、登録商標)TSK−DEAE650の樹脂(DEAE−TOYOPEARLRとよばれ、東ソービオサイエンス社から市販)にグラフトしたDEAE単位を使用することによって良い結果が得られる。しかし、この方法では第VIII因子は十分に精製されるが、フォンビルブラント因子の精製は十分に行なえないことが分かっている。
フォンビルブラント因子(下記、「FvW」と記載)は2つの明確な機能によって止血(haemostasis)において重要大な役割をする。すなわち、接着タンパクとして血小板を分散、付着させ、血管内皮下層上へ凝集させ、従って、傷付いた導管を迅速に瘢痕形成させる機能と、非共有結合で循環血液中で第VIII因子を安定化させ、確実に運送させる機能とを有する。
FvWの先天的欠失またはこの因子の構造的欠陥がフォンウィルブラント病の原因であり、皮膚および粘膜からの出血となって現れる。この病気の臨床的発現は極めて異質で、特に外科手術時に問題になる。フォンウィルブラント病の治療では一次止血(haemostasis)(出血時間)と凝固不能とを正すことが必要である。
従来のこの病気の治療法はFvW-リッチなヒト血漿誘導体(例えば血漿の低温沈殿画分またはFvWを十分に含んだ第VIII因子濃縮物)を用いて置換治療を行なうものである。
しかし、FvWは精製するのが難しいタンパクである。すなわち、フォンビルブラント因子は血漿中を循環する公知の最も大きなタンパクで一組のジスルフィド架橋リンクしたマルティマーから成り、そのベース要素は約260キロダルトン(kDa)の分子量を有する。血漿中での最も小さいFvWは440〜500kDaのダイマーで、最も大きい形は分子量が2000万ダルトンに達する上記ダイマーのマルティマーである。マルティマー中のサブユニットの配列はそれが形成された細胞に特有なものになり、FvWは巨核球中および血管内皮細胞中で合成され、重合される。
フォンビルブラント因子の分子は複雑で、第FVIII因子と結合しているため、その製造法は極めて複雑である。
FvW濃縮物を製造するための各種方法は一般に血漿画分を沈殿させて不必要なタンパク類(フィブリノーゲン、フィブロネクチン等)の主要部分を除去する階段および/またはクロマトグラフ階段(イオン交換クロマトグラフィ、アフィニティークロマトグラフィ、免疫アフィニティークロマトグラフィ、サイズ排除クロマトグラフィ等)で極めて高い比活性を有する純粋な濃縮物にすると同時に、治療過程に決定的な生物活性を有するマルティマーの形、特に高分子量のものの一体性を維持する段階とを組合せたものである。
特許文献3には、血漿を低温沈殿画分の予備精製階段と、3回の連続したクロマトグラフィ階段とから成る工業的スケールでFvW濃縮物を製造する方法が記載されており、その第3回目のクロマトグラフィ階段はアガロース固定ゼラチンカラムでのアフィニティークロマトグラフィである。この方法で得られるFvW濃縮物の比活性は1mgのタンパク当りのリストセチン共因子の活性単位で表される単位で100 VWF:RC0/mg以上で、高分子量マルティマーのレベルは初期血漿中のそれと同じである。
特許文献4には、陰イオン交換クロマトグラフィと陽イオン交換クロマトグラフィとを組合せたFvW調合剤の方法が記載されている。この方法で得られるFvW画分は1mgのタンパク当りのFvW抗体単位で表して100 IU FvW:Ag/mg以上の比活性を有するが、さらにある量の第VIII因子を含んでいる。
特許文献15には、免疫吸着剤が抗FvW抗体である、免疫アフィニティークロマトグラフィによって極めて精製されたFvWを製造する方法が記載されている。ヘパリン上でのアフィニティークロマトグラフィによる追加の精製階段も可能である。しかし、この種の免疫親和性精製法の欠点は免疫反応を誘発する可能性のある残余抗体が存在することにある。
特許文献6には陰イオン交換樹脂上に第VIII因子を固定するための炭水化物を含む酸性液(pH=5.5〜6.5)を用いて行なうアニオン交換クロマトグラフィによるFvW濃縮物の調合剤の製造方法が記載されている。しかし、保持されなかったフィブロネクチンおよびフィブリノーゲンと一緒にFvWを基質の洗浄によって回収するためには追加の沈降階段で精製されたFvW濃縮物を単離させる必要がある。
特許文献7にはフォンビルブラント因子を含む生物学的製剤画分からマイルドな塩基タイプのビニルポリマー気質を用いたアニオン交換クロマトグラフィによる分離工程を含む、非常に純粋なフォンビルブラント濃縮物の製造方法が記載されている。この方法は非常に簡単に実行でき、第VIII因子をわずかしか含まない高度に特異的なフォンビルブラント因子を得ることができるという利点がある。
FVIIIとFvWは非常に有用な血漿誘導タンパク質で、その欠乏はある種のヒトに対して重大な止血疾患の原因となる。従って、患者へ繰り返して使用可能な高純度で製品を製造することができる、これらタンパク類の製造方法を開発することが重要である。
上記従来技術に記載の方法によってフォンビルブラント因子の純粋は悪いが純粋な第VIII因子を得ることはできるか、FVIIIとFvWの両方が純粋なものを得ることができるが、その方法は複雑かつ厄介なものである。
欧州特許第EP 0 343 275号公報 欧州特許第EP 0 359 593号公報 欧州特許第EP 0 503 991号公報 欧州特許第EP 0 934 748号公報 米国特許第US 6,579,723号明細書 欧州特許第EP 0 383 234号公報 欧州特許第EP 1 632 501号公報
Newman and al., Br. J. Haematol 21:1-20, 1971; Hao and al., in Methods of Plasma Protein Fractionation, Academic Press 1980, pp.57-74 Casillas and Simonetti, Br. J. Haemato, 50:665-672, 1982 Thorell and Blomback, Thromb Res. 1984 Aug 15;35(4):431-50) Ng and al, Thrombosis Res.,42:825-834, 1986) Margolis and at., Vox Sang. 46: 341-348,1984 Zimmerman and Fulcher, Thrombosis Res., Suppl. VII, p. 58, 1987; Berntorp and Nilsson, Thrombosis Res., Suppl. VII, p.60, 1987; Levine and al., Thombosis Res, Suppl. VII, 1987
