JP2004200436A - サセプタ及びその製造方法 - Google Patents

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Masaya Yokogawa
雅也 横川
Hirotaka Hagiwara
博隆 萩原
Kazu Shinryu
隆員 森
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Abstract

【課題】ザグリ部の底面を被処理物が自重で撓んだ状態の凹曲面形状に近い球面凹形になすと共に、かつ被処理物の搬入載置時における滑りを回避し、更に被処理物の面内均一性の高い加熱ができるサセプタ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】カーボン基材1をセラミックス膜で被覆したサセプタにおいて、被処理物が載置されるザグリ部の底面が球面凹形状に形成されると共に、微細な凹凸1bが形成され、被処理物を載置する複数の凸部上面1eと前記凹部底面1gとの距離Hが全域にわたってほぼ同一で、かつ前記ザグリ部の底面の厚さLが全体にほぼ均一に形成されている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サセプタ及びその製造方法に関し、特に、半導体ウエハ処理用として好適なサセプタ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体ウエハ上に薄膜を気相成長させる場合、気相成長装置の炉内に設けられた所定のサセプタ上に、例えばシリコンウエハ等の半導体ウエハを載置する。そして、半導体ウエハをサセプタと共に所定回転速度で回転させながら、SiH4原料ガス、H2キャリアガス等を半導体ウエハに接触させることにより、該半導体ウエハ上に薄膜を形成している。
【0003】
このような気相成長装置に用いられるサセプタとしては、一般的に、カーボン基材を炭化珪素(SiC)膜で被覆したサセプタが多く使用されている。このサセプタは、一般に所望形状に加工した後、カーボン基材に炭化珪素膜を被覆することにより製造される。
【0004】
ところで、半導体ウエハの搬送には、ベルヌイチャック等が使用されている。そして、前記半導体ウエハを前記サセプタ上に載置する際、ベルヌイチャックの吸着を解除し、約10mmの高さから半導体ウエハをサセプタ上に載置する。
そのため、半導体ウエハとサセプタの間に介在するガスが速やかに抜けない場合には、半導体ウエハがサセプタ上を滑り、半導体ウエハの端部がサセプタのザグリ部の側壁に接触することがある。
この接触状態のまま薄膜成長を行うと、該接触部で半導体ウエハ面内の温度分布が大きく変化し、膜厚が不均一になり、またスリップが発生し、半導体ウエハの歩留まりが低下することがあった。
【0005】
このため、サセプタには従来から半導体ウエハとサセプタとの間のガスを速やかに逃がし、半導体ウエハの滑りを防止するための対策として、例えば、特開平8−8198号公報に記載されているように、ザグリ部の底面にローレットというメッシュ状の浅い細溝やザグリ部の底面に多数の貫通孔を設けることが提案されている。
【0006】
また、半導体ウエハは高温処理中に軟化し自重で撓むため、処理される半導体ウエハの均熱化のためには、サセプタのザグリ部の底面形状は、半導体ウエハが自重で撓んだ状態の凹曲面形状に近い球面凹形状に形成することが望ましいとされている(特開平7−58029号公報)。
【0007】
【特許文献1】
特開平8ー8198号公報(第2頁第2欄第12行乃至第28行、第2欄第35行乃至第44行、図2、図3)
【0008】
【特許文献2】
特開平7−58029号公報(第2頁左欄第37行乃至右欄第6行、図4)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の製造技術をもってすれば、前記したザグリ部底面を単に球面凹形状に形成したサセプタは、比較的容易に製作することができる。また、平面状のザグリ部底面に無数の微細凹凸等を形成したサセプタも、比較的容易に製作することができる。
【0010】
しかしながら、これらの両方を共に備えたサセプタを作製することは、ザグリ部底面の球面凹形状と、球面凹形状の底面表面に無数の微細凹凸等とを同時に形成する必要があり、機械加工上困難であった。
