JP5697246B2 - エピタキシャル成長用サセプタ、これを用いたエピタキシャル成長装置およびこれを用いたエピタキシャル成長方法 - Google Patents

エピタキシャル成長用サセプタ、これを用いたエピタキシャル成長装置およびこれを用いたエピタキシャル成長方法 Download PDF

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本発明は、エピタキシャル成長用サセプタ、これを用いたエピタキシャル成長装置およびこれを用いたエピタキシャル成長方法に係り、特に、サファイア基板などの基板上に窒化ガリウム膜などの化合物半導体薄膜をエピタキシャル成長により形成する際に用いるエピタキシャル成長用サセプタ、これを用いたエピタキシャル成長装置およびこれを用いたエピタキシャル成長方法に関する。
シリコン薄膜等の半導体薄膜を形成するために、エピタキシャル成長用サセプタが用いられており、このようなエピタキシャル成長用サセプタを用いるエピタキシャル成長装置、エピタキシャル成長方法が知られている。
特許文献1には、半導体体基板載置用の凹部を有する気相成長用サセプタが開示されている。特許文献1に記載されている気相成長用サセプタについて、図14(a)および(b)、図15(a)および(b)を用いて説明する。
図14(a)および(b)は従来の気相成長用サセプタにおけるウエハの反りと従来の気相成長用サセプタの凹部との関係を示す図である。また、(図15(a)および(b)は、球面状の凹部の底面に研磨面を有する従来の気相成長用サセプタにおけるウエハの反りと従来のサセプタの凹部との関係を示す図である。
従来、図14(a)および(b)に示すように、シリコン薄膜等の半導体薄膜を形成するための気相成長用サセプタ1としては、ウエハ3を載置する球面状の凹部2を有するものが用いられている。この球面状の凹部2を用いることにより、サセプタの温度上昇に伴い、ウエハ3の熱膨張による反りの発生により、ウエハ3が球面状の凹部2と密着し、均一な温度分布とすることができる気相成長用サセプタが知られている。
この気相成長用サセプタではさらに、図15(a)および(b)に示すように、球面状の凹部2の底面に研磨加工を施すことで研磨面2Pを形成し、球面状の凹部に形成されたSiCの被膜の異常成長部を除去している。このようにして、ウエハ3と球面状の凹部の密着性が向上したことで、ウエハ面内温度分布の均一化により結晶間のスリップ発生率を低減することができる効果があることが知られている。
特開平02−68922号公報
しかしながら、近年広く使用されるようになってきたエピタキシャル成長、すなわち結晶方向をそろえた結晶成長による窒化物系半導体等の化合物の半導体薄膜の形成においては、下地基板と格子定数の異なる半導体薄膜を形成する場合が多い。このため、窒化物半導体などの化合物半導体薄膜の成膜後のウエハからなる半導体薄膜と、下地基板との間の熱膨張率の差により、窒化物半導体等の形成されたウエハに凸面となる反りが生じる。このように反りが生じた半導体薄膜付き基板にさらに化合物半導体薄膜を形成しようとすると、特許文献1のように、曲面が凹面に形成されたサセプタを使用してできたウエハは、成膜時の温度ばらつきが大きくなる。そのため、化合物半導体薄膜のウエハの面内に形成される化合物半導体薄膜の組成ばらつきあるいは膜厚のばらつきが大きくなる。このため、このようなばらつきを持って形成されるウエハから製造されたLEDまたはレーザーダイオードは発せられる光の波長にばらつきが生じる。そのため、発せられる光の波長ばらつきを小さくするためにウエハに形成する化合物半導体薄膜の組成ばらつき、または膜厚ばらつきの低減が求められている。
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、元素の組成あるいは膜厚のばらつきが生じたりすることなく、均一で信頼性の高い薄膜を形成することのできるエピタキシャル成長用サセプタを提供することを目的とする。
また、本発明は、元素の組成あるいは膜厚のばらつきが生じたりすることなく、均一で信頼性の高い薄膜を形成することのできるエピタキシャル成長装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、元素の組成あるいは膜厚のばらつきが生じたりすることなく、均一で信頼性の高い薄膜を形成することのできるエピタキシャル成長方法を提供することを目的とする。
そこで本発明は、以下の構成を有する。
[1]
ウエハを載置するウエハ載置面に凹部を有するエピタキシャル成長用サセプタであって、
前記凹部は底面に凸面を有し、前記凹部は中心軸を有し、前記ウエハ載置面に対して垂直に分割し、前記凹部の前記中心軸を含む断面が、前記中心軸と前記凸面の周縁との中間部で、前記中心軸上の上端と前記周縁とを通る円の外周面よりも外側に突出する領域を有し、
前記凹部の前記凸面と前記中心軸との交点Oから距離Rにおける領域に前記エピタキシャル成長用サセプタの外側で接する球面の半径は、前記交点Oから離れるに従って連続的に小さくなるエピタキシャル成長用サセプタ。

請求項1に記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
前記ウエハ載置面に対して垂直に分割し、
前記凹部の前記中心軸を含むエピタキシャル成長用サセプタの断面の曲率半径が最外周外側に行くほど小さいエピタキシャル成長用サセプタ。