本発明は、FVIIIとFvWとの混合物を含む溶液、または、FvW-含有溶液、または、動物、特にヒト以外の動物の分泌物に由来する溶液、または、FVIII-含有の植物抽出物を精製する方法において、FVIIIおよびFvWの中から選択される少なくとも一つのタンパクを吸着できるイオン交換クロマトグラフ濾過-タイプのメンブレンでのクロマトグラフィ階段を含むことを特徴とする方法を提供する。
本発明の対象は、下記:
(i) FVIIIとFvWの混合物を含む溶液、
(ii) FvWを含む溶液、
(iii)ヒト以外の動物の分泌物に由来する溶液
(iv)FVIII-含有植物抽出物に由来する溶液
の中から選択される溶液からFVIIIまたはFvWを精製する方法において、
イオン交換クロマトグラフィ濾過-タイプのメンブレンでFVIIIまたはFvWを吸着する階段を含むことを特徴とする方法にある。
フォンビルブラント因子精製法のダイアグラム。 第VIII因子精製法のダイアグラム。
「精製(方)法」とは、媒体中に存在する他の分子からFVIIIを分離する方法、または、媒体中に存在する他の分子からFvWを分離する方法、または、FVIIIをFvWから分離する方法、または、媒体中に存在する他の分子からFVIII/FvW複合体を分離する方法を意味する。上記の分子はFVIIIおよびFvWとは異なるタンパク類、ウィルス、バクテリア、芽胞、培地、ウシ胎仔血清等であり、これらに限定されるものではない。
「FVIII」とはFVIIIの任意の形、特にFIX賦活の共因子(cofactor)として作用し、FvWと錯体、特に成熟(mature)FVIII、非成熟FvW、FVIII先駆物質、(プレ・プロのFVIII)、シグナルペプチドおよびプロ−ペプチドの開裂後に得られる成熟したFVIIIから成るタンパク構造物を形成する例えばプロ-ペプチドを含むプロ-FVIII(pro-FVIII)のような成熟FVIII生物活性誘導体を形成可能なFVIIIの任意の形を意味する。本発明に含まれるその他のFVIII生物活性誘導体には後翻訳修飾を受けるプロドラッグ、または、生物学的に活性な型、例えば先端を切った形、欠失した形、例えば特許文献8に記載のArg-759とSer-1709との間の領域に位置する一つ以上のアミノ酸を欠失したFVIII、キメラな形、血漿で自然に成熟した形とは異なる後翻訳修飾された形等が含まれる。
欧州特許第EP 218 712号公報
これらの各種FVIII形は成熟したFVIIIの変形、または、血液中で自然に生じるその他の任意の形でよい。このFVIIIをコードするヌクレオチド配列は種々の供与源、好ましくはヒト、ブタ、羊、ウシ、ウマおよびヤギ(Caprinae)供与源を含む哺乳類に由来するものにできるが、これらに限定されるものではない。
「FvW」とはFvWの任意の形を意味し、特に成熟したFvW、成熟したFvWの生物活性誘導体、例えばプロペプチド、非成熟FvWから成るタンパク構造物、FvW先駆物質(プレプロFvW)、FvWプロペプチド(pro−FvW)、シグナルペプチドおよびプロペプチドの開裂後に得られる成熟FvWを含む。本発明に含まれる他のFvWの生物活性誘導体には、後翻訳修飾を受けるプロドラッグ、または、生物活性な形、例えば先端を切った形、欠失した形、例えばプロテオリシス抵抗性のあるA2領域を欠失したFvW(非特許文献10)、グリコプロテインlb-結合領域およびコラーゲンおよびヘパリンのための結合サイトを含むVal 449とAsn 730との間のFvW断片(非特許文献11)、キラルな形、血漿中で自然に成熟した形とは異なる後翻訳修飾した形等がある。
Lankhof and al., Thromb. Haemost. 77: 1008-1013, 1997 Pietu and al., Biochem. Biophys. Res. Commun. 164: 1339-1347, 1989
これらの各種のFvWの形は例えば成熟FvWまたは血液中で自然に生じたその他任意の形を修飾して製造することができる。この種のFvWをコードするヌクレオチド配列は種々の供与源に由来でき、好ましくはヒト、ブタ、羊、ウシ、ウマおよびヤギを含む哺乳類の供与源にすることができるが、これらに限定されるものではない。
「FVIIIとFvWの混合物を含む溶液」とは複合した状態または個別の状態でFVIIIとFvWとを含む任意の溶液を意味する。これらの溶液は血漿由来、組換え型由来またはトランスジェニック由来のものにすることができる。
組換え型由来の溶液の場合、FVIIIおよびFvWタンパクの発現が誘発されている単細胞系に由来するものにすることができ、これらのタンパクの各々をコードする遺伝子を含むベクターが形質移入された動物またはヒトの細胞株を挙げることができる。この細胞株としては特にCl-Ia-K, CHO-LeC1O, CHO Lec-l, CHO Pro-5, CHO dhfr-, Wil-2, Jurkat, Vero, Molt-4, COS-7, 293-HEK, YB2/0 (ATCC CRL-1662), BHK, K61-I6, NSO, SP2/0-Ag 14 and P3X63Ag8 653, SK-Hep, HepG2, PERC6 (Crucell)株と、植物細胞、バクテリア系、例えばE. Coli、菌類、ウィルス、特にバクロウイルスを利用した系の中から選択できるが、これらに限定されるものではない。
これらの細胞系は当業者に周知の方法でFvWおよびFVIIIのタンパクを発現する。下記特許文献9を参照できる。この特許の内容は本明細書の一部を成す。