即ち、ザグリ部底面が球面凹形状に形成されると共に、該底面全域にガス抜け通路となる無数の微細凹凸(ローレット溝)が形成され、しかも半導体ウエハ載置面(凸上面)と凹部底面との距離が、全域にわたってほぼ等距離で、かつザグリ部底面のサセプタ厚さ(凹部底面からサセプタ裏面までの距離)が均一に形成されたサセプタを作製することは非常に困難であった。
【0011】
具体的に従来の製造技術を用いた、上記ようなサセプタを製作する場合について、考えられる手順を図3(a)〜(e)に基づいて説明する。
即ち、図3(a)に示すような円形平板状のカーボン基材10を切削等の加工手段を用いてザグリ加工し、ザグリ部10aを形成する(図3(b))。また、図3(c)に示すように、切削等の加工手段を用いて前記ザグリ部10aに同一深さの溝(凹凸)10bを複数加工形成する。このとき前記溝10bの底面10cは平面(水平)に形成される(図3(c))。
次に、図3(d)に示すように、前記溝(凹凸)10bの凸部10d(ザグリ部10aの底面)を研削し、凸部10dの上面によって形成される仮想面Aが球面凹状になるように研削加工する。
その後、前記カーボン基材10の表面にSiC膜11を被覆してサセプタとして完成する(図3(e))。
【0012】
しかしながら、前記したように凸部10dの上面によって形成される仮想面Aが球面凹状になるように研削加工すると、切削工具の送り等の関係から図4(b)に示すように加工跡10eが残り、半導体ウエハとの接触面(凸部10dの上面)が段差状に形成されることが多い。
その結果、半導体ウエハとの接触が不均一となり、スリップが発生する不都合が生じ易い。
【0013】
また、前記溝(凹凸)10bの凸部10dを研削し、凸部10dの上面によって形成される仮想面Aが球面凹状になるように研削するため、図4(a)、(b)に模式的に示すように、凸部10dの高さHは、ウエハ外周側が高く、中心部側が低くなる。
更に、ガス抜けを良好とするため、断面が台形状になっているが凸部10dの上面部分によってのみ球面凹部を形成すると、図4(a)、(b)に模式的に示すように、ウエハと当接する凸部10dの面積Sは、ウエハ外周側が小さく、中心側が大きくなってしまう。
このようなサセプタでは、ウエハと接するザグリ部の凸部10dの高さ及び接触面積が半導体ウエハの部位によって異なるため、半導体ウエハを均一に加熱できず、形成される膜厚が不均一になるという不都合が生じ易い。
【0014】
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであって、ザグリ部の底面を被処理物が自重で撓んだ状態の凹曲面形状に近い球面凹形になすと共に、かつ被処理物の搬入載置時における滑りを回避し、更に被処理物の面内均一性の高い加熱ができるサセプタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明にかかるサセプタは、基材をセラミックス膜で被覆したサセプタにおいて、被処理物が載置されるザグリ部の底面が球面凹形状に形成されると共に、その底面に微細な凹凸が形成され、被処理物を載置する前記凸部上面と前記凹部底面との距離が全域にわたってほぼ同一で、かつ前記ザグリ部の底面の厚さが全域にわたってほぼ均一に形成されていることを特徴としている。
【0016】
このように、被処理物が載置されるザグリ部の底面が球面凹形状に形成されると共に、その底面に微細な凹凸が形成され、被処理物を載置する凸部上面と前記凹部底面との距離が全域にわたってほぼ同一で、かつ前記ザグリ部の底面の厚さが全体にほぼ均一に形成されているため、被処理物の面内均一性の高い加熱が可能で、かつ被処理物の搬入載置時における滑りや取出し時の付着を回避できる。その結果、このサセプタを用いて半導体ウエハを処理した場合には、スリップを抑制でき、しかも均一な膜厚を形成でき、半導体ウエハの歩留まりを向上させることができる。
【0017】
ここで、前記被処理物を載置する凸部上面が平滑な面であり、かつ前記凸部上面の面積がほぼ均等であることが望ましい。
このように、前記被処理物を載置する凸部上面が平滑な面であり、凸部上面の面積がほぼ均等である場合には、前記被処理物に対して、より均一な加熱が可能である。そして、このサセプタを用いて半導体ウエハを処理した場合には、スリップを抑制でき、均一な膜厚を形成できる。
