JP3110292B2 - フォンウィルブランド因子の高分子および低分子フラクション - Google Patents

フォンウィルブランド因子の高分子および低分子フラクション

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフォンウィルブラン
ド因子を高分子および低分子フラクションに分別する方
法に関する。
【0002】更に、本発明はフォンウィルブランド因子
(vWF)分子の低分子フラクション、フォンウィルブラン
ド因子分子の高分子フラクションおよび、低分子および
高分子フラクションのvWF分子の混合物に関する。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】直接
および間接的機能として、通常、血液凝固の進行が、フ
ォンウィルブランド因子に帰する。第VIII因子に複合体
として結合する。この複合体は第VIII因子の安定化に働
く。安定化した第VIII因子は、次いで第X因子の活性化
の本質的コファクター機能を有する。加えて、フォンウ
ィルブランド因子は、傷害血管への血小板の集合を媒介
することにより、血液凝固に直接作用する。
【0004】血漿において、vWFは5−10mg/lの
濃度で、第VIII因子との非共有複合体の形で循環する。
vWFは、ヒト体内の異なった細胞で形成され、後に循
環へと遊離するグリコプロテインである。更に、約22
0,000(vWFモノマー)の分子量のポリペプチド鎖
から開始して、約550,000分子量のvWFダイマー
(主要ダイマー)が、細胞内で数個の硫黄架橋の形成によ
り形成される。次いで、約20,000,000まで増加
した分子量のvWFの更なるポリマーが、vWFダイマ
ーから、結合により形成される。
【0005】フォンウィルブランド因子の不足−または
過−形成に起因する幾つかの臨床像がある。したがっ
て、例えばvWFの過形成は、血栓の傾向を高め、一方
vWFの低供給は出血傾向を高め、または長い出血時間
をもたらす。
【0006】フォンウィルブランド症候群は、いくつか
の形でそれ自身明示できる。全ての形は、vWF機能の
不完全な欠失またはvWFの多量体組成の異常なスペク
トルのいずれかに基づく増加した出血時間により区別さ
れる。多量体形成が減少した、および、低分子vWF分
子がほとんど存在しないフォンウィルブランド病の形
が、それにより診断される。他の形は高および低分子v
WF分子を証明するが、その濃度および/または相互の
比が健康なヒトと比較して非常に減少しているおよび/
または変化している。
【0007】vWFの欠失は、上記のようにvWFが機
能的第VIII因子の本質的成分であるため、血友病Aを導
くことができる。これらの場合、第VIII因子の半減期
は、血液凝固カスケード(cascade)におけるその特異的
機能が遂行できないように減少している。
【0008】vWFの欠失に起因するフォンウィルブラ
ンド症候群の全ての形および血友病の形は、現在まで、
vWF−第VIII因子複合体または濃縮vWFのいずれか
を含む血漿濃縮物の静脈点滴による不足vWFの回復に
より処置していた。第VIII因子の投与は両方の疾病の場
合必要でないという一つの点にもかかわらず、第VIII因
子からvWFを分離することは技術的に非常に困難で不
可能である。
【0009】一方で高分子vWF分子および他方で低分
子vWFの正確な機能を確立するために、これらのフラ
クションを濃縮形で単離するために方法が模索されてい
る。ワグナー、D.D.ら(J.Cell.Biol.101:112,1985)
は、インビトロでモネンシンを加えることにより多量体
形成を阻止し、別の実験から、vWFの低分子形は機能
的でないと結論付けている。一方、セノグレス、S.
E.ら(J.Biol.Chem.258:12327,1983)は、レストシチン
媒介血小板凝集において、vWFの高分子および低分子
の形に機能的差異の無いことを発見している。彼らは高
分子vWF分子の硫黄架橋を還元することにより、低分
子形を得ている。アイハラ、M.ら(Tohoku J.Exp.Med.