米国特許第US 5,198,349号明細書
この特許文献にはFVIIIとFvWの共発現、特に、FVIIIの暗号配列が挿入されている発現ベクターと、FvW暗号配列が挿入された発現ベクターとが共形質転換されたCHO細胞が記載されている。
トランスジェニック起源の溶液は特にトランスジェニシス(transgenesis)すなわち一つまたは複数の組換え型DNA分子を含む動物または植物由来の多数細胞(pluricellular)系から得られる。その適切な例にはイヌ、ネコ、ハツカネズミ、ラット、ハムスター、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、ブタ、ウマ、昆虫、草木、例えばタバコ、ダイズが含まれるが、これらる限定されるものではない。
動物からのFVIIIおよびFvWの場合には、動物の各種分泌物、例えば尿、血液、唾液または乳汁(これらに限定されるものではない)中で産生される。この産生方法は当業者に周知の方法で実行きる、例としては特許文献10、特許文献11に記載のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
欧州特許第EP 741 515号公報 欧州特許第EP 807 170号公報
特許文献11にはFVIIIとFvWを発現し且つ乳汁中に分泌させるためにFVIIIとFvWをコードするDNA分子をゲノム中に安定な状態で一体化したトランスジェニック動物の生産方法が記載されている。
FVIIIおよびFvWが植物から生産する場合もその生産を当業者に周知の方法で実行でき、例えば下記特許文献12、13が参照できる。
米国特許第US 6,331,416号明細書 米国特許第US 5,994,628号明細書
血漿起源の溶液の場合には動物またはヒトからの血漿または冷凍沈殿物または標準的な分画方法を用いて得た画分にすることができる(非特許文献12)。
Cohn and al., J. Am. Chem. Soc., 68, 459, 1946 and Kistler and al., Vox Sang., 7, 1962, 414-424
これらの画分には必要に応じて水酸化アルミニウム吸着のような予備精製処理をすることができる。
FVIIIとFvWとの混合物とはこれらのタンパクがほぼ同じ量で存在するか、ひとつのタンパクが主に存在するか、他方に対して一方が相対的に多量に存在することを意味する。「FvWを含む溶液」とはFvWを含む任意の溶液を意味し、FVIIIは実質的に全く含まない、すなわち、ほとんどまたは極めて少量しか含まないということを意味する。この溶液は組換え型でも、トランスジェニックでも、血漿由来でもよい。
組換え型起源の溶液はFvWタンパクの発現が誘発された単細胞系に由来する。その適切な例にはこのタンパクをコードする遺伝子、好ましくはヒトのタンパクをコードする遺伝子を含むベクターで形質転換された全ての動物またはヒトの細胞系が含まれる。この細胞株は特にCHO-K、CHO-LeC1O、CHO Lec-1、CHO Pro-5、CHO dhfr-、Wil-2、Jurkat、Vero、Molt-4、COS-7、293-HEK、YB2/0、BHK、K61-16、NSO、SP02/0-Ag14、P3X63Ag8. 653、SK-Hep、HepG2細胞系、植物細胞、バクテリア系、例えばE. Coli、菌類系、ウィルス使用系、特にバクロウイルスの中から選択できるが、これらに限定されるものではない。
これらの細胞株はFvWタンパクを発現し、当業者に周知の方法で得ることができる。その適当な例としては下記特許文献14、15が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
米国特許第US 5,198,349号明細書 国際特許第WO 89/06096号公報
特許文献14(米国特許第US 5,198,349号明細書)には発現ベクターにヒトのFvWをコードする相補DNAを挿入したCOS細胞のヒトFvW発現が記載されている。
トランスジェニック起源の溶液は複数細胞(pluricellular)系に由来する。特に、トランスジェニシスで得た動物または植物すなわちFvWをコードする組換え型DNA分子を入れた一つまたは複数の細胞から得られる。その適切な例はイヌ、ネコ、ハツカネズミ、ラット、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ウサギ、ブタ、昆虫、植物、例えばタバコ、大豆を含み、これらに限定されるものではない。
FvWをトランスジェニック(遺伝子導入実験)動物から生産する場合、動物の各種分泌物、例えば尿、血液、唾液または乳汁(これらに限定されない)から生産できる。この生産方法は当業者に周知の方法で実行できる。その適切な例としては下記特許文献16、17が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
国際特許第WO 2001/022810号公報 国際特許第W01999/058699号公報
特許文献16(国際特許第WO 2001/022810号公報)には乳中にヒトのFvWを生産するメスのトランスジェニックハツカネズミが記載されている。
植物からFvWを生産する方法も当業者に周知の方法で実行できる。その適切な例としては下記特許文献18、19が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
米国特許第US 6,331,416号明細書 米国特許第US 5,994,628号明細書
血漿由来の溶液は動物またはヒトの血漿画分または冷凍沈殿物または標準的分画方法で得られる画分にすることができる(非特許文献13)。
Cohn and al., J. Am. Chem. Soc., 68, 459, 1946 and Kistler and al., Vox Sang., 7, 1962, 414-424
これらの画分には必要に応じて水酸化アルミニウム吸着のような予備精製処理をすることができる。
