JP3004846B2 - 気相成長装置用サセプタ - Google Patents
気相成長装置用サセプタInfo
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Description
る気相成長装置用サセプタに関する。
ャル装置やCVD装置等の気相成長装置は、試料基板の
表面の高品質化の要求に伴い、気相成長において試料基
板全体の温度を均一にすることが要求される。
試料基板12は、サセプタ10に載置された状態で高周
波誘導加熱方式により加熱されたサセプタ10から熱を
受ける。
合、試料基板12の軸(厚み)方向の温度勾配及びその
自重により試料基板12に反りが生じ、試料基板12の
径方向の受熱が不均一になるという問題がある。従来
は、この問題を解決するために、図6に示すように、サ
セプタ10の上に座ぐり部11を加工して設けている。
座ぐり部11の底面14を平面ではなく凹面(球面)に
加工し、反りが生じた時に試料基板12をサセプタ10
に面的に接触させようとしている。
加熱された支持台からの伝導熱および輻射熱により被気
相成長基板を加熱する縦型気相成長装置において、支持
台上に設置する基板載置用の座ぐり部を、座ぐり部に同
心する一つの円形稜線を設け、その稜線の内側と外側に
半径方向の断面が円弧上にくぼんだ凹面底の内側空所と
外側空所を形成し、上記円形稜線にて基板を支持するよ
うに構成した気相成長装置用支持台が記載されている。
さらに、基板を支持する円形稜線が基板半径Rの0.6
〜0.9倍の位置に設けられ、基板を支持する円形稜線
により形成された内側空所の凹面底の基板支持面からの
深さが25〜150μmであり、基板を支持する円形稜
線により形成された外側空所の凹面底の基板支持面から
の深さが30〜70μmであることが記載されている。
このように構成された気相成長装置用支持台によって被
気相成長基板の裏面周辺へのシリコンの堆積を排除し、
かつスリップの発生を低減できることが記載されてい
る。
よび図6に示すサセプタ10においては、実際には試料
基板12の平坦度及び座ぐり底面23の加工精度のばら
つきにより、試料基板12は必ずしも座ぐり底面23に
密着(面的に接触)しない。図7の(a)および(b)
はそれぞれ試料基板12とサセプタ10の座ぐり部が密
着しない場合の模式図と、その試料基板の温度の径方向
の分布のグラフを示している。試料基板12と座ぐり底
面23は部分的に接触するのみで、他の接触しない部分
ではそれらの間にギャップが生じる。ギャップ内のガス
による熱伝導と接触による熱伝導の熱伝達特性の差によ
り、思料基板面上の温度は不均一分布となる。試料基板
の面内の温度差による熱応力は試料基板の降伏挙動をも
たらす原因となる。且つ、試料基板面内の不均一な温度
分布は気相成長によって堆積した薄膜の品質にも悪影響
を与える。
に記載された気相成長装置用支持台は、半導体ウエハの
加熱処理工程(例えばエピタキシャル工程)におけるウ
エハの変形(たわみ、ソリ)を極力少なくすること、さ
らに、ウエハの均熱性をより向上させるといった技術課
題に対し、充分なものではない。
し、均一に加熱することができる気相成長装置用サセプ
タを提供することを目的とする。
めに、本発明は、半導体ウエハの平面部を支持する円形
座ぐり部を有する気相成長装置用サセプタにおいて、前
記円形座ぐり部に同心する一つの円環状凸部を有し、前
記円環状凸部の中心線が、前記座ぐり部半径の65〜7
5%の範囲に位置し、かつ前記円環状凸部の内側及び外
側に断面凹状部が形成され、前記外側凹状部の深さδ1
が内側凹状部の深さδ2 の1.2〜2.0倍である事を
特徴とする気相成長装置用サセプタを要旨とする。
いて、図1および図2を参照して説明する。
ぐり部21が、円周に沿って設けられている。座ぐり部
21には、それぞれ円環状凸部30、内側凹状部33お
よび外側凹状部34がに設けられている。試料基板22
を座ぐり部21の円環状凸部30に載せ、従来と同様に
して気相成長を行なう。本発明は、図1に示す座ぐり部
21のレイアウト(配置)及び数に限定されるものでは
なく、例えば、試料基板の径に応じてそれらの設定を変
更してもよい。試料基板は、例えば半導体ウエハであ
る。
て、試料基板22と接触していない。円環状凸部30
は、接触面を有しており、その接触面において試料基板
22と接触している。円環状凸部30は、座ぐり部21
の底面から突起した形状であり、座ぐり部21と同心の
リング形状である。円環状凸部30の中心線は座ぐり部
