JP2009038294A - 出力調整方法、シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法、及びサセプタ - Google Patents
出力調整方法、シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法、及びサセプタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009038294A JP2009038294A JP2007203049A JP2007203049A JP2009038294A JP 2009038294 A JP2009038294 A JP 2009038294A JP 2007203049 A JP2007203049 A JP 2007203049A JP 2007203049 A JP2007203049 A JP 2007203049A JP 2009038294 A JP2009038294 A JP 2009038294A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- susceptor
- silicon substrate
- silicon
- single crystal
- output
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L21/00—Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
- H01L21/67—Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
- H01L21/683—Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere for supporting or gripping
- H01L21/687—Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere for supporting or gripping using mechanical means, e.g. chucks, clamps or pinches
- H01L21/68714—Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere for supporting or gripping using mechanical means, e.g. chucks, clamps or pinches the wafers being placed on a susceptor, stage or support
- H01L21/6875—Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere for supporting or gripping using mechanical means, e.g. chucks, clamps or pinches the wafers being placed on a susceptor, stage or support characterised by a plurality of individual support members, e.g. support posts or protrusions
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C16/00—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes
- C23C16/44—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating
- C23C16/46—Chemical coating by decomposition of gaseous compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating, i.e. chemical vapour deposition [CVD] processes characterised by the method of coating characterised by the method used for heating the substrate
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01L—SEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
- H01L21/00—Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
- H01L21/67—Apparatus specially adapted for handling semiconductor or electric solid state devices during manufacture or treatment thereof; Apparatus specially adapted for handling wafers during manufacture or treatment of semiconductor or electric solid state devices or components ; Apparatus not specifically provided for elsewhere
- H01L21/67005—Apparatus not specifically provided for elsewhere
- H01L21/67011—Apparatus for manufacture or treatment
- H01L21/67098—Apparatus for thermal treatment
- H01L21/67115—Apparatus for thermal treatment mainly by radiation
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- Condensed Matter Physics & Semiconductors (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Toxicology (AREA)
- Chemical Vapour Deposition (AREA)
- Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
Abstract