【0018】
前記微細な凹凸が、ザグリ部に形成された溝であることが望ましい。また、前記基材が気孔率5〜15%の等方性黒鉛材料からなり、前記セラミックス膜がCVD法による炭化珪素膜であることが望ましい。
【0019】
また、上記目的を達成するためになされた本発明にかかるサセプタの製造方法は、基材をセラミックス膜で被覆したサセプタの製造方法であって、前記被覆膜を構成するセラミックスよりも線熱膨張係数の大きい基材から成る基材の一面に底面が平坦なザグリ部を形成する工程と、前記ザグリ部底面に微細な凹凸を形成する工程と、前記基材のザグリ部形成面の対向面にセラミックスを被覆し、セラミックス膜を形成する工程と、前記被覆時温度よりも低温に維持して前記セラミックスと基材の熱膨張率差による熱応力を利用して、該基材の中心部分を中心として、ザグリ部形成面側を凹に、対向面側を凸に変形させる工程と、前記対向面以外の面にセラミックス膜を被覆形成する工程とを含むことを特徴としている。
【0020】
上記した特定形状・構造は、基材として、その線熱膨張係数がセラミックス被覆膜の線熱膨張係数よりも大きいものを選択・使用し、かつこれを前記した本発明にかかる特定の製造方法に従って処理することにより得られる。
これにより製造されたサセプタにあっては、処理される前記被処理物の面内の均一加熱が可能で、しかも、前記被処理物の載置時における滑りが回避される。その結果、このサセプタを用いて半導体ウエハを処理した場合には、半導体ウエハがザグリ部の側壁等に接する不都合等がなく、これによる半導体ウエハのスリップ欠陥の抑制がなされ、均質で良好な薄膜の形成を行うことができる。
【0021】
この基材としては、カーボン、反応焼結SiC、自焼結SiCなどを用いることができる。またセラミックス膜としては、化学気相成長(CVD)法によるSiC膜、またはSi34膜等を用いることができる。
また、基材とセラミックス膜は、いずれの組み合わせでもよいが、基材の線熱膨張係数に対し、セラミックス膜の線熱膨張係数が0.15×10-6/℃〜1.3×10-6/℃(20〜450℃)低い材料の組み合わせとすることがより好ましい。これによって、良好なサセプタ形状をより容易に得ることができる。
【0022】
特に、前記基材が等方性黒鉛材料からなり、前記セラミックス膜が炭化珪素からなるサセプタの製造方法であって、前記基材を構成する黒鉛の線熱膨張係数が、4.4×10-6〜5.7×10-6/℃(20〜450℃)、前記セラミックス膜を構成する炭化珪素の線熱膨張係数が、4.25×10-6〜4.4×10-6/℃(20〜450℃)であり、両者の係数差が0.15×10-6〜1.3×10-6/℃の範囲にあることが望ましい。
より好ましくは、基材を線熱膨張係数が4.6×10-6/℃〜5.5×10-6/℃(20〜450℃)の等方性黒鉛材料とし、セラミックス膜が線熱膨張係数が4.25×10-6/℃〜4.35×10-6/℃(20〜450℃)のCVD法によるSiC膜とし、両者の係数差が0.35〜1.15×10-6/℃の範囲にあることが望ましい。
【0023】
これは等方性黒鉛材料の加工性が良好であり、複雑な溝加工が容易であり、また、気孔率5〜15%の等方性黒鉛材料とし、CVD法によるSiC膜を表面に形成することで、ザグリ部表裏面で異なる応力が残存する前記サセプタの形状(構造)をより安定に保つことができる。
また、前記微細な凹凸は、ザグリ部に溝加工によって形成されることが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかるサセプタ及びその製造方法の一実施形態を図1、図2に基づいて説明する。
先ず、本発明にかかるサセプタを製造する方法の手順について、図1(a)〜(f)を参照して説明する。
図1(a)に示すように、円板状のカーボン基材1を切削、研磨等の加工手段を用いて、その一面(上面)に底面が平面状で所定深さを有するザグリ部1aを形成する(図1(b))。
【0025】
次いで、図1(c)に示すように、この形成したザグリ部1aの平面状底面のほぼ全面にローレット溝1b(微細凹凸)を加工形成する。