153:169,1985)は、タイプIIaのフォンウィルブランド症
候群の患者から、vWFのアフィニティークロマトグラ
フィーのコラーゲンへの低い結合能力を観察した。フォ
ンウィルブランド症候群のこの型は、vWFの高分子量
分子の欠失により特徴付けられる。
【0010】文献において、両方の形の量的比率につい
てなし得る記載のようなフォンウィルブランド因子の高
分子形および低分子形の分析的分析を記載した多くの方
法がある。例として、バイロッドら、Thrombosis Res.6
6:745、1992を記載しなければならない。しかしながら、
低分子および高分子形の分離の調製法は、今日まで記載
されていない。
【0011】本発明の目的は、フォンウィルブランド因
子(vWF)のフォンウィルブランド因子の低分子および
高分子フラクションへの分画の調製法の開発である。
【0012】この目的は、vWFが親和性支持体に結合
し、次いで異なった塩濃度で溶出することを特徴とす
る、vWF、特に組換フォンウィルブランド因子の高分
子vWFおよび低分子vWFへの分離法により達成され
た。好ましい実施態様は、従属請求項2から13に記載
する。
【0013】本発明の特に好ましい実施態様において、
分離はCa2+−フリー緩衝系で行う。本方法において、
特に高い生理活性を有する高分子vWFフラクションま
たは高分子rVWFフラクションが、良好な収率で得ら
れる。
【0014】本発明の別の対象は、ダイマーおよびテト
ラマーを含み、ダイマーおよびテトラマーが同一サブユ
ニットを構成する、vWF分子の低分子フラクションで
ある。加えて、本発明は、請求項1から13のいずれか
に記載の方法により得ることができるvWF分子の低分
子フラクションに関する。好ましい実施態様は、従属請
求項16から20に記載する。
【0015】本発明は、高分子および低分子vWF分子
の生理的混合物と比較して、血小板凝固において蛋白質
μg当たりの活性が少なくとも50%、好ましくは60
%改善されるvWF分子の高分子フラクションに関す
る。加えて、本発明は請求項1から13のいずれかに記
載の方法により得ることができるvWF分子の高分子フ
ラクションに関する。本発明により、蛋白μg当たりの
活性は更に増加することができる。高分子フラクション
の好ましい実施態様は、従属請求項23および24に記
載する。
【0016】本発明は更に、請求項14から20のいず
れかに記載のvWF分子の低分子フラクションおよび請
求項21から24のいずれかに記載のvWF分子の高分
子フラクションの任意の混合比の混合物に関する。好ま
しい実施態様は、請求項26に記載する。
【0017】本発明は、また血友病Aまたはフォンウィ
ルブランド病の他の形の処置のための、vWF分子の低
分子フラクションまたはvWF分子の高分子フラクショ
ンまたは任意の混合比のこれらの混合物の使用に関す
る。
【0018】先行文献の観点から、調製分離法により得
ることができるフラクションおよび/またはその混同物
が上記疾病の処置に好適であることは予測できなかっ
た。
【0019】本発明の対象は、また、vWF分子の低分
子フラクションまたはvWF分子の高分子フラクション
またはこれらの任意の比の混合物を、生理学的に許容可
能な担体中に含むことを特徴とする、医薬組成物であ
る。その好ましい実施態様は従属請求項29に記載す
る。
【0020】本発明の方法は、血漿性および組換vWF
(rVWF)について同様の方法で好適である。高分子お
よび低分子フラクションを分別するための出発物質は、
濃縮vWF血漿フラクションまたは、そこから組換vW
Fが単離され、前精製された動物細胞の発酵後の無細胞
培養培地のいずれかである。分別に使用するvWFは、
任意の既知の方法により前精製できる。
【0021】vWF、および特にrVWFの高分子およ
び低分子フラクションへの分別のための本方法におい
て、vWFは親和性支持体に結合し、次いで異なった塩
濃度で溶出する。特に高い収率で得るために、分別はC
2+−フリー緩衝系で行う。
【0022】低分子vWFフラクションは、高分子vW
Fより低い塩濃度で溶出できる。可溶性一および二価塩
は、溶出に使用可能である。カルシウム塩は溶出に好適
ではない。好ましい実施態様において、vWFは塩濃度
<150mMで親和性支持体に結合する。次いで、塩濃
度150から250mMの間、特に160mMでvWFの
低分子集合体が溶出し、その後、塩濃度>250mM、
特に>270mMでvWFの高分子集合体が溶出する
【0023】NaClは塩として好ましい。カルシウム
塩は好適でない。本発明の方法は、好ましくはヘパリン
親和性カラムで行う。ヘパリンが結合できる任意の支持
体がアフィニティークロマトグラフィーに使用できる。
例えば、AF−ヘパリントーヨーパール(AF-heparin To
yopearl)(登録商標)(メタクリル酸を基本にした合成、大
きい穴の、親水性ポリマー)(トソハース(Tosohaas))、
ヘパリンEMD−フラクトゲル(EMD-Fraktogel)(登録商
標)(エチレングリコール、メタクリル酸およびジメチル
アクリル酸を基本にした合成、親水性ポリマー)(メルク
(Merck))またはヘパリンセファロースファーストフロー
(Heparin SepharoseFast Flow)(登録商標)(天然デキス