【課題】シリコン基板とサセプタとの温度差をシリコン基板全面にわたり略均一にするシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法と、それに用いられるサセプタとを提供する。
【解決手段】第1サセプタ13として、シリコン基板Wを載置する面に複数の凹部13bが形成されたものを用い、シリコン基板Wの主表面のうち、凹部13bに対応する位置に形成される凸状又は凹状の複数のエピタキシャル層の高さ又は深さ同士が略一定となるよう、加熱装置の出力を調整する。
【選択図】図2
【解決手段】第1サセプタ13として、シリコン基板Wを載置する面に複数の凹部13bが形成されたものを用い、シリコン基板Wの主表面のうち、凹部13bに対応する位置に形成される凸状又は凹状の複数のエピタキシャル層の高さ又は深さ同士が略一定となるよう、加熱装置の出力を調整する。
【選択図】図2
Description
本発明は、シリコンエピタキシャル層を気相成長させるシリコンエピタキシャルウェーハの製造における、加熱装置の出力調整方法と、シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法と、それに用いられるサセプタとに関する。
従来より、シリコン単結晶基板(以下、シリコン基板と記載する)の主表面上にシリコンエピタキシャル層(以下、エピタキシャル層と記載する)を気相成長させてシリコンエピタキシャルウェーハ(以下、エピタキシャルウェーハ又は単にウェーハと記載する)を製造する方法が知られている。
このようなエピタキシャルウェーハの製造では、反応容器内のサセプタに載置したシリコン基板を加熱しながら、このシリコン基板の主表面上へシリコン原料ガスを供給することで、エピタキシャル層を気相成長させる。
ところで、このエピタキシャル層の成長工程において、容器内の各部温度はウエーハ品質に影響を与える重要因子の1つである。特に、シリコン基板主表面の温度分布は、膜厚や膜抵抗率の均一性といったウェーハ品質に大きく影響する。このため、当該温度分布を均一化してウェーハ品質を向上するための様々な方法が提案されている。このような方法としては、熱電対等を用いてシリコン基板表面の複数個所の温度を計測する方法や、イオン注入ウエーハを熱処理してシート抵抗からシリコン基板表面の温度を計測する方法の他、サセプタの温度分布を最適化する方法がある(例えば、特許文献1参照)。これらの方法は、いずれもシリコン基板の上下に配設された加熱用のランプの出力を調整することで、シリコン基板表面の温度分布を均一化している。
一方、シリコン基板とサセプタとの温度差もウェーハ品質に影響を与える重要因子の1つである。
例えば、当該温度差は、加熱時においてウエーハに反りを発生させる原因となる。そこで、この反りを抑制するために、シリコン基板とサセプタとの接触率を限定する方法などが提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
また、シリコン基板とサセプタとの温度差は、シリコン基板の裏面に原料ガス中のシリコンを堆積して、露光不良を発生させることがある。このときのシリコンの堆積量は、シリコン基板温度がサセプタよりも低くなるほど増加することが知られている。そして、この堆積はシリコン基板全面にわたり均一な厚さであることが望ましく、堆積厚さを均一にするためには、シリコン基板とサセプタとの温度差はシリコン基板全面にわたり均一であることが望ましい。
例えば、当該温度差は、加熱時においてウエーハに反りを発生させる原因となる。そこで、この反りを抑制するために、シリコン基板とサセプタとの接触率を限定する方法などが提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
また、シリコン基板とサセプタとの温度差は、シリコン基板の裏面に原料ガス中のシリコンを堆積して、露光不良を発生させることがある。このときのシリコンの堆積量は、シリコン基板温度がサセプタよりも低くなるほど増加することが知られている。そして、この堆積はシリコン基板全面にわたり均一な厚さであることが望ましく、堆積厚さを均一にするためには、シリコン基板とサセプタとの温度差はシリコン基板全面にわたり均一であることが望ましい。
ここで、このシリコン基板とサセプタとの温度差の分布は、上下のランプの出力比やランプの特性、反射板の劣化による反射率の低下等の影響により変化し、ひいては気相成長装置毎の機差によっても変化してしまう。
特開2000−103696号公報
特許第3900154号公報
WO2002/097872
しかしながら、上記の特許文献1〜3に記載の技術では、シリコン基板とサセプタとの温度差の分布を均一にすることができず、ウェーハ品質を向上させることができなかった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、シリコン基板全面にわたり当該温度差を略均一にできる加熱装置の出力調整方法と、シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法と、それに用いられるサセプタとを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者が鋭意研究を重ねた結果、シリコン基板を載置する面に凹凸を設けたサセプタを用いると、その凹凸位置と対応するシリコン基板の位置に形成されるエピタキシャル層の厚さが変化することを見出し、本発明を提案するに至ったものである。
このエピタキシャル層の厚さが変化する原理は、以下の通りであると考えられる。
サセプタのシリコン基板を載置する面に凹部を設け、上下よりランプで加熱してエピタキシャル層の気相成長を行うと、凹部にはキャリアガスやパージガスとして用いる水素ガスが充満する。すると、水素ガスはシリコンやサセプタ被膜の炭化珪素より熱伝導率が2桁以上も小さいため、凹部における伝熱量は他の(シリコン基板とサセプタが接触している)領域よりも小さくなる。
そのため、例えば、上方のランプの出力を増加してシリコン基板の温度をサセプタよりも高くすると、凹部上のシリコン基板の温度は他の領域よりも高くなる。すると、エピタキシャル層の成長速度は温度が高いほど速くなるため、凹部上のシリコン基板に形成されるエピタキシャル層の厚さは局所的に厚くなる。反対に、下方のランプの出力を増加してサセプタの温度をシリコン基板よりも高くすると、凹部上のシリコン基板の温度が他の領域よりも低くなり、当部のエピタキシャル層の厚さは局所的に薄くなる。そして、サセプタとシリコン基板との温度を均一にすると、エピタキシャル層の厚さの局所的変化が無くなる。
サセプタのシリコン基板を載置する面に凹部を設け、上下よりランプで加熱してエピタキシャル層の気相成長を行うと、凹部にはキャリアガスやパージガスとして用いる水素ガスが充満する。すると、水素ガスはシリコンやサセプタ被膜の炭化珪素より熱伝導率が2桁以上も小さいため、凹部における伝熱量は他の(シリコン基板とサセプタが接触している)領域よりも小さくなる。