21の半径の65〜75%の範囲に位置する。円環状凸
部30の中心線とは、円環状凸部30と半導体ウエハと
の接触面の半径方向の幅の中心線である。また円環状凸
部30の半径方向の幅は、半導体ウエハの直径の1%〜
10%好ましくは1%〜3%とする。1%未満とすると
円環状凸部30と半導体ウエハの接触が実質線接触とな
り、熱応力の集中でスリップ発生が顕著となる。また、
製造も困難である。10%を超えると、円環状凸部30
と半導体ウエハの接触が広い面接触となり半導体ウエハ
への熱伝導が不均一となる。
側壁は、それぞれ試料基板22に対して垂直である。し
かしながら、本発明は、これに限定されるものではな
く、円環状凸部30と試料基板22の接触面積が小さく
なるように、円環状凸部30の両側壁を斜めにしてもよ
い。
に形成されており、円形の凹部である。外側凹状部34
は、円環状凸部30の外側に形成されており、円環形の
凹部である。
料基板22を均一に加熱するように、試料基板22と座
ぐり部21の内側凹状部33との間にギャップ31(間
隙)が形成されている。このギャップ31によって、試
料基板22と内側凹状部33との接触を防止する。サセ
プタ20の表面はSiC(炭化珪素)で被覆されるの
で、それによって内側凹状部33に寸法上の公差がつ
く。したがって、前述のギャップ31を確実に形成する
ために、内側凹状部33の深さδ2 (内側凹状部33の
底部と試料基板22との距離)を、内側凹状部33の寸
法公差よりも大きな値に設定する必要がある。しかしな
がら、この深さδ2 が大き過ぎると、試料基板22を加
熱する効率が下がるという問題が生じる。さらに、円環
状凸部30の近傍における試料基板22の受熱と、試料
基板22のその他の部分の受熱との差が大きくなり、そ
れらの間のバランスを取ることが難しくなるという問題
も生じる。したがって、深さδ2 を、内側凹状部33の
寸法公差の分だけ大きな値に設定することが好ましい。
側凹状部33から試料基板22への熱伝導が行われてい
る。この熱伝導を良好に行うために、内側凹状部33の
深さδ2 を全面にわたって均一にすることが好ましい。
度が、互いにほぼ一致するように、座ぐり部21に外側
凹状部32が設けられている。外側凹状部32は、円環
状凸部30の外側に沿って形成されており、円環形状で
ある。外側凹状部32の半径方向の断面形状は、矩形で
ある。この外側凹状部32によって、前述のギャップ3
1による効果と同様の効果を得ることができる。外側凹
状部32の両側面から試料基板22への放射熱の影響を
考慮して、外側凹状部32の深さδ1 (外側凹状部32
の底部と試料基板22との距離)を、内側凹状部33の
深さδ2 の1.2倍〜2.0倍に設定する。それによっ
て、外側凹状部32内のガスによる熱伝導を弱める。
第2実施例 本発明の第2実施例による気相成長装置用サセプタにつ
いて次に説明する。
ぐり部の直径を205mmとし、外側凹状部の深さδ1
を800μmとし、内側凹状部の深さδ2 を500μm
としたサセプタを3個作成した。それらのサセプタの円
環状凸部の中心線の半径を互いに相違させ、それぞれ6
7mm(座ぐり部半径の65%),72mm(座ぐり部
半径の70%)、77mm(座ぐり部半径の75%)と
した。この円環状凸部の半径方向の幅は4mmとした。
タキシャル工程を行って直径8インチ(inch)のシ
リコンウエハ上に50μmの厚さのシリコン(Si)の
エピタキシャル膜を形成した。このエピタキシャル工程
を含む一連の工程について次に詳しく説明する。
し、それらを35℃/minの昇温速度で1150℃に
加熱した。次にエピタキシャル工程前のガスパージとし
て、水素(H2 )ガスによってシリコンウエハを5分間
パージした。
わち、シリコンウエハを1150℃に加熱した状態で、
シリコンウエハにトリクロロシラン(SiHCl3 )ガ
スおよび水素(H2 )ガスをそれぞれ25g/minお
よび200l/minの割合で供給して、シリコンウエ
ハ上にシリコンのエピタキシャル膜を形成した。
として水素ガスによってシリコンウエハを3分間パージ
した。その後、300℃/minの降温速度でシリコン
ウエハを冷却した。
タキシャル膜を光学顕微鏡で観察して、エピタキシャル
膜に発生したスリップ長さを測定した(n=20)。ス
リップ長さが200μm以上であった場合を不良と判定
して、不良率を求めた。その結果を表1に示す。
いて次に説明する。
ぐり部の直径を205mmとし、円環状凸部の中心線の
半径を72mmとし、円環状凸部の半径方向の幅を5m