続いて、図1(d)に示すように、このカーボン基材1のザグリ部1aの形成面(上面)に対向する面(裏側面)1cのみを、部分的にCVD法により炭化珪素(SiC)を被覆し、SiC膜2を形成する。この炭化珪素(SiC)被覆処理は1500〜1850℃の温度条件で実施される。
【0026】
この裏面側が炭化珪素(SiC)被覆されたカーボン基材1を、炭化珪素(SiC)被覆する際の温度(1500〜1850℃)より低温(通常、SiC被覆温度より10〜50℃程度低い温度)に維持する。
その結果、カーボン基材1の線熱膨張係数と被覆膜を構成する炭化珪素の線熱膨張係数との違いから、図1(e)に示すように、カーボン基材1は熱応力によって円板状の基材1の中心部分を中心として、ザグリ部1aの形成面側を凹に、対向面側を凸にして変形する。
その後、図1(f)に示すように、該変形したカーボン基材1の未被覆表面を、前記した被覆時の温度条件とほぼ同じ条件で、炭化珪素(SiC)被覆することによって、サセプタが完成する。
【0027】
以上説明したように、カーボン基材1の裏面側に炭化珪素(SiC)被覆し、円板状の基材1の中心部分を中心として、ザグリ部1aの形成面側を凹に、対向面側を凸にして変形させることによって、サセプタの形状が決定される。
従って、従来の方法のように、切削加工により、溝および底面を球面凹形状に形成しないため、図4(b)に示すような加工跡10eが残ることもなく、半導体ウエハとの接触面(凸部上面)および凹部の底面が段差状に形成されることもない。言い換えれば、図2(b)に示すように、半導体ウエハを載置する凸部1dの上面1e及び前記凹部1fの底面1gが平滑な面に形成される。
【0028】
また、上記した方法によって、ザグリ部1aの底面(凸部上面1eによって形成される仮想面B)が球面凹形状に形成される。また、半導体ウエハを載置する凸部上面1eと前記凹部底面1gとの距離Hが全域にわたってほぼ同一で、かつ前記ザグリ底面の厚さLが全域にわたってほぼ均一に形成された、サセプタを容易に製造することができる。
なお、ザグリ部1aの底面とは、図2(b)に示すように、半導体ウエハが載置される凸部上面1eによって形成される面Bをいう。また、ザグリ部底面の厚さとは、図2(a)に示すように、ザグリ部底面に形成された凹凸の凹部1fの底面1gと、サセプタの底面(凸部上面に形成された球面凹形状とほぼ平行な面であって、前記凸部形成面と反対側面)との距離Lをいう。
【0029】
前記構成を備えるサセプタにあっては、半導体ウエハを載置する凸部1dの上面1eと前記凹部1fの底面1gとの距離Hが全域にわたってほぼ一定に形成されている。しかも、前記ザグリ底面の厚さLが全域にわたってほぼ均一に形成されている。
そのため、このサセプタにあっては、半導体ウエハに対して均一な加熱が可能で、かつ半導体ウエハの搬入載置時における滑りや取出し時の付着を回避できる。その結果、このサセプタを用いて半導体ウエハを処理した場合には、スリップを抑制でき、均一な膜厚を形成でき、半導体ウエハの歩留まりを向上させることができる。
【0030】
前記基材1となるカーボン材は、該基材1の被覆膜を構成する炭化珪素(SiC)の線熱膨張係数よりも大きい線熱膨張係数を有するものが用いられる。
前記カーボン基材1を構成するカーボンの線熱膨張係数が、4.4×10-6〜5.7×10-6/℃(20〜450℃)、前記被覆膜を構成する炭化珪素(SiC)の線熱膨張係数が、4.25×10-6〜4.4×10-6/℃であって、両者の係数差が0.15×10-6〜1.3×10-6/℃(20〜450℃)の範囲にあることが望ましい。
これにより、円板状の基材1の中心部分を中心として、ザグリ部1aの形成面側を凹に、対向面側を凸に変形させることができ、所望のサセプタ形状を容易に形成することができる。
【0031】
なお、この基材としては、カーボンの他、反応焼結SiC、自焼結SiCなどを用いることができる。また、基材を被覆する被覆膜は、SiC膜の他、Si34膜等のセラミックス膜を用いることができる。
【0032】
また、基材と被覆膜は、いずれの組み合わせでもよいが、基材の線熱膨張係数に対し、被覆膜の線熱膨張係数が0.15×10-6/℃〜1.3×10-6/℃(20〜450℃)低い材料の組み合わせとすることがより好ましい。これによって、良好なサセプタ形状をより容易に得ることができる。
特に、基材を線熱膨張係数が4.4×10-6/℃〜5.7×10-6/℃(20〜450℃)の等方性黒鉛材料とし、セラミックス膜が線熱膨張係数4.25×10-6/℃〜4.4×10-6/℃(20〜450℃)のCVD法によるSiC膜とすることが好ましい。
これは等方性黒鉛材料の加工性が良好であり、複雑な溝加工が容易であり、また、気孔率5〜15%の等方性黒鉛材料とし、CVD法によるSiC膜を表面に形成することで、ザグリ部表裏面で異なる応力が残存する本サセプタの形状(構造)をより安定に保つことができる。
【0033】
また、前記基材1のサイズ、形状は、必ずしもこれに限定されるものではないが、通常、厚さが1.5〜7mm程度、直径5〜35cm程度の円板状のものが用いられる。
また、前記ザグリ部1aの寸法は、被処理する半導体ウエハのサイズにより変わるが、通常その深さが10μm〜0.7mm程度である。またザグリ部1aの凹部1fの底面の曲率半径(ザグリ部1aの凸部上面1eの曲率半径は)、被処理する半導体ウエハのサイズにより変わり、通常6インチウエハの場合15〜95m程度、12インチウエハの場合18〜56m程度に形成される。
【0034】
更に、この円板状の基材1の一面(上面)を加工してザグリ部1aを形成した後、基材裏面側、及び基材裏面側以外の面側の2回に分けて被覆するが、この被覆膜は、通常50〜200μm程度の厚さで、基材裏面側の被覆膜、及び基材裏面側以外の被覆膜とも同一厚さに形成される。
【0035】
また、前記ザグリ部1aの底面には、そのほぼ全面にわたってガス抜き通路として無数のローレット溝(微細凹凸)1bが形成される。
このローレット溝1bは、図2(b)に示すような、いわゆるローレットと呼ばれる浅いメッシュ状の細溝形状に形成されている。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、半導体ウエハの搬入・載置時のガス抜きが偏流を生ずることなく、スムーズに達成されるものであれば良い。
【0036】
また、前記ローレット溝(微細凹凸)1bの深さ、ピッチが、ザグリ部1aの底面の全域でほぼ同等に形成されることにより、半導体ウエハの搬入・載置時のガス抜きが偏流を生ずることなく、スムーズに達成される。前記凹凸の深さ(凸部1dの高さH)は100〜700μm、凹凸形状のピッチは500〜1500μm程度が好ましい。
【0037】
上記のように形成されたサセプタは、ザグリ部1aの底面(凸部上面1eが形成する面B)が球面凹形状に形成され、半導体ウエハを載置する凸部上面1eと前記凹部1fの底面1gとの距離Hが全域にわたってほぼ同一で、かつ前記ザグリ底面の厚さLが均一に形成されているため、半導体ウエハに対して均一な加熱が可能で、かつ半導体ウエハの搬入載置時における滑りや取出し時の付着を回避できる。
その結果、このサセプタを用いて半導体ウエハを処理した場合には、スリップを抑制でき、均一な膜厚を形成でき、半導体ウエハの歩留まりを向上させることができる。
【0038】
【実施例】
直径25cm、厚さ5mmの等方性黒鉛材(線熱膨張係数5.0×10-6/℃(20〜450℃))よりなる円板状の基材を用い、この上面に底面が平坦な深さ1.0mmの円形ザグリ部(直径20.2cm)を同心円状に形成した。
そして、ザグリ部の該平坦底面のほぼ全面に、深さ200μm、ピッチ500μm程度のローレット溝状の凹凸を一様に形成した。
【0039】
次いで、該基材の裏面側に、炭化珪素膜(SiC膜)を1800℃での気相成長法により堆積させ、該裏面側のみに厚さ20μmで線熱膨張係数4.3×10-6/℃(20〜450℃)の炭化珪素膜(SiC)被覆膜を形成させた。
そして、該基材を1800℃に保ち、その温度降下により生ずる熱応力で前記上面側(ザグリ部形成面側)が凹に、裏面側(SiC膜被覆面側)を凸に反らせ、変形させた。
【0040】
次いで、前記基材の炭化珪素膜(SiC膜)の未被覆部分を、前記条件で同一厚さに炭化珪素膜(SiC膜)で被覆し、全表面が炭化珪素膜(SiC膜)で被覆されたサセプタを製造した。
このサセプタのザグリ部の底面の曲率半径は10mで、サセプタ形状は図2(a),(b)に断面図として示した形状となった。
【0041】
また、図4(a)(b)に示した形状を有する以外は、サイズ、材質等が前記実施例と全く同じサセプタ(比較例)を準備し、枚葉型薄膜成長装置に装着した。
そして、これらの装置を用いて、同一条件下で、直径200mmP型〈100〉シリコンウエハ(各20枚)にシリコンの薄膜膜を形成させ、この薄膜膜の面内膜厚分布(各20枚のシリコンウエハの面内各5点(上下、左右、中心)の膜厚のバラツキ)とスリップ発生率を測定した。
結果を表1にまとめて示した。
【0042】
【表1】
Figure 2004200436
【0043】
【発明の効果】
上述したとおり、本発明によれば、ザグリ部の底面を被処理物が自重で撓んだ状態の凹曲面形状に近い球面凹形になすと共に、かつ被処理物の搬入載置時における滑りを回避し、更に被処理物の面内均一性の高い加熱ができるサセプタ及びその製造方法を得ることができる。
また、このサセプタを用いて半導体ウエハを処理した場合には、スリップを抑制でき、しかも均一な膜厚を形成でき、半導体ウエハの歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかるサセプタの製造方法の一実施形態を示す工程図である。
【図2】図2は、本発明にかかるサセプタを示す図であって、(a)は断面図、(b)は要部拡大図である。
【図3】図2は、従来技術を用いた、サセプタの製造方法を示す工程図である。
【図4】図4は、本発明にかかるサセプタを示す図であって、(a)は断面図、(b)は要部拡大図である。
【符号の説明】
1 (カーボン)基材
1a ザグリ部
1b ローレット溝(微細な凹凸)
1c 裏側面
1d 凸部
1e 凸部上面
1f 凹部
1g 凹部底面
2 被覆膜(SiC膜)
H 凸部上面と凹部底面との距離(凹凸の深さ)
L ザグリ底面の厚さ

Claims (7)

  1. 基材をセラミックス膜で被覆したサセプタにおいて、
    被処理物が載置されるザグリ部の底面が球面凹形状に形成されると共に、その底面に微細な凹凸が形成され、
    被処理物を載置する前記凸部上面と前記凹部底面との距離が全域にわたってほぼ同一で、かつ前記ザグリ部の底面の厚さが全域にわたってほぼ均一に形成されていることを特徴とするサセプタ。
  2. 前記被処理物を載置する凸部上面が平滑な面であり、かつ前記凸部上面の面積がほぼ均等であることを特徴とする請求項1記載のサセプタ。
  3. 前記微細な凹凸が、ザグリ部に形成された溝であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載されたサセプタ。
  4. 前記基材が気孔率5〜15%の等方性黒鉛材料からなり、前記セラミックス膜がCVD法による炭化珪素膜であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載されたサセプタ。
  5. 基材をセラミックス膜で被覆したサセプタの製造方法であって、
    前記被覆膜を構成するセラミックスよりも線熱膨張係数の大きい基材から成る基材の一面に底面が平坦なザグリ部を形成する工程と、
    前記ザグリ部底面に微細な凹凸を形成する工程と、
    前記基材のザグリ部形成面の対向面にセラミックスを被覆し、セラミックス膜を形成する工程と、
    前記被覆時温度よりも低温に維持して前記セラミックスと基材の熱膨張率差による熱応力を利用して、該基材の中心部分を中心として、ザグリ部形成面側を凹に、対向面側を凸に変形させる工程と、
    前記対向面以外の面にセラミックス膜を被覆形成する工程と
    を含むことを特徴とするサセプタの製造方法。
  6. 前記基材が等方性黒鉛材料からなり、前記セラミックス膜が炭化珪素からなるサセプタの製造方法であって、前記基材を構成する黒鉛の線熱膨張係数が、4.4×10-6〜5.7×10-6/℃、前記セラミックス膜を構成する炭化珪素の線熱膨張係数が、4.25×10-6〜4.4×10-6/℃であり、
    両者の係数差が0.15×10-6〜1.3×10-6/℃の範囲にあることを特徴とする請求項5に記載されたサセプタの製造方法。
  7. 前記微細な凹凸は、ザグリ部に溝加工によって形成されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載されたサセプタの製造方法。
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