そのため、例えば、上方のランプの出力を増加してシリコン基板の温度をサセプタよりも高くすると、凹部上のシリコン基板の温度は他の領域よりも高くなる。すると、エピタキシャル層の成長速度は温度が高いほど速くなるため、凹部上のシリコン基板に形成されるエピタキシャル層の厚さは局所的に厚くなる。反対に、下方のランプの出力を増加してサセプタの温度をシリコン基板よりも高くすると、凹部上のシリコン基板の温度が他の領域よりも低くなり、当部のエピタキシャル層の厚さは局所的に薄くなる。そして、サセプタとシリコン基板との温度を均一にすると、エピタキシャル層の厚さの局所的変化が無くなる。
そこで、本発明に係る出力調整方法は、反応容器内に支持された第1サセプタ上にシリコン基板を載置して、当該シリコン基板の主表面上にシリコンエピタキシャル層を気相成長させるときに、当該シリコン基板及び前記第1サセプタを加熱する複数の加熱装置の出力を調整する出力調整方法であって、
第1サセプタとして、シリコン基板を載置する面に複数の凸部又は凹部が形成されたものを用い、
シリコン基板の主表面のうち、前記凸部又は前記凹部に対応する位置に形成される凸状又は凹状の複数のエピタキシャル層の高さ又は深さ同士が略一定となるよう、加熱装置の出力を調整することを特徴としている。
第1サセプタとして、シリコン基板を載置する面に複数の凸部又は凹部が形成されたものを用い、
シリコン基板の主表面のうち、前記凸部又は前記凹部に対応する位置に形成される凸状又は凹状の複数のエピタキシャル層の高さ又は深さ同士が略一定となるよう、加熱装置の出力を調整することを特徴としている。
本発明の出力調整方法によれば、シリコン基板を載置する面に複数の凸部又は凹部が形成された第1サセプタを用いて当該シリコン基板の主表面上にエピタキシャル層を気相成長させるので、上述の原理の通り、前記凸部又は凹部によって形成される窪みに水素ガスが充満し、当該凸部又は凹部と他の領域とに伝熱量の差が生じることにより温度差が発生する結果、シリコン基板の主表面における当該凸部又は凹部に対応する位置には、凸状又は凹状の複数のエピタキシャル層が形成される。そして、この凸状又は凹状の複数のエピタキシャル層の高さ又は深さ同士が略一定となるように、シリコン基板と第1サセプタとを加熱する複数の加熱装置の出力を調整するので、シリコン基板の載置面全面にわたって、つまり、シリコン基板全面にわたって、当該シリコン基板と第1サセプタとの温度差を略均一にすることができる。
ここで、本発明の出力調整方法において、前記第1サセプタとして、シリコン単結晶基板を載置する面に複数の凸部又は凹部が等間隔に形成されたものを用いることが好ましい。
本発明に係るシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法は、反応容器内に支持された第2サセプタ上にシリコン基板を載置して、複数の加熱装置により加熱しながら、当該シリコン基板の主表面上にエピタキシャル層を気相成長させるエピタキシャルウェーハの製造方法であって、
第2サセプタとして、シリコン基板を載置する面が平坦なものを用い、
上述の出力調整方法により調整された加熱装置の出力で、シリコン基板と第2サセプタとを加熱しながら、シリコン基板の主表面上にエピタキシャル層を気相成長させることを特徴としている。
第2サセプタとして、シリコン基板を載置する面が平坦なものを用い、
上述の出力調整方法により調整された加熱装置の出力で、シリコン基板と第2サセプタとを加熱しながら、シリコン基板の主表面上にエピタキシャル層を気相成長させることを特徴としている。
本発明のシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法によれば、上述した加熱装置の出力調整方法により、シリコン基板の載置面全面にわたって、つまり、シリコン基板全面にわたって、当該シリコン基板と第1サセプタとの温度差が略均一となるよう加熱装置の出力が調整されているので、新たなシリコン基板と、これを載置する面が平坦な第2サセプタとを、調整後の出力で加熱しながら当該シリコン基板の主表面上にエピタキシャル層を気相成長させることで、シリコン基板全面にわたって当該新たなシリコン基板と第2サセプタとの温度差を略均一にすることができる。したがって、シリコン基板の裏面に堆積するシリコンの厚みを均一とすることができるため、高品質のエピタキシャルウェーハを製造することができる。
本発明に係るサセプタは、シリコン基板を載置する載置面を有する、エピタキシャルウェーハ製造用のサセプタであって、
前記載置面には、複数の凸部又は凹部が設けられていることを特徴としている。
前記載置面には、複数の凸部又は凹部が設けられていることを特徴としている。
本発明のサセプタによれば、シリコン基板を載置する面に複数の凸部又は凹部が設けられているので、このサセプタを用いてシリコン基板にエピタキシャル層を気相成長させることにより、前記の凸部又は凹部に対応するシリコン基板の位置に凸状又は凹状の複数のエピタキシャル層が形成される。そして、この凸状又は凹状の複数のエピタキシャル層の高さ又は深さ同士が略一定となるように、シリコン基板とサセプタとを加熱する複数の加熱装置の出力を調整すれば、シリコン基板の載置面全面にわたって、つまり、シリコン基板全面にわたって当該シリコン基板とサセプタとの温度差を略均一にすることができる。
ここで、本発明に係るサセプタにおいて、前記載置面には、前記凸部又は前記凹部が等間隔に形成されていることが好ましい。
また、前記載置面には、前記凸部又は前記凹部が同心円状に設けられていることがより好ましい。
本発明によれば、シリコン基板を載置する面に複数の凸部又は凹部が形成された第1サセプタを用いて当該シリコン基板の主表面上にエピタキシャル層を気相成長させるので、上述の原理の通り、前記凸部又は凹部によって形成される窪みに水素ガスが充満し、当該凸部又は凹部と他の領域とに伝熱量の差が生じることにより温度差が発生するため、シリコン基板の主表面における当該凸部又は前記凹部に対応する位置には、凸状又は凹状の複数のエピタキシャル層が形成される。そして、この凸状又は凹状の複数のエピタキシャル層の高さ又は深さ同士が略一定となるように、シリコン基板と第1サセプタとを加熱する複数の加熱装置の出力を調整するので、シリコン基板の載置面全面にわたって、つまり、シリコン基板全面にわたって当該シリコン基板と第1サセプタとの温度差を略均一にすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
まず、本発明において使用される気相成長装置の好適な一例として、枚葉式の気相成長装置の構成について説明する。
図1に示すように、気相成長装置11は、透明石英からなる反応容器12と、反応容器12の内部に設けられてシリコン基板Wを上面で支持する第1サセプタ13又は第2サセプタ23とを備えている。第1サセプタ13と第2サセプタ23とは、後述するように出力調整工程とウェーハ製造工程とで使い分けられるものであり、略同形状となっている。