トランおよび/またはアガロース誘導体を含む)(ファル
マシア(Pharmacia))は、非常に好適であることが証明さ
れている。
【0024】アフィニティークロマトグラフィーは、好
ましくは6.0から8.5のpH範囲、特に7.4のpH
値で行う。本発明の方法において、緩衝物質、特にトリ
ス/HCl緩衝液、リン酸緩衝液またはクエン酸緩衝液
および所望により塩を含に、好ましくは安定化剤、アミ
ノ酸および他の添加剤を含まない緩衝液を緩衝系として
使用する。特に良好な低分子および高分子vWF蛋白質
集合体の分別は、Ca2+−フリー緩衝系中でEDTAで
処理したvWF溶液で達成できることが示された。した
がって、本方法において、特に高い生理活性を有する高
分子vWFフラクションまたは高分子rvWFフラクシ
ョンを、また高い収率でまた得ることができる。
【0025】本発明の方法において、形質転換細胞の無
細胞培養上清から濃縮した組換vWFが使用するのに好
ましい。本発明のvWFの高分子および低分子フラクシ
ョンへの分別の方法により、低分子および高分子vWF
は、能率的で簡単な方法により得ることができる。した
がって、この分別方法により、血友病Aおよびフォンウ
ィルブランド病の他の形の処置のために非常に好適な特
に生理的に活性なvWFの高分子または低分子フラクシ
ョンが良好な収率で産生できる。
【0026】本発明の好ましい実施態様において、精製
vWFは高分子vWFおよび低分子vWFに分別する。
分別に使用するvWFは、任意の既知の方法により前精
製できる。
【0027】特に好ましくは、精製フォンウィルブラン
ド因子は、第4級アミノ型のアニオン交換器のアニオン
交換クロマトグラフィーならびに緩衝物質および所望に
より塩を含む緩衝液中の非動化ヘパリンのアフィニティ
ークロマトグラフィーにより血漿性フォンウィルブラン
ド因子をクロマトグラフィー的に精製する工程を含む方
法により得ることができる。
【0028】更に好ましい実施態様において、精製フォ
ンウィルブランド因子は、第4級アミノ型のアニオン交
換器のアニオン交換クロマトグラフィーならびに緩衝物
質および所望により塩化ナトリウムを含む緩衝液中の非
動化ヘパリンのアフィニティークロマトグラフィーによ
り組み換えフォンウィルブランド因子をクロマトグラフ
ィー的に精製する工程を含む方法により得ることができ
る。
【0029】特に好ましくは、rvWF濃縮物を形質転
換細胞の無細胞培養上清から濃縮する方法により、精製
フォンウィルブランド因子を得ることができる。
【0030】vWFの精製において、安定化剤、アミノ
酸および他の添加剤を含まない緩衝系が、緩衝溶液とし
て使用するのに特に好ましい。アニオン交換クロマトグ
ラフィーおよび/またはアフィニティークロマトグラフ
ィーは、好ましくは6.0から8.5のpH範囲、更に好
ましくは7.4のpH値で行う。
【0031】アニオン交換クロマトグラフィー中のアニ
オン交換器およびアフィニティークロマトグラフィー中
の非動化ヘパリンに結合するフォンウィルブランド因子
は、塩濃度を上昇させて溶出できる。
【0032】触手構造のフラクトゲル(Fraktogel)の第
4級アニオン交換器、特にEMD−TMAE−フラクト
ゲルが好ましい。精製法において、アニオン交換器のv
WFは、好ましくは塩濃度270mMNaClで結合
し、塩濃度>270mM NaCl、好ましくは>28
0mMNaClで溶出する。
【0033】vWFの精製において、アフィニティーク
ロマトグラフィーは好ましくはそれにヘパリンが結合し
た支持体で行い、好ましくはAF−ヘパリントーヨーパ
ール(登録商標)(トソハース)であり、ヘパリンEMD−
フラクトゲル(登録商標)(メルク)およびヘパリンセファ
ロースファーストフロー(登録商標)も同様に好適であ
る。
【0034】好ましい実施態様において、精製フォンウ
ィルブランド因子は、アニオン交換クロマトグラフィー
で前精製したvWFを、塩濃度<150mM NaCl
で非動化ヘパリンに結合させ、塩濃度>150mM N
aCl、好ましくは200から300mM NaCl、
更に好ましくは160から270mM NaClで溶出
する方法により得ることができる。
【0035】あらかじめ精製した濃縮物を、高分子およ
び低分子vWFの分別の出発物質として使用するのは有
利である。加えて、クロマトグラフィー分別法は、更に
精製効果をもたらす。
【0036】本発明の分別法により得た高分子および低
分子フラクションおよび任意の混合比の両方のフラクシ
ョンの混合物は、生理的に活性であり、治療目的で使用
できる。vWF分子の低分子フラクションは、同一vW
Fサブユニットを構成するダイマーおよびテトラマーを
主に含むことを特徴とする。
【0037】低分子フラクション中のダイマーとテトラ
マーの部分は、vWFの生理的組成物のものより高い。
驚くべきことに、組み換えvWFの低分子フラクション
は同一vWFサブユニットから成り、一方、血漿vWFは
異なるサブユニットを有するダイマーとテトラマーから
成ることが判った。vWF分子の低分子フラクション
は、請求項1から3のいずれかの方法に従って得ること
ができる。
【0038】好ましい実施態様では、vWF分子の低分
子フラクションは、少なくとも83%のダイマーと最大
16%のテトラマーおよび最大1%の高ポリマーを含