請求項1に記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
前記凹部の凸面は、凸面の頂部に中心軸を含む点を中心とする平坦面を有するエピタキシャル成長用サセプタ。

請求項1乃至のいずれか1項に記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
前記エピタキシャル成長用サセプタは、黒鉛を主成分とする基材と、前記基材表面を覆うセラミック被膜とを有するエピタキシャル成長用サセプタ。

請求項に記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
前記セラミック被膜は、SiC膜またはTaC膜であるエピタキシャル成長用サセプタ。

請求項又はに記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
前記セラミック被膜は、CVD法により形成したCVD膜であるエピタキシャル成長用サセプタ。

請求項1乃至のいずれか1項に記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
前記エピタキシャル成長用サセプタは、誘導加熱で使用されるエピタキシャル成長用サセプタ。

請求項1乃至のいずれか1項に記載のエピタキシャル成長用サセプタと、
前記エピタキシャル成長用サセプタを収容するエピタキシャル成長用チャンバーと、
前記エピタキシャル成長用チャンバーにガスを供給するガス供給部と、
エピタキシャル成長用サセプタを加熱する加熱部とを具備したエピタキシャル成長装置。

請求項項に記載のエピタキシャル成長装置であって、
前記加熱部は、前記エピタキシャル成長用サセプタを誘導加熱する誘導加熱部であるエ
ピタキシャル成長装置。
10
請求項1乃至のいずれか1項に記載のエピタキシャル成長用サセプタを用意する工程と、
前記エピタキシャル成長用サセプタに、ウエハを載置し、第1の成長温度まで昇温し、
第1のガスを供給して前記ウエハ表面に第1の膜を成長させる第1の成長工程と、
前記第1の膜の成膜された前記ウエハを第2の温度まで降下させる工程と、
前記第2の温度で、第2のガスを供給して前記第1の膜表面に第2の膜を成長させる第2の成長工程と、を含み、
前記第2の成長工程において、前記第1の膜の成膜された前記ウエハが、前記エピタキシャル成長用サセプタの前記中心軸上の前記上端に当接し、外側に突出する領域に当接し、次いで前記周縁とを通る円の外周面に当接するように構成されたエピタキシャル成長方法。
上記構成によれば、エピタキシャル成長用サセプタのウエハ載置用の凹部が中心軸を有し、ウエハ載置面を垂直に分割し、凹部の中心軸を含む断面が、前記中心軸と前記凸面の周縁との中間部で、前記中心軸上の上端と前記周縁とをとおる円の外周面よりも外側に突出する領域を有するようにしているため、当初中心軸上でウエハと当接する。そのため、ウエハに反りが大きくなるに従い、エピタキシャル成長用サセプタとウエハとの当接位置は移動する。ウエハは、エピタキシャル成長用サセプタ凹部に中心軸上から、中間部に順次当接し、最後に周縁部に当接する。ウエハとサセプタの凹部とが当接する箇所が特定の箇所に偏らないため、ウエハ温度の面内ばらつきを低減し、均一な薄膜形成を実現することができる。
本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長用サセプタの平面図 (a)は図1のA−A断面の曲線を外接円によって説明する図、(b)は、図1のA−A断面の曲線を曲率半径によって説明する図 (a)乃至(c)は、本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長用サセプタの原理を説明するための図 本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長用サセプタを用いたエピタキシャル成長装置を示す概要図 本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長装置を用いて製造される発光ダイオードを示す図 (a)乃至(c)は、本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長装置を用いた発光ダイオードの製造工程を示す図 本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長装置を用いたエピタキシャル成長工程における温度プロファイルと時間の関係を示す図 本発明の実施の形態2のエピタキシャル成長用サセプタの断面図 (a)乃至(c)は、本発明の実施の形態2のウエハの反りとエピタキシャル成長用サセプタの凹部との関係とを示す図 本発明の実施の形態3のエピタキシャル成長用サセプタの断面図 (a)乃至(c)は、本発明の実施の形態3のウエハの反りとエピタキシャル成長用サセプタの凹部との関係とを示す図 本発明の実施の形態4のエピタキシャル成長用サセプタの断面図 (a)および(b)は、本発明の実施の形態4のウエハの反りとエピタキシャル成長用サセプタの凹部との関係とを示す図 (a)および(b)は従来のエピタキシャル成長用サセプタにおけるウエハの反りと従来のエピタキシャル成長用サセプタの凹部との関係とを示す図 (a)および(b)は球面状の凹部の底面に研磨面を有する従来エピタキシャル成長用サセプタにおけるウエハの反りと従来のエピタキシャル成長用サセプタの凹部との関係とを示す図 (a)乃至(c)は、従来のエピタキシャル成長用サセプタにおけるウエハの反りと従来のエピタキシャル成長用サセプタの凹部との関係とを示す図
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明において、エピタキシャル成長用サセプタの凹部の凸面とは、エピタキシャル成長用サセプタの凹部に内部から外側に向かって凸状に形成された凸面を示し、エピタキシャル成長用サセプタの凹部の凹面とは、エピタキシャル成長用サセプタ凹部に内部に向かって外側から凹状に形成された凹面を示す。ウエハの凸面となる反りとは、エピタキシャル成長用サセプタの凹部の凸面と同一方向の反りを示し、ウエハの凹面となる反りとは、エピタキシャル成長用サセプタの凹部の凹面と同一方向の反りを示す。
以下、エピタキシャル成長用サセプタを単にサセプタともいう。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長用サセプタ10の平面図、図2(a)は、図1のA−A断面の曲線を外接円によって説明する図、図2(b)は、図1のA−A断面の曲線を曲率半径によって説明する図である。図3(a)乃至(c)は本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長用サセプタ10の原理を説明するための図、図4は本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長用サセプタ10を用いたエピタキシャル成長装置を示す概要図、図5は本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長装置を用いて製造される発光ダイオードを示す図、図6(a)乃至(c)は、本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長装置を用いた発光ダイオードの製造工程を示す図である。図7は本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長装置を用いたエピタキシャル成長工程における温度プロファイルと時間の関係を示す図である。
本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長用サセプタ10は、図2(a)及び(b)に断面図を示すように、ウエハ100を載置するウエハ載置面11に凹部12を有するものである。この凹部12は底面に凸面13を有し、この凸面13の形状に特徴を有する。すなわち、凹部12は中心軸Oを有し、このウエハ載置面11を垂直に分割し、凹部12の中心軸Oを含む断面が、中心軸Oと凸面12の周縁との中間部で、中心軸O上の上端と周縁とをとおる円の外周面よりも外側に突出する領域を有する。
また、図2(a)に示すように、この凹部12の凸面13と中心軸Oとの交点Oから距離Rにおける領域に前記エピタキシャル成長用サセプタの外側で接する球面の半径rは、前記交点Oから離れるに従って連続的に小さくなっている。本実施の形態1では、図2(a)のように凹部の凸面と前記中心軸との交点Oから距離Rにおける領域に前記エピタキシャル成長用サセプタの外側で接する球面の半径をrと定義する。このとき凹部の凸面と前記中心軸との交点Oから距離Rとして内側から順割り振られたR、R,・・・Rに対応するr、r,・・・rには、r<r<rの関係がある。
さらに、図2(b)に示すように、ウエハ載置面を垂直に分割し、凹部の中心軸を含むエピタキシャル成長用サセプタの断面の曲率半径が最外周外側に行くほど小さくなるように形成している。
また、このエピタキシャル成長用サセプタは、黒鉛を主成分とする基材1sと、基材1s表面を覆うセラミック被膜1aとで形成されている。
このエピタキシャル成長用サセプタを用いてエピタキシャル成長を行うに際し、図3(a)乃至(c)に示すように、エピタキシャル成長用サセプタ10に、ウエハ100を載置する。昇温を行った際、ウエハ100に反りが生じ、反りが大きくなっていくとき、エピタキシャル成長用サセプタ10のウエハ載置面11との当接点Pは中心軸O上から中間点で当接し、更に反りが大きくなるとエピタキシャル成長用サセプタ10の凹部12の周縁部に当接することになる。
また、本実施の形態1で用いられるエピタキシャル成長装置は、図4に示すように、エピタキシャル成長用サセプタ10を収容するエピタキシャル成長用チャンバー20と、エピタキシャル成長用チャンバー20にガスを供給するガス供給部30と、エピタキシャル成長用サセプタを誘導加熱する誘導加熱部40とを具備している。
次に、このエピタキシャル成長装置を用いたエピタキシャル成長工程を用いて発光ダイオードを形成する方法について説明する。
本実施の形態1では、波長360nmの光を発光する紫外線発光ダイオードを形成する実施の形態の一例である。図5は本実施の形態の紫外線発光ダイオードの構成を示す断面図である。本実施の形態1の紫外線発光ダイオードLは、サファイア基板上にAlN単結晶層を積層して形成したAlN積層サファイア基板100上にエピタキシャル成長により順次化合物半導体薄膜を形成して得られるものである。この紫外線発光ダイオードLは図5に示すように、AlN積層サファイア基板100上に、膜厚1μmのSiドープトn−AlGaN単結晶層101、膜厚50nmのSiドープトn−AlGaInN活性層102、膜厚3nmのAlGaN層/膜厚3nmのMgドープトp−GaN層からなる5周期超格子層103、及び膜厚0.1μmのMgドープトp−GaN層104の積層構造を備えている。
Siドープトn−AlGaN層とは、Gaの一部をAlで置換したn型のAlGaNにSiをドープした層、Mgドープトp−GaN層とは、Mgをドープしたp型のGaN層をそれぞれ示している。
AlN積層サファイア基板100は、サファイア基板100sのC面上に直接又は低温成長バッファ層(図示せず)を介して膜厚1μmの単結晶AlN層100aが積層されている。ここで低温成長バッファ層としては、例えば低温で成膜したAlNなどの層が用いられる。Siドープトn−AlGaInN活性層102の組成は、例えばAl組成が20原子%、In組成が5原子%である。また、p−GaN層104上にはp側電極(図示せず)が、また、積層構造の上面からRIE装置(Reactive Ion Etching装置)によりSiドープn−AlGaN単結晶層101の上部層までエッチングして露出させたSiドープn−AlGaN単結晶層101の露出面にはn側電極(図示せず)が設けられている。
本実施の形態1では、本発明の実施の形態のエピタキシャル成長用サセプタを用いたエピタキシャル成長により、AlN積層サファイア基板100上にn−AGaN単結晶層101およびAlGaN(103の一部)を成長させている。そのため、成長したn−AlGaN単結晶層101およびAlGaN(103の一部)は元素の組成及び膜厚が均一である。元素の組成及び膜厚が均一であるので、GaNからなる半導体のバンドギャップのばらつきを小さくすることができるので、バンドギャップに対応して発せられる光の波長ばらつきを小さくすることができる。その結果、波長360nmの紫外線を長期間にわたり安定して発光する紫外線発光ダイオードが実現されている。
この紫外線発光ダイオードの製造に際しては図1及び図2に示したエピタキシャル成長用サセプタを用いた有機金属エピタキシャル成長装置(MOCVD装置)が用いられる。このMOCVD装置は、図4に示すように、ウエハ(W)を載置するエピタキシャル成長用サセプタ10と、エピタキシャル成長用サセプタ10の下側に設けられ、エピタキシャル成長用サセプタ10を介してウエハ(W)を加熱する誘導加熱部40とを収容した反応管20と、反応管20に原料ガスを供給するガス供給部30と、反応管20を排気して排気ガスを排除する排気系(図示せず)とを備えている。
ここでガス供給部30は、アンモニアボンベからマスフローラコントローラを介し反応管ラインにより反応管20に窒素原料としてアンモニアを供給するアンモニア供給系と、水素源から供給された水素ガスを高純度化し、高純度水素ガスをMFC(Mass Flow Controller)及び反応管ラインを経由して反応管20に供給する水素純化装置を有し、水素ガスをキャリアガスとして供給する水素ガス供給系とを備えている。
また、ガス供給部30は、III族有機金属化合物を収容したバブラを備え、水素純化装置からMFCを介して供給された水素ガスによりIII族有機金属を気化させ、水素ガスとともに反応管20にIII族有機金属原料ガスを供給するIII族有機金属供給系と、モノシラン(SiH4)ボンベからMFCを介し、反応管ラインにより反応管20にモノシランをSi原料として供給するモノシラン供給系とを備えている。更に、ガス供給部30は、ベントラインに接続されたバイパスラインを各供給ラインに備え、かつバイパスラインの操作のために供給ライン及びバイパスラインに開閉弁を備えている。更に、水素ガス供給系はMFCを経てベントラインに水素ガスを流出させることができる。
さらに、アンモニアボンベからのアンモニアガス、バブラから発生したIII族有機金属原料ガス、及びモノシランボンベからのSi原料ガスを反応管ラインからベントラインに、或いはその逆に切り換える際には、それぞれ、開閉弁の開閉により、切り換えを行うことができるようになっている。尚、図4では示していないが、水素ガスのみならず、窒素純化装置を通した窒素なども上記水素ガスと同様な装置構成にすることにより反応管20にキャリアガスとして窒素ガスを供給することが出来る。
バブラ及びモノシランボンベ内に、それぞれ、例えばGa原料としてトリメチルガリウム(TMG)、及びSi原料として窒素ガスで濃度20ppmに希釈したモノシラン(SiH4)を収容する。水素純化装置からMFCを経てバブラ内に水素ガスを供給して、蒸気圧分のTMG原料ガスをキャリアガスである水素ガスとともにバブラから反応管ラインを通って反応管20に供給する。窒素原料としてはアンモニア(NH3)を用い、MFCで流量を制御しつつ開閉弁の開閉により切り換えて、アンモニアガスを反応管20またはベントラインに導入する。また、p型不純物としてはMgを導入する。具体的な原料の一例としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム{Mg(C552}を用いる。
次に、上述のMOCVD装置を使って紫外線発光ダイオードLの積層構造を形成する方法を説明する。図6(a)乃至(c)は本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長装置を用いたエピタキシャル成長ウエハの製造工程を示す図であり図7は本発明の実施形態1nエピタキシャル成長方法を用いたエピタキシャル成長工程における温度プロファイルを示す図である。図7はエピタキシャル成長用サセプタの温度プロファイルを示す図である。先ず、MOCVD装置の反応管20にアンモニアガスと水素ガスを供給しつつエピタキシャル成長用サセプタ10上に保持されたサファイア基板100を水素とアンモニアの雰囲気中で1000℃まで加熱する。このとき、ウエハWはサセプタの凹部の中心軸上でサセプタの凸面と接している。次いで、サファイア基板100の温度が1000℃で安定した時点(図7中P1)で、水素ガスをキャリアガスとして及びアンモニアを窒素原料として供給しつつ、Ga原料としてTMG、Al原料としてTMA、及びSi原料としてモノシランをそれぞれ反応管20に供給する。TMG、TMA、及びモノシランの供給量は、それぞれ、25μmol/min、10μmol/min、及び0.5×10-3μmol/minであり、アンモニアは10SLMである。これにより、膜厚1μmのSiドープトn−AlGaN単結晶層101をエピタキシャル成長させる(図6(a)参照)。
このとき、ウエハWはサファイア基板と膜厚1μmのSiドープトn−AlGaN単結晶層101との格子定数の差によって歪みが生じ凸形状の反りが発生するため、エピタキシャル成長用サセプタ凹部の凸面とウエハとの接する箇所は、エピタキシャル成長用サセプタの凹部の中心軸上から離れた環状の領域に移っていく。
次いで、このようにして得られたSiドープトn−AlGaN単結晶層積層サファイア基板からなるウエハ(W)を850℃(図7中P2)に降温し、次なるエピタキシャル成長工程に入る。この場合、キャリアガスを窒素ガスに変え、アンモニアを10SLM、TMGを5μmol/min、TMAを0.6μmol/min、TMIを17μmol/min、及びSiを0.2×103μmol/minで供給することにより、活性層として膜厚50nmのSiドープトAlGaInN層(102)をエピタキシャル成長させる(図6(b)参照)。
このとき、つまり図7においてTで示す区間で、1000℃から850℃に降温する際に反りが顕著に表れる。膜厚1μmのSiドープトn−AlGaN単結晶層101が形成されたウエハ(W)は、基体であるサファイア基板とSiドープトn−Al0.25GaN単結晶層101との界面の熱膨張率の差により図3(a)乃至(d)に示したような反りが生じる。しかしながら、図1及び図2(a)および(b)に示した本実施の形態のエピタキシャル成長用サセプタを用いているため、エピタキシャル成長用のサセプタの凹部の中心軸と、周縁部の中間領域の凸面がウエハと接し、かつウエハの反りの大きさの変化に伴って接する領域が移動していくので、均等な熱接触を実現することができ、ウエハの温度ばらつきが低減される。
すなわち、ここで用いられるエピタキシャル成長用サセプタは、ウエハ載置用の凹部が中心軸を有し、ウエハ載置面を垂直に分割し、凹部の中心軸を含む断面が、前記中心軸と前記凸面の周縁との中間部で、前記中心軸上の上端と前記周縁とをとおる円の外周面よりも外側に突出する領域を有するようにしている。このため、当初中心軸上でウエハと当接し、反りが生じるに従い、エピタキシャル成長用サセプタとウエハとの当接位置は移動するが、中心軸上から、中間部に順次当接し、最後に周縁部に当接する。そのため、ウエハ温度の面内ばらつきを低減し、均一な薄膜形成を実現することができる。
続いて、温度を1000℃(図7中のP3)にする。基体であるサファイア基板とSiドープトn−AlGaN単結晶層101との界面の熱膨張率の差が緩和されるので、サセプタの凹部の凸面とウエハとの当接する領域は、凹部の中心軸側に移動する。次に、キャリアガスを水素ガスに戻し、アンモニアを10SLM、TMGを25μmol/min、及びTMAを10μmol/minで供給して膜厚3nmのAlGaN層をエピタキシャル成長させ、次いでTMAの供給を停止し、Mg(C552を0.15μmol/minの流量で供給することにより、膜厚3nmのMgドープトp−GaN層をエピタキシャル成長させる。これを5周期繰り返して、5周期超格子層103を成膜する。最後に、5周期超格子層103のMgドープトp−GaN層と同様にして、膜厚0.1μmのMgドープトp−GaN層104をエピタキシャル成長させることにより、図5に示すダブルヘテロ型紫外線発光ダイオード10の積層構造を作製することができる(図6(c)参照)。この間にサファイア基板とサファイア基板上に形成された5周期超格子層103との格子定数の差によって、更にウエハの凸方向の反りが大きくなる。それに伴って、サセプタ凹部の凸面とウエハとの接する箇所は、サセプタ凹部の中心軸上から離れた環状の領域に移っていく。
このようにして得られた積層構造をMOCVD装置から取出した後、800℃の窒素雰囲気中で10分間アニール処理してpn接合を活性化し、反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching)などのプロセス工程を経て、p側電極及びn側電極を形成し、紫外線発光ダイオード10(デバイス)を完成させる。
本実施の形態1のエピタキシャル成長方法によれば、ウエハとサセプタの凹部の凸面の接する箇所を移動させながらAlN積層サファイア基板100上にAlGaN単結晶層101をエピタキシャル成長させる。そのため、エピタキシャル成長用サセプタからの伝熱によりウエハが高温となる接触箇所が局在化しない。このため、MO−CVDによる成膜に偏りが生じにくく、AlGaN単結晶層101、および5周期超格子層103を構成するAlGaN等の膜厚ばらつきを小さくすることができる。その結果、膜厚ばらつきにより影響を受ける発光波長のばらつきの小さい発光ダイオードを形成することができる。
このように、本発明のエピタキシャル成長用サセプタによれば、誘導加熱で発熱すると、エピタキシャル成長用サセプタ、ウエハ間の伝熱が、接触箇所を経由する伝熱の比率が高く、本発明のエピタキシャル成長用サセプタの曲面の効果が発揮される。
また、本発明によれば、ウエハとエピタキシャル成長用サセプタの接する箇所が成膜の進行と共に連続的に移動していくので、組成、膜質、膜厚などのばらつきの少ないエピタキシャルウエハを提供することができる。
ここで本発明のエピタキシャル成長用サセプタと、従来のエピタキシャル成長用サセプタとの違いについて詳しく説明する。
ところで、従来のエピタキシャル成長用サセプタは、Si(基材)-Si(膜)などのホモエピタキシャル成長、あるいは、異質材料を成膜するヘテロエピタキシャル成長であっても基材と成長層の格子定数及び熱膨張係数は近い組み合わせで行われるので、成長時におけるウエハの反りは、主にウエハ内の温度の不均一に起因するものである。このためウエハの反り方は表裏の温度差に対応した曲率半径となるよう一定の反り方となる。このため、エピタキシャル成長用サセプタの凹面の形状(曲率半径)をエピタキシャル成長用サセプタの反りに合わせることより、エピタキシャル成長用サセプタとウエハを密着させるようエピタキシャル成長用サセプタの凹部底面の曲率半径を制御することができた。
しかしながら、近年サファイア基板にGaNの膜を成膜する窒化物系半導体では、サファイアとGaNの格子定数、熱膨張係数が大きく異なる。そのため、ウエハ内の温度の不均一だけではなく、格子定数および熱膨張係数の違いにより発生する歪みを緩和するための反りも発生し、その反りの度合(曲率半径)は、成膜された膜が厚くなるにつれて大きくなる。これに対し、従来のエピタキシャル成長用サセプタの凹部底面に形成する凸面、あるいは凹面は、一定の曲率半径で形成される。
従来のエピタキシャル成長用サセプタにおけるウエハの反りと従来のエピタキシャル成長用サセプタの凹部との関係とを示す図16(a)〜(c)に示す。
従来のエピタキシャル成長用サセプタの凹部底面には球面の凸面を有する。凸面は一定の曲率半径rsを有している。ウエハが凸形状に変形する場合に、ウエハの反りの曲率半径をrwとすると、
1)rw>rsの場合、ウエハとエピタキシャル成長用サセプタ凹部が、中心部のみが接する(図16(a)参照)
2)rw=rsの場合、ウエハとエピタキシャル成長用サセプタ凹部の全面が接する(図16(b)参照)
3)rw<rsの場合、ウエハとエピタキシャル成長用サセプタ凹部の周辺部のみが接するようになる。(図16(c)参照)
従来のシリコンのエピタキシャル成長用サセプタでは、rw=rsとなるように底面凹部の曲率が設定される。そこで本発明者らは、サファイア基板にGaNを成長させるエピタキシャル成長について検討を行った。サファイア基板に窒化ガリウムを成長させるエピタキシャル成長の製造方法では、1)→2)→3)の順に推移し、最も均熱化できる2)の状態は長時間維持することができないことがわかった。このため、窒化ガリウムの成膜過程においては1)サファイア基板の中心部の接する段階と、2)サファイア基板の最外周が接する段階がそのほとんどを占めており、サファイア基板に温度ムラが発生しやすくなっていることがわかった。
そこで、本発明の実施の形態1のエピタキシャル成長用サセプタによれば、中心から離れるに従って外側で接する球面の半径が小さくなっているので、ウエハの反りが大きくなり曲率半径が小さくなるにつれて順にサセプタ凹部の周縁側で接するようになる。また、ウエハとエピタキシャル成長用サセプタが接する箇所は、ウエハの反りに応じて移動していくため、エピタキシャル成長用サセプタから直接伝熱される箇所が成膜の進行と共に移動する。
このため、ウエハとエピタキシャル成長用サセプタの接する箇所が成膜の進行と共に連続的に移動していくので、組成、膜質、膜厚などのばらつきの少ないエピタキシャルウエハを提供することができる。この効果はエピタキシャル成長用サセプタ凹部の中心軸を含む断面が直線の組み合わせで構成される場合も同様である。
また、本実施形態のエピタキシャル成長用サセプタの凹部の凸面とエピタキシャル成長用サセプタの凹部の中心軸との交点Oから距離Rにおける領域に前記エピタキシャル成長用サセプタの外側で接する球面の半径は、中心軸側から周縁部に近づくにつれて連続的に小さくなっている。そのため、ウエハとウエハ上に形成された薄膜との格子定数、および熱膨張係数差によってウエハの反りが大きくなるにつれて、ウエハの接する領域が連続的に外縁部に移動する。このため、本実施形態のエピタキシャル成長用サセプタを使用するとウエハの温度の高い領域が局在化しないので、厚さのばらつきの小さい薄膜を形成することができる。
また、本発明のエピタキシャル成長用サセプタは基材と成膜する薄膜との格子定数および熱膨張係数の異なるヘテロエピタキシャル成長用サセプタの場合、ウエハの反りは膜の成長と共に変化していくので好適に利用することができる。
また、本発明のエピタキシャル成長用サセプタは特に格子定数および熱膨張係数の違いが大きく反りの発生し易いサファイア基板上に窒化ガリウムの成長用サセプタにおいては好適に利用することができる。
また、本実施形態のエピタキシャル成長用サセプタを使用することにより、ウエハに形成される薄膜の厚さに偏りが生じにくいので、薄膜の厚さの均等化を図ることができる。そのため膜厚ばらつきの少ない膜の形成が実現される。
ウエハ載置面が凸面であるため、エピタキシャル成長用サセプタの中心部から、外周部まで連続的にウエハに接することができる。そのため、ウエハの反りが大きくなるにつれて、ウエハの接する領域が連続的に外縁部に移動する構造をとることができる。
また、このエピタキシャル成長用サセプタは、黒鉛の基材にCVD法により形成したSiCからなるセラミック被膜が形成されているため、誘導加熱を受け発熱することができる。
また、エピタキシャル成長用サセプタの被膜として用いられるセラミック被膜は、SiCに限らずTaCであっても黒鉛を侵食から防ぐことができる。
また、これらの被膜はCVD法で形成されているので、緻密な膜を形成することができ、黒鉛を水素、アンモニアなどの侵食から防ぐことができる。
セラミック被膜は表面が研磨されていても良い。研磨により、エピタキシャル成長用サセプタの表面に形成されたセラミック被膜の異常成長で発生した微細な突起を除去することができる。
また、ウエハ載置面の大きさは、例えばΦ25〜150mmとするのが望ましい。
凸面の高さは、例えばウエハ載置面がΦ50mmの場合10〜50μmである。
また、ウエハ中心部の曲率半径は無限大(平面)〜20mであると、中心部にも伝熱される段階(エピタキシャル成長初期段階など)があり、エピタキシャルウエハの面内の厚さのバラつきを小さくする事ができる。
また、最外周に接する球面の曲率半径は、例えば0.1m〜10mである。サファイア基板にGaNの薄膜を成膜する最終段階でウエハの最外周のみが接する状態が長時間継続しないようにすることができる。
また、エピタキシャル成長用サセプタは、誘導加熱で発熱した場合、ウエハ自体は発熱することがない。このためエピタキシャル成長用サセプタ、ウエハ間の伝熱が、接触箇所を経由する伝熱の比率が高く、本発明のエピタキシャル成長用サセプタの曲面の効果が効率よく発揮される。
(実施の形態2)
図8は本発明の実施の形態2のエピタキシャル成長用サセプタ10の断面図である。図9(a)乃至(c)は本発明の実施の形態2のウエハの反りとエピタキシャル成長用サセプタの凹部との関係とを示す図である。
本実施の形態2では、エピタキシャル成長用サセプタ10の凹部の凸面13は、凸面13の頂部に中心軸Oを含む点を中心とする平坦面F1を有する点で前記実施の形態1のエピタキシャル成長用サセプタと異なり、他部については前記実施の形態1と同様である。
本実施の形態2の構成によれば、中心軸に近接して平坦面F1を有していることから、図9(a)に示すように、反りが小さい時は当接領域が大きく、エピタキシャル成長用サセプタからウエハへの熱の伝導が大きくなる。この場合も前記実施の形態1と同様、反りが生じ平坦面から曲面上をウエハが順次当接していくが、順次当接部が外側に移動していく際、図9(b)に示すように、凸面13とウエハ(W)とが当接し易くなり、確実な熱接触が実現される。
(実施の形態3)
図10は本発明の実施の形態3のエピタキシャル成長用サセプタの断面図である。図11(a)乃至(c)は、本発明の実施の形態3のウエハの反りとエピタキシャル成長用サセプタの凹部との関係とを示す図である。
本実施の形態3では、エピタキシャル成長用サセプタの前記凹部の凸面は、中心軸を含むエピタキシャル成長用サセプタの断面が連続的な曲線と直線F2との組み合わせである点で前記実施の形態1のエピタキシャル成長用サセプタと異なり、他部については前記実施の形態1と同様である。
本実施の形態3によれば、エピタキシャル成長用サセプタの凹部の凸面が、中心軸を含むエピタキシャル成長用サセプタの断面において連続的な曲線と直線F2との接続部が突出している。図11(a)に示すように、ウエハの反りが小さい時は当接領域が、中心軸との交点Oの付近であり、ウエハの反りが大きくなっていくと、順次当接点が外側に移動していく。この場合も前記実施の形態1と同様、ウエハの反りが生じ曲面から平坦面上をウエハが順次当接していく。順次当接部が外側に移動していく際、図11(b)に示すように、順次凸面13とウエハ(W)とが当接し、直線F2の領域がウエハに接する状態を経て当接部が外側に移動していく。このようにして、順次当接部が外側に移動していく際、当接領域が変化していき、均一で確実な熱接触が実現される。
(実施の形態4)
図12は本発明の実施の形態4のエピタキシャル成長用サセプタの断面図である。図13(a)乃至(c)は本発明の実施の形態4のウエハの反りとエピタキシャル成長用サセプタの凹部との関係とを示す図である。
本実施の形態4では、エピタキシャル成長用サセプタの凹部の凸面が、中心軸を含むサセプタの断面において直線Fの組み合わせである点で前記実施の形態1のエピタキシャル成長用サセプタと異なり、他部については前記実施の形態1と同様である。
本実施の形態4によれば、エピタキシャル成長用サセプタの凹部の凸面が、平面Fの組み合わせでありの接続部が突出し、ウエハに反りが生じ曲面上をウエハが順次当接していく。図13(a)および(b)に示すように、当接領域は、点であるが順次当接点が外側に移動していく。この場合も前記実施の形態1と同様、ウエハの反りが生じ曲面から平坦面上をウエハが順次当接していくが、順次当接部が外側に移動していく際、順次凸面13とウエハ(W)とが当接し、熱接触が実現される。このようにして、順次当接部が外側に移動していく際、当接領域が変化していき、均一で確実な熱接触が実現される。
このように、本実施の形態4のエピタキシャル成長用サセプタによれば、平面F同士の接続部が突出し、ウエハに反りが生じ、順次当接部が外側に移動していく際、当接し易くなり、確実な熱接触が実現される。
以上本発明の実施の形態1乃至4で説明してきたように、本発明実施の形態1乃至4によれば、ウエハとエピタキシャル成長用サセプタの接する箇所が成膜の進行と共に連続的に移動していくため、組成、膜厚等のばらつきの少ないエピタキシャルウエハを提供することができる。
また、エピタキシャル成長用サセプタの表面形状については、発生するであろうウエハの反りを予測し、このウエハの反りの予測に従って適宜変更可能である。
以上説明してきたように、本発明のエピタキシャル成長用サセプタ、これを用いたエピタキシャル成長装置およびこれを用いたエピタキシャル成長方法は、LED、HBTなどの化合物半導体デバイスの形成工程、MOSFETあるいは半導体集積回路の形成における薄膜形成工程、不純物拡散工程など、種々のデバイスの形成に有効である。
10 エピタキシャル成長用サセプタ
11 ウエハ載置面
12 凹部
13 凸面
F1 平坦面
F2,F 平面
20 反応管
30 ガス供給部
40 誘導加熱部
W ウエハ
100 サファイア基板
101 Siドープトn−AlGaN単結晶層
102 Siドープトn−AlGaInN活性層
103 5周期超格子層
104 Mgドープトp−GaN層

Claims (10)

  1. ウエハを載置するウエハ載置面に凹部を有するエピタキシャル成長用サセプタであって、
    前記凹部は底面に凸面を有し、前記凹部は中心軸を有し、前記ウエハ載置面に対して垂直に分割し、前記凹部の前記中心軸を含む断面が、前記中心軸と前記凸面の周縁との中間部で、前記中心軸上の上端と前記周縁とを通る円の外周面よりも外側に突出する領域を有し、
    前記凹部の前記凸面と前記中心軸との交点Oから距離Rにおける領域に前記エピタキシャル成長用サセプタの外側で接する球面の半径は、前記交点Oから離れるに従って連続的に小さくなるエピタキシャル成長用サセプタ。
  2. 請求項1に記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
    前記ウエハ載置面に対して垂直に分割し、
    前記凹部の前記中心軸を含むエピタキシャル成長用サセプタの断面の曲率半径が最外周外側に行くほど小さいエピタキシャル成長用サセプタ。
  3. 請求項1に記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
    前記凹部の凸面は、凸面の頂部に中心軸を含む点を中心とする平坦面を有するエピタキシャル成長用サセプタ。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
    前記エピタキシャル成長用サセプタは、黒鉛を主成分とする基材と、前記基材表面を覆うセラミック被膜とを有するエピタキシャル成長用サセプタ。
  5. 請求項に記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
    前記セラミック被膜は、SiC膜またはTaC膜であるエピタキシャル成長用サセプタ。
  6. 請求項又はに記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
    前記セラミック被膜は、CVD法により形成したCVD膜であるエピタキシャル成長用サセプタ。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のエピタキシャル成長用サセプタであって、
    前記エピタキシャル成長用サセプタは、誘導加熱で使用されるエピタキシャル成長用サセプタ。
  8. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のエピタキシャル成長用サセプタと、
    前記エピタキシャル成長用サセプタを収容するエピタキシャル成長用チャンバーと、
    前記エピタキシャル成長用チャンバーにガスを供給するガス供給部と、
    エピタキシャル成長用サセプタを加熱する加熱部とを具備したエピタキシャル成長装置。
  9. 請求項項に記載のエピタキシャル成長装置であって、
    前記加熱部は、前記エピタキシャル成長用サセプタを誘導加熱する誘導加熱部であるエ
    ピタキシャル成長装置。
  10. 請求項1乃至のいずれか1項に記載のエピタキシャル成長用サセプタを用意する工程と、
    前記エピタキシャル成長用サセプタに、ウエハを載置し、第1の成長温度まで昇温し、
    第1のガスを供給して前記ウエハ表面に第1の膜を成長させる第1の成長工程と、
    前記第1の膜の成膜された前記ウエハを第2の温度まで降下させる工程と、
    前記第2の温度で、第2のガスを供給して前記第1の膜表面に第2の膜を成長させる第2の成長工程と、を含み、
    前記第2の成長工程において、前記第1の膜の成膜された前記ウエハが、前記エピタキシャル成長用サセプタの前記中心軸上の前記上端に当接し、外側に突出する領域に当接し、次いで前記周縁とを通る円の外周面に当接するように構成されたエピタキシャル成長方法。
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