反応容器12には、反応容器12内に原料ガス(例えば、トリクロロシラン)及びキャリアガス(例えば、水素)を含む気相成長用ガスを第1サセプタ13又は第2サセプタ23の上側の領域に導入して第1サセプタ13又は第2サセプタ23上のシリコン基板Wの主表面上に供給する気相成長用ガス導入管14が設けられている。
また、反応容器12のうちの、気相成長用ガス導入管14が設けられた側と同じ側(図1における左側)には、反応容器12内にパージガス(例えば、水素)を第1サセプタ13又は第2サセプタ23の下側の領域に導入するパージガス導入管15が設けられている。
さらに、反応容器12のうちの、気相成長用ガス導入管14及びパージガス導入管15が設けられた側と反対側(図1における右側)には、反応容器12内のガス(気相成長用ガス及びパージガス)が排気される排気管16が設けられている。
反応容器12の外部には、反応容器12を上側と下側とから加熱する複数の加熱装置17a、17bが設けられている。加熱装置17a、17bとしては、例えば、ハロゲンランプ等が挙げられる。なお、図1は便宜的に加熱装置17a,17bの数量を定めてあるが、これに制限されるものではない。
また、反応容器12の外部には、加熱装置17a、17bの出力を制御する出力調整装置(図示せず)が設けられている。この出力調整装置は、複数の加熱装置17a、17bをそれぞれ独立して、又は一定数毎に独立して出力制御できるようになっている。
次に、第1,第2サセプタ13,23について説明する。
第1サセプタ13は、例えば略円板状に形成され、その主表面には、当該主表面上にシリコン基板Wを位置決めするための平面視略円形状の窪み部である座ぐり13aが形成されている。
第1サセプタ13は、例えば略円板状に形成され、その主表面には、当該主表面上にシリコン基板Wを位置決めするための平面視略円形状の窪み部である座ぐり13aが形成されている。
また、第1サセプタ13は、通常、黒鉛基材を炭化珪素の被膜でコーティングしたものが用いられる。基材として黒鉛が選択されるのは、開発当初の気相成長装置の加熱方式の主流が高周波誘導加熱であったことと関連しているが、その他にも高純度品が得やすいこと、加工が容易であること、熱伝導率に優れていること、破損しにくい等のメリットがあるためである。ただし、黒鉛は多孔質体であるが故にプロセス中に吸蔵ガスを放出する可能性があること、また、気相成長の過程では黒鉛と原料ガスが反応してサセプタの表面が炭化珪素に変化すること等の問題がある。そのため、表面を最初から炭化珪素被膜で覆う構成が一般化している。この炭化珪素被膜は、通常、CVD(化学的気相成長法)により形成される。
更に、第1サセプタ13には、シリコン基板Wを載置する座ぐり13aの底面上に、図2(a),(b)に示すような複数の凹部13bが一面にわたって形成されている。この凹部13bは、それぞれが直径d,深さhの円柱状に形成され、互いに所定距離で等間隔となるよう同心円状に配設されている。
なお、この凹部13bは、前述した原理により、凹部のない領域に対してシリコン基板Wへの伝熱量の差を与えるために設けられる。したがって、その形状は円柱状に制限されず、例えば角柱状や溝状であってもよいし、凸部としてもよい。
但し、開口面積はシリコン基板Wと第1サセプタ13との温度差に対する感度への影響が大きく、開口面積が大きい方が感度が高い。すなわち、この凹部と対応するシリコン基板Wの位置に形成される凸状又は凹状のエピタキシャル層の高さ又は深さは開口面積によって大きく変わり、開口面積が大きい方が当該高さ又は深さが高く又は深くなる。そのため、この開口面積は可能な範囲で大きい方が望ましい。例えば、図2(b)に示す円柱状であれば、開口径dが1mm以下であると感度が極めて低く、2mm以上とする必要がある。なお、凹部13bを凸部とした場合には、前記の開口面積は凸部の頂面の面積に相当する。
同様に、深さhも深いほど感度が高い。但し、凹部13bを完全に貫通させると、シリコン基板Wが下側の加熱装置17bからの熱を直接受けて温度が変化してしまうので、第1サセプタ13の厚さの範囲内で出来る限り深い方が望ましい。
但し、開口面積はシリコン基板Wと第1サセプタ13との温度差に対する感度への影響が大きく、開口面積が大きい方が感度が高い。すなわち、この凹部と対応するシリコン基板Wの位置に形成される凸状又は凹状のエピタキシャル層の高さ又は深さは開口面積によって大きく変わり、開口面積が大きい方が当該高さ又は深さが高く又は深くなる。そのため、この開口面積は可能な範囲で大きい方が望ましい。例えば、図2(b)に示す円柱状であれば、開口径dが1mm以下であると感度が極めて低く、2mm以上とする必要がある。なお、凹部13bを凸部とした場合には、前記の開口面積は凸部の頂面の面積に相当する。
同様に、深さhも深いほど感度が高い。但し、凹部13bを完全に貫通させると、シリコン基板Wが下側の加熱装置17bからの熱を直接受けて温度が変化してしまうので、第1サセプタ13の厚さの範囲内で出来る限り深い方が望ましい。
第2サセプタ23は、第1サセプタ13と同様に、例えば略円板状に形成され、その主表面には、主表面上にシリコン基板Wを位置決めするための平面視略円形状の窪み部である座ぐり23aが形成されている。この形状は第1サセプタ13と同寸法となっており、また、黒鉛基材を炭化珪素の被膜でコーティングしている構成材料も全く同様である。
但し、第2サセプタ23では、第1サセプタ13と異なり、シリコン基板Wを載置する座ぐり23aの底面が平坦な面となっている。ここで、座ぐり23aの底面が平坦な面であるとは、第1サセプタ13の座ぐり13aの底面に形成されているような凹部が設けられていないことを意味する。なお、例えば特開平2−174116号公報に記載のような公知の表面粗さ又は極めて浅い溝は、前記の凹部に該当しないため、設けられていてもよい。
但し、第2サセプタ23では、第1サセプタ13と異なり、シリコン基板Wを載置する座ぐり23aの底面が平坦な面となっている。ここで、座ぐり23aの底面が平坦な面であるとは、第1サセプタ13の座ぐり13aの底面に形成されているような凹部が設けられていないことを意味する。なお、例えば特開平2−174116号公報に記載のような公知の表面粗さ又は極めて浅い溝は、前記の凹部に該当しないため、設けられていてもよい。
以上の第1サセプタ13又は第2サセプタ23の裏面には、図1に示すように、第1サセプタ13又は第2サセプタ23を支持するサセプタ支持部材18が設けられている。このサセプタ支持部材18は、矢印Aで示す上下方向に移動可能で、かつ、矢印Bで示す方向に回転可能とされている。
次に、シリコン基板Wの主表面にエピタキシャル層を気相成長させる工程について、図1及び図3を参照して説明する。図3は本工程における反応容器12内の温度変化の一例を示す図である。