mとし、内側凹状部の深さδ2 を500μmとしたサセ
プタを3個作成した。それらのサセプタの外側凹状部の
深さδ1 を、互いに相違させ、それぞれ600μm、8
0μm、1000μmとした。
心および外周部に熱電対を埋め込み、シリコンウエハを
それぞれサセプタに載置した。それらを35℃/min
の昇温速度で1150℃に加熱した後、その温度を10
分間保持した。そして熱電対によってシリコンウエハの
外周部の温度T1 および中心部の温度T2 を測定し、こ
れらの差(T1 −T2 )を求めた。その結果を表2に示
す。
mとした2個のサセプタを作成した。そのほかの構成を
前述の第2実施例と同様にしてエピタキシャル工程を行
い、不良率を求めた。その結果を前述の表1に示す。
うに、円環状凸部の中心線の半径が座ぐり部の半径の6
5〜75%の範囲内とすることにより、シリコンウエハ
のスリップ発生が、顕著に抑制されることがわかった。
μmとした2個のサセプタを作成した。その他の構成を
前述の第3実施例と同様にしてシリコンウエハの外周部
の温度T1 と中心部の温度T2 の差(T1 −T2 )を求
めた。
外側凹状部の深さδ1 が内側凹状部の深さδ2 の1.2
〜2.0倍とすることにより、シリコンウエハの加熱時
の均熱性が顕著に向上することがわかった。
置用サセプタについて説明する。
の内側凹状部33の形状を除いて、前述の第1実施例の
サセプタの構成と同様であり、同一符号のものは、互い
に対応している。
1の内側凹状部33を、試料基板22のたわみ曲面と同
一の形状の凹部に形成することが好ましい。
は近似的に球面であるから、座ぐり部21の内側凹状部
33を、球面形状の凹部にしてもよい。この場合、この
球面の半径Rは、次の式により決定される。
22のたわみ量である。
(例えば、十数μm)場合は、前述の第1実施例(図
2)と同様に、座ぐり部21の内側凹状部33の底部を
平面形状にすることができる。
置用サセプタについて説明する。
環状凸部に隣接する内側に、さらなる凹状部34が設け
られている。その他の構成については、前述の第1実施
例の構成と同様であり、同一符号のものは、互いに対応
している。
0の内側に沿ってリング形状に形成されている。 この
さらなる凹状部34によって、円環状凸部30の近傍に
おける熱伝導を減らして、円環状凸部30の近傍の試料
基板22の受熱と、試料基板22の他の部分の受熱のバ
ランスを取っている。
状部33の深さδ2 の1.2倍〜2.0倍であり、かつ
外側凹状部32の深さδ1 と同じかまたはそれ以下であ
ることが好ましい。さらなる凹状部34の半径方向の幅
は、円環状凸部の半径方向の幅と同程度が好ましい。
施例に限定されるものではない。例えば、円環状凸部の
半径方向の断面形状は、前述の形状に限らず、その他の
形状にしてもよい。
半径方向の断面形状は、矩形でなくてもよい。例えば曲
線で構成した形状でもよい。
を採用してサセプタを製造し、そのサセプタの座ぐり部
を加工することによって、本発明によるサセプタを製造
することができる。
凸部の中心線が座ぐり部の半径の65〜75%の範囲に
位置するので、半導体ウエハにスリップ現象が発生する
ことを防止できる。
深さの1.2〜2.0倍であるので半導体ウエハに対す
る円環状凸部による輻射や接触伝熱などの影響を抑制す
ることができる。したがって、外側凹状態部および内側
凹状態部の中のガスを介した熱伝導によって半導体ウエ
ハを均一に加熱することができる。
図。
断面図。
図。
図。
的な断面図。
状態を説明するための模式図と、その状態における試料
基板の温度分布を示すグラフ。
Claims (2)
- 【請求項1】 半導体ウエハの平面部を支持する円形座
ぐり部を有する気相成長装置用サセプタにおいて、前記
円形座ぐり部に同心する一つの円環状凸部を有し、前記
円環状凸部の中心線が、前記座ぐり部半径の65〜75
%の範囲に位置し、かつ前記円環状凸部の内側及び外側
に断面凹状部が形成され、前記外側凹状部の深さδ1 が
内側凹状部の深さδ2 の1.2〜2.0倍である事を特
徴とする気相成長装置用サセプタ。 - 【請求項2】 前記円環状凸部に隣接する内側に前記内
側凹状部よりさらなる凹状部が形成され、このさらなる
凹状部の深さδ3 が前記外側凹状部の深さδ1 より同等
もしくは小さく、かつ前記内側凹状部の深さδ2 の1.
2〜2.0倍である事を特徴とする特許請求の範囲第1
項記載の気相成長装置用サセプタ。
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