む。低分子フラクションは、形血小板凝集を有せず、第
VIII因子を結合し、第VIII因子の安定化に貢献し、そし
て第VIII因子の貯蔵安定に明確に影響する。
【0039】vWF分子の低分子フラクションは、好ま
しくは組み換えvWFから成る。 vWF分子の高分子フラクションは、高分子および低分
子vWF分子の生理的混合物と比べて、血液凝固におい
てタンパク質μg当たり少なくとも50%、好ましくは
60%改善された活性を有する。
【0040】vWF分子の高分子フラクションは、請求
項1から13のいずれかの方法に従って得ることができ
る。組み換えvWFの高分子フラクションが、同一vWF
サブユニットから成るマルチマーを含み、一方、血漿v
WFのフラクションは異なるサブユニットを伴うマルチ
マーの混合物から成ることが驚くべきことに判った。v
WF分子の高分子フラクションは、好ましくは組み換え
vWFから成る。
【0041】驚くべきことに、組み換えvWFの低分子
および高分子フラクションは、血漿vWFの対応するフ
ラクションに比べて第VIII因子に対する潜在的高結合能
力を有することが判った。従って、組み換えvWFのフ
ラクションは、血漿フラクションよりも第VIII因子とよ
り効果的に結合する。
【0042】高分子および/または低分子フラクション
の異なる使用はそれらの生理的活性に起因する。両フラ
クションの目的にかなった混合物の生成の可能性は、特
別な医学的徴候の処置を可能にする。
【0043】従って、本発明のさらなる対象は、vWF
分子の低分子フラクションまたはvWF分子の高分子フ
ラクションまたはその混合物の、血友病Aまたはフォン
ウィルブランド病異なる形の処置のための使用である。
【0044】本発明の分別方法において組み換えvWF
を用いると、最終生成物(高分子および低分子フラクシ
ョン並びに任意の混合比の両フラクションの混合物)は
血漿蛋白無しおよび第VIII因子無し、並びに病原性ウイ
ルス無しであることが特に指摘される。医薬生成物の生
成においては、上記したように、このことはある医学的
徴候にとって大きな利点である。
【0045】本発明の対象は、また、vWF分子の低分
子フラクションまたはvWF分子の高分子フラクション
または任意の混合比のそれらの混合物を薬理学的に許容
されうる担体中に含む医薬組成物である。
【0046】好ましくは、医薬組成物は、医薬組成物は
第VIII因子または第VIII因子の機能的欠失変異(複数も
あり)を含み、それにより高分子フラクションまたは低
分子フラクションまたはその混合物のvWF分子は第VII
I因子または第VIII因子の機能的欠失変異体(複数もあ
り)を安定化する。
【0047】医薬製剤の生成には、好ましくは各フラク
ションまたはその混合物を濃縮し、濃縮物を更に処理す
る。医薬組成物の生成は、既知の慣用方法で行うことが
できる。好ましくは、生成物(低分子および高分子フラ
クション並びに全ての可能なその混合物)またはそれら
を含む濃縮物は適当な生理的に許容されうる担体と混合
することができる。好ましくは生理食塩水が担体として
用いられる。
【0048】医薬組成物は、血友病Aまたは異なる形の
フォンウィルブランド病の処置に慣用され、有用な投与
形で存在できる。好ましくは、それらは注入に適した製
剤の形で存在する。
【0049】以下の実施例で、本発明は一層明らかに説
明されるが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。実施例1では、本発明のヘパリンアフィニテ
ィークロマトグラフィーによる高分子および低分子vW
Fポリマーの分別を示す。
【0050】
【実施例】
実施例1:フォンウィルブランド因子の高および低分子
形の分別 20mM トリス/HCl緩衝液(トリス緩衝液)、pH7.
4中、組み換えフォンウィルブランド因子(rvWF)を1
ml/分/cm2の流速で、AFヘパリントヨパール(登録商
標)(トソハース)を充填したガラスカラムに適用した。
非特異的に結合した蛋白を除去するために、カラムをま
ずトリス緩衝液で洗浄した。次いで、カラムをトリス緩
衝液中160mM NaClで、次いでトリス緩衝液中27
0mM NaClで溶出した。クロマトグラフィーの間に、
蛋白吸収を慣用方法で280nmで追跡した。クロマトグ
ラフィー後、蛋白濃度をブラドフォード法(M.ブラドフ
ォード、Anal.Biochem.72:248−254、1976)
により測定した。rvWFの含量を商業的エリザシステム
(ベーリンガー・マンハイム)により測定した。個々の精
製フラクション中の組み換えフォンウィルブランド因子
を、SDSアガロースゲル電気泳動により慣用方法で試
験し、デンシトメトリーにより定量分析した。リストセ
チン仲介血小板凝集の能力は商業的試験システム(フォ
ンウィルブランド・リージェント、ベーリング・ウェル
ケ)により試験した。
【0051】図1は、個々に得られたフラクションのマ
ルチマーのスペクトルを示す。160mM NaClの塩濃
度で、主として第一ダイマー形の低分子量のrvWFが溶
出した。これに対し、高分子量のrvWFが270mM N
aClの塩濃度で溶出した。
【0052】図2は、160mM NaClで得られた組み
換えフォンウィルブランド因子のマルチマーの分布のデ
ンシトメトリー分析を示す。本分析は、この方法で得ら
れるrvWF−ポリマー混合物が84.4%までの第一ダ
イマー(分子量約440,000)および14.9%までの
テトラマー(分子量約880,000)を含むことを示し
た。
【0053】270mM NaClによる溶出によって得ら
れた図3に示されるrvWFフラクションの密度測定分析
は、本方法で得られるrvWF−ポリマー混合物が増強さ
れた高ポリマーのカスケードを含むことを示した。
【0054】rvWFフラクションのクロマトグラフィー
および第一機能分析の結果を表1にまとめる。分析か
ら、ほとんど全てのrvWFが支持体に結合したことが明
らかとなる。160mM NaClで溶出するvWF−ポリ
マー混合物(低分子)は血小板の凝集能力を示さなかっ
た。270mM NaClで溶出するフラクション(高分
子)は血小板凝集に関し高い能力を有した。非凝集、低
分子rvWF形の分画により、凝集に関する特異的能力が
出発原料に比べて69%増加した。
【0055】同時に、rvWFの純度が実施例1に記載さ
れる親和性支持体上のrvWFのクロマトグラフィーによ
り実質的に増加した。160mM NaClフラクションの
rvWFは出発材料に比べて2倍の、そして270mM N
aClフラクションのrvWFは6倍の高純度を示した。
【0056】
【表1】
【0057】実施例2:組み換えフォンウィルブランド
因子の第VIII因子への結合 以下の実験は、抗vWF免疫グロブリンで被覆したエリ
ザマイクロタイタープレート(アサーアクロムvWF、ベ
ーリンガー・マイハイム)で実施した。5ngのvWFを、
それぞれ、200μl 50mMトリス/HCl、pH7.
4、150mM NaCl、0.5%アルブミン、100ng
/ml vWF:Agを含む0.1%ツイン20(TBS緩衝
液)と室温で1時間インキュベートすることにより反応
容器に結合した。以下のvWF試料を用いた。ヒトvWF
(ダイアグノスティカ スタゴ)、rvWF(実施例1の出
発材料)、低分子rvWF(実施例1の160mM NaCl溶
出フラクション)、高分子rvWF(実施例1の270mM
NaCl溶出フラクション)。次いでマイクロタイタープ
レートをTBSで3回、3分間洗浄し、次いで各反応容
器をTBS中25μl組み換え第VIII因子(マイルス)の
層で覆い、室温で1時間インキュベートした。第VIII因
子の濃度を100mU/mlから7.12mU/mlの範囲で
変化させた。その後、反応容器をそれぞれ200μl T
BSで3回、3分間洗浄した。次いで、固定化vWFに
より結合した第VIII因子の量を商業的試験システム(ク
ロモゲニクス コーテスト VIII:C/4)により測定し
た。
【0058】図4は、利用できる量の第VIII因子の機能
としての第VIII因子のフォンウィルブランド因子への結
合を示す。結果は、全ての試験したvWFフラクション
が濃度依存方法で第VIII因子に結合することを示し、一
方、rvWFはヒトvWFに比べてほぼ同一の第VIII因子
結合を示した。実施例1の270mM NaClフラクショ
ンのrvWFは、第VIII因子の増強された結合を示し、1
60mM NaClフラクションのrvWFは第VIII因子のご
くわずかの低い結合を示した。
【0059】実施例3:組み換えフォンウィルブランド
因子による組み換え第VIII因子の安定化 第VIII因子は、人体中、フォンウィルブランド因子によ
り生理的に結合し、この形で安定である。これに対し、
未結合第VIII因子は数分で蛋白分解で不活性化する。
【0060】実施例1の方法に従って得られる組み換え
フォンウィルブランド因子の異なるフラクションを、細
胞培養中、第VIII因子を分泌する形質転換SK−Hep細
胞に添加した。24時間後、細胞培養上清中の組み換え
第VIII因子の活性を商業的試験システム(クロモゲニク
ス コーテスト VIII:C/4)により測定した。結果
は表2にまとめられる。データから、実質的に高濃度の
第VIII因子が細胞へのrvWF添加により24時間後現れ
ることが明らかである。高分子vWFフラクションおよ
び低分子vWFフラクションは第VIII因子を固めて安定
化するが、高分子フラクションは低分子フラクションよ
りも第VIII因子を安定化するより良好な能力を有する。
さらに、これらのデータは、遺伝子組み換えで産生され
た第VIII因子もフォンウィルブランド因子の添加により
安定化されることを示した。
【0061】
【表2】 試料 24時間後の第VIII因子活性15μg/ml U/ml コントロール 0.5 rvWF開始 1.8 rvWF-160mM NaCl溶出液 0.8 rvWF-270mM NaCl溶出液 2.4
【0062】実施例4:組み換えフォンウィルブランド
因子による第VIII因子の安定化実施例3で得られたもの
と同様の、第VIII因子と細胞培養上清からの組み換えフ
ォンウィルブランド因子の混合物を−20℃で凍結し、
−20℃で6日間保存した。その後で、第VIII因子の活
性を再び測定した。表3に結果をまとめる。結果から、
全ての試験したvWFフラクションが第VIII因子の貯蔵
安定性を2.5倍以上増加したことが明らかである。こ
れは、また、低分子フラクションとのvWF−因子複合
体の強い結合を示す。
【0063】
【表3】 試料 第VIII因子活性(mU/ml)15μg/ml t=0 t=6日 %損失 コントロール 500 150 70 rvWF開始 1800 1300 28 rvWF-160mM NaCl溶出液 800 600 25 rvWF-270mM NaCl溶出液 2400 1800 25
【0064】実施例5:アニオン交換クロマトグラフィ
ーによる培養上清からのrvWFの精製 組み換えvWFは、細胞培養中ワクチニアウイルスによ
るベロ細胞(サル腎臓細胞)の感染後、慣用方法により分
離した。ベロ/ワクチニア発現系および細胞培養条件
は、F.G.フォークナー等、Thrombosis and Haemost
asis68,(1992)119−124、N.バレット等、A
IDS Res.5,(1985)159−171およびF.ドー
ナー等、AIDS Vaccine Research and Clinical
Trials、マーセル・デッカー・インコーポレイテッ
ド、ニューヨーク(1990)に詳細に記載されている。vW
Fの発現は合成DMEM標準培地(ダルベッコ最小基本
培地)で起きた。形質転換細胞の発酵後、培養培地を分
別し、細胞および細胞断片を遠心により除去した。膜断
片または細菌のような付加的小成分を0.4μmの孔径を
有するフィルターを濾過させることにより除去した。
【0065】770mlの無細胞培養上清を、2ml/cm2
/分の流速でカラム(1.6cm×5cm、10mlのアニオン
交換体 EMD−TMAE−フラクトゲル(メルク)充
填)を通して濾過した。ゲルは予め20mMトリス/HC
l緩衝液(pH7.4)で平衡化した。次いで、カラムを2
0mMトリス/HCl緩衝液(pH7.4)で洗浄した。20
0mM NaCl含有緩衝液でカラムを洗浄することにより
異質材料を除去した。次いでrvWFを、20mMトリス
/HCl緩衝液(pH7.4)中の280mM NaClで支持
体から溶出した。続いて存在する全ての残留材料を1M
NaClでカラムから溶出した。クロマトグラフィーの
間、蛋白吸収を通常の方法で280nmで追跡した。クロ
マトグラフィー後、蛋白濃度をブラドフォード法(M.ブ
ラドフォード、Anal.Biochem.,72(1976)248−
254)によって測定した。rvWFの含量は商業的エリ
ザシテスム(ベーリンガー・マンハイム)によって測定し
た。ほとんどの総rvWFは支持体に結合したことが分か
った。0.28mM NaClによりアニオン交換体からrv
WFを溶出した。アニオン交換体でのrvWFの精製結果
は表4にまとめられている。rvWFは本実施例に記載さ
れる精製によって6倍増加した。
【0066】
【表4】 容量 総蛋白 rvWF rvWF/ 試料 (ml) (μg/ml) (μg/ml) 総蛋白 無細胞培養上清 770 113 7.9 0.069 200mM NaClによる溶出 95 147 0.0016 0.00001 280mM NaClによる溶出 75 168 61 0.36 1M NaClによる溶出 50 196 6 0.03
【0067】実施例6:アフィニティークロマトグラフ
ィーによるrvWFの精製 実施例5で得たrvWFを20mMトリス/HCl緩衝液で
希釈し塩濃度(160mM NaCl)を下げた。次いで溶液
を1ml/cm2/分の流速でカラム(1.6cm×5cm、10m
lのAFヘパリントヨパール650(トソハース)充填)を
通して濾過した。カラムは予め20mMトリス/HCl緩
衝液(pH7.4)で平衡化した。非特異的に結合した蛋白
を20mMトリス/HCl緩衝液(pH7.4)で洗浄するこ
とにより、まず除去した。次いでrvWFを20mMトリ
ス/HCl緩衝液(pH7.4)中270mM NaClにより
支持体から溶出した。続いて、残留材料を1M NaCl
によりカラムから溶出した。クロマトグラフィーの間、
蛋白吸収を通常の方法で280nmで追跡した。クロマト
グラフィー後、蛋白濃度をブラドフォード法(M.ブラド
フォード、上記)によって測定した。rvWFの含量を商
業的エリザシステム(ベーリンガーマンハイム)によって
測定した。
【0068】ほとんどの総rvWFは支持体に結合したこ
とが分かった。大部分のrvWFは270mM NaClによ
る溶出でカラムから溶出したが、1M NaClによる洗
液は痕跡量のrvWFを含有した。本精製段階の結果は表
5にまとめられている。総蛋白に対するrvWF蛋白の割
合は本精製段階により86%以上、増加した。270m
M NaClのフラクションは、変性SDS蛋白ゲル電気
泳動(U.K.ラームリ、Nature227,(1970)680
−685)および続くウエスタンブロットによってより
正確に測定した。図5に示すように、変性電気泳動分析
は、rvWFが実施例5および実施例6に記載される精製
により、高純度で回収されることを成就した。本方法で
分離された生成物では、第VIII因子のような他の凝集因
子は検出されなかった。
【0069】
【表5】 容量 総蛋白 rvWF rvWF/ 試料 (ml) (μg/ml) (μg/ml) 総蛋白 rvWF濃縮物 225 50 13.9 0.27 270mM NaClによる溶出 43 70 60 0.86 1M NaClによる溶出 32 25 2 0.08
【0070】実施例7:異なるマルチマー化の血漿およ