本実施の形態におけるエピタキシャルウェーハの製造工程は、出力調整装置で加熱装置17a,17bの出力を調整する出力調整工程と、この出力調整工程で調整された加熱装置17a,17bの出力によって製品としてのエピタキシャルウェーハを製造するウェーハ製造工程とに大別される。但し、図3に示す温度変化については両工程とも共通である。
まず、出力調整装置で加熱装置17a,17bの出力を調整する出力調整工程について説明する。
最初に、投入温度(例えば、650℃)に調整した反応容器12内にシリコン基板Wを投入し、その主表面が上を向くように、第1サセプタ13上面の座ぐり13a内に載置する(工程S1)。
ここで、反応容器12内には、シリコン基板Wが投入される前段階から、気相成長用ガス導入管14及びパージガス導入管15をそれぞれ介して水素ガスが導入されている。
次に、第1サセプタ13上のシリコン基板Wを加熱装置17a、17bにより水素熱処理温度(例えば、1100〜1180℃)まで加熱する(工程S2)。
次に、シリコン基板Wの主表面に形成されている自然酸化膜を除去するための気相エッチングを行う(工程S3)。なお、この気相エッチングは、具体的には、次工程である気相成長の直前まで行われる。
次に、シリコン基板Wを所望の成長温度(例えば、1060〜1150℃)まで降温し、気相成長用ガス導入管14を介してシリコン基板Wの主表面上に原料ガス(例えば、トリクロロシラン)を、パージガス導入管15を介してパージガス(例えば、水素)をそれぞれ略水平に供給することによってシリコン基板Wの主表面上にエピタキシャル層を気相成長してエピタキシャルウェーハを製造する(工程S4)。なお、パージガスは原料ガスよりも高圧で供給される。これは、反応容器12と第1サセプタ13との間の隙間から、第1サセプタ13より下側の空間へ原料ガスが進入するのを防止するためである。
上記の気相成長の工程(工程S4)における温度は、上述した温度範囲内において、出力調整装置での加熱装置17a,17bの出力調整により調整される。この出力調整は、第1サセプタ13の凹部13bと対応するシリコン基板Wの位置に形成される、凸状又は凹状のエピタキシャル層の高さ又は深さが略一定となるように行われる。この凸状又は凹状のエピタキシャル層は、凹部13bに水素ガスが充満して当該凹部13bと他の領域とに伝熱量の差が生じ、この差に伴って発生するシリコン基板Wの主表面上における局所的な温度変化に応じて形成される。したがって、当該凸状又は凹状のエピタキシャル層の高さ又は深さが略一定となるよう出力調整することで、シリコン基板Wの全面にわたって、前記の温度差を略均一にすることができる。ここで、凸状又は凹状のエピタキシャル層の高さ又は深さを略一定にするとは、具体的には、それぞれの高さ又は深さを平均値の±0.2%の範囲内におさめることを意味する。
なお、凸状又は凹状のエピタキシャル層高さの局所的な変化量は、第1サセプタ13の凹部13bの形状や反応条件により異なる。そのため、エピタキシャル層高さの変化量から、シリコン基板Wと第1サセプタ13との温度差に、直接換算することが出来ない。そこで、この温度差を絶対温度として評価する必要がある場合は、予め別の手段で温度差とその時の層高さの変化量とを測定して検量線を作成し、換算式を求めておく必要がある。但し、反応容器12の上下から加熱を行う本実施の形態のような場合には、シリコン基板Wと第1サセプタ13との温度差が0となるように加熱装置17a,17bの出力を調整することが望ましく、この場合には予め検量線を作成する必要は無い。
また、本発明では、上記の通り、シリコン基板Wの主表面上における局所的な温度変化を、エピタキシャル層高さの局所的な変化を計測することで間接的に評価している。これは、現行の計測技術においては、層高さ分布の測定が分解能の点で最も優れているためである。なお、上記におけるエピタキシャル層高さの計測は、層厚さの計測に代えてもよい。
また、ここで述べたエピタキシャル層高さの計測は、実際には、エピタキシャルウェーハを反応容器12外へ取り出した(工程S6)後に実施する。
また、本発明では、上記の通り、シリコン基板Wの主表面上における局所的な温度変化を、エピタキシャル層高さの局所的な変化を計測することで間接的に評価している。これは、現行の計測技術においては、層高さ分布の測定が分解能の点で最も優れているためである。なお、上記におけるエピタキシャル層高さの計測は、層厚さの計測に代えてもよい。
また、ここで述べたエピタキシャル層高さの計測は、実際には、エピタキシャルウェーハを反応容器12外へ取り出した(工程S6)後に実施する。
最後に、エピタキシャルウェーハを取出温度(例えば、650℃)まで降温し(工程S5)、反応容器12外へと搬出する(工程S6)。
続いて、製品としてのエピタキシャルウェーハを製造するウェーハ製造工程について説明する。
最初に、投入温度(例えば、650℃)に調整した反応容器12内にシリコン基板Wを投入し、その主表面が上を向くように、第2サセプタ23上面の座ぐり23a内に載置する(工程S1)。
ここで、反応容器12内では、シリコン基板Wが投入される前段階で、第1サセプタ13から第2サセプタ23への換装がなされており、その後に、気相成長用ガス導入管14及びパージガス導入管15をそれぞれ介して水素ガスが導入されている。
次に、昇温から気相成長までの工程(工程S2〜S4)を、上記の出力調整工程と同様に行う。但し、気相成長工程(工程S4)における加熱装置17a,17bの出力は、出力調整工程で調整された出力となるよう出力調整装置により制御される。これにより、シリコン基板Wの全面にわたってシリコン基板Wと第2サセプタ23との温度差が略均一になり、高品質のエピタキシャルウェーハを製造することが可能となる。
最後に、エピタキシャルウェーハを取出温度(例えば、650℃)まで降温し(工程S5)、反応容器12外へと搬出する(工程S6)。
なお、異なる気相成長装置11を用いる場合であっても、出力調整工程における凸状又は凹状のエピタキシャル層の高さ又は深さが装置間で同じになるように上記の出力調整工程及びウェーハ製造工程を行えば、気相成長装置11毎のウェーハ品質の機差の発生を防止することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げることにより、本発明をさらに具体的に説明する。
本実施の形態における、上側の加熱装置17aと下側の加熱装置17bとの出力の比を、以下に示す試料1〜4の値として、出力調整工程によるエピタキシャル層の気相成長を行った。
本実施例では、気相成長装置11として、ASM社製の「Epsilon」(商品名)を使用した。また、製造したエピタキシャルウェーハは、直径200mm、主表面の面方位(100)のp型シリコン基板Wに対し、目標厚さ10μm、抵抗率10Ω・cmのエピタキシャル層を気相成長させたものである。