「ヒト以外の動物の分泌物から得たFVIIIを含む溶液」とは任意の分泌物、例えばFVIII分子を発現するように設計されたトランスジェニック動物が出す血漿、尿、唾液または乳から誘導される任意の溶液も意味する。この場合、トランスジェニック動物はFvWを発現しない。「FVIII-含有血漿から得た溶液」とはヒトまたは動物のFVIIIを自然に含む血漿すなわちFvWを実質的に含まないものから誘導される任意の溶液を意味する。これは動物またはヒトの血漿画分、冷凍沈殿物または標準的分画方法で得られる画分から得られる(非特許文献13)。これらの画分には必要に応じて水酸化アルミニウム吸着のような予備精製処理をすることができる。
トランスジェニック動物から分泌物を得る方法も当業者類に周知の手段で実行できる。その適切な例としては下記特許文献20、21が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
米国特許第US 5,880,327号明細書 米国特許第US2007/0011752号明細書
特許文献20(米国特許第US 5,880,327号明細書)にはハツカネズミの乳中にヒトのFVIIIを生産させる方法が記載されている。特許文献21(米国特許第US2007/0011752号明細書)には各種動物の唾液からヒトのタンパク、例えばFVIIIを生産する方法が記載されている。
「FVIII含有植物抽出物由来の溶液」とはFVIII分子を発明,源するように設計されたトランスジェニック植物または植物細胞から得られるFVIIIタンパク、特に、ヒト起源のタンパクを含む植物からの任意の画分を意味する。
この抽出物は植物細胞にFVIIIをコードする遺伝子を含むヌクレオチドベクターを導入して作ることができる。その方法は当業者類に周知で、多数の文献に記載されており、例えば下記文献に記載されている。
米国特許第US 2005/0060775号明細書
「イオン交換クロマトグラフィ濾過タイプのメンブレン」とはFVIIIおよび/またはFvWのタンパクをメンブレンを通したときにFVIIIおよび/またはFvWをイオン交換によって吸着する能力のある任意の物理的な半透過性のバリアを意味する。さらに、このメンブレンはさらに、メンブレンとFVIIIおよび/またはFvWとの間のイオン交換作用がそれらを保持するのに充分でなくなっときに、FVIIIおよびFvWを流すことができるものである。
すなわち、本発明ではFVIIIまたはFvWを精製するためにイオン交換濾過タイプのメンブレンを使用する。このイオン交換濾過タイプのメンブレンはマクロポーラスな基から成り、この基材に正または負に帯電した被覆物が固定され、この被覆物が濾過タイプのメンブレンにイオン交換特性を与える。一般に正または負に帯電した被覆物は化学的グラフトによって上記マクロポーラス基材上に固定される。
マクロポーラス基材の気孔率(すなわちその平均細孔径は濾過タイプのメンブレンがFVIIIおよびFvWを完全に通過できるようなものである。このメンブレンを使用する第1の利点はプロセスの衛生上の安全レベルを改善することができる使い捨て型のイオン交換濾過タイプメンブレンを使用できる点にある。このメンブレンを使用する第2の利点は、本発明の精製(より正確にはイオン交換クロマトグラフィ階段)を被精製溶液を極めて大きな流速で実施できる点にある。
本発明の濾過タイプのメンブレンは任意タイプの物理的バリア基材で実行できる。その例としてはポリマーフィルム、ウイック、中空ファイバー、安定化セルロース、ポリエーテルルホンまたはFVIIIおよびFvWを流通させることができる任意の三次元構造物が挙げられる。
濾過タイプのメンブレンとFVIIIおよびFvWタンパクとの間のイオン交換相互作用はマクロポーラスな基材上に固定した正または負に帯電した被覆物により行なわれる。この被覆物は交換可能な塩基性または酸性の官能基から成る。
イオン交換性被覆物は一官能性タイプ、すなわち単一の官能性単位のみから成るタイプか、複数の官能性単位を有する多官能性タイプにすることができる。
従って、上記濾過タイプのメンブレンはFVIIIおよびFvWのタンパクをこのタンパクとメンブレンとの間の相互作用によって同時に捕捉または吸着できる。FVIIIおよびFvWを含んだ溶液をメンブレン上に通すとイオン交換作用によってFvWおよびFVIIIはメンブレンに保持される。
被精製製品が冷凍沈殿物中に含まれる場合には、汚染菌が完全に無くなった溶液を得るために、本発明の精製法を実行する前に被精製溶液の予備精製階段を実行するのが好ましい。
この予備精製階段は複雑な溶液、例えば多くのタンパクを含む媒体である乳または血漿から誘導される溶液の場合に特に有益である。この予備精製階段は特に特許文献23に記載の清浄階段または特許文献24または特許文献25に記載の抽出階段で行なうことができるが、これらに限定されるものではない。
国際特許第WO 2004/076695号公報 フランス特許第FR 06 04864号公報 フランス特許第FR 06 11536号公報
特許文献24(フランス特許第FR 06 04864号公報)に記載の乳中に存在するカルシウムイオンに対して親和性を有する少なくとも一つの錯体または非錯体のタンパクを抽出する方法は下記の工程から成る:
(i) 乳を可溶性塩、例えばリン酸ナトリウムと接触させ、得られるカルシウム化合物を沈澱させてタンパクを開放する。可溶性塩のアニオンは媒体中で上記不溶カルシウム化合物が形成でき、タンパクリッチな液相が得られるものを選択する。
(ii)タンパクリッチな液相をカルシウム化合物沈降物から分離する。液相をさらにリピド相とタンパクを含む非リピド水溶相とに分離し、
(iii)タンパクを含んだ非リピド水溶相を回収する。
特許文献25(フランス特許第FR 06 11536号公報)に記載の、乳の自然なpHで少なくとも一種の疎水性ポケットと負電荷とを有する乳中に存在するタンパクを抽出する方法は下記の工程から成る:
a) 乳をスキミングして脱リピド化し、
b) タンパクを含むスキミングと脱リピド化した画分を疎水性とイオン性の両方の特性を有するリガンド、例えば、4-メルカプト−エチル−ピリジンがグラフトされたクロマトグラフ基材に上記タンパクを上記基材に保持できるpH条件下で通し、