び組み換えフォンウィルブランド因子の分離並びに第VI
II因子への結合の特徴付け 組み換えフォンウィルブランド因子(r−vWF)、ヒト血
漿からのフォンウィルブランド因子(p−vWF)および血
漿寒冷型沈降物からのフォンウィルブランド因子(k−v
WF)をアニオン交換クロマトグラフィーおよびヘパリ
ンアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。
アニオン交換クロマトグラフィーでは、出発材料(r−v
WF:組み換えCHO細胞の発酵上清;p−vWF:ヒト
クエン酸血漿;k−vWF:血漿寒冷型沈降物)をフラク
トゲル−EMD−TMAEカラム(メルク)に適用してv
WFを20mMトリス/HCl緩衝液、pH7.0、280
mM NaClによる溶出によって得た。次いで、調製物を
20mMトリス/HCl緩衝液の添加により90mMの塩
濃度に希釈し、フラクトゲル−EMD−ヘパリンカラム
(メルク)に適用した。塩濃度を増加しつつ用いる段階的
溶出によりvWFを溶出した。これにより、20mMトリ
ス/HCl緩衝液中のNaCl濃度は120mMと280m
Mの間を変化した。この方法では、マルチマーの組成が
互いに異なるp−vWF、k−vWFおよびr−vWFが12
0mM NaCl、160mM NaCl、190mM NaCl、
230mM NaClおよび280mM NaClで得られた。
【0071】vWF(vWF−抗原、vWF:Ag)の含量を
通常のエリザ試験(アッセラクロムvWF、ベーリンガー
・マンハイム)により測定した。凝集第VIII因子のp−v
WF、k−vWFおよびr−vWFへの結合を、表面プラス
モン共鳴技術(モームビスト、M.、Nature1993;36
1:186−187)からの測定に基づく「同時生体特
異相互反応分析」により測定した。それによって、vW
Fサブユニット対結合第VIII因子の化学量論比を測定し
た。モノクローナル抗ヒトフォンウィルブランド抗体
(AvW8/2)はセンサーチップCM5(ファルマシア・
バイオセンサーAB)に共有結合した(オシアネシィ、
D.J.等、1993、Anal.Biochem.212,457−4
68;カールソン、R. 1994 Anal.Biochem.221,
142−151)。それにより、共鳴単位(RU)の測定
は基線(RUBL)に対応する。
【0072】p−vWF、k−vWFおよびr−vWFを、1
0mM HEPES、pH7.4、150mM NaCl、1m
M CaCl2、0.05%界面活性剤P20(HBS緩衝
液)中20μg/mlの濃度に溶解した。各実験用に、vW
Fの50μl試料を5μl/分の流速でセンサーチップ上
に適用してAvW8/2のvWFへの結合を行わせた(フ
ェーズA)。非結合vWFをHBS緩衝液で洗浄して除去
した(フェーズB)。痕跡量の血漿第VIII因子を除去する
ためにp−vWFとk−vWFを20μl 250mMCaCl2
でさらに洗浄した。vWFのAvW8/2への結合はvW
F共鳴単位(RUvWF)に対応する。第VIII因子の結合分
析用に、60μlの組み換えFVIII(HBS緩衝液中、
2.5μg/ml)を5μl/分の一定流速でセンサーチップ
上に注入して第VIII因子のvWFへの結合を行わせた(フ
ェーズC)。共鳴単位の測定はFVIII因子結合(RU
FVIII)に対応する。第VIII因子を、HBS緩衝液で洗浄
することによりvWFから再び分離した(フェーズD)。
FVIIIとvWFサブユニットの複合体の化学量論比は共
鳴単位と分子量から確立される。vWF(サブユニッ
ト):FVIII=(RUvWF−RUBL)/(RUFVIII−RU
vWF)×330,000/220,000(オシャネシィ、D.J.等、19
93、Anal.Biochem.212,457−468;カール
ソン、R.1994 Anal.Biochem.221,142−15
1)。図6は第VIII因子のr−vWFへの付着のセンソグ
ラムを示す。
【0073】
【表6】 vWF−第VIII因子複合体のストイキオメトリーの測定 ストイキオメトリー 試料 vWFサブユニット:FVIII r−vWF 120mM 溶出物 2.25:1 r−vWF 160mM 溶出物 2.5:1 r−vWF 190mM 溶出物 2.0:1 r−vWF 230mM 溶出物 2.0:1 r−vWF 280mM 溶出物 2.0:1 k−vWF 280mM 溶出物 2.6:1 p−vWF 280mM 溶出物 3:1
【0074】表6は血漿および組み換えvWFの低およ
び高分子フラクションのvWF:第VIII因子のストイキ
オメトリーを示す。データは、rvWFの低分子および高
分子フラクションがp−vWFよりも第VIII因子に対し高
い結合能力を有することを示す。
【0075】実施例8:血漿vWF、寒冷型沈降物から
のvWFおよび組み換えvWFの精製および分離 血漿vWF(p−vWF)、寒冷型沈降物からのvWF(k
−vWF)および組み換えvWF(r−vWF)をヘパリン
アフィニティークロマトグラフィーにより精製して低分
子および高分子フラクションを実施例1に従って分離し
た。図7から、p−vWFとk−vWFの各フラクションが
r−vWFのものよりも実質的にシャープでないバンドを
有することが認識される。このこととは、p−vWFとr