また、本実施例では、図4に示すように、上側の加熱装置17aとして9本の棒状ハロゲンランプ27aを、下側の加熱装置17bとして8本の棒状ハロゲンランプ27b及び4個のスポットハロゲンランプ27cを配設した。詳しくは、上側の棒状ハロゲンランプ27aはガス導入方向へ延在するよう9本を互いに平行に配設し、下側の棒状ハロゲンランプ27bは上側の棒状ハロゲンランプ27aの延在方向に直交して延在するよう配設し、下側のスポットハロゲンランプ27cはシリコン基板Wの平面視略中央に密集させて配設した。
また、出力調整装置として、複数のシリコン制御整流素子(Silicon Controlled Rectifier:SCR)を使用した。このSCRは、上側,下側の棒状ハロゲンランプ27a,27b及び下側のスポットハロゲンランプ27cを、それぞれ1〜4個のグループ毎に出力調整する。
また、第1サセプタ13の炭化珪素の被覆は100μmの厚さとし、第1サセプタ13の凹部13bは、開口径d=3mm、深さh=2mm、半径方向の間隔を10mmとして同心円状に配設した。
[試料1]
上側の棒状ハロゲンランプ27aの1個当りの出力Uprと、下側の棒状ハロゲンランプ27b及びスポットハロゲンランプ27cの1個当りの出力Lwrとの比Lwr/Upr=1.66としてエピタキシャル層の気相成長を行った。Lwr/Uprは、1より大きければ下側のランプ出力が大きく、逆に1より小さければ上側のランプ出力が大きいことを示す。
上側の棒状ハロゲンランプ27aの1個当りの出力Uprと、下側の棒状ハロゲンランプ27b及びスポットハロゲンランプ27cの1個当りの出力Lwrとの比Lwr/Upr=1.66としてエピタキシャル層の気相成長を行った。Lwr/Uprは、1より大きければ下側のランプ出力が大きく、逆に1より小さければ上側のランプ出力が大きいことを示す。
[試料2]
ランプ1個当たりの出力比Lwr/Upr=1.00としてエピタキシャル層の気相成長を行った。
ランプ1個当たりの出力比Lwr/Upr=1.00としてエピタキシャル層の気相成長を行った。
[試料3]
ランプ1個当たりの出力比Lwr/Upr=0.78としてエピタキシャル層の気相成長を行った。
ランプ1個当たりの出力比Lwr/Upr=0.78としてエピタキシャル層の気相成長を行った。
[試料4]
ランプ1個当たりの出力比Lwr/Upr=0.63としてエピタキシャル層の気相成長を行った。
ランプ1個当たりの出力比Lwr/Upr=0.63としてエピタキシャル層の気相成長を行った。
図5に、エピタキシャルウェーハ主表面の高さ(ナノトポロジー)分布を示す。計測は日本エー・ディー・イー株式会社製のナノトポロジー解析装置NanoMapperを使用した。本図ではコンターの濃淡が高さを示し、白色が高さ20nmを、黒色が−20nmを意味する。
試料1では黒い丸が第1サセプタ13の凹部13bの位置に対応して形成されている。これは、下側のランプ出力が大きいと、シリコン基板Wより第1サセプタ13の温度が高くなるため、凹部13bに対応する位置のシリコン基板W温度が低下してエピタキシャル層の厚さが薄くなることを示している。ランプの出力比Lwr/Uprを1.00(試料2)、0.78(試料3)と小さくしていくと、コンターの濃淡は徐々に差が無くなっていく。すなわち、エピタキシャル層表面の凹凸が無くなっていく。そして、試料4のLwr/Upr=0.63で濃淡の位置が逆転し、第1サセプタ13の凹部13bに対応する位置のエピタキシャル層が相対的に厚くなる。したがって、試料4では、上側のランプ出力が大きくなったことにより、第1サセプタ13よりシリコン基板Wの温度が高くなったことが分かる。
試料1では黒い丸が第1サセプタ13の凹部13bの位置に対応して形成されている。これは、下側のランプ出力が大きいと、シリコン基板Wより第1サセプタ13の温度が高くなるため、凹部13bに対応する位置のシリコン基板W温度が低下してエピタキシャル層の厚さが薄くなることを示している。ランプの出力比Lwr/Uprを1.00(試料2)、0.78(試料3)と小さくしていくと、コンターの濃淡は徐々に差が無くなっていく。すなわち、エピタキシャル層表面の凹凸が無くなっていく。そして、試料4のLwr/Upr=0.63で濃淡の位置が逆転し、第1サセプタ13の凹部13bに対応する位置のエピタキシャル層が相対的に厚くなる。したがって、試料4では、上側のランプ出力が大きくなったことにより、第1サセプタ13よりシリコン基板Wの温度が高くなったことが分かる。
図6に、図5におけるシリコン基板Wの半径方向位置(Radius)に対するエピタキシャル層の高低差(Height)の変化を示す。縦軸の高低差は層全体の厚さに対する割合で表現している。
試料1,2に対し、試料3,4の方が、半径方向にわたっての高低差のばらつきが小さく、第1サセプタ13とシリコン基板Wとの温度差の分布がより均一に近づいていることが分かる。また、同じく試料3,4の方が高低差の値が0に近づいており、温度差自体が少なくなっていることが分かる。このことから、試料3,4に示したように、凹部13bの対応位置に形成される複数の凸状又は凹状のエピタキシャル層の高さ又は深さ同士が略一定となるようハロゲンランプ27a〜27cの出力を調整すれば、第1サセプタ13とシリコン基板Wとの温度差がシリコン基板W全面にわたって均一化されるとともに、温度差自体も小さくなることが分かる。
試料1,2に対し、試料3,4の方が、半径方向にわたっての高低差のばらつきが小さく、第1サセプタ13とシリコン基板Wとの温度差の分布がより均一に近づいていることが分かる。また、同じく試料3,4の方が高低差の値が0に近づいており、温度差自体が少なくなっていることが分かる。このことから、試料3,4に示したように、凹部13bの対応位置に形成される複数の凸状又は凹状のエピタキシャル層の高さ又は深さ同士が略一定となるようハロゲンランプ27a〜27cの出力を調整すれば、第1サセプタ13とシリコン基板Wとの温度差がシリコン基板W全面にわたって均一化されるとともに、温度差自体も小さくなることが分かる。
図7に、図5におけるランプの出力比Lwr/Uprに対するエピタキシャル層の高低差(Height)の変化を示す。縦軸の高低差は層の厚さに対する割合で表現している。
本図によれば、エピタキシャル層の高低差は、ランプの出力比Lwr/Uprに対して略直線的に変化している。そして、Lwr/Upr=0.7で高低差が略0になる、すなわち、シリコン基板Wと第1サセプタ13との温度が略等しくなる。
したがって、本実施例で用いた気相成長装置11においては、ランプの出力比Lwr/Uprを0.7として、シリコン基板Wを載置する面が平坦な第2サセプタ23によりエピタキシャル層を気相成長させれば、シリコン基板W全面にわたって当該シリコン基板Wと第2サセプタ23との温度差を無くすことができ、高品質のエピタキシャルウェーハを製造することができる。
本図によれば、エピタキシャル層の高低差は、ランプの出力比Lwr/Uprに対して略直線的に変化している。そして、Lwr/Upr=0.7で高低差が略0になる、すなわち、シリコン基板Wと第1サセプタ13との温度が略等しくなる。
