JP4250770B2 - カチオン交換クロマトグラフィーによるフォンビルブラント因子の精製 - Google Patents

カチオン交換クロマトグラフィーによるフォンビルブラント因子の精製 Download PDF

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Description

本発明は、カチオン交換クロマトグラフィーによる精製されたフォンビルブラント因子(vWF)の回収方法に関する。
血漿中、vWFは5−10mg/Lの濃度で、部分的に因子VIIIと非共有結合で複合体を形成して循環している。vWFは、種々のヒト体細胞中で形成され、その後に放出され循環している糖タンパク質である。このとき、分子量約225000Da(vWFモノマー)のポリペプチド鎖から出発し、いくつかの硫黄結合を形成させることにより、分子量約450000DaのvWF二量体(初期二量体)が細胞内で合成される。次にvWF二量体から、硫黄結合による結合の形成により、約20000000Daまでの増加した分子量のさらなるvWFのポリマーが形成される。
vWFを特徴付ける1つの重要な基準は、アガロース電気泳動による多量体構造分析である。特に高分子vWFポリマーは血液の凝固において本質的に重要であることが想定される。通常、vWFの機能的活性はリストセチン補因子活性(vWF:RistCoF)によって決定される。活性とvWF抗原濃度との比(vWF:Ag)はvWFの純度および特異的効力の特徴として決定される。調製物の比活性はvWF:Agに対するvWF:RistCoFの割合の増加に伴って増加する。
vWFは止血において重要な機能を担っている。これは、補因子として血液の凝固を助ける因子VIIIと部分的に複合体を形成して血漿中を循環している。因子VIIIはvWFと複合体を形成することによって安定化され、それによりタンパク質分解から保護される。vWFのさらなる目的は、初期止血に大きく貢献する血小板凝集への関与である。このとき、vWFは血小板の表面レセプターの糖タンパク質IbおよびIIb/IIIaに結合し、血小板を架橋して血小板を凝集させる。初期止血に関してさらに重要なのは、無傷の血管中では、単層の内皮細胞によって血液流から遮断されていて、血液と直接接触しない細胞外マトリックスの成分であるコラーゲンに対するvWFのアフィニティーである。血管が損傷した場合、損傷部位で内皮細胞層の局所的剥離が生じ、その結果、細胞外マトリックスの成分が血液に直接暴露される。vWFは、そのコラーゲンに対するアフィニティーによって、損傷した血管の領域において形成された血小板凝集を、暴露された内皮下層細胞(subendothelium)に固定することができる。この結果、まず、傷口が塞がれ、続く血液凝固によりこれがさらに強化される。
フォンビルブラント症候群は機能的フォンビルブラント因子の欠如によって、あるいはフォンビルブラント因子の多量体組成物中の異常スペクトルによって特徴付けられる。因子VIIIの安定化の欠如のために、フォンビルブラント症候群によって悩まされている患者は、通常、因子VIIIの合成速度は正常であるにもかかわらず、この凝固因子の血漿半減期の大きい減少の結果として、因子VIIIの欠如を発現し得る。それゆえ、フォンビルブラント症候群の患者は、血友病A患者の徴候と類似の徴候(表現型(遺伝子発現型)血友病)を示し得る。また、フォンビルブラント症候群に悩まされている患者において、機能的に活性なvWFの欠如は血小板凝集および付着の機能不全を引き起こすことがあり、これは初期止血の欠陥を導き得る。これらのvWFが媒介する手順の機能不全のために、フォンビルブラント症候群に悩まされている患者は出血時間の増加を示す。
したがって、フォンビルブラント症候群の処置のためには、機能的に活性なvWFの欠如と釣り合うだけのvWF調製物を投与しなければならない。この目的ため、血友病Aの治療に用いることもできる調製物、例えば因子VIIIおよびvWFの複合体を含むクリオ沈降物(クリオプレシピテート)またはそれから調製した因子VIII濃縮液を用いることができる。しかし、血友病Aの処置には、より良く精製された、vWFを含まないか、あるいはほんの微量のvWFを含む因子VIII:C濃縮液が常に用いられる。フォンビルブラント症候群に悩まされている患者に対して因子VIIIを補うことは必要ではないから、ならびに因子VIIIを適用することは患者内で阻害的因子VIII抗体を誘導する危険性を有するから、フォンビルブラント症候群の処置用には、できるだけ混入因子VIIIを含まないvWF調製物が非常に望ましい。それゆえ、高い比活性を有する純粋かつウイルスに関して安全なフォンビルブラント因子調製物が望まれる。
文献には、vWFを精製し、回収する種々の方法が開示されている。
EP 0 503 991には、以下の連続する3つのクロマトグラフィー工程によるヒトクリオ沈降物からのvWFの精製が記載されている:
1)TSK−DEAEフラクトゲルでのアニオン交換クロマトグラフィーにおいて、0.15M NaClによってvWFを溶出させ;2)TSK−DEAEフラクトゲルでのもう1つのアニオン交換クロマトグラフィーにおいて、0.17M NaClによってvWFを溶出させ;ならびに3)ゼラチンセファロースでのアフィニティークロマトグラフィーにおいて混入したフィブリノーゲンを分離する。ここでは、アミノ酸含有緩衝液およびカルシウムイオン含有緩衝液を用いた。
WO 89/12065には、タンパク質をアニオン交換体に結合させ、塩濃度を増加させて段階的に溶出させることによって、血漿vWFを因子VIIIおよびさらなるタンパク質から分離することが記載されている。vWF含有フラクションをアニオン交換体で2回目のクロマトグラフ処理に付し、濃縮液として回収した。
EP 0 469 985には、クリオ沈降物からの血漿vWFの精製が記載されている。第一工程では、塩濃度250mMで因子VIIIをアニオン交換体に選択的に結合させ、一方vWFを上清中に残す。vWF含有上清の塩濃度を100mM〜150mMに下げた後、vWFを第二アニオン交換体に結合させ、pH6.6の300−350mM NaClで溶出させる。ここでは、<2%の割合の因子VIIIを含む、活性少なくとも50U/mgを有するvWFを回収している。
DE 39 04 354には、クリオ沈降物からの血漿vWFの回収、およびアニオン交換体で因子VIIIを選択的に吸着させる一方、vWFを溶液中に残すことによる因子VIIIからのvWFの分離が記載されている。ここでは、160U/mLのvWFを含む溶液を回収している。
US 5,006,642には、適当な緩衝液に対して透析することによる、あるいは溶液をさらなるクロマトグラフィー工程において脱塩することによる、US 4,361,509に記載の、vWFおよび副産物として混入したカオトロピック物質の溶液からのvWFの回収が記載されている。
EP 0 383 234には、アニオン交換クロマトグラフィーによるvWF濃縮液の生産方法であって、カルシウムおよびアミノ酸含有緩衝液を加えることによって溶液に含まれる因子VIII/vWF複合体を解離させ、vWF濃縮液を回収する方法が記載されている。
WO 96/10584には、アニオン交換/ヘパリンアフィニティークロマトグラフィーの組み合わせによって、高度に精製された組換えvWFを回収する方法が記載されており、EP 0 705 846には、ヘパリンアフィニティークロマトグラフィーによる組換えvWFの高分子および低分子フラクションの分離が記載されている。
従来、高い比活性を有する精製されたvWF調製物を回収するためには、いくつかのクロマトグラフィー工程を組み合わせることが必要であった。特に、高分子vWF多量体を含む調製物の製造は、これまでヘパリンアフィニティークロマトグラフィーによってのみ可能であった。しかし、ヘパリンは比較的高価なクロマトグラフィー物質である。
改良された比活性を有する精製されたvWFを回収する方法であって、工業規模で大量生産技術への適用に適した方法を提供することが本発明の目的である。この方法は組換えvWFおよび血漿vWF両方の精製に使用可能である。
本発明により、低い塩濃度においてvWFをカチオン交換体に結合させ、段階的フラクション化溶出によって高い比活性を有する、特に高分子vWF多量体からなるvWFを回収する組換えvWFの回収方法を提供することでこの目的が達成される。特に、塩濃度を段階的に増加させることによって、まず中塩濃度で、低分子vWF多量体、不活性な分解産物および非特異的な付随タンパク質を含むフラクションを分離し、より高い塩濃度で、高い比活性を有する高分子vWF多量体を含むフラクションを回収することで、改良された活性および安定性を有するvWFの回収富化が行われる。
酸性等電点(IEP=5.5〜6)およびその結果としての負の正味の電荷のために、通常、弱酸性から塩基性環境で正に帯電しているアニオン交換体によってvWFを精製する。このように、従来は、正に帯電したアニオン交換体によるvWFの精製法が記載されていたため、vWFのIEPより高いpHおよび低い塩濃度で、vWFがカチオン交換体の負に帯電しているゲルマトリックスに結合し、塩濃度をあげることによってそこから選択的に溶出可能であることは予測できなかった。また、塩濃度
Figure 0004250770
で段階的に溶出させることによって、特に高分子vWF多量体からなるvWFが得られることも予測できなかった。
本発明の方法を用いて、不純な生物学的物質から出発し、実質的に核酸が混入していない精製されたフラクションを得ることも本発明の範囲内に認められた。これにより、非特異的な付随タンパク質に加えて、本方法によってタンパク質調製物から核酸をも除去できる。核酸はその負の電荷のためにアニオン交換体に結合し、塩濃度が増加すると、アニオン交換体から再び解離して、溶出液に入るので、アニオン交換体よる慣用の方法ではこの効果は得られない。
vWFを精製する場合、vWFのサイズは500000から数百万にわたるため、用いる担体物質中でのvWF分子の拡散および分配を妨げないような担体物質のみが結果として良好な精製および良好な収量を生むことに特に注意を払わなければならない。カチオン交換体によって高い比活性を有するvWFを精製する本発明の方法を実行する場合、高いローディング容量を有し、扱うのに丈夫であり、明確な溶出プロファイルを有するばかりでなく、工業規模で経済的に用いることができるゲルマトリックスを用いる。これゆえ、本発明の方法は、大量工業規模での精製vWFの回収用に特に関心を起こさせるものである。
本発明の実施には、すべての既知のカチオン交換体を用いることができ、このカチオン交換体はスルホプロピル基またはカルボキシメチル基を結合した担体を有するのが好ましい。例えば、SP−セファロースR Fast FlowおよびCM−セファロースR Fast Flow(Pharmacia)、フラクトゲルR EMD−SO3およびフラクトゲルR EMD COOH(Merck)、PorosR 10 SPおよびPorosR 10S(Perseptive Biosystems)およびToyopearlTM SP 550CおよびToyopearlTM CM−650(M)(TosoHaas)は非常に適していることがわかっている。
フラクトゲルR EMD−SO3およびフラクトゲルR EMD COOH(Merck)のタイプのテンタクル(tentacle)構造を有する多孔性のゲルは精製されたvWFの回収に特に適当であることがわかっている。
緩衝液中の塩濃度
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で、vWFはカチオン交換体に好ましく吸着する。これゆえ、好ましい吸着緩衝液は50から250mM、特に150−250mMの範囲の塩濃度(例えば150mM)を有するものである。緩衝液の塩濃度を段階的に上げることによって、実質的に高分子vWF多量体からなるvWFを
Figure 0004250770
の塩濃度で選択的に溶出させることができる。vWF含有溶液に含まれ、vWF活性、特にリストセチン補因子活性に関して、低い比活性を有し、コラーゲン結合活性を有し、ならびに特異的な血小板凝集活性を有する低分子vWF多量体およびvWFタンパク質分解産物を、
Figure 0004250770
好ましくは300mMの塩濃度でカチオン交換体から溶出させ、分離する。
塩として一価または二価の金属イオンを含む緩衝液中でvWFの吸着および脱着を行うことができ、塩としてはNaClを用いるのが好ましい。
本発明の方法では、カチオン交換体に結合したタンパク質を溶出させるための緩衝液系として、好ましくは緩衝物質、特にグリシン、リン酸緩衝液またはクエン酸緩衝液、および塩からなる緩衝溶液を用いる。ここでは、用いる緩衝液はCaイオンを全く含まないのが好ましい。
溶出緩衝液はpH領域5.0から8.5、好ましくは6.0から8.0を有し得る。
本発明の方法はバッチ法として、あるいはカラムクロマトグラフィーとして行うことができる。
しかし、本発明の方法を行うのに最適なパラメーター、例えば塩濃度、pHおよび温度はそれぞれ用いるカチオン交換体物質に依存する。しかし、個別に用いられるカチオン交換体タイプについて、本方法を実行するために、本発明の範囲内で開示されている条件を最適化することは、当業者の一般的知識の範囲内である。
特に、本発明の方法によって、特に高分子vWF多量体からなるvWFを回収し、豊富にする。低い特異性の血小板凝集活性を有する低分子vWF多量体およびvWF断片を選択的に分離し、特に高い活性および特異性を有する高分子vWF多量体を含むフラクションを得る。
回収されたvWFフラクション(群)は低分子vWF多量体、比活性が低いvWF断片、因子VIII複合体、因子VIII:C、非特異的な付随タンパク質および混入核酸を実質的に含まない。
本発明の方法による精製されたvWFの回収には、任意のvWF含有溶液を出発物質として用いることができる。出発物質は、特に血漿、血漿フラクション、クリオ沈降物または組換え細胞培養物の上清または抽出物のような生物学的物質である。
しかし、vWF含有溶液はまた、前精製工程、例えばゲルろ過、アニオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーまたはそれらの組み合わせによって前精製したタンパク質を豊富にした溶液であり得る。これら前処理によって、特に、vWFを豊富にし、非特異的な付随タンパク質、特に因子VIIIまたは因子VIII複合体を選択的に分離する。
本発明の方法の特定態様では、アニオン交換体によって豊富にしたvWF含有フラクションを出発溶液として用いる。
アニオン交換クロマトグラフィーを行うと、アニオン交換クロマトグラフィーの実行方法に依存してvWFは非結合物質としてアニオン交換体を通過するか、あるいはそれに吸着する。したがって、例えば弱酸性環境下、低いイオン強度および塩濃度でvWFおよび因子VIII/vWF複合体の両者はアニオン交換体に結合するので、vWFを血漿フラクションから回収し、豊富にする。次いで、因子VIII複合体および遊離の複合体形成していない因子VIIIは>300mMの高塩濃度でのみ脱着するので、150mM〜250mMの中塩濃度で、アニオン交換体からvWFを選択的に溶出させる。
また、因子VIII複合体はアニオン交換体に結合し、vWFは溶液中に残る100mM〜200mMの中塩濃度において、vWF含有溶液をアニオン交換体で処理し、vWFに富むフラクションを得ることができる。次いで、塩濃度を増加させることによって結合した因子VIII複合体をアニオン交換体から回収することができる。
特定の態様では、塩濃度
Figure 0004250770
の豊富にした溶液中に存在するvWFを(バッチ法で)流出液または溶出液から直接回収し、あるいは上清として回収し、所望によりイオン強度または塩濃度を変えることなしにカチオン交換体に結合させる。しかし、必要ならば、希釈して塩濃度を下げてもよい。
この態様は特に、豊富にしたタンパク質の複雑な再緩衝化、透析などを必要とせずにアニオン/カチオン交換クロマトグラフィーの単純な組み合わせが可能であるという点で特に有利である。
したがって、最初のクロマトグラフィー工程によって、vWFを豊富に含むフラクションを得ることができ、続くカチオン交換クロマトグラフィーによって、高分子および低分子vWFフラクションを精製および分離することができる。しかし、例えばアフィニティー/カチオン交換クロマトグラフィー、アニオン交換/アフィニティー/カチオン交換クロマトグラフィーのような他の組み合わせもまた可能であり、高い比活性を有するvWFをさらに豊富にし、選択的に回収することを可能にする。
本発明の上記方法によって、高い比活性を有するvWFは、不純なvWF含有物質から少なくとも80倍濃縮される。
原則として、あらゆる生物学的物質に感染性の病原体が混入し得るので、得られたvWF含有フラクションに対してウイルスを不活化または涸渇するための処理を行い、ウイルスに関して安全な調製物を生産する。この目的のために、先行技術分野に既知のすべての方法、例えば化学的/物理的方法、光活性化物質と光の組み合わせによる不活化、またはろ過による涸渇を用いることができる。特に、確実に脂質包膜ウイルスおよび非脂質包膜ウイルスの両方を不活化できる溶液または固体状態での熱処理は、ウイルスの不活化に適当である。ウイルスの涸渇はナノフィルターでのろ過によって行うのが好ましい。
さらなる側面では、本発明は、カチオン交換クロマトグラフィーによってvWF含有溶液から得ることができる、高い比活性を有し、特に高分子vWF多量体からなる純粋なvWFを含む調製物を提供する。低い純度および低い比活性のvWFを含有する出発物質から出発して、高い比活性を有するvWFを富化し、付随タンパク質、特に因子VIIIまたは低分子vWF多量体を含む因子VIII複合体を選択的に分離する。これにより、特に、高分子vWF多量体からなり、実質的に低分子vWF多量体およびvWF分解産物を含まない精製されたvWFを含む調製物を回収する。
特に本発明の調製物は、vWFの特異的血小板凝集活性少なくとも65U/タンパク質mgおよび特異的コラーゲン結合活性少なくとも65U/タンパク質mgを有する。同様に調製物は、実質的に因子VIIIを含まず、因子VIIIに対するvWFの活性の割合(比率)に基づく因子VIII含量が<0.1%である点で特徴付けられる。
また、生成物の純度および低い感染性についてのさらなる基準は、核酸が混入していないことである。したがって、本発明の調製物は実質的に核酸を含まない。ここで「実質的に」とは、260/280nmの比に基づく核酸含量が
Figure 0004250770
であることを意味する。しかしまた、例えばEP 0 714 987およびEP 0 714 988に記載されている方法にしたがい、核酸を定量することができる。
出発物質として血漿vWFまたは組換えvWFを用いて、本発明の調製物を回収および生産する場合、所望により上記記載のウイルスの涸渇または不活化法を行い、感染性粒子を除去する。ウイルスの不活化および/またはウイルスの涸渇は、出発物質から出発し、医薬調製物の生産までの各精製工程の前または後において原則的に可能である。したがって、本発明の調製物はいずれにしてもウイルスに関して安全であろう。
好ましい態様では、本発明の調製物は保存安定形態で存在する。高い比活性を有する精製されたvWFを含む調製物を、溶液用調製物、凍結乾燥物、または急速冷凍状態で提供することができる。本調製物はその純度のために特に安定である。本発明の調製物は−20℃で少なくとも6月、溶液中4℃で少なくとも4週間および凍結乾燥物として少なくとも1年間安定であることが示されている。各期間内にvWF活性は最大10%減少するだけであり、vWF多量体の多量体パターンはいかなる実質的な変化をも示さない。
本発明の調製物の製剤化は既知の慣用方法により行うことができる。本発明の調製物中に含まれる精製されたvWFを塩、例えばNaCl、クエン酸三ナトリウム二水和物および/またはCaCl2、およびアミノ酸、例えばグリシンおよびリシンを含み、pH範囲が6から8の緩衝液と混合し、医薬調製物に製剤化する。
表現型血友病およびvWDの患者の処置用薬物を生産するために本調製物を用いることができる。
以下の実施例および図面によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの例示的態様に限定されるべきではない。
図1は、カチオン交換クロマトグラフィーによる精製前および後のrvWFの多量体分析を示す;
図2は、vWFがアニオン交換体に結合する条件下における、アニオン/カチオン交換クロマトグラフィーの組み合わせによる精製前および後のクリオ沈降物由来のvWFの多量体分析を示す(実施例2A)
図3は、vWFがアニオン交換体に結合しない条件下における、アニオン/カチオン交換クロマトグラフィーの組み合わせによる精製前および後のクリオ沈降物由来のvWFの多量体分析を示す(実施例2B)。
実施例1は、カチオン交換クロマトグラフィーによる組換え細胞の培養上清からのrvWFの精製を記載し;実施例2は、まずアニオン交換クロマトグラフィー、次いでカチオン交換クロマトグラフィーによる血漿vWFの精製を記載し;実施例3は、アニオン交換/免疫アフィニティーと、カチオン交換クロマトグラフィーとの組み合わせによる組換えvWFの精製を記載する。
実施例1:
カチオン交換クロマトグラフィーによる組換え細胞の培養上清からのvWFの精製
慣用の培養培地中、組換えCHO細胞内でvWFを生産した。形質転換細胞の発酵後、培養培地を除去し、遠心によって細胞および細胞断片を除去した。次いで、この溶液を、孔サイズ0.4μmのフィルターに通し、膜断片のような低分子成分を除いた。
クロマトグラフィーカラム(50mL)にカチオン交換体(フラクトゲルR EMD−SO3)を充填し、緩衝液(30mM グリシン−NaCl−緩衝液)ですすいだ。次いで、カチオン交換カラムに細胞を含まない培養上清を載せ、流出液(フラクション1)中に、交換体に結合しないタンパク質を得た。0.3M NaClを含む緩衝液でカラムをすすぎ、結合した非特異的な付随タンパク質を除去した(フラクション2)。次いで、0.5M NaClを含む緩衝液によって、結合したvWFを交換体から脱着させ、溶出液(フラクション3)中に得た。
タンパク質含量、vWF抗原含量(vWF:Ag)、vWF活性(リストセチン補因子活性、vWF:RistCoF)についてすべてのフラクションを試験し、vWF多量体分析に付した。タンパク質濃度はBradford法(M. Bradford (1976), Anal. Biochem., 72: 248-254)によって測定した。vWF含量は市販のELISA系(AsserachromR vWF, Boehringer Mannheim)によって測定した。リストセチン補因子活性は一般試験系(v-Willebrand-ReagenzR, Behringwerke)によって測定した。カチオン交換クロマトグラフィーの結果を表1にまとめる。図1はカチオン交換体による精製前および後のvWF多量体分析を示す。
表1から、出発物質中に存在し、リストセチン補因子活性を有する完全なvWFがカチオン交換体と結合することは明らかである。0.3M NaClを含む緩衝液でカチオン交換カラムをすすぐ(フラクション2)ことによって、測定可能な活性を含まないvWFを除去した。0.5M NaClで溶出させる(フラクション3)ことによって、ほとんどすべてのリストセチン補因子活性を有するvWFを得る。さらに、培養上清のDNAの記載した涸渇を行う:吸光度260nm/280nmは1.2から0.7である。この単一のクロマトグラフィー工程の結果、精製倍率は10倍であった。
図1は、カチオン交換クロマトグラフィーによる精製前および後のvWFの多量体分析を示す。図1中、レーンAは未精製rvWFを示し、レーンBは、流出液中のフラクション1のvWF多量体を示し;レーンCはフラクション2(0.3M NaCl溶出液)のvWF多量体を示し、レーンDはフラクション3(0.5M NaCl溶出液)のvWF多量体を示す。図1から、カチオン交換クロマトグラフィーおよび選択的溶出によって、特に高分子多量体構造を含有するvWFが得られることは明らかである。低分子vWF多量体およびvWF分解産物は、いずれもカチオン交換体と結合しない(フラクション1)か、あるいは0.3M NaClで溶出(フラクション2)させることによって選択的に分離される。
Figure 0004250770
実施例2:
アニオン交換体による前精製およびカチオン交換体による血漿vWFの精製
A.vWFがアニオン交換体に結合する条件下での結合アニオン交換クロマトグラフィーおよびvWFの選択的溶出
ヒト血漿からのクリオ沈降物をpH6.7の7mMトリス、100mM酢酸ナトリウム、100mMリシンの緩衝液に溶解した。前処理のため、Al(OH)3を攪拌しながら加えた。次いで、遠心により沈降物を分離した。
このように前処理したクリオ沈降物を、フラクトゲルR EMD−TMAEのアニオン交換カラムにアプライした。このカラムを160mM NaCl含有緩衝液ですすぎ、弱く結合したタンパク質を除去した。まず、緩衝液中の250mM NaClで溶出させることによって、交換体からvWFを溶出させた(フラクション1)。次いで、400mM NaClで溶出を行い、FVIII複合体を溶出させた(フラクション2)。クリオ沈降物から出発し、フラクション1は全vWF活性の68%を含んでいたが、全FVIII活性のほんの10%しか含んでいなかった。残りのvWF活性およびFVIII活性の80%はフラクション2に含まれている。
Figure 0004250770
次いで、vWFを含有するフラクション1をフラクトゲルR EMD−SO3のカチオン交換カラムにアプライした。このカラムを100mM NaClですすぎ、弱く結合したタンパク質を除去した。次いで、200mM NaCl(フラクション1)、300mM NaCl(フラクション2)および400mM NaCl(フラクション3)で段階的に溶出させた。全vWF活性の70%以上が400mM NaClフラクション中に認められた。FVIII:C活性は全く認められなかった。この結果を表3にまとめる。
Figure 0004250770
クリオ沈降物中のvWFの比活性は0.6U/タンパク質mgであったが、カチオン交換クロマトグラフィーの400mM NaCl溶出液中では65U/mLに達する。特異的コラーゲン結合活性は、クリオ沈降物中の0.7U/タンパク質mgからカチオン交換クロマトグラフィーの400mM NaCl溶出液中の65U/タンパク質mgに上がった。クリオ沈降物から出発して、vWFの純度は100倍増加した。
図2は、組み合わせたアニオン/カチオン交換クロマトグラフィー時のvWF多量体分析を示す。レーンAからEはアニオン交換体による精製を示し、レーンFからKはカチオン交換体による精製を示す。図2の各レーンはvWFのvWF多量体パターンを示し、レーンAはクリオ沈降物中の、レーンBはろ過後の、レーンCは流出液中の、レーンDは250mM NaCl溶出液(フラクション1、表2)中の、レーンEは400mM NaCl溶出液(フラクション2、表2)中の、レーンFはカチオン交換クロマトグラフィー前の250mM NaCl溶出液(フラクション1、表2)中の、レーンGは流出液中の、レーンHは200mM NaCl溶出液(フラクション1、表3)中の、レーンIは300mM NaCl溶出液(フラクション2、表3)中の、そしてレーンKは400mM NaCl溶出液(フラクション3、表3)中のパターンを示す。レーンHおよびIから、200mM NaClまたは300mM NaClで溶出させることによって、低分子vWF多量体だけがカチオン交換体から脱着することがわかる。カチオン交換体から400mM NaClで溶出を行い、レーンKでは特に高分子vWF多量体を含有するvWFを得た。
B.vWFがアニオン交換体に結合せず、溶液中に残ったままである条件下でのアニオン交換クロマトグラフィー
ヒト血漿由来のクリオ沈降物をpH6.7の7mMトリス、100mM酢酸ナトリウム、100mMリシン、120mM NaClの緩衝液中に溶解した。前処理のため、Al(OH)3を攪拌して加えた。次いで、沈降物を遠心して分離した。
このように前処理したクリオ沈降物をフラクトゲルR EMD−TMAEのカラムにアプライした。このカラムを溶液緩衝液ですすぎ、非結合タンパク質を得た(フラクション1)。このフラクション1はvWF活性の60%を含んでいたが、FVIII活性は10%しか含んでいなかった。次いで、400mM NaClでこのカラムから溶出を行い(フラクション2)、FVIII複合体を得た。
Figure 0004250770
次いで、vWFを含むフラクション1をカチオン交換カラム(フラクトゲルR EMD−SO3)にアプライした。このカラムを100mM NaClですすぎ、弱く結合したタンパク質を除去した。次いで、200mM NaCl(フラクション1)、300mM NaCl(フラクション2)および400mM NaCl(フラクション3)を用い、段階的に溶出を行った。400mM NaClフラクション中にvWF活性の70%以上が認められた。因子VIII抗原およびFVIII:C活性は全く認められなかった。この結果を表5にまとめる。
Figure 0004250770
クリオ沈降物中のvWFの比活性は0.6U/タンパク質mgであったが、カチオン交換クロマトグラフィーの400mM NaCl溶出液中では、47U/mgに達する。特異的コラーゲン結合活性は、クリオ沈降物中の0.7U/タンパク質mgからカチオン交換クロマトグラフィーの400mM NaCl溶出液中の51U/タンパク質mgに上がった。クリオ沈降物から出発して、vWFの純度は80倍増加した。
図3は、組み合わせたアニオン/カチオン交換クロマトグラフィー時のvWF多量体分析を表す。レーンからはアニオン交換体による精製を示し、レーンからはカチオン交換体による精製を示す。図3のレーンはクリオ沈降物中の、レーンは流出液中の、レーンは400mM NaCl溶出液(フラクション2、表4)中の、レーンはカチオン交換クロマトグラフィー前の流出液(フラクション1、表4)中の、レーンはカチオン交換体の流出液中の、レーンは200mM NaCl溶出液(フラクション1、表5)中の、レーンは300mM NaCl溶出液(フラクション2、表5)中の、レーンは400mM NaCl溶出液(フラクション3、表5)中の、vWFのvWF多量体パターンを示す。結果的に、カチオン交換クロマトグラフィーの200mM NaCl(レーン)および300mM NaCl(レーン)のそれぞれ、および400mM NaCl(レーン)を用いて得られたフラクション中にvWFのvWF多量体構造が示された。400mM NaCl溶出液(レーン)は高分子vWF多量体パターンを示し、70%以上のvWF活性を含んでいる。
実施例3:
アニオン交換/免疫アフィニティークロマトグラフィーと、カチオン交換クロマトグラフィーとの組み合わせによる組換えvWFの精製(現時点で発明者らが本発明の実施に最良の方法と考えているもの)
通常の培養培地中、組換えCHO細胞によってvWFを生産した。形質転換細胞の発酵後、培養培地を除去し、遠心して細胞および細胞断片を除去した。次いで、孔サイズ0.4μmのフィルターを通してこの溶液をろ過し、膜断片のような低分子成分を除去した。
アニオン交換クロマトグラフィー
細胞を含まない培養上清1000mLを、流速0.7cm/分のカラム(7.1cm2×8cm、アニオン交換体フラクトゲルR EMD−TMAE 650M(Merck)57mLを充填)でろ過した。その前に、20mM トリスHCl緩衝液(pH7.0)でゲルを平衡化しておいた。次いで、このカラムを0.1M NaClを含む20mM トリスHCl緩衝液(pH7.0)で洗浄した。このカラムを200mM NaCl含有緩衝液で洗浄し、付随する物質および低いRistCoF活性を有するvWFを除去した。次いで、20mMトリスHCl緩衝液(pH7.0)中の280mM NaClによって、rvWFを担体から溶出させた。
免疫アフィニティークロマトグラフィー
アニオン交換体工程の280mM NaCl溶出液を、20mM酢酸ナトリウム、300mM NaCl(pH7.0)で平衡化しておいた固定化抗体樹脂(カラム寸法:19.6cm2×5.6cm;ゲル床容量:110mL;樹脂マトリックス:セファロースCL2B;抗体:マウスモノクローナル抗体AvW8/2のFab断片)に流速0.255cm/分で載せた。次いで、0.5%トゥイーン80を加えた20mM酢酸ナトリウム、300mM NaCl(pH7.0)ですすいだ。10%スクロースを加えたpH8.0の20mMグリシン緩衝液でrvWFを溶出させた。カラム容量の80%になった後、流速を約20分の1まで遅くした。
カチオン交換クロマトグラフィー
クロマトグラフィーカラム(7.1cm2×8cm、フラクトゲルR EMD−SO3 57mLで充填)を緩衝液(30mM グリシン−NaCl緩衝液;pH5.0)ですすいだ。次いで、カチオン交換体カラムを通して、免疫アフィニティークロマトグラフィーの溶出液をろ過した。30mMグリシン−NaCl緩衝液でカラムを再び洗浄した後、緩衝化0.3M NaCl溶液でこのカラムをすすぎ、カチオン交換体に結合した付随物質および低い比活性を有するvWFを除去した。次いで、0.5M NaClを含む緩衝液で溶出させ、交換体カラムからのフラクション3中にvWFを得た。
各クロマトグラフィー工程後、タンパク質濃度、rvWF抗原含量(vWF:Ag)およびリストセチン補因子活性(vWF:RistCoF)を測定した。
アニオン交換クロマトグラフィーによってrvWFは2.3倍豊富になったことが認められた。続く免疫アフィニティークロマトグラフィーでは、さらに3.6倍豊富になった。次のカチオン交換クロマトグラフィーにより、vWFをさらに5.2倍豊富にすることができた。さらに、この工程によって、免疫アフィニティーカラムからの溶出液中に存在する微量のマウス抗体を事実上完全に除去することができた(<0.02mg/1000U vWF RistCoF活性)。続くカチオン交換クロマトグラフィーによって、低分子vWF多量体の分離および高分子多量体構造を有するvWFの豊富化を行い、これによりvWF:Ag活性に対するvWF:RistCoFの割合が4倍増加する。
本連続精製手順の種々の工程におけるrvWFの精製結果を表6に示す。
Figure 0004250770

Claims (10)

  1. Figure 0004250770
    の塩濃度でvWFをカチオン交換体と結合させ、
    Figure 0004250770
    の塩濃度で特に高分子vWF多量体を含むvWFフラクションを溶出させてvWFを回収することを特徴とするvWFの回収方法。
  2. pH5.0から8.5、好ましくはpH6.0から8.0の範囲のpHを有する緩衝液中、高分子vWF多量体を含有するvWFを含むフラクションを溶出させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. Figure 0004250770
    の範囲の塩濃度で、低分子vWF多量体、低い比活性を有するvWFタンパク質分解産物および非特異的な付随タンパク質を除去することを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. カチオン交換体がスルホプロピル基結合担体またはカルボキシメチル基結合担体であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の方法。
  5. 特に、少なくとも65U/タンパク質mgの特異的な血小板凝集活性および少なくとも65U/タンパク質mgの特異的なコラーゲン結合活性を有する高分子vWF多量体を含有するvWFを含むフラクション(群)を回収することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の方法。
  6. 回収されたvWFを含むフラクション(群)が低分子vWF多量体、低い特異的vWF活性を有するvWF断片および混入核酸を含まないことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の方法。
  7. 血漿、血漿フラクション、クリオ沈降物、組換え細胞培養物の上清または抽出物、またはタンパク質富化溶液から、vWFを回収することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の方法。
  8. 前精製工程により、該タンパク質富化溶液を得ることを特徴とする請求項に記載の方法。
  9. アニオン交換またはアフィニティークロマトグラフィーまたはそれらの組み合わせのようなクロマトグラフィー法によって、該タンパク質富化溶液を得ることを特徴とする請求項に記載の方法。
  10. ウイルスを不活化または涸渇するために、回収されたvWFを含むフラクション(群)を処理することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の方法。
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