−vWFの分別マルチマーを直接比較した図8において
より一層明らかである。γ−vWFのシャープなバンド
は、SDSゲルでの分離後、明らかに可視となり、一
方、異なる分子量を有する明瞭な中間体はp−vWFの分
画に現れる。これらの「中間体バンド」は、血漿中に存
在するプロテアーゼによる分解によって生じるp−vWF
フラクション中の異なる大きさのvWFサブユニットの
不均質混合物に由来する。これらの中間体生成物は、い
わゆるトリプレット構造物として文献で知られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 個々に得られたフラクションのマルチマーの
スペクトル。
【図2】 160mM NaClで得られた組換えフォンウ
ィレブランド因子のマルチマーの分布の密度測定分析。
【図3】 rvWFフラクションの密度測定分析。
【図4】 利用できる量の第VIII因子の機能としての第
VIII因子のフォンウィレブレンド因子への結合。
【図5】 変性電気泳動分析。
【図6】 血漿および組換えvWFの低および高分子フ
ラクションのvWF:第VIII因子のストイキオメトリ
ー。
【図7】 p−vWF、k−vWFおよびr−vWFのフラク
ションのSDSアガロース電気泳動。
【図8】 p−vWFとr−vWFフラクションのSDSア
ガロース電気泳動。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フリードリッヒ・ドルナー オーストリア、アー−1230ヴィーン、ペ ーターリニガッセ17番 (56)参考文献 特開 平5−97696(JP,A) J.Cell Biol.,Vol. 101,No.1(1985)p.112−120 J.Biol.Chem.,Vol. 258,No.20(1983)p.12327− 12333 FEBS Lett.,Vol.351, No.3(1994.Sep)p.345−348 Thromb.Haemost.,V ol.69,No.5(1993)p.436− 440 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 14/745 C07K 1/22 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 vWFを親和性支持体に結合させ、次い
    で異なった塩濃度で溶出させることを特徴とする、vW
    Fを高分子vWFおよび低分子vWFに分別する方法で
    あって、該親和性支持体はヘパリンの結合した支持体で
    あり、アフィニティークロマトグラフィーの緩衝系とし
    てCa2+フリー緩衝系を使用し、高分子vWFより低分
    子vWFが低い塩濃度で溶出されること、及び可溶性一
    価塩または二価塩が塩として使用されることを特徴とす
    る方法。
  2. 【請求項2】 分別すべきvWFが血漿フラクションに
    存在することを特徴とする、請求項1記載のvWFを分
    別する方法。
  3. 【請求項3】 分別すべきvWFが組換vWFであるこ
    とを特徴とする、請求項1記載のvWFを分別する方
    法。
  4. 【請求項4】 分別されるvWFが、あらかじめ精製さ
    れたvWFであることを特徴とする、請求項1記載のv
    WFを分別する方法。
  5. 【請求項5】 親和性支持体に結合したヘパリンがAF
    −ヘパリントーヨーパール(AF-heparin Toyopearl)(登
    録商標) (Tosohaas)、ヘパリンEMD−フラクトゲル(E
    MD-Fraktogel)(登録商標)(メルク)(Merck)、およびヘパ
    リンセファロースファーストフロー(Heparin Sepharose
    Fast Flow)(登録商標)(Pharmacia)から選ばれる請求
    項1から4のいずれかに記載のvWFを分別する方法。
  6. 【請求項6】 トリス/HCl緩衝液、リン酸緩衝液ま
    たはクエン酸緩衝液および所望により塩化ナトリウムを
    含む緩衝液が緩衝系として使用されることを特徴とす
    る、請求項1から5のいずれかに記載のvWFを分別す
    る方法。
  7. 【請求項7】 アフィニティークロマトグラフィーを、
    6.0から8.5のpH範囲、好ましくは7.4のpH値
    で行うことを特徴とする、請求項1から6のいずれかに
    記載のvWFを分別する方法。
  8. 【請求項8】 vWFが塩濃度<150mMで親和性支
    持体に結合し、vWFの低分子集合体は塩濃度150か
    ら250mMの間、好ましくは160mMで溶出し、その
    後、vWFの高分子集合体が塩濃度>250mM、好ま
    しくは270mMで溶出することを特徴とする、請求
    項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 NaClを塩として使用することを特徴
    とする、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
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