したがって、本実施例で用いた気相成長装置11においては、ランプの出力比Lwr/Uprを0.7として、シリコン基板Wを載置する面が平坦な第2サセプタ23によりエピタキシャル層を気相成長させれば、シリコン基板W全面にわたって当該シリコン基板Wと第2サセプタ23との温度差を無くすことができ、高品質のエピタキシャルウェーハを製造することができる。
以上のように、本発明によれば、シリコン基板Wを載置する面に凹部13bを備えた第1サセプタ13を用いてエピタキシャル層を気相成長させるので、シリコン基板Wの主表面における凹部13bに対応する位置には、凸状又は凹状のエピタキシャル層が形成される。そして、この凸状又は凹状の複数のエピタキシャル層の高さ又は深さが略一定となるように、加熱装置17a,17bの出力を調整するので、シリコン基板Wの載置面全面にわたって、つまり、シリコン基板W全面にわたって、当該シリコン基板Wと第1サセプタ13との温度差を略均一にすることができる。
また、シリコン基板Wを載置する面が平坦な第2サセプタ23を用いて、気相成長工程(工程S4)における加熱装置17a,17bの出力を上記の通り調整された出力に制御するので、シリコン基板Wの全面にわたってシリコン基板Wと第2サセプタ23との温度差が略均一になり、シリコン基板Wの裏面に堆積するシリコンの厚みが均一となって、高品質のエピタキシャルウェーハを製造することが可能となる。
また、異なる気相成長装置11を用いる場合であっても、凸状又は凹状のエピタキシャル層の高さ又は深さが装置間で同じになるように上記の出力調整を行えば、気相成長装置11毎のウェーハ品質の機差の発生を防止することができる。
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、適宜変更可能であるのは勿論である。
W シリコン基板(シリコン単結晶基板)
12 反応容器
13 第1サセプタ
13b 凹部(凸部又は凹部)
17a 上側の加熱装置
17b 下側の加熱装置
23 第2サセプタ
12 反応容器
13 第1サセプタ
13b 凹部(凸部又は凹部)
17a 上側の加熱装置
17b 下側の加熱装置
23 第2サセプタ
Claims (6)
- 反応容器内に支持された第1サセプタ上にシリコン単結晶基板を載置して、当該シリコン単結晶基板の主表面上にシリコンエピタキシャル層を気相成長させるときに、当該シリコン単結晶基板及び前記第1サセプタを加熱する複数の加熱装置の出力を調整する出力調整方法であって、
前記第1サセプタとして、前記シリコン単結晶基板を載置する面に複数の凸部又は凹部が形成されたものを用い、
前記主表面のうち、前記凸部又は前記凹部に対応する位置に形成される凸状又は凹状の複数のシリコンエピタキシャル層の高さ又は深さ同士が略一定となるよう、前記加熱装置の出力を調整することを特徴とする出力調整方法。 - 前記第1サセプタとして、前記シリコン単結晶基板を載置する面に複数の前記凸部又は凹部が等間隔に形成されたものを用いることを特徴とする請求項1に記載の出力調整方法。
- 反応容器内に支持された第2サセプタ上にシリコン単結晶基板を載置して、複数の加熱装置により加熱しながら、当該シリコン単結晶基板の主表面上にシリコンエピタキシャル層を気相成長させるシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法であって、
前記第2サセプタとして、前記シリコン単結晶基板を載置する面が平坦なものを用い、
請求項1又は2に記載の出力調整方法により調整された前記出力で、前記シリコン単結晶基板と前記第2サセプタとを加熱しながら、当該シリコン単結晶基板の主表面上にシリコンエピタキシャル層を気相成長させることを特徴とするシリコンエピタキシャルウェーハの製造方法。 - シリコン単結晶基板を載置する載置面を有する、シリコンエピタキシャルウェーハ製造用のサセプタであって、
前記載置面には、複数の凸部又は凹部が設けられていることを特徴とするサセプタ。 - 前記載置面には、前記凸部又は前記凹部が等間隔に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のサセプタ。
- 前記載置面には、前記凸部又は前記凹部が同心円状に設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載のサセプタ。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007203049A JP2009038294A (ja) | 2007-08-03 | 2007-08-03 | 出力調整方法、シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法、及びサセプタ |
PCT/JP2008/063657 WO2009020023A1 (ja) | 2007-08-03 | 2008-07-30 | 出力調整方法、シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法、及びサセプタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007203049A JP2009038294A (ja) | 2007-08-03 | 2007-08-03 | 出力調整方法、シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法、及びサセプタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009038294A true JP2009038294A (ja) | 2009-02-19 |
Family
ID=40341257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007203049A Pending JP2009038294A (ja) | 2007-08-03 | 2007-08-03 | 出力調整方法、シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法、及びサセプタ |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009038294A (ja) |
WO (1) | WO2009020023A1 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010098170A (ja) * | 2008-10-17 | 2010-04-30 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | エピタキシャルウェーハ製造装置及びエピタキシャルウェーハの製造方法 |