c) タンパクを溶出し、
d) 溶出画分から乳タンパクを除去して溶出画分を精製し、
e) 前記タンパクを回収する。
細胞系から得た溶液の場合、予備精製階段を細胞培養階段後に直ち実行することができる。細胞培養媒体の組成は細胞が作るタンパクを細胞外の媒体中に排出できるように制御する。さらに、得られたタンパクが媒体中に排出されるような細胞を選択する。
その後、本発明の精製階段を実行するのに適した予備精製物を得るためにデープ濾過階段またはタンジェトマイクロ濾過を実施する必要がある。
本発明の複数の実施例の濾過タイプのメンブレンはカチオン交換選択性メンブレンである。このメンブレンに付けた官能基の正の対イオンはFvWおよびFVIII上の同じ電荷と交換される。
陽イオン交換被覆物として使用可能な官能基にはカルボキシメチル(CM)、ホスホリル、スルホプロピル(SP)、サルフェート(S)等があるが、これらに限定されるものではない。
陽イオン交換濾過タイプのメンブレンを使用する実施例で使用可能な緩衝剤にはトリス−ヒドロキシメチル−アミノメタン、炭酸エステル、エチレンジアミン、イミダゾールまたはトリエタノールアミンがあるが、これらに限定されるものではない。
これらの実施例での緩衝剤のpH値は当業者に周知のルーチン方法に従ってタンパクの等電点に応じて選択される。このpH値でのタンパクは正の全体荷電レベルを有する。
本発明の他の実施例では、濾過タイプのメンブレンがアニオン交換選択的なメンブレンである。このメンブレンが有する官能単位の負の対イオンがFvWおよびFVIII上の同じ電荷と交換される。
この陰イオン交換被覆物として使用可能な官能単位にはジエチルアミノエチル(DEAE)、ジエチル(2-ヒドロキシプロピル)アミノエチル、四級アンモニウム基(QAE、Q)、ジメチルアミノエチル(DMAE)、トリメチルアミノエチル(TMAE)が含まれるが、これらに限定されるものではない。これらの実施例で使用可能な緩衝剤には酢酸塩、シトラート、リン酸塩、グリシン、バルビツレートが含まれるが、これらに限定されるものではない。
これらの実施例での緩衝剤のpH値は当業者に周知のルーチン方法によってタンパクの等電点に従って選択される。このpH値でタンパクは全体として負の帯電レベルを有する。濾過タイプ・メンブレンは強陰イオン交換樹脂から成るイオン交換正被覆物を有するのが好ましい。
「強陰イオン交換樹脂」とは、イオン化の弱いタンパクを吸着可能な任意の陰イオン交換膜を意味する。
この種の濾過タイプのメンブレンは市販されている。その適切な例はQAEまたはQ単位を有するメンブレン、特にムスタング(Mustang Q、登録商標)メンブレン(Pall)またはサルトビンド(Sartobind)Qメンブレン(Sartorious)であるが、これらに限定されるものではない。
ムスタング(Mustang Q、登録商標)メンブレン(Pall)は吸着能およびクロマトグラフ容積流が大きく、単一サイクル(使い捨て)でも複数サイクルでも使用できる点で特に重要である。さらに、このメンブレンは基質の洗浄、例えば再生や衛生化(ウィルス、プリオンセキュリティプロトコル等)の評価階段を実施する必要がないという利点がある。
これらの濾過タイプのメンブレンを使用することで標準的基質でこれまで必要であったエージングテストも不要になる。従って、これらのメンブレンを使用することで現在のものより生産時間を短くすることができる。
被精製溶液と接触する濾過タイプのメンブレンの表面はマクロポーラス基材上に化学的にグラフトした第四アンモニウム基から成る陰イオン交換正の被覆を有するのが好ましい。
本発明のさらに別の実施例では、濾過タイプのメンブレンがマクロポーラスメンブレンである。「マクロポーラス」という用語は寸法が0.3μm〜1.0μmの膜細孔を有する系を意味する。この細孔径は0.5μm〜0.9μmであるのが好ましく、0.8μmであるのが最も好ましい。
本発明で特に好ましいメンブレンの基質の例はポリエーテルルホン基質である。このポリエーテルルホンメンブレンの例としてパル(Pall)社から市販のムスタング(Mustang)Qメンブレンである。このメンブレンは直径が0.8μmの細孔を有し、四級アミン基がグラフトされている。
本発明の一つの実施例では、被精製溶液はFVllIまたはFvWを含む血漿起源のものである。本発明の好ましい実施例では、被精製溶液はFVIIIおよびFvWの混合物を含む血漿由来のものである。
本発明のこの実施例では、溶液は天然のヒトまたは動物の血漿、すなわち、ヒトまたは動物のFVIIIおよびFvWを自然に含むヒトまたは動物の血漿に由来する。この場合の動物血漿はブタ、ウサギ、ヤギ等であるが、これらに限定されるものではない。
驚くことに、本発明者は濾過タイプのメンブレン、特にムスタング(Mustang)Qメンブレンは樹脂またはゲルのメンブレンよりFVIIIおよび/またはFvWに対する吸着能が高いということを見出した。「吸着能」という用語はゲルに固定された標的タンパクの量を意味し、アニオン樹脂の場合、一般にゲルに固定されたBSA(ウシ血清アルブミン)の量をゲルまたは樹脂のメーカーが表している。例えば、FVIIIおよび/またはFvWの精製にこれまで使用されてきたDEAE-TOYOPEARL(登録商標)ゲルの場合の吸着能は25〜35mg/mlであるが、ムスタング(Mustang)Qメンブレンでは30mg/ml以上である。
吸着能が高い濾過タイプのメンブレンということは、ゲルまたは樹脂と比べて、同じ量のFVIIIおよび/またはFvWを吸着するのに使用するゲルの量を少なくできるということを意味する。例えば、DEAEゲルの吸着量は50〜80lU FvWとFVIII/mlであるが、ムスタング(Mustang)Qメンブレンでは200〜250lU FvWとFVIII/mlである。
ゲルまたは樹脂と比較した時の濾過タイプのメンブレンの最高吸着能はイオン化サイトへのFVIIIおよび/またはFvW、特にFVIII/FvW複合体を形成した時のアクセス性を改良することに達成できる。すなわち、これらのタンパク、特にFVIII/FvW複合体が形成されるときには、タンパクが大きな寸法を有するので、マクロポーラス濾過タイプのメンブレン上にグラフトされたイオン化サイトにはより簡単にアクセスできると考えられる。これに対してゲルまたは樹脂では、イオン化サイトは細孔のチャネルの中にあるため大きなタンパクはアクセスできない。
本発明の好ましい実施例では下記工程から成る方法を使用すのが好ましい:
(a)血漿から冷凍沈殿物を作り、
(b)イオン交換クロマトグラフィメンブレン、特にアニオン交換クロマトグラフィメンブレン上に第VIII因子およびフォンビルブラント因子を捕捉、吸着し、(c)溶出緩衝剤のイオン強度値を順次増加させることによってフォンビルブラント因子および第VIII因子を選択的に回収する。
血漿から冷凍沈殿物を作る階段の後にアルミナゲルでの第VIII因子およびフォンビルブラント因子の吸着とコールド沈殿による予備精製階段を実行するのが好ましい。
上記方法の階段(c)で使用する溶出緩衝剤のイオン強度値はFvWおよびFVIIIタンパクの各生理化学的性質と濾過タイプメンブレンのイオン交換特性に関する一般的な知識に基づいて当業者が簡単に調節でき、一般には市販の濾過タイプメンブレンのメーカーが推薦する値を使用できる。特に、FVIIIは同じ基質からFvWを溶出するのに必要なイオン強度値より高いイオン強度値を有する緩衝剤でアニオン交換クロマトグラフィ基質から溶出するという一般的な知識を当業者は使用できる。
従って、上記方法の階段(c)では、基質から (i)FvW、(ii)FvWとFVIIIまたは(iii)最初にFvW、続いてFVIIIを溶出(脱着)させるのに適したイオン強度値を有する緩衝剤を当業者は使用することができる。最初にFvW、続いてFVIIIを溶出させる変形例(iii)では、当業者はFvWまたはFVIIをそれぞれに合ったイオン強度値を有する2つの溶出緩衝剤を順次使用することができる。この変形例(iii)の第2の変形例では、当業者はFvW、続いてFVIIIが脱着されるような連続にイオン強度を増加させる勾配を有する緩衝剤を用いて溶出を実行することもできる。
上記方法の階段(c)で行なう「溶出緩衝剤のイオン強度値を連続に増加」という操作には塩、例えば塩化ナトリウム、塩化カルシウム(これらに限定レレるものではない)を加えて溶出緩衝剤のイオン強度値を線形に増加させることが含まれる。
すなわち、緩衝剤のイオン強度値を増加させることによって最初にFvWが溶出し、それからFVIIIを溶出させることができる。従って、FvWを回収し、FvWを得た後に溶出を止めることができ、さらに溶出を続けてFVIIIを得ることもできる。
「冷凍沈殿物」とは、ヒトまたは動物の血漿から低温沈殿法によって得られる沈降物を意味する。この冷凍沈殿物は当業者に周知の方法で得ることができる。例えば、凍結血漿を約−5℃〜−15℃の温度にし、それから温度を1℃、必要な場合には4℃を上回まわらない温度で撹拌下にゆっくり暖める。この条件で凍結血漿は溶融し液相と固相とになる。遠心分離して固相すなわち冷凍沈殿物を回収する。冷凍沈殿物は実質的にフィブリノーゲン、フィブロネクチン、第VIII因子およびフォンビルブラント因子(vWF)から成る。冷凍沈殿物では一般にFVIIIはFVIIIを安定させるFvWと組合されている。
「選択的に回収」とはFVIIIまたはFvWのいずれか、または、FVIIIおよびFvWの混合物を回収する能力を意味する(溶出方法と予想されるタンパクと依存する)。
当業者に周知の方法に従ってpH値を変えるか、溶出緩衝剤のイオン強度値を増加させることによって(実施例1を参照)、FvWまたはFVIIIのいずれかか、FVIIIとFvWとの混合物を得ることができる。
本発明のさらに他の実施例では、被精製溶液が組換え型またはトランスジェニック由来のFVIIIとFvWの混合物を含む。この実施例では下記の工程が使用される:
(a) FVIIIおよびFvWを含む細胞培養の上清または精製済み溶液を作り、
(b) 上記のイオン交換クロマトグラフィ・メンブレン、特にアニオン交換クロマトグラフィメンブレンで第VIII因子およびフォンビルブラント因子を捕捉し、
(c) 溶出緩衝剤のイオン強度値を順次増加させてフォンビルブラント因子および第VIII因子を選択的に回収する。
本発明のさに他の実施例では、被精製溶液がFVIIIまたはFvWのいずれかを含む。この実施例では下記の工程が使用される:
(a) FVIIIまたはFvWを含む細胞培養上清または精製済みの溶液を作り、
(b) 上記イオン交換クロマトグラフィ・メンブレン、特にアニオン交換クロマトグラフィ・メンブレンで第VIII因子またはフォンビルブラント因子を捕捉し、
(c) フォンビルブラント因子または第VIII因子を回収する。
血漿画分を使用することで本発明方法によってフィブリノーゲン、フィブロネクチン、ビタミンK依存因子の量を減らすことができる。特に、被精製溶液がFVIIIとFvWの混合物を含む場合、下記の工程を行うことでFvWおよびFVIIIを選択的に回収することができる:
(c1) 上記クロマトグラフィメンブレンの平衡緩衝剤のイオン強度値を増加させてFvWを溶出させる。例えば、0.25M塩化ナトリウムを加えてイオン強度値を上げ、浸透圧重量モル濃度を600から約660mOsm/Kgへ増加させることができる。
(c2) 上記クロマトグラフィメンブレンの平衡緩衝剤のイオン強度値をフォンビルブラント因子の回収値より増加させてFVIIIを溶出させる。例えば、0.7Mまたは0.35Mの塩化ナトリウムまたは塩化カルシウムを加えることによってイオン強度値を増加させ、浸透圧重量モル濃度を1400から約1700mOsm/Kgまで上げることができる。
階段(c1)はイオン交換濾過タイプメンブレンからFvWを選択回収する階段で、この段階ではFvWを脱着するのに適したイオン強度値の緩衝液を使用する。
階段(c2)はイオン交換濾過タイプメンブレンからFVIIIを選択回収する階段で、この段階ではFVIIIを脱着するのに適したイオン強度値の緩衝液を使用する。階段(c2)で使用する緩衝液のイオン強度値は階段(c1)で使用する緩衝液のイオン強度値より高い。
これらの階段はイオン交換クロマトグラフィ濾過タイプメンブレン上にFVIIIおよびFvWが同時に捕捉された階段の後に実行される。階段(c1)で溶出したFvWはFVIIIを極めてわずかしか含まない。これを回収して、精製されたFvW溶液を得る。階段(c2)で得られるFVIIIに含まれるFvWは最初の溶液より少ない。これを回収して、精製されたFVIII溶液を得る。
必要な場合には、例えば下記特許文献26に記載のような、高分子量のFVIII-FvW複合体を分離するための追加の階段を実行することができる。また、必要に応じて、例えば下記特許文献27に記載のような、気孔率が20nm以下、特に15nm以下の親水性フィルターでFVIIIの精製溶液を得る追加の濾過階段を実行することもできる。
欧州特許第EP1037923号公報 国際特許第WO 2005/040214号公報
本発明のさらに他の実施例では、必要に応じて、イオン交換クロマトグラフィ濾過タイプメンブレンでのFVIIIとFvWの同時吸着階段の後に、精製されたFVIII溶液を得るための下記の工程をさらに実行することができる:
(d)上記クロマトグラフィメンブレンの平衡緩衝剤のイオン強度値を増加させてFvWを溶出させ、
(e)イオン交換クロマトグラフィメンブレン、好ましくは最初のメンブレンと同じタイプのメンブレン上でフォンビルブラント因子を捕捉し、
(f)上記クロマトグラフィメンブレンの平衡緩衝剤のイオン強度値を増加させてフォンビルブラント因子を溶出させる。
この実施例では、必要に応じて、上記のFvW溶出段階(d)の後に、上記クロマトグラフィメンブレンの平衡緩衝剤のイオン強度値をフォンビルブラント因子を回収する場合の値より増加させてFVIIIを溶出させる。従って、簡単な方法で精製されたFvW含有溶液と精製されたFVIII含有溶液とが得られる。
本発明方法によってFVIIIとFvWを含んだ溶液からFVIIIおよびFvWを連続的または同時に精製することができる。血漿由来の溶液の場合、ヒトおよび動物の血漿を最大限利用できるので、本発明方法は特に有利である。
この特定実施例では下記の工程がさらに加わる:
(g)階段(c)で溶出したフォンビルブラント因子リッチな画分をゼラチンリガンドを有する親和性ゲルカラムでクロマトグラフィを実行し、
(h) 保持されない非フィブロネクチンあ全く含まないフォンビルブラント因子画分を回収する。
フィブロネクチンアッセイは当業者に周知の方法に従って例えば免疫比濁法によって実行できる。従って、本本発明方法の実施例では、イオン交換クロマトグラフィ濾過タイプ・メンブレンでFVIIIとFvWとを同時に捕捉する上記階段の後に、下記の工程を実行することによって、精製されたFVIII溶液と精製されたFvW溶液とを同時に得ることができ:
(a) 上記クロマトグラフィ・メンブレンの平衡緩衝剤のイオン強度値を増加させてFvWを溶出させ、
(b) 上記クロマトグラフィ・メンブレンの平衡緩衝剤のイオン強度値をフォンビルブラント因子の回収用の値より増加させてFVIIIを溶出させ、
(c) 上記イオン交換クロマトグラフィ・メンブレン上にフォンビルブラント因子を捕捉し、
(d) 上記クロマトグラフィ・メンブレンの平衡緩衝剤のイオン強度値を増加させてフォンビルブラント因子を溶出させ、
(e) 階段(d)で溶出させたフォンビルブラント因子リッチな画分をゼラチン・リガンドを有する親和性ゲル・カラム上でクロマトグラフィを実行し、
(f) ゲルアフィニティーに保持されなかったフォンビルブラント因子リッチな画分を回収する。
この実施例では、精製されたFVIII溶液と精製されたFvW溶液とが続けて得られる。すなわち、本発明の多様な実施例によって本発明の簡単な方法でFVIIIとFvWとを分離することができる。
本発明の精製階段はアニオン交換クロマトグラフィ選択的メンブレン上に両方のタンパクを同時に捕捉することによって血漿から第VIII因子とフォンビルブラント因子とを別々または同時に精製することができる唯一の方法である。
本発明のさらに他の対象は、本発明の精製法を実行することから成る精製されたFVIIIの製造方法にある。
本発明のさらに他の対象は、本発明の精製法を実行することから成る精製されたFvWの製造方法にある。
本発明の上記以外の観点および利点は以下の基する本発明の実施例から理解できよう。しかし、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
以下、実施例を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
フォンビルブラント因子の精製法
新鮮な凍結血漿を1〜6℃の間の温度で融解して冷凍沈殿物を製造した。遠心分離後、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、フォンビルブラント因子および第VIII因子を含んだ冷凍沈殿物を回収し、ヘパリンナトリウム(3lU/mL)を含んだ水溶液中にスラリー化した。溶液のpH値を7.0±0.1に合わせた。スラリー化した冷凍沈殿物をビタミンK依存因子を除去するためのアルミナゲルでの吸着と、フィブリノーゲンおよびフィブロネクチンコールド沈降によって予備精製した。すなわち、懸濁液に水酸化アルミニウムを加え、5分間撹拌した。pH値は0.1Mの酢酸を用いて6.5±0.2に合わせた。溶液を撹拌下に14〜18℃の温度範囲に冷却した。それから溶液を14〜18℃の温度で遠心分離した。上澄を回収し、0.22μm濾紙で濾過して清透化した。
この精製済みの溶液をウィルス失活階段に送って、外膜ウィルスに対して効果的なPolysorbate 80(1%、w/v)とTn-nButyl Phosphate(0.3%、v/v)の存在下で溶剤/洗剤で処理した。溶剤/洗剤処理は少なくとも6時間、pH値=7.1で実行した。
溶剤/洗剤処理済みのタンパク溶液を強アニオン交換器グラフトメンブレン、例えば塩基性緩衝液で浸透圧レベルが370〜390mOsm/Kgに達するまで塩化ナトリウムの濃度を上げ、pH6.9〜7.1に予め平衡させたムスング(Mustang)Qカプセルに通した。
タンパク溶液を通した後にカラム排出液の光学濃度がベースラインに戻るまでカプセルを同じ緩衝液(浸透圧重量モル濃度=370〜390 mOsm/Kg)でリンスした。メンブレンに吸着されなかったタンパク分画にはフィブリノーゲンと、溶剤/洗剤ベースのウィルス失活処理で加えた化学試薬とが含まれる。
次に、浸透圧重量モル濃度が600〜660 mOsm/Kgに達するまで塩化ナトリウムを加えてイオン強度値をpH 6.9〜7.1に増加させ、塩基性緩衝液を用いてメンブレンに吸着されたフォンビルブラント因子を溶出させた。溶出画分は浸透圧重量モル濃度が370〜390mOsm/Kgに達するまで塩化ナトリウムを除いたpH 6.9〜7.1の塩基性緩衝液で希釈した。
次に、希釈された画分を、浸透圧重量モル濃度が370〜390mOsm/Kgに達するまで塩化ナトリウムを加えてpH 6.9〜7.1の塩基性緩衝液で平衡させたMustang Qカプセル・タイプのグラフトされた強陰イオン交換メンブレンに通した。タンパク溶液を通した後、カラム排出液の光学濃度がベースラインに戻るまで同じ緩衝液(浸透圧重量モル濃度=370〜390 mOsm/Kg)を使用してカプセルをリンスした。次に、メンブレンに吸着されたフォンビルブラント因子を、600〜660 mOsm/Kgの浸透圧重量モル濃度に達するまで塩化ナトリウムを加えてイオン強度値をpH 6.9〜7.1に増加させた塩基性緩衝液を加えて溶出させた。次に、溶出画分を浸透圧重量モル濃度が600〜660 mOsm/Kgに達するまで塩化ナトリウムを加えてイオン強度値を増加させた塩基性緩衝液(pH 6.9〜7.1)で予め平衡させたゼラチンリガンドを用いたゲル上でのアフィニティークロマトグラフィに送った。タンパク溶液を通した後、カラム排出液の光学濃度がベースラインに戻るまで親和性ゲルを同じ緩衝液(浸透圧重量モル濃度=600〜660 mOsm/Kg)を使用してリスンした。ゲル洗浄物を含む非吸着画分は極めて純粋なフォンビルブラント因子の濃縮画分を表す。精製ダイアグラムは[図1]に示してある。
結果
Figure 0005704918
実施例2
第VIII因子の精製方法
新鮮凍結血漿を1〜6℃の間の温度で融解して冷凍沈殿物を製造した。遠心分離後にフィブリノーゲン、フィブロネクチン、フォンビルブラント因子および第VIII因子を含んだ冷凍沈殿物を回収し、ヘパリンナトリウム(3IU/mL)を含む水溶液中にスラリー化した。溶液のpH値は7.0±0.1に合せた。
スラリー化した冷凍沈殿物をビタミンK依存因子を除去するためのアルミナゲル吸着とフィブリノーゲンおよびフィブロネクチンのコールド沈降とによって予備精製した。すなわち、水酸化アルミニウムを撹拌下に懸濁液に5分間で加えた。0.1M酢酸を用いてpH値を6.5±0.2に合わせ、溶液を撹拌下して14〜18℃の温度に冷却した。その後、溶液を14〜18℃の温度で遠心分離した。上澄を回収し、0.22μm濾紙で濾過して清透化した。
精製済みの溶液をウィルス失活階段に送り、外膜ウィルスに対して効果的なPolysorbate 80(1%、w/v)およびTn-nButyl Phosphate(0.3%、v/v)の存在下で溶剤/洗剤処理した。溶剤/洗剤処理は少なくとも6時間、pH値=7.1で実施した。
次に、溶剤/洗剤処理したタンパク溶液を、浸透圧重量モル濃度が370〜390mOsm/Kgに達するまで塩化ナトリウムを加えた塩基性緩衝液(pH 6.9〜7.1)で予め平衡させたMustang Qカプセルの強アニオン-交換器グラフトメンブレンに通した。
タンパク溶液を通した後、カラムの排出液の光学濃度がベースラインに戻るまで上記カプセルを同じ緩衝液(浸透圧重量モル濃度=370〜390 mOsm/Kg)を用いてリンスした。メンブレンに吸着されなかったタンパク分画は多くのフィブリノーゲンと、溶剤/洗剤処理ベースのウィルス失活処理のために加えた化学試薬とを含む。
メンブレンに吸着されたフォンビルブラント因子は、浸透圧重量モル濃度が600〜660 mOsm/Kgに達するまで塩化ナトリウムを加えてイオン強度値を増加させたpH=6.9〜7.1の塩基性緩衝液を加えて溶出させた。フォンビルブラント因子の精製を実施例1に記載の方法で続けた。次に、メンブレンに吸着された第VIII因子を、浸透圧重量モル濃度が1400〜1700mOsm/Kgに達するまで塩化ナトリウムを加えてイオン強度値を増加させたpH=6.9〜7.1の塩基性緩衝液を加えて溶出させた。第VIII因子は塩化カルシウムを加えてイオン強度値を高くしたpH=6.0の緩衝液で溶出するのが好ましい。
精製ダイアグラムは[図2]に示してある。
結果
Figure 0005704918

Claims (6)

  1. (i)第VIII因子(FVIII)とフォンビルブラント因子(FvW)との混合物を含む溶液および(ii)フォンビルブラント因子(FvW)を含む溶液の中から選択される溶液からフォンビルブラント因子(FvW)を精製する方法において、
    下記(a)と(b)の工程から成ることを特徴とする方法:
    (a)オン交換クロマトグラフィ濾過-タイプメンブレンでFvWを吸着する工程この場合、上記濾過-タイプメンブレンはポリエーテルスルホン型強陰イオン交換体であり、
    (b)上記イオン交換クロマトグラフィ濾過-タイプメンブレンの溶出緩衝剤のイオン強度値を増加させてフォンビルブラント因子(FvW)を溶出させる工程
  2. 上記イオン交換クロマトグラフィ濾過-タイプメンブレンが第四級アミン基を有す請求項1に記載の方法。
  3. 上記イオン交換クロマトグラフィ濾過-タイプメンブレンがマクロポーラス-タイプのメンブレンである請求項1または2に記載の方法。
  4. 上記溶液が血漿由来のものである請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 上記溶液が血漿からの冷凍沈殿物である請求項4に記載の方
  6. 請求項1〜のいずれか一項に記載の方法を実行することを特徴とする精製されたFvWの製造方法。
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