JP2012028455A (ja) * | 2010-07-21 | 2012-02-09 | Amaya Corp | 基板載置トレイ |
KR20140079100A (ko) * | 2012-12-18 | 2014-06-26 | 주식회사 엘지실트론 | 에피택셜 웨이퍼 제조장치 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10688485B2 (en) * | 2017-07-18 | 2020-06-23 | Ias, Inc | Substrate analysis nozzle and method for analyzing substrate |
EP3951027A4 (en) * | 2019-03-29 | 2022-12-28 | Kwansei Gakuin Educational Foundation | SUBSTRATE PREPARATION DEVICE FOR LARGE DIAMETER SEMICONDUCTOR SUBSTRATES |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001126995A (ja) * | 1999-10-29 | 2001-05-11 | Applied Materials Inc | 半導体製造装置 |
JP2004200436A (ja) * | 2002-12-19 | 2004-07-15 | Toshiba Ceramics Co Ltd | サセプタ及びその製造方法 |
-
2007
- 2007-08-03 JP JP2007203049A patent/JP2009038294A/ja active Pending
-
2008
- 2008-07-30 WO PCT/JP2008/063657 patent/WO2009020023A1/ja active Application Filing
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001126995A (ja) * | 1999-10-29 | 2001-05-11 | Applied Materials Inc | 半導体製造装置 |
JP2004200436A (ja) * | 2002-12-19 | 2004-07-15 | Toshiba Ceramics Co Ltd | サセプタ及びその製造方法 |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010098170A (ja) * | 2008-10-17 | 2010-04-30 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | エピタキシャルウェーハ製造装置及びエピタキシャルウェーハの製造方法 |
JP2012028455A (ja) * | 2010-07-21 | 2012-02-09 | Amaya Corp | 基板載置トレイ |
KR20140079100A (ko) * | 2012-12-18 | 2014-06-26 | 주식회사 엘지실트론 | 에피택셜 웨이퍼 제조장치 |
KR102011146B1 (ko) * | 2012-12-18 | 2019-08-14 | 에스케이실트론 주식회사 | 에피택셜 웨이퍼 제조장치 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2009020023A1 (ja) | 2009-02-12 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5158093B2 (ja) | 気相成長用サセプタおよび気相成長装置 | |
KR101608947B1 (ko) | 기상 성장용 반도체 기판 지지 서스셉터, 에피택셜 웨이퍼의 제조장치 및 에피택셜 웨이퍼의 제조방법 | |
JP4868522B2 (ja) | エピタキシャルウェーハの製造方法及び製造装置 | |
JP2015516685A (ja) | リアクタ装置内においてウェハを支持するためのサセプタセンブリ | |
KR20060060735A (ko) | 실리콘 에피택셜 웨이퍼의 제조방법 및 실리콘 에피택셜웨이퍼 | |
JP2015516685A5 (ja) | ||
KR20070019689A (ko) | 기상 성장 장치 | |
CN111996591B (zh) | 一种用于硅片的外延生长的基座、装置及方法 | |
CN110998787B (zh) | 由单晶硅构成的外延涂覆的半导体晶片及其制造方法 | |
JP2009038294A (ja) | 出力調整方法、シリコンエピタキシャルウェーハの製造方法、及びサセプタ | |
US8038793B2 (en) | Epitaxial growth method | |
TW202230491A (zh) | 用於半導體晶圓反應器中的預熱環之系統及方法 | |
JP2007273623A (ja) | エピタキシャルウェーハの製造方法及び製造装置 | |
JP3004846B2 (ja) | 気相成長装置用サセプタ | |
JP5098873B2 (ja) | 気相成長装置用のサセプタ及び気相成長装置 | |
JP5920156B2 (ja) | エピタキシャルウェーハの製造方法 | |
WO2019044392A1 (ja) | 気相成長方法 | |
JP5161748B2 (ja) | 気相成長用サセプタ及び気相成長装置並びにエピタキシャルウェーハの製造方法 | |
JP2007273660A (ja) | 気相成長装置 | |
JP4978608B2 (ja) | エピタキシャルウエーハの製造方法 | |
CN116555904A (zh) | 一种用于硅片外延生长的基座以及装置 | |
JPH097953A (ja) | 単結晶薄膜の製造方法 | |
JP2011171637A (ja) | エピタキシャルウェーハ製造方法及びサセプタ | |
KR20110087440A (ko) | 반도체 제조용 서셉터 및 이를 포함하는 반도체 제조 장치 | |
JP6587354B2 (ja) | サセプタ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20090710 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20120515 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120717 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20120925 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |